JP2020172182A - 車両制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの自動運転モードが適用される車両において、自動運転制御の実行中のオーバーライドのし易さについてドライバが違和感を覚えるのを抑える。【解決手段】オーバーライド調停部は、自動運転制御の実行中におけるオーバーライド要求を調停する処理(オーバーライド調停処理)を行う。オーバーライド調停処理では、オーバーライド要求があるか否かが判定される(ステップS20)。ステップS20の判定結果が肯定的な場合、運転モードとして第2自動運転モードが選択されているか否かが判定される(ステップS21)。ステップS21の判定結果が否定的な場合、オーバーライド要求の受入処理が行われる(ステップS22)。ステップS21の判定結果が肯定的な場合、オーバーライド要求の無効化処理が行われる(ステップS23)。【選択図】図4

Description

本開示は、車両に搭載される車両制御システムに関する。
特開2006−318446号公報は、走行支援装置を開示する。この従来の装置は、スイッチの操作によって自動運転と手動運転とを切り替える。自動運転は、全自動運転と半自動運転を含んでいる。つまり、この従来の装置によれば、スイッチの操作によって、全自動運転、半自動運転および手動運転の間で運転モードが切り替えられる。
特開2006−318446号公報
自動運転は、自動運転制御の実行によって実現される。この自動運転制御を実行する運転モードとして、2つの自動運転モードを選択することができる場合を考える。この場合、一方の自動運転モードは、他方の自動運転モードに比べて自動運転制御に対する信頼度が相対的に高いことが予想される。
2つの自動運転モードが適用される車両において、自動運転制御の実行中に、ドライバがオーバーライドを行う場合を考える。この場合、オーバーライドのし易さがこれらの自動運転モードの間で変わらないと、次の問題がある。すなわち、信頼度の高い自動運転モードにおいてオーバーライドが余りにも容易にできてしまうと、ドライバが違和感を覚えるおそれがある。この問題は、信頼度が低い自動運転モードにおいてオーバーライドが中々できない場合にも生じる。
本開示の1つの目的は、2つの自動運転モードが適用される車両において、自動運転制御の実行中のオーバーライドのし易さについてドライバが違和感を覚えるのを抑える技術を提供することにある。
本開示の第1の観点は、車両に搭載される車両制御システムである。
前記車両制御システムは、前記車両の自動運転制御を実行する制御装置を備える。
前記制御装置は、
前記自動運転制御を実行する運転モードとして、第1または第2自動運転モードを選択し、
前記自動運転制御の実行中、前記車両のドライバからのオーバーライド要求を調停するオーバーライド調停処理を実行する。
前記制御装置は、前記オーバーライド調停処理において、
前記第1および第2自動運転モードのいずれが選択されているかを判定し、
前記第2自動運転モードが選択されていると判定された場合、前記第1自動運転モードが選択されていると判定された場合に比べて、前記オーバーライド要求を受け入れ難くする。
本開示の第2の観点は、第1の観点において、更に次の特徴を有する。
前記制御装置は、前記オーバーライド調停処理において、前記第2自動運転モードが選択されていると判定された場合、前記オーバーライド要求を無効化する無効化処理を実行する。
本開示の第3の観点は、第2の観点において、更に次の特徴を有する。
前記制御システムは、前記オーバーライド要求を検出する検出機器を更に備える。
前記制御装置は、前記無効化処理において、前記オーバーライド要求が前記検出機器に入力されるのを実質的に禁止する。
本開示の第4の観点は、第2の観点において、更に次の特徴を有する。
前記制御装置は、前記無効化処理において、前記オーバーライド要求が前記オーバーライド要求の対象となる車両機器に伝達されるのを遮断する。
本開示の第5の観点は、第2の観点において、更に次の特徴を有する。
前記制御装置は、前記無効化処理において、前記オーバーライド要求が前記制御装置において処理されるのを禁止する。
本開示の第6の観点は、第2の観点において、更に次の特徴を有する。
前記制御装置は、前記無効化処理において、前記オーバーライド要求に基づいて前記車両の現在の走行計画が修正されるのを禁止する。
本開示の第7の観点は、第2の観点において、更に次の特徴を有する。
前記無効化処理において、前記オーバーライド要求に基づいた前記運転モードの切り替えを禁止する。
本開示の第8の観点は、第1乃至7の観点のいずれかにおいて、更に次の特徴を有する。
前記制御装置は、前記オーバーライド調停処理において、前記第1自動運転モードが選択されていると判定された場合、前記オーバーライド要求を全面的に受け入れる。
本開示の第9の観点は、第1乃至8の観点のいずれかにおいて、更に次の特徴を有する。
前記制御装置は、前記自動運転制御の実行中、前記車両の乗員に対する報知制御を実行する。
前記制御装置は、前記報知制御において、
前記第1および第2自動運転モードのどちらが選択されているかを判定し、
前記第2自動運転モードが選択されていると判定された場合、前記第1自動運転モードが選択されていると判定された場合に比べて、前記乗員に対する報知のレベルを低くする。
本開示の第10の観点は、第1乃至9の観点のいずれかにおいて、更に次の特徴を有する。
前記制御装置は、
前記自動運転制御の実行中、前記オーバーライド要求を無効化する無効化処理の実行をキャンセルするキャンセル条件が成立するか否かを判定し、
前記キャンセル条件が成立すると判定された場合、前記キャンセル条件が成立した範囲の車両機器についての前記無効化処理の実行をキャンセルする。
本開示の第11の観点は、第10の観点において、更に次の特徴を有する。
前記制御装置は、
前記自動運転制御の実行中、前記無効化処理の実行のキャンセルを拒否する例外条件が成立するか否かを判定し、
前記例外条件が成立すると判定された場合、前記例外条件が成立した範囲の車両機器についての前記無効化処理の実行のキャンセルを拒否する。
第1の観点によれば、オーバーライド調停処理が行われる。オーバーライド調停処理によれば、第2自動運転モードが選択されていると判定された場合、第1自動運転モードが選択されていると判定された場合に比べて、オーバーライド要求が受け入れ難くされる。したがって、第1および第2自動運転モードが適用される車両において、自動運転制御の実行中のオーバーライドのし易さについてドライバが違和感を覚えるのを抑えることが可能となる。
第2ないし第7の観点によれば、第2自動運転モードが選択されていると判定された場合、オーバーライド要求を無効化する無効化処理が行われる。無効化処理によれば、自動運転制御の外乱となり得るドライバの介入が排除される。したがって、自動運転制御の制御性を高めることが可能となる。
第8の観点によれば、第1自動運転モードが選択されていると判定された場合、オーバーライド要求が全面的に受け入れられる。したがって、自動運転制御に対する介入の余地をドライバに残すことが可能となる。
第9の観点によれば、報知制御が行われる。報知制御によれば、第2自動運転モードが選択されていると判定された場合、第1自動運転モードが選択されていると判定された場合に比べて、報知のレベルが低くされる。報知のレベルが低くされれば、自動運転制御に対するドライバの介入の頻度も低くなることが期待される。したがって、自動運転制御の制御性を高めることが可能となる。
第10の観点によれば、キャンセル条件が成立すると判定された場合、このキャンセル条件が成立した範囲の車両機器についての無効化処理の実行がキャンセルされる。したがって、第2自動運転モードの選択中であっても、キャンセル条件が成立した範囲の車両機器の操作をドライバに任せることが可能となる。
第11の観点によれば、例外条件が成立すると判定された場合、この例外条件が成立した範囲の車両機器についての無効化処理の実行のキャンセルが拒否される。したがって、第2自動運転モードの選択中にキャンセル条件が成立する場合であっても、無効化処理を実行することが可能となる。
実施の形態1に係る車両制御システムの構成例を示すブロック図である。 自動運転制御に関連する制御装置の機能構成例を示すブロック図である。 実施の形態1において、モード切替部が行う切替処理の流れを説明するフローチャートである。 実施の形態1において、オーバーライド調停部が行うオーバーライド調停処理の流れを説明するフローチャートである。 無効化処理を説明するブロック図である。 実施の形態1において、報知制御部が行う第1報知制御の処理の流れを説明するフローチャートである。 実施の形態1において、報知制御部が行う第2報知制御の処理の流れを説明するフローチャートである。 実施の形態2において、オーバーライド調停部が行う第1キャンセル処理の流れを説明するフローチャートである。 実施の形態2において、オーバーライド調停部が行う第2キャンセル処理の流れを説明するフローチャートである。 実施の形態2において、オーバーライド調停部が行う第3キャンセル処理の流れを説明するフローチャートである。 実施の形態3に係る車両制御システムの構成例を示すブロック図である。 自動運転制御に関連する制御装置の機能構成例を示すブロック図である。 実施の形態3において、オーバーライド調停部が行う第1キャンセル処理の流れを説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。ただし、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
1.実施の形態1
先ず、図1乃至6を参照しながら実施の形態1について説明する。
1.1 車両制御システムの全体構成
図1は、実施の形態1に係る車両制御システムの構成例を示すブロック図である。図1に示す車両制御システム100は、車両に搭載される。この車両としては、エンジンを動力源とする自動車、モータを動力源とする電気自動車、および、エンジンとモータを備えるハイブリッド自動車が例示される。モータは、二次電池、水素燃料電池、金属燃料電池、アルコール燃料電池などの電池により駆動される。
図1に示すように、車両制御システム100は、車両の自動運転制御を行うためのシステムである。車両制御システム100は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信器10と、外部センサ11と、内部センサ12と、地図データベース13と、ドライバ操作検出部14と、ドライバモニタカメラ15と、HMI(Human Machine Interface)ユニット16と、を備えている。
GNSS受信器10は、3個以上の人工衛星からの信号を受信する機器である。GNSS受信器10は、受信した信号に基づいて、車両の位置および姿勢(方位)を算出する。GNSS受信器10は、算出した情報をECU30に送信する。
外部センサ11は、車両の周辺の状況を検出する機器である。外部センサ11としては、レーダセンサおよびカメラが例示される。レーダセンサは、電波(例えば、ミリ波)または光を利用して、車両の周辺の障害物を検出する。障害物には、固定障害物および移動障害物が含まれる。固定障害物としては、ガードレール、建物が例示される。移動障害物としては、歩行者、自転車および他車両が含まれる。カメラは、車両の外部状況を撮像する。カメラは、例えば、フロントガラスの裏側に取り付けられる。外部センサ11は、検出した情報をECU30に送信する。
内部センサ12は、車両の走行状態を検出する機器である。内部センサ12としては、車速センサ、加速度センサおよびヨーレートセンサが例示される。車速センサは、車両の走行速度(車速)を検出する。加速度センサは、車両の加速度を検出する。ヨーレートセンサは、車両の重心の鉛直軸周りのヨーレートを検出する。内部センサ12は、検出した情報をECU(Electric Control Unit)30に送信する。
地図データベース13は、地図情報を記憶するデータベースである。地図情報としては、道路の位置情報、道路形状の情報(例えば、カーブ、直線の種別、カーブの曲率)、交差点および分岐点の位置情報、および、構造物の位置情報が例示される。地図情報には、交通規制情報も含まれている。交通規制情報としては、道路の位置情報と関連付けられた法定速度が例示される。地図情報には、自動運転制御を実行可能な領域の情報が含まれていてもよい。地図データベース13は、車両に搭載された記憶装置(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ)内に形成されている。地図データベース13は、車両と通信可能な施設(例えば、管理センタ)のコンピュータ内に形成されていてもよい。
ドライバ操作検出部14は、ドライバによる車両への操作を検出する機器である。ドライバ操作検出部14としては、操舵センサ、アクセルペダルセンサおよびブレーキペダルセンサが例示される。操舵センサには、操舵トルクセンサおよび操舵タッチセンサが含まれている。操舵トルクセンサは、ドライバがステアリングホイールに与える操舵トルクを検出する。操舵タッチセンサは、ステアリングホイールに対するドライバの接触、および、ドライバがステアリングホイールを握る圧力を検出する。アクセルペダルセンサは、ドライバによるアクセルペダルの踏み込み量を検出する。ブレーキペダルセンサは、ドライバによるブレーキペダルの操作量を検出する。ドライバ操作検出部14は、検出した情報をECU30に送信する。
ドライバ操作検出部14は、また、ドライバによる操作に基づいて出力される信号を検出し、ECU30に送信する。ドライバによる操作に基づいて信号を出力する機器としては、シフトレバー、EPB(Electric Parking Brake)スイッチ、ウィンカースイッチ、ドアロックスイッチ、エアコンスイッチ、ライトスイッチ、パワーウィンドウスイッチ、ワイパースイッチ、デフロックスイッチ、4WDスイッチおよびイグニッションスイッチが例示される。
シフトレバーは、トランスミッションにおけるギヤの組み合わせを選択する。EPBスイッチは、EPBの作動状態(ON/OFF)を切り替える。ウィンカースイッチは、方向指示灯の作動状態(ON/OFF)を切り替える。ドアロックスイッチは、車両のドアの施錠状態(施錠/開錠)を切り替える。エアコンスイッチは、エアコンの稼働状態(稼働/停止)を切り替える。ライトスイッチは、ライト(例えば、前照灯、フォグランプ)の作動状態(ON/OFF)を切り替える。パワーウィンドウスイッチは、ドアに設けられている窓の作動状態(開/閉)を切り替える。ワイパースイッチは、ワイパーの作動状態(ON/OFF)を切り替える。デフロックスイッチは、デファレンシャルギヤのロック機構の作動状態(ON/OFF)を切り替える。4WDスイッチは、駆動方式(2WD/4WD)を切り替える。イグニッションスイッチは、車両の電源回路の作動状態(ON/OFF)を切り替える。
ドライバによる操作に基づいて信号を出力する機器としては、また、自動運転モードのキャンセルスイッチが例示される。キャンセルスイッチは、自動運転モードの作動状態(ON/OFF)を切り替える。本実施の形態では、デフォルトの運転モードとして自動運転モードが設定されている。ドライバによってキャンセルスイッチが押されると、作動状態がONからOFFに切り替えられる。ドライバによって終了スイッチが引き戻されると、作動状態がOFFからONに切り替えられる(つまり、デフォルト状態に戻る)。作動状態を切り替える機器として、HMIユニット16が利用されてもよい。緊急用の特殊キーを用いて作動状態を切り替えてもよい。
ドライバモニタカメラ15は、運転席に座っている乗員(すなわち、ドライバ)を撮像する。ドライバモニタカメラ15は、例えば、ステアリングコラムのカバーに取り付けられる。ドライバモニタカメラ15は、複数の方向からドライバを撮像するために複数個設けられていてもよい。ドライバモニタカメラ15は、撮像情報をECU30に送信する。
HMIユニット16は、ドライバに情報を提供し、また、ドライバから情報を受け付けるためのインタフェースである。HMIユニット16は、例えば、入力装置、表示装置、スピーカおよびマイクを備えている。入力装置としては、タッチパネル、キーボード、スイッチ、ボタンが例示される。ドライバに提供される情報には、車両の走行状況、所定の注意喚起、自動運転から手動運転への切り替え(ハンドオーバー)の提案が含まれる。ドライバへの情報の提供は、表示装置およびスピーカを用いて行われる。ドライバからの情報の受け付けは、入力装置およびマイクを用いて行われる。HMIユニット16は、ドライバから受け付けた情報をECU30に送信する。
車両制御システム100は、また、操舵アクチュエータ20と、ブレーキアクチュエータ21と、駆動アクチュエータ22と、周辺機器23と、を備えている。操舵アクチュエータ20、ブレーキアクチュエータ21、駆動アクチュエータ22および周辺機器23は、「車両機器」と総称される。
操舵アクチュエータ20は、ラックアシスト型、コラムアシスト型またはピニオンアシスト型のEPS(Electric Power Steering)装置の一部を構成する。操舵アクチュエータ20は、ECU30からの制御信号に応じてEPS装置のモータの駆動を制御し、これにより、車両の操舵トルクを制御する。
ブレーキアクチュエータ21は、ECU30からの制御信号に応じてブレーキ装置を制御し、これにより、車両の転舵輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキ装置としては、液圧ブレーキ装置が例示される。
駆動アクチュエータ22は、ECU30からの制御信号に応じてエンジンに供給する空気量(スロットル開度)を制御し、車両の駆動力を制御する。車両が電気自動車の場合、動力源としてのモータにECU30からの制御信号が入力され、これにより、車両の駆動力が制御される。車両がハイブリッド自動車の場合、空気量およびモータの駆動が制御され、これにより、車両の駆動力が制御される。
周辺機器23は、自動運転制御に特に関連する各種の装備機器の総称である。周辺機器23は、ドライバ操作検出部14として例示したスイッチのそれぞれと、1つの電装システムを構成する。周辺機器23としては、シフトアクチュエータ、EPBアクチュエータ、ウィンカー、ドアロックアクチュエータ、エアコンアクチュエータ、ライト、パワーウィンドウアクチュエータ、ワイパーアクチュエータ、デファレンシャルギヤのロック機構および4WDアクチュエータが例示される。
車両制御システム100は、更に、制御装置としてのECU30を備える。ECU30は、プロセッサ、メモリおよび入出力インタフェースを備えるマイクロコンピュータである。ECU30は、入出力インタフェースを介して各種の情報を受け取る。そして、ECU30は、受け取った情報に基づいて自動運転制御を行う。具体的には、ECU30は、車両の走行計画を立案し、その走行計画に従って車両が走行するように車両機器に情報を出力する。以下、ECU30の構成について説明する。
1.2 制御装置の構成
図2は、自動運転制御に関連するECU30の機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、ECU30は、車両状態認識部31と、ドライバ状態認識部32と、走行計画生成部33と、ドライバ操作認識部34と、モード切替部35と、オーバーライド調停部36と、車両制御部37と、報知制御部38と、を備えている。これらの機能ブロックは、ECU30のプロセッサがメモリに格納された各種の制御プログラムを実行することにより実現される。
車両状態認識部31は、車両状態を認識する。車両状態には、車両の位置、車両の走行環境、車両の走行状態および車両機器の状態が含まれる。
車両状態認識部31は、例えば、GNSS受信器10からの位置情報および地図データベース13からの地図情報に基づいて、地図上の車両の位置を認識する。車両状態認識部31は、外部センサ11からの情報に基づいて、車両の走行環境を認識する。走行環境には、車両に対する障害物の位置、相対速度および移動方向が含まれる。車両状態認識部31は、内部センサ12からの情報に基づいて、車両の走行状態を認識する。走行状態には、車速、加速度およびヨーレートが含まれる。車両状態認識部31は、車両機器からの情報に基づいて、車両機器の状態が正常であるか異常であるかを認識する。車両状態認識部31は、ドライバ操作検出部14からの情報に基づいて、車両機器の作動状態を認識する。
ドライバ状態認識部32は、ドライバ状態を認識する。ドライバ状態には、ドライバのステアリングホイールの保持状態、覚醒度および運転集中度が含まれる。
ドライバ状態認識部32は、ドライバ操作検出部14(具体的には、操舵センサ)からの情報に基づいて、ステアリングホイールの保持状態を認識する。ドライバ状態認識部32は、ドライバモニタカメラ15からの情報に基づいて、覚醒度および運転集中度を認識する。覚醒度および運転集中度は、ドライバ操作検出部14(具体的には、操舵タッチセンサ)からの情報に基づいて認識されてもよい。
走行計画生成部33は、予め設定された目的地、車両状態認識部31が認識した地図上の車両の位置、および、地図データベース13の地図情報に基づいて、車両の目標ルートを設定する。目的地は、ドライバが設定した場所であってもよく、周知の手法により車両制御システム100が自動で設定した場所であってもよい。目標ルートとは、車両の運転モードとして自動運転モードが選択されている場合に、自動運転制御の実行によって車両が走行するルートである。
走行計画生成部33は、目標ルート、地図データベース13の地図情報、車両の走行環境および車両の走行状態に基づいて、車両の走行計画を生成する。走行計画には、目標ルート上の位置に応じた車両の制御目標値が含まれる。目標ルート上の位置とは、目標ルートの延在方向における位置である。目標ルート上の位置は、目標ルートの延在方向において所定間隔(例えば、1m)毎に設定される縦位置を意味する。制御目標値とは、走行計画において車両の制御目標となる値である。制御目標値は、目標ルート上の縦位置ごとに関連付けて設定される。制御目標値には、目標横位置および目標車速が含まれる。
ドライバ操作認識部34は、ドライバの操作を認識する。ドライバの操作には、ステアリングホイール、アクセルペダルおよびブレーキペダルの操作が含まれる。ドライバの操作には、また、シフトレバー、EPBスイッチ、ウィンカースイッチ、ドアロックスイッチ、エアコンスイッチ、ライトスイッチ、パワーウィンドウスイッチ、ワイパースイッチ、デフロックスイッチ、4WDスイッチおよびイグニッションスイッチの操作が含まれる。ドライバの操作には、更に、終了スイッチの操作が含まれる。
モード切替部35は、運転モードを切り替える処理(以下、「切替処理」とも称す。)を行う。切替処理の具体例については、項目“1.3”で詳しく述べる。ここでは、運転モードについて述べる。運転モードには、手動運転モードおよび自動運転モードが含まれる。手動運転モードは、ドライバが車両を運転する運転モードである。自動運転モードは、車両制御システム100が車両を運転する運転モードである。つまり、自動運転モードは、自動運転制御が行われる運転モードである。自動運転モードには、第1および第2自動運転モードが含まれる。以下の説明において、単に「自動運転モード」と称す場合は、「第1または第2自動運転モード」を意味する。
運転モードとして自動運転モードが選択されている場合(つまり、デフォルト状態の場合)を考える。この場合、モード切替部35は、自動運転モードの実行条件が満たされているか否かを判定する。実行条件は、第1および第2自動運転モードのそれぞれに対して予め設定されている。
第1自動運転モードの実行条件(以下、「第1実行条件」とも称す。)には、車両状態により満たされる第1車両条件、および、ドライバ状態により満たされる第1ドライバ条件が含まれる。
第1車両条件としては、下記の条件V11〜V17が例示される。
V11:自動運転モードを実行可能な領域に車両が位置している
V12:車速が閾値未満である
V13:操舵角が閾値未満である
V14:車両運動の変化量(例えば、加速度、減速度、ロールレート、ピッチレートおよびヨーレート)が閾値未満である
V15:外部センサ11の認識状態が正常である
V16:周辺機器23の状態が正常である
V17:車両のドアおよび窓が閉められている
第1ドライバ条件としては、下記の条件D11〜D13が例示される。
D11:ドライバがステアリングホイールを保持している
D12:覚醒度が閾値以上である
D13:運転集中度が閾値以上である
第1実行条件と同様に、第2自動運転モードの実行条件(以下、「第2実行条件」とも称す。)には、車両状態により満たされる第2車両条件、および、ドライバ状態により満たされる第2ドライバ条件が含まれる。
第2車両条件としては、第1車両条件よりも厳しい条件が設定されている。第1車両条件よりも厳しい条件であるとは、条件V11〜V17の閾値(つまり、判定値)がより厳しい値に設定されている、および/または、追加の条件が設定されていることを意味する。そのため、第2車両条件が満たされれば第1車両条件も満たされるが、その逆は必ずしも成り立たない。故に、第2車両条件が満たされる場合は、自動運転制御に対する“信頼度”が相対的に高くなると言える。
第2ドライバ条件としては、第1ドライバ条件よりも厳しい条件が設定されていてもよいし、第1ドライバ条件と同等の条件が設定されていてもよい。第1ドライバ条件よりも厳しい条件であるとは、条件D11〜D13の閾値がより厳しい値に設定されている、および/または、追加の条件が設定されていることを意味する。
このように、第2実行条件は、少なくとも第1実行条件よりも厳しい条件が設定されている。したがって、第2実行条件が満たされる場合(つまり、運転モードとして第2自動運転モードが選択される場合)は、第1実行条件のみが満たされる場合(つまり、運転モードとして第1自動運転モードが選択される場合)に比べて、“信頼度”が相対的に高くなると言える。
オーバーライド調停部36は、自動運転制御の実行中におけるオーバーライド要求を調停する処理(以下、「オーバーライド調停処理」とも称す。)を行う。オーバーライド調停処理の具体例については、項目“1.4”で詳しく述べる。ここでは、オーバーライド要求について述べる。オーバーライド要求とは、自動運転から手動運転への切り替え(つまり、オーバーライド)を求めるドライバの操作である。
オーバーライド要求には、自動運転制御に対する直接的または間接的な介入を求めるドライバの操作が含まれる。直接介入としては、操舵、制動または駆動への介入が例示される。間接介入としては、走行計画、外部センサ11の認識状態、および、ドライバを含む車両の乗員の安全性に影響を及ぼす介入が例示される。走行計画に影響を及ぼす介入としては、シフトレバー、EPBスイッチ、ウィンカースイッチの操作が例示される。認識状態に影響を及ぼす介入としては、ライトスイッチ、ワイパースイッチおよびエアコンスイッチの操作が例示される。安全性に影響を及ぼす介入としては、ドアロックスイッチおよびパワーウィンドウスイッチの操作が例示される。
車両制御部37は、現在選択中の運転モードに応じた車両の制御を行う。車両制御部37は、車両機器に制御信号を送信することにより、車両を制御する。車両制御部37は、運転モードとして自動運転モードが選択されている場合、走行計画生成部33が生成した走行計画に基づいて、自動運転制御を実行する。車両制御部37は、運転モードとして手動運転モードが選択されている場合、運転支援制御を実行してもよい。運転支援制御としては、LDA(Lane Departure Alert)制御、LDP(Lane Departure Prevention)制御およびPCS(Pre Clash Safety)制御が例示される。
報知制御部38は、ドライバを含む乗員に対する報知制御を行う。報知制御では、報知内容に応じて予め設定した報知条件が満たされる場合、当該報知内容がHMIユニット16を介して乗員に提供される。報知制御の具体的な処理例については、項目“1.5”で詳しく述べる。ここでは、報知内容および報知条件について述べる。報知内容には、車両の走行状況、注意喚起事項、ハンドオーバー提案が含まれる。報知内容には、現在選択中の運転モードの種別(すなわち、手動または自動運転モード)も含まれる。
報知条件には、第1および第2実行条件を構成する条件の少なくとも1つが満たされないことが含まれる。例えば、条件V11が満たされない場合、報知条件が成立する。この場合、報知制御部38は、「自動運転が実行できない領域を車両が走行中であるため、手動運転を行ってください」という報知内容(ハンドオーバー提案)を、HMIユニット16に送信する。報知条件は、例えば、条件D11が満たされない場合にも成立する。この場合、報知制御部38は、「自動運転を行うため、ステアリングホイールを握ってください」という報知内容(注意喚起事項)を、HMIユニット16に送信する。
1.3 切替処理
図3は、実施の形態1において、モード切替部35が行う切替処理の流れを説明するフローチャートである。図3に示すルーチンでは、まず、キャンセルスイッチがOFFであるか否かが判定される(ステップS10)。キャンセルスイッチがOFFであるとは、キャンセルスイッチが押されていないことを意味する。ステップS10の処理は、ドライバ操作認識部34からの信号に基づいて行われる。ステップS10の判定結果が否定的な場合、運転モードとして手動運転モードが選択される(ステップS11)。
ステップS10の判定結果が肯定的な場合、第1実行条件が満たされるか否かが判定される(ステップS12)。第1実行条件については既に説明した通りである。ステップS12の処理は、車両状態認識部31およびドライバ状態認識部32からの情報に基づいて行われる。ステップS12の判定結果が否定的な場合、運転モードとして手動運転モードが選択される(ステップS11)。
ステップS12の判定結果が肯定的な場合、第2実行条件が満たされるか否かが判定される(ステップS13)。第2実行条件については既に説明した通りである。ステップS13の処理は、基本的にはステップS12の処理と同じである。ステップS13の判定結果が否定的な場合、運転モードとして第1自動運転モードが選択される(ステップS14)。例えば、運転モードとして第2自動運転モードが選択されている場合、当該運転モードが第1自動運転モードへと切り替えられる。
ステップS13の判定結果が否定的な場合、運転モードとして第2自動運転モードが選択される(ステップS15)。例えば、運転モードとして第1自動運転モードが選択されている場合、当該運転モードが第2自動運転モードへと切り替えられる。
1.4 オーバーライド調停処理
1.4.1 処理の流れ
図4は、実施の形態1において、オーバーライド調停部36が行うオーバーライド調停処理の流れを説明するフローチャートである。図4に示すルーチンでは、まず、オーバーライド要求があるか否かが判定される(ステップS20)。ステップS20の処理は、ドライバ操作認識部34からオーバーライド調停部36に入力される信号に基づいて行われる。ステップS20の判定結果が否定的な場合、オーバーライド調停処理が終了される。
ステップS20の判定結果が肯定的な場合、運転モードとして第2自動運転モードが選択されているか否かが判定される(ステップS21)。ステップS21の処理は、モード切替部35からオーバーライド調停部36に入力される信号に基づいて行われる。ステップS21の判定結果が否定的な場合(つまり、運転モードとして第1自動運転モードが選択されている場合)、オーバーライド要求の受入処理が行われる(ステップS22)。受入処理とは、オーバーライド要求を全面的に受け入れる処理である。受入処理によれば、オーバーライド要求の内容に応じた自動運転制御の実行が、部分的かつ一時的に停止される。
ステップS21の判定結果が肯定的な場合、オーバーライド要求の無効化処理が行われる(ステップS23)。この無効化処理について、以下に説明する。
1.4.2 無効化処理
図5は、無効化処理を説明するブロック図である。図5には、無効化処理に特に関係のある機能ブロックが描かれている。図5に示すように、無効化処理は、処理を行う段階に応じて(i)第1類〜(v)第5類に区別される。
(i) 第1類
第1類は、ステップS21の判定結果が肯定的である場合に、オーバーライド要求の対象となる車両機器(以下、「要求対象機器」とも称す。)の操作インタフェースの操作性を下げる処理である。「操作性を下げる」とは、操作インタフェースの操作が困難になることを意味する。そのため、操作性を下げる処理の後は、ドライバ操作検出部14においてドライバの操作が実質的に検出されなくなる。そのため、オーバーライド要求があると認識されることもなくなる。操作性を下げる処理によれば、現在選択中の運転モードが第2自動運転モードであることをドライバに理解させることが可能となる。
操作性を下げる処理は、例えば次のとおりである。すなわち、操作インタフェースがステアリングホイールの場合、ドライバから入力された操舵トルクの大きさに対応する大きさの操舵反力トルクを発生させる処理が行われる。または、操舵アシストトルクを小さくする処理が行われる。これにより、ドライバはステアリングホイールを操作し難くなる。操作インタフェースがブレーキペダルの場合、マスター弁または保持弁を閉じる処理が行われる。これにより、ドライバは、ブレーキペダルを踏み込み難くなる。操作インタフェースがアクセルペダルの場合、バネ力を大きくする処理が行われる。これにより、ドライバは、アクセルペダルを踏み込み難くなる。
(ii) 第2類
第2類は、ステップS21の判定結果が肯定的である場合に、オーバーライド要求が要求対象機器に伝達されるのを遮断する処理である。伝達を遮断すれば、オーバーライド要求が要求対象機器の動作に反映されなくなる。第1類の処理ではオーバーライド要求が検出し難くなるような処理が行われるのに対し、第2類の処理ではこの検出が許容されている。そのため、第2類の処理によれば、ドライバの意図を抽出して、次回以降の目標ルートの設定、または、走行計画の生成に役立てることが可能となる。
要求対象機器が操舵アクチュエータ20の場合、ステアリングホイールとラックの間をクラッチで遮断する処理が行われる。要求対象機器がブレーキアクチュエータ21の場合、マスター弁または保持弁を開く処理が行われる。要求対象機器が駆動アクチュエータ22の場合、エンジンの出力軸またはモータと動力分配機構の間をクラッチで遮断する処理が行われる。ただし、これらの場合は、自動運転制御の継続を担保する手段を駆動する。
要求対象機器がトランスミッション、EPB、方向指示灯、ドア、エアコン、ライト、窓、デファレンシャルギヤおよび電源回路の場合、操作インタフェースからの信号が当該要求対象機器に入力されるのを遮断する処理が行われる。例えば、ウィンカースイッチから出力されるON信号は、方向指示灯に入力されない。降雨時にワイパースイッチから出力されるOFF信号は、ワイパーに入力されない。ただし、自動運転制御を継続する観点から必要な信号の入力は、許容される。例えば、ライトスイッチの位置をAUTOからONに切り替えた際にライトに入力される信号は、許容の対象である。
(iii) 第3類
第3類は、ステップS21の判定結果が肯定的である場合に、要求対象機器に対するドライバの操作がECU30内で処理されるのを禁止する処理である。要求対象機器に対するドライバの操作の処理が禁止されるということは、禁止前ではオーバーライド要求と判定されたドライバの操作が、禁止後には一切処理されなくなることを意味する。したがって、第3類の処理によれば、オーバーライド要求を極めて容易に無効化することが可能となる。
(iv) 第4類
第4類は、ステップS21の判定結果が肯定的である場合に、走行計画生成部33において現在の走行計画が修正されるのを禁止する処理である。現在の走行計画の修正が禁止されれば、当該現在の走行計画に基づいた自動運転制御が引き続き行われる。
(v) 第5類
第5類を説明する前に、運転モードの切り替えと、オーバーライド要求との関係について説明する。ドライバ操作認識部34がオーバーライド要求を認識していない場合、運転モードの切り替えは切替処理に従って行われる。ただし、ドライバ操作認識部34がオーバーライド要求を認識すると、オーバーライド調停処理(より正確には、受入処理)に従って運転モードの切り替えが行われる。
第5類は、ステップS21の判定結果が肯定的である場合に、オーバーライド要求に基づいて運転モードが手動運転モードへと切り替えられるのを禁止する処理である。運転モードの切り替えが禁止されれば、運転モードは第2自動運転モードに維持される。
運転モードの切り替えの禁止は、ドライバ操作認識部34がオーバーライド要求を認識するための閾値(つまり、判定値)を、より厳しい限界値に設定することで実現してもよい。このような限界値を設定すれば、設定前ではオーバーライド要求と判定されたドライバの操作が、設定後にはオーバーライド要求と認識されなくなる。そうすると、設定後のオーバーライド調停処理において、運転モードの切り替えが行われることもなくなる。
1.5 報知制御
自動運転モードと特に関係のある報知制御として、第1および第2報知制御が例示される。これらの報知制御について、以下に説明する。
1.5.1 第1報知制御
図6は、実施の形態1において、報知制御部38が行う第1報知制御の処理の流れを説明するフローチャートである。図6に示すルーチンでは、まず、報知条件が満たされるか否かが判定される(ステップS30)。報知条件については既に説明した通りである。ステップS30の処理は、車両状態認識部31およびドライバ状態認識部32からの情報に基づいて行われる。ステップS30の判定結果が否定的な場合、第1報知制御の処理が終了される。
ステップS30の判定結果が肯定的な場合、ステップS31の処理が行われる。ステップS31の処理は、図4のステップS21の処理と同じである。ステップS31の判定結果が否定的な場合、通常報知方式が採用される(ステップS32)。通常報知方式とは、予め設定した報知内容の全てを乗員に提供する方式である。
ステップS31の判定結果が肯定的な場合、簡易報知方式が採用される(ステップS33)。簡易報知方式とは、報知内容の一部または全部を省略し、または、報知手段の一部または全部を省略して乗員に提供する方式である。報知手段には、HMIユニット16の表示装置およびスピーカが含まれる。報知手段の一部の省略とは、通常報知方式では使用された報知手段の一部(例えば、スピーカ)が使用されないことを意味する。
1.5.1 第2報知制御
図7は、実施の形態1において、報知制御部38が行う第2報知制御の処理の流れを説明するフローチャートである。図7に示すルーチンでは、まず、ステップS40の処理が行われる。ステップS40の処理は、図4のステップS20の処理と同じである。ステップS40の判定結果が否定的な場合、第1報知制御の処理が終了される。
ステップS40の判定結果が肯定的な場合、ステップS41の処理が行われる。ステップS41の処理は、図4のステップS21の処理と同じである。ステップS41の判定結果が否定的な場合、第1報知制御の処理が終了される。
ステップS41の判定結果が肯定的な場合、現在選択中の運転モードの情報が報知される(ステップS42)。これにより、ドライバは、現在選択中の運転モードが第2自動運転モードであることを、報知手段を介して理解する。
1.6 効果
以上説明した実施の形態1に係る車両制御システムによれば、オーバーライド調停処理が行われる。オーバーライド調停処理によれば、“信頼度”の低い第1自動運転モードの選択中はオーバーライド要求を受け入れられ易くし、“信頼度”の高い第2自動運転モードの選択中はこれを受け入れられ難くすることが可能となる。したがって、“信頼度”の異なる2種類の自動運転モードが適用される車両において、オーバーライドのし易さについてドライバが違和感を覚えるのを抑えることが可能となる。
また、実施の形態1に係る車両制御システムによれば、オーバーライド調停処理において無効化処理または受入処理が行われる。無効化処理によれば、“信頼度”の高い第2自動運転モードの選択中、自動運転制御の外乱となり得るドライバの介入が排除される。したがって、自動運転制御の制御性を高めることが可能となる。受入処理によれば、“信頼度”の低い第1自動運転モードの選択中、自動運転制御に対する介入の余地をドライバに残すことが可能となる。
また、実施の形態1に係る車両制御システムによれば、報知制御が行われる。報知制御によれば、“信頼度”の低い第1自動運転モードの選択中は通常報知方式が採用され、“信頼度”の高い第2自動運転モードの選択中は簡易報知方式が採用される。報知のレベルとして見た場合、簡易報知方式は通常報知方式に比べて低いレベルになる。しかし、報知のレベルが低くなれば、自動運転制御に対するドライバの介入の頻度も低くなることが期待される。したがって、“信頼度”の高い第2自動運転モードの選択中、自動運転制御の制御性を高めることが可能となる。
2.実施の形態2
次に、図8乃至10を参照しながら実施の形態2について説明する。以下、上記実施の形態1の説明と重複する説明については適宜省略される。
2.1 オーバーライド調停部の構成
上記実施の形態1において、オーバーライド調停部36は、オーバーライド調停処理を行った。実施の形態2において、オーバーライド調停部36は、オーバーライド調停処理に加え、無効化処理の実行をキャンセルする処理(以下、「キャンセル処理」と称す。)を行う。キャンセル処理は、第1、第2および第3キャンセル処理を含む。これらのキャンセル処理について、以下に説明する。
2.1.1 第1キャンセル処理
図8は、実施の形態2において、オーバーライド調停部36が行う第1キャンセル処理の流れを説明するフローチャートである。図8に示すルーチンでは、まず、ステップS50の処理が行われる。ステップS50の処理は、図4のステップS21の処理と同じである。ステップS50の判定結果が否定的な場合、第1キャンセル処理が終了される。
ステップS50の判定結果が肯定的な場合、第1キャンセル条件が満たされるか否かが判定される(ステップS51)。第1キャンセル条件としては、「無効化処理のキャンセルスイッチが押されている」が例示される。このキャンセルスイッチは、ドライバによる操作に基づいて信号を出力する機器である。このキャンセルスイッチは、自動運転モードの作動状態を切り替えるキャンセルスイッチとは別のスイッチである。以下、説明の便宜上、作動状態用のキャンセルスイッチを「第1スイッチ」と称し、無効化処理用のキャンセルスイッチを「第2スイッチ」と称す。
第2スイッチは、無効化処理の実行状態(ON/OFF)を切り替えるスイッチである。第2スイッチは、例えば、第1スイッチの隣に設けられる。ドライバの意思を確実に検出するため、第2スイッチは、2つのボタンから構成されていてもよい。なお、第1スイッチが押されている場合は、自動運転モードがOFFになる。そのため、この場合は、ステップS50の処理が繰り返され、ステップS51の処理が行われることはない。
ステップS51の判定結果が否定的な場合、第1キャンセル処理が終了される。この判定結果が肯定的な場合、無効化処理の実行がキャンセルされる(ステップS52)。無効化処理の実行がキャンセルされるとは、図4のステップS22で説明した受入処理が行われることを意味する。受入処理が行われることで、第2自動運転モードの選択中であっても、オーバーライド要求が全面的に受け入れられるようになる。
2.1.2 第2キャンセル処理
図9は、実施の形態2において、オーバーライド調停部36が行う第2キャンセル処理の流れを説明するフローチャートである。図9に示すルーチンでは、まず、ステップS60の処理が行われる。ステップS60の処理は、図4のステップS21の処理と同じである。ステップS60の判定結果が否定的な場合、第2キャンセル処理が終了される。
ステップS60の判定結果が肯定的な場合、第2キャンセル条件が満たされるか否かが判定される(ステップS61)。第2キャンセル条件としては、「第1実行条件を構成する条件の全てが満たされるものの、第2実行条件を構成する条件の一部が満たされない」が例示される。既に説明したとおり、第2実行条件は、少なくとも第1実行条件よりも厳しい条件が設定されている。そのため、第2キャンセル条件が満たされる場合がある。
ステップS61の判定結果が否定的な場合、第2キャンセル処理が終了される。この判定結果が肯定的な場合、一部の無効化処理の実行がキャンセルされる(ステップS62)。キャンセルされる範囲は、第2キャンセル条件が成立した範囲の車両機器に設定される。例えば、条件V12以外の第2実行条件が満たされている場合、キャンセル範囲はブレーキペダルまでとなる。条件V13以外の第2実行条件が満たされる場合、キャンセル範囲はステアリングホイールまでとなる。
2.1.3 第3キャンセル処理
第1および第2キャンセル処理とは異なり、第3キャンセル処理は、オーバーライド要求がある場合に行われる。図10は、実施の形態2において、オーバーライド調停部36が行う第3キャンセル処理の流れを説明するフローチャートである。図10に示すルーチンでは、まず、ステップS70およびS71の処理が行われる。ステップS70およびS71の処理は、図4のステップS20およびS21の処理と同じである
ステップS70またはS71の判定結果が否定的な場合、第3キャンセル処理が終了される。これらの判定結果が肯定的な場合、第3キャンセル条件が満たされるか否かが判定される(ステップS72)。
第3キャンセル条件としては、下記の条件C31〜C36が例示される。
C31:オーバーライド要求の根拠となるドライバの操作が継続的に認識される
C32:オーバーライド要求の根拠となるドライバの操作が、自動運転制御に基づく車両の操作と一致する
C33:オーバーライド要求の根拠となるドライバの操作が、自動運転制御に基づく車両の操作と一致し、かつ、当該車両の操作を開始するタイミングよりも早いタイミングで認識される
C34:オーバーライド要求の根拠となるドライバの操作が、車両の死角からの移動障害物(例えば、歩行者および自転車)の飛び出しに起因する
C35:障害物との衝突が避けられない状況にある
C36:障害物との衝突が避けられない状況にあり、かつ、オーバーライド要求の根拠となるドライバの操作が、衝突時の被害を抑える観点から最も妥当な操作である
条件C31の判定処理は、ドライバ操作認識部34からオーバーライド調停部36に入力される信号に基づいて行われる。条件C32およびC33における自動運転制御に基づく車両の操作の判定処理は、現在の走行計画に基づいて行われる。条件C33における車両の操作を開始するタイミングの判定処理も、走行計画に基づいて行われる。条件C34における飛び出しの判定処理は、外部センサ11からの情報に基づいて行われる。条件C35の判定処理は、現在の走行計画および外部センサ11からの情報に基づいて行われる。条件C36におけるドライバの操作の妥当性の判定処理は、予め設定した評価モデルに基づいて行われる。
ステップS72の判定結果が否定的な場合、第3キャンセル処理が終了される。この判定結果が肯定的な場合、一部の無効化処理の実行がキャンセルされる(ステップS73)。キャンセルされる範囲は、第3キャンセル条件が成立した範囲の車両機器に設定される。例えば、ステアリングホイールが操作された場合、キャンセル範囲はステアリングホイールまでとなる。ステアリングホイールとブレーキペダルの両方が操作された場合、キャンセル範囲はこれらの車両機器までとなる。
ステップS73の処理に際しては、第3キャンセル条件の内容に応じて無効化処理をキャンセルする速度を変更してもよい。例えば、条件C34〜C36の何れかが満たされる場合は、条件C31〜C33の何れかが満たされる場合に比べて、オーバーライドの緊急性が高いことが想定される。そのため、このような緊急時には、通常時よりも短い時間で無効化処理のキャンセルを行ってもよい。
2.2 効果
上記実施の形態1に係る車両制御システムでは、第2実行条件を構成する条件が全て満たされた場合に、運転モードとして第2自動運転モードが選択された。そのため、第2実行条件を構成する条件の一部が満たされない場合は、運転モードとして第1自動運転モード(または手動運転モード)が選択される。
これに対し、実施の形態2に係る車両制御システムによれば、キャンセル処理が行われる。キャンセル処理によれば、キャンセル条件が成立した範囲の車両機器について無効化処理の実行をキャンセルすることが可能となる。したがって、“信頼度”の高い第2自動運転モードの選択中において、キャンセル条件が成立した範囲の車両機器の操作をドライバに任せることが可能となる。
3.実施の形態3
次に、図11乃至13を参照しながら実施の形態3について説明する。以下、上記実施の形態1または2の説明と重複する説明については適宜省略される。
3.1 車両制御システムの全体構成
図11は、実施の形態3に係る車両制御システムの構成例を示すブロック図である。図11に示す車両制御システム200は、乗員検出部17、通信機器18およびECU40を備える。車両制御システム200が備える他の構成は、図1に示した車両制御システム100の構成と同じである。
乗員検出部17は、乗員を検出する機器である。乗員検出部17としては、座席センサ、車室内モニタカメラ、および、呼気検出センサが例示される。座席センサは、乗員の着座を検出する。座席センサは、座席ごとに設けられる。車室内モニタカメラは、車室内を撮像するカメラである。車室内モニタカメラは、運転席を除いた座席ごとに設けられてもよいし、車室内を一望できる箇所に設けられてもよい。呼気検出センサは、ドライバの呼気を検出する。呼気検出センサは、ステアリングコラムのカバーに取り付けられる。乗員検出部17は、検出した情報をECU40に送信する。
通信機器18は、最寄りの基地局との間で無線通信を行い、基地局を介してネットワークに接続する機器である。通信機器18が利用する無線通信の通信規格としては、4G、LTEまたは5Gなどの移動体通信の規格が例示される。
通信機器18のネットワーク上の接続先は、例えば、外部の管理サーバである。管理サーバは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリとを有するコンピュータである。管理サーバは、記憶装置(例えば、SSDおよびHDD)を備えている。記憶装置には、車両のユーザのID情報が記憶されている。ID情報には、ユーザの顔写真のデータおよび運転免許情報が含まれる。運転免許情報には、ユーザの運転免許の有無、当該運転免許の有効期限、および、当該ユーザが運転可能な車両の種別(例えば、普通、中型および大型)が含まれる。
ライドシェアサービスに供される車両に車両制御システム200が搭載される場合を考える。この場合、ID情報には、ライドシェアサービスのユーザの顔写真データ、および、当該ユーザによる荷室(例えば、トランク)の利用情報が含まれる。
遠隔操作される車両に車両制御システム200が搭載される場合を考える。この場合、通信機器18のネットワーク上の別の接続先は、例えば、外部の管理センタである。管理センタは、自動運転制御の実行状態をモニタする。管理センタは、必要に応じて、車両の遠隔操作を行う。
ECU40は、プロセッサ、メモリおよび入出力インタフェースを備えるマイクロコンピュータである。ECU40の基本的な機能は、図1に示したECU30のそれと同じである。以下、ECU40の構成について説明する。
3.2 制御装置の構成
図12は、自動運転制御に関連するECU40の機能構成例を示すブロック図である。図12に示すように、ECU40は、乗員状識部41と、外部情報認識部42と、を備えている。ECU40が備える他の機能ブロックは、図2に示したECU30の構成と同じである。これらの機能ブロックは、ECU40のプロセッサがメモリに格納された各種の制御プログラムを実行することにより実現される。
乗員認識部41は、乗員検出部17からの情報に基づいて、車室内の乗員を認識する。乗員認識部41は、着座センサからの情報に基づいて、各座席の乗員の有無を認識する。乗員認識部41は、車室内モニタカメラからの撮像情報と、外部情報認識部42からのID情報と、に基づいて、各座席の乗員の照合を行う。なお、ドライバの照合については、ドライバモニタカメラ15からの撮像情報に基づいて行ってもよい。
外部情報認識部42は、通信機器18が取得した外部情報を認識する。外部情報には、車両のユーザのID情報が含まれる。車両がライドシェアサービスに供される場合、外部情報には、ライドシェアサービスのユーザのID情報が含まれる。車両が遠隔操作される場合、外部情報には、遠隔操作情報が含まれる。
3.3 オーバーライド調停部の構成
上記実施の形態2同様、オーバーライド調停部36はキャンセル処理を行う。キャンセル処理は、上記第1、第2および第3キャンセル処理を含む。これらのキャンセル処理の基本的な流れは、上記実施の形態2と同じである。以下、これらのキャンセル処理の代表として、第1キャンセル処理について説明する。
図13は、実施の形態3において、オーバーライド調停部36が行う第1キャンセル処理の流れを説明するフローチャートである。図13に示すルーチンでは、まず、ステップS80およびS81の処理が行われる。ステップS80およびS81の処理は、図8のステップS50およびS51の処理と同じである。
ステップS80またはS81の判定結果が否定的な場合、第1キャンセル処理が終了される。これらの判定結果が肯定的な場合、例外条件が満たされるか否かが判定される(ステップS82)。
例外条件としては、下記の条件E11〜E14が例示される。
E11:走行中の道路に規制が設けられている(例えば、走行中の道路が自動運転専用道路である)
E12:走行環境上の制約がある(例えば、横方向または前後方向における障害物との間の距離が閾値未満である)
E13:手動運転の能力または資格を有する者が車室内にいない(例えば、運転免許の保有者が乗車していない、保有者が運転席に座っていない、または、ドライバが酒気帯び状態である)
E14:ID情報と顔写真データが一致する乗員が車室内にいない
条件E11の判定処理は、地図情報に基づいて行われる。条件E12の判定処理は、外部センサ11からの情報に基づいて行われる。条件E13およびE14の判定処理は、ドライバ状態認識部32、乗員認識部41および外部情報認識部42からの情報に基づいて行われる。
車両がライドシェアサービスに供される場合、例外条件としては、下記の条件E21およびE22が例示される。
E21:荷室が利用されている
E22:運転席に座っている乗員と、荷室を利用している乗員とが一致しない
車両が遠隔操作される場合、例外条件としては、下記の条件E31およびE32が例示される。
E31:介護者および被介護者以外の者が車室内にいない
E32:被介護者以外車室内にいない
条件E21、E22、E31およびE32の判定処理は、ドライバ状態認識部32、乗員認識部41および外部情報認識部42からの情報に基づいて行われる。
ステップS82の判定結果が否定的な場合、無効化処理の実行がキャンセルされる(ステップS83)。つまり、図4のステップS22で説明した受入処理が行われる。この判定結果が肯定的な場合、第1キャンセル処理が終了される。つまり、無効化処理の実行のキャンセルが拒否される。
3.4 効果
実施の形態3に係る車両制御システムによれば、例外条件が成立すると判定された場合、無効化処理の実行のキャンセルが拒否される。したがって、キャンセル条件が成立する場合であってもハンドオーバー要求を受け入れるべきではないときは、当初の予定通りに無効化処理を実行することが可能となる。
10 GNSS受信器
11 外部センサ
12 内部センサ
13 地図データベース
14 ドライバ操作検出部
15 ドライバモニタカメラ
16 HMIユニット
17 乗員検出部
18 通信機器
30、40 ECU
31 車両状態認識部
32 ドライバ状態認識部
33 走行計画生成部
34 ドライバ操作認識部
35 モード切替部
36 オーバーライド調停部
37 車両制御部
38 報知制御部
41 乗員認識部
42 外部情報認識部
100、200 車両制御システム

Claims (11)

  1. 車両に搭載される車両制御システムであって、
    前記車両の自動運転制御を実行する制御装置を備え、
    前記制御装置は、
    前記自動運転制御を実行する運転モードとして、第1または第2自動運転モードを選択し、
    前記自動運転制御の実行中、前記車両のドライバからのオーバーライド要求を調停するオーバーライド調停処理を実行し、
    前記制御装置は、前記オーバーライド調停処理において、
    前記第1および第2自動運転モードのいずれが選択されているかを判定し、
    前記第2自動運転モードが選択されていると判定された場合、前記第1自動運転モードが選択されていると判定された場合に比べて、前記オーバーライド要求を受け入れ難くする
    ことを特徴とする車両制御システム。
  2. 前記制御装置は、前記オーバーライド調停処理において、前記第2自動運転モードが選択されていると判定された場合、前記オーバーライド要求を無効化する無効化処理を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
  3. 前記オーバーライド要求を検出する検出機器を更に備え、
    前記制御装置は、前記無効化処理において、前記オーバーライド要求が前記検出機器に入力されるのを実質的に禁止する
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両制御システム。
  4. 前記制御装置は、前記無効化処理において、前記オーバーライド要求が前記オーバーライド要求の対象となる車両機器に伝達されるのを遮断する
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両制御システム。
  5. 前記制御装置は、前記無効化処理において、前記オーバーライド要求が前記制御装置において処理されるのを禁止する
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両制御システム。
  6. 前記制御装置は、前記無効化処理において、前記オーバーライド要求に基づいて前記車両の現在の走行計画が修正されるのを禁止する
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両制御システム。
  7. 前記制御装置は、前記無効化処理において、前記オーバーライド要求に基づいた前記運転モードの切り替えを禁止する
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両制御システム。
  8. 前記制御装置は、前記オーバーライド調停処理において、前記第1自動運転モードが選択されていると判定された場合、前記オーバーライド要求を全面的に受け入れる
    ことを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項に記載の車両制御システム。
  9. 前記制御装置は、前記自動運転制御の実行中、前記車両の乗員に対する報知制御を実行し、
    前記制御装置は、前記報知制御において、
    前記第1および第2自動運転モードのどちらが選択されているかを判定し、
    前記第2自動運転モードが選択されていると判定された場合、前記第1自動運転モードが選択されていると判定された場合に比べて、前記乗員に対する報知のレベルを低くする
    ことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項に記載の車両制御システム。
  10. 前記制御装置は、
    前記自動運転制御の実行中、前記オーバーライド要求を無効化する無効化処理の実行をキャンセルするキャンセル条件が成立するか否かを判定し、
    前記キャンセル条件が成立すると判定された場合、前記キャンセル条件が成立した範囲の車両機器についての前記無効化処理の実行をキャンセルする
    ことを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項に記載の車両制御システム。
  11. 前記制御装置は、
    前記自動運転制御の実行中、前記無効化処理の実行のキャンセルを拒否する例外条件が成立するか否かを判定し、
    前記例外条件が成立すると判定された場合、前記例外条件が成立した範囲の車両機器についての前記無効化処理の実行のキャンセルを拒否する
    ことを特徴とする請求項10に記載の車両制御システム。
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