JP2024033914A - 梁端接合部の接合構造および施工方法 - Google Patents

梁端接合部の接合構造および施工方法 Download PDF

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信孝 清水
博巳 平山
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聡 北岡
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Abstract

【課題】梁端接合部において上フランジ側の裏当て金を分割する場合に、上フランジの破断を防止する効果を最大化する。【解決手段】上フランジ、下フランジおよびウェブを有するH形断面梁を被接合部材に接合する梁端接合部の接合構造であって、上記上フランジの材軸方向の端部は第1の溶接部によって上記被接合部材に接合され、上記下フランジの材軸方向の端部は第2の溶接部によって上記被接合部材に接合され、上記第1の溶接部に形成される外開先の底部に当接される裏当て金は上記ウェブの幅方向両側に分割され、上記ウェブの上記上フランジ側の端部が上記第1の溶接部に接する部分では上記ウェブの上記上フランジ側の端面が上記開先底部を構成し、上記ウェブの上記下フランジ側の端部には上記第2の溶接部を避けるスカラップが形成される、梁端接合部の接合構造が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、梁端接合部の接合構造および施工方法に関する。
工事現場で溶接される現場溶接形式の梁端接合部では、梁の上下フランジの端部を柱またはダイアフラムに溶接するため、梁端部のウェブとフランジとの交差部においてウェブの端部にスカラップと呼ばれるフランジ溶接用の切り欠きが設けられる。ところが、地震時に梁端部に曲げモーメントが作用すると、スカラップ底に応力およびひずみが集中し、スカラップ底を起点として梁端接合部が脆性的に破断する可能性があった。そこで、特許文献1では、スカラップ底側の曲率半径を大きくしたり、スカラップ底をフランジ面から離隔させたりすることによって梁端部のウェブとフランジとの間のフィレット部を削り残し、それによってスカラップ底へのひずみ集中を緩和する技術が提案されている。
特開2020-23785号公報
しかしながら、梁の上フランジ側のスカラップで例えば特許文献1に記載された技術のようにフィレット部を削り残す形状のスカラップを形成した場合、削り残されたフィレット部が上フランジの端部を溶接するための裏当て金と干渉するという問題があった。このような場合は裏当て金の一部を削り残されたフィレット部の形状に溝を形成するなどの加工を行い裏当て金と上フランジとを密着させればよいが、スカラップを形成する以上はスカラップへの応力やひずみの集中が多かれ少なかれ発生するため、裏当て金に溝を形成するための加工によって加工工程が煩雑化することに見合った利益が得られていなかった。
そこで、本発明は、梁端接合部において上フランジ側の裏当て金を分割する場合に、上フランジの破断を防止する効果を最大化することが可能な梁端接合部の接合構造および施工方法を提供することを目的とする。
[1]上フランジ、下フランジおよびウェブを有するH形断面梁を被接合部材に接合する梁端接合部の接合構造であって、上記上フランジの材軸方向の端部は第1の溶接部によって上記被接合部材に接合され、上記下フランジの材軸方向の端部は第2の溶接部によって上記被接合部材に接合され、上記第1の溶接部に形成される外開先の底部に当接される裏当て金は上記ウェブの幅方向両側に分割され、上記ウェブの上記上フランジ側の端部が上記第1の溶接部に接する部分では上記ウェブの上記上フランジ側の端面が上記開先底部を構成し、上記ウェブの上記下フランジ側の端部には上記第2の溶接部を避けるスカラップが形成される、梁端接合部の接合構造。
[2]上記被接合部材は、柱および上記柱に介挿されるダイアフラムを含み、上記第1の溶接部は、上記上フランジの材軸方向の端部を上記ダイアフラムの端面に接合する、[1]に記載の梁端接合部の接合構造。
[3]上記ウェブの上記上フランジ側の端部と、上記ウェブと上記上フランジとの間のフィレット部とが上記第1の溶接部に接する部分で、上記ウェブおよび上記フィレット部に上記第1の溶接部に形成される外開先に連続する切り欠きが形成され、上記切り欠きの底面は上記ダイアフラムの下面に揃えられる、[2]に記載の梁端接合部の接合構造。
[4]上記ウェブは材軸方向で上記第1の溶接部を越えて上記柱側まで延び、上記ウェブの上端面と上記ダイアフラムの下面との間は溶接されていない、[2]に記載の梁端接合部の接合構造。
[5]上記ダイアフラムの板厚は、上記下フランジの板厚よりも厚い、[2]に記載の梁端接合部の接合構造。
[6]上記ウェブと上記上フランジとの間のフィレット部に対向する部分で上記裏当て金に勾配面または曲面が形成される、[1]に記載の梁端接合部の接合構造。
[7][1]から[6]のいずれか1項に記載の接合構造の施工方法であって、上記第1の溶接部および上記第2の溶接部を現場溶接で施工する、梁端接合部の施工方法。
上記の構成によれば、H形断面梁の上フランジ側にスカラップが形成されずにウェブの端面が開先底部を構成するため、スカラップへの応力およびひずみの集中による上フランジの破断を根本的に防止することができる。その一方で、下フランジ側ではスカラップを形成することによってH形断面梁の上下方向の位置調節が可能になり、上フランジ側でスカラップを形成しなくても被接合部材との間に過大な隙間が生じることを防止でき、製作精度を向上することができる。従って、上記の構成によれば、梁端接合部において上フランジ側の裏当て金を分割する場合に、上フランジの破断を防止する効果を最大化することができる。
本発明の一実施形態に係る接合構造を示す図である。 図1のII-II線に沿った断面図である。 図1のIII-III線に沿った矢視図である。 図3のキャビティ部分の拡大図である。 図2および図3のV-V線に沿った断面図である。 図2および図3のVI-VI線に沿った断面図である。 図1に示される接合構造の溶接後の状態を示す図である。 図1に示した接合構造の施工時に利用可能な治具の例を示す図である。 図8のIX-IX線に沿った断面図である。 図1に示した接合構造の変形例を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
図1は本発明の一実施形態に係る接合構造を示す図である。図1に示された接合構造1では、H形断面梁2が、例えば角形鋼管などで構成される柱3およびダイアフラム31,32(被接合部材)に接合される。ダイアフラム31,32は、それぞれ柱3の中間部に介挿され、柱3に溶接されている。H形断面梁2の上フランジ21および下フランジ22の材軸方向の端部は、それぞれ溶接部41,42によってダイアフラム31,32に接合される。溶接部41,42は例えば工事現場で施工されるため、溶接部41の開先は外開先、溶接部42の開先は内開先になる。ウェブ23は、柱3の側面33にスプライスプレート34および溶接部43を介して接合される。他の例では、ダイアフラムが柱3の内部に取り付けられ、上フランジ21、下フランジ22およびウェブ23がいずれも柱3の側面33に溶接部を介して接合されてもよい。
H形断面梁2において、ウェブ23の下フランジ22側の端部には、下フランジ22とダイアフラム32との間の溶接部42を避けるスカラップ6が形成される。スカラップ6は、下フランジ22に接するか、または下フランジ22に近いウェブ23の一部分を切り欠くことによって形成される。図示された例において、スカラップ6の開口縁は、曲率半径が異なる円弧部61,62と、円弧部62に続いて形成されウェブ23の材軸方向の端面まで達する直線部63とを含む。下フランジ22に近い側の円弧部62の曲率半径を円弧部61に比べて相対的に大きくし、かつスカラップ底を下フランジ22の面から離隔させて下フランジ22とウェブ23との間のフィレット部25を削り残すことによって、スカラップ底へのひずみ集中を緩和することができる。なお、図示されたスカラップ6の形状は一例であり、スカラップ形状として既に知られている各種の形状が利用可能である。
一方、ウェブ23の上フランジ21側の端部にはスカラップが形成されない。このため、ウェブ23の上フランジ21の端部が溶接部41に接する部分では、ウェブ23の上フランジ21側の端面が溶接部41の開先底部を構成する。上フランジ21側では、例えば下フランジ22側と同様に上フランジ21とウェブ23との間のフィレット部24を削り残す形状のスカラップを形成すると、削り残されたフィレット部24が裏当て金51に干渉し、例えば裏当て金の一部を削り残されたフィレット部の形状に削り取る加工をする必要が生じる可能性がある。裏当て金を加工するのであれば、そもそも上フランジ21側にスカラップを形成しない方が、スカラップ底への応力およびひずみの集中を根本的に防止できるため有利である。それゆえ、本実施形態では、以下でさらに説明するように、上フランジ21側のみスカラップが形成されない構成を採用している。
図2は図1のII-II線に沿った断面図であり、図3は図1のIII-III線に沿った矢視図であり、図4は図3のキャビティ部分の拡大図であり、図5および図6はそれぞれ図2および図3のV-V線およびVI-VI線に沿った断面図である。なお、これらの図では説明のため、溶接部41に溶接金属が充填される前の状態が図示されている。図2および図3に示されるように、本実施形態では上フランジ21側の裏当て金51がウェブ23の幅方向両側で裏当て金51A,51Bに分割されている。つまり、裏当て金51A,51Bは、ウェブ23、および上フランジ21とウェブ23との間のフィレット部24を避けて、上フランジ21の下面に沿って配置される。図示された例において、H形断面梁2は組立H形鋼であるため、フィレット部24は上フランジ21とウェブ23とを接合する溶接部によって形成され、表面は勾配面である。他の例において、H形断面梁が圧延H形鋼である場合は、一体成形された上フランジとウェブとの間の接続部によってフィレット部が形成される。フィレット部24の表面は図示された例のような勾配面、または曲面であるため、裏当て金51A,51Bのフィレット部24に対向する部分にもフィレット部24の形状に対応する勾配面または曲面を形成することによって、裏当て金51A,51Bとフィレット部24との間の隙間を小さくすることが好ましい。
図3および図5に示されるように、裏当て金51A,51Bが配置される部分では、上フランジ21の開先加工された端面211と、ダイアフラム31の端面311と、裏当て金51A,51Bの上面511とによって溶接金属が充填される空間が形成される。一方、図3、図4および図6に示されるように、ウェブ23およびフィレット部24があるために裏当て金が配置されない部分では、上フランジ21の端面211と、ダイアフラム31の端面311と、ウェブ23およびフィレット部24端部との間に溶接金属が充填される空間が形成される。より具体的には、この空間は、ウェブ23の端面231および開先面232、ならびにフィレット部24の端面241A,241Bおよび開先面242A,242Bによって囲まれる。さらに、溶接金属が充填される空間の幅方向両側は、溶接漏れ防止のために裏当て金51A,51Bの端部に形成される傾斜面512により囲われてもよい。
ここで、ウェブ23の端面231は、フィレット部24の内側にあるウェブ23の仮想的な延長面が、開先加工による削り落とし面である開先面232に交差して露出された平坦な面である。開先面232は、上フランジ21の開先面である端面211の延長面と、ウェブ23の仮想的なボリュームとが交差して露出された傾斜をもつ面である。一方、フィレット部24の端面241A,241Bは、ウェブ23の両側で上フランジ21とウェブ23とをつなぐフィレット部24の表面とは反対側で、フィレット部24が開先加工による削り落とし面である開先面242A,242Bに交差して露出された平坦な面である。開先面242A,242Bは、上フランジ21の開先面である端面211の延長面とフィレット部24とが交差して露出された傾斜をもつ面である。なお、組立H形鋼の場合は上フランジ21およびウェブ23がそれぞれ溶接により少なくとも一部が溶け込んでおり、また圧延H形鋼の場合は上フランジ21およびウェブ23が一体成形されているため、上述したウェブ23の端面231およびフィレット部24の端面241A,241B、ならびにウェブ23の開先面232およびフィレット部24の開先面242A,242Bは、それぞれ形状的に連続している。
上述したようなウェブ23およびフィレット部24がある部分における開先は、ウェブ23の上フランジ21側の端部とフィレット部24とが溶接部41に接する部分に形成され、ウェブ23およびフィレット部24に溶接部41の開先に連続する切り欠き26を含む。切り欠き26は、ウェブ23およびフィレット部24の端面231,241A,241Bによって構成される底面261と、開先面232,242A,242Bによって構成される立ち上がり面262とを含む。立ち上がり面262は、例えば開先加工された上フランジ21の端面211と同じ傾斜で形成される。切り欠き26は、例えば上フランジ21の開先加工と同時に切削などによって形成されてもよい。切り欠き26の底面261は、上フランジ21の下面および裏当て金51A,51Bの上面よりも下方にあり、ダイアフラム31の下面312に揃えられる。つまり、溶接部41の開先底部には、切り欠き26の底面261および立ち上がり面262、ダイアフラム31の端面311、ならびに裏当て金51A,51Bの側面(上述のように、傾斜面または曲面でありうる)によって囲まれるキャビティが形成される。
上記のような切り欠き26によって形成されるキャビティは溶接部41の形成時に溶接金属を充填することによって埋められる。このときにショートビードによる溶接割れなどの溶接欠陥が発生しないように、上フランジ21の幅方向における端面241A、241B、端面231の幅wを例えば30mm以上とし、キャビティが上フランジ21の幅方向についてある程度の長さをもって形成されるようにすることが望ましい。なお、適切な寸法は溶接の条件によっても変わるため、上記の30mm以上の範囲は一例にすぎない。
本実施形態では、上記のような切り欠き26が形成されることによって、H形断面梁2の材軸方向の建方誤差によってウェブ23とダイアフラム31の端面311との間に隙間が生じることを防止できる。また、上述のように下フランジ22側にはスカラップ6が形成されるため、下フランジ22側で裏当て金52がダイアフラム32の端面に当接された状態を維持したまま、H形断面梁2の位置を上下方向に調節し、H形断面梁2の上下方向の建方誤差によって切り欠き26の底面261とダイアフラム31の下面312との間に過大な隙間が生じることを防止できる。
ただし、工事現場では上向き姿勢での溶接作業が困難であるため、図7に示されるようにH形断面梁2が柱3およびダイアフラム31に接合された後も、ウェブ23の上端面とダイアフラム31の下面312との間には溶接されない微小な隙間Gが残存する。隙間Gが微小であれば、キャビティ部の溶接時における溶接漏れが防止できる。さらに、隙間Gでのウェブ23の過大なせん断変形を抑制することができ、隙間Gからダイアフラム31を板厚方向に貫通するような破壊を抑制することができる。なお、工事現場での上向き姿勢での溶接作業が可能である場合には、隙間Gを溶接しダイアフラム31とフィレット部24とを接合することで、隙間Gからダイアフラム31を板厚方向に貫通するような破壊をより確実に防止してもよい。
さらに、本実施形態では、上フランジ21側のダイアフラム31の板厚を下フランジ22の板厚よりも厚くすることによって、下フランジ22の耐力をダイアフラム31よりも低くし、ダイアフラム31の破壊よりも下フランジ22の破壊が先行するようにしてもよい。この場合、地震時にダイアフラム31が破断することはないため、梁端接合部の設計においては、下フランジ22が地震時に必要とされる耐力を十分に確保するように設計すればよい。ダイアフラム31の板厚の上限はないが、キャビティの溶接積層数を最小限にするためにも、ダイアフラム31下面と上フランジ21下面との距離は9mm以下に収めることが望ましい。なお、この場合において、上フランジ21が下フランジ22と同じ板厚であってもよいし、ダイアフラム32がダイアフラム31と同じ板厚であってもよい。
以上で説明したような本発明の一実施形態によれば、H形断面梁2の上フランジ21側にスカラップが形成されないため、スカラップ底への応力およびひずみの集中による上フランジ21の破断を根本的に防止することができる。その一方で、下フランジ22側ではスカラップ6を形成することによってH形断面梁2の上下方向の位置調節が可能になり、上フランジ21側でスカラップを形成しなくてもダイアフラム31との間に過大な隙間が生じることを防止できる。なお、下フランジ22側のスカラップ6は、裏当て金52がスカラップ6とは反対側にあるため、例えばフィレット部25を削り残すようなスカラップ形状を採用することが可能であり、スカラップ6を形成しつつスカラップ底への応力およびひずみの集中を緩和することができる。
また、副次的な効果として、スカラップのない上フランジ21よりもスカラップ6がある下フランジ22の破壊が先行することが明らかであるため、破断に対する繰り返し変形性能評価は下フランジ22側についてのみ行えばよく、設計工程を簡略化することができる。また、上下フランジの両方にスカラップが形成されている場合には開先の向きでH形断面梁の上下を見分ける必要があったが、下フランジ22側のみにスカラップ6が形成されている場合はスカラップの有無でH形断面梁2の上下を見分けることができ、施工現場での作業が容易になる。
図8は、図1に示した接合構造の施工時に利用可能な治具の例を示す図であり、図9は図8のIX-IX線に沿った断面図である。上述のように、本実施形態では上フランジ側の裏当て金51がウェブ23の両側で裏当て金51A,51Bに分割されている。一般に裏当て金は溶接部の開先に溶接金属を充填する前に組立て溶接で固定されるが、例えば裏当て金を2つに分割した場合には組立て溶接も2か所に増える。図示された例では、組立溶接の箇所が増えることによる工程の煩雑化を避けるために、裏当て金51A,51Bを支持する治具7が使用されている。治具7は、H形断面梁2の上フランジ21に載置される梁部71と、梁部71の両側に設けられるL字形の腕部72A,72Bとを含む。裏当て金51A,51Bは、腕部72A,72Bの先端にボルトなどの機械的な連結手段によって取り付けられることによって、上フランジ21の幅方向外側から支持される。
例えば、裏当て金51A,51Bが取り付けられた治具7をH形断面梁2の材軸方向の端部側から差し入れて梁部71を上フランジ21に載置し、その状態でH形断面梁2を柱3およびダイアフラム31に対向する位置に建て付ける。治具7をH形断面梁2の材軸方向の端部に向かって移動させて裏当て金51A,51Bを上フランジ21の材軸方向の端部で開先底部に当接させ、開先に溶接金属を充填して溶接部41(図8および図9には図示されていない)を形成する。溶接部41の形成後は、腕部72A,72Bの先端の連結手段による連結を解除して治具7を裏当て金51A,51Bから取り外す。
上記のような治具7を用いれば、裏当て金51A,51Bの組立て溶接が不要であるため、裏当て金51A,51B分割されている場合であっても工程の煩雑化を避けることができる。治具7では、腕部72A,72BがL字形であることによって、裏当て金51A,51Bを上フランジ21の幅方向外側から支持して開先底部に当接させる一方で、梁部71は開先から離れた位置で上フランジ21に載置されるため、溶接部41を形成する溶接工程において治具7が支障になることはない。
図10は、図1に示した接合構造の変形例を示す図である。接合構造1において、スプライスプレート34のサイズに限定はない。例えば、図10に示された例のようにスプライスプレート34の上端がフィレット部24の止端に接し、柱3の側面33とダイアフラム31との間の溶接部と、ウェブ23と側面33との間の溶接部43とが重なってもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの例に限定されない。本発明の属する技術の分野の当業者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1…接合構造、2…H形断面梁、21…上フランジ、22…下フランジ、211…端面、23…ウェブ、231…端面、232…開先面、24…フィレット部、241A,241B…端面、242A,242B…開先面、25…フィレット部、26…切り欠き、261…底面、262…立ち上がり面、3…柱、31,32…ダイアフラム、311…端面、312…下面、33…側面、34…スプライスプレート、41,42,43…溶接部、51,51A,51B,52…裏当て金、511…上面、512…傾斜面、6…スカラップ、61,62…円弧部、63…直線部、7…治具、71…梁部、72A,72B…腕部、G…隙間。

Claims (7)

  1. 上フランジ、下フランジおよびウェブを有するH形断面梁を被接合部材に接合する梁端接合部の接合構造であって、
    前記上フランジの材軸方向の端部は第1の溶接部によって前記被接合部材に接合され、
    前記下フランジの材軸方向の端部は第2の溶接部によって前記被接合部材に接合され、
    前記第1の溶接部に形成される外開先の底部に当接される裏当て金は前記ウェブの幅方向両側に分割され、前記ウェブの前記上フランジ側の端部が前記第1の溶接部に接する部分では前記ウェブの前記上フランジ側の端面が前記開先底部を構成し、
    前記ウェブの前記下フランジ側の端部には前記第2の溶接部を避けるスカラップが形成される、梁端接合部の接合構造。
  2. 前記被接合部材は、柱および前記柱に介挿されるダイアフラムを含み、
    前記第1の溶接部は、前記上フランジの材軸方向の端部を前記ダイアフラムの端面に接合する、請求項1に記載の梁端接合部の接合構造。
  3. 前記ウェブの前記上フランジ側の端部と、前記ウェブと前記上フランジとの間のフィレット部とが前記第1の溶接部に接する部分で、前記ウェブおよび前記フィレット部に前記第1の溶接部に形成される外開先に連続する切り欠きが形成され、
    前記切り欠きの底面は前記ダイアフラムの下面に揃えられる、請求項2に記載の梁端接合部の接合構造。
  4. 前記ウェブは材軸方向で前記第1の溶接部を越えて前記柱側まで延び、
    前記ウェブの上端面と前記ダイアフラムの下面との間は溶接されていない、請求項2に記載の梁端接合部の接合構造。
  5. 前記ダイアフラムの板厚は、前記下フランジの板厚よりも厚い、請求項2に記載の梁端接合部の接合構造。
  6. 前記ウェブと前記上フランジとの間のフィレット部に対向する部分で前記裏当て金に勾配面または曲面が形成される、請求項1に記載の梁端接合部の接合構造。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の接合構造の施工方法であって、
    前記第1の溶接部および前記第2の溶接部を現場溶接で施工する、梁端接合部の施工方法。
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