JP2020177339A - 操作ペダル - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数の増加を招くことなく、操作ペダルのスムーズな動きを実現するとともに、耐久強度をより一層高める。【解決手段】ブレーキペダル1は、金属製の板材からなり、当該板材における孔の周縁部を板厚方向一方へ突出させるバーリング加工が施されたバーリング加工部14eを有するペダル本体10と、バーリング加工部14eに挿通されて回動可能に支持される軸13とを備えている。バーリング加工部14eの突出方向先端部は、軸13の外周面から離れるように形成されている。【選択図】図4
Description
本発明は、自動車に設けられる操作ペダルに関し、特に、金属製の板材からなる構造の技術分野に属する。
従来より、例えば自動車に設けられるブレーキペダルは、ダッシュパネルに固定されたペダルブラケットを介して当該ダッシュパネルに支持される。ブレーキペダルの上部は、水平方向に延びる支軸を介してペダルブラケットに対して回動可能に取り付けられ、ブレーキペダルの下端部には踏面が設けられている。また、ブレーキペダルの中間部は、プッシュロッドを介してブレーキブースターに連結されている。プッシュロッドはブレーキペダルに対して水平軸周り揺動可能に取り付けられるため、ブレーキペダルの中間部には軸受け構造が設けられる。
上述した軸受け構造としては、例えば特許文献1〜3に開示されるように、バーリング加工部によって揺動軸を支持する構造が採用される場合がある。すなわち、ブレーキペダルを構成する金属製の板材に、軸が挿通可能な孔開けを行うとともに、その孔の周縁部を板厚方向に突出させるバーリング加工を施し、このようにして成形されたバーリング加工部に軸を挿通した状態で保持し、プッシュロッドとブレーキペダルとを軸によって連結する。
ところで、自動車の運転時にはブレーキペダルが強い力で踏み込まれる場合があり、ブレーキペダルの設計時には、強い力で踏み込まれる操作が繰り返し行われたとしても耐え得るように高い耐久強度を持たせた設計を行う必要がある。
本発明者が実験したところ、バーリング加工部で軸を受けるようにした場合、ある一定の耐久強度は有するものの、それ以上の領域ではバーリング加工部に亀裂が発生してしまうことがあった。また、加工直後におけるバーリング加工部の先端はエッジのような部分があり、この部分が軸の外周面に当たるとスムーズに摺動しなくなるおそれがあった。
このことを回避するためには、ブッシュやカラー等の軸受部材をブレーキペダル本体と軸との間に設けなければならず、部品点数の増加を招くという問題があった。
また、ブレーキペダル以外の操作ペダルにおいても、軸受部分の耐久強度をより一層高めたいという要求がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、部品点数の増加を招くことなく、操作ペダルのスムーズな動きを実現するとともに、耐久強度をより一層高めることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、バーリング加工部で軸を支持する場合に、バーリング加工部の突出方向先端部を軸の外周面から離すように形成した。
第1の発明は、自動車に設けられる操作ペダルにおいて、金属製の板材からなり、当該板材における孔の周縁部を板厚方向一方へ突出させるバーリング加工が施されたバーリング加工部を有するペダル本体と、前記バーリング加工部に挿通されて回動可能に支持される軸とを備え、前記バーリング加工部の突出方向先端部は、前記軸の外周面から離れるように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ペダル本体が金属製の板材からなり、この板材にバーリング加工を施すことによって形成されたバーリング加工部に軸が挿通されて回動可能に支持される。この状態でバーリング加工部の突出方向先端部が軸の外周面から離れることになるので、バーリング加工部の先端部のエッジのような部分が軸の外周面に当たることはなく、軸がスムーズに摺動するようになる。また、バーリング加工部の先端部が軸の外周面から離れることで、バーリング加工部の先端部に対して力が直接的に作用し難くなり、バーリング加工部に亀裂が発生し難くなる。
尚、上記操作ペダルとしては、例えばブレーキペダルやクラッチペダル等を挙げることができる。
第2の発明は、前記バーリング加工部の内周面における突出方向先端部には、面取り加工が施されていることを特徴とする。
この構成によれば、バーリング加工部の内周面における突出方向先端部に面取り加工を施すことにより、バーリング加工部の突出方向先端部が軸の外周面から離れる形状を容易に得ることが可能になる。
第3の発明は、前記バーリング加工部の突出方向先端部は、前記軸の外周面から離れる方向に湾曲成形されていることを特徴とする。
この構成によれば、バーリング加工部の突出方向先端部を湾曲成形することにより、バーリング加工部の突出方向先端部が軸の外周面から離れる形状を容易に得ることが可能になる。
第4の発明は、前記バーリング加工部の突出方向先端部は、前記軸の外周面から離れる方向に折り曲げられていることを特徴とする。
この構成によれば、バーリング加工部の突出方向先端部を折り曲げることにより、バーリング加工部の突出方向先端部が軸の外周面から離れる形状を容易に得ることが可能になる。
第5の発明は、前記ペダル本体は、前記軸方向一方側を構成する第1板材と前記軸方向他方側を構成する第2板材とを組み合わせて構成され、前記第1板材は、当該第1板材における孔の周縁部を前記第2板材側へ突出させるバーリング加工が施された第1バーリング加工部を有し、前記第2板材は、前記第1バーリング加工部に対応するように、当該第2板材における孔の周縁部を前記第1板材側へ突出させるバーリング加工が施された第2バーリング加工部を有し、前記第1バーリング加工部と前記第2バーリング加工部とは同軸上に位置付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、第1板材と第2板材とを組み合わせてペダル本体を構成する場合に、第1バーリング加工部及び第2バーリング加工部によって軸が支持される。
第6の発明は、前記第1バーリング加工部の突出方向先端部と、前記第2バーリング加工部の突出方向先端部とは、前記軸方向に間隔をあけて配置されることを特徴とする。
この構成によれば、第1バーリング加工部と第2バーリング加工部とが互いに接触しないようになっているので、接触による両バーリング加工部の変形が抑制される。
第1の発明によれば、バーリング加工部の突出方向先端部が軸の外周面から離れるように形成されているので、操作ペダルの動きがスムーズになるとともに、バーリング加工部に亀裂が発生し難くなって耐久強度をより一層高めることができる。
第2の発明によれば、バーリング加工部の突出方向先端部が軸の外周面から離れる形状を面取り加工によって容易に得ることができる。
第3の発明によれば、バーリング加工部の突出方向先端部が軸の外周面から離れる形状を湾曲成形によって容易に得ることができる。
第4の発明によれば、バーリング加工部の突出方向先端部を折り曲げることにより、軸の外周面から離れる形状を容易に得ることができる。
第5の発明によれば、ペダル本体を構成する第1板材及び第2板材にそれぞれ第1バーリング加工部及び第2バーリング加工部を設け、これら両バーリング加工部によって軸をスムーズにかつ安定して支持することができる。
第6の発明によれば、第1バーリング加工部の突出方向先端部と、第2バーリング加工部の突出方向先端部とが間隔をあけて配置されているので、接触による両バーリング加工部の変形を抑制することができ、軸のスムーズな摺動を長期間に亘って維持することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るブレーキペダル1がペダルブラケット2に支持された状態を示す斜視図である。このブレーキペダル1は、図示しないが自動車の車室内の前部に設けられており、乗員が足で踏み込むことによって操作される部材である。ペダルブラケット2は、図示しないが、車室と、その前方に設けられているエンジンルームとを仕切るダッシュパネルに固定されるようになっている。ダッシュパネルは、上下方向及び左右方向に延びる鋼板等で構成されている。
尚、実施形態の説明では、説明の簡略化するために、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車幅方向左側を単に「左」といい、車幅方向右側を単に「右」というものとする。また、本発明は、ブレーキペダル1以外にも例えばクラッチペダル等にも適用可能である。
ダッシュパネルのエンジンルーム側には、従来から周知の構造のブレーキマスターシリンダー及びブレーキブースターが配設されている。ブレーキペダル1は、ブレーキブースターを操作するものであり、ブレーキブースターの操作によってブレーキマスターシリンダーが作動してブレーキ圧が発生するようになっている。図1や図2に示すように、ブレーキブースターにはプッシュロッドAが設けられている。このプッシュロッドAは、ダッシュパネルを貫通して車室内まで延びている。
(ペダルブラケット2の構成)
ペダルブラケット2は、左側板部20及び右側板部21と、連結板部22と、レバー部材23と、支軸24とを備えている。左側板部20と右側板部21とは左右方向に所定の間隔をあけて配置されている。左側板部20の前端部には、左側へ屈曲してダッシュパネルに沿って延びる左側取付部20aが形成されている。右側板部21の前端部には、右側へ屈曲してダッシュパネルに沿って延びる右側取付部21aが形成されている。左側取付部20a及び右側取付部21aは、ダッシュパネルに対して締結部材(図示せず)により締結固定されている。
ペダルブラケット2は、左側板部20及び右側板部21と、連結板部22と、レバー部材23と、支軸24とを備えている。左側板部20と右側板部21とは左右方向に所定の間隔をあけて配置されている。左側板部20の前端部には、左側へ屈曲してダッシュパネルに沿って延びる左側取付部20aが形成されている。右側板部21の前端部には、右側へ屈曲してダッシュパネルに沿って延びる右側取付部21aが形成されている。左側取付部20a及び右側取付部21aは、ダッシュパネルに対して締結部材(図示せず)により締結固定されている。
連結板部22は、左側板部20の後部と、右側板部21の後部とを連結するための部材である。レバー部材23は、例えば特開2012−83858号公報に開示されているように、車両の前突時に車体側部材と共働してブレーキペダル1を下方へ脱落させるための部材であり、通常時にはブレーキペダル1の動作に関係しない部材であるため、この実施形態では説明を省略する。
支軸24は、左右方向に略水平に延びており、ブレーキペダル1を前後方向に揺動可能にペダルブラケット2に対して支持するための部材である。支軸24の左端部は左側板部20に固定される一方、支軸24の右端部は右側板部21に固定されている。例えば図3に一部を示すように、支軸24は、ボルト24a及びナット24bと、ボルト24aの軸に嵌めたカラー24c等で構成することができる。この場合、ボルト24a及びナット24bの締結力によって支軸24を左側板部20及び右側板部21に固定しておくことができる。
(ブレーキペダル1の構成)
ブレーキペダル1は、上下方向に長いペダル本体10と、踏面部11と、ブレーキブースターのプッシュロッドAをペダル本体10に連結するための軸13とを備えている。ペダル本体10の上端部は、支軸24によってペダルブラケット2に支持されている。また、踏面部11は、ペダル本体10の下端部に設けられている。
ブレーキペダル1は、上下方向に長いペダル本体10と、踏面部11と、ブレーキブースターのプッシュロッドAをペダル本体10に連結するための軸13とを備えている。ペダル本体10の上端部は、支軸24によってペダルブラケット2に支持されている。また、踏面部11は、ペダル本体10の下端部に設けられている。
図3に示すように、ペダル本体10は、左側(軸13方向一方側)を構成する左側板材(第1板材)14と、右側(軸13方向他方側)を構成する右側板材(第2板材)15とを組み合わせて構成されている。左側板材14及び右側板材15は、ペダル本体10の形状に対応して上下方向に長くなっており、共に鋼板をプレス成形してなるものである。図4に示すように、左側板材14の前縁部には、左側前フランジ部14aが前方へ突出して上下方向に延びるように形成され、また、左側板材14の後縁部には、左側後フランジ部14bが後方へ突出して上下方向に延びるように形成されている。左側板材14の左側前フランジ部14aと左側後フランジ部14bとの間の部分は、左側へ膨出するように形成されている。
右側板材15の前縁部には、上記左側前フランジ部14aと一致する形状の右側前フランジ部15aが前方へ突出して上下方向に延びるように形成され、また、右側板材15の後縁部には、上記左側後フランジ部14bと一致する形状の右側後フランジ部15bが後方へ突出して上下方向に延びるように形成されている。右側板材15の右側前フランジ部15aと右側後フランジ部15bとの間の部分は、右側へ膨出するように形成されている。
左側板材14の左側前フランジ部14aと、右側板材15の右側前フランジ部15aとが溶接等により接合され、また、左側板材14の左側後フランジ部14bと、右側板材15の右側後フランジ部15bとが溶接等により接合されている。これにより、中空状のペダル本体10が構成されている。
図1及び図2に示すように、ペダル本体10の支軸24によって支持された部分と、踏面部11が設けられた部分との間には、ブレーキブースターのプッシュロッドAの後端部が連結されている。すなわち、図4に示すように、ペダル本体10の左側板材14の上下方向中間部には、右側へ窪む左側凹部14cが形成され、また、右側板材15の上下方向中間部には、左側凹部14cと同じ高さに、左側へ窪む右側凹部15cが形成されている。また、プッシュロッドAの後端部は、左右方向に分岐しており、左側部A1と、右側部A2とを有している。左側部A1と右側部A2との間に、ペダル本体10における左側凹部14c及び右側凹部15cが形成された部分が挿入されるようになっている。左側部A1は、左側板材14の左側凹部14cが形成された部分に沿って延びるように形成され、また、右側部A2は、右側板材15の右側凹部15cが形成された部分に沿って延びるように形成されている。左側部A1及び右側部A2には、それぞれ左右方向に貫通する貫通孔A3、A4が同軸上に位置するように形成されている。貫通孔A3、A4は円形である。
左側板材14の左側凹部14cには、左右方向(板厚方向)に貫通する円形の左側軸挿通孔14dが形成されている。左側軸挿通孔14dと、貫通孔A3、A4とは、同軸上に位置するとともに、略同じ内径とすることができる。左側板材14の左側軸挿通孔14dの周縁部には、当該周縁部を右側(板厚方向一方)へ突出させるようにバーリング加工が施された左側バーリング加工部(第1バーリング加工部)14eが設けられている。バーリング加工は、従来から周知の加工方法であることから詳細な説明は省略するが、バーリング加工機が有する金型等を使用して左側軸挿通孔14dの周縁部に立ち上がり部分やフランジ部分を一体成形する加工方法である。バーリング加工によって形成された左側バーリング加工部14eは、左側軸挿通孔14dの周方向に連続しているとともに、突出方向の寸法が所定寸法となるように設定されている。
左側バーリング加工部14eの突出方向先端部(右端部)は、軸13の外周面から離れるように形成されている。具体的には、図5に示すように、左側バーリング加工部14eの内周面における突出方向先端部には、面取り加工が施されており、これにより軸13の中心線方向に対して傾斜する傾斜面14fが形成される。傾斜面14fは、右側へ行くほど軸13の外周面から離れるように傾斜している。これにより、傾斜面14fと軸13の外周面との間に隙間を形成することができる。傾斜面14fにおける軸13の中心線方向の長さは、例えば0.5mm以上2.0mm以下に設定することができ、この範囲の傾斜面14fを設けることで後述するように耐久強度が飛躍的に向上する。傾斜面14fは、バーリング加工工程の後に後工程で形成することができる。傾斜面14fは、左側バーリング加工部14eの突出方向先端部を塑性加工することによって形成することができる他、左側バーリング加工部14eの突出方向先端部を一部だけ切除することによって形成することもできる。
右側板材15の右側凹部15cには、左右方向(板厚方向)に貫通する円形の右側軸挿通孔15dが形成されている。右側軸挿通孔15dと、左側軸挿通孔14dとは、同軸上に位置するとともに、略同じ内径とすることができる。右側板材15の右側軸挿通孔15dの周縁部には、当該周縁部を左側へ突出させるようにバーリング加工が施された右側バーリング加工部(第2バーリング加工部)15eが設けられている。右側バーリング加工部15eは、左側バーリング加工部14eと同様に構成されており、右側バーリング加工部15eと左側バーリング加工部14eとは、同軸上に位置付けられている。
右側バーリング加工部15eの突出方向先端部(左端部)は、軸13の外周面から離れるように形成されている。具体的には、図5に示すように、右側バーリング加工部15eの内周面における突出方向先端部には、面取り加工が施されており、これにより軸13の中心線方向に対して傾斜する傾斜面15fが形成される。傾斜面15fは、左側へ行くほど軸13の外周面から離れるように傾斜している。これにより、傾斜面15fと軸13の外周面との間に隙間を形成することができる。
また、左側バーリング加工部14eの突出方向先端部と、右側バーリング加工部15eの突出方向先端部とは、軸13方向に間隔をあけて配置されている。これにより、左側バーリング加工部14eの突出方向先端部と、右側バーリング加工部15eの突出方向先端部との間に隙間ができることになるので、左側バーリング加工部14eと右側バーリング加工部15eとの接触を回避することができる。
軸13は、大径の頭部13aと、頭部13aよりも小径の挿入部13bとを有している。挿入部13bは、例えば、プッシュロッドAの左側から右側へ挿入することができ、この場合、プッシュロッドAの貫通孔A4、左側軸挿通孔14d、左側バーリング加工部14e、右側バーリング加工部15e、右側軸挿通孔15d、プッシュロッドAの貫通孔A3の順に挿入することができる。挿入部13bの挿入後は、例えば止め輪やかしめ等によって抜け止めを行うことができる。挿入部13bは、左側軸挿通孔14d、左側バーリング加工部14e、右側バーリング加工部15e及び右側軸挿通孔15dに挿入された状態で回動可能に支持されている。
尚、ペダル本体10にはプッシュロッドAからの反力が常時作用しており、従ってペダル本体10は、踏力が作用しない状態では後端位置で保持される。また、ペダル本体10に対してリターンスプリング(図示せず)による力を作用させるようにしてもよい。
(ブレーキペダル1の動作)
ブレーキペダル1の踏面部11に対して前方へ向けて力(踏力)が作用すると、ペダル本体10は支軸24周りに前方へ向けて揺動し、軸13によりペダル本体10に連結されているプッシュロッドAが前方へ移動し、これにより、ブレーキ力が発生する。ペダル本体10が揺動するとき、バーリング加工部14e、15eの突出方向先端部が軸13の外周面から離れているので、バーリング加工部14e、15eの先端部のエッジのような部分が軸13の外周面に当たることはなく、軸13がスムーズに摺動するようになる。また、バーリング加工部14e、15eの先端部が軸13の外周面から離れることで、バーリング加工部14e、15eの先端部に対して力が直接的に作用し難くなり、バーリング加工部14e、15eに亀裂が発生し難くなる。
ブレーキペダル1の踏面部11に対して前方へ向けて力(踏力)が作用すると、ペダル本体10は支軸24周りに前方へ向けて揺動し、軸13によりペダル本体10に連結されているプッシュロッドAが前方へ移動し、これにより、ブレーキ力が発生する。ペダル本体10が揺動するとき、バーリング加工部14e、15eの突出方向先端部が軸13の外周面から離れているので、バーリング加工部14e、15eの先端部のエッジのような部分が軸13の外周面に当たることはなく、軸13がスムーズに摺動するようになる。また、バーリング加工部14e、15eの先端部が軸13の外周面から離れることで、バーリング加工部14e、15eの先端部に対して力が直接的に作用し難くなり、バーリング加工部14e、15eに亀裂が発生し難くなる。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態に係るブレーキペダル1によれば、バーリング加工部14e、15eの突出方向先端部が軸13の外周面から離れるように形成されているので、ブレーキペダル1の動きがスムーズになるとともに、バーリング加工部14e、15eに亀裂が発生し難くなって耐久強度をより一層高めることができる。
以上説明したように、この実施形態に係るブレーキペダル1によれば、バーリング加工部14e、15eの突出方向先端部が軸13の外周面から離れるように形成されているので、ブレーキペダル1の動きがスムーズになるとともに、バーリング加工部14e、15eに亀裂が発生し難くなって耐久強度をより一層高めることができる。
耐久強度については、例えば、ペダルブラケット2にブレーキペダル1を取り付けた状態でプッシュロッドAをブレーキペダル1に連結し、踏面部11に所定の踏力を繰り返し加える試験によって判定することができる。傾斜面14f、15fを形成しないバーリング加工部14e、15eの場合、即ち、バーリング加工部14e、15eの内周面の先端部が軸13の外周面に接触している場合と、傾斜面14f、15fを形成したバーリング加工部14e、15eの場合とを比べると、バーリング加工部14e、15eに亀裂が発生するまでの繰り返し回数は、バーリング加工部14e、15eの内周面の先端部が軸13の外周面に接触している場合に対して、傾斜面14f、15fを形成したバーリング加工部14e、15eの場合は5倍以上であった。
また、バーリング加工部14e、15eの突出方向先端部が軸13の外周面から離れる形状を面取り加工によって容易に得ることができる。
また、ペダル本体10を構成する左側板材14及び右側板材15にそれぞれバーリング加工部14e、15eを設け、これら両バーリング加工部14e、15eによって軸13をスムーズにかつ安定して支持することができる。
さらに、左側バーリング加工部14eの突出方向先端部と、右側バーリング加工部15eの突出方向先端部とが間隔をあけて配置されているので、接触による両バーリング加工部14e、15eの変形を抑制することができ、軸13のスムーズな摺動を長期間に亘って維持することができる。
尚、図6(A)に示す実施形態の変形例1のように、左側バーリング加工部14e及び右側バーリング加工部15eの突出方向先端部が、軸13の外周面から離れる方向に湾曲成形されていてもよい。これにより、左側バーリング加工部14eの突出方向先端部に湾曲部14gが形成され、また、右側バーリング加工部15eの突出方向先端部に湾曲部15gが形成される。湾曲部14g、15gを形成することで、左側バーリング加工部14e及び右側バーリング加工部15eの突出方向先端部が径方向外方へ突出することになる。
また、図6(B)に示す実施形態の変形例2のように、左側バーリング加工部14e及び右側バーリング加工部15eの突出方向先端部が、軸13の外周面から離れる方向に折り曲げられていてもよい。これにより、左側バーリング加工部14eの突出方向先端部に折曲部14hが形成され、また、右側バーリング加工部15eの突出方向先端部に折曲部15hが形成される。折曲部14h、15hを形成することで、左側バーリング加工部14e及び右側バーリング加工部15eの突出方向先端部が径方向外方へ突出することになる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係るブレーキペダルは、例えば自動車の車室内に設けることができる。
1 ブレーキペダル(操作ペダル)
10 ペダル本体
13 軸
14 左側板材(第1板材)
14d 左側軸挿通孔
14e 左側バーリング加工部
14f 傾斜面
15 右側板材(第2板材)
15d 右側軸挿通孔
15e 右側バーリング加工部
15f 傾斜面
10 ペダル本体
13 軸
14 左側板材(第1板材)
14d 左側軸挿通孔
14e 左側バーリング加工部
14f 傾斜面
15 右側板材(第2板材)
15d 右側軸挿通孔
15e 右側バーリング加工部
15f 傾斜面
Claims (6)
- 自動車に設けられる操作ペダルにおいて、
金属製の板材からなり、当該板材における孔の周縁部を板厚方向一方へ突出させるバーリング加工が施されたバーリング加工部を有するペダル本体と、
前記バーリング加工部に挿通されて回動可能に支持される軸とを備え、
前記バーリング加工部の突出方向先端部は、前記軸の外周面から離れるように形成されていることを特徴とする操作ペダル。 - 請求項1に記載の操作ペダルにおいて、
前記バーリング加工部の内周面における突出方向先端部には、面取り加工が施されていることを特徴とする操作ペダル。 - 請求項1に記載の操作ペダルにおいて、
前記バーリング加工部の突出方向先端部は、前記軸の外周面から離れる方向に湾曲成形されていることを特徴とする操作ペダル。 - 請求項1に記載の操作ペダルにおいて、
前記バーリング加工部の突出方向先端部は、前記軸の外周面から離れる方向に折り曲げられていることを特徴とする操作ペダル。 - 請求項1から4のいずれか1つに記載の操作ペダルにおいて、
前記ペダル本体は、前記軸方向一方側を構成する第1板材と前記軸方向他方側を構成する第2板材とを組み合わせて構成され、
前記第1板材は、当該第1板材における孔の周縁部を前記第2板材側へ突出させるバーリング加工が施された第1バーリング加工部を有し、
前記第2板材は、前記第1バーリング加工部に対応するように、当該第2板材における孔の周縁部を前記第1板材側へ突出させるバーリング加工が施された第2バーリング加工部を有し、
前記第1バーリング加工部と前記第2バーリング加工部とは同軸上に位置付けられていることを特徴とする操作ペダル。 - 請求項5に記載の操作ペダルにおいて、
前記第1バーリング加工部の突出方向先端部と、前記第2バーリング加工部の突出方向先端部とは、前記軸方向に間隔をあけて配置されることを特徴とする操作ペダル。
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JP2007253910A (ja) * | 2006-03-27 | 2007-10-04 | Denso Corp | 自動二輪車用熱交換器およびその製造方法 |
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