JP2020166014A - 反射スクリーン、該反射スクリーンを用いた投射システム、及び反射スクリーンの製造方法 - Google Patents

反射スクリーン、該反射スクリーンを用いた投射システム、及び反射スクリーンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性に優れるとともに、細線を含む投影画像のゆらぎを抑制し得る反射スクリーンを提供する。【解決手段】ガラス基材A、中間膜A及び光学積層体をこの順に有し、前記光学積層体は、ハードコート層A、プラスチックフィルムA及び半透過半反射層Aを含む光学フィルムAを有してなり、前記ハードコート層Aは厚みが2.0μm以上であり、前記光学フィルムA内において、前記光学機能層Aは、前記プラスチックフィルムAの前記ハードコート層Aとは反対側、又は、前記プラスチックフィルムAと前記ハードコート層Aとの間に位置してなり、前記プラスチックフィルムAを基準とした前記ハードコート層A側の面が前記中間膜A側を向くようにして前記光学積層体を配置してなる、反射スクリーン。【選択図】図1

Description

本発明は、反射スクリーン、該反射スクリーンを用いた投射システム、及び反射スクリーンの製造方法に関する。
次世代型スクリーンとして、背景の像の視認性を低下させることなく、視認性の高い像を投影できる透明性の高いスクリーンが期待されている。透明性の高いスクリーンの用途としては、透明パーティション、ショウウインドウ、ウェアラブルディスプレイ及びヘッドアップディスプレイ等が挙げられる。スクリーンは、背面投射を行う透過スクリーンと前面投射を行う反射スクリーンとに大別される。
透明性の高い反射スクリーンとして、例えば、特許文献1の反射スクリーンが提案されている。
国際公開番号WO2013/090959(請求項6及び7、段落0079〜0082)
特許文献1には、ガラス基材、中間膜(ポリビニルブチラール又はエチレンビニルアセテート)及び反射型偏光素子を積層してなる反射スクリーンの実施形態が記載されている。当該実施形態の反射スクリーンは、基本的な表示性能は満足している。
しかし、本発明者らが鋭意検討した結果、当該実施形態の反射スクリーンに対して直線状の細線を含む画像を投影した際に、細線がゆらいでいるように視認され、投影画像の美観に欠けるという問題が生じた。
本発明は、透明性に優れるとともに、細線を含む投影画像のゆらぎを抑制した反射スクリーン、及びこれを用いた投射システムを提供することを課題とする。また、本発明は、前記反射スクリーンを簡易に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した。その結果、「ガラス基材、中間膜及び光学フィルムがこの順で積層されている反射防止フィルムは、中間膜が加熱時に軟化して接着性を発現する際に応力が生じていること」、「ガラス基材は前記応力を殆ど緩和せずに反発するため、光学フィルムに前記応力が集中すること」、「光学フィルムに前記応力が集中する結果、光学フィルム中のプラスチックフィルムに低周波のうねりが生じ、該低周波のうねりが光学機能層に伝播することによって細線がゆらいで視認されること」、「透過光では細線がゆらいで視認されない場合でも、反射光では細線がゆらいで視認されやすいこと」を見出した。
そして、本発明者らはさらに研究を重ねた結果、表面に露出しないため常識的には不要であるハードコート層を、あえて光学フィルムの構成要素として含めることにより、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]を提供する。
[1]ガラス基材A、中間膜A及び光学積層体をこの順に有し、前記光学積層体は、ハードコート層A、プラスチックフィルムA及び光学機能層Aを含む光学フィルムAを有してなり、前記ハードコート層Aは厚みが2.0μm以上であり、前記光学フィルムA内において、前記光学機能層Aは、前記プラスチックフィルムAの前記ハードコート層Aとは反対側、又は、前記プラスチックフィルムAと前記ハードコート層Aとの間に位置してなり、前記プラスチックフィルムAを基準とした前記ハードコート層A側の面が前記中間膜A側を向くようにして前記光学積層体を配置してなる、反射スクリーン。
[2]光源と、上記[1]に記載の反射スクリーンとを備えた、投射システム。
[3]下記(a1)〜(a2)の工程を順に行う反射スクリーンiの製造方法。
(a1)ガラス基材A、中間膜A及び光学積層体をこの順に重ね合わせた積層体iを得る工程。前記光学積層体は、ハードコート層A、プラスチックフィルムA及び光学機能層Aを含む光学フィルムAを有するものである。前記ハードコート層Aは厚みが2.0μm以上である。また、前記光学フィルムA内において、前記光学機能層Aは、前記プラスチックフィルムAの前記ハードコート層Aとは反対側、又は、前記プラスチックフィルムAと前記ハードコート層Aとの間に位置してなる。また、前記プラスチックフィルムAを基準とした前記ハードコート層A側の面が前記中間膜A側を向くようにして、ガラス基材A、中間膜A及び光学積層体を重ね合わせる。
(a2)前記積層体iを加熱及び加圧して、前記ガラス基材Aと前記光学積層体の前記光学フィルムA側とが前記中間膜Aを介して接着してなる反射スクリーンiを得る工程。
[4]下記(b1)〜(b2)の工程を順に行う反射スクリーンiiの製造方法。
(b1)ガラス基材A、中間膜A、光学積層体、中間膜B及びガラス基材Bをこの順に重ね合わせた積層体iiを得る工程。前記光学積層体は、ハードコート層A、プラスチックフィルムA及び光学機能層Aを含む光学フィルムAと、ハードコート層B及びプラスチックフィルムBを含む光学フィルムBとを有するものである。前記ハードコート層A及び前記ハードコート層Bは厚みが2.0μm以上である。また、前記光学フィルムA内において、前記光学機能層Aは、前記プラスチックフィルムAの前記ハードコート層Aとは反対側、又は、前記プラスチックフィルムAと前記ハードコート層Aとの間に位置してなる。また、前記光学フィルムA側の面が前記中間膜A側を向き、前記光学フィルムB側の面が前記中間膜B側を向き、前記プラスチックフィルムAを基準とした前記ハードコート層A側の面が前記中間膜A側を向き、前記プラスチックフィルムBを基準とした前記ハードコート層B側の面が前記中間膜B側を向くようにして、ガラス基材A、中間膜A、光学積層体、中間膜B及びガラス基材Bを重ね合わせる。
(b2)前記積層体iiを加熱及び加圧して、前記ガラス基材Aと前記光学積層体の前記光学フィルムA側とが前記中間膜Aを介して接着してなり、前記ガラス基材Bと前記光学積層体の前記光学フィルムB側とが前記中間膜Bを介して接着してなる反射スクリーンiiを得る工程。
本発明の反射スクリーン及び投射システムは、透明性に優れるとともに、細線を含む投影画像のゆらぎを抑制することができる。また、本発明の反射スクリーンの製造方法は、前述した効果を備える反射スクリーンを簡易に製造することができる。
本発明の反射スクリーンの一実施形態を示す断面図である。 本発明の反射スクリーンの他の実施形態を示す断面図である。 光源から射出される直線偏光の振動方向と、位相差層の遅相軸とが成す角を説明するための図である。 細線のゆらぎの状態を示す図である。 実施例における細線のゆらぎの評価手法の概略図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
[反射スクリーン]
本発明の反射スクリーンは、ガラス基材A、中間膜A及び光学積層体をこの順に有し、前記光学積層体は、ハードコート層A、プラスチックフィルムA及び半透過半反射層Aを含む光学フィルムAを有してなり、前記ハードコート層Aは厚みが2.0μm以上であり、前記光学フィルムA内において、前記光学機能層Aは、前記プラスチックフィルムAの前記ハードコート層Aとは反対側、又は、前記プラスチックフィルムAと前記ハードコート層Aとの間に位置してなり、前記プラスチックフィルムAを基準とした前記ハードコート層A側の面が前記中間膜A側を向くようにして前記光学積層体を配置してなるものである。
図1〜図2は、本発明の反射スクリーンの一実施形態を示す断面図である。
図1〜図2の反射スクリーン(100)は、ガラス基材A(11)、中間膜A(21)、及び光学積層体(50)をこの順に有している。また、図1〜図2の反射スクリーンの光学積層体(50)は、ハードコート層A(31b)、プラスチックフィルムA(31a)及び光学機能層A(31c)を含む光学フィルムA(31)を有している。また、図1〜図2の反射スクリーン(100)は、プラスチックフィルムA(31a)を基準としたハードコート層A(31b)側の面が中間膜A(21)側を向くようにして光学積層体(50)が配置されている。
また、図2の反射スクリーン(100)は、光学積層体(50)の中間膜A(21)とは反対側の面に、中間膜B(22)及びガラス基材B(12)をこの順に有している。また、図2の反射スクリーンの光学積層体(50)は、光学フィルムA(31)に加えて、ハードコート層B(32b)、プラスチックフィルムB(32a)及び光学機能層B(32c)を含む光学フィルムB(32)を有している。また、図2の反射スクリーン(100)は、光学フィルムA(31)側の面が中間膜A(21)側を向き、光学フィルムB(32)側の面が中間膜B(22)側を向き、かつ、プラスチックフィルムB(32a)を基準としたハードコート層B(32b)側の面が中間膜B(22)側を向くようにして光学積層体(50)が配置されている。
なお、本明細書において、単に、「ガラス基材」、「中間膜」、「光学フィルム」、「プラスチックフィルム」、「ハードコート層」、「光学機能層」、「半透過半反射層」及び「位相差層」と記載する時は、特に断りのない限り、それぞれ、「ガラス基材A及びガラス基材B」、「中間膜A及び中間膜B」、「光学フィルムA及び光学フィルムB」、「プラスチックフィルムA及びプラスチックフィルムB」、「ハードコート層A及びハードコート層B」、「光学機能層A及び光学機能層B」、「半透過半反射層A及び半透過半反射層B」及び「位相差層A及び位相差層B」を意味するものとする。
<反射スクリーンの層構成>
本発明の反射スクリーンの層構成としては、例えば、下記(x1)〜(x3)が挙げられる。下記(x1)〜(x3)において、「/」は層の界面を意味する。また、下記(x1)〜(x3)は、積層順序の例であり、本発明の効果を阻害しない範囲で、各層の間に他の層が存在することを妨げるものではない。
なお、下記(x1)〜(x3)において、基材Bは、ガラス基材B及びプラスチック基材Bの何れかを意味し、ガラス基材Bであることが好ましい。
(x1)ガラス基材A/中間膜A/光学積層体
(x2)ガラス基材A/中間膜A/光学積層体/接着剤層/基材B
(x3)ガラス基材A/中間膜A/光学積層体/ 中間膜B/基材B
<ガラス基材>
ガラス基材としては、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス及び石英ガラス等のガラスからなる基材が挙げられる。
ガラス基材の厚みは、0.1〜5mmであることが好ましく、0.5〜3mmであることがより好ましく、1〜2mmであることがさらに好ましい。
本発明の反射スクリーンは、少なくともガラス基材Aを有する。ガラス基材Aは、通常は、反射スクリーンの一方の表面に配置される。なお、本発明の効果を阻害しない範囲で、ガラス基材Aよりも表面側に、反射防止層等の他の層を形成してもよい。
反射スクリーンの他方の表面(ガラス基材Aとは反対側の表面)には、基材Bを有することが好ましい。基材Bとしては、ガラス基材B及びプラスチック基材Bが挙げられ、ガラス基材Bであることが好ましい。
<中間膜>
中間膜は、主として、基材(主としてガラス基材)と光学フィルムとを接着する役割を有する。中間膜は、透明性が良好な熱可塑性樹脂を含むことが好適であり、このような樹脂としては、ポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂及びポリウレタン等が挙げられる。これらの中でも、ガラス飛散防止性の観点からポリビニルアセタールが好ましく、ポリビニルアセタールの中でもポリビニルブチラールが好ましい。
なお、中間膜は、前述した樹脂以外に、可塑剤等の添加剤を含有していてもよい。
中間膜の厚みは、0.1〜3mmであることが好ましく、0.2〜1.5mmであることがより好ましく、0.3〜0.8mmであることがさらに好ましい。中間膜の厚みを0.1mm以上とすることにより、中間膜と基材との密着性、及び、中間膜と光学積層体との密着性を良好にしやすくできる。なお、ガラス基材の飛散を防止する観点からは、中間膜の厚みは0.3mm以上であることが好ましい。また、中間膜の厚みを3mm以下とすることにより、中間膜に生じる応力が強くなることを抑制し、細線を含む投影画像のゆらぎを抑制しやすくできる。
<光学積層体>
光学積層体は、ハードコート層A、プラスチックフィルムA及び光学機能層Aを含む光学フィルムAを有する。
また、光学積層体は、さらに、下記(A1)〜(A3)の構成を備えることを要する。
(A1)ハードコート層Aの厚みが2.0μm以上。
(A2)光学フィルムA内において、光学機能層Aは、プラスチックフィルムAのハードコート層Aとは反対側、又は、プラスチックフィルムAとハードコート層Aとの間に位置する。
(A3)光学積層体は、プラスチックフィルムAを基準としたハードコート層A側の面が中間膜A側を向くようにして、反射スクリーン内で配置する。
上記(A1)〜(A3)の構成を備えることにより、中間膜Aの応力をハードコート層Aが緩和し、プラスチックフィルムAに低周波のうねりが生じ、該うねりが光学機能層Aに伝播することを抑制できる。
光学機能層Aは、プラスチックフィルムAのハードコート層Aとは反対側、及び、プラスチックフィルムAとハードコート層Aとの間の少なくとも一方に位置していればよく、両方に位置していてもよい。なお、中間膜Aの応力が光学機能層Aに伝わりにくくする観点からは、光学フィルムA内において、光学機能層Aは、プラスチックフィルムAのハードコート層Aとは反対側に位置することが好ましい。
反射スクリーンを平面方向から視認した際に、光学積層体の端部は、ガラス基材A及び中間膜Aの端部よりも内側に位置することが好ましい。また、反射スクリーンが中間膜B及び基材Bを有する場合、反射スクリーンを平面方向から視認した際に、光学積層体の端部は、ガラス基材A、中間膜A、基材B及び中間膜Bの端部よりも内側に位置することが好ましい。
光学積層体は、光学フィルムAに加えて、ハードコート層B及びプラスチックフィルムBを含む光学フィルムBを有していてもよい。
光学積層体が光学フィルムBを有する場合、反射スクリーンは、光学積層体の中間膜Aとは反対側の面に、中間膜B及びガラス基材Bをこの順に有することが好ましい。
また、この場合、光学積層体は、さらに、下記(B1)〜(B2)の構成を備えることが好ましい。
(B1)ハードコート層Bの厚みが2.0μm以上。
(B2)光学フィルムA側の面が中間膜A側を向き、光学フィルムB側の面が中間膜B側を向き、かつ、プラスチックフィルムBを基準としたハードコート層B側の面が中間膜B側を向くようにして光学積層体を配置する。
上記(B1)〜(B2)の構成を備えることで、プラスチックフィルムA及びプラスチックフィルムBに低周波のうねりが生じることを抑制しやすくできる。
光学フィルムAと光学フィルムBとは、例えば、接着剤層を介して積層することができる。
光学フィルムBは光学機能層Bを有していてもよい。
光学フィルムB内において、光学機能層Bは、プラスチックフィルムBのハードコート層Bとは反対側、又は、プラスチックフィルムBとハードコート層Bとの間に配置するものとする。当該構成とすることにより、中間膜Bの応力をハードコート層Bが緩和し、プラスチックフィルムBに低周波のうねりが生じ、該うねりが光学機能層Bに伝播することを抑制できる。
光学機能層Bは、プラスチックフィルムBのハードコート層Bとは反対側、及び、プラスチックフィルムBとハードコート層Bとの間の少なくとも一方に位置していればよく、両方に位置していてもよい。なお、中間膜Bの応力が光学機能層Bに伝わりにくくする観点から、光学フィルムB内において、光学機能層Bは、プラスチックフィルムBのハードコート層Bとは反対側に位置することが好ましい。
<<光学積層体の層構成>>
光学積層体の層構成としては、例えば、下記(y1)〜(y8)が挙げられる。下記(y1)〜(y8)において、「/」は層の界面を意味する。また、下記(y1)〜(y8)は、積層順序の例であり、本発明の効果を阻害しない範囲で、各層の間に他の層が存在することを妨げるものではない。
<光学フィルムAを含む場合>
(y1)ハードコート層A/プラスチックフィルムA/光学機能層A
(y2)ハードコート層A/光学機能層A/プラスチックフィルムA
<光学フィルムA及び光学フィルムBを含む場合>
(y3)ハードコート層A/プラスチックフィルムA/光学機能層A/接着剤層/プラスチックフィルムB/ハードコート層B
(y4)ハードコート層A/光学機能層A/プラスチックフィルムA/接着剤層/プラスチックフィルムB/ハードコート層B
(y5)ハードコート層A/プラスチックフィルムA/光学機能層A/接着剤層/光学機能層B/プラスチックフィルムB/ハードコート層B
(y6)ハードコート層A/光学機能層A/プラスチックフィルムA/接着剤層/光学機能層B/プラスチックフィルムB/ハードコート層B
(y7)ハードコート層A/プラスチックフィルムA/光学機能層A/接着剤層/プラスチックフィルムB/光学機能層B/ハードコート層B
(y8)ハードコート層A/光学機能層A/プラスチックフィルムA/接着剤層/プラスチックフィルムB/光学機能層B/ハードコート層B
<<プラスチックフィルム>>
プラスチックフィルムとしては、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び非晶質オレフィン(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)等から選択される1種以上の樹脂から形成されるプラスチックフィルムが挙げられる。
プラスチックフィルムは延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、未延伸フィルムが好ましい。
プラスチックフィルムの厚みは、10〜150μmであることが好ましく、20〜100μmであることがより好ましく、50〜80μmであることがさらに好ましい。
厚みを10μm以上とすることにより、プラスチックフィルムに低周波のうねりが生じることを抑制しやすくできる。また、厚みを150μm以下とすることにより、反射スクリーンが必要以上に厚くなることを抑制できる。
本明細書において、各層の厚みは、断面を光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察した任意の10箇所の厚みの平均として算出することができる。
<<ハードコート層>>
ハードコート層は、主成分として、硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことが好ましい。硬化性樹脂組成物の硬化物は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物及び電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が挙げられ、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましい。
主成分とは、ハードコート層の全固形分(100質量%)の50質量%以上であることを意味し、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。電離放射線硬化性化合物としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
また、多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
また、塗布液の粘度を調整するなどの目的で、電離放射線硬化性化合物として、単官能(メタ)アクリレートを併用してもよい。単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記電離放射線硬化性化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性化合物は、応力を緩和しやすくする観点から、2官能(メタ)アクリレート系モノマーを主成分として含むことが好ましい。主成分とは、電離放射線硬化性化合物の総量100質量%に対して50質量%以上であることを意味し、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
また、電離放射線硬化性化合物は、応力を緩和しやすくする観点及びハードコート層の耐擦傷性の観点のバランスから、2官能(メタ)アクリレート系モノマーと、3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとの混合物であることが好ましい。2官能(メタ)アクリレート系モノマーと3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとの混合比は、質量基準で50:50〜90:10であることが好ましく、60:40〜80:20であることがより好ましい。
電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合には、電離放射線硬化性組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサントン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
ハードコート層の厚みは2.0μm以上であることを要する。ハードコート層の厚みが2.0μm未満の場合、細線を含む投影画像のゆらぎを抑制することができない。ハードコート層の厚みは、ゆらぎの抑制と反射スクリーンの薄膜化の観点から、2.0〜20.0μmであることが好ましく、3.0〜10.0μmであることがより好ましく、4.0〜8.0μmであることがさらに好ましい。
ハードコート層の表面は、JIS K5600−5−4:1999の鉛筆硬度が6B〜6Hであることが好ましく、3B〜3Hであることがより好ましい。
ハードコート層は、純水に対する接触角が90度以下であることが好ましく、80度以下であることがより好ましい。該接触角を90度以下とすることにより、ハードコート層と中間膜との密着性を良好にしやすくすることができるとともに、ハードコート層表面の中間膜に対する濡れ性が良好となり、加熱時に中間膜に生じた応力をハードコート層で緩和しやすくできる。
接触角は、被測定面に1.0μLの液滴を滴下し、着滴10秒後の静的接触角をθ/2法に従って計測するものとする。接触角の測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、相対湿度40〜65%とする。また、測定用サンプルを前記雰囲気に10分以上放置してから測定するものとする。
加熱時に中間膜に生じた応力をハードコート層が緩和し、該応力がプラスチックフィルムに集中することを抑制しやすくする観点から、ハードコート層は、プラスチックフィルム及び中間膜の少なくとも何れかと接して形成されていることが好ましく、プラスチックフィルム及び中間膜の両方と接して形成されていることがより好ましい。
また、上記応力が光学機能層Aに伝播することを抑制しやすくする観点から、光学フィルムAは、ハードコート層A、プラスチックフィルムA及び光学機能層Aをこの順で有することが好ましい。
また、光学フィルムBが光学機能層Bを有する場合、上記応力が光学機能層Bに伝播することを抑制しやすくする観点から、光学フィルムBは、ハードコート層B、プラスチックフィルムB及び光学機能層Bをこの順で有することが好ましい。
<<光学機能層>>
光学機能層としては、半透過半反射層及び位相差層が挙げられる。光学機能層は少なくとも半透過半反射層を有することが好ましい。
光学機能層は単層であってもよいし、多層であってもよい。多層の例としては、半透過半反射層及び位相差層を備える構成が挙げられる。
本明細書において、光学機能層Aとしての半透過半反射層及び位相差層のことを、「半透過半反射層A」及び「位相差層A」と称する場合がある。また、光学機能層Bとしての半透過半反射層及び位相差層のことを、「半透過半反射層B」及び「位相差層B」と称する場合がある。
―半透過半反射層―
半透過半反射層は、特定の偏光を反射し、それ以外の光を透過するものであることが好ましく、特定の波長域の特定の偏光を反射し、それ以外の光を透過するものであることがより好ましい。かかる性質を備える半透過半反射層としては、下記(i)及び(ii)が挙げられる。
(i)特定の波長域の右円偏光又は左円偏光を反射し、それ以外の光を透過するコレステリック液晶層(本明細書において、「CLC層」と称する場合がある。)。
(ii)特定の波長域のp波又はs波を反射し、他方を透過する反射性偏光層(本明細書において、「DBEF層」と称する場合がある。)。
半透過半反射層は、CLC層であってもよいし、DBEF層であってもよいが、CLC層が好ましい。
反射スクリーンが半透過半反射層A及び半透過半反射層Bを有する場合、半透過半反射層Aと半透過半反射層Bとで反射する波長域を変えることにより、幅広い波長域の映像光を反射することが可能となる。
−−CLC層−−
本明細書においてCLC層とは、コレステリック規則性を呈する液晶性分子からなる層をいう。コレステリック規則性とは、一平面上では分子軸が一定の方向に並んでいるが、それに重なる次の平面では分子軸の方向が少し角度をなしてずれ、更に次の平面では更に角度がずれるというように、重なって配列している平面を順次透過して進むに従って当該平面中の分子軸の角度がずれて(ねじれて)いく構造である。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造はカイラルな構造となる。
CLC層は、一般的に、フィジカルな分子配列に基づいて、一方向の旋光成分とこれと逆回りの旋光成分とを分離する旋光選択特性を有する。このような液晶層に対して、液晶のプレーナー配列のヘリカル軸に沿って入射した光は、右旋及び左旋の2つの円偏光に別れ、一方が透過し、他方が反射する。この現象は、円偏光2色性として知られ、液晶分子の螺旋構造における旋回方向を適宜選択することにより、該旋回方向と同一の旋光方向を持つ円偏光を選択的に反射させることができる。
この場合の最大旋光偏光光反射は、下記式(21)の波長λで生じる。すなわち、λは、分光反射率のピーク値を示す波長(本明細書において、「選択反射中心波長」と称する場合もある。)を意味する。
λ=nav・p (21)
ここで、pは液晶分子の螺旋構造におけるヘリカルピッチ、navはヘリカル軸に直交する平面内の平均屈折率である。
入射角が変化した場合、平均屈折率はスネルの法則の影響を受ける。
空気中(屈折率P1=1.0)から角度θ1で入射した場合、CLC層における入射角度θ2は下記式(22)となる。
sin(θ2)=sin(θ1) /nav (22)
したがって、入射角0度の時のλに対して入射角θ1の場合の選択反射中心波長λθは、下記式(23)で計算される。

またCLC液晶の場合、平均屈折率はピーク波長によって波長分散の影響を受けることも留意する必要がある。(正分散液晶の場合、長波長側の平均屈折率は低くなることに留意する。)
また、このときの反射光の波長バンド幅Δλは下記式(24)で示される。
Δλ=Δn・p (24)
ここで、Δnは液晶材料の複屈折値である。
CLC層単独での偏光分離作用について説明する。
まず、無偏光がCLC層に入射した場合、前記波長λを中心とした波長バンド幅Δλの範囲の光の右旋又は左旋の円偏光成分の一方が反射し、他方の円偏光成分及び他の波長域の光(無偏光)が透過する。なお、反射した右旋又は左旋円偏光は、通常の反射と異なり、位相が反転されることなくそのまま反射する。
また、円偏光がCLC層に入射した場合において、該円偏光の旋回方向と、CLC層の液晶分子の螺旋構造の旋回方向とが一致する場合には、波長λを中心とした波長バンド幅Δλの範囲の円偏光が反射し、他の波長域の円偏光は透過する。なお、反射した右旋又は左旋円偏光は、通常の反射と異なり、位相が反転されることなくそのまま反射する。
反射効率を高め、反射スクリーンの視認性を良好にする観点からは、円偏光をCLC層に入射するように設計することが好ましい。より詳しくは、円偏光の旋回方向と、CLC層の液晶分子の螺旋構造の旋回方向とが一致するように設計することが好ましい。
CLC層としては、重合性基を有する液晶性モノマー又はオリゴマーを含む硬化性組成物の硬化物や、ガラス状態にした液晶性ポリマーからなるものが挙げられる。
上記の中でも、CLC層は重合性基を有する液晶性モノマー又はオリゴマーを含む硬化性組成物の硬化物であることが好ましい。CLC層が上記硬化性組成物の硬化物であると、液晶分子をコレステリック液晶状態のままで光学的に固定化することができ、取り扱い性も向上するためである。
上記硬化性組成物は電離放射線硬化性、熱硬化性のいずれでもよいが、前述した固定化の観点からは電離放射線硬化性組成物であることが好ましい。本明細書において電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。重合性の観点からは(メタ)アクリロイル基又はビニル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
重合性基を有する液晶性モノマー又はオリゴマーは、上記重合性基を少なくとも1つ有していればよいが、三次元架橋により液晶性分子が光学的に固定されたCLC層を得る観点からは、重合性基を2つ以上有することが好ましく、両末端に重合性基を有する、2官能の液晶性モノマー又はオリゴマーがより好ましい。
重合性基を有する液晶性モノマーとしては、例えば、特開平7−258638号公報や特表平10−508882号公報で開示されている液晶性モノマーが挙げられる。重合性基を有する液晶性オリゴマーとしては、例えば、特開昭57−165480号公報で開示されているようなコレステリック相を有する環式オルガノポリシロキサン化合物が挙げられる。
重合性基を有する液晶性モノマーの具体例としては、例えば下記構造式(I)で表される、両末端にアクリロイル基を有する液晶性モノマーが挙げられる。
CLC層は、重合性基を有する液晶性モノマー又はオリゴマーと、カイラル剤とを含む硬化性組成物の硬化物であることがより好ましい。前記液晶性モノマー又はオリゴマーを所定の温度で液晶層にした場合にはネマチック状態になるが、ここにカイラル剤を添加すれば、カイラルネマチック液晶(すなわち、コレステリック液晶)となる。また、使用するカイラル剤の種類を変えてカイラルパワーを変えるか、又はカイラル剤の配合量を変化させることによって、CLC層に含まれる液晶分子の螺旋構造におけるヘリカルピッチを調整することができ、これによりCLC層の選択反射波長域を調整することができる。
CLC層は、ディスコティック液晶により作製してもよい。なお、CLC層は、例えば、特開2000−086591号公報等に記載されているようなカイラルディスコティック化合物を使用してもよく、また、特開2000−111734号公報、特開2000−171637号公報、特開2000−347039号公報等に記載されているような、非カイラル性ディスコティック液晶性化合物と、重合性基を有するカイラルディスコティック化合物との共重合体を使用してもよい。
三次元架橋により液晶性分子が光学的に固定されたCLC層を得る観点からは、CLC層は、重合性基を有する液晶性モノマー又はオリゴマーと、重合性基を有するカイラル剤とを含む硬化性組成物の硬化物であることが更に好ましい。
重合性基を有するカイラル剤としては、三次元架橋により液晶性分子が光学的に固定されたCLC層を得る観点から、重合性基を2つ以上有するカイラル剤であることが好ましく、両末端に重合性基を有する、2官能のカイラル剤であることがより好ましい。重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。重合性の観点からは(メタ)アクリロイル基又はビニル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
カイラル剤としては、例えば、特開平7−258638号公報や特表平10−508882号公報で開示されているキラル化合物が挙げられる。
カイラル剤の市販品としては、両末端に重合性基としてアクリロイル基を有するカイラル剤「Paliocolor(登録商標)LC756」(BASF社製)等が挙げられる。
CLC層中のカイラル剤の量は、所望の波長選択性が得られる量であれば特に制限はないが、CLC層の形成に用いる硬化性組成物中の液晶性モノマー、液晶性オリゴマー、及びカイラル剤の合計量を100質量部とした時のカイラル剤の配合量として、通常0.5〜20質量部、好ましくは1〜15質量部、より好ましくは2〜10質量部である。
CLC層の形成に用いる硬化性組成物は、前述した電離放射線の照射により硬化するものであることが好ましい。電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる材料や層の厚さに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で硬化させることが好ましい。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、通常波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯等が用いられる。
CLC層の形成に用いる硬化性組成物が紫外線硬化性組成物の場合、更に光重合開始剤を含むことが好ましい。硬化性組成物中の重合性基を有する液晶性モノマー又はオリゴマー、並びに重合性基を有するカイラル剤を紫外線照射により硬化させることが可能になるためである。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーズケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサントン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
上記光重合開始剤は1種を単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
前記硬化性組成物中の光重合開始剤の量は、液晶性モノマー、液晶性オリゴマー、及びカイラル剤の合計量を100質量部とした時の光重合開始剤の配合量として、1〜10質量部であることが好ましく、2〜8質量部であることがより好ましい。
CLC層の形成に用いる硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に光重合促進剤、滑剤、可塑剤、充填剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、導電剤、屈折率調整剤、溶剤等のその他の成分を含有してもよい。
CLC層を構成する材料が液晶性ポリマーである場合、その具体例としては、液晶性を呈するメソゲン基を主鎖、側鎖、あるいは主鎖及び側鎖の位置に導入したポリマー、コレステリル基を側鎖に導入した高分子コレステリック液晶、例えば、特開平9−133810号公報で開示されている液晶性ポリマー、特開平11−293252号公報で開示されている液晶性ポリマー等が挙げられる。
液晶性ポリマーとしては、液晶性ポリマーそれ自体にカイラル能を有しているコレステリック液晶性ポリマーそのものを用いてもよいし、ネマチック液晶性ポリマーとコレステリック液晶性ポリマーの混合物を用いてもよい。このような液晶性ポリマーは、温度によって状態が変わり、例えばガラス転移温度が90℃、アイソトロピック転移温度が200℃である場合は、90〜200℃の間でコレステリック液晶状態を呈し、これを室温まで冷却すれば、コレステリック構造を有したままガラス状態で固化させることができる。
液晶性ポリマーのように、CLC層を構成する液晶材料がガラス転移温度を有するものである場合、温度を変化させることにより液晶のON/OFF制御を行うことも可能である。
液晶性ポリマーのコレステリック構造に起因する入射光の選択反射波長域を調整するには、公知の方法で液晶性ポリマー分子中のカイラルパワーを調整すればよい。また、ネマチック液晶性ポリマーとコレステリック液晶性ポリマーの混合物を用いる場合は、その混合比を調整する。
CLC層の厚さは、使用する液晶性モノマー又はオリゴマー、ポリマーやカイラル剤の種類、並びに所望するCLC層の選択反射波長域によっても最適な範囲が異なるが、入射光の反射率を高める観点からは、好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上である。
また、反射スクリーンの薄型化の観点からは、CLC層の厚さは、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、更に好ましくは50μm以下、より更に好ましくは30μm以下、より更に好ましくは20μm以下、より更に好ましくは10μm以下である。なお、上記CLC層の厚さは、個々のCLC層の厚さである。
CLC層の厚さは、例えば、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から10箇所の厚みを測定し、10箇所の値の平均値から算出できる。STEMの加速電圧は10kV〜30kVとすることが好ましい。STEMの倍率は、測定膜厚がミクロンオーダーの場合は1,000〜7,000倍とすることが好ましく、測定膜厚がナノオーダーの場合は5万〜30万倍とすることが好ましい。
CLC層の形成方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。以下、CLC層が、前述した液晶性モノマー又はオリゴマーを含む電離放射線硬化性組成物の硬化物である場合を例として説明する。
まず、ガラス基板等の基材上に配向膜を形成し、その上に、液晶性モノマー又はオリゴマー、カイラル剤、並びに光重合開始剤、溶剤等のその他成分を含むCLC層形成用の電離放射線硬化性組成物を塗布し、配向膜の配向規制力によって液晶性分子(液晶性モノマー及びオリゴマー)を配向させる。次に、この配向状態のままで電離放射線を照射して液晶性モノマー又はオリゴマーを三次元架橋させ、前記硬化性組成物の硬化物であるCLC層を得ることができる。
前記硬化性組成物を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコーター法等の公知の各種方法を挙げることができる。
前記硬化性組成物が溶剤を含有する場合、該硬化性組成物を塗布した後に、例えば30〜120℃で10〜120秒間乾燥を行うことが好ましい。
上記配向膜は従来知られている方法で作製することができる。例えば、ガラス基板等の基材上にポリイミドを成膜し、ラビングする方法;ガラス基板上に光配向膜となる高分子化合物を成膜し、偏光UV(紫外線)を照射する方法;延伸したPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いる方法;マスクを用いてパターニングする方法;等が挙げられる。
CLC層が前述した液晶性ポリマーからなるものである場合も、上記と同様にガラス基板等の基材上に配向膜を形成し、当該配向膜上に液晶性ポリマーを含む組成物を前記方法で塗布して、配向膜の配向規制力によってポリマーを配向させる。必要に応じて乾燥を行った後、冷却して液晶性ポリマーをガラス状態に固定させればCLC層を得ることができる。
また、基材上にCLC層を形成してなる積層体を複数準備し、これらの積層体を粘着剤等を介して貼り合わせることにより、複数のCLC層を有する反射スクリーンを得ることができる。
CLC層は、正分散性を示すものでもよいし、逆分散性を示すものでもよい。
「正分散性」とは、波長が長くなるに従って透過光に与える面内位相差が減少する特性であり、具体的には、波長450nmにおける面内位相差(Re450)と、波長550nmにおける面内位相差(Re550)との関係が、Re450>Re550となる特性である。これに対して、「逆分散性」は、Re450<Re550となる特性である。
本明細書において、面内位相差(Re)は、面内における遅相軸方向の屈折率をnx、面内においてnxに直交する方向の屈折率をny、膜厚をd(nm)とした際に、下記式で表すことができる。
面内位相差(Re)=(nx−ny)×d
CLC層の面内位相差(Re550)は20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。
半透過半反射層の一例であるCLC層のうち、上記に例示した液晶化合物は概ね正分散性を示すものである。
CLC層のうち、逆分散性を示すものは、逆分散波長特性を示す液晶材料や、シクロヘキサン構造を有する液晶材料を適用することで得られる。
逆分散性を示す液晶材料としては、例えば、特表2010−522892号公報、特開2006−243470号公報、特開2007−243470号公報、特開2009−75494号公報、特開2009−62508号公報、特開2009−179563号公報、特開2009−242717号公報、特開2009−242718号公報、特許第4222360号公報、特許第4186981号公報、などに記載されている液晶化合物が例示できる。
また、シクロヘキサン構造を有する液晶材料としては、例えば特開2001−163833、特開2007−91612、特開2007−91796、特開2006−241403、特開2006−70080、特開2006−37005、特開2006−8928に記載された液晶材料の分子末端にアクリレート基などの重合性基を付与することにより作製したものもしくは特開2008−274204に記載された材料を適用することができる。
−−DBEF層−−
DBEF層としては、多層光学フィルム反射性偏光子が例示され、例えば、米国特許第5,882,774号公報に記載されている反射性偏光子や、3M Companyから入手可能なDBEF−D2−400、DBEF−D4−400等が例示される。
DBEF層は、単一偏光状態を有する光を透過し、残りの光を反射する。DBEF層は、p波(p偏光ともいう、入射面内で電界が振動する偏光)又はs波(s偏光ともいう、入射面に垂直に電界が振動する偏光)の一方を透過し、他方を反射する。また、後述するように反射する偏光成分の波長を選択することも可能である。なお、偏光サングラスは、通常、s波を吸収するように設計されているため、DBEF層を有する反射スクリーンは、p波を反射するように配置することが好ましい。
具体的には、DBEF層は、複屈折性を有する層Aと複屈折性を実質的に有さない層Bとが交互に積層された多層積層体であることが好ましい。例えば、このような多層積層体の層の総数は、50〜1,000であり得る。A層のx軸方向の屈折率nxがy軸方向の屈折率nyより大きく(nx>ny)、B層のx軸方向の屈折率nxとy軸方向の屈折率nyとは実質的に同一である(nx≒ny)。従って、A層とB層との屈折率差は、x軸方向において大きく、y軸方向においては実質的にゼロである。その結果、x軸方向が反射軸となり、y軸方向が透過軸となる。A層とB層とのx軸方向における屈折率差は、好ましくは0.1〜0.4、より好ましくは0.2〜0.3である。なお、x軸方向は、DBEF層の製造方法におけるDBEF層の延伸方向に対応する。A層とB層とのx軸方向における屈折率差が大きいと、反射率が上がるため、層数を減らすことが可能である。一方、屈折率差を高くするためには、より強い延伸が必要となるため、材料選定やプロセスの適正化が必要であり、更に、ボーイング現象が発生しやすく、生産性が低下しやすいと考えられる。
上記A層は、好ましくは、延伸により複屈折性を発現する材料で構成される。このような材料の代表例としては、ナフタレンジカルボン酸ポリエステル(例えば、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネートおよびアクリル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート)が挙げられる。これらの中でもポリエチレンナフタレートが好ましい。上記B層は、好ましくは、延伸しても複屈折性を実質的に発現しない材料で構成される。このような材料の代表例としては、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステルが挙げられる。
DBEF層は、A層とB層との界面において、p波とs波との僅かな反射率の違いを多層構造とすることで繰り返し利用することで、p波とs波を完全に分離して、一方を透過し、他方を反射する。
また、DBEF層は、各層の屈折率及び積層数を調整することにより、反射される偏光成分の分光反射率のピーク値を示す波長及びバンド幅を調整することができる。
DBEF層の全体厚みは、DBEF層に含まれる層の合計数等に応じて適宜設定され、通常は、10μm〜150μm程度である。
DBEF層単独での偏光分離作用について説明する。
まず、無偏光がDBEF層に入射した場合、p波又はs波の一方の偏光成分であって、かつ、上記の手段によって選択した波長の光が反射され、その他の光が透過する。
また、直線偏光がDBEF層に入射した場合において、直線偏光の振動方向と、上記x軸(反射軸)の方向とが一致する場合には、上記の手段によって選択した波長の光が反射され、残りの波長の光が透過する。
反射効率を高め、反射スクリーンの視認性を良好にする観点からは、直線偏光をDBEF層に入射するように設計することが好ましい。より詳しくは、直線偏光の振動方向と、DBEF層のx軸(反射軸)の方向とが一致するように設計することが好ましい。
DBEF層は、代表的には、共押出と横延伸とを組み合わせて作製され得る。共押出は、任意の適切な方式で行われ得る。例えば、フィードブロック方式であってもよく、マルチマニホールド方式であってもよい。例えば、フィードブロック中でA層を構成する材料とB層を構成する材料とを押出し、次いで、マルチプライヤーを用いて多層化する。なお、このような多層化装置は当業者に公知である。次いで、得られた長尺状の多層積層体を代表的には搬送方向に直交する方向(TD)に延伸する。A層を構成する材料(例えば、ポリエチレンナフタレート)は、当該横延伸により延伸方向においてのみ屈折率が増大し、結果として複屈折性を発現する。B層を構成する材料(例えば、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステル)は、当該横延伸によってもいずれの方向にも屈折率は増大しない。結果として、延伸方向(TD)に反射軸を有し、搬送方向(MD)に透過軸を有する反射型偏光子が得られ得る。なお、延伸操作は、任意の適切な装置を用いて行われ得る。
−−位相差層−−
位相差層は、例えば、視野角特性を調整する役割、光源から射出される光を変換する役割などを有する。光源から射出される光を変換する例としては、光源から射出される直線偏光を、位相差層(λ/4位相差層の単層、又は、λ/2位相差層及びλ/4位相差層)で円偏光に変換することが挙げられる。
位相差層は半透過半反射層と組み合わせることが好ましい。すなわち、位相差層を有する場合、光学機能層は、位相差層及び半透過半反射層を含む多層構成であることが好ましい。
光学フィルムAが光学機能層Aとして位相差層Aを有する場合、光学フィルムAは下記(f1)〜(f3)の積層構成であることが好ましい。(f1)〜(f3)の中では(f1)が好ましい。また、(f1)〜(f3)の半透過半反射層AはCLC層であることが好ましい。
下記(f1)〜(f3)において、「/」は層の界面を意味する。また、下記(f1)〜(f3)は、積層順序の例であり、本発明の効果を阻害しない範囲で、各層の間に他の層が存在することを妨げるものではない。例えば、(f1)及び(f2)の場合、プラスチックフィルムAと位相差層Aとの間に配向膜を有することが好ましい。また、(f3)の場合、半透過半反射層Aと位相差層Aとの間に配向膜を有することが好ましい。
(f1)ハードコート層A/プラスチックフィルムA/位相差層A/半透過半反射層A
(f2)ハードコート層A/位相差層A/プラスチックフィルムA/半透過半反射層A
(f3)ハードコート層A/位相差層A/半透過半反射層A/プラスチックフィルムA
光学フィルムBが光学機能層Bとして位相差層Bを有する場合、光学フィルムBは下記(g1)〜(g4)の積層構成であることが好ましい。(g1)〜(g4)の中では(g1)及び(g2)が好ましく、(g2)がより好ましい。また、(g2)及び(g4)の半透過半反射層BはCLC層であることが好ましい。
下記(g1)〜(g4)において、「/」は層の界面を意味する。また、下記(g1)〜(g4)は、積層順序の例であり、本発明の効果を阻害しない範囲で、各層の間に他の層が存在することを妨げるものではない。例えば、(g1)〜(g3)の場合、プラスチックフィルムBと位相差層Bとの間に配向膜を有することが好ましい。また、(g4)の場合、半透過半反射層Bと位相差層Bとの間に配向膜を有することが好ましい。
(g1)ハードコート層B/プラスチックフィルムB/位相差層B
(g2)ハードコート層B/プラスチックフィルムB/位相差層B/半透過半反射層B
(g3)ハードコート層B/位相差層B/プラスチックフィルムB
(g4)ハードコート層B/位相差層B/半透過半反射層B/プラスチックフィルムB
半透過半反射層A及び半透過半反射層Bがコレステリック液晶層である場合、位相差層A及び位相差層Bは、λ/4位相差層の単層構造、あるいは、λ/4位相差層とλ/2位相差層との積層構造が好ましい。以下、位相差層Aとしてのλ/4位相差層及びλ/2位相差層を、λ/4位相差層A及びλ/2位相差層Aと称し、位相差層Bとしてのλ/4位相差層及びλ/2位相差層を、λ/4位相差層B及びλ/2位相差層Bと称する場合がある。
光源から射出した直線偏光を、前述した好適な実施形態の位相差層(λ/4位相差層の単層構造、あるいは、λ/4位相差層とλ/2位相差層との積層構造)を有する側から反射スクリーンに入射させることにより、光源の直線偏光が円偏光に変換され、特定波長の反射率を高め、視認性を良好にすることができる。この場合、位相差層の遅相軸と、光源から射出される直線偏光の振動方向とが成す角度は、下記(A)〜(D)の何れかとすることが好ましい。
なお、本明細書において、位相差層の遅相軸と、直線偏光の振動方向とが成す角度は、両者がなす鋭角を指し、さらに、直線偏光の振動方向を基準として時計回りの方向に該鋭角が存在する場合には該鋭角をプラスと定義し(図3の場合)、直線偏光の振動方向を基準として反時計回りの方向に該鋭角が存在する場合には該鋭角をマイナスと定義している。
<(A)位相差層が、位相差層Aの一方であり、該位相差層がλ/4位相差層の単層構造の場合>
この場合、λ/4位相差層の遅相軸と、光源から射出される直線偏光の振動方向との成す角度は、45±10度又は−45±10度であることが好ましく、45±5度又は−45±5度であることがより好ましく、45±3度又は−45±3度であることがさらに好ましく、45±1度又は−45±1度であることがよりさらに好ましい。なお、前述した角度がプラス側の場合は直線偏光が左回りの円偏光に変換され、マイナス側の場合は直線偏光が右回りの円偏光に変換される(下記(B)〜(D)も同様)。
<(B)位相差層が、位相差層Aの一方であり、該位相差層がλ/4位相差層とλ/2位相差層との積層構造の場合>
この場合、λ/4位相差層の遅相軸と、光源から射出される直線偏光の振動方向との成す角度は、75±10度又は−75±10度であることが好ましく、75±5度又は−75±5度であることがより好ましく、75±3度又は−75±3度であることがさらに好ましく、75±1度又は−75±1度であることがよりさらに好ましい。また、λ/2位相差層の遅相軸と、光源から射出される直線偏光の振動方向との成す角度は、15±10度又は−15±10度であることが好ましく、15±5度又は−15±5度であることがより好ましく、15±3度又は−15±3度であることがさらに好ましく、15±1度又は−15±1度であることがよりさらに好ましい。なお、λ/4位相差層の遅相軸が成す角度と、λ/2位相差層の遅相軸が成す角度とは、プラスマイナスを揃えるものとする(例えば、λ/4位相差層の遅相軸が成す角度が75±10度の場合、λ/2位相差層の遅相軸が成す角度は15±10度)。
<(C)位相差層が、位相差層A及び位相差層Bの両方であり、位相差層A及び位相差層Bがλ/4位相差層の単層構造の場合>
この場合、λ/4位相差層Aの遅相軸と、光源から射出される直線偏光の振動方向との成す角度は、45±10度又は−45±10度であることが好ましく、45±5度又は−45±5度であることがより好ましく、45±3度又は−45±3度であることがさらに好ましく、45±1度又は−45±1度であることがよりさらに好ましい。また、λ/4位相差層Bの遅相軸は、λ/4位相差層Aの遅相軸と略直交するように配置することが好ましい。略直交の範囲は後述する。
<(D)位相差層が、位相差層A及び位相差層Bの両方であり、位相差層A及び位相差層Bがλ/4位相差層とλ/2位相差層との積層構造の場合
この場合、λ/4位相差層Aの遅相軸と、光源から射出される直線偏光の振動方向との成す角度は、75±10度又は−75±10度であることが好ましく、75±5度又は−75±5度であることがより好ましく、75±3度又は−75±3度であることがさらに好ましく、75±1度又は−75±1度であることがよりさらに好ましい。また、λ/2位相差層Aの遅相軸と、光源から射出される直線偏光の振動方向との成す角度は、15±10度又は−15±10度であることが好ましく、15±5度又は−15±5度であることがより好ましく、15±3度又は−15±3度であることがさらに好ましく、15±1度又は−15±1度であることがよりさらに好ましい。なお、λ/4位相差層Aの遅相軸が成す角度と、λ/2位相差層Aの遅相軸が成す角度とは、プラスマイナスを揃えるものとする。また、λ/4位相差層Bの遅相軸は、λ/4位相差層Aの遅相軸と略直交するように配置し、λ/2位相差層Bの遅相軸は、λ/2位相差層Aの遅相軸と略直交するように配置することが好ましい。略直交の範囲は後述する。
λ/4位相差層とλ/2位相差層との積層構造の場合、λ/2位相差層よりもλ/4位相差層が半透過半反射層側となるように配置することが好ましい。例えば、λ/2位相差層Aよりもλ/4位相差層Aが半透過半反射層A側となるように配置することが好ましい。また、λ/2位相差層Bよりもλ/4位相差層Bが半透過半反射層B側となるように配置することが好ましい。
半透過半反射層A及び半透過半反射層Bがコレステリック液晶層であり、かつ、上記(C)又は(D)の構成の場合(以下、該構成を「構成x」と称する場合がある。)、互いに対応する位相差層の遅相軸が成す角度が略直交となるように、位相差層A及び位相差層Bを配置することが好ましい。例えば、λ/4位相差層Aの遅相軸とλ/4位相差層Bの遅相軸との成す角度、あるいは、λ/2位相差層Aの遅相軸とλ/2位相差層Bの遅相軸との成す角度が、略直交となるように位相差層A及び位相差層Bを配置することが好ましい。なお、略直交とは、90±10度を意味し、好ましくは90±5度、より好ましくは90±3度、さらに好ましくは90±1度である。
光源から直線偏光を射出して、当該構成xの反射スクリーンに入射させることにより、光入射側の位相差層で円偏光に変換された光が、光出射側の位相差層で直線偏光に再変換することができる。このため、下記(i)又は(ii)の構成とすることにより、反射スクリーンの界面反射(特に空気界面の反射)を抑制し、視認性を向上することができる。なお、偏光サングラスをかけた際の視認性を考慮すると、下記(i)の構成が好ましい(偏光サングラスは、通常、s偏光を吸収するように設計されているため)。
(i)再変換される直線偏光をp偏光とする。(光源から射出する直線偏光をp偏光とすれば、再変換される直線偏光はp偏光となる。)
(ii)光出射側の位相差層よりも光出射側に、再変換される直線偏光を吸収する偏光子を配置する。
λ/4位相差層は、Re550が、好ましくは100〜180nm、より好ましくは110〜160nm、更に好ましくは110〜150nmである。
λ/2位相差層は、Re550が、好ましくは200〜300nm、より好ましくは220〜280nm、更に好ましくは220〜270nmである。
λ/4位相差層及びλ/2位相差層等の位相差層は、正分散性を示すものであってもよいし、逆分散性を示すものであってもよいが、半透過半反射層において特定の波長域の光を反射する効率を向上する観点から、逆分散性を示すものが好ましい。
λ/4位相差層のRe450と、λ/4位相差層のRe550との比(Re450/Re550))は、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.93以下、更に好ましくは0.91以下、より更に好ましくは0.89以下である。また、Re450/Re550は、好ましくは0.78以上、より好ましくは0.80以上、更に好ましくは0.82以上である。
λ/2位相差層のRe450と、λ/2位相差層のRe550との比(Re450/Re550))は、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.93以下、更に好ましくは0.91以下、より更に好ましくは0.89以下である。また、Re450/Re550は、好ましくは0.78以上、より好ましくは0.80以上、更に好ましくは0.82以上である。
λ/4位相差層及びλ/2位相差層等の位相差層の厚みは、付与する位相差を考慮して、0.1〜10μmの範囲で適宜調整することができる。
位相差層は、例えば、液晶性化合物を含む組成物から形成したり、ポリマーフィルムを延伸したりすることにより形成することができる。液晶性化合物を含む組成物から形成する位相差層は透明基材上に形成することが好ましい。なお、透明基材上に形成した位相差層は、そのまま用いてもよいし、他の部材(例えば、半透過半反射層)に転写して用いてもよい。
位相差層の形成に用いられる液晶性化合物の種類については特に限定されない。例えば、低分子液晶性化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、光架橋や熱架橋によって固定化して得られる位相差層や、高分子液晶性化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、冷却することによって当該配向を固定化して得られる位相差層を用いてもよい。
なお、位相差層に液晶性化合物が用いられる場合であっても、層となった後は、もはや液晶性を示す必要はない。重合性液晶性化合物は、多官能性重合性液晶性化合物でもよいし、単官能重合性液晶性化合物でもよい。また、液晶性化合物は、ディスコティック液晶性化合物でもよく、棒状液晶性化合物であってもよい。
位相差層は、例えば、位相差層形成用組成物を透明基材上に塗布、乾燥、硬化することにより形成できる。また、位相差層形成用組成物は、配向膜上に塗布することが好ましい。位相差層形成用組成物の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
<その他の層>
本発明の反射スクリーンの一実施形態は、その他の層を有していてもよい。
その他の層としては、位相差層を配向させやすくするための配向膜、紫外線吸収層及び接着剤層等が挙げられる。
<光学物性>
本発明の反射スクリーンの一実施形態は、JIS K7361−1:1997に準拠して測定される全光線透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
また、本発明の反射スクリーンの一実施形態は、JIS K7136:2000に準拠して測定されるヘイズが2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがより好ましい。
<用途>
本発明の反射スクリーンは、透明パーティション、ショウウインドウ、ウェアラブルディスプレイ及びヘッドアップディスプレイ等に好適に用いることができる。
[反射スクリーンの製造方法i]
本発明の反射スクリーンの製造方法iは、下記(a1)〜(a2)の工程を順に行うものである。
(a1)ガラス基材A、中間膜A及び光学積層体をこの順に重ね合わせた積層体iを得る工程。前記光学積層体は、ハードコート層A、プラスチックフィルムA及び半透過半反射層Aを含む光学フィルムAを有するものである。前記ハードコート層Aは厚みが2.0μm以上である。また、前記光学フィルムA内において、前記光学機能層Aは、前記プラスチックフィルムAの前記ハードコート層Aとは反対側、又は、前記プラスチックフィルムAと前記ハードコート層Aとの間に位置してなる。また、前記プラスチックフィルムAを基準とした前記ハードコート層A側の面が前記中間膜A側を向くようにして、ガラス基材A、中間膜A及び光学積層体を重ね合わせる。
(a2)前記積層体iを加熱及び加圧して、前記ガラス基材Aと前記光学積層体の前記光学フィルムA側とが前記中間膜Aを介して接着してなる反射スクリーンiを得る工程。
[反射スクリーンの製造方法ii]
本発明の反射スクリーンの製造方法iiは、下記(b1)〜(b2)の工程を順に行うものである。
(b1)ガラス基材A、中間膜A、光学積層体、中間膜B及びガラス基材Bをこの順に重ね合わせた積層体iiを得る工程。前記光学積層体は、ハードコート層A、プラスチックフィルムA及び半透過半反射層Aを含む光学フィルムAと、ハードコート層B及びプラスチックフィルムBを含む光学フィルムBとを有するものである。前記ハードコート層A及び前記ハードコート層Bは厚みが2.0μm以上である。また、前記光学フィルムA内において、前記光学機能層Aは、前記プラスチックフィルムAの前記ハードコート層Aとは反対側、又は、前記プラスチックフィルムAと前記ハードコート層Aとの間に位置してなる。また、前記光学フィルムA側の面が前記中間膜A側を向き、前記光学フィルムB側の面が前記中間膜B側を向き、前記プラスチックフィルムAを基準とした前記ハードコート層A側の面が前記中間膜A側を向き、前記プラスチックフィルムBを基準とした前記ハードコート層B側の面が前記中間膜B側を向くようにして、ガラス基材A、中間膜A、光学積層体、中間膜B及びガラス基材Bを重ね合わせる。
(b2)前記積層体iiを加熱及び加圧して、前記ガラス基材Aと前記光学積層体の前記光学フィルムA側とが前記中間膜Aを介して接着してなり、前記ガラス基材Bと前記光学積層体の前記光学フィルムB側とが前記中間膜Bを介して接着してなる反射スクリーンiiを得る工程。
工程(a1)及び(b1)で用いるガラス基材A、中間膜A及び光学積層体の実施の形態は、上述した本発明の反射スクリーンのガラス基材A、中間膜A及び光学積層体の実施の形態と同様である。また、工程(b1)で用いるガラス基材B及び中間膜Bの実施の形態は、上述した本発明の反射スクリーンのガラス基材B及び中間膜Bの実施の形態と同様である。
光学フィルムBが光学機能層Bを含む場合には、光学フィルムB内において、光学機能層Bは、プラスチックフィルムBのハードコート層Bとは反対側、又は、プラスチックフィルムBとハードコート層Bとの間に位置してなるものとする。
工程(a2)及び(b2)は、積層体を加熱及び加圧して、ガラス基材と光学積層体とを中間膜を介して接着する工程である。
工程(a2)及び(b2)は、予備圧着工程及び本接着工程を有することが好ましい。
予備接着工程は、例えば、80〜140℃に加熱した後、一対の圧着ロールを通過させることで行うことができる。本接着工程は、例えば、オートクレーブ中、1.0〜1.5MPaの加圧下で80〜150℃の温度で行うことができる。
なお、加熱温度及び圧力等の条件は上記の範囲に限定されず、中間膜の物性(軟化点等)及び光学積層体の耐熱温度等を考慮して、適宜調整することができる。
[投射システム]
本発明の投射システムは、光源と、上述した本発明の反射スクリーンとを備えてなるものである。
光源は特に限定されない。光源から投射される光としては、非偏光、直線偏光及び円偏光が挙げられる。
直線偏光を投射可能な光源としては、有機EL等の表示素子上に偏光子を配置したもの、及び、液晶プロジェクタが挙げられる。円偏光を投射可能な光源としては、直線偏光を投射可能な光源に位相差層を付加したものが挙げられる。
直線偏光を投射可能な光源を用いた場合、上述したように、光源から射出される直線偏光の振動方向、半透過半反射層の種類(CLC層又はDBEF層)、位相差層の有無、及び位相差層の種類(λ/4位相差層の単層、又は、λ/4位相差層とλ/2位相差層の積層)を考慮して、光源と反射スクリーンとを適切に配置することが好ましい。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準とする。
[実施例1]
1.材料の準備及び作製
1−1.ハードコート層、フィルム配向膜及びλ/4位相差層の形成
未延伸のプラスチックフィルム(厚み60μmのトリアセチルセルロースフィルム)上に、下記処方のハードコート層形成用塗布液1を塗布、乾燥、紫外線照射して、厚み6.0μmのハードコート層を形成した。
次いで、プラスチックフィルムのハードコート層を形成した面とは反対側の面に光配向膜を塗布、乾燥して、厚み0.2μmの配向膜を形成した。
次いで、配向膜上に、Re450/Re550=1.09の液晶材料を溶剤(MEK/MIBK=5/5)で固形分25質量%に希釈した塗布液を塗布、乾燥してλ/4位相差層を形成し、透明基材、配向膜及びλ/4位相差層をこの順に有する積層体1を得た。なお、λ/4位相差層の厚みは、Re(550)が142nmとなるように調整した。また、積層体1は2つ作製した。
なお、ハードコート層A及びBの表面の鉛筆硬度はHであり、純水の接触角は71度であった。
<ハードコート層形成用塗布液1>
・紫外線硬化性樹脂 100質量部
(2官能アクリレート(日本化薬社製の商品名「KAYARAD R-115」)と、6官能アクリレート(日本化薬社製の商品名「KAYARAD UX-5000」)との、100:30混合物
・光重合開始剤 5質量部
(IGM Resin社製の商品名「Irgacure907」)
・希釈溶剤 200質量部
(メチルエチルケトン)
1−2.半透過半反射層の形成(光学フィルムA及び光学フィルムBの作製)
上記1−1で得た一方の積層体1のλ/4位相差層上に、重合性液晶性モノマー93.25部、両末端にアクリロイルを有するカイラル剤(Paliocolor(登録商標)LC756、BASF社製)6.85質量部、光重合開始剤(IRGACURE(登録商標)907;2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)4質量部、アクリル系レベリング剤(BYK−361N、ビックケミー・ジャパン(株)製)0.1質量部をシクロペンタノンで固形分20%に希釈したものを塗工し、厚み1.0μmのCLC層(半透過半反射層A)を形成した。これにより、ハードコート層A、プラスチックフィルムA、配向膜、λ/4位相差層A、及び半透過半反射層Aをこの順に有する光学フィルムAを得た。
上記1−1で得た他方の積層体1のλ/4位相差層上に、重合性液晶性モノマー93.25部、両末端にアクリロイルを有するカイラル剤(Paliocolor(登録商標)LC756、BASF社製)6.85質量部、光重合開始剤(IRGACURE(登録商標)907;2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)4質量部、アクリル系レベリング剤(BYK−361N、ビックケミー・ジャパン(株)製)0.1質量部をシクロペンタノンで固形分20%に希釈したものを塗工し、厚み1.2μmのCLC層(半透過半反射層B)を形成した。これにより、ハードコート層B、プラスチックフィルムB、配向膜、λ/4位相差層B、及び半透過半反射層Bをこの順に有する光学フィルムBを得た。
1−3.光学積層体の作製
上記1−2で得た光学フィルムAの半透過半反射層A側の面と、上記1−2で得た光学フィルムBの半透過半反射層B側の面とを、厚み50μmの光学的等方性の透明粘着剤層を介して貼り合わせ、実施例1で用いる光学積層体を得た。なお、λ/4位相差層Aの遅相軸とλ/4位相差層Bの遅相軸とは直交させた。
実施例1で用いる光学積層体は、ハードコート層A、プラスチックフィルムA、配向膜、λ/4位相差層A、半透過半反射層A、接着剤層、半透過半反射層B、λ/4位相差層B、配向膜、プラスチックフィルムB及びハードコート層Bをこの順で有している。
1−4.反射スクリーンの作製
ガラス基材A、中間膜A、光学積層体(上記1−3で得た光学積層体)、中間膜及びガラス基材Bをこの順で重ね合わせた積層体iiを得た。この際、光学積層体のハードコート層A側の面が中間膜A側を向き、光学積層体のハードコート層B側の面が中間膜B側を向くようにした。ガラス基材A及びBは、セントラル硝子社製の厚み2mmのフロートガラス板を用い、中間膜A及びBは、積水化学工業社製の厚み380μmのポリビニルブチラールフィルム(商品名:S−LEC PVB)を用いた。
次いで、積層体iiを約90℃に加熱した後、一対の圧着ロールを通過させることによって、積層体iiを仮圧着した。
次いで、仮圧着した積層体iiをオートクレーブ中に収納し、約1MPaに加圧し、約130℃で30分間加熱することによって、仮圧着後に残った気泡を取り除き、ガラス基材A及びBと、光学積層体とが、中間膜A及びBを介して接着されてなる反射スクリーンを得た。
[実施例2]
プラスチックフィルムA及びBを厚み100μmの二軸延伸PETフィルム(東洋紡社製、商品名:コスモシャインA4100)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の反射スクリーンを得た。
[実施例3]
実施例1のハードコート層形成用塗布液1を下記のハードコート層形成用塗布液2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の反射スクリーンを得た。
<ハードコート層形成用塗布液2>
・紫外線硬化性樹脂 100質量部
(6官能アクリレート、日本化薬社製の商品名「KAYARAD UX-5000」)
・光重合開始剤 5質量部
(IGM Resin社製の商品名「Irgacure907」)
・希釈溶剤 200質量部
(メチルエチルケトン)
[実施例4]
実施例1のハードコート層の厚みを3.0μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の反射スクリーンを得た。
[比較例1]
ハードコート層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、比較例1の光学積層体を得た。比較例1で用いる光学積層体は、プラスチックフィルムA、配向膜、λ/4位相差層A、半透過半反射層A、接着剤層、半透過半反射層B、λ/4位相差層B、配向膜、プラスチックフィルムBをこの順で有している。
次いで、ガラス基材A、中間膜A、比較例1の光学積層体、中間膜及びガラス基材Bをこの順で重ね合わせた積層体を得た後、実施例1と同様の加熱圧着工程を行い、比較例1の反射スクリーンを得た。
[比較例2]
プラスチックフィルムA及びBを厚み100μmのCOPフィルム(日本ゼオン社製、商品名:ZF16−100、未延伸)に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例2の反射スクリーンを得た。
[比較例3]
プラスチックフィルムA及びBを厚み100μmのポリカーボネートフィルム(帝人社製、商品名:D−100、未延伸)に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例2の反射スクリーンを得た。
[比較例4]
実施例1のハードコート層の厚みを1.5μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の反射スクリーンを得た。
2.測定及び評価
2−1.全光線透過率
ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、実施例及び比較例の反射スクリーンの全光線透過率(JISK7361−1:1997)を測定した。全光線透過率が70%以上のものを「A」、70%未満のものを「C」とした。
2−2.細線のゆらぎ
偏光出力可能なノートPC(パナソニック社製、商品名:let’s note)に、線幅0.5mmの細線からなる格子状の白色画像(一つの格子の面積:225mm)を表示し、該画像を検証用の光源とした。光源の照度は150cd/mで調整した。光源の光出射面側に、実施例及び比較例の反射スクリーンを図5の位置関係(光源の光出射面に対する法線と、反射スクリーンの光入射面とが成す角が45度。光源と反射スクリーンとの距離は50cm)で配置し、図5に示す方向(正反射方向)の近距離(50cm)及び遠距離(100cm)からゆらぎの状態を目視で観察し、下記の基準で評価した。観察環境は外光を遮った室内として、室内照明はOFFとした。評価B以上が合格レベルである。なお、反射スクリーンはガラス基材A側が光源側を向くように配置した。図4は細線がゆらいだ状態のイメージ図であり、破線で囲んだ箇所の細線がゆらいでいる。
A:近距離からの観察でも細線のゆらぎが確認できない。
B:近距離からの観察で僅かな細線のゆらぎが確認できるが、遠距離では細線のゆらぎが確認できない。
C:近距離からの観察ではっきりと細線のゆらぎが確認できる。
D:遠距離からの観察でもはっきりと細線のゆらぎが確認できる。
2−3.皺
蛍光灯の照明下で、実施例及び比較例の反射スクリーンに局部的な皺が生じているか否かを目視で確認した。
A:近距離からの観察でも局部的な皺が確認できない。
B:近距離からの観察で局部的に微細な皺が確認できるが、実用上問題なし。
C:近距離からの観察ではっきりと皺が確認でき、実用上問題あり。
表1の結果から、実施例1〜4の反射スクリーンは、透明性に優れるとともに、細線を含む投影画像のゆらぎを抑制することができ、さらには、局部的な皺を抑制することができることが確認できる。
11:ガラス基材A
12:ガラス基材B
21:中間膜A
22:中間膜B
31:光学フィルムA
31a:プラスチックフィルムA
31b:ハードコート層A
31c:光学機能層A
32:光学フィルムB
32a:プラスチックフィルムB
32b:ハードコート層B
32c:光学機能層B
40:接着剤層
50:光学積層体
100:反射スクリーン
200:光源

Claims (7)

  1. ガラス基材A、中間膜A及び光学積層体をこの順に有し、前記光学積層体は、ハードコート層A、プラスチックフィルムA及び光学機能層Aを含む光学フィルムAを有してなり、
    前記ハードコート層Aは厚みが2.0μm以上であり、
    前記光学フィルムA内において、前記光学機能層Aは、前記プラスチックフィルムAの前記ハードコート層Aとは反対側、又は、前記プラスチックフィルムAと前記ハードコート層Aとの間に位置してなり、
    前記プラスチックフィルムAを基準とした前記ハードコート層A側の面が前記中間膜A側を向くようにして前記光学積層体を配置してなる、反射スクリーン。
  2. 前記反射スクリーンは、前記光学積層体の前記中間膜Aとは反対側の面に、中間膜B及びガラス基材Bをこの順に有し、前記光学積層体は、さらに、ハードコート層B及びプラスチックフィルムBを含む光学フィルムBを有してなり、
    前記ハードコート層Bは厚みが2.0μm以上であり、
    前記光学フィルムA側の面が前記中間膜A側を向き、前記光学フィルムB側の面が前記中間膜B側を向き、かつ、前記プラスチックフィルムBを基準とした前記ハードコート層B側の面が前記中間膜B側を向くようにして前記光学積層体を配置してなる、請求項1に記載の反射スクリーン。
  3. 前記光学機能層Aが半透過半反射層Aである、請求項1又は2に記載の反射スクリーン。
  4. 前記光学フィルムBが、さらに光学機能層Bを含み、
    前記光学フィルムB内において、前記光学機能層Bは、前記プラスチックフィルムBの前記ハードコート層Bとは反対側、又は、前記プラスチックフィルムBと前記ハードコート層Bとの間に位置してなる、請求項2に記載の反射スクリーン。
  5. 光源と、請求項1〜4の何れか1項に記載の反射スクリーンとを備えた、投射システム。
  6. 下記(a1)〜(a2)の工程を順に行う反射スクリーンiの製造方法。
    (a1)ガラス基材A、中間膜A及び光学積層体をこの順に重ね合わせた積層体iを得る工程。前記光学積層体は、ハードコート層A、プラスチックフィルムA及び光学機能層Aを含む光学フィルムAを有するものである。前記ハードコート層Aは厚みが2.0μm以上である。また、前記光学フィルムA内において、前記光学機能層Aは、前記プラスチックフィルムAの前記ハードコート層Aとは反対側、又は、前記プラスチックフィルムAと前記ハードコート層Aとの間に位置してなる。また、前記プラスチックフィルムAを基準とした前記ハードコート層A側の面が前記中間膜A側を向くようにして、ガラス基材A、中間膜A及び光学積層体を重ね合わせる。
    (a2)前記積層体iを加熱及び加圧して、前記ガラス基材Aと前記光学積層体の前記光学フィルムA側とが前記中間膜Aを介して接着してなる反射スクリーンiを得る工程。
  7. 下記(b1)〜(b2)の工程を順に行う反射スクリーンiiの製造方法。
    (b1)ガラス基材A、中間膜A、光学積層体、中間膜B及びガラス基材Bをこの順に重ね合わせた積層体iiを得る工程。前記光学積層体は、ハードコート層A、プラスチックフィルムA及び光学機能層Aを含む光学フィルムAと、ハードコート層B及びプラスチックフィルムBを含む光学フィルムBとを有するものである。前記ハードコート層A及び前記ハードコート層Bは厚みが2.0μm以上である。また、前記光学フィルムA内において、前記光学機能層Aは、前記プラスチックフィルムAの前記ハードコート層Aとは反対側、又は、前記プラスチックフィルムAと前記ハードコート層Aとの間に位置してなる。また、前記光学フィルムA側の面が前記中間膜A側を向き、前記光学フィルムB側の面が前記中間膜B側を向き、前記プラスチックフィルムAを基準とした前記ハードコート層A側の面が前記中間膜A側を向き、前記プラスチックフィルムBを基準とした前記ハードコート層B側の面が前記中間膜B側を向くようにして、ガラス基材A、中間膜A、光学積層体、中間膜B及びガラス基材Bを重ね合わせる。
    (b2)前記積層体iiを加熱及び加圧して、前記ガラス基材Aと前記光学積層体の前記光学フィルムA側とが前記中間膜Aを介して接着してなり、前記ガラス基材Bと前記光学積層体の前記光学フィルムB側とが前記中間膜Bを介して接着してなる反射スクリーンiiを得る工程。
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