JP2020177213A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】ドット再現性、転写性および画像濃度に優れ、カブリを抑制したトナーを提供すること。【解決手段】トナー粒子に外添剤が被覆されているトナーであって、該トナーを慣性分級方式の分級機により、大粒径側と小粒径側とで個数基準で概ね均等に二分して得られる、大粒径側粒子群と小粒径側粒子群について、前記大粒径側粒子群と前記小粒径側粒子群の表面電荷密度の平均値の絶対値をそれぞれσl(C/m2)、σs(C/m2)としたとき、前記σlおよび前記σsが特定の関係を満たすことを特徴とするトナー。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、および、静電印刷方式などに用いられるトナーに関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及するに従い、更なる高速化、高画質化はもちろんのこと、画像濃度の安定化も要求されている。
具体的な高画質化対応策としては、ドット再現性を高めるため、小粒径のトナーが求められている。
そこで、特許文献1では、ドット再現性を高めるため、小粒径かつ粒度分布がシャープなトナーが提案されている。
さらに、特許文献2では、粒度分布にばらつきがあるトナーに対して、帯電性能や歩留まりを良くするため、ケイ酸微粒子の被覆率をその粒径範囲ごとに調整したトナーも提案されている。
また、具体的な画像濃度の安定化策としては、低湿環境下でも帯電量が大きくなりすぎないトナーが求められている。
そこで、特許文献3では、低湿環境下でも帯電量が大きくならない外添設計がなされたトナーが提案されている。
特開2016−128885号公報 特開2006−145800号公報 特開平04−316056号公報
特許文献1や特許文献3に記載のトナーは、粒径に依らず、一律のシェル層および無機微粒子の被覆率を有している。そのため、トナー表面の電荷密度は粒径に依らず一定である。すなわち、トナーの粒径が小さいほどトナーの表面積は小さいため、トナー1粒当たりの帯電量も小さい。帯電量が小さい小粒径のトナーは電界への追従性が悪い。その結果、電子写真方式における転写工程において、静電潜像担持体から中間転写体あるいはメディアへ電界を用いて転写を試みるも、トナーの転写性が低下する場合があった。
また、AC現像システムにおいては、引き戻しバイアスにより静電潜像担持体からトナーを引き離す力が弱いため、静電潜像担持体にトナーが付着したままとなり、カブリが発生する場合があった。
一方で、小粒径トナー1粒あたりの帯電量を大きくするために、無機微粒子の添加量を多くすると、単位質量当たりのトナーの帯電量が大きくなりすぎる。そのため、静電潜像が少量のトナーによって埋められてしまい、画像濃度が低下し、画像濃度安定性が低下する場合があった。
また、特許文献2に記載のトナーは、粒径範囲ごとに無機微粒子の被覆率を調整しているため、粒径によりトナー表面の電荷密度が異なる。特許文献2に記載の発明においては、粒径の小さいトナーの帯電性能を抑えるように被覆率を調整している。そのため、転写性が低下し、カブリが発生する場合があった。
そこで、本発明の目的は、ドット再現性、転写性および画像濃度安定性に優れ、カブリを抑制したトナーを提供することにある。
本発明に係るトナーは、
トナー粒子と外添剤とを有するトナーであって、
該トナーを慣性分級方式の分級機により、大粒径側と小粒径側とで個数基準で概ね均等に二分して得られる、大粒径側粒子群と小粒径側粒子群について、
前記大粒径側粒子群と前記小粒径側粒子群の表面電荷密度の平均値の絶対値をそれぞれσl(C/m)、σs(C/m)としたとき、前記σlおよび前記σsが、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする。
0.10≦σl/σs≦0.75・・・(1)
本発明によれば、ドット再現性、転写性および画像濃度安定性に優れ、カブリを抑制したトナーを提供することができる。
本発明に係るトナーの製造に用いられる熱球形化処理装置の図である。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限および上限を含む数値範囲を意味する。
本発明に係るトナーは、
トナー粒子と外添剤とを有するトナーであって、
該トナーを慣性分級方式の分級機により、大粒径側と小粒径側とで個数基準で概ね均等に二分して得られる、大粒径側粒子群と小粒径側粒子群について、
前記大粒径側粒子群と前記小粒径側粒子群の表面電荷密度の平均値の絶対値をそれぞれσl(C/m)、σs(C/m)としたとき、前記σlおよび前記σsが、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする。
0.10≦σl/σs≦0.75・・・(1)
上述のように、上記特許文献1〜3に記載されたような小粒径のトナーは、画像濃度安定性、転写性およびカブリの抑制に改善の余地があった。
そこで、本発明者等は、高画質な画像を形成でき、さらに画像濃度安定性、転写性およびカブリの抑制を向上させたトナーの検討を進めた。画質を向上させるためにトナーを小粒径化すると、トナー1粒当たりの表面積が低下し、トナー1粒当たりの帯電量も低下する。そのため、転写性やかぶりの抑制が低下する。一方で、従来から提案されているトナーの帯電量を上げる方法では、転写性およびカブリの抑制は改善されるものの、静電潜像が少量のトナーによって埋められてしまい、画像濃度が低下し、画像濃度安定性も低下した。
そこで、本発明者等は、さらに検討を進め、転写性およびカブリの抑制の低下と、画像濃度安定性の低下は、異なる粒径を有するトナーに起因することを見出した。
具体的には、転写性およびカブリの抑制の低下は、1粒当たりの帯電量が小さい微粉のトナーに起因する。一方、画像濃度安定性の低下は、従来の方法によりトナーの帯電量を上げると、微粉のトナーだけでなく、1粒当たりの質量が大きい粗粉のトナーの帯電量も大きくなり、結果として単位質量あたりの帯電量が大きくなることに起因する。そのため、それぞれの粒径ごとに課題の対策を施せば、従来の課題を解決できることを見出した。
本発明に係るトナーは、トナーを慣性分級方式の分級機により、大粒径側と小粒径側とで個数基準で概ね均等に二分して得られる、大粒径側粒子群と小粒径側粒子群について、前記大粒径側粒子群と前記小粒径側粒子群の表面電荷密度の平均値の絶対値をそれぞれσl(C/m)、σs(C/m)としたとき、前記σlおよび前記σsが、下記式(1)の関係を満たす。
0.10≦σl/σs≦0.75・・・(1)
尚、トナーを大粒径側粒子群と小粒径側粒子群とに分割する方法については後述する。両粒子群はいずれも、粒径に関して分布を有するものであり、大粒径側粒子群の中心粒径が、小粒径側粒子群の中心粒径よりも大きいという関係にある。また、大粒径側粒子群に含まれる最小の粒子が、小粒径側粒子群に含まれる最大の粒子よりも大きいという関係にはない。
σsおよびσlが式(1)の関係を満たすことにより、小粒径のトナー1粒あたりの帯電量を高くすることができ、小粒径のトナーの転写性およびカブリ性の抑制を向上させることが可能となる。さらに大粒径のトナー1粒あたりの帯電量は抑制されるため、トナーの単位質量当たりの帯電量が大きくなり過ぎず、画像濃度安定性も向上させることが可能となる。
より好ましくは、σsおよびσlが下記式(2)の関係を満たす。
0.10≦σl/σs≦0.67・・・(2)
σsおよびσlが式(2)の関係を満たすことにより、電界飛翔力の小さいトナーをより低減させることが可能となり、転写性およびカブリの抑制をさらに向上させることが可能となる。
トナーの表面電荷密度は、以下の方法により測定することが可能である。
まずトナーを、以下の条件で摩擦帯電させる。
23℃50%RHの環境下において、トナー0.7gと、画像学会標準キャリア(N−01)9.3gを容量50mLのポリ瓶に入れ、振蘯器(Model−YS−8D;株式会社ヤヨイ社製)を用いて200rpmにて5分間振蘯させる。
帯電させたトナーの表面電荷密度は、帯電量分布測定装置を用いて測定することが可能である。具体的には、E−spartアナライザー(株式会社ホソカワミクロン社製)を用いて測定することができる。E−spartアナライザーは、電場と音響場を同時に形成させた検知部(測定部)に試料粒子を導入し、レーザードップラー法で粒子の移動速度を測定して、粒径と帯電量とを測定する装置である。
なお、トナーを大粒径側粒子群と小粒径側粒子群とに分ける方法は以下のとおりである。
トナーを、慣性分級方式のエルボージェット分級機(日鉄鉱業社製)を用い、大粒径側と小粒径側とに個数基準で概ね均等に二分する。エルボージェットの運転条件であるフィード量・微粉分級エッジを適正化し、粗粉分級エッジを最大にして閉じることで、トナーを大粒径側粒子群と小粒径側粒子群に概ね均等に二分されるように調整する。
エルボージェットの運転条件の設定においては、先ず、大粒径側と小粒径側の風量が同じになるように風量調節弁を調整した上で、微粉分級エッジを動かし、大粒径側と小粒径側とに振り分けられる粒子数の差が8%程度になる位置を求める。その後、微粉分級エッジをその位置に固定して、大粒径側と小粒径側の風量調節弁を微調整し、大粒径側粒子群と小粒径側粒子群とが個数基準で均等に(粒子数の差が4%以下)二分されるように調整する。この際、例えば、フィード量を5kg/hrとし、エルボージェット内の微粉通過側の壁と微粉分級エッジの先端との距離を10〜15mmとすればよい。
大粒径側粒子群と小粒径側粒子群との粒子数の差が4%以下になる程度に二分して、それらの粒子群が本発明の規定を満たすのであれば、効果が十分に得られる。そのため、本発明における“概ね均等に二分する”とは、粒子数の差が4%以下になる程度に二分することを意味する。
測定によって得られた各粒径におけるトナー1粒あたりの帯電量から表面電荷密度σ(C/m)が算出される。具体的には、以下の計算式によって導くことができる。
σ=Q/πD
計算式中、Qはトナー1粒の帯電量(C)、Dはトナーの粒径(m)である。
また、小粒径側粒子群に含まれるトナーの1粒当たりの表面電荷密度の平均値の絶対値σsは、0.038C/m以上であることが好ましい。
この場合、小粒径のトナーの帯電量を大きくすることができ、電界飛翔力が低いトナーを少なくして、転写性およびカブリの抑制を向上させることがきる。
また、大粒径側粒子群に含まれるトナーの1粒当たりの表面電荷密度の平均値の絶対値σlは、0.028C/m以下であることが好ましい。
この場合、大粒径のトナーの帯電量が大きくなりすぎず、その結果、トナーの単位質量当たりの帯電量も大きくなりすぎず、画像濃度の低下を抑制することが可能となる。
また、小粒径側粒子群に含まれるトナーの1粒当たりの帯電量の平均値の絶対値Qsが、1.4fC以上であることが好ましい。このことにより、1粒あたりの帯電量が小さい粒子を少なくすることが可能であるため、カブリなどの画像欠陥を抑制することが可能となる。
また、大粒径側粒子群に含まれるトナーの1粒当たりの帯電量の平均値の絶対値Qlが、2.8fC以下であることが好ましい。このことにより、トナーの質量当たりの帯電量が高くなりすぎず、画像濃度の低下を抑えられる。
本発明に係るトナーは、個数基準のメジアン径D50が3.0μm以上6.0μm以下であることが好ましく、3.0μm以上5.5μm以下であることがより好ましく、3.0μm以上5.0μm以下であることがさらに好ましい。D50が前記範囲である場合、ドット再現性が良くなり、優れた画質が得られる。D50が3.0μm以上であることで、転写性やカブリの抑制が向上する。また、D50が6.0μm以下であることで、高精細な画質が得られ、D50が小さいほうがより画質が高精細となる。
なお、D50は、コールター法による粒度分布解析装置(商品名:コールターマルチサイザーIII、コールター社製)を用いて測定するとよい。
また、本発明に係るトナーの粒径分布は、下記式(3)で示されるスパン値が、0.7以上2.0以下であることが好ましい。
(D90−D10)/D50・・・(3)
式中、D90は個数基準の累積90%粒径、D10は個数基準の累積10%粒径である。
本発明に係るトナーにおいて、上記スパン値が0.7以上であることによって本発明の効果が顕著に発現する。また、スパン値が2.0以下であることによって転写性とカブリの抑制が向上する。
本発明のトナーの単位質量当たりの帯電量Q/Mの絶対値は、70μC/g以下であることが好ましい。この範囲であることによって、画像濃度の低下を抑制することが可能となる。
トナーの単位質量当たりの帯電量Q/Mは、以下の方法によって求めることができる。まず、23℃50%RHの環境下において、トナー0.7gと、画像学会標準キャリア(N−01)9.3gを50mLのポリ瓶に入れ、振蘯器(株式会社ヤヨイ社製)を用いて200rpmにて5分間振蘯させてトナーを摩擦帯電させる。次いで、底に635メッシュのスクリーンのある金属製の測定容器に、摩擦帯電された現像剤を約0.15g入れて金属製のフタをする。このときの測定容器全体の質量を測り、W1(g)とする。次に、吸引機(測定容器と接する部分は少なくとも絶縁体)を用いて吸引口から吸引し、風量調節弁を調整して真空計の圧力を1.5kPaとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行い、トナーを吸引除去する。このときコンデンサーに蓄積された帯電量をQ(μC)とする。吸引後の測定容器全体の質量を測り、W2(g)とする。トナーの単位質量当たりの帯電量(μC/g)は下記式により規定する。
トナーの単位質量当たりの帯電量(μC/g)=Q/(W1−W2)
大粒径のトナーの表面電荷密度よりも小粒径のトナーの表面電荷密度を高くする手段としては、以下の方法があげられる。すなわち、外添剤の量や種類をトナー粒子の粒径によって変える方法、トナーの帯電能を粒径によって変える方法、およびそれらを組み合わせた方法などを例示できる。
外添剤の種類をトナー粒子の粒径によって変える手段としては、以下の方法が挙げられる。まず、平均粒径の異なる2種類のトナー粒子を準備する。平均粒径の異なる2種類のトナー粒子の準備方法としては、作製したトナー粒子を遠心力分級方式のTSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)を用いて、平均粒径の異なる2種類のトナー粒子に分離する方法や、平均粒径が異なるトナー粒子を別々に製造する方法があげられる。ただし、生産上の観点から前者の方法が好ましい。
上記平均粒径の異なる2種類のトナー粒子それぞれに対して、平均粒径の小さい方には負帯電性の高い外添剤を被覆させ、もう一方の平均粒径の大きいほうには負帯電性の低い外添剤を被覆させる。これにより作製された2種類のトナーを混合することで、小粒径のトナーの表面電荷密度が高いトナーが得られる。
すなわち、本発明に係るトナーは、外添剤は負帯電性の外添剤を含み、小粒径側粒子群に含まれるトナーを被覆する負帯電性の外添剤が、大粒径側粒子群に含まれるトナーを被覆する負帯電性の外添剤よりも高い負帯電性を有することが好ましい。
シリカ粒子を外添剤として用いる場合、負帯電性の高さは、シリカ粒子の吸湿性評価における水分吸着量によって評価することが可能である。吸湿性が高いシリカ粒子が被覆されたトナーは、表面の抵抗が小さくなるため、帯電量が高くなりにくいが、吸湿性が低いシリカ粒子が被覆されたトナーは、表面抵抗が大きいため、帯電量を大きくすることが可能である。
シリカ粒子としては、ヒュームドシリカ、ゾルゲルシリカを挙げることができる。ヒュームドシリカは吸水量が低いため高い負帯電性を示し、ゾルゲルシリカは吸水量が高いため負帯電性が低くなる。
シリカ粒子の吸湿性評価における水分吸着量は、熱量計測定装置(商品名:Q5000SA、ティー・エイ・インスツルメンツ社製)を用いて次のようにして測定することができる。
シリカ粒子をサンプルパンに20mg程度載せ、チャンバー内環境を温度23℃相対湿度50%にし、24時間保持した後に温度40℃相対湿度95%の環境を1時間保持するようプログラミングして測定を開始する。測定開始から24時間経過後の質量をTGA1、温度40℃相対湿度95%の環境で1時間経過後の質量をTGA2とした時、(TGA2−TGA1)/TGA1を水分吸着量とする。
吸湿性が高いシリカ粒子としては、上記測定により求められる水分吸着量が1.0%以上であるシリカ粒子が好ましい。具体的には、ヒュームドシリカがあげられる。
吸湿性が低いシリカ粒子としては、上記測定により求められる水分吸着量が0.5%以下であるシリカ粒子が好ましい。具体的には、ゾルゲルシリカがあげられる。
外添剤の種類をトナー粒子の粒径によって変える手段としては、以下の方法が挙げられる。上記平均粒径の異なる2種類のトナー粒子に対して、平均粒径の小さい方のトナー粒子については負帯電性の外添剤の被覆率を高くし、平均粒径の大きいトナー粒子については負帯電性の外添剤の被覆率を低くする。これにより作製された2種類のトナーを混ぜ合わせることで、小さい粒径のトナーの表面電荷密度を高くすることが可能となる。
すなわち、本発明に係るトナーは、外添剤が負帯電性の外添剤を含み、小粒径側粒子群に含まれるトナーにおける負帯電性の外添剤による被覆率をCsとし、大粒径側粒子群に含まれるトナーにおける負帯電性の外添剤による被覆率をClとしたとき、CsおよびClが下記式(4)の関係を満たすことが好ましい。
0.10≦Cl/Cs≦0.80・・・(4)
また、転写効率およびカブリの抑制の観点から、CsおよびClが下記式(5)の関係を満たすことがより好ましい。
0.10≦Cl/Cs≦0.67・・・(5)
トナーの帯電能を粒径によって変える方法としては、表面電荷密度に差をつけることができればいずれの方法でも良い。具体的な方法としては、例えば、帯電性を付与する荷電制御剤の含有量を、大粒径のトナーと小粒径のトナーとで変えることで、それぞれの表面電荷密度を変えることが可能である。すなわち、本発明に係るトナーは、小粒径側粒子群に含まれるトナーの荷電制御剤の含有量をCAsとし、大粒径側粒子群に含まれるトナーの荷電制御剤の含有量をCAlとしたとき、CAsおよびCAlが下記式(6)の関係を満たすことが好ましい。
0.10≦CAl/CAs≦0.80・・・(6)
また、転写効率およびカブリの観点から、CAsおよびCAlが下記式(7)の関係を満たすことがより好ましい。
0.10≦CAl/CAs≦0.50・・・(7)
荷電制御剤としては、公知のものが使用できる。特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
荷電制御剤として、トナー粒子を負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。
有機金属化合物およびキレート化合物として、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸およびダイカルボン酸系の金属化合物。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノおよびポリカルボン酸およびその金属塩、無水物、またはエステル類、ビスフェノールのようなフェノール誘導体類なども含まれる。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーンが挙げられる。
一方、トナー粒子を正荷電性に制御する荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
ニグロシンおよび脂肪酸金属塩のようなニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートのような4級アンモニウム塩、およびこれらの類似体であるホスホニウム塩のようなオニウム塩およびこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;樹脂系荷電制御剤。
これら荷電制御剤は単独で或いは2種類以上を組み合わせて用いることができる。これら荷電制御剤の中でも、含金属サリチル酸系化合物が好ましく、特にその金属がアルミニウムもしくはジルコニウムが好ましい。最も好ましい荷電制御剤としては、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物である。
<結着樹脂>
本発明におけるトナー粒子は、結着樹脂として、以下の重合体などを用いることが可能である。ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル;フェノール樹脂;天然樹脂変性フェノール樹脂;天然樹脂変性マレイン酸樹脂;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニル;シリコーン樹脂;ポリエステル;ポリウレタン;ポリアミド;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;ポリエチレン;ポリプロピレンなどが挙げられる。その中でも、ポリエステルを主成分としていることが、低温定着性の観点から好ましい。
ポリエステルのポリエステルユニットに用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価もしくは3価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価もしくは3価以上のカルボン酸)、その酸無水物またはその低級アルキルエステルとが用いられる。ここで、「歪み硬化性」を発現させるため、分岐ポリマーを作成するためには、非晶性樹脂の分子内において部分架橋することが有効であり、そのためには、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。従って、ポリエステルユニットの原料モノマーとして、3価以上のカルボン酸、その酸無水物またはその低級アルキルエステル、および/または3価以上のアルコールを含むことが好ましい。
ポリエステルのポリエステルユニットに用いられる多価アルコールモノマーとしては、以下の多価アルコールモノマーを使用することができる。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(A)で表わされるビスフェノールおよびその誘導体;
Figure 2020177213
(式(A)中、Rはエチレン基またはプロピレン基を示し、xおよびyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0以上10以下である。)、
式(B)で示されるジオール類;
Figure 2020177213
(式(B)中、R’は−CHCH−、−CHCH(CH)−または−CHC(CH−を示し、x’およびy’はそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x’+y’の平均値は0以上10以下である。)
が挙げられる。
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。これらのうち、好ましくはグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが用いられる。これらの2価のアルコールおよび3価以上のアルコールは、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
ポリエステルのポリエステルユニットに用いられる多価カルボン酸モノマーとしては、以下の多価カルボン酸モノマーを使用することができる。
2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物およびこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸が好ましく用いられる。
3価以上のカルボン酸、その酸無水物またはその低級アルキルエステルとしては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸無水物またはこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、特に1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸またはその誘導体が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。これらの2価のカルボン酸等および3価以上のカルボン酸は、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
ポリエステルの製造方法については、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、前述のアルコールモノマーおよびカルボン酸モノマーを同時に仕込み、エステル化反応またはエステル交換反応、および縮合反応を経て重合し、ポリエステルを製造する。また、重合温度は、特に制限されないが、180℃以上290℃以下の範囲が好ましい。ポリエステルの重合に際しては、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の重合触媒を用いることができる。特に、結着樹脂が非晶性樹脂である場合は、非晶性樹脂は、スズ系触媒を使用して重合されたポリエステルがより好ましい。
また、ポリエステルの酸価は5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であり、水酸基価は20mgKOH/g以上70mgKOH/g以下であることが好ましい。これにより、高温高湿環境下における水分吸着量が抑え、非静電付着力を低く抑えることができるため、カブリの抑制の観点から好ましい。
また、結着樹脂が非晶性樹脂である場合、非晶性樹脂は、低分子量の樹脂と高分子量の樹脂を混ぜ合わせて使用しても良い。高分子量の樹脂の低分子量の樹脂に対する含有比率は質量基準で40/60〜85/15であることが、低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から好ましい。
<離型剤>
トナーに用いられる離型剤であるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、低温定着性、定着分離性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスの如き脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。本発明においては、耐ホットオフセット性がより向上する点で、炭化水素系ワックスがより好ましい。
本発明では、ワックスは、結着樹脂100質量部あたり3質量部以上8質量部以下で使用されることが好ましい。
また、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲内であるとトナーの保存性と耐ホットオフセット性を両立できるため好ましい。
<着色剤>
本発明におけるトナー粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤およびシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパースバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70が挙げられる。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162が挙げられる。
これらの着色剤は、単独または混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、およびトナーへの分散性の点から選択される。
着色剤の含有量は、樹脂成分の総量に対して0.1質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。
<無機微粒子>
トナーは、必要に応じて二種類以上のシリカ粒子を含有していてもよく、シリカ微粒子以外の無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子は、トナー粒子に内添してもよいし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。
外添剤としては、シリカ粒子、酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、チタン酸ストロンチウム粒子のような無機微粒子が好ましい。特に酸化チタン粒子、チタン酸ストロンチウム粒子のような抵抗の低い外添剤は、温湿度環境による帯電量の変化が抑制できるとともに、トナーの電荷の局在化を抑え、静電付着力が低下することからカブリの抑制や転写効率向上の観点から好ましい。無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイルまたはそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
流動性向上のための外添剤としては、比表面積が50m/g以上400m/g以下の無機微粒子が好ましい。
トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーのような公知の混合機を用いることができる。
<現像剤>
トナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、また、長期にわたり安定した画像を供給するために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることもできる。
磁性キャリアとしては、例えば、酸化鉄;鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、および希土類のような金属粒子、それらの合金粒子、それらの酸化物粒子;フェライトなどの磁性体;磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア);など、一般に公知のものを使用できる。
トナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、二成分系現像剤中のトナーの割合は、2質量%以上15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは4質量%以上13質量%以下である。
<トナーの製造方法>
トナー粒子を製造する方法としては、特に限定されないが、各成分の分散性の観点から粉砕法が好ましい。
以下、粉砕法でのトナー製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、離型剤、着色剤、結晶性ポリエステル、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸または2軸押出機を用いることが好ましい。1軸または2軸押出機としては、例えば、以下のものが挙げられる。KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(東静エンジニアリング社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)など。さらに、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延し、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕する。その後、さらに、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕し、トナー粒子を得る。
続いて、必要に応じて分級機や篩分機を用いてトナー粒子を分級する。分級機および篩分機としては、例えば、以下のものが挙げられる。慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)。
その後、加熱によるトナー粒子の表面処理を行い、トナーの円形度を増加させることもできる。例えば、図1で表される熱球形化処理装置を用いて、熱風により表面処理を行うこともできる。
原料定量供給手段1により定量供給された混合物は、圧縮気体流量調整手段2により調整された圧縮気体によって、原料供給手段の鉛直線上に設置された導入管3に導かれる。導入管を通過した混合物は、原料供給手段の中央部に設けられた円錐状の突起状部材4により均一に分散され、放射状に広がる8方向の供給管5に導かれ熱処理が行われる処理室6に導かれる。
このとき、処理室6に供給された混合物は、処理室6内に設けられた混合物の流れを規制するための規制手段9によって、その流れが規制される。このため処理室6に供給された混合物は、処理室6内を旋回しながら熱処理された後、冷却される。
供給された混合物を熱処理するための熱風は、熱風供給手段7から供給され、分配部材12により均一に分配され、熱風供給手段出口11の方向に向けて、熱風を旋回させるための旋回部材13により、処理室6内に熱風を螺旋状に旋回させて導入される。その構成としては、熱風を旋回させるための旋回部材13が、複数のブレードを有しており、その枚数や角度により、熱風の旋回を制御することができる。処理室6内に供給される熱風は、熱風供給手段7の出口部における温度が100℃以上300℃以下であることが好ましい。熱風供給手段7の出口部における温度が上記の範囲内であれば、混合物を加熱しすぎることによるトナー粒子の融着や合一を防止しつつ、トナー粒子を均一に球形化処理することが可能となる。
さらに熱処理された熱処理トナー粒子は冷風供給手段8(冷風供給手段8−1、冷風供給手段8−2および冷風供給手段8−3)から供給される冷風によって冷却される。冷風供給手段8から供給される温度は−20℃以上30℃以下であることが好ましい。冷風の温度が上記の範囲内であれば、熱処理トナー粒子を効率的に冷却することができ、混合物の均一な球形化処理を阻害することなく、熱処理トナー粒子の融着や合一を防止することができる。冷風の絶対水分量は、0.5g/m以上15.0g/m以下であることが好ましい。
次に、冷却された熱処理トナー粒子は、処理室6の下端にある回収手段10によって回収される。なお、回収手段10の先にはブロワー(不図示)が設けられ、それにより吸引搬送される構成となっている。
また、粉体粒子供給口14は、供給された混合物の旋回方向と熱風の旋回方向が同方向になるように設けられており、熱球形化処理装置の回収手段10は、旋回された粉体粒子の旋回方向を維持するように、処理室6の外周部に設けられている。さらに、冷風供給手段8から供給される冷風は、装置外周部から処理室内周面に、水平かつ接線方向から供給されるよう構成されている。粉体粒子供給口14から供給されるトナー粒子の旋回方向、冷風供給手段から供給された冷風の旋回方向、熱風供給手段7から供給された熱風の旋回方向がすべて同方向である。そのため、処理室6内で乱流が起こらず、装置内の旋回流が強化され、トナー粒子に強力な遠心力がかかり、トナー粒子の分散性がさらに向上するため、合一粒子の少ない、形状の揃ったトナー粒子を得ることができる。
トナー粒子の平均円形度は、0.960以上0.980以下であると、非静電付着力を低く抑えることができるためカブリを抑制する観点から好ましい。
熱処理されたトナー粒子を大粒径側粒子群と小粒径側粒子群に分ける場合は、例えば、慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業(株)製)を用いて二分する。二分された熱処理トナー粒子それぞれの表面に、所望量のシリカ微粒子を外添処理する。外添処理する方法としては、混合装置を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。外添機として用い得る混合装置としては、例えば、以下のものが挙げられる。ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)等。その際、必要に応じて、流動化剤等のシリカ微粒子以外の外添剤を外添処理しても良い。
トナーおよび原材料の各種物性の測定法について、以下に具体例を説明する。
<トナー粒子の平均円形度の測定方法>
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定および解析条件で測定する。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローセルに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512画素の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1.00になり、粒子像外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
具体的な測定方法は、以下の通りである。
まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。さらに測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載したフロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用する。上記手順に従い調製した分散液をフロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子について計測する。
そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒径を円相当径1.98μm以上39.96μm以下とし、トナーの平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。標準ラテックス粒子としては、例えば、RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A((Duke Scientific社製)をイオン交換水で希釈)を用いる。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
<X線光電子分光分析(ESCA)による表面組成分析>
本発明において、トナー粒子表面の外添剤の被覆率は、X線光電子分光分析(ESCA)による表面組成分析を行うことで算出することができる。ESCAの装置および測定条件は、下記の通りである。
装置:PHI社(Physical Electronics Industries,INC.)製、PHI5000 VersaProbeII Scanning XPS Microprobe
測定条件:
X線源;AlKα(100μ25W15KV)
Angle;45°
Pass Energy;58.70eV
以下、本発明を実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されない。なお、実施例および比較例の部数および%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<非晶性樹脂1の製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:73.8質量部(0.19モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:12.5質量部(0.08モル;多価カルボン酸総モル数に対して48.0mol%)
・アジピン酸:7.8質量部(0.05モル;多価カルボン酸総モル数に対して34.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
上記材料を冷却管、攪拌機、窒素導入管、および、熱電対のついた反応槽に秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、160℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・トリメリット酸:5.9質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して18.0mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、15時間反応させた。その後、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が120℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、(第2反応工程)、非晶性樹脂1を得た。得られた非晶性樹脂1は、ピーク分子量Mp10000、軟化点Tm110℃、ガラス転移温度Tg60℃であった。
<トナー1の製造例>
<Fトナー(小粒径側粒子群)1の製造例>
・非晶性樹脂1:100部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃):4部
・ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体:14部
・荷電制御剤:3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物(ボントロンE88 オリエント化学工業(株)製):0.3部
・カーボンブラック:10部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数1500rpm、回転時間5minで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらにファカルティ(F−300、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子1を得た。ファカルティの運転条件は、分級ローター回転数を11000rpm、分散ローター回転数を7200rpmとした。
得られたトナー粒子1を用い、図1で示す熱球形化処理装置によって熱処理を行って熱処理トナー粒子1を得た。熱球形化処理装置の運転条件は、以下のようにした。フィード量=5kg/hrとし、熱風温度C=160℃、熱風流量=6m/min、冷風温度E=−5℃、冷風流量=4m/min、ブロワー風量=20m/min、インジェクションエア流量=1m/min。
得られた熱処理トナー粒子1を、慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業(株)製)を用い、大粒径側の熱処理トナー粒子と小粒径側の熱処理トナー粒子とに二分した。エルボージェットの運転条件はフィード量=5kg/hrとし、F分級エッジ(微粉分級エッジ)を10mm〜15mm、G分級エッジ(粗粉分級エッジ)を最大とし、熱処理トナー粒子1が個数基準で均等に二分されるように調整した。
・小粒径側の熱処理トナー粒子1:100部
・ヘキサメチルジシラザンで表面処理したヒュームドシリカ(個数基準におけるメジアン径(D50)が40nm):4.0部
・イソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン微粒子(個数基準におけるメジアン径(D50)が10nm):1.0部
上記材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)を用いて回転数1900rpm、回転時間10minの条件で混合し、Fトナー(小粒径側粒子群)1を得た。
<Mトナー(大粒径側粒子群)1の製造例>
・上記大粒径側の熱処理トナー粒子1:100部
・ヘキサメチルジシラザンで表面処理したゾルゲルシリカ(個数基準におけるメジアン径(D50)が40nm):4.0部
・イソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン微粒子(個数基準におけるメジアン径(D50)が10nm):1.0部
上記材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)を用いて回転数1900rpm、回転時間10minの条件で混合し、Mトナー(大粒径側粒子群)1を得た。
得られたFトナー1とMトナー1を均一に混合し、トナー1を得た。 得られたトナー1について、前述の測定方法で各物性を測定した結果を表4に示す。
<トナー2〜16の製造例>
トナー1の製造例において、処方、条件を表1および表2に記載のように変更する以外は同様にして、Fトナー2〜16およびMトナー2〜16を作製した。
また、Fトナー2〜16およびMトナー2〜16を表3に示す組み合わせで用いてトナー2〜16を得た。トナー2〜16についての各物性を表4に示す。
Figure 2020177213
Figure 2020177213
表1および表2中の「乾式」、「湿式」、「酸化チタン微粒子」はそれぞれ以下のものを示す。
乾式:ヘキサメチルジシラザンで表面処理したヒュームドシリカ
湿式:ヘキサメチルジシラザンで表面処理したゾルゲルシリカ
酸化チタン微粒子:イソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン
Figure 2020177213
Figure 2020177213
<キャリアの製造例>
<磁性コア粒子1の製造例>
・工程1(秤量・混合工程):
Fe:62.7部
MnCO:29.5部
Mg(OH):6.8部
SrCO:1.0部
上記フェライト原材料を上記組成比となるように秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した。その後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)(MgO)(SrO)(Fe
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393である。
・工程3(粉砕工程):
得られた仮焼フェライトをクラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、直径1/8インチのジルコニアビーズを用いて湿式ボールミルで1時間粉砕した。得られたスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(大川原化工機社製)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間保つことで、工程4で得た球状粒子を焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で粒子を取り出した。
・工程6(選別工程):
凝集した球状粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品を選別して除去し、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去することで、体積分布基準の50%粒径が37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
<被覆樹脂1の調製>
シクロヘキシルメタクリレートモノマー:26.8質量%
メチルメタクリレートモノマー:0.2質量%
メチルメタクリレートマクロモノマー(片末端にメタクリロイル基を有する質量平均分子量5000のマクロモノマー):8.4質量%
トルエン:31.3質量%
メチルエチルケトン:31.3質量%
上記材料を、還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに入れ、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした。その後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリル2.0質量%を添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを添加して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。
次いで、30部の被覆樹脂1を、トルエン40部およびメチルエチルケトン30部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
<被覆樹脂溶液1の調製>
重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%):33.3質量%
トルエン:66.4質量%
カーボンブラックRegal330(キャボット製、一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m/g、DBP吸油量75mL/100g):0.3質量%
上記材料を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散した。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過をおこない、被覆樹脂溶液1を得た。
<磁性キャリア1の製造例>
(樹脂被覆工程):
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに、磁性コア粒子1および被覆樹脂溶液1を投入した(被覆樹脂溶液の投入量は、100部の磁性コア粒子1に対して樹脂成分として2.5部になる量)。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
<二成分系現像剤1の製造例>
92.0部の磁性キャリア1と8.0部のトナー1をV型混合機(V−20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
<二成分系現像剤2〜16の製造例>
二成分系現像剤1の製造例において、表5に示すトナー1〜16と磁性キャリア1の組み合わせにより同様の操作で、実施例1〜12および比較例1〜4に係る二成分系現像剤2〜16を得た。
Figure 2020177213
<現像剤の評価>
上記で作製した実施例1〜12および比較例1〜4に係る二成分系現像剤1〜16を用いて、後述の評価を行った。
画像形成装置として、キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimageRUNNER ADVANCE C5560の改造機を用いた。装置の改造点としては、定着温度、プロセススピード、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、および、レーザーパワーを自由に設定できるように変更した。画像出力評価は、所望の画像比率のFFh画像(ベタ画像)を出力し、FFh画像のトナーの載り量が所望になるようにVDC、V、およびレーザーパワーを調整して、後述の評価を行った。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
[カブリの抑制]
各二成分系現像剤を、上記画像形成装置のブラック用現像器に入れ、以下の条件で上記評価画像を出力してカブリの抑制の評価を行った。
紙:CS−680(68.0g/m、キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
評価画像:上記A4用紙の全面に00h画像
Vback:150V(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、およびレーザーパワーにより調整)
試験環境:高温高湿環境(温度30℃/湿度80%RH)
定着温度:170℃
プロセススピード:377mm/sec
以下で定義されるカブリ値をカブリの抑制の評価指標とした。
まず、リフレクトメータ(REFLECTOMETER MODEL TC−6DS:東京電色製)を用い、通紙前の評価紙の平均反射率Ds(%)を測定する。次に、通紙後の評価紙の平均反射率Dr(%)を測定する。そして、下記式を用いて算出した値をカブリ値とした。得られたカブリ値を下記の評価基準に従って評価した。
カブリ値 = Dr(%)−Ds(%)
(評価基準)
A:カブリ値0.3%未満 (非常に優れている)
B:カブリ値0.3%以上、0.5%未満 (優れている)
C:カブリ値0.5%以上、0.8%未満 (良好である)
D:カブリ値0.8%以上、1.2%未満 (問題ないレベルである)
E:カブリ値1.2%以上 (許容できない)
[転写性]
各二成分系現像剤を、上記画像形成装置のシアン用現像器に入れ、以下の条件で転写性を評価した。
紙:GF−C081(81.0g/m、キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
ベタ画像におけるトナーの載り量:0.35mg/cm
一次転写電流:30μA
試験環境:常温常湿環境(温度23℃/湿度50%RH)
プロセススピード:377mm/sec
一次転写後に感光体上に残ったトナーと一次転写前のトナーをそれぞれ透明なポリエステル製の粘着テープによりテーピングしてはぎ取った。はぎ取った粘着テープを紙上に貼り、その濃度を分光濃度計500シリーズ(X−Rite社)で測定した。
以上により得られた一次転写前の画像濃度と、転写残の画像濃度の変化率を転写効率とし、下記の評価基準に基づいて評価を行った。
A:転写効率;90%以上
B:転写効率;85%以上90%未満
C:転写効率;80%以上85%未満
D:転写効率;80%未満
[画像濃度安定性]
各二成分系現像剤を、上記画像形成装置のシアン用現像器に入れ、以下の条件で評価画像を出力し、画像濃度安定性を評価した。
紙:GFC−081(81.0g/m、キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
Vcontrast:350V(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、およびレーザーパワーにより調整)
評価画像:上記A4用紙の中心に2cm×5cmの画像を配置
試験環境:常温常湿環境:温度23℃/湿度50%RH
定着温度:170℃
プロセススピード:377mm/sec
画像濃度の値を評価指標とした。X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を用い、中心部の画像濃度を測定した。得られた画像濃度の値を下記の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
A:画像濃度の値が1.35以上 (非常に優れている)
B:画像濃度の値が1.30以上、1.35未満 (優れている)
C:画像濃度の値が1.25以上、1.30未満 (問題ないレベルである)
D:画像濃度の値が1.25未満 (許容できない)
[ドット再現性]
各二成分系現像剤を、上記画像形成装置のシアン用現像器に入れ、以下の条件で評価画像を出力し、画質を評価した。
紙:GFC−081(81.0g/m、キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
Vcontrast:300V(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、およびレーザーパワーにより調整)
評価画像:上記A4用紙に1ドット、1スペースの縦線画像を配置
試験環境:常温常湿環境:温度23℃/湿度50%RH
定着温度:170℃
プロセススピード:377mm/sec
Blurの値(ISO13660で定義されたラインのぼやけ方を表す数値)をドット再現性の評価指標とした。Blurの値パーソナルIAS(イメージ・アナリシス・システム、QEA社製)を用いて測定した。得られたBlurの値を下記の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
A:Blurの値35μm未満 (非常に優れている)
B:Blurの値35μm以上38μm未満 (優れている)
C:Blurの値38μm以上41μm未満 (問題ないレベルである)
D:Blurの値41μm以上 (許容できない)
評価結果を表6に示す。
Figure 2020177213
1.原料定量供給手段
2.圧縮気体流量調整手段
3.導入管
4.突起状部材
5.供給管
6.処理室
7.熱風供給手段
8.冷風供給手段
9.規制手段
10.回収手段
11.熱風供給手段出口
12.分配部材
13.旋回部材
14.粉体粒子供給口

Claims (17)

  1. トナー粒子と外添剤とを有するトナーであって、
    該トナーを慣性分級方式の分級機により、大粒径側と小粒径側とで個数基準で概ね均等に二分して得られる、大粒径側粒子群と小粒径側粒子群について、
    前記大粒径側粒子群と前記小粒径側粒子群の表面電荷密度の平均値の絶対値をそれぞれσl(C/m)、σs(C/m)としたとき、
    前記σsおよび前記σlが、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とするトナー。
    0.10≦σl/σs≦0.75・・・(1)
  2. 前記トナーの個数基準のメジアン径D50が、3.0μm以上6.0μm以下である、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記トナーの個数基準のメジアン径D50が、3.0μm以上5.0μm以下である、請求項1に記載のトナー。
  4. 前記小粒径側粒子群に含まれるトナーの1粒当たりの帯電量の平均値の絶対値をQsとしたとき、前記Qsが1.4fC以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記大粒径側粒子群に含まれるトナーの1粒当たりの帯電量の平均値の絶対値をQlとしたとき、前記Qlが2.8fC以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記σsおよび前記σlが、下記式(2)の関係を満たす請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
    0.10≦σl/σs≦0.67・・・(2)
  7. 前記σsが、0.038C/m以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 前記σlが、0.028C/m以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載のトナー。
  9. 23℃50%RHの環境下において、前記トナー0.7gと、画像学会標準キャリア(N−01)9.3gを50mLのポリ瓶に入れ、振蘯器を用いて200rpmにて5分間振蘯させて摩擦帯電させたときの前記トナーの単位質量当たりの帯電量Q/Mの絶対値が70μC/g以下である請求項1〜8のいずれか一項に記載のトナー。
  10. 前記トナーの下記式(3)で得られるスパン値が0.7以上2.0以下である請求項1〜9のいずれか一項に記載のトナー。
    (D90−D10)/D50・・・(3)
    (式中、D90は個数基準の累積90%粒径、D10は個数基準の累積10%粒径である。)
  11. 前記外添剤が、負帯電性の外添剤を含む請求項1〜10のいずれか一項に記載のトナー。
  12. 前記小粒径側粒子群に含まれるトナーを被覆する負帯電性の外添剤が、前記大粒径側粒子群に含まれるトナーを被覆する負帯電性の外添剤よりも高い負帯電性を有する請求項11に記載のトナー。
  13. 前記小粒径側粒子群に含まれるトナーには水分吸着量が0.5%以下のシリカ粒子が被覆され、前記大粒径側粒子群に含まれるトナーには水分吸着量が1.0%以上のシリカ粒子が被覆されている請求項11または12に記載のトナー。
  14. 前記小粒径側粒子群に含まれるトナーにおける前記負帯電性の外添剤による被覆率をCsとし、
    前記大粒径側粒子群に含まれるトナーにおける前記負帯電性の外添剤による被覆率をClとしたとき、
    前記Csおよび前記Clが、下記式(4)の関係を満たす請求項11〜13のいずれか一項に記載のトナー。
    0.10≦Cl/Cs≦0.80・・・(4)
  15. 前記Csおよび前記Clが下記式(5)の関係を満たす請求項14に記載のトナー。
    0.10≦Cl/Cs≦0.67・・・(5)
  16. 前記トナーは、帯電性を有する荷電制御剤を有し、
    前記小粒径側粒子群に含まれるトナーの荷電制御剤の含有量をCAsとし、
    前記大粒径側粒子群に含まれるトナーの荷電制御剤の含有量をCAlとしたとき、
    前記CAsおよび前記CAlが、下記式(6)の関係を満たす請求項1〜10のいずれか一項に記載のトナー。
    0.10≦CAl/CAs≦0.80・・・(6)
  17. 前記CAsおよび前記CAlが、下記式(7)の関係を満たす請求項16に記載のトナー。
    0.10≦CAl/CAs≦0.50・・・(7)
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