JP2020165112A - ドア装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】扉体の小口面(典型的には上面)の加熱を抑制することで、ドア枠からの熱やチリ(隙間)からの熱気による非火災側の温度上昇を抑制する。【解決手段】四周状のフレーム3、4、5、6と、四周状のフレーム3、4、5、6に固定された表面材20、21を備えた扉体2と、ドア枠1と、からなるドア装置において、扉体2は表面材の部分201、211からなる上面を備え、前記上面に断熱材8が設けてあり、開口部全閉時において、断熱材8とドア枠1の上枠10の下面102が隙間G1を存して対向する。 【選択図】図5

Description

本発明は、遮熱性能を備えたドア装置に関するものである。
近年、防火戸には防火性能に限らず、避難時に有害となる火災側から非火災側への熱の伝達を防ぐよう遮熱性能が要求される傾向にある。
防火戸は、扉体とドア枠から構成されるが、扉体を開閉させる構造上、扉体の全閉姿勢時において、扉体とドア枠との間にチリ(隙間)が必要であることから、火災時に、火災側の熱気が非火災面側へ噴出することで非加熱面側の温度上昇に繋がってしまうことになる。また、上記チリ(隙間)については、火災時の熱による扉体の反りによってさらに広がってしまう場合がある。ここで、非加熱面側の温度上昇に繋がる要因の1つとしては、扉体の小口面(典型的には上面)の加熱が挙げられる。小口面の加熱は、小口面が直接火炎を受けて加熱される場合、チリ(隙間)を介して対向する枠側からの受熱が考えられる。
火災時に、熱膨張耐火部材いわゆる加熱発泡材を用いて、所望の隙間を塞ぐ手段については先行例があるが、扉体の小口面(典型的には上面)の加熱を直接抑制しようとするものではない。
特開2014−118714 特開2015−92060
本発明は、扉体の小口面(典型的には上面)の加熱を抑制することで、ドア枠からの熱やチリ(隙間)からの熱気による非火災側の温度上昇を抑制することを目的とする。
かかる課題を解決するべく本発明が採用した技術手段は、
四周状のフレームと、
前記四周状のフレームに固定された表面材と、
を備えた扉体と、
ドア枠と、からなるドア装置において、
前記扉体は前記表面材の部分からなる四周状の見込面を備え、
前記ドア枠は、開口部全閉時において、前記扉体の前記見込面に対向する四周状の見込面を備え、
前記扉体の前記見込面の少なくとも一部には、断熱材が設けてあり、開口部全閉時において、前記断熱材が前記ドア枠の前記見込面の少なくとも一部に隙間を存して対向する、
ドア装置である。
1つの態様では、前記扉体の前記見込面の少なくとも一部は、上面であり、前記上面に断熱材が設けてあり、
前記ドア枠の前記見込面の少なくとも一部は、上枠の下面であり、
開口部全閉時において、前記断熱材と前記ドア枠の上枠の下面が隙間を存して対向するようになっており、すなわち、
四周状のフレームと、
前記四周状のフレームに固定された表面材と、
を備えた扉体と、
ドア枠と、からなるドア装置において、
前記扉体は前記表面材の部分からなる上面を備え、前記上面に断熱材が設けてあり、開口部全閉時において、前記断熱材と前記ドア枠の上枠の下面が隙間を存して対向する、
ドア装置、である。
本発明の1つの技術手段では、扉体の上面に断熱材を設けているが、上面に加えてあるいは替えて、戸先側見込面、戸尻側見込面、下面の少なくとも1つの面に断熱材を設けてもよい。例えば、前記扉体は前記表面材の部分からなる上面、戸先側見込面、戸尻側見込面、下面を備えて、少なくとも前記上面には断熱材が設けてあり、開口部全閉時において、前記断熱材と前記ドア枠の上枠の下面が隙間を存して対向しており、また、上面に加えて、戸先側見込面、戸尻側見込面、下面の少なくとも1つの面に断熱材を設けてもよい。
あるいは、1つの態様では、前記扉体の前記見込面の少なくとも一部は、戸先側見込面であり、前記戸先側見込面に断熱材が設けてあり、
前記ドア枠の前記見込面の少なくとも一部は、戸先側縦枠の見込面であり、
開口部全閉時において、前記断熱材と前記ドア枠の戸先側縦枠の見込面が隙間を存して対向する
1つの態様では、前記断熱材と当該断熱材に対向する前記見込面の少なくとも一部の少なくとも一方には熱膨張耐火部材が設けてあり、開口部全閉時には、前記熱膨張耐火部材が前記隙間に位置する。
1つの態様では、前記断熱材の上面、前記上枠の下面の少なくとも一方には熱膨張耐火部材が設けてあり、開口部全閉時には、前記熱膨張耐火部材が前記隙間に位置する。
1つの態様では、前記断熱材の上面に熱膨張耐火部材が設けてあり、前記熱膨張耐火部材と前記上枠の下面との間に隙間が形成されている。
1つの態様では、前記扉体の開放側の見付面の上端部位は、前記表面材の部分から形成された突片となっており、
前記上枠には、開口部全閉時において、前記突片が隙間を存して対向する見付面が形成されており、
前記熱膨張耐火部材は、開口部全閉時において、前記上枠の下面に対向すると共に、少なくとも部分的に前記突片と前記見付面の隙間に対向するように、前記断熱材の上面に設けてある。
1つの態様では、前記断熱材、前記熱膨張耐火部材の開放側の端部は、前記突片の基端に達するように延びている。
1つの態様では、前記扉体の両見付面の上端部位は、前記表面材の部分から形成された突片となっており、
前記表面材の部分から形成された扉体の上面と前記2つの突片の間に位置して前記断熱材が設けられ、
開口部全閉時には、前記断熱材の上面に設けた熱膨張耐火部材が前記上枠の下面に対向している。
1つの態様では、前記断熱材の上面は、前記2つの突片の上端よりも低い位置にあり、前記熱膨張耐火部材は、前記2つの突片の上端とほぼ同レベルか、あるいは、低い位置にある。
本発明が採用した他の技術手段は、
四周状のフレームと、
前記四周状のフレームに固定された表面材と、
を備えた扉体と、
ドア枠と、からなるドア装置において、
前記扉体は前記表面材の部分からなる四周状の見込面を備え、
前記ドア枠は、開口部全閉時において、前記扉体の前記見込面に対向する四周状の見込面を備え、
前記ドア枠の前記見込面の少なくとも一部には、断熱材が設けてあり、開口部全閉時において、前記断熱材が前記扉体の前記見込面の少なくとも一部に隙間を存して対向する、
ドア装置、である。
1つの態様では、前記ドア枠の前記見込面の少なくとも一部は、上枠の下面であり、前記下面に断熱材が設けてあり、
前記扉体の前記見込面の少なくとも一部は、上面であり、
開口部全閉時において、前記断熱材と前記扉体の上面が隙間を存して対向するようになっており、すなわち、
四周状のフレームと、
前記四周状のフレームに固定された表面材と、
を備えた扉体と、
ドア枠と、からなるドア装置において、
前記扉体は前記表面材の部分からなる上面を備え、
前記ドア枠の上枠の下面には断熱材が設けてあり、開口部全閉時において、前記断熱材と前記上面が隙間を存して対向する、
ドア装置、である。
1つの態様では、前記断熱材と当該断熱材に対向する前記見込面の少なくとも一部の少なくとも一方には熱膨張耐火部材が設けてあり、開口部全閉時には、前記熱膨張耐火部材が前記隙間に位置する。
1つの態様では、前記断熱材の下面、前記扉体の上面の少なくとも一方には熱膨張耐火部材が設けてあり、開口部全閉時には、前記熱膨張耐火部材が前記隙間に位置する。
本発明の1つの技術手段では、扉体の上面に断熱材を設けているが、上面に加えてあるいは替えて、戸先側見込面、戸尻側見込面、下面の少なくとも1つの面に断熱材を設けてもよい。開口部全閉時において、扉体の見込面(戸先側見込面、戸尻側見込面、下面)に設けた断熱材と前記ドア枠の対応する見込面(戸先側縦枠の見込面、戸尻側縦枠の見込面、下枠の上面)が隙間を存して対向する。すなわち、ドア装置の扉体の上方部位の遮熱構成を、扉体の戸先側部位、戸尻側部位、下方部位の遮熱構成に採用してもよい。
扉体の上面に加えて、戸先側見込面、戸尻側見込面、下面の少なくとも1つの面に断熱材を設けた場合において、対向する断熱材とドア枠の見込面の少なくとも一方には熱膨張耐火部材を設け、開口部全閉時には、前記熱膨張耐火部材が、対向する断熱材とドア枠の見込面の間の隙間に位置するようにしてもよい。
1つの態様では、前記ドア枠は中空状であり、少なくとも上枠内には結晶水ないし自由水を含む材料からなる充填材が充填されている。
このような材料としては、石膏、水酸化アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ミョウバン、マイカを例示することができる。
1つの態様では、前記材料は石膏であり、前記充填材は、石膏を含む充填材である。
1つの態様では、前記ドア枠の中空部全体に石膏を含む充填材が充填されている。
ドア枠内に充填された石膏は結晶水を含んでおり、火災時の熱によって当該結晶水が蒸発することに伴う吸熱によってドア枠及び周囲の温度上昇を抑制することができる。
1つの態様では、前記遮熱扉は、前記表面材に囲まれた空間に充填された断熱性能、耐火性能を有する芯材を備えている。
本発明では、扉体の見込面の少なくとも一部(例えば上面)に断熱材を設けることで、断熱材の遮熱効果によって、前記見込面の少なくとも一部(例えば上枠表面)から受熱した熱や扉体とドア枠(例えば上枠)の隙間から入り込んだ高温気体(火炎や煙)の熱が、扉体の見込面の少なくとも一部(例えば扉体上面)に伝達されることを抑制する。
火災時における扉体の見込面(例えば上端面)の加熱を抑制することで、扉体の端部(例えば上端部位)の熱変形を抑制することができる。
さらに、ドア枠(例えば上枠)と扉体の隙間に位置して熱膨張耐火部材を設けることで、火災時に前記隙間を閉塞して、火災側から非火災側へ隙間を通して火炎や煙(高温気体)が侵入することを抑制する。仮に、扉体に熱変形が生じて隙間が大きくなったとしても、前記熱膨張耐火部材によって前記隙間を良好に塞ぐことができる。
本実施形態に係るドア装置を室外側から見た正面図である。 扉体2を室内側から見た正面図、上面図、戸先側から見た側面図、戸尻側から見た側面図、底面図である。 図2の部分拡大図である。 本実施形態に係るドア装置の横断面図である。 本実施形態に係るドア装置の縦断面図である。 本実施形態に係るドア装置の上方部位の縦断面図であり、火災時の加熱によって熱膨張耐火部材が発泡膨張した状態を示す。 他の実施形態に係るドア装置の上方部位の縦断面図である。 図7の状態から、火災時の加熱によって熱膨張耐火部材が発泡膨張した状態を示す。 さらに他の実施形態に係るドア装置の上方部位の縦断面図である。 図9の状態から、火災時の加熱によって熱膨張耐火部材が発泡膨張した状態を示す。 さらに他の実施形態に係るドア装置の上方部位の縦断面図である。 参考態様に係るドア装置の上方部位の縦断面図である。 図12の状態から、火災時の加熱によって熱膨張耐火部材が発泡膨張した状態を示す。 本実施形態に係る上枠の部分上面図である。 本実施形態に係る上枠の形状を説明する図である。 上枠の受熱面と内部に充填した石膏量の組み合わせと、上枠の遮熱効果について説明する図である。
図1は実施形態に係るドア装置を室外側から見た正面図であって、ドア装置は、縦長方形状のドア枠1と、ドア枠1によって形成された開口部を開閉する扉体2とからなる。本実施形態では、ドア枠1は遮熱ドア枠、扉体2は遮熱扉であり、ドア装置は防火扉として用いられる。ドア枠1は、上枠10、下枠11、戸先側縦枠12、戸尻側縦枠13から縦長方形状に形成された四周枠である。
[A]扉体の構成
扉体の構成について説明する。図2は扉体2を室内側から見た正面図、上面図、戸先側から見た側面図、戸尻側から見た側面図、底面図であり、図3は図2の部分拡大図である。図4はドア装置の横断面図(扉体2は全閉姿勢)、図5はドア装置の縦断面図(扉体2は全閉姿勢)である。扉体2は、扉体2の外面を形成する金属製(典型的には鋼製)の表面材と、金属製(典型的には鋼製)の骨材と、扉体2の内部空間に充填された芯材(周縁耐火芯材7A〜7H、耐火芯材7I、7J、主耐火芯材C)と、からなる。
[A−1]扉体の表面材
図1〜図5に示すように、本実施形態に係る扉体2の表面材は、所定形状に折り曲げ形成された第1表面材20と第2表面材21とからなる。第1表面材20は、薄肉の鋼鈑を折り曲げて形成されており、扉体2の室外側見付面を形成する主面部200と、主面部200の周辺部位を折り曲げて形成された上辺201、下辺202、第1側辺203、第2側辺204と、からなる。以下の説明では、扉体2の1つの構成要素として当該扉体2を構成する第1表面材20の主面部200を第1見付面200と称する。
本実施形態では、第1表面材20の主面部(第1見付面)200の上端部位は、第1表面材20の部分を折り返して潰して形成した上側突片22となっている。また、第1表面材20の主面部(第1見付面)200の戸先側部位は、第1表面材20の部分を折り返して潰して形成した戸先側突片23となっている。後述するように、扉体2の全閉姿勢時において、上側突片22、戸先側突片23は、それぞれ、扉体2の上面とドア枠1の上枠10との隙間の室外側部位、戸先側見込面とドア枠1の戸先側縦枠12との隙間の室外側部位を覆うようになっている。
第2表面材21は、薄肉の鋼鈑を折り曲げて形成されており、扉体2の室内側見付面を形成する主面部210と、主面部210の周辺部位を折り曲げて形成された上辺211、下辺212、第1側辺213、第2側辺214と、からなる。以下の説明では、扉体2の1つの構成要素として当該扉体2を構成する第2表面材21の主面部210を第2見付面210と称する。
第1表面材20の上辺201と第2表面材21の上辺211から扉体2の上面が形成されており、第1表面材20の下辺202と第2表面材21の下辺212から扉体2の下面が形成されており、第1表面材20の第1側辺203と第2表面材21の第1側辺213から扉体2の戸先側見込面が形成されており、第1表面材20の第2側辺204と第2表面材21の第2側辺214から扉体2の戸尻側見込面が形成されている。
本実施形態では、第1表面材20の主面部(第1見付面)200の上端部位は、上面を越えて上方に延出する上側突片22を形成している。すなわち、扉体2の上面の室外側部位には上側突片22が形成されている。本実施形態では、扉体2の上面には、さらに、断熱材8、熱膨張耐火部材9が設けてある。断熱材8、熱膨張耐火部材9の具体的な構成については後述する。第1表面材20の主面部(第1見付面)200の戸先側部位は、戸先側見込面を越えて戸先側に延出する戸先側突片23を形成している。すなわち、扉体2の戸先側見込面の室外側部位には戸先側突片23が形成されている。
[A−2]扉体の骨材
本実施形態に係る扉体2の骨材は、力骨を形成する上フレーム3、下フレーム4、戸先側縦フレーム5、戸尻側縦フレーム6からなる四周状のフレームと、中骨としての中縦フレーム5´とを備えている。なお、中骨は任意要素であり、主耐火芯材の材料の選択等によって扉体2の所定の強度が確保できる場合には、中骨を設けない場合もあり得る。
扉体2の上フレーム3は、扉体2の幅方向に水平に延びる長尺部材であり、第1見付面部30と、第2見付面部31と、上面部32とから断面視コ字状に形成されている。扉体2の下フレーム4は、扉体2の幅方向に水平に延びる長尺部材であり、第1見付面部40と、第2見付面部41と、下面部42とから断面視コ字状に形成されている。扉体2の戸先側縦フレーム5は、扉体2の高さ方向に垂直に延びる長尺部材であり、第1見付面部50と、第2見付面部51と、見込面部52とから断面視コ字状に形成されている。戸先側縦フレーム5は、錠前(後述する第1錠、第2錠、第3錠)を受け入れるために部分的に切り欠かれている。扉体2の戸尻側縦フレーム6は、扉体2の高さ方向に垂直に延びる長尺部材であり、第1見付面部60と、第2見付面部61と、見込面部62とから断面視コ字状に形成されている。
四周状のフレーム(上フレーム3、下フレーム4、戸先側縦フレーム5、戸尻側縦フレーム6)の凹部内に耐火性、断熱性を備えた充填材(例えば、石膏やロックウール)を設けてもよい。例えば、四周状のフレームの凹部内に石膏を流し込んで固化させることで、各フレーム(力骨)の強度を向上させることができ、また、火災時の加熱によって、石膏から結晶水が蒸発することに伴う吸熱効果によって、四周状のフレーム及び当該フレームの周辺の温度上昇を抑えることができる。
本実施形態では、力骨を形成する四周状のフレームの見込寸法、すなわち、上フレーム3、下フレーム4、戸先側縦フレーム5、戸尻側縦フレーム6の見込寸法は、扉体2の見込寸法(厚さ)よりも小さい寸法となっており、第1表面材20と四周状のフレームの間、第2表面材21と四周状のフレームの間には、周縁耐火芯材7A〜7Hが設けてある。金属製の第1表面材20、第2表面材21と金属製の四周状のフレームとの間に周縁耐火芯材7A〜7Hを挟むことで、扉体2の一方の見付面から他方の見付面への熱伝達を抑制している。
扉体2の中縦フレーム5´は、扉体2の高さ方向に垂直に延びる長尺部材であり、第1見付面部50´と、第2見付面部51´と、見込面部52´とから断面視コ字状に形成されている。本実施形態では、中骨を形成する中縦フレーム5´の見込寸法は、扉体2の見込寸法(厚さ)よりも小さい寸法となっており、第1表面材20と中縦フレーム5´の間、第2表面材21と中縦フレーム5´の間には、耐火芯材7I、7Jが設けてある。金属製の第1表面材20、第2表面材21と金属製の中縦フレーム5´との間に耐火芯材7I、7Jを挟むことで、扉体2の一方の見付面から他方の見付面への熱伝達を抑制している。中縦フレーム5´の凹部に耐火性、断熱性を備えた充填材(例えば、石膏やロックウール)を充填してもよい。
[A−3]周縁耐火芯材
周縁耐火芯材7A〜7Hは、扉体2の第1表面材20、第2表面材21と、四周状のフレームとの間に位置して設けられる。本実施形態では、周縁耐火芯材は、第1表面材20と上フレーム3との間に設けられる耐火芯材7A、第2表面材21と上フレーム3との間に設けられる耐火芯材7B、第1表面材20と下フレーム4との間に設けられる耐火芯材7C、第2表面材21と下フレーム4との間に設けられる耐火芯材7D、第1表面材20と戸先側縦フレーム5との間に設けられる耐火芯材7E、第2表面材21と戸先側縦フレーム5との間に設けられる耐火芯材7F、第1表面材20と戸尻側縦フレーム6との間に設けられる耐火芯材7G、第2表面材21と戸尻側縦フレーム6との間に設けられる耐火芯材7Hを含んでいる。金属製の第1表面材20、第2表面材21と金属製の四周状のフレームとの間に耐火芯材7A〜7Hを挟むことで、扉体2の一方の見付面から他方の見付面への熱伝達を抑制している。周縁耐火芯材7A〜7H(耐火芯材7I、7Jも同様)は、例えば、ケイ酸カルシウム板から形成されるが、断熱性(遮熱性)、耐火性を備えた他の材料から形成した板体を採用してもよい。
[A−4]扉体の端部の構成
[A−4−1]扉体の上方部位の構成
図5に示すように、扉体2の上方部位において、第1表面材20の第1見付面200の上方部位と上フレーム3の第1見付面部30との間に位置して耐火芯材7Aが設けてあり、第2表面材21の第2見付面210の上方部位と上フレーム3の第2見付面部31との間に位置して耐火芯材7Bが設けてある。第1表面材20と上フレーム3、第2表面材21と上フレーム3の間に耐火芯材7A、7Bをそれぞれ挟むことで、第1表面材20、第2表面材21と上フレーム3との直接の接触を規制し、第1表面材20から上フレーム3へ、あるいは、第2表面材21から上フレーム3へ熱が直接伝達することを防止している。
第1表面材20の上辺201と耐火芯材7Aの上面は当接しており、第2表面材21の上辺211と耐火芯材7Bの上面は当接している。耐火芯材7Aの上面、耐火芯材7Bの上面の高さ位置は、上フレーム3の上面部32の外面よりも僅かに上方に位置しており、第1表面材20の上辺201及び第2表面材21の上辺211と上フレーム3の上面部32との間には熱膨張耐火部材320が設けられており、第1表面材20の上辺201及び第2表面材21の上辺211と上フレーム3の上面部32が直接接触しないようになっている。なお、耐火芯材7Aの上面、耐火芯材7Bの上面、上フレーム3の上面部32の外面を面一とし、これらの面に亘って熱膨張耐火部材を設けてもよい。
第1表面材20の上辺201は、上フレーム3の上面部32に螺子29によって固定されている。螺子29は熱膨張耐火部材320を貫通し、石膏が充填されている場合には、螺子29の軸部は石膏にねじ込まれる。第2表面材21の上辺211は、上フレーム3の上面部32に螺子29によって固定されている。螺子29は熱膨張耐火部材320を貫通し、石膏が充填されている場合には、螺子29の軸部は石膏にねじ込まれる。第1表面材20の上辺201の端縁と第2表面材21の上辺211の端縁は離間しており、熱膨張耐火部材320の部分が露出している。
図2、図3、図5に示すように、扉体2の上面には、扉体2の幅方向に亘って長尺板状の断熱材8が設けてある。断熱材8を形成する材料は所定の耐火性、断熱性を備えているものであれば限定されず、例えば、ケイ酸カルシウム板、ロックウール、グラスウール、軽量気泡コンクリートパネル(ACLパネル)、石膏ボード、繊維強化セメント板、その他の断熱性の耐火芯材の1つあるいは複数の組み合わせから形成することができ、さらに、他の耐火性ないし断熱性を備えた材料が含まれていてもよい。断熱材8は、扉体2の上面を形成する上辺201、211の上側(外側)に設けてある。本実施形態では、断熱材8の長手方向端部80、81は、上面の長手方向端部(扉体2の戸先側見込面、戸尻側見込面)までは達していない(図2、図3参照)。断熱材8の短手方向の一方の端部82は上側突片22の内側面の下端部位に当接しており、他方の端部83は扉体2の短手方向の室内側端部(扉体2の第2見付面210)までは達していない。すなわち、本実施形態では、耐火芯材7Aの直上に位置する上辺201の上には断熱材8が位置しており、耐火芯材7Bの直上に位置する上辺211の上には断熱材8は位置していない。なお、断熱材8は、耐火芯材7Bの直上に位置する上辺211の上にまで延びていてもよい。
断熱材8の上面には、火災時の加熱によって発砲膨張する熱膨張耐火部材9が設けてある。本実施形態では、熱膨張耐火部材9は断熱材8の上面の全域に亘って設けてある。本実施形態では、扉体2の上面に断熱材8、熱膨張耐火部材9を重ねた状態で、幅方向に間隔を存して複数の固定ピース90を載せ、扉体2の上面(上辺201、上辺211)と固定ピース90の間に断熱材8、熱膨張耐火部材9を挟んだ状態で、固定ピース90から螺子29´をねじ込むことで、螺子29´の軸部が熱膨張耐火部材9、断熱材8、第1表面材20の上辺201ないし第2表面材21の上辺211を貫通し、上フレーム3の上面部32に固定される。石膏が充填されている場合には、螺子29´の軸部は石膏にねじ込まれる。本実施形態では、金属製部材である上辺201、上辺211と上面部32の直接の接触を防止するスペーサとして熱膨張耐火部材320を採用しているが、本実施形態では、扉体2の上面に部分的に露出する熱膨張耐火部材320は断熱材8で覆われており、断熱材8の上面に熱膨張耐火部材9が設けられているので、熱膨張耐火部材320に代えて、耐火性で金属よりも熱伝導率が低い材料からなるスペーサを設けてもよい。また、扉体2の上側突片22は、扉体2の上面に設けた断熱材8、熱膨張耐火部材9の目隠しとしての機能も有する。
[A−4−2]扉体の下端部の構成
図5に示すように、扉体2の下方部位において、第1表面材20の第1見付面200の下方部位と下フレーム4の第1見付面部40との間に位置して耐火芯材7Cが設けてあり、第2表面材21の第2見付面210の下方部位と下フレーム4の第2見付面部41との間に位置して耐火芯材7Dが設けてある。第1表面材20と下フレーム4、第2表面材21と下フレーム4の間に耐火芯材7C、7Dをそれぞれ挟むことで、第1表面材20、第2表面材21と下フレーム4との直接の接触を規制し、第1表面材20から下フレーム4へ、あるいは、第2表面材21から下フレーム4へ熱が直接伝達することを防止している。
第1表面材20の下辺202と耐火芯材7Cの下面は当接しており、第2表面材21の下辺212と耐火芯材7Dの下面は当接している。耐火芯材7Cの下面、耐火芯材7Dの下面の高さ位置は、下フレーム4の下面部42の外面よりも僅かに下方に位置しており、第1表面材20の下辺202及び第2表面材21の下辺212と下フレーム4の下面部42との間には熱膨張耐火部材420が設けられており、第1表面材20の下辺202及び第2表面材21の下辺212と下フレーム4の下面部42が直接接触しないようになっている。なお、耐火芯材7Cの下面、耐火芯材7Dの下面、下フレーム4の下面部42の外面を面一とし、これらの面に亘って熱膨張耐火部材を設けてもよい。第1表面材20の下辺202は、下フレーム4の下面部42に螺子29によって固定されている。螺子29は熱膨張耐火部材420を貫通し、石膏が充填されている場合には、螺子29の軸部は石膏にねじ込まれる。第2表面材21の下辺212は、下フレーム4の下面部42に螺子29によって固定されている。螺子29は熱膨張耐火部材420を貫通し、石膏が充填されている場合には、螺子29の軸部は石膏にねじ込まれる。第1表面材20の下辺202の端縁と第2表面材21の下辺212の端縁は離間しており、熱膨張耐火部材420の部分が露出している。
[A−4−3]扉体の戸先側端部の構成
図4に示すように、扉体2の戸先側部位において、第1表面材20の第1見付面200の戸先側部位と戸先側縦フレーム5の第1見付面部50の外面との間に位置して耐火芯材7Eが設けてあり、第2表面材21の第2見付面210の戸先側部位と戸先側縦フレーム5の第2見付面部51の外面との間に位置して耐火芯材7Fが設けてある。第1表面材20と戸先側縦フレーム5、第2表面材21と戸先側縦フレーム5の間に耐火芯材7E、7Fをそれぞれ挟むことで、第1表面材20、第2表面材21と戸先側縦フレーム5との直接の接触を規制し、第1表面材20から戸先側縦フレーム5へ、あるいは、第2表面材21から戸先側縦フレーム5へ熱が直接伝達することを防止している。
第1表面材20の第1側辺203と耐火芯材7Eの見込面は当接しており、第2表面材21の第1側辺213と耐火芯材7Fの見込面は当接している。耐火芯材7Eの見込面、耐火芯材7Fの見込面の位置は、戸先側縦フレーム5の見込面部52の外面よりも僅かに戸先側に位置しており、第1表面材20の第1側辺203及び第2表面材21の第1側辺213と戸先側縦フレーム5の見込面部52との間には熱膨張耐火部材520が設けられており、第1表面材20の第1側辺203及び第2表面材21の第1側辺213と戸先側縦フレーム5の見込面部52が直接接触しないようになっている。なお、耐火芯材7Eの見込面、耐火芯材7Fの見込面、戸先側縦フレーム5の見込面部52の外面を面一とし、これらの面に亘って熱膨張耐火部材を設けてもよい。
第1表面材20の第1側辺203は、戸先側縦フレーム5の見込面部52に螺子29によって固定されている。螺子29は熱膨張耐火部材520を貫通し、石膏が充填されている場合には、螺子29の軸部は石膏にねじ込まれている。第2表面材21の第1側辺213は、戸先側縦フレーム5の見込面部52に螺子29によって固定されている。螺子29は熱膨張耐火部材520を貫通し、石膏が充填されている場合には、螺子29の軸部は石膏にねじ込まれる。第1表面材20の第1側辺203の端縁と第2表面材21の第1側辺213の端縁は離間しており、熱膨張耐火部材520の部分が露出している。
[A−4−4]扉体の戸尻側端部の構成
図4に示すように、扉体2の戸尻側部位において、第1表面材20の第1見付面200の戸尻側部位と戸尻側縦フレーム6の第1見付面部60との間に位置して耐火芯材7Gが設けてあり、第2表面材21の第2見付面210の戸尻側部位と戸尻側縦フレーム6の第2見付面部61との間に位置して耐火芯材7Hが設けてある。第1表面材20と戸尻側縦フレーム6、第2表面材21と戸尻側縦フレーム6の間に耐火芯材7G、7Hをそれぞれ挟むことで、第1表面材20、第2表面材21と戸尻側縦フレーム6との直接の接触を規制し、第1表面材20から戸尻側縦フレーム6へ、あるいは、第2表面材21から戸尻側縦フレーム6へ熱が直接伝達することを防止している。
第1表面材20の第2側辺204と耐火芯材7Gの見込面は当接しており、第2表面材21の第2側辺214と耐火芯材7Hの見込面は当接している。耐火芯材7Gの見込面、耐火芯材7Hの見込面の位置は、戸尻側縦フレーム6の見込面部62の外面よりも僅かに戸尻側に位置しており、第1表面材20の第2側辺204及び第2表面材21の第2側辺214と戸尻側縦フレーム6の見込面部62との間には熱膨張耐火部材620が設けられており、第1表面材20の第2側辺204及び第2表面材21の第2側辺214と戸尻側縦フレーム6の見込面部62が直接接触しないようになっている。なお、耐火芯材7Hの見込面、耐火芯材7Gの見込面、戸尻側縦フレーム6の見込面部62の外面を面一とし、これらの面に亘って熱膨張耐火部材を設けてもよい。
第1表面材20の第2側辺204は、戸尻側縦フレーム6の見込面部62に螺子29によって固定されている。螺子29は熱膨張耐火部材620を貫通し、石膏が充填されている場合には、螺子29の軸部は石膏にねじ込まれる。第2表面材21の第2側辺214は、戸尻側縦フレーム6の見込面部62に螺子29によって固定されている。螺子29は熱膨張耐火部材620を貫通し、石膏が充填されている場合には、螺子29の軸部は石膏にねじ込まれる。第1表面材20の第2側辺204の端縁と第2表面材21の第2側辺214の端縁は離間しており、熱膨張耐火部材620の部分が露出している。
[A−5]扉体の主耐火芯材
本実施形態に係る扉体2の内部空間に充填される断熱性の耐火芯材は、周縁耐火芯材7A〜7H、耐火芯材7I、7Jと、内部空間の主要な体積を占める主耐火芯材Cと、からなる。上述のように、耐火芯材7A〜7Jは、骨材(上フレーム3、下フレーム4、戸先側縦フレーム5、戸尻側縦フレーム6、中縦フレーム5´)と第1表面材20、第2表面材21との間に設けてある。
主耐火芯材Cは、扉体2の第1表面材20及び第2表面材21によって囲まれる内部空間において、四周状のフレーム(上フレーム3、下フレーム4、戸先側縦フレーム5、戸尻側縦フレーム6)、中縦フレーム5´、耐火芯材7A〜7J、錠前を除く空間の全部あるいは一部を占めるように設けてある。
主耐火芯材Cは、典型的には、複数の部分に分割されており、複数の部分の組み合わせから形成されている。また、主耐火芯材Cは、単一の材料から形成しても、あるいは、複数の異なる材料の組み合わせから形成してもよい。主耐火芯材Cを形成する材料は限定されず、例えば、ケイ酸カルシウム板、ロックウール、グラスウール、軽量気泡コンクリートパネル(ACLパネル)、石膏ボード、繊維強化セメント板、その他の断熱性の耐火芯材の1つあるいは複数の組み合わせから形成することができ、さらに、他の耐火性ないし断熱性を備えた材料が含まれていてもよい。
[A−5]扉体の錠装置
図1に示すように、扉体2は、戸尻側部位に設けた丁番25によってドア枠1の戸尻側縦枠13に回動可能に支持されている。扉体2の室外側見付面(第1表面材20の第1見付面200)、室内側見付面(第2表面材21の第2見付面210)の戸先側部位にはハンドル26が設けてある。扉体2の戸先側部位には、高さ方向の中間に位置して第1錠が内蔵されている。さらに、扉体2の戸先側部位の上方部位に位置して第2錠、下方部位に位置して第3錠が内蔵されている。
第1錠は錠ケース(図2に前面プレート28Aのみ示す)と、錠ケースに内蔵されたラッチ280、デッドボルト281を備えている。ドア枠1の戸先側縦枠12の第1見込面122の所定高さには、第1錠のラッチ280及びデッドボルト281のストライクが設けてある。ラッチ280は付勢手段によって扉体2の戸先側見付面から突出してストライクのラッチ受孔に係止して扉体2の閉鎖姿勢を維持し、ハンドル26の回動操作に連動して突出したラッチ280を扉体2の戸先側見付面内に退避させて係止状態を解錠することで扉体2を開放させる。デッドボルト281は、扉体2の室内側見付面に設けた操作つまみ27Bの回動、室外側見付面に設けた鍵孔27Aに挿入した鍵の回動によって、ストライクのデッドボルト受孔に対して係止姿勢と解除姿勢をとるようになっている。
第2錠は錠ケース(図2に前面プレート28Bのみ示す)と、錠ケースに内蔵されたラッチ280を備えており、デッドボルトは備えていない。第3錠は錠ケース(図2に前面プレート28Cのみ示す)と、錠ケースに内蔵されたラッチ280を備えており、デッドボルトは備えていない。ドア枠1の戸先側縦枠12の第1見込面122の上方部位には第2錠のラッチ280のストライクが設けてあり、下方部位には第3錠のラッチ280のストライクが設けてある。第2錠及び第3錠のラッチ280は付勢手段によって扉体2の戸先側見込面から突出してストライクのラッチ受孔に係止して扉体2の閉鎖姿勢を維持している。本実施形態では、開口部全閉姿勢時に扉体2が高さ方向の3箇所においてラッチでドア枠1の戸先側縦枠12に係止することによって、火災時の熱による扉体2の反りを可及的に防止し、扉体2とドア枠1との間に防火ないし防煙及び遮熱において不利な隙間が形成されることを防止する。
ハンドル26の回動と第1錠のラッチ、第2錠、第3錠のラッチ280の動作は連動しており、扉体2の閉鎖状態において、水平姿勢にあるハンドル26を下方に回動させることで、ラッチ受孔に対して係止姿勢(突出姿勢)にある第1錠、第2錠、第3錠のラッチ280が扉体2の戸先側見込面内に退避する方向に移動して解除姿勢(退避姿勢)となり、したがって、扉体2の閉鎖姿勢時において、ハンドル26の回動操作に連動して突出姿勢にある3本のラッチ280を扉体2の戸先側見付面内に同時に退避させて係止状態を解錠することで扉体2を開放させる。より具体的には、第1錠と第2錠の間、第1錠と第3錠の間は扉体2内を垂直姿勢で延びるロッド(図示せず)によって連動連結されており、ロッドの下動あるいは上動に連動して、係止姿勢にあるラッチ280が解除姿勢となる。このようないわゆる3点ラッチ錠は、例えば、特開2013−72179号、特開2013−249644号に開示されており、ロッドとラッチ280の具体的な連動構成例についてはこれらの文献の記載を参照することができる。本実施形態では、デッドボルト281及びラッチ280を備えた第1錠、ラッチ280のみを備えた第2錠、第3錠の合計3つの錠を用いているが、4つ以上の錠を採用してもよい。
[B]ドア枠
一般に従来のドア枠は鋼製であり、一方の見付側から他方の見付側に見込方向に連続する部材であるため、火災側で受けた熱がドア枠を伝ってそのまま非火災側へ伝達されることになる。したがって、遮熱性能を備えた扉体を採用した場合であっても、ドア枠を介して火災側から非火災側に熱が伝わってしまうおそれがあった。本実施形態では、ドア枠内に石膏を流し込んで固化させることで、ドア枠1の内面と石膏Pは強固に付着ないし固着されて一体化されており、ドア枠1内に充填された石膏Pの遮熱性、吸熱性によって、ドア枠1の温度上昇を抑制することで、防火戸のドア枠1を介しての火災側から非火災側への熱伝導を可及的に防止している。本明細書において、石膏を主材として含む充填材を総称して石膏Pとする。石膏Pには、石膏以外の材料が含まれていてもよく、例えば、特開2017−110403号に開示された石膏を採用することができる。さらに、本実施形態では、ドア枠1の表面の部分が外部に露出しない非露出部分となっており、外部に露出する部分(すなわち、受熱面)の面積を小さくすることで、ドア枠1の遮熱効果を向上させている。
[B−1]上枠
上枠10は開口幅方向に延びる長尺部材であり、図5に示すように、室外側に位置する第1見付部100と、室内側に位置する第2見付部101と、室外側の第1下面102と、室内側の第2下面103と、を備えている。
本実施形態において、第1見付部100は、室外側に位置する見付部位全体を指し、主見付面1000と、上側見付面1002と、下側見付面1005と、主見付面1000の上端と上側見付面1002の下端間で延びる上側中間水平面1001と、主見付面1000の下端と下側見付面1005の上端間で延びる下側中間水平面1004と、からなる。
第1見付部100の上側見付面1002の上端を折り曲げて室外側上片1003が形成されている。室外側の第1下面102は、第1見付部100の下側見付面1005の下端から室内側に向かって水平に延びている。
本実施形態において、第2見付部101は、室内側に位置する見付部位全体を指し、主見付面1010と、上側見付面1012と、主見付面1010の上端と上側見付面1012の下端間で延びる中間水平面1011と、からなる。
第2見付部101の上側見付面1012の上端を折り曲げて室内側上片1013が形成されている。室内側の第2下面103は、第2見付部101の主見付面1010の下端から室外側に向かって水平に延びている。
室内側の第2下面103は、室外側の第1下面102よりも低い位置で水平に延びており、第1下面102の室内側部位と第2下面103の室外側部位の間には室外側に開放する凹部が形成されている。凹部は、第1下面102の室内側部位と、第2下面103の室外側部位と、凹部の底面を形成する中間見付面104と、から形成されている。
凹部は開口幅方向に延びており、下半部には気密材(戸当たりゴム)S1が開口幅方向に亘って設けてあり、上半部には断面視コ字状の支持部材107´が開口幅方向に亘って設けてあり、支持部材には開口幅方向に亘って熱膨張耐火部材107が設けてある(図15参照)。
上枠10の内部空間には石膏Pが充填されており、石膏Pは上枠10の内面に密着している。上枠10の内部に充填された石膏Pは結晶水を含んでおり、火災時の熱によって当該結晶水が蒸発することに伴う吸熱によって上枠10及び周囲の温度上昇を抑制する。
図15を参照しつつ、本実施形態に係る上枠10の形状についてさらに説明する。
第2見付部101の主見付面1010の高さ寸法:a、
第2見付部101の上側見付面1012の高さ寸法:b、
第2見付部101の中間水平面1011の見込寸法:c、
第2下面103の見込寸法:d、
第1見付部100の主見付面1000の高さ寸法:e、
第1見付部100の上側見付面1002の高さ寸法:f、
第1見付部100の下側見付面1005の高さ寸法:g、
第1見付部100の上側中間水平面1001の見込寸法:h、
第1見付部100の下側中間水平面1004の見込寸法:i、とすると、
第1見付部100の主見付面1000と第2見付部101の主見付面1010間の寸法W=h+j+c、
第2見付部101の高さ寸法H1=a+b、
第1見付部100の高さ寸法H2=e+f+g=H1−k、となる。
本実施形態では、限定されないものの、
H1/W≒0.7、
H2/W≒0.5、
であり、一般的な上枠に比べて高背となっており、上枠10の内部空間の体積は比較的大きいものとなっている。
室外側上片1003の室内側端縁と室内側上片1013の室外側端縁は間隔を存して離間対向しており、室外側上片1003と室内側上片1013の間には開口が形成されている。室外側上片1003と室内側上片1013は、開口幅方向に間隔を存して長尺状の複数の連結部材105で連結されている。本実施形態では、連結部材105は上面を除いて石膏P内に埋設されている。上枠10の上方部位は上面を備えておらず開口状となっているため、石膏Pの上面は、上枠10の内面に接触せず、上記開口に面しており、石膏Pの上面の略全域を覆うように覆い部材106が設けてある。覆い部材106を設けることで、上枠10の温度上昇を抑制する石膏Pに含まれる結晶水を枠内に留めておく。
図14に示すように、覆い部材106は、長さ方向端部の短縁が連結部材105に固定されており、長さ方向に延びる長縁は、室外側上片1003の室内側端縁、室内側上片1013の室外側端縁と離間しており接触していない。本実施形態では、覆い部材106はアルミニウム製のテープないしシートであるが、火災時の熱に所定時間耐えることができ、石膏Pの露出する上面を覆うことで、火災時の加熱時の石膏Pの上方部位からの水分の蒸発を遅延ないし抑制できるものであれば、他の材料であってもよい。
本実施形態に係る壁体は耐火ボード14、15から形成されている。上枠10の室外側上片1003、室内側上片1013には、内側の耐火ボード15の下面が当接しており、外側の耐火ボード14は、その内側見付面の下方部位が上側見付面1002、上側見付面1012に当接し、その下面が上側中間水平面1001、中間水平面1011に当接している。外側の耐火ボード14の外側見付面は、主見付面1000、主見付面1010と略面一(需要者が見た時に、面一であると認識する程度の僅かな段差を含む)となっている。
第1見付部100において、主見付面1000は外部に露出する露出面であり、上側見付面1002、上側中間水平面1001は耐火ボード14、15に覆われて外部に露出しない非露出面となっている。第2見付部101において、主見付面1010は外部に露出する露出面であり、上側見付面1012、中間水平面1011は耐火ボード14、15に覆われて外部に露出しない非露出面となっている。
上枠10の表面積は、断面視における各辺の長さ×上枠10の長さ寸法であり、長さ寸法は共通することから、各面の相対的な比率は、各辺の長さを用いて特定することができる。本実施形態において、第2見付部101の面積はa+b+cで代表することができ、露出面の面積はaで代表することができる。第2見付部101において、a/a+b+c≒0.27である。すなわち、第2見付部101の面積の約3割の部分が露出面となっている。また、第2見付部101の全高に対する露出面の高さは、a/a+b≒0.31である。
同様に、第1見付部100の面積はe+g+f+h+iで代表することができ、開口部全閉時には、下側見付面1005が扉体2の上側突片22に覆われることから、露出面の面積はe+iで代表することができ、第1見付部100において、e+i/e+g+f+h+i≒0.45である。すなわち、第1見付部100の面積の半分以下の部分が露出面となっている。また、第1見付部100の全高に対する露出面の高さは、e/e+g+f≒0.45である。
本実施形態では、従来の低背の上枠に比べて、上枠10の全体の見込寸法に対して、第1見付部100の高さ寸法H2、第2見付部101の高さ寸法H1を大きくすることで、内部空間に充填された石膏Pの体積を大きくし、さらに、第1見付部100、第2見付部101の表面の部分(上側見付面1002、上側中間水平面1001、上側見付面1012、中間水平面1011)を外部に露出しない非露出部分とすることで、火災時の受熱面積を小さくし、もって、受熱面積に対する石膏Pの体積の割合を大きくして遮熱性能、吸熱性能を向上させ、上枠10の温度上昇を更に抑えるようにしている。
[B−2]下枠
下枠11は開口幅方向に延びる部材であり、図5に示すように、第1見付面110と、第2見付面111と、上面112から断面視略コ字形状を有している。下枠11は沓摺であって、大部分が床面FL内に埋設されており、上面112は、床面FLよりも僅かに上方に位置して水平状に延びている。下枠11内には石膏Pが充填されている。下枠11の内部に充填された石膏Pは結晶水を含んでおり、火災時の熱によって当該結晶水が蒸発することに伴う吸熱によって下枠11及び周囲の温度上昇を抑制する。なお、下枠11内に石膏を充填しない場合もあり得る。
[B−3]戸先側縦枠
戸先側縦枠12は開口高方向に延びる長尺部材であり、図4に示すように、戸先側縦枠12は、室外側に位置する第1見付部120と、室内側に位置する第2見付部121と、室外側の第1見込面122と、室内側の第2見込面123と、を備えている。
本実施形態において、第1見付部120は、室外側に位置する見付部位全体を指し、主見付面1200と、主見付面1200に対して外側(開口部から離れる側)に位置する外側見付面1202と、主見付面1200に対して内側(開口部に近い側)に位置する内側見付面1205と、主見付面1200の外側端と外側見付面1202の内側端間で延びる第1中間見込面1201と、主見付面1200の内側端と内側見付面1205の外側端間で延びる第2中間見込面1204と、からなる。
外側見付面1202の外側端を折り曲げて室外側の第1外側見込片1203が形成されている。室外側の第1見込面122は、内側見付面1205の内側端から室内側に向かって見込方向に延びている。
本実施形態において、第2見付部121は、室内側に位置する見付部位全体を指し、主見付面1210と、主見付面1210に対して外側(開口部から離れる側)に位置する外側見付面1212と、主見付面1210の外側端と外側見付面1212の内側端間で延びる中間見込面1211と、からなる。
外側見付面1212の外側端を折り曲げて室内側の第2外側見込片1213が形成されている。室内側の第2見込面123は、主見付面1210の内側端から室外側に向かって見込方向に延びている。
室内側の第2見込面123は、室外側の第1見込面122よりも内側に位置して見込方向に延びており、第1見込面122の室内側部位と第2見込面123の室外側部位の間には室外側に開放する凹部が形成されている。凹部は、第1見込面122の室内側部位と、第2見込面123の室外側部位と、凹部の底面を形成する中間見付面124と、から形成されている。
凹部は、戸先側縦枠12の高さ方向に延びており、外側半部には気密材(戸当たりゴム)S2が高さ方向に亘って設けてあり、内側半部には断面視コ字状の支持部材が高さ方向に亘って設けてあり、支持部材には高さ方向に亘って熱膨張耐火部材127が設けてある。
戸先側縦枠12の内部には石膏Pが充填されている。石膏Pは、戸先側縦枠12の内面に密着している。戸先側縦枠12の内部に充填された石膏Pは結晶水を含んでおり、火災時の熱によって当該結晶水が蒸発することに伴う吸熱によって戸先側縦枠12及び周囲の温度上昇を抑制する。
本実施形態に係る戸先側縦枠12の断面形状は、上枠10の断面形状と類似しており、図15の説明において、
「第2見付部101の主見付面1010の高さ寸法:a」を「第2見付面121の主見付面1210の見付寸法:a」、
「第2見付部101の上側見付面1012の高さ寸法:b」を「第2見付部121の外側見付面1212の見付寸法:b」、
「第2見付部101の中間水平面1011の見込寸法:c」を「第2見付部121の中間見込面1211の見込寸法:c」、
「第2下面103の見込寸法:d」を「第2見込面123の見込寸法」、
「第1見付部100の主見付面1000の高さ寸法:e」を「第1見付部120の主見付面1200の見付寸法:e」、
「第1見付部100の上側見付面1002の高さ寸法:f」を「第1見付部120の外側見付面1202の見付寸法:f」、
「第1見付部100の下側見付面1005の高さ寸法:g」を「第1見付部120の内側見付面1205の見付寸法:g」、
「第1見付部100の上側中間水平面1001の見込寸法:h」を「第1見付部120の第1中間見込面1201の見込寸法:h」、
「第1見付部100の下側中間水平面1004の見込寸法:i」を「第1見付部120の第2中間見込面1204の見込寸法」、
と読み替えることができ、
第1見付部120の主見付面1200と第2見付部121の主見付面1210間の寸法W=h+j+c、
第2見付部121の見付寸法H1=a+b、
第1見付部120の見付寸法H2=e+f+g=H1−k、となる。
本実施形態では、限定されないものの、
H1/W≒0.7、
H2/W≒0.5、
であり、一般的な戸先側縦枠に比べて幅広となっており、戸先側縦枠12の内部空間の体積は比較的大きいものとなっている。
室外側の第1外側見込片1203の室内側端縁と室内側の第2外側見込片1213の室外側端縁は間隔を存して離間対向しており、第1外側見込片1203と第2外側見込片1213の間には開口が形成されている。開口幅方向に間隔を存して長尺状の複数の連結部材125で連結されている。本実施形態では、連結部材125は外側面を除いて石膏P内に埋設されている。石膏Pの外側見込面は、戸先側縦枠12の内面に接触せず、開口に面しており、石膏Pの上面の略全域を覆うように覆い部材126が設けてある。覆い部材126の構成については、覆い部材106の説明を援用することができる。
本実施形態に係る壁体は耐火ボード14、15から形成されている。戸先側縦枠12の第1外側見込片1203、第2外側見込片1213には、内側の耐火ボード15の側面が当接しており、外側の耐火ボード14は、その内側見付面が外側見付面1202、外側見付面1212に当接し、その側面が第1中間見込面1201、中間見込面1211に当接している。外側の耐火ボード14の外側見付面は、主見付面1200、主見付面1210と略面一(需要者が見た時に、面一であると認識する程度の僅かな段差を含む)となっている。
第1見付部120において、主見付面1200は外部に露出する露出面であり、外側見付面1202、第1中間見込面1201は耐火ボード14、15に覆われて外部に露出しない非露出面となっている。第2見付部121において、主見付面1210は外部に露出する露出面であり、外側見付面1212、中間見込面1211は耐火ボード14、15に覆われて外部に露出しない非露出面となっている。
本実施形態では、従来の戸先側縦枠に比べて、戸先側縦枠12の全体の見込寸法に対して、第1見付部120の見付寸法、第2見付部121の見付寸法を大きくすることで、内部空間に充填された石膏Pの体積を大きくし、さらに、第1見付部120、第2見付部121の表面の部分(外側見付面1202、第1中間見込面1201、外側見付面1212、中間見込面1211)を外部に露出しない非露出部分とすることで、受熱面積を小さくし、もって、受熱面積に対する石膏Pの体積の割合を大きくして遮熱性能、吸熱性能を向上させ、戸先側縦枠12の温度上昇を更に抑えるようにしている。
[B−4]戸尻側縦枠
戸尻側縦枠13は開口高方向に延びる長尺部材であり、図4に示すように、戸尻側縦枠13は、室外側に位置する第1見付部130と、室内側に位置する第2見付部131と、室外側の第1見込面132と、室内側の第2見込面133と、を備えている。
本実施形態において、第1見付部130は、室外側に位置する見付部位全体を指し、主見付面1300と、主見付面1300の外側(開口部から離れる側)に位置する外側見付面1302と、主見付面1300の外側端と外側見付面1302の内側端間で延びる中間見込面1301と、からなる。
外側見付面1302の外側端を折り曲げて室外側の第1外側見込片1303が形成されている。室外側の第1見込面132は、主見付面1300の内側端から室内側に向かって見込方向に延びている。
本実施形態において、第2見付部131は、室内側に位置する見付部位全体を指し、主見付面1310と、主見付面1310の外側(開口部から離れる側)に位置する外側見付面1312と、主見付面1310の外側端と外側見付面1312の内側端間で延びる中間見込面1311と、からなる。
外側見付面1312の外側端を折り曲げて室内側の第2外側見込片1313が形成されている。室内側の第2見込面133は、主見付面1310の内側端から室外側に向かって見込方向に延びている。
室内側の第2見込面133は、室外側の第1見込面132よりも内側に位置して見込方向に延びており、第1見込面132の室内側部位と第2見込面133の室外側部位の間には室外側に開放する凹部が形成されている。凹部は、第1見込面132の室内側部位と、第2見込面133の室外側部位と、凹部の底面を形成する中間見付面134と、から形成されている。
凹部は、戸尻側縦枠13の高さ方向に延びており、外側半部には気密材(戸当たりゴム)S3が高さ方向に亘って設けてあり、内側半部には断面視コ字状の支持部材が高さ方向に亘って設けてあり、支持部材には高さ方向に亘って熱膨張耐火部材137が設けてある。
戸尻側縦枠13の内部には石膏Pが充填されている。石膏Pは、戸尻側縦枠13の内面に密着している。戸尻側縦枠13の内部に充填された石膏Pは結晶水を含んでおり、火災時の熱によって当該結晶水が蒸発することに伴う吸熱によって戸尻側縦枠13及び周囲の温度上昇を抑制する。
室外側の第1外側見込片1303の室内側端縁と室内側の第2外側見込片1313の室外側端縁は間隔を存して離間対向しており、第1外側見込片1303と第2外側見込片1313の間には開口が形成されている。開口幅方向に間隔を存して長尺状の複数の連結部材135で連結されている。本実施形態では、連結部材135は外側面を除いて石膏P内に埋設されている。石膏Pの外側見込面は、戸尻側縦枠13の内面に接触せず、開口に面しており、石膏Pの上面の略全域を覆うように覆い部材136が設けてある。覆い部材136の構成については、覆い部材106の説明を援用することができる。
本実施形態に係る壁体は耐火ボード14、15から形成されている。戸尻側縦枠13の第1外側見込片1303、第2外側見込片1313には、内側の耐火ボード15の側面が当接しており、外側の耐火ボード14は、内側見付面が外側見付面1302、外側見付面1312に当接し、側面が中間見込面1301、中間見込面1311に当接している。外側の耐火ボード14の外側見付面は、主見付面1300、主見付面1310と略面一(需要者が見た時に、面一であると認識する程度の僅かな段差を含む)となっている。
第1見付部130において、主見付面1300は外部に露出する露出面であり、外側見付面1302、中間見込面1301は耐火ボード14、15に覆われて外部に露出しない非露出面となっている。第2見付部131において、主見付面1310は外部に露出する露出面であり、外側見付面1312、中間見込面1311は耐火ボード14、15に覆われて外部に露出しない非露出面となっている。
本実施形態では、従来の戸尻側縦枠に比べて、戸尻側縦枠13の全体の見込寸法に対して、第1見付部130の見付寸法、第2見付部131の見付寸法を大きくすることで、内部空間に充填された石膏Pの体積を大きくし、さらに、第1見付部130、第2見付部131の表面の部分(外側見付面1302、中間見込面1301、外側見付面1312、中間見込面1311)を外部に露出しない非露出部分とすることで、受熱面積を小さくし、もって、受熱面積に対する石膏Pの体積の割合を大きくして遮熱性能、吸熱性能を向上させ、戸尻側縦枠13の温度上昇を更に抑えるようにしている。
[C]ドア装置の遮熱構造
[C−1]扉体の上方部位の遮熱構造
図5に示すように、扉体2が全閉姿勢にある時には、扉体2の上面に設けた断熱材8、熱膨張耐火部材9が、上枠10の第1下面102に第1隙間G1を存して対向しており、扉体2の上面の室外側部位に突設した上側突片22が上枠10の第1見付部100の下側見付面1005に第2隙間G2を存して離間対向している。第1隙間G1は側面視において水平状に延びる隙間であり、第2隙間G2は側面視において垂直状に延びる隙間であり、第1隙間G1と第2隙間G2は連通して一体の縦断面視L形状の隙間を形成しており、この隙間は扉体2の全幅に亘って延びている。
扉体2の上側突片22の上端は、上枠10の第1見付部100の下側中間水平面1004に離間対向している。扉体2の上面に設けた断熱材8、熱膨張耐火部材9の室外側部位は、上枠10の第1見付部100の下側見付面1005を越えて室外側に延びており、すなわち、第2隙間G2の下方に位置している。
扉体2の第2見付面210の上方部位が、気密材S1に圧接しており、気密材S1の上側に隣接して位置する熱膨張耐火部材107が、第1隙間G1の室内側に対向している。
扉体2が全閉姿勢にある時には、扉体2の室外側部位において、主見付面1000は外部に露出する露出面であり、上側見付面1002、上側中間水平面1001は外部に露出しない非露出面となっている。上枠10の第1下面102は、扉体2の上面が下方から近接対向することで、非露出面となっている。上枠10の第1見付部100の下側見付面1005は、扉体2の上面の室外側部位に設けた上側突片22が対向することで、非露出面となっている。上枠10の第1見付部100の下側中間水平面1004の下方には上側突片22の上端が近接するものの、下側中間水平面1004は露出面とする。開口部全閉時には、第1下面102に扉体2の上面が近接対向し、また、下側見付面1005が扉体2の上側突片22に覆われることから、室外側における受熱面(露出面)の面積はe+iで代表することができる。上枠10の室外側部位において、e+i/e+g+f+h+i≒0.45である。すなわち、上枠10の室外側部位の面積の半分以下の部分が受熱面となっている。なお、上枠10の第1見付部100の下側中間水平面1004は完全に隠れてはいないものの、下方には上側突片22が位置することから、室外側で火災が発生した時に、火災の熱を直接受け難くなっており、したがって、扉体2の室外側部位においては、主見付面1000が受熱面の主要部を占めている。
扉体2が全閉姿勢にある時には、扉体2の室内側部位において、主見付面1010、第2下面103は外部に露出する露出面であり、上側見付面1012、中間水平面1011は外部に露出しない非露出面となっている。扉体2の室内側部位においては、主見付面1010、第2下面103が受熱面となっている。開口部全閉時には、室内側における受熱面(露出面)の面積はa+dで代表することができる。上枠10の室内側部位において、a+d/a+b+c+d≒0.53である。すなわち、上枠10の室内側部位の面積の約半分の部分が受熱面となっている。
室外側で火災が発生した場合には、主見付面1000が限定された受熱面となって加熱されるが、上枠10の内部に充填された石膏Pは結晶水を含んでおり、火災時の熱によって当該結晶水が蒸発することに伴う吸熱によって上枠10及び周囲の温度上昇を抑制する。また、加熱された上枠10の第1下面102から扉体2の上端面に作用する熱、及び、第2隙間G2、第1隙間G1を通って侵入する熱気によって扉体2の上端面に作用する熱は、扉体2の上面に設けた断熱材8で受けるので、扉体2の上端面から扉体2に伝達される熱は断熱材8によって遮熱される。
本実施形態では、扉体2の上面の室外側部位に上側突片22を形成したことで、扉体2の上面と上枠10の第1下面102の間の隙間は、室外側にあいじゃくり部(第2隙間G2)が形成された縦断面視L形状の隙間(第1隙間G1+第2隙間G2)を形成しており、室外側で発生した火炎が第1隙間G1に直接侵入することを可及的に抑制している。
室内側で火災が発生した場合には、主見付面1010、第2下面103が限定された受熱面となって加熱されるが、上枠10の内部に充填された石膏Pは結晶水を含んでおり、火災時の熱によって当該結晶水が蒸発することに伴う吸熱によって上枠10及び周囲の温度上昇を抑制する。また、加熱された上枠10の第2下面103から扉体2の上端面に作用する熱は、扉体2の上面に設けた断熱材8で受けるので、扉体2の上端面から扉体2に伝達される熱は断熱材8によって遮熱される。
図6は、図5の状態において火災が発生した場合を示し、火災時の熱で熱膨張耐火部材9が発泡膨張することで、発泡膨張した熱膨張耐火部材9´が第1隙間G1及び第2隙間G2を塞ぎ、同時に、熱膨張耐火部材107が発泡膨張することで、第1隙間G1の室内側に位置する空間を塞ぐことで、扉体2の室外側で発生した火災の火炎が扉体2の上方部位の隙間(第1隙間G1+第2隙間G2)を通って室内側で回り込むことが防止される。
[C−2]扉体の下方部位の遮熱構造
図5に示すように、扉体2が全閉姿勢にある時には、扉体2の下面が下枠11の上面112に隙間を存して対向している。扉体2の全閉姿勢時において、下枠11の大部分は、床面FL内に位置しており、上面112の上方には扉体2の下面が位置しており、下枠11において受熱面は殆どない。第1表面材20の下辺202の端縁と第2表面材21の下辺212の端縁は離間しており、熱膨張耐火部材420の部分が露出している。火災時には、熱膨張耐火部材420が加熱により発泡膨張して、扉体2の下面と下枠11の上面112の隙間を開口幅方向に亘って塞ぐようになっている。
[C−3]扉体の戸先側部位の遮熱構造
図4に示すように、扉体2が全閉姿勢にある時には、扉体2の戸先側見込面が戸先側縦枠12の第1見込面122に隙間を存して対向しており、扉体2の戸先側見込面の室外側部位に突設した戸先側突片23が戸先側縦枠12の内側見付面1205に隙間を存して離間対向しており、これらの隙間は連通して一体の横断面視L形状の隙間を形成しており、この隙間は扉体2の全高に亘って延びている。扉体2の戸先側突片23の先端は、戸先側縦枠12の第2中間見込面1204に離間対向している。
扉体2の第2見付面210の戸先側部位が、気密材S2に圧接しており、気密材S2の内側に隣接して位置する熱膨張耐火部材127が、扉体2の第2見付面210の戸先側部位に離間対向している。気密材S2は、扉体2の戸先側見込面と戸先側縦枠12の第1見込面122との間の隙間の室内側を塞いでいる。
扉体2が全閉姿勢にある時には、扉体2の室外側部位において、主見付面1200は外部に露出する露出面であり、外側見付面1202、第1中間見込面1201は外部に露出しない非露出面となっている。戸先側縦枠12の第1見込面122は、扉体2の戸先側見込面が近接対向することで、非露出面となっている。戸先側縦枠12の内側見付面1205は、扉体2の室外側に位置する戸先側突片23が対向することで、非露出面となっている。戸先側縦枠12の第1見付部120の第2中間見込面1204は完全に隠れてはいないものの、側方には戸先側突片23が位置することから、室外側で火災が発生した時に、火災の熱を直接受け難くなっている。したがって、扉体2の室外側部位においては、主見付面1200が受熱面となっている。
扉体2が全閉姿勢にある時には、扉体2の室内側部位において、主見付面1210、第2見込面123は外部に露出する露出面であり、外側見付面1212、中間見込面1211は外部に露出しない非露出面となっている。扉体2の室内側部位においては、主見付面1210、第2見込面123が受熱面となっている。
室外側で火災が発生した場合には、主見付面1200が限定された受熱面となって加熱され、室内側で火災が発生した場合には、主見付面1210、第2見込面123が限定された受熱面となって加熱されるが、戸先側縦枠12の内部に充填された石膏Pは結晶水を含んでおり、火災時の熱によって当該結晶水が蒸発することに伴う吸熱によって戸先側縦枠12及び周囲の温度上昇を抑制する。
本実施形態では、扉体2の戸先側部位に戸先側突片23を形成したことで、扉体2の戸先側見込面と戸先側縦枠12の第1見込面122の間の隙間の室外側にはあいじゃくり部が形成されており、室外側で発生した火炎が扉体2の戸先側見込面と戸先側縦枠12の第1見込面122の間の隙間に直接侵入することを可及的に抑制している。
第1表面材20の第1側辺203の端縁と第2表面材21の第1側辺213の端縁は離間しており、熱膨張耐火部材520の部分が露出している。火災時の熱で熱膨張耐火部材520が発泡膨張することで、扉体2の戸先側見込面と戸先側縦枠12の第1見込面122との間の隙間を開口高方向に亘って塞ぎ、同時に、火災時の熱で熱膨張耐火部材127が発泡膨張することで、扉体2の室内側見付面の戸先側部位と戸先側縦枠12の中間見付面124との隙間を開口高方向に亘って塞ぐことで、扉体2の室外側で発生した火災の火炎が扉体2の戸先側部位の隙間を通って室内側で回り込むことが防止される。
[C−4]扉体の戸尻側部位の遮熱構造
図4に示すように、扉体2が全閉姿勢にある時には、扉体2の戸尻側見込面が戸尻側縦枠13の第1見込面132に隙間を存して対向している。扉体2の第2見付面210の戸尻側部位が、気密材S3に圧接しており、気密材S3の内側に隣接して位置する熱膨張耐火部材137が、扉体2の第2見付面210の戸尻側部位に離間対向している。気密材S3は、扉体2の戸尻側見込面と戸尻側縦枠13の第1見込面132との間の隙間の室内側を塞いでいる。
扉体2が全閉姿勢にある時には、扉体2の室外側部位において、主見付面1300は外部に露出する露出面であり、外側見付面1302、中間見込面1301は外部に露出しない非露出面となっている。戸尻側縦枠13の第1見込面132は、扉体2の戸尻側見込面が近接対向することで、非露出面となっている。したがって、扉体2の室外側部位においては、主見付面1300が受熱面となっている。
扉体2が全閉姿勢にある時には、扉体2の室内側部位において、主見付面1310、第2見込面133は外部に露出する露出面であり、外側見付面1312、中間見込面1311は外部に露出しない非露出面となっている。扉体2の室内側部位においては、主見付面1310、第2見込面133が受熱面となっている。
室外側で火災が発生した場合には、主見付面1300が限定された受熱面となって加熱され、室内側で火災が発生した場合には、主見付面1310、第2見込面133が限定された受熱面となって加熱されるが、戸尻側縦枠13の内部に充填された石膏Pは結晶水を含んでおり、火災時の熱によって当該結晶水が蒸発することに伴う吸熱によって戸尻側縦枠13及び周囲の温度上昇を抑制する。
第1表面材20の第2側辺204の端縁と第2表面材21の第2側辺214の端縁は離間しており、熱膨張耐火部材620の部分が露出している。火災時の熱で熱膨張耐火部材620が発泡膨張することで、扉体2の戸尻側見込面と戸尻側縦枠13の第1見込面132との間の隙間を開口高方向に亘って塞ぎ、同時に、火災時の熱で熱膨張耐火部材137が発泡膨張することで、扉体2の室内側見付面の戸先側部位と戸尻側縦枠13の中間見付面134との隙間を開口高方向に亘って塞ぐことで、扉体2の室外側で発生した火災の火炎が扉体2の戸尻側部位の隙間を通って室内側で回り込むことが防止される。
[D]扉体の上方部位の遮熱構造の他の形態
[D−1]第2実施形態
図7、図8を参照しつつ、扉体の上方部位の遮熱構造の第2実施形態について説明する。上枠10の構成については、既述の第1実施形態と同じであり、既述の記載を援用することができる。扉体2の上面は、第1表面材20の上辺201と第2表面材21の上辺211から形成されており、上面の室外側部位には上側突片22が形成されている。
第1実施形態と異なる点は、第1実施形態では、扉体2の上面に断熱材8、熱膨張耐火部材9が設けてあるのに対して、第2実施形態では、上枠10の第1下面102に断熱材8、熱膨張耐火部材9が設けてある点である。
図7に示すように、扉体2が全閉姿勢にある時には、上枠10の第1下面102に設けた断熱材8、熱膨張耐火部材9が、扉体2の上面に第1隙間G1を存して対向しており、扉体2の上面の室外側部位に突設した上側突片22が上枠10の第1見付部100の下側見付面1005に第2隙間G2を存して離間対向している。第1隙間G1は側面視において水平状に延びる隙間であり、第2隙間G2は側面視において垂直状に延びる隙間であり、第1隙間G1と第2隙間G2は連通して一体の縦断面視L形状の隙間を形成しており、この隙間は扉体2の全幅に亘って延びている。
室外側で火災が発生した場合には、主見付面1000が限定された受熱面となって加熱され、室内側で火災が発生した場合には、主見付面1010、第2下面103が限定された受熱面となって加熱されるが、上枠10の内部に充填された石膏Pは結晶水を含んでおり、火災時の熱によって当該結晶水が蒸発することに伴う吸熱によって上枠10及び周囲の温度上昇を抑制する。また、加熱された上枠10の第1下面102から扉体2の上端面に作用する熱は、上枠10の第1下面102に設けた断熱材8で受けるので、上枠10から扉体2の上端面に伝達される熱は断熱材8によって遮熱される。
第1実施形態と同様、扉体2の上面と上枠10の第1下面102の間の隙間は、室外側にあいじゃくり部(第2隙間G2)が形成された縦断面視L形状の隙間(第1隙間G1+第2隙間G2)を形成しており、室外側で発生した火炎が第1隙間G1に直接侵入することを可及的に抑制している。
図8は、図7の状態において火災が発生した場合を示し、火災時の熱で熱膨張耐火部材9が発泡膨張することで、発泡膨張した熱膨張耐火部材9´が第1隙間G1及び第2隙間G2の下方部位を塞ぎ、同時に、熱膨張耐火部材107が発泡膨張することで、第1隙間G1の室内側に位置する空間を塞いでおり、扉体2の室外側で発生した火災の火炎が扉体2の上方部位の隙間(第1隙間G1+第2隙間G2)を通って室内側で回り込むことが防止される。
[D−2]第3実施形態
図9、図10を参照しつつ、扉体の上方部位の遮熱構造の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第1表面材20の主面部(第1見付面)200の上端部位は、上面を越えて上方に延出する第1上側突片22´を形成しており、第2表面材21の主面部(第2見付面)210の上端部位は、上面を越えて上方に延出する第2上側突片22´を形成している。すなわち、扉体2の上面(上辺201、上辺211)の室外側部位には第1上側突片22´が形成されており、室内側部位には第2上側突片22´が形成されており、扉体の上面は凹状となっている。
対向する立ち上がり部である第1上側突片22、第2上側突片22´と、底部である扉体2の上面(上辺201、上辺211)から形成された凹部には、断熱材8´が充填されており、断熱材8´の上面には、熱膨張耐火部材9が設けてある。第1上側突片22、第2上側突片22´の上端は、熱膨張耐火部材9の上面よりも僅かに上方に位置している。断熱材8´を形成する材料は所定の耐火性、断熱性を備えているものであれば限定されず、例えば、ケイ酸カルシウム板、ロックウール、グラスウール、軽量気泡コンクリートパネル(ACLパネル)、石膏ボード、繊維強化セメント板、その他の断熱性の耐火芯材の1つあるいは複数の組み合わせから形成することができ、さらに、他の耐火性ないし断熱性を備えた材料が含まれていてもよい。
第3実施形態に係る上枠10の第1見付部100は、主見付面1000と上側見付面1002と、主見付面1000の上端と上側見付面1002の下端間で延びる上側中間水平面1001とからなり、第1下面102は、主見付面1000の下端から室内側に向かって水平に延びている。扉体2の全閉姿勢時において、扉体2の上端(第1上側突片22の上端、第2上側突片22´の上端、熱膨張耐火部材9の上面)は、上枠10の第1下面102に隙間を存して対向している。隙間の室内側には、熱膨張耐火部材107が対向している。
室外側で火災が発生した場合には、主見付面1000が限定された受熱面となって加熱されるが、上枠10の内部に充填された石膏Pは結晶水を含んでおり、火災時の熱によって当該結晶水が蒸発することに伴う吸熱によって上枠10及び周囲の温度上昇を抑制する。また、加熱された上枠10の第1下面102から扉体2の上端面に作用する熱、及び、上枠10の第1下面102と扉体2の上端面との間の隙間を通って侵入する熱気によって扉体2の上端面に作用する熱は、扉体2の上面に設けた断熱材8で受けるので、扉体2の上端面から扉体2に伝達される熱は断熱材8によって遮熱される。
室内側で火災が発生した場合には、主見付面1010、第2下面103が限定された受熱面となって加熱されるが、上枠10の内部に充填された石膏Pは結晶水を含んでおり、火災時の熱によって当該結晶水が蒸発することに伴う吸熱によって上枠10及び周囲の温度上昇を抑制する。また、加熱された上枠10の第2下面103から扉体2の上端面に作用する熱は、扉体2の上面に設けた断熱材8で受けるので、扉体2の上端面から扉体2に伝達される熱は断熱材8によって遮熱される。
図10は、図9の状態において火災が発生した場合を示し、火災時の熱で熱膨張耐火部材9が発泡膨張することで、発泡膨張した熱膨張耐火部材9´が上枠10の第1下面102と扉体2の上端面との間の隙間を塞ぎ、同時に、熱膨張耐火部材107が発泡膨張することで、上記隙間の室内側に位置する空間を塞ぐことで、扉体2の室外側で発生した火災の火炎が上記隙間を通って室内側で回り込むことが防止される。
[D−3]第4実施形態
図11を参照しつつ、扉体の上方部位の遮熱構造の第4実施形態について説明する。扉体2の上方部位の構成、上枠10の構成については、既述の第1実施形態と同じであり、既述の記載を援用することができる。
第1実施形態と異なる点は、第1実施形態では、上枠10の第1見付部100の上側見付面1002、上側中間水平面1001、第2見付部101の上側見付面1012、中間水平面1011がそれぞれ耐火ボード14、15からなる壁体に覆われて非露出部分となっているのに対して、第4実施形態では、上枠10の第1見付部100の上側見付面1002、上側中間水平面1001、第2見付部101の上側見付面1012、中間水平面1011が天井16内に納まることで、非露出部分となっている点である。火災時における扉体の上方部位の遮熱構造の第4実施形態の作用については、第1実施形態の説明を援用することができる。
[D−4]参考形態
図12、図13を参照しつつ、扉体の上方部位の遮熱構造の参考形態について説明する。上枠10の構成については、既述の第1実施形態と同じであり、既述の記載を援用することができる。扉体2の上面は、第1表面材20の上辺201と第2表面材21の上辺211から形成されており、上面の室外側部位には上側突片22が形成されている。
第1実施形態と異なる点は、第1実施形態では、扉体2の上面に断熱材8、熱膨張耐火部材9が設けてあるのに対して、参考形態では、断熱材8、熱膨張耐火部材を備えていない点である。
図12に示すように、扉体2が全閉姿勢にある時には、上枠10の第1下面102が、扉体2の上面に第1隙間G1´を存して対向しており、扉体2の上面の室外側部位に突設した上側突片22が上枠10の第1見付部100の下側見付面1005に第2隙間G2´を存して離間対向している。第1隙間G1´は側面視において水平状に延びる隙間であり、第2隙間G2´は側面視において垂直状に延びる隙間であり、第1隙間G1´と第2隙間G2´は連通して一体の縦断面視L形状の隙間を形成しており、この隙間は扉体2の全幅に亘って延びている。
本形態では、扉体2の上面の室外側部位に上側突片22を形成したことで、扉体2の上面と上枠10の第1下面102の間の隙間は、室外側にあいじゃくり部(第2隙間G2´)が形成された縦断面視L形状の隙間(第1隙間G1´+第2隙間G2´)を形成しており、室外側で発生した火炎が第1隙間G1´に直接侵入することを可及的に抑制している。
図13は、図12の状態において火災が発生した場合を示す。第1表面材20の上辺201の端縁と第2表面材21の上辺211の端縁は離間しており、熱膨張耐火部材320の部分が露出している。火災時の熱で熱膨張耐火部材320が発泡膨張することで、第1隙間G1´を開口幅方向に塞ぎ、同時に、熱膨張耐火部材107が発泡膨張することで、第1隙間G1´の室内側に位置する空間を塞ぎ、扉体2の室外側で発生した火災の火炎が扉体2の上方部位の隙間(第1隙間G1´+第2隙間G2´)を通って室内側まで回り込むことが防止される。
[E]扉体の戸先側見込面、戸尻側見込面、下面への断熱材の適用
扉体2の見付面(開放側に位置する第1見付面200、反対側の第2見付面210)及び見込面(上面、下面、戸先側見込面、戸尻側見込面)は第1表面材20、第2表面材21から形成されており、本発明の1つの技術手段では、扉体2の上面に断熱材8を設けている。ここで、扉体2の上面に加えて、戸先側見込面、戸尻側見込面、下面の少なくとも1つの面に断熱材を設けてもよい。開口部全閉時において、扉体の見込面(戸先側見込面、戸尻側見込面、下面)に設けた断熱材とドア枠1の対応する見込面(戸先側縦枠12の第1見込面122、戸尻側縦枠13の第1見込面132、下枠11の上面112)が隙間を存して対向する。扉体2の下面や側面に断熱材を設けることで、火災時に、扉体2の側方や下方から扉体2の見込面や下面に作用する熱に対する遮熱効果を奏する。
扉体2の上面に加えて、戸先側見込面、戸尻側見込面、下面の少なくとも1つの面に断熱材を設けた場合において、さらに、対向する断熱材とドア枠1の見込面の少なくとも一方には熱膨張耐火部材を設け、開口部全閉時には、前記熱膨張耐火部材が、対向する断熱材とドア枠の見込面の間の隙間に位置するようにしてもよい。
例えば、断熱材、熱膨張耐火部材を扉体2の戸先側見込面に形成した場合には、扉体2の開放側の第1見付面200の戸先側部位は、第1表面材20の部分から形成された戸先側突片23となっており、ドア枠1の戸先側縦枠12には、開口部全閉時において、戸先側突片23が隙間を存して対向する内側見付面1205が形成されており、熱膨張耐火部材が、開口部全閉時において、戸先側縦枠12の第1見込面122に対向すると共に、少なくとも部分的に戸先側突片23と内側見付面1205の隙間に対向するように、前記断熱材に設けてある。あるいは、扉体2の開放側の第1見付面200の戸尻側部位は、第1表面材20の部分から形成された突片となっており、ドア枠1の戸尻側縦枠13には、開口部全閉時において、前記突片が隙間を存して対向する見付面が形成されており、熱膨張耐火部材が、開口部全閉時において、戸尻側縦枠12の第1見込面132に対向すると共に、少なくとも部分的に前記突片と前記見付面の隙間に対向するように、前記断熱材に設けてある。あるいは、下枠11に類似の構成を採用してもよい。
上述のように、第3実施形態において、扉体2の両見付面200、210の上端部位は、表面材(第1表面材20、第2表面材21)の部分から形成された突片(第1上側突片22、第2上側突片22´)となっており、表面材の部分(上辺201、上辺211)から形成された扉体2の上面と2つの突片(第1上側突片22、第2上側突片22´)の間に位置して断熱材8´が設けられ、開口部全閉時には、断熱材8´の上面に設けた熱膨張耐火部材9が上枠10の下面(第1下面102)に対向している。第3実施形態に係る扉体2の上方部位の上記構成を、扉体2の戸先側部位、戸尻側部位、下方部位の1つあるいは複数に適用してもよい。
具体的には、扉体2の両見付面200、210の戸先側部位は、表面材(第1表面材20、第2表面材21)の部分から形成された突片となっており、前記表面材の部分(第1側辺203、第1側辺213)から形成された扉体2の戸先側見込面と前記2つの突片の間に位置して断熱材が設けられ、開口部全閉時には、前記断熱材に設けた熱膨張耐火部材がドア枠1の戸先側縦枠12の第1見込面122に対向している。あるいは、扉体2の両見付面200、210の戸尻側部位は、表面材(第1表面材20、第2表面材21)の部分から形成された突片となっており、前記表面材の部分(第2側辺204、第2側辺214)から形成された扉体2の戸尻側見込面と前記2つの突片の間に位置して前記断熱材が設けられ、開口部全閉時には、前記断熱材に設けた熱膨張耐火部材がドア枠1の戸尻側縦枠12の第1見込面132に対向している。あるいは、扉体2の両見付面200、210の下端部位は、表面材(第1表面材20、第2表面材21)の部分から形成された突片となっており、前記表面材の部分(下辺202、下辺212)から形成された扉体2の下面と前記2つの突片の間に位置して前記断熱材が設けられ、開口部全閉時には、前記断熱材の下面に設けた熱膨張耐火部材が前記下枠の上面112に対向している。
[F]上枠の受熱面と内部に充填した石膏量との関係の組み合わせ
図16を参照しつつ、上枠10の受熱面と内部に充填した石膏Pの体積(量)の組み合わせと、上枠10の遮熱効果について説明する。開口部全閉時に室内側で火災が発生した場合を想定する。上枠10の受熱面の面積と石膏Pの体積との関係を、上枠10の断面図をモデルに考える。上枠10の受熱面の面積と石膏Pの体積との関係は、受熱面の総線長Lと上枠の内部の断面積Aとの関係で規定することができる。L/Aが小さいほど、遮熱効果が大きいと考えられる。
(A)に示すモデルでは、上枠10の断面積をA1、受熱面の総線長Lをa1+a2+a3+a4としたときに、L/A1≒0.036である。このモデルでは、受熱面積に対して、上枠10の温度上昇を抑制できる石膏Pの量が足りない。
(B)に示すモデルでは、上枠10の断面積をA2、受熱面の総線長Lをa1+a2+a3+a4´としたときに、L/A2≒0.026である。このモデルでは、上枠10の高さ寸法を大きくすることで石膏Pを増量しているが、上枠10の高さ寸法を大きくした分受熱面積も増加している。
(C)に示すモデルでは、上枠10の断面積をA3、受熱面の総線長Lをa1+a3+a2としたときに、L/A3≒0.016である。このモデルでは、上枠10の高さ寸法を大きくすることで石膏Pを増量する一方、上枠10の見付部の一部a4´´を壁内で上方に延ばすことによって、受熱面積を増加させることなく、石膏Pを増量している。このように、上枠10の高さ寸法を大きくする一方、上枠10の高さの増加に伴う上枠10の見付部の高さ寸法の増加を、前記見付部を躯体(壁や天井)内で延びるようにすることで、見付部を部分的に隠して限定した受熱面積を得るようにしている。
1 ドア枠
10 上枠
102 室外側の第1下面
1005 下側見付面
2 扉体
20 第1表面材
200 第1見付面
201 第1表面材の上辺(扉体の上面)
21 第2表面材
210 第2見付面
211 第2表面材の上辺(扉体の上面)
22 上側突片、第1上側突片
22´ 第2上側突片
3 上フレーム
4 下フレーム
5 戸先側縦フレーム
6 戸尻側縦フレーム
8 断熱材
8´ 断熱材
9 熱膨張耐火部材
9´ 発泡膨張した熱膨張耐火部材
G1 第1隙間
G2 第2隙間
P 石膏

Claims (8)

  1. 四周状のフレームと、
    前記四周状のフレームに固定された表面材と、
    を備えた扉体と、
    ドア枠と、からなるドア装置において、
    前記扉体は前記表面材の部分からなる四周状の見込面を備え、
    前記ドア枠は、開口部全閉時において、前記扉体の前記見込面に対向する四周状の見込面を備え、
    前記扉体の前記見込面の少なくとも一部には、断熱材が設けてあり、開口部全閉時において、前記断熱材が前記ドア枠の前記見込面の少なくとも一部に隙間を存して対向する、
    ドア装置。
  2. 前記断熱材と当該断熱材に対向する前記見込面の少なくとも一部の少なくとも一方には熱膨張耐火部材が設けてあり、開口部全閉時には、前記熱膨張耐火部材が前記隙間に位置する、
    請求項1に記載のドア装置。
  3. 前記扉体の前記見込面の少なくとも一部は、上面であり、前記上面に断熱材が設けてあり、
    前記ドア枠の前記見込面の少なくとも一部は、上枠の下面であり、
    開口部全閉時において、前記断熱材と前記ドア枠の上枠の下面が隙間を存して対向する、
    請求項1、2いずれか1項に記載のドア装置。
  4. 前記断熱材の上面、前記上枠の下面の少なくとも一方には熱膨張耐火部材が設けてあり、開口部全閉時には、前記熱膨張耐火部材が前記隙間に位置しており、
    前記扉体の開放側の見付面の上端部位は、前記表面材の部分から形成された突片となっており、
    前記上枠には、開口部全閉時において、前記突片が隙間を存して対向する見付面が形成されており、
    前記熱膨張耐火部材は、開口部全閉時において、前記上枠の下面に対向すると共に、少なくとも部分的に前記突片と前記見付面の隙間に対向するように、前記断熱材の上面に設けてある、
    請求項3に記載のドア装置。
  5. 前記断熱材の上面、前記上枠の下面の少なくとも一方には熱膨張耐火部材が設けてあり、開口部全閉時には、前記熱膨張耐火部材が前記隙間に位置しており、
    前記扉体の両見付面の上端部位は、前記表面材の部分から形成された突片となっており、
    前記表面材の部分から形成された扉体の上面と前記2つの突片の間に位置して前記断熱材が設けられ、
    開口部全閉時には、前記断熱材の上面に設けた熱膨張耐火部材が前記上枠の下面に対向している、
    請求項3に記載のドア装置。
  6. 四周状のフレームと、
    前記四周状のフレームに固定された表面材と、
    を備えた扉体と、
    ドア枠と、からなるドア装置において、
    前記扉体は前記表面材の部分からなる四周状の見込面を備え、
    前記ドア枠は、開口部全閉時において、前記扉体の前記見込面に対向する四周状の見込面を備え、
    前記ドア枠の前記見込面の少なくとも一部には、断熱材が設けてあり、開口部全閉時において、前記断熱材が前記扉体の前記見込面の少なくとも一部に隙間を存して対向する、
    ドア装置。
  7. 前記断熱材と当該断熱材に対向する前記見込面の少なくとも一部の少なくとも一方には熱膨張耐火部材が設けてあり、開口部全閉時には、前記熱膨張耐火部材が前記隙間に位置する、
    請求項6に記載のドア装置。
  8. 前記ドア枠は中空状であり、少なくとも上枠内には結晶水ないし自由水を含む材料からなる充填材が充填されている、
    請求項1〜7いずれか1項に記載のドア装置。
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