JP2020167436A - 研磨フィルム、研磨方法、及び研磨フィルムの製造方法 - Google Patents

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正行 中西
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Abstract

【課題】研磨フィルムによる被研磨物への傷を抑制することにある。【解決手段】基材フィルムと、前記基材フィルムの第1面に配置され、不織布またはシリコンゴムを含む弾性層と、前記弾性層の前記基材フィルムとは反対側の面に配置され、砥粒とバインダとを有する研磨層と、を備え、前記研磨層の表面には、直線状の複数の溝が設けられている、研磨フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、研磨フィルム、研磨方法、及び研磨フィルムの製造方法に関する。
半導体デバイスの製造工程では、ウェハ上の種々の材料が膜状に繰り返し形成され、積層構造を形成する。この積層構造は、ウェハの表面のみならず、ウェハの周縁部にも形成される。ウェハの周縁部は、本来製品には使用されない領域であり、周縁部に形成された膜は除去することが必要とされる。これは、ウェハの搬送工程で膜が剥離してウェハ上のデバイス形成領域に付着し、歩留まりを低下させてしまうからである。このようなウェハの周縁部上の膜を除去するために、研磨テープを用いた研磨装置が使用されている。
研磨テープは、基材テープと、該基材テープ上に形成された研磨層とを有する。研磨装置は、研磨テープの研磨層とウェハの周縁部とを摺接させることによりウェハの周縁部を研磨する。研磨層は、研磨粒子がバインダ樹脂中に分散され、研磨粒子としてはダイヤモンド砥粒がある。
ダイヤモンド砥粒を有する研磨テープは、高い除去レートでウェハの周縁部上の膜を除去することができる。しかしながら、ダイヤモンド砥粒は硬度が高いために、最終的に露出するウェハの表面(通常はシリコンウェハの表面)に傷をつけてしまうおそれがある。このようなウェハの表面へのダメージは、その後の工程に悪影響を与え、製品の歩留まりを低下させてしまう。
また、ダイヤモンド砥粒の粒子径は、平均粒子径(粒度)で管理されるため、同一の平均粒子径のダイヤモンド砥粒であっても、含まれる砥粒の粒子径には分布がある。このため、粒子径の大きなダイヤモンド砥粒が含まれる場合、ウェハの表面に傷を付けてしまう可能性がある。この対策としては、より小さい平均粒子径(粒度)のダイヤモンド砥粒を使用することが考えられるが、粒度♯2000以下でのダイヤモンド砥粒の製造は技術的に困難である。よって、ダイヤモンド砥粒の粒子径がばらついたとしても、ウェハ表面に傷を付けない研磨テープが求められる。
特許文献1には、研磨テープを使用してウェハのべベル部及びニアエッジ部を研磨する研磨装置が記載されている。
特許文献2には、砥粒として平均直径0.02μm〜5μmのシリカ粒子を採用し、ウェハの表面へのダメージを低減した研磨テープが記載されている。
特許文献3には、光ファイバコネクタの端面研磨に使用される研磨フィルムが記載されており、この研磨フィルムは、0.5〜5μmの平均粒子径からなるシリカ粒子を固定砥粒と、1〜500nmの平均粒子径からなるシリカ粒子を遊離砥粒とを研磨層に含むことによって、固定砥粒によって生じた研磨痕が、遊離砥粒によって同時研磨されるようになっている。
特許文献4には、ダイヤモンド粒子を固定砥粒とする研磨フィルムの代替としての研磨テープの構成が記載されている。この研磨テープは、少なくとも遊離砥粒としての平均粒子径0.2〜5μmの研磨粒子がバインダに含有された研磨層を有する。また、研磨粒子は、シリカ粒子が好ましいことが記載されている。
特許文献5には、基材フィルムの一方側に、プライマー層と、略球状のアルミナ・シリカの複合酸化物粒子からなるムライト相を主成分とする研磨材粒子を有する研磨層と、を備えた研磨テープが記載されている。また、研磨材粒子として、10〜700nmの球状の一次粒子が好ましいことが記載されている。
特許文献6には、平均粒子径が0.1μm〜16μmのダイヤモンド砥粒を含む研磨テープを使用し、研磨テープを被研磨物のエッジに沿って(図1のR方向に沿って)往復運動させながら研磨する方法が記載されている。
しかしながら、研磨時間を低減しスループットを向上させるために、より大きな平均粒子径の砥粒を使用することが望まれる。この場合、従来よりも大きな平均粒子径の砥粒を用いて、ウェハ等の被研磨物に傷を付けずに研磨時間を低減する必要がある。従って、従来よりも広い平均粒子径の範囲のダイヤモンド砥粒を含む研磨テープを使用して、研磨レートを高め、かつ、高品質な研磨を行えるようにすることが求められる。一例としては、平均粒子径が0.1μm〜100μmのダイヤモンド砥粒を用いて被研磨物に傷を付けない研磨テープを実現することが期待される。
また、遊離砥粒を使用する場合には、被研磨物の表面に砥粒が残留し、この残留した砥粒を除去しなければならず、研磨後の洗浄に手間と時間がかかるという問題が生じる。従って、遊離砥粒を使用しない場合であっても、従来よりも広い平均粒子径の範囲のダイヤモンド砥粒を含む研磨テープを使用して、研磨レートを高め、かつ、高品質な研磨を行えるようにすることが望ましい。
本発明の目的は、上述した課題の少なくとも一部を解決することにある。
特許5649417号明細書 特開2012−179704号公報 特開2002−239921号公報 特開2002−254325号公報 特開平10−071572号公報 特開2006−142388号公報
本発明の目的は、上述した課題の少なくとも一部を解決することである。
[形態1] 形態1によれば、研磨フィルムが提供され、研磨フィルムは、 基材フィルムと、 前記基材フィルムの第1面に配置され、不織布またはシリコンゴムを含む弾性層と、 前記弾性層の前記基材フィルムとは反対側の面に配置され、砥粒とバインダとを有する研磨層と、を備える。
形態1によれば、不織布またはシリコンゴムからなる弾性層を使用するため、弾性層の弾性(例えば、弾性率)を十分確保することができる。また、弾性層の硬度及び厚みを調整することで、容易に弾性を調整することができる。そして、研磨層と基材フィルムとの間に、不織布またはシリコンゴムからなる弾性層が存在するので、十分な弾性を有する弾性層によって研磨フィルムの特定の箇所に応力の集中が緩和され、被研磨物に傷が付くのを抑制できる。
また、研磨フィルムの強度を基材フィルムで確保しつつ、弾性層によって被研磨物に傷を付けることを抑制できる。
特に、砥粒の平均粒子径にばらつきによって粒子径の大きい砥粒が含まれる場合に、粒子径の大きい砥粒に応力が集中して被研磨物に傷を付けることを抑制することができる。
弾性層によって被研磨物に傷が付くのを抑制できるため、平均粒子径の大きい砥粒を研磨層に使用することが可能になり、研磨レート(研磨速度)を向上させることが可能になる。この結果、研磨レートを高め、かつ、高品質な研磨を行える。また、研磨レートを上
げることができるので、スループットを向上させることができる。
また、弾性層があるため、研磨フィルムが被研磨物に接触する際に、研磨フィルムが被研磨物の形状に追従しやすくなり、被研磨物の広い範囲に接触し、研磨することが可能になる。例えば、半導体ウェハのべベル部を研磨する際に、べベル部の形状に追従して、べベル部の全体に接触することが可能となり、広い範囲の研磨を同時に行うことが可能になる。この点でも、研磨レートを高め、スループットを向上させることができる。
この研磨フィルムを使用すれば、研磨装置側で例えば、基板面に沿った軸回りに研磨フィルムを往復運動させる等の特別な制御を用いなくとも、平均粒子径の大きい砥粒を使用して、被研磨物への傷を抑制しつつ研磨レートを上げることが可能である。
また、遊離砥粒を用いることなく、被研磨物に傷がつくのを抑制できるので、被研磨物の表面に砥粒が残留することを抑制することができる。さらに、研磨フィルムをウェハの表面の研磨に採用することもできる。
[形態2] 形態2によれば、形態1の研磨フィルムにおいて、前記砥粒が前記弾性層に含まれない。
形態1によれば、砥粒が弾性層に含まれないので、研磨に寄与しない砥粒を低減し、高価な砥粒の使用量を低減することができる。
[形態3] 形態3によれば、形態1または2の研磨フィルムにおいて、前記弾性層は、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、及びナイロンを含む群から選択される1つを含む不織布、又は、シリコンゴムを含む。
形態2によれば、研磨フィルムに適した弾性層を提供することができる。
[形態4] 形態4によれば、形態3の研磨フィルムにおいて、前記弾性層は、ポリプロピレン又はナイロンを含む不織布である。
形態3によれば、ポリプロピレン又はナイロンを含む不織布を弾性層に使用することによって、研磨レート及び研磨品質(例えば、表面粗さ指標)においてより良好な性能を有することが可能である。
[形態5] 形態5によれば、形態1乃至4の研磨フィルムにおいて、前記基材フィルムは、ポリエチレンテレフタラート(PET)を含む。
形態4によれば、PETを含む基材フィルムを用いることによって、研磨フィルムの強度を確保できるとともに、弾性層の性能を良好に発揮し得る。特に、PETを含む基材フィルムと、ポリプロピレン又はナイロンを含む不織布を含む弾性層とを組み合わせることで、研磨レート及び研磨品質においてより良好な性能を有することが可能である。
[形態6] 形態6によれば、形態1乃至4の研磨フィルムにおいて、前記基材フィルムは、ポリイミドを含む。
形態5によれば、ポリイミドを含む基材フィルムを用いることによって、研磨フィルムの強度を確保できるとともに、弾性層の性能を良好に発揮し得る。
[形態7] 形態7によれば、形態1乃至6の研磨フィルムにおいて、前記ダイヤモンド粒子の平均粒子径は、0.1〜100μmである。
形態7によれば、平均粒子径100μmまでの大きい平均粒子径のダイヤモンド粒子を研磨層に使用して、弾性層によって被研磨物への傷を抑制することができるので、研磨レートを大きくすることができる。
[形態8] 形態8によれば、形態7に記載の研磨フィルムにおいて、前記ダイヤモンド粒子の平均粒子径が17μm以上かつ100μm以下である。
形態7によれば、平均粒子径17μm以上かつ100μm以下の大きい平均粒子径のダイヤモンド粒子を研磨層に使用し、弾性層によって被研磨物への傷を抑制することができるので、研磨レートを大きくすることができる。また、研磨装置側で例えば、基板面に沿った軸回りに研磨フィルムを往復運動させる等の特別な制御を用いなくとも、平均粒子径の大きいダイヤモンド粒子を使用して、被研磨物への傷を抑制しつつ研磨レートを上げることが可能である。また、遊離砥粒を使用しなくとも、平均粒子径の大きいダイヤモンド粒子を使用して、被研磨物への傷を抑制しつつ研磨レートを上げることが可能である。
[形態9] 形態9によれば、形態1乃至8の研磨フィルムにおいて、前記バインダに対する前記ダイヤモンド粒子の割合が50重量%以上かつ90重量%以下である。
形態8によれば、弾性層によって被研磨物への傷を抑制できるので、研磨層に含まれるダイヤモンド粒子を50重量%以上かつ90重量%以下含むことができ、研磨レートを上げることが可能である。
[形態10] 形態10によれば、研磨方法が提供され、この研磨方法では、形態1乃至9の何れかの研磨フィルムを使用して、ウェハのべベル部、ニアエッジ、及び裏面の少なくとも1つを研磨する。
形態1乃至9の何れかに記載の研磨フィルムをウェハのべベル部、ニアエッジ、又は裏面に採用することによって、精密な研磨仕上げが要求されるウェハの研磨を良好に行うことができる。また、研磨レートを上げることができるので、スループットを向上させることができる。さらに、研磨フィルムをウェハの表面の研磨に採用することもできる。
[形態11] 形態11によれば、形態10に記載の研磨方法において、前記砥粒の平均粒子径が異なる複数の前記研磨フィルムを、前記ウェハの周囲に配置し、各研磨フィルムを順次使用して前記ウェハのべベル部を研磨する。
形態10によれば、砥粒の平均粒子径が大きい研磨フィルムから砥粒の平均粒子径がより小さい研磨フィルムを順次使用することによって、同一の研磨装置において、べベル部の最終仕上げ研磨まで行うことが可能である。
[形態12] 形態12によれば、形態10に記載の研磨方法において、前記砥粒の平均粒子径が同一の複数の前記研磨フィルムを、前記ウェハの周囲に配置し、複数の前記研磨フィルムを同時に使用して前記ウェハのべベル部を研磨する。
形態11によれば、同一の平均粒子径の砥粒を有する複数の研磨フィルムを同時に使用することによって、べベル部の研磨レートを向上することができる。
[形態13] 形態13によれば、研磨フィルムの製造方法が提供され、この製造方法では、 基材フィルムの第1面に、不織布またはシリコンゴムを含む弾性層を形成し、 前記弾性層の前記基材フィルムとは反対側の面に、砥粒とバインダとを有する研磨層を形成する。
形態13によれば、形態1で述べた作用効果を奏する研磨フィルムを形成することができる。
[形態14] 形態14によれば、形態13に記載の研磨フィルムの製造方法において、前記砥粒はダイヤモンド粒子である。ダイヤモンド粒子を砥粒として用いるので、高い除去レートでウェハの周縁部上の膜を除去することが可能な研磨テープを製造することができる。
一実施形態に係る研磨フィルムの断面構成を示す説明図である。 一実施形態に係る研磨フィルムの被研磨物への押し付けを説明する説明図である。 比較例に係る研磨フィルムの被研磨物への押し付けを説明する説明図である。 研磨フィルムの製造工程図である。 研磨フィルムの製造装置の概略構成を示す説明図である。 製造途中の研磨フィルムを巻き取る様子を示す説明図である。 研磨フィルムの材質比較試験の結果を示す。 一実施形態に係るに係る研磨装置の平面図である。 研磨ユニットによって研磨されるウェハの各領域を説明する説明図である。 研磨ユニットの第1例を示す平面図である。 研磨ユニットの第1例を示す縦断面図である。 研磨ユニットの第1例の研磨ヘッドの拡大図である。 研磨ユニットの第2例を示す側面図である。 研磨ユニットの第2例における処理ヘッドおよび揺動アームの内部構造を示す図である。 研磨ユニットの第2例における処理ヘッドを下方から見た図である。 研磨ユニットの第2例における処理ヘッドに備えられたテープカートリッジを示す断面図である。
(A)研磨フィルム
(A−1)研磨フィルムの構成
図1は、本発明の一実施形態に係る研磨フィルムの断面構成を示す説明図である。研磨フィルム20は、基材フィルム30と、弾性層40と、研磨層50とを備えている。弾性層40は、基材フィルム30の一方の面(第1面)上に形成されている。研磨層50は、弾性層40の基材フィルム30とは反対側の面に形成されている。研磨層50は、研磨材としての砥粒60を含んでいる。砥粒60のすべてが、研磨層50に含まれ、弾性層40には砥粒60が含まれない。砥粒60の表面は、研磨層50に完全に被覆されていてもよいし、一部が研磨層50の表面から露出していてもよい。
基材フィルム30は、研磨フィルム20に所要の強度を付与するとともに、研磨フィルム20の取り扱い性を向上させる。本実施形態では、基材フィルム30は、PETまたはポリイミドからなる。本実施形態では、基材フィルム30の厚みは、25μm以上かつ200μm以下である。基材フィルム30の厚みは、25μm以上とすることが望ましい。こうすれば、研磨フィルム20の製造時において、基材フィルム30にシワや破断が生じにくく、取り扱い性が向上する。また、基材フィルム30の厚みは、200μm以下とすることが望ましい。こうすれば、研磨フィルム20を用いた研磨時において、弾性層40の弾性とともに基材フィルム30が、非平坦な被研磨物の形状(例えば、エッジや曲面)にも好適に追従できる。
弾性層40は、研磨層50の下地層としても機能する。本実施形態では、弾性層40は、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステルまたはナイロンからなる不織布、もしくは、シリコンゴムからなる。なお、これらの材料に適宜添加物等を含む場合もある。本実施形態では、弾性層40の厚みは、10μm以上かつ2000μm以下である。弾性層40は、十分な弾性を持たせるため、例えば、複数の層を積層させて形成する。弾性層40に含まれる複数の層は、同一材料からなる層であっても、異なる材料からなる層であってもよい。また、弾性層40(弾性層40を構成する複数の層)の硬度及び厚みを調整することによって、弾性層40の弾性(例えば、弾性率)を調整することが可能である。ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステルまたはナイロンからなる不織布は、例えば、材料強度、太さ、及び密度により硬度を変化させることができる。
基材フィルム30及び弾性層40の厚みは、研磨フィルム20に要する強度、弾性、各
層に使用する材料に応じて適宜設定し得るが、一例では、弾性層40の厚みは、基材フィルム30の厚みよりも小さくすることができる。
研磨層50は、バインダ樹脂55と、砥粒60とを含む。研磨層50の厚みは、0.1μm以上100μm以下である。砥粒60は、研磨材粒子であり、研磨の際に、研磨層50の表面側の部位が切れ刃として作用する。砥粒60としては、例えば、ダイヤモンド粒子、シリコンカーバイト(SiC)、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、酸化マンガン(MnO)、酸化セリウム(CeO)、酸化クロム、酸化第二鉄、などを使用できる。砥粒60としてダイヤモンド粒子を用いた場合、平均粒子径は、0.1μm以上かつ100μm以下である。
本実施形態では、基材フィルム30と研磨層50との間に弾性層40を配置したことによって、平均粒子径が大きい砥粒を使用した場合においても、被研磨物に傷を付けることを抑制することができる。具体的には、従来使用が困難であった17μm以上かつ100μm以下の範囲の平均粒子径のダイヤモンド粒子を砥粒60に用いて、被研磨物に傷を付けることを抑制しつつ、研磨レートを向上させることが可能である。なお、基材フィルム30と研磨層50との間に弾性層40を配置した構成によれば、砥粒60にダイヤモンド粒子以外の材料を使用した場合にも、より大きい平均粒子径の砥粒60を使用して、被研磨物に傷を付けることを抑制しつつ、十分な研磨レートで研磨を行うことが可能である。
本願において、砥粒60の粒子径は、レーザ回折・散乱法(マイクロトラック法)によって測定する。測定装置には、マイクロトラックX100(日機装社製)を使用する。また、「平均粒子径」とは、レーザ回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒子径(D50)を意味する。
図1に示すように、研磨フィルム20において、砥粒60の全ては、研磨層50に位置し、砥粒40は弾性層40には含まれない。砥粒60は、研磨層50に保持されている。この構成により、複数個の砥粒60が基材フィルム30の厚み方向に過度に積み重なった状態を避けることができる。このため、砥粒60の大部分が、研磨層50の樹脂材料と接触した状態で保持されている。したがって、研磨フィルム20は、砥粒60の保持強度が高く、比較的硬い被研磨物や、加工圧が大きくなる形状を有する被研磨物の研磨が可能である。
また、研磨フィルム20が被研磨物の形状に追従して湾曲する場合にも、砥粒60の保持強度が高いので、砥粒60の脱落等を防止することが可能である。つまり、研磨フィルムの用途が拡大する。また、研磨レートを向上できる。例えば、研磨フィルム20は、ウェハのベベル部やノッチ部の研磨にも好適に使用できる。
また、本実施形態に係る研磨フィルム20では、砥粒60がすべて研磨層50に含まれ、砥粒60が厚み方向に過度に積み重なることが抑制されるので、砥粒60の使用量を低減できる。その結果、低コスト化、省資源化に資する。さらに、砥粒60の各々の突出高さのばらつきを低減できる。このため、研磨時には、被研磨物に対して、砥粒60の突起がほぼ均一に接触するので、研磨ムラやスクラッチの発生を抑制できる。また、基材フィルム30と弾性層40との接触面上に砥粒60が存在しないので、基材フィルム30と弾性層40との密着性も高い。これらの研磨フィルム20の特徴は、後述する研磨フィルム20の製造方法によって実現される。
また、強度の高いポリイミドを基材フィルム30の材質として使用する場合には、基材自体の引張り強度や破断強度が高い。このため、特に、研磨フィルムの幅が小さいとき、例えば、10mm以下の場合に、加工中に研磨テープが伸びる、あるいは、プロセスが安定しない、といった問題が生じることを抑制できる。
図2Aは、一実施形態に係る研磨フィルムの被研磨物への押し付けを説明する説明図である。図2Bは、比較例に係る研磨フィルムの被研磨物への押し付けを説明する説明図である。
比較例では、図2Bに示すように、基材フィルム30Aと研磨層50Aとからなる研磨フィルム20Aからなる研磨テープを使用する。この研磨フィルム20Aは、基材フィルム30Aと研磨層50Aとの間に弾性層を有さない。研磨フィルム20Aからなる研磨テープをローラ300a、300bで保持しつつ、押圧部材400で研磨テープをウェハWのべベル部に押し付けた場合、研磨フィルム20Aの弾性が小さいため、研磨フィルム20AがウェハWのべベル部の形状に追従し難い。また、押圧部材400の押し付けによって、粒子径のばらつきに起因して粒子径が大きい砥粒に応力の集中が生じやすく、応力が集中する箇所でウェハWに傷を生じやすい。一方、押圧部材400による押し付け力を低減すると、研磨レートが低下し、生産性が低下する。
本実施形態に係る研磨フィルム20を使用する場合、図2Aに示すように、基材フィルム30と研磨層50との間に弾性層40を有するので、研磨フィルム20がウェハWのべベル部の形状に沿って、容易に追従し、湾曲する。このためウェハWに研磨フィルム20をソフトに接触させることができ、粒子径が大きい砥粒に応力が集中すること抑制し、ウェハWに傷を付けることを抑制することができる。
この結果、より平均粒子径が大きい砥粒を研磨フィルム20に使用しても、ウェハWに傷を生じ難い。従って、研磨フィルム20に傷を付けることを抑制しつつ、研磨レートを上げることができる。
また、研磨フィルム20がウェハWのべベル部の形状に沿って、容易に追従し、湾曲するため、研磨フィルム20がウェハWに接触する面積が大きく、ウェハWの広い範囲を研磨することができる。さらに、研磨フィルム20をウェハの表面の研磨に採用することもできる。
(A−2)研磨フィルムの製造方法
図3は、上述した研磨フィルム20の製造工程を示す。図4Aは、研磨フィルム20の製造装置200の概略構成を示す。図2に示すように、研磨フィルム20の製造においては、まず、基材フィルム30を用意し、基材フィルム30の一方の面に第1の塗料80を塗工する(ステップS110)。
基材フィルム30には、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリイミドからなるフィルムを使用する。
第1の塗料80は、溶剤と、樹脂からなる不織布(不織布樹脂)またはシリコンゴムとを含む。不織布樹脂またはシリコンゴムの固形分は、最終的に弾性層40の成分となる。不織布樹脂またはシリコンゴムに溶剤を添加することによって、第1の塗料80を、塗布に適した粘度に調整する。不織布としては、例えば、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステルまたはナイロンからなる不織布を使用する。
本実施形態では、第1の塗料80は、不織布樹脂に対して、溶剤を溶解させ、撹拌し、真空容器内で脱泡および脱気して、作製される。第1の塗料80の粘度は、溶剤の添加によって、所定の粘度に調整される。
作製された第1の塗料80は、基材フィルム30の一方の面に塗布される。本実施形態では、コンマコータ方式によって、第1の塗料80は塗工される。具体的には、図4Aに示すように、まず、ロール状に巻かれた基材フィルム30を製造装置200にセットし(
図示省略)、コンマロール220とコーティングロール230との間に基材フィルム30を順次送り出す。これにより、コータダム210に貯留された第1の塗料80が、基材フィルム30に塗工される。基材フィルム30の送り出し速度(塗布速度)は、例えば、0.5m/minとすることができる。塗布の厚みは、コンマロール220と基材フィルム30とのギャップ調整によって制御可能である。
第1の塗料80を塗工すると、次に、図3に示すように、塗工された第1の塗料80を乾燥させて、弾性層40を形成する(ステップS120)。具体的には、図4Aに示すように、第1の塗料80が塗工された基材フィルム30は、ローラ240,250上を搬送され、基材フィルム30の搬送ラインの上方に設けられた温風ドライヤ260によって、順次、乾燥される。なお、この段階で、乾燥された第1の塗料80を真空ベーク炉に入れて、弾性層40を硬化させてもよい。
第1の塗料80を乾燥させると、次に、図3に示すように、弾性層40が形成された基材フィルム30を、ロール状に巻き取る(ステップS130)。図4Bに示すように、基材フィルム30は、中空円筒状のコア270に巻き取られる。
巻き取りを行うと、次に、図3に示すように、巻き取った基材フィルム30を順次送り出し、弾性層40の上に、第2の塗料90を塗工する(ステップS140)。ステップS140における塗工は、製造装置200(図4A参照)を用いて、バインダ樹脂55に分散させた砥粒60を弾性層40の表面に塗布する。このとき、バインダ樹脂55に溶剤を加えることによって、第2の塗料90を塗布に適した粘度に調整する。なお、第1の塗料80を塗工するための設備と、第2の塗料90を塗工するための設備とは、個別に設けられているが、図4Aでは、図示を簡略化するために、共通の設備として表示している。なお、砥粒60を分散され溶剤によって粘度が調整されたバインダ樹脂55を弾性層40に含侵させてもよい。
第2の塗料90は、溶剤と、砥粒60と、バインダ樹脂55とを含む。このバインダ樹脂55の樹脂固形分は、最終的に研磨層50の成分となる。また、第2の塗料90は、第1の塗料80と同様に、粘度を調整され、また、撹拌し、真空容器内で脱泡および脱気して、作製される。
第2の塗料90を塗工すると、次に、塗工された第2の塗料90を乾燥させて、研磨層50を形成する(ステップS150)。ステップS150における乾燥は、製造装置200(図4A参照)を用いて、上記のステップS120と同様に行われる。
第2の塗料90を乾燥させると、次に、弾性層40および研磨層50が形成された基材フィルム30を、ロール状に巻き取る(ステップS160)。ステップS160における巻き取りは、製造装置200(図4A参照)を用いて、上記のステップS130と同様に行われる。ただし、ステップS160においては、図4Bに示すように、セパレータシート75を研磨層50の上に配置して、弾性層40および研磨層50が形成された基材フィルム30の巻き取りが行われる。換言すれば、径方向に隣り合う基材フィルム30の間に、セパレータシート75が挟まれるように、巻き取りが行われる。
なお、弾性層40および研磨層50が形成された基材フィルム30の巻き取り後、必要に応じて、当該基材フィルム30を真空ベーク炉290(図4A)内にセットし、弾性層40および研磨層50を硬化させる(ステップS170)。
図5は、研磨フィルムの材質比較試験の結果を示す。この材質比較試験は、4つのサンプルを使用して、研磨レート(μm/min)と、研磨後の被研磨物の表面粗さ指標値R
a(μm)を測定した。
サンプルS1は、砥粒としてD4000(平均粒子径3μm)のダイヤモンド粒子を使用し、弾性層40を設けない研磨フィルム20とした。
サンプルS2は、砥粒として砥粒としてD4000(平均粒子径3μm)のダイヤモンド粒子を使用し、弾性層40として厚さ30μmのポリプロピレンの不織布を使用した。基材フィルム30は、厚さ50μmのPETを使用した。
サンプルS3は、砥粒として砥粒としてD4000(平均粒子径3μm)のダイヤモンド粒子を使用し、弾性層40として厚さ30μmのポリエチレンの不織布を使用した。基材フィルム30は、厚さ50μmのPETを使用した。
サンプルS4は、砥粒として砥粒としてD4000(平均粒子径3μm)のダイヤモンド粒子を使用し、弾性層40として厚さ30μmのナイロンの不織布を使用した。基材フィルム30は、厚さ50μmのPETを使用した。
この材質比較試験では、直径300mmのシリコンウェハの外周(端面)部を研磨し、研磨レート(直径変化量)と、表面粗さ指標値とを測定した。研磨工程は、以下のようにして行った。まず、研磨装置にウェハを水平に配置し、回転するテーブルに吸着・保持させる。次に、研磨フィルム20を鉛直方向に微小送りさせながら、研磨フィルムをその後方からゴムパッドで押圧し、ウェハの端部に対して垂直に研磨フィルムを一定時間、押付けて、研磨する。そして、加工(研磨)前後のウェハ直径の変化と、加工時間とから研磨レートを求めた。
図5に示すように、研磨レートの点では、弾性層40がポリプロピレン(S2)、ポリエチレン(S3)の不織布の場合が良好であった。表面粗さ指標Raの点では、弾性層40がポリプロピレン(S2)、ナイロン(S4)の不織布が良好であって。この測定結果からは、弾性層40にポリプロピレンの不織布を使用することが、研磨レート及び表面粗さ指標の点で最も好ましいことが分かる。
(A−3)他の実施形態
他の実施形態としては、研磨層50の表面に模様(トレッド)を設ける。これにより、研磨層50の表面に凹凸を設けることができるため、弾性層40の弾性を低減(弾性層40の厚み、硬度(あるいは充填率ともいう)を低減)したとしても、研磨フィルム20の粒子径の大きい砥粒の部分に応力が集中することを抑制することができる。このため、ウェハWに傷を付けないで研磨レートを上昇させることができる。
また、弾性層40の厚みを低減できるため、研磨フィルム20の厚みを低減でき、研磨装置に設置できる研磨フィルム20の長さをより大きくすることができる。このため、研磨フィルム20の交換の頻度を低減できる。
研磨層50の表面に設ける模様(トレッド)は、例えば、タイヤのトレッドパターンと同様のパターン、やすりの研磨面の溝のような、一定の角度で斜めに延びる複数の溝を2組設けて互いに交差させたパターン、ラップさせた(重ね合された)格子のパターンとすることができる。なお、このような模様は、塗布された第2の塗料90の乾燥の前または後に、所望のパターンの凹凸を有する型を、第2の塗料90に押し当てることによって形成することができる。
上記実施形態によれば、不織布またはシリコンゴムからなる弾性層40を使用するため、弾性層40の弾性(例えば、弾性率)を十分確保することができる。また、弾性層の硬度及び厚みを調整することで、容易に弾性を調整することができる。そして、研磨層50と基材フィルム30との間に、不織布またはシリコンゴムからなる弾性層40が存在するので、十分な弾性を有する弾性層40によって研磨フィルム20の特定の箇所に応力の集中が緩和され、被研磨物に傷が付くのを抑制できる。
また、研磨フィルム20の強度を基材フィルムで確保しつつ、弾性層40によって被研磨物に傷を付けることを抑制できる。
特に、砥粒60の平均粒子径にばらつきによって粒子径の大きい砥粒が含まれる場合に、粒子径の大きい砥粒60に応力が集中して被研磨物に傷を付けることを抑制することができる。
弾性層40によって被研磨物に傷が付くのを抑制できるため、平均粒子径の大きい砥粒60を研磨層50に使用することが可能になり、研磨レート(研磨速度)を向上させることが可能になる。この結果、研磨レートを高め、かつ、高品質な研磨を行える。また、研磨レートを上げることができるので、スループットを向上させることができる。
また、弾性層40があるため、研磨フィルム20が被研磨物に接触する際に、研磨フィルム20が被研磨物の形状に追従しやすくなり、被研磨物の広い範囲に接触し、研磨することが可能になる。例えば、半導体ウェハのべベル部を研磨する際に、べベル部の形状に追従して、べベル部の全体に接触することが可能となり、広い範囲の研磨を同時に行うことが可能になる。この点でも、研磨レートを高め、スループットを向上させることができる。さらに、研磨フィルム20をウェハの表面の研磨に採用することもできる。
この研磨フィルム20を使用すれば、研磨装置側で例えば、基板面に沿った軸回りに研磨フィルムを往復運動させる等の特別な制御を用いなくとも、平均粒子径の大きい砥粒を使用して、被研磨物への傷を抑制しつつ研磨レートを上げることが可能である。
また、遊離砥粒を用いることなく、被研磨物に傷がつくのを抑制できるので、被研磨物の表面に砥粒が残留することを抑制することができる。
また、砥粒60が弾性層40に含まれないので、研磨に寄与しない砥粒を低減し、高価な砥粒の使用量を低減することができる。
また、ポリプロピレン又はナイロンを含む不織布を弾性層に使用することによって、研磨レート及び研磨品質(例えば、表面粗さ指標)においてより良好な性能を有することが可能である。
また、PETを含む基材フィルム30を用いることによって、研磨フィルム20の強度を確保できるとともに、弾性層40の性能を良好に発揮し得る。特に、PETを含む基材フィルム30と、ポリプロピレン又はナイロンを含む不織布を含む弾性層50とを組み合わせることで、研磨レート及び研磨品質においてより良好な性能を有することが可能である。また、ポリイミドを含む基材フィルムを用いる場合には、研磨フィルムの強度を確保できるとともに、弾性層40の性能を良好に発揮し得る。
上記実施形態によれば、平均粒子径100μmまでの大きい平均粒子径のダイヤモンド粒子を研磨層に使用して、弾性層によって被研磨物への傷を抑制することができるので、研磨レートを大きくすることができる。
また、平均粒子径17μm以上かつ100μm以下の大きい平均粒子径のダイヤモンド粒子を研磨層に使用し、弾性層によって被研磨物への傷を抑制することができるので、研磨レートを大きくすることができる。また、研磨装置側で例えば、基板面に沿った軸回りに研磨フィルムを往復運動させる等の特別な制御を用いなくとも、平均粒子径の大きいダイヤモンド粒子を使用して、被研磨物への傷を抑制しつつ研磨レートを上げることが可能である。また、遊離砥粒を使用しなくとも、平均粒子径の大きいダイヤモンド粒子を使用
して、被研磨物への傷を抑制しつつ研磨レートを上げることが可能である。
また、弾性層40によって被研磨物への傷を抑制できるので、研磨層50に含まれるダイヤモンド粒子を50重量%以上かつ90重量%以下含むことができ、研磨レートを上げることが可能である。
また、研磨フィルム20をウェハのべベル部、ニアエッジ、又は裏面の研磨に採用することによって、精密な研磨仕上げが要求されるウェハの研磨を良好に行うことができる。また、研磨レートを上げることができるので、スループットを向上させることができる。さらに、研磨フィルム20をウェハの表面の研磨に採用することもできる。
上述した研磨フィルムの製造方法では、基材フィルム30の第1面に、不織布またはシリコンゴムを含む弾性層40を形成し、 前記弾性層40の前記基材フィルム30とは反対側の面に、砥粒60とバインダ55とを有する研磨層50を形成する。
また、ダイヤモンド粒子を砥粒として用いた場合、高い除去レートでウェハの周縁部上の膜を除去することが可能な研磨テープを製造することができる。
(B)研磨装置
(B−1)研磨装置の構成
図6は、本実施形態に係る研磨装置の平面図である。この研磨装置1000は、複数のウェハが収容されたウェハカセットが載置されるロードポート1002と、研磨ユニット1003(1003A、1003B)と、洗浄ユニット1004と、乾燥ユニット1005とを備えている。なお、ここでは、研磨装置1000に2台の研磨ユニット1003A、1003Bを設ける場合を説明するが、1台又は3台以上の研磨ユニットを設けてもよい。また、研磨ユニット1003を同一タイプの研磨ユニットとすることもでき、一部の研磨ユニットを異なるタイプの研磨ユニットとすることもできる。例えば、研磨ユニット1003Aがウェハのべベル部の研磨用の研磨ユニットであり、研磨ユニット1003Bがウェハの裏面の研磨ユニットであってもよい。また、以下の説明では、被研磨物がウェハの場合を例に挙げるが、被研磨物としては、ガラス基板、液晶基板等の他の基板であってもよい。
ロードポート1002は、例えば、FOUP(Front-Opening Unified Pod)である。研磨ユニット1003A、1003Bは、例えば、ウェハのべベル部、トップエッジ、裏面を研磨するユニットである。詳細な構成は、後述する。洗浄ユニット1004は、研磨されたウェハを洗浄する。乾燥ユニット1005は、洗浄されたウェハを乾燥させる。乾燥ユニット1005は、例えば、スピンリンスドライヤ(SDR)であり、ウェハを高速回転させて乾燥する。
ウェハカセット内のウェハは、図示しない搬送装置によって研磨ユニット1003A又は1003Bに搬送され、ここでウェハのべベル部、ニアエッジ部、または裏面が研磨される。研磨後のウェハは、図示しない搬送装置によって洗浄ユニット1004に搬送される。洗浄ユニット1004では、ウェハの両面に洗浄液を供給しながらロールスポンジでウェハの両面をスクラブ洗浄する。洗浄されたウェハは、図示しない搬送ロボットによって乾燥ユニット1005に搬送される。乾燥ユニット1005は、ウェハを高速回転させることによってウェハをスピン乾燥する。乾燥されたウェハは、図示しない搬送装置によってFOUP1002のカセットに戻される。
図7は、研磨ユニットによって研磨されるウェハの各領域を説明する説明図である。同図では、デバイス領域Dと、べベル部Bと、裏面BSと、ニアエッジ部Eとを示している
。デバイス領域Dは、ウェハWにおいてデバイスが形成される領域である。べベル部Bは、ウェハWの外周面である。この例では、ストレート型のウェハWを示しており、べベル部Bは、上側傾斜部(上側ベベル部)P、下側傾斜部(下側ベベル部)Q、及び側部(アペックス)Rからなる。なお、ラウンド型のウェハWでは、べベル部Bは、略一定の曲率を有する連続した湾曲形状を有する。ウェハWにおいて裏面BSは、デバイス領域Dとは反対側の面である。ニアエッジ部は、デバイス領域Dとべベル部Bとの間の円環状の領域である。
次に、研磨ユニット1003A、1003Bの例として、ウェハWのべベル部B、ニアエッジ部E、裏面BSを研磨する構成を説明する。
(B−2)研磨ユニットの第1例
図8は、研磨ユニットの第1例を示す平面図である。図9は、研磨ユニットの縦断面図である。この研磨ユニット1003は、上述した研磨フィルム20からなる研磨テープ23を使用して、ウェハWのベベル部を研磨するベベル研磨ユニットとして好適に使用される。なお、この研磨ユニットでは、後述するチルト機構を使用して、ニアエッジ部Eを研磨することも可能である。
研磨ユニット1003は、その中央部に、研磨対象物であるウェハWを水平に保持し、回転させる回転保持機構3を備えている。図8においては、回転保持機構3がウェハWを保持している状態を示している。回転保持機構3は、ウェハWの裏面Bを真空吸着により保持する皿状の保持ステージ4と、保持ステージ4の中央部に連結された中空シャフト5と、この中空シャフト5を回転させるモータM1とを備えている。ウェハWは、搬送機構のハンド(図示せず)により、ウェハWの中心が中空シャフト5の軸心と一致するように保持ステージ4の上に載置される。
中空シャフト5は、ボールスプライン軸受(直動軸受)6によって上下動自在に支持されている。保持ステージ4の上面には溝4aが形成されており、この溝4aは、中空シャフト5を通って延びる連通ライン7に接続されている。連通ライン7は中空シャフト5の下端に取り付けられたロータリジョイント8を介して真空ライン9に接続されている。連通ライン7は、処理後のウェハWを保持ステージ4から離脱させるための窒素ガス供給ライン10にも接続されている。これらの真空ライン9と窒素ガス供給ライン10を切り替えることによって、ウェハWを保持ステージ4の上面に真空吸着し、離脱させる。
中空シャフト5は、この中空シャフト5に連結されたプーリp1と、モータM1の回転軸に取り付けられたプーリp2と、これらプーリp1,p2に掛けられたベルトb1を介してモータM1によって回転される。モータM1の回転軸は中空シャフト5と平行に延びている。このような構成により、保持ステージ4の上面に保持されたウェハWは、モータM1によって回転される。
ボールスプライン軸受6は、中空シャフト5がその長手方向へ自由に移動することを許容する軸受である。ボールスプライン軸受6はケーシング12に固定されている。したがって、本実施形態においては、中空シャフト5は、ケーシング12に対して上下に直線動作ができるように構成されており、中空シャフト5とケーシング12は一体に回転する。中空シャフト5は、エアシリンダ(昇降機構)15に連結されており、エアシリンダ15によって中空シャフト5および保持ステージ4が上昇および下降できるようになっている。
ケーシング12と、その外側に同心上に配置されたケーシング14との間にはラジアル軸受18が介装されており、ケーシング12は軸受18によって回転自在に支持されてい
る。このような構成により、回転保持機構3は、ウェハWを中心軸Crまわりに回転させ、かつウェハWを中心軸Crに沿って上昇下降させることができる。
図8に示すように、回転保持機構3に保持されたウェハWの周囲には4つの研磨ヘッド組立体1A,1B,1C,1Dが配置されている。研磨ヘッド組立体1A,1B,1C,1Dの径方向外側にはテープ供給回収機構2A,2B,2C,2Dが設けられている。研磨ヘッド組立体1A,1B,1C,1Dと、テープ供給回収機構2A,2B,2C,2Dとは、隔壁120によって隔離されている。隔壁120の内部空間は研磨室21を構成し、4つの研磨ヘッド組立体1A,1B,1C,1Dおよび保持ステージ4は研磨室21内に配置されている。一方、テープ供給回収機構2A,2B,2C,2Dは隔壁120の外側(すなわち、研磨室21の外)に配置されている。それぞれの研磨ヘッド組立体1A,1B,1C,1Dおよびテープ供給回収機構2A,2B,2C,2Dは同一の構成を有している。以下、研磨ヘッド組立体1Aおよびテープ供給回収機構2Aについて説明する。
テープ供給回収機構2Aは、研磨具である研磨テープ23を研磨ヘッド組立体1Aに供給する供給リール24と、ウェハWの研磨に使用された研磨テープ23を回収する回収リール24とを備えている。供給リール24と回収リール25は上下に配列されている。供給リール24および回収リール25にはカップリング27を介してモータM2がそれぞれ連結されている(図1には供給リール24に連結されるカップリング27とモータM2のみを示す)。それぞれのモータM2は、所定の回転方向に一定のトルクをかけ、研磨テープ23に所定のテンションをかけることができるようになっている。
研磨テープ23は長尺のテープ状の研磨具であり、上述した研磨フィルム20によって形成される。研磨テープ23は供給リール24に巻かれた状態でテープ供給回収機構2Aにセットされる。研磨テープ23の側面は巻き崩れが生じないようにリール板で保持されている。研磨テープ23の一端は回収リール25に取り付けられ、研磨ヘッド組立体1Aに供給された研磨テープ23を回収リール25が巻き取ることで研磨テープ23を回収するようになっている。研磨ヘッド組立体1Aはテープ供給回収機構2Aから供給された研磨テープ23をウェハWの周縁部(べベル部B)に当接させるための研磨ヘッド130を備えている。研磨テープ23は、研磨テープ23の研磨面(研磨層50)がウェハWを向くように研磨ヘッド130に供給される。
テープ供給回収機構2Aは複数のガイドローラ31,32,33,34を有しており、研磨ヘッド組立体1Aに供給され、研磨ヘッド組立体1Aから回収される研磨テープ23がこれらのガイドローラ31,32,33,34によってガイドされる。研磨テープ23は、隔壁120に設けられた開口部120aを通してテープ供給回収機構2Aの供給リール24から研磨ヘッド130へ供給され、使用された研磨テープ23は開口部120aを通って回収リール25に回収される。
図9において、ウェハWの上面には上供給ノズル36が配置され、回転保持機構3に保持されたウェハWの上面中心に向けて研磨液を供給する。また、ウェハWの裏面と回転保持機構3の保持ステージ4との境界部(保持ステージ4の外周部)に向けて研磨液を供給する下供給ノズル37を備えている。研磨液には、砥粒の種類に応じて純水等が使用される。
さらに、研磨装置は、研磨処理後に研磨ヘッド130を洗浄する洗浄ノズル38を備えており、研磨処理後にウェハWが回転保持機構3により上昇した後、研磨ヘッド130に向けて洗浄水を噴射し、研磨処理後の研磨ヘッド130を洗浄できるようになっている。
研磨ヘッド組立体1Aは、研磨処理時にウェハWから除去された銅などの研磨屑が付着
し汚染される。一方、テープ供給回収機構2Aは隔壁120の外側に配置されているので、テープ供給回収機構2Aには研磨液が付着しないようになっている。したがって、研磨液に触れることなく、また研磨室21内に手を入れることなく、研磨テープ23を研磨室21の外で交換することができる。
中空シャフト5がケーシング12に対して昇降した時にボールスプライン軸受6やラジアル軸受18などの機構を研磨室21から隔離するために、図9に示すように、中空シャフト5とケーシング12の上端とは上下に伸縮可能なベローズ19で接続されている。図9は中空シャフト5が下降している状態を示し、保持ステージ4が研磨位置にあることを示している。研磨処理後には、エアシリンダ15によりウェハWを保持ステージ4およびともに搬送位置まで上昇させ、この搬送位置でウェハWを保持ステージ4から離脱させる。
図10は研磨ヘッド130の拡大図である。図10に示すように、研磨ヘッド130は、研磨テープ23の裏面を加圧してウェハWに研磨テープ23の研磨面を所定の力で加圧する加圧機構41を備えている。加圧機構41は、研磨ヘッド130の前面において上下に配置された2つのガイドローラ46,47の間に渡された研磨テープ23の裏面側に配置された加圧パッド41aと、加圧パッド41aを保持するパッドホルダー41bと、パッドホルダー41bをウェハWに向かって移動させるエアシリンダ(駆動機構)41cとを備えている。また、研磨ヘッド130は、研磨テープ23を供給リール24から回収リール25へ送るテープ送り機構42を備えている。研磨ヘッド130は複数のガイドローラ43,44,45,46,47,48,49を有しており、これらのガイドローラはウェハWの接線方向と直交する方向に研磨テープ23が進行するように研磨テープ23をガイドする。
研磨ヘッド130に設けられたテープ送り機構42は、テープ送りローラ42aと、テープ把持ローラ42bと、テープ送りローラ42aを回転させるモータM3とを備えている。モータM3は研磨ヘッド130の側面に設けられ、モータM3の回転軸にテープ送りローラ42aが接続されている。テープ送りローラ42aには、その約半周だけ研磨テープ23が巻きつけられている。テープ送りローラ42aの隣にはテープ把持ローラ42bが設けられており、テープ把持ローラ42bは、図10のNFで示す方向(テープ送りローラ42aに向かう方向)に力を発生するように図示しない機構で支持されており、テープ送りローラ42aを押圧するように構成されている。
研磨テープ23は、テープ送りローラ42aに巻きつけられ、テープ送りローラ42aとテープ把持ローラ42bの間を通り、テープ送りローラ42aとテープ把持ローラ42bとによって把持されている。テープ送りローラ42aが研磨テープ23と接触する面は、その全体がウレタン樹脂でモールドされている。これにより、研磨テープ23との摩擦を大きくし、テープ送りローラ42aに対して滑りなく研磨テープ23を送られるようになっている。テープ送り機構42は研磨ポイント(研磨テープ23とウェハWとの接触箇所)よりもテープ送り方向において下流に配置されている。
モータM3を図10に示す矢印方向に回転すると、テープ送りローラ42aが回転して研磨テープ23を供給リール24から研磨ヘッド130を経由して回収リール25へ送ることができる。テープ把持ローラ42bはそれ自身の軸まわりに回転することができるように構成され、研磨テープ23が送られることによって回転する。このように、研磨テープ23とテープ送りローラ42aの表面との摩擦、巻き付け角度、テープ把持ローラ42bによる研磨テープ23の把持によって、モータM3の回転を研磨テープ23の送り動作に変換している。研磨ヘッド130内にテープ送り機構42を設けることによって、研磨ヘッド130がテープ供給回収機構2Aに対して相対移動しても、テープ送り動作以外の
動作によってウェハWと接触する研磨テープ23の位置が変わることがない。
図8に示すように、研磨ヘッド130はアーム60の一端に固定され、アーム60は、ウェハWの接線に平行な軸Ctまわりに回転自在に構成されている。アーム60の他端はプーリp3,p4およびベルトb2を介してモータM4に連結されている。モータM4が時計回りおよび反時計回りに所定の角度だけ回転することで、アーム60が軸Ctまわりに所定の角度だけ回転する。本実施形態では、モータM4、アーム60、プーリp3,p4、およびベルトb2によって、研磨ヘッド130を傾斜させるチルト機構が構成されている。このチルト機構を利用して、研磨フィルム20のウェハWへの接触箇所を調整し、ウェハWのニアエッジ部Eを研磨することもできる。
図9に示すように、チルト機構は、プレート状の移動台61に搭載されている。移動台61は、ガイド62およびレール63を介してベースプレート65に移動自在に連結されている。レール63は、回転保持機構3に保持されたウェハWの半径方向に沿って直線的に延びており、移動台61はウェハWの半径方向に沿って直線的に移動可能になっている。移動台61にはベースプレート65を貫通する連結板66が取り付けられ、連結板66にはリニアアクチュエータ67がジョイント68を介して取り付けられている。リニアアクチュエータ67はベースプレート65に直接または間接的に固定されている。
リニアアクチュエータ67としては、エアシリンダや位置決め用モータとボールネジとの組み合わせなどを採用することができる。このリニアアクチュエータ67、レール63、ガイド62によって、研磨ヘッド130をウェハWの半径方向に沿って直線的に移動させる移動機構が構成されている。すなわち、移動機構はレール63に沿って研磨ヘッド130をウェハWへ近接および離間させるように動作する。一方、テープ供給回収機構2Aはベースプレート65に固定されている。
ウェハWの周囲に配置された4つの研磨ヘッド組立体1A,1B,1C,1Dのチルト機構、およびテープ送り機構42、各研磨ヘッド組立体を移動させる移動機構は、それぞれ独立に動作が可能なように構成されている。各研磨ヘッド組立体1A,1B,1C,1Dの研磨ヘッドの位置(研磨位置、待機位置)、研磨ヘッドの傾斜角度、ウェハWの回転速度、研磨テープ23の送り速度、各研磨ヘッドの研磨動作シーケンスなどの各研磨動作は、図8に示す動作制御部69によって制御されている。なお、本実施形態では4組の研磨ヘッド組立体およびテープ供給回収機構が設けられているが、本発明はこの例に限られず、2組、3組、または5組以上の研磨ヘッド組立体およびテープ供給回収機構を設けてもよい。
上記構成の研磨装置によれば、研磨ヘッド130をチルト機構により傾斜させた場合、テープ送りローラ42aおよびテープ把持ローラ42bに把持された研磨テープ23の箇所も一緒に傾斜する。したがって、位置が固定されている供給リール24および回収リール25により研磨テープ23が巻き取りまたは送り出されても、研磨ヘッド130のチルト動作によって研磨テープ23のウェハWと接触している箇所が研磨ヘッド130に対して相対的に位置ずれすることがない。同様に研磨ヘッド組立体1AをウェハWの半径方向へ移動機構によって移動させても、テープ送りローラ42aおよびテープ把持ローラ42bに把持された研磨テープ23も一緒に移動するので、供給リール24および回収リール25から研磨テープ23が巻き取りまたは送り出されるだけである。
このように、研磨ヘッド130がチルト動作および直線移動をしても、研磨ヘッド130に対する研磨テープ23の相対位置は変わらないので、既に研磨に供された研磨面を再び研磨に使用することがなく、研磨テープ23の新しい研磨面を連続して使用することができる。また、テープ供給回収機構2AのモータM2やリール24,25を研磨ヘッド1
30と一緒にチルトさせる必要がないので、チルト機構を小型化することができる。同様に、移動機構を小型化することができる。供給リール24および回収リール25を傾斜および移動させる必要がないということは、供給リール24および回収リール25を大きくできるということを意味する。したがって、長尺の研磨テープ23を用いることができ、その結果、研磨テープ23の交換頻度を少なくすることができる。さらに、テープ供給回収機構2Aの供給リール24および回収リール25は固定位置にあり、研磨室21の外にあるので、消耗品である研磨テープ23の交換が容易となる。
この研磨ユニットにおいて、4つの研磨ヘッド組立体1A,1B,1C,1Dのそれぞれに、砥粒の平均粒子径が異なる研磨テープ130(研磨フィルム20)をセットし、砥粒の平均粒子径が大きい研磨フィルムから平均粒子径がより小さい研磨フィルムを順次使用することによって、同一の研磨ユニットにおいて、べベル部の最終仕上げ研磨まで行うことが可能である。
この研磨ユニットにおいて、4つの研磨ヘッド組立体1A,1B,1C,1Dのそれぞれに、砥粒の平均粒子径が同一の複数の研磨フィルム130(研磨フィルム20)をセットし、複数の研磨フィルム130(研磨フィルム20)を同時に使用してウェハWのべベル部を研磨することが可能である。これにより、べベル部の研磨レートを向上することができる。
B−2:研磨ユニットの第2例
図11は、研磨ユニットの第2例を示す側面図である。この研磨ユニット1003は、ウェハWの裏面の研磨に好適に使用される。
図11に示すように、研磨ユニット1003は、ウェハ(基板)Wを水平に保持し、その軸心Cを中心として回転させる中空状の基板回転機構1−10と、この基板回転機構1−10に保持されたウェハWの上面(裏面)を研磨する研磨ヘッド(処理ヘッド)1−50と、ウェハWの下面を流体圧により非接触で支持する静圧支持機構1−90とを備えている。処理ヘッド1−50は、基板回転機構1−10に保持されているウェハWの上方に配置されており、静圧支持機構1−90は基板回転機構1−10に保持されているウェハWの下方に配置されている。さらに、静圧支持機構1−90は、基板回転機構1−10の内側空間内に配置されている。これら、基板回転機構1−10、処理ヘッド1−50、および静圧支持機構1−90は、隔壁1−6によって囲まれている。隔壁1−6の内部空間は処理室1−7を構成している。隔壁1−6の上部には、クリーンエア取入口1−6aが形成されており、隔壁1−6の下部には排気ダクト1−9が形成されている。排気機構1−8は隔壁1−6の上面に設置されている。この排気機構1−8は、ファン1−8Aと、このファン1−8Aから送られた空気中のパーティクルや粉塵を除去するフィルター8Bとを備えている。排気機構1−8は、清浄な空気をクリーンエア取入口1−6aを通じて処理室1−7に送り込み、処理室1−7内の気体を排気ダクト1−9から排出させる。静圧支持機構1−90は、支持ステージ1−91と、支持ステージ1−91を昇降するための昇降機構1−98と、支持ステージ1−91を回転させるための回転機構1−99と、を備えている。
基板回転機構1−10は、ウェハWの周縁部を把持する複数のチャック1−11と、これらチャック1−11を介してウェハWを回転させる中空モータ1−12とを備えている。基板回転機構1−10は、全体として円筒形状を有しており、その中央部には空間が形成されている。ウェハWの下面に大きな空間がない場合、ウェハWを高速で回転させたときに、ウェハWの下方で負圧が発生することがある。この負圧は空気中に浮遊する塵埃を引き寄せてしまい、これら塵埃がウェハWの下面に付着することがある。本実施形態では、中空モータ1−12が採用されているので、円筒形状を有する基板回転機構1−10を
構成することができる。したがって、ウェハWの下方に大きな空間を形成することができ、上述のような問題の発生を防ぐことができる。さらに、基板回転機構1−10の内側の空間に、上述した静圧支持機構90を配置することができる。
中空モータ1−12は、その中央部に空間が形成された形状を有している。中空モータ1−12は、円筒形の回転子1−12Aと、この回転子を囲むように配置された固定子1−12Bと、を備えている。回転子1−12Aの内周面は、ウェハWの直径よりも大きな直径を有している。このような中空モータ1−12を採用することにより、基板回転機構1−10はその内側に大きな空間が形成された円筒形状を有することができる。
固定子1−12Bは、円筒形の静止部材1−14に固定されている。この静止部材1−14の半径方向内側には、円筒形の回転基台1−16が配置されている。静止部材1−14と回転基台1−16との間には、アンギュラコンタクト玉軸受1−20,1−20が配置されており、回転基台1−16は2つのアンギュラコンタクト玉軸受1−20,1−20の組み合わせによって回転自在に支持されている。このアンギュラコンタクト玉軸受1−20,1−20は、ラジアル方向の荷重およびアキシャル方向の荷重の両方を受けることができる軸受である。なお、ラジアル方向の荷重およびアキシャル方向の荷重の両方を受けることができれば、他のタイプの軸受を用いてもよい。中空モータ1−12の固定子1−12Bは静止部材1−14に固定されている。中空モータ1−12の回転子1−12Aは回転基台1−16に固定されており、回転子1−12Aと回転基台1−16とは一体に回転するようになっている。
回転基台1−16の上部には、上述したチャック1−11が上下動自在に配置されている。より具体的には、回転基台1−16の上部には、半径方向内側に突出した環状の突出部1−16aが形成されており、この突出部1−16aに形成された貫通孔にそれぞれチャック1−11が挿入されている。各チャック1−11の下部を囲むようにばね(図示せず)が配置されており、このばねの上端は突出部16aを下から押圧し、ばねの下端はチャック1−11に固定されたばねストッパー(図示せず)に接触している。このばねにより各チャック1−11は下方に付勢されている。チャック1−11は、中空モータ1−12により回転基台1−16と一体に回転するようになっている。
チャック1−11の外側には、チャック1−11に保持されたウェハWを囲むように環状の回転カバー1−25が配置されている。この回転カバー1−25は回転基台1−16の上面に固定されており、ウェハWと回転カバー1−25とは一体に回転するようになっている。回転カバー1−25はウェハWの全周を囲むように配置されている。回転カバー1−25の上端の内径は、ウェハWの直径よりもやや大きく設定されている。回転カバー1−25の上端には、チャック1−11の外周面に沿った形状を持つ切り欠き(図示せず)が各チャック1−11に対応した位置に形成されている。
回転カバー1−25の内周面の縦断面形状は半径方向内側に傾斜している。また、回転カバー1−25の内周面の縦断面は滑らかな曲線から構成されている。回転カバー1−25の上端はウェハWに近接しており、回転カバー1−25の下部には、斜めに延びる液体排出孔(図示せず)が形成されている。
ウェハWの上方には、ウェハWの上面に研磨液を供給する供給ノズル1−27が配置されている。この供給ノズル1−27は、図示しない研磨液供給源に接続され、供給ノズル1−27を通じてウェハWの上面に研磨液が供給されるようになっている。ウェハWに供給された研磨液は、回転するウェハWから遠心力により振り落とされ、さらに回転カバー1−25の内周面に捕らえられ、液体排出孔(図示せず)に流れ込む。
チャック1−11の下方には、チャック1−11を上昇させるリフト機構1−30が設けられている。このリフト機構1−30は、チャック1−11の下方に配置されたリングステージ1−31と、このリングステージ1−31を支持する複数のロッド1−32と、これらロッド1−32を上昇させるアクチュエータとしてのエアシリンダ(図示せず)とを備えている。リフト機構1−30は、回転基台1−16からは分離しており、リフト機構1−30は回転しない構成となっている。エアシリンダによって、複数のロッド1−32が上昇され、リングステージ1−31が上昇される。リングステージ1−31の上方向の移動により全てのチャック1−11が同時に上昇する。エアシリンダ1−33の動作を停止させると、チャック1−11に固定されたばね(図示せず)によりチャック1−11が下降する。
図11に示すように、処理ヘッド1−50は、ウェハWの上側に配置されている。処理ヘッド1−50はシャフト1−51を介して揺動アーム1−53の一端に連結されており、揺動アーム1−53の他端は揺動軸1−54に固定されている。揺動軸1−54は軸回転機構1−55に連結されている。この軸回転機構1−55により揺動軸1−54が駆動されると、処理ヘッド1−50が図11に示す処理位置と、ウェハWの半径方向外側にある退避位置との間を移動するようになっている。揺動軸1−54には、処理ヘッド1−50を上下方向に移動させる昇降機構1−56がさらに連結されている。この昇降機構1−56は、揺動軸1−54およびシャフト1−51を介して処理ヘッド1−50を昇降させる。処理ヘッド1−50は、昇降機構1−56によりウェハWの上面に接触するまで下降される。昇降機構1−56としては、エアシリンダ、またはサーボモータとボールねじとの組み合わせなどが使用される。
処理ヘッド1−50の下面は、基板回転機構1−10に保持されているウェハWの上面(裏面)を研磨する円形の研磨面を構成する。処理ヘッド1−50は、ウェハWの裏面に対向して配置された複数の研磨部材としての研磨テープ1−61を備えている。研磨テープ1−61は、上述した研磨フィルム20によって形成されている。処理ヘッド1−50は、複数の(図13では3つの)テープカートリッジ1−60を備えており、各テープカートリッジ1−60に研磨テープ1−61が収容されている。これらのテープカートリッジ1−60は、着脱可能に処理ヘッド1−50の内部に設置されている。
図12は、処理ヘッド1−50および揺動アーム1−53の内部構造を示す図である。揺動アーム53には、処理ヘッド1−50をその軸心を中心として回転させる回転機構1−58が配置されている。この回転機構1−58は、シャフト1−51に固定されたプーリ1−p1と、揺動アーム1−53に設けられたモータ1−M1と、モータ1−M1の回転軸に固定されたプーリ1−p2と、プーリ1−p1,1−p2に掛け渡されたベルト1−b1とを備えている。モータ1−M1の回転は、プーリ1−p1,1−p2およびベルト1−b1によりシャフト1−51に伝達され、シャフト1−51とともに処理ヘッド1−50が回転する。
ウェハWの研磨処理をするときは、処理ヘッド回転機構1−58により処理ヘッド1−50がその軸心を中心として回転し、研磨テープ1−61が処理ヘッド1−50の中心軸周りに回転する。これにより研磨テープ1−61がウェハWの裏面に摺接される。このように、処理ヘッド1−50の研磨面は、回転する複数の研磨テープ1−61により形成される。ウェハWの下面は、流体圧により支持されているので、ウェハWを撓ませることなく大きな荷重でウェハWの上面(裏面)に対して研磨テープ1−61を押し付けることができる。
図13は、処理ヘッド1−50を下方から見た図である。図14は、処理ヘッド1−50に備えられたテープカートリッジ1−60を示す断面図である。テープカートリッジ1
−60は、研磨テープ1−61と、この研磨テープ1−61をウェハWに対して押し付ける押圧部材1−62と、この押圧部材1−62をウェハに向かって付勢する付勢機構1−63と、研磨テープ1−61を繰り出すテープ繰り出しリール1−64と、研磨に使用された研磨テープ1−61を巻き取るテープ巻き取りリール1−65とを備えている。研磨テープ1−61は、テープ繰り出しリール1−64から、押圧部材1−62を経由して、テープ巻き取りリール1−65に送られる。複数の押圧部材1−62は、処理ヘッド1−50の半径方向に沿って延びており、かつ処理ヘッド1−50の周方向において等間隔に配置されている。この例では、付勢機構1−63としてばねが使用されている。
テープ巻き取りリール1−65は、テープ巻き取り軸1−67の一端に連結されている。テープ巻き取り軸1−67の他端には、かさ歯車1−69が固定されている。複数のテープカートリッジ1−60に連結されたこれらのかさ歯車1−69は、モータ1−M2に連結された、かさ歯車1−70と噛み合っている。したがって、テープカートリッジ1−60のテープ巻き取りリール1−65は、モータ1−M2により駆動されて研磨テープ1−61を巻き取るようになっている。モータ1−M2、かさ歯車1−69,1−70、およびテープ巻き取り軸1−67は、研磨テープ1−61をテープ繰り出しリール1−64からテープ巻き取りリール1−65に送るテープ送り機構を構成する。
ウェハWの研磨処理中は、研磨テープ1−61は、テープ繰り出しリール1−64からテープ巻き取りリール1−65に所定の速度で送られる。したがって、常に新しい(未使用の)研磨テープ1−61の面がウェハWに接触する。研磨テープ1−61は、その終端の近傍にエンドマーク(図示せず)を有している。このエンドマークは、研磨テープ1−61に近接して配置されたエンドマーク検知センサ1−71によって検知されるようになっている。エンドマーク検知センサ1−71が研磨テープ1−61のエンドマークを検知すると、エンドマーク検知センサ1−71から検知信号が動作制御部(図示せず)に送られる。検知信号を受け取った動作制御部は、研磨テープ1−61の交換を促す信号(警報など)を発するようになっている。テープカートリッジ1−60は、別々に取り外しが可能となっており、簡単な操作でテープカートリッジ1−60を交換することが可能となっている。
以上、いくつかの例に基づいて本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明には、その均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
1A〜1D…研磨ヘッド組立体
2A〜2D… テープ供給回収機構
3…回転保持機構
4…保持ステージ
5…中空シャフト
6…ボールスプライン軸受
7…連通ライン
8…ロータリジョイント
9…真空ライン
10…窒素ガス供給ライン
12…ケーシング
14…ケーシング
15…エアシリンダ
18…ラジアル軸受
19…ベローズ
20…研磨フィルム
21…研磨室
23…研磨テープ
24…供給リール
25…回収リール
27…カップリング
30…基材フィルム
31〜34 ガイドローラ
36…上供給ノズル
37…下供給ノズル
38…洗浄ノズル
40…弾性層
41…加圧機構
41a…加圧パッド
41b…パッドホルダー
41c…エアシリンダ(駆動機構)
42…テープ送り機構
43〜49…ガイドローラ
50…加圧パッド
50…研磨層
60…砥粒
61…移動台
62…ガイド
63…レール
65…ベースプレート
66…連結板
67…リニアアクチュエータ
68…ジョイント
69…動作制御部
75…セパレータシート
80…第1の塗料
90…第2の塗料
120…隔壁
130…研磨ヘッド
160…アーム
200…製造装置
210…コータダム
220…コンマロール
230…コーティングロール
240,250…ローラ
260…温風ドライヤ
270…コア
290…ベーク炉
1−6…隔壁
1−7…処理室
1−8…排気機構
1−9…排気ダクト
1−10…基板回転機構
1−11…チャック
1−12…中空モータ
1−14…静止部材
1−16…回転基台
1−20 アンギュラコンタクト玉軸受
1−25 回転カバー
1−27 研磨液供給ノズル
1−30 リフト機構
1−31 リングステージ
1−32 ロッド
1−50 処理ヘッド
1−51 シャフト
1−53 揺動アーム
1−54 揺動軸
1−55 軸回転機構
1−56 昇降機構
1−58 回転機構
1−60 テープカートリッジ
1−61 研磨テープ
1−62 押圧部材
1−63 付勢機構
1−64 テープ繰り出しリール
1−65 テープ巻き取りリール
1−67 テープ巻き取り軸
1−69,70 かさ歯車
1−71 エンドマーク検知センサ
1−72 チャック部
1−90 静圧支持機構
1−91 支持ステージ
1−98 ステージ昇降機構
1−99 ステージ回転機構
M1〜M4モータ
p1〜p4…プーリ
b1〜b2…ベルト
W…ウエハ

Claims (3)

  1. 基材フィルムと、
    前記基材フィルムの第1面に配置され、不織布またはシリコンゴムを含む弾性層と、
    前記弾性層の前記基材フィルムとは反対側の面に配置され、砥粒とバインダとを有する研磨層と、
    を備え、
    前記研磨層の表面には、直線状の複数の溝が設けられている、研磨フィルム。
  2. 請求項1に記載の研磨フィルムにおいて、
    前記研磨層の表面には、一定の角度で斜めに延びる複数の溝が設けられている、研磨フィルム。
  3. 請求項1に記載の研磨フィルムにおいて、
    前記研磨層の表面は、一定の角度で斜めに延びる複数の溝を重ね合わせたパターンを有する、研磨フィルム。
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