JP2020171952A - 接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】硬度が高い金属部材同士を好適に接合することができる接合方法を提供することを課題とする。【解決手段】回転する回転ツールFを補助部材10の表面10a側のみから挿入するとともに、攪拌ピンF2のみを補助部材10に接触させ攪拌ピンF2の基端側を露出させつつ、攪拌ピンF2の外周面を第一金属部材1及び第二金属部材2に僅かに接触させた状態で、突合せ部J1,J2に沿って回転ツールFを相対移動させて第一金属部材1と第二金属部材2とを補助部材10を介して接合する接合工程と、を含み、補助部材10は、少なくとも一方の側面に表面10aから離間するにつれて先細りとなる傾斜面を備え、第一金属部材1及び第二金属部材2の少なくとも一方は、補助部材10の傾斜面に対応し表面から裏面に向けて傾斜する傾斜面(端面1a,2a)を備えることを特徴とする。【選択図】図2
Description
本発明は、接合方法に関する。
例えば、特許文献1には、一対の板状の金属部材を回転ツールを用いて摩擦攪拌接合する発明が開示されている。当該発明では、一対の金属部材の間に金属部材よりも軟質の補助部材を介設し、当該補助部材に回転ツールを挿入して摩擦攪拌を行うというものである。硬度の高い金属部材同士を摩擦攪拌接合すると、回転ツールの損傷が激しく、工具コストが増加するという問題がある。しかし、当該発明によれば、軟質の補助部材に回転ツールを挿入して摩擦攪拌を行うため、硬度の高い金属部材同士を好適に接合することができる。
従来の接合方法では、回転ツールの攪拌ピンが円柱状を呈するため、補助部材への挿入が困難となるという問題があった。また、回転ツールのショルダ部を金属部材に接触させた状態で摩擦攪拌を行うため、摩擦攪拌装置に作用する負荷が大きくなるという問題があった。
このような観点から、本発明は、硬度が高い金属部材同士を好適に接合することができる接合方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、先細りの攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて一対の金属部材を接合する接合方法であって、アルミニウム合金から形成された第一金属部材と、アルミニウム合金から形成された第二金属部材と、前記第一金属部材及び前記第二金属部材よりも硬度が低いアルミニウム又はアルミニウム合金から形成された補助部材を準備する準備工程と、前記第一金属部材と前記第二金属部材の端部同士を向い合せて、前記端部同士の隙間に前記補助部材を挟み込み、前記第一金属部材の端面と前記補助部材の一方の側面とを突き合わせるとともに、前記第二金属部材の端面と前記補助部材の他方の側面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、回転する前記回転ツールを前記補助部材の表面側のみから挿入するとともに、前記攪拌ピンのみを前記補助部材に接触させ前記攪拌ピンの基端側を露出させつつ、前記攪拌ピンの外周面を前記第一金属部材及び前記第二金属部材に僅かに接触させた状態で、前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記第一金属部材と前記第二金属部材とを補助部材を介して接合する接合工程と、を含み、前記補助部材は、少なくとも一方の側面に表面から離間するにつれて先細りとなる傾斜面を備え、前記第一金属部材及び前記第二金属部材の少なくとも一方は、前記補助部材の傾斜面に対応し表面から裏面に向けて傾斜する傾斜面を備えることを特徴とする。
また、本発明は、先細りの攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて一対の金属部材を接合する接合方法であって、アルミニウム合金から形成され、端部に傾斜面を備えた第一金属部材と、アルミニウム合金から形成され、端部に傾斜面を備えた第二金属部材と、前記第一金属部材及び前記第二金属部材よりも硬度が低いアルミニウム又はアルミニウム合金から形成され、両側面に表面から離間するにつれて先細りとなる傾斜面を備えた補助部材を準備する準備工程と、前記第一金属部材と前記第二金属部材の端部同士を向い合せて、前記端部同士の隙間に前記補助部材を挟み込み、前記第一金属部材の傾斜面と前記補助部材の一方の傾斜面とを突き合わせるとともに、前記第二金属部材の傾斜面と前記補助部材の他方の傾斜面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、回転する前記回転ツールを前記補助部材の表面側のみから挿入するとともに、前記攪拌ピンのみを前記補助部材に接触させ前記攪拌ピンの基端側を露出させつつ、前記攪拌ピンの外周面を前記第一金属部材及び前記第二金属部材に僅かに接触させた状態で、前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記第一金属部材と前記第二金属部材とを補助部材を介して接合する接合工程と、を含むことを特徴とする。
かかる接合方法によれば、先細りの攪拌ピンを備えた回転ツールを用いるため、補助部材に容易に挿入することができる。また、攪拌ピンのみを補助部材に挿入するため、摩擦攪拌装置に作用する負荷を軽減することができる。また、第一金属部材及び第二金属部材よりも軟質の補助部材に回転ツールを挿入するため、回転ツールの寿命を長くすることができる。また、攪拌ピンと第一金属部材及び第二金属部材とを僅かに接触させることにより接合強度を高めることができる。
また、前記補助部材の裏面側に、浮き防止のための突起部を備え、前記突合せ工程では、前記突起部が前記第一金属部材及び前記第二金属部材の少なくとも一方に係止するように前記第一金属部材と前記第二金属部材とを突き合わせることが好ましい。
かかる接合方法によれば、補助部材の表面側への浮き上りを防ぐことができるため、より好適に接合することができる。
また、本発明は、先細りの攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて一対の金属部材を接合する接合方法であって、アルミニウム合金から形成され、端部に傾斜面を備えた第一金属部材と、アルミニウム合金から形成された第二金属部材と、前記第一金属部材及び前記第二金属部材よりも硬度が低いアルミニウム又はアルミニウム合金から形成され、両側面に表面から離間するにつれて先細りとなる傾斜面を備えた補助部材を準備する準備工程と、前記第一金属部材の端部と前記第二金属部材の側面とを突き合せて、内隅側に形成された前記第一金属部材の端部と前記第二金属部材の側面との隙間に前記補助部材を挟み込み、前記第一金属部材の傾斜面と前記補助部材の一方の傾斜面とを突き合せるとともに、前記第二金属部材の側面と前記補助部材の他方の傾斜面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、回転する前記回転ツールを前記補助部材の表面側のみから挿入するとともに、前記攪拌ピンのみを前記補助部材に接触させ前記攪拌ピンの基端側を露出させつつ、前記攪拌ピンの外周面を前記第一金属部材及び前記第二金属部材に僅かに接触させた状態で、前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記第一金属部材と前記第二金属部材とを補助部材を介して接合する接合工程と、を含むことを特徴とする。
かかる接合方法によれば、先細りの攪拌ピンを備えた回転ツールを用いるため、補助部材に容易に挿入することができる。また、攪拌ピンのみを補助部材に挿入するため、摩擦攪拌装置に作用する負荷を軽減することができる。また、第一金属部材及び第二金属部材よりも軟質の補助部材に回転ツールを挿入するため、回転ツールの寿命を長くすることができる。また、攪拌ピンと第一金属部材及び第二金属部材を僅かに接触させることにより接合強度を高めることができる。また、第一金属部材と第二金属部材とを垂直に接合することができる。
また、前記補助部材の裏面側に、浮き防止のための突起部を備え、前記突合せ工程では、前記突起部が前記第一金属部材及び前記第二金属部材の少なくとも一方に係止するように前記第一金属部材と前記第二金属部材とを突き合わせるこが好ましい。
かかる接合方法によれば、補助部材の表面側への浮き上りを防ぐことができるため、より好適に接合することができる。
また、本発明は、先細りの攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて一対の金属部材を接合する接合方法であって、アルミニウム合金から形成され、端部に傾斜面を備えた第一金属部材と、アルミニウム合金から形成された第二金属部材と、前記第一金属部材及び前記第二金属部材よりも硬度が低いアルミニウム又はアルミニウム合金から形成され、両側面に表面から離間するにつれて先細りとなる傾斜面を備えた補助部材を準備する準備工程と、前記第一金属部材と前記第二金属部材とを重ね合わせて、前記第一金属部材の傾斜面と前記第二金属部材の表面との隙間に前記補助部材を挟み込み、前記第一金属部材の傾斜面と前記補助部材の一方の傾斜面とを突き合わせるとともに、前記第二金属部材の表面と前記補助部材の他方の傾斜面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、回転する前記回転ツールを前記補助部材の表面側のみから挿入するとともに、前記攪拌ピンのみを前記補助部材に接触させ前記攪拌ピンの基端側を露出させつつ、前記攪拌ピンの外周面を前記第一金属部材及び前記第二金属部材に僅かに接触させた状態で、前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記第一金属部材と前記第二金属部材とを補助部材を介して接合する接合工程と、を含むことを特徴とする。
かかる接合方法によれば、先細りの攪拌ピンを備えた回転ツールを用いるため、補助部材に容易に挿入することができる。また、攪拌ピンのみを補助部材に挿入するため、摩擦攪拌装置に作用する負荷を軽減することができる。また、第一金属部材及び第二金属部材よりも軟質の補助部材に回転ツールを挿入するため、回転ツールの寿命を長くすることができる。また、攪拌ピンと第一金属部材及び第二金属部材を僅かに接触させることにより接合強度を高めることができる。また、重ね合わされた第一金属部材と第二金属部材とを接合することができる。
また、前記補助部材の裏面側に、浮き防止のための突起部を備え、前記突合せ工程では、前記第一金属部材の裏面に形成された溝部及び前記第二金属部材の表面に形成された溝部の少なくとも一方で構成された凹溝部に前記突起部を嵌め合わせつつ、前記第一金属部材と前記第二金属部材を突き合わせることが好ましい。
かかる接合方法によれば、補助部材の表面側への浮き上りを防ぐことができるため、より好適に接合することができる。
本発明に係る接合方法によれば、硬度が高い金属部材同士を好適に接合することができる。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。第一実施形態に係る接合方法は、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。図1に示すように、本実施形態では、第一金属部材1と第二金属部材2とを摩擦攪拌接合する。以下の説明における「表面」とは、「裏面」の反対側の面を言う。
本発明の第一実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。第一実施形態に係る接合方法は、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。図1に示すように、本実施形態では、第一金属部材1と第二金属部材2とを摩擦攪拌接合する。以下の説明における「表面」とは、「裏面」の反対側の面を言う。
図1に示すように、準備工程は、第一金属部材1、第二金属部材2及び補助部材10を用意する工程である。第一金属部材1及び第二金属部材2は、板状の金属部材である。第一金属部材1及び第二金属部材2は、摩擦攪拌可能な金属であれば特に制限されないが、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いる。第一金属部材1及び第二金属部材2は、本実施形態では、JISH5302 ADC12(Al-Si-Cu系)等のアルミニウム合金鋳造材を用いている。
第一金属部材1は、端部に形成された端面1a、表面1b及び裏面1cを備えている。第二金属部材2は、端部に形成された端面2a、表面2b及び裏面2cを備えている。第一金属部材1及び第二金属部材2の板厚は同一である。端面1a及び端面2aは、表面1b,2bに向かうにつれて互いに離間するように傾斜する傾斜面になっている。鉛直面に対する端面1a,2aの傾斜角度は同一になっている。
補助部材10は、第一金属部材1と第二金属部材2との間に介設される部材である。補助部材10は、第一金属部材1よりも硬度の低い金属で形成されている。補助部材10は、例えば、JIS A1050,A1100,A6063等のアルミニウム合金展伸材で形成されている。補助部材10は、断面台形を呈する長尺の部材になっている。
補助部材10は、表面10aと、側面10b,10cと、裏面10dを備えている。側面10b,10cは、表面10aから離間するにつれて(裏面10dに向かうにつれて)互いに近接する傾斜面になっている。側面10b,10cの傾斜角度は、それぞれ対向する端面1a,2aの傾斜角度と同一になっている。
突合せ工程は、図2に示すように、第一金属部材1、第二金属部材2及び補助部材10を突き合わせつつ架台Kに固定する工程である。突合せ工程では、第一金属部材1の端面1aと、第二金属部材2の端面2aとの間に補助部材10を配置する。第一金属部材1の端面1aと、補助部材10の側面10bとが概ね面接触するように突き合わされて突合せ部J1が形成される。第二金属部材2の端面2aと、補助部材10の側面10cとが概ね面接触するように突き合わされて突合せ部J2が形成される。補助部材10の表面10aは、第一金属部材1の表面1b及び第二金属部材2の表面2bと面一になる。補助部材10の裏面10dは、第一金属部材1の裏面1c及び第二金属部材2の裏面2cと面一になる。
ここで、図2に示すように回転ツールFは、基部F1と、攪拌ピンF2とで構成されている。回転ツールFは、例えば、工具鋼で形成されている。基部F1は、摩擦攪拌装置の回転軸に接続される部位である。攪拌ピンF2は、基部F1から垂下し、先細りとなっている。攪拌ピンF2の先端には、回転中心軸に対して垂直な平坦面F3が形成されている。平坦面F3は、補助部材10の裏面10dよりもやや大きな寸法で形成されている。
攪拌ピンF2の外周面のテーパー角度は、第一金属部材1の端面1a及び第二金属部材の端面1aの各傾斜角度と同一になっている。つまり、攪拌ピンF2を側面から見た断面形状は、補助部材10の断面形状と概ね同一になっている。
攪拌ピンF2の外周面には、螺旋溝が刻設されている。本実施形態では、回転ツールFを右回転させるため、基端側から先端側に向かうにつれて螺旋溝が左回りで形成されている。なお、回転ツールFを左回転させる場合は、基端側から先端側に向かうにつれて螺旋溝が右回りで形成されている。このようにすると、塑性流動化した金属が螺旋溝に導かれて先端側に移動するため、バリの発生を抑制することができる。
接合工程は、図3に示すように、回転ツールFを用いて第一金属部材1と第二金属部材2とを摩擦攪拌接合する工程である。接合工程では、右回転させた回転ツールFの攪拌ピンF2を補助部材10の表面10aの幅方向中央に挿入する。接合工程では、攪拌ピンF2の外周面を第一金属部材1の端面1a及び第二金属部材2の端面2aに接触させなくてもよいが、本実施形態では第一金属部材1の端面1a及び第二金属部材2の端面2aに僅かに接触させた状態で、補助部材10に沿って相対移動させる。攪拌ピンF2の外周面と、第一金属部材1の端面1a及び第二金属部材2の端面2aとの接触代は、例えば、1.0mm未満で適宜設定すればよい。
接合工程では、攪拌ピンF2のみを第一金属部材1、第二金属部材2及び補助部材10に接触させ、攪拌ピンF2の基端側は、第一金属部材1及び第二金属部材2から露出した状態で摩擦攪拌を行う。攪拌ピンF2の平坦面F3は、架台Kに接触しない範囲で深い位置まで挿入する。回転ツールFを補助部材10に沿って相対移動させ、終了位置に達したら回転ツールFを補助部材10から離脱させる。以上により、突合せ部J1,J2が一の工程で同時に摩擦攪拌接合される。回転ツールFの移動軌跡には塑性化領域Wが形成される。
以上説明した本実施形態に係る接合方法によれば、先細りの攪拌ピンF2を備えた回転ツールFを用いるため、補助部材10の表面10aに容易に挿入することができる。また、攪拌ピンF2のみを補助部材10に挿入し、攪拌ピンF2の基端側は露出させた状態で摩擦攪拌するため、摩擦攪拌装置に作用する負荷を軽減することができる。
また、第一金属部材1及び第二金属部材2よりも軟質の補助部材10に回転ツールFを挿入するため、回転ツールFの寿命を長くすることができる。また、攪拌ピンF2と第一金属部材1及び第二金属部材2を僅かに接触させるに留めるため、第一金属部材1及び第二金属部材2の硬質の金属が補助部材10側に多く混入するのを防ぐことができるため、より接合強度を高めることができる。
また、第一金属部材1の端面1aと第二金属部材2の端面2aに傾斜面を設けているため、攪拌ピンF2と第一金属部材1及び第二金属部材2とが大きく接触するのを防ぐことができる。また、本実施形態では、攪拌ピンF2のテーパー角度と、端面1a,2aの傾斜角度とを同一(概ね平行)にしているため、高さ方向に亘ってバランス良く摩擦攪拌することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る接合方法について説明する。図4は、本発明の第二実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す断面図である。第二実施形態に係る接合方法は、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。第二実施形態では、補助部材10Aの形状が第一実施形態と主に相違する。本実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
次に、本発明の第二実施形態に係る接合方法について説明する。図4は、本発明の第二実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す断面図である。第二実施形態に係る接合方法は、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。第二実施形態では、補助部材10Aの形状が第一実施形態と主に相違する。本実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
図4に示すように、第一金属部材1及び第二金属部材2は第一実施形態と同一である。補助部材10Aは、断面台形状の本体部11と、本体部11の裏面(底部)10dから下方に突出する突起部12を備えている。突起部12は、本体部11の裏面(底部)10dよりも幅広となる断面矩形状を呈する。突起部12は、補助部材10Aの長手方向に一定の形状で形成されている。架台Kには、突起部12が挿入される断面矩形の凹部K1が形成されている。
突合せ工程では、第一金属部材1と、第二金属部材2と、補助部材10Aとを突き合わせて架台Kに固定する。突合せ工程では、まず、補助部材10Aの突起部12を凹部K1に挿入する。例えば、架台Kの手前側又は奥側の凹部K1の開口部から突起部12を挿入する。
次に、第一金属部材1及び第二金属部材2を補助部材10の両側から突き合わせる。突起部12は、第一金属部材1の裏面1c及び第二金属部材2の裏面2cにそれぞれ係止される。第一金属部材1の端面1aと、補助部材10の側面10bとが突き合わされて突合せ部J1が形成される。第二金属部材2の端面2aと、補助部材10の側面10cとが突き合わされて突合せ部J2が形成される。
接合工程では、回転ツールFを用いて突合せ部J1,J2に対して摩擦攪拌接合を行う。本実施形態では、第一実施形態と同じ要領で摩擦攪拌接合を行う。なお、接合工程が終了したら、突起部12を切除する切除工程を行ってもよいし、突起部12をそのまま残してもよい。
以上説明した第二実施形態によっても第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。例えば、摩擦攪拌接合の接合長が長くなると、それに伴って補助部材10も長く形成する。このような場合に摩擦攪拌接合を行うと、補助部材10が上方に浮き上がってしまうという問題がある。しかし、第二実施形態によれば、補助部材10に突起部12を設けているため、補助部材10の浮き上がりを防ぐことができる。これにより、第一金属部材1及び第二金属部材2に対する補助部材10の位置ずれを防ぐことができるため、より好適に摩擦攪拌接合することができる。
なお、本実施形態では、突起部12が第一金属部材1及び第二金属部材2の両方に係止するように設定したが、補助部材10Aが浮き上がらないように、第一金属部材1及び第二金属部材2の少なくとも一方に係止させてもよい。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係る接合方法について説明する。図5は、本発明の第三実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す断面図である。第三実施形態に係る接合方法では、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。第三実施形態では、補助部材10Bの形状が第一実施形態と主に相違する。本実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
次に、本発明の第三実施形態に係る接合方法について説明する。図5は、本発明の第三実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す断面図である。第三実施形態に係る接合方法では、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。第三実施形態では、補助部材10Bの形状が第一実施形態と主に相違する。本実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
準備工程では、第一金属部材1Bと、第二金属部材2と、補助部材10Bとを用意する。第一金属部材1Bの端面1aは、表面1b及び裏面1cに対して垂直になっている。第二金属部材2は、第一実施形態と同一である。補助部材10Bは、断面台形の補助部材10Bであって、表面10aと、側面10b,10cと、裏面10dを備えている。
側面10bは、表面10aに対して垂直になっている。側面10cは、表面10aから離間するにつれて先細りとなるように傾斜している。側面10cの傾斜角度は、第二金属部材2の端面2aの傾斜角度と同一である。
突合せ工程では、第一金属部材1Bと、第二金属部材2と、補助部材10Bとを突き合わせる。第一金属部材1Bの端面1aと、補助部材10Bの側面10bとが突き合わされて突合せ部J1が形成される。第二金属部材2の端面2aと、補助部材10Bの側面10cとが突き合わされて突合せ部J2が形成される。補助部材10の表面10aは、第一金属部材1の表面1b及び第二金属部材2の表面2bとそれぞれ面一になる。補助部材10の裏面10dは、第一金属部材1の裏面1c及び第二金属部材2の裏面2cとそれぞれ面一になる。
接合工程では、図6に示すように、回転ツールFを用いて摩擦攪拌接合を行う。本実施形態では、回転ツールFの攪拌ピンF2のみを補助部材10Bに挿入し、攪拌ピンF2の基端側を露出させた状態で補助部材10Bに沿って相対移動させて突合せ部J1,J2に対して摩擦攪拌接合を行う。また、本実施形態では、攪拌ピンF2の回転中心軸Zを第二金属部材2側に傾斜させつつ、攪拌ピンF2の外周面を、第一金属部材1の端面1aと、第二金属部材2の端面2aとに僅かに接触させた状態で摩擦攪拌を行う。なお、回転ツールFの傾斜角度は、適宜設定すればよいが、攪拌ピンF2の外周面と第一金属部材1Bの端面1aとが平行となるとともに、攪拌ピンF2の外周面と第二金属部材2の端面2aとが平行となるように設定することが好ましい。
以上説明した第三実施形態に係る接合方法によっても、第一実施形態と略同等の効果を得ることができる。また、本実施形態では、第一金属部材1の端面1aを傾斜面とする必要がないため、作業手間を省くことができる。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態に係る接合方法について説明する。図7は、本発明の第四実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す断面図である。第四実施形態に係る接合方法は、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。第四実施形態では、補助部材10Cの形状が第三実施形態と主に相違する。本実施形態では、第三実施形態と相違する部分を中心に説明する。
次に、本発明の第四実施形態に係る接合方法について説明する。図7は、本発明の第四実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す断面図である。第四実施形態に係る接合方法は、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。第四実施形態では、補助部材10Cの形状が第三実施形態と主に相違する。本実施形態では、第三実施形態と相違する部分を中心に説明する。
図7に示すように、第一金属部材1B及び第二金属部材2は第三実施形態と同一である。補助部材10Cは、断面台形状の本体部11と、本体部11の裏面(底部)10dから下方に突出する突起部12を備えている。突起部12は、本体部11の裏面(底部)10dよりも幅広となる断面矩形状を呈する。突起部12は、補助部材10Cの長手方向に一定の形状で形成されている。架台Kには、突起部12が挿入される凹部K1が形成されている。
突合せ工程では、第一金属部材1と、第二金属部材2と、補助部材10Cとを突き合わせつつ、架台Kで固定する。突合せ工程では、まず、補助部材10Cの突起部12を凹部K1に挿入する。次に、第一金属部材1及び第二金属部材2を補助部材10の両側から突き合わせる。突起部12は、第一金属部材1の裏面1c及び第二金属部材2の裏面2cにそれぞれ係止される。第一金属部材1の端面1aと、補助部材10の側面10bとが突き合わされて突合せ部J1が形成される。第二金属部材2の端面2aと、補助部材10の側面10cとが突き合わされて突合せ部J2が形成される。
接合工程では、回転ツールFを用いて突合せ部J1,J2に対して摩擦攪拌接合を行う。本実施形態では、第三実施形態と同じ要領で摩擦攪拌接合を行う。なお、接合工程が終了したら、突起部12を切除する切除工程を行ってもよいし、突起部12をそのまま残してもよい。
以上説明した第四実施形態によっても第三実施形態と略同等の効果を奏することができる。第四実施形態によれば、補助部材10Cに突起部12を設けているため、補助部材10Cの浮き上がりを防ぐことができる。これにより、第一金属部材1B及び第二金属部材2に対する補助部材10Cの位置ずれを防ぐことができるため、より好適に摩擦攪拌接合することができる。
なお、本実施形態では、突起部12が第一金属部材1B及び第二金属部材2の両方に係止するように設定したが、補助部材10Cが浮き上がらないように、第一金属部材1B及び第二金属部材2の少なくとも一方に係止させればよい。
[第五実施形態]
次に、本発明の第五実施形態に係る接合方法について説明する。図8は、本発明の第五実施形態に係る接合方法の準備工程を示す斜視図である。第五実施形態では、図8に示すように、第一金属部材1Dと第二金属部材2Dとを垂直に接合する点で他の実施形態と相違する。
次に、本発明の第五実施形態に係る接合方法について説明する。図8は、本発明の第五実施形態に係る接合方法の準備工程を示す斜視図である。第五実施形態では、図8に示すように、第一金属部材1Dと第二金属部材2Dとを垂直に接合する点で他の実施形態と相違する。
第五実施形態に係る接合方法では、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。準備工程では、第一金属部材1D、第二金属部材2D及び補助部材10Dを用意する。第一金属部材1Dは、板状を呈し、端面1Da、側面1Db,1Dcを備えている。端面1Daは、傾斜面になっている。第二金属部材Dは、板状を呈し、端面2Da、側面2Db,2Dcを備えている。端面2Daと側面2Dbは垂直になっている。
補助部材10Dは、断面台形を呈する長尺部材である。補助部材10Dは、表面10Da、側面10Db,10Dc及び裏面10Ddを備えている。
突合せ工程は、図9に示すように、第一金属部材1Dと第二金属部材2Dとの間に補助部材10Dを介設し、第一金属部材1Dと第二金属部材2Dとを垂直に突き合わせる工程である。本実施形態では、第一金属部材1D及び第二金属部材2Dの裏側に架台K2を配置して、両者を付き合わせる。架台K2は、断面L字状を呈し、長手方向に延設される凹部K2aを備えている。凹部K2aは、補助部材10Dの先端と架台K2との干渉を避けるために設けられている。
第一金属部材1Dの端面1Daと、補助部材10Dの側面10Dbとが突き合わされて突合せ部J3が形成される。第二金属部材2Dの側面2Dbと補助部材10Dの側面10Dcとが突き合わされて突合せ部J4が形成される。第一金属部材1Dと第二金属部材2Dとは垂直になっている。補助部材10Dの先端は、第一金属部材1の側面1Dcから僅かに突出するため、補助部材10Dの先端を凹部K2aに挿入する。
接合工程は、図9及び図10に示すように、回転ツールFを用いて突合せ部J3,J4を摩擦攪拌接合する工程である。接合工程では、回転ツールFの攪拌ピンF2のみを補助部材10Dの表面10Daに挿入し、攪拌ピンF2の基端側の一部を露出させた状態で補助部材10Dに沿って相対移動させて突合せ部J3,J4に対して摩擦攪拌接合を行う。
また、本実施形態では、攪拌ピンF2の回転中心軸Zを第二金属部材2D側に傾斜させつつ、攪拌ピンF2の外周面を、第一金属部材1Dの端面1Daと、第二金属部材2Dの側面2Dbとに僅かに接触させた状態で摩擦攪拌を行う。なお、回転ツールFの傾斜角度は、適宜設定すればよいが、攪拌ピンF2の外周面と第一金属部材1Dの端面1Daとが平行となるとともに、攪拌ピンF2の外周面と第二金属部材2Dの側面2Dbとが平行となるように設定することが好ましい。
以上説明した第五実施形態に係る接合方法によっても、第一実施形態と略同等の効果を得ることができる。また、本実施形態では、第一金属部材1Dと、第二金属部材2Dとを垂直に接合することができる。
[第六実施形態]
次に、本発明の第六実施形態に係る接合方法について説明する。図11は、本発明の第六実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す断面図である。第六実施形態に係る接合方法は、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。第六実施形態では、補助部材10DAの形状が第五実施形態と主に相違する。本実施形態では、第五実施形態と相違する部分を中心に説明する。
次に、本発明の第六実施形態に係る接合方法について説明する。図11は、本発明の第六実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す断面図である。第六実施形態に係る接合方法は、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。第六実施形態では、補助部材10DAの形状が第五実施形態と主に相違する。本実施形態では、第五実施形態と相違する部分を中心に説明する。
図11に示すように、第一金属部材1D及び第二金属部材2Dは第五実施形態と同一である。補助部材10DAは、断面台形状の本体部11と、本体部11の裏面(底部)10Ddから側方に突出する突起部12を備えている。突起部12は、本体部11の裏面(底部)10Ddよりも幅広となる断面矩形状を呈する。突起部12は、補助部材10DAの長手方向に一定の形状で形成されている。
突合せ工程では、第一金属部材1Dと第二金属部材2Dとの間に補助部材10DAを介設しつつ、第一金属部材1Dと第二金属部材2Dとを垂直に突き合わせて架台K3に固定する。架台K3は、第一金属部材1D及び第二金属部材2Dの裏側に配置される。架台K3には、突起部12を挿入するための凹部K3aが形成されている。
突合せ工程では、まず、架台K3の凹部K3aの手前側又は奥側の開口部から補助部材10DAの突起部12を挿入する。次に、突合せ工程では、第一金属部材1D及び第二金属部材2Dとを補助部材10DAの両側から突き合わせる。突起部12は、第一金属部材1の側面1Dc及び第二金属部材2Dの端面2Daにそれぞれ係止される。第一金属部材1Dの端面1Daと、補助部材10DAの側面10Dbとが突き合わされて突合せ部J3が形成される。第二金属部材2Dの側面2Dbと、補助部材10DAの側面10Dcとが突き合わされて突合せ部J4が形成される。
接合工程では、回転ツールFを用いて突合せ部J3,J4に対して摩擦攪拌接合を行う。本実施形態では、第五実施形態と同じ要領で摩擦攪拌接合を行う。なお、接合工程が終了したら、突起部12を切除する切除工程を行ってもよいし、突起部12をそのまま残してもよい。
以上説明した第六実施形態によっても第五実施形態と略同等の効果を奏することができる。第六実施形態によれば、補助部材10DAに突起部12を設けているため、補助部材10DAの浮き上がりを防ぐことができる。これにより、第一金属部材1D及び第二金属部材2Dに対する補助部材10DAの位置ずれを防ぐことができるため、より好適に摩擦攪拌接合することができる。
なお、本実施形態では、突起部12が第一金属部材1D及び第二金属部材2Dの両方に係止するように設定したが、補助部材10DAが浮き上がらないように、第一金属部材1D及び第二金属部材2Dの少なくとも一方に係止させればよい。
[第七実施形態]
次に、本発明の第七実施形態に係る接合方法について説明する。図12は、本発明の第七実施形態に係る接合方法の準備工程を示す斜視図である。第七実施形態では、図12に示すように、第一金属部材1Eと第二金属部材2Eとを重ね合わせて接合する点で他の実施形態と相違する。
次に、本発明の第七実施形態に係る接合方法について説明する。図12は、本発明の第七実施形態に係る接合方法の準備工程を示す斜視図である。第七実施形態では、図12に示すように、第一金属部材1Eと第二金属部材2Eとを重ね合わせて接合する点で他の実施形態と相違する。
第七実施形態に係る接合方法では、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。準備工程では、第一金属部材1E、第二金属部材2E及び補助部材10Eを用意する。第一金属部材1Eは、板状を呈し、端面1Ea、表面1Eb及び裏面1Ecを備えている。第二金属部材2Eは、板状を呈し、端面2Ea、表面2Eb、裏面2Ecを備えている。端面2Eaは、表面2Ebと垂直になっている。
補助部材10Eは、断面台形を呈する長尺部材である。補助部材10Eは、表面10Ea、側面10Eb,10Ec及び裏面10Edを備えている。側面10Eb,10Ecは、表面10Eaから離間するにつれて近接する傾斜面となっている。
突合せ工程は、図13に示すように、第一金属部材1Eと第二金属部材2Eとを重ね合わせるとともに、第一金属部材1Eの端部に補助部材10Eを配置する工程である。突合せ工程では、第一金属部材1Eの裏面1Ecと、第二金属部材2Eの表面2Ebとが重ね合わされて突合せ部J7が形成される。また、第一金属部材1Eの端面1Eaと、補助部材10Eの側面10Ebとが突き合わされて突合せ部J5が形成される。また、第二金属部材2Eの表面2Ebと補助部材10Eの側面10Ecとが突き合わされて突合せ部J6が形成される。
接合工程は、図14に示すように、回転ツールFを用いて突合せ部J5,J6を摩擦攪拌接合する工程である。接合工程では、回転ツールFの攪拌ピンF2のみを補助部材10Eの表面10Eaに挿入し、攪拌ピンF2の基端側の一部を露出させた状態で補助部材10Eに沿って相対移動させて突合せ部J5,J6に対して摩擦攪拌接合を行う。また、本実施形態では、攪拌ピンF2の回転中心軸Zを第二金属部材2E側に傾斜させつつ、攪拌ピンF2の外周面を、第一金属部材1Eの端面1Ea(図13参照)と、第二金属部材2Eの表面2Ebとに僅かに接触させた状態で摩擦攪拌を行う。なお、回転ツールFの傾斜角度は、適宜設定すればよいが、攪拌ピンF2の外周面と第一金属部材1Eの端面1Eaとが平行となるとともに、攪拌ピンF2の外周面と第二金属部材2Eの表面2Ebとが平行となるように設定することが好ましい。
以上説明した第七実施形態に係る接合方法によっても、第一実施形態と略同等の効果を得ることができる。また、本実施形態では、第一金属部材1Eと、第二金属部材2Eとを重ね合わせて接合することができる。
[第八実施形態]
次に、本発明の第八実施形態に係る接合方法について説明する。図15は、本発明の第八実施形態に係る接合方法の準備工程を示す断面図である。第八実施形態に係る接合方法では、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。第八実施形態では、補助部材10EAの形状が第七実施形態と相違する。本実施形態では、第七実施形態と相違する部分を中心に説明する。
次に、本発明の第八実施形態に係る接合方法について説明する。図15は、本発明の第八実施形態に係る接合方法の準備工程を示す断面図である。第八実施形態に係る接合方法では、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。第八実施形態では、補助部材10EAの形状が第七実施形態と相違する。本実施形態では、第七実施形態と相違する部分を中心に説明する。
図15に示すように、本実施形態の準備工程では、第一金属部材1Eの裏面1Ec側に溝部1Edを形成する。溝部1Edは、端面1Eaと裏面1Ecの角部に長手方向に沿って断面円弧状に形成されている。また、準備工程では、第二金属部材2Eの表面2Ebに溝部2Edを形成する。溝部2Edは、長手方向に沿って断面円弧状に形成されている。
補助部材10EAは、断面台形状の本体部11と、本体部11の裏面(底部)10Edから突出する突起部13とを備えている。突起部13は、本体部11の裏面(底部)10Edよりも幅広となる断面円形状を呈する。突起部13は、補助部材10EAの長手方向に一定の形状で形成されている。
突合せ工程では、第一金属部材1Eと第二金属部材2Eとを重ね合わせつつ、第一金属部材1Eの端部に補助部材10EAを配置する工程である。
突合せ工程では、図16に示すように、第一金属部材1Eの裏面1Ecと、第二金属部材2Eの表面2Ebとが重ね合わされて突合せ部J7が形成される。また、第一金属部材1Eの端面1Eaと、補助部材10Eの側面10Ebとが突き合わされて突合せ部J5が形成される。また、第二金属部材2Eの表面2Ebと補助部材10Eの側面10Ecとが突き合わされて突合せ部J6が形成される。また、第一金属部材1Eの溝部1Ed(図15参照)と、第二金属部材2Eの溝部2Edとで形成される凹溝部14に突起部13を挿入する。
接合工程では、回転ツールFを用いて突合せ部J5,J6に対して摩擦攪拌接合を行う。本実施形態では、第七実施形態と同じ要領で摩擦攪拌接合を行う。
以上説明した第八実施形態によっても第七実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、補助部材10EAに突起部13を設けることにより、補助部材10EAの浮き上がりを防止することができる。なお、凹溝部14は、本実施形態では、第一金属部材1Eと第二金属部材2Eとで形成したが、第一金属部材1Eと第二金属部材2Eの少なくとも一方に形成すればよい。第一金属部材1E及び第二金属部材2Eの一方に凹溝部を形成する場合は、当該凹溝部の形状に合わせて、補助部材10EAの突起部13の形状を適宜形成すればよい。
[第九実施形態]
次に、本発明の第九実施形態に係る接合方法について説明する。図17は、本発明の第九実施形態に係る接合方法の準備工程を示す斜視図である。第九実施形態では、図17に示すように、第一金属部材1Gと第二金属部材2Gとを重ね合わせつつ突き合わせる点で他の実施形態と相違する。
次に、本発明の第九実施形態に係る接合方法について説明する。図17は、本発明の第九実施形態に係る接合方法の準備工程を示す斜視図である。第九実施形態では、図17に示すように、第一金属部材1Gと第二金属部材2Gとを重ね合わせつつ突き合わせる点で他の実施形態と相違する。
第九実施形態に係る接合方法では、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。準備工程では、第一金属部材1G、第二金属部材2G及び補助部材10Gを用意する。第一金属部材1Gは、板状を呈し、端面1Ga、表面1Gb及び裏面1Gcを備えている。端面1Gaは、傾斜面になっている。
第二金属部材2は、板厚部と板薄部からなる段差部を備えた形状になっている。第二金属部材2は、第一端面2Ga、第一表面2Gb、第二端面2Gc、第二表面2Gd及び裏面2Geとを有する。第一端面2Gaは、傾斜面になっている。第二端面2Gcは、第二表面2Gd及び裏面2Geに対して垂直になっている。
突合せ工程は、図18に示すように、第一金属部材1Gと第二金属部材2Gとを重ね合わせつつ、補助部材10Gを介設して突き合わせる工程である。突合せ工程では、第一金属部材1Gの裏面1Gcと、第二金属部材2Gの第二表面2Gdとが重ね合わされて突合せ部J10が形成される。また、補助部材10Gの側面10Gbと第一金属部材1Gの端面1Gaとが突き合わされて突合せ部J8が形成される。また、補助部材10Gの側面10Gcと第二金属部材2Gの第一端面2Gaとが突き合わされて突合せ部J9が形成される。
接合工程は、図19に示すように、回転ツールFを用いて第一金属部材1と第二金属部材2を摩擦攪拌接合する工程である。接合工程では、右回転させた回転ツールFの攪拌ピンF2を補助部材10Gの表面10Gaの幅方向中央に挿入する。接合工程では、本実施形態では第一金属部材1Gの端面1Ga及び第二金属部材2Gの第一端面2Gaに僅かに接触させた状態で、補助部材10Gに沿って相対移動させる。
接合工程では、攪拌ピンF2のみを第一金属部材1G、第二金属部材2G及び補助部材10Gに接触させ、攪拌ピンF2の基端側は、第一金属部材1G及び第二金属部材2Gから露出した状態で摩擦攪拌を行う。攪拌ピンF2の平坦面F3は、第二金属部材2の第二表面2Gdに接触しない範囲で深い位置まで挿入する。回転ツールFを補助部材10Gに沿って相対移動させ、終了位置に達したら回転ツールFを補助部材10Gから離脱させる。以上により、突合せ部J8,J9が一の工程で同時に摩擦攪拌接合される。回転ツールFの移動軌跡には塑性化領域Wが形成される。
以上説明した第九実施形態によっても第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。
[第十実施形態]
次に、本発明の第十実施形態に係る接合方法について説明する。図20は、本発明の第十実施形態に係る接合方法の準備工程を示す断面図である。第十実施形態に係る接合方法は、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。第十実施形態では、補助部材10GAの形状が第九実施形態と主に相違する。本実施形態では、第九実施形態と相違する部分を中心に説明する。
次に、本発明の第十実施形態に係る接合方法について説明する。図20は、本発明の第十実施形態に係る接合方法の準備工程を示す断面図である。第十実施形態に係る接合方法は、準備工程と、突合せ工程と、接合工程とを行う。第十実施形態では、補助部材10GAの形状が第九実施形態と主に相違する。本実施形態では、第九実施形態と相違する部分を中心に説明する。
図20に示すように、第一金属部材1Gは第九実施形態と同一である。第二金属部材2Gの第二表面2Gdには、断面略円形状の凹溝部15が形成されている。凹溝部15は断面略円形状に形成されている。
補助部材10Gは、断面台形状の本体部11と、本体部11の裏面(底部)10Gdから突出する突起部13とを備えている。突起部13は、裏面(底部)10Gdよりも幅広となる断面円形状を呈する。突起部13は、凹溝部15に挿入されるように、補助部材10GAの長手方向に一定の形状で形成されている。
突合せ工程では、第一金属部材1Gと、第二金属部材2Gと、補助部材10GAとを突き合わせて架台Kに固定する。突合せ工程では、まず、補助部材10Gの突起部13を凹溝部15に挿入する。例えば、凹溝部15の手前側又は奥側の開口部から突起部13を挿入する。次に、第九実施形態と同じ要領で、各部材を突き合わせて突合せ部J8,J9,J10を形成する。接合工程は、第九実施形態と同一である。
以上説明した第十実施形態によっても、第九実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、突起部13を備えることにより、補助部材10GAの浮き上がりを防ぐことができる。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、第二〜第十実施形態に係る接合工程でも、攪拌ピンF2の外周面と第一金属部材及び第二金属部材は僅かに接触させたが、回転ツールFの攪拌ピンF2と第一金属部材及び第二金属部材とを接触させずに摩擦攪拌接合を行ってもよい。
1 第一金属部材
1a 端面(傾斜面)
2 第二金属部材
2a 端面(傾斜面)
10 補助部材
12 突起部
J1 突合せ部
J2 突合せ部
F 回転ツール
F2 攪拌ピン
1a 端面(傾斜面)
2 第二金属部材
2a 端面(傾斜面)
10 補助部材
12 突起部
J1 突合せ部
J2 突合せ部
F 回転ツール
F2 攪拌ピン
Claims (8)
- 先細りの攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて一対の金属部材を接合する接合方法であって、
アルミニウム合金から形成された第一金属部材と、アルミニウム合金から形成された第二金属部材と、前記第一金属部材及び前記第二金属部材よりも硬度が低いアルミニウム又はアルミニウム合金から形成された補助部材を準備する準備工程と、
前記第一金属部材と前記第二金属部材の端部同士を向い合せて、前記端部同士の隙間に前記補助部材を挟み込み、前記第一金属部材の端面と前記補助部材の一方の側面とを突き合わせるとともに、前記第二金属部材の端面と前記補助部材の他方の側面とを突き合せて突合せ部を形成する突合せ工程と、
回転する前記回転ツールを前記補助部材の表面側のみから挿入するとともに、前記攪拌ピンのみを前記補助部材に接触させ前記攪拌ピンの基端側を露出させつつ、前記攪拌ピンの外周面を前記第一金属部材及び前記第二金属部材に僅かに接触させた状態で、前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記第一金属部材と前記第二金属部材とを補助部材を介して接合する接合工程と、を含み、
前記補助部材は、少なくとも一方の側面に表面から離間するにつれて先細りとなる傾斜面を備え、前記第一金属部材及び前記第二金属部材の少なくとも一方は、前記補助部材の傾斜面に対応し表面から裏面に向けて傾斜する傾斜面を備えることを特徴とする接合方法。 - 前記補助部材の裏面側に、浮き防止のための突起部を備え、
前記突合せ工程では、前記突起部が前記第一金属部材及び前記第二金属部材の少なくとも一方に係止するように前記第一金属部材と前記第二金属部材とを突き合わせることを特徴とする請求項1に記載の接合方法。 - 先細りの攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて一対の金属部材を接合する接合方法であって、
アルミニウム合金から形成され、端部に傾斜面を備えた第一金属部材と、アルミニウム合金から形成され、端部に傾斜面を備えた第二金属部材と、前記第一金属部材及び前記第二金属部材よりも硬度が低いアルミニウム又はアルミニウム合金から形成され、両側面に表面から離間するにつれて先細りとなる傾斜面を備えた補助部材を準備する準備工程と、
前記第一金属部材と前記第二金属部材の端部同士を向い合せて、前記端部同士の隙間に前記補助部材を挟み込み、前記第一金属部材の傾斜面と前記補助部材の一方の傾斜面とを突き合わせるとともに、前記第二金属部材の傾斜面と前記補助部材の他方の傾斜面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、
回転する前記回転ツールを前記補助部材の表面側のみから挿入するとともに、前記攪拌ピンのみを前記補助部材に接触させ前記攪拌ピンの基端側を露出させつつ、前記攪拌ピンの外周面を前記第一金属部材及び前記第二金属部材に僅かに接触させた状態で、前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記第一金属部材と前記第二金属部材とを補助部材を介して接合する接合工程と、を含むことを特徴とする接合方法。 - 前記補助部材の裏面側に、浮き防止のための突起部を備え、
前記突合せ工程では、前記突起部が前記第一金属部材及び前記第二金属部材の少なくとも一方に係止するように前記第一金属部材と前記第二金属部材とを突き合わせることを特徴とする請求項3に記載の接合方法。 - 先細りの攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて一対の金属部材を接合する接合方法であって、
アルミニウム合金から形成され、端部に傾斜面を備えた第一金属部材と、アルミニウム合金から形成された第二金属部材と、前記第一金属部材及び前記第二金属部材よりも硬度が低いアルミニウム又はアルミニウム合金から形成され、両側面に表面から離間するにつれて先細りとなる傾斜面を備えた補助部材を準備する準備工程と、
前記第一金属部材の端部と前記第二金属部材の側面とを突き合せて、内隅側に形成された前記第一金属部材の端部と前記第二金属部材の側面との隙間に前記補助部材を挟み込み、前記第一金属部材の傾斜面と前記補助部材の一方の傾斜面とを突き合せるとともに、前記第二金属部材の側面と前記補助部材の他方の傾斜面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、
回転する前記回転ツールを前記補助部材の表面側のみから挿入するとともに、前記攪拌ピンのみを前記補助部材に接触させ前記攪拌ピンの基端側を露出させつつ、前記攪拌ピンの外周面を前記第一金属部材及び前記第二金属部材に僅かに接触させた状態で、前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記第一金属部材と前記第二金属部材とを補助部材を介して接合する接合工程と、を含むことを特徴とする接合方法。 - 前記補助部材の裏面側に、浮き防止のための突起部を備え、
前記突合せ工程では、前記突起部が前記第一金属部材及び前記第二金属部材の少なくとも一方に係止するように前記第一金属部材と前記第二金属部材とを突き合わせることを特徴とする請求項5に記載の接合方法。 - 先細りの攪拌ピンを備えた回転ツールを用いて一対の金属部材を接合する接合方法であって、
アルミニウム合金から形成され、端部に傾斜面を備えた第一金属部材と、アルミニウム合金から形成された第二金属部材と、前記第一金属部材及び前記第二金属部材よりも硬度が低いアルミニウム又はアルミニウム合金から形成され、両側面に表面から離間するにつれて先細りとなる傾斜面を備えた補助部材を準備する準備工程と、
前記第一金属部材と前記第二金属部材とを重ね合わせて、前記第一金属部材の傾斜面と前記第二金属部材の表面との隙間に前記補助部材を挟み込み、前記第一金属部材の傾斜面と前記補助部材の一方の傾斜面とを突き合わせるとともに、前記第二金属部材の表面と前記補助部材の他方の傾斜面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、
回転する前記回転ツールを前記補助部材の表面側のみから挿入するとともに、前記攪拌ピンのみを前記補助部材に接触させ前記攪拌ピンの基端側を露出させつつ、前記攪拌ピンの外周面を前記第一金属部材及び前記第二金属部材に僅かに接触させた状態で、前記突合せ部に沿って前記回転ツールを相対移動させて前記第一金属部材と前記第二金属部材とを補助部材を介して接合する接合工程と、を含むことを特徴とする接合方法。 - 前記補助部材の裏面側に、浮き防止のための突起部を備え、
前記突合せ工程では、前記第一金属部材の裏面に形成された溝部及び前記第二金属部材の表面に形成された溝部の少なくとも一方で構成された凹溝部に前記突起部を嵌め合わせつつ、前記第一金属部材と前記第二金属部材を突き合わせることを特徴とする請求項7に記載の接合方法。
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- 2019-04-12 JP JP2019076104A patent/JP7127602B2/ja active Active
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