JP2020167972A - 振出式釣竿 - Google Patents

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Abstract

【課題】各竿管の固着を防止し、釣人にとって安心感と高級感の有る操作を安価に実現する振出式釣竿の提供。
【解決手段】第5番竿管15は、竿管本体20を被う第1拡径部21と、この第1拡径部21に連続する第2拡径部22とを有する。第2拡径部22は、第1拡径部21に対して後端側25に延びている。第2拡径部22の外径は、拡径率T2にて後端側25に向かって漸次拡大している。第1拡径部21の外径は、拡径率T1にて後端側25に向かって漸次拡大している。拡径率T2は、拡径率T1以上の大きさである。第2拡径部22は、筒状を呈し、後端側25に向かって漏斗状に拡がっている。第2拡径部22は、第1拡径部21よりも容易に径方向に弾性変形する。
【選択図】図2

Description

この発明は、いわゆる振出式釣竿の構造に関するものである。
いわゆる振出式の釣竿や玉の柄(以下、「振出竿」と称す。)は、複数の竿管からなり、各竿管はテレスコピックを構成するように組み立てられる。各竿管は一般に炭素繊維により強化された樹脂からなり、複数の竿管のうち外径が最も小さいものから順に第1番竿管、第2番竿管と称され、最も外径が大きい竿管は元竿管と称される。元竿管は、釣人が振出竿を操作する際に把持する部分であり、元竿管の内側に配置される竿管は元上竿管と称される。互いに隣り合う竿管のうち大径竿管の先端部の内径は、小径竿管の後端部の外径よりも小さく設定されており、振出竿が伸長した場合、隣り合う竿管同士が嵌合して振出竿の伸長状態が保持される。ただし、振出竿が縮短される際には、各竿管の嵌合が容易に解除されることが要請される。
ところで、実釣において振出竿が伸長された場合、隣り合う竿管同士が軸方向に相対的に強く引っ張られ、強固に嵌合して固着するおそれがある。一方、振出竿では、隣り合う竿管同士の嵌合が弱い場合は、隣り合う竿管同士が相対的に軸方向回りに回転したり、釣人が意図しないときに振出竿が縮短(各竿管が脱落)するおそれがある。かかる不都合が解消されるため、従来からさまざまな対策が講じられている(たとえば特許文献1および特許文献2参照)
特許文献1に開示された玉の柄は、元上竿管の後端部および元竿管の先端部にそれぞれボールや金属製部材が配置されており、且つ元竿管と元上竿管との固着防止のために、元竿管の先端の内側に、元上竿管との接触面積を減ずる溝が設けられている。これにより、元竿管に対する元上竿管の円滑なスライドが実現されている。
特許文献2に開示された玉の柄は、元上竿管と元竿管との固着防止のために、元竿管の先端部の内側が縮径されて段部が形成されると共に、元上竿管の後端部が拡径され、この後端部と前記段部とが当接するようになっている。さらに、元竿管に対する元上竿管の相対回転を防止するため、元上竿管の後端部に係止溝が形成されると共に、元竿管の先端部の内側に前記係止溝と係合する係止突起が設けられている。そして、元上竿管の後端部の外径および元竿管の先端部の内径は、元上竿管が元竿管から伸長して嵌合した場合に、容易に両者の嵌合が解除されないように精密な寸法設定がなされている。
特許第3860757号公報 特開2003−174835号公報
各特許文献に開示された構造では、隣り合う竿管同士について一方が他方に対して完全に伸長したときに両者の嵌合状態が決定される。換言すれば、各竿管は滑らかにスライドするが、全伸長するまでは、隣り合う竿管同士が嵌合した状態とならない。
実釣において釣人は、釣竿を伸長させる際に、隣り合う竿管の嵌合の程度を感触として認知したいという要請がある。すなわち、釣人にとって、隣り合う竿管のうち一方を他方から引き出すに当たり、一方の竿管の後端部が他方の竿管の先端部に嵌め合わされていく過程を感覚として得たい、つまり、一方の竿管の引出抵抗が徐々に大きくなり、嵌合状態がしだいに形成されていく感覚を得たいという要請がある。釣人がこのような感覚を得ることができれば、釣竿を伸長させる際の操作感が向上すると共に、釣竿を伸長させる動作を竿管同士の固着を回避して安心して行える。
しかしながら、各特許文献に開示された構造では、釣人は、一方の竿管の引出抵抗が徐々に大きくなっていく感覚を得ることができない。しかも、隣り合う竿管同士が複雑な嵌合構造となるから、各竿管の加工コスト、引いては釣竿の製造コストが上昇する。
本発明はかかる背景のもとになされたものであり、その目的は、高級感の有る操作感と共に各竿管を安心して伸長させることができ、各竿管の固着が防止された良好な嵌合状態を安価に実現する振出竿を提供することである。
(1) 本発明に係る振出竿は、大径竿管内から小径竿管を引き出して両者が所定の位置で継合するように構成された振出式釣竿である。前記小径竿管は、前記大径竿管側に向かって外径が第1拡径率で漸次拡径する第1拡径部と、前記第1拡径部からさらに前記大径竿管側に延設され、前記大径竿管側に向かって外径が前記第1拡径率とは異なる第2拡径率で漸次拡径する第2拡径部とを備えている。
この発明によれば、小径竿管が大径竿管から引き出されると、第1拡径部及び第2拡径部が大径竿管の内側に嵌合し、両者が継ぎ合わされる。第2拡径部は第1拡径部に延設され、大径竿管側に延びている。これら第1拡径部及び第2拡径部のそれぞれの外径は、大径竿管側に向かって漸次拡径している。このため、第2拡径部は、第1拡径部に連続して径方向外方に拡がる漏斗状を呈する。したがって、第1拡径部及び第2拡径部が大径竿管の内側に嵌め合わされていく過程において、第2拡径部が大径竿管によって相対的に圧縮され径方向に弾性変形する。
すなわち、釣人が隣り合う竿管のうち小径竿管を大径竿管から引き出す動作に連動して、第1拡径部が大径竿管に嵌め合わされると共に、この引き出し量に応じて第2拡径部が弾性変形し、より強く大径竿管と嵌合する。第2拡径部は、前述のような弾性変形により大径竿管に嵌合しているから、釣人が小径竿管を大径竿管の内側に押し込んだとき、すなわち、大径竿管内に挿入する向きにスライドさせたときに、第2拡径部と大径竿管との嵌合が容易に解除され、これに続いて第1拡径部と大径竿管との嵌合も容易に解除される。
(2) 第2拡径率は、第1拡径率よりも大きく設定されているのが好ましい。
この構成では、第2拡径部が径方向外方により大きく張り出す。したがって、釣人が小径竿管を大径竿管から引き出す際に、第2拡径部と大径竿管との嵌合状態を感知しやすいという利点がある。
(3) 第2拡径率は、大径竿管側に向かって漸次大きくなるのが好ましい。
この構成では、第2拡径部の外形稜線は、大径竿管側に向かって曲線状に大きく拡がる。したがって、小径竿管の引き出し量に対して、第2拡径部と大径竿管との嵌合力がより緩やかに増大することとなり、釣人にとって、小径竿管の操作感が向上する。
(4) 第1拡径部は径方向における第1剛性を有し、第2拡径部は径方向における第2剛性を有する。これら第1剛性と第2剛性とは、互いに異なるのが好ましい。特に、第2剛性は、第1剛性よりも小さく設定されるのがより好ましい。
この構成では、釣人が小径竿管を大径竿管から引き出す際に、第2拡径部がより変形しやすくなり、小径竿管の操作感が一層向上する。
(5) 小径竿管は繊維強化樹脂製であり、第1拡径部は、繊維が所定の第1繊維方向に引き揃えられ、第2拡径部は、繊維が第1繊維方向とは異なる第2繊維方向に引き揃えられているのが好ましい。特に、第1繊維方向は、少なくとも前記小径竿管の周方向を含み、第2繊維方向は、前記第1繊維方向に交差する方向であるのが好ましい。
この構成では、小径竿管が繊維強化樹脂製であるから、第2拡径部と大径竿管とが嵌合したときに、第2拡径部が周方向に座屈を起こすことが抑制される。また、第1拡径部に含まれる繊維の方向は、第2拡径部に含まれる繊維の方向と交差するので、第1拡径部と第2拡径部との間に弾性変形に差を設けることができ、隣り合う小径竿管及び大径竿管を相対的に引っ張りながら互いの嵌合状態を感触することができる。しかも、第2拡径部に含まれる繊維は、周方向と交差する方向に引き揃えられているので、第2拡径部がより一層変形しやすくなるという利点を利用し、その弾性変形に大きな差を設けることできる。
(6) 小径竿管は、炭素繊維強化樹脂製であるのが好ましい。
この構成では、繊維方向によって、小径竿管の弾性変形が比較的自由に調整される。しかも、強化繊維として、炭素繊維が利用されることで、小径竿管の軽量化を実現した強度設計が容易になる。
(7) 第2拡径部は、不織布に樹脂が含浸されたものであるのが好ましい。特に、弾性係数が1000kgf/mm2以下である繊維からなる不織布に樹脂が含浸されたものであるのがより好ましい。
この構成では、第2拡径部がより一層変形しやすくなり、釣人にとって小径竿管の操作感がなお一層向上する。
この発明によれば、小径竿管が大径竿管から引き出される際に、引き出し量に応じて小径竿管の第2拡径部が弾性変形しつつ大径竿管と嵌合するから、釣人は、釣竿を伸長させるときに、隣り合う小径竿管及び大径竿管を相対的に引っ張りながら互いの嵌合状態を感触として認知することができ、高級感のある操作性が実現される。しかも、第2拡径部の弾性変形によって隣り合う竿管同士が確実に嵌合保持されるから、実釣において竿管の脱落が防止される。さらに、第2拡径部が弾性変形しているので、小径竿管と大径竿管とが固着することなく容易に両者の嵌合が解除される。したがって、釣人は、各竿管を安心して伸長させることができる。加えて、このような各竿管の良好な嵌合を実現するために、第2拡径部が第1拡径部に延設されているだけの構造が採用されているので、振出竿の構造が特に複雑化することなく、製造コストの上昇も抑えられる。
図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿10の外観斜視図である。 図2は、釣竿10の要部の断面形状を模式的に示した図である。 図3は、釣竿10の第5番竿管15の成形要領を示す模式図である。 図4は、釣竿10の第5番竿管15の成形要領を示す模式図である。 図5は、釣竿10の第5番竿管15の成形要領を示す模式図である。 図6は、釣竿10の第5番竿管15の成形要領を示す模式図である。 図7は、釣竿10の第5番竿管15の成形要領を示す模式図である。 図8は、釣竿10の第5番竿管15の成形要領を示す模式図である。 図9は、釣竿10の第5番竿管15の成形要領を示す模式図である。
以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されつつ説明される。なお、本実施の形態は、本発明に係る釣竿の一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
<本実施形態の概要とポイント>
図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿10の外観斜視図である。
この釣竿10は、いわゆる振出式延べ竿であって、6本の竿管11〜16からなる。各竿管11〜16は、先端側から順に第1番竿管11、第2番竿管12、第3番竿管13、第4番竿管14、第5番竿管15及び第6番竿管16と称され、それぞれの外径が順に大きくなる。
各竿管11〜16はいわゆる入れ子を構成しており、隣り合う竿管のうち小径の竿管が大径の竿管に対して軸方向18に沿ってスライドする。同図では、第1番竿管11〜第5番竿管15が、それぞれ隣り合う第2番竿管12〜第6番竿管16から相対的に軸方向18に引き出され、釣竿10が伸長した状態を示している。ここで、「軸方向18」とは、各竿管11〜16の軸方向であり、釣竿10の長手方向である。同図において、軸方向18の右側が先端側24であり、左側が後端側25である。
各竿管11〜16の外形は、いわゆるテーパが形成された細長の楔状に形成されている。すなわち、各竿管11〜16の外径は、大径の竿管側に向かって所定の拡径率で漸次拡大しており、先端側24の外径よりも後端側25の外径が大きくなるように形成されている。隣り合う竿管のうち小径の竿管の後端部の外径は、大径の竿管の先端部の内径よりも大きく設定されている。したがって、隣り合う竿管のうち小径の竿管が大径の竿管から引き出されると、両者が嵌合し且つ一定の保持力で連結状態が維持される。
たとえば、互いに隣り合う第5番竿管15(特許請求の範囲に記載された「小径竿管」に相当)及び第6番竿管(特許請求の範囲に記載された「大径竿管」に相当)について、第5番竿管15は、軸方向18に沿って相対的に第6番竿管16から進退する。釣人が第5番竿管15を第6番竿管16から先端側24に引き出すことにより、第5番竿管15が第6番竿管16から伸長して両者が連結される。また、釣人が第5番竿管15を第6番竿管16へ押し込むように挿入すると、両者の連結が解除されて、第5番竿管15が第6番竿管16に対して縮短する。他の隣り合う竿管11〜16についても同様の関係である。なお、第6番竿管16はグリップ17を備えており、釣人はグリップ17を把持することにより、釣竿10を容易に操作することができる。
各竿管11〜16は、既知の要領で成形される。たとえば、炭素繊維により強化された樹脂シート(プリプレグ)が所定形状に裁断され、これがマンドレルの周囲に巻回される。このプリプレグは、所定の温度にて熱処理された後にマンドレルから引き外されることによって、円筒状の各竿管11〜16が焼成される。各竿管11〜16の具体的な成形方法については後述される。
図2は、釣竿10の要部の断面形状を模式的に示した図である。同図は、第5番竿管15の後端部19の構造を示している。なお、同図において二点鎖線は、第5番竿管15の中心線23を示しており、この中心線23の方向が前記軸方向18と一致している。
本実施形態の特徴とするところは、第5番竿管15の後端部19の形状であり、竿管本体20に第1拡径部21及び第2拡径部22が設けられている点である。なお、本発明は、当該第5番竿管15の後端部19にのみ実施されるものではなく、各竿管11〜16において、隣り合う竿管のうち小径側の竿管11〜15の後端部にも同様に適用され実施され得る。
<第5番竿管の構成>
図2が示すように、第5番竿管15は、中心線23を中心とする円筒状を呈し、竿管本体20と、この竿管本体20に設けられた第1拡径部21及び第2拡径部22とを備えている。第1拡径部21及び第2拡径部22は、前記後端部19を構成している。第5番竿管15の軸方向18の長さL1は、釣竿10の仕様により適宜設計変更されるが、400mm〜1500mmに設定される。竿管本体20の外形について、軸方向18に沿って所定のテーパが形成されている。すなわち、竿管本体20の外径は、先端側24から後端側25に向かって、換言すれば、第6番竿管16側に向かって(同図において右側に向かって)漸次拡径されている。この竿管本体20の拡径率(前記所定のテーパの大きさ)は、本実施形態では、1.2/1000であるが、0.3/1000〜5/1000に設定される。
第1拡径部21は、円筒状に形成され、円錐台の外形を呈する。第1拡径部21は、竿管本体20の外周面の外側に一体的に形成されており、竿管本体20の外径を拡大するように配置されている。第1拡径部21の外形について、軸方向18に沿って一定のテーパが形成されている。すなわち、第1拡径部21の外径は、先端側24から後端側25に向かって(第6番竿管16側に向かって)一定の拡径率T1(特許請求の範囲に記載された「第1拡径率」に相当)にて漸次拡大している。この拡径率T1は、本実施形態では、2.5/1000であるが、0.5/1000〜5/1000に設定される。
第2拡径部22も円筒状に形成され、円錐台の外形を呈する。第2拡径部22は、第1拡径部21に連続して延設されており、前記後端側25に向かって(第6番竿管16側に向かって)漏斗状に拡がるように形成されている。第2拡径部22の外形について、軸方向18に沿って一定のテーパが形成されている。すなわち、第2拡径部22の外径は、先端側24から後端側25に向かって一定の拡径率T2(特許請求の範囲に記載された「第2拡径率」に相当)にて漸次拡大している。この拡径率T2は、本実施形態では、8/1000であるが、前記拡径率T1以上の大きさであれば特に限定されない。ただし、8/1000以下の範囲で設定されるのが好ましい。
本実施形態では、前記拡径率T2は、一様ではなく、前記後端側25に向かって漸次大きくなるように形成されている。すなわち、拡径率T2は、第2拡径部22と第1拡径部21とが連続する部位26では、2/1000であるが、この部位26から後端側25に向かって漸次大きくなっており、第2拡径部22の後端27において、8/1000である。なお、拡径率T2の変化率は、一様であってもなくてもよく、適宜設計変更され得る。
第1拡径部21の長さL2は、20mm〜150mmに設定され、第2拡径部22の長さL3は、5mm〜50mmでに設定され得る。したがって、前記後端部19の長さ(L2+L3)は、25mm〜200mmとなる。
竿管本体20は、弾性係数E1が40000kgf/mm2である炭素繊維にて強化された樹脂からなる。もっとも弾性係数E1は、釣竿10の仕様により5000kgf/mm2〜80000kgf/mm2の範囲で適宜設定され得る。
第1拡径部21も炭素繊維にて強化された樹脂(典型的にはエポキシ樹脂)からなり、この炭素繊維の弾性係数E2は、前記弾性係数E1と同様である。ただし、弾性係数E2が弾性係数E1と一致している必要はない。この炭素繊維は、本実施形態では第1拡径部21の周方向(特許請求の範囲に記載された「第1繊維方向」に相当)に沿って引き揃えられている。このため、第1拡径部21は、径方向に所定の剛性(特許請求の範囲に記載された「第1剛性」に相当)を有する。なお、前記炭素繊維が前記周方向以外の方向に沿って引き揃えられていてもよい。また、前記樹脂を強化する繊維は、炭素繊維に代えてガラス繊維その他の繊維が採用され得る。もっとも、前記樹脂は繊維により強化されていなくてもよい。
第2拡径部22も炭素繊維にて強化された樹脂(典型的にはエポキシ樹脂)からなる。この炭素繊維は、前記第1拡径部21の周方向と交差する方向(特許請求の範囲に記載された「第2繊維方向」に相当)に沿って引き揃えられている。本実施形態では、この炭素繊維の弾性係数E3は、24000kgf/mm2に設定されるが、5000kgf/mm2〜60000kgf/mm2で適宜設定され得る。このため、第2拡径部22は、径方向28に所定の剛性(特許請求の範囲に記載された「第2剛性」に相当)を有する。本実施形態では、前記第2拡径部22の剛性は、前記第1拡径部21の剛性よりも小さい。もっとも、前記第2拡径部22の剛性が前記第1拡径部21の剛性よりも大きくてもよい。
この場合、「剛性」とは、径方向28に一定の外力が作用した場合の第1拡径部21及び第2拡径部22の弾性的な歪みの程度であり、この「剛性」が大きいほど第1拡径部21及び第2拡径部22の歪みは小さくなる。したがって、本実施形態では、第2拡径部22は、第1拡径部21よりも径方向28に弾性変形しやすく、特に第2拡径部22の後端27は容易に変位することができる。
本実施形態では、第1拡径部21及び第2拡径部22は炭素繊維にて強化された樹脂からなるが、不織布に樹脂が含浸された材料から第2拡径部22が構成されていてもよい。この場合、不織布を構成する繊維の弾性係数は、1000kgf/mm2以下に設定される。
図3〜図9は、第5番竿管15の成形要領を示す模式図である。
図3は、第5番竿管15を構成する樹脂シート31〜34及びマンドレル30のレイアウトを示す図である。樹脂シート31〜34は、マンドレル30に対して同図が示すように配置される。マンドレル30は、樹脂シート31〜34が巻回される芯金であり、マンドレル30の外形が竿管本体20の形状(前記竿管本体20の外径の拡径率)を決定する。樹脂シート31は、前記弾性係数E1の炭素繊維を含むプリプレグであり、竿管本体20を構成する。樹脂シート32は、前記弾性係数E2の炭素繊維を含むプリプレグであり、第1拡径部21を構成する。樹脂シート33は、前記弾性係数E3の炭素繊維を含むプリプレグであり、第2拡径部22を構成する。なお、前述のように、樹脂シート31〜33に含まれる繊維は、炭素繊維に代えてガラス繊維その他の繊維であってもよく、さらに、樹脂シート33では、炭素繊維に代えて前記不織布が含まれていてもよい。もっとも、樹脂シート31〜34に、前記繊維が含まれていなくてもよい。樹脂シート34は、樹脂シート32、33を被うものであり、本実施形態では、前記弾性係数E1の炭素繊維を含むプリプレグである。この樹脂シート34に含まれる繊維も、炭素繊維に代えてガラス繊維その他の繊維であってもよいし、前記繊維が含まれていなくてもよい。
樹脂シート31、32は、同図が示すような所定形状に裁断される。樹脂シート31は、図4が示すようにマンドレル30の周囲に巻き付けられ、樹脂シート32は、樹脂シート31の後端側25の部分を被うように重ねて巻き付けられる。このとき、樹脂シート32の後端は、樹脂シート31の後端に一致するように配置される。次に、樹脂シート33は、図3が示すような形状に裁断される。すなわち、樹脂シート33は、細幅部35及び太幅部36を有する。細幅部35は矩形であり、太幅部36は、細幅部35に連続して幅寸法が漸次拡がる台形である。図5が示すように、樹脂シート33は、細幅部35側からマンドレル30の周囲に巻き付けられる。このとき、細幅部35は、樹脂シート31、32の後端と突き合わされて配置され、この状態で樹脂シート33がマンドレル30に巻き付けられる。これにより、樹脂シート33は、樹脂シート31、32に対して、図6が示す位置及び領域に配置される。さらに、樹脂シート34は、図3が示すような台形状に裁断される。樹脂シート34は、図7が示す位置に配置され、樹脂シート32、33に重ねて巻き付けられる。このとき、樹脂シート34の後端は、樹脂シート33の後端よりも後端側25に所定寸法Sだけずらされる。この寸法Sは、本実施形態では、10mmに設定されるが、5mm〜50mmの範囲で設計される。樹脂シート34は、図8が示すように、樹脂シート33を完全に被う。
各樹脂シート31〜34がマンドレル30に巻回された状態で、所定の温度にて所定時間だけ加熱される。この熱処理は既知の工程により行われる。この熱処理により、各樹脂シート31〜34は一体化される。その後、マンドレル30が引き抜かれることにより、図9が示すように、第5番竿管15が焼成される。同図が示すように、第5番竿管15の後端部19は、竿管本体20の周囲に、樹脂シート32〜34によって3つの層37〜39が形成される。この後端部19は、所定の位置41にて切断され、第5番竿管15の後端42が決定される。さらに、後述の研削行程を経て、層37は前記第1拡径部21を構成し、層38は前記第2拡径部22を構成する。樹脂シート34によって形成される層39は、マンドレル30が引き抜かれる際に、層38がクラッシュすることを防止する。
次に、第5番竿管15の研削行程について説明される。この研削行程では、前記後端部19の外周面が研削され、第1拡径部21及び第2拡径部22の形状が仕上げられる。同図において、点線40は、第1拡径部21及び第2拡径部22の削り代の境界を示している。この後端部19の研削要領は既知であり、いわゆる「ならい型」を用いて研削装置によって行われる。まず、層37が点線40に倣って研削される。これにより、層37の外周面に前記拡径率T1のテーパが形成され、第1拡径部21が成形される(図2参照)。さらに、層38が点線40に倣って研削される。この層38の領域に対応する点線40は、図9が示すように後端側25に向かって径方向外方に漸次拡がる曲線である。これにより、層38の外周面に前記拡径率T2のテーパが形成され、第2拡径部22が成形される(図2参照)。なお、層37、38が研削されることにより、層39はすべて除去される。
他の竿管11〜14についても同様の要領で成形される。なお、第6番竿管16は、いわゆる元竿であるので、その後端部に前記第1拡径部21及び第2拡径部22に対応する構造を備えていない。
<本実施形態の作用効果>
第5番竿管15が第6番竿管16から引き出されると、第5番竿管15の後端部19が第6番竿管16の先端部と嵌合する。具体的には、前記第1拡径部21及び第2拡径部22(図2参照)が第6番竿管16の先端部の内壁に押圧され、両者が嵌め合わされる。前記第2拡径部22の拡径率T2及び第1拡径部21の拡径率T1は、前述のように設定されているから、第2拡径部22は、図2が示すように、第1拡径部21から後端側25(第6番竿管16側)に向かって外径が漸次大きくなる漏斗状を呈する。したがって、第5番竿管15が第6番竿管16から引き出される際に、第2拡径部22が第6番竿管16の先端部の内壁と摺動しつつ径方向に圧縮され弾性変形する。
換言すれば、釣人が第5番竿管15を第6番竿管16から引き出す動作をしたときに、前記第1拡径部21が第6番竿管16に嵌め合わされると共に、第5番竿管15の引き出し量に応じて前記第2拡径部22の変形が弾性的に進行していく。このことは、釣人にとって、隣り合う竿管を引っ張りながら互いの嵌合状態を感触として認知することができ、高級感のある操作性が実現される。しかも、第2拡径部22の弾性変形により第5番竿管15と第6番竿管16とが確実に嵌め合わされるので、実釣において第5番竿管15の脱落が防止される。さらに、第2拡径部22が弾性変形しているので、この第2拡径部22と第6番竿管16との固着が抑制され、第5番竿管15と第6番竿管16との嵌合が容易に解除され得る。したがって、釣人は、第5番竿管15を安心して伸長させることができる。加えて、このような第5番竿管15と第6番竿管16との良好な嵌合を実現するために、前記第2拡径部22を第1拡径部21に設けるという簡単な構造が採用されているから、釣竿10の製造コストの上昇が抑えられるという利点もある。
なお、本実施形態では、第5番竿管15と第6番竿管16との関係に限定して説明されているが、隣り合う一対の竿管についても同様であることは言うまでもない。
本実施形態では、第2拡径部22の拡径率T2が第1拡径部21の拡径率T1よりも大きいので、第2拡径部22が径方向外方に大きく張り出す。したがって、釣人が第5番竿管15を引き出す際に、第2拡径部22と第6番節16との嵌合状態をより詳細に感知しやすい。
特に、前記拡径率T2が設定されることにより、第2拡径部22は、第6番竿管16側に向かって曲線状により大きく拡がる。したがって、第5番竿管15の引き出し量に対して、第2拡径部22と第6番竿管16との嵌合力がより緩やかに増大することとなり、釣人にとって、第5番竿管15の操作感が向上する。
本実施形態では、第1拡径部21よりも第2拡径部22の方がより変形しやすいので、釣人が第5番竿管16を引き出す際に、第2拡径部22がより変形しやすくなり、第5番竿管15の操作感が一層向上する。なお、第1拡径部21よりも第2拡径部22の方がより変形し難くなるように構成されていても、第2拡径部22が変形しやすくなる。
本実施形態では、第5番竿管15を構成する樹脂が前記繊維により強化されているので、第2拡径部22と第6番竿管16とが嵌合したときに、第2拡径部22の座屈が抑制される。特に、第1拡径部21に含まれる繊維は周方向に沿って引き揃えられ、第2拡径部22に含まれる繊維と交差している。つまり、第2拡径部22に含まれる繊維は、周方向と交差する方向に引き揃えられているから、第2拡径部22がより一層変形しやすくなり、前記操作感がより一層向上する。
特に、第2拡径部22が不織布(好ましくは、弾性係数が1000kgf/mm2以下の繊維からなる不織布)に樹脂が含浸されたものから構成されるならば、第2拡径部22がなお一層変形しやすくなり、釣人にとって第5番竿管15の操作感が向上する。
本実施形態では、第5番竿管15は、炭素繊維により強化された樹脂からなるので、この繊維方向によって、第5番竿管15の弾性変形を比較的自由に調整することができる。しかも、強化繊維として炭素繊維が利用されることで、軽量化が実現されつつ強度設計が容易になされる。
10・・・釣竿
15・・・第5番竿管
16・・・第6番竿管
18・・・軸方向
19・・・後端部
20・・・竿管本体
21・・・第1拡径部
22・・・第2拡径部
23・・・中心線
24・・・先端側
25・・・後端側
26・・・連続する部位
28・・・径方向
T1・・・拡径率
T2・・・拡径率


Claims (10)

  1. 大径竿管内から小径竿管を引き出して両者が所定の位置で継合するように構成された振出式釣竿であって、
    前記小径竿管は、
    前記大径竿管側に向かって外径が第1拡径率で漸次拡径する第1拡径部と、
    前記第1拡径部からさらに前記大径竿管側に延設され、前記大径竿管側に向かって外径が前記第1拡径率とは異なる第2拡径率で漸次拡径する第2拡径部と、を備えた振出式釣竿。
  2. 前記第2拡径率は、前記第1拡径率よりも大きい、
    請求項1に記載の振出式釣竿。
  3. 前記第2拡径率は、前記大径竿管側に向かって漸次大きくなる、
    請求項1又は2のいずれかに記載の振出式釣竿。
  4. 前記第1拡径部は径方向における第1剛性を有し、前記第2拡径部は径方向における第2剛性を有し、前記第1剛性と前記第2剛性とは、互いに異なる、
    請求項1から3のいずれかに記載の振出式釣竿。
  5. 前記第2剛性は、前記第1剛性よりも小さい、
    請求項4に記載の振出式釣竿。
  6. 前記小径竿管は、繊維強化樹脂製であり、
    前記第1拡径部は、繊維が所定の第1繊維方向に引き揃えられ、
    前記第2拡径部は、繊維が前記第1繊維方向とは異なる第2繊維方向に引き揃えられている、
    請求項1から5のいずれかに記載の振出式釣竿。
  7. 前記第1繊維方向は、少なくとも前記小径竿管の周方向を含み、
    前記第2繊維方向は、前記第1繊維方向に交差する方向である、
    請求項6に記載の振出式釣竿。
  8. 前記小径竿管は、炭素繊維強化樹脂製である、
    請求項6又は7に記載の振出式釣竿。
  9. 前記第2拡径部は、不織布に樹脂が含浸されたものからなる、
    請求項5に記載の振出式釣竿。
  10. 前記第2拡径部は、弾性係数が1000kgf/mm2以下である繊維からなる不織布に樹脂が含浸されたものからなる、
    請求項9に記載の振出式釣竿。


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