JP2020176215A - 組成物、硬化物および硬化物の製造方法 - Google Patents

組成物、硬化物および硬化物の製造方法 Download PDF

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智幸 岩島
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Abstract

【課題】硬度および密着性のバランスに優れた硬化物を形成することが可能な組成物を提供することを主目的とする。【解決手段】8個以上15個以下のエチレン性不飽和基および1個以上のウレタン結合を有する化合物と、3個以上7個以下のエチレン性不飽和基を有する化合物と、1個または2個のエチレン性不飽和基を有する水酸基含有化合物と、を含む組成物である。この組成物の硬化物である。この組成物を硬化する硬化工程を有する硬化物の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物を形成することが可能な組成物に関するものである。
近年、情報処理装置の入力装置として、画像表示装置の画面に設けられ、画面を押圧した位置によって所定の指示を情報処理装置に与えるタッチパネルが知られている。タッチパネルが装着された画像表示装置をはじめとして、多くの画像表示装置の使用者側の最表面には、傷つき防止のためのハードコート層が設けられている。
このようなハードコート層を形成するための組成物としては、多官能アクリレートを含む組成物が知られている。
例えば、特許文献1〜3では、ウレタンアクリレートおよびウレタンアクリレート以外の多官能アクリレートを含む組成物を、ハードコート層形成用組成物として用いることが記載されている。
国際公開第2017/170246号 国際公開第2018/066697号 特開2018−188501号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載される組成物では、その硬化物の硬度および密着性のバランスが不十分であり、例えば、上記組成物を用いてハードコート層を形成した場合には、硬度不足の結果、被着体の保護が不十分となったり、密着不足の結果、ハードコート層が剥離する等の不具合が生ずる場合があるといった問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物を形成することが可能な組成物を提供することを主目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、所定の官能基数を有するウレタンアクリレートと、所定の官能基数を有する多官能アクリレートと、所定の官能基数を有するヒドロキシアクリレートと、を組み合わせた組成物によれば、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物を形成することが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、8個以上15個以下のエチレン性不飽和基および1個以上のウレタン結合を有する化合物と、
3個以上7個以下のエチレン性不飽和基を有する化合物と、
1個または2個のエチレン性不飽和基を有する水酸基含有化合物と、
を含むことを特徴とする組成物を提供する。
本発明によれば、8個以上15個以下のエチレン性不飽和基および1個以上のウレタン結合を有する化合物(以下、「化合物A」と称する場合がある。)と、3個以上7個以下のエチレン性不飽和基を有する化合物(以下、「化合物B」と称する場合がある。)と、1個または2個のエチレン性不飽和基を有する水酸基含有化合物(以下、「化合物C」と称する場合がある。)と、を併用することで、上記組成物は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物を形成可能となる。
本発明においては、前記8個以上15個以下のエチレン性不飽和基および1個以上のウレタン結合を有する化合物が、下記一般式(A1)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。上記化合物Aが、上記所定の構造を有することにより、上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
Figure 2020176215
式(A1)中、nは、2または3であり、
は、下記一般式(1)または(2)で表される基であり、
が2である場合、Rの少なくとも一方は、下記一般式(1)で表される基であり、
は、n価の、炭素原子数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環含有基または炭素原子数2〜30の複素環含有基を表す。
Figure 2020176215
式(1),(2)中、R11は、水素原子またはメチル基を表し、
複数のR11は、同一であっても異なっていてもよい。
*は、結合箇所を表す。
本発明においては、前記一般式(A1)中、nが2であり、2個のRの両方が、上記一般式(1)で表される基であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
本発明においては、前記8個以上15個以下のエチレン性不飽和基および1個以上のウレタン結合を有する化合物の含有量が、該8個以上15個以下のエチレン性不飽和基および1個以上のウレタン結合を有する化合物と、前記3個以上7個以下のエチレン性不飽和基を有する化合物との合計100質量部中に、15質量部以上90質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
本発明においては、前記1個または2個のエチレン性不飽和基を有する水酸基含有化合物が、下記一般式(C1)で表される化合物であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。また、上記組成物は、密着性に、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
Figure 2020176215
式(C1)中、R102は、水素原子またはメチル基を表し、
は、1〜10の整数を表し、
は、1〜20の整数を表し、
は、1〜20の整数を表し、
は、0〜20の整数を表す。
本発明においては、前記一般式(C1)中、R102が、水素原子であり、
が、2〜6の整数であり、
が、1であり、
が、0であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。また、上記組成物は、密着性に、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
本発明においては、前記1個または2個のエチレン性不飽和基を有する水酸基含有化合物の含有量が、前記8個以上15個以下のエチレン性不飽和基および1個以上のウレタン結合を有する化合物、前記3個以上7個以下のエチレン性不飽和基を有する化合物、および、該1個または2個のエチレン性不飽和基を有する水酸基含有化合物の合計100質量部中に、5質量部以上60質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。また、上記組成物は、密着性に、より優れたものとなるからである。
本発明は、上述の組成物の硬化物を提供する。
本発明によれば、上記硬化物は、上述の組成物を用いて形成されたものであるため、硬度および密着性のバランスに優れたものとなる。
本発明は、上述の組成物を硬化する硬化工程を有することを特徴とする硬化物の製造方法を提供する。
本発明によれば、上述の組成物を用いる硬化工程を有することにより、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物が形成容易となる。
本発明は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物を形成することが可能な組成物を提供できるという効果を奏する。
本発明は、組成物、その硬化物および硬化物の製造方法に関するものである。
以下、本発明の組成物、硬化物および硬化物の製造方法について詳細に説明する。
A.組成物
まず、本発明の組成物について説明する。
本発明の組成物は、8個以上15個以下のエチレン性不飽和基および1個以上のウレタン結合を有する化合物と、3個以上7個以下のエチレン性不飽和基を有する化合物と、1個または2個のエチレン性不飽和基を有する水酸基含有化合物と、を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、上記各成分を含むことにより、上記組成物は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物を形成することが可能となる。
ここで、上記各成分を含むことにより、上記組成物が、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物を形成可能となる理由は、以下のように推察される。
すなわち、上記化合物Aは、上記所定の官能基数であり、さらに、ウレタン結合を有する構造を有するため、上記組成物の硬化物を硬度に優れたものとすることができるとともに、硬化収縮が少ないものとすることができる。また、上記化合物Bは、上記所定の官能基数であることで、分子量当たりの官能基数が多い化合物とすることが容易であり、高密度架橋構造を有する硬化物の形成が特に容易となる。したがって、上記化合物Aおよび化合物Bを併用することにより、上記組成物の硬化物を硬度に優れたものとすることができるとともに、密着性にも優れたものとすることができる。
また、上記化合物Cは、水酸基を有することで、上記組成物の硬化物を被着体に対する密着性に優れたものとすることができる。また、化合物Cは、官能基数が1個または2個であることで、上記組成物を硬化時の硬化収縮の少ないものとすることができる。また、化合物Aのウレタン結合と、化合物Cの水酸基とが水素結合により結合し、上記硬化物の硬度を向上できる。
このようなことから、化合物A、化合物Bおよび化合物Cの3成分を同時に併用することにより、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物が形成可能となるのである。
また、硬化収縮を所定の範囲に制御できることで、例えば、上記硬化物を被着体上に形成した積層体を、反り(カール)の小さいものとすることもできる。
さらに、化合物Aおよび化合物Bと比較して官能基数の少ない化合物Cを有することで、化合物A、化合物B等の官能基数の多い化合物同士の重合を抑制でき、上記組成物は、保存安定性に優れたものとなる。特に、組成物中において、化合物Cが、ウレタン結合および水酸基の水素結合により、化合物Aの周囲を被覆するように存在することで、特に官能基数の多い化合物A同士、および、化合物Aと化合物Bとの重合を効果的に抑制できる結果、上記組成物の保存安定性が向上する。
このように、化合物A、化合物Bおよび化合物Cを併用することにより、上記組成物は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物が形成可能となるとともに、積層体の反りが小さく、さらに、保存安定性にも優れたものとなるのである。
本発明の組成物は、化合物A、化合物Bおよび化合物Cを有するものである。
以下、本発明の組成物の各成分について説明する。
1.化合物A
上記化合物Aは、8個以上15個以下のエチレン性不飽和基および1個以上のウレタン結合(−NHCOO−)を有する化合物である。
上記エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基等が挙げられる。
上記化合物Aが有するエチレン性不飽和基の数としては、8個以上15個以下であればよいが、9個以上13個以下であることが好ましく、中でも、9個以上11個以下であることが好ましい。化合物Aのエチレン性不飽和基の数が上述の範囲であることで、上記組成物は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。
上記化合物Aが有するウレタン結合の数としては、1個以上であればよいが、2個以上であることが好ましく、中でも、2個以上3個以下であることが好ましく、特に、2個であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。また、上記組成物は、化合物Aおよび化合物Cの相互作用が容易となり、保存安定性に、より優れたものとなるからである。
このような化合物Aとしては、例えば、下記一般式(A1)で表される化合物を好ましく用いることができる。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。
Figure 2020176215
式(A1)中、nは、2または3であり、
は、下記一般式(1)または(2)で表される基であり、
が2である場合、Rの少なくとも一方は、下記一般式(1)で表される基であり、
は、n価の、炭素原子数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環含有基または炭素原子数2〜30の複素環含有基を表す。
Figure 2020176215
式(1),(2)中、R11は、水素原子またはメチル基を表し、
複数のR11は、同一であっても異なっていてもよい。
*は、結合箇所を表す。
上記一般式(A1)中、nは、2または3であるが、2であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。
上記一般式(A1)中、Xは、n価の基であり、一価の基から水素原子を「n−1」個除いた基を用いることができる。
したがって、Xに用いられる脂肪族炭化水素基としては、芳香族炭化水素環および複素環を含まない、一価の脂肪族炭化水素基から水素原子を「n−1」個除いた基を用いることができる。
に用いられる脂肪族炭化水素基としては、より具体的には、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数3〜30のシクロアルキル基、および、炭素原子数4〜30のシクロアルキルアルキル基から選択される一価の脂肪族炭化水素基から「n−1」個の水素原子を除いた基を用いることができる。
上記脂肪族炭化水素基は、基中の水素原子が他の置換基で置換されていない無置換の基を用いることができる。すなわち、Xとしては、水素原子が置換されていない、無置換のアルキル基、無置換のシクロアルキル基および無置換のシクロアルキルアルキル基から選択される一価の基から「n−1」個の水素原子を除いた基を用いることができる。
に用いられる炭素原子数1〜30のアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。直鎖のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、イコシル等が挙げられる。分岐のアルキル基としては、iso−プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、iso−ペンチル、tert−ペンチル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、iso−ヘプチル、tert−ヘプチル、iso−オクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、イソノニル等が挙げられる。
に用いられる炭素原子数3〜30のシクロアルキル基としては、3〜30の炭素原子を有する基であり、飽和単環式アルキル基、飽和多環式アルキル基およびこれらの基の環中の水素原子の1つまたは2つ以上が、アルキル基で置換された基が挙げられる。
上記炭素原子数3〜30の飽和単環式アルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルおよびシクロデシル等が挙げられる。上記炭素原子数3〜30の飽和多環式アルキル基としては、アダマンチル、デカハイドロナフチル、オクタヒドロペンタレンおよびビシクロ[1.1.1]ペンタニル等が挙げられる。
飽和単環式アルキル基または飽和多環式アルキル基の環中の水素原子を置換するアルキル基としては、上記のXに用いられる炭素原子数1〜30のアルキル基として例示したものと同様の基が挙げられる。
なお、「炭素原子数3〜30のシクロアルキル基」の「3〜30」は、飽和単環式アルキル基または飽和多環式アルキル基の炭素原子数を示すのではなく、「シクロアルキル基」の炭素原子数を規定する。したがって、シクロアルキル基が「飽和単環式アルキル基または飽和多環式アルキル基の環中の水素原子の1つまたは2つ以上が、アルキル基で置換された基」である場合は、水素原子がアルキル基で置換された後の炭素原子数が「3〜30」であることを示す。
に用いられる炭素原子数4〜30のシクロアルキルアルキル基としては、アルキル基の水素原子が、シクロアルキル基で置換された炭素原子数4〜30の基を意味する。
上記シクロアルキルアルキル基中のシクロアルキル基は単環であってもよく、多環であってもよい。シクロアルキル基が単環である炭素原子数4〜30のシクロアルキルアルキル基としては、例えば、シクロプロピルメチル、2−シクロブチルエチル、3−シクロペンチルプロピル、4−シクロヘキシルブチル、シクロヘプチルメチル、シクロオクチルメチル、2−シクロノニルエチルおよび2−シクロデシルエチル等が挙げられる。
に用いられる芳香族炭化水素環含有基としては、芳香族炭化水素環を含み、複素環を含まない、一価の芳香族炭化水素環含有基から、水素原子を「n−1」個除いた基を用いることができる。
上記Xに用いられる芳香族炭化水素環含有基としては、より具体的には、炭素原子数6〜30のアリール基および炭素原子数7〜30のアリールアルキル基から選択される一価の芳香族炭化水素環含有基から「n−1」個の水素原子を除いた基を用いることができる。
上記芳香族炭化水素環含有基は、基中の水素原子が他の置換基で置換されていない無置換の基を用いることができる。すなわち、上記Xとしては、水素原子が置換されていない、無置換のアリール基および無置換のアリールアルキル基から選択される一価の基から「n−1」個の水素原子を除いた基を用いることができる。
また、本明細書において、「炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環含有基」における「6〜30」は、「芳香族炭化水素環」ではなく「芳香族炭化水素環含有基」の炭素原子数を規定する。
上記Xに用いられる炭素原子数6〜30のアリール基は、芳香族性を有する基とすることができ、芳香族環から水素原子を1つ除いた芳香族環基および芳香族環基に含まれる芳香族環中の水素原子の1つまたは2つ以上が一価の脂肪族炭化水素基で置換された基を用いることができる。
上記芳香族環基に含まれる芳香族環は、単環構造を有するものであってもよく、縮環構造を有するものであってもよい。さらに、上記芳香族環基は、単環構造の芳香族環と単環構造の芳香族環とを連結した構造を有するものであってもよく、単環構造の芳香族環と縮合構造の芳香族環とを連結した構造を有するものであってもよく、或いは縮合構造の芳香族環と縮合構造の芳香族環とを連結した構造を有するものであってもよい。2つの芳香族環を連結する連結基としては、単結合およびカルボニル基等が挙げられる。単結合単環構造を有する芳香族環基としては、例えば、フェニル、ビフェニルおよびベンゾフェノン等が挙げられる。縮環構造を有する芳香族環基としては、例えば、ナフチル、アントラセニル、フェナントリルおよびピレニル等が挙げられる。上記アリール基として用いられる、芳香族環基に含まれる芳香族環中の水素原子の1つまたは2つ以上が一価の脂肪族炭化水素基で置換された基としては、トリル基等が挙げられる。
上記芳香族環基に含まれる芳香族環中の水素原子を置換する一価の脂肪族炭化水素基としては、上記のXに用いられる一価の脂肪族炭化水素基として例示したものと同様の基が挙げられる。
上記Xに用いられる炭素原子数7〜30のアリールアルキル基とは、上述のアルキル基中の水素原子の1つまたは2つ以上が上述のアリール基で置換された基とすることができる。炭素原子数7〜30のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル、フルオレニル、インデニル、9−フルオレニルメチル、α−メチルベンジル、α,α−ジメチルベンジル、フェニルエチルおよびナフチルプロピル基やこれらの環中の水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された基等が挙げられる。
上記水素原子を置換する脂肪族炭化水素基としては、上記のXに用いられる脂肪族炭化水素基として例示したものが挙げられる。
上記Xに用いられる複素環含有基としては、複素環を含む一価の基である一価の複素環含有基から水素原子を「n−1」個除いた基を用いることができる。
上記Xに用いられる一価の複素環含有基としては、ピロール環、ピロリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環等の5員環;イソシアヌル環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、トリアジン環等の6員環;インドール環、インドリン環、キノリン環、アクリジン環、ナフチリジン環、キナゾリン環、プリン環、キノキサリン環等の縮合環等の複素環中の水素原子を1つ除いた複素環基、一価の脂肪族炭化水素基の水素原子の1つまたは2つ以上が複素環基で置換された基並びに複素環基中の水素原子の1つまたは2つ以上が、一価の脂肪族炭化水素基で置換された基等が挙げられる。
複素環基により水素原子が置換されるかまたは複素環基中の水素原子を置換する一価の脂肪族炭化水素基としては、上記のXに用いられる一価の脂肪族炭化水素基として例示したものが挙げられる。
なお、本明細書において、「炭素原子数2〜30の複素環含有基」における「2〜30」は、「複素環」ではなく「複素環含有基」の炭素原子数を規定する。
上記一般式(A1)においては、Xが、炭素原子数1〜30の脂肪族炭化水素基、および、炭素原子数2〜30の複素環含有基から選択される一価の基から水素原子を「n−1」個除いた基であることが好ましく、中でも、一価の炭素原子数1〜30の脂肪族炭化水素基から水素原子を「n−1」個除いた基であることが好ましく、特に、一価の炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基から水素原子を「n−1」個除いた基であることが好ましく、中でも特に、一価の炭素原子数2〜15の脂肪族炭化水素基から水素原子を「n−1」個除いた基であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。
本発明においては、nが2である場合、すなわち、Xが二価の基である場合、Xが、炭素原子数1〜30のアルキル基、または、炭素原子数4〜20のシクロアルキルアルキル基から水素原子を1個除いた基であることが好ましく、中でも、直鎖の炭素原子数1〜10のアルキル基、または、炭素原子数7〜15のシクロアルキルアルキル基から水素原子を1個除いた基であることが好ましく、特に、直鎖の炭素原子数3〜8のアルキル基、または、炭素原子数8〜12のシクロアルキルアルキル基から水素原子を1個除いた基であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。
本発明においては、Xが、炭素原子数8〜12のシクロアルキルアルキル基から水素原子を1個除いた基である場合、上記Xが、下記式(11)で表される2価の基であることが好ましい。上記組成物は、密着性に優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。
Figure 2020176215
式(11)中、*は、結合箇所を表す。
上記一般式(A1)において、Rは、nが2である場合、2個のRの両方が上記一般式(1)で表される基であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。
上記式(1),(2)において、R11は、水素原子またはメチル基であるが、水素原子であることが好ましい。化合物Aとしてアクリレート化合物を用いた組成物は、硬化速度に優れているからである。また、化合物Aが、アクリレート化合物であることで、上記組成物の硬化物を、柔軟性に優れたものとすることができ、さらにその結果、密着性に、より優れたものとなるからである。したがって、上記組成物は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。
また、複数のR11は、同一であっても異なっていてもよい。したがって、上記一般式(1)中の5つのR11は、そのうちの3つが水素原子であり、残りの2つがメチル基であってもよい。本発明においては、化合物Aが合成容易となる観点からは、複数のR11が、同一であることが好ましい。
上記化合物Aの合成方法は、公知の合成方法を用いることができ、例えば、化合物A中のウレタン結合の数が2個以上である場合には、イソシアネート基を2個以上有する多官能イソシアネート化合物と、エチレン性不飽和基を有する水酸基含有化合物とを反応させたものを用いることができる。
多官能イソシアネート化合物としては、例えば、イソシアネート基を2個有する2官能イソシアネート化合物、イソシアネート基を3個以上有する3官能以上のイソシアネート化合物が挙げられる。
2官能イソシアネート化合物としては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族炭化水素構造含有ジイソシアネート等が挙げられる。
3官能以上のイソシアネート化合物としては、例えば、2官能イソシアネートの3量体(ビウレット、イソシアヌレート)、2官能イソシアネートとトリメチロールプロパン等の多官能アルコールとの反応物(アダクト)、2官能イソシアネートとフロログリシン等の3官能フェノールとの反応物等が挙げられる。
上記3官能以上のイソシアネート化合物の市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズ社製の「デュラネート(登録商標)24A−100」、「デュラネート(登録商標)TPA−100」、「デュラネート(登録商標)P301−75E」、日本ポリウレタン工業社製の「コロネート(登録商標)L」、同「コロネートHL」、同「コロネート(登録商標)HK」、同「コロネート(登録商標)HX」、同「コロネート(登録商標)2096」等が挙げられる。
エチレン性不飽和基を有する水酸基含有化合物としては、3官能以上の化合物を用いることができ、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。
上記化合物Aの含有量は、上記組成物100質量部中に、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、中でも、4質量部以上20質量部以下であることが好ましく、特に、8質量部以上15質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
上記化合物Aの含有量は、上記組成物の固形分100質量部中に、5質量部以上45質量部以下であることが好ましく、中でも、15質量部以上40質量部以下であることが好ましく、特に、20質量部以上35質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
なお、組成物の固形分とは、組成物中の溶剤以外の全ての成分を含むものである。
上記化合物Aの含有量は、上記化合物Aおよび化合物Bの合計100質量部中に、15質量部以上90質量部以下であることが好ましく、中でも、25質量部以上80質量部以下であることが好ましく、特に、30質量部以上75質量部以下であることが好ましく、中でも特に、40質量部以上60質量部以下であることが好ましく、中でも特に、45質量部以上55質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
上記化合物Aおよび化合物Bの合計の含有量は、上記組成物100質量部中に、5質量部以上50質量部以下であることが好ましく、中でも、10質量部以上40質量部以下であることが好ましく、特に、15質量部以上35質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
上記化合物Aおよび化合物Bの合計の含有量は、上記組成物の固形分100質量部中に、10質量部以上90質量部以下であることが好ましく、中でも、25質量部以上80質量部以下であることが好ましく、特に、40質量部以上70質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
上記化合物A、化合物Bおよび化合物Cの合計の含有量は、上記組成物100質量部中に、10質量部以上60質量部以下であることが好ましく、中でも、15質量部以上50質量部以下であることが好ましく、特に、25質量部以上40質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
上記化合物A、化合物Bおよび化合物Cの合計の含有量は、上記組成物の固形分100質量部中に、10質量部以上90質量部以下であることが好ましく、中でも、50質量部以上80質量部以下であることが好ましく、特に、60質量部以上75質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
2.化合物B
上記化合物Bは、3個以上7個以下のエチレン性不飽和基を有する化合物である。
上記エチレン性不飽和基としては、上述の化合物Aに用いられるものと同様の基が挙げられる。
上記化合物Bが有するエチレン性不飽和基の数としては、3個以上7個以下であればよく、3個以上6個以下であることが好ましく、中でも、4個以上6個以下であることが好ましい。
また、硬度に、より優れたものとする観点からは、上記エチレン性不飽和基の数は、5個以上6個以下であることが好ましく、特に、6個であることが好ましい。化合物Bのエチレン性不飽和基の数が上述の範囲であることで、上記組成物は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。
上記化合物Bとしては、ウレタン結合を有するものであってもよいが、有しないものであることが好ましい。上記組成物は、硬度に優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。
上記化合物Bとしては、エチレン性不飽和基の数が所定の範囲内であればよいが、硬度に優れた硬化物をより容易に形成可能となる観点からは、脂肪族環および芳香族環を有しない脂肪族化合物を好ましく用いることができる。
このような脂肪族化合物としては、具体的には、下記一般式(B1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020176215
一般式(B1)中、R101は、水素原子またはメチル基を表し、
は、n価の、炭素原子数1〜30の脂肪族炭化水素基または該脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つまたは2つ以上が−O−で置換された基を表し、
上記脂肪族炭化水素基中の水素原子の1つまたは2つ以上は、水酸基で置換されていてもよく、
は、3〜7の整数を表す。
上記Xは、n価の基であり、一価の基から水素原子を「n−1」個除いた基を用いることができる。
したがって、上記Xに用いられる炭素原子数1〜30の脂肪族炭化水素基としては、芳香族炭化水素環および複素環を含まない、一価の脂肪族炭化水素基から水素原子を「n−1」個除いた基を用いることができる。
上記一価の脂肪族炭化水素基としては、上記Xに用いられる基と同様の基を用いることができる。
上記Xに用いられる「炭素原子数1〜30の脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つまたは2つ以上が−O−で置換された基」における「1〜30」は、「脂肪族炭化水素基」ではなく、「脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つまたは2つ以上が−O−で置換された基」の炭素原子数を規定する。
は、3〜7の整数を表し、上述の化合物Bが有するエチレン性不飽和基の数と同様とすることができる。
上記一般式(B1)において、上記Xは、炭素原子数3〜20のアルキル基または該アルキル基中のメチレン基の1つまたは2つ以上が−O−で置換された基から水素原子を「n−1」個除いた基であることが好ましく、中でも、炭素原子数4〜15のアルキル基または該アルキル基中のメチレン基の1つまたは2つ以上が−O−で置換された基から水素原子を「n−1」個除いた基であることが好ましく、特に、炭素原子数5〜12のアルキル基または該アルキル基中のメチレン基の1つまたは2つ以上が−O−で置換された基から水素原子を「n−1」個除いた基であることが好ましい。上記組成物は、硬度に優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。
また、Xは、基中の水素原子が水酸基に置換されていない無置換のアルキル基であることが好ましい。上記組成物は、硬度に優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。
上記R101は、水素原子およびメチル基のうちのいずれも用いることができるが、中でも、水素原子であることが好ましい。化合物Bとしてアクリレート化合物を用いた組成物は、硬化速度に優れているからである。また、化合物Bが、アクリレート化合物であることで、上記組成物の硬化物を、柔軟性に優れたものとすることができ、さらにその結果、密着性に、より優れたものとなるからである。したがって、上記組成物は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。
上記化合物Bとして用いられる脂肪族化合物としては、具体的には、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。
上記化合物Bとして用いられる脂肪族環を有する化合物としては、トリアリルイソシアヌレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリメタクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環を有する化合物が挙げられる。
上記化合物Bの含有量は、上記組成物100質量部中に、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、中でも、4質量部以上20質量部以下であることが好ましく、特に、8質量部以上15質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
上記化合物Bの含有量は、上記組成物の固形分100質量部中に、5質量部以上45質量部以下であることが好ましく、中でも、15質量部以上40質量部以下であることが好ましく、特に、20質量部以上35質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
3.化合物C
上記化合物Cは、1個または2個のエチレン性不飽和基を有する水酸基含有化合物である。
上記エチレン性不飽和基としては、上述の化合物Aに用いられるものと同様の基が挙げられる。
上記化合物Cが有するエチレン性不飽和基の数としては、1個以上2個以下であればよいが、1個であることが好ましい。化合物Cのエチレン性不飽和基の数が上述の範囲であることで、上記組成物は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。特に、上記組成物は、密着性に優れた硬化物をより容易に形成可能となるとともに、保存安定性に優れたものとなるからである。
上記化合物Cの分子量としては、1000未満であることが好ましく、中でも、100以上500以下であることが好ましく、特に、110以上200以下であることが好ましく、中でも特に、120以上180以下であることが好ましい。化合物Cの分子量が上述の範囲であることで、上記組成物は、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるとともに、保存安定性に優れたものとなるからである。
本発明においては、上記化合物Cが、下記一般式(C1)で表される化合物であることが好ましい。上記化合物Cが、下記構造を有することで、上記組成物は硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるとともに、保存安定性に優れたものとなるからである。
Figure 2020176215
式(C1)中、R102は、水素原子またはメチル基を表し、
は、1〜10の整数を表し、
は、1〜20の整数を表し、
は、1〜20の整数を表し、
は、0〜20の整数を表す。
102は、水素原子およびメチル基のいずれでもよいが、水素原子であることが好ましく、すなわち、化合物Cは、アクリレート化合物であることが好ましい。化合物Cとしてアクリレート化合物を用いた組成物は、硬化速度に優れているからである。また、化合物Cが、アクリレート化合物であることで、上記組成物の硬化物を、柔軟性に優れたものとすることができ、さらにその結果、密着性に、より優れたものとなるからである。
としては、1〜8の整数であることが好ましく、中でも、2〜7の整数であることが好ましく、特に、2〜6の整数であることが好ましく、中でも特に、2〜5の整数であることが好ましい。上記組成物は硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるとともに、保存安定性に優れたものとなるからである。
としては、1〜10の整数であることが好ましく、中でも、1〜3の整数であることが好ましく、特に、1〜2の整数であることが好ましく、中でも特に1であることが好ましい。上記組成物は硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるとともに、保存安定性に優れたものとなるからである。
としては、1〜10の整数であることが好ましく、中でも、1〜3の整数であることが好ましく、特に、1〜2の整数であることが好ましく、中でも特に1であることが好ましい。上記組成物は硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるとともに、保存安定性に優れたものとなるからである。
としては、密着性に、より優れたものとするとの観点からは、0〜10の整数であることが好ましく、中でも、0〜3の整数であることが好ましく、特に、0〜2の整数であることが好ましく、中でも特に0であることが好ましい。
本発明の組成物においては、また、上記一般式(C1)中、mが2〜6の整数であり、mが1であり、mが0であるものが好ましい。このような化合物を用いることにより、上記組成物は密着性に優れた硬化物をより容易に形成可能となるからである。
上記化合物Cとしては、例えば、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−n−プロピルアクリレート、3−ヒドロキシ−n−プロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−n−プロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−n−プロピルメタクリレート、2−ヒドロキシイソプロピルアクリレート、2−ヒドロキシイソプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシ−n−ブチルアクリレート、4−ヒドロキシ−n−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−n−ブチルアクリレート、3−ヒドロキシ−n−ブチルアクリレート、5−ヒドロキシ−n−ペンチルアクリレート、5−ヒドロキシ−n−ペンチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−n−ペンチルアクリレート、2−ヒドロキシ−n−ペンチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−n−ペンチルアクリレート、3−ヒドロキシ−n−ペンチルメタクリレート、4−ヒドロキシ−n−ペンチルアクリレート、4−ヒドロキシ−n−ペンチルメタクリレート、2−ヒドロキシシクロプロピルアクリレート、2−ヒドロキシシクロプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシシクロペンチルアクリレート、3−ヒドロキシシクロペンチルメタクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシルメタクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロキシアルキルメタクリレートが挙げられる。
上記化合物Cとしては、例えば、上述のヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレートをε−カプロラクトンで修飾した、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトンも用いることができる。
上記化合物Cの含有量は、上記組成物100質量部中に、1質量部以上25質量部以下であることが好ましく、中でも、5質量部以上20質量部以下であることが好ましく、特に、6質量部以上18質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
上記化合物Cの含有量は、上記組成物の固形分100質量部中に、5質量部以上40質量部以下であることが好ましく、中でも、10質量部以上35質量部以下であることが好ましく、特に、12質量部以上25質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
上記化合物Cの含有量は、上記化合物A、化合物Bおよび化合物Cの合計100質量部中に、5質量部以上60質量部以下であることが好ましく、中でも、10質量部以上55質量部以下であることが好ましく、特に、15質量部以上45質量部以下であることが好ましく、中でも特に、20質量部以上35質量部以下であることが好ましい。上記組成物は硬度および密着性のバランスに優れた硬化物をより容易に形成可能となるとともに、保存安定性に優れたものとなるからである。
4.開始剤
本発明の組成物は、必要に応じて、化合物A、化合物Bおよび化合物C以外に、化合物A、化合物Bおよび化合物Cの重合容易のために、開始剤を含むことができる。
このような開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤等のラジカル重合開始剤が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物およびオキシムエステル系化合物等が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤としては、アゾ系化合物、過酸化物および過硫酸塩等が挙げられる。
このようなラジカル重合開始剤としては、より具体的には、特開2016−176009号公報に記載のラジカル重合開始剤等が挙げられる。
上記開始剤の含有量としては、所望の硬化性等が得られるものであればよいが、上記化合物A、化合物Bおよび化合物Cの合計100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、中でも、5質量部以上20質量部以下であることが好ましく、特に、10質量部以上15質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れた硬化物を形成容易となるからである。
5.溶剤
本発明の組成物は、必要に応じて、上記各成分を溶解または分散可能な溶剤を含んでもよい。
溶剤としては、25℃、大気圧下で液状であり、組成物の各成分を分散または溶解可能なものである。また、溶剤は、化合物A、化合物B、化合物C等と反応しないものである。したがって、例えば、化合物Cに分類されるものは、25℃、大気圧下で液状であっても、本発明の組成物においては、溶剤に該当しないものである。
このような溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン系溶剤;エチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸メチル等のエステル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;メタノール、エタノール、イソ−またはn−プロパノール、イソ−またはn−ブタノール、アミルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)等のエーテルエステル系溶剤;ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤;テレピン油等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット等のパラフィン系溶剤;四塩化炭素、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶剤;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤;カルビトール系溶剤、アニリン、トリエチルアミン、水等が挙げられ、これらの溶剤は1種または2種以上の混合溶剤として使用することができる。
本発明においては、上記溶剤が、ケトン系溶剤およびアルコール系溶剤のうちの少なくとも1種を含むことが好ましく、特に、ケトン系溶剤およびアルコール系溶剤の両者を含むことが好ましい。上記組成物は、保存安定性、塗布性に優れたものとなるからである。
上記溶剤の含有量としては、塗工性に優れたものとする観点からは、本発明の組成物100質量部中、1質量部以上90質量部以下であることが好ましく、中でも、20質量部以上70質量部以下であることが好ましく、特に40質量部以上60質量部以下であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲であることで、上記組成物は、保存安定性、塗布性に優れたものとなるからである。
6.紫外線吸収剤
上記組成物は、化合物A、化合物Bおよび化合物C以外に、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。上記組成物が、耐光性に優れたものとなるからである。
上記紫外線吸収剤としては、所望の耐光性が得られるものであればよく、例えば、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、フェノール含有トリアジン類、2−ヒドロキシベンゾフェノン類、ベンゾエート類、置換オキザニリド類、シアノアクリレート類、サリチル酸類、各種の金属塩、金属キレート等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、国際公開第2017/150662号に記載の化合物等を挙げることができる。
また、紫外線吸収剤としては、フェノール性水酸基が保護基で保護され、加熱等により保護基を脱離することで、紫外線吸収剤としての機能が発現する潜在性紫外線吸収剤も用いることができる。このような潜在性紫外線吸収剤としては、例えば、国際公開第2014/021023号公報、国際公開第2017/170465号、特開2018−150301号公報等に記載の潜在性添加剤も用いることができる。潜在性紫外線吸収剤としては、より具体的には、国際公開第2014/021023号公報中の化合物No.10〜11で表される化合物が挙げられる。
本発明においては、中でも、上記紫外線吸収剤が、フェノール含有トリアジン類であることが好ましい。化合物A、化合物B、化合物C等との相溶性に優れるからである。したがって、上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れ、かつ、耐光性にも優れた硬化物を形成容易となるからである。
上記フェノール含有トリアジン類を含む市販品としては、例えば、株式会社ADEKA製「アデカスタブLA−46」、「アデカスタブLA−F70」、Cytec社製商品名「Cyasorb1164」、BASF社製商品名「Tinuvin400」、「Tinuvin405」、「Tinuvin460」、「Tinuvin477」、「Tinuvin479」、「Tinuvin1577」、「Tinuvin1600」等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤の含有量としては、所望の耐光性等が得られるものであればよいが、上記組成物100質量部中に、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、中でも、1質量部以上6質量部以下であることが好ましく、特に、2質量部以上5質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れ、かつ、耐光性にも優れた硬化物を形成容易となるからである。
上記紫外線吸収剤の含有量は、上記組成物の固形分100質量部中に、1質量部以上15質量部以下であることが好ましく、中でも、3質量部以上10質量部以下であることが好ましく、特に、4質量部以上8質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れ、かつ、耐光性にも優れた硬化物を形成容易となるからである。
7.粒子
上記組成物は、硬度および密着性のバランスに、より優れるとともに、アンチグレア性にも優れた硬化物を形成容易となる観点からは、有機粒子および無機粒子の少なくとも一方を含むことが好ましい。
本発明においては、中でも、粒子として無機粒子を含むことが好ましい。無機粒子を含むことで、硬度およびアンチグレア性のバランスに優れた硬化物を形成容易となるからである。
上記無機粒子の構成材料としては、例えば、カーボンブラック、シリカ(微粉ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ藻土、コロイダルシリカ等)、ケイ酸塩(タルク等)、炭酸塩(沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)、クレー、アルミナ(水和物)、硫酸バリウム(バライト粉、沈降性硫酸バリウム、リトポン等)、石膏、鉛白、マイカ、亜鉛華、酸化チタン、マイクロバルーン(シラス、ガラス等)等が挙げられる。
上記無機粒子は、2種以上を併用してもよい。
中でも、本発明においては、上記無機粒子が、シリカであることが好ましい。硬度およびアンチグレア性のバランスに優れた硬化物を形成容易となるからである。
上記有機粒子としては、例えば、ポリスチレンビーズ、メラミン樹脂ビーズ、アクリルビーズ等のプラスチックビーズを挙げることができる。
上記有機粒子は、2種以上を併用してもよい。
上記粒子の形状は球状、針状、花弁状または不定形状等のいずれでもよく、粒子の中は中空状または多孔質状等のいずれでもよく、乾式造粒させて得られたものであっても、湿式造粒させて得られたものであってもよい。
上記粒子の平均一次粒径は、0.01μm以上30μm以下とすることができる。
上記粒子の平均一次粒径は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した粒子の外周の2点間距離の最大値(長径)と最小値(短径)とを測定し、平均して粒子径((最大値+最小値))/2)を求め、100個の粒子の粒子径の算術平均値として得ることができる。
上記粒子の含有量は、上記組成物100質量部中に、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、中でも、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、特に、5質量部以上20質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度およびアンチグレア性のバランスに優れた硬化物を形成容易となるからである。
上記粒子の含有量は、上記組成物の固形分100質量部中に、1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、中でも、10質量部以上40質量部以下であることが好ましく、特に、15質量部以上30質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度およびアンチグレア性のバランスに優れた硬化物を形成容易となるからである。
上記粒子の含有量は、上記化合物A、化合物Bおよび粒子の合計100質量部中に、1質量部以上60質量部以下であることが好ましく、中でも、10質量部以上50質量部以下であることが好ましく、特に、20質量部以上40質量部以下であることが好ましい。上記組成物は、硬度およびアンチグレア性のバランスに優れた硬化物を形成容易となるからである。
8.その他の成分
本発明の組成物は、必要に応じて、化合物A、化合物B、化合物C、開始剤、溶剤、紫外線吸収剤、粒子以外のその他の成分を含むことができる。
上記その他の成分としては、着色剤、着色剤および上記粒子等を分散させる分散剤、連鎖移動剤、増感剤、界面活性剤、シランカップリング剤、メラミン、p−アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の熱重合抑制剤;可塑剤;接着促進剤;充填剤;消泡剤;レベリング剤;表面調整剤;フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等の酸化防止剤;分散助剤;凝集防止剤;触媒;硬化促進剤;架橋剤;増粘剤等の慣用の添加剤が挙げられる。
上記添加剤については、公知の材料を用いることができ、例えば、国際公開第2014/021023号公報に記載のものを用いることができる。
また、酸化防止剤としては、フェノール性水酸基が保護基で保護され、加熱等により保護基を脱離することで、酸化防止剤としての機能が発現する潜在性酸化防止剤も用いることができる。
このような潜在性酸化防止剤としては、例えば、国際公開第2014/021023号公報、国際公開第2017/170465号、特開2018−150301号公報等に記載の潜在性添加剤も用いることができる。潜在性酸化防止剤としては、より具体的には、国際公開第2014/021023号公報中の化合物No.1〜9で表される化合物等が挙げられる。
上記その他の成分の含有量は、その使用目的に応じて適宜選択され、特に制限されないが、例えば、組成物の固形分100質量部中に合計で50質量部以下とすることができる。
9.組成物の製造方法
上記組成物の製造方法としては、上記各成分を所望の含有量となるように混合できる方法であればよく、公知の混合方法を用いることができる。
上記混合方法については、公知の混合装置を用いる方法を採用でき、例えば、3本ロール、サンドミル、ボールミル等を用いる方法を用いることができる。
10.用途
上記組成物の用途としては、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物が要求されるものであればよく、光硬化性接着剤、プリント基板、あるいはカラーテレビ、PCモニタ、携帯情報端末、デジタルカメラ等のカラー表示の液晶表示素子におけるカラーフィルターおよび液晶組成物を配向させるための配向膜、プラズマ表示パネル用の電極材料、粉末コーティング、印刷インク、印刷版、接着剤、歯科用組成物、ゲルコート、電子工学用のフォトレジスト、電気メッキレジスト、エッチングレジスト、液状および乾燥膜の双方、はんだレジスト、種々の表示用途用のカラーフィルターを製造するためのあるいはプラズマ表示パネル、電気発光表示装置、およびLCDの製造工程において構造を形成するためのレジスト、電気および電子部品を封入するための組成物、磁気記録材料、微小機械部品、導波路、光スイッチ、めっき用マスク、エッチングマスク、カラー試験系、ガラス繊維ケーブルコーティング、スクリーン印刷用ステンシル、ステレオリトグラフィによって三次元物体を製造するための材料、ホログラフィ記録用材料、画像記録材料、微細電子回路、脱色材料、画像記録材料のための脱色材料、マイクロカプセルを使用する画像記録材料用の脱色材料、印刷配線板用フォトレジスト材料、UVおよび可視レーザー直接画像系用のフォトレジスト材料、プリント回路基板の逐次積層における誘電体層形成に使用するフォトレジスト材料、光学部材表面に形成されるハードコート層等の保護膜等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はない。
本発明においては、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物が得られるとの効果を効果的に発揮できる観点から、ハードコート層形成用途であることが好ましく、より具体的には、パソコン用材料(ペン入力パソコン、タッチパネル、ディスプレイカバー等)、家電製品(テレビ、ラジカセ、ステレオ、コンピュータゲーム機のケースやディスプレイ等)、自動車用材料(ヘッドライト、グレージング、計器類のカバー等)、光ディスク、光学用レンズ(カメラ、ビデオカメラ、虫メガネ等)、メガネレンズ(矯正用、サングラス、ファッショングラス等)、スポーツ用品(スキー板、テニスラケット等)、有機板ガラス、看板、交通標識、ネームプレート、装飾用ケース、時計用レンズ、化粧品容器、住宅部材、転写箔、転写フィルム、ドライフィルムレジスト、反射鏡等の表面に形成されるハードコート層形成用途が好ましく挙げられる。
また、上記組成物が、ハードコート層形成用途に用いられる場合、保護対象の表面に直接塗布、硬化してハードコート層を形成する用途に限定されず、基材および上記基材の一方の表面上に形成された上記組成物の硬化物膜を有する積層体を準備し、この積層体を保護対象表面に貼り合わせて用いてもよい。
上記組成物の硬化物が形成される対象としては、無機材料、有機材料のいずれであってもよい。
上記有機材料としては、例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等のセルロースエステル;ポリアミド、ポリイミド;ポリウレタン;エポキシ樹脂;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリテトラフルオロエチレン、シクロオレフィンポリマー等のポリオレフィン;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル等のビニル化合物;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸エステル等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリオキシエチレン、ノルボルネン樹脂;液晶材料等の高分子材料が挙げられる。
上記無機材料としては、例えば、ソーダガラスおよび石英ガラス等のガラス、鉄、銅、アルミニウム、ステンレス等の金属、その酸化物(金属酸化物)等を挙げることができる。
B.硬化物
次に、本発明の硬化物について説明する。
本発明の硬化物は、上述の組成物の硬化物である。
本発明によれば、上記硬化物は、上述の組成物を用いて形成されるものであるため、硬度および密着性のバランスに優れたものとなる。
上記硬化物は、上述の組成物の硬化物であり、上記化合物A、化合物Bおよび化合物Cから選択される1種類以上の化合物の重合物、共重合物を含むものである。
上記硬化物の平面視形状については、上記硬化物の用途等に応じて適宜設定することができ、例えば、基材となるフィルムの1つの面の全面を覆う面状であってもよく、ドット状、ライン状等のパターン状であってもよい。
上記硬化物の厚みは、上記硬化物の用途等に応じて適宜設定することができ、例えば、上記硬化物がハードコート層として用いられる場合には、0.01μm以上10cm以下とすることができる。
上記硬化物の用途等については、上記「A.組成物」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記硬化物の製造方法としては、上記化合物A、化合物Bおよび化合物Cから選択される1種類以上の化合物の重合物、共重合物を含むものを形成できる方法であれば、特に限定されるものではない。
このような製造方法としては、例えば、後述する「C.硬化物の製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
C.硬化物の製造方法
次に、本発明の硬化物の製造方法について説明する。
本発明の硬化物の製造方法は、上述の組成物を硬化する硬化工程を有するものである。
本発明によれば、上述の組成物を用いる硬化工程を有することにより、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物が形成容易となる。
本発明の製造方法は、硬化工程を含むものである。
以下、本発明の製造方法の各工程について詳細に説明する。
1.硬化工程
上記硬化工程は、上述の組成物を硬化する工程である。
上記組成物の硬化方法は、上記組成物中の化合物A、化合物Bおよび化合物Cを重合し、上記化合物A、化合物Bおよび化合物Cから選択される1種類以上の化合物の重合物、共重合物等が得られる方法であればよく、上記組成物中の開始剤の種類等に応じて適宜選択できるものである。
上記硬化方法は、例えば、上記組成物が、開始剤として、光ラジカル重合開始剤を含む場合には、組成物に対して光照射を行い、化合物A、化合物Bおよび化合物Cを重合する方法を用いることが好ましい。組成物の硬化が容易となるからである。
組成物に照射される光としては、例えば、波長300nm〜450nmの光を含むものを好ましく用いることができる。組成物の硬化が容易となるからである。
上記光照射の光源としては、例えば、超高圧水銀、水銀蒸気アーク、カーボンアーク、キセノンアーク等を好ましく用いることができる。組成物の硬化が容易となるからである。
上記照射される光としては、レーザー光も好ましく用いることができる。レーザー光としては、波長340〜430nmの光を含むものを好ましく用いることができる。組成物の硬化が容易となるからである。
レーザー光の光源としては、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、YAGレーザー、および半導体レーザー等の可視から赤外領域の光を発するものを挙げることができる。
なお、これらのレーザーを使用する場合には、上記組成物は、可視から赤外の当該領域の光を吸収する増感色素を含むことができる。
上記硬化方法として、例えば、組成物が、開始剤として熱ラジカル重合開始剤を含む場合には、組成物に対して加熱処理を行い、化合物A、化合物Bおよび化合物Cを重合する方法を好ましく用いることができる。組成物の硬化が容易となるからである。
加熱温度は、上記組成物を安定的に硬化できれば制限はなく、60℃以上、好ましくは100℃以上300℃以下とすることができる。組成物の硬化が容易となるからである。
加熱時間としては、10秒〜3時間程度行うことができる。
上記硬化方法の種類は、1種類のみを含むものであってもよく、2種類以上を含むものであってもよい。例えば、上記硬化方法として、組成物に対して光照射を行った後、組成物に対して加熱処理を行う方法を好ましく用いることができる。組成物の硬化が容易となるからである。
2.その他の工程
上記硬化物の製造方法は、上記硬化工程を有するものであるが、必要に応じてその他の工程を含むものであってもよい。
上記その他の工程としては、上記硬化工程前に、上記組成物を基材上に塗布する工程、上記組成物が溶剤を含む場合、上記塗布する工程後に、塗布後の組成物から溶剤を除去するプリベーク工程等を挙げることができる。
上記塗布する工程における組成物を塗布する方法としては、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の方法を挙げることができる。
上記基材としては、硬化物の用途等に応じて適宜設定することができ、ソーダガラス、石英ガラス、半導体基板、金属、紙、プラスチック等を含むものを挙げることができる。
また、上記硬化物は、基材上で形成された後、基材から剥離して用いることができ、基材から他の被着体に転写して用いることもできる。
上記硬化物は、基材を保護するハードコート層として用いられる場合には、基材として保護対象物を選択することもできる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜15および比較例1〜5]
下記表1,2に記載の配合に従って、化合物A、化合物B、化合物C、紫外線吸収剤、粒子、開始剤、その他添加剤、および、溶剤を混合し、25℃で1時間攪拌して組成物を得た。
また、各成分は以下の材料を用いた。
なお、表中の配合量は、各成分の質量部を表すものである。
(化合物A)
A1:下記式(A1−1)で表され、かつ、Rが下記式(1−1)である化合物(一般式(A1)で表される化合物、10官能)
A2:下記式(A1−2)で表され、かつ、Rが下記式(1−1)である化合物(一般式(A1)で表される化合物、10官能)
A3:下記式(A1−3)で表され、かつ、Rが下記式(1−1)である化合物(一般式(A1)で表される化合物、15官能)
A4:下記式(A1−3)で表され、かつ、Rが下記式(2−1)である化合物(一般式(A1)で表される化合物、9官能)
(化合物B)
B1:下記式(b1)で表される化合物(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、一般式(B1)で表される化合物、6官能)
B2:下記式(b2)で表される化合物(ペンタエリスリトールテトラアクリレート、一般式(B1)で表される化合物、4官能)
B3:下記式(b3)で表される化合物(5官能、水酸基含有化合物)
(化合物C)
C1:下記式(c1)で表される化合物(一般式(C1)で表され、m=4、m=1、mおよびm=0、である化合物、1官能)
C2:下記式(c2)で表される化合物(一般式(C1)で表され、m=2、m=1、mおよびm=0、である化合物、1官能)
C3:ダイセル社製 プラクセル FA2D(不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトン、分子量344、一般式(C1)で表され、m=2、m=1、m=5、m=2である化合物、1官能)
(紫外線吸収剤D)
D1:Tinuvin477(BASF社製、固形分80質量%、溶剤1−メトキシ−2−プロピルアセテート20質量%)
(粒子E)
E1:無機粒子(SiO粒子)
(開始剤F)
F1:Luna200(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(DKSHジャパン社製、アセトフェノン系化合物)
(その他添加剤G)
G1:SH−28PA(東レダウコーニングシリコーン社製、界面活性剤)
(溶剤H)
H1:ブタノール(アルコール系溶剤)
H2:メチルエチルケトン(ケトン系溶剤)
Figure 2020176215
Figure 2020176215
Figure 2020176215
Figure 2020176215
[評価]
実施例および比較例で得られた組成物を用いて、以下に示す方法により、硬度、密着性、カールについて評価を行った。
1.硬度
実施例および比較例で得られた組成物を厚さ50μmのPETフィルムに#8のバーコーターで塗布した。これに、無電極紫外光ランプを用いて500mJ/cmに相当する光を照射し、評価用サンプルを得た。
次いで、JIS K 5600−5−4に準拠する方法で、トライボギア試験機(型番:HHS−2000、新東科学(株)製)を用いて荷重750g、フィードスケールを20mm、スピードを1mm/秒の条件で、PETフィルム上で作製した塗膜の鉛筆硬度を測定し、以下の基準で評価を行った。結果を下記表1,2に示す。
++:3H以上である。
+:2H以上3H未満である。
−:2H未満である。
鉛筆硬度が高い程、硬度に優れると判断できる。
2.密着性
硬度測定方法と同様の方法で得られた評価用サンプルを、JIS K 5600 5 6付着性(クロスカット法)に準拠する方法で密着力を測定した。以下の基準で評価を行った。結果を下記表1,2に示す。
+++:はがれ無し
++:はがれ箇所1%未満
+:はがれ箇所1%以上5%未満
−:はがれ箇所5%以上
はがれ箇所が少ない程、密着性に優れると判断できる。
3.カール
硬度測定方法と同様の方法で得られた評価用サンプルを100mm×100mmに切り出した。このフィルムを平面上に静置し、フィルムの4隅の平面上からの高さ(反り)を測定し、その合計を測定し、以下の基準で評価を行った。結果を下記表1,2に示す。
+++:20mm未満である。
++:20mm以上40mm未満である。
+:40mm以上60mm未満である。
−:60mm以上である。
反り合計が小さい程、カールが小さく、硬化収縮の程度が小さいと判断できる。
Figure 2020176215
Figure 2020176215
表1,2より、化合物A、化合物Bおよび化合物Cを同時に含む組成物とすることにより、硬度および密着性のバランスに優れた硬化物が得られることが確認できた。

Claims (9)

  1. 8個以上15個以下のエチレン性不飽和基および1個以上のウレタン結合を有する化合物と、
    3個以上7個以下のエチレン性不飽和基を有する化合物と、
    1個または2個のエチレン性不飽和基を有する水酸基含有化合物と、
    を含むことを特徴とする組成物。
  2. 前記8個以上15個以下のエチレン性不飽和基および1個以上のウレタン結合を有する化合物が、下記一般式(A1)で表される構造を有する化合物である請求項1記載の組成物。
    Figure 2020176215
    (式(A1)中、nは、2または3であり、
    は、下記一般式(1)または(2)で表される基であり、
    が2である場合、Rの少なくとも一方は、下記一般式(1)で表される基であり、
    は、n価の、炭素原子数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環含有基または炭素原子数2〜30の複素環含有基を表す。)
    Figure 2020176215
    (式(1),(2)中、R11は、水素原子またはメチル基を表し、
    複数のR11は、同一であっても異なっていてもよい。
    *は、結合箇所を表す。)
  3. 前記一般式(A1)中、nが2であり、2個のRの両方が、前記一般式(1)で表される基である請求項2記載の組成物。
  4. 前記8個以上15個以下のエチレン性不飽和基および1個以上のウレタン結合を有する化合物の含有量が、該8個以上15個以下のエチレン性不飽和基および1個以上のウレタン結合を有する化合物と、前記3個以上7個以下のエチレン性不飽和基を有する化合物との合計100質量部中に、15質量部以上90質量部以下である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の組成物。
  5. 前記1個または2個のエチレン性不飽和基を有する水酸基含有化合物が、下記一般式(C1)で表される化合物である請求項1〜4のうちいずれか一項記載の組成物。
    Figure 2020176215
    (式(C1)中、R102は、水素原子またはメチル基を表し、
    は、1〜10の整数を表し、
    は、1〜20の整数を表し、
    は、1〜20の整数を表し、
    は、0〜20の整数を表す。)
  6. 前記一般式(C1)中、R102が、水素原子であり、
    が、2〜6の整数であり、
    が、1であり、
    が、0である請求項5記載の組成物。
  7. 前記1個または2個のエチレン性不飽和基を有する水酸基含有化合物の含有量が、前記8個以上15個以下のエチレン性不飽和基および1個以上のウレタン結合を有する化合物、前記3個以上7個以下のエチレン性不飽和基を有する化合物、および、該1個または2個のエチレン性不飽和基を有する水酸基含有化合物の合計100質量部中に、5質量部以上60質量部以下である請求項1〜6のうちいずれか一項記載の組成物。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか一項記載の組成物の硬化物。
  9. 請求項1〜7のうちいずれか一項記載の組成物を硬化する硬化工程を有することを特徴とする硬化物の製造方法。
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