JP2020171234A - ベーカリー製品用組成物及びそれを用いたベーカリー生地、ベーカリー製品の製造方法並びに品質劣化抑制方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成分(A)グルテン、成分(B)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が200cp以下の加工澱粉、及び成分(C)大豆由来蛋白及び/又は卵由来蛋白を含有し、前記成分(A)、(B)及び(C)の配合比(質量比)が、(A):{(B)+(C)}=1:5〜1:10である、電子レンジ再加熱に適したベーカリー製品用組成物;前記ベーカリー製品用組成物を含むベーカリー生地;前記ベーカリー製品用組成物を配合することを含む電子レンジ再加熱に適したベーカリー製品の製造方法;及び前記ベーカリー製品用組成物を配合することを含むベーカリー製品の品質劣化抑制方法を提供する。
【選択図】なし
Description
なお、前記成分(B)は、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉及び/又はリン酸架橋澱粉であることが好ましい。
また、前記成分(C)は、大豆粉であることが好ましい。
さらに、本発明は、前記ベーカリー製品用組成物を含む、電子レンジ再加熱に適したベーカリー生地も提供する。
なお、前記ベーカリー生地は冷凍生地であってもよい。
さらに、本発明は、成分(A)グルテン、成分(B)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が200cp以下の加工澱粉、及び成分(C)大豆由来蛋白及び/又は卵由来蛋白を配合することを含み、前記成分(A)、(B)及び(C)の配合比(質量比)が、(A):{(B)+(C)}=1:5〜1:10である、電子レンジ再加熱に適したベーカリー製品の製造方法も提供する。
加えて、本発明は、成分(A)グルテン、成分(B)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が200cp以下の加工澱粉、及び成分(C)大豆由来蛋白及び/又は卵由来蛋白を配合することを含み、前記成分(A)、(B)及び(C)の配合比(質量比)が、(A):{(B)+(C)}=1:5〜1:10である、ベーカリー製品を電子レンジで再加熱した際の品質劣化抑制方法も提供する。
なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれの効果であってもよい。
本発明に係るベーカリー製品用組成物は、成分(A)グルテン、成分(B)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が200cp以下の加工澱粉、及び成分(C)大豆由来蛋白及び/又は卵由来蛋白を必須成分として含有する。
本発明に係るベーカリー製品用組成物は、前記必須成分のみからなる組成物であってもよい。これに少なくとも水を加えれば、ベーカリー製品を製造することができる。また、好ましくは、穀粉類、イースト、糖類、食塩等を添加することができる。
また、本発明に係るベーカリー製品用組成物には、前記必須成分のほかに、穀粉類(小麦粉、米粉、大麦粉、ライ麦粉、とうもろこし粉、あわ粉、ひえ粉、はと麦粉、そば粉)、(B)以外の澱粉類(とうもろこし、もち種とうもろこし、馬鈴薯、葛、タピオカ、サゴ等を原材料とした未加工の澱粉、また、それら澱粉を原材料として、物理的及び/または化学的処理等(酵素処理、湿熱処理、α化、ヒドロキシプロピル化、架橋等)を施した澱粉又は加工澱粉)、油脂類(ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液状油、粉末油脂等)、食塩、糖類(トレハロース、ぶどう糖、砂糖、マルトース、イソマルトース、デキストリン等の、液状または粉粒状の糖類)、糖アルコール類(ソルビトール、マルチトール、パラチニット、還元水飴等の、液状または粉粒状の糖アルコール類)、ベーキングパウダー、乳化剤(レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等)、増粘剤、製パン用改良剤、酵素類、調味料(アミノ酸、核酸等)、及び香料等を含むことができる。
本発明に用いるグルテン(成分(A))は、通常ベーカリー製品に用いられるものであれば特に限定されない。グルテンは、ベーカリー製品の生地に十分な粘弾性を与え、ベーカリー製品の骨格を形成し、さらにはベーカリー製品を電子レンジで再加熱した際に表面にしわができることを防ぐ役割を担う。本発明において、グルテンは市販のものを用いることができるが、後述する加工澱粉(成分(B))及び大豆由来蛋白及び/又は卵由来蛋白(成分(C))と組み合わせたときに、小麦粉主体のベーカリー製品の生地と同様の粘弾性と伸展性が得られるように、使用するグルテンを選択することが好ましい。具体的には、例えばグリコ栄養食品株式会社の「AグルK」、「AグルP」、「AグルG」、「AグルSS」を用いることができる。
本発明に用いる加工澱粉(成分(B))は、ベーカリー製品において生地の吸水及び保水性を調整し、外観及び食感を改良する役割を担う。加工澱粉は、馬鈴薯、甘藷、小麦、米、タピオカ、トウモロコシ、サゴ等の植物から抽出した澱粉に、物理的又は化学的加工を施したものである。本発明において、加工澱粉として酸化澱粉;リン酸架橋澱粉等の架橋澱粉;アセチル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉等の複数の加工を組み合わせた加工澱粉等のうち1種または2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。これらの中でも、ベーカリー製品の外観及び食感をより良好なものとする観点から、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉及び/又はリン酸架橋澱粉を用いることが好ましい。本発明において、加工澱粉は市販のものを用いることができ、例えば、イングレディオン・ジャパン株式会社の「ノベロースW(NOVELOSE W、登録商標)」、松谷化学工業株式会社の「パインスターチRT」、昭和産業株式会社の「SF−1900」、「SF−2200」を用いることができる。
本発明に用いる大豆由来蛋白及び/又は卵由来蛋白(成分(C))は、ベーカリー製品の骨格を形成し、ベーカリー製品を電子レンジで再加熱した際に表面にしわができることを防ぐ役割を担う。
本発明において、成分(A)グルテン、成分(B)加工澱粉、及び成分(C)大豆由来蛋白及び/又は卵由来蛋白の配合比(質量比)は、(A):{(B)+(C)}=1:5〜1:10であることが好ましく、1:7〜1:9であることがより好ましく、1:7〜1:8であることがさらに好ましい。成分(B)及び(C)の合計量が上記配合比(質量比)よりも少ないと、ベーカリー製品を電子レンジ等で再加熱した際に外観や食感が悪くなる場合がある。また、成分(B)及び(C)の合計量が上記配合比(質量比)よりも多いと、ベーカリー製品が膨らみにくく、ボリュームが小さくなったり、電子レンジ等で再加熱した際にパサついた食感になったりする場合がある。
また、成分(B)加工澱粉及び成分(C)大豆由来蛋白及び/又は卵由来蛋白の配合比(質量比)は、(B):(C)=1:0.125〜1:0.25であることが好ましい。
本発明に係るベーカリー製品用組成物を用いることにより、焼成後のベーカリー製品を冷凍、冷蔵、あるいは常温保存した後に電子レンジ等で再加熱した際の外観及び食感の劣化を抑制することができる。すなわち、本発明に係るベーカリー製品用組成物によれば、電子レンジ再加熱に適したベーカリー製品を提供することができる。本発明に係るベーカリー製品用組成物は、特に電子レンジ再加熱用ベーカリー製品のために用いることができる。
また、成分(B)加工澱粉として難消化性澱粉を選択すると、ベーカリー製品の糖質含有量を低減することができるため、糖質含有量の低いベーカリー製品においても、電子レンジで再加熱した際の外観及び食感の劣化を抑制することができる。なお、本明細書において「糖質含有量の低いベーカリー製品」とは、小麦粉を主体とする一般的な配合で製造したベーカリー製品に含まれる糖質量を基準として、20質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上糖質量が削減されているベーカリー製品のことをいう。また、本明細書における「糖質」とは、食物繊維を除いた炭水化物の総称である。
本発明に係るベーカリー生地は、上記<1.>で説明したベーカリー製品用組成物を含み、さらに水等を必要に応じて加えて混捏して調製される。さらに穀粉類、イースト、食塩、糖類や油脂類等を加えてもよい。また、本発明のベーカリー生地は、当該生地の調製時に、本発明のベーカリー製品用組成物の配合になるように成分(A)、(B)及び(C)と穀粉類等を別々に添加して調製されてもよい。
本発明に係るベーカリー製品の製造方法は、上記<1.>で説明したベーカリー製品用組成物を配合することを含む。本発明に係るベーカリー製品の製造方法において、前記ベーカリー製品用組成物の使用態様は特に限定されないが、好ましい使用態様は上述したベーカリー製品用組成物と同様である。
本発明に係るベーカリー製品の品質劣化方法は、上記<1.>で説明したベーカリー製品用組成物を配合することを含む。本発明に係る品質劣化抑制方法において、前記ベーカリー製品用組成物の使用態様は特に限定されないが、好ましい使用態様は上述したベーカリー製品の製造方法と同様である。なお、本明細書において「品質劣化」とは、焼成後のベーカリー製品を冷凍、冷蔵あるいは常温保存後に電子レンジ等で再加熱した際の外観及び/又は食感の劣化のことであり、例えば、ベーカリー製品の表面にしわができたり、ひきが強い食感になったりすること等である。
表1に記載の配合で、ストレート法によってバンズ(パン)を調製した。具体的には、表1に記載の各成分のうち、ショートニング以外をミキサーボウルに入れ、低速で3分間、中速で5分間、高速で3分間ミキシングした。次いで、ショートニングを加え、低速で2分間、高速で5分間ミキシングし、生地を得た(捏ね上げ温度27℃)。なお、小麦粉及び成分(A)グルテンの量が少ない実施例8、比較例3、比較例4はさらに高速で1分間ミキシングして生地を得た。得られた生地を27℃、湿度85%で20分間発酵させ、70gに分割して丸めた。20分間ベンチタイムをとった後再度丸めなおして、38℃、湿度85%で60分間ホイロをとった後、200℃のオーブンで12分間焼成してバンズを得た。これを30分間放冷した後、OPP袋に入れ、封をした。
上記の工程によって焼成したバンズを24時間冷蔵保管した後、OPP袋の一部に開口部を作ってから電子レンジ(1900W)で15秒間再加熱し、常温に3分間保管した。その後、以下の評価基準に従って、再加熱後のバンズの外観及び食感を評価した。評点は、訓練を受けた専門のパネル5人で合議して決定した。なお、外観及び食感の両方において3点以上の評価であるものを、本発明の効果が発揮されていると判断した。
外観:電子レンジで再加熱したバンズの外観を以下に記載した5段階の評価基準に則って0.5点刻みで評価した。
5:表面にまったくしわがなく、非常に良好である
4:表面にほとんどしわがなく、良好である
3:表面に少ししわがあるが、やや良好といえる
2:表面にしわがあり、悪い
1:表面にしわがあり、非常に悪い(対照例1と同じ)
5:ひきがなく、非常に良好である
4:ひきがほとんどなく、良好である
3:ひきが少し感じられるが、やや良好といえる(対照例1と同じ)
2:ひきがやや強く、悪い
1:ひきが強く、非常に悪い
小麦粉:キングスター(昭和産業株式会社製)
グルテン:Bパウダーグル(昭和産業株式会社製)
澱粉A:ノベロースW(リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉:イングレディオン・ジャパン株式会社製/RVA最高粘度:19cp)
澱粉B:パインスターチRT(リン酸架橋澱粉:松谷化学工業株式会社製/RVA最高粘度:14cp)
澱粉C:SF−1900(アセチル化リン酸架橋澱粉:昭和産業株式会社製/RVA最高粘度:187cp)
澱粉D:SF−2200(酸化澱粉:昭和産業株式会社製/RVA最高粘度:16cp)
澱粉E:SF−1450(アセチル化澱粉:昭和産業株式会社製/RVA最高粘度:599cp)
大豆粉:全脂脱臭大豆粉(株式会社ペリカン製)
卵白粉:乾燥卵白Wタイプ(キユーピータマゴ株式会社製)
乳化剤:エマルジーMM100(理研ビタミン株式会社製)
また、実施例1、実施例5〜7及び比較例2〜4の結果から、成分(A)、(B)及び(C)の配合比(質量比)が(A):{(B)+(C)}=1:5〜1:10である場合に、電子レンジで再加熱したバンズの外観及び食感が良好になることがわかった。また、当該配合比(質量比)が1:7〜1:9である場合に、外観及び食感がさらに良好になり、1:7〜1:8である場合に、外観及び食感がよりさらに良好になることがわかった。
さらに、実施例8の結果から、小麦粉を含有しないバンズにおいても、電子レンジで再加熱した際の外観及び食感は良好になることがわかった。
そして、実施例9の結果から、成分(C)として卵白粉を用いても、電子レンジで再加熱した際の外観及び食感は良好になることがわかった。
Claims (7)
- 成分(A)グルテン、
成分(B)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が200cp以下の加工澱粉、及び
成分(C)大豆由来蛋白及び/又は卵由来蛋白、
を含有し、前記成分(A)、(B)及び(C)の配合比(質量比)が、(A):{(B)+(C)}=1:5〜1:10である、電子レンジ再加熱に適したベーカリー製品用組成物。 - 前記成分(B)が、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉及び/又はリン酸架橋澱粉である、請求項1に記載のベーカリー製品用組成物。
- 前記成分(C)が、大豆粉である、請求項1又は2に記載のベーカリー製品用組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のベーカリー製品用組成物を含む、電子レンジ再加熱に適したベーカリー生地。
- 冷凍生地である、請求項4に記載のベーカリー生地。
- 成分(A)グルテン、
成分(B)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が200cp以下の加工澱粉、及び
成分(C)大豆由来蛋白及び/又は卵由来蛋白、
を配合することを含み、前記成分(A)、(B)及び(C)の配合比(質量比)が、(A):{(B)+(C)}=1:5〜1:10である、電子レンジ再加熱に適したベーカリー製品の製造方法。 - 成分(A)グルテン、
成分(B)RVA(Rapid Visco Analyzer)分析法において、昇温開始から降温開始前までの最高粘度が200cp以下の加工澱粉、及び
成分(C)大豆由来蛋白及び/又は卵由来蛋白、
を配合することを含み、前記成分(A)、(B)及び(C)の配合比(質量比)が、(A):{(B)+(C)}=1:5〜1:10である、
ベーカリー製品を電子レンジで再加熱した際の品質劣化抑制方法。
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