JP2004211264A - 弾性複合紡績糸織物およびそれを用いた製品およびその製造方法 - Google Patents

弾性複合紡績糸織物およびそれを用いた製品およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決課題】塩素晒工程にも耐えうる優れた白度とソフトな触感が得られる弾性複合弾性紡績糸布帛を提供すること。
【解決手段】ポリオレフィン弾性繊維を芯に、短繊維を鞘に配した芯鞘型複合紡績糸を経糸及び/又は緯糸に配した織物であって、ポリオレフィン系弾性糸が配された方向の織物特性が、定荷重伸長率が10%以上、織物の収縮率が5%以下である複合紡績糸織物を、ポリオレフィン繊維をドラフトして短繊維とともに複合紡績糸とした後、緊張状態で60〜95℃で湿熱セットし、製織し、セット工程を通すことなく後の染色仕上げ工程で湿熱セット温度以上で、実質的に無緊張下で弛緩処理し、クロライト晒をすることにより得る。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャツやブラウス用布帛や、シーツや包帯などに好適な、優れた耐薬品性を有し、スパン織編み物の工程安定性すぐれた布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン(ウレア)弾性繊維(スパンデックス)を用いた弾性繊維は、その優れた伸縮性特性から衣料分野等に広く用いられており、近年、用途の多様化に伴い、伸縮特性以外にも種々の特性、例えば耐薬品性等が要求されるに至っている。
しかしスパンデックスはその分子構造上、他素材に比して一般に耐薬品性に劣り、実用上制限がある課題を有する。
【0003】
これらの課題に対し、スパンデックス中に添加剤を添加することによる解決が試みられているが、スパンデックスの持つ本質的な特性を解決するものではなく、十分な効果は得られていないのが現状である。また一般にポリウレタン弾性繊維は摩擦係数が高く、織編工程で問題が多いことや、衣料素材としてテクスチャーが良くないこと、ほとんど染色性がないことから、他素材と複合して用いられられることがほとんどである。特に肌着や中衣で、吸湿性能を要求される場合、その相手素材は綿がてきしている。綿繊維と弾性糸を複合する手段として、従来用いられている交編織する方法やカバリングする手段があるが、弾性糸の被覆率を高めることから芯鞘型複合紡績糸が優れている。
【0004】
しかし、綿繊維とポリウレタン弾性糸を複合する場合、大きな問題がある。それは綿繊維の仕上げには必須の晒工程にポリウレタン繊維が耐えられない事であり、現状はクロライト晒を避け、過酸化水素による、軽度の晒条件に限定されており、白度不良や綿繊維の力学特性の損傷が問題になており、限られた用途に限定されている。加えて、綿繊維とポリウレタン弾性糸の複合紡績糸の場合は伸長率が高いため、準備工程や製織時の張力変動による伸長率変動が大きく、厳密な張力管理をしないと、ストリークの発生や幅不同の問題が出やすく、工程管理が面倒な問題も抱えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来の課題を解消し、ポリオレフィン弾性繊維を芯に用い、鞘に綿繊維、等の短繊維を用いた耐薬品性に優れたクロライト漂白にも耐えうる弾性複合紡績糸を経糸 及び/又は緯糸に用いた織物で製織時の工程安定性に優れた弾性複合紡績糸織物及びその製品および製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、下記の構成からなる。
1.ポリオレフィン弾性繊維を芯に、短繊維を鞘に配した芯鞘型複合紡績糸を経糸 及び/又は緯糸に配した織物であって、ポリオレフィン系弾性糸が配された方向の織物特性が下記(1)〜(2)を満足することを特徴とする複合紡績糸織物。
(1)定荷重伸長率が10%以上。
(2)織物の収縮率が5%以下。
2.ポリオレフィン弾性繊維の混用率が25%以下であることを特徴とする上記第1記載の複合紡績糸織物。
3.ポリオレフィン繊維をドラフトして短繊維とともに複合紡績糸とした後、緊張状態で60〜95℃で湿熱セットした後、製織し、セット工程を通すことなく後の染色仕上げ工程で湿熱セット温度以上で、実質的に無緊張下で弛緩処理し、クロライト晒をすることを特徴とする複合紡績糸織物の製造方法。
4.上記第1記載の複合紡績糸織物を少なくとも一部に用いてなることを特徴とするドレスシャツ。
5.上記第1記載の複合紡績糸織物を少なくとも一部に用いてなることを特徴とするブラウス。
6.上記第1記載の複合紡績糸織物を少なくとも一部に用いてなることを特徴とするシーツ。
7.上記第1記載の複合紡績糸織物を少なくとも一部に用いてなることを特徴とする包帯。
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリオレフィン弾性繊維の熱セット特性に鑑みて、従来のスパンデックス等を含んだ複合紡績糸では達成できなかった、多少の張力変動でも安定した品質を確保でき、クロライト晒工程にも耐える本発明に至った。
【0008】
本発明でいうポリオレフィン弾性繊維は均一に分枝を有しており、実質的に線状であるオレフィンをいい、好ましくは耐熱性、等の諸物性を向上せしめる観点から、架橋処理を施されてなる繊維である。
ここで均一に分枝していて実質的に線状であるオレフィン繊維とは、オレフィン系モノマーを重合させた重合物であり、その重合物の分岐度合いが均一であるものを言う。
例えばαオレフィンを共重合させた低密度ポリエチレンや特表平8−509530号公報記載の弾性繊維がこれに当たる。
また架橋処理の方法としては、例えばラジカル開始剤やカップリング剤などを用いた化学架橋や、エネルギー線を照射することによって架橋させる方法等が挙げられる。製品となった後の安定性を考慮するとエネルギー線照射による架橋が好ましいが、本発明はこれらの方法に限定されるものではない。
【0009】
複合紡績糸の鞘に用いる繊維は毛羽によるソフト触感を与え、マイルドな光沢感を出す意味から短繊維が好ましく、なかでも綿繊維が吸湿性を付与し、着用耐久性の観点からより好ましいが、他に絹、麻、羊毛等の天然短繊維やレイヨン、アセテート、キュプラ等の再生繊維や半合成繊維の短繊維を用いることもできる。加えて乾燥性や皺回復性(W&W性)が要求される場合はポリアミドやポリエステル等の合成繊維の短繊維を前記、天然繊維や再生繊維、半合成繊維の短繊維と混紡することも可能である。
【0010】
本発明の複合糸織物は芯に架橋型ポリオレフィン繊維を用い、鞘に短繊維を用い複合糸を経糸及び/又は緯糸に用いた織物であることが必要である。ポリオレフィン弾性繊維、望ましくは架橋型ポリオレフィン繊維は低温で仮セットができ、仮セット以上の温度で弾性が回復する特性と耐薬品制に優れていることが本発明の根本である。鞘繊維は用途から求められる吸湿特性を保持するために綿繊維が好ましいが、洗濯時の乾燥しやすさや防皺性の要求が強い時は鞘繊維の70%未満であれば、耐薬品制のあるホ゜リエステルやナイロン等の合成繊維ステーフ゜ルを含んでもかまわないが、30%以上は綿繊維とすることが望ましい。
【0011】
複合紡績糸織物の伸長特性が重要である。布帛の伸長率は定荷重伸長率とその時の回復率で評価した。着用時の快適性は衣服のゆとり率と布帛の伸長率で決まるが、近年のフィット性の高いファッション傾向からシャツ、ブラウス用途ではその伸長率は10〜20%、スラックス等のボトム用途では、10〜25%の伸長率が必要であり、形態保持の観点からその回復率は40%以上が好ましい。
【0012】
布帛中の架橋型ポリオレフィン繊維の混用率は布帛の伸長応力を左右し、多すぎるとパワーが強くなりすぎ、かえって不快感を与える。加えて架橋型ポリオレフィン繊維は高価であり、混用率が高くなると、経済性でも不利となる。また綿繊維と混用することで、水分に関わる快適性能を持つことが目的であり、この事からも混用率は低いことが好ましく、25%以下とすることが好ましい。中でも経または緯方向のみの一方向の伸縮性を付与するため、経糸もしくは緯糸のみに、弾性複合紡績糸を用いる場合は13%以下とすることが好ましい。
【0013】
芯糸にポリオレフィン弾性繊維を用いる理由は次の2つの理由による。1つは、綿の白度とソフト風合いを得るために必要なクロライト晒工程に耐えうる耐薬品性を有する弾性糸であること。他の1つは仮セット性があり、製織時に非伸縮化でき、非弾性糸と同等の取扱いができ、後の精練、染色工程で伸縮性能が回復できる特性をもつためである。
【0014】
この特性を利用するため、精紡上がりの紡績糸は精紡コップのまま、湿熱でセットされる。通常この工程は内外層差をなくするため処理する蒸気が十分に内層まで浸透するように、圧力釜中で減圧後にスチームが供給され、温度を均一にコントロールする意味から、60℃が下限であり、装置的には、加圧下では130℃まで可能であるが、精練、染色工程で弾性が十分に回復させるためには、95℃が上限である。ここで湿熱セットする意味は2つあり、1つは前述の仮セットをすることと、もう1つは次工程での取り扱い性を良くするために、撚セットするためである。この後、紡績糸は欠点を除去しながら、チーズに巻き返され、織工程に供される。
【0015】
製織工程に供された原糸は伸度が6%以下で、弾性複合紡績糸というよりも通常の綿紡績糸として取り扱うことができる。経糸に用いる場合は通常の綿糸と同様に整経、糊付け後に経とおしされ、織機に供される。糊付け乾燥工程での加熱温度は95℃以下が、精練、染色工程での弾性発現を保証する上で好ましい。整経時の張力管理は糸切れやたるみが発生しない程度で十分である。緯糸は無杼織機の場合はそのまま緯糸として供給し、有杼織機の場合は緯管に巻き替え、シャトルに着装して緯糸として供給される。この場合も張力管理は織効率を損なわない範囲で良い。
【0016】
織りあがった織物は次の染色工程に通す。先ず最初に毛焼き工程で布帛表面の毛羽を処理する。次いで糊抜き、精練で弛緩処理に入るが、経糸に弾性複合紡績糸を用いる場合は、極力経糸に張力を掛けない液流型の処理設備を用いることが好ましい。緯糸にのみ弾性複合紡績糸を用いる場合は通常の連続染色工程で充分である。次いでクロライト晒、サンホライズ加工を実施し、ファイナルセットするが、この際、弾性複合紡績糸を用いた方向にはほとんど伸長せず、5%以下、好ましくは3〜1%に伸長率をとどめる必要がある。5%を越える伸長下せ熱セットすると布帛の伸長性が低下するため好ましくない。
【0017】
撚り係数を4.0〜4.2の複合紡績糸を30〜60英式綿番手とし、経糸 及び/又は緯糸に用い平織り組織として、カバーファクターを9〜12とすることによりシャツ地にてきした織物が得られる。シャツ地に要求される性能は快適性と審美性があり、快適性は通気性、吸湿性、伸縮性であり、審美性は光沢、白度、ソフト触感等である。加えて洗濯回数が多いことから、洗濯およびアイロン掛け時の寸法安定性も重要である。通気性はほぼ織り密度で規制されるが、吸湿性、伸縮性では綿繊維を主体とする複合弾性糸を用いた織物より構成された本発明のシャツまたはブラウスは優れた特性を示す。光沢、白度、ソフト触感はクロライト晒をする本発明のシャツまたはブラウスの優れた特徴である。また、本発明のシャツまたはブラウスは過度の伸長歪みが加えられた時に生ずる永久歪みはアイロン掛け等の熱処理で原寸に回復することも特徴である。
【0018】
撚り係数を3.8〜4.2の複合紡績糸を20〜40英式綿番手とし、経糸及び/又は緯糸に用い平織り組織として、カバーファクターを9〜14とすることによりシーツ地にてきした織物が得られる。シーツとして要求される性能には、適度の伸長性と回復性および吸湿性および洗濯およびアイロン掛け時の寸法安定性および耐熱性である。シーツに伸長性および回復性がないと、ベットメイクが面倒になるばかりか、就寝時の寝返り等の身体の移動に伴うシーツの敷体とのずれが生ずる。1度に生ずる量は僅かであるが、伸長性と回復性がないと繰り返しの移動により、シーツは敷体とずれて偏って手直しが必要になる。しかし、伸長性と回復性があると寝返り等の身体の移動に伴う変形毎に、伸長で吸収し、回復して、蹴り返しによる積み重ね効果がないため、シーツの偏りに繋がらない。また本発明のシーツは耐熱性があるため、高温洗濯や殺菌処理にも耐え、特に病院用途にもてきしている。また、シャツ地と同様に過度の伸長歪みが加えられた時に生ずる永久歪みはアイロン掛け等の熱処理で原寸に回復することも特徴である。
【0019】
撚り係数を3.8〜4.0の複合紡績糸を10〜30英式綿番手とし、経糸及び/又は緯糸に用い平織り組織として、カバーファクターを6〜10とし、細巾織機で織ることにより、包帯が得られる。包帯として要求される性能には、患部へのあたりの穏やかさ、通気性、水分吸収性、保温性、取り扱い性等がある。通気性、水分吸収性、保温性は従来の綿織物の包帯で充分達成されれているが、取り扱い性は伸縮性のない従来品では関節部や頭部等の複雑が形状部分では包帯をまくためには特殊な技術が必要であった。しかし、弾性複合紡績糸使いとすることで、素人でも容易に着装可能であり、特に家庭での容易な着装が可能となる。本発明の包帯のもう1つの特徴は着装時は巻く時に巻崩れがしない程度の適度の伸長応力があるが、経時とともに応力が緩和し、患部の逼迫力が低下し、患部にたいしてやさしいことにある。また弾性糸の耐薬品性があり、製織後に塩素晒が可能なことは、製造コストを低くするメリットがある。耐熱性があることはシーツの場合と同様である。
くり返しの使用での弾性へたりに対しても、熱処理での回復性があって、有用である。
【0020】
以下、実施例で詳細な説明をするが、本発明の実施形態を限定するものではない。
【0021】
本発明の評価は以下の方法で実施した。
[糸の伸長率及び収縮率]
紡績、湿熱セット上がりの複合紡績糸を周長1mのラップリールを用い、8巻きのかせを作り、芯糸のテ゛ニール(紡績時のドラフト前のテ゛ニール)に0.001gを乗じた荷重を掛け、1分後にかせ長を測定して、A(mm)とした。次いで、0.1g/テ゛ニール(紡績糸のテ゛ニール)の荷重を掛け、1分後のかせ長を測定して、B(mm)とした.。ついで無荷重の状態でガーゼに包み、クリップで固定して、沸水中に入れ、30分処理する。処理後、室温下で1時間以上放置し、ガーゼを取りよき、40℃の熱風乾燥機で1時間乾燥後、再び0.1g/テ゛ニールの荷重を掻け、かせ長を測定して、C(mm)とした。ついで荷重を除き、新たに伸長率及び収縮率は次式より求めた。
糸の伸長率={(B−A)/B}×100(%)
糸の収縮率={(B−C)/B}×100(%)
【0022】
[定荷重伸長率]
「風合い評価の標準化と解析」(日本繊維機械学会編集)の第IV章 「布の力学的特性の測定」に記載の方法にのっとり、測定した。幅20cm、長さ5cmの試料を布帛の経方向、緯方向に採取し、長さ方向に4.00×10ー3 /sec一定で、最大荷重500gf/cmまで引張り、変形回復過程に移り、最大荷重時の伸長率を求めた。経方向と緯方向の平均値を伸長率とした。(経糸と緯糸が異なる場合は経緯個々に表示する。)
【0023】
[布帛の収縮率]
JIS L 1057「織物及び編物のアイロン収縮率試験方法」のA法に順じて測定した。なお、アイロンの温度は180℃とした。
【0024】
【実施例】
[実施例1]
平均繊維長が26mmの綿繊維よりなる粗糸をフロントローラーとバックローラー間で48倍にドラフトし、同時に架橋型ポリオレフィン繊維44テ゛シテックスのモノフィラメントを3.5倍にドラフトしてフロントローラーに供給し、撚係数を4.2として36gの張力下で精紡コップに巻取り、40綿番手の芯鞘型複合紡績糸を得た。架橋型ポリオレフィン繊維の混用率は8.6%であった。該紡績糸を70℃で15分間キヤーセットした。該糸の伸長率及び収縮率を表1に示した。経糸に綿糸40番手を90本/inの密度で配し、緯糸に前記複合紡績糸を70本/inの密度に配して、平織りの織物を得た。同布を通常の連続仕上げ工程で、毛焼き、糊抜き、精練、漂白、シルケットをして、170℃で幅方向に3%、経方向に5%伸長してセットをした。最後にサンホライス゛加工を実施した。なお漂白は亜塩素酸ソーダ(25%)35g/リットルで95℃45分で実施した。得られた織物は白度に富み、ソフトな触感を有し、横方向に伸縮性、回復性に富む高級感のある織物であった。この織物の定荷重伸長率と収縮率を表1に示した。この織物を用いてドレスシャツに縫製したところ光沢に富み、伸縮性にすぐれた着心地の良いシャツが得られた。
【0025】
[実施例2]
平均繊維長が26mmの綿繊維よりなる粗糸をフロントローラーとバックローラー間で48倍にドラフトし、同時に架橋型ポリオレフィン繊維44テ゛シテックスのモノフィラメントを3.5倍にドラフトしてフロントローラーに供給し、撚係数を4.2として36gの張力下で精紡コップに巻取り、40綿番手の芯鞘型複合紡績糸を得た。架橋型ポリオレフィン繊維の混用率は8.6%であった。該紡績糸を70℃で15分間キヤーセットした。経糸に綿糸40番手を90本/inの密度で配し、緯糸に前記複合紡績糸を70本/inの密度に配して、平織りの織物を得た。同布を通常の連続仕上げ工程で、毛焼き、糊抜き、精練、漂白、シルケットをして、170℃で幅方向に3%、経方向に5%伸長してセットをした。最後にサンホライス゛加工を実施した。なお漂白は亜塩素酸ソーダ(25%)35g/リットルで95℃45分で実施した。得られた織物は白度に富み、ソフトな触感を有し、横方向に伸縮性、回復性に富む高級感のある織物であった。この織物の定荷重伸長率と収縮率を表1に示した。得られた織物を定長カットし、カット端を縫合してシーツとした。
【0026】
[実施例3]
平均繊維長が26mmの綿繊維よりなる粗糸をフロントローラーとバックローラー間で48倍にドラフトし、同時に架橋型ポリオレフィン繊維44テ゛シテックスのモノフィラメントを3.5倍にドラフトしてフロントローラーに供給し、撚係数を4.0として36gの張力下で精紡コップに巻取り、40綿番手の芯鞘型複合紡績糸を得た。架橋型ポリオレフィン繊維の混用率は8.6%であった。該紡績糸を70℃で15分間キヤーセットした。経糸に該複合紡績糸と綿糸40番手(別途紡出、撚係数は4.0、70℃で15分間キヤーセット)を1本交互に配し、緯糸に20番手の綿糸を用い、テープ織機にて幅5cm、経糸密度20本/cm、緯糸密度24本/cmで平織り組織のテープを得た。このテープはほとんど伸縮性がないテープであった。これを常法で精練、クロライト漂白、洗浄して晒テープを得た。このテープは伸縮性に富み、ソフトな風合いを示した。ポリオレフィン系弾性糸の含有率は2.9%であった。
【0027】
[比較例1]
複合紡績時に供給する弾性糸をポリウレタン弾性糸(東洋紡エスパ タイプ765)44デシテックスとすること以外は実施例2と同法で織物を得た。同布は長手方向に1〜2cmの幅変動があるばかりか、晒工程で極度の黄変が発生し、実用に耐えない織物になった。また弾性糸の強度低下が大きく、耐久性に問題があった。
【0028】
[実施例4]
紡績後にキヤーセットをすることをしない以外は実施例1と同法で織物を得た。布帛性能的には充分な性能を有するものの、同布の製織時にシャトル織機を用いると、織幅変動が大きくなり、レヒ゜ア織機やジェット織機等の定張力で緯糸を供給する織機でないと均一な織幅の織物が得られず、織機を限定する必要があった。また製織時に部分的ではあるが、びりが発生し、織物の欠点が見られた。
【0029】
【表1】
Figure 2004211264
【0030】
【発明の効果】
本発明の複合紡績糸布帛は、製織時はほとんど弾性がなく、張力による糸長差が生じにくい、取扱性、工程管理性に優れ、染色仕上げ工程ではじめて、弾性が発現する特徴を持ち、複塩素晒工程にも耐えうる優れた白度とソフトな触感が得られる弾性複合弾性紡績糸布帛を提供することを可能とした。

Claims (7)

  1. ポリオレフィン弾性繊維を芯に、短繊維を鞘に配した芯鞘型複合紡績糸を経糸 及び/又は緯糸に配した織物であって、ポリオレフィン系弾性糸が配された方向の織物特性が下記(1)〜(2)を満足することを特徴とする複合紡績糸織物。
    (1)定荷重伸長率が10%以上。
    (2)織物の収縮率が5%以下。
  2. ポリオレフィン弾性繊維の混用率が25%以下であることを特徴とする請求項1記載の複合紡績糸織物。
  3. ポリオレフィン繊維をドラフトして短繊維とともに複合紡績糸とした後、緊張状態で60〜95℃で湿熱セットした後、製織し、セット工程を通すことなく後の染色仕上げ工程で湿熱セット温度以上で、実質的に無緊張下で弛緩処理し、クロライト晒をすることを特徴とする複合紡績糸織物の製造方法。
  4. 請求項1記載の複合紡績糸織物を少なくとも一部に用いてなることを特徴とするドレスシャツ。
  5. 請求項1記載の複合紡績糸織物を少なくとも一部に用いてなることを特徴とするブラウス。
  6. 請求項1記載の複合紡績糸織物を少なくとも一部に用いてなることを特徴とするシーツ。
  7. 請求項1記載の複合紡績糸織物を少なくとも一部に用いてなることを特徴とする包帯。
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