JP2020176345A - 潜在嵩高性アクリル織物および嵩高アクリル織物の製造方法 - Google Patents

潜在嵩高性アクリル織物および嵩高アクリル織物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アクリル繊維の収縮性を活用した嵩高織物は知られているが、狙いの嵩高性を有する織物が得られない場合や嵩高にはなっても織物の目が詰まり風合いが硬くなる場合があった。本発明の目的は、十分な嵩高性と接触温感、柔らかい風合いを発現することができる潜在嵩高性アクリル織物を提供することにある。【解決手段】沸水収縮率が15〜45%である収縮性アクリル短繊維20〜60重量%と非収縮性短繊維40〜80重量%を含んだ潜在嵩高性アクリル混紡糸を経糸および/または緯糸に用いた織物であって、前記潜在嵩高性アクリル混紡糸は英式綿番手6〜80番手であり、かつ英式綿番手より算出される撚係数が2.7〜4.0であり、さらに前記潜在嵩高性アクリル混紡糸が連続して3〜7本浮き出ておりかつカバーファクタが30〜60である織組織を有することを特徴とする潜在嵩高性アクリル織物。【選択図】なし

Description

本発明は収縮性アクリル短繊維を含有する混紡糸を用いた潜在嵩高性を有するアクリル織物および該織物を用いた嵩高アクリル織物の製造方法に関する。
収縮性アクリル繊維と非収縮性繊維を含む混紡糸は、収縮性アクリル繊維を収縮させることにより非収縮性繊維が混紡糸の表層部に浮き出して嵩高性を発現できることから、編物に膨らみ感を与えることを目的として多用されている。しかし、織物においては、織組織における拘束が強いために膨らみ感が得られにくいこと、また、アクリル混紡糸はほぼ編物用に使用されてきたことから、アクリル繊維の特長を活かした実用的な織物を開発する取り組みは限定的なものであった。
そのような中において、アクリル繊維の収縮性を活用する織物の事例としては、特許文献1が知られている。該文献には、嵩高性を有する織物を得るために、アルカリ処理木綿繊維と高収縮アクリル繊維を混紡した糸を用いて織編物を編成し、熱水処理によって収縮させて嵩高織物とすることが開示されている。
特開平11−100737号公報
特許文献1の発明は、織物を構成する素材に着目した発明であるが、素材の選択だけでは狙いの嵩高性を有する織物が得られない場合や嵩高にはなっても織物の目が詰まり風合いが硬くなる場合がある。本発明の目的は、十分な嵩高性と接触温感、柔らかい風合いを発現することができる潜在嵩高性アクリル織物を提供することにある。
本発明者らは、上述の目的を達成するために鋭意検討を進めた結果、素材の選択だけでなく、使用する糸の太さや撚係数、さらには織組織を特定の範囲に制御することにより、収縮性アクリル繊維の収縮性を十分に発現させ、衣料用途等に好適な嵩高アクリル織物が得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は以下の手段により達成される。
(1) 沸水収縮率が15〜45%である収縮性アクリル短繊維20〜60重量%と非収縮性短繊維40〜80重量%を含んだ潜在嵩高性アクリル混紡糸を経糸および/または緯糸に用いた織物であって、前記潜在嵩高性アクリル混紡糸は英式綿番手6〜80番手であり、かつ英式綿番手より算出される撚係数が2.7〜4.0であり、さらに前記潜在嵩高性アクリル混紡糸が連続して3〜7本浮き出ておりかつカバーファクタが30〜60である織組織を有することを特徴とする潜在嵩高性アクリル織物。
(2) 収縮性アクリル短繊維が繊度0.4〜5.0dtexであることを特徴とする(1)に記載の潜在嵩高性アクリル織物。
(3) 非収縮性短繊維が非収縮性アクリル短繊維を含むものであることを特徴とするに(1)または(2)記載の潜在嵩高性アクリル織物。
(4) 非収縮性短繊維が繊度1.0dtex以下の繊維を含むものであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の潜在嵩高性アクリル織物。
(5) 潜在嵩高性アクリル混紡糸がポリウレタン長繊維を芯とする長短複合糸であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の潜在嵩高性アクリル織物。
(6) 経糸が長繊維であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の潜在嵩高性アクリル織物。
(7) 経糸が短繊維紡績糸であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の潜在嵩高性アクリル織物。
(8) 潜在嵩高性アクリル混紡糸を緯糸に用いたパンツ生地であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の潜在嵩高性アクリル織物。
(9) (1)〜(8)のいずれかに記載の潜在嵩高性アクリル織物を収縮処理することを特徴とする嵩高アクリル織物の製造方法。
(10) 収縮処理が沸水処理であることを特徴とする(9)に記載の嵩高アクリル織物の製造方法。
本発明の潜在嵩高性アクリル織物は、収縮処理を経ることにより、収縮性アクリル繊維の収縮性を十分に発現させ、衣料用途等に好適な嵩高アクリル織物とすることができる。かかる嵩高アクリル織物は、アクリル繊維の特長を活かした実用的な織物であって、十分な嵩高性とアクリル繊維ならではの柔らかい風合いと接触温感を有するものである。また、かかる嵩高アクリル織物は起毛処理をせずとも起毛感を得られるものであり、起毛処理した場合は通常品よりもさらに起毛感が優れた風合いとなる。かかる性能を有する本発明の嵩高アクリル織物は、例えば、シャツ、ブラウス、コート、スポーツウェア、スカート、ズボン、パンツ、裏地、シーツ、クッション、カーテン、インテリアなどに利用することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明に採用する潜在嵩高性アクリル混紡糸は、収縮性アクリル短繊維を含むものである。かかる収縮性アクリル短繊維は、後述する方法で測定した沸水収縮率が15〜45%、好ましくは25〜45%、より好ましくは30〜40%である。沸水収縮率が上記下限に満たない場合には十分な嵩高性が得られず、上限を超える場合には、織組織の拘束力のために、本来の収縮率まで収縮せずに残留歪みとなったり、部分的に収縮が不安定になったりすることがある。なお、かかる収縮性アクリル短繊維は複数種を使用してもよい。
上記収縮性アクリル短繊維の繊度は、好ましくは0.4〜5.0dtex、より好ましくは0.5〜3.0dtex、さらに好ましくは0.9〜2.4dtexである。繊度が上記下限に満たない場合には紡績が難しく、上限を超える場合には、糸を構成する繊維本数が少なくなり糸強力が低下するため、製織中にエアで吹き切れるなどして製織できない恐れがある。
上記収縮性アクリル短繊維の繊維長は、好ましくは32〜150mm、より好ましくは38〜51mmである。繊維長が上記下限に満たない場合には紡績品位が悪くなり、上限を超える場合には通常の紡績設備では紡績することができず、ローラー間のゲージ変更やパーツ変更などの紡績設備の改造が必要となる場合がある。
また、本発明に採用する潜在嵩高性アクリル混紡糸は、非収縮性短繊維を含むものである。かかる非収縮性短繊維の沸水収縮率は、上記収縮性アクリル短繊維よりも小さく、好ましくは10%以下、より好ましくは3%以下である。沸水収縮率が上記上限を超える場合には収縮性アクリル短繊維との収縮率の差が小さくなり、嵩高感が得られなくなる恐れがある。なお、かかる非収縮性短繊維は、全く収縮しないものであってもよく、また、複数種を使用してもよい。
上記非収縮性短繊維としては、綿、麻、羊毛、獣毛(モヘア、カシミヤ、キャメル、アルパカ、アンゴラ等)などの天然繊維、レーヨン、キュプラなどの再生繊維、アセテート、プロミックスなどの半合成繊維、アクリル、ナイロン、ポリエステルなどの合成繊維などを採用することができる。中でも、素材としてアクリル繊維を採用することにより、保温性や接触温感に優れた織物を得られやすくなる。また、非収縮性短繊維の繊度としては、好ましくは5.0dtex以下、より好ましくは1.0dtex以下である。特に、1.0dtex以下の細繊度であることにより、柔らかく、起毛感を有する風合いという利点が得られやすくなる。繊度の下限としては、紡績加工性の観点から0.3dtex以上であることが望ましい。
上記非収縮性短繊維の繊維長は、好ましくは32〜150mm、より好ましくは38〜51mmである。かかる繊維長範囲とすることにより、収縮処理後の糸表面に程よく繊維端部が出てくるため起毛感が得られやすくなる。繊維長が上記下限に満たない場合には紡績品位が悪くなり、上限を超える場合には通常の紡績設備では紡績することができず、ローラー間のゲージ変更やパーツ変更などの紡績設備の改造が必要となる恐れがある。
本発明に採用する潜在嵩高性アクリル混紡糸は、上述した収縮性アクリル短繊維を20〜60重量%、好ましくは30〜40重量%含むものである。収縮性アクリル短繊維の含有量が上記下限に満たない場合には収縮力が不足し十分かつ均一な嵩高性が得られず、上記上限を超える場合には収縮後に糸の表層部に配置される繊維の量が少なくなって膨らみ感を得られなくなる。
また、本発明に採用する潜在嵩高性アクリル混紡糸は、上述した非収縮性短繊維を40〜80重量%、好ましくは60〜70重量%含むものである。非収縮性短繊維の含有量が上記下限に満たない場合には収縮後に糸の表層部に配置される繊維の量が少なくなって膨らみ感を得られなくなり、上記上限を超える場合には相対的に収縮性アクリル短繊維の量が不足し十分かつ均一な嵩高性が得られなくなる。
さらに、本発明に採用する潜在嵩高性アクリル混紡糸は、上述した収縮性アクリル短繊維と非収縮性短繊維以外の繊維(以下、その他の繊維という)を含有するものであってもよい。かかるその他の繊維としては、長繊維を挙げることができ、例えば、ポリウレタン長繊維やナイロン長繊維などを採用することができる。
上記潜在嵩高性アクリル混紡糸の英式綿番手は、6〜80番手、好ましくは10〜70番手である。英式綿番手が上記下限に満たない場合には糸が太すぎて膨らみ感の特長が感じにくくなり、上限を超える場合には糸が細すぎて嵩高性が不十分となる。
上記潜在嵩高性アクリル混紡糸の撚係数は、2.7〜4.0、好ましくは3.0〜3.5である。撚係数が上記下限に満たない場合には糸強度が低く糸切れや素抜けが発生しやすくなり、上限を超える場合には撚りの拘束が強すぎ収縮性アクリル繊維の収縮が阻害され嵩高性が不十分となる。
また、潜在嵩高性アクリル混紡糸の構造としては、一般的な短繊維紡績糸のほか、コアスパンヤーン、カバードヤーン、ラッピングヤーンなどの長短複合糸などを挙げることができる。長短複合糸としては、上述したポリウレタン長繊維を芯とし、外側を収縮性アクリル短繊維と非収縮性短繊維で構成した糸が代表的なものである。
本発明の潜在嵩高性アクリル織物は、上述してきた潜在嵩高性アクリル混紡糸を経糸および/または緯糸に用いた織物であって、該混紡糸が連続して3本以上7本以下、好ましくは3本または4本浮き出ている織組織を有するものである。浮き出ている本数が、3本に満たない場合には収縮が発現しにくく、7本を超える場合にはスナッギングやスリップの問題が発生しやすくなる。ここで、「連続して3本以上7本以下浮き出ている織組織」とは、経糸(または緯糸)が緯糸(または経糸)の上に連続して3〜7本出ている織組織を基本とした組織を意味しており、3/1の斜文組織や綾組織、4/1の朱子織物、二重織などが例示できる。具体的には、ドリル、チノ、サテン、デニムなどが挙げられる。
また、本発明の潜在嵩高性アクリル織物のカバーファクタは、好ましくは30〜60である。さらに、織組織において潜在嵩高性アクリル混紡糸の浮き出ている本数が3本の場合には、カバーファクタが32〜38であることがより好ましく、浮き出ている本数が4本の場合には、カバーファクタが38〜45であることがより好ましい。上記下限に満たない場合にはスナッギングやスリップの問題が発生しやすくなり、上限を超える場合には織組織の緻密さが高くなりすぎて、十分に収縮を発現できず、嵩高性が不足したり、残留歪みとなったりする場合がある。
本発明の潜在嵩高性アクリル織物としては、緯糸に上述の潜在嵩高性アクリル混紡糸を用い、経糸には長繊維や短繊維紡績糸を用いることが望ましい。潜在嵩高性アクリル混紡糸を経糸に用いると、サイジング時の加熱によって収縮が発現してしまうことがあり、その場合、織工程中で収縮が伸ばされ、製織後に収縮を発現させにくくなってしまうという不利な点がある。
経糸に使用する長繊維としては、特に限定はなく、キュプラ長繊維、ナイロン長繊維、レーヨン長繊維などを用いることができる。また、経糸に使用する短繊維紡績糸としては、特に限定はなく、綿糸や各種紡績糸などを用いることができる。
かかる本発明の潜在嵩高性アクリル織物の代表的な構成としては、経糸に短繊維紡績糸である綿糸、緯糸に潜在嵩高性アクリル混紡糸を用いた3/1のパンツ生地や、経糸に長繊維であるレーヨン長繊維、緯糸に潜在嵩高性アクリル混紡糸を用いた4/1のサテン生地などを挙げることができる。
上述してきた本発明の潜在嵩高性アクリル織物は収縮処理を施すことにより、該織物を構成する潜在嵩高性アクリル混紡糸に含まれる収縮性アクリル短繊維が収縮して、嵩高性が発現し、嵩高アクリル織物とすることができる。かかる収縮処理の方法としては、本発明の潜在嵩高性アクリル織物を沸水中に20分以上浸漬する方法や拡布状態で160℃×1分以上乾熱処理する方法を挙げることができる。なお、収縮処理は染色工程の一部として実施してもよい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の評価に用いた測定方法は、以下の通りである。また、実施例中の部及び百分率は特に限定が無い限り重量基準で示す。
<沸水収縮率>
沸水処理前のサンプルに荷重(0.1g/dtex)をかけ、一定間隔の原長さ(L1[mm])を計測し、該サンプルを沸水にて15分間処理し、乾燥後、サンプルに荷重(0.1g/dtex)をかけ、変化長さ(L2[mm])を計測し、次式により収縮率を求める。
沸水収縮率(%)={(L1−L2)/L1}×100
<撚係数>
JIS L 1095:2010 9.15.1のA法に従って求めた1インチあたりの撚数TとJIS L 1095:2010 9.4.1に従って求めた綿番手Neから次式より撚係数を算出する。
撚係数=T/(Ne)1/2
<繊度>
JIS L 1015:2010 8.5に従って繊度を測定する。
<カバーファクタ>
T:経糸番手(英式綿番手)、W:緯糸番手(英式綿番手)、TD:経糸密度(本/インチ)、WD:緯糸密度(本/インチ)として、次式により算出する。
カバーファクタ=TD/(T)1/2+WD/(W)1/2
<比容積比>
JIS L 1096:2010 8.5 かさ高性に記載の方法に従い、嵩高性(以下、比容積ともいう)[cm/g]を測定する。比較例1の織物の比容積に対する各実施例、比較例の比容積の比率[%]を算出し、これを比容積比とする。
<風合い(柔らかさ)、起毛感>
収縮処理後の各試料の風合いおよび起毛感を5名の熟練技術者により以下の5段階で評価してもらい、最も多い評価を評価結果とする。
非常に良好:◎、良好:○、やや良:△、やや不良:△△、不良:×
<接触温冷感>
接触温冷感の評価として最大熱流速度qmaxを測定する。qmaxの測定は、カトーテック(株)製のサーモラボII(KES−F7)を使用し、カトーテック(株)製の測定マニュアルに従って行う。20℃×65%RHの環境下で、BTボックス(熱源板)を人間の肌温として35±0.1℃に設定し、その上にTボックス(温度検出及び蓄熱板)をおき35±0.1℃に設定する。外気温20±0.5℃に設定したwaterボックス(定温台)の上に測定試料を載せ、35±0.1℃になったTボックスをこの測定試料の上に置き、熱移動を示す最大熱流速度qmax(W/cm)を測定する。
[実施例1]
収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率38%、1dtex、38mm)と非収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率3%、0.5dtex、32mm)を35:65の重量比として練条工程で混紡し、リング精紡により英式綿番手70番手、撚係数3.0の混紡糸を得た。経糸に75dtex(英式綿番手70.9番手)のキュプラ長繊維、緯糸に前記混紡糸を用いて、経糸密度185本/インチ、緯糸密度70本/インチとして4/1サテン織にて織物を作成した。この織物を100℃で5分間熱水処理して収縮を発現させ、乾燥して嵩高織物を得た。収縮処理前後の織物を評価した結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、収縮性アクリル短繊維を沸水収縮率20%、0.9dtex、38mmの収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製)に変更すること以外は同様にして嵩高織物を得る。
[実施例3]
実施例1において、収縮性アクリル短繊維と非収縮性アクリル短繊維の重量比を50:50に変更すること以外は同様にして嵩高織物を得る。
[実施例4]
実施例1において、収縮性アクリル短繊維と非収縮性アクリル短繊維の重量比を25:75に変更すること以外は同様にして嵩高織物を得る。
[実施例5]
実施例1において、混紡糸の番手を20番手とし、緯糸密度を60本/インチとすること以外は同様にして嵩高織物を得る。
[実施例6]
実施例1において、混紡糸の撚係数を3.8とすること以外は同様にして嵩高織物を得る。
[実施例7]
実施例1において、織組織を浮き本数7本の二重織とすること以外は同様にして嵩高織物を得る。
[実施例8]
実施例1において、経糸密度250本/インチ、緯糸密度150本/インチとすること以外は同様にして嵩高織物を得る。
[実施例9]
実施例1において、収縮性アクリル短繊維を沸水収縮率38%、0.4dtex、38mmの収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製)に変更すること以外は同様にして嵩高織物を得る。
[実施例10]
収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率38%、1dtex、38mm)、非収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率3%、0.5dtex、38mm)を練条工程で混紡し、ポリウレタン長繊維(東レ・オペロンテックス社製ライクラ(登録商標)、70dtex)をリング精紡で複合することにより英式綿番手16番手、撚係数3.5の長短複合糸(コアスパンヤーン(CSY))を得る。なお、重量比は収縮性アクリル短繊維:非収縮性アクリル短繊維:ポリウレタン長繊維=34:63:3である。次に、経糸に綿紡績糸(英式綿番手12番手)、緯糸に前記長短複合糸を用いて、経糸密度80本/インチ、緯糸密度60本/インチとして3/1ツイル織にて織物を作成する。この織物を100℃で5分間熱水処理して収縮を発現させ、乾燥して嵩高織物を得る。収縮処理前後の織物を評価した結果を表1に示す。
[実施例11]
収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率38%、1dtex、38mm)、非収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率3%、0.5dtex、38mm)を35:65の重量比として練条工程で混紡し、リング精紡により英式綿番手20番手、撚係数3.0の混紡糸を得る。経糸に綿紡績糸(英式綿番手20番手)、緯糸に前記混紡糸を用いて、経糸密度100本/インチ、緯糸密度75本/インチとして4/1サテン織の織物を作成する。この織物を100℃で5分間熱水処理して収縮を発現させ、乾燥して嵩高織物を得る。収縮処理前後の織物を評価した結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、収縮性アクリル短繊維を非収縮性アクリル繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率3%、1dtex、38mm)に変更すること以外は同様にして織物を得る。
[比較例2]
実施例1において、織組織を1/1平織とすること以外は同様にして嵩高織物を得る。
[比較例3]
実施例1において、織組織を2/1ツイル織とすること以外は同様にして嵩高織物を得る。
[比較例4]
実施例1において、経糸密度160本/インチ、緯糸密度80本/インチとすること以外は同様にして嵩高織物を得る。
表1に各実施例、比較例における収縮処理前後の織物を評価した結果を表1に示す。
Figure 2020176345
実施例1〜11においては、比容積比、風合い、起毛感、q−maxのいずれも良好な嵩高織物を得ることができた。これに対して、比較例1では収縮性アクリル繊維を使用していないため、嵩高性が得られない。比較例2および3では、浮き本数の少ない平織や2/1ツイル織であるため、嵩高性に乏しいものとなる。比較例4では、風合い、起毛感、q−maxとも良好なものとなったが、カバーファクタが低すぎるため実使用時にはスナッギングやスリップが問題になる。

Claims (10)

  1. 沸水収縮率が15〜45%である収縮性アクリル短繊維20〜60重量%と非収縮性短繊維40〜80重量%を含んだ潜在嵩高性アクリル混紡糸を経糸および/または緯糸に用いた織物であって、前記潜在嵩高性アクリル混紡糸は英式綿番手6〜80番手であり、かつ英式綿番手より算出される撚係数が2.7〜4.0であり、さらに前記潜在嵩高性アクリル混紡糸が連続して3〜7本浮き出ておりかつカバーファクタが30〜60である織組織を有することを特徴とする潜在嵩高性アクリル織物。
  2. 収縮性アクリル短繊維が繊度0.4〜5.0dtexであることを特徴とする請求項1に記載の潜在嵩高性アクリル織物。
  3. 非収縮性短繊維が非収縮性アクリル短繊維を含むものであることを特徴とする請求項1または2に記載の潜在嵩高性アクリル織物。
  4. 非収縮性短繊維が繊度1.0dtex以下の繊維を含むものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の潜在嵩高性アクリル織物。
  5. 潜在嵩高性アクリル混紡糸がポリウレタン長繊維を芯とする長短複合糸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の潜在嵩高性アクリル織物。
  6. 経糸が長繊維であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の潜在嵩高性アクリル織物。
  7. 経糸が短繊維紡績糸であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の潜在嵩高性アクリル織物。
  8. 潜在嵩高性アクリル混紡糸を緯糸に用いたパンツ生地であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の潜在嵩高性アクリル織物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の潜在嵩高性アクリル織物を収縮処理することを特徴とする嵩高アクリル織物の製造方法。
  10. 収縮処理が沸水処理であることを特徴とする請求項9に記載の嵩高アクリル織物の製造方法。
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