JP2020169526A - 接合構造およびh形断面部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】補強の工程を必要とせずに、スカラップの開口縁で発生したき裂の進展によるフランジの破断を効果的に防止する。【解決手段】ウェブ、フランジ、およびウェブとフランジとの間の連結部を有するH形断面梁を柱に接合する接合構造であって、柱に接合されるH形断面梁の材軸方向の端部では、フランジに接するウェブの一部分を切り欠いたスカラップが形成され、スカラップの開口縁またはその近傍からフランジに沿って延びるウェブまたは連結部の欠落部が形成される接合構造が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、接合構造およびH形断面部材に関する。
例えば柱に接合されるH形断面梁の端部には、フランジに接するウェブの一部分を切り欠いたスカラップが形成される。スカラップを形成することによって、H形断面梁の端部でフランジに形成される溶接部とウェブとの干渉を避けることができる。しかしながら、断面欠損部分であるスカラップにひずみが集中することによってき裂が発生し、き裂の進展によってフランジが破断することもあった。
この問題に対し、例えば特許文献1には、フランジの外側にテーパープレートを接合することによってH形断面梁でスカラップが形成される部分を補強する技術が記載されている。特許文献2には、フランジの溶接後にスカラップを溶接で充填して補強する技術が記載されている。また、非特許文献1から非特許文献3には、ひずみが集中しにくいスカラップの形状として、例えば異なる曲率半径の円弧を組み合わせた形状や、円弧と直線とを組み合わせた形状が記載されている。
特開2013−7194号公報 特開2015−224427号公報
日本建築学会:鉄骨工事技術指針・工場製作編、日本、2007年2月15日、第5版、p.208−211 中込忠男、藤田哲也:角形鋼管柱に通しダイアフラム形式で溶接接合される圧延H形鋼梁端部の力学的性能 梁スカラップの有無および形状と目違いが破壊性状に及ぼす影響、日本建築学会構造系論文集第455号、1994年1月、p.187−196 J.M.Ricles,J.W.Fisher,Le−Wu Lu,E.J.Kaufmann;Development of improved welded moment connections for earthquake−resistant design、Journal of Constructional Steel Research、2002年、58号、p.565−604
しかしながら、上記の非特許文献1から非特許文献3に記載されたようなスカラップの形状でも、H形断面梁のフランジに近いスカラップの開口縁近傍、いわゆるスカラップ底へのひずみの集中は十分に解消できていない。フランジに近いスカラップ底で発生したき裂はフランジの破断につながる可能性が高いため、これを防止するために特許文献1や特許文献2などに記載されたような補強の工程が必要になる。
そこで、本発明は、補強の工程を必要とせずに、スカラップ底で発生したき裂の進展によるフランジの破断を効果的に防止することが可能な接合構造およびH形断面部材を提供することを目的とする。
本発明のある観点によれば、ウェブ、フランジ、およびウェブとフランジとの間の連結部を有するH形断面梁を柱に接合する接合構造であって、柱に接合されるH形断面梁の材軸方向の端部では、フランジに接するウェブの一部分を切り欠いたスカラップが形成され、スカラップの開口縁またはその近傍からフランジに沿って延びるウェブまたは連結部の欠落部が形成される接合構造が提供される。
上記の接合構造において、スカラップの開口縁は、フランジに近い側に形成される第1の円弧部と、フランジから遠い側に形成される第2の円弧部とを含み、第1の円弧部の曲率半径は第2の円弧部の曲率半径よりも大きく、第1の円弧部と第2の円弧部とは第1の変曲点において接続され、欠落部のフランジからの距離Heおよび第1の変曲点のフランジからの距離Hcについて、Hc≧Heであってもよい。
上記の接合構造において、欠落部は、ウェブまたは連結部に形成される溝であってもよい。溝は、連結部のウェブ側の止端よりもフランジ側に形成されてもよい。
上記の接合構造において、欠落部は、連結部がウェブ側の止端からウェブの側面に沿って切り取られた切取部であってもよい。
上記の接合構造において、連結部は、隅肉溶接部であってもよく、圧延加工によって形成されたフィレットであってもよい。
本発明の別の観点によれば、ウェブ、フランジ、およびウェブとフランジとの間の連結部を有するH形断面部材であって、H形断面部材の材軸方向の少なくとも一方の端部では、フランジに接するウェブの一部分を切り欠いたスカラップが形成され、スカラップの開口縁またはその近傍からフランジに沿って延びるウェブまたは連結部の欠落部が形成されるH形断面部材が提供される。
上記の構成によれば、スカラップの開口縁で発生したき裂の進展する方向を欠落部に沿ってフランジに向かわない方向に誘導することによって、補強の工程を必要とせずに、き裂の進展によるフランジの破断を効果的に防止することができる。
本発明の第1の実施形態に係る接合構造を示す図である。 図1のII−II線断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る接合構造を示す図である。 図3のIV−IV線断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る接合構造を示す図である。 図5のVI−VI線断面図である。 参考例に係る接合構造を示す図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る接合構造を示す図であり、図2は図1のII−II線断面図である。図1および図2に示された接合構造1は、H形断面梁2と、例えば角形鋼管などで構成される柱3との間に形成される。H形断面梁2の下フランジ21は、柱3に取り付けられるダイアフラム31に溶接部41を介して接合される。具体的には、下フランジ21の材軸方向の端面211とダイアフラム31の端面311との間に形成された開先に、裏当金411を用いて溶接金属を充填または積層することによって溶接部41が形成される。一方、H形断面梁2のウェブ22は、柱3の側面32に溶接部(図示せず)を介して接合される。他の例では、柱3にダイアフラム31が取り付けられず、下フランジ21およびウェブ22の両方が柱3の側面32に溶接部を介して接合されてもよい。
柱3に接合されるH形断面梁2の材軸方向の端部では、下フランジ21に接するウェブ22の一部分を切り欠いたスカラップ5が形成される。スカラップ5は、例えば下フランジ21およびウェブ22を柱3に接合する前に、切削などによって形成される。あるいは、後述するようにH形断面梁2は組立H形鋼であるため、下フランジ21にウェブ22を溶接する前にスカラップ5が形成されてもよい。図示された例において、ウェブ22に形成されるスカラップ5の開口縁は、下フランジ21側の始点511から第1の変曲点512までの第1の円弧部51と、第1の変曲点512から第2の変曲点521までの第2の円弧部52と、第2の変曲点521からウェブ22の材軸方向の端面221までの直線部53とを含む。
H形断面梁2は組立H形鋼であり、下フランジ21とウェブ22とは隅肉溶接されている。H形断面梁2は、隅肉溶接部42を有する。隅肉溶接部42は、ウェブとフランジとの間の連結部の例である。具体的には、隅肉溶接部42は、下フランジ21の上面212とウェブ22の側面222との間に溶接金属を積層することによって形成される。
本実施形態では、隅肉溶接部42のウェブ22側の止端421よりも下フランジ21側で、スカラップ5の開口縁から下フランジ21の材軸方向に沿って延びる溝6が形成される。溝6は、少なくとも隅肉溶接部42の欠落部であり、隅肉溶接部42を貫通してウェブ22に到達する場合は隅肉溶接部42およびウェブ22の欠落部である。溝6の下フランジ21からの距離He、および隅肉溶接部42の止端421の下フランジ21からの距離Hfについて、Hf>Heである。このような溝6を形成することによって、例えば、き裂は溝6から発生して溝6に沿った方向に誘導され、下フランジ21には向かわない。従って、本実施形態ではき裂の進展による下フランジ21の破断を防止できる。
ここで、H形断面梁2では、スカラップ5の開口縁のうち第1の円弧部51の曲率半径R1が第2の円弧部52の曲率半径R2よりも大きく(R1>R2)、具体的には例えば曲率半径R1が曲率半径R2の2.5倍以上である(R1≧2.5R2)。これによって、下フランジ21に近い第1の円弧部51へのひずみの集中を緩和し、第1の円弧部51におけるき裂の発生を抑制することができる。しかし、図示された例では、スカラップ5の開口縁で第1の円弧部51と第2の円弧部52とが接続される第1の変曲点512の下フランジ21からの距離Hc、および隅肉溶接部42の止端421の下フランジ21からの距離Hfについて、Hf>Hcである。この場合、地震時に最もひずみが集中するスカラップ底に近い第1の円弧部51でき裂が発生し、梁の材軸方向に進展することなく下フランジ21に向かって進展する可能性がある。
そこで、本実施形態では、上記のように溝6を形成することによってき裂の発生および進展の方向を誘導し、き裂の進展による下フランジ21の破断を防止する。溝6の下フランジ21からの距離He、および第1の変曲点512の下フランジ21からの距離HcについてHc≧Heとすることによって、溝6よりも下フランジ21に近いスカラップ5の開口縁がすべて第1の円弧部51になる。上述のように第1の円弧部51におけるき裂の発生は抑制されているため、上記のような本実施形態の構成によって、スカラップ5の開口縁で発生したき裂の進展による下フランジ21の破断を効果的に抑制することができる。
なお、溝6の幅については、上記の通りき裂の進展する方向を誘導できれば足りることから特に限定されず、例えば加工が可能な範囲で最小の幅にしてもよい。また、溝6の断面形状は、図2に示されたようなU字形には限定されず、例えばV字形であってもよい。溝6の下フランジ21からの距離Heは、上述したように隅肉溶接部42の止端421の下フランジ21からの距離Hfよりも低い範囲において、例えば第1の変曲点512の下フランジ21からの距離Hcの半分(1/2Hc)程度であってもよく、ウェブ22の板厚程度であってもよく、さらに小さくてもよい。また、図2に示された例において溝6の深さ方向は下フランジ21の上面212に平行であるが、他の例では溝6の深さ方向が上面212に対して傾いていてもよい。
(第2の実施形態)
図3は本発明の第2の実施形態に係る接合構造を示す図であり、図4は図3のIV−IV線断面図である。図3および図4に示された接合構造1Aは、H形断面梁2Aと柱3との間に形成される。上記の第1の実施形態との相違として、本実施形態ではH形断面梁2Aが圧延H形鋼であり、下フランジ21とウェブ22とは一体的に形成されている。下フランジ21の上面212とウェブ22の側面222との間には、圧延加工によってフィレット23が形成される。フィレット23は、ウェブとフランジとの間の連結部の例である。ここで、フィレット23の上端、すなわちウェブ22の板厚が下フランジ21に向かって増大し始める位置を、本明細書では便宜的にフィレット23の止端231という。
本実施形態では、フィレット23の止端231よりも上方、つまり下フランジ21とは反対側で、スカラップ5の開口縁から下フランジ21に沿って延びる溝6Aが形成される。溝6Aは、ウェブ22の欠落部である。溝6Aの下フランジ21からの距離He、およびフィレット23の止端231の下フランジ21からの距離Hfについて、Hf>Heである。このような溝6Aを形成することによって、溝6Aでき裂が発生し、き裂の進展は溝6Aに沿った方向に誘導され、下フランジ21には向かわない。従って、本実施形態でも、上記の第1の実施形態と同様に下フランジ21の破断を防止できる。
ここで、本実施形態でも、スカラップ5は第1の実施形態と同様に形成され、スカラップ5の開口縁の第1の円弧部51の曲率半径R1は第2の円弧部52の曲率半径R2よりも大きい(R1>R2)。ただし、第1の実施形態とは異なり、スカラップ5の開口縁における第1の変曲点512の下フランジ21からの距離Hc、溝6Aの下フランジ21からの距離He、およびフィレット23の止端231の下フランジ21からの距離Hfについて、Hc>He>Hfである。従って、本実施形態では、溝6Aの下フランジ21からの距離He、および第1の変曲点512の下フランジ21からの距離HcについてHc≧Heとすることによって、スカラップ5の開口縁の第1の円弧部51で発生するき裂を専ら溝6Aからのものにし、き裂の進展を下フランジ21に向かわない方向に誘導する。これによって、結果的には第1の実施形態と同様に、スカラップ5の開口縁で発生したき裂の進展による下フランジ21の破断を効果的に抑制することができる。
なお、溝6Aの幅、断面形状、および深さ方向については、上記の第1の実施形態と同様の構成が可能であるが、第1の実施形態の隅肉溶接部42よりも厚さが小さいウェブ22に溝6Aを形成するため、深さは小さくすることが好ましい。
上記の第2の実施形態のような圧延H形鋼でも、第1の実施形態と同様に、下フランジ21からの距離Heがフィレット23の止端231の下フランジからの距離Hfに対してHf>Heとなるような溝6を形成してもよい。この場合、溝6はフィレット23の欠落部であり、溝6の効果は第1の実施形態と同様である。また、第1の実施形態のような組立H形鋼でも、第2の実施形態と同様に、下フランジ21からの距離Heが隅肉溶接部42の止端421の下フランジからの距離Hfに対してHe>Hfとなるような溝6Aを形成してもよい。この場合、溝6Aはウェブ22の欠落部であり、溝6Aの効果は第2の実施形態と同様である。
(第3の実施形態)
図5は本発明の第3の実施形態に係る接合構造を示す図であり、図6は図5のVI−VI線断面図である。図1および図2に示された接合構造1Bは、H形断面梁2と、柱3との間に形成される。なお、上記の第1の実施形態で説明した溝6に代えて以下で説明する切取部7が形成される点を除いて、本実施形態の構成は上記の第1の実施形態と同様であるため、重複した詳細な説明は省略する。
本実施形態では、スカラップ5の開口端に面する隅肉溶接部42が、ウェブ22側の止端421からウェブ22の側面222に沿って切り取られた切取部7が形成される。図示された例において、切取部7の側面71はウェブ22の側面222に連続しており、従って切取部7が形成された範囲ではウェブ22の板厚が変化しない。一方、切取部7の底面72は下フランジ21からの距離Heの位置に形成され、これよりも下フランジ21に近い範囲では隅肉溶接部42がそのまま残されている。底面72は、下フランジ21に沿って延びる。なお、図示された例では、底面72が下フランジ21の上面212に平行であるが、他の例では底面72が上面212に対して傾いていてもよい。
上記のような切取部7を形成することによって、例えば、切取部7の底面72よりも上方のスカラップ5の開口縁、具体的には第1の円弧部51で発生したき裂が下フランジ21に向かって進展しても、切取部7の底面72に到達したき裂の進展は形状変化点である底面72に沿った方向に誘導され、下フランジ21には向かわない。従って、本実施形態でも、上記の第1の実施形態と同様にき裂の進展による下フランジ21の破断を防止できる。
ここで、本実施形態でも、スカラップ5は第1の実施形態と同様に形成され、スカラップ5の開口縁の第1の円弧部51の曲率半径R1は第2の円弧部52の曲率半径R2よりも大きい(R1>R2)。本実施形態では、本来の隅肉溶接部42の止端421がスカラップ5の開口縁の近傍で切り取られているため、専ら切取部7の底面72によってき裂の発生および進展を誘導する。具体的には、切取部7の底面72の下フランジ21からの距離He、およびスカラップ5の開口縁の第1の変曲点512の下フランジ21からの距離HcについてHc≧Heとすることによって、スカラップ5の開口縁の第1の円弧部51で発生したき裂を専ら切取部7の底面72によって下フランジ21に向かわない方向に誘導する。これによって、結果的には第1の実施形態と同様に、スカラップ5の開口縁で発生したき裂の進展による下フランジ21の破断を効果的に抑制することができる。
上記の第2の実施形態のような圧延H形鋼でも、第3の実施形態と同様にフィレット23がウェブ22の側面222に沿って切り取られた切取部7を形成してもよい。
なお、上記の各実施形態では、H形断面梁2,2Aに形成されるスカラップ5の開口縁が第1の円弧部51、第2の円弧部52および直線部53を含む例について説明したが、本発明の実施形態はこのような例には限られない。例えば、スカラップの開口縁において、第2の円弧部52がウェブ22の端面221まで続いて直線部が形成されなくてもよい。また、スカラップの開口縁が単一の曲率の円弧部と直線部とによって構成されてもよい。これらの場合においても、例えば上記の各実施形態のような溝6または切取部7を形成することによって、溝6、または切取部7の底面72よりも上方のスカラップの開口縁で発生したき裂が進展する方向をH形断面梁の材軸方向に誘導し、き裂による下フランジ21の破断を効果的に抑制することができる。
また、上記の各実施形態では、H形断面梁2,2Aのウェブ22の両側に溝6または切取部7が形成されたが、溝6または切取部7はウェブ22の片側のみに形成されてもよい。き裂はウェブ22を貫通して発生するため、ウェブ22の片側に形状変化点である溝6または切取部7が形成されていれば、き裂の進展する方向は溝6または切取部7に沿って誘導される。また、上記の各実施形態では、H形断面梁2,2Aの下フランジ21に接するウェブ22の一部分を切り欠いたスカラップ5の開口縁から溝6または切取部7を形成する例について説明したが、上フランジに接するウェブの一部分を切り欠いたスカラップの開口縁から同様の溝または切取部を形成してもよい。また、既に入ったき裂の進展する方向を誘導するためには、溝または切取部が必ずしもスカラップの開口縁から形成されなくてもよく、その近傍、すなわち開口縁からわずかに離れた位置から溝または切取部が形成されてもよい。
(参考例)
図7は参考例に係る接合構造を示す図であり、図8は図7のVIII−VIII線断面図である。図7および図8に示された接合構造1Zは、H形断面梁2Bと柱3との間に形成される。H形断面梁2Bは、上記の第1の実施形態と同様に組立H形鋼であり、下フランジ21とウェブ22とは隅肉溶接部42Aを介して互いに接合される。第1の実施形態との相違として、本例では、スカラップ5の開口縁における第1の変曲点512の下フランジ21からの距離Hc、および隅肉溶接部42Aの止端421Aの下フランジ21からの距離Hfについて、Hc>Hfである。つまり、本例では、スカラップ5の開口縁において、第1の円弧部51が隅肉溶接部42Aと止端421Aを越えたウェブ22の側面222とにまたがって形成される一方で、第2の円弧部52は全体が止端421Aを越えたウェブ22の側面222に形成される。
従って、上記の例では、形状変化点である止端421Aでき裂が発生して止端421Aに沿ってH形断面梁2Bの材軸方向に誘導される。このため、上記の例では、例えば本発明の第1の実施形態において説明したような溝や第3の実施形態で説明したような切取部を形成しなくてもよい。ただし、例えばウェブ22の板厚が厚いと、図1および図2に示した例のように隅肉溶接部42の止端421の下フランジ21からの距離Hfが大きくなる結果、Hf<Hcとすることが困難な場合がある。そのような場合には、上記の第1の実施形態で説明したような溝6、または第3の実施形態で説明したような切取部7を形成することによって、効果的にスカラップ5の開口縁に発生するき裂による下フランジ21の破断を防止することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、各種の変形例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1,1A,1B…接合構造、2,2A…H形断面梁、21…下フランジ、22…ウェブ、23…フィレット、231…止端、3…柱、31…ダイアフラム、32…側面、41…溶接部、42…隅肉溶接部、421…止端、5…スカラップ、51…第1の円弧部、512…第1の変曲点、52…第2の円弧部、521…第2の変曲点、53…直線部、6,6A…溝、7…切取部、71…側面、72…底面。

Claims (8)

  1. ウェブ、フランジ、および前記ウェブと前記フランジとの間の連結部を有するH形断面梁を柱に接合する接合構造であって、
    前記柱に接合される前記H形断面梁の材軸方向の端部では、前記フランジに接する前記ウェブの一部分を切り欠いたスカラップが形成され、前記スカラップの開口縁またはその近傍から前記フランジに沿って延びる前記ウェブまたは前記連結部の欠落部が形成される接合構造。
  2. 前記スカラップの開口縁は、前記フランジに近い側に形成される第1の円弧部と、前記フランジから遠い側に形成される第2の円弧部とを含み、前記第1の円弧部の曲率半径は前記第2の円弧部の曲率半径よりも大きく、前記第1の円弧部と前記第2の円弧部とは第1の変曲点において接続され、
    前記欠落部の前記フランジからの距離Heおよび前記第1の変曲点の前記フランジからの距離Hcについて、Hc≧Heである、請求項1に記載の接合構造。
  3. 前記欠落部は、前記ウェブまたは前記連結部に形成される溝である、請求項1または請求項2に記載の接合構造。
  4. 前記溝は、前記連結部の前記ウェブ側の止端よりも前記フランジ側に形成される、請求項3に記載の接合構造。
  5. 前記欠落部は、前記連結部が前記ウェブ側の止端から前記ウェブの側面に沿って切り取られた切取部である、請求項1または請求項2に記載の接合構造。
  6. 前記連結部は、隅肉溶接部である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の接合構造。
  7. 前記連結部は、圧延加工によって形成されたフィレットである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の接合構造。
  8. ウェブ、フランジ、および前記ウェブと前記フランジとの間の連結部を有するH形断面部材であって、
    前記H形断面部材の材軸方向の少なくとも一方の端部では、前記フランジに接する前記ウェブの一部分を切り欠いたスカラップが形成され、前記スカラップの開口縁またはその近傍から前記フランジに沿って延びる前記ウェブまたは前記連結部の欠落部が形成されるH形断面部材。
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