以下、本発明に係る遊技機の第一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。パチンコ機1は、複数の普通電動役物を含む役物が連続的に作動することで大当たり遊技を行う、いわゆる一般電役タイプの遊技機である。
図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、遊技盤2を着脱可能な本体枠29を備える。遊技盤2は正面視略正方形の板状である(図2参照)。本体枠29に装着された遊技盤2は、パチンコ機1の上側部分に配置される。遊技盤2は、本体枠29と、本体枠29の前側に装着された前面枠291との間で保持される。前面枠291は、透明なガラス板を保持しており、遊技盤2の前面を保護する。
遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図6参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠291のガラス板を取り囲むように、電飾部材35が設けられている。電飾部材35は、遊技の進行等に応じて点灯又は点滅可能である。前面枠291の上部の両角部に、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り8の左側を流下し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り8の右側を流下する。以下、センター飾り8の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、センター飾り8の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
センター飾り8は、表示画面28等を主に備える。表示画面28は、センター飾り8の上部の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成されており、様々な数字・文字等を表示可能である。表示画面28は、例えば、普通当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である演出図柄を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)の演出図柄を変動させる図柄変動を表示した後に、普通当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示する報知演出を実行することで、普通当たり判定の結果を遊技者に報知する。本実施形態では、後述する第一普通当たり判定の結果が、報知演出によって報知される。
センター飾り8の略中央下方には、遊技球が通過可能なゲート11が設けられている。パチンコ機1の遊技領域4には、いわゆる普通電動役物(入賞口の入口の大きさを変化させて普通当たり遊技を行う役物)として、複数の電動チューリップ(以下、「電チュー」という。)が設けられている。表示画面28の右斜め上方には、第一電チュー12が設けられている。
第一電チュー12は、第一電チューソレノイド64(図6参照)によって電気的に開閉される開閉部材121を備える。開閉部材121は、左右方向に長手方向を有して前後方向に延びる略平板状の部材である。開閉部材121は、閉鎖状態において第一電チュー12の入口を上部から覆うことで第一電チュー12への遊技球の入賞を阻害し、開放状態において後方にスライドすることで第一電チュー12の入口を開放し、第一電チュー12への遊技球の入賞を可能にする。閉鎖状態において開閉部材121の上側に遊技球が乗った状態で、開閉部材121が開放状態に移行した場合、開閉部材121の上側から第一電チュー12の入口からに向けて遊技球が落下することで、第一電チュー12に遊技球が入賞する。したがって、開閉部材121の上側に遊技球が乗った状態で開閉部材121が閉鎖状態から開放状態に移行することで、開閉部材121が開放する時間が比較的短い場合であっても、第一電チュー12に遊技球が入賞しうる。本実施形態では、開閉部材121が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球が第一電チュー12に入賞できる。なお、第一電チュー12は、開閉部材121が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材121が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
第一電チュー12の左斜め下方には、第一非電動役物17が設けられている。第一非電動役物17は、第二種非電動役物に係る入賞口として構成されている。第二種非電動役物は、電動役物(電気的動力によって動作する役物)以外の役物であり、遊技球が当該入賞口以外の特定の入賞口に入賞し、又は特定のゲートを通過した場合に作動する役物である。すなわち、第一非電動役物17の開閉部材171は、ソレノイド等によって電気的に開閉されるものではなく、機械的に開閉される。本実施形態では、開閉部材171が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第一非電動役物17に入賞できる。なお、第一非電動役物17は、開閉部材171が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材171が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
第一非電動役物17の右斜め上方には、第二非電動役物18が設けられている。第二非電動役物18も、第二種非電動役物に係る入賞口として構成されている。このため、第二非電動役物18の開閉部材181は、機械的に開閉される。本実施形態では、開閉部材181が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第二非電動役物18に入賞できる。なお、第二非電動役物18は、開閉部材181が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材181が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
第一電チュー12と、第一非電動役物17及び第二非電動役物18との上下方向における間の位置には、振分流路19が設けられている。振分流路19は、第一電チュー12に入賞した遊技球のみが通過できる流路であり、遊技盤2の前面に対して後面側に設けられている。
第一非電動役物17の右斜め下方には、第二電チュー13が設けられている。第二電チュー13は、第二電チューソレノイド65(図6参照)によって電気的に開閉される開閉部材131を備える。本実施形態では、開閉部材131が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球が第二電チュー13に入賞できる。第二電チュー13の左斜め下方には、第三電チュー14が設けられている。第三電チュー14は、第三電チューソレノイド66(図6参照)によって電気的に開閉される開閉部材141を備える。本実施形態では、開閉部材141が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球が第三電チュー14に入賞できる。第三電チュー14の左斜め下方には、第四電チュー15が設けられている。第四電チュー15は、第四電チューソレノイド67(図6参照)によって電気的に開閉される開閉部材151を備える。本実施形態では、開閉部材151が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球が第四電チュー15に入賞できる。なお、第二電チュー13、第三電チュー14及び第四電チュー15は、開閉部材131,141,151が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材131,141,151が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
以下では、第一電チュー12、第二電チュー13、第三電チュー14、及び第四電チュー15を総称する場合、単に電チューという。また、第一非電動役物17、第二非電動役物18を総称する場合、単に非電動役物という。遊技領域4には、上記以外に、アウト口20、各種の電飾部材、入賞口、風車及び遊技くぎ等が設けられている。アウト口20は、遊技盤2の下部に設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、電チュー、非電動役物及びその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口20を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
なお、各遊技部材が遊技領域4において上記のように配設されるため、左打ちされた遊技球は、右打ちされた遊技球よりも、ゲート11を通過しやすい。また、右打ちされた遊技球は、左打ちされた遊技球よりも、第一電チュー12、第二電チュー13、第三電チュー14、第四電チュー15、第一非電動役物17、第二非電動役物18へ入賞しやすい。左打ちされた遊技球が、第一電チュー12、第二電チュー13、第三電チュー14、第四電チュー15、第一非電動役物17、第二非電動役物18へ入賞することは困難である。したがって、遊技者は、後述する大当たり遊技中は右打ちによって遊技を進め、それ以外の場合は左打ちによって遊技を進める。
遊技盤2の右下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一普通図柄表示部、第二普通図柄表示部、第三普通図柄表示部、第四普通図柄表示部、第一普通図柄記憶数表示LED、第二普通図柄記憶数表示LED、第三普通図柄記憶数表示LED、及び第四普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一〜第四普通図柄表示部は、それぞれ1〜複数個のLED又は7セグメントLEDからなり、第一〜第四普通当たり判定の結果を示す第一〜第四普通図柄を、LEDの点灯及び消灯によって表示する。第一〜第四普通図柄記憶数表示LEDは、第一〜第四普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(いわゆる「保留球数」)を表示する。
普通電動役物である電チューの搭載個数には、射幸性の観点等から一定の制限が設けられている。パチンコ機1は、第一非電動役物17及び第二非電動役物18を、第二種非電動役物に係る入賞口として構成している。したがって、パチンコ機1は、普通電動役物の搭載個数の制限に関わらず、電チューに加えて第一非電動役物17及び第二非電動役物18を設けることができる。このようにして、パチンコ機1は、種々の制約にとらわれることなく、多くの役物を搭載した斬新な遊技仕様を実現している。
図3を参照し、振分流路19の詳細構成について説明する。振分流路19は、遊技球が流下可能な流路191を備える。図示しないが、流路191の上端は、第一電チュー12の内部と連通している。流路191は、その上下方向における中央よりもやや上方の位置において、第一流路191Aと第二流路191Bとに分岐している。第一流路191Aは、流路191の分岐点から左斜め下方に延びた後、下方に延びる。第一流路191Aのうち分岐点から左斜め下方に延びる部分の下側の壁には、第一流路191Aを流れる遊技球の勢いを抑制可能な突部を複数有する抑制部198が設けられている。
第二流路191Bは、流路191の分岐点から上下方向に延びた後、第一流路191Aの下側において左斜め下方に延びた後、下方に延びる。第二流路191Bのうち左斜め下方に延びる部分の下側の壁には、抑制部198と同様の抑制部199が設けられている。第一流路191Aの下端には、第一通過領域192が設けられている。第二流路191Bの下端には、第二通過領域193が設けられている。第一通過領域192及び第二通過領域193は、それぞれ遊技球が通過可能に形成された領域である。
第一流路191Aと第二流路191Bとの分岐点には、振分シャッタ195が設けられている。振分シャッタ195は、第一流路191Aと第二流路191Bとの分岐点を中心に搖動可能に構成されている略平板状の部材であり、振分シャッタソレノイド69(図6参照)によって電気的に作動される。振分シャッタ195は、第一位置D1に配置されているときには、第二流路191Bへの遊技球の通過を規制するとともに、第一流路191Aへの遊技球の通過を許容し、遊技球を第一通過領域192に誘導する。第一位置D1は、振分シャッタ195が原点位置にある状態の位置である。振分シャッタ195は、第二位置D2に配置されているときには、第一流路191Aへの遊技球の通過を規制するとともに、第二流路191Bへの遊技球の通過を許容し、遊技球を第二通過領域193に誘導する。すなわち、振分シャッタ195は、第一電チュー12に入賞した遊技球が、第一通過領域192を通過するか、第二通過領域193を通過するかを振り分ける。
第一通過領域192の後方には、第一作動機構(図示略)が設けられている。第一作動機構は、例えばフックである。遊技球が第一通過領域192を通過すると、第一作動機構が作動して(例えば、フックが外れて)、第一非電動役物17の開閉部材171が開放される。すなわち、第一通過領域192は、第二種非電動役物に係る第一非電動役物17を作動させるための特定のゲートに相当する。第一通過領域192を通過した遊技球は、その後、振分流路19の外部へ排出される。
また、第一非電動役物17の開閉部材171には、第一閉鎖機構(図示略)が設けられている。第一閉鎖機構は、例えばギヤである。第一非電動役物17に所定個数(本実施形態では、1個)の遊技球が入賞すると、第一閉鎖機構が作動して(例えば、ギヤが回転して)、第一非電動役物17の開閉部材171が閉鎖される。このように、第一非電動役物17の開閉部材171は、電気的動力を用いることなく、機械的に開閉される。
第二通過領域193の後方には、第二作動機構(図示略)が設けられている。第二作動機構は、例えばフックである。遊技球が第二通過領域193を通過すると、第二作動機構が作動して(例えば、フックが外れて)、第二非電動役物18の開閉部材181が開放される。すなわち、第二通過領域193は、第二種非電動役物に係る第二非電動役物18を作動させるための特定のゲートに相当する。第二通過領域193を通過した遊技球は、その後、振分流路19の外部へ排出される。
また、第二非電動役物18の開閉部材181には、第二閉鎖機構(図示略)が設けられている。第二閉鎖機構は、例えばギヤである。第二非電動役物18に所定個数(本実施形態では、1個)の遊技球が入賞すると、第二閉鎖機構が作動して(例えば、ギヤが回転して)、第二非電動役物18の開閉部材181が閉鎖される。このように、第二非電動役物18の開閉部材181は、電気的動力を用いることなく、機械的に開閉される。
第一電チュー12に遊技球が入賞してから、振分シャッタ195が第一位置D1にある状態でその遊技球が第一流路191Aを流下して第一通過領域192を通過するまでにかかる平均時間を第一時間TK1とする。第一電チュー12に遊技球が入賞してから、振分シャッタ195が第二位置D2にある状態でその遊技球が第二流路191Bを流下して第二通過領域193を通過するまでにかかる平均時間を第二時間TK2とする。第二流路191Bの長さは、第一流路191Aよりも長くされている。また、第一流路191Aに設けられている抑制部198の長さは、第二流路191Bに設けられている抑制部199の長さよりも長い。このため、第一時間TK1よりも第二時間TK2の方が長くなる。本実施形態において、第一時間TK1は約1.7秒であり、第二時間TK2は約1.8秒である。
図4を参照し、第一電チュー12、振分流路19、第一非電動役物17及び第二非電動役物18の連動について説明する。図4の(A)に示すように、第一電チュー12の開閉部材121が開放されると、遊技球が第一電チュー12に入賞可能になる。(A)では、第一電チュー12に遊技球が1個入賞したとする。
(B)に示すように、振分シャッタ195が第一位置D1(図3参照)に配置されているとき、第一電チュー12に入賞した遊技球は第一流路191Aを流下した後、第一通過領域192を通過する。これにより、第一作動機構が作動して、第一非電動役物17の開閉部材171が開放状態になる。なお、第一電チュー12の開閉部材121は、所定の開放パターンに基づく開放を行った後に閉鎖状態になる。
次いで、(C)に示すように、第一非電動役物17の開閉部材171が開放されると、遊技球が第一非電動役物17に入賞可能になる。(C)では、開放された第一非電動役物17に遊技球が1個入賞したとする。これにより、(D)に示すように、第一閉鎖機構が作動して、第一非電動役物17の開閉部材171が閉鎖状態になる。
一方、(E)に示すように、振分シャッタ195が第二位置D2(図3参照)に配置されているとき、第一電チュー12に入賞した遊技球は第二流路191Bを流下した後、第二通過領域193を通過する。これにより、第二作動機構が作動して、第二非電動役物18の開閉部材181が開放状態になる。なお、第一電チュー12の開閉部材121は、所定の開放パターンに基づく開放を行った後に閉鎖状態になる。
次いで、(F)に示すように、第二非電動役物18の開閉部材181が開放されると、遊技球が第二非電動役物18に入賞可能になる。振分シャッタ195は、動作を終えると、原点位置である第一位置D1に戻る。(F)では、開放された第二非電動役物18に遊技球が1個入賞したとする。これにより、(D)に示すように、第二閉鎖機構が作動して、第二非電動役物18の開閉部材181が閉鎖状態になる。
図5を参照して、第一電チュー12の開閉部材121の開放パターン及び振分シャッタ195の動作パターンについて説明する。第一電チュー12の開閉部材121は、ゲート11を遊技球が通過することを契機として、第一普通当たり判定によって第一普通当たりであると判定された場合、普通当たり遊技に係る開閉動作を行う。第一普通当たり判定の結果に応じて第一電チュー12が開放される普通当たり遊技を、第一普通当たり遊技という。
第一普通当たり遊技に係る第一電チュー12の開閉動作は、第一パターンP1又は第二パターンP2のいずれかの開放パターンで行われる。第一パターンP1では、まず、時点T0から時間TAが経過するまでの間、第一電チュー12の開閉部材121が開放状態にされる。本実施形態において、時間TAは、0.250秒である。時点T0から時間TAが経過した時点T2になると、第一電チュー12の開閉部材121が閉鎖状態にされる。その後、開閉部材121の閉鎖状態が約4秒間継続し、時点T3になると、1回目の開閉部材121の開閉動作が終了する。したがって、第一パターンP1における開閉部材121の1回の開閉動作は、時点T0から時点T3までの時間TBに亘って行われる。本実施形態において、時間TBは、約4.3秒である。
1回目の開閉部材121の開閉動作が終了すると、時点T3から時点T5までの間に、2回目の開閉部材121の開閉動作が行われる。2回目から4回目までの開閉部材121の開閉動作も、時間TAの開放状態と、約4秒間の閉鎖状態とによって構成される。5回目の開閉部材121の開閉動作は、時間TAの開放状態と、時間TYの閉鎖状態とによって構成される。時間TYは、最終回の開閉部材121の開放において第一電チュー12に遊技球が入賞してから、振分流路19の流路191の分岐点を通過し、振分シャッタ195によって第一流路191A又は第二流路191Bに振り分けられるまでにかかる時間よりもやや長い時間に設定されている。時間TYは、第一電チュー12における、いわゆる球はけ時間である。本実施形態において、時間TYは、約1.6秒である。
第一パターンP1による第一普通当たり遊技は、第一パターンP1によって予め定められた最大5回の第一電チュー12の開閉動作が終了するか、又は第一電チュー12に所定個数(本実施形態では、8個)の遊技球が入賞するまで行われる。本実施形態では、1回の開閉部材121の開閉動作において、1個の遊技球が第一電チュー12に入賞することを想定している。開閉部材121の開閉動作が5回行われる場合、第一パターンP1での普通当たり遊技は、時点T0から時点T11までの間に亘って行われる。本実施形態において、時点T0から時点T11までの時間は約19.05秒間である。時点T0から時点T11までの時間は、後述する時間TDと同じ時間である。
一方、第二パターンP2では、まず、時点T0から時間TCが経過するまでの間、第一電チュー12の開閉部材121が開放状態にされる。本実施形態において、時間TCは、0.040秒である。なお、この時間TCの開閉部材121の開放は非常に短時間であるので、第一電チュー12に遊技球が入賞しない可能性が高い。その後、時点T1から時点T11までの約19秒の間、開閉部材121が閉鎖状態にされる。次いで、時点T11から時点T21までの間、第一パターンP1における5回の開閉部材121の開閉動作と同様の開閉動作が行われる。時点T11から時点T21までの時間は、第一パターンP1と同じく時間TDである。
なお、開放パターン毎に予め定められた回数の開閉動作が終了するよりも前に、第一電チュー12に8個の遊技球が入賞した場合には、各開放パターンによる開閉動作の途中であっても、開閉部材121の開放が終了した後、球はけ時間に相当する時間TYの閉鎖状態を経て、第一普通当たり遊技が終了する。第一電チュー12が閉鎖するための所定個数は、8個以外の任意の個数であってもよい。
振分シャッタ195は、所定の振分シャッタ動作パターンで動作する。動作を開始する前の振分シャッタ195は、第二位置D2に配置される。振分シャッタ動作パターンによる振分シャッタ195の動作は、第一電チュー12の普通当たり遊技の開始時点である時点T0に開始される。振分シャッタ動作パターンでは、普通当たり遊技の開始時点である時点T0から時間TDが経過するまでの間、振分シャッタ195が第二位置D2から移動して、第一位置D1に配置される。本実施形態において、時間TCは、約19.05秒間である。その後、振分シャッタ195は第二位置D2に配置される。したがって、第一パターンP1では、第一普通当たり遊技の開始時点から終了時点までの間(時点T0から時点T11までの間)を通じて、振分シャッタ195が第一位置D1に配置される。また、第二パターンP2では、第一普通当たり遊技の前半の時間TDの間には振分シャッタ195が第一位置D1に配置され、後半の時間TDの間(時点T11から時点T21までの間)には振分シャッタ195が第二位置D2に配置される。
よって、第一パターンP1では、時点T0から時点T11までの間に行われる5回の開閉部材121の開閉動作において、第一電チュー12に入賞して振分流路19の流路191を流下する遊技球のほぼ全部が、第一流路191Aへ導かれて第一通過領域192を通過する。遊技球が第一通過領域192を通過すると、第一作動機構が作動して、第一非電動役物17の開閉部材171が開放される。したがって、第一パターンP1での第一普通当たり遊技では、第一電チュー12に遊技球が入賞した場合、主に第一非電動役物17の開閉部材171が開放状態にされ、第二非電動役物18の開閉部材181が開放状態になることは稀である。
また、第二パターンP2では、時点T11から時点T21までの間に行われる5回の開閉部材121の開閉動作において、第一電チュー12に入賞して振分流路19の流路191を流下する遊技球のほぼ全部が、第二流路191Bへ導かれて第一通過領域192を通過する。なお、第二パターンP2の第一普通当たり遊技の開始直後における時間TCの開閉部材121の開放においては第一電チュー12に遊技球が入賞しない可能性が高い。したがって、第二パターンP2での第一普通当たり遊技では、第一電チュー12に遊技球が入賞した場合、主に第二非電動役物18の開閉部材181が開放状態にされ、第一非電動役物17の開閉部材171が開放状態になることは稀である。
図2を参照して、パチンコ機1における大当たり遊技の流れの一例について説明する。パチンコ機1において、第一普通当たり遊技が行われることを契機として、複数の電チュー及び非電動役物が連続的に開放する遊技を、大当たり遊技という。なお、まだ大当たり遊技が行われていない状態において、第一普通当たり判定によって第一普通当たりであると判定されたことを契機として開始される大当たり遊技を、「初当たり遊技」ともいう。以下では、初当たり遊技の流れについて説明する。
パチンコ機1では、大当たり遊技の実行中でない状態では、左打ちで遊技が進行する。ゲート11は、第一普通図柄の作動ゲートとして機能する。左打ちされた遊技球がゲート11を通過すると、第一普通当たり判定が行われる。パチンコ機1では、第一普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第一普通当たり確率」という。)は、約1/60である。以下、第一普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第一普通当たり」ともいう。なお、第一普通当たり確率は、上記以外の確率であってもよい。本実施形態において、ゲート11を通過した遊技球に対して、第一普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第一保留球数)は「4」である。
第一普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第一普通図柄表示部に表示される第一普通図柄が変動を開始する。第一普通図柄の変動に同期して、表示画面28、スピーカ48、電飾部材等によって報知演出が行われる。普通図柄の変動のうち、当たりを示す図柄が確定表示される変動を当たり変動といい、はずれを示す図柄が確定表示される変動をはずれ変動という。第一普通当たり判定によって第一普通当たりと判定されると、当たり変動が行われた後に、第一電チュー12の開閉部材121が第一パターンP1又は第二パターンP2のいずれかの電チュー開放パターンで開放される第一普通当たり遊技が実行される。開放された第一電チュー12に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。第一普通当たり遊技が開始されると、遊技者は、第一電チュー12に遊技球を入賞させるため、以降の遊技を右打ちによって進行する。なお、第一普通当たり遊技が実行されている間には、第一普通図柄は変動しない。
第一普通当たり遊技で開放された第一電チュー12に入賞した遊技球は、振分流路19の流路191(図3及び図4参照)を流下する。第一普通当たり遊技が第一パターンP1で行われた場合、第一位置D1(図3参照)に配置される振分シャッタ195によって、流路191を流下する遊技球の大半が第一流路191Aへ導かれて第一通過領域192を通過する。遊技球が第一通過領域192を通過することによる第一作動機構の作動により、第一非電動役物17の開閉部材171が開放する。開放した第一非電動役物17に1個の遊技球が入賞すると、第一閉鎖機構の作動により開閉部材171が閉鎖する。
第一非電動役物17は、遊技球を獲得するための入賞口であるとともに、第三普通図柄の作動口でもある。よって、第一非電動役物17へ遊技球が入賞することを契機として、第三普通当たり判定が行われる。パチンコ機1では、第三普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第三普通当たり確率」という。)は、100%である。以下、第三普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第三普通当たり」ともいう。なお、第三普通当たり確率は、100%未満の確率であってもよい。本実施形態において、第一非電動役物17へ入賞した遊技球に対して、第三普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第三保留球数)は「4」である。
第三普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第三普通図柄表示部に表示される第三普通図柄が変動を開始する。第三普通当たり判定による判定結果が第三普通当たりの場合、第三普通図柄の当たり変動の終了後に、第三電チュー14が開放される第三普通当たり遊技が実行される。なお、第三電チュー14は、第三普通当たりを示す第三普通図柄が確定表示された後に開放される。開放された第三電チュー14に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放された第三電チュー14は、所定の開放時間(以下、「第三開放時間」という。)の経過、及び4個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。第三普通当たり遊技が実行されている間には、第三普通図柄は変動しない。
第三電チュー14は、遊技球を獲得するための入賞口であるとともに、第四普通図柄の作動口でもある。よって、第三電チュー14へ遊技球が入賞することを契機として、第四普通当たり判定が行われる。第四普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第四普通当たり確率」という。)は、100%である。いえ、第四普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第四普通当たり」ともいう。なお、第四普通当たり確率は、100%未満の確率であってもよい。本実施形態において、第三電チュー14へ入賞した遊技球に対して、第四普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第四保留球数)は「4」である。
第四普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第四普通図柄表示部に表示される第四普通図柄が変動を開始する。第四普通当たり判定による判定結果が第四普通当たりの場合、第四普通図柄の当たり変動の終了後に、第四電チュー15が開放される第四普通当たり遊技が実行される。なお、第四電チュー15は、第四普通当たりを示す第四普通図柄が確定表示された後に開放される。開放された第四電チュー15に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放された第四電チュー15は、所定の開放時間(以下、「第四開放時間」という。)の経過、及び7個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。第四普通当たり遊技が実行されている間には、第四普通図柄は変動しない。このように、第一パターンP1による第一普通当たり遊技で開始された大当たり遊技においては、第一電チュー12、第一非電動役物17、第三電チュー14及び第四電チュー15が連動する。
一方、第一普通当たり遊技が第二パターンP2で行われた場合、第二位置D2(図3参照)に配置される振分シャッタ195によって、流路191を流下する遊技球の大半が第二流路191Bへ導かれて第二通過領域193を通過する。遊技球が第二通過領域193を通過することによる第二作動機構の作動により、第二非電動役物18の開閉部材181が開放する。開放した第二非電動役物18に1個の遊技球が入賞すると、第二閉鎖機構の作動により開閉部材181が閉鎖する。
第二非電動役物18は、遊技球を獲得するための入賞口であるとともに、第二普通図柄の作動口でもある。よって、第二非電動役物18へ遊技球が入賞することを契機として、第二普通当たり判定が行われる。パチンコ機1では、第二普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第二普通当たり確率」という。)は、100%である。以下、第二普通当たり判定によって当たりとは判定されることを「第二普通当たり」ともいう。なお、第二普通当たり確率は、100%未満の確率であってもよい。本実施形態において、第二非電動役物18へ入賞した遊技球に対して、第二普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第二保留球数)は「4」である。
第二普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第二普通図柄表示部に表示される第二普通図柄が変動を開始する。第二普通当たり判定による判定結果が第二普通当たりの場合、第二普通図柄の当たり変動の終了後に、第二電チュー13が開放される第二普通当たり遊技が実行される。なお、第二電チュー13は、第二普通当たりを示す第二普通図柄が確定表示された後に開放される。開放された第二電チュー13に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放された第二電チュー13は、所定の開放時間(以下、「第二開放時間」という。)の経過、及び4個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。第二普通当たり遊技が実行されている間には、第二普通図柄は変動しない。
第二電チュー13は、遊技球を獲得するための入賞口であるとともに、第一非電動役物17とともに、第三普通図柄の作動口でもある。よって、第二電チュー13へ遊技球が入賞することを契機として第三普通当たり判定が行われる。第二電チュー13への遊技球の入賞を契機として行われる第三普通当たり判定では、第一非電動役物17への遊技球の入賞を契機として行われる第三普通当たり判定と同様に、第三普通当たり確率で第三普通当たりと判定される。以降は、第三普通当たり判定によって第三普通当たりと判定された場合には、第三普通図柄が当たり変動をした後、第三電チュー14が開放される第三普通当たり遊技が行われる。第三普通当たり遊技において開放した第三電チュー14へ遊技球が入賞することを契機として第四普通当たり判定が行われる。第四普通当たり判定によって第四普通当たりと判定された場合には、第四普通図柄が当たり変動をした後、第四電チュー15が開放される第四普通当たり遊技が行われる。
このように、第二パターンP2による第一普通当たり遊技で開始された大当たり遊技においては、第一電チュー12、第二非電動役物18、第二電チュー13、第三電チュー14及び第四電チュー15が連動する。第二パターンP2による第一普通当たり遊技を契機として連動する電チュー及び非電動役物の数は、第一パターンP1による第一普通当たり遊技を契機として連動する電チュー及び非電動役物の数よりも多くなる。また、詳細は後述するが、第二パターンP2による第一普通当たり遊技を契機として開始される大当たり遊技において電チュー及び非電動役物が開放する回数は、第一パターンP1による第一普通当たり遊技を契機として開始される大当たり遊技において電チュー及び非電動役物が開放する回数よりも多い。したがって、第二パターンP2による第一普通当たり遊技を契機として開始される大当たり遊技によって払い出される賞球の数は、第一パターンP1による第一普通当たり遊技を契機として開始される大当たり遊技によって払い出される賞球の数よりも多くなる。すなわち、第二パターンP2による第一普通当たり遊技を契機として開始される大当たり遊技は、第一パターンP1による第一普通当たり遊技を契機として開始される大当たり遊技よりも遊技者にとって有利である。
パチンコ機1は、複数の普通図柄のそれぞれに、他の普通図柄に対して優先して変動する順位を示す変動優先順位を定める。この場合、大当たり遊技において、変動優先順位に応じた順で普通当たり判定が行われるので、変動優先順に応じた順序で複数の電チューが作動しうる。このため、例えば、普通図柄の作動口として機能する電チューに遊技球が入賞しなかった場合や、電チューへの入賞を契機とした普通当たり判定においてはずれと判定された場合にも、大当たり遊技が間延びし難い。また、パチンコ機1は、変動優先順位を定めた普通図柄については、電チューの開放時間等を勘案した変動時間を設計することなく、設計者の意図する順序で電チューを連動させることができる。したがって、パチンコ機1は、普通図柄の変動時間を電チューの開放時間等を勘案した時間よりも短い任意の時間に設計できる。これにより、普通図柄の変動時間の設計負担が軽減される。
図6を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47、外部端子板55、電源基板42及び遊技球発射装置37を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、乱数発生回路56及び割込信号発生回路57が接続されている。乱数発生回路56は、所定範囲の乱数を発生させる。割込信号発生回路57は、一定周波数のクロック信号を出力するクロック回路(図示略)からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、後述する主制御プログラムのメイン処理を実行する。
主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、外部端子板55、ゲートスイッチ61に接続している。サブ制御基板58は、CPU581、RAM582及びROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9及びスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、電飾基板31に接続している。電飾基板31は、例えばLEDを搭載しており、前述の各種の電飾部材の内部に設けられている。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、電飾基板31の発光動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431等を備え、サブ制御基板58から送信されるコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。
払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として賞球払出装置49に払い出させる。
中継基板47は、第一電チューソレノイド64、第二電チューソレノイド65、第三電チューソレノイド66、第四電チューソレノイド67、振分シャッタソレノイド69、第一電チュースイッチ71、第二電チュースイッチ72、第三電チュースイッチ73、第四電チュースイッチ74、第一非電動役物スイッチ76、第二非電動役物スイッチ77及び図柄表示部24に接続している。
第一電チューソレノイド64は、第一普通当たり遊技中に第一電チュー12の開閉部材121を開閉する。第二電チューソレノイド65は、第二普通当たり遊技中に第二電チュー13の開閉部材131を開閉する。第三電チューソレノイド66は、第三普通当たり遊技中に第三電チュー14の開閉部材141を開閉する。第四電チューソレノイド67は、第四普通当たり遊技中に第四電チュー15の開閉部材151を開閉する。振分シャッタソレノイド69は、振分シャッタ195を第一位置D1と第二位置D2とのいずれかの位置に作動する。
第一電チュースイッチ71は、第一電チュー12に設けられており、第一電チュー12への遊技球の入賞を検出する。第二電チュースイッチ72は、第二電チュー13に設けられており、第二電チュー13への遊技球の入賞を検出する。第三電チュースイッチ73は、第三電チュー14に設けられており、第三電チュー14への遊技球の入賞を検出する。第四電チュースイッチ74は、第四電チュー15に設けられており、第四電チュー15への遊技球の入賞を検出する。第一非電動役物スイッチ76は、第一非電動役物17に設けられており、第一非電動役物17への遊技球の入賞を検出する。第二非電動役物スイッチ77は、第二非電動役物18に設けられており、第二非電動役物18への遊技球の入賞を検出する。
外部端子板55は、パチンコホールに設置されている遊技機を統括的に管理する遊技場管理用コンピュータ(いわゆるホールコンピュータ、図示略)にパチンコ機1の情報を接点出力する。ゲートスイッチ61は、ゲート11に設けられており、ゲート11への遊技球の通過を検出する。
電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図7を参照して、RAM52の第一普通当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第一普通当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の第一普通図柄処理(図11及び図12参照)において使用される。第一普通当たり関係情報記憶エリアには、最大第一保留球数(本実施形態では「4」)に対応する複数の記憶エリアが設けられている。本実施形態では、第一普通当たり関係情報記憶エリアには、No.1からNo.4の4つの記憶エリアが設けられている。ゲート11を遊技球が通過した際に第一保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。
第一保留球数は、ゲート11を通過した遊技球に対応する乱数のうち、第一普通当たり判定の実行が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号が小さい記憶エリアに記憶されている乱数を、第一判定エリア(図示略)にシフトする。第一判定エリアは、第一普通当たり判定を行う乱数を格納するために、RAM52に設けられている記憶エリアである。CPU51は、第一判定エリアにシフトされた乱数について第一普通当たり判定等の各種処理を行う。最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数が、第一判定エリアにシフトされると、次の番号以下に記憶されている乱数が、1つ小さな番号の記憶エリアにシフトされる。以降は、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数が順次第一判定エリアにシフトされて、第一普通当たり判定等の処理が繰り返される。なお、第一判定エリアの乱数は、第一普通当たり判定等の処理が終了した後に消去される。
各記憶エリアには、第一普通当たり判定カウンタの値が記憶される第一当たり乱数欄、第一普通図柄決定カウンタの当たりが記憶される第一図柄決定乱数欄、及び第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。遊技球がゲート11を通過すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、各欄に記憶される。第一当たり乱数は、第一普通当たり判定のために用いられる。第一図柄決定乱数は第一普通図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一普通図柄表示部に表示される第一普通図柄の変動時間を示す第一変動パターンを決定するために用いられる。第一当たり乱数とともに取得されて第一普通当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、第一乱数ともいう。
なお、RAM52には、第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア及び第四普通当たり関係情報エリアが設けられている。第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア及び第四普通当たり関係情報エリアも、第一普通当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。第二非電動役物18に遊技球が入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、第二普通当たり関係情報記憶エリアの各欄に記憶される。第一非電動役物17又は第二電チュー13に遊技球が入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、第三普通当たり関係情報記憶エリアの各欄に記憶される。第三電チュー14に遊技球が入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、第四普通当たり関係情報記憶エリアの各欄に記憶される。
本実施形態では、第二〜第四普通図柄の変動時間は、それぞれ一定の時間(2.0秒間)に定められている。このような場合には、第二〜第四普通当たり関係情報記憶エリアに、第二〜第四変動パターン決定乱数欄が設けられなくてもよい。第二当たり乱数、第三当たり乱数、第四当たり乱数とともに取得されて第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア、第四普通当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、それぞれ第二乱数、第三乱数、第四乱数ともいう。
図8を参照して、ROM53に記憶されている第一普通図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、第一普通当たり判定の結果が当たりであることを示す第一普通図柄を、第一普通図柄決定テーブルを参照することで決定する。本実施形態では、第一普通図柄は、「第一普通当たりA」及び「第一普通当たりB」の、2種類の普通当たり種別を含む。普通当たり種別は、普通当たり判定の結果が当たりであること示す普通図柄の種別である。
第一普通図柄決定テーブルでは、普通当たり種別のそれぞれに、第一図柄決定乱数の値(0〜99)が対応付けられている。第一普通図柄の普通当たり種別の割合は、第一図柄決定乱数の値に応じて定められている。普通当たり種別の割合は、「第一普通当たりA」が33%、「第一普通当たりB」が67%である。
第一普通図柄決定テーブルは、第一普通当たり遊技における電チュー開放パターンをいずれにするかを、普通当たり種別に応じて定義している。「第一普通当たりA」の普通当たり種別には、第一パターンP1が関連付けられている。「第一普通当たりB」の普通当たり種別には、第二パターンP2が関連付けられている。したがって、第一普通当たり判定によって当たりであると判定された場合に、「第一普通当たりA」の普通当たり種別が決定されたときには、第一普通当たり遊技が第一パターンP1で実行される。第一普通当たり判定によって当たりであると判定された場合に、「第一普通当たりB」の普通当たり種別が決定されたときには、第一普通当たり遊技が第二パターンP2で実行される。したがって、第一普通当たり判定によって当たりであると判定された場合、33%の割合で第一パターンP1による第一普通当たり遊技が、67%の割合で第二パターンP2による第一普通当たり遊技が、それぞれ実行される。なお、「第一普通当たりA」及び「第一普通当たりB」の割合は、任意に変更できる。
図示しないが、ROM53には、第二〜第四普通図柄決定テーブルが記憶されている。パチンコ機1は、第二〜第四普通当たり判定の結果が当たりであることを示す第二〜第四普通図柄を、第二〜第四普通図柄決定テーブルを参照することで決定する。なお、パチンコ機1は、第二〜第四普通図柄について、第二〜第四普通図柄決定テーブルによらずに、所定の当たり図柄又ははずれ図柄を決定してもよい。
図9を参照して、ROM53に記憶されている第一変動パターン決定テーブルについて説明する。第一変動パターン決定テーブルは、第一普通当たり判定による判定結果(第一普通当たり又ははずれ)に応じて、複数のテーブルを設けている。それぞれのテーブルには、第一変動パターン毎に第一変動パターン決定乱数の値(0〜511)、及び第一普通図柄の変動時間(報知演出の変動時間)が対応付けられている。第一普通当たり判定が行われると、判定結果に応じたテーブルが参照され、第一当たり乱数とともに取得されている第一変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。
第一普通当たり判定による判定結果が第一普通当たりである場合には、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。一方、第一普通当たり判定による判定結果がはずれである場合には、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、第一普通当たり判定による判定結果が第一普通当たりとなる期待値は、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に高くなる。なお、リーチ演出とは、演出図柄が所定のリーチ状態を構成した後に、判定結果が第一普通当たりである可能性のあることを示す演出を実行する報知演出である。本実施形態において、「非リーチ」の第一変動パターンは、リーチ状態に至ることなく、演出図柄がはずれの判定結果を示す組合せで確定表示されて演出が終了する報知演出に対応している。本実施形態では、「非リーチ」の変動パターンは、第一普通当たり判定による判定結果がはずれである場合にのみ決定される。
主基板41は、決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを生成し、生成された変動パターン指定コマンドをサブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28及びスピーカ48等を制御することで、報知演出を実行する。なお、報知演出に、演出図柄が用いられなくてもよい。また、主基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一普通図柄を変動させる。
図10から図19を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図10参照)は、割込信号発生回路57(図6参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が検知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
図10に示すように、メイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、ゲート11、第一電チュー12、第二電チュー13、第三電チュー14、第四電チュー15、第一非電動役物17、第二非電動役物18に設けられた各スイッチ(図6参照)の検出結果から、遊技球の通過又は入賞を検知するための処理が行われる。各スイッチが遊技球の通過を検出すると、各スイッチに対応するフラグが「ON」となる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、第一〜第四普通図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである第一〜第四普通図柄変動時間カウンタの値が減算される。なお、本実施形態では、第一〜第四普通図柄のそれぞれについて、他の普通図柄に対する変動優先順位が設けられている。このため、普通図柄は変動優先順位に基づく順に変動し、複数の普通図柄が同時に変動することはない。すなわち、複数の普通図柄の変動時間の計測が同時に行われることはない。
次いで、第一普通電動役物処理が行われる(S13)。詳細は後述するが、第一普通電動役物処理では、第一普通当たりを示す第一普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第一普通当たり遊技の動作(主に第一電チュー12の開閉部材121の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図13参照)。
次いで、第一普通図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、第一普通図柄処理では、第一普通当たり判定、第一変動パターンの決定等の処理が行われる(図11及び図12参照)。
次いで、第二普通電動役物処理が行われる(S15)。詳細は後述するが、第二普通電動役物処理では、第二普通当たりを示す第二普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第二普通当たり遊技の動作(主に第二電チュー13の開閉部材131の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図15参照)。
次いで、第二普通図柄処理が行われる(S16)。詳細は後述するが、第二普通図柄処理では、第二普通当たり判定等の処理が行われる(図14参照)。
次いで、第三普通電動役物処理が行われる(S17)。詳細は後述するが、第三普通電動役物処理では、第三普通当たりを示す第三普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第三普通当たり遊技の動作(主に第三電チュー14の開閉部材141の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図17参照)。
次いで、第三普通図柄処理が行われる(S18)。詳細は後述するが、第三普通図柄処理では、第三普通当たり判定等の処理が行われる(図16参照)。
次いで、第四普通電動役物処理が行われる(S19)。詳細は後述するが、第四普通電動役物処理では、第四普通当たりを示す第四普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第四普通当たり遊技の動作(主に第四電チュー15の開閉部材151の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図19参照)。
次いで、第四普通図柄処理が行われる(S20)。詳細は後述するが、第四普通図柄処理では、第四普通当たり判定等の処理が行われる(図18参照)。
次いで、払出処理(S21)、エラーチェック(S22)、及び情報出力処理(S23)が行われる。払出処理では、スイッチ読込処理によって各スイッチに対応するフラグが「ON」とされた場合に、各スイッチに対応する入賞口へ遊技球が入賞したことを示すコマンドが、払出制御基板45に送信される。このコマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、コマンドに対応する入賞口について予め定められている個数の賞球を、入賞口への入賞球数に応じて賞球払出装置49に払い出させる。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28及びスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。
メイン処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には大当たり遊技状態フラグ、第一普通当たり遊技中フラグ、第二普通当たり遊技中フラグ、第三普通当たり遊技中フラグ、第四普通当たり遊技中フラグ、第一変動フラグ、第二変動フラグ、第三変動フラグ、第四変動フラグ、第一開放フラグ、第二開放フラグ、第三開放フラグ、第四開放フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。第一普通当たり遊技中フラグは、第一普通当たり判定において第一普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」となり、第一普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」となる。第二普通当たり遊技中フラグは、第二普通当たり判定において第二普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」となり、第二普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」となる。第三普通当たり遊技中フラグは、第三普通当たり判定において第三普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」となり、第三普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」となる。第四普通当たり遊技中フラグは、第四普通当たり判定において第四普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」となり、第四普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」となる。
第一変動フラグは、第一普通図柄が変動している場合(変動中)に「1」が記憶されて「ON」となり、第一普通図柄が変動中でない場合には、「0」が記憶されて「OFF」となる。第二変動フラグは、第二普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」となり、第二普通図柄が変動中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。第三変動フラグは、第三普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」となり、第三普通図柄が変動中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。第四変動フラグは、第四普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」となり、第四普通図柄が変動中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。
第一開放フラグは、第一電チュー12の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第一電チュー12の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。第二開放フラグは、第二電チュー13の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第二電チュー13の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。第三開放フラグは、第三電チュー14の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第三電チュー14の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。第四開放フラグは、第四電チュー15の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第四電チュー15の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。
図11及び図12を参照して、第一普通図柄処理(S14、図10参照)の詳細について説明する。図11に示すように、第一普通図柄処理が開始されると、ゲート11を遊技球が通過したかが判断される(S31)。ゲート11に設けられたゲートスイッチ61が遊技球の通過を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図10参照)において、ゲートスイッチ61に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、ゲート11を遊技球が通過していないと判断されて(S31:NO)、処理はS41の判断へ移行する。フラグが「ON」となっている場合、ゲートスイッチ61を遊技球が通過したと判断されて(S31:YES)、第一保留球数が「4」であるかが判断される(S32)。第一保留球数が「4」であれば(S32:YES)、第一保留球数が最大第一保留球数に達しているため、処理はS41(図12参照)の判断へ移行する。
第一保留球数が「4」でない場合には(S32:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S33)。次いで、第一当たり乱数及び第一変動パターン決定乱数が第一保留乱数として取得され、第一普通当たり関係情報記憶エリア(図7参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S35)。具体的には、第一当たり乱数欄には第一普通当たり判定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値がそれぞれ格納される。第一保留乱数として、第一普通図柄を決定するために用いられる第一普通図柄決定乱数等、その他の種類の乱数が含まれてもよい。処理はS41の判断へ移行する。
次いで、図12に示すように、全ての電チューが非作動中であるかが判断される(S41)。第一〜第四普通当たり遊技中フラグのうちいずれかが「ON」であれば、いずれかの電チューが作動中であると判断されて(S41:NO)、処理はメイン処理へ戻る。パチンコ機1は、いずれかの電チューが作動中の場合には、第一普通当たり判定の実行を保留することで、第一普通当たり遊技が他の普通当たり遊技に重複して行われないようにしている。
第一〜第四普通当たり遊技中フラグのいずれもが「OFF」であれば、全ての電チューが非作動中であると判断されて(S41:YES)、第一普通図柄が変動中であるかが判断される(S42)。第一変動フラグが「OFF」であれば、第一普通図柄が変動中でないと判断されて(S42:NO)、RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」以上であるかが判断される(S43)。第四保留球数が「1」以上である場合(S43:YES)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第四保留球数が「0」である場合(S43:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S45)。第三保留球数が「1」以上である場合(S45:YES)、処理はメイン処理へ戻る。第三保留球数が「0」である場合(S45:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S46)。第二保留球数が「1」以上である場合(S46:YES)、処理はメイン処理へ戻る。一方、第二保留球数が「0」である場合(S46:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」以上であるかが判断される(S49)。第一保留球数が「0」である場合(S49:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第一保留球数が「1」以上である場合(S49:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S51)。第一普通当たり関係情報記憶エリア(図7参照)において最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一乱数が、第一判定エリアにシフトされる(S52)。
次いで、第一普通当たり判定が行われる(S53)。第一普通当たり判定テーブルは、ROM53に記憶されている。第一普通当たり判定テーブルには、「第一普通当たり」及び「はずれ」に各々対応する第一当たり乱数の乱数値が定義されている。第一普通当たり判定テーブルが参照されて、S52で第一判定エリアにシフトされた第一当たり乱数が「第一普通当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。このようにして、第二保留球数、第三保留球数及び第四保留球数の少なくともいずれかが「1」以上である場合には、第一普通当たり判定が行われない。第二保留球数、第三保留球数及び第四保留球数のいずれもが「0」である場合に、RAM52に記憶された未判定の第一当たり乱数に基づく第一普通当たり判定が、第一当たり乱数の記憶された順に行われる。なお、本実施形態では、第一普通当たり判定において、第一普通当たり確率(約1/60)で第一普通当たりと判定される。
次いで、S53で行った第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりであるかが判断される(S55)。第一普通当たり判定の結果がはずれの場合(S55:NO)、処理はS57へ移行する。第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりの場合(S55:YES)、第一普通図柄の第一普通当たり種別が決定される(S56)。S56の処理では、第一普通図柄決定テーブル(図8参照)が参照されて、判定エリアにシフトされた第一当たり乱数と同時に取得された第一図柄決定乱数の値に対応する第一普通当たり種別が決定される。決定された第一普通当たり種別は、RAM52に記憶される。処理はS57へ移行する。
次いで、第一変動パターン決定テーブル(図9参照)が参照されて、第一普通当たり判定の判定結果に応じた第一変動パターンの一つが、第一変動パターン決定乱数の値によって決定される。決定された第一変動パターンを指定するための第一変動パターン指定コマンドが生成される(S57)。生成された第一変動パターン指定コマンドは、RAM52に記憶される。記憶された第一変動パターン指定コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)によってサブ制御基板58及び中継基板47に送信され、報知演出の開始及び第一普通図柄の変動開始を指示する。決定された第一変動パターンに応じて定められている第一普通図柄の変動時間が、第一普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S58)。第一普通図柄変動時間カウンタの値は、カウンタ更新処理(S12、図10参照)において順次減算される。第一普通図柄が変動中であることを示す「1」が第一変動フラグに記憶されて「ON」となり(S59)、処理はメイン処理へ戻る。
このように、第二保留球数、第三保留球数及び第四保留球数の少なくともいずれかが「1」以上である限り、第一保留球数が「1」以上であっても第一普通図柄は変動しない。第二保留球数、第三保留球数及び第四保留球数のいずれもが「0」である場合に、第一保留球数が「1」以上であるときに、第一普通図柄が変動する。すなわち、第一普通図柄の変動優先順位は、第二普通図柄、第三普通図柄及び第四普通図柄の変動優先順位よりも低く、パチンコ機1の普通図柄のうち最も低い。
一方、S42の判断において、第一変動フラグが「ON」であれば、第一普通図柄が変動中であると判断されて(S42:YES)、第一普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第一普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S61)。第一普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でなければ、第一普通図柄の変動時間がまだ経過していないと判断されて(S61:NO)、第一普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。
第一普通図柄変動時間カウンタの値が「0」となっていれば、第一普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S61:YES)、第一普通図柄停止コマンドが生成され(S62)、RAM52に記憶される。記憶された第一普通図柄停止コマンドは、コマンド出力処理(S10、図10参照)によってサブ制御基板58に、また、中継基板47を介して図柄表示部24に送信され、報知演出の終了及び第一普通図柄の変動停止を指示する。第一普通図柄停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第一普通図柄の変動を停止する。第一普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第一変動フラグに記憶され「OFF」となる(S63)。
次いで、S53で行った第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりであるかが判断される(S65)。第一普通当たり判定の結果がはずれの場合(S65:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりの場合(S65:YES)、第一普通当たり遊技の開始に伴い大当たり遊技が開始されるので、大当たり遊技状態フラグが「ON」になる(S68)。また、第一普通当たり遊技中フラグが「ON」になり(S69)、処理はメイン処理へ戻る。
図13を参照して、第一普通電動役物処理(S13、図13参照)の詳細について説明する。第一普通電動役物処理が開始されると、第一普通当たり遊技中であるかが判断される(S71)。第一普通当たり遊技中フラグが「OFF」である場合、第一普通当たり遊技中でないと判断されて(S71:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合、第一普通当たり遊技中であると判断されて(S71:YES)、第一普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第一電チュー12が開放中であるかが判断される(S73)。第一開放フラグが「OFF」である場合、第一電チュー12が開放中でない(閉鎖中である)と判断されて(S72:NO)、S56(図12参照)の処理でRAM52に記憶された第一普通当たり種別が参照される(S91)。参照された第一普通当たり種別が「第一普通当たりA」であるかが判断される(S92)。
参照された第一普通当たり種別が「第一普通当たりA」である場合(S92:YES)、P1開放コマンドが生成される(S93)。生成されたP1開放コマンドはRAM52に記憶される。P1開放コマンドは、第一電チュー12の開閉部材121を、図5に示す第一パターンP1で開閉動作させるためのコマンドである。P1開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介してP1開放コマンドを受信した第一電チューソレノイド64は、第一電チュー12の開閉部材121を第一パターンP1で開閉動作させる。処理はS96へ移行する。
参照された第一普通当たり種別が「第一普通当たりB」である場合(S92:NO)、P2開放コマンドが生成される(S95)。生成されたP2開放コマンドはRAM52に記憶される。P2開放コマンドは、第一電チュー12の開閉部材121を、図5に示す第二パターンP2で開閉動作させるためのコマンドである。P2開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介してP2開放コマンドを受信した第一電チューソレノイド64は、第一電チュー12の開閉部材121を第二パターンP2で開閉動作させる。処理はS96へ移行する。
次いで、第一普通当たり種別に応じた電チュー開放パターンが、RAM52に記憶される(S96)。第一普通当たり種別が「第一普通当たりA」である場合には、第一パターンP1に対応する第一電チュー12の1回あたりの開放時間(0.250秒)及び開放回数(5回)が記憶される。第一普通当たり種別が「第一普通当たりB」である場合には、第二パターンP2に対応する第一電チュー12の開放時間(初回0.040秒、その他0.250秒)及び開放回数(初回1回、後半に5回)が記憶される。
次いで、第一開放フラグが「ON」になる(S98)。振分シャッタ作動コマンドが生成され(S99)、RAM52に記憶される。振分シャッタ作動コマンドは、振分シャッタ195を、図5に示す振分シャッタ動作パターンで動作させるためのコマンドである。振分シャッタ作動コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して振分シャッタ作動コマンドを受信した振分シャッタソレノイド69は、振分シャッタ195を振分シャッタ動作パターンで動作させる。処理はメイン処理へ戻る。
一方、第一開放フラグが「ON」である場合、第一電チュー12が開放中であると判断されて(S73:YES)、第一電チュー12へ入賞した遊技球の処理、及び第一電チュー12を閉鎖するための処理が行われる。まず、S96で記憶された電チュー開放パターンでの第一電チュー12の開放が終了したかが判断される(S73)。第一普通当たり種別に応じた電チュー開放パターンでの第一電チュー12の開放が終了していない場合(S73:NO)、第一電チュー12へ遊技球が入賞したかが判断される(S75)。第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第一電チュー12へ遊技球が入賞していないと判断されて(S75:NO)、処理はS78の判断へ移行する。
一方、第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「ON」となっている場合、第一電チュー12へ遊技球が入賞したと判断される(S75:YES)。このため、第一電チュー12へ入賞した遊技球の個数である第一入賞球数を計数するRAM52の第一入賞球数カウンタに「1」が加算される(S76)。次いで、第一入賞球数が「8」以上であるかが判断される(S78)。第一入賞球数が「8」未満であれば(S78:NO)、継続して第一電チュー12が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
第一入賞球数が「8」以上の場合(S78:YES)、又はS96で記憶された電チュー開放パターンでの第一電チュー12の開放が終了している場合(S73:YES)、第一電チュー12を閉鎖するための第一電チュー閉鎖コマンドが生成される(S81)。生成された第一電チュー閉鎖コマンドはRAM52に記憶され、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第一電チュー開放コマンドを受信した第一電チューソレノイド64は、第一電チュー12の開閉部材121を閉鎖させる。次いで、第一開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S82)、第一普通当たり遊技中フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる(S83)。処理はメイン処理へ戻る。
図14を参照して、第二普通図柄処理(S16、図10参照)の詳細について説明する。第二普通図柄処理が開始されると、第二非電動役物18に遊技球が入賞したかが判断される(S101)。第二非電動役物スイッチ77に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第二非電動役物18へ遊技球が入賞していないと判断されて(S101:NO)、処理はS111の判断へ移行する。第二非電動役物スイッチ77に対応するフラグが「ON」となっている場合には、第二非電動役物18へ遊技球が入賞していると判断されて(S101:YES)、第二保留球数が「4」であるかが判断される(S103)。第二保留球数が「4」であれば(S103:YES)、第二保留球数が最大第二保留球数に達しているため、処理はS111の判断へ移行する。
第二保留球数が「4」でない場合には(S103:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数に「1」が加算される(S106)。次いで、第二乱数が取得され、第二普通当たり関係情報エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S107)。処理はS111の判断へ移行する。
次いで、全ての電チューが非作動中であるかが判断される(S111)。第一〜第四普通当たり遊技中フラグのうち少なくともいずれかが「ON」であれば、いずれかの電チューが作動中であると判断されて(S111:NO)、処理はメイン処理へ戻る。パチンコ機1は、いずれかの電チューが作動中の場合には、第二普通当たり判定の実行を保留することで、第二普通当たり遊技が他の普通当たり遊技に重複して行われないようにしている。
第一〜第四普通当たり遊技中フラグのいずれもが「OFF」であれば、全ての電チューが非作動中であると判断されて(S111:YES)、第二普通図柄が変動中であるかが判断される(S112)。第二変動フラグが「OFF」であれば、第二普通図柄が変動中でないと判断されて(S112:NO)、RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」以上であるかが判断される(S113)。第四保留球数が「1」以上である場合(S113:YES)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第四保留球数が「0」である場合(S113:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S115)。第三保留球数が「1」以上である場合(S115:YES)、処理はメイン処理へ戻る。第三保留球数が「0」である場合(S115:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S119)。第二保留球数が「0」である場合(S119:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第二保留球数が「1」以上である場合(S119:YES)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」減算される(S121)。第二普通当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第二乱数が、第二普通当たり判定を行う乱数を格納するためにRAM52に設けられている第二判定エリアにシフトされる(S122)。
次いで、第二普通当たり判定が行われる(S123)。第二普通当たり判定は、第二普通当たり判定テーブルが参照されることで行われる。第二普通当たり判定テーブルは、ROM53に記憶されている。第二普通当たり判定テーブルには、「第二普通当たり」及び「はずれ」に各々対応する第二当たり乱数の乱数値が定義されている。第二普通当たり判定テーブルが参照されて、S122で第二判定エリアにシフトされた第二当たり乱数が「第二普通当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二当たり乱数に基づく第二普通当たり判定が、第二当たり乱数の記憶された順に行われる。なお、本実施形態では、第二普通当たり判定において、第二普通当たり確率(100%)で第二普通当たりと判定される。
次いで、第二普通図柄の変動を開始させるための第二普通図柄変動開始コマンドが生成され(S125)、RAM52に記憶される。第二普通図柄変動開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第二普通図柄の変動を開始する。次いで、予め定められている第二普通図柄の変動時間(本実施形態では、2秒)が、第二普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S126)。第二普通図柄が変動中であることを示す「1」が第二変動フラグに記憶されて「ON」となり(S128)、処理はメイン処理へ戻る。
このように、第三保留球数及び第四保留球数の少なくともいずれかが「1」以上である限り、第二保留球数が「1」以上であっても第二普通図柄は変動しない。第三保留球数及び第四保留球数のいずれもが「0」である場合において、第二保留球数が「1」以上であるときに第二普通図柄が変動する。すなわち、第二普通図柄の変動優先順位は、第三普通図柄及び第四普通図柄よりも低い。前述したように、第一普通図柄の変動優先順位は、第二普通図柄、第三普通図柄、第三普通図柄及び第四普通図柄よりも低く、パチンコ機1の普通図柄のうち最も低い。よって、第一普通図柄と第二普通図柄との間では、第二普通図柄の変動優先順位が第一普通図柄の変動優先順位よりも高くなる。この第一普通図柄と第二普通図柄との間の変動優先順位の関係を、以下では、「第二普通図柄>第一普通図柄」と表すこととする。
一方、S112の判断において、第二変動フラグが「ON」であれば、第二普通図柄が変動中であると判断されて(S112:YES)、第二普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第二普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S131)。第二普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でなければ、第二普通図柄の変動時間がまだ経過していないと判断されて(S131:NO)、第二普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。
第二普通図柄変動時間カウンタの値が「0」となっていれば、第二普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S131:YES)、第二普通図柄の変動を停止させるための第二普通図柄停止コマンドが生成され(S132)、RAM52に記憶される。第二普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)によって、中継基板47を介して図柄表示部24に送信される。第二普通図柄停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第二普通図柄の変動を停止する。次いで、第二普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第二変動フラグに記憶されて「OFF」になる(S133)。
次いで、S123で行われた第二普通当たり判定の結果が第二普通当たりであるかが判断される(S135)。第二普通当たり判定の結果がはずれの場合(S135:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第二普通当たり判定の結果が第二普通当たりの場合(S135:YES)、第二普通当たり遊技中フラグが「ON」になる(S139)。処理はメイン処理へ戻る。
図15を参照して、第二普通電動役物処理(S15、図10参照)の詳細について説明する。第二普通電動役物処理が開始されると、第二普通当たり遊技中であるかが判断される(S141)。第二普通当たり遊技中フラグが「OFF」であれば、第二普通当たり遊技中でないと判断されて(S141:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第二普通当たり遊技中フラグが「ON」であれば、第二普通当たり遊技中であると判断されて(S141:YES)、第二普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第二電チュー13が開放中であるかが判断される(S143)。第二開放フラグが「OFF」であれば、第二電チュー13が閉鎖中であると判断されて(S143:NO)、第二電チュー13を開放させるための第二電チュー開放コマンドが生成され(S161)、RAM52に記憶される。第二電チュー開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第二電チュー開放コマンドを受信した第二電チューソレノイド65は、第二電チュー13の開閉部材131を開放させる。次いで、第二開放時間(本実施形態では、5.8秒)が、第二開放時間カウンタに記憶される(S162)。次いで、第二開放フラグが「ON」となり(S163)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第二開放フラグが「ON」であれば、第二電チュー13が開放中であると判断されて(S143:YES)、第二電チュー13へ入賞した遊技球の処理、及び第二電チュー13を閉鎖するための処理が行われる。まず、第二開放時間が経過したかが判断される(S145)。S162で記憶された第二開放時間カウンタの値が「0」でなければ、第二開放時間はまだ経過していないと判断されて(S145:NO)、第二電チュー13へ遊技球が入賞したかが判断される(S146)。第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第二電チュー13へ遊技球が入賞していないと判断されて(S146:NO)、処理はS149の判断へ移行する。
一方、第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている場合、第二電チュー13へ遊技球が入賞したと判断される(S146:YES)。このため、第二電チュー13へ入賞した遊技球の個数である第二入賞球数を計数するRAM52の第二入賞球数カウンタに「1」が加算される(S148)。次いで、第二入賞球数が「4」以上であるかが判断される(S149)。第二入賞球数が「4」未満であれば(S149:NO)、継続して第二電チュー13が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
第二入賞球数が「4」以上の場合(S149:YES)、又は第二開放時間が経過している場合(S145:YES)、第二電チュー13を閉鎖するための第二電チュー閉鎖コマンドが生成され(S151)、RAM52に記憶される。第二電チュー閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第二電チュー開放コマンドを受信した第二電チューソレノイド65は、第二電チュー13の開閉部材131を閉鎖させる。次いで、第二開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S152)、第二普通当たり遊技中フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる(S153)。処理はメイン処理へ戻る。
図16を参照して、第三普通図柄処理(S18、図10参照)の詳細について説明する。第三普通図柄処理が開始されると、第二電チュー13へ遊技球が入賞したかが判断される(S171)。第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第二電チュー13へ遊技球が入賞していないと判断されて(S171:NO)、第一非電動役物17へ遊技球が入賞したかが判断される(S172)。第一非電動役物スイッチ76に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第一非電動役物17へ遊技球が入賞していないと判断されて(S172:NO)、処理はS181の判断へ移行する。
一方、第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている場合、第二電チュー13へ遊技球が入賞したと判断されて(S171:YES)、処理はS173の判断へ移行する。また、第一非電動役物スイッチ76に対応するフラグが「ON」となっている場合、第一非電動役物17へ遊技球が入賞したと判断されて(S172:YES)、処理はS173の判断へ移行する。次いで、第三保留球数が「4」であるかが判断される(S173)。第三保留球数が「4」であれば(S173:YES)、第二保留球数が最大第二保留球数に達しているため、処理はS181の判断へ移行する。
第三保留球数が「4」でない場合には(S173:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数に「1」が加算される(S176)。次いで、第三乱数が取得され、第三普通当たり関係情報エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S177)。処理はS181の判断へ移行する。
次いで、全ての電チューが非作動中であるかが判断される(S181)。第一〜第四普通当たり遊技中フラグのうち少なくともいずれかが「ON」であれば、いずれかの電チューが開放中であると判断されて(S181:NO)、処理はメイン処理へ戻る。パチンコ機1は、いずれかの電チューが作動中の場合には、第三普通当たり判定の実行を保留することで、第三普通当たり遊技が他の普通当たり遊技に重複して行われないようにしている。
第一〜第四普通当たり遊技中フラグのいずれもが「OFF」であれば、全ての電チューが非作動中であると判断されて(S181:YES)、第三普通図柄が変動中であるかが判断される(S182)。第三変動フラグが「OFF」であれば、第三普通図柄が変動中でないと判断されて(S182:NO)、RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」以上であるかが判断される(S183)。第四保留球数が「1」以上である場合(S183:YES)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第四保留球数が「0」である場合(S183:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S189)。第三保留球数が「0」である場合(S189:NO)、第三普通図柄の変動は行われず、処理はメイン処理へ戻る。第三保留球数が「1」以上である場合(S189:YES)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」減算される(S191)。第三普通当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第三乱数が、第三普通当たり判定を行う乱数を格納するためにRAM52に設けられている第三判定エリアにシフトされる(S192)。
次いで、第三普通当たり判定が行われる(S193)。第三普通当たり判定は、第三普通当たり判定テーブルが参照されることで行われる。第三普通当たり判定テーブルは、ROM53に記憶されている。第三普通当たり判定テーブルには、「第三普通当たり」及び「はずれ」に各々対応する第三当たり乱数の乱数値が定義されている。第三普通当たり判定テーブルが参照されて、S192で第三判定エリアにシフトされた第三当たり乱数が「第三普通当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第三当たり乱数に基づく第三普通当たり判定が、第三当たり乱数の記憶された順に行われる。なお、本実施形態では、第三普通当たり判定において、第三普通当たり確率(100%)で第三普通当たりと判定される。
次いで、第三普通図柄の変動を開始させるための第三普通図柄変動開始コマンドが生成され(S195)、RAM52に記憶される。第三普通図柄変動開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第三普通図柄の変動を開始する。次いで、予め定められている第三普通図柄の変動時間(本実施形態では、2秒)が、第三普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S196)。第三普通図柄が変動中であることを示す「1」が第三変動フラグに記憶されて「ON」となり(S198)、処理はメイン処理へ戻る。
このように、第四保留球数が「1」以上である限り、第三保留球数が「1」以上であっても第三普通図柄は変動しない。第四保留球数が「0」である場合に、第三保留球数が「1」以上であるときに、第三普通図柄が変動する。すなわち、第三普通図柄の変動優先順位は、第四普通図柄の変動優先順位よりも低い。よって、第三普通図柄と第四普通図柄との間の変動優先順位の関係は、「第四普通図柄>第三普通図柄」と表せる。前述したように、第一普通図柄と第二普通図柄との間の変動優先順位は、「第二普通図柄>第一普通図柄」であり、第二普通図柄の変動優先順位は、第三普通図柄及び第四普通図柄よりも低い。したがって、第一〜第四普通図柄の変動優先順位は、「第四普通図柄>第三普通図柄>第二普通図柄>第一普通図柄」となる。
一方、S182の判断において、第三変動フラグが「ON」であれば、第三普通図柄が変動中であると判断されて(S182:YES)、第三普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第三普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S201)。第三普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でなければ、第三普通図柄の変動時間がまだ経過していないと判断されて(S201:NO)、第三普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。
第三普通図柄変動時間カウンタの値が「0」となっていれば、第三普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S201:YES)、第三普通図柄の変動を停止させるための第三普通図柄停止コマンドが生成され(S202)、RAM52に記憶される。第三普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)によって、中継基板47を介して図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第三普通図柄の変動を停止する。次いで、第三普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第三変動フラグに記憶されて「OFF」となる(S203)。
次いで、S193で行われた第三普通当たり判定の結果が第三普通当たりであるかが判断される(S205)。第三普通当たり判定の結果がはずれの場合(S205:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第三普通当たり判定の結果が第三普通当たりの場合(S205:YES)、第三普通当たり遊技中フラグが「ON」とされる(S209)。処理はメイン処理へ戻る。
図17を参照して、第三普通電動役物処理(S17、図10参照)の詳細について説明する。第三普通電動役物処理が開始されると、第三普通当たり遊技中であるかが判断される(S211)。第三普通当たり遊技中フラグが「OFF」であれば、第三普通当たり遊技中でないと判断されて(S211:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第三普通当たり遊技中フラグが「ON」であれば、第三普通当たり遊技中であると判断されて(S211:YES)、第三普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第三電チュー14が開放中であるかが判断される(S213)。第三開放フラグが「OFF」であれば、第三電チュー14が閉鎖中であると判断されて(S213:NO)、第三電チュー14を開放させるための第三電チュー開放コマンドが生成され(S231)、RAM52に記憶される。第三電チューコマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第三電チュー開放コマンドを受信した第三電チューソレノイド66は、第三電チュー14の開閉部材141を開放させる。次いで、第三開放時間(本実施形態では、5.8秒)が、第三開放時間カウンタに記憶される(S232)。次いで、第三開放フラグが「ON」とされ(S233)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第三開放フラグが「ON」であれば、第三電チュー14が開放中であると判断されて(S213:YES)、第三電チュー14へ入賞した遊技球の処理、及び第三電チュー14を閉鎖するための処理が行われる。まず、第三開放時間が経過したかが判断される(S215)。S232で記憶された第三開放時間カウンタの値が「0」でなければ、第三開放時間はまだ経過していないと判断されて(S215:NO)、第三電チュー14へ遊技球が入賞したかが判断される(S216)。第三電チュースイッチ73に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第三電チュー14へ遊技球が入賞していないと判断されて(S216:NO)、処理はS219の判断へ移行する。
一方、第三電チュースイッチ73に対応するフラグが「ON」となっている場合、第三電チュー14へ遊技球が入賞したと判断される(S216:YES)。このため、第三電チュー14へ入賞した遊技球の個数である第三入賞球数を計数するRAM52の第三入賞球数カウンタに「1」が加算される(S218)。次いで、第三入賞球数が「4」以上であるかが判断される(S219)。第三入賞球数が「4」未満であれば(S219:NO)、継続して第三電チュー14が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
第三入賞球数が「4」以上の場合(S219:YES)、又は第三開放時間が経過した場合(S215:YES)、第三電チュー14を閉鎖するための第三電チュー閉鎖コマンドが生成され(S221)、RAM52に記憶される。第三電チュー閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第三電チュー開放コマンドを受信した第三電チューソレノイド66は、第三電チュー14の開閉部材141を閉鎖させる。次いで、第三開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S222)、第三普通当たり遊技中フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる(S223)。処理はメイン処理へ戻る。
図18を参照して、第四普通図柄処理(S20、図10参照)の詳細について説明する。第四普通図柄処理が開始されると、第三電チュー14へ遊技球が入賞したかが判断される(S241)。第三電チュースイッチ73に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第三電チュー14へ遊技球が入賞していないと判断されて(S241:NO)、処理はS251の判断へ移行する。
一方、第三電チュースイッチ73に対応するフラグが「ON」となっている場合、第三電チュー14へ遊技球が入賞したと判断されて(S241:YES)、第四保留球数が「4」であるかが判断される(S242)。第四保留球数が「4」であれば(S242:YES)、第四保留球数が最大第四保留球数に達しているため、処理はS251の判断へ移行する。
第四保留球数が「4」でない場合には(S242:NO)、RAM52に記憶されている第四保留球数に「1」が加算される(S243)。次いで、第四乱数が取得され、第四普通当たり関係情報エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S245)。処理はS251の判断へ移行する。
次いで、全ての電チューが非作動中であるかが判断される(S251)。第一〜第四普通当たりフラグのうちいずれかが「ON」であれば、いずれかの電チューが作動中であると判断されて(S251:NO)、処理はメイン処理へ戻る。パチンコ機1は、いずれかの電チューが作動中の場合には、第四普通当たり判定の実行を保留することで、第四普通当たり遊技が他の普通当たり遊技に重複して行われないようにしている。
第一〜第四普通当たりフラグのいずれもが「OFF」であれば、全ての電チューが非作動中であると判断されて(S251:YES)、第四普通図柄が変動中であるかが判断される(S252)。第四変動フラグが「OFF」であれば、第四普通図柄が変動中でないと判断されて(S252:NO)、RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」以上であるかが判断される(S259)。第四保留球数が「1」以上である場合(S259:YES)、RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」減算される(S261)。第四普通当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第四乱数が、第四普通当たり判定を行う乱数を格納するためにRAM52に設けられている第四判定エリアにシフトされる(S262)。
次いで、第四普通当たり判定が行われる(S263)。第四普通当たり判定は、第四普通当たり判定テーブルが参照されることで行われる。第四普通当たり判定テーブルは、ROM53に記憶されている。第四普通当たり判定テーブルには、「第四普通当たり」及び「はずれ」に各々対応する第四当たり乱数の乱数値が定義されている。第四普通当たり判定テーブルが参照されて、S262で第三判定エリアにシフトされた第四当たり乱数が「第四普通当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第四当たり乱数に基づく第四普通当たり判定が、第四当たり乱数の記憶された順に行われる。なお、本実施形態では、第四普通当たり判定において,第四普通当たり確率(100%)で第四普通当たりと判定される。
次いで、第四普通図柄の変動を開始させるための第四普通図柄変動開始コマンドが生成され(S265)、RAM52に記憶される。第四普通図柄変動開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第四普通図柄の変動を開始する。次いで、予め定められている第四普通図柄の変動時間(本実施形態では、2秒)が、第四普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S266)。第四普通図柄が変動中であることを示す「1」が第四変動フラグに記憶されて「ON」となり(S268)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、S252の判断において、第四変動フラグが「ON」であれば、第四普通図柄が変動中であると判断されて(S252:YES)、第四普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第四普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S281)。第四普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でなければ、第四普通図柄の変動時間がまだ経過していないと判断されて(S281:NO)、第四普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。
第四普通図柄変動時間カウンタの値が「0」となっていれば、第四普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S281:YES)、第四普通図柄の変動を停止させるための第四普通図柄停止コマンドが生成され(S282)、RAM52に記憶される。第四普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)によって、中継基板47を介して図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第四普通図柄の変動を停止する。次いで、第四普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第四変動フラグに記憶されて「OFF」となる(S283)。
次いで、S263で行われた第四普通当たり判定の結果が第四普通当たりであるかが判断される(S285)。第四普通当たり判定の結果がはずれの場合(S285:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第四普通当たり判定の結果が第四普通当たりの場合(S285:YES)、第四普通当たり遊技中フラグが「ON」とされる(S286)。処理はメイン処理へ戻る。
また、S259の判断において、第四保留球数が「0」の場合には(S259:NO)、まだ第四普通当たり判定の行われていない第四保留球が存在しないので、一連の第四普通当たり遊技が終了する。一連の第四普通当たり遊技が終了する際に、大当たり遊技も終了する場合があり、この場合には、大当たり遊技を終了させる処理を行う必要がある。そこで、まず、大当たり遊技中であるかが判断される(S271)。大当たり遊技状態フラグが「OFF」であれば、大当たり遊技中でないと判断されて(S271:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
大当たり遊技状態フラグが「ON」であれば、大当たり遊技中であると判断されて(S271:YES)、第四普通当たり遊技が終了しているかが判断される(S272)。第四普通当たり遊技中フラグが「ON」であれば、第四普通当たり遊技が終了していないと判断されて(S272:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第四普通当たり遊技中フラグが「OFF」であれば、第四普通当たり遊技が終了していると判断されて(S272:YES)、第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S273)。第三保留球数が「1」以上の場合には、まだ第三普通当たり判定の行われていない第三保留球が存在する。この場合、この時点では一連の第四普通当たり遊技が終了するのみであり、一連の第四普通当たり遊技が終了した後に第三普通当たり判定によって第三普通当たりであると判定されれば、第三普通当たり遊技が行われうる。第三普通当たり遊技において開放する第三電チュー14に遊技球が入賞することを契機として、新たに第四普通当たり遊技が行われうる。よって、第三保留球数が「1」以上である場合(S273:YES)、大当たり遊技が終了しないので、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第三保留球数が「0」である場合(S273:NO)、第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S275)。第三保留球数が「0」であっても、第二保留球数が「1」以上の場合には、まだ第二普通当たり判定の行われていない第二保留球が存在する。以降に第二普通当たり判定によって第二普通当たりであると判定されれば、第二普通当たり遊技が行われうる。第二普通当たり遊技において開放する第二電チュー13に遊技球が入賞することを契機として、新たに第三普通当たり遊技が行われうる。第三普通当たり遊技が行われた場合には、新たに第四普通当たり遊技が行われ得る。よって、第二保留球数が「1」以上である場合(S275:YES)、大当たり遊技が終了しないので、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第二保留球数が「0」の場合(S275:NO)、第四普通当たり遊技が終了しており、まだ第二普通当たり判定及び第三普通当たり判定が行われていない第二保留球及び第三保留球が存在しないので、大当たり遊技が終了する。したがって、大当たり遊技状態フラグが「OFF」になる(S276)。その後、処理はメイン処理へ戻る。
図19を参照して、第四普通電動役物処理(S19、図10参照)の詳細について説明する。第四普通電動役物処理が開始されると、第四普通当たり遊技中であるかが判断される(S291)。第四普通当たり遊技中フラグが「OFF」であれば、第四普通当たり遊技中でないと判断されて(S291:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第四普通当たり遊技中フラグが「ON」であれば、第四普通当たり遊技中であると判断されて(S291:YES)、第四普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第四電チュー15が開放中であるかが判断される(S293)。第四開放フラグが「OFF」であれば、第四電チュー15が開放中でないと判断されて(S293:NO)、第四電チュー15を開放させるための第四電チュー開放コマンドが生成され(S311)、RAM52に記憶される。第四電チュー開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第四電チュー開放コマンドを受信した第四電チューソレノイド67は、第四電チュー15の開閉部材151を開放させる。次いで、第四開放時間が、第四開放時間カウンタに記憶される(S312)。次いで、第四開放フラグが「ON」とされ(S313)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第四開放フラグが「ON」であれば、第四電チュー15が開放中であると判断されて(S293:YES)、第四電チュー15へ入賞した遊技球の処理、及び第四電チュー15を閉鎖するための処理が行われる。まず、第四開放時間が経過したかが判断される(S295)。S312で記憶された第四開放時間カウンタの値が「0」でなければ、第四開放時間はまだ経過していないと判断されて(S295:NO)、第四電チュー15へ遊技球が入賞したかが判断される(S296)。第四電チュースイッチ74に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第四電チュー15へ遊技球が入賞していないと判断されて(S296:NO)、処理はS299の判断へ移行する。
一方、第四電チュースイッチ74に対応するフラグが「ON」となっている場合、第四電チュー15へ遊技球が入賞したと判断される(S296:YES)。このため、第四電チュー15へ入賞した遊技球の個数である第四入賞数を計数するRAM52の第四入賞球数カウンタに「1」が加算される(S298)。次いで、第四入賞球数が「7」以上であるかが判断される(S299)。第四入賞数が「7」未満であれば(S299:NO)、継続して第四電チュー15が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
第四入賞球数が「7」以上の場合(S299:YES)、又は第四開放時間が経過している場合(S295:YES)、第四電チュー15を閉鎖するための第四電チュー閉鎖コマンドが生成される(S301)。生成された第四電チュー閉鎖コマンドはRAM52に記憶され、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図10参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第四電チュー閉鎖コマンドを受信した第四電チューソレノイド67は、第四電チュー15の開閉部材151を閉鎖させる。次いで、第四開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり、(S302)、第四作動終了フラグに「1」が記憶されて「ON」になる(S303)。処理はメイン処理へ戻る。
図20から図25を参照して、パチンコ機1において、ゲート11を遊技球が通過することを契機として行われる大当たり遊技の流れを説明する。まず、図20及び図21を参照して、初当たり遊技の開始の契機となる第一普通当たり遊技が第一パターンP1で行われる場合について説明する。
図20に示すように、パチンコ機1において、左打ちで遊技が開始され、遊技球がゲート11を通過すると、第一普通当たり判定が行われる。第一普通当たり判定によって第一普通当たりの判定結果が導出されたとする。この場合において、第一普通当たりAの普通当たり種別が決定されたとする。第一普通図柄が当たり変動を開始し、当たり変動に同期して、表示画面28、スピーカ48等によって報知演出が行われる。当たり変動が終了すると、第一普通当たり遊技が第一パターンP1で行われる。
第一パターンP1において時間TA(図5参照)の開放状態を伴う5回の第一電チュー12の開閉部材121の開閉動作のそれぞれにおいて、第一電チュー12に遊技球が約1個ずつ入賞する。第一パターンP1において第一電チュー12に入賞した遊技球の大半は、振分流路19の流路191を流下し、第一流路191Aへ導かれて第一通過領域192を通過する。第一電チュー12へ遊技球が入賞してから第一流路191Aを流下して第一通過領域192を通過するまでに、第一時間TK1の時間がかかる。したがって、第一電チュー12に遊技球が入賞してから第一時間TK1が経過した後に、第一作動機構の作動により、第一非電動役物17の開閉部材171が開放する。開放した第一非電動役物17に1個の遊技球が入賞すると、第一閉鎖機構の作動により、開閉部材171が閉鎖する。
第一電チュー12の開閉部材121の1回の開閉動作は、時間TBに亘って行われる。時間TBは、第一電チュー12の開放開始時点から、第一電チュー12に1個の遊技球が入賞し、その後第一時間TK1が経過して第一非電動役物17が開放し、開放した第一非電動役物17に1個の遊技球が入賞することで第一非電動役物17が閉鎖するまでの時間を含むように設けられている。このため、本実施形態では、第一時間TK1は、時間TBよりも短い時間にされている(本実施形態において、第一時間TK1は約1.7秒、時間TBは約4.3秒)。第一電チュー12の開閉動作は最大で5回繰り返して行われる。
最終回(図20においては5回目)の開放においても、第一電チュー12に1個の遊技球が入賞したとする。第一電チュー12の最終回の開放が終了した後、時間TYの閉鎖状態が経過すると、第一パターンP1による第一普通当たり遊技が終了する。第一電チュー12の最終回の開放において第一電チュー12に入賞した遊技球は、その後第一時間TK1が経過した後に第一通過領域192を通過して第一非電動役物17を開放させる。本実施形態において、第一時間TK1は、時間TYよりも長い時間にされている(本実施形態において、第一時間TK1は約1.7秒、時間TYは約1.6秒)。
このため、図21に示すように、第一パターンP1による第一普通当たり遊技の最終回の開放の開始直後((a)の時点)に第一電チュー12に遊技球が入賞した場合、第一時間TK1の終点が時間TYの終点よりも先に到来する。よって、第一パターンP1による第一普通当たり遊技が終了するよりも先に(時間TYが終了するよりも先に)、第一非電動役物17の開放が開始される。これにより、第一普通当たり遊技の終了時点において、第一非電動役物17が開放した状態にある。パチンコ機1において、普通図柄の変動優先順位が「第四普通図柄>第三普通図柄>第二普通図柄>第一普通図柄」であるので、第一保留球数が「1」以上であっても、他の普通図柄の保留球数が「0」になるまで、第一普通図柄の変動開始が抑制される。第一普通当たり遊技が終了すると、第三保留球が記憶されているので、第三普通図柄が第一普通図柄に優先して変動を開始する。これに伴い、第三保留球数が最大第三保留球数よりも少なくなる。第一普通当たり遊技が終了するよりも前に第一非電動役物17へ遊技球が入賞した場合には、第三普通図柄の変動が開始する前であるので、この時点で第三保留球数が最大第三保留球数に達していれば、第三保留球が新たに記憶されることはない。
一方、第一普通当たり遊技が終了し、第三保留球に基づいて第三普通図柄が変動を開始した後に第一非電動役物17に遊技球が入賞した場合には、第三保留球が最大第三保留球数に達するまで、第三保留球が新たに記憶される。すなわち、第一普通当たり遊技の終了後に第三普通図柄が変動を開始することで、一旦、第三保留球数が最大第三保留球数よりも少なくなるが、その後に第三保留球がさらに追加して記憶されて、第三保留球数が再び最大第三保留球数になる。このような、第三普通図柄の変動開始後に第三保留球が追加して記憶されることを、以下では「+α」という。
また、第一パターンP1による第一普通当たり遊技の最終回の開放の終了直前((b)の時点)に第一電チュー12に遊技球が入賞した場合、第一時間TK1の終点が時間TYの終点よりも後の時点になる。よって、第一パターンP1による第一普通当たり遊技の終了後に(時間TYの終了後に)、第一非電動役物17の開放が開始する。第一非電動役物17の開放が開始する時点には、第三保留球に基づいて第三普通図柄が既に変動を開始しており、第三保留球数が確実に最大第三保留球数よりも少なくなっている。よって、開放した第一非電動役物17に遊技球が入賞すると、第三保留球の新たな記憶が確実に行われて(+αの第三保留球の記憶が確実に行われて)、第三保留球が最大第三保留球数になる。
図20の説明に戻る。以下では、第一パターンP1による第一普通当たり遊技の終了後に第三普通図柄が変動を開始し、この変動中に第一非電動役物17に遊技球が入賞して+αの第三保留球の記憶がされたとする。本実施形態では、第三普通当たり確率が100%であるので、第三普通図柄は当たり変動を行い、変動終了後に第三普通当たり遊技が行われる。第三普通当たり遊技において第三電チュー14が開閉動作を行う。この開閉動作において、第三電チュー14に4個の遊技球が入賞したとする。
第三電チュー14は第四普通図柄の作動口であるので、第三電チュー14に遊技球が入賞した場合には、第四保留球が最大4個記憶される。ここで、パチンコ機1における普通図柄の変動優先順位は、「第四普通図柄>第三普通図柄>第二普通図柄>第一普通図柄」である。よって、第四保留球数が「0」になるまで、第三普通図柄の変動開始が抑制される。したがって、第三普通当たり遊技の終了後に、第四普通図柄の変動及び第四普通当たり遊技が、第四保留球数が「0」になるまで最大4回繰り返して行われる。以下では、第三電チュー14に入賞した最大4個の遊技球のそれぞれに対して実行される最大4回の第四普通当たり遊技を合わせて「一連の第四普通当たり遊技」という。
一連の第四普通当たり遊技が終了すると、第四保留球数が「0」になっているので、第三普通図柄が変動可能になる。したがって、2回目の第三普通図柄の当たり変動及び2回目の第三普通当たり遊技が行われる。その後に、一連の第四普通当たり遊技が行われる。このようにして、第一普通当たり遊技中の第一非電動役物17の開閉動作に伴い最大4個の第三保留球が記憶され、第一普通当たり遊技の終了後にも1個の第三保留球の+αの記憶がされる。このため、第三普通当たり遊技及び一連の第四普通当たり遊技が最大5回繰り返して行われる。これらが終了することで、大当たり遊技が終了する。
この時点において、第三保留球数及び第四保留球数が「0」になっているので、第一保留球が記憶されている場合には、第一普通図柄の変動開始が可能になる。大当たり遊技の終了時点に記憶されている第一保留球数に基づく第一普通当たり判定によって第一普通当たりと判定された場合には、再び大当たり遊技が開始する。このような、大当たり遊技の終了直後に再び開始される大当たり遊技を、初当たり遊技と区別して「連荘当たり遊技」ともいう。なお、大当たり遊技の終了時点に記憶されている第一保留球数に基づく第一普通当たり判定によって第一普通当たりと判定されなかった場合には、連荘当たり遊技が行われず、遊技は左打ちに戻る。
なお、第一パターンP1による第一普通当たり遊技の終了よりも前に、第一非電動役物17に遊技球が入賞した場合には、+αの第三保留球の記憶が行われない。この場合、大当たり遊技において第三普通当たり遊技及び一連の第四普通当たり遊技が繰り返して行われる回数は、最大で4回になる。つまり、第一普通当たり遊技の終了前に第一非電動役物17に遊技球が入賞する場合よりも、第一普通当たり遊技の終了後に第一非電動役物17に遊技球が入賞する場合の方が、+αの第三保留球の記憶に応じて、第三普通当たり遊技及び一連の第四普通当たり遊技が1回多く繰り返して行われる。したがって、パチンコ機1は、+αの第三保留球の記憶が行なわれるか否か、すなわち、パチンコ機1は、第一パターンP1の第一普通当たり遊技の終了後に第一非電動役物17に遊技が入賞するか否かに対して、遊技者の注目を集めることができる。このため、パチンコ機1は、大当たり遊技の興趣の向上を図ることができる。
次いで、図22から図25を参照して、初当たり遊技の開始の契機となる第一普通当たり遊技が第二パターンP2で行われる場合について説明する。図22に示すように、遊技球がゲート11を通過することを契機として第一普通当たり判定が行われ、第一普通当たりの判定結果が導出されたとする。この場合において、第一普通当たりBの普通当たり種別が決定されたとする。第一普通図柄が当たり変動を開始し、当たり変動が終了すると、第一普通当たり遊技が第二パターンP2で行われる。
第二パターンP2において初回に行われる時間TC(図5参照)の第一電チュー12の開放において、遊技球が第一電チュー12に入賞することは稀である。ここでは、この開放において第一電チュー12に遊技球が入賞しなかったこととする。その後、第一電チュー12は、所定の閉鎖状態の後に、時間TA(図5参照)の開放状態を伴う5回の第一電チュー12の開閉部材121の開閉動作を行う。5回の第一電チュー12の開閉動作のそれぞれにおいて、第一電チュー12に遊技球が約1個ずつ入賞する。第二パターンP2において時間TAの開放状態を伴う5回の開閉動作において第一電チュー12に入賞した遊技球の大半は、振分流路19の流路191を流下し、第二流路191Bへ導かれて第二通過領域193を通過する。第一電チュー12へ遊技球が入賞してから第二流路191Bを流下して第二通過領域193を通過するまでに、第二時間TK2の時間がかかる。したがって、第一電チュー12に遊技球が入賞してから第二時間TK2が経過した後に、第二作動機構の作動により、第二非電動役物18の開閉部材181が開放する。開放した第二非電動役物18に1個の遊技球が入賞すると、第二閉鎖機構の作動により、開閉部材181が閉鎖する。
第一パターンP1の場合と同様に、第二パターンP2の後半5回の第一電チュー12の開閉部材121の1回の開閉動作は、時間TBに亘って行われる。時間TBは、第一電チュー12の開放開始時点から、第一電チュー12に1個の遊技球が入賞し、その後第二時間TK2が経過して第二非電動役物18が開放し、開放した第二非電動役物18に1個の遊技球が入賞することで第二非電動役物18が閉鎖するまでの時間を含むように設けられている。このため、本実施形態では、第二時間TK2は、第一時間TK1と同様に、時間TBよりも短い時間にされている(本実施形態において、第二時間TK2は約1.8秒、時間TBは約4.3秒)。また、第二時間TK2は、第一時間TK1よりも長い(本実施形態において、第一時間TK1は約1.7秒、第二時間TK2は約1.8秒)。
最終回(図22においては5回目)の開放においても、第一電チュー12に1個の遊技球が入賞したとする。第一電チュー12の最終回の開放が終了した後、時間TYの閉鎖状態が経過すると、第二パターンP2による第一普通当たり遊技が終了する。第一電チュー12の最終回の開放において第一電チュー12に入賞した遊技球は、その後第二時間TK2が経過した後に第二通過領域193を通過して第二非電動役物18を開放させる。本実施形態において、第二時間TK2は、時間TYよりも長い時間にされている(本実施形態において、第一時間TK1は約1.8秒、時間TYは約1.6秒)。
このため、図23に示すように、第二パターンP2による第一普通当たり遊技の最終回の開放の開始直後((c)の時点)に第一電チュー12に遊技球が入賞した場合、第二時間TK2の終点が時間TYの終点よりも先に到来する。よって、第一パターンP1による第一普通当たり遊技が終了するよりも僅かに先に(時間TYが終了するよりも僅かに先に)、第二非電動役物18の開放が開始される。これにより、第一普通当たり遊技の終了時点において、第二非電動役物18が開放した状態にある。パチンコ機1において、普通図柄の変動優先順位が「第四普通図柄>第三普通図柄>第二普通図柄>第一普通図柄」であるので、第一保留球数が「1」以上であっても、他の普通図柄の保留球数が「0」になるまで、第一普通図柄の変動開始が抑制される。第一普通当たり遊技が終了すると、第二保留球数が記憶されているので、第二普通図柄が第一普通図柄に優先して変動を開始する。これに伴い、第二保留球数が最大第二保留球数よりも少なくなる。第一普通当たり遊技が終了するよりも前に第二非電動役物18へ遊技球が入賞した場合には、第二普通図柄の変動が開始する前であるので、第二保留球数が最大第二保留球数であれば、第二保留球が新たに記憶されることはない。
一方、第一普通当たり遊技が終了し、第二保留球に基づいて第二普通図柄が変動を開始した後に第二非電動役物18に遊技球が入賞した場合には、第二保留球が最大第二保留球数に達するまで、第二保留球が新たに記憶される。すなわち、第一普通当たり遊技の終了後に第二普通図柄が変動を開始することで、一旦、第二保留球数が最大第二保留球数よりも少なくなるが、その後に第二保留球がさらに追加して記憶されて、第二保留球数が再び最大第二保留球数になる。このような、第二普通図柄の変動開始後に第二保留球が追加して記憶されることも、以下では「+α」という。
また、第二パターンP2による第一普通当たり遊技の最終回の開放の終了直前((d)の時点)に第一電チュー12に遊技球が入賞した場合、第二時間TK2の終点が時間TYの終点よりも後の時点になる。よって、第二パターンP2による第一普通当たり遊技の終了後に(時間TYの終了後に)、第二非電動役物18の開放が開始する。第二非電動役物18の開放が開始する時点には、第二保留球に基づいて第二普通図柄が既に変動を開始しており、第二保留球数が確実に最大第二保留球数よりも少なくなっている。よって、開放した第二非電動役物18に遊技球が入賞すると、第二保留球の記憶が確実に行われて(+αの第二保留球の記憶が確実に行われて)、第二保留球が最大第二保留球数になる。
なお、第二時間TK2は、第一時間TK1よりも長い(本実施形態において、第一時間TK1は約1.7秒、第二時間TK2は約1.8秒)。よって、第一電チュー12への入賞に伴い、第二時間TK2の終点が時間TYの終点よりも後の時点になる割合は、第一時間TK1の終点が時間TYの終点よりも後の時点になる割合よりも高くなる。また、図23の(c)に示した時点に第一電チュー12に遊技球が入賞した場合において第一普通当たり遊技の終了前に第二非電動役物18が開放状態にある時間は、図21の(a)に示した時点に第一電チュー12に遊技球が入賞した場合において第一普通当たり遊技の終了前に第一非電動役物17が開放状態にある時間よりも短くなる。このため、第一パターンP1による第一普通当たり遊技よりも、第二パターンP2による第一普通当たり遊技の方が、保留球の+αの追加記憶が生じやすくなる。
図22の説明に戻る。以下では、第二パターンP2による第一普通当たり遊技の終了後に第二普通図柄が変動を開始し、この変動中に第二非電動役物18に遊技球が入賞して+αの第二保留球の記憶がされたとする。本実施形態では、第二普通当たり確率が100%であるので、第二普通図柄は当たり変動を行い、変動終了後に第二普通当たり遊技が行われる。第二普通当たり遊技において第二電チュー13が開閉動作を行う。この開閉動作において、第二電チュー13に4個の遊技球が入場したとする。
第二電チュー13は第三普通図柄の作動口であるので、第二電チュー13に遊技球が入賞した場合には、第三保留球が最大4個記憶される。ここで、パチンコ機1における普通図柄の変動優先順位は、「第四普通図柄>第三普通図柄>第二普通図柄>第一普通図柄」である。よって、第三保留球数及び第四保留球数が「0」になるまで、第二普通図柄の変動開始が抑制される。したがって、第二普通当たり遊技の終了後に、第三普通図柄の変動及び第三普通当たり遊技が行われる。この第三普通当たり遊技の終了後には、第四普通図柄の変動及び一連の第四普通当たり遊技が、最大4回(図22では4回)繰り返して行われる。
1回目の第二普通当たり遊技、第三普通当たり遊技及び一連の第四普通当たり遊技が終了すると、第三保留球数及び第四保留球数が「0」になっているので、第二普通図柄が変動可能になる。したがって、図24に示すように、2回目の第二普通図柄の変動及び第二普通当たり遊技が行われる。その後、第二普通当たり遊技で開放する第二電チュー13に入賞した遊技球の個数に応じた回数(図24では4回)の第三普通当たり遊技及び一連の第四普通当たりが行われる。一連の第四普通当たり遊技が終了すると、第三保留球数及び第四保留球数が再び「0」になるので、第二保留球に基づいて第二普通図柄が変動を開始する。以降は、3回目、及び図25に示す4回目の第二普通当たり遊技、第三普通当たり遊技及び一連の第四普通当たり遊技が、繰り返して行われる。
図25に示すように、4回目までの第二普通当たり遊技、第三普通当たり遊技及び一連の第四普通当たり遊技が終了した時点において、+αの記憶に伴う第二保留球が1個記憶されている。このため、+αの記憶に伴う5回目の第二普通当たり遊技、第三普通当たり遊技及び一連の第四普通当たり遊技が行われる。その後、大当たり遊技が終了する。すなわち、+αの第二保留球の記憶が行われることによって、大当たり遊技において第二普通当たり遊技、第三普通当たり遊技及び一連の第四普通当たり遊技が最大5回繰り返して行われる。
なお、第二パターンP2による第一普通当たり遊技の終了よりも前に、第二非電動役物18に遊技球が入賞した場合には、+αの第二保留球の記憶が行われない。この場合、大当たり遊技において第二普通当たり遊技、第三普通当たり遊技及び一連の第四普通当たり遊技が繰り返して行われる回数は、最大で4回になる。つまり、第一普通当たり遊技の終了前に第二非電動役物18に遊技球が入賞する場合よりも、第一普通当たり遊技の終了後に第二非電動役物18に遊技球が入賞する場合の方が、+αの第二保留球の記憶に応じて、第二普通当たり遊技、第三普通当たり遊技及び一連の第四普通当たり遊技が1回多く繰り返して行われる。したがって、パチンコ機1は、+αの第二保留球の記憶が行なわれるか否か、すなわち、パチンコ機1は、第二パターンP2の第一普通当たり遊技の終了後に第二非電動役物18に遊技が入賞するか否かに対して、遊技者の注目を集めることができる。このため、パチンコ機1は、大当たり遊技の興趣の向上を図ることができる。
このように、第二パターンP2による第一普通当たり遊技で開始される大当たり遊技は、+αの第二保留球の記憶に伴い、第二普通当たり遊技、第三普通当たり遊技及び一連の第四普通当たり遊技が最大5回繰り返して行われる。+αの第二保留球の記憶が行われない場合には、第二普通当たり遊技、第三普通当たり遊技及び一連の第四普通当たり遊技が最大4回繰り返して行われる。
一方、図20に示した第一パターンP1による第一普通当たり遊技で開始される大当たり遊技では、第二非電動役物18の開放が行われないため、第二保留球が記憶されず、第二普通当たり遊技が行われない。このため、第三普通当たり遊技及び一連の第四普通当たり遊技が最大5回繰り返して行われることによって大当たり遊技が終了する。つまり、第二パターンP2による第一普通当たり遊技で開始される大当たり遊技では、第一パターンP1による第一普通当たり遊技で開始される大当たり遊技における約4倍又は約5倍の回数の電チュー及び非電動役物の開閉動作が行われる。このため、第二パターンP2による第一普通当たり遊技で開始される大当たり遊技では、第一パターンP1による第一普通当たり遊技で開始される大当たり遊技の約4倍又は約5倍の賞球が払い出され得る。つまり、第二パターンP2による第一普通当たり遊技で開始される大当たり遊技は、第一パターンP1による第一普通当たり遊技で開始される大当たり遊技よりも遊技者にとって大幅に有利となる。
このため、パチンコ機1は、第一普通当たり遊技が第一パターンP1で行われるか、第二パターンP2で行われるかについて、遊技者の注目を集めることができる。また、パチンコ機1は、第一普通当たり遊技が第一パターンP1で行われるか、第二パターンP2で行われるかに応じて、大当たり遊技における電チュー及び非電動役物の連動の態様を変化させることができる。したがって、パチンコ機1は、単調になりがちな一般電役タイプの遊技機における大当たり遊技を多様化し、大当たり遊技の興趣をおおいに向上できる。
以上説明したように、パチンコ機1では、第一パターンP1による第一普通当たり遊技において、遊技球が第一電チュー12に入賞してから第一通過領域192を通過するまでに、第一時間TK1の時間がかかる。第二パターンP2による第一普通当たり遊技において、遊技球が第一電チュー12に入賞してから第二通過領域193を通過するまでに、第二時間TK2の時間がかかる。このため、第一パターンP1及び第二パターンP2のいずれの第一普通当たりにおいても、第一普通当たり遊技の終了後に非電動役物が開放状態になっているか、又は第一普通当たり遊技の終了後に非電動役物が開放する。第一パターンP1による第一普通当たり遊技が終了すると、第三保留球数が「0」以上になっているので、第四保留球数が「0」であれば、第三普通図柄が他の普通図柄に優先して変動を開始する。したがって、第一普通当たり遊技の終了後に、第三普通当たり判定が行われる。これに伴い第三保留球数が減少する。その後に第一非電動役物17に遊技球が入賞した場合には、+αの第三保留球が記憶される。第二パターンP2による第一普通当たり遊技も同様に、第一普通当たり遊技が終了すると、第二保留球数が「0」以上になっているので、第三保留球数及び第四保留球数が「0」であれば、第二普通図柄が他の普通図柄に優先して変動を開始する。したがって、第一普通当たり遊技の終了後に、第二普通当たり判定が行われ、第二保留球数が減少する。その後に第二非電動役物18に遊技球が入賞した場合には、+αの第二保留球が記憶される。このように、パチンコ機1は、第一時間TK1及び第二時間TK2を設けることで、第一普通当たり遊技の実行中に非電動役物の開閉動作が全て終了している場合には記憶することのできない+αの保留球を記憶することができる。これにより、パチンコ機1は、このような電チュー及び非電動役物の作動態様及び+αの保留球の記憶によって、大当たり遊技に従来にない変化を与えることができる。
第一パターンP1では、第一電チュー12が時間TAの開放を最大5回行う。第二パターンP2では、第一電チュー12が時間TCの開放を行った後、時間TAの開放を最大5回行う。いずれの電チュー開放パターンにおいても、最終回の開放において遊技球が第一電チュー12に入賞した場合、第一普通当たり遊技の終了後に非電動役物が開放状態になっているか、又は第一普通当たり遊技の終了後に非電動役物が開放する。このため、パチンコ機1は、第一時間TK1及び第二時間TK2を設けることで、第一普通当たり遊技の終了後に、非電動役物への入賞に起因する+αの保留球を記憶することができる。このようにして、パチンコ機1は、電チュー及び非電動役物の作動態様及び保留球の記憶の態様に変化を与えて、大当たり遊技の興趣を向上できる。
第一パターンP1及び第二パターンP2において最大5回行われる時間TAの第一電チュー12の開放の間には、約4秒間の閉鎖状態が設けられている。時間TAの開放状態の開始時点からその後の閉鎖状態の終了時点までの時間TBは、第一電チュー12の開放開始時点から、第一電チュー12に1個の遊技球が入賞し、その後に第一時間TK1又は第二時間TK2が経過して非電動役物開放し、開放した非電動役物に1個の遊技球が入賞することで非電動役物が閉鎖するまでの時間を含むように設けられている。このため、第一電チュー12の開放と非電動役物の開放とが交互に行われる。パチンコ機1は、大当たり遊技において第一電チュー12と非電動役物との連動を繰り返して行うことで、大当たり遊技に変化を与え、大当たり遊技の興趣を向上できる。
振分流路19は、第一通過領域192及び第二通過領域193を備える。遊技球が第一通過領域192を通過した場合、第一作動機構が作動して第一非電動役物17が開放し、遊技球が第二通過領域193を通過した場合、第二作動機構が作動して第二非電動役物18が作動する。第一非電動役物17に遊技球が入賞した場合には、第三普通当たり判定によって第三普通当たりと判定されることに伴い、第三電チュー14が開放する第三普通当たり遊技が行われる。第二非電動役物18に遊技球が入賞した場合には、第二普通当たり判定によって第二普通当たりと判定されることに伴い、第二電チュー13が開放する第二普通当たり遊技が行われる。このように、第一電チュー12への入賞に伴い、いずれかの非電動役物が開放し、開放された非電動役物のいずれに遊技球が入賞するかに応じて、その後に開放する電チューが異なる。このように、パチンコ機1は、大当たり遊技における電チュー及び非電動役物の作動態様に変化を与えることができる。また、非電動役物への入賞に伴って+αの保留球の記憶が行われるか否かに応じて、その後の電チューの連動回数が変化するので、パチンコ機1は、大当たり遊技が有利な内容になるか否かに対して、遊技者の興味を惹きつけることができる。
上記実施形態において、ゲート11が、本発明の「通過口」に相当する。第一電チュー12が、本発明の「第一作動入賞口」に相当する。第二電チュー13又は第三電チュー14が、本発明の「第二作動入賞口」に相当する。ゲート11を遊技球が通過することを契機として行われる第一普通当たり判定で第一普通当たりの判定結果が導出されたことに応じて図13のS93又はS95の処理を実行する主基板41のCPU51が、本発明の「第一作動手段」に相当する。第一通過領域192及び第二通過領域193が、本発明の「通過領域」に相当する。第一非電動役物17及び第二非電動役物18が、本発明の「入賞口」に相当する。第二非電動役物18に遊技球が入賞することを契機として図14のS107で第二乱数を取得し、第一非電動役物17に遊技球が入賞することを契機として図16のS177で第三乱数を取得する主基板41のCPU51が、本発明の「乱数取得手段」として機能する。図14のS123で第二普通当たり判定を実行し、図16のS193で第三普通当たり判定を実行する主基板41のCPU51が、本発明の「判定手段」として機能する。図14のS113、S115及びS119の判断を行い、図16のS183及びS189の判断を行う主基板41のCPU51及び第二普通当たり関係情報記憶エリア及び第三普通当たり関係情報記憶エリアを有する主基板41のRAM52が、本発明の「保留記憶手段」として機能する。図15のS163及び図17のS233の各処理を実行する主基板41のCPU51が、本発明の「第二作動手段」として機能する。
第一通過領域192が、本発明の「第一領域」に相当し、第二通過領域193が、本発明の「第二領域」に相当する。第一非電動役物17が、本発明の「入賞口」に相当し、第二非電動役物18が、本発明の「第二入賞口」に相当する。第二電チュー13又は第三電チュー14が、本発明の「第三作動入賞口」に相当する。第一非電動役物17に遊技球が入賞することを契機として行われる第三普通当たり判定で第三普通当たりの判定結果が導出されたことに応じて図17のS233の処理を実行し、第二非電動役物18に遊技球が入賞することを契機として行われる第二普通当たり判定で第二普通当たりの判定結果が導出されたことに応じて図15のS163の処理を実行する主基板41のCPU51が、本発明の「第三作動手段」として機能する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。例えば、遊技球がゲート11を通過することを契機として、第一普通当たり判定が行われることなく、第一電チュー12が所定の電チュー開放パターンで開閉動作を行ってもよい。
パチンコ機1において、第三電チュー14が第四普通図柄の作動口としての機能を有さなくてもよい。この場合、第三電チュー14への遊技球の入賞に応じて第四電チュー15の開放が生じないので、第四電チュー15が設けられなくてもよい。
上記実施形態では、第一非電動役物17が第三普通図柄の作動口として機能し、第二非電動役物18が第二普通図柄の作動口として機能する。例えば、第二非電動役物18のみがいずれかの普通図柄の作動口として機能し、第一非電動役物17が第一作動機構及び第一閉鎖機構の作動によって開閉動作を行うのみで、いずれの普通図柄の作動口としての機能しない構成であってもよい。この場合であっても、第一非電動役物17及び第二非電動役物18のいずれが作動するかに応じて、以降の電チュー及び非電動役物の作動態様が異なるので、大当たり遊技が多様化する。なお、これとは反対に、第一非電動役物17がいずれかの普通図柄の作動口として機能し、第二非電動役物18が普通図柄の作動口として機能しない構成であってもよい。
第一非電動役物17及び第二非電動役物18のうちいずれか一方のみが設けられていてもよい。この場合、パチンコ機1に設けられる非電動役物に対応する第一通過領域192及び第二通過領域193のうちいずれか一方のみが、振分流路19に設けられてもよい。非電動役物のうち第一非電動役物17だけが設けられる場合、第二電チュー13が開放することがないので、第二電チュー13が設けられなくてもよい。
第一時間TK1と第二時間TK2とを異なる時間にするための構成として、振分流路19において第一流路191Aと第二流路191Bとが同じ長さであり、第一流路191A及び第二流路191Bのいずれかのみに抑制部198,199が設けられていてもよい。また、第一流路191Aと第二流路191Bとが同じ長さであり、抑制部198,199を異なる長さで設けることで、第一時間TK1と第二時間TK2とが異なる時間にされてもよい。また、第一流路191A及び第二流路191Bのいずれにも抑制部198,199が設けられず、第一流路191Aと第二流路191Bとの長さ、形状等の違いによって、第一時間TK1と第二時間TK2とが異なる時間にされてもよい。なお、第一時間TK1と第二時間TK2とが同じ時間になるように、第一流路191A及び第二流路191Bが構成されていてもよい。
二つの非電動役物のうち、一方の非電動役物では+αの保留球の記憶が起こりやすく、もう一方の非電動役物では+αの保留球の記憶が起こりにくくしてもよい。例えば、第一時間TK1をより短い時間にして第一非電動役物17への入賞によって+αの第三保留球の記憶が生じないようにする一方、第二時間TK2を上記実施形態と同様の時間にすることで+αの第二保留球の記憶が生じるようにしてもよい。この場合、第一電チュー12がいずれの電チュー開放パターンで開放され、いずれの非電動役物が作動するかについて、遊技者の注目をより集めることができる。
第一時間TK1及び第二時間TK2のうち少なくともいずれかが、第一電チュー12の最終回の開放時間と、最終回の開放の後に設けられる閉鎖時間である時間TYとを加算した時間よりも長い時間にされてもよい。この場合、第一電チュー12の最終回の開放において遊技球が第一電チュー12に入賞すること起因して、第一普通当たり遊技が確実に終了した後に非電動役物が開放する。これにより、パチンコ機1は、開放した非電動役物に遊技球が入賞した場合に、+αの保留球の記憶が確実に行われるようにできる。
上記実施形態では、開放した非電動役物に1個の遊技球が入賞することで、第一閉鎖機構又は第二閉鎖機構が作動して非電動役物が閉鎖されるが、第一閉鎖機構及び第二閉鎖機構が2個以上の遊技球の入賞によって作動してもよい。第一非電動役物17と第二非電動役物18とで、第一閉鎖機構及び第二閉鎖機構の作動に必要な入賞個数が異なってもよい。
請求項、明細書及び図面に記載される全ての要素(例えば、第一作動入賞口、第二作動入賞口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「第一作動入賞口」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。