JP2020169544A - 建屋及び建屋換気方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工事費や設備費を抑えて、建屋内の結露を効率よく低減することができる。
【解決手段】屋内に設けられる加熱源P1と水蒸気発生源P2とが少なくとも200m以上離れて配置される縦長の建屋1であって、加熱源P1の上方に設けられた第1排気開口13Aと、水蒸気発生源P2の上方に設けられた第2排気開口13Bと、を備え、第1排気開口13Aでは、加熱源P1で加熱された高熱空気E1の一部の排気高熱空気E2が排気され、加熱源P1と水蒸気発生源P2との間に屋外に連通する排気口が設けられない構成とされ、第2排気開口13Bでは、水蒸気発生源P2で発生した水蒸気Vと、加熱源P1で加熱されて水蒸気発生源P2側に移動した移動高熱空気E3と、が排気された構成の建屋を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建屋及び建屋換気方法に関する。
従来、製鉄所における熱延工場は、加熱炉、粗・仕上げ圧延機、巻き取り機で構成され、全長で200mを超えるようなライン設備を備えている。このような熱延工場では、ライン設備の上流側に位置する加熱源である加熱炉から大量の熱が発生するととともに、下流側に位置する仕上げ圧延機の下流側に配置され巻き上げ機まで圧延されるホットランテーブルのロールが焼き付かないように散水されて大量の水蒸気が発生することから、これら熱や水蒸気を自然換気により排熱・排蒸している。
ここで、大量に発生する水蒸気は外気に触れると結露が生じる。一般的には、建屋内の物品自体の結露の発生を防止する方法として、例えば特許文献1に示されるような船倉内貨物において建物外の熱源で加熱した熱を外部から送り込み貨物自体の温度を上昇させて結露を防止する方法がある。
さらに、具体的に従来の熱延工場における自然換気の方法として、加熱炉周辺の壁の開口等から外気を取り入れ、加熱炉から発生する熱を直上の排気設備で排出する。また、ホットランテーブルから発生する水蒸気は、圧延機周辺の壁の開口等から外気を取り入れ、直上の排気設備から排蒸するように、エリアごとに給気・排気を実施することで、建屋内における環境の悪化防止を図っている。
特開2014−201192号公報
しかしながら、従来の熱延工場などの大規模な建屋では、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1のような建屋内に配置される物品自体の結露の発生を防止する場合には、物品自体の温度を上げることで対応が可能であるが、建屋内で大量に発生した水蒸気を効果的に排出するためには建屋内を自然換気する必要がある。ところが、建屋内を自然換気する場合は、建屋内に取り入れた冷えた外気が水蒸気に接触すると、相対湿度が高まり、結露によって視界が低下するとともに、水滴落着するといった作業環境が悪化するという問題があった。
また、建屋内のホットランテーブルから発生する水蒸気によって結露が発生すると、工場内のクレーン設備や建屋の柱梁等の鋼材に錆が発生することから、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたものであって、工事費や設備費を抑えて、建屋内の結露を効率よく低減することができる建屋及び建屋換気方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る建屋は、屋内に設けられる加熱源と水蒸気発生源とが少なくとも200m以上離れて配置される縦長の建屋であって、前記加熱源の上方又はその上方近傍に設けられた第1排気開口と、前記水蒸気発生源の上方又はその上方近傍に設けられた第2排気開口と、を備え、前記第1排気開口では、前記加熱源で加熱された高熱空気の一部の第1高熱空気が排気され、前記加熱源と前記水蒸気発生源との間には、屋外に連通する排気口が設けられない空気流通路が形成され、前記加熱源で加熱された高熱空気のうち前記第1排気開口で排気されていない残りの第2高熱空気は、前記空気流通路を通過して前記水蒸気発生源側に移動し、前記第2排気開口では、前記水蒸気発生源で発生した水蒸気と、前記水蒸気発生源側に移動した前記第2高熱空気と、が排気されることを特徴としている。
また、本発明に係る建屋換気方法は、屋内に設けられる加熱源と水蒸気発生源とが少なくとも200m以上離れて配置される縦長の建屋内の結露を抑制するための建屋換気方法であって、前記加熱源の上方又はその上方近傍に第1排気開口を設け、かつ前記水蒸気発生源の上方又はその上方近傍に第2排気開口を設ける工程と、前記加熱源で加熱された高熱空気の一部の第1高熱空気を前記第1排気開口から排気する工程と、前記加熱源で加熱された高熱空気のうち前記第1排気開口で排気されていない残りの第2高熱空気を、前記加熱源と前記水蒸気発生源との間で屋外に連通する排気口が設けられない空気流通路を通過させて前記水蒸気発生源側に移動させる工程と、前記水蒸気発生源で発生した水蒸気と、前記水蒸気発生源側に移動した前記第2高熱空気とを前記第2排気開口から排気する工程と、を有することを特徴としている。
本発明に係る建屋によれば、加熱源で加熱された高熱空気の一部の第1高熱空気が第1排気開口から屋外に排出され、排出されない他の第2高熱空気を加熱源側から200m以上離れた水蒸気発生源側へ移動させ、その第2高熱空気を水蒸気発生源付近の第2排気開口から排出することができる。これにより、加熱源から発生する熱を加熱源の上方又はその上方近傍の第1排気開口から排熱するだけではなく、加熱源で加熱された一部の第2高熱空気を水蒸気発生源側に移動させることができるので、水蒸気発生源周辺の室温を高くして相対湿度を低下させることができ、建屋内の結露の発生を低減することができる。したがって、建屋内において結露によって視界が低下したり、結露に伴う水滴が落着する作業環境の悪化を防止することができる。
とくに、本発明では、水蒸気発生源に暖かい空気を移動させることで、冷えた外気が混ざり難くなって暖かい温度を維持できるので、結露の発生をより効果的に抑えることができる。
また、本発明では、建屋内で結露が発生を抑えることで、建屋内に設けられるクレーン設備や柱梁等の鋼材の腐食が進行することを抑えることができる。
さらに、本発明では、加熱源と水蒸気発生源との間に屋外に連通する排気口を設けない極めて簡単な構成により、加熱源の高熱空気を水蒸気発生源側に送り込むことができる。そのため、工事費や設備費を抑えて、建屋内の結露を効率よく低減することができる。
また、本発明に係る建屋は、前記第1排気開口が前記第2排気開口よりも排気量が少なくなるように設定されていることが好ましい。
この構造によれば、第1排気開口は加熱源で加熱された高熱空気の滞留を防止する程度に排気し、他の多くの第2高熱空気を第2排気開口が位置する水蒸気発生源側に効率よく移動させることができる。
また、本発明に係る建屋は、前記加熱源付近には第1給気口が設けられ、前記水蒸気発生源付近には第2給気口が設けられ、前記第1給気口は前記第2給気口よりも外気の取り込み量が多くなるように設定されていることが好ましい。
この場合には、第2給気口より給気することにより水蒸気発生源への給気不足を補うことができ、加熱源の上方又はその上方近傍の第1排気開口における排気流を安定させることができる。
本発明の建屋及び建屋換気方法によれば、工事費や設備費を抑えて、建屋内の結露を効率よく低減することができる。
本発明の実施の形態による熱延工場からなる建屋の概略構成を示す平面図である。 建屋の屋根に設けられる排気開口の構造を示す縦断面図である。 図1に示すA−A線断面図である。 水蒸気発生源付近の水蒸気及び空気の流れを説明するための斜視図である。 実施例による建屋の解析モデルを示す斜視図である。 (a)〜(c)は、実施例の結露分布による解析結果を示す図である。 (a)〜(c)は、実施例の建屋上部における温度分布による解析結果を示す図である。 (a)〜(c)は、実施例の風速による解析結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態による建屋及び建屋換気方法について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施の形態による建屋1は、製鉄所の熱延工場であって、長手方向の延長が例えば450mの縦長形状をなしている。建屋1は、加熱炉2を熱源とする加熱源P1と、圧延機3の下流側に配置されるホットランテーブル4を水蒸気の発生源とする水蒸気発生源P2と、が設けられ、加熱源P1と水蒸気発生源P2とが例えば250m程度離れて配置されている。
建屋1は、図2及び図3に示すように、側壁11と屋根12とから構成されている。
建屋1は、図1に示すように、加熱炉ヤードR1、加熱炉装入ヤードR2、圧延ヤードR3、ロールショップR4、及びモーターヤードR5を有している。
ここで、建屋1において、圧延ヤードR3の延在方向で加熱炉ヤードR1側を上流側、その反対側(後述する巻き上げ機側)を下流側とする。また、圧延ヤードR3において、上流側から下流側に向かう方向を圧延方向X1という。
加熱炉ヤードR1には、複数(図1では3基)の加熱炉2が設けられている。加熱炉2は、一端が加熱炉装入ヤードR2に連絡され、加熱炉装入ヤードR2から圧延前のスラブが装入される。
圧延ヤードR3は、圧延方向X1に沿って延在する領域であって、圧延方向X1で圧延機3(3A、3B)、ホットランテーブル4、及び不図示の巻き上げ機がその順で配置されている。圧延ヤードR3の加熱炉ヤードR1と反対側には、スラブが所定の厚さに圧延された薄板を巻き取る巻き上げ機が配置される不図示のコイルヤードが設けられている。
圧延ヤードR3の上部には、延在方向に往復移動可能な天井クレーン、或いは門型クレーン等の揚重設備(図示省略)が配置されている。
圧延機3は、圧延方向X1に沿って延在するライン設備31と、ライン設備31の複数箇所(図1で3箇所)に配置される粗圧延機3Aと、最も下流側に配置する粗圧延機3Aよりさらにライン設備31の下流側に配置する仕上げ圧延機3Bと、を有している。ライン設備31は、圧延するスラブを圧延方向X1に搬送するローラーコンベヤであって、各圧延機3の内側を通過するように配置されている。
ホットランテーブル4は、仕上げ圧延機3Bと巻き上げ機との間を連絡するように延在し、圧延機3によって圧延された薄板を下流側に位置する巻き上げ機に向けて圧延方向X1に搬送する。
ロールショップR4は、圧延機3のロールを整備する場所であって、圧延ヤードR3の左右の片側に沿って配置されている。
モーターヤードR5は、圧延機3に電気を供給する電気室であって、圧延ヤードR3の左右のロールショップR4の反対側に沿って配置されている。
ロールショップR4及びモーターヤードR5は、それぞれ圧延ヤードR3とは内壁によって仕切られている。なお、ロールショップR4の内壁には、ホットランテーブル4の近傍に連通する連絡開口15Aが設けられている。この連絡開口15Aは、ロールショップR4に設けられる第2給気口15(後述する)から取り込まれる外気をホットランテーブル4側に通気させるための開口である。
圧延するスラブは、加熱炉装入ヤードR2より加熱炉ヤードR1の加熱炉2内に装入されて加熱され、圧延ヤードR3のライン設備31上に送り出され、ライン設備31上を圧延方向X1に向けて移送される。そして、ライン設備31で搬送されるスラブは、複数の粗圧延機3Aと仕上げ圧延機3Bに順次通過させることで薄板に圧延され、ホットランテーブル4を介してコイルヤードの巻き上げ機で巻き取られる。水蒸気発生源P2は、ホットランテーブル4上の薄板に散水されたときに、水蒸気Vが大量に発生する箇所である。
次に、建屋1の構造について具体的に説明する。屋根12には、図1に示すように、加熱源P1の上方近傍である加熱炉装入ヤードR2の上方に設けられた第1排気開口13Aと、水蒸気発生源P2の上方近傍であるホットランテーブル4の上方に設けられた第2排気開口13Bと、が備えられている。
排気開口13A、13Bは、図2に示すように、屋根12に設けられた第1開口部131と、第1開口部131の上方を覆う側面視で山形の中央カバー132と、中央カバー132の上方及び側方を間隔をあけて覆う上カバー133と、を備えている。中央カバー132の両端部132aは、屋根12の第1開口部131の上方に間隔をあけて重なって設けられている。上カバー133は、中央カバー132の上方中央に開口133aを設けるとともに、中央カバー132の上面132bから間隔(第2開口部134)をあけて配置されている。加熱源P1の上方に設けられる第1排出開口13Aにおいて、建屋1内の加熱源P1で加熱された高熱空気の排気量は、第1開口部131の幅寸法aと、第2開口部134の高さ寸法bを変えることで調整することができる。
なお、図2の符号Wは、雨水を示している。雨水Wは、排気開口13A、13Bにおいて、上カバー133の上面を流れ落ちるとともに、上カバー133の開口133aから流入した雨水Wが上カバー133と中央カバー132との間の開口を流通して屋根12の上面に流れるので、第1開口部131から建屋1内に流入することはない。
第1排気開口13Aは、第2排気開口13Bよりも排気量が例えば20〜40%程度少なくなるように設定されている。例えば、加熱源P1と水蒸気発生源P2との間に形成される空気流通路10(図1参照)の断面積を小さくすることで、その空気流通路10内の流速を大きくする対応が可能である。第1排気開口13Aの開口面積の一例として、例えば従来、加熱源P1で加熱された高熱空気E1(図1参照)のすべてを排気することを目的として設ける開口面積に対して1〜20%程度小さくなるように設定することがきる。
ここで、図1に示す空気流通路10は、圧延ヤードR3において、ロールショップR4及びモーターヤードR5との境界の壁と屋根12によって囲まれた空間であって、加熱源P1と水蒸気発生源P2とを結ぶ流路である。
第1排気開口13Aでは、図1に示すように、加熱源P1で加熱された高熱空気E1の一部(E2)が排気される。なお、加熱源P1から発生して高熱空気E1のうち第1排気開口13Aから排出される一部の排気高熱空気E2(第1高熱空気)以外の他の移動高熱空気E3(第2高熱空気)は、圧延ヤードR3の空気流通路10を通過して水蒸気発生源P2側に移動する。ここで、第1排気開口13Aは、粗圧延機3Aよりも加熱炉2側に配置されていればよい。
第2排気開口13Bは、図3に示すように、水蒸気発生源P2で発生した水蒸気Vと、加熱源P1で加熱されて水蒸気発生源P2側に移動した移動高熱空気E3と、が排気される。ここで、第2排気開口13Bは、仕上げ圧延機3Bよりもホットランテーブル4側に配置されていればよい。
そして、本実施形態の建屋1は、加熱源P1と水蒸気発生源P2との間に屋外に連通する排気口が設けられない構成となっている。そのため、加熱源P1で加熱され、かつ第1排気開口13Aから排出されない移動高熱空気E3は、途中で屋外に排気されることなく、ほぼ100%が水蒸気発生源P2へ向けて移動することになる。
加熱源P1付近の側壁11には、図1に示すように、外気E4を建屋1内に流入することが可能な複数の第1給気口14が設けられている。なお、図1では1箇所の第1給気口14のみが例示されている。第1給気口14から取り込まれる外気E4は、水蒸気発生源P2側に向けて流れ、移動高熱空気E3の移動を促進させることになる。ここで、第1給気口14は、粗圧延機3Aよりも加熱炉2側に配置されていればよい。
また、水蒸気発生源P2付近の側壁11には、外気E4を建屋1内に流入することが可能な複数の第2給気口15が設けられている。第2給気口15から取り込まれる外気E4は、水蒸気発生源P2で発生する水蒸気Vと加熱源P1から移動してきた移動高熱空気E3を第2排気開口13Bからの排出量を促進させることになる。ここで、第2給気口15は、仕上げ圧延機3Bよりもホットランテーブル4側に配置されていればよい。
第1給気口14は、第2給気口15よりも外気E4の取り込み量が多くなるように設定されている。
上述した構成の建屋1内の結露を抑制するための建屋換気方法としては、先ず、加熱源P1で加熱された高熱空気E1の一部の第1高熱空気E2を第1排気開口13Aから排気する。そして、加熱源P1で加熱された高熱空気E1のうち第1排気開口13Aで排気されていない残りの第2高熱空気E3を、加熱源P1と水蒸気発生源P2との間で屋外に連通する排気口が設けられない空気流通路10を通過させて水蒸気発生源P2側に移動させる。さらに、水蒸気発生源P2で発生した水蒸気と、水蒸気発生源P2側に移動した第2高熱空気E3とを第2排気開口13Bから排気する。これにより建屋1内でとくに結露が発生しやすいホットランテーブル4の近傍における結露を抑制することができる。
上述した構成の建屋1及び建屋換気方法によれば、図1及び図4に示すように、加熱源P1の加熱炉2で加熱された高熱空気E1の一部(排気高熱空気E2)が第1排気開口13Aから屋外に排出され、排出されない他の移動高熱空気E3を加熱源P1側から250m程度離れた水蒸気発生源P2側へ移動させ、その移動高熱空気E3を水蒸気発生源P2付近の第2排気開口13Bから排出することができる。これにより、加熱源P1から発生する熱を加熱源P1の上方の第1排気開口13Aから排熱するだけではなく、加熱源P1で加熱された一部の移動高熱空気E3を水蒸気発生源P2側に移動させることができるので、水蒸気発生源P2周辺の室温を高くして相対湿度を低下させることができ、建屋1内の結露の発生を低減することができる。例えば、結露の発生領域(飽和水蒸気の体積)を1/10程度に低減することができる。
したがって、本実施形態では、建屋1内において結露によって視界が低下したり、結露に伴う水滴が落着する作業環境の悪化を防止することができる。
とくに、本実施形態では、水蒸気発生源P2に暖かい空気(移動高熱空気E3)を移動させることで、冷えた外気が混ざり難くなって暖かい温度を維持できるので、結露の発生をより効果的に抑えることができる。
また、本実施形態では、建屋1内で結露が発生を抑えることで、建屋1内に設けられるクレーン設備や柱梁等の鋼材の腐食が進行することを抑えることができる。
また、本実施形態では、加熱源P1と水蒸気発生源P2との間に屋外に連通する排気口を設けない極めて簡単な構成により、加熱源P1の移動高熱空気E3を水蒸気発生源P2側に送り込むことができる。そのため、工事費や設備費を抑えて、建屋1内の結露を効率よく低減することができる。
また、本実施形態では、第1排気開口13Aが第2排気開口13Bよりも排気量が少なくなるように設定されているので、第1排気開口13Aは加熱源P1で加熱された高熱空気E1の滞留を防止する程度に排気し、他の多くの移動高熱空気E3を第2排気開口13Bが位置する水蒸気発生源P2側に効率よく移動させることができる。
さらに、本実施形態では、加熱源P1付近には第1給気口14が設けられ、水蒸気発生源P2付近には第2給気口15が設けられ、第1給気口14は第2給気口15よりも外気の取り込み量が多くなるように設定されているので、第2給気口15より給気することにより水蒸気発生源P2への給気不足を補うことができ、加熱源P1上方の第1排気開口13Aにおける排気流を安定させることができる。
上述のように本実施の形態による建屋1及び建屋換気方法では、工事費や設備費を抑えて、建屋1内の結露を効率よく低減することができる。
次に、上述した実施の形態による建屋及び建屋換気方法の効果を裏付けるために行った実施例について以下説明する。
(実施例)
本実施例では、上述した実施の形態の建屋1をモデル化した図5に示す解析モデル5を作成し、下記の解析条件を変えて建屋1内の温度、相対湿度、水蒸気の発生領域等を確認し、好適な建屋1について検証した。なお、解析モデル5において、上記実施形態の建屋1と同じ部位等については同じ符号を用いて説明する。
解析では、2つの実施例(第1実施ケース、第2実施ケース)と比較ケースの下記の条件を変えた3つの解析ケースについて気流解析を行った。図5に示す解析モデル5は、実施ケースのうち第2実施ケースを示している。そのため、第1実施ケースと比較ケースでは、図5の解析モデルを参考にして説明する。
比較ケースの解析モデルは、現状の構成をモデル化したものであって、加熱源P1の上方の第1排気開口13Aの位置が加熱源P1の直上に設けられ、水蒸気発生源P2の上方の第2排気開口13Bの位置がその水蒸気発生源P2の上方に設けられている。また、加熱源P1と水蒸気発生源P2との間には、複数箇所に中間給気開口16を設けた。
第1実施ケースの解析モデルは、比較ケースに対して加熱源P1の上方の第1排気開口13Aの位置を加熱炉装入ヤードR2の上方へ位置を変更するとともに、開口面積を小さくして空気の排出量を低減し、圧延機3が配置されるライン設備31の上方の屋根に設けられた第3排気開口13Cを全て閉塞したモデルである。
第2実施ケースの解析モデルは、第1実施ケースにおいて、水蒸気発生源P2に給気する給気口(第2給気口15)を設けて給気量を増加したモデルである。
各ケースにおける解析条件としては、加熱源P1の加熱炉2の上面及び側面を90℃、加熱炉2の前面を270℃とし、加熱炉前で1200℃、圧延ヤードR3の加熱炉2側で1050℃、仕上げ圧延機3Bの上流側で1200℃、仕上げ圧延機3Bの下流側で1100℃、水蒸気発生源P2である仕上げ圧延機3Bの下流に位置するホットランテーブル4の温度を1100℃から線形的に800℃に下げることによって解析を行った。また、気象条件としては、春先早朝の晴れを想定し、外気温11.4℃、外気相対湿度86%とした。
次に、図6〜図8に基づいて解析結果について説明する。
図6(a)〜(c)は、解析結果による結露分布を示し、相対湿度100%の空気(結露U)の部分が薄い色(白色)になっている。図6(a)は第1実施ケース、図6(b)は第2実施ケース、図6(c)は比較ケースをそれぞれ示している。これによると、図6(c)に示す比較ケースにおいて、結露Uである相対湿度100%の空気体積が30071mとなった。一方、図6(a)に示す第1実施ケースにおいて、上記空気体積が1293mで比較ケースに比べて4%(1/20程度)となり、図6(b)に示す第2実施ケースにおいて、上記空気体積が2764mで比較ケースに比べて9%(1/10程度)となった。
図7(a)〜(c)は、解析結果による建屋1の上部の温度分布を示している。これによると、図7(c)に示す比較ケースでは、圧延ヤードR3の白い部分K1が40℃前後の領域となっている。図7(a)に示す第1実施ケースでは、圧延ヤードR3において色の濃い部分(符号K2)が50℃近い高温領域が増大していることが確認できた。すなわち、建屋1の上部に位置する天井クレーンが50℃近い高温に晒されることがわかる。
一方、図7(b)に示す第2実施ケースでは、全体にわたって概ね40℃以下となった。これは、図5に示す第2給気口15を設けて外気を水蒸気発生源P2付近に流入させたことにより、圧延ヤードR3内の温度が低下したことがわかる。
図8(a)〜(c)は、解析結果による建屋内を側方から見た風速分布を示している。これによると、図8(a)に示す第1実施ケースと図8(c)に示す比較ケースでは、加熱源P1と水蒸気発生源P2との間の略中間部で建屋の天井に向けて風速が大きくなる箇所(符号G)が複数発生し、さらに水蒸気発生源P2の手前で風速が低下して滞留する箇所(符号T)が発生している。つまり、これらは、水蒸気発生源P2まで効率よく風速を確保することができず、水蒸気発生源P2に加熱源P1の移動高熱空気E3を十分に移動させることができないことがわかる。一方、図8(b)に示す第2実施ケースでは、水蒸気発生源P2の位置で第2排気開口13Bに向かって風速が大きくなる領域が大きく、しかも水蒸気発生源P2の手前で風速が大きくなっていることから、移動高熱空気E3の移動が十分に行われていることが確認できる。
なお、図示しないが、風速を解析した結果、比較ケースでは、加熱炉装入ヤードR2において風速1m/s以下の空気の滞留が生じていることが確認できることからも、比較ケースでは加熱源P1から水蒸気発生源P2への空気の流れが不十分であるうえ、加熱源P1の上方に設けられる第1排気開口13Aから十分に排気されていないことがわかる。
上述した解析の結果、第2実施ケースの場合には、水蒸気発生源P2に向かう加熱源P1の移動高熱空気E3の流れが良好で、確実に移動高熱空気E3を移動させることができ、水蒸気Vに伴う結露の発生を低減できることがわかった。しかも、第2実施ケースでは、建屋の上部温度を低く抑えられることがわかった。また、第1実施ケースの場合も建屋の上部温度が第2実施ケースよりも高くなるが、結露の発生量(飽和水蒸気の体積)を1/10程度に低減することができる。したがって、第1実施ケースおよび第2実施ケースともに、結露の低減効果が確認でき、第2実施ケースは第1実施ケースよりもより好ましいことがわかった。
以上、本発明による建屋及び建屋換気方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、建屋1として製鉄所の熱延工場を対象としているが、熱延工場に限定されることはなく、屋内に加熱源と水蒸気発生源が設けられ、かつ加熱源と水蒸気発生源とが少なくとも200m以上離れて配置される縦長の建屋であれば、本発明の構成を適用することができる。
また、本実施形態では、第1排気開口13Aが第2排気開口13Bよりも排気量が少なくなるように設定されているが、これに限定されることはなく、同じ排気量としてもよい。或いは、第2排気開口よりも第1排気開口の排気量を多くすることも可能であり、この場合、例えば加熱源P1付近の第1給気口14の開口量を大きくして加熱源P1で加熱された移動高熱空気E3をより多く水蒸気発生源P2側に移動させるようにすればよい。
さらに、第1排気開口13Aと第2排気開口13Bの位置、数量、形状等の構成は適宜変更可能である。これら排気開口13A、13Bは、建屋1の形状、大きさ、建屋内の設備、加熱源P1や水蒸気発生源P2の位置に応じて設定することがきる。
さらにまた、本実施形態では、加熱源P1付近に第1給気口14を設け、水蒸気発生源P2付近に第2給気口15を設けているが、これらを省略することも可能である。さらに、第1給気口14が第2給気口15よりも外気の取り込み量が多くなるように設定されることにも限定されることはない。
また、例えば送風機やダクトを使用して加熱源P1で発生する高熱空気の一部を水蒸気発生源P2周辺に移動させることも可能である。すなわち、送風機を補助的に設けることにより、空気流通路10を通過する排気高熱空気E2をより効率よく水蒸気発生源P2側に向けて移動させることができる。さらに空気流通路10とは別系統で送風機を備えたダクトを設けることにより、排気高熱空気E2の一部をダクト内を流通させて確実にかつ効率よく移動させることが可能となる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 建屋
2 加熱炉
3 圧延機
3A 粗圧延機
3B 仕上げ圧延機
4 ホットランテーブル
10 空気流通路
11 側壁
12 屋根
13A 第1排気開口
13B 第2排気開口
14 第1給気口
15 第2給気口
31 ライン設備
P1 加熱源
P2 水蒸気発生源
R1 加熱炉ヤード
R2 加熱炉装入ヤード
R3 圧延ヤード
X1 圧延方向
E1 高熱空気
E2 排気高熱空気(第1高熱空気)
E3 移動高熱空気(第2高熱空気)
V 水蒸気

Claims (4)

  1. 屋内に設けられる加熱源と水蒸気発生源とが少なくとも200m以上離れて配置される縦長の建屋であって、
    前記加熱源の上方又はその上方近傍に設けられた第1排気開口と、
    前記水蒸気発生源の上方又はその上方近傍に設けられた第2排気開口と、を備え、
    前記第1排気開口では、前記加熱源で加熱された高熱空気の一部の第1高熱空気が排気され、
    前記加熱源と前記水蒸気発生源との間には、屋外に連通する排気口が設けられない空気流通路が形成され、
    前記加熱源で加熱された高熱空気のうち前記第1排気開口で排気されていない残りの第2高熱空気は、前記空気流通路を通過して前記水蒸気発生源側に移動し、
    前記第2排気開口では、前記水蒸気発生源で発生した水蒸気と、前記水蒸気発生源側に移動した前記第2高熱空気と、が排気されることを特徴とする建屋。
  2. 前記第1排気開口が前記第2排気開口よりも排気量が少なくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の建屋。
  3. 前記加熱源付近には第1給気口が設けられ、
    前記水蒸気発生源付近には第2給気口が設けられ、
    前記第1給気口は前記第2給気口よりも外気の取り込み量が多くなるように設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建屋。
  4. 屋内に設けられる加熱源と水蒸気発生源とが少なくとも200m以上離れて配置される縦長の建屋内の結露を抑制するための建屋換気方法であって、
    前記加熱源の上方又はその上方近傍に第1排気開口を設け、かつ前記水蒸気発生源の上方又はその上方近傍に第2排気開口を設ける工程と、
    前記加熱源で加熱された高熱空気の一部の第1高熱空気を前記第1排気開口から排気する工程と、
    前記加熱源で加熱された高熱空気のうち前記第1排気開口で排気されていない残りの第2高熱空気を、前記加熱源と前記水蒸気発生源との間で屋外に連通する排気口が設けられない空気流通路を通過させて前記水蒸気発生源側に移動させる工程と、
    前記水蒸気発生源で発生した水蒸気と、前記水蒸気発生源側に移動した前記第2高熱空気とを前記第2排気開口から排気する工程と、
    を有することを特徴とする建屋換気方法。
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