JP2018077322A - 反射スクリーン、映像表示装置 - Google Patents

反射スクリーン、映像表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018077322A
JP2018077322A JP2016218575A JP2016218575A JP2018077322A JP 2018077322 A JP2018077322 A JP 2018077322A JP 2016218575 A JP2016218575 A JP 2016218575A JP 2016218575 A JP2016218575 A JP 2016218575A JP 2018077322 A JP2018077322 A JP 2018077322A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
screen
optical shape
light
reflective
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016218575A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6988069B2 (ja
Inventor
後藤 正浩
Masahiro Goto
正浩 後藤
紘一 木下
Koichi Kinoshita
紘一 木下
関口 博
Hiroshi Sekiguchi
博 関口
山下 禎之
Yoshiyuki Yamashita
禎之 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2016218575A priority Critical patent/JP6988069B2/ja
Publication of JP2018077322A publication Critical patent/JP2018077322A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6988069B2 publication Critical patent/JP6988069B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)

Abstract

【課題】透明性が高く、両面での映像表示が可能な反射スクリーンとこれを備える映像表示装置を提供する。【解決手段】スクリーン10は、両面にそれぞれ投射された映像光の一部を反射して、両面で映像を表示可能な反射スクリーンであり、第1斜面121aと第1対向面121bとを有する第1単位光学形状121が、他方の面側に複数配列された第1光学形状層12と、第1光学形状層12の他方の面側に位置する第1反射層13と、第2斜面161aと第2対向面161bとを有する第2単位光学形状161が、一方の側に複数配列された第2光学形状層16と、第2光学形状層16の一方の面側に位置する第2反射層17とを備える。第1反射層13及び第2反射層17は、その表面が不規則な凹凸形状を有する粗面であり、入射した光の一部を拡散反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を透過する機能を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、反射スクリーンと、これを備える映像表示装置とに関するものである。
従来、映像源から投射された映像光を反射して表示する反射スクリーンとして、様々なものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。なかでも、透明性を有する反射スクリーンは、映像光を投射しない不使用時等にはスクリーンの向こう側の景色を見ることができるので意匠性が高く、需要が高まっている。
特開平9−114003号公報
しかし、このような透明性を有する反射スクリーンは、光を拡散する拡散粒子等を含有する光拡散層を備えていると、スクリーンの向こう側の景色が白っぽくぼやけて観察される場合があり、意匠性の低下を招くため、透明性の向上が課題となっていた。また、各種スクリーンにおいて、薄型化や、コントラストの高い良好な映像を表示することは、常々求められることである。
また、従来の反射スクリーンは、一方の面でのみ映像を表示し、他方の面での映像の表示が不可能であった。
上述の特許文献1には、透過型、反射型の両方に使用することができるスクリーンが提案されている。しかし、この特許文献1には、透明性の向上に関する対策に関してはなんら開示されていない。また、特許文献1には、両面で映像を表示することに関しても、開示されていない。
本発明の課題は、透明性が高く、両面での映像表示が可能な反射スクリーンとこれを備える映像表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、透明性を有し、両面にそれぞれ投射された映像光の一部を反射して、両面で映像を表示可能な反射スクリーンであって、光透過性を有し、該反射スクリーンの一方の面側から入射した映像光が入射する第1入射面(121a)とこれに対向する第1対向面(121b)とを有する第1単位光学形状(121)が、該反射スクリーンの他方の面側に複数配列された第1光学形状層(12)と、前記第1単位光学形状の少なくとも前記第1入射面の前記他方の面側の一部に位置する第1反射層(13)と、光透過性を有し、該反射スクリーンの前記他方の面側から入射した映像光が入射する第2入射面(161a)とこれに対向する第2対向面(161b)とを有する第2単位光学形状(161)が、該反射スクリーンの前記一方の側に複数配列された第2光学形状層(16)と、前記第2単位光学形状の少なくとも前記第2入射面の前記一方の面側の一部に位置する第2反射層(17)と、を備え、前記第1反射層は、少なくとも前記第1単位光学形状側の面が不規則な凹凸形状を有する粗面であり、入射した光の一部を拡散反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を透過する機能を有し、前記第2反射層は、少なくとも前記第2単位光学形状側の面が不規則な凹凸形状を有する粗面であり、入射した光の一部を拡散反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を透過する機能を有すること、を特徴とする反射スクリーン(10,20,30)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、前記第1反射層(13)と前記第2反射層(17)との間には、光透過性を有するシート状又は板状の層(19,23)を備えること、を特徴とする反射スクリーン(10,20)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、前記第1光学形状層(12)は、前記第1反射層側の面に、前記第1単位光学形状(121)が複数配列されたフレネルレンズ形状を有すること、を特徴とする反射スクリーン(10,20,30)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記第2光学形状層(16)は、前記第2反射層側の面に、前記第2単位光学形状(161)が複数配列されたフレネルレンズ形状を有すること、を特徴とする反射スクリーン(10,20,30)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、光を拡散する拡散粒子を含有する光拡散層を備えていないこと、を特徴とする反射スクリーン(10,20,30)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーン(10,20,30)と、前記反射スクリーンの前記一方の面に映像光を投射する第1の映像源(LS1)と、前記反射スクリーンの前記他方の面に映像光を投射する第2の映像源(LS2)と、を備える映像表示装置(1)である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の映像表示装置において、前記反射スクリーン(10,20)は、前記第1反射層(13)と前記第2反射層(17)との間に、光透過性を有し、さらに、所定の偏光成分を吸収する機能を有する偏光吸収層を備え、前記第1の映像源(LS1)及び前記第2の映像源(LS2)は、前記偏光吸収層が吸収する偏向成分を少なくとも一部含有する映像光を投射すること、を特徴とする映像表示装置である。
本発明によれば、透明性が高く、両面での映像表示が可能な反射スクリーンとこれを備える映像表示装置を提供することができる。
第1実施形態の映像表示装置1を示す図である。 第1実施形態のスクリーン10の層構成を説明する図である。 第1実施形態の第1光学形状層12を説明する図である。 第1実施形態の第2光学形状層16を説明する図である。 第1実施形態のスクリーン10での映像光及び外光の様子を示す図である。 第2実施形態のスクリーン20を説明する図である。 第3実施形態のスクリーン30を説明する図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
また、本明細書中において、記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
また、本明細書中において、スクリーン面とは、スクリーン全体として見たときにおける、スクリーンの平面方向となる面を示すものである。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の映像表示装置1を示す図である。図1(a)では、映像表示装置1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示装置1を側面から見た図である。
映像表示装置1は、スクリーン10、映像源LS1,LS2等を有している。本実施形態のスクリーン10は、映像源LS1,LS2から投影された映像光L1,L2をそれぞれ反射して、その両面の画面(表示面)に映像を表示可能である。このスクリーン10の詳細に関しては、後述する。
ここで、理解を容易にするために、図1を含め以下に示す各図において、適宜、XYZ直交座標系を設けて示している。この座標系では、スクリーン10の画面の左右方向をX方向、上下方向をY方向とし、スクリーン10の厚み方向をZ方向とする。スクリーン10の画面は、XY面に平行であり、スクリーン10の厚み方向(Z方向)は、スクリーン10の画面に直交する。
また、スクリーン10の一方の面(第1の面10a)の正面方向に位置する観察者O1から見て画面左右方向の右側に向かう方向を+X方向、画面上下方向の上側に向かう方向を+Y方向、厚み方向において他方の面側(第2の面10b)から一方の面(第1の面10a)側に向かう方向を+Z方向とする。
さらに、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、このスクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であり、それぞれ、Y方向、X方向、Z方向に平行であるとする。
映像源LS1,LS2は、それぞれ映像光L1,L2をスクリーン10へ投影する映像投射装置(プロジェクタ)である。本実施形態の映像源LS1,LS2は、短焦点型のプロジェクタである。
映像源LS1は、映像表示装置1の使用状態において、スクリーン10の画面(表示領域)を第1の面10a側(+Z側)の正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、スクリーン10の画面左右方向の中央であって、スクリーン10の画面よりも鉛直方向下方側(−Y側)に位置している。
また、映像源LS2は、映像表示装置1の使用状態において、スクリーン10の画面(表示領域)を第2の面10b側(−Z側)の正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、スクリーン10の画面左右方向の中央であって、スクリーン10の画面よりも鉛直方向下方側(−Y側)に位置している。
本実施形態では、スクリーン10の正面方向(Z方向)から見て、映像源LS1,LS2の位置が一致している(即ち、スクリーン10の厚み方向の中心を通り、スクリーン面に平行な面に対して対称な位置にある)例を挙げて説明する。
映像源LS1,LS2は、奥行き方向(Z方向)において、スクリーン10の表面からの距離が従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から、斜めに映像光L1,L2を投影できる。したがって、従来の汎用プロジェクタに比べて、映像源LS1,LS2は、スクリーン10までの投射距離が短く、投射された映像光L1,L2がスクリーン10に入射する入射角度が大きく、スクリーン10に入射する入射角度の変化量(最小値から最大値までの変化量)も大きい。
スクリーン10は、映像源LS1,LS2が投射した映像光L1,L2の一部を反射して両面で映像を表示し、かつ、映像光を投射しない不使用時等において、スクリーン10の向こう側の景色を観察できる透明性を有する反射スクリーンである。
このスクリーン10は、映像源LS1が投射した映像光L1の一部を第1の面10a側(+Z側)に位置する観察者O1へ向けて反射して映像を表示し、映像源LS2が投射した映像光L2の一部を第2の面10b側(−Z側)に位置する観察者O2へ向けて反射して映像を表示する。
スクリーン10の画面(表示領域)は、使用状態において、第1の面10a側(+Z側)の観察者O1及び第2の面10b側の観察者O2から見て、いずれも矩形形状であり、長辺方向が画面左右方向となっている。本実施形態では、その両画面の幾何学的中心となる点は、それぞれ点A1,A2であり、正面方向(Z方向)から見て、点A1と点A2は一致している例を挙げて説明する。
スクリーン10は、その画面サイズが対角40〜100インチ程度であり、画面の横縦比が16:9である。なお、これに限らず、例えば、40インチ以下の大きさとしてもよく、使用目的や使用環境等に応じて、その大きさや形状は適宜選択できるものとする。
一般的に、スクリーンは、樹脂製の薄い層の積層体等であり、それ単独では画面の平面性を維持するだけの十分な剛性を有していない場合が多い。そのため、スクリーン10は、例えば、その第2の面10b側(−Z側)又は第1の面10a側(+Z側)に光透過性を有する不図示の接合層を介して不図示の支持板が一体に接合(あるいは部分固定)され、この支持板により、画面の平面性を維持する形態としてもよい。
このような支持板は、光透過性を有し、スクリーン10よりも剛性が高い平板状の部材が好適である。支持板は、例えば、アクリル樹脂やPC樹脂等の樹脂製、ガラス製等の平板状の部材を用いることができる。このような支持板及び接合層は、これらが接合されるスクリーン10の表面の層(後述する第2保護層15や第1保護層11)と屈折率差がない、又は、屈折率差が小さいことが好ましい。
また、スクリーン10は、不図示の枠部材等によってその四辺等が支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。さらに、スクリーン10は、その第1の面10a及び第2の面10b側の両面に、上述のように不図示の接合層を介して不図示の支持板が一体に接合(あるいは部分固定)され、2枚の支持板により、画面の平面性を維持する形態としてもよい。
本実施形態の映像表示装置1は、例えば、屋内用のパーテーションに適用される。このとき、スクリーン10は、パーテーション用のガラス製や樹脂製等の透明板を上記支持板とし、これに固定される形態とすることが好適である。
図2は、第1実施形態のスクリーン10の層構成を説明する図である。図2では、スクリーン10の第1の面10a(+Z側)の画面中央(画面の幾何学的中心)となる点A1(図1参照)及び第2の面10b(−Z側)の画面中央(画面の幾何学的中心)となる点A2(図1参照)を通り、画面上下方向(Y方向)に平行であって、スクリーン面に垂直(厚み方向であるZ方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
本実施形態のスクリーン10は、前述のように、その両面(第1の面10a側及び第2の面10b側)に映像を表示可能な反射スクリーンである。
本実施形態のスクリーン10は、厚み方向において第1の面10a側から順に、第1保護層11、第1光学形状層12、第1反射層13、第3光学形状層14、基材層19、第4光学形状層18、第2反射層17、第2光学形状層16、第2保護層15を備え、これらが一体に積層されている。
本実施形態のスクリーン10は、図2に示す断面において、基材層19を対称軸として、厚み方向(Z方向)において対称な形状である。即ち、第1保護層11、第1光学形状層12、第1反射層13、第3光学形状層14が積層された部分は、基材層19を対称軸として、第2保護層15、第2光学形状層16、第2反射層17、第4光学形状層18が積層された部分と対称である。
したがって、第2保護層15は、前述の第1保護層11を、第2光学形状層16は、第1光学形状層12を、第2反射層17は、第1反射層13を、第4光学形状層18は、第3光学形状層14を、それぞれZ方向において反転させた形状である。
まず、基材層19よりも+Z側に位置する各層について説明する。
第1保護層11は、光透過性を有する樹脂製の層である。この第1保護層11は、このスクリーン10の第1の面10a側(+Z側)を保護する機能を有している。
第1保護層11は、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等のシート状の部材により形成される。
図3は、第1実施形態の第1光学形状層12を説明する図である。図3(a)は、第1光学形状層12を−Z側から見た図を示し、図3(b)は、図2に示すスクリーン10の断面の一部を拡大して示している。
第1光学形状層12は、第1保護層11の第2の面10b側(−Z側)に形成された光透過性を有する層である。第1光学形状層12の第2の面10b側(−Z側)の面には、第1単位光学形状(単位レンズ)121が複数配列されて設けられている。
第1単位光学形状121は、真円の一部形状(円弧状)であり、図3(a)に示すように、スクリーン10の画面(表示領域)外に位置する点C1を中心として、同心円状に複数配列されている。即ち、第1光学形状層12は、点C1を中心(フレネルセンター)とする、いわゆるオフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を有している。
この点C1は、図3(a)に示すように、スクリーン10の画面左右方向の中央であって画面下方に位置しており、スクリーン10を正面方向から見た場合、点C1と点A1とは、Y方向に平行な同一直線上に位置している。
第1単位光学形状121は、図2及び図3(b)に示すように、その配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
この第1単位光学形状121は、第2の面10b側(−Z側)に凸であり、映像光が入射する入射面である第1斜面(レンズ面)121aと、これに対向する対向面である第1対向面(非レンズ面)121bとを有している。1つの第1単位光学形状121において、第1対向面121bは、頂点t1を挟んで第1斜面121aの下側に位置している。
第1斜面121aがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ1である。第1対向面121bがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ2である。角度θ1,θ2は、θ2>θ1という関係を満たしている。
この第1単位光学形状121の第1斜面121a及び第1対向面121bは、その表面に微細かつ不規則な凹凸形状を有している。
第1単位光学形状121の配列ピッチは、P1であり、第1単位光学形状121の高さ(厚み方向における頂点t1から第1単位光学形状121間の谷底となる点v1までの寸法)は、h1である。
理解を容易にするために、図2では、第1単位光学形状121の配列ピッチP1、角度θ1,θ2は、第1単位光学形状121の配列方向において一定である例を示している。しかし、本実施形態の第1単位光学形状121は、実際には、配列ピッチP1が一定であるが、角度θ1が第1単位光学形状121の配列方向においてフレネルセンターとなる点C1から離れるにつれて次第に大きくなっている。
角度θ1,θ2、配列ピッチP1等は、映像源LS1からの映像光L1の投射角度(スクリーン10への映像光L1の入射角度)や、映像源LS1の画素(ピクセル)の大きさ、スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜設定してよい。例えば、第1単位光学形状121の配列方向に沿って、配列ピッチP1等が変化する形態としてもよい。
第1光学形状層12は、光透過性の高いウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系、ブタジエンアクリレート系等の紫外線硬化型樹脂により形成されている。
なお、本実施形態では、第1光学形状層12を構成する樹脂として、紫外線硬化型樹脂を例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
第1反射層13は、第1単位光学形状121の第2の面10b側(−Z側)、即ち、第1斜面121a及び第1対向面121bの−Z側に形成された層であり、入射した光の一部を反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を透過する半透過型の反射層、いわゆるハーフミラーである。
第1反射層13は、その両面が微細かつ不規則な凹凸形状を有する粗面である。この凹凸形状は、後述する第3光学形状層14の第1反射層13側の表面にも形成されており、第1反射層13は、その凹凸形状を維持した状態で成膜されている。また、第1反射層13の凹凸形状は、前述の第1光学形状層12の凹凸形状とも対応している。
この微細な凹凸形状は、凸形状と凹形状とが2次元方向に不規則に配列されて形成されており、凸形状及び凹形状は、その大きさや形状、高さ等は不規則である。
第1反射層13は、入射した光の一部を微細かつ不規則な凹凸形状により拡散して反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を拡散しないで透過させる。
第1反射層13の第1単位光学形状121側の面の表面粗さは、算術平均粗さRa(JIS B 0601:2001)が約0.10〜0.50μmであることが、映像の良好な視野角等を実現する観点から好ましい。
第1反射層13の反射率及び透過率は、所望する光学性能に合わせて適宜に設定できるが、映像光を良好に反射させるとともに、映像光以外の不要な外光(例えば、太陽光等の外界からの光)を良好に透過させる観点から、透過率が約30〜80%、反射率が約5〜60%の範囲であることが望ましい。
第1反射層13は、光反射性の高い金属、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル等により形成された薄膜であり、その厚さは、例えば、数10Å程度である。本実施形態の第1反射層13は、アルミニウムを蒸着することにより形成されている。
なお、第1反射層13は、これに限らず、例えば、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したりする等により形成してもよい。また、第1反射層13は、誘電体多層膜を蒸着する等により形成してもよい。
第3光学形状層14は、第1反射層13よりも第2の面10b側(−Z側)に設けられた光透過性を有する層である。
第3光学形状層14は、第1の面10a側(+Z側)の面に、第1光学形状層12の第1単位光学形状121の逆型となる単位光学形状141が複数配列されて形成されている。この単位光学形状141は、第1斜面121aに対応する面141aや第1対向面121bに対応する面141bに、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されている。
第3光学形状層14の屈折率は、第1光学形状層12の屈折率と等しい、又は、略等しい(等しいとみなせる程度に屈折率差が小さい)ことが望ましい。また、第3光学形状層14は、前述の第1光学形状層12と同じ紫外線硬化型樹脂を用いて形成することが好ましいが、異なる材料により形成してもよい。
本実施形態の第3光学形状層14は、前述の第1光学形状層12と同じ材料により形成され、その屈折率が第1光学形状層12の屈折率に等しい。
基材層19は、光透過性を有する樹脂製の層である。この基材層19は、高い光透過性を有するPET等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC樹脂等の樹脂製のシート状の部材を用いることができる。
基材層19は、その両面に、それぞれ第3光学形状層14、第4光学形状層18が一体に形成されている。この基材層19は、第3光学形状層14及び第4光学形状層18を形成する基材(ベース)となる層である。
基材層19の厚さは、スクリーン10の画面サイズ等に応じて適宜設定可能である。
次に、基材層19よりも−Z側に位置する各層について説明する。
第2保護層15は、光透過性を有する樹脂製の層である。第2保護層15は、スクリーン10の第2の面10b側(−Z側)を保護する機能を有している。
第2保護層15は、前述の第1保護層11と同様の部材により形成されることが好ましいが、第1保護層11とは異なる部材により形成されもよい。
図4は、第1実施形態の第2光学形状層16を説明する図である。図4(a)は、第2光学形状層16を+Z側から見た図を示し、図4(b)は、図2に示すスクリーン10の断面の一部を拡大して示している。
第2光学形状層16は、第2保護層15の第1の面10a側(+Z側)に形成された光透過性を有する層である。第2光学形状層16の第1の面10a側(+Z側)の面には、第2単位光学形状(単位レンズ)161が複数配列されて設けられている。
第2単位光学形状161は、前述の第1単位光学形状121と同様に、真円の一部形状(円弧状)であり、図4(a)に示すように、スクリーン10の画面(表示領域)外に位置する点C2を中心として、同心円状に複数配列されている。即ち、第2光学形状層16は、点C2を中心(フレネルセンター)とする、オフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を有している。
この点C2は、図4(a)に示すように、スクリーン10の画面左右方向の中央であって画面下方に位置している。したがって、スクリーン10を正面方向(Z方向)から見た場合、Y方向に平行な点C2と点A2とは同一直線上に位置している。
また、本実施形態では、スクリーン10を正面方向(Z方向)から見た場合、点C2と点C1、点A2と点A1とは、それぞれ一致しており、スクリーン10の厚み方向の中心を通り、スクリーン面に平行な面に対して対称な位置にある。
第2単位光学形状161は、図2及び図4(b)に示すように、その配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
この第2単位光学形状161は、第1の面10a側(+Z側)に凸であり、映像光が入射する入射面である第2斜面(レンズ面)161aと、これに対向する第2対向面(非レンズ面)161bとを有している。1つの第2単位光学形状161において、第2対向面161bは、頂点t2を挟んで第2斜面161aの下側に位置している。
この第2斜面161a及び第2対向面161bは、その表面に微細かつ不規則な凹凸形状を有している。
第2斜面161aがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ3である。第2対向面161bがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ4である。角度θ3,θ4は、θ4>θ3という関係を満たしている。
第2単位光学形状161の配列ピッチは、P2であり、第2単位光学形状161の高さ(厚み方向における頂点t2から第2単位光学形状161間の谷底となる点v2までの寸法)は、h2である。
理解を容易にするために、図4(b)では、第2単位光学形状161の配列ピッチP2、角度θ3,θ4は、第2単位光学形状161の配列方向において一定である例を示している。しかし、前述の第1単位光学形状121と同様に、第2単位光学形状161は、実際には、配列ピッチP2が一定であるが、角度θ3が第2単位光学形状161の配列方向においてフレネルセンターとなる点C2から離れるにつれて次第に大きくなっている。
前述のように、本実施形態の第2単位光学形状161は、第1単位光学形状121をZ方向において反転させた形状である。したがって、本実施形態では、配列ピッチP1=P2であり、第1光学形状層12において点C1からの距離rである位置の第1単位光学形状121の角度θ1,θ2と、第2光学形状層16において点C2からの距離が同じくrである位置の第2単位光学形状161の角度θ3,θ4とは等しい。
なお、角度θ3,θ4、配列ピッチP2等は、映像源LS2からの映像光L2の投射角度(スクリーン10への映像光L2の入射角度)や、映像源LS2の画素(ピクセル)の大きさ、スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜設定してよい。例えば、第2単位光学形状161の配列方向に沿って、配列ピッチP2等が変化する形態としてもよい。
第2光学形状層16は、前述の第1光学形状層12と同様に、光透過性の高いウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系、ブタジエンアクリレート系等の紫外線硬化型樹脂により形成される。
また、第2光学形状層16は、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
第2反射層17は、第2単位光学形状161の第1の面10a側(+Z側)、即ち、第2斜面161a及び第2対向面161bの+Z側に形成された層であり、入射した光の一部を反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を透過する半透過型の反射層、いわゆるハーフミラーである。
第2反射層17は、その両面が微細かつ不規則な凹凸形状を有する粗面である。この微細な凹凸形状は、凸形状と凹形状とが2次元方向に不規則に配列されて形成されており、凸形状及び凹形状は、その大きさや形状、高さ等は不規則である。また、この凹凸形状は、後述する第4光学形状層18の第2反射層17側の表面にも形成されており、第2反射層17は、その凹凸形状を維持した状態で成膜されている。また、第2反射層17の凹凸形状は、前述の第2光学形状層16の凹凸形状とも対応している。
第2反射層17は、入射した光の一部を微細かつ不規則な凹凸形状により拡散して反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を拡散しないで透過させる。
第2反射層17の第2単位光学形状161側の面の表面粗さは、前述の第1反射層13と同様に、算術平均粗さRa(JIS B 0601:2001)が約0.10〜0.50μmであることが、映像の良好な視野角等を実現する観点から好ましい。
第2反射層17の反射率及び透過率は、所望する光学性能に合わせて適宜に設定できるが、映像光を良好に反射させるとともに、映像光以外の不要な外光を良好に透過させる観点から、前述の第1反射層13と同様に、透過率が約30〜80%、反射率が約5〜60%の範囲であることが望ましい。
第2反射層17は、光反射性の高い金属、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル等により形成された薄膜であり、その厚さは、例えば、数10Å程度である。
本実施形態の第2反射層17は、第1反射層13と同様に、アルミニウムを蒸着することにより形成されている。
なお、第2反射層17は、例えば、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したりする等により形成してもよいし、誘電体多層膜を蒸着することにより形成してもよい。
第4光学形状層18は、第2反射層17よりも第1の面10a側(+Z側)に設けられた光透過性を有する層である。
第4光学形状層18は、第2の面10b側(−Z側)の面に、第2光学形状層16の第2単位光学形状161の逆型となる単位光学形状181が複数配列されて形成されている。この単位光学形状181は、第2斜面161aに対応する面181aや第2対向面161bに対応する面181bに、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されている。
第4光学形状層18の屈折率は、第2光学形状層16の屈折率と等しい、又は、略等しい(等しいとみなせる程度に屈折率差が小さい)ことが望ましい。また、第4光学形状層18は、第2光学形状層16と同じ紫外線硬化型樹脂を用いて形成することが好ましいが、異なる材料により形成してもよい。
本実施形態の第4光学形状層18は、第2光学形状層16と同じ材料により形成され、その屈折率が第2光学形状層16の屈折率に等しい。
上述のように、本実施形態のスクリーン10は、光を拡散する作用を有する粒子等の拡散材を含有した光拡散層を備えておらず、映像光等は、第1反射層13及び第2反射層17の微細かつ不規則な凹凸形状により拡散反射される。
本実施形態のスクリーン10は、例えば、以下のような製造方法により形成される。
基材層19を用意し、その一方の面に、第3光学形状層14を賦形する成形型に紫外線硬化型樹脂を充填した状態で積層し、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させるUV成形法により、単位光学形状141が複数配列された第3光学形状層14を形成する。
このとき、成形型の単位光学形状141の面141a,141bを賦形する面には、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されている。そのため、形成された第3光学形状層14の単位光学形状141の面141a,141bには、微細かつ不規則な凹凸形状が形成される。
この微細かつ不規則な凹凸形状は、成形型の単位光学形状141を賦形する面に、表面加工を複数回行うことにより形成できる。この表面加工は、例えば、めっき加工や、エッチング加工、ブラスト加工等である。また、表面加工は、各種条件等を変更して複数回行ってもよい。
同様に、基材層19の他方の面にも、UV成形法により単位光学形状181が複数配列された第4光学形状層18を形成する。この単位光学形状181の面181a,181bには、成形型に形成された凹凸形状により、微細かつ不規則な凹凸形状が形成される。
次に、第3光学形状層14の単位光学形状141の表面に、アルミニウムを蒸着することにより、第1反射層13を形成する。第1反射層13は、単位光学形状141の表面に形成された微細かつ不規則な凹凸形状に追従して形成され、第3光学形状層14とは反対側の面にも、この凹凸形状が維持された状態で成膜される。したがって、第1反射層13は、その両面に微細かつ不規則な凹凸形状を有する。
同様に、第4光学形状層18の単位光学形状181の表面に、アルミニウムを蒸着し、その両面に微細かつ不規則な凹凸形状を有する第2反射層17を形成する。
その後、+Z側の面が平面状となるように第1反射層13の上から紫外線硬化型樹脂を塗布し、単位光学形状141の凹凸を埋め、第1保護層11を積層して、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、第1光学形状層12及び第1保護層11を一体に形成する。同様に、第2反射層17の−Z側に紫外線硬化型樹脂を塗布し、単位光学形状181の凹凸を埋め、第2保護層15を積層して、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、第2光学形状層16及び第2保護層15を形成する。
これにより、第1保護層11から第2保護層15まで一体に積層された積層体が形成され、この積層体を所定の大きさに裁断する等により、スクリーン10が完成する。
なお、第1保護層11及び第2保護層15は、枚葉状としてもよいし、ウェブ状としてもよい。
第1反射層13及び第2反射層17の表面に微細かつ不規則な凹凸形状を形成する方法として、例えば、単位光学形状141,181の表面に拡散粒子等を塗布してその上から第1反射層13、第2反射層17を形成する方法や、第3光学形状層14及び第4光学形状層18を形成後に、単位光学形状141,181の表面にブラスト加工を行った後に第1反射層13、第2反射層17を形成する方法等が、従来知られている。
しかし、このような製法では、個々のスクリーン10での拡散特性や品質等のばらつきが大きく、安定した製造が行えない。
これに対して、上述のように、単位光学形状141,181の表面に成形型によって微細かつ不規則な凹凸形状を賦形することにより、多数のスクリーン10を製造する場合にも、品質のばらつきが少なく、安定して製造できるという利点がある。
図5は、第1実施形態のスクリーン10での映像光及び外光の様子を示す図である。図5では、図2に示したスクリーン10の断面と同様の断面を示している。また、図5では、理解を容易にするために、スクリーン10内の各層の界面における屈折率差はないものとして示している。
スクリーン10の下方に位置する映像源LS1から投射され、スクリーン10に入射した映像光L1のうち、一部の映像光L2は、第1単位光学形状121の第1斜面121aに入射し、第1反射層13によって拡散反射され、観察者O1側へ出射する。
第1斜面121aに入射した映像光のうち反射しなかった他の映像光L3は、第1反射層13を透過してスクリーン10の第2の面10b側へ向かい、少なくとも一部が第2反射層17を透過して、スクリーン10の第2の面10b側(−Z側)から出射する。映像光L3は、スクリーン10の上方へと出射し、スクリーン10の第2の面10b側の正面方向に位置する観察者O2には到達しない。また、映像光L3の一部は、第2反射層17で反射する等してスクリーン10内下方へ向かう等して減衰する。
また、映像源LS1から投射された映像光L1うち、一部の映像光L4は、スクリーン10の表面(第1の面10a)で反射し、スクリーン10上方へ向かうため、観察者O1には到達せず、観察者O1の映像の視認の妨げにはならない。
同様に、スクリーン10の下方に位置する映像源LS2から投射され、スクリーン10に入射した映像光L5のうち、一部の映像光L6は、第2単位光学形状161の第2斜面161aに入射し、第2反射層17によって拡散反射され、観察者O2側へ出射する。
第2斜面161aに入射した映像光のうち反射しなかった他の映像光L7は、第2反射層17を透過してスクリーン10の第1の面10a側へ向かい、少なくとも一部が第1反射層13を透過して、スクリーン10の第1の面10a側(+Z側)から出射する。映像光L7の一部は、スクリーン10の上方へと出射し、スクリーン10の第1の面10a側の正面方向に位置する観察者O1には到達しない。また、映像光L7の一部は、第1反射層13で反射する等してスクリーン10内下方へ進む等して減衰する。
また、映像源LS2から投射された映像光L2うち、一部の映像光L8は、スクリーン10の表面(第2の面10b)で反射し、スクリーン10上方へ向かうため、観察者O2には到達せず、観察者O2の映像の視認の妨げにはならない。
なお、本実施形態では、映像源LS1,LS2がスクリーン10よりも下方に位置し、映像光L1,L5がスクリーン10の下方から投射され、かつ、第1対向面121b,第2対向面161bの角度θ2,θ4(図3及び図4参照)がスクリーン10の画面上下方向の各点における映像光の入射角度よりも大きいので、映像光が第1対向面121b,第2対向面161bに直接入射することはなく、第1対向面121b,第2対向面161bは、映像光の反射にはほとんど影響しない。
次に、第1の面10a側(+Z側)、第2の面10b側(−Z側)からスクリーン10に入射する映像光以外の外光(太陽光等の外界からの光)について説明する。
図5に示すように、スクリーン10に上方から入射する外光G1,G5のうち、一部の外光G2,G6は、スクリーン10の表面(第1の面10a,第2の面10b)でそれぞれ反射し、スクリーン下方側へ向かう。
スクリーン10に+Z側上方から入射した外光のうち、一部の外光G3は、第1反射層13で反射する。この外光G3の一部は、さらにスクリーン10の第1の面10a側の表面で全反射してスクリーン10内下方へ向かう等して減衰し、また、外光G3の他の一部は、第1の面10aからのスクリーン10の下方へ出射する。
第1反射層13で反射しなかった他の外光G4の一部は、第1反射層13を透過して第2の面10b側へ向かい、第2反射層17を透過してスクリーン10の第2の面10bからスクリーン10の下方へ出射する。また、外光G4の一部は、第2反射層17で反射する等してスクリーン10内下方へ向かう等して減衰する。
スクリーン10に−Z側上方から入射した外光のうち、一部の外光G7は、第2反射層17で反射する。この外光G7の一部は、さらにスクリーン10の第2の面10b側の表面で全反射してスクリーン10内下方へ向かう等して減衰する。また、外光G7の他の一部は、第2の面10bからのスクリーン10の下方へ出射する。
また、第2反射層17で反射しなかった他の外光G8は、第2反射層17を透過して第1の面10a側へ向かい、第1反射層13を透過してスクリーン10の第1の面10aからスクリーン10の下方へ出射する。また、外光G8の一部は、第1反射層13で反射する等してスクリーン10内下方へ進む等して減衰する。
このとき、外光G2,G3,G8は、観察者O1には到達せず、外光G6,G7,G4は、観察者O2には到達しない。したがって、外光による映像のコントラストの低下を抑制できる。
また、スクリーン10に小さな入射角度で入射する他の外光G9,G10は、第1反射層13及び第2反射層17を透過して、それぞれスクリーン10の第2の面10b、第1の面10aから出射する。スクリーン10は、拡散粒子を含有する光拡散層等を備えていないので、このスクリーン10を透過する外光G9,G10は、拡散されない。したがって、スクリーン10を通して、スクリーン10の向こう側の景色を観察した場合に、スクリーン10の向こう側の景色がぼやけたり、白くにじんだりすることなく、高い透明性を有して観察することができる。
従来の拡散粒子を含有する拡散層を備えた半透過型の反射スクリーンでは、映像光は、反射層での反射前後の2回拡散されるので、良好な視野角が得られる一方で映像の解像度が低下するという問題がある。また、拡散粒子によって外光も拡散されるため、スクリーンの向こう側の景色がぼやけたり、白くにじんだりして観察され、透明性が低下する。
しかし、本実施形態のスクリーン10では、第1反射層13及び第2反射層17の表面が微細かつ不規則な凹凸形状を有している点以外は、拡散作用を有しないので、映像光は反射時のみ拡散される。また、本実施形態のスクリーン10では、第1反射層13及び第2反射層17で反射する光のみが拡散され、透過光は拡散されない。
したがって、本実施形態のスクリーン10は、良好な視野角及び解像度を有する映像を表示でき、かつ、スクリーン10の向こう側の景色が白くにじんだり、ぼけたりすることがなく観察者O1,O2に良好に視認され、高い透明性を実現できる。
また、本実施形態のスクリーン10では、観察者O1,O2は、映像光が投射されていない時には、スクリーン10を通してスクリーン10の向こう側の景色を高い透明性を有して良好に視認することができる。
なお、本実施形態のスクリーン10では、スクリーン10に映像光が投射された状態においても、観察者O1,O2が、スクリーン10を通してスクリーン10の向こう側の景色を一部視認することが可能である。
以上のことから、本実施形態によれば、透明性が高く、両面で映像を表示できるスクリーン10及び映像表示装置1を提供できる。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態のスクリーン20を説明する図である。図6では、前述の第1実施形態のスクリーン10の図2に示す断面に相当する、スクリーン20の断面図を示している。
本実施形態のスクリーン20は、前述の第1実施形態の基材層19に替えて、接合層21,22及び支持体層23を備えている点が異なる以外は、第1実施形態と同様の形態である。したがって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態のスクリーン20は、図6に示すように、その厚み方向(Z方向)に沿って、第1の面20a側から第2の面20b側へ向かって順に、第1保護層11、第1光学形状層12、第1反射層13、第3光学形状層14、接合層21、支持体層23、接合層22,第4光学形状層18、第2反射層17、第2光学形状層16、第2保護層15を備えている。スクリーン20は、これらの層が一体に積層されている。
接合層21は、第3光学形状層14と支持体層23との間に設けられた層である。厚み方向において第1保護層11から第3光学形状層14までの各層が一体に積層された積層体を、支持体層23に接合する機能を有する。
接合層22は、第4光学形状層18と支持体層23との間に設けられた層である。厚み方向において第2保護層15から第4光学形状層18までの各層が一体に積層された積層体を、支持体層23に接合する機能を有する。
接合層21,22は、光透過性が高い接着剤や粘着剤により形成される。この接合層21,22としては、例えば、光透過性を有する紫外線硬化型の接着剤等が好適である。
支持体層23は、光透過性を有し、スクリーン20の他の各層と比べて剛性が高い層である。支持体層23は、アクリル樹脂やPC樹脂等の樹脂製、ガラス製等の平板状の部材を用いることができる。また、支持体層23は、スクリーン20の画面の平面性を十分に実現できるように、その厚さを適宜設定してよく、スクリーン20の他の層よりも厚い層としてもよい。
上述の支持体層23及び前述の接合層21,22は、第3光学形状層14及び第4光学形状層18との屈折率差がない、もしくは、可能な限り屈折率差が小さいことが、層間での反射等による光量損失を低減し、透過する光量を向上させる観点から好ましい。
スクリーン20は、この支持体層23を備えることにより、スクリーン20の平面性を向上させ、スクリーン20単体でも十分な画面の平面性を実現できる。したがって、スクリーン20は、その画面の平面性を維持するために、不図示の支持板等に固定される必要がない。
スクリーン20は、前述の第1実施形態に示した映像表示装置1に適用可能である。
本実施形態のスクリーン20は、例えば、以下のような製造方法により形成される。
第1保護層11を用意し、その一方の面に、第1単位光学形状121を賦形する成形型に紫外線硬化型樹脂を充填した状態で積層し、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させるUV成形法により第1光学形状層12を形成する。また、同様に、第2保護層15を用意し、その一方の面に、UV成形法により第2光学形状層16を形成する。
即ち、本実施形態の第1保護層11、第2保護層15は、その一方の面に第1光学形状層12、第2光学形状層16をそれぞれ形成する基材(ベース)となる。
このとき、第1単位光学形状121を賦形する成形型の第1斜面121a及び第1対向面121bを賦形する面、及び、第2単位光学形状161を賦形する成形型の第2斜面161a及び第2対向面161bを賦形する面には、条件の異なるめっきを2回以上繰り返したり、エッチング処理を行ったり、ブラスト処理すること等によって、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されている。
第1光学形状層12を第1保護層11の一方の面に形成した後、第1斜面121a及び第1対向面121bに、アルミニウムを蒸着することにより、第1反射層13を形成する。
その後、第1反射層13の上から、第1単位光学形状121による凹凸の谷部を充填して平面状となるように紫外線硬化型樹脂を塗布し、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、第3光学形状層14を形成する。これにより、第1保護層11、第1光学形状層12、第1反射層13、第3光学形状層14が一体に積層された積層体が形成される。
同様に、第2単位光学形状161の第2斜面161a及び第2対向面161b上にアルミニウムを蒸着し、第2反射層17を形成する。そして、第2反射層17の上から、第2単位光学形状161による凹凸の谷部を充填して平面状となるように紫外線硬化型樹脂を塗布し、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、第4光学形状層18を形成する。これにより、第2保護層15、第2光学形状層16、第2反射層17、第4光学形状層18が一体に形成された積層体を形成する。
そして、これらの2つの積層体を、それぞれ接合層21,22を介して、支持体層23の両面にそれぞれ接合する。その後、所定の大きさに裁断する等により、スクリーン20が完成する。
本実施形態では、第1光学形状層12の第1単位光学形状121に第1反射層13を形成した後に、これらの背面側に第3光学形状層14を設け、第1単位光学形状121による凹凸を平坦化している。また、第2光学形状層16の第2単位光学形状161に第2反射層17を形成した後に、これらの背面側に第3光学形状層14を設け、第2単位光学形状161による凹凸を平坦化している。このような第3光学形状層14、第4光学形状層18により、第1反射層13及び第2反射層17を保護し、かつ、支持体層23への各積層体の積層を容易とすることができる。
本実施形態によれば、前述の第1実施形態のスクリーン10と同様に、透明性が高く、両面で映像を表示できるスクリーン20及び映像表示装置1を提供できる。
また、本実施形態のスクリーン20は、支持体層23を備えており、スクリーン20単体で十分に画面の平面性を維持でき、別体の支持板等にスクリーン20を固定する必要がない。したがって、本実施形態によれば、スクリーン20単体での画面の平面性の向上と、映像表示装置1としての意匠性を向上とを両立できる。また、部品点数の削減も実現できる。
なお、上述の第2実施形態において、スクリーン20は、接合層21,22を備えず、第3光学形状層14及び第4光学形状層18が、支持体層23に一体に積層されている形態としてもよい。
また、上述の第2実施形態において、第3光学形状層14と接合層21との間、第4光学形状層18と接合層22との間に、それぞれ、光透過性を有する樹脂製の保護層をそれぞれ設けてもよい。
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態のスクリーン30を説明する図である。図7では、前述の第1実施形態のスクリーン10の図2に示す断面に相当する、スクリーン30の断面図を示している。
第3実施形態のスクリーン30は、基材層19、第3光学形状層14、第4光学形状層18に替えて、接合層31を備えている点以外は、前述の第1実施形態と同様の形態である。したがって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第3実施形態のスクリーン30は、厚み方向に沿って第1の面30a側から第2の面30b側へ、順に、第1保護層11、第1光学形状層12、第1反射層13、接合層31、第2反射層17、第2光学形状層16、第2保護層15を備え、これらが一体に積層されている。
本実施形態のスクリーン30は、第1実施形態の映像表示装置1に適用可能である。また、このスクリーン30は、前述の第1実施形態のスクリーン10と同様に、第1の面30a側又は第2の面30b側(−Z側)に光透過性を有する不図示の接合層を介して不図示の支持板が一体に接合(あるいは部分固定)され、この支持板により、画面の平面性を維持する形態としてもよいし、不図示の枠部材等によってその四辺等が支持され、その平面性を維持する形態等としてもよい。
接合層31は、光透過性を有する樹脂製の層であり、第1反射層13と第2反射層17との間に設けられている。接合層31としては、例えば、光透過性を有する紫外線硬化型樹脂製の接着剤等を用いることができる。
本実施形態のスクリーン30は、第1保護層11から第1反射層13までが積層された積層体と、第2保護層15から第2反射層17までが積層された積層体とを、接合層31により接合して形成されている。
本実施形態によれば、前述の第1実施形態のスクリーン10と同様に、透明性が高く、両面で映像を表示できるスクリーン30及び映像表示装置1を提供できる。
また、本実施形態によれば、スクリーン30を構成する層数を削減することができ、各層間での反射等による光量損失を低減でき、スクリーン30を通して向こう側を見た場合に見える景色の明るさを向上できる。
また、本実施形態によれば、スクリーン30を構成する層数を削減できるので、スクリーン30の部材点数を減らし、生産コストを削減することができる。
(変形形態)
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)第1実施形態において、スクリーン10は、基材層19を対称軸としてZ方向において対称であり、第2保護層15、第2光学形状層16、第2反射層17、第4光学形状層18は、それぞれ、第1保護層11、第1光学形状層12、第1反射層13、第3光学形状層14をZ方向において反転させた形状である例を示したが、これに限らず、映像源LS1,LS2の投射角度や使用環境等に応じて、Z方向において非対称な形状であってもよい。
例えば、第1光学形状層12と第2光学形状層16のうち、どちらか一方がサーキュラーフレネルレンズ形状を有し、他方がリニアフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。また、第1単位光学形状121の配列ピッチP1と第2単位光学形状の配列ピッチP2とが異なっていてもよいし、点C1からの距離rである第1単位光学形状121の角度θ1,θ2と、点C2から同じく距離rである位置の第2単位光学形状161の角度θ3,θ4とが異なっていてもよい。また、スクリーン10の正面方向(Z方向)から見て、点C1と点C2とが一致しない形態(スクリーン10の厚み方向の中心を通り、スクリーン面に平行な面に対して非対称な位置にある形態)としてもよい。
さらに、第1保護層11と第2保護層15、第1光学形状層12と第2光学形状層16、第1反射層13と第2反射層17、第3光学形状層14と第4光学形状層18とは、それぞれ厚さや屈折率、材料が異なっていてもよい。
さらに、映像源LS1,LS2のスクリーン10に対する位置も、スクリーン10の厚み方向の中心を通り、スクリーン面に平行な面に対して非対称な位置にある形態としてもよい。
なお、第2実施形態のスクリーン20、第3実施形態のスクリーン30についても、同様である。
(2)各実施形態において、スクリーン10,20,30の正面方向から見て、映像源LS1及び映像源LS2の位置、点C1及び点C2の位置、点A1及びA2の位置がそれぞれ一致する(即ち、スクリーン10,20,30の厚み方向の中心を通り、スクリーン面に平行な面に対して対称な位置にある)例を挙げて説明したが、所望する光学性能や使用環境等に応じて、これらの少なくとも1つが一致しない形態としてもよい。
(3)各実施形態において、映像源LS1,LS2は、例えば、P波の偏光成分を多く有する映像光L1,L2を投射するものとしてもよい。
このとき、映像源LS1,LS2は、映像光が入射角φでスクリーン10,20,30へ投射されるように位置及び角度が設定されている。この入射角φは、スクリーン10,20,30へ投射された映像光(P波)の反射率がゼロとなる入射角(ブリュースター角)をφb(°)とした場合、(φb−10)°以上85°以下の範囲に設定される。例えば、スクリーン10,20,30へ投射された映像光の反射率がゼロとなる入射角φbが60°である場合、映像光の入射角φは、50〜85°の範囲に設定される。
このように、P波の偏光成分を多く含む映像光を投射する映像源LS1,LS2を用いることにより、スクリーン10,20,30への入射角φが大きい場合にも、スクリーン10,30表面における鏡面反射を抑制することができ、映像源LS1,LS2の設置位置等、投射系の設計の自由度を上げることができる。また、このような映像源LS1,LS2を用いることにより、スクリーン10,20,30に入射する際にスクリーン表面での映像光の反射を低減でき、映像の明るさ、鮮明さの向上を図ることができる。
なお、角度φb(ブリュースター角)は、映像光が投射されるスクリーン10,20,30表面の材質により異なる。
また、このような形態の場合、第1保護層11及び第2保護層15としては、TAC製のシート状の部材が好適である。
(4)第1実施形態及び第2実施形態において、基材層19、支持体層23が、所定の偏光成分(P波又はS波)を吸収する機能を有する偏光吸収層である形態とし、映像源LS1,LS2が、基材層19、支持体層23が吸収する偏向成分と同じ偏光成分を少なくとも一部含有する映像光を照射する形態としてもよい。この場合、映像源LS1,LS2は、液晶プロジェクタ等が好適である。
例えば、基材層19又は支持体層23が、P波の偏光成分を吸収する機能を有する場合、映像源LS1,LS2がいずれもP波の偏光成分を多く含む映像光を投射する形態とする。これにより、映像源LS1により+Z側から投射され、第1反射層13を透過した映像光は、基材層19又は支持体層23により吸収される。また、映像源LS2により−Z側から投射され、第2反射層17を透過した映像光は、基材層19又は支持体層23により吸収される。
したがって、各反射層を透過した映像光がスクリーン10,20の反対側へ漏れることを抑制でき、このような漏れ光による表示不良を改善できる。また、前述の変形形態(2)に示したように、スクリーン10,20の表面での映像光の鏡面反射を抑制し、スクリーン10,20への入射光量の増大を図ることができる。このような効果を高めるために、映像光が含有する所定の偏光成分は、その割合が高い方が好ましい。
(5)各施形態において、スクリーン10,20,30の両表面に、傷つき防止を目的としたハードコート層を設けてもよい。ハードコート層は、例えば、スクリーン10,20,30の両表面に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート等)を塗布して形成する等により、形成される。
また、ハードコート層に限らず、スクリーン10,20,30の使用環境や使用目的等に応じて、例えば、反射防止機能、紫外線吸収機能、防汚機能、帯電防止機能等、適宜必要な機能を有する層を1つ又は複数選択して設けてもよい。さらに、スクリーン20は、その両表面にタッチパネル層等を備えていてもよい。
例えば、スクリーン10,20,30の両表面に反射防止層を設けた場合には、スクリーン10,20,30に入射する映像光の光量を増加させ、画像の明るさを向上させることができる。
また、スクリーン10,20,30の両表面に反射防止層を設けた場合には、第1反射層13(第2反射層17)で反射した光の一部が、スクリーン10,20,30と空気との界面で反射してスクリーン内を第2の面側(第1の面側)から出射し、第2の面側(第1の面側)の観察者O2(観察者O1)に、本来表示する必要のない映像が一部見えてしまうこと等を防止できる。
なお、上記の各機能は、第1保護層11及び第2保護層15の表面に積層して設けてもよいし、例えば、第1保護層11及び第2保護層15がこれらの機能を有する形態としてもよい。
さらに、スクリーン10,20,30は、第1の面、第2の面の少なくとも一方に、タッチパネル層等を備えていてもよい。
また、平面性を維持するために、第1及び第3実施形態において、スクリーン10,30の片面に光透過性を有する支持板を接合する場合には、支持板を接合していない側の面に、ハードコート機能、反射防止機能、紫外線吸収機能、防汚機能、帯電防止機能等、適宜必要な機能を有する層を1つ又は複数選択して設けてもよい。
(6)各実施形態において、第1単位光学形状121の第1斜面121a及び第1対向面121b、第2単位光学形状161の第2斜面161a及び第2対向面161bは、平面により形成される例を示したが、これに限らず、例えば、曲面と平面とが組み合わされた形態としてもよいし、折れ面状としてもよい。
また、第1単位光学形状121及び第2単位光学形状161は、3つ以上の複数の面によって形成される多角形形状としてもよい。
また、第1反射層13は、第1斜面121aの第2の面10b側(−Z側)の少なくとも一部に設けられる形態としてもよい。第2反射層17についても、第2斜面161aの第1の面10a側(+Z側)の少なくとも一部に設けられる形態としてもよい。
また、第1反射層13及び第2反射層17は、光が入射する第1斜面121a及び第2斜面161aに隣接する部分のみが、微細かつ不規則な凹凸形状を有する形態としてもよい。
(7)各実施形態において、映像源LS1,LS2は、スクリーン10,20,30の斜め下側等に配置され、スクリーン10,20,30に対して画面左右方向において斜め方向光から映像光を投射する形態としてもよい。
この場合、映像源LS1,LS2の位置に合わせて、第1光学形状層12及び第2光学形状層16のサーキュラーフレネルレンズ形状のフレネルセンターとなる点C1,C2の位置をずらした形態とする。このような形態とすることにより、映像源LS1,LS2の位置等を自由に設定することができる。
また、各実施形態において、映像表示装置1,3の使用環境において、スクリーン10,20,30へ上方から入射する外光の影響が小さい場合には、映像源LS1,LS2は、スクリーン10,20,30の画面左右方向の中央であって画面外の上方から映像光を投射する形態としてもよい。
(8)各実施形態において、第1光学形状層12及び第2光学形状層16は、サーキュラーフレネルレンズ形状を有する例を示したが、これに限らず、例えば、第1単位光学形状121及び第2単位光学形状161が、画面左右方向を長手方向とする三角柱形状であり、画面上下方向に複数配列されて形成されたリニアフレネルレンズ形状を有していてもよい。
(9)各実施形態において、スクリーン10,20,30は、第1保護層11及び第2保護層15のどちらか一方、又は、双方を備えない形態としてもよい。
また、スクリーン10,20,30は、第1保護層11及び第2保護層15の少なくとも一方を、光透過性を有し、スクリーンの画面の平面性を維持できる合成を有したガラス製や樹脂製の板状の部材としてもよい。このとき、光透過性を有する粘着剤や接着剤による接合層等を介して第1光学形状層12、第2光学形状層16が、上述の板状の部材に接合される形態としてもよい。
(10)各実施形態において、映像表示装置1は、屋内用のパーテーションに適用される例を示したが、これに限らず、例えば、店舗等のショーウィンドウや展示会等における映像表示等にも適用できる。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 映像表示装置
10,20,30 スクリーン
11 第1保護層
12 第1光学形状層
121 第1単位光学形状
121a 第1斜面
121b 第1対向面
13 第1反射層
14 第3光学形状層
15 第2保護層
16 第2光学形状層
161 第2単位光学形状
161a 第2斜面
161b 第2対向面
17 第2反射層
18 第4光学形状層
23 支持体層
21,22,31 接合層

Claims (7)

  1. 透明性を有し、両面にそれぞれ投射された映像光の一部を反射して、両面で映像を表示可能な反射スクリーンであって、
    光透過性を有し、該反射スクリーンの一方の面側から入射した映像光が入射する第1入射面とこれに対向する第1対向面とを有する第1単位光学形状が、該反射スクリーンの他方の面側に複数配列された第1光学形状層と、
    前記第1単位光学形状の少なくとも前記第1入射面の前記他方の面側の一部に位置する第1反射層と、
    光透過性を有し、該反射スクリーンの前記他方の面側から入射した映像光が入射する第2入射面とこれに対向する第2対向面とを有する第2単位光学形状が、該反射スクリーンの前記一方の側に複数配列された第2光学形状層と、
    前記第2単位光学形状の少なくとも前記第2入射面の前記一方の面側の一部に位置する第2反射層と、
    を備え、
    前記第1反射層は、少なくとも前記第1単位光学形状側の面が不規則な凹凸形状を有する粗面であり、入射した光の一部を拡散反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を透過する機能を有し、
    前記第2反射層は、少なくとも前記第2単位光学形状側の面が不規則な凹凸形状を有する粗面であり、入射した光の一部を拡散反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を透過する機能を有すること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  2. 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記第1反射層と前記第2反射層との間には、光透過性を有するシート状又は板状の層を備えること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記第1光学形状層は、前記第1反射層側の面に、前記第1単位光学形状が複数配列されたフレネルレンズ形状を有すること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記第2光学形状層は、前記第2反射層側の面に、前記第2単位光学形状が複数配列されたフレネルレンズ形状を有すること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
    光を拡散する拡散粒子を含有する光拡散層を備えていないこと、
    を特徴とする反射スクリーン。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーンと、
    前記反射スクリーンの前記一方の面に映像光を投射する第1の映像源と、
    前記反射スクリーンの前記他方の面に映像光を投射する第2の映像源と、
    を備える映像表示装置。
  7. 請求項6に記載の映像表示装置において、
    前記反射スクリーンは、前記第1反射層と前記第2反射層との間に、光透過性を有し、さらに、所定の偏光成分を吸収する機能を有する偏光吸収層を備え、
    前記第1の映像源及び前記第2の映像源は、前記偏光吸収層が吸収する偏向成分を少なくとも一部含有する映像光を投射すること、
    を特徴とする映像表示装置。
JP2016218575A 2016-11-09 2016-11-09 反射スクリーン、映像表示装置 Active JP6988069B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016218575A JP6988069B2 (ja) 2016-11-09 2016-11-09 反射スクリーン、映像表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016218575A JP6988069B2 (ja) 2016-11-09 2016-11-09 反射スクリーン、映像表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018077322A true JP2018077322A (ja) 2018-05-17
JP6988069B2 JP6988069B2 (ja) 2022-01-05

Family

ID=62150324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016218575A Active JP6988069B2 (ja) 2016-11-09 2016-11-09 反射スクリーン、映像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6988069B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018132583A (ja) * 2017-02-14 2018-08-23 大日本印刷株式会社 反射スクリーン、映像表示装置
JP2020129052A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 日東樹脂工業株式会社 反射型透明スクリーン
JP2020166014A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 大日本印刷株式会社 反射スクリーン、該反射スクリーンを用いた投射システム、及び反射スクリーンの製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005526283A (ja) * 2002-05-16 2005-09-02 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 投影ディスプレイシステム
CN104298063A (zh) * 2014-10-24 2015-01-21 苏州大学 透明投影屏幕
JP2015175944A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 大日本印刷株式会社 反射スクリーン、映像表示システム
JP2016080787A (ja) * 2014-10-14 2016-05-16 大日本印刷株式会社 スクリーン、表示システム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005526283A (ja) * 2002-05-16 2005-09-02 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 投影ディスプレイシステム
JP2015175944A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 大日本印刷株式会社 反射スクリーン、映像表示システム
JP2016080787A (ja) * 2014-10-14 2016-05-16 大日本印刷株式会社 スクリーン、表示システム
CN104298063A (zh) * 2014-10-24 2015-01-21 苏州大学 透明投影屏幕

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018132583A (ja) * 2017-02-14 2018-08-23 大日本印刷株式会社 反射スクリーン、映像表示装置
JP2020129052A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 日東樹脂工業株式会社 反射型透明スクリーン
JP7217518B2 (ja) 2019-02-08 2023-02-03 日東樹脂工業株式会社 反射型透明スクリーン
JP2020166014A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 大日本印刷株式会社 反射スクリーン、該反射スクリーンを用いた投射システム、及び反射スクリーンの製造方法
JP7331412B2 (ja) 2019-03-28 2023-08-23 大日本印刷株式会社 反射スクリーン、該反射スクリーンを用いた投射システム、及び反射スクリーンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6988069B2 (ja) 2022-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6812761B2 (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP2018146666A (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP2017156452A (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP7081705B2 (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP6790616B2 (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP6988069B2 (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP6642043B2 (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP6593201B2 (ja) スクリーン、映像表示装置
JP6953728B2 (ja) スクリーン、映像表示装置
JP2018109687A (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP2018081193A (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP7135542B2 (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP6938872B2 (ja) 映像表示装置
JP7480633B2 (ja) 反射型スクリーン、映像表示装置
JP6724424B2 (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP6812757B2 (ja) 映像表示装置
JP2017156696A (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP2017211455A (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP6957891B2 (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP2018013634A (ja) 透過型スクリーン、背面投射型表示装置
JP2021096297A (ja) 反射型スクリーン、映像表示装置
JP7231093B2 (ja) 映像表示装置
JP7238602B2 (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP7036247B2 (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP7070613B2 (ja) 映像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201221

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210804

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20210804

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20210817

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20210824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6988069

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150