JP2020168620A - 洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような問題を解決するために、洗浄ノズルをタンクの幅方向とタンクの深さ方向に移動可能とした洗浄装置が提案されている(特許文献2)。しかしながら、この特許文献2の装置では、洗浄ノズルをタンクの幅方向に移動させるために蓋体にスリット(開口部)が形成されているので、洗浄中にスリット(開口部)から洗浄液や蒸気が噴き出るという問題があった。そこで、この問題を解決するために、特許文献2の装置においては、蓋体の開口を閉鎖するための閉鎖手段として蛇腹状部材を用いることを開示している。しかしながら、開口の閉鎖手段として蛇腹状部材を採用すると、タンク内の洗浄の際に蛇腹状部材に付着した付着物の清掃に手間が掛かるだけでなく清浄性に問題があり、特に食品や化粧品のタンクには用いることが好ましくないという問題がある。
ここで、まず洗浄対象となるタンク2について説明すると、本実施例のタンク2は食品等を収容するための本体部2Aと、この本体部2Aの内部に収容された食品等を撹拌するリング状の撹拌部材7とを備えた構成となっている。
上記本体部2Aは半球状を有した底部2aと、当該底部2aの上部に設けられた円筒状の側部2bとによって構成され、上記側部2bの上端部には開口部2cを囲繞してフランジ2dが形成されている。
上記撹拌部材7は、上記側部2bの内面と底部2aの内面に沿った環状に形成されており、撹拌部材7は前後一対の回転軸8、8によって本体部2A内で回転可能になっている。
一方の回転軸8は、側部2bを貫通して外部に突出しており、上記タンク2を使用する際には、タンク2の外部に配置された駆動手段9によって回転軸8を介して撹拌部材7を回転させるようになっている。
上記構成を有するタンク2においては、撹拌部材7が回転して外周部が水平方向を向いた横転状態となった際には当該外周部が側部2bの内面に接近した状態となり、また外周部が上下方向を向いた起立状態となった際には当該外周部のうち下半分が上記底部2aの内面に接近した状態となる。
上記駆動手段9は、タンク2に隣接して設けられたモータ12Aと、当該モータ12Aの駆動軸に設けられて上記撹拌部材7の回転軸8に連結される接続部材12Bとによって構成されている。
上記モータ12Aにはサーボモータを使用することができ、上記制御装置によって撹拌部材7を所要の回転角度に停止させ、上記横転状態や起立状態、ないしは横転状態と起立状態との間の任意の角度に傾けることが可能となっている。
後に詳述するが、洗浄部4は、洗浄液Wを噴射する洗浄ノズル14を有する洗浄ユニット15を備えており、該洗浄ユニット15は、往復動機構16によってタンク2の直径方向(水平方向)に往復動されるようになっている。
蓋体13には、直径方向の長穴からなるスリット13Aが形成されており、このスリット13A内を洗浄ユニット15がタンク2の直径方向に移動可能となっている。上記蓋体13をタンク2に装着する際には、上記スリット13Aの長手方向を上記往復動機構16による洗浄ユニット15の往復動方向と一致させるようになっている。
さらに、本実施例においては、タンク2内に進入した洗浄ノズル14から洗浄液Wを噴射してタンク2内を洗浄する際に、開口部であるスリット13Aから洗浄液Wが外部へ飛び出すのを防止するために、スリット13Aを閉鎖する閉鎖手段18が設けられている。後に詳述するが、本実施例の閉鎖手段18は、洗浄ユニット15がスリット13A内を長手方向に沿って移動される際に、洗浄ユニット15の移動に連動することでスリット13Aの全域を常時、閉鎖状態に維持できる構成となっている。
上記洗浄ユニット15を昇降させる昇降手段21は、鉛直方向に設けられたレール21Aと、このレール21Aに昇降可能に取り付けられた昇降部材21Bとを備えている。昇降部材21Bは、チェーン21Cと上下一対のスプロケット21Dを介して昇降用のモータ21Eによって昇降されるようになっている。なお、上記モータ21Eにはサーボモータを使用することができ、上記制御装置がモータ21Eの作動を制御することで昇降部材21Bの高さが制御されるようになっている。
往復動機構16は、昇降部材21Bに設けられた逆L字形をしたブラケット25の先端に固定されている。往復動機構16は、タンク2及び蓋体13の上方側に水平、かつスリット13Aと平行となるように配置された水平方向レール16Aと、この水平方向レール16Aの長手方向に沿って移動可能に設けられた移動部材16Bとを備えている。移動部材16Bは、水平方向レール16Aに設けた図示しないタイミングベルトと一対のタイミングプーリを介して水平方向移動用のモータ16Cによって移動されるようになっている。なお、上記モータ16Cにはサーボモータを使用することができ、上記制御装置がモータ16Cの作動を制御することで、水平方向レール16Aの長手方向における移動部材16Bの位置を制御するようになっている。
図3に示すように、洗浄ユニット15は、移動部材16Bの円筒部16Baに上下方向に向けて軸支された外管28と、外管28の内部に軸支された内管29と、この内管29の下端部に水平方向に向けて軸支された旋回回転軸30と、この旋回回転軸30の先端部に連結された洗浄ノズル14等によって構成されている。
そして、上記内管29はギヤ32A、32Bを介して第1モータ33によって回転されるとともに、上記外管28はギヤ34A、34Bを介して第2モータ36によって回転されるようになっており、これら第1モータ33、第2モータ36の作動は上記制御装置によって制御されるようになっている。
また、外管28の下端部に環状部28Aが形成されており、そこに第1傘歯車38が装着されている。
外管28の長さは、図2に示すように、洗浄ノズル14を下降端位置に位置させた際に、該洗浄ノズル14がタンク2の底部2a近傍に位置する程度の長さに設定されている。
内管29の下端部にはホルダー39及びギヤケース40が一体に形成されており、内管29およびホルダー39には旋回回転軸30を水平方向に向けて軸支するための軸受部が形成されている。
このような構成により、上記第1モータ33を駆動して内管29を回転させると、当該内管29の回転中心を中心に、上記旋回回転軸30およびそれに連結した洗浄ノズル14を水平方向に旋回させることが可能となっている。
上記導管42は可撓性を有しており、上記洗浄ユニット15が上記往復動機構16および昇降手段21によって移動された際に、それに追従して変形するようになっている。
また内管29の液通路29Aの下端部は、当該内管29の下端部に形成された軸受部29Bに開口するとともに、該軸受部29Bに周方向に形成された図示しない周方向溝に連通している。
また、旋回回転軸30の外周には第2傘歯車44が嵌着されており、この第2傘歯車44は、上記外管28の下端部に嵌着された第1傘歯車38と噛合している。
旋回回転軸30は、有底箱状となったギヤケース40内に収容されており、上記両傘歯車38、44等を洗浄液Wから防護するとともに、このギヤケース40からは旋回回転軸30の先端部だけを突出させて、そこに洗浄ノズル14を連結させている。ギヤケース40は上記外管28に対して回転可能となっている。このような構成により、上記旋回回転軸30が水平方向に旋回すると、これに伴ってギヤケース40も外管28に対して回転するようになっている。
洗浄ノズル14は上記旋回回転軸30の液通路30Aと連通するように設けられており、その先端に形成された噴射孔は旋回回転軸30の軸心に対して略直交方向を向くように固定されている。
旋回回転軸30は内管29によって水平方向に軸支されており、旋回回転軸30が回転することで洗浄ノズル14は実質的に鉛直面で自転(旋回)するようになっている。
具体的には、第2モータ36によって外管28のみを回転させると、洗浄ノズル14は旋回回転軸30の回転に伴って旋回回転軸30の中心軸を中心に自転するようになっている。
また、第1モータ33によって内管29のみを回転させた場合には、洗浄ノズル14は旋回回転軸30の水平方向の旋回に伴って上記内管29の中心軸に対して公転するとともに、洗浄ノズル14は旋回回転軸30の回転に伴って旋回回転軸30の中心軸を中心に自転することとなる。
そして、外管28と内管29とを同時に回転させ、さらに第1モータ33、第2モータ36による回転速度を適宜調整することで、洗浄ノズル14の公転速度と自転速度とを調整することができ、洗浄ノズル14により噴射される洗浄液Wの噴射軌跡を任意に設定することができる。
例えば、外管28と内管29とを同じ方向に同じ速度で回転させると、第1傘歯車38、第2傘歯車44の噛合による旋回回転軸30の自転が生じない為、洗浄ノズル14を所定の噴射方向に維持したままで、これを外管28の中心軸に対して公転させることができる。
また、洗浄ノズル14の公転速度よりも自転速度が遅くなるよう、外管28と内管29とを異なる速度で回転させれば、洗浄液の噴射軌跡をタンク2の内面にらせん状に形成することができる。
昇降手段24は上下方向に向かって伸縮するエアシリンダ24Aによって構成されており、洗浄ユニット15によってタンク2内部を洗浄する際には図2に示す上昇位置に待機しており、回転軸8を洗浄する際には、回転軸8の近接上方側となる下降位置まで下降するようになっている。
回転軸洗浄ユニット23は、昇降手段24の先端に設けられたコ字形のフレーム48に、回転軸洗浄ノズル22が複数設けられた構成となっており、フレーム48の内部には各回転軸洗浄ノズル22に洗浄液を供給するための図示しない配管が設けられている。
フレーム48は、回転軸洗浄ユニット23が下降位置に位置した際に上記回転軸8を囲繞するようになっており、複数の回転軸洗浄ノズル22は上記回転軸8に対して上下左右から洗浄液Wを噴射できるようになっている。具体的には、複数の回転軸洗浄ノズル22のうち、フレーム48の下端に設けられた回転軸洗浄ノズル22は、回転軸8の下方に位置し、かつ斜め上方に向けて洗浄液Wを噴射するように設けられている。このような構成とすることで、回転軸洗浄ノズル22から噴射された洗浄液Wによって回転軸8の下方の部分も確実に洗浄できるようになっている。
すなわち、図1〜図6に示すように、上記洗浄部4は、蓋体13のスリット13Aを閉鎖する閉鎖手段18を備えており、この閉鎖手段18は、蓋体13の上面13Bにスリット13Aを上方から覆った状態で設けられている。
図1ないし図2に示すように、本実施例の蓋体13は、その上面13Bにおける円周方向3箇所にガイド軸13Cが鉛直上方に向けて固定されており、これらのガイド軸13Cは、ブラケット25及びそれと一体の支持部材26のガイド孔に摺動自在に貫通されている。これにより、タンク2に蓋体13を着脱させるために作業者が蓋体13を昇降させる際に、3本のガイド軸13Cがガイド孔に案内されることで、蓋体13が水平方向に位置ずれすることなく円滑に昇降できるようになっている。また、ガイド軸13Cの上端部は、ガイド孔よりも大径のストッパ部13Dとなっており、ベース11にタンク2が保持されていない時には、上記ストッパ部13Dがブラケット25、支持部材26に載置されて、蓋体13全体が水平に支持されるようになっている。
図4ないし図6に示すように、閉鎖手段18は、洗浄ユニット15の水平方向の往復動に連動してスリット13Aの長手方向(タンク2の直径方向)に沿って移動するスライドプレート51と、スライドプレート51の一端側および他端側に摺動自在に係合する一対のカバープレート52A、52Bと、これらの部材がスリット13Aの長手方向に沿って移動するのを案内するスライドガイド53を備えている。
一対のカバープレート52A、52Bは、スライドプレート51よりも少し大きな幅を有するとともにスライドプレート51の約半分の長さを有しており、さらに、長手方向に沿った両側の縁部52aは鉛直下方に折り曲げられている。カバープレート52Aは、スライドプレート51の一端側に上方側から載置して係合させてあり、カバープレート52Bはスライドプレート51の他端側に上方側から載置して係合させている。
これにより、スライドプレート51に対して両カバープレート52、52が長手方向に移動可能となっており、かつ、スライドプレート51及び両カバープレート52A、52Bはスリット13Aの長手方向に沿って移動できるようになっている。
スライドプレート51における貫通孔51Aの隣接位置には、一対のマグネットキャッチ54A、54Bが固定されている。そして、一方のカバープレート52Aの貫通孔51A側となる端部の上面に磁石55Aが取り付けられており、他方のカバープレート52Bの貫通孔51A側となる端部の上面に磁石55Bが取り付けられている。
カバープレート52A、52Bの磁石55A、55Bとマグネットキャッチ54A、54Bとは対向させて配置されている。カバープレート52Aの磁石55Aが、対向位置のマグネットキャッチ54Aと近接するとそれらが相互に磁着されるので、スライドプレート51とカバープレート52Aが一体に連結される。また、カバープレート52Bの磁石55Bが対向位置のマグネットキャッチ54Bと近接するとそれらが相互に磁着されるので、スライドプレート51とカバープレート52Bとが一体に連結され、その状態で移動されるようになっている。
他方、カバープレート52A、52Bにおける貫通孔51Aとは反対側の端部の上面に磁石55C、55Dが取り付けられており、これらの磁石55C、55Dがスライドガイド53の長手方向の両端となるストッパ部53A、53Bに外方側から当接してそこに磁着されることで、ガバープレート52A、52Bの内方側への移動端が規制されるようになっている。
スライドガイド53における長手方向の左右両側の縁部は、水平方向の外方へ折り曲げた連結部53Cとなっており、これら左右の連結部53Cの長手方向の所要位置に左右各一対の貫通孔53Dが穿設されている。他方、スリット13Aを囲繞する上面13Bの所定位置には、スライドガイド53の貫通孔53Dの位置と対応させて複数の取付ピン57が上方を向けて固定されている。取付ピン57の外周部にはおねじが形成されており、取付部材56の内周部にはめねじが形成されている。
そして、上述したように、スライドプレート51に上方から両カバープレート52を係合させた状態において、それらによってスリット13Aを覆ってそれらを蓋体13の上面13Bに載置し、その状態において上方側からスライドガイド53を蓋体13に連結している。
すなわち、スライドプレート51及び両カバープレート52に上方からスライドガイド53を被せた後、スライドガイド53の各貫通孔53Bをそれらに対応する取付ピン57に挿通させるとともに左右の連結部53Cを蓋体13の上面13Bに載置する。その後、取付ピン57のおねじに取付部材56を螺合させて該取付ピン57の下面と蓋体13の上面13Bとによってスライドガイド53の連結部53Cを挟持して固定する。
これにより、スライドガイド53が蓋体13の上面13Bに連結されるとともに、スライドガイド53の両側部と蓋体13の上面13Bとによってスライドプレート51及び両カバープレート52A、52Bがスリット13Aを覆って、かつスリット13Aの長手方向に沿って移動可能に保持されている。
スライドプレート51の中央部の貫通孔51Aには予め円筒部16Baと洗浄ユニット15の外管28が挿通させてあり、その状態において、上述した手順で閉鎖手段18の各部材を蓋体13のスリット13Aの位置に取り付けるようになっている。これにより、スライドプレート51、両カバープレート52A、52Bは、スライドガイド53に案内されてスリット13Aの長手方向に移動可能となっている。
スライドガイド53の長手方向の両端部は、左右の連結部53Cを連結するブリッジ状のストッパ部53A、53Bとなっている。そして、カバープレート52Bの外方側の端部は、一方のストッパ部53Aの下を貫通してそれよりも外方に位置しており、他方のカバープレート52Bの外方側の端部は、他方のストッパ部53Bの下を貫通して、それよりも外方に位置している。そして、ストッパ部53Aよりも外方側となるカバープレート52Aの端部上に磁石55Cが固定されており、ストッパ部53Bよりも外方側となるカバープレート52Bの端部上に上記磁石55Dが連結されている。
これらの磁石55C、55Dは、ストッパ部53A、53Bよりも上方側まで突出させてあるので、両カバープレート52A、52Bが内方側へ向けて移動された際に、磁石55C、55Dがストッパ部53A、53Bに外方から当接することで移動が停止され、その位置が内方側の移動端となっている。また、その際には、磁石55C、55Dがストッパ部53A、53Bに磁着して、カバープレート52A、52Bはその位置に停止されるようになっている。
先ず、図4(a)に示すように、洗浄ユニット15がスリット13Aの中央部にある状態では、スライドプレート51もスリット13Aの長手方向の中央部に位置してスリット13A全域を覆っており、両カバープレート52A、52Bは、磁石55C、55Dがストッパ部53A、53Bに当接して内方側の移動端の位置に停止している。この状態では、スライドプレート51のみによりスリット13Aの全域が閉鎖されており、両カバープレート52A、52Bは内方側の移動端に位置してスライドプレート51のほぼ大半を覆っている。
この状態から洗浄作業に伴って洗浄ユニット15がスリット13A内を一方の移動端まで移動されると、それに連動してスライドプレート51も移動されるので、そのマグネットキャッチ54Aがカバープレート52Aの磁石55Aと磁着し、それらが一体に連結され、一体となったスライドプレート51とカバープレート52Aはスリット13A内の一方の移動端まで移動される。この過程において、他方のカバープレート52Bはストッパ53Bと磁石55Dにより内方側の移動端に停止したままとなっている。このように、スライドプレート51及びカバープレート52Aは、洗浄ユニット15に連動してスリット13A内の一方の移動端まで移動されるが、スリット13Aの全域は、スライドプレート51とカバープレート52Bによって閉鎖されている(図4(a)〜図4(c)参照)。そのため、洗浄ノズル14から噴射されている洗浄液Wがスリット13Aから外部へ洩れることはない。
この後、洗浄ユニット15がスリット13A内を他方の移動端へ移動されると、マグネットキャッチ54Aと磁石55Aにより一体となったスライドプレート51とカバープレート52Aもスリット13A内の他方の移動端へ移動される。
その移動過程において、カバープレート52Aは、磁石55Cがストッパ部53Aに外方から当接して磁着され、そこで停止されるので、その後、カバープレート52Aの磁石55Aはスライドプレート51のマグネットキャッチ54Aから強制的に離隔される。
他方、スライドプレート51のマグネットキャッチ54Bがカバープレート52Bの磁石55Bと磁着するので、スライドプレート51とカバープレート52Bとが一体に連結され、一体となったそれらがスリット13A内の他方の移動端へ移動される(図4(d)、図4(e))。
この後、一体となったスライドプレート51とカバープレート52Bが移動端まで移動される(図4(f))。この状態では、スライドプレート51及び他方のカバープレート52Aによってスリット13Aの全域が閉鎖されている。
このように、タンク2内の洗浄時に洗浄ユニット15がスリット13A内を一方の移動端と他方の移動端とにわたって往復移動される際には、スライドプレート51及び両カバープレート52A、52Bが洗浄ユニット15に連動してスリット13Aの長手方向の一方の移動端と他方の移動端との間を移動するようになっている。それにより、洗浄作業時においてはスリット13Aの全域が閉鎖手段18により閉鎖されて、洗浄液Wがスリット13Aから外部に飛び出すことが防止されるようになっている。
続いて、洗浄ユニット15を下降させるとともに蓋体13も所要量下降させて、タンク2の本体部2Aの開口部2cの位置に蓋体13を装着する。その際、蓋体13は自重によってタンク2のフランジ部2dに支持される。
また、この時、蓋体13は、3本のガイド軸13Cによって支持されており、蓋体13に形成したスリット13Aの長手方向は、洗浄ユニット15の往復動方向に一致するようになっている。洗浄ユニット15はスリット13Aの長手方向の中央部に位置させる。これにより、洗浄ユニット15はタンク2内の中央部に位置するとともに、1対の回転軸洗浄ユニット23がそれぞれ上記回転軸8の上方に位置する。
続いて、往復動機構16は停止させて洗浄ユニット15(外管28)をタンク2の中央に位置させたままで、制御装置は予め設定された作動手順に基づいて、上記第1、第2モータ33、36を作動させ、外管28および内管29をそれぞれ所定の回転速度で回転させる。これにより旋回回転軸30に接続された洗浄ノズル14が自転しながら公転することとなる。
この状態で上記洗浄ノズル14に上記供給源43から洗浄液Wを供給すると、洗浄ノズル14からは内管29と旋回回転軸30に形成された液通路29A、30Aを流通した洗浄液Wが高圧で噴射されることとなる。
このとき、第1、第2モータ33,36の回転方向や回転速度を異ならせることで、洗浄ノズル14を任意の方向に向けながら旋回させ、タンク2の内部全体に対して洗浄液Wを噴射することができる。
その後、上記昇降手段21が洗浄ノズル14を上昇位置に上昇させて、再度洗浄ノズル14を自転させながら公転させることにより、タンク2の上方部分を洗浄する。
なお、上記昇降手段21によって昇降させながら、洗浄ノズル14を自転させながら公転させて、連続的にタンク2の上方部分から下方部分にかけて洗浄するようにしてもよい。しかしながら、このようにしてタンク2の内部の上方部分および下方部分を洗浄しても、上記タンク2の内面における上記撹拌部材7の接近した部分については、洗浄液Wの届かない死角になっている恐れがある。
そこで、タンク2の内部の上方部分および下方部分の洗浄が一通り終了したら、制御装置は駆動手段9のモータ12Aを作動させて撹拌部材7の角度を図2に想像線で示す位置へと変更するので、それまで上記撹拌部材7が接近していた部分に洗浄液Wが噴射される。
ここまでの洗浄作業において、蓋体13のスリット13Aは、図4(a)に示した状態で、閉鎖手段18によって閉鎖されている。そのため、閉鎖手段18のスライドプレート15によってスリット13Aの全域が閉鎖されており、スリット13Aから洗浄液Wが飛び出すのが防止されている。
そこで制御装置は、上記昇降手段21によって洗浄ノズル14を上昇位置に退避させ、その状態で上記駆動手段9のモータ12Aを作動させて撹拌部材7を起立状態として、それまで死角となっていた撹拌部材7の外周部を上方に向ける。
続いて制御装置は、上記洗浄ユニット15の第1、第2モータ33,36によって内管29と外管28とを回転させ、上記洗浄ノズル14が下方を向くとともに、撹拌部材7の外周側と対向するようにする。
さらに、制御装置は、往復動機構16によってスリット13Aの長手方向に沿って洗浄ノズル14を往復移動させると同時に昇降手段21によって洗浄ノズル14の噴射孔を撹拌部材7の外周面に沿って移動させ、洗浄液Wを当該撹拌部材7の外周面に噴射させる。
このように、洗浄ノズル14が往復動機構16によって移動されるのに伴って洗浄ユニット15も蓋体13のスリット13A内をその長手方向に沿って移動される。そのため、図4を参照して前述したように、洗浄ユニット15がスリット13Aの長手方向に往復移動するのに連動して、閉鎖手段18のスライドプレート51及び両カバープレート52A、52Bがスリット13Aの長手方向に一方の移動端と他方の移動端との間を移動される。その際、前述したように、スリット13Aの全域はスライドプレート51及び両カバープレート52A、52Bのいずれかによって閉鎖状態に維持されるので、洗浄液Wがスリット13Aから漏れだしたり、飛び出したりすることが防止される。
そして、撹拌部材7の一方の外周部の洗浄が終了したら、制御装置はモータ12Aを作動させて撹拌部材7を回転させ、洗浄の終了していないそれまで下方を向いていた他方の外周部を上方に向け、当該他方の外周部の洗浄を行う。
この時にも、洗浄ユニット15がスリット13A内を往復移動するのに連動して閉鎖手段18のスライドプレート51及び両カバープレート52A、52Bもスリット13A内を長手方向に沿って移動される。その際、スリット13Aの全域はスライドプレート51及び両カバープレート52A、52Bのいずれかによって閉鎖状態に維持されるので、洗浄液Wがスリット13Aから漏れたり、飛び出したりすることが防止される。
以上のようにして、洗浄ノズル14から洗浄液Wを噴射することで、タンク2の本体部2Aの内面及び撹拌部材7のほぼ全域の洗浄が行われる。そして、この時点、洗浄ユニット15は、図2及び図4(a)に示したスリット13Aの長手方向の中央部に停止する。また、閉鎖手段18のスライドプレート51によってスリット13Aの全域が閉鎖されている。
つまり、上記昇降手段24によって回転軸洗浄ユニット23を図2に示す上昇位置から下降位置まで移動させると、上記回転軸8は上記フレーム48に設けられた回転軸洗浄ノズル22よって囲繞されることとなる。
そして、駆動手段9のモータ12Aを作動させて撹拌部材7が回転した状態で上記回転軸洗浄ノズル22から洗浄液Wを噴射することにより、回転軸8の全周、特に回転軸8における下方側の洗浄を行うことができ、上記洗浄ユニット15では洗浄しにくい部分の洗浄を行うことができる。
なお、このような回転軸洗浄ユニット23による洗浄の際には、洗浄ユニット15は中央部で停止しており、閉鎖手段18のスライドプレート51、両カバープレート52A、52Bも停止している。そして、スライドプレート51によってスリット13Aの全域は閉鎖されているので、スリット13Aを介して洗浄液Wが外部へ飛び出すことはない。以上のようにして、洗浄装置1によるタンク2の内部と、その内部に配置された撹拌部材7の洗浄作業が終了する。なお、洗浄作業の順番は、適宜変更できるものである。
しかも、本実施例の閉鎖手段18は、スリット13Aを閉鎖するために電気的な制御が必要ないので、閉鎖手段18を低コストで設置することができ、ひいては洗浄装置1を低コストで製造することができる。
さらに、閉鎖手段18のスライドプレート51、両カバープレート52A、52B自体を洗浄する際には、取付部材56を取付ピン57から取り外した後に、スライドガイド53、スライドプレート51及び両カバープレート52A、52Bを蓋体13の上面13Bから取り外して、それらを容易に清掃することができる。そのため、閉鎖手段18の良好な清浄性を維持することができる。したがって、本実施例によれば、食品や化粧品用のタンク2の洗浄用として好適な洗浄装置1を提供できる。
なお、上記実施例においては、閉鎖手段18は、スライドプレート51と両カバープレート52A、52Bを備え、それらによってスリット13Aの全域を常時閉鎖するように構成しているが、スライドプレート51の長手方向寸法を長くして、スライドプレート51のみでスリット13Aの全域を常時閉鎖する構成も可能である。つまり、上記実施例における両カバープレート52A、52Bを省略した構成を採用することも可能である。
また、上記実施例においては、スライドプレート51にマグネットキャッチ54A、54Bが取り付けられる一方、両カバープレート52A、52Bに磁石55A、55Bが取り付けられているが、スライドプレート51に磁石55A、55Bが取り付けられて、両カバープレート52A、52Bにマグネットキャッチ54A、54Bが取り付けられるものであってもよい。
2c‥開口部 13‥蓋体
13A‥スリット(開口部) 14‥洗浄ノズル
15‥洗浄ユニット 16‥往復動機構(移動機構)
18‥閉鎖手段 51‥スライドプレート
52A‥カバープレート 52B‥カバープレート
53‥スライドガイド W‥洗浄液
Claims (3)
- タンクの開口部を閉鎖する蓋体と、上記蓋体で閉鎖されたタンクの内部に洗浄液を噴射してタンクの内部を洗浄する洗浄ノズルを有する洗浄ユニットと、上記洗浄ユニットを蓋体に形成されたスリットに沿って移動させる移動機構と、上記蓋体のスリットから洗浄液が飛び出さないように閉鎖する閉鎖手段とを備えて、上記洗浄ノズルをタンク内に進入させた状態で洗浄ノズルから洗浄液を噴射してタンクの内部を洗浄する洗浄装置において、
上記閉鎖手段は、上記移動機構によって洗浄ユニットがスリットの長手方向に移動するのと連動して、上記スリットの長手方向に沿って移動するスライドプレートを備えることを特徴とする洗浄装置。 - 上記閉鎖手段は、蓋体のスリットの全域を覆う大きさを有する上記スライドプレートと、上記スライドプレートの長手方向の一端側と他端側にスリットの長手方向に沿って移動可能に取り付けられた一対のカバープレートとを備えており、
上記スライドプレートと上記カバープレートが重ねられ、洗浄ユニットがスリットの長手方向に沿って移動される際には、一方のカバープレートは停止された状態で上記スライドプレートと他方のカバープレートとが一体に連結された状態で移動されて、スリットの全域が一方のカバープレートとスライドプレートによって閉鎖されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。 - 少なくとも上記スライドプレートと上記カバープレートの一方に磁石が取り付けられ、スライドプレートとカバープレートが上記磁石の磁着によって一体に連結されることを特徴とする請求項2に記載の洗浄装置。
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2019
- 2019-04-04 JP JP2019072322A patent/JP7303421B2/ja active Active
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