以下、本発明に係る遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。
図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、遊技盤2を着脱可能な本体枠29を備える。遊技盤2は正面視略正方形の板状である(図2参照)。本体枠29に装着された遊技盤2は、パチンコ機1の上側部分に配置される。遊技盤2は、本体枠29と、本体枠29の前側に装着された前面枠291との間で保持される。前面枠291は、透明なガラス板を保持しており、遊技盤2の前面を保護する。
遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図5参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠291のガラス板を取り囲むように、電飾部材35が設けられている。電飾部材35は、遊技の進行等に応じて点灯又は点滅可能である。前面枠291の上部の両角部に、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、電動チューリップ(以下、「電チュー」という。)11が設けられている。電チュー11は、いわゆる普通電動役物(後述する普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変化する役物)に係る入賞口として構成されている。電チュー11は、電チューソレノイド68(図5参照)によって電気的に開閉される開閉部材111を備える。本実施形態では、開閉部材111が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は電チュー11に入賞できる。なお、電チュー11は、開閉部材111が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材111が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、電チュー11の左側である遊技領域4の左側部を流下し、所定の強度以上で発射された遊技球は、電チュー11の右側である遊技領域4の右側部を流下する。以下、遊技領域4の左側部を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、遊技領域4の右側部を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
電チュー11の左斜め上方には、遊技領域4の左側部を流下する遊技球が通過可能な普通図柄作動ゲート10が設けられている。電チュー11の左斜め下方には、第一始動口12が設けられている。第一始動口12は、開閉部材121を備える。第一始動口12は、第二種非電動役物に係る入賞口として構成されている。第二種非電動役物は、電動役物(電気的動力によって動作する役物)以外の役物であり、遊技球が当該入賞口以外の特定の入賞口に入賞し、又は特定のゲートを通過した場合に作動する役物である。このため、第一始動口12の開閉部材121は、ソレノイド等によって電気的に開閉されるものではなく、機械的に開閉される。本実施形態では、開閉部材121が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第一始動口12に入賞できる。なお、第一始動口12は、開閉部材121が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材121が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
第一始動口12の右斜め下方には、第二始動口13が設けられている。第二始動口13は、開閉部材131を備える。第二始動口13も、第二種非電動役物に係る入賞口として構成されている。このため、第二始動口13の開閉部材131は、機械的に開閉される。本実施形態では、開閉部材131が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第二始動口13に入賞できる。なお、第二始動口13は、開閉部材131が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材131が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。電動役物の搭載個数は、射幸性の観点等から一定の制限が設けられている。パチンコ機1は、第一始動口12及び第二始動口13を第二種非電動役物に係る入賞口として構成することで、種々の制約にとらわれることなく、多くの役物を搭載した斬新な遊技仕様を実現している。
第二始動口13の右斜め下方には、第一大入賞口16が設けられている。第一大入賞口16は、いわゆる特別電動役物(後述する大当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変化する役物)に係る入賞口として構成されている。第一大入賞口16は、第一大入賞口ソレノイド70(図5参照)によって電気的に開閉される開閉部材161を備える。開閉部材161が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第一大入賞口16に入賞できる。本実施形態では、第一大入賞口16は、後述する大当たり遊技又は小当たり遊技として開放状態と閉鎖状態とが切り替えられるように構成されている。
電チュー11の右斜め下方には、第二大入賞口17が設けられている。第二大入賞口17も、いわゆる特別電動役物に係る入賞口として構成されている。第二大入賞口17は、第一大入賞口16と略同じ構成を有する。第二大入賞口17は、第二大入賞口ソレノイド71(図5参照)によって電気的に開閉される開閉部材171を備える。開閉部材171が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第二大入賞口17に入賞できる。本実施形態では、第二大入賞口17は、後述する大当たり遊技として開放状態と閉鎖状態とが切り替えられるように構成されている。本実施形態では、開閉部材171が開放したときの第二大入賞口17の入口の大きさは、開閉部材161が開放したときの第一大入賞口16の入口の大きさと略同じである。例えば、第二大入賞口17の入口の大きさが、第一大入賞口16の入口の大きさよりも大きくなるように第二大入賞口17が構成されていてもよい。
電チュー11と、第一始動口12及び第二始動口13との上下方向における間の位置には、振分流路19が設けられている。振分流路19は、電チュー11に入賞した遊技球のみが通過できる流路であり、遊技盤2の前面に対して後面側に設けられている。
遊技領域4において、普通図柄作動ゲート10、電チュー11、第一始動口12、第二始動口13及び第一大入賞口16は、左打ちされた遊技球が右打ちされた遊技球よりも通過又は入賞しやすい位置に配置されている。遊技領域4において、第二大入賞口17は、右打ちされた遊技球が左打ちされた遊技球よりも入賞しやすい位置に配置されている。遊技領域4には、上記以外に、アウト口18、各種の電飾部材、入賞口、風車及び遊技くぎ等が設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、電チュー11、第一始動口12、第二始動口13、第一大入賞口16、第二大入賞口17及びその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、遊技盤2の下部に設けられたアウト口18を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
遊技盤2の右下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED及び普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部及び第二特別図柄表示部は、それぞれ1つの7セグメントLEDからなり、第一大当たり判定及び第二大当たり判定の結果を示す第一特別図柄及び第二特別図柄を表示する。以下、第一大当たり判定及び第二大当たり判定を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、大当たり判定ともいう。また、第一特別図柄及び第二特別図柄を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、単に、特別図柄ともいう。普通図柄表示部は、LEDの点灯及び消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDは、第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である第一保留球数を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である普通保留球数を表示する。
図3を参照し、振分流路19の詳細構成について説明する。図3に示すように、振分流路19は、遊技球が流下可能な流路191を備える。図示しないが、流路191の上端は、電チュー11の内部と連通している。流路191は、その上下方向における略中央において、第一流路191Aと第二流路191Bとに分岐している。第一流路191Aは、振分流路19の分岐点から左斜め下に延びた後、下方に延びる。第二流路191Bは、上下方向に延びる。第一流路191Aの下端には、第一通過領域192が設けられている。第二流路191Bの下端には、第二通過領域193が設けられている。第一通過領域192及び第二通過領域193は、それぞれ遊技球が通過可能に形成された領域である。
第一流路191Aと第二流路191Bとの分岐点には、振分シャッタ195が設けられている。振分シャッタ195は、第一流路191Aと第二流路191Bとの分岐点を中心に搖動可能に構成されている略平板状の部材であり、振分シャッタソレノイド69(図5参照)によって電気的に作動される。振分シャッタ195は、第一位置D1に配置されているときには、第二流路191Bへの遊技球の通過を規制するとともに、第一流路191Aへの遊技球の通過を許容し、遊技球を第一通過領域192に誘導する。第一位置D1は、振分シャッタ195が原点位置にある状態の位置である。振分シャッタ195は、第二位置D2に配置されているときには、第一流路191Aへの遊技球の通過を規制するとともに、第二流路191Bへの遊技球の通過を許容し、遊技球を第二通過領域193に誘導する。すなわち、振分シャッタ195は、電チュー11に入賞した遊技球が、第一通過領域192を通過するか、第二通過領域193を通過するかを振り分ける。
第一通過領域192の後方には、図示しない第一作動機構が設けられている。第一作動機構は、例えばフックである。遊技球が第一通過領域192を通過すると、第一作動機構が作動して(例えば、フックが外れて)、第一始動口12の開閉部材121が開放される。すなわち、第一通過領域192は、第二種非電動役物に係る第一始動口12を作動させるための特定のゲートに相当する。第一通過領域192を通過した遊技球は、その後、振分流路19の外部へ排出される。
また、第一始動口12の開閉部材121には、図示しない第一閉鎖機構が設けられている。第一閉鎖機構は、例えばギアである。第一始動口12に所定個数(本実施形態では、1個)の遊技球が入賞すると、第一閉鎖機構が作動して(例えば、ギアが回転して)、第一始動口12の開閉部材121が閉鎖される。このように、第一始動口12の開閉部材121は、電気的動力を用いることなく、機械的に開閉される。
第二通過領域193の後方には、図示しない第二作動機構が設けられている。第二作動機構は、例えばフックである。遊技球が第二通過領域193を通過すると、第二作動機構が作動して(例えば、フックが外れて)、第二始動口13の開閉部材131が開放される。すなわち、第二通過領域193は、第二種非電動役物に係る第二始動口13を作動させるための特定のゲートに相当する。第二通過領域193を通過した遊技球は、その後、振分流路19の外部へ排出される。
また、第二始動口13の開閉部材131には、図示しない第二閉鎖機構が設けられている。第二閉鎖機構は、例えばギアである。第二始動口13に所定個数(本実施形態では、1個)の遊技球が入賞すると、第二閉鎖機構が作動して(例えば、ギアが回転して)、第二始動口13の開閉部材131が閉鎖される。このように、第二始動口13の開閉部材131は、電気的動力を用いることなく、機械的に開閉される。
図4を参照し、電チュー11、振分流路19、第一始動口12及び第二始動口13の連動について説明する。図4の(A)に示すように、電チュー11の開閉部材111が開放されると、遊技球が電チュー11に入賞可能になる。(A)では、電チュー11に遊技球が1個入賞したとする。
(B)に示すように、振分シャッタ195が第一位置D1(図3参照)に配置されているとき、電チュー11に入賞した遊技球は第一流路191Aを流下した後、第一通過領域192を通過する。これにより、第一作動機構が作動して、第一始動口12の開閉部材121が開放状態になる。なお、電チュー11の開閉部材111は、所定の開放パターンの開閉動作を行った後に閉鎖状態になる。
次いで、(C)に示すように、第一始動口12の開閉部材121が開放されると、遊技球が第一始動口12に入賞可能になる。(C)では、開放された第一始動口12に遊技球が1個入賞したとする。これにより、(D)に示すように、第一閉鎖機構が作動して、第一始動口12の開閉部材121が閉鎖状態になる。
一方、(E)に示すように、振分シャッタ195が第二位置D2(図3参照)に配置されているとき、電チュー11に入賞した遊技球は第二流路191Bを流下した後、第二通過領域193を通過する。これにより、第二作動機構が作動して、第二始動口13の開閉部材131が開放状態になる。なお、電チュー11の開閉部材111は、所定の開放パターンの開閉動作を行った後に閉鎖状態になる。
次いで、(F)に示すように、第二始動口13の開閉部材131が開放されると、遊技球が第二始動口13に入賞可能になる。振分シャッタ195は、動作を終えると、原点位置である第一位置D1に戻る。(F)では、開放された第二始動口13に遊技球が1個入賞したとする。これにより、(D)に示すように、第二閉鎖機構が作動して、第二始動口13の開閉部材131が閉鎖状態になる。
パチンコ機1における遊技の概要について説明する。パチンコ機1には、大当たり遊技、小当たり遊技及び普通当たり遊技が設けられている。大当たり遊技について説明する。大当り遊技は、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動することにより実行される。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。本実施形態では、大当たりであることを示す特別図柄が確定表示された場合に、条件装置が作動する。また、役物連続作動装置とは、大入賞口を連続して作動する大当り遊技状態を生起させるための装置である。以下、条件装置及び役物連続作動装置が作動している状態を、大当たり遊技状態という。
本実施形態では、第一始動口12に遊技球が入賞した場合、第一大当たり判定が行われ、判定の結果を示す第一特別図柄が図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される。また、第二始動口13へ遊技球が入賞した場合、第二大当たり判定が行われ、判定の結果を示す第二特別図柄が図柄表示部24の第二特別図柄表示部に表示される。第一大当たり判定では、大当たり、小当たり、及びはずれのいずれであるかが、大当たり乱数に基づいて判定される。第二大当たり判定では、大当たり及びはずれのいずれであるかが、大当たり乱数に基づいて判定される。
第一大当たり判定において大当たりであると判定されると、判定結果が大当たりであることを示す第一特別図柄が図柄表示部24の第一特別図柄表示部に確定表示されて、条件装置が作動する。条件装置が作動すると、役物連続作動装置が作動して大当たり遊技状態が生起され、第一大入賞口16の開閉部材161が所定の開放パターンで所定回数繰り返して開放される大当たり遊技が実行される。第二大当たり判定において大当たりであると判定されると、判定結果が大当たりであることを示す第二特別図柄が図柄表示部24の第二特別図柄表示部に確定表示されて、条件装置が作動する。条件装置が作動すると、役物連続作動装置が作動して大当たり遊技状態が生起され、第二大入賞口17の開閉部材171が所定の開放パターンで所定回数繰り返して開放される大当たり遊技が実行される。
小当たり遊技について説明する。第一大当たり判定において小当たりであると判定されると、判定結果が小当たりであることを示す第一特別図柄が図柄表示部24の第一特別図柄表示部に確定表示される。小当たりであることを示す特別図柄が図柄表示部24に確定表示された後、第一大入賞口16の開閉部材161が所定の開放パターンで所定時間開放される小当たり遊技が実行される。本実施形態では、小当たり遊技において第一大入賞口16の開閉部材161が所定時間の開放を1回行う。小当り遊技は、一般に、大当り遊技と比較して遊技者における有利度が小さい遊技である。大当たり判定の判定結果が小当たりであると判定された時点では、条件装置は作動しないので、役物連続作動装置も作動しない。したがって、本実施形態の小当たり遊技では、第一大入賞口16の開閉部材161及び第二大入賞口17の開閉部材171が所定回数繰り返して開放状態にされない。なお、小当たり遊技における第一大入賞口16の開閉部材161の1回の開放が、複数回の開放によって構成されることは妨げられない。
本実施形態では、第一大当たり判定において大当たりであると判定される確率、及び第二大当たり判定において大当たりであると判定される確率(以下、「大当たり確率」という。)は、例えば1/50である。また、第一大当たり判定において小当たりであると判定される確率(以下、「第一小当たり確率」という。)は、例えば40/50である。第一大当たり判定においてはずれであると判定される確率は、例えば9/50である。第二大当たり判定においてはずれであると判定される確率は、例えば49/50である。言い換えると、第一大当たり判定において、はずれ以外の判定結果である大当たり又は小当たりの判定結果が得られる確率は41/50であり、第二大当り判定において、はずれ以外の判定結果である大当たりの判定結果が得られる確率は1/50である。したがって、パチンコ機1において、第一大当たり判定による判定結果に応じて大当たり遊技又は小当たり遊技が実行される確率は、第二大当り判定による判定結果に応じて大当たり遊技が実行される確率よりも高い。また、第一大当たり判定における第一小当たり確率は、大当たり確率よりも高い。したがって、第一大当たり判定が行われる場合、大当たりであると判定されるよりも高い確率で、小当たりであると判定される。
普通当たり遊技について説明する。普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過すると、普通当たり判定が行われ、判定の結果を示す普通図柄が図柄表示部24の普通図柄表示部に表示される。普通当たり判定において当たりであると判定されると、電チュー11の開閉部材111が所定の開放パターンで開閉される普通当たり遊技が実行される。本実施形態では、普通当たり判定によって当たりであると判定される確率(以下、「普通当たり確率」という。)は、例えば99/100である。普通当たり判定によってはずれであると判定される確率は、例えば1/100である。
普通当たり遊技において開閉部材111が開放状態にされた電チュー11に入賞した遊技球は、振分流路19内の流路191を流下し、第一通過領域192又は第二通過領域193を通過するように振り分けられる。第一通過領域192又は第二通過領域193を遊技球が通過すると、第一始動口12の開閉部材121又は第二始動口13の開閉部材131が開放状態にされる。
なお、本実施形態では、電チュー11の開閉部材111の開放パターンには、複数のパターンが含まれている。複数のパターンは、電チュー11に入賞した遊技球が第一通過領域192を通過しやすい開放パターンである第一パターンP1と、電チュー11に入賞した遊技球が第二通過領域193を通過しやすい開放パターンである第二パターンP2とを少なくとも含む。
図5を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、払出制御基板45、中継基板47及び電源基板42を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動口スイッチ61及び第二始動口スイッチ62に接続している。出力ポート55は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動口スイッチ61は、第一始動口12に設けられており、第一始動口12に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ62は、第二始動口13に設けられており、第二始動口13に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582及びROM583を備え、ランプドライバ基板46、操作ボタン9及びスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、電飾基板31に接続している。電飾基板31は、例えばLEDを搭載しており、前述の各種の電飾部材の内部に設けられている。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、電飾基板31の発光動作等を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球払出装置49に払い出させる。
中継基板47は、電チュースイッチ64、電チューソレノイド68、振分シャッタソレノイド69、第一大入賞口ソレノイド70、第二大入賞口ソレノイド71、ゲートスイッチ75、第一大入賞口スイッチ76、第二大入賞口スイッチ77及び図柄表示部24に接続している。電チュースイッチ64は、電チュー11に設けられており、電チュー11に入賞した遊技球を検出する。電チューソレノイド68は、普通当たり遊技中に電チュー11の開閉部材111を開閉する。振分シャッタソレノイド69は、振分流路19の振分シャッタ195を作動させて、第一位置D1又は第二位置D2に配置する。第一大入賞口ソレノイド70は、大当たり遊技中に第一大入賞口16の開閉部材161を開閉する。第二大入賞口ソレノイド71は、小当たり遊技中に第二大入賞口17の開閉部材171を開閉する。ゲートスイッチ75は、普通図柄作動ゲート10に設けられており、普通図柄作動ゲート10を通過した遊技球を検出する。第一大入賞口スイッチ76は、第一大入賞口16に設けられており、第一大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。第二大入賞口スイッチ77は、第二大入賞口17に設けられており、第二大入賞口17に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図6を参照して、RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第一大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図15から図17参照)において使用される。第一大当たり関係情報記憶エリアには複数の記憶エリアが設けられている。本実施形態では、第一大当たり関係情報記憶エリアに1つの記憶エリアが設けられている。第一始動口12に遊技球が入賞した際に、特別図柄保留球数のうち第一始動口12への入賞による第一保留球数が1未満(0)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。
第一保留球数とは、第一始動口12へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、大当たり判定の実行が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。本実施形態において、最大第一保留球数は「1」である。CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理が終了すると、次に番号の小さい記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理とは、例えば、判定結果に応じて実行される大当たり遊技に関する処理である。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去される。大当たり乱数とともに取得されて第一大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して第一乱数ともいう。
各記憶エリアには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定カウンタの値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、及び第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一始動口12に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数は第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間を示す変動パターンを決定するために用いられる。
図示しないが、RAM52には、第二大当たり関係情報記憶エリアが設けられている。第二大当たり関係情報記憶エリアは、第一大当たり関係情報記憶エリアと同様に、メイン処理の特別図柄処理において使用される。本実施形態では、第二大当たり関係情報記憶エリアに1つの記憶エリアが設けられている。第二始動口13に遊技球が入賞した際に、特別図柄保留球数のうち第二始動口13への入賞による第二保留球数が1未満(0)であれば、記憶エリアに乱数が記憶される。第二保留球数とは、第二始動口13へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、大当たり判定の実行が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。すなわち、本実施形態において、最大第二保留球数は「1」である。大当たり乱数とともに取得されて第二大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して第二乱数ともいう。CPU51は、判定エリアに記憶されている第二乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去される。
記憶エリアには、第二大当たり判定カウンタの値が記憶される第二大当たり乱数欄、第二特別図柄決定カウンタの値が記憶される第二特別図柄決定乱数欄、及び第二変動パターン決定カウンタの値が記憶される第二変動パターン決定乱数欄が設けられている。第二始動口13に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第二大当たり乱数は、第二大当たり判定のために用いられる。第二特別図柄決定乱数は第二特別図柄を決定するために用いられる。第二変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第二特別図柄表示部に表示される第二特別図柄の変動時間を示す変動パターンを決定するために用いられる。
主基板41は、第一変動パターン決定乱数に基づく第一変動パターンに従って、第一特別図柄の変動を開始する。また、主基板41は、第二変動パターン決定乱数に基づく第二変動パターンに従って、第二特別図柄の変動を開始する。主基板41は、変動を開始した第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかの変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄又は第二特別図柄を、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)の間、確定表示させる。
なお、RAM52には、普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過する時点に取得される普通当たり乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、第一大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。本実施形態では、普通当たり関係情報記憶エリアに4つの記憶エリアが設けられており、最大普通保留球数は「1」である。記憶エリアには、普通当たり判定カウンタの値が記憶される普通当たり乱数欄、普通図柄決定カウンタの値が記憶される普通図柄決定乱数欄が設けられている。普通当たり乱数は、普通当たり判定のために用いられる。普通図柄決定乱数は、普通当たり図柄を決定するために用いられる。普通当たり乱数とともに取得されて普通当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して普通乱数ともいう。普通図柄の変動時間は、予め定められた所定の時間(例えば、3秒)である。普通図柄の変動時間が複数定められていてもよい。
図7を参照して、電チュー11の開閉部材111の開放パターン及び振分シャッタ195の動作パターンについて説明する。電チュー11の開閉部材111は、普通当たり種別に応じた開放パターンで、普通当たり遊技に係る開閉動作を行う。なお、開閉部材111が開放した電チュー11に所定個数(本実施形態では、1個)の遊技球が入賞すると、各開放パターンによる開閉動作の途中であっても、開閉部材111の開閉動作が終了し、開閉部材111が閉鎖する。この所定個数は、2個以上の任意の個数であってもよい。
振分シャッタ195は、所定の振分シャッタ動作パターンで動作する。振分シャッタ動作パターンでは、普通当たり遊技が実行されると、普通当たり遊技の開始時点である時点T0から時点T1までの間、振分シャッタ195が第一位置D1から移動して、第二位置D2に配置される。次いで、時点T1から時間TBが経過した時点T3までの間、振分シャッタ195は第一位置D1に配置される。次いで、時点T3から時間TCが経過した時点T9までの間、振分シャッタ195は第二位置D2に配置される。その後、時点T9から普通当たり遊技の終了時点時間である時点T10までの間、振分シャッタ195は第一位置D1に配置される。
普通当たり遊技に係る電チュー11の開閉動作は、第一パターンP1又は第二パターンP2のいずれかの開放パターンで行われる。第一パターンP1では、時点T0から時間TDが経過するまでの間、電チュー11の開閉部材111が開放状態にされる。時点T0から時間TDが経過した時点T2になると、電チュー11の開閉部材111が閉鎖状態にされる。その後、時点T2から時点T10までの間、電チュー11の開閉部材111は閉鎖状態のまま維持される。すなわち、第一パターンP1では、電チュー11の開閉部材111が、時間TDで1回開放する。
第一パターンP1における時間TDは、2.0秒である。このため、第一パターンP1で電チュー11の開閉部材111が開閉すると、時点T0から時点T2までの間に、遊技球が電チュー11に入賞可能である。また、これ以外のタイミングでは、遊技球が電チュー11に入賞しない。時間TDの間において、振分シャッタ195が第一位置D1に配置される時間は、第二位置D2に配置される時間よりも長い。時間TDの間において、振分シャッタ195が第二位置D2に配置されるのは時間TA(0.040秒)である。よって、第一パターンP1で開放された電チュー11に入賞して振分流路19の流路191を流下する遊技球のうち、第二流路191Bへ導かれる遊技球は、ほとんどない。このため、第一パターンP1で開放された電チュー11に入賞して振分流路19の流路191を流下する遊技球のほとんどが第一流路191Aへ導かれて、第一通過領域192を通過しやすい。遊技球が第一通過領域192を通過すると、第一作動機構が作動して、第一始動口12の開閉部材121が開放される。したがって、第一パターンP1で電チューが開放された場合には、第一始動口12の開閉部材121が、第二始動口13の開閉部材131よりも開放状態にされやすい。なお、本実施形態では、振分シャッタ195が第一位置D1に配置されている時点T2から、振分シャッタ195が第二位置D2に配置される時点T3までの間の時間TEは、1.0秒である。このため、時点T2の直前に電チュー11に入賞した遊技球は、時間TEの間に第一流路191Aへ導かれて、第一通過領域192を通過しやすい。
一方、第二パターンP2では、時点T0から時間TAが経過するまでの間、電チュー11の開閉部材111が開放状態にされる。その後、時点T1から時間TBが経過するまでの間、電チュー11の開閉部材111が閉鎖状態にされる。次いで、時点T1から時間TBが経過した時点T3になると、時点T3から時間TFが経過するまでの間、電チュー11の開閉部材111が開放状態にされる。次いで、時点T3から時間TFが経過した時点T4になると、時間TGが経過する時点T5までの間、電チュー11の開閉部材111が閉鎖状態にされる。次いで、時点T5から時間TFが経過した時点T6までの間、電チュー11の開閉部材111が開放状態にされる。次いで、時点T6から時間TGが経過した時点T7までの間、電チュー11の開閉部材111が閉鎖状態にされる。次いで、時点T7から時間TFが経過した時点T8までの間、電チュー11の開閉部材111が開放状態にされる。その後、時点T8から時点T10までの間、電チュー11の開閉部材111は閉鎖状態のまま維持される。すなわち、第二パターンP2では、電チュー11の開閉部材111が、時間TAで1回開放した後、時間TBの閉鎖を挟んで、時間TFで3回開放する。
本実施形態では、時間TFは、0.8秒である。このため、第二パターンP2で電チュー11の開閉部材111が開閉すると、時間TFの間に、遊技球が電チュー11に入賞可能である。電チュー11の開閉部材111が、時点T3から時間TFの開放状態を3回繰り返す間、振分シャッタ195は、第二位置D2に配置されている。このため、時点T3から時点T8までのタイミングに電チュー11に入賞した遊技球は、第二流路191Bへ導かれて、第二通過領域193を通過しやすい。遊技球が第二通過領域193を通過すると、第二作動機構が作動して、第二始動口13の開閉部材131が開放される。したがって、第二パターンP2で電チューが開放された場合には、第二始動口13の開閉部材131が、第一始動口12の開閉部材121よりも開放状態にされやすい。なお、本実施形態では、時点T8から時点T9の間にも、振分シャッタ195が第二位置D2に配置される時間TCが継続する。このため、時点T8の直前に電チュー11に入賞した遊技球は、TCが継続する間に第二流路191Bへ導かれて、第二通過領域193を通過しやすい。以下、電チュー11の開閉部材111の開放パターンである第一パターンP1及び第二パターンP2を総称して、電チュー開放パターンという。
図8を参照して、ROM53に記憶されている普通図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、普通当たり判定の結果が普通当たりであることを示す普通当たり図柄を、普通図柄決定テーブルを参照することで決定する。普通当たり図柄は、「普通当たり1」「普通当たり2」のいずれかの普通当たり種別に分類される。普通図柄決定テーブルでは、普通当たり種別のそれぞれに、普通図柄決定乱数の値(0〜99)が対応付けられている。普通図柄決定乱数の値は、「普通当たり1」が85%、「普通当たり2」が15%の割合になるように、各普通当たり種別に割り当てられている。
各普通当たり種別には、電チュー開放パターンが対応付けられている。「普通当たり1」には第一パターンP1が、「普通当たり2」には、第二パターンP2が、それぞれ対応付けられている。すなわち、普通当たり判定によって普通当たりと判定された場合において、普通当たり判定に応じて決定された普通当たり種別が「普通当たり1」の場合、第一パターンP1による普通当たり遊技が実行される。また、普通当たり判定によって普通当たりと判定された場合において、普通当たり判定に応じて決定された普通当たり種別が「普通当たり2」の場合、第二パターンP2による普通当たり遊技が実行される。
第一パターンP1は、遊技球が第二通過領域193よりも、第一通過領域192を通過しやすい電チュー開放パターンである。第二パターンP2は、遊技球が第一通過領域192よりも、第二通過領域193を通過しやすい開放パターンである。普通当たり判定によって普通当たりであると判定された場合、「普通当たり1」が85%、「普通当たり2」が15%の各割合で、それぞれ決定される。したがって、普通当たり遊技において電チュー11に入賞した遊技球が第一通過領域192を通過する割合は約85%であり、普通当たり遊技において電チュー11に入賞した遊技球が第二通過領域193を通過する割合は約15%である。すなわち、普通当たり遊技が実行された場合に、電チュー11に入賞した遊技球が第一通過領域192を通過する割合は、電チュー11に入賞した遊技球が第二通過領域193を通過する割合よりも高くなる。
遊技球が第一通過領域192を通過すると、第一作動機構が作動して、第一始動口12の開閉部材121が開放される。遊技球が第二通過領域193を通過すると、第二作動機構が作動して、第二始動口13の開閉部材131が開放される。よって、普通当たり遊技が第一パターンP1で実行された場合、第二始動口13よりも第一始動口12に遊技球が入賞しやすい。普通当たり遊技が第二パターンP2で実行された場合、第一始動口12よりも第二始動口13に遊技球が入賞しやすい。したがって、普通当たり遊技が第一パターンP1で実行された場合、第二大当たり判定よりも、第一大当たり判定が行われやすい。普通当たり遊技が第二パターンP2で実行された場合、第一大当たり判定よりも、第二大当たり判定が行われやすい。
上記の構成により、パチンコ機1では、普通当たり遊技において遊技球が電チュー11に入賞した場合、約85%の割合で第一大当たり判定が、約15%の割合で第二大当たり判定が、それぞれ実行される。言い換えると、普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過することを契機として普通当たり遊技が実行された場合、通常の遊技では、主に第一大当たり判定が実行されるが、ときに、第二大当り判定が実行されることもある。このように、パチンコ機1では、第二大当り判定の実行される頻度が、第一大当たり判定の実行される頻度よりも低くなるようにされている。
図9を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、第一大当たり判定の結果が大当たり又は小当たりであることを示す第一特別図柄、及び第二大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第二特別図柄を、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。第一特別図柄及び第二特別図柄は、いずれかの当たり種別のいずれかに分類される。第一特別図柄の当たり種別は、大当たり判定の結果が大当たりであることを示す大当たり種別と、大当たり判定の結果が小当たりであることを示す小当たり種別とを含む。第二特別図柄の当たり種別は、大当たり判定の結果が大当たりであることを示す大当たり種別を含む。
特別図柄決定テーブルには、複数の当たり種別のそれぞれに、特別図柄決定乱数の値(0〜99)が対応付けられている。本実施形態では、第一大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、100%の割合で「16R大当たりA」の大当たり種別が決定される。また、第一大当たり判定によって小当たりであると判定された場合、100%の割合で「小当たりA」の小当たり種別が決定される。第二大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、100%の割合で「16R大当たりB」の大当たり種別が決定される。なお、これに限られず、第一特別図柄及び第二特別図柄が、複数種類の大当たり種別及び小当たり種別を備えていてもよい。
大当たり種別における「16R」は、当たり種別に対応付けられたラウンド数を示す。ラウンド数とは、1回の大当たり遊技を構成する大当たりラウンド数の合計数である。大当たりラウンドとは、大当たり遊技において第一大入賞口16の開閉部材161又は第二大入賞口17の開閉部材171が、連続して開放状態にされる繰り返しの一単位である。以下では、ラウンド数を「R」と示すことがある。大当たり種別における「16R」は、ラウンド数が「16」であることを示す。
特別図柄決定テーブルは、各当たり種別に対応する第一大入賞口16及び第二大入賞口17の開放パターンを定義している。本実施形態では、「16R大当たりA」の大当たり種別では、すべての大当たりラウンドで第一大入賞口16が最大0.8秒の開放を1回行うことが定義されている。また、「16R小当たりB」の大当たり種別では、すべての大当たりラウンドで第二大入賞口17が最大28.0秒の開放を1回行うことが定義されている。また、「小当たりA」の小当たり種別では、第一大入賞口16が最大1.0秒の開放を1回行うことが定義されている。「16R大当たりA」の大当たり種別に対応する1回の大当たりラウンドにおける第一大入賞口16の最大開放時間を、以下では、第一開放時間ともいう。「16R大当たりB」の大当たり種別に対応する1回の大当たりラウンドにおける第二大入賞口17の最大開放時間を、以下では、第二開放時間ともいう。「小当たりA」の小当たり種別に対応する第一大入賞口16の1回の開放時間を、以下では、第三開放時間ともいう。
なお、本実施形態では、第一大入賞口16に3個以上の遊技球が入賞すると、第一開放時間又は第三開放時間が経過していなくても、第一大入賞口16が開放を終了する。第一開放時間又は第三開放時間が経過していなくても第一大入賞口16が開放を終了する入賞個数を、以下では、第一入賞可能個数ともいう。また、第二大入賞口17に10個以上の遊技球が入賞すると、第二開放時間が経過していなくても、第二大入賞口17が開放を終了する。第二開放時間が経過していなくても第二大入賞口17が開放を終了する入賞個数を、以下では、第二入賞可能個数ともいう。
このように、本実施形態では、「16R大当たりA」と「16R大当たりB」とは、ラウンド数が同じであるが、1回の大当たりラウンドにおける最大開放時間が異なる。そして、第二開放時間が、第一開放時間よりも長く設定されている。このため、最大開放時間がより長い「16R大当たりB」に対応する大当たり遊技において第二大入賞口17に入賞する遊技球の個数が、「16R大当たりB」に対応する大当たり遊技において第一大入賞口16に入賞する遊技球の個数よりも多くなる。また、パチンコ機1では、第二大入賞口17へ入賞する遊技球1個あたりの賞球数が、第一大入賞口16へ入賞する遊技球1個あたりの賞球数よりも多くされている。本実施形態では、第一大入賞口16に1個の遊技球が入賞した場合、3個の遊技球が賞球として払い出される。第二大入賞口に1個の遊技球が入賞した場合、15個の遊技球が賞球として払い出される。よって、「16R大当たりB」に対応する大当たり遊技が実行された場合に払い出される賞球の合計数の期待値は、「16R大当たりA」に対応する大当たり遊技が実行された場合に払い出される賞球の合計数の期待値よりも大きくなる。ここで、パチンコ機1では、第一始動口12への入賞に起因して第一大当たり判定が実行され、第二始動口13への入賞に起因して第二大当り判定が実行される。したがって、第二大当り判定の結果として大当たり遊技が実行された場合に遊技者に付与される利益の期待値は、第一大当たり判定の結果として大当たり遊技が実行された場合に遊技者に付与される利益の期待値よりも大きくなる。
なお、本実施形態では、遊技球発射装置37によって遊技球が0.6秒毎に1個ずつ発射されるので、「16R大当たりA」に対応する大当たり遊技において第一開放時間で開放される第一大入賞口16に入賞する遊技球は、例えば1個程度である。したがって、第一大当たり判定の判定結果に応じて「16R大当たりA」に対応する大当たり遊技が1回実行されることによって遊技者に払い出される賞球数(A1)は、最大で48個程度である。また、「16R大当たりB」に対応する大当たり遊技において第二開放時間で開放される第二大入賞口17に、第二入賞可能個数に対応する10個程度の遊技球が入賞する。したがって、第二大当たり判定の判定結果に応じて「16R大当たりB」に対応する大当たり遊技が1回実行されることによって遊技者に払い出される賞球数(A2)は、2400個程度である。
なお、第一大当たり判定が実行されて、小当たりである判定結果が得られた場合、小当たり遊技が実行されて、第一大入賞口16が第三開放時間で開放される。本実施形態では、第三開放時間が第二開放時間よりも短くされている。また、本実施形態では、遊技球発射装置37によって遊技球が0.6秒毎に1個ずつ発射されるので、小当たり遊技において第三開放時間で開放される第一大入賞口16に入賞する遊技球は、例えば1〜2個程度である。したがって、第一大当たり判定の判定結果に応じて小当たり遊技が1回実行されることによって遊技者に払い出される賞球数(B1)は、最大6個程度である。
なお、電チュー11に遊技球が入賞した場合に第一大当たり判定による判定結果に応じて払い出される賞球の合計数の期待値を、A1、B1、大当たり確率(1/50)、第一小当たり確率(40/50)、及び第一大当たり判定と第二大当り判定との実行比率に基づいて算出すると、以下の値となる。
((大当たり確率)×A1+(第一小当たり確率)×B1)×0.85=4.1616
また、電チュー11に遊技球が入賞した場合に第二大当り判定による判定結果に応じて払い出される賞球の合計数の期待値を、A2、大当たり確率(1/50)及び第一大当たり判定と第二大当り判定との実行比率に基づいて算出すると、以下の値となる。
(大当たり確率)×A2×0.15=7.2
このように、パチンコ機1では、第二大当り判定による判定結果に応じて遊技者に付与される利益の期待値が、第一大当たり判定による判定結果に応じて遊技者に付与される利益の期待値よりも大きくされている。
このため、遊技者は、第一大当たり判定よりも、第二大当り判定が実行されることを目指して遊技を行う。よって、遊技者は、普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過することを契機として、いずれの電チュー開放パターンによる普通当たり遊技が実行されるのかに注目しながら、左打ちにより普通図柄作動ゲート10に向けて遊技球を発射させつつ、遊技を継続する。また、開放した電チュー11に遊技球が入賞することを契機として、第一始動口12及び第二始動口13のいずれが開放するかに注目しながら遊技を継続する。本実施形態では、普通図柄決定テーブル(図8参照)に定義されているように、第一パターンP1で普通当たり遊技が実行される割合が、第二パターンP2で普通当たり遊技が実行される割合よりも高い。
したがって、遊技者は、通常の遊技では、第一大当たり判定による判定結果として実行される小当たり遊技又は「16R大当たりA」の大当たり遊技による賞球を、遊技を継続するためのベース(持ち球)として得ながら、ゆったりと遊技を進める。第一大当たり判定において、大当たり確率よりも第一小当たり確率が高くされている。よって、第一大当たり判定による判定の結果として、大当たり遊技よりも小当たり遊技の実行される頻度が高いので、遊技者は、小当たり遊技による賞球をベースとして得ながら遊技を継続しやすい。この間、遊技者は、普通図柄作動ゲート10に向けて遊技球を発射させ続ければ、遊技を進行させることができる。また、電チュー11、第一始動口12、第二始動口13、第一大入賞口16、第二大入賞口17といった役物が開放したときには、遊技者は、開放した役物を狙って遊技球を発射させればよい。このように、遊技手順が平易であるので、遊技者は、パチンコ機1を気軽に遊技することができる。そして、ときに普通当たり遊技において第二パターンP2で電チュー11が開放された場合、第二大当り判定による判定結果として「16R大当たりB」の大当たり遊技が実行されたときには、特賞として多くの賞球が遊技者に付与される。すなわち、パチンコ機1は、通常は、いわゆる普通機のような、平易で変化の少ない遊技を遊技者に進行させつつ、ときおり多くの賞球が払い出される大当たり遊技を発生させるといった遊技仕様を実現している。
このようにして、遊技者は、通常は、普通当たり遊技における電チュー開放パターンを見守りながら、ゆったりと遊技を進めつつ、「16R大当たりB」の大当たり遊技が実行されたときには、多くの賞球が得られるといった変化を楽しむことができる。本実施形態では、「16R大当たりB」の大当たり遊技で開放される第二大入賞口17が、右打ちされた遊技球の入賞可能な位置に配置されている。よって、「16R大当たりB」の大当たり遊技が実行されることに伴い、左打ちから右打ちに遊技球の発射強度を切替えるといった遊技上の変化も生ずる。
図10を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄変動パターン決定テーブルについて説明する。特別図柄変動パターン決定テーブルは、大当たり判定が第一大当たり判定及び第二大当り判定のいずれであるかに応じて、複数のテーブルを設けている。大当たり判定が第一大当たり判定の場合、大当たり判定の結果(大当たり、小当たり又ははずれ)に応じて、複数種類の変動パターンが割り当てられている。大当たり判定が第二大当たり判定の場合、大当たり判定の結果(大当たり又ははずれ)に応じて、複数種類の変動パターンが割り当てられている。各変動パターンには、変動パターン決定乱数の値(0〜511)が対応付けられている。大当たり判定が行われると、判定結果に応じたテーブルが参照され、大当たり乱数とともに取得されている変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。
図10に示すように、大当たり判定による判定結果が大当たり又は小当たりである場合、それぞれ複数の変動パターンのうちからいずれか一つが、変動パターン決定乱数の値に応じて決定される。複数の変動パターンのそれぞれには、異なる変動時間が対応付けられている。この場合、第一始動口12又は第二始動口13に遊技球が入賞してから、大当たり判定による判定結果に応じた大当たり遊技又は小当たり遊技における第一大入賞口16又は第二大入賞口17の開放が開始されるまでの時間が複数通りになる。したがって、パチンコ機1は、第一始動口12又は第二始動口13に遊技球が入賞したタイミングを用いた第一大入賞口16又は第二大入賞口17への遊技者による狙い打ちを抑制することができる。
図11から図20を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図11参照)は、割込信号発生回路57(図5参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
図11に示すように、メイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、メイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄作動ゲート10、電チュー11、第一始動口12、第二始動口13、第一大入賞口16、第二大入賞口17、その他入賞口に設けられた各スイッチ(図5参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。詳細は後述するが、特別電動役物処理では、大当たり遊技及び小当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる(図18から図20参照)。大当たり遊技及び小当たり遊技の動作とは、主に第一大入賞口16の開閉部材161及び第二大入賞口17の開閉部材171の開閉動作である。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定及び特別図柄の決定処理等が行われる(図15から図17参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。詳細は後述するが、普通電動役物処理では、普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。普通当たり遊技の動作とは、主に電チュー11の開閉部材111の開閉動作である(図14参照)。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。詳細は後述するが、普通図柄処理では、普通当たり判定、普通図柄の決定、電チュー開放パターンの決定等の処理が行われる(図12及び図13参照)。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)及び情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、スピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示せず)に各種の情報が出力される。
図12及び図13を参照して、普通図柄処理(S16、図11参照)の詳細について説明する。まず、普通図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、普通当たり遊技状態フラグ、普通図柄表示状態フラグ、電チュー開放パターンフラグ等が記憶されている。
普通当たり遊技中フラグは、普通当たり遊技中であるかを示すフラグであり、普通当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、普通当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。普通図柄表示状態フラグは、普通図柄が変動している場合(変動中)に「1」が記憶されて「ON」となり、普通図柄が停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、普通図柄が変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。
図12に示すように、普通図柄処理が開始されると、普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過したかがか判断される(S41)。ゲートスイッチ75が遊技球の通過を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図11参照)において、ゲートスイッチ75に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過していないと判断されて(S41:NO)、処理はS51の判断に移行する。普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過していれば(S41:YES)、普通保留球数が「4」であるかが判断される(S43)。普通当たり関係情報の記憶エリアに記憶されている普通保留球数が「4」であれば(S43:YES)、記憶可能な普通保留球の数が上限に達しているため、処理はS51に移行する。
普通保留球数が「4」でない場合(S43:NO)、普通当たり関係情報の記憶エリアに記憶されている普通保留球数に「1」が加算される(S45)。次いで、普通当たり乱数が取得され、普通当たり関係情報記憶エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S46)。処理はS51の判断へ移行する。
次いで、普通当たり遊技中であるかが判断される(S51)。普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合、普通当たり遊技中であると判断されて(S51:YES)、処理はメイン処理へ戻る。普通当たり遊技中フラグが「OFF」である場合、普通当たり遊技中でないと判断されて(S51:NO)、普通図柄が変動中であるかが判断される(S52)。普通図柄表示状態フラグが「1」でない場合、普通図柄が変動中でないと判断されて(S52:NO)、普通図柄が停止状態中であるかが判断される(S53)。普通図柄表示状態フラグが「2」でない場合、普通図柄が停止状態中でないと判断され(S53:NO)、処理はS61(図13参照)に移行し、普通当たり判定等の処理が行われる。
次いで、図13に示すように、普通保留球数が「1」以上であるかが判断される(S61)。普通当たり関係情報の記憶エリアに記憶されている普通保留球数が「0」の場合(S61:NO)、処理はメイン処理に戻る。普通保留球数が「1」以上である場合(S61:YES)、普通当たり関係情報の記憶エリアに記憶されている普通保留球数が「1」減算される(S62)。次いで、普通当たり関係情報の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S63)。
次いで、普通当たり判定が行われる(S65)。図示しないが、ROM53には、普通当たり判定を行うための普通当たり判定テーブルが記憶されている。普通当たり判定テーブルには、「普通当たり」及び「はずれ」に各々対応する普通当たり乱数の乱数値が定義されている。S65では、普通当たり判定テーブルが参照されて、S63でシフトされた判定エリアに記憶されている普通当たり乱数が「普通当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の普通当たり乱数に基づく普通当たり判定が、普通当たり乱数の記憶された順に行われる。
次いで、普通当たり判定の判定結果が普通当たりであるかが判断される(S66)。普通当たり判定の判定結果がはずれである場合(S66:NO)、普通当たり判定の判定結果がはずれであることを示す所定の普通図柄が決定されて(S76)、処理はS77に移行する。普通当たり判定の結果が普通当たりである場合(S66:YES)、普通当たり図柄の普通当たり種別が決定される(S71)。S71の処理では、普通図柄決定テーブル(図8参照)が参照されて、S63でシフトされた判定エリアに記憶されている普通当たり乱数と同時に取得された普通図柄決定乱数の値に対応する普通当たり種別が決定される。
次いで、普通図柄決定テーブルが参照されて、S71の処理で決定された普通当たり種別に応じた電チュー開放パターンが特定される(S73)。第一パターンP1及び第二パターンP2のうちいずれかから特定された電チュー開放パターンが、RAM52に記憶される(S75)。
次いで、普通図柄の変動時間が、普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S77)。普通図柄が変動中であることを示す「1」が普通図柄表示状態フラグに記憶されて(S78)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図12に示すS52の判断において、普通図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、普通図柄が変動中であると判断されて(S52:YES)、普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S81)。S77の処理においてセットされた普通図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には、変動時間が経過したと判断されて(S81:YES)、RAM52に普通図柄停止コマンドが記憶される(S82)。このコマンドは、コマンド出力処理(S10、図11参照)によって中継基板47に送信され、普通図柄の変動停止を指示する。次いで、所定の普通図柄停止表示時間が普通図柄停止時間カウンタに記憶される(S83)。普通図柄が停止表示中であることを示す「2」が普通図柄表示状態フラグに記憶されて(S84)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S81の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S81:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
また、S53の判断において、普通図柄表示状態フラグに「2」が記憶されている場合(S53:YES)、S83においてセットされた普通図柄停止時間カウンタの値によって、普通図柄停止表示時間が経過したかが判断される(S86)。普通図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には、普通図柄停止表示時間がまだ経過していないと判断され(S86:NO)、処理はメイン処理へ戻る。普通図柄停止表示時間が経過した場合には(S86:YES)、普通図柄が変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、普通図柄表示状態フラグに記憶される(S87)。次いで、普通当たり判定の判定結果が普通当たりであるかが判断される(S88)。普通当たり判定の判定結果がはずれの場合(S88:NO)、処理はメイン処理へ戻る。普通当たり判定の判定結果が普通当たりの場合(S88:YES)、普通当たり遊技中フラグが「ON」となり(S89)、処理はメイン処理へ戻る。
図14を参照して、普通電動役物処理(S15、図11参照)の詳細について説明する。普通電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。普通電動役物処理では、前述の各種フラグに加えて、電チュー開放中フラグ等が使用される。電チュー開放中フラグは、電チュー11の開閉部材111が開放状態であるかを示すフラグであり、RAM52に記憶される。電チュー開放中フラグは、電チュー11の開閉部材111が開放されている間に「1」が記憶されて「ON」となり、電チュー11の開閉部材111が閉鎖されると「0」が記憶されて「OFF」となる。
普通電動役物処理が開始されると、普通当たり遊技中であるかが判断される(S91)。この判断は、普通当たり遊技中フラグの状態によって行われる。普通当たり遊技中フラグが「OFF」の場合(S91:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
普通当たり遊技中フラグが「ON」の場合(S91:YES)、電チュー11の開閉部材111が開放中であるかが判断される(S92)。この判断は、電チュー開放中フラグの状態によって行われる。電チュー開放中フラグが「ON」の場合(S92:YES)、処理はS103へ移行する。
電チュー開放中フラグが「OFF」の場合(S92:NO)、S75(図13参照)の処理でRAM52に記憶された電チュー開放パターンが参照される(S93)。次いで、参照された電チュー開放パターンが第一パターンP1であるかが判断される(S94)。参照された電チュー開放パターンが第一パターンP1である場合(S94:YES)、P1開放コマンドがRAM52に記憶される(S95)。P1開放コマンドは、電チュー11の開閉部材111を、図7に示す第一パターンP1で開閉動作させるためのコマンドである。P1開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介してP1開放コマンドを受信した電チューソレノイド68は、電チュー11の開閉部材111を第一パターンP1で開閉動作させる。処理はS101へ移行する。
電チュー開放パターンが第二パターンP2である場合(S94:NO)、P2開放コマンドがRAM52に記憶される(S98)。P2開放コマンドは、電チュー11の開閉部材111を、図7に示す第二パターンP2で開閉動作させるためのコマンドである。P2開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介してP2開放コマンドを受信した電チューソレノイド68は、電チュー11の開閉部材111を第二パターンP2で開閉動作させる。処理はS101へ移行する。
次いで、電チュー開放中フラグが「ON」になり(S101)、振分シャッタ作動コマンドがRAM52に記憶される(S102)。振分シャッタ作動コマンドは、振分シャッタ195を、図7に示す振分シャッタ動作パターンで動作させるためのコマンドである。振分シャッタ作動コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して振分シャッタ作動コマンドを受信した振分シャッタソレノイド69は、振分シャッタ195を振分シャッタ動作パターンで動作させる。処理はS103へ移行する。
次いで、電チュー11へ遊技球が入賞したかが判断される(S103)。電チュースイッチ64が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図15参照)において、電チュースイッチ64に対応するフラグが「ON」となる。電チュースイッチ64に対応するフラグが「ON」となっていれば電チュー11に遊技球が入賞したと判断されて(S103:YES)、電チュー11へ入賞した遊技球の個数を計数するRAM52の電チュー入賞球数カウンタに「1」が加算される(S105)。このとき、電チュー11に遊技球が入賞したことを通知するための電チュー入賞コマンドが、RAM52に記憶される。電チュー入賞コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において、払出制御基板45に送信される。電チュー入賞コマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、賞球を1個払い出させるための信号を、賞球払出装置49に送信する。賞球払出装置49は、信号の受信に応じて、賞球を払い出す。処理はS111の判断へ移行する。電チュースイッチ64に対応するフラグが「OFF」となっていれば電チュー11へ遊技球が入賞していないと判断される。電チュー11へ遊技球が入賞していない場合(S103:NO)、処理はS111の判断へ移行する。
次いで、電チュー11への入賞球数が「1」以上であるかが判断される(S111)。電チュー入賞球数カウンタの値が「1」未満の場合(S111:NO)、電チュー11の開閉部材111が第一パターンP1又は第二パターンP2での開閉動作を終了しているかが判断される(S112)。この判断は、図7に示す時点T0から時点T10までの時間が経過しているかによって行われる。開閉部材111の開閉動作が終了していなければ(S112:NO)、処理はメイン処理へ戻る。以降に行われる普通電動役物処理において、電チュー11に1個以上の遊技球が入賞するか、又は開閉部材111の開閉動作が終了するまで、これらの判断が繰り返し実行される(S111:NO、S112:NO)。
電チュー11に1個以上の遊技球が入賞するか(S111:YES)、又は開閉部材111の開閉動作が終了した場合(S112:YES)、電チュー閉鎖コマンドがRAM52に記憶される(S113)。電チュー閉鎖コマンドは、開放している電チュー11の開閉部材111を閉鎖させるためのコマンドである。電チュー閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において中継基板47に送信される。中継基板47を介して電チュー閉鎖コマンドを受信した電チューソレノイド68は、電チュー11の開閉部材111を閉鎖させる。次いで、電チュー開放中フラグが「OFF」になる(S115)。また、普通当たり遊技中フラグが「OFF」になる(S116)。処理はメイン処理へ戻る。
図15から図21を参照して、特別図柄処理(S14、図11参照)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、前述の各種フラグに加えて、大当たり遊技状態フラグ、小当たり中フラグ、特別図柄表示状態フラグ等が記憶されている。
大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中であるかを示すフラグであり、大当たり遊技状態中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技状態中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。なお、大当たり遊技状態フラグが「ON」であることは、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動している状態であることを示す。小当たり中フラグは、小当たり遊技中であるかを示すフラグであり、小当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、小当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、いずれも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。
図19に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口12に遊技球が入賞しているかが判断される(S121)。第一始動口スイッチ61が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図11参照)において、第一始動口スイッチ61に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S121:NO)、処理はS131の判断へ移行する。第一始動口12に遊技球が入賞していれば(S121:YES)、第一始動口12に遊技球が入賞したことを通知するための第一始動口入賞コマンドが、RAM52に記憶される。第一始動口入賞コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において、払出制御基板45に送信される。第一始動口入賞コマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、賞球を1個払い出させるための信号を、賞球払出装置49に送信する。賞球払出装置49は、信号の受信に応じて、賞球を払い出す。処理はS124の判断へ移行する。
次いで、第一保留球数が「1」であるかが判断される(S124)。RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」であれば(S124:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS131の判断へ移行する。第一保留球数が「1」でない場合(S124:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S125)。次いで、第一乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア(図6参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S126)。具体的には、第一大当たり乱数欄には第一大当たり判定カウンタの値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一特別図柄決定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値が、それぞれRAM52に記憶される。その後、処理はS131の判断へ移行する。
次いで、第二始動口13に遊技球が入賞しているかが判断される(S131)。第二始動口スイッチ62が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図11参照)において、第二始動口スイッチ62に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S131:NO)、処理はS141(図16参照)の判断へ移行する。第二始動口13に遊技球が入賞していれば(S131:YES)、第二始動口13に遊技球が入賞したことを通知するための第二始動口入賞コマンドが、RAM52に記憶される。第二始動口入賞コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において、払出制御基板45に送信される。第二始動口入賞コマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、賞球を1個払い出させるための信号を、賞球払出装置49に送信する。賞球払出装置49は、信号の受信に応じて、賞球を払い出す。その後、第二保留球数が「1」であるかが判断される(S132)。RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」であれば(S132:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS141の判断へ移行する。第二保留球数が「1」でない場合(S132:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数に「1」が加算される(S133)。次いで、第二乱数が取得される(S135)。取得された第二乱数は、第二大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアに記憶される(S135)。
次いで、図16に示すように、大当たり遊技状態であるかが判断される(S141)。大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合、大当たり遊技状態中であると判断されて(S141:YES)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合、大当たり遊技状態中でないと判断されて(S141:NO)、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが変動中であるかが判断される(S142)。特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合には、いずれも変動中でないと判断されて(S142:NO)、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが停止状態中であるかが判断される(S143)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合は、いずれも停止表示中でないと判断されて(S143:NO)、処理はS151(図17参照)へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
本実施形態では、大当たり判定において、第二大当り判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。図17に示すように、まず、第二大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている第二保留球数が「1」であるかが判断される(S151)。第二保留球数が「1」である場合には(S151:YES)、第二大当り判定が行われるが、詳細は後述する。第二保留球数が「0」である場合には(S151:NO)、第一大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている第一保留球数が「1」以上であるかが判断される(S152)。第一保留球数が「0」であれば(S152:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一保留球数が「1」以上である場合には(S152:YES)、第一大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S153)。次いで、第一大当たり関係情報記憶エリア(図6参照)の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S155)。処理はS163へ移行する。
一方、第二大当たり判定では、まず、第二保留球数が「1」減算される(S161)。次いで、第二大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S162)。処理はS163へ移行する。
次いで、大当たり判定処理が行われる(S163)。図示しないが、ROM53には、第一大当たり判定を行うための第一大当たり判定テーブル、及び第二大当り判定を行うための第二大当り判定テーブルが記憶されている。第一大当たり判定テーブルには、「大当たり」、「小当たり」及び「はずれ」に各々対応する大当たり乱数の乱数値が定義されている。S155の処理によって、第一大当たり乱数が判定エリアにシフトされている場合には、第一大当たり判定テーブルが参照されて、判定エリアの第一大当たり乱数が「大当たり」、「小当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、第一大当たり関係情報記憶エリアに記憶された未判定の第一大当たり乱数に基づく第一大当たり判定が、第一大当たり乱数の記憶された順に行われる。
また、第二大当たり判定テーブルには、「大当たり」及び「はずれ」に各々対応する大当たり乱数の乱数値が定義されている。S162の処理によって、第二大当たり乱数が判定エリアにシフトされている場合には、第二大当たり判定テーブルが参照されて、判定エリアの第一大当たり乱数が「大当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、第二大当たり関係情報記憶エリアに記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数の記憶された順に行われる。
次いで、大当たり判定の結果が大当たりであるかが判断される(S171)。大当たり判定の結果が大当たりである場合(S171:YES)、特別図柄決定テーブル(図9参照)が参照されて、第一特別図柄又は第二特別図柄の大当たり種別が決定される(S172)。S172の処理では、S155及びS162でシフトされた判定エリアに記憶されている大当たり乱数と同時に取得された特別図柄決定乱数の値に対応する大当たり種別が決定される。決定された大当たり種別は、RAM52に記憶される。処理はS181へ移行する。
大当たり判定の結果が大当たりでない場合(S171:NO)、大当たり判定の結果が小当たりであるかが判断される(S173)。大当たり判定の結果が小当たりである場合(S173:YES)、特別図柄決定テーブルが参照されて、第一特別図柄の小当たり種別が決定される(S174)。S174の処理では、S155及びS162でシフトされた判定エリアに記憶されている大当たり乱数と同時に取得された特別図柄決定乱数の値に対応する小当たり種別が決定される。処理はS181へ移行する。
大当たり判定の結果が小当たりでない場合(S173:NO)、大当たり判定の判定結果がはずれであることを示す所定の第一特別図柄又は第二特別図柄が決定されて(S176)、処理はS181へ移行する。
次いで、変動パターン決定処理が行われる(S181)。変動パターン決定処理は、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動パターンを決定する処理である。変動パターン決定処理では、変動パターン決定テーブルが参照されて、大当たり判定が第一大当たり判定及び第二大当たり判定のいずれであるか、及び大当たり判定の判定結果(大当たり、小当たり又ははずれ)に応じたテーブルが参照されて、特別図柄の変動パターンが決定される。
変動パターンが決定されると、決定された変動パターンに応じて定められている第一特別図柄又は第二特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S183)。第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S184)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図16に示すS142の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが変動中であると判断され(S142:YES)、変動時間が経過したかが判断される(S191)。S183(図17参照)の処理においてセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には、変動時間が経過したと判断され(S191:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S192)。このコマンドは、コマンド出力処理(S10、図11参照)によって中継基板47に送信され、第一特別図柄又は第二特別図柄の変動停止を指示する。次いで、所定の特別図柄停止表示時間が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S193)。第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S194)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S191の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S191:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
また、S143の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されている場合(S143:YES)、S193においてセットされた特別図柄停止時間カウンタの値によって、特別図柄停止表示時間が経過したかが判断される(S196)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には、特別図柄停止表示時間がまだ経過していないと判断され(S196:NO)、処理はメイン処理へ戻る。特別図柄停止表示時間が経過した場合には(S196:YES)、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれもが変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S197)。
次いで、S163で実行された大当たり判定による判定結果が大当たりであるかが判断される(S198)。判定結果が大当たりでない場合(S198:NO)、処理はメイン処理へ戻る。判定結果が大当たりである場合(S198:YES)、大当たり種別に対応するラウンド数が、RmaxとしてRAM52に記憶される(S199)。本実施形態では、大当たり種別はすべて「16R」であるので、Rmaxとして「16」がセットされる。処理はメイン処理へ戻る。
図18から図20を参照して、特別電動役物処理(S13、図11参照)の詳細について説明する。まず、特別電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。特別電動役物処理では、前述の各種フラグに加えて、開放中フラグ及び処理待機中フラグ等が使用される。開放中フラグは、第一大入賞口16及び第二大入賞口17が開放状態であるか否かを示すフラグであり、RAM52に記憶される。開放中フラグには、第一大入賞口16の開閉部材161が開放されている場合に「1」、第二大入賞口17の開閉部材161が開放されている場合に「2」、開閉部材161,171のいずれも開放されていない場合に「0」が記憶される。処理待機中フラグは、第一大入賞口16又は第二大入賞口17の入口が閉鎖されてから次の処理が行われるまでの所定の処理時間が経過する前である処理待機中であるか否かを示すフラグである。処理待機中フラグは、処理待機中に「1」が記憶されて「ON」となり、処理時間が経過すると「OFF」になる。なお、処理時間は、第一大入賞口16又は第二大入賞口17に入賞した遊技球が、遊技領域4の外部へ排出されるまでに必要な時間等を勘案して設定されている。
特別電動役物処理が開始されると、大当たり遊技状態であるかが判断される(S201)。この判断は、大当たり遊技状態フラグの状態によって行われる。大当たり遊技状態フラグが「ON」の場合(S201:YES)、処理待機中であるかが判断される(S202)。この判断は、処理待機中フラグの状態によって行われる。処理待機中フラグが「OFF」の場合(S202:NO)、S172(図17参照)で決定されてRAM52に記憶された大当たり種別が参照されて、決定された大当たり種別が「16R大当たりA」であるかが判断される(S203)。
大当たり種別が「16R大当たりA」である場合(S203:YES)、第一大入賞口16の開閉部材161が開放されているかが判断される(S204)。この判断は、開放中フラグに「1」が記憶されているかによって行われる。開放中フラグに「1」が記憶されている場合(S204:YES)、処理はS211の判断へ移行する。
開放中フラグに「1」が記憶されていない場合(S204:NO)第一大入賞口16の開閉部材161を開放させるための第一開放コマンドが、RAM52に記憶される(S205)。第一開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において中継基板47に送信される。中継基板47を介して開放コマンドを受信した第一大入賞口ソレノイド70は、第一大入賞口16の開閉部材161を開放させる。
次いで、第一開放時間が、第一開放時間カウンタに記憶される(S206)。第一時間カウンタは、第一開放時間を計測するためのカウンタであり、RAM52に記憶される。次いで、開放中フラグに「1」が記憶される(S208)。処理はS211の判断へ移行する。
次いで、第一大入賞口16へ遊技球が入賞したかが判断される(S211)。第一大入賞口スイッチ76が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図11参照)において、第一大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「ON」となる。第一大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「ON」となっていれば第一大入賞口16に遊技球が入賞したと判断されて(S211:YES)、第一大入賞口16へ入賞した遊技球の個数を計数するRAM52の第一入賞球数カウンタに「1」が加算される(S212)。このとき、第一大入賞口16に遊技球が入賞したことを通知するための第一大入賞口入賞コマンドが、RAM52に記憶される。第一大入賞口入賞コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において、払出制御基板45に送信される。第一大入賞口入賞コマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、賞球を3個払い出させるための信号を、賞球払出装置49に送信する。賞球払出装置49は、信号の受信に応じて、賞球を払い出す。処理はS213の判断へ移行する。第一大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「OFF」となっていれば第一大入賞口16へ遊技球が入賞していないと判断される。第一大入賞口16へ遊技球が入賞していない場合(S211:NO)、処理はS213の判断へ移行する。
次いで、第一大入賞口16への入賞球数が「3」以上であるかが判断される(S213)。第一入賞球数カウンタの値が「3」未満の場合(S213:NO)、第一開放時間カウンタの値に基づいて第一開放時間が経過したかが判断される(S214)。第一開放時間が経過していなければ(S214:NO)、処理はメイン処理へ戻る。以降に行われる特別電動役物処理において、第一大入賞口16に3個以上の遊技球が入賞するか、又は第一開放時間が経過するまで、これらの判断が繰り返し実行される(S213:NO、S214:NO)。
第一大入賞口16に3個以上の遊技球が入賞するか(S213:YES)、又は第一開放時間が経過した場合(S214:YES)、第一閉鎖コマンドがRAM52に記憶される(S215)。第一閉鎖コマンドは、開放している第一大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させるためのコマンドである。第一閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において中継基板47に送信される。中継基板47を介して第一閉鎖コマンドを受信した第一大入賞口ソレノイド70は、第一大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させる。
次いで、所定の処理時間が処理時間カウンタに記憶される(S216)。処理待機中フラグが「ON」になる(S218)。また、開放中フラグに「0」が記憶される(S219)。処理はメイン処理へ戻る。
一方、大当たり種別が「16R大当たりB」である場合(S203:NO)、第二大入賞口17の開閉部材171が開放されているかが判断される(S224)。この判断は、開放中フラグに「2」が記憶されているかによって行われる。開放中フラグに「2」が記憶されている場合(S224:YES)、処理はS231の判断へ移行する。
開放中フラグに「2」が記憶されていない場合(S224:NO)第二大入賞口17の開閉部材171を開放させるための第二開放コマンドが、RAM52に記憶される(S225)。第二開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において中継基板47に送信される。中継基板47を介して開放コマンドを受信した第二大入賞口ソレノイド71は、第二大入賞口17の開閉部材171を開放させる。
次いで、第二開放時間が、第二開放時間カウンタに記憶される(S226)。第二時間カウンタは、第二開放時間を計測するためのカウンタであり、RAM52に記憶される。次いで、開放中フラグに「2」が記憶される(S228)。処理はS231の判断へ移行する。
次いで、第二大入賞口17へ遊技球が入賞したかが判断される(S231)。第二大入賞口スイッチ77が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図11参照)において、第二大入賞口スイッチ77に対応するフラグが「ON」となる。第二大入賞口スイッチ77に対応するフラグが「ON」となっていれば第二大入賞口17に遊技球が入賞したと判断されて(S231:YES)、第二大入賞口17へ入賞した遊技球の個数を計数するRAM52の第二入賞球数カウンタに「1」が加算される(S232)。このとき、第二大入賞口17に遊技球が入賞したことを通知するための第二大入賞口入賞コマンドが、RAM52に記憶される。第二大入賞口入賞コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において、払出制御基板45に送信される。第二大入賞口入賞コマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、賞球を15個払い出させるための信号を、賞球払出装置49に送信する。賞球払出装置49は、信号の受信に応じて、賞球を払い出す。処理はS233の判断へ移行する。第二大入賞口スイッチ77に対応するフラグが「OFF」となっていれば第二大入賞口17へ遊技球が入賞していないと判断される。第二大入賞口17へ遊技球が入賞していない場合(S231:NO)、処理はS233の判断へ移行する。
次いで、第二大入賞口17への入賞球数が「10」以上であるかが判断される(S233)。第二入賞球数カウンタの値が「10」未満の場合(S233:NO)、第二開放時間カウンタの値に基づいて第二開放時間が経過したかが判断される(S234)。第二開放時間が経過していなければ(S234:NO)、処理はメイン処理へ戻る。以降に行われる特別電動役物処理において、第二大入賞口17に10個以上の遊技球が入賞するか、又は第二開放時間が経過するまで、これらの判断が繰り返し実行される(S233:NO、S234:NO)。
第二大入賞口17に10個以上の遊技球が入賞するか(S233:YES)、又は第二開放時間が経過した場合(S234:YES)、第二閉鎖コマンドがRAM52に記憶される(S235)。第二閉鎖コマンドは、開放している第二大入賞口17の開閉部材171を閉鎖させるためのコマンドである。第二閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において中継基板47に送信される。中継基板47を介して第二閉鎖コマンドを受信した第二大入賞口ソレノイド71は、第二大入賞口17の開閉部材171を閉鎖させる。処理はS216へ移行する。その後、前述のS216,S218,S219の処理が順に実行されて、処理はメイン処理へ戻る。
一方、大当たり遊技状態フラグが「OFF」の場合(S201:NO)、図19に示すように、小当たり遊技中であるかが判断される(S241)。この判断は、小当たり中フラグの状態によって行われる。小当たり中フラグが「OFF」の場合(S241:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
小当たり中フラグが「ON」の場合(S241:YES)、第一大入賞口16が開放状態であるかが判断される(S243)。開放中フラグに「1」が記憶されている場合(S243:YES)、処理はS251の判断へ移行する。
開放中フラグに「1」が記憶されていない場合(S243:NO)、第一開放コマンドが、RAM52に記憶される(S245)。第一開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において中継基板47に送信される。中継基板47を介して開放コマンドを受信した第一大入賞口ソレノイド70は、第一大入賞口16の開閉部材161を開放させる。
次いで、第三開放時間が、第三開放時間カウンタに記憶される(S246)。第三開放時間カウンタは、第三開放時間を計測するためのカウンタであり、RAM52に記憶される。次いで、開放中フラグに「1」が記憶される(S248)。処理はS251の判断へ移行する。
次いで、第一大入賞口16へ遊技球が入賞したかが判断される(S251)。第一大入賞口スイッチ76が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図11参照)において、第一大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「ON」となる。第一大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「ON」となっていれば第一大入賞口16に遊技球が入賞したと判断されて(S251:YES)、第一入賞球数カウンタに「1」が加算される(S252)。このとき、第一大入賞口入賞コマンドが、RAM52に記憶される。第一大入賞口入賞コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において、払出制御基板45に送信される。第一大入賞口入賞コマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、賞球を3個払い出させるための信号を、賞球払出装置49に送信する。賞球払出装置49は、信号の受信に応じて、賞球を払い出す。処理はS253の判断へ移行する。第一大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「OFF」となっていれば第一大入賞口16へ遊技球が入賞していないと判断される。第一大入賞口16へ遊技球が入賞していない場合(S251:NO)、処理はS253の判断へ移行する。
次いで、第一大入賞口16への入賞球数が「3」以上であるかが判断される(S253)。第一入賞球数カウンタの値が「3」未満の場合(S253:NO)、第三開放時間カウンタの値に基づいて第三開放時間が経過したかが判断される(S255)。第三開放時間が経過していなければ(S255:NO)、処理はメイン処理へ戻る。以降に行われる特別電動役物処理において、第一大入賞口16に3個以上の遊技球が入賞するか、又は第三開放時間が経過するまで、これらの判断が繰り返し実行される(S253:NO、S255:NO)。
第一大入賞口16に3個以上の遊技球が入賞するか(S253:YES)、又は第三開放時間が経過した場合(S255:YES)、第一閉鎖コマンドがRAM52に記憶される(S256)。第一閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において中継基板47に送信される。中継基板47を介して第一閉鎖コマンドを受信した第一大入賞口ソレノイド70は、第一大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させる。次いで、開放中フラグに「0」が記憶される(S258)。小当たり中フラグが「OFF」になり(S259)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図18に示すように、処理待機中フラグが「ON」の場合(S202:YES)、図20に示すように、処理時間カウンタの値に基づいて、処理時間が経過したかが判断される(S261)。処理時間カウンタの値が「0」でなければ処理時間が経過していないと判断されて(S261:NO)、処理はメイン処理へ戻る。処理時間カウンタの値が「0」であれば処理時間が経過したと判断されて(S261:YES)、処理待機中フラグが「OFF」となる(S262)。次いで、Rカウンタの値に「1」が加算される(S263)。
次いで、Rカウンタの値とRmaxの値とが等しいかが判断される(S265)。Rカウンタの値がまだRmaxに至っておらずRカウンタの値とRmaxの値とが等しくない場合(S265:NO)、処理はメイン処理へ戻る。Rカウンタの値とRmaxの値とが等しい場合(S265:YES)、Rカウンタの値と、Rmaxの値とが「0」にクリアされる(S266)。次いで、大当たり遊技状態フラグが「OFF」になる(S268)。処理はメイン処理へ戻る。
以上説明したように、パチンコ機1では、遊技球が普通図柄作動ゲート10を通過することを契機として(S43:YES)、普通当たり判定が実行される(S65)。普通当たり判定によって普通当たりであると判定されると、「普通当たり1」が85%、「普通当たり2」が15%の各割合で、普通当たり種別が決定される。「普通当たり1」の普通当たり種別が決定されると、普通当たり遊技に係る電チュー11の開閉動作が第一パターンP1で行われる(S95)。「普通当たり2」の普通当たり種別が決定されると、普通当たり遊技に係る電チュー11の開閉動作が第二パターンP2で行われる(S98)。第一パターンP1では、電チュー11に入賞した遊技球が第二通過領域193よりも第一通過領域192を通過しやすい。第二パターンP2では、電チュー11に入賞した遊技球が第一通過領域192よりも第二通過領域193を通過しやすい。よって、普通当たり遊技において電チュー11に入賞した遊技球が第一通過領域192を通過する割合は約85%となり、普通当たり遊技において電チュー11に入賞した遊技球が第二通過領域193を通過する割合は約15%となる。遊技球が第一通過領域192を通過すると、第一作動機構が作動して、第一始動口12の開閉部材121が開放される。遊技球が第二通過領域193を通過すると、第二作動機構が作動して、第二始動口13の開閉部材131が開放される。第一始動口12に遊技球が入賞することを契機として、第一大当たり判定が実行される。第二始動口13に遊技球が入賞することを契機として、第二大当り判定が実行される。第一大当たり判定が実行されると、大当たり、小当たり又ははずれのいずれかの判定結果が得られる。第二大当り判定が実行されると、大当たり又ははずれのいずれかの判定結果が得られる。したがって、普通当たり遊技において電チュー11に遊技球が入賞した場合、第一大当たり判定による判定結果に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技が、第二大当り判定による判定結果に基づく大当たり遊技よりも実行されやすい。
一方、パチンコ機1では、第二大当たり判定による判定結果に応じて払い出される賞球の合計数の期待値が、第一大当たり判定による判定結果に応じて払い出される賞球の合計数の期待値よりも大きい。したがって、パチンコ機1を遊技する遊技者は、通常は、第一大当たり判定による判定結果に応じて払い出される賞球を得つつ遊技を進行し、第二大当り判定による判定結果に応じた大当たり遊技が発生したときには、遊技者に出玉感の変化を体験できる。このようなパチンコ機1は、普通図柄作動ゲート10に向けて遊技球を発射させ続ければ、遊技者に遊技を進行させることができる。また、電チュー11、第一始動口12、第二始動口13、第一大入賞口16、第二大入賞口17といった役物が開放したときには、遊技者は、開放した役物を狙って遊技球を発射させればよいので、遊技手順が明確である。したがって、パチンコ機1は、わかりやすく気軽に遊技でき、ときに変化も生じさせることのできる遊技性を提供できる。
パチンコ機1では、遊技球が第一通過領域192を通過すると、第一始動口12の開閉部材121が開放され、遊技球が第二通過領域193を通過すると、第二始動口13の開閉部材131が開放される。第一始動口12に遊技球が入賞することを契機として、第一大当たり判定が実行される。第二始動口13に遊技球が入賞することを契機として、第二大当り判定が実行される。パチンコ機1では、普通図柄決定テーブルにおいて、「普通当たり1」が85%、「普通当たり2」が15%の割合になるように、普通図柄決定乱数の値が、各普通当たり種別に割り当てられている。「普通当たり1」には第一パターンP1が、「普通当たり2」には、第二パターンP2が、それぞれ対応付けられている。例えば、普通図柄決定テーブルにおける普通図柄決定乱数の値を変更することで、第一大当たり判定と第二大当り判定との実行頻度を容易に調整することができる。パチンコ機1では、第一大当たり判定において、はずれ以外の判定結果である大当たり又は小当たりの判定結果が得られる確率が、第二大当り判定において、はずれ以外の判定結果である大当たりの判定結果が得られる確率よりも高くなるようにされている。したがって、パチンコ機1は、第二大当り判定による判定結果に応じた大当たり遊技が実行されにくい状況でも、第一大当たり判定による判定結果として実行される小当たり遊技又は大当たり遊技による賞球を払い出すことで、遊技者に遊技を継続させやすくできる。
パチンコ機1では、第一始動口12に遊技球が入賞することを契機として、第一大当たり判定が行われる。第一大当たり判定における第一小当たり確率は、大当たり確率よりも高い。よって、第一大当たり判定が行われる場合、大当たりであると判定されるよりも高い確率で、小当たりであると判定される。よって、第一始動口12に遊技球が入賞することを契機として、「16R大当たりA」の大当たり遊技が実行される確率よりも高い確率で、「小当たりA」の小当たり遊技が実行される。すなわち、第一大当たり判定による判定の結果として、大当たり遊技よりも小当たり遊技の実行される頻度が高い。したがって、遊技者は、大当たり遊技による賞球を得にくい場面で合っても、遊技者は、小当たり遊技による賞球をベースとして得ながら遊技を継続しやすい。
本実施形態において、普通図柄作動ゲート10が、本発明の「通過口」に相当する。電チュー11が、本発明の「変動入賞口」に相当する。図14のS102において振分シャッタ作動コマンドをRAM52に記憶する主基板41のCPU51が、本発明の「変動制御手段」として機能する。第一通過領域192が、本発明の「第一領域」に相当する。第二通過領域193が、本発明の「第二領域」に相当する。第一始動口12が、本発明の「第一始動口」に相当する。第二始動口13が、本発明の「第二始動口」に相当する。第一大入賞口16が、本発明の「第一大入賞口」に相当する。第二大入賞口17が、本発明の「第二大入賞口」に相当する。図18のS205又は図19のS245において第一開放コマンドをRAM52に記憶する主基板41のCPU51、及び図18のS225において第二開放コマンドをRAM52に記憶する主基板41のCPU51が、本発明の「実行手段」として機能する。第一大当たり判定による判定結果に応じて実行される「16R大当たりA」に対応する大当たり遊技及び「小当たりA」に対応する小当たり遊技が、本発明の「第一当たり遊技」に相当する。第一大当たり判定による判定結果に応じて実行される「16R大当たりA」に対応する大当たり遊技が、本発明の「第一大当たり遊技」に相当する。第一大当たり判定による判定結果に応じて実行される「小当たりA」に対応する小当たり遊技が、本発明の「小当たり遊技」に相当する。第二大当り判定による判定結果に応じて実行される「16R大当たりB」に対応する大当たり遊技が、本発明の「第二当たり遊技」及び「第二大当たり遊技」に相当する。賞球払出装置49が、本発明の「付与手段」に相当する。
図15のS126において第一乱数を取得する主基板41のCPU51が、本発明の「第一乱数取得手段」として機能する。図15のS135において第二乱数を取得する主基板41のCPU51が、本発明の「第二乱数取得手段」として機能する。図17のS163において第一大当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「第一判定手段」として機能する。図17のS163において第二大当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「第二定手段」として機能する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されない。上記実施形態では、第一大入賞口16と略同じ構成を有する第二大入賞口17を備えたパチンコ機1を例として説明している。以下では、パチンコ機1の第二大入賞口17に替えて第三大入賞口27を備えたパチンコ機100に係る変形例について説明する。
図21を参照して、変形例に係るパチンコ機100の機械的構成について説明する。なお、パチンコ機100において、上記実施形態に係るパチンコ機1と共通する仕様については、説明を省略する。
図21に示すように、パチンコ機100の遊技盤2には、電チュー11の右斜め下方に、第三大入賞口27が設けられている。第三大入賞口27は、特別電動役物に係る入賞口として構成されている。第三大入賞口27は、第三大入賞口ソレノイド72(図22参照)によって電気的に開閉される開閉部材271を備える。開閉部材271は、前後方向に延びる略平板状の部材である。開閉部材271は、閉鎖状態において第三大入賞口27の入口を上部から覆うことで第三大入賞口27への遊技球の入賞を阻害し、開放状態において後方にスライドすることで第三大入賞口27の入口を開放し、第三大入賞口27への遊技球の入賞を可能にする。開閉部材271が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第三大入賞口27に入賞できる。
第三大入賞口27の内部には、特定領域272、非特定領域273及び可動片274が設けられている。特定領域272、非特定領域273は、第三大入賞口27に入賞した遊技球のみが通過できる領域である。可動片274は、前後方向に延びる略平板状の部材であり、可動片ソレノイド73(図22参照)によって電気的に動作する。可動片274は、閉鎖状態において特定領域272を上部から覆うことで遊技球が特定領域272を通過することを阻害し、開放状態において後方にスライドすることで特定領域272の上側を開放し、遊技球が特定領域272を通過可能にする。本実施形態では、第三大入賞口27に入賞した遊技球のうち、特定領域272を通過する遊技球の割合が所定の割合(例えば、約1/10)となるように、可動片274が所定の動作パターンで動作される。特定領域272を通過した遊技球が、第三大入賞口27に入賞したすべての遊技球に占める割合を、以下では、「V率」という。第三大入賞口27に入賞した遊技球は、特定領域272及び非特定領域273のいずれかを通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
パチンコ機100の遊技性について説明する。パチンコ機100においては、第一大当たり判定によって、大当たり、小当たり及びはずれのいずれであるかが、第一大当たり乱数に基づいて判定される。また、第二大当り判定によって、小当たり及びはずれのいずれであるかが、第二大当たり乱数に基づいて判定される。なお、パチンコ機100では、第二大当り判定によって大当たりであると判定されないように設定されているが、パチンコ機100が、第二大当り判定によっても大当たり、小当たり又ははずれのいずれかであると判定されるように設定されていてもよい。本実施形態では、第三大入賞口27は、第二大当たり判定の結果が小当たりである場合に、小当たり遊技として開放状態と閉鎖状態とが切り替えられるように構成されている。
パチンコ機100において、第二大当り判定によって小当たりであると判定された場合、判定結果が小当たりであることを示す第二特別図柄が図柄表示部24の第二特別図柄表示部に確定表示される。小当たりであることを示す特別図柄が図柄表示部24に確定表示された後、第三大入賞口27の開閉部材271が所定の開放パターンで所定時間開放される小当たり遊技が実行される。本実施形態では、小当たり遊技において第三大入賞口27の開閉部材271が所定時間の開放を1回行う。大当たり判定の判定結果が小当たりであると判定された時点では、条件装置は作動しない。よって、第二大当たり判定の判定結果が小当たりであると判定された時点では、役物連続作動装置も作動しない。
小当たり遊技において開閉部材271が開放状態にされた第三大入賞口27に入賞した遊技球が特定領域272を通過すると、条件装置が作動する。条件装置の作動に伴い、役物連続作動装置が作動すると、大当り遊技状態が生起され、小当り遊技に引きつづいて大当り遊技が実行される。すなわち、特定領域272は、条件装置を作動させるための「特定の領域」に相当する。このように、第二大当たり判定において小当たりであると判定されたことに起因して小当り遊技が実行され、遊技球が特定領域272を通過して大当り遊技が実行された場合には、先に実行された小当り遊技が大当り遊技の一部に含められる。この場合、小当り遊技が1R目の大当たりラウンドとしてさかのぼって取り扱われ、1R分の大当たりラウンドとしてラウンド数に換算される。本変形例では、第三大入賞口27に入賞した遊技球が特定領域272を通過することを契機として実行される大当たり遊技において、第三大入賞口27が最大28.0秒の開放を1回行う。
このように、パチンコ機100では、第一始動口12に遊技球が入賞することを契機として、「16R大当たりA」に対応する大当たり遊技が実行され得る。また、パチンコ機100では、第二始動口13に遊技球が入賞することを契機として実行され得る小当たり遊技中に、遊技球が第三大入賞口27の内部の特定領域272を通過することを条件として、小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が実行される。パチンコ機100では、特定領域を備えない第一大入賞口16を用いた大当たり遊技と、特定領域272を備える第三大入賞口27を用いた、いわゆる羽根物タイプの遊技機と同様の大当たり遊技との双方が実行され得る。したがって、パチンコ機100は、変化のある大当たり遊技を遊技者に提供できる。羽根物タイプの遊技機は、気軽に遊べる遊技機として広く親しまれている。このため、パチンコ機100は、気軽に遊べる遊技機として認知されやすい。
パチンコ機100において、第二大当たり判定において小当たりであると判定される確率(以下、「第二小当たり確率」という。)は、例えば10/50である。パチンコ機100では、第二小当たり確率が、第一大当たり判定において、はずれ以外の判定結果である大当たり又は小当たりの判定結果が得られる確率(41/50)よりも低くされている。すなわち、第一大当たり判定における、大当たり確率と第一小当たり確率とを合わせた確率よりも、第二大当り判定における第二小当たり確率が低い。したがって、パチンコ機100は、パチンコ機1と同様に、通常は、第一大当たり判定による判定結果に応じて払い出される賞球を得つつ遊技を、遊技者に進行させる。そして、第二大当り判定による判定結果に応じた大当たり遊技が発生したときには、パチンコ機1は、遊技者に出玉感の変化を体験させることができる。
ここで、パチンコ機100において第二大当り判定の判定結果として実行される大当たり遊技に応じて払い出される賞球の期待値を、上記実施形態のパチンコ機1において第二大当たり判定の判定結果として実行される大当たり遊技に応じて払い出される賞球の期待値と同程度とする。パチンコ機1とパチンコ機100とが、特賞において同程度の出玉性能を有することとした場合、パチンコ機100の第二小当たり確率を、上記実施形態におけるパチンコ機1の大当たり確率よりも、V率に応じて高くできる。この場合、パチンコ機100では、第二大当り判定によってはずれ以外の判定結果が生成される確率が、パチンコ機1よりも高くすることができる。したがって、パチンコ機100は、パチンコ機1に比べて第二始動口13に遊技球が入賞することを契機とした遊技上の変化を生じさせやすくなる。このように、第二大当り判定による判定結果に応じて開放される大入賞口の構成を、第二大入賞口17のようにするか、第三大入賞口27のようにするかに応じて、設計者は、第二大当り判定の実行に応じた特賞に繋がる遊技の発生度合を変化させることができる。
図22を参照して、パチンコ機100の電気的特性について説明する。パチンコ機100の制御部400は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、払出制御基板45、中継基板470及び電源基板42を主に備える。中継基板470は、電チュースイッチ64、電チューソレノイド68、振分シャッタソレノイド69、第一大入賞口ソレノイド70、ゲートスイッチ75、第一大入賞口スイッチ76及び図柄表示部24に加えて、第三大入賞口ソレノイド72、可動片ソレノイド73、第三大入賞口スイッチ78、特定領域スイッチ79に接続している。第三大入賞口ソレノイド72は、小当たり遊技中及び大当たり遊技中に第三大入賞口27の開閉部材271を開閉する。可動片ソレノイド73は、小当たり遊技中に第三大入賞口27の可動片274を開閉する。第三大入賞口スイッチ78は、第三大入賞口27に設けられており、第三大入賞口27に入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ79は、第三大入賞口27の特定領域272に設けられており、特定領域272を通過した遊技球を検出する。パチンコ機100のその他の電気的特性は、パチンコ機1と同様である。
図23を参照して、パチンコ機100のROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機100は、第一大当たり判定の結果が大当たり又は小当たりであることを示す第一特別図柄、及び第二大当たり判定の結果が小当たりであることを示す第二特別図柄を、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。第一特別図柄の当たり種別は、大当たり判定の結果が大当たりであることを示す大当たり種別と、大当たり判定の結果が小当たりであることを示す小当たり種別とを含む。第二特別図柄の当たり種別は、大当たり判定の結果が小当たりであることを示す小当たり種別を含む。
特別図柄決定テーブルには、複数の当たり種別のそれぞれに、特別図柄決定乱数の値(0〜99)が対応付けられている。図23に示すように、パチンコ機100では、パチンコ機1と同様に、第一大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、100%の割合で「16R大当たりA」の大当たり種別が決定される。また、第一大当たり判定によって小当たりであると判定された場合、100%の割合で「小当たりA」の小当たり種別が決定される。
第二大当たり判定によって小当たりであると判定された場合、100%の割合で「小当たりB」の小当たり種別が決定される。なお、これに限られず、第二特別図柄が、複数種類の小当たり種別及び大当たり種別を備えていてもよい。「小当たりB」の小当たり種別が決定された場合、「小当たりB」に対応する小当たり遊技の実行中に第三大入賞口27に入賞した遊技球が特定領域272を通過することで、大当たり遊技状態が生起される。この場合、小当たり遊技に引き続いて16Rの大当たり遊技が実行される。なお、「小当たりB」に対応する小当たり遊技が実行されたが、遊技球が特定領域272を通過せず、大当り遊技状態が生起されなかった場合には、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技は実行されない。
特別図柄決定テーブルは、各大当たりラウンドにおける第一大入賞口16及び第三大入賞口27の開放パターンを定義している。「小当たりB」の当たり種別に基づいて実行される小当たり遊技では、第三大入賞口27が最大1.5秒の開放を1回行う。前述のように、小当たり遊技が実行されたことに起因する大当り遊技において、小当たり遊技は、1R目の大当たりラウンドとしてさかのぼって取り扱われる。このため、特別図柄決定テーブルでは、小当たり遊技に係る第三大入賞口27の開放時間を、便宜上、1R目の大当たりラウンドの開放時間として定義している。この、「小当たりB」の当たり種別に基づいて実行される小当たり遊技における第三大入賞口27の最大開放時間を、以下では、第四開放時間ともいう。「小当たりB」に対応する小当たり遊技が実行されたことに起因する大当り遊技では、2Rから16Rの各ラウンドで第三大入賞口27が最大28.0秒の開放を1回行う。なお、大当たり遊技の1回の大当たりラウンドにおける第三大入賞口27の最大開放時間を、パチンコ機1と同様に、第二開放時間とする。
なお、本変形例では、第三大入賞口27に10個以上の遊技球が入賞すると、第四開放時間又は第二開放時間が経過していなくても、第三大入賞口27が開放を終了する。第四開放時間又は第二開放時間が経過していなくても、第三大入賞口27が開放を終了する入賞個数を、以下では、第三入賞可能個数ともいう。
上記の遊技仕様を実現するため、変形例に係るパチンコ機100のCPU51において、上記実施形態における特別電動役物処理のうち、図18及び図19に示す処理に替えて、図24及び図25に示す処理が実行される。なお、図24及び図25に示す処理のうち、図18及び図19に示す処理と同じステップ番号を示す処理は、図18及び図19に示す処理と同じ処理であるので、説明を省略する。
図24に示すように、S201〜S219の処理によって、大当たり遊技における第一大入賞口16の動作が制御される。S203の処理において、大当たり種別が「16R大当たりA」でない場合(S203:NO)、「小当たりB」に対応する小当たり遊技が実行されたことに起因する大当り遊技が実行中である。よって、大当たり遊技における第三大入賞口27の動作が制御される。このため、第三大入賞口27の開閉部材271が開放中であるかが判断される(S221)。変形例におけるRAM52に記憶されていの開放中フラグは、第一大入賞口16及び第三大入賞口27が開放状態であるか否かを示す。開放中フラグの状態に基づいて、第三大入賞口27が開放されていると判断された場合(S221:YES)、処理はS230の判断へ移行する。
開放中フラグの状態に基づいて、第三大入賞口27が開放されていないと判断された場合(S221:NO)、第三大入賞口27の開閉部材271を開放させるための第三開放コマンドが、RAM52に記憶される(S222)。第三開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において中継基板470に送信される。中継基板470を介して開放コマンドを受信した第三大入賞口ソレノイド72は、第三大入賞口27の開閉部材271を開放させる。次いで、第二開放時間が、第二開放時間カウンタに記憶される(S226)。また、開放中フラグに、第三大入賞口27が開放状態であることを示す「2」が記憶される(S228)。処理はS230の判断へ移行する。
次いで、第三大入賞口27へ遊技球が入賞したかが判断される(S230)。第三大入賞口スイッチ78が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図11参照)において、第二大入賞口スイッチ77に対応するフラグが「ON」となる。第三大入賞口スイッチ78に対応するフラグが「ON」となっていれば第三大入賞口27に遊技球が入賞したと判断されて(S230:YES)、第三大入賞口27へ入賞した遊技球の個数を計数するRAM52の第三入賞球数カウンタに「1」が加算される(S237)。このとき、第三大入賞口27に遊技球が入賞したことを通知するための第三大入賞口入賞コマンドが、RAM52に記憶される。第三大入賞口入賞コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において、払出制御基板45に送信される。第三大入賞口入賞コマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、賞球を15個払い出させるための信号を、賞球払出装置49に送信する。賞球払出装置49は、信号の受信に応じて、賞球を払い出す。処理はS233の判断へ移行する。第三大入賞口スイッチ78に対応するフラグが「OFF」となっていれば第三大入賞口27へ遊技球が入賞していないと判断される。第三大入賞口27へ遊技球が入賞していない場合(S230:NO)、処理はS233の判断へ移行する。
次いで、第三大入賞口27への入賞球数が「10」以上であるかが判断される(S233)。第三入賞球数カウンタの値が「10」未満の場合(S233:NO)、第二開放時間カウンタの値に基づいて第二開放時間が経過したかが判断される(S234)。第二開放時間が経過していなければ(S234:NO)、処理はメイン処理へ戻る。以降に行われる特別電動役物処理において、第三大入賞口27に10個以上の遊技球が入賞するか、又は第二開放時間が経過するまで、これらの判断が繰り返し実行される(S233:NO、S234:NO)。
第三大入賞口27に10個以上の遊技球が入賞するか(S233:YES)、又は第二開放時間が経過した場合(S234:YES)、第三閉鎖コマンドがRAM52に記憶される(S239)。第三閉鎖コマンドは、開放している第三大入賞口27の開閉部材271を閉鎖させるためのコマンドである。第三閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において中継基板470に送信される。中継基板470を介して第二閉鎖コマンドを受信した第二大入賞口ソレノイド71は、第二大入賞口17の開閉部材171を閉鎖させる。処理はS216へ移行する。その後、前述のS216,S218,S219の処理が順に実行されて、処理はメイン処理へ戻る。
一方、大当たり遊技状態フラグが「OFF」の場合(S201:NO)、図25に示すように、小当たり遊技中であるかが判断される(S241)。小当たり遊技中でない場合(S241:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
小当たり遊技中の場合(S241:YES)、決定されている小当たり種別が「小当たりA」であるかが判断される(S242)。小当たり種別が「小当たりA」である場合(S242:YES)、S243からS263の処理によって、「小当たりA」に対応する小当たり遊技における第一大入賞口16の動作が制御される。なお、S261からS263の処理の詳細については後述する。
小当たり種別が「小当たりB」である場合(S242:NO)、第三大入賞口27が開放状態であるかが判断される(S271)。第三大入賞口27が開放状態である場合(S271:YES)、処理はS281へ移行する。
第三大入賞口27が開放状態でない場合(S271:NO)、第三開放コマンドが、RAM52に記憶される(S272)。第三開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において中継基板470に送信される。中継基板47を介して開放コマンドを受信した第三大入賞口ソレノイド72は、第三大入賞口27の開閉部材271を開放させる。
次いで、第四開放時間が、第四開放時間カウンタに記憶される(S273)。第四開放時間カウンタは、第四開放時間を計測するためのカウンタであり、RAM52に記憶される。次いで、開放中フラグに「2」が記憶される(S275)。
次いで、第三大入賞口27内の可動片274を動作させるための可動片作動コマンドがRAM52に記憶される(S276)。可動片作動コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において中継基板470に送信される。中継基板470を介して可動片作動コマンドを受信した可動片ソレノイド73は、小当たり遊技中に、可動片274を所定の動作パターンで動作させる。処理はS281の判断へ移行する。
次いで、第三大入賞口27へ遊技球が入賞したかが判断される(S281)。第三大入賞口27へ遊技球が入賞している場合(S281:YES)、第三入賞球数カウンタに「1」が加算される(S282)。このとき、第三大入賞口入賞コマンドが、RAM52に記憶される。第三大入賞口入賞コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図11参照)において、払出制御基板45に送信される。第三大入賞口入賞コマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、賞球を15個払い出させるための信号を、賞球払出装置49に送信する。賞球払出装置49は、信号の受信に応じて、賞球を払い出す。処理はS283の判断へ移行する。第三大入賞口27へ遊技球が入賞していない場合(S281:NO)、処理はS283の判断へ移行する。
次いで、第三大入賞口27への入賞球数が「10」以上であるかが判断される(S283)。第三入賞球数カウンタの値が「10」未満の場合(S283:NO)、第四開放時間カウンタの値に基づいて第四開放時間が経過したかが判断される(S285)。第四開放時間が経過していなければ(S285:NO)、処理はメイン処理へ戻る。以降に行われる特別電動役物処理において、第三大入賞口27に10個以上の遊技球が入賞するか、又は第四開放時間が経過するまで、これらの判断が繰り返し実行される(S283:NO、S285:NO)。
第三大入賞口27に10個以上の遊技球が入賞するか(S283:YES)、又は第四開放時間が経過した場合(S285:YES)、第三閉鎖コマンドがRAM52に記憶される(S239)。次いで、開放中フラグに「0」が記憶される(S258)。また、小当たり中フラグが「OFF」になる(S259)。
次いで、小当たり遊技において遊技球が特定領域272を通過したかが判断される(S261)。特定領域スイッチ79が遊技球の通過を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図11参照)において、特定領域スイッチ79に対応するフラグが「ON」となる。特定領域スイッチ79に対応するフラグが「OFF」となっていれば遊技球が特定領域272を通過していないと判断されて(S261:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
特定領域スイッチ79に対応するフラグが「ON」となっていれば遊技球が特定領域272を通過していると判断されて(S261:YES)、大当たり遊技状態フラグが「ON」になる(S262)。すなわち、「小当たりB」に対応する小当たり遊技において遊技球が特定領域272を通過したことにより、条件装置が作動し、役物連続作動装置が作動する。次いで、Rカウンタの値に「1」が加算される(S263)。Rカウンタは、大当たり遊技において実行されたラウンド数を計数するカウンタであり、RAM52に記憶される。すなわち、役物連続作動装置の作動に伴い、小当たり遊技が1R目の大当たりラウンドとして取り扱われ、1R分の大当たりラウンドとしてラウンド数に換算される。その後、処理はメイン処理へ戻る。
このように、パチンコ機100では、第三大入賞口27の内部に特定領域272が設けられている。第二始動口13に遊技球が入賞することを契機として実行される第二大当り判定によって小当たりであると判定されると、「小当たりB」の小当たり種別が決定される。「小当たりB」に対応する小当たり遊技が実行された場合、可動片274が所定の動作パターンで動作される。このため、小当たり遊技において遊技球が第三大入賞口27へ入賞すると、入賞した遊技球が所定の割合で特定領域272を通過する。遊技球が特定領域272を通過すると(S261:YES)、小当たり遊技に引き続いて、大当たり遊技が実行される(S262、S221〜S239)。このように、パチンコ機100は、特定領域を備えない第一大入賞口16を用いた大当たり遊技に加えて、第三大入賞口27を用いた羽根物タイプの遊技機と同様の大当たり遊技を実行できる。パチンコ機100は羽根物タイプの遊技性に応じて、遊技者に気軽に遊技を楽しませることができる。なお、変形例の第三大入賞口27が、本発明の「第二大入賞口」に相当する。特定領域272が、本発明の「特定の領域」に相当する。
本発明は、以上詳述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。上記実施形態では、遊技球が普通図柄作動ゲート10を通過することを契機として、普通当たり判定が実行され、普通当たり判定の判定結果に応じて普通当たり遊技が実行されている。例えば、遊技球が普通図柄作動ゲート10を通過することを契機として、普通当たり判定が行われることなく、普通当たり遊技が実行されてもよい。この場合、遊技球が普通図柄作動ゲート10を通過することを契機として、第一パターンP1及び第二パターンP2のうちからいずれかの電チュー開放パターンが、所定の割合で決定されてもよい。また、普通図柄作動ゲート10が入賞口として構成されており、当該入賞口に入賞した遊技球に対して賞球が払い出されてもよい。
上記実施形態では、第一始動口12に遊技球が入賞することを契機として第一大当たり判定が実行され、第二始動口13に遊技球が入賞することを契機として第二大当り判定が実行される。例えば、第一始動口12に遊技球が入賞することを契機として、第一大当たり判定が実行されることなく、小当たり遊技が実行されてもよい。また、第二始動口13に遊技球が入賞することを契機として、第二大当り判定が実行されることなく、小当たり遊技が実行されてもよい。
上記実施形態の第一大入賞口16の内部に、第三大入賞口27の内部に設けられている特定領域272のような特定領域が設けられてもよい。この場合、第一大入賞口16を用いて実行される大当たり遊技は、第一大入賞口16を用いて実行される小当たり遊技において第一大入賞口16に入賞した遊技球のうちいずれかが特定領域を通過することを条件として、小当たり遊技に引き続いて実行されてよい。
上記変形例における特定領域272は、役物連続作動装置の作動の継続を決定する領域として機能してもよい。具体的には、小当たり遊技において第三大入賞口27に入賞した遊技球のいずれかが特定領域272を通過することで、大当たり遊技が開始されたとする。パチンコ機100は、この大当たり遊技の大当たりラウンドにおいて第三大入賞口27に入賞した遊技球が特定領域272を通過することを条件として、当該大当たりラウンドの終了後に新たな大当たりラウンドを開始することとしてもよい。
大当たり遊技の終了後に、通常の遊技の状態よりも電チュー11に遊技球が入賞しやすくなる、いわゆる時短状態を設定してもよい。具体的には、すべて又は一部の大当たり遊技の終了後に、通常の遊技の状態に比べて電チュー11に遊技球が入賞しやすくなる遊技状態を所定の期間で設定してもよい。時短状態の設定のため、通常の遊技の状態に比べて普通図柄の変動時間を短くする、普通当たり遊技において電チューがより長い時間開放状態になるように電チュー開放パターンを変更する、普通当たり確率を高くする等のうち一つ又は複数の手法を用いてよい。時短状態において、特別図柄の変動時間を、通常の遊技の状態よりも短くしてもよい。この場合、時短状態中の大当たり判定の実行頻度が、通常の遊技の状態における実行頻度よりも向上するといった遊技上の変化が生ずる。
上記実施形態では、第二大当り判定の結果として大当たり遊技が実行された場合に遊技者に付与される利益の期待値が、第一大当たり判定の結果として大当たり遊技が実行された場合に遊技者に付与される利益の期待値よりも大きくされている。第二大当り判定の結果として大当たり遊技が実行された場合に遊技者に付与される利益の期待値を、第一大当たり判定の結果として大当たり遊技が実行された場合に遊技者に付与される利益の期待値よりも大きくするための手法は種々のものを採用できる。例えば、第二大当り判定の結果として実行される大当たり遊技で用いられる第二大入賞口17の入口の大きさを、第一大当り判定の結果として実行される大当たり遊技で用いられる第一大入賞口16の入口の大きさよりも大きくしてもよい。また、第二大当り判定の結果として実行される大当たり遊技の大当たりラウンドにおける第二大入賞口17の開放時間を、第一大当り判定の結果として実行される大当たり遊技の大当たりラウンドにおける第一大入賞口16の開放時間よりも長くしてもよい。第二大当り判定の結果として実行される大当たり遊技における第二大入賞口17の開放時間の合計を、第一大当り判定の結果として実行される大当たり遊技における第一大入賞口16の開放時間の合計よりも長くしてもよい。第二大入賞口17に入賞する遊技球1個あたりの賞球数を、第一大入賞口16に入賞する遊技球1個あたりの賞球数よりも多くしてもよい。第二入賞可能個数を、第一入賞可能個数よりも多くしてもよい。これらの手法の一つを用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
図7に示した電チュー開放パターンである第一パターンP1及び第二パターンP2は一例であり、各電チュー開放パターンにおける開放回数、開放時間、開放タイミングには、種々のものを採用できる。第一パターンP1で開放された電チュー11に入賞した遊技球が第二通過領域193よりも第一通過領域192を通過しやすければよい。また、第二パターンP2で開放された電チュー11に入賞した遊技球が第一通過領域192よりも第二通過領域193を通過しやすければよい。
上記実施形態及び変形例では、大当たり判定において、大当たり、小当たり又ははずれのいずれかであるかが判定されている。例えば、大当たり判定によって、はずれであると判定されなくてもよい。
請求項、明細書及び図面に記載される全ての要素(例えば、表示手段、可動手段、対応画像等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「主基板」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。