JP2020164459A - 液状口唇化粧料 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、シリコーンエラストマーと常温で液体の油性成分から得られるペースト状物、板状粉体、油性成分を含有する唇用下地料が、小じわ隠蔽効果を有し、その上に口紅等を塗布したときの均一性、化粧持続性等を向上させることが記載されている。
(A)融点が30℃以上61℃未満のペースト油 5〜50質量%、
(B)25℃で液状の油成分、
(C)成分(E)を除く板状粉体、
(D)成分(E)を除く球状粉体、
(E)着色顔料及びパール顔料から選ばれる1種又は2種以上
を含有し、成分(C)及び(D)の合計含有量が、10〜60質量%である液状口唇化粧料に関する。
本発明において、融点は、化粧品原料基準記載一般試験法の第3法により、測定されるものである。すなわち、試料をかき混ぜながら徐々に90〜92℃まで加熱して融解し、加熱を止め、試料を融点より8〜10℃高い温度まで放冷する。次いで、温度計(日本工業規格B7410に規定するペトロラタム融点用温度計)を5℃に冷却した後、ろ紙で水分をふきとって水銀球の半分を試料中に差し込み、直ちに抜きとり、垂直に保って放冷し、付着した試料が混濁してきたとき、16℃以下の温度の水中に5分間浸す。次に、試験官に温度計を挿入し温度計の下端と試験管の底との間が15mmになるようにコルクを用いて温度計を固定する。この試験管を、約16℃の水を入れた500mLのビーカー中に試験管の底をビーカーの底との距離を15mmになるように固定し、浴の温度が30℃になるまでは1分間に2℃ずつ上がるように加熱する。次いで、1分間に1℃上がるように加熱を続け、温度計から試料の一滴が離れたときの温度を測定する。この試験を3回行い、測定値の差が1℃未満のときは、その平均値をとり、1℃以上のときは、5回測定してその平均値をとり、融点とする。
(A1)融点53℃以上61℃未満のペースト油としては、例えば、ワセリン(57℃)、モクロウ(60℃)、合成モクロウ(53℃)、ビニルレザーワックス(54℃)等が挙げられる。これらのうち、水分の閉塞性が高く潤い性能に優れ、唇が常に覆われているケア効果を感じる点から、ワセリン(57℃)が好ましい。
また、ワセリンは、市販品として、白色ワセリン、パーフェクタ(Sonneborn社製)、ノムコートW(日清オイリオグループ社製)、クロラータムV(クローダ ジャパン社製)、サンホワイトP−200(日興リカ社製)等を用いることができる。
かかる油成分としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、ミネラルオイル、スクワラン、α−オレフィンオリゴマー、ポリイソブチレン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン等の直鎖又は分岐の炭化水素油;イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸トリシクロデカンメチル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソブチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、コハク酸ジ2−へチルヘキシル、コハク酸ビスエトキシジグリコール、ラウリン酸ヘキシル、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸プロパンジオール、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、リンゴ酸オクチルドデシル、グリセリン脂肪酸エステル、ホホバ油、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ2−ヘチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、2−エチルヘキサン酸2−ヘキシルデシル、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリメリト酸トリトリデシル、テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、メトキシケイヒ酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ダイマー酸ジイソプロピル等のエステル油;ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン、フッ素変性シリコーン等のフッ素油;フェノキシエタノールなどが挙げられる。
ここで、板状とは、形状が狭義の板状の他、薄片状等の形状の粉体も含まれる。
かかる板状粉体としては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、マイカ、合成フルオロフロゴパイト、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母等の雲母;板状酸化亜鉛、板状酸化チタン、板状酸化セリウム、硫酸バリウム、タルク、板状カオリン、セリサイト、板状シリカ、板状ヒドロキシアパタイト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、板状セラミックスパウダー、板状アルミナ、板状窒化ホウ素、板状ポリメチルメタクリレートパウダー、板状酸化鉄、アルミニウム、板状ガラス末等が挙げられる。
これらのうち、塗布時のタッチのやわらかさ、及び塗布時の密着感を高める観点から、マイカ、合成フルオロフロゴパイト、硫酸バリウムが好ましい。
本発明において、平均粒径は、電子顕微鏡観察、レーザー回折/散乱法による粒度分布測定機によって、測定される。具体的には、レーザー回折/散乱法の場合、エタノールを分散媒として、レーザー回折散乱式粒度分布測定器(例えば、堀場製作所製、LA−920)で測定する。厚さは、原子間力顕微鏡により基準面との差を測定し、相加平均したものを平均厚さとする。
また、アスペクト比は、平均粒子径と粒子の平均厚さとの比により計算されるものであり、アスペクト比=(平均粒子径/平均厚さ)で定義される。
表面処理剤の具体例としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルアルコキシシラン、フッ素変性シリコーン等のフッ素系化合物;ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状シリコーン、片末端又は両末端トリアルコキシ基変性オルガノポリシロキサン、架橋型シリコーン、シリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン等のシリコーン系化合物;ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸;4級アンモニウム型カチオン性界面活性剤等の界面活性剤;プロリン、ヒドロキシプロリン、アラニン、グリシン、サルコシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ラウロイルリシン、リシン及びそれらの誘導体等のアミノ酸系化合物;レシチン、水添レシチン;トリメトキシカプリリルシラン、トリエトキシカプリリルシラン等のアルキルアルコキシシラン;ポリイソブチレン、ワックス、油脂等の油剤;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート等の有機チタネートなどが挙げられる。
ここで、球状とは、真球、略球状、回転楕円体を含み、表面に凹凸がある球状粉体等であっても良い。
かかる球状粉体としては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、シリカ、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム等の無機球状粉体;ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロース系樹脂等の有機球状粉体;シロキサン結合が三次元的に伸びた網状構造をなし、ケイ素原子1個にメチル基が結合した無機と有機との中間的構造を有するポリメチルシルセスキオキサン粉末などが挙げられる。
また、球状粉体は、塗布時に軽さを与え、やわらかなタッチで、描きやすくする観点から、平均粒径5〜150μmであるのが好ましく、5〜130μmがより好ましく、5〜110μmがさらに好ましい。これに加え、塗布時の密着感をより一層向上させる観点から、平均粒径が5〜50μmであることが好ましい。
平均粒径は、前記成分(C)と同様にして測定される。
更に、成分(C)及び(D)の合計含有量に対する成分(A)の含有量の質量割合(A)/((C)+(D))は、塗布時のタッチのやわらかさ、塗布時の密着感、塗布時の唇の輪郭の描きやすさ、及び塗布4時間後の潤い感を高める観点から、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。また、成分(C)及び(D)の合計含有量に対する成分(A)の含有量の質量割合(A)/((C)+(D))は、0.1〜4が好ましく、0.2〜3がより好ましい。
着色顔料としては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラ、紺青、群青、酸化クロム、水酸化クロム等の金属酸化物、マンガンバイオレット、チタン酸コバルト等の金属錯体、更にカーボンブラック等の無機顔料;赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色405号、赤色505号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色401号、青色1号、青色404号等の合成有機顔料、有機色素及びそのレーキ顔料;β−カロチン、カラメル、パプリカ色素等の天然有機色素等が挙げられ、これらの着色顔料の複合体、これらの着色顔料を硫酸バリウムやタルク等の体質顔料で希釈した混合顔料などが挙げられる。
かかるワックスとしては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ライスワックス、サンフラワーワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、鯨ロウ等の動物性ワックス;シリコーンワックス、フッ素系ワックス、合成ミツロウ等の合成ワックスなどが挙げられる。
唇の水分閉塞性に優れる点から、パラフィン、マイクロクリスタリンワックスが好ましく、マイクロクリスタリンワックスがより好ましい。
これらのワックスは、口唇化粧料に適度な硬さを付与し、油の染み出し抑制、潤いを付与する点から、融点65℃以上、140℃以下が好ましく、65℃以上、115℃以下がより好ましい。
具体的には、パルミチン酸デキストリン、パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸/ステアリン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、イソパルミチン酸デキストリン、イソステアリン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン等が挙げられる。
これらの市販品としては、千葉製粉社製のパルミチン酸デキストリン(レオパール KL2、レオパール KS2、レオパール TL2)、パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸デキストリン(レオパール TT2)、ミリスチン酸デキストリン(レオパール MKL2)等が挙げられる。
一般に、ディピング容器に収容された口唇化粧料を唇に塗布する際には、一度に多くの剤が塗布されて、べたつきが生じやすい傾向があるが、本発明の口唇化粧料の場合には、このようなべたつきが生じやすい形態であったとしても、べたつかず、かつ密着感がありながらやわらかいタッチで塗布できる点で極めて有利である。
また、化粧料塗布用具は、口唇化粧料を塗布するための塗布面を有し、かつ扁平体からなる塗布部と、先端に該塗布部を連結した支持軸とを有するが好ましく、柔らかな口唇化粧料であっても、唇の輪郭を細かく塗り易く、しかも簡単に美しく仕上げることができる。具体的には塗布部はチップであることが好ましく、前記塗布部の表面が植毛されていることがより好ましい。
表1に示す組成の液状口紅を製造した。得られた液状口紅について、塗布時のタッチのやわらかさ、塗布時の密着感、塗布時の唇の輪郭の描きやすさ、塗布直後の縦皺の目立たなさ、塗布4時間後の縦皺の目立たなさ、塗布4時間後の潤い感を評価した。結果を表1に併せて示す。
基材原料(色材以外)を110℃で30分間加熱溶解し、ディスパーにて均一混合した。次に、色材原料を加えて更に15分間均一混合し、脱泡した後、透明なディッピング容器に流し込み、冷却固化させ、口唇化粧料(液状口紅)を得た。
(1)塗布時のタッチのやわらかさ:
専門パネラー10人が、各液状口紅をチップにとって唇に塗布したとき、タッチのやわらかさを、以下の基準で評価した。結果は、専門パネラー10人の合計点で示した。
5;塗布時のタッチがとてもやわらかい。
4;塗布時のタッチがやわらかい。
3;塗布時のタッチがやややわらかい。
2;塗布時のタッチがあまりやわらかくない。
1;塗布時のタッチが全くやわらかくない。
専門パネラー10人が、各液状口紅をチップにとって唇に塗布したとき、密着感を、以下の基準で評価した。結果は、専門パネラー10人の合計点で示した。
5;塗布時の密着感がとてもある。
4;塗布時の密着感がある。
3;塗布時の密着感がややある。
2;塗布時の密着感があまりない。
1;塗布時の密着感が全くない。
専門パネラー10人が、各液状口紅をチップにとって唇に塗布したとき、唇の輪郭の描きやすさを、以下の基準で評価した。結果は、専門パネラー10人の合計点で示した。
5;塗布時に唇の輪郭がとても描きやすい。
4;塗布時に唇の輪郭が描きやすい。
3;塗布時に唇の輪郭がやや描きやすい。
2;塗布時に唇の輪郭があまり描きやすくない。
1;塗布時に唇の輪郭が描きにくい。
専門パネラー10人が、各液状口紅をチップにとって唇に塗布したとき、塗布直後及び塗布4時間後において、唇の縦皺の目立たなさを、以下の基準で評価した。結果は、専門パネラー10人の合計点で示した。
5;唇の縦皺が全く目立たない。
4;唇の縦皺がほとんど目立たない。
3;唇の縦皺が目立たない。
2;唇の縦皺がやや目立つ。
1;唇の縦皺がとても目立つ。
専門パネラー10人が、各液状口紅をチップにとって唇に塗布し、4時間後の潤い感を、以下の基準で評価した。結果は、専門パネラー10人の合計点で示した。
5;潤い感がとてもある。
4;潤い感がある。
3;潤い感がややある。
2;潤い感があまりない。
1;潤い感がない。
実施例1〜7と同様にして、表2に示す組成の液状口紅を製造した。
得られた液状口紅は、塗布時に密着感があり、タッチがやわらかく、唇の輪郭が描きやすいものであり、塗布直後及び塗布4時間後において、縦皺が目立たなく、潤い感も持続するものである。
Claims (10)
- 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)
(A)融点が30℃以上61℃未満のペースト油 5〜50質量%、
(B)25℃で液状の油成分、
(C)成分(E)を除く板状粉体、
(D)成分(E)を除く球状粉体、
(E)着色顔料及びパール顔料から選ばれる1種又は2種以上
を含有し、成分(C)及び(D)の合計含有量が、10〜60質量%である液状口唇化粧料。 - 成分(D)の球状粉体が、平均粒径5〜150μmである請求項1記載の液状口唇化粧料。
- 成分(A)として、(A1)融点53℃以上61℃未満のペースト油を、組成物中に1〜40質量%含有する請求項1又は2記載の液状口唇化粧料。
- 成分(D)が、有機球状粉体である請求項1〜3のいずれか1項記載の液状口唇化粧料。
- 成分(D)が、球状セルロース粉体である請求項1〜4のいずれか1項記載の液状口唇化粧料。
- 成分(D)に対する成分(C)の質量割合(C)/(D)が、0.02〜250である請求項1〜5のいずれか1項記載の液状口唇化粧料。
- 成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、0.1〜3である請求項1〜6のいずれか1項記載の液状口唇化粧料。
- さらに、(F)ワックス又はゲル化剤を含有する請求項1〜7のいずれか1項記載の液状口唇化粧料。
- 成分(E)の含有量が、0.001〜30質量%である請求項1〜8のいずれか1項記載の液状口唇化粧料。
- 成分(A)、(C)及び(D)の合計含有量が、17〜80質量%である請求項1〜9のいずれか1項記載の液状口唇化粧料。
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