JP2020169038A - ヒンジキャップ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で、多くの手間をかけることなく、上蓋を開けた姿勢に保持することができるヒンジキャップおよびヒンジキャップの製造方法を提供する。【解決手段】容器の口に取り付けられる本体2と、この本体2にヒンジ3を介して設けられた上蓋4と、を備え、上蓋4を開けた状態で保持するために、本体3の係止部31と上蓋4の被係止部32が設けられているヒンジキャップ1であって、上蓋4を略180度開けた開姿勢で本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とが当接する位置に、本体32の係止部31と上蓋4の被係止部32とが形成され、上蓋4を開姿勢よりもさらに大きな開き角度となるにように開けることで上蓋4の被係止部32が本体2の係止部31により係止されて上蓋4が開けられた開保持姿勢に保持されるよう構成されている。【選択図】図12
Description
本発明は、本体にヒンジを介して上蓋が設けられているヒンジキャップに関する。
容器に取り付けられるキャップとして、容器の口に取り付けられる本体と、この本体にヒンジを介して設けられた上蓋と、を有するヒンジキャップは広く知られている。また、この種のヒンジキャップにおいて、本体と上蓋とに、上蓋を開けた状態で係止する係止部と被係止部とが設けられたヒンジキャップが、特許文献1などに開示されている。そして、上蓋を大きく開けると上蓋の被係止部が本体の係止部に係止されて、上蓋を開けた姿勢に保持できるよう構成されている。
このように、上蓋を開けた姿勢で保持できるヒンジキャップによれば、手の指で上蓋を開け続けなくても、上蓋を開けた状態を保持できるので、内容物を出す動作を頻繁に行ったり、内容物を出し続けたりする際などに手間がかからず便利である。
この特許文献1に開示されている従来のヒンジキャップは、本体におけるヒンジの近傍箇所に、外側に突出する係止部としての本体係止部と、この本体係止部の上方箇所で窪む収容凹部(後述するように、上蓋を大きく開いた際に、上蓋の蓋係止部を収納する凹部)と、を設けている。また、上蓋に、上方に突出する被係止部としての蓋係止部を形成するとともに、上蓋を、200度を大きく超える角度まで大きく開けることができるように、本体に切欠部(または面取部)を形成している。
そして、上蓋を開けた状態で保持する際には、上蓋を、200度を大きく超えた姿勢まで(例えば240度まで)大きく開けることで、上蓋の蓋係止部を本体の収容凹部に突入させるとともに本体係止部に係合させるように構成している。
しかしながら、特許文献1に開示されている従来のヒンジキャップでは、比較的複雑な構造が必要となるため、製造コストが高くなるおそれがある。また、上蓋を開けた姿勢に保持するためには、上蓋を極めて大きく開ける必要があり、比較的多くの手間がかかってしまう。
本発明は上記課題を解決するもので、簡単な構造で、多くの手間をかけることなく、上蓋を開けた姿勢に保持することができるヒンジキャップおよびヒンジキャップの製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、容器の口に取り付けられる本体と、この本体にヒンジを介して設けられた上蓋と、を備え、上蓋を開けた状態で保持するために、本体に係止部が設けられるとともに上蓋に本体の係止部に係止される被係止部が設けられているヒンジキャップであって、上蓋を略180度開けた開姿勢で本体の係止部と上蓋の被係止部とが当接する位置に、本体の係止部と上蓋の被係止部とが形成され、上蓋を開姿勢よりもさらに大きな開き角度となるにように開けることで上蓋の被係止部が本体の係止部により係止されて上蓋が開けられた開保持姿勢に保持されるよう構成されていることを特徴とする。また、開保持姿勢の開き角度が180度よりも大きく200度よりも小さいと好適である。
この構成によれば、本体に係止部を設けるとともに上蓋に本体の係止部に係止される被係止部を設けるだけの簡単な構成で済ますことができる(すなわち、上蓋を大きく開けた際に上蓋の被係止部を収納する収納部や、上蓋を大きく開けるための切欠部や面取部を設けなくても済む)ので、製造コストを低減することが可能となる。また、上蓋をほぼ180度開けた開姿勢で本体の係止部と上蓋の被係止部とが当接する位置に、本体の係止部と上蓋の被係止部とが形成され、上蓋を開姿勢よりもさらに大きな開き角度となるにように開けることで上蓋の被係止部が本体の係止部により係止されて上蓋が開けられた姿勢に保持されるよう構成されているので、上蓋を極めて大きく(例えば、200度よりも大きく)開けなくても済み、多くの手間をかけることなく、上蓋を開けた姿勢に良好に保持することができる。
また、本発明のヒンジキャップは、本体の係止部が本体の外筒から側方に突出して設けられるとともに、上蓋の被係止部が上蓋の外周部から側方に突出して設けられ、開保持姿勢における本体の係止部と上蓋の被係止部との係止部分が本体の外筒および上蓋の外周部より外側の領域である本体の外筒と上蓋の外周部との間に設けられていることを特徴とする。この構成によれば、本体の係止部と上蓋の被係止部とを、本体の外筒や上蓋の外周部からそれぞれ側方に突出させて設けるだけなので、極めて簡単な構成とすることができる。
また、本体の係止部と上蓋の被係止部とに、上蓋の開保持姿勢を保持する係止面部と被係止面部とを形成すると好適であり、この構成により、上蓋を開保持姿勢に安定して保持することができる。
また、本発明は、容器の口に取り付けられる本体と、この本体にヒンジを介して設けられた上蓋と、を備え、上蓋を開けた状態で保持するために、本体に係止部が設けられるとともに上蓋に本体の係止部に係止される被係止部が設けられているヒンジキャップを製造するヒンジキャップの製造方法であって、上蓋が本体から開かれ、かつ、本体の係止部と上蓋の被係止部とがつながった状態で、ヒンジキャップを製造する射出成形工程と、射出成形工程で製造された上蓋を本体に被せて閉じる際に、本体の係止部と上蓋の被係止部とを切断させる閉鎖切断工程と、を有することを特徴とする。
このヒンジキャップの製造方法によれば、上蓋を極めて大きく開けなくても上蓋を開けた姿勢に保持することができるヒンジキャップを良好に製造することができる。また、射出成形工程で製造された上蓋を本体に被せて閉じることで、本体の係止部と上蓋の被係止部とを切断することができるので、射出成形工程で製造された上蓋を本体に被せて閉じる工程と、本体の係止部と上蓋の被係止部とを切断する工程とをそれぞれ要する場合と比較して、手間や時間を省くことができる。
本発明のヒンジキャップによれば、上蓋を略180度開けた開姿勢で本体の係止部と上蓋の被係止部とが当接する位置に、本体の係止部と上蓋の被係止部とを形成し、上蓋を開姿勢よりもさらに大きな開き角度となるにように開けることで上蓋の被係止部が本体の係止部により係止されて上蓋が開けられた開保持姿勢に保持されるよう構成することにより、本体に係止部を設けるとともに上蓋に本体の係止部に係止される被係止部を設けるだけの簡単な構成で済ますことができて、製造コストを低減することが可能となるとともに、上蓋を極めて大きく開けなくても上蓋を開けた開保持姿勢に良好に保持することができて、手間を省くことができる。
また、本発明のヒンジキャップの製造方法によれば、上蓋が本体から開かれ、かつ、本体の係止部と上蓋の被係止部とがつながった状態で、ヒンジキャップを製造する射出成形工程と、射出成形工程で製造された上蓋を本体に被せて閉じる際に、本体の係止部と上蓋の被係止部とを切断させる閉鎖切断工程と、を有することにより、上蓋を極めて大きく開けなくても上蓋を開けた姿勢に保持することができるヒンジキャップを良好に製造することができるとともに、射出成形工程で製造された上蓋を本体に被せて閉じることで、本体の係止部と上蓋の被係止部とを切断することができるので、射出成形工程で製造された上蓋を本体に被せて閉じる工程と、本体の係止部と上蓋の被係止部とを切断する工程とをそれぞれ要する場合と比較して、手間や時間を省くことができる。
以下、本発明に係る実施の形態のヒンジキャップを、図面に基づき説明する。
図1〜図14は本発明の実施の形態に係るヒンジキャップを示し、図1〜図6は上蓋を開けた状態(但し、図6は射出成形して上蓋を閉じる前の状態を示す要部拡大断面図である)を示し、図7〜図9は上蓋を閉じた状態を示し、図10、図11は上蓋を開ける途中の状態を示し、図12〜図14は上蓋を開けて保持した状態を示す。
図1〜図14は本発明の実施の形態に係るヒンジキャップを示し、図1〜図6は上蓋を開けた状態(但し、図6は射出成形して上蓋を閉じる前の状態を示す要部拡大断面図である)を示し、図7〜図9は上蓋を閉じた状態を示し、図10、図11は上蓋を開ける途中の状態を示し、図12〜図14は上蓋を開けて保持した状態を示す。
これらの図1〜図14において、1は、内部に内容物(内容液)が収容されている容器に取付けられるヒンジキャップである。ヒンジキャップ1は、容器の口に取り付けられる本体2と、この本体2にヒンジ3を介して設けられた上蓋4と、を備えている。なお、本体2は、必ずしも、容器の口に直接取り付けられなくてもよく、例えば、容器の口に、中栓などを介して、本体2が間接的に取り付けられる構成であってもよい。ヒンジキャップ1は合成樹脂製とされ、溶融した合成樹脂を金型内に射出して製造(成形)する射出成形により一体形成されて製造される。
図1〜図4、図7、図8などに示すように、本体2は、容器の口の上端面に上方から対向するように配置される天面11と、天面11の外周から下方に延びてその下部が容器の上部に外側から嵌る円筒状の外筒12と、外筒12の内周位置に径方向に隙間を有する位置で天面11から下方に延びるように形成されて、その下部が容器の口に形成された雄ねじ部に外側から嵌り込み、円筒状で内側に雌ねじ部13aが形成された内筒13と、天面11の外周寄り箇所から上方に円環状に延びる嵌合筒15と、天面11の外周寄り箇所から上方に延びて突出する注出筒(ノズル)14などが設けられている。容器へのヒンジキャップ1の装着時には、本体2に上蓋4が被せられて閉じられた状態で、容器の口にヒンジキャップ1がねじ込まれるなどして装着される。なお、ヒンジキャップ1が容器の口に押圧されて装着される構造であってもよい。
上蓋4には、蓋板22と、この蓋板22に連続する外周部21などが設けられている。詳しくは、上蓋4には、上蓋4を閉じた際にキャップ本体2の外筒12の外周部上縁にその下縁部が当接する外周部(スカートとも称せられる)21と、この外周部21の上端縁になだらかにつながる円板状の蓋板22と、蓋板22から下方に環状に突出して上蓋4を閉じた際に注出筒14の先端部に外側から密接してシールするインナーリング(内周突条)23と、外周部21におけるヒンジ3とは逆の箇所から側方(手前側)に突出して形成されて、開ける際にこの箇所に指などを引っ掛けることで上蓋4を開ける鍔(指かけとも称せられる)25などが設けられている。なお、上蓋4を閉じた場合に鍔25の下方となる本体2の箇所には、窪み16が形成されて、上蓋4の鍔25に指を掛け易くなるように図られている。また、この実施の形態では、上蓋4の外周部21の下端部内周に、内側に突出して、上蓋4を閉じた際にキャップ本体2の嵌合筒15が内側から密接する被嵌合突部24が周方向適当間隔ごとに設けられているが、これに限るものではない。
図1〜図14に示すように、上記構成に加えて、当該ヒンジキャップ1には、上蓋4を開けた状態で保持するために、本体2に係止部31が設けられるとともに、上蓋4に本体2の係止部31に係止される被係止部32が設けられている。
これらの係止部31と被係止部32とはヒンジ3の近傍に設けられている。より具体的には、ヒンジキャップ1のヒンジ3が、本体2の上端部近傍箇所の周方向の一部と上蓋4の下端部近傍箇所の周方向の一部とにわたって、左右一対の薄膜状に繋がるように形成されている。そして、図3、図4に示すように、上蓋4を開けた状態では、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とが、それぞれ平面視して左右のヒンジ3の間に位置しており、これらの係止部31と被係止部32とはそれぞれ略ブロック状に形成されている。また、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とは、図1〜図5などに示すように、上蓋4を開けた状態で、本体2の外筒12と上蓋4の外周部21とが最も接近する箇所に形成されている。
図7、図8などに示すように、上蓋4を閉じた状態では、本体2の外筒12の上端面12aと上蓋4の外周部21の下端面21aとが互いに接合される。当該ヒンジキャップ1は、溶融した合成樹脂を、上金型と下金型とからなる金型内のキャビティ(射出空間)に射出して製造する射出成形により製造され(射出成形工程)、この射出成形時(製造時)には、図1〜図4に示すような上蓋4が本体2から180度開いた姿勢で製造される。つまり、この際には、これらの本体2の外筒12の上端面12aと上蓋4の外周部21の下端面21aとが同一面(横方向に延びる同一面)となるように、上蓋4が本体2から180度開いた姿勢(開き角度θ1(図2参照)が180度である姿勢で、開姿勢と称す)の状態で、一体形成されて製造される。なお、この際の開き角度θ1(図2参照)は180度に近い角度であってもよく、すなわち、開き角度θ1は略180度であればよい。
そして、当該ヒンジキャップ1は、この射出成形工程において、図6に示すように、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とが僅かにつながった状態(例えば、薄肉状に繋がった状態)で製造される。また、このようにして上蓋4が開けられた状態で製造されたヒンジキャップ1は、金型から取り出された後に、上蓋4がヒンジ3を中心として回転されて本体2に被せられて閉じられるが、図10、図11に示すように、この際の上蓋4の閉じる動作によって、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とが切断される(閉鎖切断工程)ようになっている。なお、図5は当該ヒンジキャップ1が製品として使用される状態の要部拡大断面図を示し、図6は当該ヒンジキャップ1が射出成形により製造された射出成形工程後での状態の要部拡大断面図を示し、図5においては、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とが切断された状態を強調して示し、図6においては、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とがつながった状態を強調して示している。
また、図12〜図14に示すように、このヒンジキャップ1を前記開姿勢よりもさらに大きな開き角度(開き角度θ2(図13参照))となるにように開けることで上蓋4の被係止部32が本体2の係止部31により係止されて上蓋4が開けられた姿勢に保持されるよう構成されている。なお、この際の上蓋4が開けられた姿勢を開保持姿勢と称す。また、この際の開保持姿勢での上蓋4の開き角度θ2が180度より大きく200度より小さくなるよう構成されている。
また、図5、図6などに示すように、本体2の係止部31は本体2の外筒12から側方(いわゆる外側)に突出して設けられており、突出する方向は開姿勢での上蓋4に近づく方向である。本体2の係止部31は、例えば、本体2の外筒12から側方に突出する係止突出部(係止部本体)31aと、突出部31aの上面部分に略水平方向に平面状となるよう形成されて、上蓋4の被係止部32が係止可能とされている係止面部31bと、係止面部31bの先端から、下方に延びる垂直面部31cなどが設けられているが、これに限るものではない。
また、上蓋4の被係止部32は、上蓋の外周部から側方(いわゆる外側)に突出して設けられており、突出する方向は、上蓋4が開姿勢である場合において本体2に近づく方向である。上蓋4の被係止部32は、例えば、上蓋4の外周部21から側方に突出する被係止突出部(被係止部本体)32aと、上蓋4を開姿勢に開けた状態で、上下に延びる垂直面部32bと、開姿勢で先端側(垂直面部32bに繋がる側)ほどわずかに下方となるように傾斜されて、開保持姿勢で、本体2の係止部31における係止面部31bに当接した状態で係止される被係止面部(保持用傾斜面部)32cと、開姿勢で先端側(被係止面部32cに繋がる側)ほど下方となるように傾斜された基部傾斜面部32dなどが設けられているが、これに限るものではない。なお、上蓋4の被係止面部32cが、本体2の係止部31における係止面部31bに合わされて係止された姿勢で、開保持姿勢での上蓋4の開き角度θ2が180度より大きく200度より小さくなるように、例えば、上蓋4の垂直面部32bと被係止面部32cとの交差角度が70度より大きく90度より小さいと好適であるがこれに限るものではない。
また、図12〜図14に示すように、上蓋4が開保持姿勢に保持されている状態における本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32との係止部分(本体2の係止面部31bと本体2の被係止面部32cとの当接している部分)は、本体2の外筒12および上蓋4の外周部21より外側の領域、つまり、本体2の外筒12と上蓋4の外周部21との間に設けられている。
上記構成のヒンジキャップ1は、上記したように、溶融した合成樹脂を、上金型と下金型とからなる金型内のキャビティ(射出空間)に射出して製造する射出成形(射出成形工程)により製造される。この際、ヒンジキャップ1は、上蓋4が本体2から略180度開いた開姿勢の状態で一体形成されて製造される。また、この際、図6に示すように、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とはつながった状態で製造され、このヒンジキャップ1は、金型から取り出された後に、上蓋4がヒンジ3を中心として回転されて本体2に被せられて閉じられるが、図10、図11に示すように、この際の上蓋4の閉じる動作によって、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とが切断される(閉鎖切断工程)。したがって、ヒンジキャップ1は、この状態で容器に装着されて製品として出荷され、使用されるが、使用時には、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とが切断されている。すなわち、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とにはそれぞれ切断部S1、S2が形成される(詳しくは、本体2の係止部31における係止面部31bと垂直面部31cとの接続部分またはその近傍箇所に切断部S1が形成され、上蓋4の被係止部32における被係止面部(保持用傾斜面部)32cと垂直面部32bとの接続部分またはその近傍箇所に切断部S2が形成される)。
また、使用時において、上蓋4が開いた状態を保持させたい場合には、図12〜図14に示すように、開保持姿勢まで一旦開くことで、本体2の係止部31に上蓋4の被係止部32が係止されるとともに、ヒンジ3の閉方向への付勢力(弾性力)により、係止状態が維持されて開保持姿勢が保持される。なお、このヒンジキャップ1も含めてこの種のヒンジキャップのヒンジ3は、開姿勢以下の開き角度まで開いただけでは、ヒンジ3の弾性力により、開姿勢よりも小さい角度に開いた状態に戻ろうとするよう構成されているので、上記のように上蓋4を開保持姿勢まで一旦開くことで、開保持姿勢を良好に保持される。これにより、手の指で上蓋4を開け続けなくても、上蓋4を開けた状態を保持できるので、内容物を出す動作を頻繁に行ったり、内容物を出し続けたりする際などに手間がかからず便利である。また、上蓋4を閉じる際には、上蓋4の被係止部32が本体2の係止部31から離脱するように上蓋4に力を加えることで、容易に閉じることができる。
上記構成によれば、本体2に係止部31を設けるとともに上蓋4に本体2の係止部31に係止される被係止部32を設けるだけの簡単な構成で済ますことができる(すなわち、上蓋4を大きく開けた際に上蓋4の被係止部32を収納する収納部や、上蓋4を大きく開けるための切欠部や面取部を設けなくても済む)ので、当該ヒンジキャップ1の製造コストを低減することが可能となる。特に、上記構成によれば、本体2の係止部31を本体2の外筒12から側方に突出して設けるとともに、上蓋4の被係止部32を上蓋4の外周部21から側方に突出して設ける構成としているので、当該ヒンジキャップ1を極めて簡単な構成とすることができる。また、開保持姿勢における本体2の係止部31と上蓋4の被係止部41との係止部分が本体2の外筒12および上蓋4の外周部21より外側の領域である本体2の外筒12と上蓋4の外周部21との間に設けられているので、これらの係止部31や被係止部32が互いに係止させる際の収納空間なども設けなくて済み、開姿勢を保持できるヒンジキャップ1として極めて簡単な構成で済ますことができる。
また、上蓋4を略180度開けた開姿勢で本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とが当接する位置に、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とを形成し、上蓋4を開姿勢よりもさらに大きな開き角度となるにように開けることで上蓋4の被係止部32が本体2の係止部31により係止されて上蓋4が開けられた開保持姿勢に保持されるよう構成することにより、上蓋4を極めて大きく開けなくても(例えば、200度よりも大きく開けなくても)上蓋4を開けた開保持姿勢に良好に保持することができて、その分だけ手間を省くことができる。
また、上記構成によれば、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とに、上蓋4の開保持姿勢を保持する係止面部31bと被係止面部32cとを形成したので、上蓋4を開保持姿勢に開けた際に、係止面部31bと被係止面部32cとが良好に接した状態で係止され、開保持姿勢を安定して保持することができ、信頼性が向上する。
また、上記したように、上蓋4を開けた状態で保持するための本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とを備えたヒンジキャップ1を製造する製造方法として、上蓋4が本体2から開かれ、かつ、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とがつながった状態で、ヒンジキャップ1を製造する射出成形工程と、射出成形工程で製造された上蓋4を本体2に被せて閉じる際に、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とを切断させる閉鎖切断工程と、を有している。
このヒンジキャップ1の製造方法によれば、本体2の外筒12から側方に突出する係止部31や上蓋4の外周部21から側方に突出する被係止部32を、金型を用いて製造する射出成形により支障なく良好に製造することができる。また、射出成形時において、係止部31と被係止部32とが近接する位置や当接する位置に配置されている場合でも、射出成形により支障なく良好に製造することができる。
また、射出成形工程で製造された上蓋4を本体2に被せて閉じることで、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とを切断することができるので、射出成形工程で製造された上蓋を本体に被せて閉じる工程と、本体の係止部と上蓋の被係止部とを切断する工程とをそれぞれ要する場合と比較して、手間や時間を省くことができ、作業能率が向上する。
なお、閉鎖切断工程において本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とにはそれぞれ切断部S1、S2が形成され、この切断部S1、S2はそのまま残したままとしてもよいが、本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32とが互いに開保持姿勢を保持できる範囲内で、その後に、軽く研削するなどして、切断部S1、S2の跡が残らないようにしてもよい。また、本体2や上蓋4の大きさや、注出筒14の大きさや位置など、上記実施の形態のヒンジキャップ1に限るものではないことはもちろんであり、上記構成の本体2の係止部31と上蓋4の被係止部32との構成などを有しておればよく、係止部31や被係止部32の形状も上記実施の形態に限るものではない。
1 ヒンジキャップ
2 本体
3 ヒンジ
4 上蓋
11 天面
12 外筒
13 内筒
14 注出筒(ノズル)
21 外周部
22 蓋板
31 係止部
31a 係止突出部(係止部本体)
31b 係止面部
31c 垂直面部
32 被係止部
32a 被係止突出部(被係止部本体)
32b 垂直面部
32c 被係止面部(保持用傾斜面部)
32d 基部傾斜面部
2 本体
3 ヒンジ
4 上蓋
11 天面
12 外筒
13 内筒
14 注出筒(ノズル)
21 外周部
22 蓋板
31 係止部
31a 係止突出部(係止部本体)
31b 係止面部
31c 垂直面部
32 被係止部
32a 被係止突出部(被係止部本体)
32b 垂直面部
32c 被係止面部(保持用傾斜面部)
32d 基部傾斜面部
Claims (5)
- 容器の口に取り付けられる本体と、この本体にヒンジを介して設けられた上蓋と、を備え、上蓋を開けた状態で保持するために、本体に係止部が設けられるとともに上蓋に本体の係止部に係止される被係止部が設けられているヒンジキャップであって、
上蓋を略180度開けた開姿勢で本体の係止部と上蓋の被係止部とが当接する位置に、本体の係止部と上蓋の被係止部とが形成され、
上蓋を開姿勢よりもさらに大きな開き角度となるにように開けることで上蓋の被係止部が本体の係止部により係止されて上蓋が開けられた開保持姿勢に保持されるよう構成されていることを特徴とするヒンジキャップ。 - 開保持姿勢の開き角度が180度よりも大きく200度よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。
- 本体の係止部が本体の外筒から側方に突出して設けられるとともに、上蓋の被係止部が上蓋の外周部から側方に突出して設けられ、
開保持姿勢における本体の係止部と上蓋の被係止部との係止部分が本体の外筒および上蓋の外周部より外側の領域である本体の外筒と上蓋の外周部との間に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のヒンジキャップ。 - 本体の係止部と上蓋の被係止部とに、上蓋の開保持姿勢を保持する係止面部と被係止面部とが形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のヒンジキャップ。
- 容器の口に取り付けられる本体と、この本体にヒンジを介して設けられた上蓋と、を備え、上蓋を開けた状態で保持するために、本体に係止部が設けられるとともに上蓋に本体の係止部に係止される被係止部が設けられているヒンジキャップを製造するヒンジキャップの製造方法であって、
上蓋が本体から開かれ、かつ、本体の係止部と上蓋の被係止部とがつながった状態で、ヒンジキャップを製造する射出成形工程と、
射出成形工程で製造された上蓋を本体に被せて閉じる際に、本体の係止部と上蓋の被係止部とを切断させる閉鎖切断工程と、
を有することを特徴とするヒンジキャップの製造方法。
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