JP2020178254A - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の実施形態が解決しようとする課題は、移相器の移相量を制御して偏波面の角度を変えることが可能なアンテナ装置を提供することである。【解決手段】上記課題を解決するために、実施形態のアンテナ装置は、左旋円偏波を示す左旋円偏波信号の位相を可変な第1移相器と、右旋円偏波を示す右旋円偏波信号の位相を可変な第2移相器と、前記第1移相器における移相量および前記第2移相器における移相量の差分に基づいて、前記第1移相器における第1移相量および前記第2移相器における第2移相量を決定する制御回路と、前記左旋円偏波信号および前記右旋円偏波信号から、左旋円偏波および右旋円偏波を送信する放射素子を備える。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、アンテナ装置に関する。
アンテナ装置は、右旋円偏波および左旋円偏波を、送信および受信するアンテナ素子と、右旋円偏波の信号における位相および左旋円偏波の信号における位相を変化させる移相器を備えている。良好な通信のために、送信側と受信側とで偏波面を合わせる必要があるため、アンテナ装置は偏波面の角度を変えることがある。このアンテナ装置において、移相器の移相量を制御して偏波面の角度を変えることが可能な装置が望まれる。
特開平8−78947号公報 特開昭63−238726号公報
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、移相器の移相量を制御して偏波面の角度を変えることが可能なアンテナ装置を提供することである。
上記課題を解決するために、実施形態のアンテナ装置は、左旋円偏波を示す左旋円偏波信号の位相を可変な第1移相器と、右旋円偏波を示す右旋円偏波信号の位相を可変な第2移相器と、前記第1移相器における移相量および前記第2移相器における移相量の差分に基づいて、前記第1移相器における第1移相量および前記第2移相器における第2移相量を決定する制御回路と、前記左旋円偏波信号および前記右旋円偏波信号から、左旋円偏波および右旋円偏波を送信する放射素子を備える。
第1の実施形態におけるアンテナ装置100の構成図。 偏波角を説明するための図。 第1の実施形態における偏波角τを表す図。 アンテナ装置100の送信のフローチャート。 移相器102aおよび102bにおける移相量の一例を説明するための図。 アンテナ装置100の受信のフローチャート。 移相器102aおよび102bにおける移相量の異なる一例を説明するための図。 第1の実施形態に適用可能なアンテナ装置120の構成図。 第1の実施形態に適用可能なアンテナ装置130の構成図。 第1の実施形態に適用可能なアンテナ装置140の構成図。 第1の実施形態に適用可能なアンテナ装置150の構成図。 第1の実施形態に適用可能なアンテナ装置160の構成図。 第1の実施形態に適用可能なアンテナ装置170の構成図。 第2の実施形態におけるアンテナ装置200の構成図。 第2の実施形態における偏波角τおよびτを表す図。 第2の実施形態に適用可能なアンテナ装置210の構成図。 第2の実施形態に適用可能なアンテナ装置220の構成図。 第2の実施形態に適用可能なアンテナ装置230の構成図。 第2の実施形態に適用可能なアンテナ装置240の構成図。 第2の実施形態に適用可能なアンテナ装置250の構成図。 第2の実施形態に適用可能なアンテナ装置260の構成図。 第2の実施形態に適用可能なアンテナ装置270の構成図。 第3の実施形態におけるアンテナ装置300の構成図。 第3の実施形態における偏波角τおよびτを表す図。 制御部103を説明するための図。 第3の実施形態に適用可能なアンテナ装置310の構成図。 第3の実施形態に適用可能なアンテナ装置320の構成図。 第3の実施形態の変形例における偏波角τからτまでを表す図。 第3の実施形態に適用可能なアンテナ装置330の構成図。 アンテナ装置100に無線通信回路400を接続した適用例を説明する図。 アンテナ装置100に無線給電回路500を接続した適用例を説明する図。
以下、発明を実施するための実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態におけるアンテナ装置100の構成を表す図である。アンテナ装置100は、左旋円偏波および右旋円偏波を送信および受信して通信を行うアンテナ装置である。アンテナ装置100は、この左旋円偏波を表す高周波信号(以降、左旋円偏波信号とも称する)および右旋円偏波を表す高周波信号(以降、右旋円偏波信号とも称する)の位相を変化(以降、移相とも称する)させることができる。左旋円偏波信号および右旋円偏波信号の移相は、アンテナ装置100に備えられる移相器によって行われる。この移相器を信号が通ることで電力損失が生じる。この電力損失を挿入損失と呼ぶ。この挿入損失に基づいて左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を移相させることで、移相器の移相量を制御して偏波面の角度を変えることができる。さらに、この挿入損失が同様になるように左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を移相させることで、交差偏波識別度(Cross Polarization Discrimination:XPD)を良好に保ちながら偏波面の角度(以降、偏波角とも称する)を変えることができる。
左旋円偏波および右旋円偏波は、重ね合わせることで直線偏波となることが知られている。この直線偏波の偏波角が変更可能であることを、図2を用いて説明する。
図2は、偏波角を説明するための図である。図2におけるz軸は、紙面の向こう側から手前に向かう方向が正として設定されている。図2において、ψは左旋円偏波の位相を表し、ψは右旋円偏波の位相を表す。Δψは左旋円偏波の位相と右旋円偏波の位相の差分であり、式(1)に表される。
図2では一例として、ψとψが0°、ψが0°でψが90°、ψが0°でψが180°、ψが90°でψが0°、およびψが180°でψが0°の5つの組み合わせについて、それぞれの組における偏波面を破線で表している。ここで、ψが0°でψが180°およびψが180°でψが0°の偏波面は共通している。また、図2においてx軸と偏波面とがなす角を偏波角とし、τで表されている。
以下、数式で説明する。図2で説明したz軸の正方向に伝播する振幅Eの左旋円偏波を表すベクトルEおよび右旋円偏波を表すベクトルEは、式(2)および式(3)に表される。

ここで、ωは角周波数、tは時刻、kは波数、xハット(xの上部に^)はx軸の単位ベクトル、yハット(yの上部に^)はy軸の単位ベクトルを表す。式(1)、(2)および(3)から、ベクトルEおよびベクトルEの和は、式(4)に表される。
式(2)および式(3)では、ベクトルEおよびベクトルEの振幅は等しい。したがって、式(4)は直線偏波を表す式である。このとき、この直線偏波における偏波角τは式(5)に表される。
式(5)は、左旋円偏波と右旋円偏波の位相差Δψを変えることで直線偏波の偏波角τを変えることができることを表す。また、図2に表すように、ψが0°でψが180°およびψが180°でψが0°の偏波面は共通している。したがって、位相差Δψが−180°から180°取ることができれば、任意の偏波角τに対応可能である。すなわち、移相器の移相可能な範囲が180°以上であれば、任意の偏波角τに対応可能である。
以上に、左旋円偏波および右旋円偏波は重ね合わせることで直線偏波となり、この直線偏波の偏波角τが変更可能であることを説明した。振幅が異なる左旋円偏波および右旋円偏波を重ね合わせることで、楕円偏波となることが知られている。以下に、この楕円偏波の偏波角が、直線偏波の偏波角τと同様に変更可能であることを説明する。
まず、左旋円偏波の振幅および右旋円偏波の振幅の比ρは、式(6)に表される。
式(2)および式(3)で表されるベクトルEおよびベクトルEを、式(6)を用いて表すと、式(7)および式(8)となる。

このベクトルEおよびベクトルEを重ね合わせると、楕円偏波の軌道長半径aと軌道短半径bは式(9)および式(10)に表される。

なお、ρ=1の場合、すなわち左旋円偏波の振幅と右旋円偏波の振幅が等しい場合、振幅Eの直線偏波となることが、式(9)および式(10)からも確認できる。
ここで、楕円偏波の長軸方向成分を主偏波、短軸方向成分を交差偏波と定義する。楕円偏波のXPDは式(11)に表される。
式(11)から、ρを1に近づけることで、XPDを向上させることができる。ρは左旋円偏波の振幅および右旋円偏波の振幅の比であり、左旋円偏波の振幅および右旋円偏波の振幅は移相器の挿入損失によって変化する。任意の偏波角を実現するための移相量を、移相器の挿入損失が同等となるように決定することで、偏波角が可変であり、さらにXPDを向上させることができる。以降、同等とは略同等であることを含むものとする。
略同等の範囲は、適用される無線システムによって異なるが、式(11)によって算出することが可能である。XPDの値によって、左旋円偏波の移相器および右旋円偏波の移相器において許容される挿入損失の差分が算出される。この2つの移相器における挿入損失の差分が、算出された差分以下であれば、この2つの移相器における挿入損失は略同等に含まれる。
例えばXPDが30dB以上となる無線システムの場合、左旋円偏波の移相器における挿入損失および右旋円偏波の移相器における挿入損失の差分の絶対値は、0.5dB以下である。この場合、左旋円偏波の移相器および右旋円偏波の移相器における挿入損失の差分が0.5dB以下であれば、この2つの移相器における挿入損失は略同等に含まれる。
楕円偏波の偏波面を、長軸を含む面と定義すると、楕円偏波の偏波角τは式(12)に表される。
式(12)のように、楕円偏波の偏波角τは直線偏波の偏波角τと同じ式で表される。したがって、左旋円偏波と右旋円偏波の位相差Δψを変えることで、直線偏波の偏波角τと同様に楕円偏波の偏波角τを変えることができる。
以上に、楕円偏波の偏波角τが、直線偏波の偏波角τと同様に変更可能であることを説明した。以降断りがない限り、楕円偏波は直線偏波に含まれるものとする。
以下に、本実施形態におけるアンテナ装置100の構成について説明する。図1に表されるアンテナ装置100は、アンテナ素子101、移相器102aおよび102b、制御回路103、分配合成回路104、結合回路105を備える。
アンテナ装置100から直線偏波を送信する場合には、制御回路103が偏波角τを決定し、偏波角がτを実現する移相量を決定する。分配合成回路104は、接続点110から送られた信号を左旋円偏波信号および右旋円偏波信号に分配して、移相器102aおよび102bに出力する。移相器102aおよび102bは、左旋円偏波信号および右旋円偏波信号をそれぞれ指示された移相量で移相してアンテナ素子101に対して出力する。アンテナ素子101は移相された左旋円偏波信号および右旋円偏波信号から左旋円偏波および右旋円偏波を送信する。アンテナ素子101は左旋円偏波および右旋円偏波を同時に送信することで、偏波角τの直線偏波を送信する。
アンテナ装置100が偏波角τの直線偏波を受信した場合、移相器102aおよび102bは、最初はあらかじめ設定された移相量で移相するが、制御回路103から伝達された偏波角τに対応した移相量に変更する。
アンテナ素子101は移相器102aおよび102bに対して左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を出力する。移相器102aおよび102bはあらかじめ設定された移相量で移相し、分配合成回路104に対して出力する。分配合成回路104は移相された左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を合成し(以降、この合成した信号を受信信号と称する)、制御回路103および接続点110に対して出力する。制御回路103は入力された受信信号の電力に基づいて、受信した直線偏波の偏波角τに対応した移相量を決定し、移相器102aおよび102bの移相量を変更する。
アンテナ素子101は移相器102aおよび102bと接続されている。移相器102aおよび102bはそれぞれアンテナ素子101と分配合成回路104と接続されている。分配合成回路104は移相器102a、102b、および結合回路105と接続されている。結合回路105は制御回路103および分配合成回路104と接続されている。制御回路103は結合回路105と接続される。また、制御回路103は移相器102a、102bに移相に関する指令を伝達させることができればよく、伝達の方法は任意である。例えば有線、無線であってもよいし、磁場の変更による伝達、他の機器を介した機械的な伝達であってもよい。
接続点110は、アンテナ装置100と図示しない他の機器とが接続する。他の機器とは、アンテナ装置100が送信する信号の取得元や、アンテナ装置100が受信した信号の送信先の機器である。例えば情報処理装置(信号処理装置)や無線給電装置である。
アンテナ素子101は、左旋円偏波、右旋円偏波を送信および受信する。より具体的には、アンテナ素子101は、左旋円偏波信号を入力されると左旋円偏波を送信し、右旋円偏波信号を入力されると右旋円偏波を送信する。アンテナ素子101は、振幅および周波数が同等な左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を同時に入力されると直線偏波を送信する。以降、同時とは略同時を含むものとする。
アンテナ素子101は、左旋円偏波を受信すると左旋円偏波信号を出力し、右旋円偏波受信すると右旋円偏波信号を出力する。アンテナ素子101は、直線偏波を受信すると、振幅が同等な左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を出力する。
アンテナ素子101は、左旋円偏波、右旋円偏波の送信および受信を行うことができれば、構成は任意である。本実施形態では一例として、図1には方形パッチアンテナに、摂動素子の切込みが表されている。
移相器102aおよび102bは、円偏波信号の位相を遅らせて移相する。具体的には、信号の送信では、移相器102aは分配合成回路104から入力された左旋円偏波信号を移相してアンテナ素子101に出力し、移相器102bは分配合成回路104から入力された右旋円偏波信号を移相してアンテナ素子101に出力する。信号の受信では、移相器102aはアンテナ素子101から入力された左旋円偏波信号を移相して分配合成回路104に出力し、移相器102bはアンテナ素子101から入力された右旋円偏波信号を移相して分配合成回路104に出力する。
移相器102aおよび102bにおける移相量は、制御回路103に指令される。また、移相器102aおよび102bは、移相器の移相可能な範囲が180°以上であり、任意の偏波角τに対応可能である。
移相器102aおよび102bは、左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を移相することができれば、構成は任意である。移相器102aおよび102bとで相異なっていてもよい。本実施形態では一例として、移相器102aおよび102bは移相量を連続的に変えられるアナログの移相器であり、それぞれ同一であるとする。
制御回路103は、移相器102aおよび102bの移相量を決定する。制御回路103は、移相器102aの挿入損失および移相器102bの挿入損失と移相量の関係を表す情報を、図示しない記憶部に保持している。制御回路103はこの情報に基づいて、直線偏波の偏波角τに対応し、移相器102aおよび102bの挿入損失が同等となるように、それぞれの移相量を決定する。
この記憶部はメモリ等であり、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、フラッシュメモリ、レジスタなどである。この記憶部はアンテナ装置100の内部に備えられてもよいし、外部に備えられてもよい。本実施形態では一例として、この記憶部は制御回路103の内部に備えられているとする。
また、制御回路103は入力された信号の電力を計測することが可能である。制御回路103は、受信時ではこの信号の電力にさらに基づいて、移相器102aおよび102bの移相量を決定する。決定された移相量は、移相器102aおよび102bに伝達される。
具体的には、信号の送信では制御回路103は偏波角τを決定し、偏波角τに必要な位相差ψを満たし、挿入損失が同等となる移相器102aおよび102bの移相量を決定する。
信号の受信では、制御回路103は入力された信号の電力を計測する。制御回路103は、入力された信号の電力を大きくするように移相器102aおよび102bの移相量を変化させる。制御回路103は信号の電力にしきい値(以降、電力しきい値とも称する)を設ける。制御回路103は、この電力しきい値を満たし、挿入損失が同等となる移相器102aおよび102bの移相量を決定する。また、制御回路103は信号の受信において決定した移相器102aおよび102bの移相量から、アンテナ素子101が受信した左旋円偏波および右旋円偏波の偏波角τを推定することが可能である。
制御回路103は、ハードウェアの制御装置と演算装置を含む電子回路(プロセッサ)である。プロセッサの例としては、汎用目的プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、およびその組み合わせが可能である。
分配合成回路104は、信号を2つに分配し、2つの信号を1つに合成する。具体的には、信号の送信では、分配合成回路104は、アンテナ装置100と接続する機器から接続点110を通じて入力された信号を、左旋円偏波信号および右旋円偏波信号に分配して出力する。分配されたこの左旋円偏波信号および右旋円偏波信号の振幅は同等である。信号の受信では、分配合成回路104は入力された右旋円偏波信号および左旋円偏波信号を合成して出力する。
結合回路105は、入力された信号の一部を異なる端子からも出力する。具体的には、信号の受信において、分解合成回路104で合成された信号が結合回路105に入力されると、結合回路105はこの信号の一部を制御回路103に出力し、残りの信号を、接続点110を通じて送信先の機器に出力する。なお、結合回路105は、接続点110から入力された信号を分配合成回路104に出力する。
以上にアンテナ装置100の構成要素を説明した。また、アンテナ装置100はIC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路で実装される。1チップ上にまとめて実装されてもよいし、一部の構成要素が別のチップ上に実装されてもよい。
このアンテナ装置100は、移相器102aおよび102bのそれぞれの挿入損失に基づいて左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を移相させる装置である。信号の送信におけるアンテナ装置100の動作を、図3から図5を用いて説明する。
上記で説明したように、アンテナ装置100は任意の偏波角で直線偏波を送信することが可能な装置である。一例として、図3に表される偏波角τの直線偏波を送信するアンテナ装置100の動作を、図4のステップS101からS103を用いて説明する。
以下、ステップS101からS103の概要を説明する。アンテナ装置100は、送信する直線偏波の偏波角(本実施形態ではτ)を決定し、この偏波角τを満たす移相器102aの移相量(以降、移相量φと称する)および移相器102bの移相量(以降、移相量φと称する)を、移相器102aおよび102bの挿入損失に基づいて決定し、指令する。アンテナ装置100は、設定された移相量φおよびφで左旋円偏波および右旋円偏波を送信し、偏波角τの直線偏波を送信する。
以下、図4のフローチャートに沿って、信号の送信におけるアンテナ装置100の動作を、図3から図5を用いて説明する。制御回路103は、送信する直線偏波の偏波角τを決定する。制御回路103は、移相器102aおよび102bの挿入損失と移相量を表す情報(以降、特性情報とも称する)に基づいて、偏波角τに対応する移相量φおよびφを決定する(ステップS101)。
一例として、図5に移相器102aおよび102bの挿入損失を表す。挿入損失は、移相器の種類によって異なり、同様の移相器であっても移相量によって異なる。本実施形態では、移相器102aおよび102bは同一の移相器であるので、同様の挿入損失で表される。制御回路103はこの挿入損失と移相量の関係を表す特性情報を内部の記憶部に保持している。制御回路103はこの特性情報に基づいて、偏波角τに対応する位相差を持ち、さらに移相器102aおよび102bの挿入損失がそれぞれ同様となる移相量φおよびφを決定する。偏波角τに対応する位相差を持つ移相量φおよびφは、式(13)を満たす。
なお、本実施形態では一例として、移相量φおよびφは同様に挿入損失がILであるとする。移相器102aおよび102bの挿入損失がほぼ同等であればよく、挿入損失が具体的な値に限定されるものではない。
また、本実施形態では、分配合成回路104によって分配される左旋円偏波信号および右旋円偏波信号は、同様の位相であるとする。
制御回路103は、決定した移相量φおよびφを、移相器102aおよび102bに伝達する。移相器102aおよび102bは、伝達された移相量φおよびφを設定する(ステップS102)。
アンテナ素子101は、移相器102aおよび102bが移相した左旋円偏波信号および右旋円偏波信号に基づいて、左旋円偏波および右旋円偏波を送信し、直線偏波を送信する(ステップS103)。
具体的には、分配合成回路104に、アンテナ装置100と接続された装置から送信すべき信号(以降、送信信号とも称する)が入力される。分配合成回路104は、この送信信号を左旋円偏波信号および右旋円偏波信号に分配する。本実施形態では一例として、この左旋円偏波信号および右旋円偏波信号は同様の振幅および同様の位相で分配される。この左旋円偏波信号は移相器102aに、この右旋円偏波信号は移相器102bに入力される。
移相器102aは入力された左旋円偏波信号を移相量φで移相し、アンテナ素子101に出力する。移相器102bは入力された右旋円偏波信号を移相量φで移相し、アンテナ素子101に出力する。アンテナ素子101は、移相器102aおよび102bから入力された左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を、左旋円偏波および右旋円偏波として送信する。本実施形態では、アンテナ素子101は左旋円偏波および右旋円偏波の送信を同時に行い、直線偏波として送信する。
以後、アンテナ装置100は送信信号を左旋円偏波信号および右旋円偏波信号に分配する。アンテナ装置100は分配した左旋円偏波信号を移相量φで移相し、分配した右旋円偏波信号を移相量φで移相する。アンテナ装置100は、移相した左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を、直線偏波として送信する。アンテナ装置100は、これらの動作を継続して行う。
制御回路103は、アンテナ素子101が送信する直線偏波の偏波角τを再設定(変更)させる再設定指令が届いているか否かを確認する(ステップS104)。この再設定指令は、ユーザによるアンテナ装置100への入力や、再設定指令を含んだ信号をアンテナ装置100が取得するなどして制御回路103に伝えられる。
制御回路103にこの再設定指令が届いている場合(ステップS104:Yes)、ステップS101に戻り、制御回路103は偏波角τ、移相量φおよびφを再決定する。再設定指令に偏波角の指定がある場合、制御回路103は指定の偏波角に従った移相器102aの移相量および移相器102bの移相量を再決定する。
一方、制御回路103にこの再設定指令が届いていない場合(ステップS104:No)、制御回路103は、アンテナ装置100の動作を終了させる終了指令が届いているか否かを確認する(ステップS105)。この終了指令は、アンテナ装置100の動作を本フローで終了させる指令である。この終了指令は、ユーザによるアンテナ装置100への入力や、終了指令を含んだ信号をアンテナ装置100が取得するなどして制御回路103に伝えられる。この終了指令は、直ちにアンテナ装置100の動作を終了させる指令であってもよい。
制御回路103にこの終了指令が届いていない場合(ステップS105:No)、ステップS103に戻り、アンテナ装置100は、直線偏波の送信を継続する。一方、制御回路103にこの終了指令が届いている場合(ステップS105:Yes)、フローは終了し、アンテナ装置100は動作を終了する。
以上にアンテナ装置100の送信における動作を説明した。以下に信号の受信におけるアンテナ装置100の動作を、図3および図6を用いて説明する。
上記で説明したように、アンテナ装置100は任意の偏波角の直線偏波を受信することが可能な装置である。一例として、図3に表される偏波角τの直線偏波を受信するアンテナ装置100の動作を、図6のステップS111からS115を用いて説明する。送信の場合と同様に、偏波角τに対応した移相器102aの移相量をφ、移相器102bの移相量をφとして表す。
以下、ステップS111からS115の概要を説明する。アンテナ装置100は、直線偏波として左旋円偏波および右旋円偏波を受信し、受信した左旋円偏波を表す左旋円偏波信号、および受信した右旋円偏波を表す右旋円偏波信号を出力する。アンテナ装置100は、この左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を合成する。アンテナ装置100は、この受信信号の電力、移相器102aおよび102bの挿入損失に基づいて移相量φおよびφを決定し、指令する。アンテナ装置100は、設定された移相量φおよびφで左旋円偏波および右旋円偏波を受信し、受信信号を合成する。
なお、移相器102aおよび102bの挿入損失は、図5に表されたものと同様とする。すなわち、移相器102aおよび102bは同一の移相器の場合を、一例として説明する。また、本実施形態では一例として、受信した左旋円偏波信号および右旋円偏波信号は、同様の位相であるものとする。移相器102aの移相量および移相器102bの移相量、あらかじめ設定された移相量とする。
以下、図6のフローチャートに沿って、信号の送信におけるアンテナ装置100の動作を説明する。
アンテナ素子101は、左旋円偏波および右旋円偏波を受信する(ステップS111)。アンテナ素子101は、左旋円偏波を左旋円偏波信号として移相器102aに対して出力し、右旋円偏波を右旋円偏波信号として移相器102bに対して出力する。本実施形態では、アンテナ素子101は左旋円偏波および右旋円偏波が重なった直線偏波を上記の説明と同様に受信し、左旋円偏波信号および右旋円偏波信号として出力する。
移相器102aおよび102bは、設定された移相量で左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を移相する(ステップS112)。一例として移相器102aおよび102bは、あらかじめ設定された移相量で左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を移相する。移相器102aおよび102bは、移相した左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を分配合成回路104に対して出力する。
分配合成回路104は、入力された左旋円偏波信号および右旋円偏波信号から、受信信号を合成する(ステップS113)。分配合成回路104は、合成した受信信号を結合回路105に対して出力する。
結合回路105は、入力された受信信号を分割し、制御回路103および接続点110に対して出力する(ステップS114)。接続点110に出力された受信信号は、アンテナ装置100と接続された機器に入力される。
以上に説明したステップS111からS114までは、移相器102aおよび102bの移相量の設定に関わらず、継続して行っている。
制御回路103は、移相器102aおよび102bの挿入損失と移相量を表す特性情報と、入力された受信信号の電力に基づいて、受信した直線偏波の偏波角τに対応する位相差を持つ移相量φおよびφを決定する(ステップS115)。一例として、制御回路103は、移相器102aおよび102bの挿入損失がそれぞれ同様となり、式(13)を満たす移相量φおよびφを決定する。
具体的には、制御回路103は、入力された受信信号の電力を計測する。制御回路103は、内部に備えられた記憶部にあらかじめ様々な偏波角に対応する位相差を持つ移相器102aおよび102bの移相量の組を複数保持している。この移相量の組は、移相器102aおよび102bの特性情報に基づいて、それぞれ移相器102aおよび102bの挿入損失がほぼ同等となるように設定されている。
制御回路103は、この複数の移相量の組から、受信信号の電力が電力しきい値を満たす組を決定する。本実施形態では、受信する直線偏波の偏波角はτであるので、制御回路103は、移相量φおよびφの組を決定し、あらかじめ設定された移相量から変更する。以降、ステップS112は、移相量φおよびφで行われる。
制御回路103は、このステップ以降も入力された受信信号の電力を計測している。制御回路103は、この受信信号の電力が電力しきい値を満たすか否かを確認する(ステップS116)。電力しきい値を満たさない場合(ステップS116:No)、ステップS115へ戻る。受信する直線偏波の偏波角τがτから変更となった可能性があり、移相器102aおよび移相器102bの移相量を再決定する必要があるためである。
一方、電力しきい値を満たす場合(ステップS116:Yes)、制御回路103はアンテナ装置100の動作を終了させる終了指令が届いているか否かを確認する(ステップS117)。この終了指令は、アンテナ装置100の動作を本フローで終了させる指令である。この終了指令は、ユーザによるアンテナ装置100への入力や、終了指令を含んだ信号をアンテナ装置100が取得するなどして制御回路103に伝えられる。この終了指令は、直ちにアンテナ装置100の動作を終了させる指令であってもよい。
制御回路103にこの終了指令が届いていない場合(ステップS117:No)、ステップS114に戻り、アンテナ装置100は、直線偏波の受信を継続する。一方、制御回路103にこの終了指令が届いている場合(ステップS117:Yes)、フローは終了し、アンテナ装置100は動作を終了する。
以上にアンテナ装置100の送信および受信における動作を説明し、本実施形態を説明した。アンテナ装置100の変形例は様々に実装、実行可能である。以下に、アンテナ装置100の構成および動作の変形例について説明する。
本実施形態では、アンテナ素子101は、摂動素子として切込みを入れた方形パッチアンテナとしていた。変形例として、アンテナ素子101は、本実施形態で説明したアンテナとは異なるアンテナであってもよい。例えば、直交直線共用パッチアンテナに、90°ハイブリッドカプラなどの回路を組み合わせてもよいし、ダイポールアンテナ、ヘリカルアンテナ、スパイラルアンテナ、ループアンテナ、誘電体共振器アンテナ、セプタム構造や直交モード変換器を装荷した導波管を用いたアンテナ、スロットアンテナ、反射鏡アンテナ、レンズアンテナ、メタ表面を用いたアンテナなどである。また、これらを複数個配列したアレーアンテナでもよい。複数の直線偏波のアンテナに位相差を与えて励振し、円偏波を発生させるシーケンシャルアレーアンテナでもよい。
本実施形態では、移相器102aおよび102bはアナログの移相器としていた。変形例として、移相量を離散的に切り替えるディジタルの移相器でとしてもよいし、複数の移相器を組み合わせて移相器102aおよび102bを構成してもよい。移相器102aおよび102bの具体例として、PINダイオードやFET(Field Effect Transistor)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スイッチなどで移相器に接続される線路の長さを切り替えることが可能な移相器でもよい。移相器102aおよび102bは、線路の長さを切り替えることが可能な移相器と90°ハイブリッドカプラなどの回路を組み合わせた反射型移相器でもよい。移相器102aおよび102bは、バラクタダイオードなどの可変インピーダンス素子でもよい。
また、本実施形態では、移相器102aおよび102bは同一の移相器として説明したが、変形例として、移相器102aおよび102bは異なる移相器であってもよい。図7を用いて、移相器102aおよび102bが異なる移相器である場合を説明する。異なる移相器であるとは、移相器102aと移相器102bとは移相量による挿入損失が異なることを表す。なお、本実施形態と同様、偏波角τの直線偏波を送信および受信する場合について説明する。
図7は、移相器102aおよび102bの移相量と挿入損失を表す図である。移相器102aの移相量と挿入損失の関係は実線で、移相器102bの移相量と挿入損失の関係は破線で表されている。本実施形態と同様、偏波角τの直線偏波を送信および受信を実現するための、移相器102aの移相量および移相器102bの移相量の差分がΔψであるとする。
移相器102aおよび102bが異なる場合でも、制御回路103は、移相量の差分Δψを満たし、移相器102aおよび102bの挿入損失が同等となる移相量を決定する。式(13)を満たす移相量として、移相量φ1bおよびφ2bが決定される。この場合の挿入損失は移相器102aおよび102bともにILである。
なお、制御部103は、移相量の差分Δψの絶対値を満たし、移相器102aおよび102bの挿入損失が同等となる移相量を決定する場合、式(13)から、φとφの差分がマイナスとなるため、偏波角が−τとなる。この場合の移相量はφ1aおよびφ2aであり、挿入損失は移相器102aおよび102bともにILである。
本実施形態では、信号の受信において、移相器102aおよび102bはあらかじめ移相量が設定されていた。この移相量は、移相器102aおよび102bの製造時に設定されたものでもよいし、制御回路103が定めて移相器102aおよび102bに設定させてもよいし、アンテナ装置100と接続された機器からの指令を受けて設定するようにしてもよい。
本実施形態では、制御回路103は移相器102aおよび102bに対してそれぞれ移相量を伝達していた。この移相量の伝達は任意の方法が適用可能である。例えば、制御回路103は有線、無線で信号を送ることにより伝達してもよい。制御回路103は、磁場を発生させる機器に対して信号を送り、この機器から磁場を発生させることにより移相器102aおよび102bの移相量を伝達するようにしてもよい。制御回路103は、機械的な動作を行う機器に対して信号を送り、この機器が移相器102aおよび102bに対して機械的に移相量を設定するようにしてもよい。
本実施形態では、信号の受信において制御回路103は、制御回路103に入力される受信信号の電力が、電力しきい値を満たす移相器102aおよび移相器102bの移相量を決定していた。変形例として、制御回路103は移相器102aおよび移相器102bの移相量の組み合わせを複数保持し、それぞれの組み合わせにおける信号の電力を計測するようにしてもよい。制御回路103は、この複数の組み合わせのうち、制御回路103に入力される信号の電力が最大となる組み合わせを、移相量φおよびφとして決定するようにしてもよい。なお、この最大は準最大のものを含むものとする。
本実施形態では、制御回路103は、移相器102aおよび102bの挿入損失が同等となる移相量から移相量φおよびφを決定していた。変形例として、Δψを満たし、移相器102aおよび102bの挿入損失が同等となる移相量が存在しない場合、制御回路103は、移相器102aおよび102bの挿入損失の差分が小さくなるように移相器102aおよび102bの移相量を決定するようにしてもよい。制御回路103はしきい値を設けて移相器102aおよび102bの挿入損失の差分が小さいか否かを判定するようにしてもよい。
本実施形態では、制御回路103は、移相器102aおよび102bの挿入損失が同等となる移相量から移相量φおよびφを決定していた。変形例として、制御回路103は移相器102aおよび102bの挿入損失に基づいて移相量φおよびφのいずれか一方を決定するようにしてもよい。例えば、移相量φはあらかじめ移相器102aおよび102bの挿入損失に基づいて設定しておき、移相量φを移相量φの挿入損失と同等になるように決定するようにしてもよい。
本実施形態では、制御回路103は、内部に備えられた記憶部に移相器102aおよび102bの挿入損失と移相量を表す特性情報に基づいて、移相量φおよびφを決定していた。変形例として、制御回路103は、移相器102aの移相による左旋円偏波信号の振幅および位相の変化、移相器102bの移相による右旋円偏波信号の振幅および位相の変化に基づいて、移相量φおよびφを決定するようにしてもよい。
移相器102aに入力される左旋円偏波信号、移相器102aから出力される左旋円偏波信号、移相器102bに入力される右旋円偏波信号、および移相器102bから出力される右旋円偏波信号を、それぞれ一部結合回路で取り出し、制御回路103に入力する。制御回路103は、移相器102aの移相による左旋円偏波信号の振幅および位相の変化、移相器102bの移相による右旋円偏波信号の振幅および位相の変化を算出し、算出した変化に基づいて移相量φおよびφを決定するようにしてもよい。
本実施形態では、分配合成回路104は送信信号を左旋円偏波信号および右旋円偏波信号に分配し、受信した左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を受信信号に合成する回路である。分配合成回路104は、例えばT分岐回路やWilkinson分配器である。
本実施形態では、分配合成回路104は、送信信号を左旋円偏波信号および右旋円偏波信号に分配する際、位相差を与えていない。変形例として、分配合成回路104は、送信信号を左旋円偏波信号および右旋円偏波信号に分配する際、位相差を与えるようにしてもよい。この場合、式(13)は、以下のように変形される。
ここで、αは右旋円偏波信号が左旋円偏波信号に対して遅れている位相量を表す。式(14)に表されるように、制御回路103は左旋円偏波信号および右旋円偏波信号の位相差にさらに基づいて、移相器102aおよび102bのそれぞれの移相量を決定する。なお、分配合成回路104が左旋円偏波信号および右旋円偏波信号に位相差を与えて分配する場合、分配合成回路104は与える位相差を制御回路103に対して伝達する。
また、信号の受信においても、分配合成回路104が位相差を与えて合成する場合も、分配合成回路104は与える位相差を制御回路103に対して伝達する。制御回路103は、左旋円偏波信号および右旋円偏波信号の位相差にさらに基づいて、移相器102aおよび102bのそれぞれの移相量を決定する。
本実施形態では、結合回路105は受信信号の一部を制御回路103に出力し、残りの信号を接続点110に出力していた。結合回路105は例えば、方向性結合器である。また、変形例として、結合回路105はスイッチであってもよい。結合回路105がスイッチである場合、受信信号は接続点110または制御回路103に出力される。このスイッチによる出力先の切り替えは、制御回路103によって行われる。
また、アンテナ装置100は、結合回路105を排してもよい。アンテナ装置100から結合回路105を排したアンテナ装置120を、図8に表す。図8に表される接続点110eは、接続点110と同様である。アンテナ装置120の動作は、本実施形態で説明したアンテナ装置100の動作と同様であるため、相違点以外の説明を省略する。
相違点として、本実施形態では制御回路103は結合回路105から入力された受信信号の一部によって受信信号の電力を取得していた。変形例では、受信信号が接続点110からアンテナ装置120と接続する機器に入力され、この機器によって受信信号の信号処理が行われる。この機器から、受信信号の電力を表す情報がアンテナ装置120に対して出力される。この情報は、接続点110eを通じて制御回路103に入力される。
アンテナ装置120と接続する機器は、接続点110から送られた受信信号の一部を、接続点110eを通じて制御回路103に対して出力するようにしてもよい。
結合回路105を排することで、アンテナ装置の小型化や省力化、および受信信号の電力を低減せずにアンテナ装置120と接続する機器に入力することができる。
本実施形態における、アンテナ装置100の構成要素を接続する線路は高周波信号が伝搬する線路であれば、任意の線路が適用可能である。例えば、マイクロストリップ線路、コプレーナ線路、ストリップ線路、平行二線式線路、同軸線路、導波管である。複数の種類の線路を組み合わせてもよいが、アンテナ装置100から移相器102aおよび102bを接続する2本の線路はそれぞれ同じ種類の線路であり、移相器102aおよび102bから分配合成回路104を接続する2本の線路もそれぞれ同じ種類の線路である。
以上に、アンテナ装置100の構成および動作の変形例について説明した。以下に、本実施形態に適用可能なアンテナ装置について、図9から図13を用いて説明する。図9から図13において、アンテナ装置100の構成要素と同様な構成要素には、同じ符号を付して説明を省略する。
アンテナ装置100は、増幅器106をさらに備えるようにしてもよい。図9は、増幅器106をさらに備えたアンテナ装置130の構成図を表す。
増幅器106は、入力された信号の電力を増幅し、出力する。図9では、増幅器106は接続点110と結合回路105の間に備えられている。増幅器106は、送信信号および受信信号の電力を増幅する。増幅器106は、入力された信号の電力を増幅し、出力できれば任意の装置が適用可能である。例えば、増幅器106は電力増幅器(Power Amplifier:PA)、低雑音増幅器(Low Noise Amplifier:LNA)である。
増幅器106を備えることにより、送信ではアンテナ素子101から送信される直線偏波の電力を大きくすることができる。アンテナ装置130を無線通信に用いる場合は、信号対雑音電力比(Signal to Noise Ratio:SN比)を向上させることができる。アンテナ装置130を無線電力伝送に用いる場合は、給電量を増大することができる。給電量が増大することで、給電対象の給電時間の短縮につながる。また、受信では受信信号の電力を増幅することができるため、アンテナ装置130を無線通信に用いる場合に信号対雑音電力比を向上させることができる。
なお、信号の送信および受信におけるアンテナ装置130の動作は、本実施形態で説明した動作と同様であるため、説明を省略する。動作の変形例として、制御回路103は増幅器106の動作を指令するようにしてもよい。
図10は、増幅器106aおよび106bをさらに備えたアンテナ装置140の構成図を表す。増幅器106aおよび106bは、先に説明した増幅器106と同様である。アンテナ装置130と異なり、アンテナ装置140はアンテナ素子101と移相器102aおよび102bの間にそれぞれ1つ増幅器106aおよび106bが備えられている。アンテナ装置140においては、増幅器106aは左旋円偏波信号を増幅し、増幅器106bは右旋円偏波信号を増幅する。
図9の場合と同様に、増幅器106を備えることにより、送信ではアンテナ素子101から送信される直線偏波の電力を大きくすることができる。アンテナ装置140を無線通信に用いる場合は、信号対雑音電力比を向上させることができる。アンテナ装置140を無線電力伝送に用いる場合は、給電量を増大することができる。また、受信では受信信号の電力を増幅することができるため、アンテナ装置140を無線通信に用いる場合に信号対雑音電力比を向上させることができる。
なお、信号の送信および受信におけるアンテナ装置140の動作は、本実施形態で説明した動作と同様であるため、説明を省略する。動作の変形例として、制御回路103は増幅器106aおよび106bの動作を指令するようにしてもよい。
アンテナ装置140は、振幅調整回路107aおよび107bをさらに備えるようにしてもよい。図11は、振幅調整回路107aおよび107bをさらに備えたアンテナ装置150の構成図を表す。
振幅調整回路107aおよび107bは、入力された信号の振幅を変化させることができる。信号の送信において、増幅器106aおよび107bによって出力された左旋円偏波信号および右旋円偏波信号の振幅にずれがあった場合、振幅調整回路107aおよび107bによって左旋円偏波信号および右旋円偏波信号の振幅を同等の振幅に変化させる。左旋円偏波信号および右旋円偏波信号の振幅が同様となることで、XPDを良好に保つことができる。
なお、信号の送信および受信におけるアンテナ装置150の動作は、本実施形態で説明した動作と同様であるため、説明を省略する。動作の変形例として、制御回路103は振幅調整回路107aおよび107bの動作を指令するようにしてもよい。この際、増幅器106aおよび106bから左旋円偏波信号および右旋円偏波信号の一部を制御回路103に対して出力してもよい。制御回路103は、入力された左旋円偏波信号および右旋円偏波信号の振幅を計測し、振幅調整回路107aおよび107bの動作を指令するようにしてもよい。増幅器106aおよび106bから制御回路103への信号の一部の出力は、本実施形態で説明した結合回路105と同様の結合回路105aおよび105bを用いるようにしてもよい。
アンテナ装置100は合分波器108をさらに備えるようにしてもよい。図12は、合分波器108をさらに備えたアンテナ装置160の構成図を表す。
合分波器108は、送信信号と受信信号とを異なる線路に分離する。図12では、合分波器108は結合回路105、接続点110a、および110bと接続されている。接続点110aおよび110bは、本実施形態で説明した接続点110と同様である。図12では、送信信号は接続点110aから合分波器108を通じて結合回路105に出力される。受信信号は結合回路105から合分波器108を通じて接続点110bに出力される。合分波器108は、送信信号と受信信号とを異なる線路に分離することができれば任意の装置が適用可能である。例えば構造によって分離が可能なサーキュレータ、周波数によって分離可能なダイプレクサ、時間によって分離可能なスイッチなどである。
合分波器108によって、送信信号と受信信号を異なる線路に分離することができる。送信信号と受信信号を分離することにより、送信信号と受信信号が混信する可能性を低減し、XPDを良好に保つことができる。
なお、信号の送信および受信におけるアンテナ装置150の動作は、本実施形態で説明した動作と同様であるため、説明を省略する。
アンテナ装置160は、増幅器106aおよび106bをさらに備えるようにしてもよい。図13は、アンテナ装置160に増幅器106aおよび106bをさらに備えたアンテナ装置170の構成図を表す。アンテナ装置170においては、増幅器106aは送信信号を増幅し、増幅器106bは受信信号を増幅する。
図9から図11のアンテナ装置と同様に、増幅器106aおよび106bを備えることにより、送信ではアンテナ素子101から送信される直線偏波の電力を大きくすることができる。アンテナ装置170を無線通信に用いる場合は、信号対雑音電力比を向上させることができる。アンテナ装置170を無線電力伝送に用いる場合は、給電量を増大することができる。また、受信では受信信号の電力を増幅することができるため、アンテナ装置170を無線通信に用いる場合に信号対雑音電力比を向上させることができる。
なお、信号の送信および受信におけるアンテナ装置170の動作は、本実施形態で説明した動作と同様であるため、説明を省略する。動作の変形例として、制御回路103は増幅器106aおよび106bの動作を指令するようにしてもよい。
以上に、第1の実施形態におけるアンテナ装置100とその変形例を説明した。本実施形態のアンテナ装置は、左旋円偏波信号および右旋円偏波信号の移相を、移相器102aおよび102bの挿入損失に基づいて行う。このようにすることで、移相器の移相量を制御して偏波面の角度を変えることができる。さらに、この挿入損失が同様になるように左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を移相させることで、交差偏波識別度XPDを良好に保ちながら偏波角を変えることができる。
(第2の実施形態)
図14は、第2の実施形態におけるアンテナ装置200の構成を表す図である。アンテナ装置200は、第1の実施形態におけるアンテナ装置100と異なる分配合成回路201を備える。アンテナ装置200は、分配合成回路201以外はアンテナ装置100と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、説明を省略する。分配合成回路201を備えることで、アンテナ装置200は、移相器102aおよび102bの移相量を変更せずに異なる偏波角の2つの直線偏波を送信および受信することができる。アンテナ装置200は、第1の実施形態で説明した効果に加えて、さらに異なる偏波角の2つの直線偏波に対応できるため、信号の送信および受信を効率よく行うことができる。
分配合成回路201は4端子を有する。分配合成回路201は移相器102a、移相器102b、結合回路105、および接続点110bと接続されている。
分配合成回路201は、分配合成回路104と同様に、信号を2つに分配し、2つの信号を1つに合成する。具体的には、信号の送信では、分配合成回路201は送信信号を、左旋円偏波信号および右旋円偏波信号に分配して出力する。分配されたこの左旋円偏波信号および右旋円偏波信号の振幅は同等である。信号の受信では、分配合成回路104は入力された右旋円偏波信号および左旋円偏波信号を合成して受信信号を出力する。
分配合成回路201は、信号の分配において、接続点110aおよび110bの一方から入力された送信信号を左旋円偏波信号および右旋円偏波信号に分配する。分配合成回路201は左旋円偏波信号を移相器102aに出力し、右旋円偏波信号を移相器102bに出力する。もう一方の接続点には左旋円偏波信号および右旋円偏波信号は出力されない。
分配合成回路201は、位相差をつけて信号を分配することが可能である。分配合成回路201が位相差をつけて信号を分配することにより、接続点110aからの送信信号と、接続点110bからの送信信号は、最終的にそれぞれ偏波角が異なる直線偏波としてアンテナ素子101から送信される。
分配合成回路201は移相器102aおよび102bから入力された左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を受信信号に合成する。分配合成回路201は接続点110aおよび110bの一方に受信信号を出力し、もう一方には出力しない。以降、この出力しないとはほとんど出力しないことを意味し、全く出力しないことに限定されるものではない。
分配合成回路201は、信号の受信において、入力される左旋円偏波信号および右旋円偏波信号の位相差によって、接続点110aおよび結合回路105に出力される受信信号の電力が異なる。
分配合成回路201が接続点110aおよび結合回路105に対してそれぞれ出力する受信信号の電力は、受信信号の合成元である左旋円偏波信号および右旋円偏波信号の位相差に基づく。例えば、分配合成回路201に入力される左旋円偏波信号の位相と右旋円偏波信号の位相が同相に近づけば、接続点110aに対して出力される受信信号の電力は大きくなり、結合回路105に出力される受信信号の電力は小さくなる。一方、分配合成回路201に入力される左旋円偏波信号の位相と右旋円偏波信号の位相が逆相に近づけば、接続点110aに対して出力される受信信号の電力は小さくなり、結合回路105に出力される受信信号の電力は大きくなる。
分配合成回路201に入力される左旋円偏波信号の位相および右旋円偏波信号の位相が同相であれば、分配合成回路201は受信信号を接続点110aに対して出力し、結合回路105に対しては受信信号を出力しない。一方、分配合成回路201に入力される左旋円偏波信号の位相および右旋円偏波信号の位相が逆相であれば、分配合成回路201は受信信号を結合回路105に対して出力し、接続点110aに対しては受信信号を出力しない。
分配合成回路201は、信号を2つに分配し、2つの信号を1つに合成する4端子の回路であれば任意の回路を適用可能である。例えば、マジックT、ラットレース、90°ハイブリッドカプラ、180°ハイブリッドカプラなどのハイブリッド回路である。本実施形態では一例として、90°ハイブリッドカプラを適用した場合を説明する。
以上に、アンテナ装置200の構成要素である分配合成回路201を説明した。アンテナ装置200は、アンテナ装置100と同様の実装方法が適用可能である。
以下に、アンテナ装置200の動作を説明する。なお、アンテナ装置200の動作はアンテナ装置100の動作と同様であるので、概要を説明する。まず、アンテナ装置200の送信における動作の概要を説明する。
本実施形態では、接続点110aおよび110bから分配合成回路201に送信信号を入力することが可能である。分配合成回路201によって分配することにより、接続点110aから入力される送信信号をもとにした直線偏波と、接続点110bから入力される送信信号をもとにした直線偏波とは、偏波面が直交する直線偏波となる。
偏波面が直交する直線偏波となることで、直線偏波が互いに与える干渉を少なくし、それぞれの直線偏波における信号の送信および受信を行うことができる。
本実施形態における信号の送信の説明では、接続点110aから入力される送信信号を第1送信信号、接続点110bから入力される送信信号を第2送信信号と称する。第1送信信号を分配した左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を、第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号と称する。第2送信信号を分配した左旋円偏波信号および右旋円偏波信号を、第2左旋円偏波信号および第2右旋円偏波信号と称する。第1送信信号および第2送信信号の周波数帯は同等である。また、第1左旋円偏波信号と第2左旋円偏波信号の周波数帯も同等であり、第1右旋円偏波信号と第2右旋円偏波信号の周波数帯も同等である。
また、本実施形態において、分配合成回路201は位相差を付けて信号を分配する。本実施形態では一例として、第1右旋円偏波信号の位相は、第1左旋円偏波信号の位相と比較して90°遅れて分配される。第1左旋円偏波信号の振幅および第1右旋円偏波信号の振幅は同様になるように分配される。第2左旋円偏波信号の位相は、第2右旋円偏波信号の位相と比較して90°遅れて分配される。第2左旋円偏波信号の振幅および第2右旋円偏波信号の振幅は同様になるように分配される。
分配合成回路201に対して第1送信信号を入力する場合は、第1の実施形態の説明と同様である。第1の実施形態の説明と同様に、第1送信信号をもとにした直線偏波の偏波角をτとする。本実施形態では、第1右旋円偏波信号の位相は、第1左旋円偏波信号の位相と比較して90°遅れて分配される。制御回路103は、移相器102aおよび102bの挿入損失が同等となり、式(15)を満たす移相量φおよびφを決定する。
以降は第1の実施形態の説明と同様である。制御回路103は移相量φおよびφを移相器102aおよび102bに伝達し、移相器102aおよび102bは移相量φおよびφに設定する。分配合成回路201は接続点110aから第1送信信号を入力された場合、第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号に分配する。分配合成回路201は、第1左旋円偏波信号を移相器102aに対して出力し、第1右旋円偏波信号を移相器102bに対して出力する。第1左旋円偏波信号は移相器102aにおいて移相量φで移相され、アンテナ素子101に出力される。第1右旋円偏波信号は移相器102bにおいて移相量φで移相され、アンテナ素子101に出力される。アンテナ素子101は、第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号を出力し、偏波角τの直線偏波を送信する。
以上に、分配合成回路201に第1送信信号を入力した場合を説明した。第2送信信号を分配合成回路201に入力する場合の動作については、上で説明した分配合成回路201に第1送信信号を入力した場合と同様であるため、説明を省略する。移相器102aおよび102bの移相量は同様にφおよびφに設定される。第2送信信号は、最終的に偏波角τの直線偏波としてアンテナ素子101から送信される。
分配合成回路201に第1送信信号を入力した場合と第2送信信号を入力した場合を分けて説明したが、これらは同時に行うことが可能である。この場合、偏波角τの直線偏波および偏波角τの直線偏波が同時にアンテナ素子101から送信される。
図15は、第1送信信号をもとにした直線偏波の偏波面と、第2送信信号をもとにした直線偏波の偏波面を表す図である。図15は、第1送信信号をもとにした直線偏波の偏波面は偏波角τであり、第2送信信号をもとにした直線偏波の偏波面は偏波角τであることを表す。以下に第1送信信号をもとにした直線偏波の偏波面と第2送信信号をもとにした直線偏波の偏波面とが直交することを説明する。
本実施形態では、第1右旋円偏波信号の位相は第1左旋円偏波信号の位相と比較して90°遅れて分配され、第2左旋円偏波信号の位相は第2右旋円偏波信号の位相と比較して90°遅れて分配される。これにより、第2左旋円偏波信号および第2右旋円偏波信号の位相差Δψは式(16)で表される。
式(5)および式(16)から、式(17)に変形することができる。
式(17)は、偏波角τおよび偏波角τの差分は90°である。したがって、第1送信信号をもとにした直線偏波の偏波面(偏波面1)と第2送信信号をもとにした直線偏波の偏波面(偏波面2)とは直交する。
以上に、分配合成回路201に第1送信信号を入力した場合と第2送信信号を入力した場合について説明した。以下に、アンテナ装置200における受信について説明する。
一例として、アンテナ装置200における偏波角τの直線偏波および偏波角τの直線偏波の受信をそれぞれ説明する。なお、第1の実施形態と同様に、移相器102aおよび102bの移相量はあらかじめ設定された値とする。
本実施形態における信号の受信の説明では、アンテナ素子101が偏波角τの直線偏波を受信して移相器102aおよび102bに出力する信号を、それぞれ第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号と称する。アンテナ素子101が偏波角τの直線偏波を受信して移相器102aおよび102bに出力する信号を、それぞれ第2左旋円偏波信号および第2右旋円偏波信号と称する。分配合成回路201が第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号を合成した信号を、第1受信信号とする。分配合成回路201が第2左旋円偏波信号および第2右旋円偏波信号を合成した信号を、第2受信信号とする。
第1左旋円偏波信号と第2左旋円偏波信号の周波数帯は同等であり、第1右旋円偏波信号と第2右旋円偏波信号の周波数帯は同等である。また、第1受信信号および第2受信信号の周波数帯も同等である。
アンテナ素子101が偏波角τの直線偏波を受信する場合を説明する。アンテナ装置200の動作は、第1の実施形態におけるアンテナ装置100の動作と大部分は同様である。相違点は制御回路103が、入力される受信信号の電力が小さくなるように移相器102aおよび102bの移相量を決定する点である。本実施形態では、制御回路103は第1の実施形態で説明した電力しきい値とは異なる、第2電力しきい値を設定している。この第2電力しきい値は、分配合成回路201が第1受信信号を結合回路105に対して出力しないことを判定するしきい値である。
この相違点以外の動作は、第1の実施形態で説明した動作と同様である。アンテナ素子101は偏波角τの直線偏波を受信し、第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号を移相器102aおよび102bに出力する。移相器102aおよび102bは、あらかじめ設定された移相量で第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号を移相し、分配合成回路201に対して出力する。分配合成回路201は第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号から、第1受信信号を合成する。分配合成回路201は、合成元の第1左旋円偏波信号の位相および第1右旋円偏波信号の位相に応じて、接続点110aおよび結合回路105に対して第1受信信号を出力する。
制御回路103は、様々な偏波角に対応した位相差を持つ移相器102aおよび102bの移相量の組から、入力された第1受信信号の電力が小さくなる組を決定し、あらかじめ設定された移相量から変更する。この移相器102aおよび102bの移相量の組は、移相器102aおよび102bの挿入損失が同等となる組でもある。
制御回路103は、様々な偏波角に対応した移相器102aおよび102bの移相量の組を移相器102aおよび102bに伝達し、受信電力を計測することで、第2電力しきい値を満たす移相量の組を決定する。本実施形態では、決定された移相量はφおよびφであるとする。移相量がφおよびφである場合、第1受信信号は結合回路105に出力されず、接続点110aに対して出力される。以降の動作は第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
以上に、アンテナ素子101が偏波角τの直線偏波を受信する場合を説明した。アンテナ素子101が偏波角τの直線偏波を受信する場合は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。移相器102aおよび102bに設定された移相量がφおよびφである場合、第1受信信号は結合回路105に出力され、接続点110aに対しては出力されない。
アンテナ装置200が偏波角τの直線偏波を受信した場合と偏波角τの直線偏波を受信した場合を分けて説明したが、これらは同時に行うことが可能である。移相器102aおよび102bの移相量がφおよびφに設定されており、偏波角τの直線偏波と偏波角τの直線偏波を受信した場合、分配合成回路201は接続点110aに対して第1受信信号を出力し、結合回路105に対して第2受信信号を出力する。
以上に、第2の実施形態におけるアンテナ装置200の動作について説明した。第2の実施形態についても、変形例は様々に実装、実行可能である。アンテナ装置200には、第1の実施形態における変形例が適用可能である。
本実施形態では、結合回路105は分配合成回路201および接続点110bと接続されている。変形例として、結合回路105は分配合成回路201および接続点110aと接続されるようにしてもよい。
変形例として、以下に本実施形態に適用可能なアンテナ装置について、図16から図22を用いて説明する。図16から図22において、アンテナ装置200の構成要素と同様な構成要素には、同じ符号を付して説明を省略する。
図16は、結合回路105を排したアンテナ装置210の構成図を表す。アンテナ装置210では、分配合成回路201の1つの端子が制御回路103に接続されている。この場合、本実施形態で説明したように、同じ移相量で2つの偏波角τおよびτに対応することはできない。
アンテナ装置210の動作は第1の実施形態におけるアンテナ装置100と大部分は同様である。相違点は、制御回路103が入力される受信信号の電力が小さくなるように移相器102aおよび102bの移相量を決定する点である。結合回路105を排することで、より小型化することができる。
アンテナ装置200は、結合回路105をさらに備えてもよい。図17は、結合装置105aおよび105bを備えたアンテナ装置220の構成図を表す。結合回路105aおよび105bは、結合回路105と同様である。アンテナ装置220の動作は本実施形態におけるアンテナ装置200と同様であるので説明を省略する。制御回路103は、結合回路105aから出力される受信信号の電力にも基づいて、移相器102aおよび102bの移相量を決定するようにしてもよい。
アンテナ装置200は、増幅器106aおよび106bをさらに備えてもよい。図18は、増幅器106aおよび106bをさらに備えたアンテナ装置230の構成部を表す。増幅器106aは分配合成回路201および接続点110aと接続され、増幅器106bは結合回路105および接続点110bと接続される。
アンテナ装置230の動作は本実施形態におけるアンテナ装置200と同様であるので説明を省略する。増幅器106aは第1送信信号および第1受信信号を増幅し、増幅器106bは第2送信信号および第2受信信号を増幅する。アンテナ装置230を無線通信に用いる場合は信号対雑音電力比を向上させることができる。アンテナ装置230を無線電力伝送に用いる場合は給電量を増大し、給電対象の給電時間を短縮することができる。
図19は、増幅器106aおよび106bをさらに備えたアンテナ装置240の構成部を表す。図18に表されたアンテナ装置230と異なり、増幅器106aは分配合成回路201および移相器102aと接続され、増幅器106bは分配合成回路201および移相器102bと接続される。
アンテナ装置240の動作は本実施形態におけるアンテナ装置200と同様であるので説明を省略する。増幅器106aは送信、受信ともに第1左旋円偏波信号および第2左旋円偏波信号を増幅する。増幅器106bは送信、受信ともに第1右旋円偏波信号および第2右旋円偏波信号を増幅する。アンテナ装置230と同様に、アンテナ装置240を無線通信に用いる場合は信号対雑音電力比を向上させることができる。アンテナ装置240を無線電力伝送に用いる場合は給電量を増大し、給電対象の給電時間を短縮することができる。
アンテナ装置240は、振幅調整回路107aおよび107bをさらに備えるようにしてもよい。図20は、振幅調整回路107aおよび107bをさらに備えたアンテナ装置250の構成図を表す。アンテナ装置250の動作は本実施形態におけるアンテナ装置200と同様であるので説明を省略する。振幅調整回路107aは送信、受信ともに第1左旋円偏波信号および第2左旋円偏波信号の振幅を変化させることができる。振幅調整回路107bは送信、受信ともに第1右旋円偏波信号および第2右旋円偏波信号の振幅を変化させることができる。第1左旋円偏波信号と第1右旋円偏波信号の振幅を同等にし、第2左旋円偏波信号および第2右旋円偏波信号の振幅を同様にすることで、XPDを良好に保つことができる。
アンテナ装置200は、合分波器108aおよび108bを備えるようにしてもよい。図21は、合分波器108aおよび108bをさらに備えたアンテナ装置260の構成図を表す。アンテナ装置250の動作は本実施形態におけるアンテナ装置200と同様であるので説明を省略する。
合分波器108aおよび108bは、第1の実施形態で説明した合分波器108と同様である。合分波器108aは分配合成回路201、接続点110a、および接続点110a2と接続されている。合分波器108bは分配合成回路201、接続点110b、および接続点110b2と接続されている。接続点110a2および接続点110b2は第1の実施形態で説明した接続点110と同様である。
アンテナ装置240の動作は本実施形態におけるアンテナ装置200と同様であるので説明を省略する。合分波器108aによって、第1送信信号と、第1受信信号および第2受信信号を異なる線路に分離することができ、合分波器108bによって、第2送信信号と、第1受信信号および第2受信信号を異なる線路に分離することができる。
例えば、第1送信信号は接続点110aから合分波器108aを通じて分配合成回路201に対して出力される。第1受信信号および第2受信信号は分配合成回路201から合分波器108aを通じて接続点110a2に対して出力される。第2送信信号は接続点110bから合分波器108bを通じて分配合成回路201に対して出力される。第1受信信号および第2受信信号は分配合成回路201から合分波器108bを通じて接続点110b2に対して出力される。
本実施形態で説明したように、移相器102aおよび102bの移相量がφおよびφだった場合、第1受信信号は分配合成回路201から合分波器108aを通じて接続点110a2に対して出力される。第2受信信号は分配合成回路201から合分波器108bを通じて接続点110b2に対して出力される。
アンテナ装置260は、増幅器106aからdをさらに備えるようにしてもよい。図22は、アンテナ装置260に増幅器106aからdをさらに備えたアンテナ装置270の構成図を表す。アンテナ装置270の動作は本実施形態で説明したアンテナ装置200と同様であるので、説明を省略する。増幅器106aからdは、それぞれを通る送信信号および受信信号を増幅する。
図18から図20のアンテナ装置と同様に、アンテナ装置270を無線通信に用いる場合は信号対雑音電力比を向上させることができる。アンテナ装置270を無線電力伝送に用いる場合は給電量を増大し、給電対象の給電時間を短縮することができる。
以上に、第2の実施形態におけるアンテナ装置200とその変形例を説明した。本実施形態のアンテナ装置は、4端子の分配合成回路201を備えることで移相器102aおよび102bの移相量を変更せずに偏波面が直交する2つの直線偏波を送信および受信することができる。本実施形態のアンテナ装置は、異なる偏波角の2つの直線偏波に対応できるため、偏波角を制御しながらXPDを良好に保ちつつ、信号の送信および受信を効率よく行うことができる。
(第3の実施形態)
図23は、第3の実施形態におけるアンテナ装置300の構成を表す図である。アンテナ装置300は、分配合成回路104を2つ(104aおよび104b)、結合回路105を2つ(105aおよび105b)、合分波器108を2つ(108aおよび108b)、移相器102を4つ(102aから102dまで)を備える。第1の実施形態のアンテナ装置100の構成要素には同じ符号を付して、説明を省略する。
制御回路103は移相器102aおよび102bの移相量を、偏波角に対応する位相差を持ち、それぞれの移相器における挿入損失が同等となるように設定する。制御回路103は移相器102cおよび102dの移相量を、偏波角に対応する位相差を持ち、それぞれの移相器における挿入損失が同等となるように設定する。アンテナ装置300は、第1の実施形態で説明した効果に加えて、異なる周波数帯の信号を送信および受信することができる。
アンテナ装置300は、異なる周波数帯の信号を送信および受信できる。アンテナ装置300は、第1の実施形態で説明した効果に加えて、異なる周波数帯の信号を送信および受信できるため、信号の送信および受信を効率よく行うことができる。
アンテナ素子101は合分波器108aおよび108bと接続されている。合分波器108aはアンテナ素子101、移相器102a、および移相器102cと接続されている。合分波器108bはアンテナ素子101、移相器102b、および移相器102dと接続されている。移相器102aは合分波器108aおよび分配合成回路104aと接続されている。移相器102bは合分波器108bおよび分配合成回路104aと接続されている。移相器102cは合分波器108aおよび分配合成回路104bと接続されている。移相器102dは合分波器108bおよび分配合成回路104bに接続されている。
アンテナ装置300は、アンテナ装置100および200と同様の実装方法が適用可能である。
以下、本実施形態におけるアンテナ装置300の動作を説明する。本実施形態では一例として、移相器102aから102dの4つに移相器は同様の移相器であるとする。分配合成回路104aおよび分配合成回路104bは信号を分配する際、位相差をつけないものとする。また、合分波器108aおよび108bは、入力された信号の周波数帯によって異なる線路に出力するダイプレクサとする。
また、制御回路103は、移相器102aおよび102bの挿入損失と移相量の関係を表す情報に加えて、移相器102cおよび102dの挿入損失と移相量の関係を表す情報を保持している。本実施形態における説明では、移相器102aおよび102bの挿入損失と移相量の関係を表す情報を第1特性情報、移相器102cおよび102dの挿入損失と移相量の関係を表す情報を第2特性情報と称する。
以下、信号の送信におけるアンテナ装置300の動作を説明する。アンテナ装置100の動作と類似するため、概要を説明する。アンテナ装置300は、第1周波数帯の信号と、第2周波数帯の信号を送信することが可能である。
本実施形態における信号の送信の説明では、接続点110aから入力される送信信号を第1送信信号、接続点110cから入力される送信信号を第3送信信号と称する。第1送信信号を分配した2つの信号を第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号と称し、第3送信信号を分配した2つの信号を第3左旋円偏波信号および第3右旋円偏波信号と称する。第1送信信号および第3送信信号は異なる周波数帯であり、それぞれ第1周波数帯、第2周波数帯であるとする。第1左旋円偏波信号および第3左旋円偏波信号は異なる周波数帯であり、第1右旋円偏波信号および第3右旋円偏波信号は異なる周波数帯である。
本実施形態では、制御回路103は第1送信信号をもとにした直線偏波の偏波角をτ、第3送信信号をもとにした直線偏波の偏波角をτに決定したとする。偏波角τおよびτはそれぞれ任意である。図24に、偏波角τおよびτの一例を表す。
第1送信信号を偏波角τの直線偏波として送信するアンテナ装置300の動作は、第1の実施形態の動作と大部分は同様である。制御回路103は移相器102aおよび102bの挿入損失が同等であり、偏波角τに対応する位相差を持つ移相量φおよびφを決定する。移相器102aおよび102bは移相量φおよびφを設定する。
第1送信信号が、接続点110aから結合回路105aを通じて分配合成回路104aに入力される。分配合成回路104aは、第1送信信号を第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号に分配し、移相器102aおよび102bに対して出力する。移相器102aおよび102bは第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号を移相し、合分波器108aおよび108bを通じてアンテナ素子101に入力する。アンテナ素子101は、第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号を、偏波角τの直線偏波として送信する。
第3送信信号を偏波角τの直線偏波として送信するアンテナ装置300の動作は、上で説明した第1送信信号を偏波角τの直線偏波として送信するアンテナ装置300の動作と同様である。制御回路103は移相器102cおよび102dの挿入損失が同等であり、偏波角τに対応する位相差を持つ移相量φおよびφを決定する。移相器102cおよび102dは移相量φおよびφを設定する。
なお、偏波角τ、移相量φおよびφの関係は、式(18)に表される。
第3送信信号が、接続点110bから結合回路105bを通じて分配合成回路104bに入力される。分配合成回路104bは、第3送信信号を第3左旋円偏波信号および第3右旋円偏波信号に分配し、移相器102cおよび102dに対して出力する。移相器102cおよび102dは第3左旋円偏波信号および第3右旋円偏波信号を移相し、合分波器108aおよび108bを通じてアンテナ素子101に入力する。アンテナ素子101は、第3左旋円偏波信号および第3右旋円偏波信号を、偏波角τの直線偏波として送信する。
分配合成回路104aに第1送信信号を入力した場合と分配合成回路104aに第3送信信号を入力した場合を分けて説明したが、これらは同時に行うことが可能である。この場合、偏波角τの直線偏波および偏波角τの直線偏波が同時にアンテナ素子101から送信される。
以上に、信号の送信におけるアンテナ装置300の動作を説明した。以下に信号の受信におけるアンテナ装置300の動作を説明する。アンテナ装置100の動作と類似するため、概要を説明する。アンテナ装置300は、第1周波数帯の信号と、第2周波数帯の信号を受信することが可能である。本実施形態では、アンテナ素子101が受信する直線偏波の偏波角は、図24に表されるτおよびτであるとする。
本実施形態における信号の受信の説明では、アンテナ素子101が偏波角τの直線偏波を受信して合分波器108aおよび108bに出力する信号をそれぞれ第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号と称する。アンテナ素子101が偏波角τの直線偏波を受信して合分波器108aおよび108bに出力する信号をそれぞれ第3左旋円偏波信号および第3右旋円偏波信号と称する。
第1左旋円偏波信号と第3左旋円偏波信号の周波数帯は異なり、それぞれ第1周波数帯と第2周波数帯であるとする。第1右旋円偏波信号と第3右旋円偏波信号の周波数帯は異なり、それぞれ第1周波数帯と第2周波数帯であるとする。また、第1受信信号および第3受信信号の周波数帯も異なり、それぞれ第1周波数帯および第2周波数帯であるとする。
移相器102aからdまでは、あらかじめ設定された移相量で左旋円偏波信号および右旋円偏波信号の移相を行うものとする。合分波器108aは、アンテナ素子101から送られる信号の周波数帯が、第1周波数帯であれば、移相器102aに対して出力し、第2周波数帯であれば、移相器102cに対して出力する。合分波器108bは、アンテナ素子101から送られる信号の周波数帯が、第1周波数帯であれば、移相器102bに対して出力し、第2周波数帯であれば、移相器102dに対して出力する。
偏波角τの直線偏波を受信するアンテナ装置300の動作は、第1の実施形態の動作と大部分は同様である。
アンテナ素子101は、偏波角τの直線偏波を受信すると、第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号を、合分波器108aおよび108bに対して出力する。合分波器108aおよび108bは、第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号を移相器102aおよび102bに対して出力する。
移相器102aおよび102bは、あらかじめ設定された移相量で第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号を移相し、分配合成回路104aに対して出力する。分配合成回路201は第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号から、第1受信信号を合成する。分配合成回路104aは、第1受信信号を結合回路105aに対して出力する。結合回路105aは、第1受信信号を制御回路103および接続点110aに対して出力する。
制御回路103は、様々な偏波角に対応した移相器102aおよび102bの移相量の組から、入力された第1受信信号の電力が大きくなる組を決定し、あらかじめ設定された移相量から変更する。この組の決定には、第1の実施形態で説明した電力しきい値を用いる。この移相器102aおよび102bの移相量の組は、移相器102aおよび102bの挿入損失が同等となる組でもある。
偏波角τの直線偏波を受信するアンテナ装置300の動作は、上記に説明した偏波角τの直線偏波を受信するアンテナ装置300の動作と同様である。なお、偏波角τの直線偏波を表す第3左旋円偏波信号および第3右旋円偏波信号は第2周波数帯であるので、合分波器108aおよび108bは、第3左旋円偏波信号および第3右旋円偏波信号を移相器102cおよび102dに対して出力する。
以降は同様に、制御回路103は、様々な偏波角に対応した移相器102cおよび102dの移相量の組から、入力された第3受信信号の電力が大きくなる組を決定し、あらかじめ設定された移相量から変更する。本実施形態では、一例として、決定された移相量の組は、移相器102cが移相量φ、移相器φであるとする。この移相器102cおよび102dの移相量の組は、移相器102cおよび102dの挿入損失が同等となる組でもある。
アンテナ素子101が偏波角τの直線偏波を受信した場合と、偏波角τの直線偏波を受信した場合を分けて説明したが、これらは同時に行うことが可能である。
以上に、アンテナ装置300の動作を説明した。第3の実施形態についても、変形例は様々に実装、実行可能である。アンテナ装置300には、第1および第2の実施形態における変形例が適用可能である。
本実施形態では、移相器102aから102dまで同様の移相器であるとしていた。変形例として、移相器102aから102dは、それぞれ異なる移相器であってもよい。
本実施形態では、制御回路103が移相器102aから102dの移相量を決定し、伝達していた。変形例として、制御回路103が複数含まれる制御部301を代わりに配置するようにしてもよい。例えば、図25は、制御回路103aおよび103bを備える制御部301を表している。制御部301に含まれる制御回路103aおよび103bは、対となる2つの移相器の移相量を決定、伝達するようにしてもよい。例えば、制御回路103aは移相器102aおよび102bの移相量を決定、伝達し、制御回路103bは移相器102cおよび102dの移相量を決定、伝達するようにしてもよい。
本実施形態では、制御回路103は、第1の実施形態で説明した電力しきい値を用いて受信した直線偏波の偏波角に対応した移相器102aおよび102bの移相量を決定していた。この電力しきい値は、第1の実施形態で説明した電力しきい値と同じ値に限られない。変形例として、移相器102aおよび102bの移相量の決定に用いる電力しきい値と、移相器102cおよび102dの移相量の決定に用いる電力しきい値とが異なっていてもよい。
変形例として、以下に本実施形態に適用可能なアンテナ装置について、図26から図29を用いて説明する。図26から図29において、アンテナ装置300の構成要素と同様な構成要素には、同じ符号を付して説明を省略する。
アンテナ装置300は、合分波器108aおよび108bを排してもよい。図26は、アンテナ装置300から合分波器108aおよび108bを排したアンテナ装置310を表す。アンテナ素子101は、受信する直線偏波の周波数帯によって、出力先を変更することが可能である。例えば、アンテナ素子101は、受信した直線偏波が第1周波数帯であれば移相器102aおよび102bに対して出力する。アンテナ素子101は、受信した直線偏波が第2周波数帯であれば移相器102cおよび102dに対して出力する。
アンテナ装置300から合分波器108aおよび108bを排することで、より小型化することができる。
図27は、アンテナ装置300の分配合成回路104aおよび104bを、分配合成回路201aおよび201bとしてアンテナ装置320の構成図である。すなわち、アンテナ装置320は第2の実施形態のアンテナ装置200と第3の実施形態のアンテナ装置300を組み合わせたアンテナ装置である。
アンテナ装置320は、2つの異なる周波数帯において、それぞれ直交する2つの偏波角に対応して信号を送信および受信することができる。アンテナ装置320は、4つの偏波角に対応して信号を送信および受信することができる。
この4つの偏波角τからτの一例を、図28に表す。偏波角τの偏波面1と偏波角τの偏波面2は直交し、偏波角τの偏波面3と偏波角τの偏波面4は直交する。
アンテナ装置320の動作は、アンテナ装置320は第2の実施形態のアンテナ装置200と第3の実施形態のアンテナ装置300を組み合わせたアンテナ装置であるので、概要を説明する。まず、送信における信号の送信について説明する。
第2の実施形態の説明と同様に、分配合成回路201aは位相差を付けて送信信号を分配する。制御回路103は、接続点110aから入力される第1送信信号が偏波角τの直線偏波として出力される移相量φおよびφを決定する。このとき、接続点110bから入力される第2送信信号は、偏波角τの直線偏波として出力される。
第2の実施形態の説明と同様に、分配合成回路201bは位相差を付けて送信信号を分配する。制御回路103は、接続点110cから入力される第3送信信号が偏波角τの直線偏波として出力される移相量φおよびφを決定する。このφおよびφは、式(19)を満たす。
アンテナ装置320における信号の送信の説明においては、接続点110dから入力される送信信号を第4送信信号と称する。図28の偏波角τは、第4送信信号をもとにした直線偏波の偏波角とする。第4送信信号を分配した信号を、第4左旋円偏波信号および第4右旋円偏波信号と称する。
移相器103cおよび103dの移相量がφおよびφである場合、第4左旋円偏波信号および第4右旋円偏波信号は位相差がついているため、この2つの信号における位相の差分Δψは式(20)で表される。
式(5)および式(20)から、式(21)に変形することが可能である。
偏波角τおよびτと同様に、偏波角τおよび偏波角τの差分は90°である。したがって、第3送信信号をもとにした直線偏波の偏波面(偏波面3)と第4送信信号をもとにした直線偏波の偏波面(偏波面4)とは直交する。
以上、アンテナ装置320の信号の送信について説明した。アンテナ装置320の信号の受信については、第2の実施形態および第3の実施形態の組み合わせであるため、概要を説明する。
第2の実施形態の説明と同様に、アンテナ素子101は偏波角τの直線偏波を受信し、第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号を出力する。第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号は第1周波数帯であるため、合分波器108aおよび108bから移相器102aおよび102bに送られる。
第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号は移相器102aおよび102bにおいてそれぞれあらかじめ設定された移相量で移相される。移相された第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号は分配合成回路201aで第1受信信号に合成される。
第1合成信号は、合成元の第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号の位相差に応じた電力で、接続点110aおよび結合回路105aに出力する。結合回路105aは第1受信信号の一部を制御回路103に出力する。制御回路103は、入力された第1受信信号の電力および第1特性情報に基づいて、偏波角τに対応した移相量φおよびφを決定し、移相器102aおよび102bに伝達する。
移相器102aおよび102bはあらかじめ設定された移相量から移相量φおよびφを設定し、以後移相を行う。
アンテナ素子101が偏波角τの直線偏波を受信する場合も、制御回路103は同様に移相量φおよびφを決定する。
第3の実施形態の説明と同様に、アンテナ素子101は偏波角τの直線偏波を受信し、第3左旋円偏波信号および第3右旋円偏波信号を出力する。第3左旋円偏波信号および第3右旋円偏波信号は第2周波数帯であるため、合分波器108aおよび108bから移相器102cおよび102dに送られる。
第3左旋円偏波信号および第3右旋円偏波信号は移相器102cおよび102dにおいてそれぞれあらかじめ設定された移相量で移相される。移相された第3左旋円偏波信号および第3右旋円偏波信号は分配合成回路201bで第3受信信号に合成される。
第1合成信号は、合成元の第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号の位相差に応じた電力で、接続点110cおよび結合回路105bに出力する。結合回路105bは第3受信信号の一部を制御回路103に出力する。制御回路103は、入力された第3受信信号の電力および第2特性情報に基づいて、偏波角τに対応した移相量φおよびφを決定し、移相器102cおよび102dに伝達する。
移相器102cおよび102dはあらかじめ設定された移相量から移相量φおよびφを設定し、以後移相を行う。
アンテナ素子101が偏波角τの直線偏波を受信する場合も、制御回路103は同様に移相量φおよびφを決定する。
以上に、アンテナ装置320の動作について説明した。アンテナ装置320は、2つの異なる周波数帯において、それぞれ直交する2つの偏波角に対応して信号を送信および受信することができる。これにより、信号の送信および受信を効率よく行うことができる。
アンテナ装置320は、合分波器108aおよび108bを排してもよい。図29は、アンテナ装置300から合分波器108aおよび108bを排したアンテナ装置330を表す。アンテナ素子101は、受信する直線偏波の周波数帯によって、出力先を変更することが可能である。例えば、アンテナ素子101は、受信した直線偏波が第1周波数帯であれば移相器102aおよび102bに対して出力する。アンテナ素子101は、受信した直線偏波が第2周波数帯であれば移相器102cおよび102dに対して出力する。
アンテナ装置320から合分波器108aおよび108bを排することで、より小型化することができる。
以上に、第3の実施形態におけるアンテナ装置300とその変形例を説明した。本実施形態のアンテナ装置は、分配合成回路を複数備えることで、異なる周波数帯の直線偏波を送信および受信することができる。本実施形態のアンテナ装置は、異なる周波数帯の直線偏波に対応できるため、偏波角を制御しながらXPDを良好に保ちつつ、信号の送信および受信を効率よく行うことができる。
以上に、第1から第3の実施形態について説明した。以下に、第1から第3の実施形態で説明したアンテナ装置の適用例について説明する。一例として、図1に表されるアンテナ装置100の適用例について説明する。
図30は、アンテナ装置100と接続する無線通信回路400を表す。無線通信回路400は、アンテナ装置100を用いて、相手方の無線通信装置と無線通信を行う。無線通信回路400は、ベースバンド回路401、DA/AD変換回路402、および高周波回路403を含む。
ベースバンド回路401は、使用する通信方式または仕様等に準拠したフレームまたはパケットを生成し、生成したフレームまたはパケットのディジタル信号を符号化および変調する。
DA/AD変換回路402は、変調後のディジタル信号をアナログ信号に変換する。高周波回路403は、帯域制御によりアナログ信号から所望帯域の信号を抽出し、抽出した信号を無線周波数に周波数変換し、変換後の信号(高周波信号)を内部に備えられる増幅器(図示しない)で増幅して、接続点110に出力する。
受信時は、高周波回路403は、接続点110から高周波信号を受信する。高周波回路403は、受信した信号を内部に備えられる増幅器で増幅し、増幅後の信号から所望帯域の信号を抽出し、抽出した信号をベースバンドに周波数変換して、ベースバンド信号をDA/AD変換回路402に出力する。
DA/AD変換回路202は、入力されたベースバンド信号をディジタル信号に変換してベースバンド回路401に出力する。ベースバンド回路401は、入力されたディジタル信号を復調および復号して、フレームまたはパケットを取得する。
図31は、アンテナ装置100と接続する無線給電回路500を表す。無線給電回路500は、アンテナ装置100を用いて、相手方の電子装置に対して無線による電力伝送(以降、無線給電とも称する)を行う。無線給電回路500は、制御回路501および給電回路502を含む。
制御回路501は、無線給電を制御する回路である。例えば、無線給電の開始や終了時刻、無線給電時間、無線給電量などを指令する。指令は給電回路502に送られる。制御回路501は、アンテナ装置100から送られた信号に基づいて給電回路502に対する指令を決定してもよい。
給電回路502は、制御回路501の指令を受けて無線給電を行う信号を出力する。この信号はアンテナ装置100を通じて、相手方の電子装置に対して送信される。
以上に、アンテナ装置100の適用例について説明した。適用例は、アンテナ装置100に限定されず、第1から第3の実施形態で説明したアンテナ装置それぞれについて、適用例が適用可能である。
以上にいくつかの実施形態およびその変形例、適用例を説明した。これらの実施形態および変形例、適用例は、組み合わせて行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100:アンテナ装置
101:アンテナ素子
102a〜d:移相器
103:制御回路
103a、b:制御回路
104、104a、104b:分配合成回路
105、105a、105b:結合回路
106、106a、106b:増幅器
107a、b:振幅調整回路
108、108a、108b:合分波器
110、110a〜d:接続点
130、140、150、160、170:アンテナ装置
200:アンテナ装置
201、201a、201b:分配合成回路
210、220、230、240、250、260、270:アンテナ装置
300:アンテナ装置
301:制御部
310、320、330:アンテナ装置
400:無線通信回路
401:ベースバンド回路
402:DA/AD変換回路
403:高周波回路
500:無線給電回路
501:制御回路
502:給電回路

Claims (20)

  1. 左旋円偏波を示す左旋円偏波信号の位相を可変な第1移相器と、
    右旋円偏波を示す右旋円偏波信号の位相を可変な第2移相器と、
    前記第1移相器における移相量および前記第2移相器における移相量の差分に基づいて、前記第1移相器における第1移相量および前記第2移相器における第2移相量を決定する制御回路と、
    前記左旋円偏波信号および前記右旋円偏波信号から、左旋円偏波および右旋円偏波を送信する放射素子と、
    を備える、
    アンテナ装置。
  2. 前記制御回路は、前記第1移相器における信号の第1損失および前記第2移相器における信号の第2損失が略同等となる、前記第1移相量および前記第2移相量を決定する、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 第1送信信号から、第1左旋円偏波信号および第1右旋円偏波信号を分配する第1分配回路をさらに備える、
    請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記第1分配回路は第2送信信号から、第2左旋円偏波信号および第2右旋円偏波信号を分配し、
    前記第1左旋円偏波信号および前記第1右旋円偏波信号に基づく偏波の第1偏波面と、
    前記第2左旋円偏波信号および前記第2右旋円偏波信号に基づく偏波の第2偏波面とは直交する、
    請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記左旋円偏波を示す左旋円偏波信号の位相を可変な第3移相器と、
    前記右旋円偏波を示す右旋円偏波信号の位相を可変な第4移相器と、
    第3送信信号から、第3左旋円偏波信号および第3右旋円偏波信号を分配する第2分配回路をさらに備え、
    前記制御回路は、前記第3移相器における移相量および前記第4移相器における移相量の差分に基づいて、前記第3移相器における第3移相量および前記第4移相器における第4移相量を決定する、
    請求項3または4に記載のアンテナ装置。
  6. 前記第2分配回路は第4送信信号から、第4左旋円偏波信号および第4右旋円偏波信号を分配し、
    前記第3左旋円偏波信号および前記第3右旋円偏波信号に基づく偏波の第3偏波面と、
    前記第4左旋円偏波信号および前記第4右旋円偏波信号に基づく偏波の第4偏波面とは直交する、
    請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 左旋円偏波および右旋円偏波を受信する放射素子と、
    前記左旋円偏波を示す左旋円偏波信号の位相を可変な第1移相器と、
    前記右旋円偏波を示す右旋円偏波信号の位相を可変な第2移相器と、
    前記第1移相器における信号の第1損失および前記第2移相器における信号の第2損失に基づいて、前記第1移相器における第1移相量および前記第2移相器における第2移相量を決定する制御回路と、
    を備える、
    アンテナ装置。
  8. 前記制御回路は、前記第1損失および前記第2損失が略同等となる、前記第1移相量および前記第2移相量を決定する、
    請求項7に記載のアンテナ装置。
  9. 前記第1移相器から入力された第1左旋円偏波信号および前記第2移相器から入力された第1右旋円偏波信号から、第1受信信号を合成する第1合成回路をさらに備える、
    請求項7または8に記載のアンテナ装置。
  10. 前記第1合成回路は、前記第1移相器から入力された第2左旋円偏波信号および前記第2移相器から入力された第2右旋円偏波信号から、第2受信信号を合成し、
    前記第1左旋円偏波信号および前記第1右旋円偏波信号に基づく偏波の第1偏波面と、
    前記第2左旋円偏波信号および前記第2右旋円偏波信号に基づく偏波の第2偏波面とは直交する、
    請求項9に記載のアンテナ装置。
  11. 前記第1合成回路は、前記第1受信信号および前記第2受信信号のうち、少なくとも一方の受信信号の少なくとも一部を前記制御回路に入力し、
    前記制御回路は、入力された信号の電力にさらに基づいて、前記第1移相量および前記第2移相量を決定する、
    請求項7乃至10のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  12. 前記左旋円偏波を示す左旋円偏波信号の位相を可変な第3移相器と、
    前記右旋円偏波を示す右旋円偏波信号の位相を可変な第4移相器と、
    前記第3移相器から入力された第3左旋円偏波信号および前記第4移相器から入力された第3右旋円偏波信号から、第3受信信号を合成する第2合成回路をさらに備え、
    前記制御回路は、前記第3移相器における信号の第3損失および前記第4移相器における信号の第4損失に基づいて、前記第3移相器における第3移相量および前記第4移相器における第4移相量を決定する、
    請求項7乃至11に記載のアンテナ装置。
  13. 前記第2合成回路は前記第3移相器から入力された第4左旋円偏波信号および前記第4移相器から入力された第4右旋円偏波信号から、第4受信信号を合成し、
    前記第3左旋円偏波信号および前記第3右旋円偏波信号に基づく偏波の第3偏波面と、
    前記第4左旋円偏波信号および前記第4右旋円偏波信号に基づく偏波の第4偏波面とは直交する、
    請求項12に記載のアンテナ装置。
  14. 前記第2合成回路は、前記第3受信信号および前記第4受信信号のうち、少なくとも一方の受信信号の少なくとも一部を前記制御回路に入力し、
    前記制御回路は、入力された信号の電力にさらに基づいて、前記第3移相量および前記第4移相量を決定する、
    請求項12または13に記載のアンテナ装置。
  15. 前記第1移相器における左旋円偏波信号の周波数帯と前記第3移相器における左旋円偏波信号の周波数帯とは異なる周波数帯であるか、または前記第2移相器における右旋円偏波信号の周波数帯と前記第4移相器における右旋円偏波信号の周波数帯とは異なる周波数帯である、
    請求項5乃至6、12乃至14のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  16. 前記第1移相器における信号の移相範囲および前記第2移相器における信号の移相範囲は180度以上である、
    請求項1乃至15のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  17. 前記第1移相器および前記第2移相器はアナログの移相器である、
    請求項1乃至16のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  18. 入力された信号の電力を増幅して出力する増幅器を、少なくとも1つさらに備える、
    請求項1乃至17のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  19. 入力された左旋円偏波信号の振幅を可変な第1振幅調整回路と、
    入力された右旋円偏波信号の振幅を可変な第2振幅調整回路と、
    をさらに備える、
    請求項1乃至18のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  20. 2つの出力端子を有し、入力された信号を前記2つの出力端子のうちいずれか一方に出力する分波器を、少なくとも1つさらに備える、
    請求項1乃至19のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
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