JP2020169232A - 白色インク、インク収容容器、記録装置、記録方法、及び記録物 - Google Patents

白色インク、インク収容容器、記録装置、記録方法、及び記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来から、白色顔料を用いることができ、結晶性ポリエステル樹脂を含有するインクが開示されている。しかしながら、白色インク中における色材の沈降性が低く、記録媒体に付与されて形成される画像において白色度および耐擦性が高い白色インクを得ることが困難である課題がある。【解決手段】 結晶性ウレタン樹脂及び色材を含有する白色インク。【選択図】なし

Description

本発明は、白色インク、インク収容容器、記録装置、記録方法、及び記録物に関する。
インクジェット記録装置は、低騒音、低ランニングコスト、カラー印刷が容易であるなどの利点を有しており、デジタル信号の出力機器として一般家庭に広く普及している。また、近年では、家庭用のみならず商業用途や産業用途にもインクジェット技術が利用されてきている。
商業用途や産業用途の場合、記録媒体は紙に限定されず、透明なものから着色されたものまで幅広い。これらの記録媒体に白を表現する場合やカラーインクで着色する場合、記録媒体の透明性をインクで隠蔽したり、記録媒体の色をインクで十分に隠蔽したりする必要がある。そこで、このような透明媒体や着色媒体を白色にするために白色インクが用いられている。
白色インク用の白色の色材としては、隠蔽力、着色力等に優れた二酸化チタン等が広く用いられている。また、これら白色の色材を用いて高い隠蔽力を得るには、粒径を約200nmから300nmに調整することで可視光を散乱させることが好ましい。しかし、このような二酸化チタン等の白色の色材は、インク媒体と比較して比重が大きいため沈降しやすい。また、水性インクやソルベント系インクなどの低粘度インクで用いた場合、沈降速度がより速くなる。
また、商業用途や産業用途の場合、インク低吸収性の印刷用塗工紙(コート紙)やインク非吸収性のプラスチックメディア(フィルム)も記録媒体として用いられるため、これらメディアに対しても、十分な耐擦性を発揮するインクが求められている。特に、二酸化チタン等の白色の色材を含む白色インクにより印刷した場合、色材が記録媒体の最表面に付着しているため剥がれ落ちやすく、より耐擦性を発揮するインクが求められている。
特許文献1には、白色顔料を用いることができ、結晶性ポリエステル樹脂を含有するインクが開示されている。
しかしながら、白色インク中における色材の沈降性が低く、記録媒体に付与されて形成される画像において白色度および耐擦性が高い白色インクを得ることが困難である課題がある。
請求項1に係る発明は、結晶性ウレタン樹脂及び色材を含有する白色インクである。
本発明の白色インクは、白色インク中における色材の沈降性が低く、記録媒体に付与されて形成される画像において白色度および耐擦性が高い優れた効果を奏する。
図1は、記録装置の一例を示す斜視説明図である。 図2は、メインタンクの一例を示す斜視説明図である。
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
<<白色インク>>
本実施形態の白色インクは、色材および樹脂を含み、必要に応じて、水、有機溶剤、及び界面活性剤等の成分を含んでもよい。なお、本実施形態の白色インクにより形成される画像のハンター白色度は、60以上であることが好ましく、70以上であることがより好ましいが、これに限定されない。
<樹脂>
本実施形態の白色インクは、樹脂として、結晶性を有するウレタン樹脂(「結晶性ウレタン樹脂」とも称する)を含み、必要に応じて他の種類の樹脂を更に含んでもよい。
他の種類の樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂、及び結晶性を有さないウレタン樹脂などが挙げられる。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
以降、結晶性ウレタン樹脂について詳細を説明する。
−結晶性ウレタン樹脂−
結晶性ウレタン樹脂とは、結晶性部位を有する樹脂であるが、結晶性を有さない部位を有していてもよい。結晶性ウレタン樹脂の結晶性、分子構造等については、例えば、NMR測定、示差走査熱量計(DSC)測定、X線回折測定、GC/MS測定、LC/MS測定、赤外線吸収(IR)スペクトル測定などにより確認することができる。また、ウレタン樹脂の結晶性については、後述する測定条件で示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した際に、吸熱ピークを有するウレタン樹脂であることを判断の基準にすることが好ましく、吸熱ピークにおける融解熱量が5J/g以上であるウレタン樹脂であることを判断の基準にすることがより好ましい。なお、結晶性ウレタン樹脂の結晶性部位は、高い結晶性を発現することから、ポリエステルであることが好ましく、脂肪族ポリエステルであることがより好ましい。
結晶性ウレタン樹脂は、白色インクが記録媒体に付与された後で加熱乾燥されるときに、一旦融解または溶解して低粘度化しながら画像を形成するため、記録媒体との接触面積が増え、密着性が向上し、結果として耐擦性が向上する。また、その後、再結晶化しながら画像を形成するため、画像表面で光が散乱しやすくなり、結果として白色度が向上する。また、結晶化の効果に加え、ウレタン樹脂の特性である靭性の高さにも起因し、耐擦性が向上する。なお、上記の通り、結晶性ウレタン樹脂を用いることで白色度を向上させることができるため、白色インク中における白色の色材の含有量を下げることができる。これにより、色材の沈降を抑制することができる。
結晶性ウレタン樹脂は、樹脂中の構造として、架橋構造及び伸長構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有することが好ましい。これら構造は、それぞれ独立してポリアミンに由来することが好ましい。また、トリアミンに由来する架橋構造を有することがより好ましい。結晶性ウレタン樹脂が、架橋構造及び伸長構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有することで、白色インクの保存安定性が良好になる。
結晶性ウレタン樹脂は、下記の測定条件で示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した際に吸熱ピークを有し、具体的には、第二昇温過程にて40℃以上100℃以下の範囲で融解ピーク温度(Tm)(以降の説明では単に「融点」とも称する)を有することが好ましく、40℃以上70℃以下の範囲で融点を有することがより好ましく、40℃以上60℃以下の範囲で融点を有することが更に好ましい。融点が40℃以上100℃以下であることで、付与された白色インクの加熱乾燥工程において、結晶性ウレタン樹脂が溶融しながら塗膜を形成するため、記録媒体との接触面が大きくなり、画像の記録媒体に対する密着性が向上する。また、密な塗膜を作ることができるため白色度が向上する。
(測定条件)
4gの「結晶性ウレタン樹脂の水分散液」または「結晶性ウレタン樹脂を含有する白色インク」を均一に広がるように容器に入れる。次に、それを70℃で18時間乾燥させ、次いで120℃で15分乾燥させて測定サンプルの固形物を得る。その後、測定サンプルの熱特性を示差走査熱量計(DSC)(TAインスツルメンツ社製Q2000)を用いて、下記の条件下で測定する。得られた測定結果から吸発熱量と温度とのグラフを作成し、第二昇温過程にて得られる融解(吸熱)ピークの頂点における温度を融点とする。
・サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(蓋有り)
・サンプル量:5mg
・リファレンスアルミニウム製サンプルパン(空の容器)
・雰囲気:窒素(流量50mL/min)
・開始温度:−20℃
・昇温速度:10℃/min
・終了温度:130℃
・保持時間:1min
・降温速度:10℃/min
・終了温度:−50℃
・保持時間:5min
・昇温速度:10℃/min
・終了温度:130℃
結晶性ウレタン樹脂の上記吸熱ピークにおける融解熱量は、0.5J/g以上50J/g以下であることが好ましく、1J/g以上40J/g以下であることがより好ましく、2J/g以上30J/g以下であることが更に好ましい。融解熱量が0.5J/g以上であると、結晶性部位の結晶化度が高まるので加熱乾燥過程における粘度低下も十分となり、画像の密着性低下が抑制される。また、50J/g以下であると、樹脂中の結晶性部位の占める割合が高くなりすぎず、保存安定性の低下が抑制される。
なお、結晶性ウレタン樹脂の結晶化ピーク温度(結晶化温度:Tc)は、第二降温過程において、−30℃以上50℃以下であることが好ましく、−20℃以上30℃以下であることがより好ましく、−20℃以上20℃以下であることが更に好ましく、−20℃以上0℃以下であることが特に好ましい。結晶化ピーク温度が−30℃以上50℃以下であることで、付与された白色インクの加熱乾燥工程において、樹脂が溶融した後、結晶化するため、強靭な膜を作ることができ、耐擦性が向上する。
また、結晶性ウレタン樹脂の結晶化ピークにおける結晶化熱量は、0.5J/g以上50J/g以下であることが好ましく、1J/g以上40J/g以下であることがより好ましく、2J/g以上30J/g以下であることが更に好ましい。結晶化熱量が0.5J/g以上であることで、結晶性が十分に発現し、画像の白色度が向上する。また、50J/g以下であることで、結晶性ウレタン樹脂中の結晶性部位の占める割合が過度に多くならず、白色インクの保存安定性が向上する。
結晶性ウレタン樹脂の酸価は、8mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることが好ましく、10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることがより好ましい。この範囲とすることにより、結晶性ウレタン樹脂の水性媒体中における自己乳化性が向上する。また、酸価が8mgKOH/g以上であると、樹脂の分散安定性が良好となり、樹脂が均一に充填されることで均一な被膜が形成され、力学強度に優れた画像が形成できる。また、酸価が50mgKOH/g以下であると、力学強度に優れた被膜が形成できることに加え、樹脂の親水性が適正であることにより、耐水性が向上し、樹脂粒子として白色インクに含有される場合の安定性が良好となる。
結晶性ウレタン樹脂の酸価の測定方法としては、例えば、結晶性ウレタン樹脂をテトラヒドロフラン(THF)溶液に入れ、0.1Mの水酸化カリウムメタノール溶液を用いて滴定することで、測定することができる。
結晶性ウレタン樹脂は、樹脂エマルションであることが好ましい。樹脂エマルションとは、樹脂粒子が、水、インク等の水性媒体などに分散している状態を指し、樹脂粒子が固体、液体かは問わない。なお、水性媒体や水性インクとは、水または親水性溶剤を成分として含むものを指し、水および親水性溶剤を共に含んでいてもよい。
結晶性ウレタン樹脂を含む樹脂粒子を水中やインク等の水性媒体などに分散させる方法としては、分散剤を用いる強制乳化法や、アニオン性基を有する樹脂を使用する自己乳化法などが挙げられる。強制乳化法の場合、インクにより形成される画像に分散剤が残り、画像の強度を下げるおそれがあることから、自己乳化法を用いることが好ましい。
アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基、スルホネート基などが挙げられる。これらの中でも、一部又は全部、特に好ましくは全部が塩基性化合物等により中和されたカルボキシレート基やスルホネート基を使用することが好ましい。
アニオン性基の中和に使用可能な中和剤としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミンや、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン等の塩基性化合物、Na、K、Li、Ca等を含む金属塩基化合物などが挙げられる。
結晶性ウレタン樹脂を樹脂粒子として用いる場合、樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、体積分布頻度が50%となる粒径(D50)が、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が更に好ましい。体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂エマルションを作製する手法としては特に制限はないが、転相乳化法が好ましい。例えば、結晶性ウレタン樹脂を無溶剤下又は有機溶剤存在下において、結晶性ウレタン樹脂中のアニオン性基を必要に応じて中和剤により中和し、その後水を入れて分散させ、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
この際、使用可能な有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン等のアミド類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
結晶性ウレタン樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、白色インクの保存安定性の点から、白色インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
−結晶性ウレタン樹脂の製造方法−
結晶性ウレタン樹脂の製造方法の一例としては、次の方法が挙げられる。
まず、無溶剤下または有機溶剤存在下で、結晶性ポリマーポリオール(A)、短鎖多価アルコール(B)、アニオン性基を有する多価アルコール(C)、及びポリイソシアネート(D)を反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
次に、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて中和剤により中和し、その後、ポリアミン(E)を添加することにより、末端のイソシアネート基とポリアミンで形成されるウレア結合により、結晶性ウレタン樹脂を伸長または架橋させることもできる。
反応時に使用可能な有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン等のアミド類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
反応で用いる各材料の構成比率としては、[Cのモル数/(Aのモル数+Bのモル数+Cのモル数)]は、0.15以上0.5以下が好ましく、0.2以上0.5以下がより好ましく、0.25以上0.4以下が更に好ましい。
構成比率が0.5以下であることにより、過度な親水性によって、脆性の著しいインク膜とならず、画像の耐水性が低下することを抑制することができる。また、樹脂粒子の過度な微細化による白色インクの増粘を抑制することができる。一方、構成比率が0.15以上であることにより、樹脂粒子の分散安定性が向上する。
また、反応で用いる各材料の構成比率としては、[Dの当量数/(Aの当量数+Bの当量数+Cの当量数)]は、1.05以上1.6以下が好ましく、1.05以上1.5以下がより好ましく、1.1以上1.25以下が更に好ましい。
構成比率を上記範囲とすることにより、力学強度に優れた膜を得ることができ、耐ブロッキング性と耐擦性に優れた画像を形成することができる。
−−結晶性ポリマーポリオール(A)−−
結晶性ポリマーポリオールとしては、結晶性ポリエステルポリオールであることが好ましく、脂肪族ポリエステルセグメントを有する結晶性ポリエステルポリオールであることがより好ましい。結晶性ポリマーポリオールが結晶性ポリエステルポリオールであることで、結晶性ウレタン樹脂における結晶性をより強く発現させることができる。なお、結晶性ポリマーポリオールは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
結晶性ポリマーポリオールとしては、水酸基価(OHV)が20mgKOH/g以上200mgKOH/g以下が好ましく、50mgKOH/g以上150mgKOH/g以下がより好ましく、70mgKOH/g以上120mgKOH/g以下が更に好ましい。
水酸基価が上記範囲であることにより、樹脂の分散安定性が良好となり、また適当な結晶性を発現することで、定着性に優れた画像を形成可能な結晶性ウレタン樹脂を得ることができる。
結晶性ポリマーポリオールの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、GPC測定において、重量平均分子量(Mw)は、500以上15,000以下であることが好ましく、500以上10,000以下であることがより好ましく、1,000以上5,000以下であることが更に好ましい。
重量平均分子量が、上記範囲内であると、樹脂の分散安定性が良好となり、また適当な結晶性を発現することで、定着性に優れた画像を形成可能な結晶性ウレタン樹脂を得ることができる。
結晶性ポリマーポリオールの融点(Tm)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃以上100℃以下であることが好ましい。融点は、示差走査熱量計(DSC)測定におけるDSCチャートの吸熱ピーク値により測定することができる。結晶性ポリエステルの結晶性、分子構造等については、NMR測定、示差走査熱量計(DSC)測定、X線回折測定、GC/MS測定、LC/MS測定、赤外線吸収(IR)スペクトル測定などにより確認することができる。
次に、結晶性ポリマーポリオールの製造方法の一例について説明する。結晶性ポリマーポリオールは、例えば、無溶剤下又は有機溶剤存在下で、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステル等の多価カルボン酸類及び/又はその誘導体と、の重縮合により製造されることが好ましい。すなわち、結晶性ウレタン樹脂の結晶性部位は、結晶性ポリマーポリオールの製造に用いられるアルコールと多価カルボン酸等とに由来する。なお、結晶性ポリエステルポリオール等の結晶性ポリマーポリオールの酸価は、任意の方法で調整可能である。例えば、得られた結晶性ポリマーポリオールと、多価カルボン酸及び/又はカルボン酸無水物と、を反応させることで酸価を付与することができる。
−−−多価アルコール−−−
多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のアルコールが挙げられる。
ジオールとしては、例えば、脂肪族ジオールが好ましく、飽和脂肪族ジオール等がより好ましい。
飽和脂肪族ジオールとしては、例えば、直鎖飽和脂肪族ジオール、分岐飽和脂肪族ジオールが挙げられる。これらの中でも、直鎖飽和脂肪族ジオールが好ましく、炭素数が2以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジオールがより好ましい。飽和脂肪族ジオールが直鎖型であると、結晶性が低下せず、融点が低下しにくい。飽和脂肪族ジオールの炭素数が12以下であると、材料の入手が容易となるので、炭素数は12以下であることがより好ましい。
飽和脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−多価カルボン酸類−−−
多価カルボン酸類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸が挙げられるが、脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。
2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の芳香族ジカルボン酸、又はこれらの無水物、或いはこれらの低級(炭素数1〜3)アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、又はこれらの無水物、あるいはこれらの低級(炭素数1〜3)アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、多価カルボン酸としては、飽和脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、2重結合を持つジカルボン酸などを含有していてもよい。
−−短鎖多価アルコール(B)−−
短鎖多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の炭素数2以上15以下の多価アルコール類などが挙げられる。
−−アニオン性基を有する多価アルコール(C)−−
アニオン性基を有する多価アルコールとしては、特に限定はないが、2つ以上のヒドロキシル基を有し、アニオン性基としてカルボン酸、スルホン酸などの官能基を有する材料を使用することができる。例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、トリメチロールプロパン酸、トリメチロールブタン酸などカルボン酸基類や、1,4−ブタンジオール−2−スルホン酸等のスルホン酸基類が挙げられる。
−−ポリイソシアネート(D)−−
ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4‘4’‘−とリフェニルメタントリイソシアネート、m−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−ジクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネーネート等の脂環式ポリイソシアネート化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物が好ましく、脂環式ポリイソシアネート化合物がより好ましく、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが特に好ましい。
−−ポリアミン(E)−−
ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン類;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類;ヒドラジン、N,N’−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン等のヒドラジン類;コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類などが挙げられる。
−結晶性ウレタン樹脂のウレタン基含有量−
本実施形態の白色インクは、白色インクに含まれる結晶性ウレタン樹脂のポリウレタンセグメントにおけるウレタン基含有量を高めることで、ウレタン基の水素結合による高い凝集力により、強度、伸度の両方に優れた強靭な膜を形成することができ、耐擦性に優れた画像を形成することができる。ウレタン基の含有量は、例えば、下記式1のようにして計算することができる。なお、下記式1において、水酸基を含む化合物とは、結晶性ウレタン樹脂を作製する際に用いられる材料としての化合物のうち水酸基を有するものを指す。
−結晶性ウレタン樹脂における架橋−
結晶性ウレタン樹脂は、元来の特色の一つである水素結合に加えて、その分子構造内に、共有結合に由来する化学架橋を有することが好ましい。共有結合に由来する化学架橋を有することにより、結晶性ウレタン樹脂の力学強度が優れたものとなり、最終的な画像として耐擦性に優れたものを得ることができる。
化学架橋を導入する方法としては、例えば、結晶性ポリマーポリオールの官能基数を2より大きくすること、3官能以上の短鎖多価アルコールを用いること、3官能以上のポリイソシアネートを用いること、3官能以上のポリアミン(トリアミン)を用いることなどが挙げられる。化学架橋を導入する方法は、何れか一つを単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。化学架橋を導入する方法は、何れも好適に用いることができるが、架橋密度の観点から結晶性ポリマーポリオールの官能基数を2より大きくする方法、又は3官能以上のポリアミン(トリアミン)を用いることが特に好ましい。なお、結晶性ポリマーポリオールの官能基数は、2より大きく2.5以下であることが好ましく、2.02以上2.15以下であることがより好ましい。この範囲とすることにより、力学強度に優れた結晶性ウレタン樹脂を得ることができ、耐擦性に優れた画像を形成することができる。結晶性ポリマーポリオールの官能基数を2より大きくすることは、官能基数が2である結晶性ポリマーポリオールと、官能基数が3以上である結晶性ポリマーポリオールの併用により達成することができる。官能基数が2である結晶性ポリマーポリオールと、官能基数が3以上である結晶性ポリマーポリオールを併用したときの、結晶性ポリマーポリオール全体での官能基数は下記式2により計算することができる。
ただし、上記式2中、aは下記式3で表される結晶性ポリマーポリオール全体に対する官能基数が2である結晶性ポリマーポリオールの質量比であり、bは官能基数が3以上である結晶性ポリマーポリオールの官能基数であり、2とは官能基数が2である結晶性ポリマーポリオールの官能基数のことである。
ただし、上記式3中、cは官能基数が2である結晶性ポリマーポリオールの質量であり、dは官能基数が3以上である結晶性ポリマーポリオールの質量である。なお、官能基数が3以上である結晶性ポリマーポリオールとしては、官能基数が3の結晶性ポリマーポリオールであることが好ましい。
<色材>
色材は、白色を呈し、例えば、無機顔料、無機中空粒子、樹脂中空粒子等が挙げられ、無機顔料であることが好ましい。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム等が挙げられ、酸化チタンであることが好ましい。
色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、白色インク全量に対して、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
なお、色材として比重が大きい酸化チタン等の無機顔料を用いた場合、色材が沈降しやすい課題がある。色材の沈降を抑制するためには、白色インク中における色材の含有量を少なくすることが考えられるが、白色インクによる白色度が低下する別の課題が生じる。そこで、白色度を向上させることができる上述の結晶性ウレタン樹脂を色材と併用することで、白色インク中における色材の含有量を少なくして色材の沈降を抑制しつつも、白色度を向上させることができる。
色材を分散して白色インクを得る方法としては、色材に親水性官能基を導入して自己分散性とする方法、色材の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
色材に親水性官能基を導入して自己分散性とする方法としては、例えば、色材にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
色材の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、色材をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆型と言い換えることができる。この場合、白色インクに配合される色材はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、被覆されない色材や、部分的に被覆された色材が白色インク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、色材に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
分散剤として、竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
−分散体−
色材は、水や分散剤などを混合して分散体とした上で、更に、水や有機溶剤などの材料と混合し、白色インクの製造に用いることも可能である。分散体は、水、色材、分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いることが好ましい。
分散体における色材の粒径は、特に制限されないが、最大個数換算で最大頻度が100nm以上800nm以下であることが好ましく、200nm以上600nm以下であることがより好ましい。粒径が100nm以上であることで、白色度が向上し、800nm以下であることで沈降を抑制することができる。色材の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
分散体における色材の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<有機溶剤>
有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
多価アルコール類の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
アミド類としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等が挙げられる。
アミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
含硫黄化合物類としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。
その他の有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
有機溶剤として、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、白色インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤の白色インク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、白色インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、白色インク全量に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
白色インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、白色インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、白色インク全量に対して、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましい。シリコーン系界面活性剤としては、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。 これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CmF2m+1でmは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
白色インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、白色インク全量に対して、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
<<白色インクの製造方法>>
白色インクの製造方法としては、例えば、水、色材、樹脂、及びその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、撹拌混合して製造する方法が挙げられる。分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散等により行うことができる。撹拌混合は、例えば、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等により行うことができる。
<<記録媒体>>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材であることが好ましい。記録媒体が非浸透性基材であると、白色インクにより形成される画像の耐擦性が劣る課題が生じやすく、本実施形態の白色インクを用いたときに得られる効果が大きくなるためである。
非浸透性基材とは、水透過性、水吸収性、又は水吸着性が低い表面を有する基材を指し、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない基材も含まれる。より定量的には、ブリストー(Bristow)法において、接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材を指す。
非浸透性基材の中でも、塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルムフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム、合成紙が挙げられる。
ポリプロピレンフィルムとしては、例えば、東洋紡社製P−2002、P−2161、P−4166、SUNTOX社製PA−20、PA−30、PA−20W、フタムラ化学社製FOA、FOS、FORなどが挙げられる。
ポリエチレンテレフタレートフィルムとしては、例えば、東洋紡社製E−5100、E−5102、東レ社製P60、P375、帝人デュポンフィルム社製G2、G2P2、K、SLなどが挙げられる。
ナイロンフィルムとしては、例えば、東洋紡社製ハーデンフィルムN−1100、N−1102、N−1200、ユニチカ社製ON、NX、MS、NKなどが挙げられる。
合成紙としては、例えば、ユポコーポレーション社製FPU130、FPU200、FPU250、VJFP120などが挙げられる。
<<記録物>>
記録物は、記録媒体と、記録媒体上に付与された本実施形態の白色インクにより形成された白色の印刷層と、を有する。印刷層は、本実施形態の白色インクが付与され、乾燥することで形成される層なので、上記の結晶性ウレタン樹脂及び色材を含有する。
<<インク収容容器>>
インク収容容器は、本実施形態の白色インクを収容するインク収容部を備え、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を有してもよい。
インク収容容器は、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク収容部を有するもの、大容量のインクタンクなどが好適である。
<<記録装置、記録方法>>
本実施形態の白色インクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
記録装置、記録方法とは、記録媒体に対して白色インクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、白色インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、白色インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、白色インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ホワイト(W)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410w、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
<<用途>>
本実施形態の白色インクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、白色インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、白色インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、白色インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上に白色インクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以降の説明において「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表し、「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。
まず、以下記載する合成例、作製例、調製例、実施例、比較例における各種物性の測定方法を示す。
<分子量>
装置:GPC(東ソー(株)製)、検出器:RI、測定温度:40℃
移動相:テトラヒドロフラン、流量:0.45mL/min.
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)は、夫々、分子量既知のポリスチレン試料によって作成した検量線を標準としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定される数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布である。なお、カラムは排除限界6万のもの、2万のもの、1万のものを直列に繋いだものを使用した。
<融点(Tm)、結晶化温度(Tc)、ガラス転移温度(Tg)>
4gの樹脂の分散液(樹脂エマルション)を均一に広がるように容器に入れ、それを70℃で18時間乾燥させ、次いで120℃で15分乾燥させて測定サンプルの固形物を得た。
測定サンプルについて、各々熱特性を示差走査熱量計(DSC)(TAインスツルメンツ社製Q2000)を用いて、以下の条件にて測定した。具体的には以下のようにして、測定した。
(測定条件)
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(蓋有り)
サンプル量:5mg
リファレンスアルミニウム製サンプルパン(空の容器)
雰囲気:窒素(流量50mL/min)
開始温度:−20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:130℃
保持時間:1min
降温速度:10℃/min
終了温度:−50℃
保持時間:5min
昇温速度:10℃/min
終了温度:130℃
以上の測定条件にて、測定を行い、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを作成した。
第二昇温過程にて観測される融解(吸熱)ピークにおける温度を融点(Tm)、第二降温過程にて観測される結晶化(発熱)ピークにおける温度を結晶化温度(Tc)、第一昇温過程にて観測される特徴的な変曲を、ガラス転移温度(Tg)とした。なお、これらは、DSC曲線からミッドポイント法によって得た値を使用した。
<体積平均粒径>
体積平均粒径は、ゼータ電位・粒径測定システム(ELSZ−1000、大塚電子株式会社製)を用いて、動的光散乱法により測定した。
まず、0.2gの樹脂の分散液(樹脂エマルション)を取り、次に、イオン交換水を加えて20倍に希釈し、得られた溶液の一部を石英セルに入れ、サンプルホルダーにセットした。そして、温度:25℃、ダストカット(回数:5、Upper:5、Lower:100)、積算回数:70の条件で測定し、固形分の体積平均粒径を得た。
<結晶性ポリエステルポリオールaの合成例>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した2Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてブタンジオール、並びに、ジカルボン酸としてドデカン二酸を、OH/COOH=1.4となるように仕込んだ。そして、反応容器内を十分に窒素ガスで置換した後、300ppm(モノマーに対して)のチタンテトライソプロポキシドを添加し、窒素ガス気流下にて4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出物がなくなるまで反応を行った。その後、10mmHg〜30mmHgの減圧下、4時間反応させて結晶性ポリマーポリオールとしての結晶性ポリエステルポリオールaを得た。
得られた樹脂は、酸価(AV)2.2mgKOH/g、水酸基化(OHV)113mgKOH/g、融点(Tm)67.0℃、結晶化温度(Tc)54℃、重量平均分子量(Mw)4,600であった。
<結晶性ポリエステルポリオールbの合成例>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した2Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてブタンジオール、並びに、ジカルボン酸としてセバシン酸を、OH/COOH=1.4となるように仕込んだ。そして、反応容器内を十分に窒素ガスで置換した後、300ppm(モノマーに対して)のチタンテトライソプロポキシドを添加し、窒素ガス気流下にて4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出物がなくなるまで反応を行った。その後、10mmHg〜30mmHgの減圧下、4時間反応させて結晶性ポリマーポリオールとしての結晶性ポリエステルポリオールbを得た。
得られた樹脂は、酸価(AV)2.3mgKOH/g、水酸基化(OHV)86mgKOH/g、融点(Tm)66.0℃、結晶化温度(Tc)47℃、重量平均分子量(Mw)3,900であった。
<非晶性ポリエステルポリオールcの合成例>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した2Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてビスフェノールAのEO付加物、並びに、ジカルボン酸としてイソフタル酸を、OH/COOH=1.35となるように仕込んだ。そして、反応容器内を十分に窒素ガスで置換した後、300ppm(モノマーに対して)のチタンテトライソプロポキシドを添加し、窒素ガス気流下にて4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出物がなくなるまで反応を行った。その後、10mmHg〜30mmHgの減圧下、4時間反応させて芳香族含有ポリエステルcを得た。
得られた樹脂は、酸価(AV)0.6mgKOH/g、水酸基化(OHV)84mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)45℃、重量平均分子量(Mw)3,400であった。
<結晶性ポリウレタン樹脂エマルションAの作製例>
攪拌機、温度計、及び還流管を備えた1Lのセパラブルフラスコに、結晶性ポリエステルポリオールa50g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸2.9g、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート23.5g、トリエチルアミン2.2g、及び有機溶剤としてアセトン41gを、窒素を導入しながら仕込み、触媒(ジ(2−エチルヘキサン酸)すず(II)を1滴加え、その後60℃に昇温して2時間還流させて、固形量65%にてNCO%が0.8%、重量平均分子量(Mw)11,800の結晶性ポリウレタン樹脂溶液を得た。
樹脂溶液を40℃に昇温した後に500rpmの速度で撹拌しながら水146gをゆっくり加えて微粒子化し、30分間加熱撹拌した後、ジエチレントリアミン0.63gを加え、2時間加熱撹拌した。最後にアセトンを除去することで、固形量30%で体積平均粒径(D50)が42nmの結晶性ポリウレタン樹脂エマルションAを得た。
得られた樹脂エマルションを乾燥した後に得られた樹脂は、融点(Tm)44.5℃、結晶化温度(Tc)−2.4℃であった。
<結晶性ポリウレタン樹脂エマルションBの作製例>
攪拌機、温度計、及び還流管を備えた1Lのセパラブルフラスコに、結晶性ポリエステルポリオールb50g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸2.76g、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート19.3g、トリエチルアミン2.09g、及び有機溶剤としてアセトン39gを、窒素を導入しながら仕込み、触媒(ジ(2−エチルヘキサン酸)すず(II)を1滴加え、その後60℃に昇温して2時間還流させて、固形量65%にてNCO%が0.4%、重量平均分子量(Mw)12,700の結晶性ポリウレタン樹脂溶液を得た。
樹脂溶液を40℃に昇温した後に500rpmの速度で撹拌しながら水138gをゆっくり加えて微粒子化し、30分間加熱撹拌した後、ジエチレントリアミン0.33gを加え、2時間加熱撹拌した。最後にアセトンを除去することで、固形量30%で体積平均粒径(D50)が34nmの結晶性ポリウレタン樹脂エマルションBを得た。
得られた樹脂エマルションを乾燥した後に得られた樹脂は、融点(Tm)42.5℃、結晶化温度(Tc)−19.0℃であった。
<結晶性ポリウレタン樹脂エマルションCの作製例>
攪拌機、温度計、及び還流管を備えた1Lのセパラブルフラスコに、結晶性ポリエステルポリオールa50g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸2.89g、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート23.5g、トリエチルアミン2.18g、及び有機溶剤としてアセトン41gを、窒素を導入しながら仕込み、触媒(ジ(2−エチルヘキサン酸)すず(II)を1滴加え、その後60℃に昇温して2時間還流させて、固形量65%にてNCO%が0.8%、重量平均分子量(Mw)10,500の結晶性ポリウレタン樹脂溶液を得た。
樹脂溶液を40℃に昇温した後に500rpmの速度で撹拌しながら水146gをゆっくり加えて微粒子化し、30分間加熱撹拌した後、イソホロンジアミン1.56gを加え、2時間加熱撹拌した。最後にアセトンを除去することで、固形量30%で体積平均粒径(D50)が44nmの結晶性ポリウレタン樹脂エマルションCを得た。
得られた樹脂エマルションを乾燥した後に得られた樹脂は、融点(Tm)48.2℃、結晶化温度(Tc)−1.4℃であった。
<結晶性ポリウレタン樹脂エマルションDの作製例>
攪拌機、温度計、及び還流管を備えた1Lのセパラブルフラスコに、結晶性ポリエステルポリオールa40g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸2.10g、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート10.3g、トリエチルアミン1.58g、及び有機溶剤としてアセトン28gを、窒素を導入しながら仕込み、触媒(ジ(2−エチルヘキサン酸)すず(II)を1滴加え、その後60℃に昇温して2時間還流させて、固形量65%にてNCO%が0%、重量平均分子量(Mw)16,500の結晶性ポリウレタン樹脂溶液を得た。
樹脂溶液を40℃に昇温した後に500rpmの速度で撹拌しながら水100gをゆっくり加えて微粒子化し、2時間加熱撹拌した。最後にアセトンを除去することで、固形量30%で体積平均粒径(D50)が57nmの結晶性ポリウレタン樹脂エマルションDを得た。
得られた樹脂エマルションを乾燥した後に得られた樹脂は、融点(Tm)64.0
℃、結晶化温度(Tc)46.0℃であった。
<非晶性ポリウレタン樹脂エマルションEの作製例>
攪拌機、温度計、及び還流管を備えた1Lのセパラブルフラスコに、非晶性ポリエステルポリオールc140g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸10.18g、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート64g、トリエチルアミン6.53g、及び有機溶剤としてアセトン115gを、窒素を導入しながら仕込み、触媒(ジ(2−エチルヘキサン酸)すず(II)を2滴加え、その後60℃に昇温して2時間還流させて、固形量65%にてNCO%が1.6%、重量平均分子量(Mw)15,500の非晶性ポリウレタン樹脂溶液を得た。
樹脂溶液を40℃に昇温した後に500rpmの速度で撹拌しながら水410gをゆっくり加えて微粒子化し、30分間加熱撹拌した後、ジエチレントリアミン4.25gを加え、2時間加熱撹拌した。最後にアセトンを除去することで、固形量30%で体積平均粒径(D50)が170nmの非晶性ポリウレタン樹脂エマルションEを得た。
得られた樹脂エマルションを乾燥した後に得られた樹脂は、ガラス転移点(Tg)70.0℃であった。
<白色インクの調製例>
(実施例1)
下記処方に従い混合・撹拌して白色インクを調整し、pHを9に調整した後、平均孔径5μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インク1を作製した。
・酸化チタン顔料分散液(大日精化製AC−RW7):固形分として4.3質量%
・結晶性ポリウレタン樹脂エマルションA:8.1質量%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル:15.0質量%
・プロピレングリコール:14.0質量%
・3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド:5.0質量%
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール:2.0質量%
・シリコーン系界面活性剤(L−7002、東レ・ダウコーニング株式会社製):1.0質量%
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−444、DIC株式会社製):1.0質量%
・防腐防カビ剤(プロキセルLV、アベシア社製):0.05質量%
・pH調整剤(トリエタノールアミン):0.3質量%
・水:残量(合計:100質量%)
(実施例2〜4および比較例1)
表1に示す通り、結晶性ポリウレタン樹脂エマルションAの代わりに結晶性ポリウレタン樹脂エマルションB〜Dおよび非晶性ポリウレタン樹脂エマルションEを使用したことを除き、実施例1と同じ手順でインク2〜5を調製した。なお、表1に示す酸化チタン含有量を示す数値は固形分としての値であり、単位は質量%である。
(比較例2)
表1に示す通り、結晶性ポリウレタン樹脂エマルションAの代わりに非晶性ポリウレタン樹脂エマルションEを使用し、酸化チタン顔料分散液を固形分として8.5質量%使用したことを除き、実施例1と同じ手順でインク6を調製した。なお、表1に示す酸化チタン含有量を示す数値は固形分としての値であり、単位は質量%である。
次に、作製した各白色インクについて、以下のようにして、白色度、耐擦性、低沈降性、保存安定性を評価した。結果を下記表1に示した。
<白色度>
まず、インクジェットプリンター(IPSiO GXe5500、リコー製)の外装を外し、背面マルチ手差しフィーダーを取り付け、印字ヘッドを含めたインク供給経路に洗浄液としての純水を通液することで洗浄し、洗浄液が着色しなくなるまで十分に通液し、洗浄液を装置から抜き切って評価用印字装置とした。また、調製した白色インクを5〜10Paの減圧条件で30分間攪拌することで評価インク中の気体を脱気し、インクカートリッジに充填し、評価用インクカートリッジとした。充填動作を実施し、全ノズルに評価用白色インクが充填され異常画像が出ないことを確認し、プリンタ添付のドライバで光沢紙きれいモードを選択後、ユーザー設定でカラーマッチングoffを印字モードとした。このモードでベタ画像の記録媒体上への白色インク付着量が20g/mとなるようにヘッドの駆動電圧を変更することで吐出量を調整した。上記印字条件に調整したインクジェットプリンターを用い、透明PETフィルム(東洋紡製エステルフィルムE5100)に対して、10cm四方のベタ画像を1200×1200dpiで印刷し、70℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥をおこなった。
次に、ベタ画像を印刷されたフィルムの下に黒色の紙を置き、ベタ画像表面側から分光測色濃度計X−Rite939を用いてL、a、及びbを測定し、以下の式に基づきハンター白色度を算出した。なお、ハンター白色度は、JIS P8123に規定され、L、a、bは国際照明委員会(CIE)が定めた色の表示方法である。評価がB以上である場合が好ましい。
・ハンター白色度=100−[(100−L+(a*2+b*2)]0.5
〔評価基準〕
A:ハンター白色度が、70以上
B:ハンター白色度が、60以上、70未満
C:ハンター白色度が、60未満
<耐擦性>
まず、上記の白色度を測定する際に印刷したベタ画像と同一の条件でベタ画像を印刷した
次に、CM−1型クロックメータに両面テープで取り付けた定量ろ紙(No.5A、アドベンテック東洋株式会社社製)を印刷部位に当てるように10往復させた。ベタ画像を印刷されたフィルムの下に黒色の紙を置き、ベタ画像表面側から擦過部の画像の反射濃度を分光測色濃度計X−Rite939を用いて測定した。また、非試験部(ベタ画像のうち擦過されていない部分)においても同様に反射濃度を測定した。その上で、擦過部における反射濃度から非試験部における反射濃度を差し引き、反射濃度変化量を下記評価基準により評価した。評価がC以上である場合が好ましい。
〔評価基準〕
A:0.1未満
B:0.1以上、0.2未満
C:0.2以上、0.3未満
D:0.3以上
<低沈降性>
調製した白色インクの顔料の沈降性は、タービスキャンMA2000(英弘精機(株)製)を用いて評価した。方法としては、白色インクを超音波分散処理(100W、40分)し、均一状態にしてから、ピペットを用いて装置専用のガラスセルに5.5ml入れた。セル内の白色インクの液面が安定した30分後に測定を行い、この時間を沈降性評価開始とした。その後、23℃で静置し、120時間後まで測定を行い、沈降性評価開始を基準とした偏差表示にて、沈降性を確認した。沈降性の確認は、主に、上澄みの生成による後方散乱光の変化を、ピークの積算(相対値モード)で行い、以下の基準で評価した。評価がB以上である場合が好ましい。
〔評価基準〕
A:評価開始120時間後の相対変化が5%未満
B:評価開始120時間後の相対変化が5%以上10%未満
C:評価開始120時間後の相対変化が10%以上
<保存安定性>
各白色インクを、密封状態にして70℃で2週間保管し、保管前と保管後の粘度を測定した。また、下記式により粘度変化率を計算し、以下の基準で評価した。評価がC以上である場合が好ましい。
・粘度変化率(%)=(保管後粘度−保管前粘度)×100/保管前粘度
〔評価基準〕
A:粘度変化率が3%未満
B:粘度変化率が3%以上5%未満
C:粘度変化率が5%以上10%未満
D:粘度変化率が10%以上
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410w、410c、410m、410y ホワイト(W)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特開2017−218523号公報

Claims (12)

  1. 結晶性ウレタン樹脂及び色材を含有する白色インク。
  2. 前記結晶性ウレタン樹脂は、ポリアミンに由来する架橋構造及び伸長構造から選ばれる少なくとも1つを有する請求項1に記載の白色インク。
  3. 前記ポリアミンは、トリアミンである請求項2に記載の白色インク。
  4. 前記結晶性ウレタン樹脂の融点は、40℃以上100℃以下である請求項1から3のいずれか一項に記載の白色インク。
  5. 前記結晶性ウレタン樹脂の結晶化温度は、−30℃以上50℃以下である請求項1から4のいずれか一項に記載の白色インク。
  6. 前記結晶性ウレタン樹脂の結晶性部位は、ポリエステル構造を有する請求項1から5のいずれか一項に記載の白色インク。
  7. 前記色材は、金属酸化物、無機中空粒子、及び樹脂中空粒子から選ばれる少なくとも1つである請求項1から6のいずれか一項に記載の白色インク。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のインクが収容されたインク収容容器。
  9. 請求項8に記載のインク収容容器と、収容された前記インクを吐出する吐出手段と、を有する記録装置。
  10. 請求項1から7のいずれか一項に記載のインクを吐出する吐出工程を有する記録方法。
  11. 記録媒体と、前記記録媒体上に形成された白色の印刷層と、を有し、
    前記印刷層は、結晶性ウレタン樹脂及び色材を含有する記録物。
  12. ウレタン樹脂及び色材を含有し、
    下記の測定条件で示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したときに融解ピークを有する白色インク。
    (測定条件)
    4gの前記白色インクを、70℃で18時間乾燥させ、120℃で15分乾燥させて測定サンプルを得る。次に、前記測定サンプルの熱特性を、TAインスツルメンツ社製Q2000を用い、流量50mL/分の窒素雰囲気下において、下記の温度条件で順次測定する。得られた測定結果から吸発熱量と温度とのグラフを作成し、第二昇温過程において前記融解ピークの有無を判断する。
    (温度条件)
    ・開始温度:−20℃
    ・昇温速度:10℃/分
    ・終了温度:130℃
    ・保持時間:1分
    ・降温速度:10℃/分
    ・終了温度:−50℃
    ・保持時間:5分
    ・昇温速度:10℃/分
    ・終了温度:130℃
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