JP6711313B2 - ペダル支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ペダル支持構造に関し、特に、ペダルブラケットを介してブレーキペダルが車体に支持されるペダル支持構造に関するものである。
従来から、ダッシュパネルと、当該ダッシュパネルよりも後方の車体部材(例えばインパネリーンフォースメントやカウルパネル等)と、に取り付けられるペダルブラケットによって、ブレーキペダルを支持するペダル支持構造が知られている。
この種のペダル支持構造では、前方衝突時に、ダッシュパネルおよびペダルブラケットの後退に伴って、ブレーキペダル(特にブレーキペダル下端部のペダルパッド)が運転者に近づくのを抑えるべく、後方に行くほど下方に傾斜する傾斜面を車体部材に設け、後退したペダルブラケットを、かかる傾斜面に沿って下降させることで、ペダルブラケット乃至ブレーキペダルを後傾させて、ペダルパッドを前方に移動させることが多い。
例えば特許文献1には、後下がり状のガイド面を形成するガイドブラケットとペダルブラケットとを連結する中間部材を備え、ペダルブラケットおよび中間部材をガイド面に沿って下降させる力が発生したときに、ガイドブラケットと中間部材とを連結するボルトが、中間部材に形成された切り欠き状の孔部から離脱することで、中間部材とガイドブラケットとの連結が解除されるように構成されたブレーキペダルの支持構造が開示されている。
この特許文献1のものでは、ガイドブラケットと中間部材との連結が解除されると、ガイドブラケットのガイド面によって、ペダルブラケットおよび中間部材がガイドされて車両後方下方に導かれる結果、ブレーキペダルの下部が車両後方上方に大きく移動することが阻止されるとされている。
特開2004−034839号公報
上記特許文献1のものは、前方衝突などに起因する後方への力によってペダルブラケットが後退することを前提にしているが、前方衝突には正面衝突のみならず例えば斜め衝突(オブリーク衝突)も含まれる。このような斜め衝突が発生すると、ペダルブラケットには、衝突により変形したダッシュパネル等を介して、後方への力のみならず、車幅方向への力が作用する場合がある。それ故、特許文献1のものでは、斜め衝突時に、後方且つ車幅方向への力がペダルブラケットに作用すると、切り欠き状の孔部とボルトとが抉ってしまい、孔部からボルトが離脱せず、ペダルブラケットおよび中間部材をガイド面に沿って下降させることが困難になる場合が想定される。
また、上記特許文献1のものでは、ブレーキペダルを支持するガイドブラケットの他に、汎用品ではない中間部材を必要とすることから、ブレーキペダルの支持構造が複雑になるという問題や、中間部材の製造や組み付けの分だけ工程が増えるため、コストが増大するという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ペダルブラケットを介してブレーキペダルが車体に支持されるペダル支持構造において、簡単な構造で、斜め衝突を含む前方衝突時におけるブレーキペダルの後退を抑制する技術を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係るペダル支持構造では、汎用品であるクリップナットを介してペダルブラケットを車体部材に取り付けるとともに、斜め衝突を含む前方衝突時にペダルブラケットに作用する力を利用して、ペダルブラケットをクリップナットから後方にスムーズに離脱させるようにしている。
具体的には、本発明は、ダッシュパネルと当該ダッシュパネルよりも後方の車体部材とに取り付けられるペダルブラケットによってブレーキペダルを支持するペダル支持構造を対象としている。
そして、上記ペダルブラケットは、上記車体部材に形成された取付け面に取り付けられる、開口部が形成された上壁部を備えており、上記車体部材は、後方に開口するように上記取付け面に固定されるクリップナットと、上記取付け面の後端から後方に行くほど下方に傾斜する傾斜面と、を有しており、上記上壁部は、上記開口部の後部を区画する部位が上記クリップナットによって挟持されているとともに、車幅方向外側から上記クリップナットに面接触し且つ前後方向に延びるガイド部を備えていることを特徴とするものである。
この構成では、ペダルブラケットは、ダッシュパネルに取り付けられているとともに、上壁部における開口部の後部を区画する部位(以下、被挟持部ともいう)がクリップナットによって挟持されことで、車体部材に取り付けられている。
それ故、例えば正面衝突のように、ダッシュパネルの変形(後退)に伴って、後方への力がペダルブラケットに作用する場合には、被挟持部がクリップナットからスムーズに後方に抜けることで、上壁部と車体部材との取付け係合が解かれることになる。そうして、上壁部と車体部材との取付け係合が解かれると、車体部材に対してペダルブラケットが後退し、それに伴い取付け面から後退した上壁部が、傾斜面に沿って下降することになる。これにより、ペダルブラケット乃至ブレーキペダルを後傾させることが、換言すると、ブレーキペダル下端部のペダルパッドを前方に移動させることができるので、ブレーキペダルが後退するのを抑制することができる。
また、例えば助手席側への斜め衝突の場合には、運転席側のダッシュパネルは、通常、後退しないので、そもそもブレーキペダルの後退は生じ難い。
一方、例えば運転席側への斜め衝突のように、ダッシュパネルの変形に伴って、後方、且つ、運転席側から助手席側(ブレーキペダルを基準とすれば車幅方向内側)への力がペダルブラケットに作用する場合には、ペダルブラケットに作用する車幅方向内側への力により、車体部材に固定されたクリップナットに対して、ペダルブラケットの上壁部におけるガイド部が車幅方向外側から押し付けられることになる。このように、ペダルブラケットに作用する車幅方向内側への力により、前後方向に延びるガイド部がクリップナットに押し付けられた状態で、後方への力がペダルブラケットに作用することで、ガイド部がクリップナットに面接触しながら、ほぼ真っ直ぐ後方に滑ることになる。
つまり、本発明では、ペダルブラケットを後方且つ車幅方向内側に変位させようとする力が、前後方向に延びるガイド部によって、ペダルブラケットをガイドしながら、ほぼ真っ直ぐ後方に変位させる力に変換されるので、被挟持部をクリップナットから後方にスムーズに離脱させて、上壁部と車体部材との取付け係合を解くことが可能になる。また、ガイド部をクリップナットに面接触させることによって、ガイド部のクリップナットへの当たり方を安定化させるとともに、ペダルブラケット乃至ガイド部をほぼ真っ直ぐ後方に変位させることから、被挟持部やガイド部等といった上壁部の部位とクリップナットとが抉るのを抑えることができる。
このように、上壁部と車体部材との取付け係合が解かれると、車体部材に対してペダルブラケットが後退し、それに伴い取付け面から後退した上壁部が傾斜面に沿って下降することで、ペダルブラケット乃至ブレーキペダルを後傾させることができ、これにより、ブレーキペダル(特にブレーキパッド)が後退するのを抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、正面衝突、運転席側への斜め衝突といった前方衝突時に、汎用品であるクリップナットを用いた簡単な構造で、ブレーキペダルの後退を抑制することが可能となることから、ブレーキペダルの支持構造が複雑になったり、製造コスト等が増大したりするのを抑えることができる。
以上説明したように、本発明に係るペダル支持構造によれば、簡単な構造で、斜め衝突を含む前方衝突時におけるブレーキペダルの後退を抑制することができる。
本発明の実施形態に係るペダル支持構造を模式的に示す図である。 ペダルブラケットを模式的に示す斜視図である。 ペダルブラケットとインパネリーンフォースとの取付け箇所の拡大図である。 ペダルブラケットの上壁部を模式的に示す斜視図である。 運転席側への斜め衝突を模式的に示す図である。 斜め衝突時におけるクリップナットに対するペダルブラケットの変位を模式的に説明する図である。 運転席側への斜め衝突時におけるペダル支持構造の変形過程を説明するブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。なお、図中のFRは車両前後方向前側(前方)を、図中のUPは上下方向上側を、図中のRHは車幅方向右側をそれぞれ示している。また、以下では、本実施形態のペダル支持構造を備える車両50(図5参照)が、車幅方向中央よりも左側に運転席が設定された所謂左ハンドル車である場合について説明する。
−ペダル支持構造−
図1は、本実施形態に係るペダル支持構造を模式的に示す図である。このペダル支持構造は、図1に示すように、エンジンルーム(またはモータルーム)Rと車室Sとを区画するダッシュパネル20と、当該ダッシュパネル20よりも後方に位置し、ステアリングシャフト(図示せず)を支持する強度部材であるインパネリーンフォース(車体部材)30と、に取り付けられるペダルブラケット1によってブレーキペダル2を支持するように構成されている。
図2は、ペダルブラケット1を模式的に示す斜視図である。ペダルブラケット1は、ブレーキペダル2を挟むように車幅方向に対向し且つ前端部がダッシュパネル20に取り付けられる一対の側壁部3,4と、これら一対の側壁部3,4の上端部同士を車幅方向に繋ぎ且つインパネリーンフォース30に取り付けられる上壁部5と、を備えている。なお、図2では、後述するクリップナット40が、ペダルブラケット1の上壁部5の被挟持部6を挟持した状態を示している。
一対の側壁部3,4を構成する、左側(ブレーキペダル2を基準として車幅方向外側)の側壁部3、および、右側(ブレーキペダル2を基準として車幅方向内側)の側壁部4には、それらの前端部を車幅方向内側に折り曲げたフランジ部3a,4aがそれぞれ形成されている。これら一対の側壁部3,4は、図1に示すように、フランジ部3a,4aがそれぞれボルト21を介してダッシュパネル20に固定されることで、運転席前方のダッシュパネル20にそれぞれ取り付けられている。また、側壁部3および側壁部4には、車幅方向に貫通する貫通孔(図示せず)がそれぞれ形成されている。
上壁部5は、図2に示すように、ペダルブラケット1の上部に設けられていて、車幅方向外側の側壁部3の上端部と、車幅方向内側の側壁部4の上端部とを車幅方向に繋いでいるとともに、図1に示すように、インパネリーンフォース30に形成された取付け面31に、クリップナット40によって取り付けられている。
ペダルブラケット1によって支持されるブレーキペダル2は、図1に示すように、ペダルアーム部16と、当該ペダルアーム部16の下端部に設けられたペダルパッド17と、当該ペダルアーム部16の上端部に設けられた回転軸部(図示せず)と、を有している。ペダルアーム部16には、ペダルブラケット1に設けられたスプリング支持部14に取り付けられたリターンスプリング15が係止されている。回転軸部は、例えば、ペダルアーム部16の上端部に形成された貫通孔(図示せず)に圧入された円筒状のボス(図示せず)と、当該ボスの両端部にそれぞれ嵌入された円筒状のブッシュ(図示せず)と、両ブッシュに跨るように挿入された円筒状のカラー(図示せず)とで構成されている。この回転軸部は、車幅方向内側の側壁部4の貫通孔から挿入され、カラー内部を通って、車幅方向外側の側壁部3の貫通孔から抜け出た取付けボルト18の先端部にナット19を螺合させることで、一対の側壁部3,4に軸支されている。
ダッシュパネル20の前方には、制動液圧を発生させる制動液圧発生装置(図示せず)が設けられている。制動液圧発生装置は、ブレーキブースタやマスタシリンダ等を備えていて、車両50の各車輪に設けられた制動装置(図示せず)と接続されている。ブレーキペダル2は、連結アーム(図示せず)やプッシュロッド(図示せず)を介して制動液圧発生装置と接続されている。
このように構成されたブレーキペダル2は、運転者がペダルパッド17を踏み込むと、カラー周りにボスが回動することで、図1の白抜き矢印で示すように初期位置(図1に示す位置)から前方へ揺動するようになっている。このように、ブレーキペダル2が揺動すると、連結アームがペダルブラケット1に対して回動するのに伴ってプッシュロッドが前方に移動し、これにより、制動液圧発生装置が作動することで、各制動装置から各車輪に対して制動力が付与される。
一方、ペダルアーム部16に係止したリターンスプリング15によって、ブレーキペダル2は初期位置に復帰する方向へ常時付勢されていることから、運転者がペダルパッド17を踏む力を弱めると、図1の黒塗り矢印で示すように、ブレーキペダル2が初期位置に復帰するようになっている。
図3は、ペダルブラケット1とインパネリーンフォース30との取付け箇所の拡大図である。インパネリーンフォース30は、図3に示すように、ペダルブラケット1の上壁部5が取り付けられる、略水平に形成された取付け面31と、この取付け面31の後端から後方に行くほど下方に傾斜するように形成された傾斜面32と、を有している。この取付け面31には、上下に貫通するボルト挿通孔31aが形成されている。そうして、取付け面31には、ボルト挿通孔31aに挿通されたボルト33を介して、後方に開口するような姿勢でクリップナット40が固定されている。
クリップナット40は、汎用品であり、例えば金属板を扁平なU字形に折り曲げることで形成されるクリップ部41と、当該クリップ部41に溶接されたナット42と、を備えている。クリップ部41は、上下方向に対向する上板部43と下板部44とが折曲部45により一体的に連設されたU形クリップであり、上板部43および下板部44には、上下方向に対向するようにボルト挿通孔43a,44aがそれぞれ形成されている。ナット42は、当該ナット42のねじ孔とボルト挿通孔44aとが一致するように、下板部44の下面に溶接されている。
このようなクリップナット40が設けられたインパネリーンフォース30では、上板部43と下板部44との間に対象物を挟むように、クリップ部41に対象物を挿し込み、ボルト挿通孔31aから挿通されてボルト挿通孔43a,44aを通ったボルト33をナット42に螺合させて締め付けることで、上板部43と下板部44とで対象物を挟持して、取付け面31に取り付けるようになっている。
図4は、ペダルブラケット1の上壁部5を模式的に示す斜視図である。上壁部5には、クリップナット40の面積よりも大きい開口面積を有する略矩形状の開口部10が形成されている。また、上壁部5における開口部10の後部を区画する部位6(以下、被挟持部6ともいう)には、後方に延びる切欠き溝7が形成されている。上壁部5における切欠き溝7の車幅方向内側(右側)の側部を区画する側縁部7aは、前後方向に真っ直ぐ延びている。これに対し、上壁部5における切欠き溝7の車幅方向外側(左側)の側部を区画する側縁部は、側縁部7bと側縁部7dとが段差7cを介して繋がることで略S字状をなしている。このような段差7cを設けることで、切欠き溝7は、その前後方向後側の溝幅よりも、その前後方向前側の溝幅の方が広くなっている。
さらに、上壁部5における開口部10の車幅方向外側の側部を区画する部位8には、当該部位8から車幅方向内側へ突出し、前後方向に延びるガイド部9が設けられている。ガイド部9は、先端部が下方に折り曲げられることで、前後方向に見て断面略L字状に形成されている。それ故、ガイド部9の車幅方向内側の端は、前後方向に延びる端面(ガイド面9a)を構成している。
このように形成された上壁部5は、図2および図3に示すように、取付け面31にクリップナット40を固定するボルト33が切欠き溝7に挿通された状態で、換言すると、ボルト33が側縁部7aと側縁部7bとの間に挟まれた状態で、被挟持部6がクリップナット40の上板部43と下板部44との間に挟持されている。そうして、被挟持部6がクリップナット40によって挟持された状態、換言すると、上壁部5がインパネリーンフォース30の取付け面31に取り付けられた状態では、図2に示すように、ガイド部9のガイド面9aが車幅方向外側からクリップナット40のクリップ部41に面接触している。
−前方衝突時におけるペダルブラケットの変位態様−
次に、前方衝突時における、上記ペダル支持構造でのペダルブラケット1の変位態様について説明する。
<正面衝突時>
正面衝突のように、ダッシュパネル20の変形(後退)に伴って、後方への力がペダルブラケット1に作用する場合には、被挟持部6がクリップナット40から後方にスムーズに抜けることで、上壁部5とインパネリーンフォース30との取付け係合が解かれることになる。このように、上壁部5とインパネリーンフォース30との取付け係合が解かれると、インパネリーンフォース30に対してペダルブラケット1が後退し、それに伴い取付け面31から後退した上壁部5が傾斜面32に沿って下降する。これにより、ペダルブラケット1乃至ブレーキペダル2を後傾させることが、換言すると、ペダルパッド17を前方に移動させることができるので、ブレーキペダル2が後退するのを抑制することができる。
<助手席側への斜め衝突時>
また、助手席側への斜め衝突の場合には、運転席側のダッシュパネル20は、通常、後退しないので、そもそもブレーキペダル2の後退は生じ難い。
<運転席側への斜め衝突時>
図5は、運転席側への斜め衝突を模式的に示す図であり、図6は、斜め衝突時におけるクリップナット40に対するペダルブラケット1の変位を模式的に説明する図であり、図7は、運転席側への斜め衝突時におけるペダル支持構造の変形過程を説明するブロック図である。なお、図6(a)、図6(b)および図(c)における、上段は上壁部5とクリップナット40との関係を模式的に示す平面図であり、中段は上壁部5とクリップナット40との関係を模式的に示す断面図であり、下段はペダルブラケット1およびブレーキペダル2の変位態様を模式的に示す側面図である。
図5に示すように、左ハンドル車である車両50の左斜め前方から他車両100が衝突する、運転席側への斜め衝突が発生すると(図7のB1)、車両前部が変形し(図7のB2)、図6(a)の下段の白抜き矢印で示すように、ダッシュパネル20が後方且つ車幅方向内側(運転席側から助手席側)へ変形する(図7のB3)。
かかるダッシュパネル20の変形に伴って、図6(a)の上段の矢印で示すように、ペダルブラケット1に後方且つ車幅方向内側への力Pが入力(作用)する(図7のB4)。この場合には、ペダルブラケット1に作用する車幅方向内側への力PXにより、インパネリーンフォース30に固定されたクリップナット40のクリップ部41に、車幅方向外側からガイド部9のガイド面9aが押し付けられる。
このように、ペダルブラケット1に作用する車幅方向内側への力PXにより、前後方向に延びるガイド部9のガイド面9aがクリップナット40のクリップ部41に押し付けられた状態で、後方への力PYがペダルブラケット1に作用することで、ガイド面9aがクリップ部41に面接触しながら、ほぼ真っ直ぐ後方に滑り始めることになる。このように、ガイド面9aがクリップ部41に面接触することによって、ガイド部9のクリップナット40への当たり方が安定するとともに、ガイド面9aがほぼ真っ直ぐ後方に滑り始めることから、ボルト33と側縁部7aおよび側縁部7bとが抉ることなく、ボルト33も切欠き溝7から離脱し始める。これらにより、ペダルブラケット1の上壁部5がクリップナット40から離脱を開始する(図7のB5)。
そうして、ガイド部9がクリップナット40に当たりながらペダルブラケット1が後退すると(図7のB6)、図6(b)の上段に示すように、ボルト33が、側縁部7aと側縁部7bとの間の狭い切欠き溝7から離脱し、側縁部7aと側縁部7dとの間の広い切欠き溝7に至るので、ボルト33と切欠き溝7とがより一層抉り難くなる。また、図2に示すように、ガイド面9aに押し付けられるクリップナット40と、開口部10の車幅方向内側(ガイド部9とは反対側)の側部を区画する側縁部との間には、隙間Gがあるので、上壁部5とクリップナット40とも抉り難くなる。それ故、上壁部5のクリップナット40からの離脱が促進され、図6(b)の下段の白抜き矢印で示すように、取付け面31から後退した上壁部5が傾斜面32に達し始める。
このように、本発明では、ペダルブラケット1を後方且つ車幅方向内側に変位させようとする力Pが、前後方向に延びるガイド面9aによって、ペダルブラケット1を左右(車幅方向)に振れないようにガイドしながら、ペダルブラケット1をほぼ真っ直ぐ後方に変位させる力PYに変換されるので、被挟持部6をクリップナット40から後方にスムーズに離脱させて、上壁部5とインパネリーンフォース30との取付け係合を解くことができる。また、ガイド面9aをクリップ部41に面接触させることによって、ガイド部9のクリップナット40への当たり方を安定化させるとともに、ペダルブラケット1乃至ガイド部9をほぼ真っ直ぐ後方に変位させることから、被挟持部6やガイド部9等といった上壁部5の部位とクリップナット40とが抉るのを抑えることができる。
そうして、図6(c)の上段および中段に示すように、ペダルブラケット1(上壁部5)のクリップナット40からの離脱が完了すると(図7のB7)、ペダルブラケット1(上壁部5)とインパネリーンフォース30との取付け係合が解かれることになる。
このように、ペダルブラケット1とインパネリーンフォース30との取付け係合が解かれると、インパネリーンフォース30に対してペダルブラケット1が後退し、それに伴い取付け面31から後退した上壁部5が傾斜面32に沿って下降する(図7のB8)ことで、図6(c)の下段の黒塗り矢印で示すように、ペダルブラケット1乃至ブレーキペダル2を後傾させることができる(図7のB9)。
これにより、図6(c)の下段の白抜き矢印で示すように、ペダルパッド17が前方に移動する(図7のB10)ので、斜め衝突であっても、ブレーキペダル2が後退するのを抑制することができる。
このように、本発明によれば、正面衝突、運転席側への斜め衝突といった前方衝突時に、汎用品であるクリップナット40を用いた簡単な構造で、ブレーキペダル2の後退を抑制することが可能となることから、ブレーキペダル2の支持構造が複雑になったり、製造コスト等が増大したりするのを抑えることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、車幅方向中央よりも左側に運転席が設定された所謂左ハンドル車に本発明を適用したが、これに限らず、車幅方向中央よりも右側に運転席が設定された所謂右ハンドル車に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、上壁部5における切欠き溝7の車幅方向外側の側部を区画する側縁部を、側縁部7bと側縁部7dとが段差7cを介して繋がるように形成したが、ボルト33と切欠き溝7とが抉り難くなるのであれば、これに限らず、例えば前方に行くほど切欠き溝7が広がるように、上壁部5における切欠き溝7の車幅方向外側の側部を区画する側縁部を車幅方向外側に傾斜して延びるように形成してもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、簡単な構造で、斜め衝突を含む前方衝突時におけるブレーキペダルの後退を抑制することができるので、ペダルブラケットを介してブレーキペダルが車体に支持されるペダル支持構造に適用して極めて有益である。
1 ペダルブラケット
2 ブレーキペダル
5 上壁部
6 被挟持部(開口部の後部を区画する部位)
9 ガイド部
10 開口部
20 ダッシュパネル
30 インパネリーンフォース(車体部材)
31 取付け面
32 傾斜面
40 クリップナット

Claims (1)

  1. ダッシュパネルと当該ダッシュパネルよりも後方の車体部材とに取り付けられるペダルブラケットによってブレーキペダルを支持するペダル支持構造であって、
    上記ペダルブラケットは、上記車体部材に形成された取付け面に取り付けられる、開口部が形成された上壁部を備えており、
    上記車体部材は、後方に開口するように上記取付け面に固定されるクリップナットと、上記取付け面の後端から後方に行くほど下方に傾斜する傾斜面と、を有しており、
    上記上壁部は、上記開口部の後部を区画する部位が上記クリップナットによって挟持されているとともに、車幅方向外側から上記クリップナットに面接触し且つ前後方向に延びるガイド部を備えていることを特徴とするペダル支持構造。
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