JP2005059159A - 研磨ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】長寿命の研磨ベルトを提供し、研磨機に装着した砥石の頻繁な取替えに必要な時間を短縮することによって、研磨作業の効率を向上させること。また、良好な研磨仕上げが得られる、安価な研磨ベルトを提供する。
【解決手段】肉薄のベルト状の基材と、基材の表面に貼付された肉厚の弾性シート材からなる緩衝体と、緩衝体の表面に貼付された砥石ブロック集合体10を備え、砥石ブロック集合体は、所定の大きさの表面積と肉厚高さを有する砥石ブロック11a〜17aが、ベルト1の幅方向のほぼ等間隔の複数本の水平線上にあって隣接する線上に互いに対向するように千鳥状に配設され、且つ各砥石ブロックの周囲が所定幅の溝18,19で区分されている。砥石ブロックの集合体は、多角形、平行四辺形、菱形、円形、楕円形のいずれか1種またはそれらの組み合わせとして形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、研磨ベルトに係り、特に微細粒からなる多数の砥粒が累積して積み重なった多層構造の砥石層を有する研磨ベルトに関する。
研磨ベルトは、コンベア式ベルト研磨機、プラテン式ベルト研磨機、書籍端面研磨機、各種の簡易型ベルト研磨機、および各種の研磨装置等に多く使用されている。
これらの研磨機および研磨装置に使用される研磨ベルトは、通常、研磨布紙が使用されている。この研磨布紙は、基材の表面に多数の砥粒が分散され、これらの砥粒が接着剤により基材に固着された構成を有し、いわゆる、サンドペーパーと呼ばれているものである(下記特許文献1参照)。
図9は、この特許文献1に記載された研磨布紙を示す断面図である。この研磨布紙は、基材41に塗布した1次接着剤42上にアルミナ等の砥粒(主砥粒)43を付着させ、その上にダイヤモンド等の超硬砥粒(副砥粒)45を均一分散したのち2次接着剤44を塗布して、これらの砥粒を基材に固着したものである。
そして、基材には、紙、布、バルカナイズドファイバー、ポリエステルフィルムなどが使用され、接着剤には、にかわ、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの合成樹脂が使用される。
また、砥粒材には、人造材料のアルミナ、ホワイトアルミナ、アルミナ−ジルコニア、炭化珪素、並びに天然材料のダイヤモンド、ガーネット、エメリー、フリントなどが使用される。
このように構成された研磨布紙は、基材が薄く、且つ砥石層も薄いことから、柔軟性を有し、研磨機等のプーリに懸架されたとき、周方向に馴染み、砥粒が剥がれることなく、砥石や切削刃物に比べて一度に広い面積を加工できる特長を有している。
このような特長を有することから、研磨布紙は、種々の仕様およびサイズのものが作製され、各種のベルト研磨機或は装置等に装着されて、橋梁や船舶の溶接ビード除去、鋳物の湯口除去・バリ取り、航空機や発電機のブレードの整形仕上げ、作業工具のバリ取り、ステンレス厚板の傷取り、合板の塗布面研磨、各種ボードの厚み規制仕上げ、扉枠の曲面仕上げ、繊維の起毛などに使用されている。
しかし、この研磨布紙は、上述のように多様な用途に使用されているが、反面、以下の課題を有している。
第1の課題は、研磨布紙の肉厚が極めて薄く、例えば0.7mm程度であることから、砥石層がさらに肉薄になっており、高速の研磨装置等に懸架した場合は、研磨布紙の砥石層が早く磨り減って、例えば10数分毎に新しいものと交換しなければならない。このため、研磨布紙を新しいものに交換する度に研磨装置を停止しなければならないので、研磨作業の効率アップに課題がある。また、使用済み研磨布紙が大量に発生するので、新たな問題が惹起される。それは、研磨布紙が前記のように種々の材料で形成されているので、通常の焼却炉で焼却するとダイオキシン等が発生し環境問題にもなるからである
また、第2の課題は、多数の砥粒が基材表面に分散されて接着剤で固められているので、この砥石層は極めて薄い。すなわち、砥径が極めて小さく、例えば平均直径が数μm程度であるので、隣接する砥粒間が極めて小さく、使用中に研削粉によって目詰まりを起し易い。
さらに、第3の課題は、寿命を長くするために、砥粒に超硬砥粒、例えばダイヤモンド等を副砥粒として使用しているので、製品単価が高騰しまうことである。
また、他の研磨ベルトも知られている。(下記特許文献2参照)。
この特許文献2に記載されている研磨ベルトは、電着砥粒部が格子模様の交点に配置されるごとく縦横に整列されるとともに、ベルトの回転方向に一致して配された布材の繊維方向に対し斜めに配置されたものである。
しかしながら、この研磨ベルトは、多数個の砥粒が布材にほぼ一列に配列されているもので、上記特許文献1に記載された研磨布紙と同じ砥石構造であるため、上記第1〜3の課題は、依然として解決されていない。
特開平6−39736号公報(図1、第2右欄〜第1頁左欄) 特開平9−267270号公報(図2、4頁左欄から同頁右欄)
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、本発明の第1の目的は、従来のものよりも長寿命で安価な研磨ベルトを提供することにある。
第2の目的は、柔軟性を有すると共に冷却および研磨粉の排出を容易にした研磨ベルトを提供することにある。
第3の目的は、種々の砥粒材および結合剤の選択を可能とし、多用途に適合できる研磨ベルトを提供することにある。
第4の目的は、上記の目的に加え、端部の砥石片が欠け難い研磨ベルトを提供することにある。
上記目的は、以下の構成によって達成できる。すなわち、
本願の請求項1に係る発明の研磨ベルトは、所定の幅、長さで肉薄のベルト状の基材と、該基材の表面に貼付された肉厚の弾性シート材からなる緩衝体と、該緩衝体の表面に貼付された砥石ブロック集合体を備え、該砥石ブロック集合体は、所定の大きさの表面積と肉厚高さを有する砥石ブロックが、ベルトの幅方向のほぼ等間隔の複数本の水平線上にあって隣接する線上に互いに対向するように千鳥状に配設され、且つ該各砥石ブロックの周囲が溝で区分されていることを特徴とする。
本願の請求項2に係る発明は、請求項1記載の研磨ベルトにおいて、前記砥石ブロックは、水平方向に対して所定角度傾斜した線上に配設されていることを特徴とする。
本願の請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の研磨ベルトにおいて、前記砥石ブロック集合体は、前記砥石ブロックが多角形、平行四辺形、菱形、円形、楕円形のいずれか1種で形成され、該砥石ブロックのいずれか1種またはそれらの組み合わされたものであることを特徴とする。
本願の請求項4に係る発明の研磨ベルトは、所定の幅、長さで肉薄のベルト状の基材と、該基材の表面に貼付された肉厚の弾性シート材からなる緩衝体と、該緩衝体の表面に貼付された砥石ブロック集合体を備え、該砥石ブロック集合体は、幅方向の水平線に対して右上がりの線上および右下がりの線上に設けられた溝で区切られたほぼ菱形形状の肉厚の砥石ブロックで形成されていることを特徴とする。
本願の請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の研磨ベルトにおいて、前記砥石ブロックは、砥粒材が炭化珪素、アルミナ、酸化クロム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ジルコンサンド及びダイヤモンドから選択された少なくとも1種からなることを特徴とする。
本願の請求項6に係る発明は、請求項5記載の研磨ベルトにおいて、前記砥粒材の結合剤が、ポリビニルアセタール系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、アクリル系樹脂、メタクル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、合成ゴム等の有機結合剤又はシリコンゴム等の無機結合剤のいずれかであることを特徴とする。
本願の請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の研磨ベルトにおいて、前記砥石ブロック集合体は、ベルト端部に位置する砥石ブロックの面積が完全な形状の砥石ブロックの1/2以上の面積を有していることを特徴とする。
請求項1記載の研磨ベルトによれば、砥石ブロックは、肉厚であるので、微細粒からなる多数の砥粒が累積して積み重なった多層構造となる。その結果、砥石ブロックが肉厚になった分、砥石層が厚くなり、従来の一層のものに比べて格段に寿命が長くなる。一方、肉厚になると砥石層が硬いので柔軟性がなくなるが、砥石ブロックを隣接する線上に互いに対向するように千鳥状に配設し、しかも周囲に溝を形成することにより柔軟性が得られ、研磨装置等に装着されても滑らかに回動し、砥粒が剥がれることなく高精度の研磨ができる。また、この溝から研磨の際に発生する熱を放出でき、且つこの溝を通して研磨粉を外へ排出することができる。
さらに、複数個の砥石ブロックが千鳥状に配設されているので、被研磨物(ワークピース)に万遍なく当たり、研磨精度を上げることができる。加えて、砥石ブロック集合体の下に緩衝体を設けることにより、この緩衝体がクッション機能を奏し、砥石ブロックがワークピースに適度な弾性力で当接するのでさらに研磨精度が向上する。
さらにまた、砥石ブロック層を厚くすることにより、種々の研磨材の選択、配合が可能になり、さらに種々の結合剤との組み合わせにより結合度も変えられ、種々の用途に適応できる研磨ベルトが作製でき、また、高価な砥粒材を使用する必要もなくなる。
請求項2記載の研磨ベルトによれば、請求項1の効果に加え、砥石ブロックが隣接する傾斜線上に千鳥状に配設されているので、ワークピースに万遍なく当たり、研磨精度がさらに向上する。
請求項3記載の研磨ベルトによれば、請求項1、2の効果に加え、砥石ブロックを多角形、平行四辺形、菱形、円形、楕円形のいずれか1種で形成しまたはそれらを組み合わせることにより、種々の研磨が可能になり、種々のワークピースに適応できる研磨ベルトを作製することができる。
請求項4記載の研磨ベルトによれば、請求項1、2の効果に加え、直線状の溝で区分することにより各砥石ブロックを形成できるので、砥石ブロック集合体の製作が容易になる。また、各砥石ブロックを成形する型の設計が容易になる。
請求項5記載の研磨ベルトによれば、砥粒材を選択し、あるいは組み合わせることにより、ワークピースに最も適合する研磨ベルトを作製できる。また、砥石ブロック層を厚くすることにより、種々の研磨材の選択、配合が可能になり、さらに種々の結合剤との組み合わせにより結合度も変えられ、種々の用途に適応できる研磨ベルトが作製でき、また、高価な砥粒材を使用する必要もなくなる。
請求項6記載の研磨ベルトによれば、前記の砥粒材とこの結合剤との組み合わせにより、種々の硬度および消耗度のものを得ることができ、ワークピースに最も適合する研磨ベルトを作製できる。例えば、ポリビニルアセタール系樹脂を使用することにより、多孔質構造の弾性砥石を形成できる。
請求項7記載の研磨ベルトによれば、砥石ブロックの破片が欠けて飛び散ることがなくなる。
以上述べたとおり、本発明によれば、長寿命で、研磨機に装着した砥石の頻繁な取替えの必要が少なく、かつ研磨仕上げの良好な研磨ベルトを提供することができるので、研磨作業の効率を上げることができる。
以下、図面を参照して、本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための研磨ベルトを例示するものであって、本発明をこの研磨ベルトに特定することを意図するものでなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
図1は本発明の一実施形態の研磨ベルトを示す平面図、図2は図1の研磨ベルトの一部断面図である。なお、研磨ベルトは、環状のベルト状をなしているが、図1では研磨ベルトの一部の表面形状を示した。
研磨ベルト1は、図1および図2に示すように、所定の幅、長さおよび厚さの環状ベルト状の基材2と、この基材2の表面に貼付された肉厚の弾性シート材からなる緩衝体3と、この緩衝体3の上に貼付された砥石ブロック集合体10を備える。この砥石ブロック集合体10は、幅方向の水平線に対して右上がりの線上および右下がりの線上に設けられた所定幅の溝18a〜18n、19a〜19nで区切られた、ほぼ菱形形状をなす複数個の砥石ブロック11a〜11n、12a〜12n、・・・・15a〜15nおよびベルトの両端面に位置する半菱形形状をなす複数個の砥石ブロック16a〜16n、17a〜17nで形成された構成を有する。
以下、研磨ベルト1を構成する各部材を詳述する。
基材2には、抗張力、柔軟性を有するクラフト紙、あるいは朱子織、綾織などの綿布等比較的厚みの薄いものが使用される。
緩衝体3は、肉厚のゴム等の弾性材からなりクッション機能を有するものである。弾性材は、ゴム材の他に軟質ウレタンフォーム、スポンジゴム、フォームラバー等を使用できる。
この緩衝体3を弾性材で肉厚に形成することにより、ワークピースに凹凸があっても、それらの凹凸にほぼ均一な接触圧によって押し当てられ、精度の高い研磨を行うことができる。
砥石ブロック集合体10を形成する個々の砥石ブロック11a〜11n、12a〜12n、・・・・17a〜17nは、微細化した砥粒材を結合剤により所定の形状に成形して形成される。砥石ブロックの形状および層構造については後述する。
砥粒材には、炭化珪素、アルミナ、酸化クロム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ジルコンサンド及びダイヤモンドから選択される少なくとも1種が使用される。また、砥粒の粒度は、表面仕上げを行うワークピースの仕上げ精度、付着物、傷等の状態によって任意のものが選択されるが、平均粒径が10〜500μm程度のものが好ましい。
この砥粒材に混合する結合剤には、熱硬化性樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、合成ゴム等の有機結合剤又はシリコンゴム等の無機結合剤が使用される。例えば、ポリビニルアセタール系樹脂を使用することにより、多孔質構造の弾性砥石を形成できる。また、熱硬化樹脂として、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、アクリル系樹脂、メタクル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂が使用される。
砥石ブロック集合体10は、図1に示すように、幅方向の水平線に対して右上がりの線上および右下がりの線上に形成された所定幅の溝18a〜18n、19a〜19nで区切られ、ほぼ菱形形状をなす複数個の砥石ブロック11a〜11n、12a〜12n、・・・・15a〜15nおよびベルトの両端面に位置する半菱形形状をなす複数個の砥石ブロック16a〜16n、17a〜17nから構成される。各砥石ブロックは、所定の表面積を有する。その1つの表面積はワークピースに応じて所定の大きさに選定されるが、例えば10mm以上にすることが好ましい。
また、右上がりおよび右下がりの各溝18a〜18n、19a〜19nは、その溝幅は1mm〜4mm程度にすることが好ましい。さらに各溝は、幅方向の水平線に対して、8°〜26°の範囲に傾斜されている。この傾斜角度は、約13°が好ましい。
この傾斜角度の溝によって砥石ブロックを形成することにより、砥石ベルトが矢印Y方向へ移動すると、各砥石ブロックは、菱形形状の傾斜した各辺がワークピースに接触することになるので、傾斜していないものに比べて接触面積が多くなり、ワークピースを効率よく研磨することができる。また、各溝は、直線状であるので、砥石ブロックを成形する型の設計が容易になる。
また、各砥石ブロックは、所定の角度で傾斜した溝によって区分されているので、ベルトに柔軟性が得られ、研磨装置等に装着されても滑らかに回動し、砥粒が剥がれることなく高精度の研磨ができる。また、この溝から研磨の際に発生する熱を放出でき、且つこの溝を通して研磨粉を外へ排出することができる。
また、個々の砥石ブロック11a〜11n、・・・17a〜17nは、従来のものよりも肉厚に形成される。その肉厚は、例えば2mm〜5mmである。このような肉厚にすることにより、複数個の砥粒が積み重なった多重積層構造に形成できる。この多重積層構造とは、図2に示すように、複数個の砥粒が石垣の石のように、積み重なった構造を意味する。
このように、砥石ブロックを多重積層構造になるように肉厚にすることにより、砥石ブロックが肉厚になった分、砥石層が厚くなり、従来例のような一層のものに比べて格段に寿命が長くなる。また、砥石ブロックを厚くすることにより、種々の研磨材の選択、配合が可能になり、さらに種々の結合剤との組み合わせにより結合度も変えられ、種々の用途に適応できる研磨ベルトが作製でき、また、高価な砥粒材を使用する必要もなくなる。
また、個々の砥石ブロックは、型に入れて菱形形状に成形されるが、幅方向の端部においては完全な菱形形状に形成できず、菱形を縦に切断した形状の三角形状のブロックが発生する。この三角形状のブロックが小さくなると、研磨ベルトの使用中にこの部分が欠けて、ワークピースを損傷したり、あるいは飛び散って作業者に当たって危険である。そこで、この三角形状のブロックをできるだけ大きくして、完全な菱形形状の半分以上となるように形成することが好ましい。
この三角形状のブロックは、型の設計、あるいは、幅広のものを切断する際にこの形状になるように切断して形成する。
以下、具体的な構成例に基づいて研磨ベルトを説明し、実施例を元に従来品との比較を行う。
研磨ベルトを、ゴムシート3の裏面に綿布からなる基材2を貼り付け、その上に砥粒材と結合剤を型に入れて溝と砥石ブロックを成形し焼成して形成した砥石ブロック集合体10を接着剤4により接着して作製した。砥石ブロックの砥石層は、従来のものよりも厚く形成され、砥粒5が重層的に結合剤で結合され、石垣の石のように累積している。
砥石ブロックの砥石層は、砥粒としてアルミナ、炭化珪素を30〜50%(好ましくは40%)、砥粒の結合剤としてはエポキシ系接着剤20〜40%(好ましくは30%)、多孔性とするため有機剤等で気孔等が40%(体積比)となるように混合したもので形成した。
砥粒材の粒度は被研磨物によって異なり、鉄の場合にはJIS規格36番から1000番、非鉄金属の場合も36番から3000番を選択した。ワークピースに応じて、配合割合とプレス強度を調整することにより、砥石層の結合度を変えることができる。
このような研磨ベルトにおいて、本実施例は図1に示すように、砥石面にベルトの幅方向の水平線に対して、13°の傾斜角度を有する複数の右上がりの溝18a〜18nと右下がりの溝19a〜19nによって区切られた複数の砥石ブロック11a〜11n、・・・17a〜17nの集合体を形成したものを作成した。
研磨ベルトは幅100mm、長さ915mm、厚みは4.4mmである。基材の厚み0.4mm、ゴムシートの厚さ1.0mm、砥石層の厚さ3mmに対し、溝の幅は1.5mm、深さは2.2mmである。菱形の砥石ブロックは、ベルトの幅一杯に設けられ、3個の菱形または2個の菱形と2個の半菱形が交互に形成されている。
両端に半菱形の砥石ブロックが配置される場合、これらの砥石ブロックは、菱形砥石ブロックの1/2以下の大きさにはならないように設定される。1/2以下の大きさになると接着強度が弱まり研磨作業中に砥石層の剥離が起きやすいためである。
上記の研磨ベルトを用いて、下記作動条件でSS400材からなるワークピースを研磨したところ図3の結果を得た。時間と研削量の関係を、市販の研磨ベルトを用いた比較例とともに示す。
作動条件:電動機 :SR−152N
三相200V、1.5KW,2P
周速 :1680m/min
回転数 :3600rpm
コンタクトホイール:150mm
アイドラー直径 :70mm
図3の曲線aは本発明の研磨ベルトにおける1回の研磨時間5分当たりの研削量である。また、曲線bは同じく本発明の研磨ベルトにおける累積の研削量である。本発明の研磨ベルトによる研削量は、230分にわたる研削時間の間、各回の研削量がいささかも衰えることなく維持され、累積研削量は818.7gに達した。このことから、本発明の研磨ベルトが長時間の研削能力を持つことは明らかである。
これに対し,従来例である市販の研磨布紙を用いた研磨ベルトは、図3の曲線cに示したように、急激に5分当たりの研削量が低下し、累積研削量が61.6gに達したところでベルトの交換が必要になった。
図4、図5、は本発明の他の実施例における砥石ブロックの説明図である。
第2の実施例は、上記の研磨ベルトにおいて、図4に示すように、前記溝は、複数の右上がりの溝21a〜21nと右下がりの溝22a〜22nが多角形の砥石ブロック23a〜23cごとに屈折しているものである。不規則な多角形を混在させることによって、溝を屈折させることができるが、こうすることによって研磨の際に砥石面の研磨面との当接個所に変化を与えることにより、研磨仕上げが良好になる。
同様に研磨ベルトにおいて、図5に示すように、前記溝は複数の右上がりの溝31a〜31nと右下がりの溝32a〜32nが交叉して複数の略菱形の四辺形状砥石ブロック33a〜33cを形成し、上下に配列された該四辺形状砥石ブロックの頂点の位置が、ベルトの幅方向に相互に所定の角度、例えば1°〜5°内で左右の振れ(揺らぎ)を有するようにしても、研磨仕上げが良好になる。平行な溝の間隔をわずかに変更することによって所要角度振らせることができる。
以上説明した砥石ブロックは、菱形および四辺形形状のものであるが、本発明はこれらに限定されず、他の形状に変更しえるものである。例えば図6、図7、図8に示したように、上記の研磨ベルトにおいて砥石ブロックの集合体が平行四辺形35、円形36、楕円37のいずれか1種またはそれらの組み合わせとして形成されたものであってもよい。これらの場合において、溝は直線でない場合があるが、複数の砥石ブロックの配列が本発明の趣旨を満たす配列になっていれば差し支えない。
溝をベルトの幅方向の水平線に対して傾斜角を有するものとしたのは、溝が水平線に平行の場合は研磨作業において溝の縁が常に同時に被研磨物に当たることになり、研磨仕上げの不均一や、砥石層の剥離が発生しやすいのに対し、角度をつけて設けた場合にはそのような問題がないからである。
本発明の1実施例の平面図である。 本発明の1実施例の構造を示す一部断面図である。 本発明の1実施例の研削時間と研削量の関係を示す曲線図である。 本発明の他の実施例の平面図である。 本発明の他の実施例の平面図である。 本発明の他の実施例における砥石ブロックの説明図である。 本発明の他の実施例における砥石ブロックの説明図である。 本発明の他の実施例における砥石ブロックの説明図である。 従来例の断面図である。
符号の説明
1 研磨ベルト
2 基材
3 ゴムシート(緩衝体)
4 接着剤
5 研磨剤の砥粒
10 砥石ブロック集合体
11a〜11n、…17a〜17n
砥石ブロック
18a〜18n 右上がりの溝
19a〜19n 右下がりの溝
35,36,37 砥石ブロック集合体

Claims (7)

  1. 所定の幅、長さで肉薄のベルト状の基材と、該基材の表面に貼付された肉厚の弾性シート材からなる緩衝体と、該緩衝体の表面に貼付された砥石ブロック集合体を備え、該砥石ブロック集合体は、所定の大きさの表面積と肉厚高さを有する砥石ブロックが、ベルトの幅方向のほぼ等間隔の複数本の水平線上にあって隣接する線上に互いに対向するように千鳥状に配設され、且つ該各砥石ブロックの周囲が溝で区分されていることを特徴とする研磨ベルト。
  2. 前記砥石ブロックは、水平方向に対して所定角度傾斜した線上に配設されていることを特徴とする請求項1記載の研磨シート。
  3. 前記砥石ブロック集合体は、前記砥石ブロックが多角形、平行四辺形、菱形、円形、楕円形のいずれか1種で形成され、該砥石ブロックのいずれか1種またはそれらの組み合わされたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の研磨ベルト。
  4. 所定の幅、長さで肉薄のベルト状の基材と、該基材の表面に貼付された肉厚の弾性シート材からなる緩衝体と、該緩衝体の表面に貼付された砥石ブロック集合体を備え、該砥石ブロック集合体は、幅方向の水平線に対して右上がりの線上および右下がりの線上に設けられた溝で区切られたほぼ菱形形状の肉厚の砥石ブロックで形成されていることを特徴とする研磨ベルト。
  5. 前記砥石ブロックは、砥粒材が炭化珪素、アルミナ、酸化クロム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ジルコンサンド及びダイヤモンドから選択された少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の研磨ベルト。
  6. 前記砥石ブロックは、前記砥粒材の結合剤が、ポリビニルアセタール系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、アクリル系樹脂、メタクル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、合成ゴム等の有機結合剤又はシリコンゴム等の無機結合剤のいずれかであることを特徴とする請求項5記載の研磨ベルト。
  7. 前記砥石ブロック集合体は、ベルト端部に位置する砥石ブロックの面積が完全な形状の砥石ブロックの1/2以上の面積を有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の研磨ベルト。
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