JP2020164701A - 研磨用組成物および磁気ディスク基板製造方法 - Google Patents
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Description
ここに開示される研磨用組成物は、ニッケルリンめっきが施された磁気ディスク基板(以下、Ni−P基板ともいう)の研磨(好ましくは仕上げ研磨)に用いられる研磨用組成物であって、砥粒と、酸と、酸化剤と、欠陥低減剤と、水とを含む。
ここに開示される研磨用組成物は、砥粒を含有する。砥粒は、Ni−P基板の表面を機械的に研磨する働きを有する。砥粒の平均一次粒子径は特に限定されない。好ましい一態様において、BET法により測定される砥粒の平均一次粒子径は1nm以上である。平均一次粒子径の増大によって、より高い研磨速度が実現され得る。研磨効率等の観点から、上記平均一次粒子径は、好ましくは3nm以上、より好ましくは5nm以上、さらに好ましくは10nm以上、特に好ましくは15nm以上である。また、より面精度の高い表面を得るという観点から、上記平均一次粒子径は、好ましくは50nm以下、より好ましくは45nm以下、さらに好ましくは40nm以下、特に好ましくは35nm以下である。いくつかの態様において、上記平均一次粒子径は、例えば30nm以下としてもよく、典型的には25nm以下(例えば20nm以下)としてもよい。
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には、上述のような砥粒の他に、該砥粒を分散させる水を含有する。水としては、イオン交換水、純水、超純水、蒸留水等を好ましく用いることができる。上記イオン交換水は、脱イオン水であり得る。
ここに開示される研磨用組成物は、酸を含む。酸は、Ni−P基板を化学的に研磨する働きをする。酸としては、無機酸および有機酸のいずれも使用可能である。酸は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機酸の具体例としては、マロン酸、クエン酸、イソクエン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、マレイン酸、リンゴ酸、グリコール酸、コハク酸、イタコン酸、イミノ二酢酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、酒石酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アジピン酸、シュウ酸、吉草酸、エナント酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、シクロヘキサンカルボン酸、フェニル酢酸、安息香酸、クロトン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノレン酸、メタクリル酸、グルタル酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、メチレンコハク酸、没食子酸、アスコルビン酸、ニトロ酢酸、オキサロ酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、ニコチン酸やピコリン酸等のピリジンカルボン酸、等の有機カルボン酸;メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、エチルグリコールアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、フィチン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸、アミノポリ(メチレンホスホン酸)等の有機ホスホン酸;エタンスルホン酸、アミノエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、スルホコハク酸、10−カンファースルホン酸、タウリン等の有機スルホン酸;グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、プロリン、シスチン、グルタミン、アスパラギン、リシン、アルギニン等のアミノ酸;等が挙げられる。
ここに開示される研磨用組成物は、酸化剤を含有する。酸化剤の例としては、過酸化物、硝酸またはその塩、過ヨウ素酸またはその塩、ペルオキソ酸またはその塩、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、酸素酸またはその塩、金属塩類、硫酸類等が挙げられるが、これらに限定されない。酸化剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、硝酸、硝酸鉄、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ一硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸金属塩、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過塩素酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸金属塩、重クロム酸金属塩、塩化鉄、硫酸鉄、クエン酸鉄、硫酸アンモニウム鉄等が挙げられる。好ましい酸化剤として、過酸化水素、硝酸鉄、過ヨウ素酸、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ二硫酸および硝酸が例示される。少なくとも過酸化水素を含むことが好ましく、過酸化水素からなることがより好ましい。
ここに開示される研磨用組成物は、欠陥低減剤を含む。欠陥低減剤は、Ni−P基板の研磨における欠陥(典型的にはスクラッチ)発生を抑制する働きを有する。ここに開示される技術において、上記欠陥低減剤は、第1欠陥低減剤と第2欠陥低減剤とを含む。
第1欠陥低減剤は、アゾール類およびその誘導体からなる群から選択される一種または二種以上である。
トリアゾールおよびその誘導体の例には、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸メチル、1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、3,5−ジアミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−チオール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−ベンジル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール、3−ブロモ−5−ニトロ−1,2,4−トリアゾール、4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェノール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3,5−ジプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3,5−ジメチル−4H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3,5−ジヘプチル−4H−1,2,4−トリアゾール、5−メチル−1,2,4−トリアゾール−3,4−ジアミン等の他、ベンゾトリアゾール類が含まれる。ここでベンゾトリアゾール類とは、分子内にベンゾトリアゾール骨格を含む化合物を指し、具体例としては、1H−ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−アミノベンゾトリアゾール、1−カルボキシベンゾトリアゾール、5−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール、5−ニトロ−1H−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−(1’,2’−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]−5−メチルベンゾトリアゾール、2,2’−[[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール等が挙げられる。なかでも、1,2,4−トリアゾールまたは1H−ベンゾトリアゾールが好ましい。
テトラゾールおよびその誘導体の例には、1H−テトラゾール、5−メチルテトラゾール、5−アミノテトラゾール、5−フェニルテトラゾール等が含まれる。
イミダゾールおよびその誘導体の例には、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルピラゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、5,6−ジメチルベンゾイミダゾール、2−アミノベンゾイミダゾール、2−クロロベンゾイミダゾール、2−メチルベンゾイミダゾール、2−(1−ヒドロキシエチル)ベンズイミダゾール、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,5−ジメチルベンズイミダゾール、5−メチルベンゾイミダゾール、5−ニトロベンズイミダゾール、1H−プリン等が含まれる。
ピラゾールおよびその誘導体の例には、1H−ピラゾール、4−ニトロ−3−ピラゾールカルボン酸、3,5−ピラゾールカルボン酸、3−アミノ−5−フェニルピラゾール、5−アミノ−3−フェニルピラゾール、3,4,5−トリブロモピラゾール、3−アミノピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3,5−ジメチル−1−ヒドロキシメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、1−メチルピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、4−アミノ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、アロプリノール、4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−D]ピリミジン、3,4−ジヒドロキシ−6−メチルピラゾロ(3,4−B)−ピリジン、6−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−アミン等が含まれる。
第2欠陥低減剤は、下記一般式(1)で表される化合物および下記一般式(2)で表される化合物からなる群から選択される一種または二種以上である。かかる第2欠陥低減剤を用いると、上記第1欠陥低減剤と組み合わせて用いられて、研磨効率を過度に低下させることなく、Ni−P基板の表面に発生し得る欠陥(典型的にはスクラッチ)を好適に低減させることができる。
ここに開示される技術の好ましい一態様において、上記研磨用組成物は水溶性高分子を含有してもよい。水溶性高分子は、研磨中の基板を保護し、欠陥の発生を抑制する機能を発揮し得る。ここでいう水溶性高分子は、典型的には重量平均分子量(Mw)が500以上、好ましくは1000以上の化合物である。水溶性高分子は、単独重合体でもよく、共重合体でもよい。水溶性高分子としては、アニオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、両性ポリマーのいずれも使用可能である。研磨用組成物の分散安定性の観点から、いくつかの態様において、アニオン性ポリマーを好ましく採用し得る。
研磨用組成物には、pH調整等の目的で、必要に応じて塩基性化合物を含有させることができる。ここで塩基性化合物とは、研磨用組成物に添加されることによって該組成物のpHを上昇させる機能を有する化合物を指す。塩基性化合物の例としては、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化第四級アンモニウム等の第四級アンモニウム化合物、アンモニア、アミン等が挙げられる。塩基性化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここに開示される研磨用組成物は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、界面活性剤、キレート剤、防腐剤、防カビ剤等の、研磨用組成物(例えば、Ni−P基板等のような磁気ディスク基板用の研磨用組成物)に使用され得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。例えば、防腐剤および防カビ剤の例としては、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系防腐剤、パラオキシ安息香酸エステル類、フェノキシエタノール等が挙げられるが、これらに制限されない。
ここに開示される研磨用組成物のpHは、4.0以下である。研磨効率等の観点から、研磨用組成物のpHは、好ましくは3.7以下、より好ましくは3.5以下であり、3.2以下でもよく、3.0以下でもよく、2.5以下でもよく、2.2以下でもよい。また、研磨用組成物のpHは、通常、1.0より高くすることが適当であり、研磨後の基板表面の荒れを抑制する観点から、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上(例えば1.5超)であり、1.7以上でもよい。ここに開示される技術は、研磨用組成物のpHが例えば1.5以上3.7以下である態様で好ましく実施され得る。上述したpHは、Ni−P基板の仕上げ研磨用の研磨用組成物において特に好ましく適用され得る。
ここに開示される研磨用組成物は、研磨対象物(例えば磁気ディスク基板)に供給される前には濃縮された形態(すなわち、研磨液の濃縮液の形態)であってもよい。このように濃縮された形態の研磨用組成物(濃縮液)は、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から有利である。濃縮倍率は、例えば、体積換算で1.5倍〜20倍程度とすることができる。濃縮液の貯蔵安定性等の観点から、通常は2倍〜10倍程度の濃縮倍率が適当である。かかる濃縮液は、所望のタイミングで希釈して研磨用組成物(研磨液)を調製し、その研磨液を研磨対象物に供給する態様で使用することができる。上記希釈は、典型的には、上記濃縮液に水を加えて混合することにより行うことができる。
ここに開示される研磨用組成物は、一剤型であってもよいし、二剤型を始めとする多剤型であってもよい。例えば、該研磨用組成物の構成成分(典型的には、水以外の成分)のうち一部の成分を含むパートAと、残りの成分を含むパートBとが混合されて研磨対象物の研磨に用いられるように構成されていてもよい。好ましい一態様に係る多剤型研磨用組成物は、砥粒を含むパートA(典型的には、該砥粒の分散媒をさらに含む分散液)と、砥粒以外の成分の少なくとも一部(例えば、酸、欠陥低減剤等)を含むパートBとを含んで構成されている。通常、これらは、使用前は分けて保管されており、使用時に混合して一液の研磨用組成物が調製され得る。混合時には、例えば過酸化水素等の酸化剤や、希釈用の水等がさらに混合され得る。
ここに開示される研磨用組成物は、例えば以下の操作を含む態様で、研磨対象物(ここではNi−P基板)の研磨に好適に使用することができる。以下、ここに開示される研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する方法の好適な一態様につき説明する。
すなわち、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を含む研磨液(ワーキングスラリー)を用意する。上記研磨液を用意することには、研磨用組成物に濃度調整(例えば希釈)やpH調整等の操作を加えて研磨液を調製することが含まれ得る。あるいは、研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。
アルカリ洗浄工程に使用するアルカリ性洗浄液のpHは、例えば7.5以上であってよく、洗浄性向上の観点から、好ましくは8.0以上であり、より好ましくはpH8.5以上、例えば8.8以上である。また、洗浄による基板表面の荒れを防ぐ観点から、上記アルカリ性洗浄液のpHは、通常、11以下が適当であり、10以下が好ましく、9.5以下がより好ましい。アルカリ性洗浄液としては、上述した塩基性化合物の一種または二種以上を含む水溶液を用いることができる。なかでもアルカリ金属水酸化物の水溶液が好ましく、例えば水酸化カリウム水溶液を好ましく使用し得る。アルカリ洗浄工程は、市販のアルカリ洗浄液を用いて行ってもよい。
ここに開示される研磨用組成物は、ニッケルリンめっきが施された磁気ディスク基板(Ni−P基板の研磨に用いられて、該Ni−P基板の表面の欠陥数を効果的に低減し得る。上記Ni−P基板は、典型的には、基材の表面にニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板である。上記基材の材質は、例えば、アルミニウム合金、ガラス、ガラス状カーボン等であり得る。ここに開示される研磨用組成物は、例えば、アルミニウム合金製の基材上にニッケルリンめっき層を有するNi−P基板の研磨に好ましく用いられ得る。
この明細書によると、ここに開示される研磨用組成物を用いた研磨工程と、該研磨工程後に行われるアルカリ洗浄工程と、を備えるNi−P基板の製造方法および該方法により製造されたNi−P基板が提供され得る。
(実施例1)
砥粒(5重量%)、酸(1.5重量%)、水溶性高分子(0.008重量%)、第1欠陥低減剤(0.05重量%)、第2欠陥低減剤(0.02重量%)、過酸化水素(0.4重量%)および脱イオン水を含み、水酸化カリウムでpH2.0に調整された研磨用組成物を調製した。砥粒としては、平均粒子径18nmのコロイダルシリカを使用した。酸としては、リン酸(オルトリン酸)を用いた。水溶性高分子としては、重量平均分子量(Mw)が1.0×104のポリスチレンスルホン酸ナトリウムを使用した。第1欠陥低減剤としては、1H−ベンゾトリアゾールを使用した。第2欠陥低減剤としては、メチルアシッドホスフェートを使用した。
第1欠陥低減剤および第2欠陥低減剤の種類および含有量を表1に示す通りにしたこと以外は実施例1と同様にして、各例に係る研磨用組成物を調製した。
第2欠陥低減剤を用いないことと第1欠陥低減剤の含有量を表1に示す通りにしたこと以外は実施例1と同様にして、各例に係る研磨用組成物を調製した。
第1欠陥低減剤を用いないことと第2欠陥低減剤の種類および含有量を表1に示す通りにしたこと以外は実施例1と同様にして、各例に係る研磨用組成物を調製した。
第2欠陥低減剤のメチルアシッドホスフェートの代わりに、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンを用いたこと以外は実施例1と同様にして、各例に係る研磨用組成物を調製した。
リン酸の代わりに、メチルアシッドホスフェートを使用したこと以外は比較例1と同様にして、各例に係る研磨用組成物を調製した。
各例に係る研磨用組成物をそのまま研磨液に使用して、下記の条件で研磨対象物の研磨を行った。研磨対象物としては、表面に無電解ニッケルリンめっき層を備えたハードディスク用アルミニウム基板を、Schmitt Measurement System社製レーザースキャン式表面粗さ計「TMS−3000WRC」により測定される表面粗さ(算術平均粗さ(Ra))の値が6Åとなるように予備研磨したものを使用した。上記研磨対象物の直径は3.5インチ(外径約95mm、内径約25mmのドーナツ型)、厚さは1.27mmであった。
研磨装置:スピードファム社製の両面研磨機の両面研磨機、型式「9B−5P」
研磨パッド:スウェードノンバフタイプ
研磨対象基板の投入枚数:10枚((2枚/キャリア)×5キャリア×1バッチ))
研磨液の供給レート:130mL/分
研磨荷重:120g/cm2
下定盤回転数:20rpm
研磨時間:5分
研磨後のNi−P基板を純水に浸漬して周波数170kHzで超音波処理を行い、続いてアルカリ性洗浄液(スピードファム(株)から入手可能な洗浄液「CSC−102B」を体積基準で200倍に希釈したもの)に浸漬し、周波数170kHzの超音波を付与しながらポリビニルアルコール製スポンジによるスクラブ洗浄を行った。次いで上記基板を純水に浸漬して周波数950kHzで超音波処理を行った後、イソプロピルアルコール雰囲気中に引き上げて乾燥させた。
各例に係る研磨用組成物により研磨し、洗浄を行って得られた基板の中から計6枚(3枚/1バッチ)を無作為に選択し、各基板の研磨による基板の重量減少量を測定することにより研磨レートを算出し、これを平均することにより各例の研磨レートとした。具体的には、研磨レートは、次の計算式に基づいて求めた。
研磨レート[μm/分]=研磨による基板の重量減少量[g]/(基板の片面面積[cm2]×ニッケルリンめっきの密度[g/cm3]×研磨時間[分])×104
ここで、基板の片面面積は66cm2、ニッケルリンめっきの密度は7.9g/cm3として計算した。得られた値を、比較例1の値を100%とする相対値に換算して、表1の「研磨レート」の欄に示した。
各例に係る研磨用組成物により研磨し、洗浄を行って得られた基板の中から計5枚を無作為に選択し、各基板の両面にあるスクラッチを下記条件で検出した。5枚(計10面)のスクラッチ数の合計を10で除して基板片面あたりのスクラッチ数(本/面)を算出した。このようにして求めたスクラッチ数を、比較例1のスクラッチ数を100とする相対値に換算して表1の「スクラッチ」の欄に示した。
測定装置:ケーエルエー・テンコール株式会社製 Candela OSA7100
Spindle speed:10000rpm
測定範囲:17000−47000μm
Step size:4μm
Encoder multiplier:×16
検出チャンネル:P‐Sc channel
Claims (10)
- ニッケルリンめっきが施された磁気ディスク基板の研磨に用いられる研磨用組成物であって、
砥粒と、酸と、酸化剤と、欠陥低減剤と、水とを含み、
前記欠陥低減剤として、
アゾール類およびその誘導体からなる群から選択される一種または二種以上である第1欠陥低減剤と、
一般式(1):
一般式(2):
を含む研磨用組成物。 - 前記研磨用組成物における前記第2欠陥低減剤の濃度CD2[重量%]が、0.0005重量%以上1重量%未満である、請求項1に記載の研磨用組成物。
- 前記研磨用組成物における前記第1欠陥低減剤の濃度CD1[重量%]に対する前記研磨用組成物における前記第2欠陥低減剤の濃度CD2[重量%]の比(CD2/CD1)が、0.1以上10未満である、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
- 前記研磨用組成物における前記酸の濃度CA[重量%]が、1重量%以上15重量%以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
- 前記研磨用組成物における前記酸の濃度CA[重量%]に対する前記研磨用組成物における前記第2欠陥低減剤の濃度CD2[重量%]の比(CD2/CA)が、0.0005以上0.6以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
- さらに水溶性高分子を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
- 前記水溶性高分子はスルホン酸系重合体である、請求項6に記載の研磨用組成物。
- 前記砥粒の平均一次粒子径が1nm以上50nm以下である、請求項1から7のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
- 前記砥粒はシリカ粒子である、請求項1から8のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
- ニッケルリンめっきが施された磁気ディスク基板を、請求項1から9のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて研磨する工程を含む、磁気ディスク基板製造方法。
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