図1及び図2を参照して、第一実施形態に係るパチンコ機1の機械的構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠10によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図3参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠10の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り8の左側を流下し、所定の強度以上で発射された遊技球は、センター飾り8の右側を流下する。以下、遊技球がセンター飾り8の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、遊技球がセンター飾り8の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
センター飾り8は、表示画面28及び第四電チュー19を主に備える。表示画面28は、センター飾り8の上部の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成されており、様々な数字・文字等を表示可能である。表示画面28は、第一報知演出及び第二報知演出を実行可能である。報知演出は、演出用の図柄である第一演出図柄(図示略)を変動させた後に、後述する第一普通当たり判定の結果を示す第一演出図柄の組合せを確定表示させることで、第一普通当たり判定の結果を遊技者に報知する演出である。第二報知演出は、演出用の図柄である第二演出図柄(図示略)を変動させた後に、後述する第四普通当たり判定の結果を示す第二演出図柄の組合せを確定表示させることで、第四普通当たり判定の結果を遊技者に報知する演出である。
第四電チュー19は、センター飾り8において表示画面28の右方に設けられる。第四電チュー19は、パチンコ機1の遊技領域4に設けられる普通電動役物(普通当たり判定の結果に基づき入賞口の大きさを変化する役物)として設けられる電動チューリップ(以下、「電チュー」という。)の一つである。第四電チュー19は、開閉部材191を備え、開閉部材191が開放された場合にのみ、遊技球は第四電チュー19に入賞できる。
センター飾り8の略中央下方には、第一図柄作動ゲート11が設けられている。第一図柄作動ゲート11の右斜め上方には、第四図柄作動ゲート13が設けられている。第一図柄作動ゲート11及び第四図柄作動ゲート13は、それぞれ遊技球が通過可能に構成されている。第四図柄作動ゲート13の右斜め上方には、第一電チュー16が設けられており、第一電チュー16の左斜め下方には、第二電チュー17が設けられており、第二電チュー17の左斜め下方には、第三電チュー18が設けられている。
第一電チュー16、第二電チュー17及び第三電チュー18のそれぞれは、第四電チュー19と同様に、開閉部材161,171,181をそれぞれ備える。第一電チュー16、第二電チュー17、及び第三電チュー18のそれぞれの開閉部材161,171,181が開放された場合にのみ、遊技球は第一電チュー16、第二電チュー17、及び第三電チュー18に入賞できる。以下、第一電チュー16、第二電チュー17、第三電チュー18、及び第四電チュー19を総称する場合、単に、電チューという。電チューの各開閉部材161,171,181,191は、ソレノイドによって開閉される。電チューは、それぞれの開閉部材161,171,181,191が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材161,171,181,191が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
遊技領域4には、上記以外に、アウト口20(図2参照)、各種の電飾部材、入賞口、風車(図示略)及び遊技くぎ(図示略)等が設けられている。アウト口20は、遊技盤2の下部に設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、電チュー及びその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口20を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
なお、遊技領域4において、各遊技部材が上記のように配設されるため、左打ちされた遊技球は、右打ちされた遊技球よりも、第一図柄作動ゲート11を通過しやすい。また、右打ちされた遊技球は、左打ちされた遊技球よりも、第四図柄作動ゲート13、第一電チュー16、第二電チュー17、第三電チュー18、第四電チュー19を、通過又は入賞しやすい。左打ちされた遊技球が、第四図柄作動ゲート13、第一電チュー16、第二電チュー17、第三電チュー18、第四電チュー19を、通過又は入賞することは困難である。したがって、遊技者は、後述する大当たり遊技中に右打ちによって遊技を進め、それ以外の場合に左打ちによって遊技を進める。
遊技盤2の右下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一普通図柄表示部、第二普通図柄表示部、第三普通図柄表示部、第四普通図柄表示部、第一普通図柄記憶数表示LED、第二普通図柄記憶数表示LED、第三普通図柄記憶数表示LED、及び第四普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一〜第四普通図柄表示部は、それぞれ1〜複数個のLED又は7セグメントLEDからなり、第一〜第四普通当たり判定の結果を示す第一〜第四普通図柄を、LEDの点灯及び消灯によって表示する。第一〜第四普通図柄記憶数表示LEDは、第一〜第四普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(いわゆる「保留球数」)を表示する。以下では、第一〜第四普通図柄を総称する場合、単に普通図柄という。
図2を参照して、パチンコ機1の遊技例について説明する。パチンコ機1では、左打ちで遊技を開始して、遊技球が第一図柄作動ゲート11を通過すると、第一普通当たり判定が行われる。パチンコ機1では、第一普通当たり判定において当たりと判定される確率(以下、「第一普通当たり確率」という。)は、約1/60である。なお、第一普通当たりにおいて当たりと判定される確率は、約1/60に限られず、1/60以外の確率であってもよい。以下、第一普通当たり判定において当たりと判定されることを、「第一普通当たり」ともいう。本実施形態において、第一図柄作動ゲート11を通過した遊技球に対して、第一普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第一保留球数)は「4」である。第一普通当たり判定では、当たり及びはずれのいずれであるかが、第一当たり乱数に基づいて判定される。
第一普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第一普通図柄表示部に表示される第一普通図柄が変動を開始する。第一普通図柄の変動に同期して、表示画面28、スピーカ48等によって第一報知演出が行われる。第一普通当たり判定において当たりと判定されると、第一電チュー16が開放される第一普通当たり遊技が実行される。なお、第一電チュー16は、第一普通当たりを示す第一普通図柄が確定表示された後に開放される。開放された第一電チュー16に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。第一普通当たり遊技が実行されると、遊技者は、第一電チュー16に遊技球を入賞させるため、以降の遊技を右打ちによって進行する。一旦開放された第一電チュー16は、所定の開放時間(以下、「第一開放時間」という。)の経過、及び4個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。なお、第一普通当たり遊技が実行されている間には、第一普通図柄は変動しない。
第一電チュー16は、遊技球を獲得するための入賞口であるとともに、第二普通図柄の作動口でもある。したがって、第一電チュー16へ遊技球が入賞すると、第二普通当たり判定が行われる。本実施形態では、第二普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第二普通当たり確率」という。)は100%である。以下、第二普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第二普通当たり」ともいう。なお、第二普通当たり確率は、100%でなくてもよく、100%未満であってもよい。本実施形態において、第一電チュー16に入賞した遊技球に対して、第二普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第二保留球数)は「4」である。したがって、第一普通当たり遊技が1回行われることに応じて第二普通当たり判定は最大で4回行われ、第二普通当たり遊技も最大で4回行われる。なお、第二普通当たり遊技中には、第二普通図柄は変動しない。第二普通当たり判定では、第二普通当たり及びはずれのいずれであるかが、第二当たり乱数に基づいて判定される。第一電チュー16に4個の遊技球が入賞することによって記憶された4個の第二保留球のうち、1個目の第二保留球に対して、1回目の第二普通当たり判定が行われる。なお、第二普通当たり遊技中には、第二普通図柄は変動しない。第二普通当たり判定では、第二普通当たり及びはずれのいずれであるかが、第二当たり乱数に基づいて判定される。
第二普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第二普通図柄表示部に表示される第二普通図柄が変動を開始する。第二普通当たり判定によって第二普通当たりと判定されると、第二電チュー17の開閉部材171が開放される第二普通当たり遊技が実行される。なお、第二電チュー17は、第二普通当たりを示す第二普通図柄が確定表示された後に開放される。開放された第二電チュー17に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放された第二電チュー17は、所定の開放時間(以下、「第二開放時間」という。)の経過、及び4個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。
第二電チュー17は、遊技球を獲得するための入賞口であるとともに、第三普通図柄の作動口でもある。したがって、第二電チュー17へ遊技球が入賞すると、第三普通当たり判定が行われる。本実施形態では、第三普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第三普通当たり確率」という。)は100%である。以下、第三普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第三普通当たり」ともいう。なお、第三普通当たり確率は、100%でなくてもよく、100%未満であってもよい。本実施形態において、第二電チュー17に入賞した遊技球に対して、第三普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第三保留球数)は「4」である。したがって、第二普通当たり遊技が1回行われることに応じて第三普通当たり判定は最大で4回行われ、第三普通当たり遊技も最大で4回行われる。なお、第三普通当たり遊技中には、第三普通図柄は変動しない。第三普通当たり判定では、第三普通当たり及びはずれのいずれであるかが、第三当たり乱数に基づいて判定される。第二電チュー17に4個の遊技球が入賞することによって記憶された4個の第三保留球のうち、1個目の第三保留球に対して、1回目の第三普通当たり判定が行われる。
第三普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第三普通図柄表示部に表示される第三普通図柄が変動を開始する。第三普通当たり判定によって第三普通当たりと判定されると、第三電チュー18の開閉部材181が開放される第三普通当たり遊技が実行される。開放された第三電チュー18に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放された第三電チュー18は、所定の開放時間(以下、「第三開放時間」という。)の経過、及び7個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。以下、第三保留球数が「0」になるまで、第三普通図柄の変動と第三普通当たり遊技とが、最大4回繰り返して実行される。以下、第二電チュー17へ入賞した4個の遊技球のそれぞれに対して実行される最大4回の第三普通当たり遊技を合わせて、以下では、「一連の第三普通当たり遊技」という。第三電チュー18は、第三普通当たりを示す第三普通図柄が確定表示された後に開放される。
これらの、第一普通当たり遊技に伴う第一電チュー16の開放、第二普通当たり遊技に伴う第二電チュー17の開放、一連の第三普通当たり遊技に伴う第三電チュー18の複数回の開放によって、複数の電チューが連続的に開放する遊技を、「大当たり遊技」という。1回の大当たり遊技は、1回の第一普通当たり遊技と、1回の第一普通当たり遊技に対応して最大4回実行される第二普通当たり遊技と、最大4回実行される第二普通当たり遊技のそれぞれに対応して実行される一連の第三普通当たり遊技とを含む。左打ちで遊技を開始した場合に、第一普通当たり判定によって第一普通当たりであると判定されたことを契機として開始される大当たり遊技を、以下では、「初当たり遊技」ともいう。
大当たり遊技が行われている間に右打ちされた遊技球が、第四図柄作動ゲート13を通過することがある。第四図柄作動ゲート13は、第四普通図柄の作動ゲートである。第四図柄作動ゲート13を遊技球が通過すると、第四普通当たり判定が行われる。本実施形態では、第四普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第四普通当たり確率」という。)は、第一普通当たり確率と同様に約1/60である。以下、第四普通当たり判定によって当たりと判定されることを、「第四普通当たり」ともいう。本実施形態において、第四図柄作動ゲート13を通過した遊技球に対して、第四普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第四保留球数)は「4」である。第四普通当たり判定では、当たり及びはずれのいずれであるかが、第四当たり乱数に基づいて判定される。第四普通当たり確率は、1/60以外の確率であってもよい。第四普通当たり確率は、第一普通当たり確率と同じであっても異なってもよい。なお、パチンコ機1は、第一〜第三普通図柄の変動中であっても、第四普通当たり判定を実行できる。
第四普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第四普通図柄表示部に表示される第四普通図柄が変動を開始する。第四普通図柄の変動に同期して、表示画面28、スピーカ48等によって第二報知演出が行われる。第四普通当たり判定において当たりと判定されると、第四電チュー19が開放される第四普通当たり遊技が実行される。なお、第四電チュー19は、第四普通当たりを示す第四普通図柄が確定表示された後に開放される。開放された第四電チュー19に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。第四普通当たり遊技が実行されると、遊技者は、第四電チュー19に遊技球を入賞させるため、以降の遊技を、引き続き右打ちによって進行する。一旦開放された第四電チュー19は、所定の開放時間(以下、「第四開放時間」という。)の経過、及び4個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。なお、第四普通当たり遊技が実行されている間には、第四普通図柄は変動しない。
第四電チュー19は、遊技球を獲得するための入賞口であるとともに、第二普通図柄の作動口でもある。したがって、第四電チュー19へ遊技球が入賞すると、第二普通当たり判定が第二普通当たり確率で行われ、第二普通当たりであると判定されると、第二普通当たり遊技が行われる。第二普通当たり遊技において開放され第二電チュー17に遊技球が入賞することを契機として第三普通当たり判定が第三普通当たり確率で行われ、第三普通当たりであると判定されると、第三普通当たり遊技が行われる。このように、大当たり遊技中に右打ちされた遊技球が第四図柄作動ゲート13を通過することを契機として、第四電チュー19の開放、第二電チュー17の開放、一連の第三普通当たり遊技に伴う第三電チュー18の複数回の開放が行われうる。すなわち、大当たり遊技中に右打ちされた遊技球が第四図柄作動ゲート13を通過することを契機としても、大当たり遊技が行われうる。このように、大当たり遊技中に右打ちされた遊技球が第四図柄作動ゲート13を通過することを契機として行われる大当たり遊技を、以下では、初当たり遊技に対して、「連荘当たり遊技」という。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47及び電源基板42を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一図柄作動ゲートスイッチ61及び第四図柄作動ゲートスイッチ62に接続している。出力ポート55は、遊技場管理用コンピュータ(図示略)にパチンコ機1の情報を出力する。第一図柄作動ゲートスイッチ61は、第一図柄作動ゲート11に設けられており、第一図柄作動ゲート11を通過した遊技球を検出する。第四図柄作動ゲートスイッチ62は、第四図柄作動ゲート13に設けられており、第四図柄作動ゲート13を通過した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582及びROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9及びスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、電飾基板31に接続している。電飾基板31は、例えばLEDを搭載しており、前述の各種の電飾部材の内部に設けられている。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、電飾基板31の発光動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として賞球払出装置49に払い出させる。
中継基板47は、第一電チューソレノイド64、第二電チューソレノイド65、第三電チューソレノイド66、第四電チューソレノイド67、第一電チュースイッチ71、第二電チュースイッチ72、第三電チュースイッチ73、第四電チュースイッチ74及び図柄表示部24に接続している。
第一電チューソレノイド64は、第一普通当たり遊技中に第一電チュー16の開閉部材161を開閉する。第二電チューソレノイド65は、第二普通当たり遊技中に第二電チュー17の開閉部材171を開閉する。第三電チューソレノイド66は、第三普通当たり遊技中に第三電チュー18の開閉部材181を開閉する。第四電チューソレノイド67は、第四普通当たり遊技中に第四電チュー19の開閉部材191を開閉する。第一電チュースイッチ71は、第一電チュー16に設けられており、第一電チュー16に入賞した遊技球を検出する。第二電チュースイッチ72は、第二電チュー17に設けられており、第二電チュー17に入賞した遊技球を検出する。第三電チュースイッチ73は、第三電チュー18に設けられており、第三電チュー18に入賞した遊技球を検出する。第四電チュースイッチ74は、第四電チュー19に設けられており、第四電チュー19に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図4を参照して、RAM52の第一普通当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第一普通当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の第一普通図柄処理(図8参照)において使用される。第一普通当たり関係情報記憶エリアには、複数の記憶エリアが設けられている。本実施形態では、第一普通当たり関係情報記憶エリアに、最大第一保留球数に対応する4つの記憶エリアが設けられている。遊技球が第一図柄作動ゲート11を通過した際に、保留球数のうち第一図柄作動ゲート11への遊技球の通過による第一保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。
第一保留球数とは、第一図柄作動ゲート11を通過した遊技球に対応する乱数のうち、第一普通当たり判定の実行が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号が小さい記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について第一普通当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理が終了すると、次に番号が小さい記憶エリアが判定エリアとされて、第一普通当たり判定等の処理が繰り返される。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理とは、例えば、第一普通当たり判定の判定結果を報知する報知演出、及び、判定結果が第一普通当たりの場合に実行される第一普通当たり遊技に関する処理である。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去される。第一普通当たり乱数とともに取得されて第一普通当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、第一乱数ともいう。
各記憶エリアには、第一普通当たり判定カウンタの値が記憶される第一当たり乱数欄、第一普通図柄決定カウンタの当たりが記憶される第一図柄決定乱数欄、及び第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。遊技球が第一図柄作動ゲート11を通過すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一当たり乱数は、第一普通当たり判定のために用いられる。第一図柄決定乱数は第一普通図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一普通図柄表示部に表示される第一普通図柄の変動時間を示す第一変動パターンを決定するために用いられる。
パチンコ機1において、第一普通図柄の変動時間は、第一普通当たり判定の結果を遊技者に報知する第一報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主基板41で決定された第一変動パターンに従って第一報知演出を制御する。具体的には、主基板41は、第一変動パターンに従って、第一普通図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一普通図柄の変動開始に同期して、演出図柄の変動表示を開始する。主基板41は、変動を開始した第一普通図柄の変動時間が終了すると、変動させていた第一普通図柄を、所定の時間(本実施形態では、0.8秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、第一普通図柄の確定表示に同期して、演出図柄を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、表示画面28における演出図柄の表示による他、スピーカ48等によっても、第一変動パターンと同期した第一報知演出を実行する。
なお、RAM52には、第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア及び第四普通当たり関係情報エリアが設けられている。第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア及び第四普通当たり関係情報エリアも、第一普通当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。本実施形態では、第二普通図柄の変動時間及び第三普通図柄第四普通図柄の変動時間は、それぞれ一定の時間(2.0秒間)に定められている。このような場合には、第二普通当たり関係情報記憶エリア及び第三普通当たり関係情報記憶エリアに、第二変動パターン決定乱数欄及び第三変動パターン決定乱数欄が設けられなくてもよい。第二普通当たり乱数、第三普通当たり乱数、第四普通当たり乱数とともに取得されて第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア、第四普通当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、それぞれ第二乱数、第三乱数、第四乱数ともいう。第一〜第四普通当たり関係情報エリアに記憶されている第一〜第四乱数のうち、後述する判定エリア以外のエリアに記憶されている第一〜第四乱数が、第一〜第四保留球に相当する。以下の説明では、第一当たり乱数、第二当たり乱数、第三当たり乱数及び第四当たり乱数を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、単に、当たり乱数ともいう。
図5を参照して、ROM53に記憶されている第一変動パターン決定テーブルについて説明する。第一変動パターン決定テーブルは、第一普通当たり判定による判定結果(第一普通当たり又ははずれ)に応じて、複数のテーブルを設けている。それぞれのテーブルには、第一変動パターン毎に第一変動パターン決定乱数の値(0〜511)、及び第一普通図柄の変動時間(報知演出の変動時間)が対応付けられている。第一普通当たり判定が行われると、判定結果に応じたテーブルが参照され、第一当たり乱数とともに取得されている第一変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。
第一普通当たり判定による判定結果が第一普通当たりである場合には、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。一方、第一普通当たり判定による判定結果がはずれである場合には、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、第一普通当たり判定による判定結果が第一普通当たりとなる期待値は、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に高くなる。なお、リーチ演出とは、演出図柄が所定のリーチ状態を構成した後に、判定結果が第一普通当たりである可能性のあることを示す演出を実行する第一報知演出である。本実施形態において、「非リーチ」の第一変動パターンは、リーチ状態に至ることなく、演出図柄がはずれの判定結果を示す組合せで確定表示されて演出が終了する報知演出に対応している。本実施形態では、「非リーチ」の変動パターンは、第一普通当たり判定による判定結果がはずれである場合にのみ決定される。
主基板41は、決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを生成し、生成された変動パターン指定コマンドをサブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28及びスピーカ48等を制御することで、第一報知演出を実行する。なお、第一報知演出に、演出図柄が用いられなくてもよい。また、主基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一普通図柄を変動させる。
図6を参照して、ROM53に記憶されている第四変動パターン決定テーブルについて説明する。第四変動パターン決定テーブルは、第四普通当たり判定による判定結果(第四普通当たり又ははずれ)に応じて、複数のテーブルを設けている。それぞれのテーブルには、第四変動パターン毎に第四変動パターン決定乱数の値(0〜99)、及び第四普通図柄の変動時間(報知演出の変動時間)が対応付けられている。第一普通当たり判定が行われると、判定結果に応じたテーブルが参照され、第四当たり乱数とともに取得されている第四変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。
第四普通当たり判定による判定結果が第四普通当たりの場合には、「当たりショート変動」及び「当たりロング変動」のうちいずれかの変動パターンが決定される。「当たりショート変動」の変動時間は6秒間であり、「当たり長変動」の変動時間は44秒間である。第四普通当たり判定の結果がはずれの場合には、「はずれ変動」の変動パターンが決定される。「はずれ変動」の変動時間は6秒である。
主基板41は、決定された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28及びスピーカ48等を制御することで、第二報知演出を実行する。また、主基板41は、決定した変動パターンに応じて定められている変動時間だけ、第四普通図柄を変動させる。
パチンコ機1では、いずれかの電チューが開放されている間には、第一〜第四当たり遊技の重複を避けるため等の理由で、第一〜第四普通図柄の変動時間の計測が行われない。変動時間の計測が中断される期間における第一〜第四普通図柄は、予め定められた変動時間の計測を中断した上で、変動が停止せず継続される。このため、第一〜第四普通図柄の変動中にいずれかの電チューが開放される場合には、予め定められている変動時間に、計測が中断される期間が加わった時間だけ、第一〜第四普通図柄の変動が継続される。したがって、複数の電チューが連続的に開放する大当たり遊技中における第一〜第四普通図柄の実質的な変動時間は、各普通図柄に予め定められている変動時間よりも長くなることがある。
従来の一般電役タイプの遊技機では、複数の電チューを設計者が意図する順序で連動させるため、特に、第二〜第四普通図柄の変動時間を、電チューの連動態様に応じた時間に設計する必要がある。例えば、従来の遊技機は、第二普通図柄の変動時間を、一連の第三普通当たり遊技の実行にかかる時間と同程度の長さの時間になるように設計している。これにより、一連の第三普通当たり遊技が実行される間に第二普通図柄が次の変動を行い、一連の第三普通当たり遊技が終了する頃に、第二普通図柄の変動が終了して第二普通当たり遊技が行われるようにされている。すなわち、大当たり遊技中に、第二普通当たり遊技と一連の第三普通当たり遊技とが交互に行われるようにするため、第二普通図柄の変動時間が、一連の第三普通当たり遊技の実行にかかる時間と同程度の時間になるように設計されている。電チューの開放時間が長くなるほど、遊技球が電チューへ入賞しやすくなるので、遊技機の出玉設計等の観点から、電チューの開放時間は慎重に設計される。また、複数の電チューが開放する大当たり遊技中に変動する普通図柄の変動時間の設計は、上記した変動時間の計測が中断される期間も勘案して行う必要がある。このため、大当たり遊技中における普通図柄の変動時間の設計は繁雑になりがちである。
また、普通図柄の変動時間が上記のように設計されている場合において、遊技者が大当たり遊技中の遊技球の発射を中断する等、何らかの理由で、一の電チューの開放契機となるゲート又は普通図柄作動口に遊技球が通過又は入賞しないことがある。上記の例において、第二普通当たり遊技において開放された第二電チュー17に遊技球が入賞しなかった場合、第二普通当たりの終了後に第二普通図柄が変動する間に第三普通当たり遊技が行われない。この場合、第二普通図柄の変動が終了するまでの間にいずれの電チューも開放されない期間が大当たり遊技中に生ずることとなり、大当たり遊技が間延びした印象を遊技者に与えがちである。また、遊技仕様によっては、第二普通当たり確率及び第三普通当たり確率のうち少なくともいずれかが100%未満であり、第二普通当たり判定及び第三普通当たり判定においてはずれと判定されることもある。例えば、第二普通当たり確率が100%未満の場合、第二普通当たり判定においてはずれと判定されることがあり、このときには、第二普通図柄の変動終了後に第二普通当たり遊技が行われず、一連の第三普通当たり遊技も行われない。このとき、はずれ変動の次に変動する第二普通図柄が、第二電チュー17及び第三電チュー18が開放しないにもかかわらず、第二電チュー17及び第三電チュー18の開放時間が勘案された変動時間で変動するため、大当たり遊技が間延びする可能性がある。
パチンコ機1は、複数の普通図柄の少なくとも一部に、他の普通図柄に対して優先的に変動するか否かを示す変動優先順位を定める。このため、大当たり遊技において、変動優先順位に応じた順に普通当たり判定が行われるので、変動優先順に応じた順序で複数の電チューが順に作動しうる。また、パチンコ機1は、変動優先順位を定めた普通図柄については、電チューの開放時間等を勘案した変動時間を設計することなく、設計者の意図する順序で電チューを連動させることができる。したがって、パチンコ機1は、普通図柄の変動時間を電チューの開放時間等を勘案した時間よりも短い時間に設計できる。このため、例えば、普通図柄の作動口として機能する電チューに遊技球が入賞しなかった場合や、電チューへの入賞を契機とした普通当たり判定においてはずれと判定された場合にも、大当たり遊技の間延びが生じにくい。
図7から図15を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図18参照)は、割込信号発生回路57(図13参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が検知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
図7に示すように、メイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、第一図柄作動ゲート11、第四図柄作動ゲート13、第一電チュー16、第二電チュー17、第三電チュー18、第四電チュー19に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。各スイッチが遊技球の通過を検出すると、各スイッチに対応するフラグが「ON」となる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、第一〜第四普通図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである第一〜第四普通図柄変動時間カウンタの値が減算される。
次いで、第一普通電動役物処理が行われる(S13)。詳細は後述するが、第一普通電動役物処理では、第一普通当たりを示す第一普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第一普通当たり遊技の動作(主に第一電チュー16の開閉部材161の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図9参照)。
次いで、第一普通図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、第一普通図柄処理では、第一普通当たり判定、第一変動パターンの決定等の処理が行われる(図8参照)。
次いで、第四普通電動役物処理が行われる(S15)。詳細は後述するが、第四普通電動役物処理では、第四普通当たりを示す第四普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第四普通当たり遊技の動作(主に第四電チュー19の開閉部材191の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図11参照)。
次いで、第四普通図柄処理が行われる(S16)。詳細は後述するが、第四普通図柄処理では、第四普通当たり判定等の処理が行われる(図10参照)。
次いで、第二普通電動役物処理が行われる(S17)。詳細は後述するが、第二普通電動役物処理では、第二普通当たりを示す第二普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第二普通当たり遊技の動作(主に第二電チュー17の開閉部材171の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図13参照)。
次いで、第二普通図柄処理が行われる(S18)。詳細は後述するが、第二普通図柄処理では、第二普通当たり判定等の処理が行われる(図12参照)。
次いで、第三普通電動役物処理が行われる(S19)。詳細は後述するが、第三普通電動役物処理では、第三普通当たりを示す第三普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第三普通当たり遊技の動作(主に第三電チュー18の開閉部材181の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図15参照)。
次いで、第三普通図柄処理が行われる(S20)。詳細は後述するが、第三普通図柄処理では、第三普通当たり判定等の処理が行われる(図14参照)。
次いで、払出処理(S21)、エラーチェック(S22)、及び情報出力処理(S23)が行われる。払出処理では、スイッチ読込処理によって各スイッチに対応するフラグが「ON」とされた場合に、各スイッチに対応する入賞口へ遊技球が入賞したことを示すコマンドが、払出制御基板45に送信される。このコマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、コマンドに対応する入賞口について予め定められている単位賞球数の賞球を、入賞口への入賞球数に応じて賞球払出装置49に払い出させる。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28及びスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。
メイン処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には大当たり遊技状態フラグ、第一普通当たり遊技中フラグ、第二普通当たり遊技中フラグ、第三普通当たり遊技中フラグ、第四普通当たり遊技中フラグ、第一変動フラグ、第二変動フラグ、第三変動フラグ、第四変動フラグ、第一開放フラグ、第二開放フラグ、第三開放フラグ、第四開放フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。第一普通当たり遊技中フラグは、第一普通当たり判定において第一普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」となり、第一普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」となる。第二普通当たり遊技中フラグは、第二普通当たり判定において第二普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」となり、第二普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」となる。第三普通当たり遊技中フラグは、第三普通当たり判定において第三普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」となり、第三普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」となる。第四普通当たり遊技中フラグは、第四普通当たり判定において第四普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」となり、第四普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」となる。
第一変動フラグは、第一普通図柄が変動している場合(変動中)に「1」が記憶されて「ON」となり、第一普通図柄が変動中でない場合には、「0」が記憶されて「OFF」となる。第二変動フラグは、第二普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」となり、第二普通図柄が変動中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。第三変動フラグは、第三普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」となり、第三普通図柄が変動中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。第四変動フラグは、第四普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」となり、第四普通図柄が変動中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。
第一開放フラグは、第一電チュー16の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第一電チュー16の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。第二開放フラグは、第二電チュー17の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第二電チュー17の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。第三開放フラグは、第三電チュー18の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第三電チュー18の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。第四開放フラグは、第四電チュー19の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第四電チュー19の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。
図8を参照して、第一普通図柄処理(S14、図7参照)の詳細について説明する。第一普通図柄処理が開始されると、遊技球が第一図柄作動ゲート11を通過したかが判断される(S31)。第一図柄作動ゲート11に設けられた第一図柄作動ゲートスイッチ61が遊技球の通過を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図7参照)において、第一図柄作動ゲートスイッチ61に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、遊技球が通過していないと判断されて(S31:NO)、処理はS41の判断へ移行する。フラグが「ON」となっており、遊技球が第一図柄作動ゲート11を通過していれば(S31:YES)、第一保留球数が「4」であるかが判断される(S32)。第一保留球数が「4」であれば(S32:YES)、第一保留球数が最大第一保留球数に達しているため、処理はS41の判断へ移行する。
第一保留球数が「4」でない場合には(S32:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S33)。次いで、第一普通当たり乱数及び第一変動パターン決定乱数が第一保留乱数として取得され、第一普通当たり関係情報記憶エリア(図4参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S35)。具体的には、第一普通当たり乱数欄には第一普通当たり判定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値がそれぞれ格納される。第一保留乱数として、第一普通図柄を決定するために用いられる第一普通図柄決定乱数等、その他の種類の乱数が含まれてもよい。処理はS41へ移行する。
次いで、全ての電チューが非作動中であるかが判断される(S41)。第一〜第四普通当たり遊技中フラグのうちいずれかが「ON」であれば、いずれかの電チューが作動中であると判断されて(S41:NO)、処理はメイン処理へ戻る。例えば、第一普通当たりとなり、その後に第二普通当たりや第三普通当たりとなった場合には、大当たり遊技において第一電チュー16、第二電チュー17及び第三電チュー18が開放されることとなる。パチンコ機1は、いずれかの電チューが作動中の場合には、第一〜第四普通図柄の変動時間を計測しないこととすることで、第一〜第四普通当たり遊技が重複して行われないようにしている。
第一〜第四普通当たり遊技中フラグのいずれもが「OFF」であれば、全ての電チューが非作動中であると判断されて(S41:YES)、第一普通図柄が変動中であるかが判断される(S42)。第一変動フラグが「OFF」であれば、第一普通図柄が変動中でないと判断されて(S42:NO)、第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S43)。第三保留球数が「1」以上である場合(S43:YES)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第三保留球数が「0」である場合(S43:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S45)。第二保留球数が「1」以上である場合(S45:YES)、処理はメイン処理へ戻る。第二保留球数が「0」である場合(S45:NO)、RAMに記憶されている第一保留球数が「1」以上であるかが判断される(S49)。第一保留球数が「0」である場合(S49:NO)処理はメイン処理へ戻る。
一方、第一保留球数が「1」以上である場合(S49:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S51)。第一普通当たり関係情報記憶エリア(図4参照)の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S52)。次いで、第一普通当たり判定が行われる(S53)。第一普通当たり判定テーブルは、ROM53に記憶されている。第一普通当たり判定テーブルには、「第一普通当たり」及び「はずれ」に各々対応する第一普通当たり乱数の乱数値が定義されている。第一普通当たり判定テーブルが参照されて、S52でシフトされた判定エリアに記憶されている第一普通当たり乱数が「第一普通当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。このようにして、第二保留球数及び第三保留球数の少なくともいずれかが「1」以上である場合には、第一普通当たり判定が行われない。第二保留球数及び第三保留球数のいずれかが「0」である場合に、RAM52に記憶された未判定の第一普通当たり乱数に基づく第一普通当たり判定が、第一普通当たり乱数の記憶された順に行われる。なお、本実施形態では、第一普通当たり判定において、第一普通当たり確率(約1/60)で第一普通当たりと判定される。
次いで、第一変動パターン決定テーブル(図5参照)が参照されて、第一普通当たり判定の判定結果に応じた第一変動パターンの一つが、第一変動パターン決定乱数の値によって決定される。決定された第一変動パターンを指定するための第一変動パターン指定コマンドが生成される(S55)。生成された第一変動パターン指定コマンドは、RAM52に記憶される。記憶された第一変動パターン指定コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)によってサブ制御基板58及び中継基板47に送信され、第一報知演出の開始、及び第一普通図柄の変動開始を指示する。決定された第一変動パターンに応じて定められている第一普通図柄の変動時間が、第一普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S56)。第一普通図柄が変動中であることを示す「1」が第一変動フラグに記憶されて「ON」となり(S58)、処理はメイン処理へ戻る。
このように、第二保留球数及び第三保留球数の少なくともいずれかが「1」以上である限り、第一保留球数に関わらず第一普通図柄は変動しない。第二保留球数及び第三保留球数のいずれかが「0」である場合に、第一普通図柄が変動する。すなわち、第一普通図柄の変動優先順位は、第二普通図柄及び第三普通図柄の変動優先順位よりも低い。
一方、S42の判断において、第一変動フラグが「ON」であれば、第一普通図柄が変動中であると判断されて(S42:YES)、S56の処理において記憶された第一普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S61)。次いで、第一普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第一普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S62)。第一普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でなければ、第一普通図柄の変動時間が未だ経過していないと判断されて(S62:NO)、第一普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。第一普通図柄変動時間カウンタの値が「0」となっていれば、第一普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S62:YES)、第一普通図柄停止コマンドが生成され(S63)、RAM52に記憶される。記憶された第一普通図柄停止コマンドは、コマンド出力処理(S10、図7参照)によってサブ制御基板58に、また、中継基板47を介して図柄表示部24に送信され、第一報知演出の終了、及び第一普通図柄の変動停止を指示する。第一普通図柄停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第一普通図柄の変動を停止する。第一普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第一変動フラグに記憶され「OFF」となる(S65)。
次いで、S53で行った第一当たり判定の結果が第一普通当たりであるかが判断される(S66)。第一普通当たり判定の結果がはずれの場合(S66:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりの場合(S66:YES)、大当たり遊技状態フラグが「ON」とされ(S68)、第一普通当たり遊技中フラグが「ON」とされる(S69)。処理はメイン処理へ戻る。
図9を参照して、第一普通電動役物処理(S13、図7参照)の詳細について説明する。第一普通電動役物処理が開始されると、大当たり遊技中であるかが判断される(S71)。大当たり遊技状態フラグが「OFF」であれば、大当たり遊技中でないと判断されて(S71:NO)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「ON」であれば、大当たり遊技中であると判断されて(S71:YES)、第一普通当たり遊技中であるかが判断される(S72)。第一普通当たり遊技中フラグが「OFF」であれば、第一普通当たり遊技中でないと判断されて(S72:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一普通当たり遊技中フラグが「ON」であれば、第一普通当たり遊技中であると判断されて(S72:YES)、第一普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第一電チュー16が開放中であるかが判断される(S73)。第一開放フラグが「OFF」であれば、第一電チュー16が閉鎖中であると判断されて(S73:NO)、第一電チュー16を開放させるための第一電チュー開放コマンドが生成され(S91)、RAM52に記憶される。第一電チュー開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第一電チュー開放コマンドを受信した第一電チューソレノイド64は、第一電チュー16の開閉部材161を開放させる。次いで、第一開放時間が、第一開放時間カウンタに記憶される(S92)。次いで、第一開放フラグが「ON」とされ(S93)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第一開放フラグが「ON」であれば、第一電チュー16が開放中であると判断されて(S73:YES)、第一電チュー16へ入賞した遊技球の処理、及び第一電チュー16を閉鎖するための処理が行われる。まず、第一開放時間が経過したかが判断される(S75)。S92の処理で記憶された第一開放時間カウンタの値が「0」でなければ、第一開放時間は未だ経過していないと判断されて(S75:NO)、第一電チュー16へ遊技球が入賞したかが判断される(S76)。第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第一電チュー16へ遊技球が入賞していないと判断されて(S76:NO)、処理はS79の判断へ移行する。
一方、第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「ON」となっている場合、第一電チュー16へ遊技球が入賞したと判断される(S76:YES)。このため、第一電チュー16へ入賞した遊技球の個数である第一入賞球数を計数するRAM52の第一入賞球数カウンタに「1」が加算される(S78)。次いで、第一入賞球数が「4」以上であるかが判断される(S79)。第一入賞球数が「4」未満であれば(S79:NO)、継続して第一電チュー16が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
第一入賞球数が「4」以上の場合(S79:YES)、又は第一開放時間が経過している場合(S75:YES)、第一電チュー16を閉鎖するための第一電チュー閉鎖コマンドが生成される(S81)。生成された第一電チュー閉鎖コマンドはRAM52に記憶され、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第一電チュー開放コマンドを受信した第一電チューソレノイド64は、第一電チュー16の開閉部材161を閉鎖させる。次いで、第一開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S82)、第一普通当たり遊技中フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる(S83)。処理はメイン処理へ戻る。
図10を参照して、第四普通図柄処理(S16、図7参照)の詳細について説明する。第四普通図柄処理が開始されると、遊技球が第四図柄作動ゲート13を通過したかが判断される(S101)。第四図柄作動ゲート13に設けられた第四図柄作動ゲートスイッチ62が遊技球の通過を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図7参照)において、第四図柄作動ゲートスイッチ62に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、遊技球が通過していないと判断されて(S101:NO)、処理はS111の判断へ移行する。フラグが「ON」となっており、遊技球が第四図柄作動ゲート13を通過していれば(S101:YES)、第四保留球数が「4」であるかが判断される(S102)。第四保留球数が「4」であれば(S102:YES)、第四保留球数が最大第四保留球数に達しているため、処理はS111の判断へ移行する。
第四保留球数が「4」でない場合には(S102:NO)、RAM52に記憶されている第四保留球数に「1」が加算される(S103)。次いで、第四普通当たり乱数及び第一変動パターン決定乱数が第四保留乱数として取得され、第四普通当たり関係情報記憶エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S105)。処理はS111の判断へ移行する。
次いで、全ての電チューが非作動中であるかが判断される(S111)。第一〜第四普通当たりフラグのうちいずれかが「ON」であれば、いずれかの電チューが作動中であると判断されて(S111:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第一〜第四普通当たりフラグのいずれもが「OFF」であれば、全ての電チューが非作動中であると判断されて(S111:YES)、第四普通図柄が変動中であるかが判断される(S112)。第四変動フラグが「OFF」であれば、第四普通図柄が変動中でないと判断されて(S112:NO)、第四保留球数が「1」以上であるかが判断される(S119)。RAM52に記憶されている第四保留球数が「0」であれば(S119:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第四保留球数が「1」以上の場合(S119:YES)、RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」減算される(S121)。第四普通当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S122)。次いで、第四普通当たり判定が行われる(S123)。第四普通当たり判定テーブルは、ROM53に記憶されている。第一普通当たり判定テーブルには、「第四普通当たり」及び「はずれ」に各々対応する第四普通当たり乱数の乱数値が定義されている。第四普通当たり判定テーブルが参照されて、S122でシフトされた判定エリアに記憶されている第四普通当たり乱数が「第四普通当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第四普通当たり乱数に基づく第四普通当たり判定が、第四普通当たり乱数の記憶された順に行われる。なお、本実施形態では、第四普通当たり判定において、第四普通当たり確率(約1/60)で第四普通当たりと判定される。
次いで、第四変動パターン決定テーブル(図6参照)が参照されて、第四普通当たり判定の判定結果に応じた第四変動パターンの一つが、第四変動パターン決定乱数の値によって決定される。決定された第四変動パターンを指定するための第四変動パターン指定コマンドが生成される(S125)。生成された第四変動パターン指定コマンドは、RAM52に記憶される。記憶された第四変動パターン指定コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)によってサブ制御基板58及び中継基板47に送信され、第二報知演出の開始、及び第四普通図柄の変動開始を指示する。決定された第四変動パターンに応じて定められている第四普通図柄の変動時間が、第四普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S126)。第四普通図柄が変動中であることを示す「1」が第四変動フラグに記憶されて「ON」となり(S128)、処理はメイン処理へ戻る。
このように、第一〜第三保留球数に関わらず、全ての電チューが非作動中であり(S111:YES)、第四普通図柄が作動中でない場合において(S112:NO)、第四保留球数が「1」以上であるとき(S119:YES)、第四普通図柄は変動を開始する。すなわち、第四普通図柄は、変動開始条件(S111:YES、S112:NO、S119:YES)を満たせば、第一〜第三普通図柄のそれぞれの間に設けられている変動優先順位に関わらず、第一〜第三普通図柄とは独立して変動を開始する。
一方、S112の判断において、第四変動フラグが「ON」であれば、第四普通図柄が変動中であると判断されて(S112:YES)、S126の処理において記憶された第四普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S131)。次いで、第四普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第四普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S132)。第四普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でなければ、第四普通図柄の変動時間が未だ経過していないと判断されて(S132:NO)、第四普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。第四普通図柄変動時間カウンタの値が「0」となっていれば、第四普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S132:YES)、第四普通図柄停止コマンドが生成され(S133)、RAM52に記憶される。記憶された第四普通図柄停止コマンドは、コマンド出力処理(S10、図7参照)によってサブ制御基板58に、また、中継基板47を介して図柄表示部24に送信され、第二報知演出の終了、及び第四普通図柄の変動停止を指示する。第四普通図柄停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第四普通図柄の変動を停止する。第四普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第四変動フラグに記憶され「OFF」となる(S135)。
次いで、S123で行った第四当たり判定の結果が第四普通当たりであるかが判断される(S136)。第四普通当たり判定の結果がはずれの場合(S136:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第四普通当たり判定の結果が第四普通当たりの場合(S136:YES)、大当たり遊技状態フラグが「ON」とされ(S138)、第四普通当たり遊技中フラグが「ON」とされる(S139)。処理はメイン処理へ戻る。
図11を参照して、第四普通電動役物処理(S15、図7参照)の詳細について説明する。第四普通電動役物処理が開始されると、大当たり遊技中であるかが判断される(S141)。大当たり遊技状態フラグが「OFF」であれば、大当たり遊技中でないと判断されて(S141:NO)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「ON」であれば、大当たり遊技中であると判断されて(S141:YES)、第四普通当たり遊技中であるかが判断される(S142)。第四普通当たり遊技中フラグが「OFF」であれば、第四普通当たり遊技中でないと判断されて(S142:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第四普通当たり遊技中フラグが「ON」であれば、第四普通当たり遊技中であると判断されて(S142:YES)、第四普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第四電チュー19が開放中であるかが判断される(S143)。第四開放フラグが「OFF」であれば、第四電チュー19が開放中でないと判断されて(S143:NO)、第四電チュー19を開放させるための第四電チュー開放コマンドが生成され(S161)、RAM52に記憶される。第四電チュー開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第四電チュー開放コマンドを受信した第四電チューソレノイド67は、第四電チュー19の開閉部材191を開放させる。次いで、第四開放時間が、第四開放時間カウンタに記憶される(S162)。次いで、第四開放フラグが「ON」とされ(S163)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第四開放フラグが「ON」であれば、第四電チュー19が開放中であると判断されて(S143:YES)、第四電チュー19へ入賞した遊技球の処理、及び第四電チュー19を閉鎖するための処理が行われる。まず、第四開放時間が経過したかが判断される(S145)。S162の処理で記憶された第四開放時間カウンタの値が「0」でなければ、第四開放時間は未だ経過していないと判断されて(S145:NO)、第四電チュー19へ遊技球が入賞したかが判断される(S146)。第四電チュースイッチ74に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第四電チュー19へ遊技球が入賞していないと判断されて(S146:NO)、処理はS149の判断へ移行する。
一方、第四電チュースイッチ74に対応するフラグが「ON」となっている場合、第四電チュー19へ遊技球が入賞したと判断される(S146:YES)。このため、第四電チュー19へ入賞した遊技球の個数である第四入賞数を計数するRAM52の第四入賞球数カウンタに「1」が加算される(S148)。次いで、第四入賞球数が「4」以上であるかが判断される(S149)。第四入賞数が「4」未満であれば(S149:NO)、継続して第四電チュー19が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
第四入賞球数が「4」以上の場合(S149:YES)、又は第四開放時間が経過している場合(S145:YES)、第四電チュー19を閉鎖するための第四電チュー閉鎖コマンドが生成される(S151)。生成された第四電チュー閉鎖コマンドはRAM52に記憶され、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第四電チュー閉鎖コマンドを受信した第四電チューソレノイド67は、第四電チュー19の開閉部材191を閉鎖させる。次いで、第四開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり、(S152)、第四作動終了フラグに「1」が記憶されて「ON」になる(S153)。処理はメイン処理へ戻る。
図12を参照して、第二普通図柄処理(S18、図7参照)の詳細について説明する。第二普通図柄処理が開始されると、第一電チュー16に遊技球が入賞したかが判断される(S171)。第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第一電チュー16へ遊技球が入賞していないと判断されて(S171:NO)、第四電チュー19へ遊技球が入賞したかが判断される(S172)。第四電チュースイッチ74に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第四電チュー19へ遊技球が入賞していないと判断されて(S172:NO)、処理はS181の判断へ移行する。
一方、第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「ON」となっている場合、第一電チュー16へ遊技球が入賞したと判断されて(S171:YES)、処理はS173の判断へ移行する。また、第四電チュースイッチ74に対応するフラグが「ON」となっている場合、第四電チュー19へ遊技球が入賞したと判断されて(S172:YES)、処理はS173の判断へ移行する。次いで、第二保留球数が「4」であるかが判断される(S173)。第二保留球数が「4」であれば(S173:YES)、第二保留球数が最大第二保留球数に達しているため、処理はS181の判断へ移行する。
第二保留球数が「4」でない場合には(S173:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数に「1」が加算される(S176)。次いで、第二乱数が取得され、第二普通当たり関係情報エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S177)。処理はS181の判断へ移行する。
次いで、全ての電チューが非作動中であるかが判断される(S181)。第一〜第四普通当たり遊技中フラグのうち少なくともいずれかが「ON」であれば、いずれかの電チューが作動中であると判断されて(S181:NO)、処理はメイン処理へ戻る。このようにして、パチンコ機1は、いずれかの電チューの開放中には、第二普通図柄の変動時間を計測しない。
第一〜第四普通当たり遊技中フラグのいずれもが「OFF」であれば、全ての電チューが非作動中であると判断されて(S181:YES)、第二普通図柄が変動中であるかが判断される(S182)。第二変動フラグが「OFF」であれば、第二普通図柄が変動中でないと判断されて(S182:NO)、第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S183)。第三保留球数が「1」以上である場合(S183:YES)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第三保留球数が「0」である場合(S183:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S185)。記憶されている第二保留球数が「0」であれば(S185:NO)、第二普通図柄の変動は行われず、処理はメイン処理へ戻る。
第二保留球数が「1」以上である場合(S185:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S191)。第二普通当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S192)。次いで、第二普通当たり判定が行われる(S193)。第二普通当たり判定は、第二普通当たり判定テーブルが参照されることで行われる。第二普通当たり判定テーブルは、ROM53に記憶されている。第二普通当たり判定テーブルには、「第二普通当たり」及び「はずれ」に各々対応する第二普通当たり乱数の乱数値が定義されている。第二普通当たり判定テーブルが参照されて、S172でシフトされた判定エリアに記憶されている第二普通当たり乱数が「第二普通当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二普通当たり乱数に基づく第二普通当たり判定が、第二普通当たり乱数の記憶された順に行われる。なお、本実施形態では、第二普通当たり判定において、第二普通当たり確率(100%)で第二普通当たりと判定される。
次いで、第二普通図柄の変動を開始させるための第二普通図柄変動開始コマンドが生成され(S195)、RAM52に記憶される。第二普通図柄変動開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第二普通図柄の変動を開始する。次いで、予め定められている第二普通図柄の変動時間(本実施形態では、2秒)が、第二普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S196)。第二普通図柄が変動中であることを示す「1」が第二変動フラグに記憶されて「ON」となり(S198)、処理はメイン処理へ戻る。
このように、第三保留球数が「1」以上である限り、第二保留球数に関わらず、第二普通図柄は変動しない。第三保留球数が「0」である場合に、第二普通図柄が変動する。すなわち、第二普通図柄の変動優先順位は、第三普通図柄よりも低い。前述したように、第一普通図柄の変動優先順位は、第二普通図柄及び第三普通図柄よりも低いので、第一〜第三普通図柄の変動優先順位は、「第三普通図柄、第二普通図柄、第一普通図柄」の順に低くなる。この第一〜第三普通図柄の変動優先順位の関係を、以下では、「第三普通図柄>第二普通図柄>第一普通図柄」と表すこととする。
一方、S182の判断において、第二変動フラグが「ON」であれば、第二普通図柄が変動中であると判断されて(S182:YES)、S196の処理において記憶された第二普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S201)。次いで、第二普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第二普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S202)。第二普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でなければ、第二普通図柄の変動時間が未だ経過していないと判断されて(S202:NO)、第二普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。
第二普通図柄変動時間カウンタの値が「0」となっていれば、第二普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S202:YES)、第二普通図柄の変動を停止させるための第二普通図柄停止コマンドが生成され(S203)、RAM52に記憶される。第二普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)によって、中継基板47を介して図柄表示部24に送信される。第二普通図柄停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第二普通図柄の変動を停止する。次いで、第二普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第二変動フラグに記憶されて「OFF」となる(S205)。
次いで、S193で行われた第二当たり判定の結果が第二普通当たりであるかが判断される(S206)。第二普通当たり判定の結果がはずれの場合(S206:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第二普通当たり判定の結果が第二普通当たりの場合(S206:YES)、第二普通当たり遊技中フラグが「ON」とされる(S211)。処理はメイン処理へ戻る。
図13を参照して、第二普通電動役物処理(S17、図7参照)の詳細について説明する。第二普通電動役物処理が開始されると、第二普通当たり遊技中であるかが判断される(S221)。第二普通当たり遊技中フラグが「OFF」であれば、第二普通当たり遊技中でないと判断されて(SS221:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第二普通当たり遊技中フラグが「ON」であれば、第二普通当たり遊技中であると判断されて(S221:YES)、第二普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第二電チュー17が開放中であるかが判断される(S223)。第二開放フラグが「OFF」であれば、第二電チュー17が開放中でないと判断されて(S223:NO)、第二電チュー17を開放させるための第二電チュー開放コマンドが生成され(S241)、RAM52に記憶される。第二電チュー開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第二電チュー開放コマンドを受信した第二電チューソレノイド65は、第二電チュー17の開閉部材171を開放させる。次いで、第二開放時間が、第四開放時間カウンタに記憶される(S242)。次いで、第二開放フラグが「ON」とされ(S243)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第二開放フラグが「ON」であれば、第二電チュー17が開放中であると判断されて(S223:YES)、第二電チュー17へ入賞した遊技球の処理、及び第二電チュー17を閉鎖するための処理が行われる。まず、第二開放時間が経過したかが判断される(S225)。S242で記憶された第二開放時間カウンタの値が「0」でなければ、第二開放時間は未だ経過していないと判断されて(S225:NO)、第二電チュー17へ遊技球が入賞したかが判断される(S226)。第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第二電チュー17へ遊技球が入賞していないと判断されて(S226:NO)、処理はS229の判断へ移行する。
一方、第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている場合、第二電チュー17へ遊技球が入賞したと判断される(S226:YES)。このため、第二電チュー17へ入賞した遊技球の個数である第二入賞球数を計数するRAM52の第二入賞球数カウンタに「1」が加算される(S228)。次いで、第二入賞球数が「4」以上であるかが判断される(S229)。第二入賞球数が「4」未満であれば(S229:NO)、継続して第二電チュー17が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
第二入賞球数が「4」以上の場合(S229:YES)、又は第二開放時間が経過した場合(S225:YES)、第二電チュー17を閉鎖するための第二電チュー閉鎖コマンドが生成され(S231)、RAM52に記憶される。第二電チュー閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第二電チュー開放コマンドを受信した第二電チューソレノイド65は、第二電チュー17の開閉部材171を閉鎖させる。次いで、第二開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S232)、第二普通当たり遊技中フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる(S233)。処理はメイン処理へ戻る。
図14を参照して、第三普通図柄処理(S20、図7参照)の詳細について説明する。第三普通図柄処理が開始されると、第二電チュー17へ遊技球が入賞したかが判断される(S251)。第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第二電チュー17へ遊技球が入賞していないと判断されて(S251:NO)、処理はS261の判断へ移行する。
一方、第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている場合、第二電チュー17へ遊技球が入賞したと判断されて(S251:YES)、第三保留球数が「4」であるかが判断される(S252)。第三保留球数が「4」であれば(S252:YES)、第三保留球数が最大第三保留球数に達しているため、処理はS261の判断へ移行する。第三保留球数が「4」でない場合には(S252:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数に「1」が加算される(S253)。次いで、第三乱数が取得され、第三普通当たり関係情報エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S255)。処理はS261の判断へ移行する。
次いで、全ての電チューが非作動中であるかが判断される(S261)。第一〜第四普通当たり遊技中フラグのうち少なくともいずれかが「ON」であれば、いずれかの電チューが開放中であると判断されて(S261:NO)、処理はメイン処理へ戻る。このようにして、パチンコ機1は、いずれかの電チューの開放中には、第三普通図柄の変動時間を計測しない。
第一〜第四普通当たり遊技中フラグのいずれもが「OFF」であれば、全ての電チューが非作動中であると判断されて(S261:YES)、第三普通図柄が変動中であるかが判断される(S262)。第三変動フラグが「OFF」であれば、第三普通図柄が変動中でないと判断されて(S262:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S269)。第三保留球数が「1」以上の場合(S269:YES)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」減算される(S271)。第三普通当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S272)。
次いで、第三普通当たり判定が行われる(S273)。第三普通当たり判定は、第三普通当たり判定テーブルが参照されることで行われる。第三普通当たり判定テーブルは、ROM53に記憶されている。第三普通当たり判定テーブルには、「第三普通当たり」及び「はずれ」に各々対応する第三普通当たり乱数の乱数値が定義されている。第三普通当たり判定テーブルが参照されて、S272でシフトされた判定エリアに記憶されている第三普通当たり乱数が「第三普通当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第三普通当たり乱数に基づく第三普通当たり判定が、第三普通当たり乱数の記憶された順に行われる。なお、本実施形態では、本実施形態では、第三普通当たり判定において、第三普通当たり確率(100%)で第三普通当たりと判定される。
次いで、第三普通図柄の変動を開始させるための第三普通図柄変動開始コマンドが生成され(S275)、RAM52に記憶される。第三普通図柄変動開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第三普通図柄の変動を開始する。次いで、予め定められている第三普通図柄の変動時間(本実施形態では、2秒)が、第三普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S276)。第三普通図柄が変動中であることを示す「1」が第三変動フラグに記憶されて「ON」となり(S278)、処理はメイン処理へ戻る。
このように、第一保留球数及び第二保留球数に関わらず、全ての電チューが非作動中であり(S261:YES)、第三普通図柄が作動中でない場合において(S262:NO)、第三保留球数が「1」以上であるとき(S269:YES)、第三普通図柄は変動を開始する。すなわち、「第三普通図柄>第二普通図柄>第一普通図柄」に示される普通図柄の変動優先順位の関係に従って、第三普通図柄は変動する。
一方、S262の判断において、第三変動フラグが「ON」であれば、第三普通図柄が変動中であると判断されて(S262:YES)、S276で記憶された第三普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S291)。次いで、第三普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第三普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S292)。第三普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でなければ、第三普通図柄の変動時間が未だ経過していないと判断されて(S292:NO)、第三普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。
第三普通図柄変動時間カウンタの値が「0」となっていれば、第三普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S292:YES)、第三普通図柄の変動を停止させるための第三普通図柄停止コマンドが生成され(S293)、RAM52に記憶される。第三普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)によって、中継基板47を介して図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第三普通図柄の変動を停止する。次いで、第三普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第三変動フラグに記憶されて「OFF」となる(S294)。
次いで、S273で行われた第三当たり判定の結果が第三普通当たりであるかが判断される(S295)。第三普通当たり判定の結果がはずれの場合(S295:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第三普通当たり判定の結果が第三普通当たりの場合(S295:YES)、第三普通当たり遊技中フラグが「ON」とされる(S296)。処理はメイン処理へ戻る。
また、S269の判断において、第三保留球数が「0」の場合には(S269:NO)、未だ第三普通当たり判定の行われていない第三保留球が存在せず、一連の第三普通当たり遊技が終了する。この場合、一連の第三普通当たり遊技が終了される際に、大当たり遊技も終了される場合があり、この場合には、大当たり遊技を終了させる処理を行う必要がある。そこで、まず、大当たり遊技中であるかが判断される(S281)。大当たり遊技状態フラグが「OFF」であれば、大当たり遊技中でないと判断されて(S281:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
大当たり遊技状態フラグが「ON」であれば、大当たり遊技中であると判断されて(S281:YES)、第一普通当たり遊技が終了しているかが判断される(S282)。第一普通当たり遊技中フラグが「ON」であれば、第一普通当たり遊技が終了していないと判断されて(S282:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一普通当たり遊技中フラグが「OFF」であれば、第一普通当たり遊技が終了していると判断されて(S282:YES)、第四普通当たり遊技が終了しているかが判断される(S283)。第四普通当たり遊技中フラグが「ON」であれば、第四普通当たり遊技が終了していないと判断されて(S283:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第四普通当たり遊技中フラグが「OFF」であれば、第四普通当たり遊技が終了していると判断されて(S283:YES)、第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S285)。第二保留球数が「1」以上の場合には、未だ第二普通当たり判定の行われていない第二保留球が存在する。この場合、この時点では一連の第三普通当たり遊技が終了するのみであり、一連の第三普通当たり遊技が終了した後に第二普通当たり判定によって第二普通当たりであると判定されて、第二普通当たり遊技が行われることを契機として、大当たり遊技が継続する。したがって、第二保留球数が「1」以上の場合(S285:YES)、大当たり遊技は終了しないので、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第二保留球数が「0」の場合(S285:NO)、一連の第三普通当たり遊技が終了し、未だ第二普通当たり判定の行われていない第二保留球が存在せず、第一普通当たり遊技及び第四普通当たり遊技も終了しているので、大当たり遊技が終了する。したがって、大当たり遊技状態フラグが「OFF」になる(S286)。その後、処理はメイン処理へ戻る。
図15を参照して、第三普通電動役物処理(S19、図7参照)の詳細について説明する。第三普通電動役物処理が開始されると、第三普通当たり遊技中であるかが判断される(S301)。第三普通当たり遊技中フラグが「OFF」であれば、第三普通当たり遊技中でないと判断されて(S301:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第三普通当たり遊技中フラグが「ON」であれば、第三普通当たり遊技中であると判断されて(S301:YES)、第三普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第三電チュー18が開放中であるかが判断される(S303)。第三開放フラグが「OFF」であれば、第三電チュー18が閉鎖中であると判断されて(S303:NO)、第三電チュー18を開放させるための第三電チュー開放コマンドが生成され(S321)、RAM52に記憶される。第三電チューコマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第三電チュー開放コマンドを受信した第三電チューソレノイド66は、第三電チュー18の開閉部材181を開放させる。次いで、第三開放時間が、第三開放時間カウンタに記憶される(S322)。次いで、第三開放フラグが「ON」とされ(S323)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第三開放フラグが「ON」であれば、第三電チュー18が開放中であると判断されて(S303:YES)、第三電チュー18へ入賞した遊技球の処理、及び第三電チュー18を閉鎖するための処理が行われる。まず、第三開放時間が経過したかが判断される(S305)。S322で記憶された第三開放時間カウンタの値が「0」でなければ、第三開放時間は未だ経過していないと判断されて(S305:NO)、第三電チュー18へ遊技球が入賞したかが判断される(S306)。第三電チュースイッチ73に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第三電チュー18へ遊技球が入賞していないと判断されて(S306:NO)、処理はS309の判断へ移行する。
第三電チュースイッチ73に対応するフラグが「ON」となっている場合、第三電チュー18へ遊技球が入賞したと判断される(S306:YES)。このため、第三電チュー18へ入賞した遊技球の個数である第三入賞球数を計数するRAM52の第三入賞球数カウンタに「1」が加算される(S308)。次いで、第三入賞球数が「7」以上であるかが判断される(S309)。第三入賞球数が「7」未満であれば(S309:NO)、継続して第三電チュー18が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
また、第三入賞球数が「7」以上の場合(S309:YES)、又は第三開放時間が経過した場合(S305:YES)、第三電チュー18を閉鎖するための第三電チュー閉鎖コマンドが生成され(S311)、RAM52に記憶される。第三電チュー閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第三電チュー開放コマンドを受信した第三電チューソレノイド66は、第三電チュー18の開閉部材181を閉鎖させる。次いで、第三開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S312)、第三普通当たり遊技中フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる(S313)。処理はメイン処理へ戻る。
図16及び図17を参照して、パチンコ機1において、第一普通当たり判定によって第一普通当たりであると判定されたことにより行われる大当たり遊技の流れを説明する。図16及び図17は、ともに、左打ちで遊技を開始して、第一図柄作動ゲート11を遊技球が通過することを契機として、第一普通当たり判定によって第一普通当たりであると判定された場合における各電チューの基本動作のタイムチャートを示す。以下では、「(1)大当たり遊技中に第四普通当たり判定によって第四普通当たりであると判定されない場合」と、「(2)大当たり遊技中に第四普通当たり判定によって第四普通当たりであると判定される場合」とに分けて説明する。(1)は、連荘当たり遊技が行われない場合であり、(2)は、連荘当たり遊技が行われる場合である。
図16は、大当たり遊技のうち(1)の場合における普通図柄、電チューの基本動作のタイムチャートを示す。大当たり遊技が開始される前は、左打ちによって遊技が進行する。左打ちされた遊技球は、第一図柄作動ゲート11を通過しうる。図16に示すように、遊技球が第一図柄作動ゲート11を通過すると、最大第一保留球数を上限に第一保留球が記憶される。第一保留球(第一乱数)が記憶されると、判定エリアにシフトされた第一乱数に対して第一普通当たり判定が行われる。第一普通当たり判定では、第一普通当たりであるかが、第一当たり乱数に基づいて判定される。第一普通当たり判定では、第一普通当たり確率(本実施形態では、約1/60)で第一普通当たりと判定される。第一普通当たり判定が行われると、第一普通図柄が変動を開始する。第一普通図柄の変動に同期して、表示画面28等によって第一報知演出が行われる。
第一普通当たり判定において第一普通当たりと判定されると、第一電チュー16が開放される第一普通当たり遊技が行われる。第一電チュー16は、第一普通図柄が変動を終了して第一普通当たりを示す図柄を確定表示した後に開放される。開放された第一電チュー16に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。遊技者は、第一電チュー16に遊技球を入賞させるため、以降の処理を右打ちによって進行する。一旦開放された第一電チュー16は、第一開放時間の経過、及び4個の遊技球の入賞のうちいずれかの条件が満たされると閉鎖される。なお、第一普通当たり遊技中に、第一普通図柄は変動しない。図16において、開放された第一電チュー16に4個の遊技球が入賞したとする。
第一電チュー16は、遊技球を獲得するための入賞口であるとともに、第二普通図柄の作動口でもある。第一電チュー16へ遊技球が入賞すると、最大第二保留球数を上限に第二保留球が記憶される。ここでは、4個の第二保留球が記憶されたとする。前述したように、第一普通図柄の変動優先順位は、第二普通図柄の変動優先順位よりも低い。したがって、以降は、第二保留球数が「1」以上である限り、第一保留球数が「1」以上であっても、第一普通図柄が変動せず、第一普通当たり判定が行われない。また、第一保留球数が「0」である状態で遊技球が第一図柄作動ゲート11を新たに通過した場合であっても、第二保留球数が「1」以上である限り、第一普通図柄が変動せず、第一普通当たり判定が行われない。
第二保留球(第二乱数)が記憶されると、判定エリアにシフトされた第二乱数に対して第二普通当たり判定が行われる。第二普通当たり判定では、第二普通当たりであるかが、第二当たり乱数に基づいて判定される。第二普通当たり判定では、第二普通当たり確率(本実施形態では、100%)で第二普通当たりと判定される。第二普通当たり判定が行われると、第二普通図柄が変動を開始する。このようにして、第二普通図柄が第一普通図柄に優先して変動する。本実施形態において、最大第二保留球数は「4」であるので、第一普通当たり遊技が1回行われることに応じて第二普通当たり判定は最大で4回行われ、第二普通当たり遊技も最大で4回行われる。なお、第二普通当たり遊技中には、第二普通図柄は変動しない。第一電チュー16に4個の遊技球が入賞することによって記憶された4個の第二乱数のうち、1個目の第二乱数に対して、1回目の第二普通当たり判定が行われる。
第二普通当たり判定において第二普通当たりと判定されると、第二電チュー17が開放される第二普通当たり遊技が行われる。第二電チュー17は、第二普通図柄が変動を終了して第二普通当たりを示す図柄を確定表示した後に開放される。開放された第二電チュー17に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放された第二電チュー17は、第二開放時間の経過、及び4個の遊技球の入賞のうちいずれかの条件が満たされると閉鎖される。なお、第二普通当たり遊技中に、第二普通図柄は変動しない。図16において、開放された第二電チュー17に4個の遊技球が入賞したとする。
第二電チュー17は、遊技球を獲得するための入賞口であるとともに、第三普通図柄の作動口でもある。第二電チュー17へ遊技球が入賞すると、最大第三保留球数を上限に第三保留球が記憶される。ここでは、4個の第三保留球が記憶されたとする。前述したように、第二普通図柄の変動優先順位は、第三普通図柄の変動優先順位よりも低い。したがって、以降は、第三保留球数が「1」以上である限り、第二保留球数が「1」以上であっても、第二普通図柄が変動せず、第二普通当たり判定が行われない。このようにして、パチンコ機1は、第二保留球を消化せず記憶したまま、第二普通当たり遊技よりも先に、第三普通当たり遊技を行う。なお、第三普通図柄の変動優先順位は、第一普通図柄の変動優先順位よりも高いので、第三保留球数が「1」以上である限り、第一保留球数が「1」以上であっても、第一普通図柄が変動せず、第一普通当たり判定が行われない。
第三保留球(第三乱数)が記憶されると、判定エリアにシフトされた第三乱数に対して第三普通当たり判定が行われる。第三普通当たり判定では、第三普通当たりであるかが、第三当たり乱数に基づいて判定される。第三普通当たり判定では、第三普通当たり確率(本実施形態では、100%)で第三普通当たりと判定される。第三普通当たり判定が行われると、第三普通図柄が変動を開始する。このようにして、第三普通図柄が第二普通図柄に優先して変動する。本実施形態において、最大第三保留球数は「4」であるので、第二普通当たり遊技が1回行われることに応じて第三普通当たり判定は最大で4回行われ、第三普通当たり遊技も最大で4回行われる。この最大4回行われる第三普通当たり遊技が、一連の第三普通当たり遊技に相当する。なお、第三普通当たり遊技中には、第三普通図柄は変動しない。
第二電チュー17に4個の遊技球が入賞することによって記憶された4個の第三乱数のうち、1個目の第三乱数に対して、1回目の第三普通当たり判定が行われる。第三普通当たり判定において第三普通当たりと判定されると、第三電チュー18が開放される第三普通当たり遊技が行われる。第三電チュー18は、第三普通図柄が変動を終了して第三普通当たりを示す図柄を確定表示した後に開放される。開放された第三電チュー18に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放された第三電チュー18は、第三開放時間の経過、及び7個の遊技球の入賞のうちいずれかの条件が満たされると閉鎖される。なお、第三普通当たり遊技中に第三普通図柄は変動しない。本実施形態において、第三開放時間は2秒である。
第一普通図柄及び第二普通図柄の変動優先順位は、第三普通図柄の変動優先順位よりも低い。よって、1回目の第三普通当たり遊技が終了すると、第一普通図柄及び第二普通図柄は変動を開始せず待機し、第三普通図柄が第一普通図柄及び第二普通図柄に優先して変動する。このため、第三普通当たり遊技の終了後に、第二電チュー17に4個の遊技球が入賞することによって記憶された4個の第三乱数のうち、2個目の第三乱数に対して、2回目の第三普通当たり判定が行われる。第三普通当たり判定において第三普通当たりと判定されると、第三普通当たり遊技が行われる。以降は、第三保留球数が「0」になるまで、第一普通図柄及び第二普通図柄は変動せず、第三普通当たり判定、第三普通図柄の変動及び第三普通当たり遊技が繰り返して行われる。このようにして第三普通当たり遊技が連続して行われることで、一連の第三普通当たり遊技が行われる。
なお、一連の第三普通当たり遊技に含まれる最後の第三普通当たり遊技の終了後に、所定のインターバルが設けられる。このインターバルは、第三電チュー18へ入賞した遊技球が第三電チュー18から外部に排出されるまでに必要な時間を勘案して設けられており、本実施形態においては、2秒のインターバルが設けられている。インターバルの期間も第三電チュー18の作動中とみなされる。したがって、第三保留球数が「0」になり第三普通図柄の変動が終了してから、インターバルが終了するまでの間の期間(図16において「☆」で示す期間)にも、第二普通図柄は変動を開始しない。なお、以降の一連の第三普通当たり遊技に関するチャートでは、「☆」で示す期間についての記載を省略している。
一連の第三普通当たり遊技が終了すると、第三保留球数が「0」となっている。このとき、第二保留球数は「3」である。第三普通図柄の変動優先順位は、第二普通図柄の変動優先順位よりも高い。よって、一連の第三普通当たり遊技が終了することで、第三普通図柄の次に変動優先順位の高い第二普通図柄が変動を開始できるようになる。このため、1回目の一連の第三普通当たり遊技が終了すると、第一電チュー16に2個目に入賞した遊技球に対応する第二乱数に対して、初当たり遊技が開始されてから2回目の第二普通当たり判定が行われ、第二普通図柄が変動する。この第二普通当たり判定において第二普通当たりと判定されると、第二普通図柄の変動終了後に、第二普通当たり遊技が行われる。第二普通当たり遊技において、最大4個の遊技球が第二電チュー17へ入賞しうる。第二普通当たり遊技の終了後には、第二電チュー17へ入賞した遊技球の個数に応じた回数の第三普通当たり判定及び第三普通当たり遊技が行われることで、一連の第三普通当たり遊技が行われる。
このようにして、パチンコ機1は、第二保留球を記憶した場合、記憶された第二乱数に基づいて1回の第二普通当たり遊技をまず行う。その後は、パチンコ機1は、第二保留球を消化せず記憶したまま温存して、一連の第三普通当たり遊技を行う。一連の第三普通当たり遊技が終了する毎に、第二保留球に基づいて、新たに第二普通当たり判定が行われる。第二普通当たり判定の結果として第二普通当たり遊技が行われた後に、第三普通図柄が再び変動を開始する。以降も同様に、1回の第二普通当たり遊技及び1回の一連の第三普通当たり遊技が、第二保留球数に応じた回数だけ、交互に繰り返して行われる。第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が繰り返される間には、第二保留球数及び第三保留球数のいずれかが「1」以上である。第一普通図柄の変動優先順位は、第二普通図柄及び第三普通図柄の変動優先順位よりも低い。したがって、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技の繰り返しが終了し、第二保留球数及び第三保留球数がともに「0」となるまでの間、第一普通図柄は変動しない。すなわち、大当たり遊技において、第二保留球数に応じた最大回数の第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技の繰り返しが行われるまでの間、第一普通当たり判定が留保される。このようにして、パチンコ機1は、大当たり遊技において第二電チュー17及び第三電チュー18の開放を最大限に行った後に、大当たり遊技を終了し、第一普通当たり判定を行うことができる。つまり、パチンコ機1は、大当たり遊技において払い出される賞球数を最大限に保障できる。
これらの第一普通当たり遊技、第二普通当たり遊技、一連の第三普通当たり遊技が行われる間において、右打ちが継続されるので、右打ちされた遊技球が第四図柄作動ゲート13を通過しうる。遊技球が第四図柄作動ゲート13を通過すると、第四保留球が記憶される。第四保留球が記憶されると、判定エリアにシフトされた第四乱数に対して第四普通当たり判定が行われる。大当たり遊技中には複数の電チューが連続的に開放するため、第四普通当たり判定は、複数の電チューのいずれもが作動していない期間に行われる。図16の例では、第四普通当たり判定においてはずれと判定され、第四普通図柄の変動終了後に第四普通当たり遊技が行われない。このため、第四電チュー19が開放されず、新たに第二保留球が記憶されない。すなわち、連荘当たり遊技が行われない。
このように、連荘当たり遊技が行われない状況において、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が繰り返して行われることで、一連の第三普通当たり遊技が終了した時点において第二保留球数が「0」となった場合には、大当たり遊技が終了する。大当たり遊技が終了した時点では、第二保留球数及び第三保留球数がともに「0」である。したがって、大当たり遊技の終了時点において、第一保留球数が「1」以上である場合には、大当たり遊技の終了後、すぐに、第一普通当たり判定が行われ、第一普通図柄が変動を開始する。
例えば、図16の例において、第二普通当たり遊技において開放した第二電チュー17に遊技球が2個だけ入賞した場合には、2個の第三保留球が記憶される。この場合、2個の第三乱数に基づいて2回の第三普通当たり判定が行われるので、一連の第三普通当たり遊技として2回の第三普通当たり遊技が行われる。その後、第二保留球数が「1」以上であれば、2回の第三普通当たり遊技による一連の第三普通当たり遊技が終了すると、すぐに、第二普通図柄の変動が開始され、第二普通当たり遊技が引き続き開始される。また、第二普通当たり遊技中の遊技球の発射の中断等により、第二電チュー17に遊技球が1個も入賞しなかった場合には、第二普通当たり遊技の終了時点において第三保留球数が「0」である。この時点において第二保留球数が「1」以上であれば、第二普通当たり遊技が終了すると、すぐに、新たな第二普通図柄の変動が開始される。すなわち、第二普通当たり遊技中に、遊技球の発射が何らかの理由で中断し、第二電チュー17に最大第三保留球数に満たない数の遊技球が入賞した場合、又は第二電チュー17に遊技球が入賞しない場合のいずれであっても、大当たり遊技が間延びすることがない。
また、例えば、図16の例において、第一普通当たり遊技において開放した第一電チュー16に遊技球が1個だけ入賞した場合には、1個の第二保留球が記憶される。この場合、1個の第二乱数に基づいて1回の第二普通当たり判定が行われるので、第二普通当たりであると判定されることで1回の第二普通当たり遊技が行われる。この第二普通当たり遊技において開放した第二電チュー17に遊技球が入賞した場合、入賞した遊技球の個数に応じた回数の第三普通当たり遊技を含む一連の第三普通当たり遊技が、第二普通当たり遊技の終了後に行われる。この一連の第三普通当たり遊技の終了時点において、第二保留球数及び第三保留球数は「0」である。よって、この時点で大当たり遊技は終了する。大当たり遊技の終了時点において第一保留球数が「1」以上であれば、大当たり遊技の終了後、すぐに、第一普通当たり判定が行われ、第一普通図柄が変動を開始する。すなわち、1回の大当たり遊技において、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が何回繰り返して行われる場合であっても、連荘当たり遊技が行われないときには、大当たり遊技が終了するまでの間、第一普通図柄は変動しない状態で待機する。
このように、大当たり遊技の終了時点に第一保留球数が「1」以上であれば、大当たり遊技の終了後、すぐに第一普通図柄が変動を開始する。したがって、連荘当たり遊技が行われない場合であっても、大当たり遊技の終了後に、第一普通当たり判定の結果に遊技者の興味を集めることができる。大当たり遊技の終了後すぐに、第一保留球に対して行われる第一普通当たり判定において第一普通当たりと判定された場合には、いわゆる保留連荘として、新たに大当たり遊技が開始する。
図17は、大当たり遊技のうち(2)の場合における普通図柄、電チューの基本動作のタイムチャートを示す。ここでは、図16における(1)の場合と共通する点の説明を、適宜省略する。(2)の場合も、大当たり遊技が開始される前は、左打ちによって遊技が進行する。図17に示すように、遊技球が第一図柄作動ゲート11を通過すると、第一乱数が記憶され、判定エリアにシフトした第一乱数に対して第一普通当たり判定が行われる。第一普通当たり判定が行われると、第一普通図柄が変動する。第一普通当たり判定において第一普通当たりと判定されると、第一普通図柄の変動終了後に、第一普通当たり遊技が行われ、第一電チュー16が開放される。遊技者は、第一電チュー16に遊技球を入賞させるため、以降の処理を右打ちによって進行する。開放された第一電チュー16に4個の遊技球が入賞し、4個の第二保留球が記憶されたとする。第一普通図柄の変動優先順位は、第二普通図柄の変動優先順位よりも低いので、以降は、第二保留球数が「1」以上である限り、第一保留球数が「1」以上であっても、第一普通図柄が変動せず、第一普通当たり判定が行われない。
その後、判定エリアにシフトした第二乱数に対して、1回目の第二普通当たり判定が行われる。第二普通当たり判定において第二普通当たりと判定されると、第二普通図柄の変動終了後に、第二普通当たり遊技が行われ、第二電チュー17が開放される。開放された第二電チュー17に4個の遊技球が入賞し、4個の第三保留球が記憶されたとする。第一普通図柄及び第二普通図柄の変動優先順位は、第三普通図柄の変動優先順位よりも低いので、以降は、第三保留球数が「1」以上である限り、第一普通図柄及び第二普通図柄が変動せず、第一普通当たり判定及び第二普通当たり判定が行われない。
その後、判定エリアにシフトした第三乱数に対して第三普通当たり判定が行われる。第三普通当たり判定において第三普通当たりと判定されると、第三普通図柄の変動終了後に、第三普通当たり遊技が行われ、第三電チュー18が開放される。開放された第三電チュー18に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。第三普通図柄の変動優先順位は、第一普通図柄及び第二普通図柄よりも高いので、第三普通当たり遊技が終了すると、第三保留球に基づいて、引き続き第三普通当たり判定が行われ、第三普通当たりは判定されると第三普通当たり遊技が行われる。第三保留球数が「0」になるまで、第三普通当たり判定及び第三普通当たり遊技が繰り返して行われることで、一連の第三普通当たり遊技が行われる。
これらの第一普通当たり遊技、第二普通当たり遊技、一連の第三普通当たり遊技が行われる間に、遊技球が第四図柄作動ゲート13を通過したとする。第四普通図柄は、第一〜第三普通図柄の変動優先順位に関わらず変動可能である。ここでは、1回目の第二普通当たり遊技に伴う一連の第三普通当たり遊技が行われている間に、遊技球が第四図柄作動ゲート13を通過したとする。複数の電チューのいずれも作動していない期間に第四普通当たり判定が行われ、第四普通図柄が変動する。ここでは、第四普通当たり判定において第四普通当たりと判定されて、当たりショート変動の第四変動パターンが決定されたとする。
パチンコ機1において、当たりショート変動に基づく第四普通図柄の変動時間は、大当たり遊技において1回の第二普通当たり遊技及び1回の一連の第三普通当たり遊技の組合せが合計4回行われるのにかかる時間よりも短い時間に設定されている。本実施形態において、当たりショート変動の変動時間は6秒であるので、他の電チューが開放する間に第四普通図柄の変動時間の計測が中断されても、大当たり遊技中に第四普通図柄が変動を終了する。ここでは、一連の第三普通当たり遊技における第三電チュー18が開放する間の変動時間計測の中断を経て、2回目の第二普通図柄が変動を開始してから1.0秒後に、第四普通図柄が変動を終了したとする。この時点において、第二保留球数は「2」となっている。
第四普通図柄の変動終了後に、第四普通当たり遊技が行われ、第四電チュー19が開放される。第四電チュー19が開放する間の期間(図17において「★」で示す期間)は、第二普通図柄の変動時間の計測が中断される。開放された第四電チュー19に4個の遊技球が入賞したとする。第四電チュー19は、遊技球を獲得するための入賞口であるとともに、第二普通図柄の作動口でもある。したがって、第四電チュー19へ遊技球が入賞すると、最大第二保留球数を上限に第二保留球が記憶される。ここでは、第二保留球数が「2」であるので、2個の第二保留球が追加して記憶されて、第二保留球数が「4」となる。すなわち、大当たり遊技中に第四普通図柄が当たりショート変動で変動する場合には、実行中の大当たり遊技で消化された第二保留球の個数に応じた数だけ、第二保留球が新たに記憶される。
第四普通当たり遊技が終了すると、変動時間の計測を中断していた第二普通図柄が変動時間の計測を再開する。第二普通図柄は、残りの1.0秒の変動を行った後、変動を終了する。第二普通図柄の変動終了後に、第二普通当たり遊技が行われ、第二電チュー17が開放される。その後は、開放された第二電チュー17に入賞した遊技球の個数に応じた回数の一連の第三普通当たり遊技が行われる。一連の第三普通当たり遊技が終了すると、以降も同様に、第二保留球数が「0」になるまで、1回の第二普通当たり遊技及び1回の一連の第三普通当たり遊技が、交互に繰り返して行われる。このとき、前述の第四普通当たり遊技によって、大当たり遊技の実行中に第二保留球数が追加記憶されている。第三普通図柄の変動優先順位は、第二普通図柄の変動優先順位よりも高い。よって、大当たり遊技の実行中に追加記憶された第二保留球についても、第三保留球数が「1」以上である場合には、第二普通図柄の変動が開始されない。一連の第三普通当たり遊技が終了することで、第三普通図柄の次に変動優先順位の高い第二普通図柄が変動を開始できるようになる。したがって、追加記憶された第二保留球の個数に応じた回数だけ、1回の第二普通当たり遊技及び1回の一連の第三普通当たり遊技の繰り返しが、当初の大当たり遊技に対して追加して(上乗せして)行われる。
このように、大当たり遊技中に遊技球が第四図柄作動ゲート13を通過することを契機として、大当たり遊技中に第四普通当たり遊技が行われることで、当初の大当たり遊技に対して、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が上乗せして行われ得る。このような連荘当たり遊技を、以下では、上乗せ連荘当たり遊技ともいう。
大当たり遊技中に上乗せ連荘当たり遊技が発生し、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が行われる回数が上乗せされた場合にも、第二保留球数及び第三保留球数が「1」以上である限り、第一普通図柄が変動しないので、第一普通当たり判定が行われない。上乗せ連荘当たり遊技も含めた大当たり遊技が全て終了した時点において、第二保留球数及び第三保留球数は「0」である。したがって、上乗せ連荘当たり遊技も含めた大当たり遊技の終了後、第一保留球数が「1」以上であれば、大当たり遊技の終了後、すぐに第一普通図柄が変動を開始する。このように、パチンコ機1では、上乗せ連荘当たり遊技となった場合にも、大当たり遊技が間延びすることなく円滑に進行する。また、第二保留球数及び第三保留球数が「0」となって初めて第一普通図柄が変動する。つまり、パチンコ機1は、上乗せ連荘当たり遊技に伴う第二電チュー17及び第三電チュー18の開放が最大回数行われることを保障し、その後に第一普通当たり判定を行う。これにより、初当たり遊技及び連荘当たりに伴って払い出される賞球数が最大限に保障されるので、パチンコ機1は、遊技者に大当たり遊技に対する満足感を最大限に与えることができる。
なお、図示しないが、図17に示す(2)の場合に、大当たり遊技中に第四普通当たりと判定されて、当たりロング変動の第四変動パターンが決定されることもある。当たりロング変動に基づく第四普通図柄の変動時間は、大当たり遊技において1回の第二普通当たり遊技及び1回の一連の第三普通当たり遊技の組合せが合計4回行われるのにかかる時間よりも長い時間に設定されている。したがって、大当たり遊技中に第四普通図柄が当たりロング変動で変動する場合、実行中の大当たり遊技に係る電チューの開放が全て終了した後に、第四普通図柄の変動が終了し、その後に第四普通当たり遊技が行われる。すなわち、大当たり遊技中に第四普通図柄が当たりロング変動で変動する場合には、実行中の大当たり遊技で第二保留球及び第三保留球が全て消化された後に、第二保留球が最大第二保留球数を上限に新たに記憶される。このため、大当たり遊技の終了後に、連荘当たり遊技として、第四普通当たり遊技に伴う1回の第四電チュー19の開放、及び1回の第二普通当たり遊技及び1回の一連の第三普通当たり遊技の組合せが最大で4回繰り返して行われる。このような連荘当たり遊技を、まる得連荘当たり遊技ともいう。1回の第二普通当たり遊技及び1回の一連の第三普通当たり遊技の組合せの遊技が行われる回数は、まる得連荘当たり遊技が行われる場合の方が、上乗せ連荘当たり遊技が行われる場合よりも多くなりやすい。したがって、まる得連荘当たり遊技が行われる場合の方が、上乗せ連荘当たり遊技が行われる場合よりも、遊技者に払い出される賞球が多くなりやすい。このように、パチンコ機1は、連荘当たり遊技を上乗せ連荘当たり遊技とするか、まる得連荘当たり遊技とするかに応じて、連荘当たり遊技を多様化している。
第二実施形態について説明する。第二実施形態では、第一普通図柄処理(図8参照)において、S43及びS45の判断が行われない以外は、第一実施形態のパチンコ機1と同様の制御が行われる。つまり、第三保留球数が「1」以上である場合に第二普通図柄の変動が制限され、第三保留球数が「0」である場合に第二普通図柄が変動可能となる。すなわち、第二実施形態では、第三普通図柄の変動優先順位が第二普通図柄の変動優先順位よりも高い(第三普通図柄>第二普通図柄)。また、第一普通図柄が、第二普通図柄と第三普通図柄との間に設けられている変動優先順位に関わらず、第二普通図柄及び第三普通図柄とは独立して変動を開始可能である。つまり、第一普通図柄は、第二保留球数及び第三保留球数に関わらず変動を開始してもよい。
この場合、大当たり遊技中に第二保留球数及び第三保留球数がそれぞれ「1」以上であるときには、第三普通図柄が第二普通図柄よりも優先して変動する。すなわち、第二保留球数及び第三保留球数がそれぞれ「1」以上である場合、第三普通当たり判定が、第二普通当たり判定よりも優先して行われる。したがって、第三保留球数が「1」以上である限りは、一連の第三普通当たり遊技が第二普通当たり遊技に優先して行われる。これにより、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が円滑に行われるので、パチンコ機1は、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技に伴う賞球の払い出しを、遊技者に保障できる。
また、大当たり遊技が行われる間に第一保留球数が「1」以上であれば、第一普通図柄が変動しうる。なお、大当たり遊技中に第一普通当たり判定が行われた場合において、第一普通図柄の変動時間が第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技の組合せが合計4回行われるのにかかる時間よりも短い場合には、第一大当たり遊技を契機とした上乗せ連荘当たり遊技が行われる。第一普通図柄の変動時間が第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技の組合せが合計4回行われるのにかかる時間よりも長い場合には、第一大当たり遊技を契機とした、まる得連荘当たり遊技が行われる。このように、第二実施形態では、第一普通図柄が大当たり遊技中に変動しうるので、第四普通図柄の変動に加えて、第一普通図柄の変動によっても連荘当たり遊技が行われる可能性がある。したがって、大当たり遊技が実行された場合に、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技を遊技者に円滑に提供しつつ、連荘当たり遊技が発生するか否かに遊技者の興味を惹きつけることができる。
なお、第一普通図柄と第四普通図柄との間に変動優先順位が設けられなくてもよい。この場合、第一保留球及び第四保留球が、それぞれが記憶された順に変動を開始してもよい。
第三実施形態について説明する。第三実施形態では、第二普通図柄処理(図12参照)においてS183の判断が行われない以外は、第一実施形態のパチンコ機1と同様の制御が行われる。つまり、第二保留球数が「1」以上であるか、又は、第三保留球数が「1」以上である場合に、第一普通図柄の変動が制限され、第二保留球数及び第三保留球数がともに「0」である場合に第一普通図柄が変動可能となる。すなわち、第三実施形態では、第二普通図柄及び第三普通図柄の変動優先順位が、第一普通図柄の変動優先順位よりも高くされている(第二普通図柄及び第三普通図柄>第一普通図柄)。第二普通図柄と第三普通図柄との間には、変動優先順位が設けられていなくてもよい。したがって、第二普通図柄は、第三保留球数に関わらず変動を開始してもよいし、第三普通図柄は、第二保留球数に関わらず変動を開始してもよい。
この場合、第二保留球数及び第三保留球数の少なくともいずれかが「1」以上であり、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技の実行が予定されるときには、第一普通図柄が変動しない。第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が終了し、第二保留球数及び第三保留球数がともに「0」となることで第一普通図柄が変動を開始しうる。よって、大当たり遊技中において、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が、第一普通当たり遊技に優先して行われる。予定された第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が終了した後に、第一普通当たり遊技が実行され得る。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技において予定されている第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技に伴う賞球の払い出しを、遊技者に保障できる。
第三実施形態では、第二普通図柄と第三普通図柄とが、第二保留球数及び第三保留球数に関わらず独立して変動しうる。第二実施形態のパチンコ機1は、第一実施形態に対して、第二普通図柄処理において第三保留球数に関する判断を行わなくてよいので、パチンコ機1における制御負担が軽減される。この場合であっても、例えば、第二普通図柄の変動時間が、一連の第三普通当たり遊技の実行にかかる時間と同程度の時間になるように設計されていれば、第二普通図柄の変動中に一連の第三普通当たり遊技が行われる。このとき、一連の第三普通当たり遊技が終了した頃に、第二普通図柄の変動がちょうど終了する。したがって、一連の第三普通当たり遊技が終了すると、その後に第二普通当たり遊技が引き続いて行われうる。このように、第二普通当たり遊技と一連の第三普通当たり遊技とが行われる間には、第一普通図柄が変動しない。このため、第四普通当たりにおいて第四普通当たりと判定されるまでは、第二普通当たり遊技と一連の第三普通当たり遊技とが、第二保留球数に応じた回数分繰り返して実行されることが保障される。よって、第一普通当たり遊技が開始されるまでの間に払い出される賞球数が、最大限保障される。したがって、パチンコ機1は、遊技者に大当たり遊技に対する満足感を与えることができる。
なお、第二普通図柄の変動時間が、一連の第三普通当たり遊技の実行にかかる時間と同程度の時間になるように設計される例については、後述の第六実施形態の説明において詳述する。
第四実施形態について説明する。第四実施形態では、第一普通図柄処理(図8参照)においてS45の判断が行われず、第二普通図柄処理(図12参照)においてS183の判断が行われないない以外は、第一実施形態のパチンコ機1と同様の制御が行われる。つまり、第三保留球数が「1」以上である場合に第一普通図柄の変動が制限され、第三保留球数が「0」である場合に第一普通図柄が変動可能となる。すなわち、第四実施形態では、第三普通図柄の変動優先順位が第一普通図柄の変動優先順位よりも高い(第三普通図柄>第一普通図柄)。第一普通図柄と第二普通図柄との間には、変動優先順位が設けられていなくてもよい。第一普通図柄は、第二保留球数に関わらず変動を開始してもよいし、第二普通図柄は、第一保留球数に関わらず変動を開始してもよい。また、第二普通図柄と第三普通図柄との間には、変動優先順位が設けられていなくてもよい。第二普通図柄は、第三保留球数に関わらず変動を開始してもよいし、第三普通図柄は、第二保留球数に関わらず変動を開始してもよい。
この場合、第三保留球数が「1」以上であり、一連の第三普通当たり遊技の実行が予定されるときには、第一普通図柄が変動しない。一連の第三普通当たり遊技が終了し、第三保留球数が「0」となることで第一普通図柄が変動を開始しうる。よって、大当たり遊技において一連の第三普通当たり遊技が、第一普通当たり遊技に優先して行われる。大当たり遊技において一連の第三普通当たり遊技が行われる場合には、一連の第三普通当たり遊技が開始されてから終了するまでの間に、第一普通当たり遊技が行われることがない。したがって、パチンコ機1は、一連の第三普通当たり遊技が行われることに伴って払い出される賞球を保障できる。なお、第三実施形態の例として記載したように、第二普通図柄の変動時間が、一連の第三普通当たり遊技の実行にかかる時間と同程度の時間になるように設計されていてもよい。
第五実施形態について説明する。第五実施形態では、第一普通図柄処理(図8参照)においてS43の判断が行われず、第二普通図柄処理(図12参照)においてS183の判断が行われない以外は、第一実施形態のパチンコ機1と同様の制御が行われる。つまり、第二保留球数が「1」以上である場合に第意普通図柄の変動が制限され、第二保留球数が「0」である場合に第一普通図柄が変動可能となる。すなわち、第五実施形態では、第二普通図柄の変動優先順位が第一普通図柄の変動優先順位よりも高い(第二普通図柄>第一普通図柄)。第一普通図柄と第三普通図柄との間には、変動優先順位が設けられていなくてもよい。第一普通図柄は、第三保留球数に関わらず変動を開始してもよいし、第三普通図柄は、第一保留球数に関わらず変動を開始してもよい。また、第二普通図柄と第三普通図柄との間には、変動優先順位が設けられていなくてもよい。第二普通図柄は、第三保留球数に関わらず変動を開始してもよいし、第三普通図柄は、第二保留球数に関わらず変動を開始してもよい。
この場合、第二保留球数が「1」以上であり、第二普通当たり遊技の実行が予定されるときには、第一普通図柄が変動しない。予定されている第二普通当たり遊技が終了し、第二保留球数が「0」となることで、第一普通図柄が変動を開始しうる。よって、大当たり遊技において第二普通当たり遊技が、第一普通当たり遊技に優先して行われる。第二保留球数が「1」以上である場合には、第二普通当たり遊技が行われることで、以降に一連の第三普通当たり遊技の実行が予定される。このような第二普通当たり遊技が、第一普通当たり遊技に優先して行われるので、パチンコ機1は、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が行われることに伴って払い出される賞球を保障できる。
図18から図22を参照して、第六実施形態に係るパチンコ機201について説明する。図18に示すように、パチンコ機201は、その上半分の部分に遊技盤202が設けられていること以外は、パチンコ機1と同様の構成である。以下では、パチンコ機201において、パチンコ機1と同様の構成については、説明を省略する。
図18及び図19に示すように、遊技盤202の前面には、ガイドレール3で囲まれた遊技領域204が形成されている。遊技領域204の略中央には、センター飾り800が設けられている。センター飾り800の右方には、第四図柄作動ゲート213が設けられている。第四図柄作動ゲート213の下方には、第四電チュー219が設けられている。第四電チュー219の下方には、第一電チュー216が設けられている。第一電チュー216の左斜め下方には、第二電チュー217が設けられている。第二電チュー217の左斜め下方には、第三電チュー218が設けられている。
第一電チュー216、第二電チュー217、第三電チュー218及び第四電チュー219は、開閉部材2161,2171,2181,2191をそれぞれ備える。開閉部材2161,2171,2181,2191が開放された場合、遊技球が第一電チュー216、第二電チュー217、第三電チュー218及び第四電チュー219に入賞できる。開閉部材2161,2171,2181,2191は第一電チューソレノイド64、第二電チューソレノイド65、第三電チューソレノイド66、第四電チューソレノイド67(図3参照)によって開閉される。
センター飾り800の上端部における左右方向の略中央部には、上方に開口した飛込口810が設けられる。また、センター飾り800の下端部における左右方向の略中央部には、遊技球が入賞可能に構成された第一図柄作動口211が設けられる。第一図柄作動口211は、第一普通図柄の作動口として機能する入賞口である。なお、第一図柄作動口211には、パチンコ機1における第一図柄作動ゲートスイッチ61に相当するスイッチが設けられている。センター飾り800は、正面視環状の外周壁860を備える。外周壁860で囲まれた領域である内側領域には、遊技球が移動可能に構成されている第一流路864、分岐部865、第二流路866、第三流路867、振分部868、ステージ863及びクルーン820が設けられる。
第一流路864は、飛込口810からやや右側に湾曲するように下方に延びる。第一流路864の下端部には、遊技球が旋回可能な内周面を有する旋回部864Aが設けられる。第一流路864の下端部は、旋回部864Aの下端部に形成された開口を介して、分岐部865に連通する。第二流路866及び第三流路867は、分岐部865から互いに異なる方向へ分岐する。分岐部865の内部には、旋回部864Aの直下に設けられている支軸を中心に搖動可能に構成されているシーソー811が設けられている。シーソー811は、旋回部864Aから供給された遊技球を第二流路866又は第三流路867のいずれかに振り分ける。
第二流路866は、分岐部865から左下方に延び、さらに表示画面28の左側を下方に延びる。振分部868は第二流路866の下端部と連通したステージ状である。振分部868の中央部には開口が設けられており、開口の直下には、一定速度で時計回りに回転する回転体869が設けられている。回転体869の内部には遊技球が通過可能な内部流路869Aが設けられている。内部流路869Aに遊技球が供給された状態で回転体869が回転することで、内部流路869Aに供給された遊技球が、回転体869の左右両側に設けられたアウト口273,274又は回転体869の下側のステージ863のいずれかに振り分けられる。このように、飛込口810から入球した遊技球が第一流路864、分岐部865、第二流路866を通過する遊技球のルートを、通常ルートという。
一方、第三流路867は,分岐部865から右下方に延び、さらに表示画面28の右側をらせん状に下方に延びる。第三流路867の下端部は、ステージ863に接続する。このように、飛込口810から入球した遊技球が第一流路864、分岐部865、第三流路867を通過する遊技球のルートを、特別ルートという。
ステージ863は、表示画面28の下側において前後方向に延びる面部である。回転体869の内部流路869Aを通過してステージ863に到達した遊技球は、クルーン200の内部へ移動する。クルーン200は、平面視略円形の皿状部材である。クルーン200に移動した遊技球は、クルーン200の内周面に沿って旋回する。クルーン200には2つのチャンス穴と6つのハズレ穴(図示略)が、内周面の円周方向に沿って等間隔に形成されている。チャンス穴及びハズレ穴のいずれも、クルーン200を上下方向に貫通して設けられる。したがって、クルーン200に移動した遊技球のうち2/8がチャンス穴を通過し、6/8がハズレ穴を通過する。チャンス穴を通過した遊技球のほとんどが第一図柄作動口211へ入賞する。ハズレ穴を通過した遊技球は、第一図柄作動口211の左右両側に設けられた排出路284,285を介して、センター飾り800の下側に排出される。
パチンコ機201では、通常ルートを通過した遊技球がクルーン200のチャンス穴を通過する割合は、約1/4である。また、特別ルートを通過した遊技球がクルーン200のハズレ穴を通過する割合は、回転体869での遊技球の振分けを考慮すると、約1/24である。分岐部865のシーソー811に供給された遊技球が通常ルートに振り分けられる割合は、約9割であり、特別ルートに振り分けられる割合は、約1割である。したがって、飛込口810からセンター飾り800の内部領域に入球した遊技球のうち通常ルートを通過してチャンス穴を通過するものの割合は、約1/27であり、特別ルートを通過してチャンス穴を通過するものの割合は、約1/40である。これらを合算すると、飛込口810からセンター飾り800の内部領域に進入した遊技球がチャンス穴を通過して第一図柄作動口211を通過する割合は、約1/16である。
パチンコ機201では、まず、飛込口810に遊技球を入球させることで、第一図柄作動口211へ遊技球を入賞させることを目指して、左打ちで遊技が進行される。パチンコ機1において単位時間(例えば1分間)に遊技球が第一図柄作動ゲート11を通過する個数(パチンコ機1のスタート回数)よりも、パチンコ機201において単位時間(例えば1分間)に遊技球が第一図柄作動口211へ入賞する個数(パチンコ機201のスタート回数)は少なくなる。このため、パチンコ機201の第一普通当たり確率は、パチンコ機1の第一普通当たり確率よりも高い確率に設定される。パチンコ機1の第一普通当たり確率は、一般電役タイプの遊技機における一般的な確率である。すなわち、パチンコ機201は、スタート回数はパチンコ機1よりも低いが、一旦遊技球が第一図柄作動口211へ入賞した場合には、一般的な遊技機よりも第一普通当たりであると判定されやすい遊技機である。また、パチンコ機201は、左打ちで遊技が進行される場合のスタート回数がパチンコ機1よりも低いので、パチンコ機201では、パチンコ機1よりも第一保留球が記憶されにくい。したがって、パチンコ機201では、初当たり遊技が開始された時点における第一保留球数は、ほぼ「0」である。
パチンコ機1において、第一図柄作動口211へ遊技球が入賞することを契機として第一普通当たり判定が行われ、第一普通図柄が変動する。第一普通当たり判定において第一普通当たりであると判定されると、第一電チュー216が開放される第一普通当たり遊技が行われる。第一電チュー216へ遊技球が入賞することを契機として第二普通当たり判定が行われ、第二普通図柄が変動する。第二普通当たり判定において第二普通当たりであると判定されると、第二電チュー217が開放される第二普通当たり遊技が行われる。第二電チュー217へ遊技球が入賞することを契機として第三普通当たり判定が行われ、第三普通図柄が変動する。第三普通当たり判定において第三普通当たりであると判定されると、第三電チュー218が開放される第三普通当たり遊技が行われる。第一電チュー216、第二電チュー217及び第三電チュー218は、遊技領域204において、右打ちされた遊技球が入賞可能な位置に配置されている。したがって、大当たり遊技中は右打ちで遊技が進行される。
また、第四図柄作動ゲート213及び第四電チュー219も、右打ちされた遊技球が入賞可能な位置に配置されている。このため、パチンコ機1と同様に、パチンコ機201においても、大当たり遊技中に右打ちされた遊技球が第四図柄作動ゲート213を通過することを契機として第四普通当たり判定が行われる。第四普通当たり判定によって第四普通当たりであると判定された場合には、第四電チュー219が開放される第四普通当たり遊技が行われる。
パチンコ機201では、右打ちされた遊技球の一部が飛込口810へ入球可能である。このため、大当たり遊技中に右打ちされた遊技球が飛込口810へ入球することに起因して、大当たり遊技中に遊技球が第一図柄作動口211へ入賞することがある。なお、右打ちされた遊技球が飛込口810へ入球する頻度は、左打ちされた遊技球が飛込口810へ入球する頻度よりも低くされている。
大当たり遊技中に遊技球が飛込口810へ入球した場合、遊技者は、飛込口810へ入球した遊技球が、その後に通常ルート又は特別ルートのいずれを通過するか、及びクルーン200に至った遊技球がその後に第一図柄作動口211へ入賞するかに注目する。また、パチンコ機201の第一普通当たり確率は、一般的な遊技機よりも高い。このような遊技仕様においては、大当たり遊技中に遊技球が第一図柄作動口211へ入賞した場合に、できるだけ早い段階で第一普通当たり判定を行って判定結果を報知し、第一普通当たりであると判定された場合には、できるだけ早く第一普通当たり遊技を行うことで、パチンコ機201は、その遊技性を向上できる。このため、パチンコ機201では、第一普通図柄の変動優先順位を、第二普通図柄及び第三普通図柄の変動優先順位よりも高く設定している(第一普通図柄>第二普通図柄及び第三普通図柄)。
図20を参照して、パチンコ機201における第二普通図柄処理について説明する。なお、図20において、パチンコ機1における第二普通図柄処理(図12参照)と同じステップ番号を付した処理については、パチンコ機1における第二普通図柄処理と同様の処理が行われることとする。パチンコ機201では、図20に示すように、第一実施形態の第二普通図柄処理におけるS183の処理(第三保留球数に関する処理)に替えて、第一保留球数が「1」以上であるかを判断する処理が行われる(S3183)。第一保留球数が「1」以上である場合(S3183:YES)、第二普通当たり判定は行われず、第二普通図柄の変動も開始されないので、処理はメイン処理へ戻る。第一保留球数が「0」である場合(S3183:NO)、第二保留球数に対する判断が行われ(S185)、以降は第一実施形態の第二普通図柄処理と同様の処理が行われる。
図21を参照して、パチンコ機201における第三普通図柄処理について説明する。なお、図21において、パチンコ機1における第三普通図柄処理(図14参照)と同じステップ番号を付した処理については、パチンコ機1における第三普通図から処理と同様の処理が行われることとする。パチンコ機201では、図21に示すように、第一実施形態の第三普通図柄処理に対して、S262の判断処理の後に、第一保留球数が「1」以上であるかを判断する処理が追加される(S3263)。第一保留球数が「1」以上である場合(S3263:YES)、第三普通当たり判定は行われず、第三普通図柄の変動も開始されないので、処理はメイン処理へ戻る。第一保留球数が「0」である場合(S3263:NO)、第三保留球数に対する判断が行われ(S269)、以降は第一実施形態の第三普通図柄処理と同様の処理が行われる。
なお、図示しないが、パチンコ機201の第一普通図柄処理においては、第一実施形態のパチンコ機1の第一普通図柄処理(図8参照)で行われるS43及びS45の処理を行わなくてよい。S43は第三保留球数に関する判断であり、S45は第二保留球数に関する判断である。
図22を参照して、パチンコ機201において、普通図柄の変動優先順位が「第一普通図柄>第二普通図柄及び第三普通図柄」である場合の、大当たり遊技における普通図柄、電チューの基本動作について説明する。大当たり遊技が開始される前は、左打ちによって遊技が進行する。左打ちされた遊技球は、センター飾り800の飛込口810へ入球し、入球した遊技球の約1/16が、クルーン200のチャンス穴を経て第一図柄作動口211へ入賞する。遊技球が第一図柄作動口211へ入賞すると、第一保留球(第一乱数)が1個記憶され、記憶された第一保留球に基づいて第一普通当たり判定が行われる。第一普通当たり判定が行われると、第一普通図柄が変動を開始する。第一普通当たり判定において第一普通当たりと判定されると、第一普通図柄が変動を終了した後に、第一電チュー216が開放される第一普通当たり遊技が行われる。
開放された第一電チュー216に4個の遊技球が入賞したとする。これにより、この時点の第二保留球数は「4」となる。第一電チュー216は、第二普通図柄の作動口である。この時点において、第一保留球数が「0」であるとする。この場合、第二普通図柄は変動可能であるので、第二普通当たり判定が行われ、第二普通図柄が変動する。
パチンコ機201においても、パチンコ機1と同様に、第二普通当たり確率は100%である。第二普通当たり判定において第二普通当たりと判定されると、第二普通図柄が変動を終了した後に、第二電チュー217が開放される第二普通当たり遊技が行われる。開放された第二電チュー217に4個の遊技球が入賞したとする。これにより、この時点の第三保留球数は「4」となる。第二電チュー217は、第三普通図柄の作動口である。この時点においても第一保留球数は「0」であるので、第三普通図柄は変動可能である。したがって、第三普通当たり判定が行われ、第三普通図柄が変動する。第三普通図柄は、第二普通当たり遊技が終了し、第二電チュー217の作動が終了した後に変動を開始する。
パチンコ機201では、第二普通図柄と第三普通図柄との間に、変動優先順位が設けられておらず、第二普通図柄と第三普通図柄とが、第二保留球数及び第三保留球数に関わらず独立して変動しうる。具体的には、第二普通図柄は、第三保留球数に関わらず変動開始が可能である。また、第三普通図柄は、第二保留球数に関わらず変動開始が可能である。1回目の第二普通図柄の変動及び第二普通当たり遊技が終了した時点において、第二保留球数は「3」である。したがって、第二普通当たり遊技が終了し、第二電チュー217の作動が終了した後に、第二普通図柄も変動を開始する。
パチンコ機201では、第二普通図柄の変動時間を、一連の第三普通当たり遊技の実行にかかる時間と同程度の時間とすることで、第二普通図柄の変動中に一連の第三普通当たり遊技が行われるようにしている。パチンコ機201では、第三開放時間が2秒であり、第三普通当たり遊技の終了後に設けられる所定のインターバルが2秒である。このため、パチンコ機201では、4回の第三普通当たり遊技及び第三普通当たり遊技の終了後のインターバルに係る時間を勘案して、第二普通図柄の変動時間を、10秒としている。このとき、一連の第三普通当たり遊技が終了した頃に、第二普通図柄の変動がちょうど終了する。したがって、一連の第三普通当たり遊技が終了すると、その後に第二普通当たり遊技が引き続いて行われる。なお、大当たり遊技の1回目に行われる第二普通図柄の変動時間は、一連の第三普通当たり遊技の実行にかかる時間よりも短い時間に設定されてもよい。
大当たり遊技が開始されて右打ちされた遊技球がセンター飾り800の飛込口810へ入球し、第二電チュー217の開放中に入球した遊技球が第一図柄作動口211へ入賞したとする。これにより、第一保留球数が「1」となるので、第二普通図柄及び第三普通図柄の新たな変動開始が制限される。第二電チュー217の開放終了後に、第一普通当たり判定が行われ、第一普通図柄が変動を開始する。第一普通図柄が変動を開始すると、第一保留球数が「0」となるので、以降、第二普通図柄及び第三普通図柄の新たな変動開始が可能になる。したがって、引き続き、第二普通図柄の変動、第二普通当たり遊技、第二普通図柄の変動中における一連の第三普通当たり遊技が行われる。
大当たり遊技中に行われた第一普通当たり判定が、第一普通当たりと判定されたとする。この場合、第一普通図柄が変動を終了した後に、第一普通当たり遊技が行われる。第一普通当たり遊技が2回目の一連の第三普通当たり遊技の終了直後に開始されたとする。第一普通当たり遊技で開放された第一電チュー216に4個の遊技球が入賞したとする。第二普通当たり遊技が行われた時点において、第二普通図柄が3回変動を開始しているので、この時点において第二保留球数は「1」となっている。したがって、第一電チュー216への遊技球の入賞に伴い3個の第二保留球が新たに記憶され、第二保留球数が「4」となる。なお、第二普通図柄は、第一普通当たり遊技中に変動時間を計測しないで待機し、第一普通当たり遊技の終了後に変動時間の計測を再開し、変動時間の経過に伴い変動を終了する。
以降は、第二保留球数が「0」になるまで、1回の第二普通当たり遊技及び1回の一連の第三普通当たり遊技が、交互に繰り返して行われる。前述のように、大当たり遊技中に行われた第一普通当たり遊技中に、3個の第二保留球が追加記憶されている。したがって、1回の第二普通当たり遊技及び1回の一連の第三普通当たり遊技の繰り返しが、当初の大当たり遊技に対して3回上乗せして行われる。すなわち、大当たり遊技中に第一普通当たり遊技が行われることに起因して、上乗せ連荘当たり遊技が行われる。なお、大当たり遊技中に右打ちされた遊技球が第四図柄作動ゲート213を通過し、第四普通当たり判定が行われ得る。
このように、パチンコ機201では、大当たり遊技中に第一普通当たり判定が、第二普通当たり判定及び第三普通当たり判定に優先して行われる。この場合、第一普通当たり判定の結果がはずれであっても、第一普通図柄が変動し、第一普通当たり判定の結果が報知されるので、遊技者は、第一図柄作動口211へ遊技球が入賞した後すぐに、第一普通当たり判定の結果を認識することができる。
パチンコ機201において、第二普通図柄と第三普通図柄との間に、変動優先順位が設けられていてもよい。例えば、第二実施形態で示したように、第三普通図柄の変動優先順位が第二普通図柄の変動優先順位よりも高くされてもよい。すなわち、第六実施形態において、第三保留球数が「1」以上である場合に第二普通図柄の変動が制限され、第三保留球数が「0」である場合に第二普通図柄が変動可能となってもよい。この場合、第一〜第三普通図柄の変動優先順位は、「第一普通図柄>第三普通図柄>第二普通図柄」となる。この場合、一連の第三普通当たり遊技が第二普通当たり遊技に優先して行われるので、第二普通図柄の変動時間は、第一実施形態等と同様に、一連の第三普通当たり遊技に係る時間が勘案されずに設定されてもよい。また、例えば、第一実施形態で示したように、第二普通図柄の変動優先順位が第三普通図柄の変動優先順位よりも高くされてもよい。すなわち、第六実施形態において、第二保留球数が「1」以上である場合に第三普通図柄の変動が制限され、第二保留球数が「0」である場合に第三普通図柄が変動可能となってもよい。この場合、第一〜第三普通図柄の変動優先順位は、「第一普通図柄>第二普通図柄>第三普通図柄」となる。これにより、パチンコ機201は、大当り遊技中に遊技球が第一図柄作動口211を通過した場合には、第一普通当たり判定を優先して行いつつ、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技を円滑に繰り返して行うことができる。
また、パチンコ機201において、第一普通図柄の変動優先順位が、第二普通図柄又は第三普通図柄のいずれかの変動優先順位よりも高い遊技仕様であってもよい。具体的には、第一普通図柄の変動優先順位が第二普通図柄の変動優先順位よりも高く、第三普通図柄と第一普通図柄及び第二普通図柄との間に変動優先順位が設けられなくてもよい(第一普通図柄>第二普通図柄、第三普通図柄については変動優先順位が設定されない)。この場合、図21に示す第三普通図柄処理において、S3263の判断処理が行われなくてもよい。この場合であっても、第一普通図柄の変動優先順位が第二普通図柄の変動優先順位よりも高く、大当たり遊技中に第二普通図柄に第一普通図柄が変動しうる。したがって、パチンコ機201は、遊技球が第一図柄作動口211へ入賞した後、すぐに、第一普通当たり判定による判定結果を遊技者に報知できる。また、第二普通当たり遊技に優先して第一普通当たり遊技が行われ得るので、大当たり遊技中の第一普通当たり遊技を契機として上乗せ連荘当たり遊技が行われうる。
又は、第一普通図柄の変動優先順位が第三普通図柄の変動優先順位よりも高く、第二普通図柄と第一普通図柄及び第三普通図柄との間に変動優先順位が設けられなくてもよい(第一普通図柄>第三普通図柄、第二普通図柄については変動優先順位が設定されない)。この場合、図20に示す第二普通図柄処理において、S3183の判断処理が行われなくてもよい。この場合であっても、第一普通図柄の変動優先順位が第三普通図柄の変動優先順位よりも高く、大当たり遊技中に第一普通図柄が変動しうる。したがって、パチンコ機201は、遊技球が第一図柄作動口211へ入賞した後、すぐに、第一普通当たり判定による判定結果を遊技者に報知できる。また、第三普通当たり遊技に優先して第一普通当たり遊技が行われ得るので、大当たり遊技中の第一普通当たり遊技を契機として上乗せ連荘当たり遊技が行われうる。
なお、図22は、大当たり遊技中に第四図柄作動ゲート213を遊技球が通過したことを契機として行われた第四普通当たり判定によってはずれと判定された例を示す。パチンコ機201では、パチンコ機1と同様に、第四普通図柄の変動優先順位が、第一〜第三普通図柄との間において設定されていない。このため、大当たり遊技中に第四普通当たり判定が行われ、第四普通図柄が変動しうる。例えば、大当たり遊技中に行われた第四普通当たり判定によって第四普通当たりであると判定された場合には、パチンコ機1について図17で示した例と同様に、上乗せ連荘当たり遊技又はまる得連荘当たり遊技が行われ得る。このように、パチンコ機201では、パチンコ機1よりも連荘当たり遊技が行われるチャンスが多いので、大当たり遊技中の遊技者に連荘当たり遊技への期待感を抱かせて、遊技者を楽しませることができる。
以上説明したように、第二実施形態で示したパチンコ機1は、第三保留球数が「1」以上である場合には、第二保留球数が「1」以上であっても、第三保留球に基づく第三普通当たり遊技が、第二保留球に基づく第二普通当たり遊技よりも優先して行われる。また、第三保留球数が「0」であって、第二保留球数が「1」以上である場合に、第二普通当たり遊技が行われ得る。よって、第一電チュー16、第二電チュー17、第三電チュー18が連動することで行われる大当たり遊技において、第三電チュー18による一連の第三普通当たり遊技が終了して第三保留球数が「0」になった後に、第二電チュー17が開放する第二普通当たり遊技が行われる。一連の第三普通当たりの終了後に開放した第二電チュー17に遊技球が入賞することを契機として、第三保留球が再び最大第三保留球数を上限に記憶される。記憶された第三保留球に基づいて、再び一連の第三普通当たり遊技が行われる。すなわち、第二保留球数に基づく回数の第二普通当たり遊技のそれぞれに対応した一連の第三普通当たり遊技が行われる。このようにして、パチンコ機1は、大当たり遊技において第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技を円滑に行うことができる。
普通当たり判定を行う場合、判定結果を報知するための普通図柄が変動するための変動時間を設ける。従来の遊技機は、普通当たり判定の結果を報知するための時間を調整することで、複数の電チューの作動順序を制御している。この点、第二実施形態で示したパチンコ機1は、第二普通図柄と第三普通図柄との間の変動優先順位を、「第三普通図柄>第二普通図柄」としている。これにより、大当たり遊技中に第三保留球数が「1」以上であるときには、第二保留球数が「1」以上であっても、第三普通図柄が第二普通図柄よりも優先して変動する。すなわち、第三普通当たり判定が、第二普通当たり判定よりも優先して行われる。これにより、パチンコ機1は、一連の第三普通当たり遊技を第二普通当たり遊技に優先して行うことができる。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技において、第二普通図柄及び第三普通図柄の変動時間を調整することなく、第二電チュー17及び第三電チュー18を円滑に作動させることができる。
第二実施形態で示したパチンコ機1では、第二保留球数及び第三保留球数に関わらず、第一普通図柄が変動しうる。この場合、大当たり遊技中に第一普通当たり判定が行われ、第一普通当たりであるとの判定結果が得られた場合、第二保留球数及び第三保留球数に関わらず、第一電チュー16が開放される第一普通当たり遊技が行われ得る。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技の実行中に、新たな大当たり遊技が開始されうる遊技仕様を実現し、大当たり遊技の興趣を向上できる。
パチンコ機1では、右打ちされた遊技球が通過可能な位置に第四図柄作動ゲート13が設けられている。このため、大当たり遊技中に第二電チュー17及び第三電チュー18に向けて右打ちされた遊技球が、第四図柄作動ゲート13を通過しうる。遊技球が第四図柄作動ゲート13を通過することを契機として、第四普通当たり判定が行われ、第四普通当たりであると判定されると、第四電チュー19が開放される第四普通当たり遊技が行われる。第四電チュー19は第二普通図柄の作動口として機能するので、遊技球が第四電チュー19へ入賞すると、第二普通当たり判定が行われ、第二普通当たりであると判定されると、第二電チュー17が開放される第二普通当たり遊技が実行される。このように、大当たり遊技中に遊技球が第四図柄作動ゲート13を通過することを契機として、新たな大当たり遊技(連荘当たり遊技)が開始され得る。これにより、パチンコ機1は、大当たり遊技の興趣を向上できる。
上記第二実施形態において、第一図柄作動ゲート11が、本発明の「第一通過口」に相当する。第一電チュー16が、本発明の「第一作動入賞口」に相当する。なお、電チューの閉鎖状態が本発明の「第一状態」に相当し、電チューの開放状態が本発明の「第二状態」に相当する。第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりである場合に図8のS69において第一普通当たり遊技中フラグを「ON」とし、第一普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合に図9のS91において第一電チュー開放コマンドを生成する主基板41のCPU51が、本発明の「第一作動手段」として機能する。第二電チュー17が、本発明の「第二作動入賞口」に相当する。第三電チュー18が、本発明の「第三作動入賞口」に相当する。第二乱数(第二保留球)が、本発明の「第一情報」に相当する。図12のS177において第二乱数をRAM52の第二普通当たり関係情報エリアに記憶する主基板41のCPU51が、「第一記憶手段」として機能する。第二普通当たり判定の結果が第二普通当たりである場合に図12のS211において第二普通当たり遊技中フラグを「ON」とし、第二普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合に図13のS241において第二電チュー開放コマンドを生成する主基板41のCPU51が、本発明の「第二作動手段」として機能する。第三乱数(第三保留球)が、本発明の「第二情報」に相当する。図14のS255において第三乱数をRAM52の第三普通当たり関係情報エリアに記憶する主基板41のCPU51が、主基板41のCPU51が、本発明の「第二記憶手段」として機能する。第三普通当たり判定の結果が第三普通当たりである場合に図14のS296において第三普通当たり遊技中フラグを「ON」とし、第三普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合に図15のS321において第三電チュー開放コマンドを生成する主基板41のCPU51が、本発明の「第三作動手段」として機能する。図12のS183の判断を行う主基板41のCPU51が、本発明の「作動制御手段」として機能する。
図12のS193において第二普通当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「第一判定手段」として機能する。図14のS273において第三普通当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「第二判定手段」として機能する。第四図柄作動ゲート13が、本発明の「第二通過口」に相当する。第四電チュー19が、本発明の「第四作動入賞口」に相当する。第四普通当たり判定の結果が第四普通当たりである場合に図10のS139において第四普通当たり遊技中フラグを「ON」とし、第四普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合に図11のS161において第四電チュー開放コマンドを生成する主基板41のCPU51が、本発明の「第四作動手段」として機能する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。上記実施形態では、第四普通図柄は、第一〜第三普通図柄に設けられている変動優先順位に関わらず、第一〜第三普通図柄とは独立して変動を開始するが、第四普通図柄にも、第一〜第三普通図柄との間における変動優先順位が設けられてもよい。例えば、第一実施形態のパチンコ機1において、第二普通図柄及び第三普通図柄の変動優先順位よりも低く、第一普通図柄の変動優先順位よりも高い変動優先順位が第四普通図柄に設けられる変形例について説明する。変形例における普通図柄の優先変動順位は、「第三普通図柄>第二普通図柄>第四普通図柄>第一普通図柄」となる。
図23を参照して、変形例のパチンコ機1における第一普通図柄処理について説明する。なお、図23において、第一実施形態のパチンコ機1における第一普通図柄処理(図8参照)と同じステップ番号を付した処理については、第一実施形態のパチンコ機1と同様の処理が行われることとする。変形例のパチンコ機1では、図23に示すように、第一実施形態の第一普通図柄処理に対して、S45の判断処理の後に、第四保留球数が「1」以上であるかを判断する処理が追加される(S4046)。第四保留球数が「1」以上である場合(S4046:YES)、第一普通当たり判定は行われず、第一普通図柄の変動も開始されないので、処理はメイン処理へ戻る。第四保留球数が「0」である場合(S4046:NO)、第一保留球数に対する判断が行われ(S49)、以降は第一実施形態の第一普通図柄処理と同様の処理が行われる。
図24を参照して、変形例のパチンコ機1における第四普通図柄処理について説明する。図24において、第一実施形態のパチンコ機1における第四普通図柄処理(図10参照)と同じステップ番号を付した処理については、第一実施形態のパチンコ機1と同様の処理が行われることとする。変形例のパチンコ機1では、図24に示すように、第一実施形態の第四普通図柄処理に対して、S112の処理の後に、第三保留球数が「1」以上であるかを判断する処理が追加される(S4113)。第三保留球数が「1」以上である場合(S4113:YES)第四普通当たり判定は行われず、第四普通図柄の変動も開始されないので、処理はメイン処理へ戻る。第三保留球数が「0」である場合(S4113:NO)、第二保留球数が「1」以上であるかを判断する処理が、第一実施形態の第四普通図柄処理に対して追加されて行われる(S4115)。第二保留球数が「1」以上である場合(S4115:YES)、第四普通当たり判定は行われず、第四普通図柄の変動も開始されないので、処理はメイン処理へ戻る。第二保留球数が「0」である場合(S4115:NO)、第四保留球数に対する判断が行われ(S119)、以降は第一実施形態の第四普通図柄処理と同様の処理が行われる。なお、S4115の第二保留球数に関する処理が、S4113の第三保留球数に関する処理よりも先に行われてもよい。
図25を参照して、変形例のパチンコ機1において、普通図柄の変動優先順位が「第三普通図柄>第二普通図柄>第四普通図柄>第一普通図柄」である場合の、大当たり遊技における普通図柄、電チューの基本動作について説明する。初当たり遊技が行わるまでは、左打ちによって遊技が進行するので、第四保留球が「0」であるとする。左打ちされた遊技球が第一図柄作動ゲート11を通過することを契機として記憶された第一保留球に基づいて第一普通当たり判定が行われる。第一普通当たり判定が行われると、第一普通図柄が変動を開始する。第一普通当たり判定において第一普通当たりと判定されると、第一普通図柄が変動を終了した後に、第一電チュー16が開放される第一普通当たり遊技が行われる。なお、図25に示す(41)の例では、第一普通当たり遊技の開始時点において、第一保留球数が「1」以上であるとする。
開放された第一電チュー16に4個の遊技球が入賞したとする。これにより、この時点の第二保留球数は「4」となる。第一電チュー16は、第二普通図柄の作動口であり、第一普通図柄よりも変動優先順位が高いので、第一保留球数に関わらず第二普通当たり判定が行われ、第二普通図柄が変動する。第二普通図柄が変動を終了すると、第二電チュー17が開放される第二普通当たり遊技が行われる。
開放した第二電チュー17に4個の遊技球が入賞したとする。第二電チュー17は第三普通図柄の作動口であり、第二普通図柄よりも変動優先順位が高いので、第二保留球数に関わらず第三普通当たり判定が行われ、第三普通図柄が変動する。第三普通図柄が変動を終了すると、第三電チュー18が開放される第三普通当たり遊技が行われる。第三普通図柄は、全ての普通図柄のうち変動優先順位が最も高いので、第三保留球が「0」になるまで、第三普通当たり判定、第三普通図柄の変動、第三普通当たり遊技が繰り返して行われることで、一連の第三普通当たり遊技が行われる。第三保留球数が「0」になると、第三普通図柄よりも変動優先順位の低い第二普通図柄が変動可能になる。このため、第二普通当たり判定が行われ、第二普通図柄の変動及び第二普通当たり遊技が行われる。このようにして、第二保留球数が「0」になるまで、1回の第二普通当たり遊技と1回の一連の第三普通当たり遊技が繰り返して行われる。
第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が行われている間に、右打ちされた遊技球が第四図柄作動ゲート13を通過したとする。これにより、第四保留球が1個記憶される。第四普通図柄の変動優先順位は、第二普通図柄及び第三普通図柄よりも低いので、第二保留球数及び第三保留球数が「0」となるまでの間、第四普通図柄は変動を開始しない。1回の第二普通当たり遊技と1回の一連の第三普通当たり遊技が繰り返して行われ、第二保留球数及び第三保留球数がともに「0」となった後、第四保留球に基づいて第四普通当たり判定が行われ、第四普通図柄が変動を開始する。なお、第一普通図柄の変動優先順位は、第四普通図柄の優先順位よりも低い。図25において、初当たり遊技の終了時に第四保留球数が「1」以上であるので、第一普通図柄は変動を開始しない。初当たり遊技終了後に行われた第四普通当たり判定によって第四普通当たりと判定されたとする。この場合、第四普通図柄が変動を終了した後、第四電チュー19が開放する第四普通当たり遊技が行われる。
このように、変形例のパチンコ機1は、第四普通図柄の変動優先順位を、第二普通図柄及び第三普通図柄のものよりも低く設定しているので、第二普通当たり遊技及び第三普通当たり遊技が第四普通当たり遊技に優先して行うことができる。すなわち、変形例のパチンコ機1は、大当たり遊技中に第四普通当たり判定によって第四普通当たりと判定された場合には、実行中の大当たり遊技において1回の第二普通当たり遊技と1回の一連の第三普通当たり遊技を最大回数繰り返すことができる。そして、第二普通当たり遊技及び第三普通当たり遊技が最大4回繰り返された後に、変形例のパチンコ機1は、第四普通図柄の変動及び第四普通当たり遊技を行うことができる。言い換えると、変形例のパチンコ機1は、大当たり遊技中に第四普通当たり判定によって第四普通当たりと判定された場合には、第四普通当たり遊技を契機として開始される連荘当たり遊技を、まる得連荘当たり遊技として行うことができる。
第四普通当たり遊技を契機として開始された連荘当たり遊技は、第一普通当たり遊技を契機として開始された初当たり遊技と同様に進行する。連荘当たり遊技が終了するまでの間、第二保留球数及び第三保留球数の少なくともいずれかが「1」以上であるので、第一普通図柄は変動しない。連荘当たり遊技における第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が終了し、第二保留球数及び第三保留球数のいずれもが「0」となると、第一普通図柄が変動可能になる。よって、初当たり遊技及び連荘当たり遊技の終了後に、第一普通当たり判定が行われ、第一普通図柄が変動を開始する。
変形例のパチンコ機1は、上記のように普通図柄の変動優先順位を設定するので、大当たり遊技中に遊技球が第四図柄作動ゲート13を通過した場合には、第一保留球よりも優先して第四保留球に基づいて第四普通当たり判定を行う。したがって、変形例のパチンコ機1は、大当たり遊技中に右打ちされた遊技球が第四図柄作動ゲート13を通過するか否か、すなわち、連荘当たり遊技のチャンスが得られるかについて、大当たり遊技中の遊技者に注目させることができる。大当たり遊技における第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技は、第四普通当たり判定によって第四普通当たりであると判定されることに起因して行われる第四普通当たり遊技よりも優先して行われる。よって、大当たり遊技中に第四普通当たりであると判定された場合、実行中の大当たり遊技における第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技を最大回数実行した後に、第四普通当たりが行われる。したがって、変形例のパチンコ機1は、実行中の大当たり遊技における賞球の払い出しを最大限に保障しつつ、連荘当たり遊技に対する期待感を遊技者に与えることができる。
なお、上記の変形例において、第四普通図柄の変動優先順位が、第一普通図柄の変動優先順位よりも低くされてもよい。例えば、初当たり遊技の開始時点において第一保留球数が「1」以上であることが比較的多く、右打ちで遊技が進行する間に第四保留球が記憶される頻度が比較的低い遊技機がある。この場合において、大当たり遊技中に記憶されている可能性の高い第一保留球に対応する第一普通図柄が第四普通図柄に優先して変動される。
第二〜第六実施形態においても、変形例に示したように、第四普通図柄の他の普通図柄との間に変動優先順位が設定されてもよい。この場合、大当たり遊技中に右打ちされた遊技球が第四図柄作動ゲート13,213を通過することで記憶された第四保留球については、第一保留球数よりも先に消化される。したがって、パチンコ機1,201は、大当たり遊技中の遊技領域4、204における遊技球の流れ、すなわち、大当たり遊技中に第四図柄作動ゲート13,213を遊技球が通過するか否かに対して遊技者の興味を惹きつけることができる。
また、第一〜第六実施形態において、第一普通図柄の変動優先順位が、第四普通図柄の変動優先順位よりも高くされてもよい。初当たりの場合には、大当たり遊技の開始前に複数の第一保留球が記憶されており、第一保留球が記憶されている状態で大当たり遊技に突入することがある。この場合、大当たり遊技中に第一保留球に基づく第一普通当たり判定が、第四普通当たり判定に優先して行われるので、パチンコ機1は、第一保留球が記憶されている状態で大当たり遊技に突入した遊技者に対して連荘当たり遊技を提供する可能性を向上できる。
第一〜第六実施形態及び変形例に係るパチンコ機1,201において、第二普通当たり確率が100%未満であってもよい。この場合、第二普通当たり判定によってはずれであると判定された場合、設定されている変動優先順位に基づいていずれかの普通図柄が作動するので、大当たり遊技が間延びすることが防止される。同じく、第三普通当たり確率が100%未満であってもよい。
ある遊技状態が終了した後になお記憶されている保留球を、残保留と呼ぶことがある。例えば、第一保留球が記憶された状態で大当たり遊技に突入するか、又は大当たり遊技中に第一保留球が記憶された場合、実行が開始された大当たり遊技が終了するまでの間、第一保留球は第一当たり判定に用いられない状態で記憶されている。このような場合、連荘当たり遊技も含めた大当たり遊技の終了後に、第一保留球が記憶された状態で、右打ちから左打ちに遊技の進行が変更する。すなわち、このように、大当たり遊技の終了後に記憶されている第一保留球が、残保留に相当する。第一〜第五実施形態及び変形例に係るパチンコ機1において、残保留である第一保留球に含まれる第一普通当たり乱数が第一普通当たりとなる値であるか否かが、大当たり遊技中に先読みされてもよい。この第一保留球の先読み結果に応じた演出を大当たり遊技中に行ってもよい。この場合、大当たり遊技中に、保留連荘するか否かについて遊技者の興味を惹きつけることができる。
パチンコ機201の盤面202の構成において、第一実施形態の遊技仕様が採用されてもよい。この場合、大当たりにおいて第一電チュー291、第二電チュー292、第三電チュー293の連動が円滑に行われた後、大当たり遊技中に残保留として記憶された第一保留球に対して第一普通当たり判定が行われる。この第一普通当たり判定において第一普通当たりと判定されれば、大当たり遊技の終了後にまる得連荘当たり遊技が行われる。よって、パチンコ機201は、残保留が記憶されている場合に、遊技者にまる得連荘当たり遊技に対する期待感を、大当たり遊技の終了まで維持することができる。パチンコ機201の盤面202の構成において、第三実施形態、第四実施形態及び第五実施形態の遊技仕様が採用された場合にも、大当たり遊技中に第一普通当たり遊技が実行されることが制限されるので、第一実施形態が適用された場合と同様の効果が発揮される。また、パチンコ機201の盤面202の構成において、第二実施形態の遊技仕様が採用されてもよい。この場合、大当たり遊技中の第二普通当たり遊技及び一連の第三当たり遊技が円滑に行われる。
他の普通図柄との間に変動優先順位が設けられない普通図柄が複数ある場合については、それぞれの普通図柄に係る保留球が記憶された順に(それぞれの普通図柄の作動口への入賞順に)変動が開始されてもよい。
パチンコ機1では第一図柄作動ゲート11を通過することを契機として第一普通当たり判定が行われ、第一普通図柄が変動する。パチンコ機201では、遊技球が第一図柄作動口211へ遊技球が入賞することを契機として第一普通当たり判定が行われ、第一普通図柄が変動する。このように、普通図柄の作動契機を与える部材は、遊技球が入賞可能な入賞口であってもよいし、遊技球が通過可能なゲートであってもよい。すなわち、入賞口及びゲートのいずれもが、本発明の「第一通過口」及び「第二通過口」のいずれも構成しうる。
パチンコ機1,201は、第四電チュー19,291を第二普通図柄の作動口としている。この他、第四電チュー19,291が第三普通図柄等、第二普通図柄以外の普通図柄の作動口として機能してもよい。また、第四電チュー19,291が、普通図柄の作動口としての機能を有さない入賞口であってもよい。
請求項、明細書及び図面に記載される全ての要素(例えば、第一作動入賞口、第一領域、第二領域等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「第一作動入賞口」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。