JP2020169544A - 建屋及び建屋換気方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】屋内に設けられる加熱源P1と水蒸気発生源P2とが少なくとも200m以上離れて配置される縦長の建屋1であって、加熱源P1の上方に設けられた第1排気開口13Aと、水蒸気発生源P2の上方に設けられた第2排気開口13Bと、を備え、第1排気開口13Aでは、加熱源P1で加熱された高熱空気E1の一部の排気高熱空気E2が排気され、加熱源P1と水蒸気発生源P2との間に屋外に連通する排気口が設けられない構成とされ、第2排気開口13Bでは、水蒸気発生源P2で発生した水蒸気Vと、加熱源P1で加熱されて水蒸気発生源P2側に移動した移動高熱空気E3と、が排気された構成の建屋を提供する。
【選択図】図1
Description
すなわち、特許文献1のような建屋内に配置される物品自体の結露の発生を防止する場合には、物品自体の温度を上げることで対応が可能であるが、建屋内で大量に発生した水蒸気を効果的に排出するためには建屋内を自然換気する必要がある。ところが、建屋内を自然換気する場合は、建屋内に取り入れた冷えた外気が水蒸気に接触すると、相対湿度が高まり、結露によって視界が低下するとともに、水滴落着するといった作業環境が悪化するという問題があった。
また、建屋内のホットランテーブルから発生する水蒸気によって結露が発生すると、工場内のクレーン設備や建屋の柱梁等の鋼材に錆が発生することから、その点で改善の余地があった。
とくに、本発明では、水蒸気発生源に暖かい空気を移動させることで、冷えた外気が混ざり難くなって暖かい温度を維持できるので、結露の発生をより効果的に抑えることができる。
建屋1は、図2及び図3に示すように、側壁11と屋根12とから構成されている。
ここで、建屋1において、圧延ヤードR3の延在方向で加熱炉ヤードR1側を上流側、その反対側(後述する巻き上げ機側)を下流側とする。また、圧延ヤードR3において、上流側から下流側に向かう方向を圧延方向X1という。
圧延ヤードR3の上部には、延在方向に往復移動可能な天井クレーン、或いは門型クレーン等の揚重設備(図示省略)が配置されている。
モーターヤードR5は、圧延機3に電気を供給する電気室であって、圧延ヤードR3の左右のロールショップR4の反対側に沿って配置されている。
ロールショップR4及びモーターヤードR5は、それぞれ圧延ヤードR3とは内壁によって仕切られている。なお、ロールショップR4の内壁には、ホットランテーブル4の近傍に連通する連絡開口15Aが設けられている。この連絡開口15Aは、ロールショップR4に設けられる第2給気口15(後述する)から取り込まれる外気をホットランテーブル4側に通気させるための開口である。
なお、図2の符号Wは、雨水を示している。雨水Wは、排気開口13A、13Bにおいて、上カバー133の上面を流れ落ちるとともに、上カバー133の開口133aから流入した雨水Wが上カバー133と中央カバー132との間の開口を流通して屋根12の上面に流れるので、第1開口部131から建屋1内に流入することはない。
ここで、図1に示す空気流通路10は、圧延ヤードR3において、ロールショップR4及びモーターヤードR5との境界の壁と屋根12によって囲まれた空間であって、加熱源P1と水蒸気発生源P2とを結ぶ流路である。
第1給気口14は、第2給気口15よりも外気E4の取り込み量が多くなるように設定されている。
とくに、本実施形態では、水蒸気発生源P2に暖かい空気(移動高熱空気E3)を移動させることで、冷えた外気が混ざり難くなって暖かい温度を維持できるので、結露の発生をより効果的に抑えることができる。
本実施例では、上述した実施の形態の建屋1をモデル化した図5に示す解析モデル5を作成し、下記の解析条件を変えて建屋1内の温度、相対湿度、水蒸気の発生領域等を確認し、好適な建屋1について検証した。なお、解析モデル5において、上記実施形態の建屋1と同じ部位等については同じ符号を用いて説明する。
比較ケースの解析モデルは、現状の構成をモデル化したものであって、加熱源P1の上方の第1排気開口13Aの位置が加熱源P1の直上に設けられ、水蒸気発生源P2の上方の第2排気開口13Bの位置がその水蒸気発生源P2の上方に設けられている。また、加熱源P1と水蒸気発生源P2との間には、複数箇所に中間給気開口16を設けた。
第2実施ケースの解析モデルは、第1実施ケースにおいて、水蒸気発生源P2に給気する給気口(第2給気口15)を設けて給気量を増加したモデルである。
図6(a)〜(c)は、解析結果による結露分布を示し、相対湿度100%の空気(結露U)の部分が薄い色(白色)になっている。図6(a)は第1実施ケース、図6(b)は第2実施ケース、図6(c)は比較ケースをそれぞれ示している。これによると、図6(c)に示す比較ケースにおいて、結露Uである相対湿度100%の空気体積が30071m3となった。一方、図6(a)に示す第1実施ケースにおいて、上記空気体積が1293m3で比較ケースに比べて4%(1/20程度)となり、図6(b)に示す第2実施ケースにおいて、上記空気体積が2764m3で比較ケースに比べて9%(1/10程度)となった。
一方、図7(b)に示す第2実施ケースでは、全体にわたって概ね40℃以下となった。これは、図5に示す第2給気口15を設けて外気を水蒸気発生源P2付近に流入させたことにより、圧延ヤードR3内の温度が低下したことがわかる。
2 加熱炉
3 圧延機
3A 粗圧延機
3B 仕上げ圧延機
4 ホットランテーブル
10 空気流通路
11 側壁
12 屋根
13A 第1排気開口
13B 第2排気開口
14 第1給気口
15 第2給気口
31 ライン設備
P1 加熱源
P2 水蒸気発生源
R1 加熱炉ヤード
R2 加熱炉装入ヤード
R3 圧延ヤード
X1 圧延方向
E1 高熱空気
E2 排気高熱空気(第1高熱空気)
E3 移動高熱空気(第2高熱空気)
V 水蒸気
Claims (4)
- 屋内に設けられる加熱源と水蒸気発生源とが少なくとも200m以上離れて配置される縦長の建屋であって、
前記加熱源の上方又はその上方近傍に設けられた第1排気開口と、
前記水蒸気発生源の上方又はその上方近傍に設けられた第2排気開口と、を備え、
前記第1排気開口では、前記加熱源で加熱された高熱空気の一部の第1高熱空気が排気され、
前記加熱源と前記水蒸気発生源との間には、屋外に連通する排気口が設けられない空気流通路が形成され、
前記加熱源で加熱された高熱空気のうち前記第1排気開口で排気されていない残りの第2高熱空気は、前記空気流通路を通過して前記水蒸気発生源側に移動し、
前記第2排気開口では、前記水蒸気発生源で発生した水蒸気と、前記水蒸気発生源側に移動した前記第2高熱空気と、が排気されることを特徴とする建屋。 - 前記第1排気開口が前記第2排気開口よりも排気量が少なくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の建屋。
- 前記加熱源付近には第1給気口が設けられ、
前記水蒸気発生源付近には第2給気口が設けられ、
前記第1給気口は前記第2給気口よりも外気の取り込み量が多くなるように設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建屋。 - 屋内に設けられる加熱源と水蒸気発生源とが少なくとも200m以上離れて配置される縦長の建屋内の結露を抑制するための建屋換気方法であって、
前記加熱源の上方又はその上方近傍に第1排気開口を設け、かつ前記水蒸気発生源の上方又はその上方近傍に第2排気開口を設ける工程と、
前記加熱源で加熱された高熱空気の一部の第1高熱空気を前記第1排気開口から排気する工程と、
前記加熱源で加熱された高熱空気のうち前記第1排気開口で排気されていない残りの第2高熱空気を、前記加熱源と前記水蒸気発生源との間で屋外に連通する排気口が設けられない空気流通路を通過させて前記水蒸気発生源側に移動させる工程と、
前記水蒸気発生源で発生した水蒸気と、前記水蒸気発生源側に移動した前記第2高熱空気とを前記第2排気開口から排気する工程と、
を有することを特徴とする建屋換気方法。
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JP2001162221A (ja) * | 1999-12-10 | 2001-06-19 | Nissan Motor Co Ltd | 表面処理ライン用多層階建造物 |
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JP2014201192A (ja) * | 2013-04-04 | 2014-10-27 | 株式会社コトラシステム | 船倉内貨物の結露防止装置 |
JP2016094755A (ja) * | 2014-11-14 | 2016-05-26 | エバ工業株式会社 | 工場建物の換気システムおよび換気方法 |
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