JP2020164449A - ヘキサン溶剤の製造方法 - Google Patents

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【解決課題】n−ヘキサンやイソヘキサンのロスを抑制しつつ、簡便かつ低コストに高い収率でヘキサン溶剤を製造する新規な方法を提供する。【解決手段】ヘキサン溶剤を製造する方法であって、石油精製プロセスで得られる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油を蒸留処理し揮発成分および重質成分を除去して得られる炭素数6の炭化水素を90.0質量%〜100質量%含む留分を、VIA族金属およびVIII族金属から選ばれる一種以上の活性金属を、触媒基準、酸化物換算で0.7〜2.0質量%含む芳香族の核水素化触媒を用いて核水素化処理することを特徴とするヘキサン溶剤の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、ヘキサン溶剤を製造する方法に関する。
従来より、有機溶剤として、ヘキサン溶剤やアルキルシクロヘキサン溶剤が使用されており(例えば、特許文献1(特開2004−155730号公報)参照)、このうちヘキサン溶剤は、植物油脂の抽出用溶剤や、粘着剤、接着剤等の製造時の溶剤や、合成樹脂製造時の反応溶媒、触媒キャリアとして広く一般に使用されている。
一般に、ヘキサン溶剤を製造する方法としては、ライトナフサ、ヘビーナフサおよび灯油留分から選ばれる一種以上の留分を水素化脱硫処理した炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分とする水素化精製油を蒸留処理して炭素数6の炭化水素を主成分とする留分を得た後、得られた炭素数6の炭化水素を主成分とする留分からベンゼン等の重質分をフェノール抽出により除去する方法が知られており、上記方法で製造されたヘキサン溶剤はさらに必要に応じイソヘキサンとn−ヘキサンに蒸留分離されて製品化されている。
特開2004−155730号公報
ところで、上記ベンゼン等の重質分を抽出したフェノールは、加熱、再生して再利用されているが、フェノールの再生に多量の熱が必要になることから、エネルギーコストの増大を招き易かった。また、本発明者等が検討したところ、上記フェノール抽出によってn−ヘキサンやイソヘキサンの一部も抽出除去されてしまうことから、ヘキサン溶剤の収率が低下してしまうことが判明した。
このような状況下、本発明は、n−ヘキサンやイソヘキサンのロスを抑制しつつ、簡便かつ低コストにヘキサン溶剤を製造する新規な方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達するために本発明者等が鋭意検討したところ、驚くべきことに、石油精製プロセスで得られる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油を蒸留処理し揮発成分および重質成分を除去して得られる炭素数6の炭化水素を90.0〜100質量%含む留分に対し、ベンゼン等の重質分をフェノール抽出することなく、活性金属を所定量含む芳香族の核水素化触媒を用いて核水素化処理することのみで上記目的を達成し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)ヘキサン溶剤を製造する方法であって、
石油精製プロセスで得られる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油を蒸留処理し揮発成分および重質成分を除去して得られる炭素数6の炭化水素を90.0〜100質量%含む留分を、
VIA族金属およびVIII族金属から選ばれる一種以上の活性金属を、触媒基準、酸化物換算で0.7〜2.0質量%含む芳香族の核水素化触媒を用いて核水素化処理する
ことを特徴とするヘキサン溶剤の製造方法、
(2)前記原料油が、ライトナフサ、ヘビーナフサおよび灯油留分から選ばれる一種以上を水素化脱硫して得られる水素化脱硫油である前記(1)に記載のヘキサン溶剤の製造方法、
(3)前記核水素化処理が、圧力0.20〜0.40MPa、温度50〜90℃、LHSV2.5〜5.9hr−1、水素/油比25〜40NL/Lの条件下で行われる前記(1)または(2)に記載のヘキサン溶剤の製造方法、
を提供するものである(なお、本出願書類において、NLはノルマルリットルを意味する)。
本発明によれば、石油精製プロセスで得られる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油を蒸留処理し揮発成分および重質成分を除去して得られる炭素数6の炭化水素を90.0〜100質量%含む留分に対し、ベンゼン等の重質分をフェノール抽出することなく、活性金属を所定量含む芳香族の核水素化触媒を用いて核水素化処理することのみで目的とするヘキサン溶剤を得ることができ、このために、本発明によれば、n−ヘキサンやイソヘキサンのロスを抑制しつつ、簡便かつ低コストに高い収率でヘキサン溶剤を製造する新規な方法を提供することができる。
本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法は、ヘキサン溶剤を製造する方法であって、石油精製プロセスで得られる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油を蒸留処理し揮発成分および重質成分を除去して得られる炭素数6の炭化水素を90.0〜100質量%含む留分を、VIA族金属およびVIII族金属から選ばれる一種以上の活性金属を、触媒基準、酸化物換算で0.7〜2.0質量%含む芳香族の核水素化触媒を用いて核水素化処理することを特徴とするものである。
本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法においては、原料油として、石油精製プロセスで得られる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油が用いられる。
本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法において、石油精製プロセスで得られる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油とは、石油精製プロセスで得られる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を、90.0〜100質量%含むものを意味し、95.0〜100質量%含むものが好ましく、98.0〜100質量%含むものがより好ましい。
なお、本出願書類において、原料油中における炭素数5〜炭素数7の炭化水素の含有割合とは、石油学会法JPI−5S−33−90(ガスクロマトグラフ法)により算出された値を意味する。
このような原料油としては、いわゆるライトナフサ(軽質ナフサ)のほか、ライトナフサ、ヘビーナフサ(重質ナフサ)および灯油留分から選ばれる一種以上を水素化脱硫して得られる水素化脱硫油を挙げることができ、ライトナフサ、ヘビーナフサおよび灯油留分から選ばれる一種以上を水素化脱硫して得られる水素化脱硫油であることが好ましい。
上記水素化脱硫油は、ライトナフサ、ヘビーナフサおよび灯油留分から選ばれる一種以上を水素化脱硫し、重質留分および軽質留分に分離精製した上で、係る軽質留分を使用することが好適である。
本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法で使用される原料油として、より具体的には、ライトナフサや、ライトナフサ、ヘビーナフサおよび灯油留分から選ばれる一種以上を水素化脱硫して得られる水素化脱硫油から選ばれる一種以上であって、沸点が、20〜200℃であるものが好ましく、23〜190℃であるものがより好ましく、26〜180℃であるものがさらに好ましい。
本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法においては、石油精製プロセスで得られる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油を蒸留処理し揮発成分および重質成分を除去して炭素数6の炭化水素を90.0〜100質量%含む留分を得る。
本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法においては、石油精製プロセスで得られる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油を蒸留処理し揮発成分および重質成分を除去して得られる炭素数6の炭化水素を90.0〜100質量%含む留分において、炭素数6の炭化水素の含有割合は、95.0〜100質量%であることが好ましく、98.0〜100質量%であることがより好ましい。炭素数6の炭化水素は、本発明にかかるヘキサン、イソヘキサンだけでなく、4−メチル−2−ペンテン、2,3−ジメチル1−ブテン、2−メチルー1−ペンテン、1−ヘキセン、2−メチル−2−ペンテン、3−ヘキセン、3−メチルー2−ペンテン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン等が含まれる。
本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法においては、石油精製プロセスで得られる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油を50〜80℃で蒸留処理することが好ましく、55〜78℃で蒸留処理することがより好ましく、60〜78℃で蒸留処理することがさらに好ましい。また上記蒸留処理においては、常圧下であって、還流比8〜15であることが好ましい。これらの条件で蒸留処理することによって、ヘキサン溶剤の収率低下を抑制するとともに、不純物であるベンゼンの含有量を目標値に制御することができる。
また、本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法においては、石油精製プロセスで得られる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油を蒸留処理し揮発成分および重質成分を除去して得られる留分中に含まれる炭素数6の炭化水素には、ベンゼンも含有される。
上記石油精製プロセスで得られる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油を蒸留処理して得られる揮発成分および重質成分を除去した留分において、ベンゼンの含有割合は、6,000質量ppm以下あることが適当であり、5,600質量ppm以下であることがより適当であり、5,300質量ppm以下であることがさらに適当である。
なお、本出願書類において、上記原料油を蒸留処理して得られる留分中の炭素数6の炭化水素の含有割合やベンゼンの含有割合は、石油学会法JPI−5S−33−90(ガスクロマトグラフ法)により算出された値を意味する。
本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法においては、炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油を蒸留処理し揮発成分および重質成分を除去して得られる炭素数6の炭化水素を90.0〜100質量%含む留分を、VIA族金属およびVIII族金属から選ばれる一種以上の活性金属を、触媒基準、酸化物換算で0.7〜2.0質量%含む芳香族の核水素化触媒を用いて核水素化処理する。
本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法において、核水素化触媒を構成するVIA族金属およびVIII族金属から選ばれる一種以上の活性金属としては、特に制限されないが、上記活性金属は核水素化触媒に酸化物として含まれていてもよく、例えば、ニッケル、酸化ニッケル、白金、酸化白金、パラジウム、ルテニウム、コバルト等から選ばれる一種以上を挙げることができ、ニッケル−銅、白金−アルミナ、白金−ロジウム、コバルト−モリブデン等の活性金属と助触媒等の他の金属とを組み合わせたものであってもよい。
上記活性金属としては、特に、ニッケルおよびパラジウムから選ばれる一種以上が好ましい。
本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法において、核水素化触媒は、VIA族金属およびVIII族金属から選ばれる一種以上の活性金属を、触媒基準、酸化物換算で、0.7〜2.0質量%含み、0.8〜1.8質量%含むことが好ましく、0.9〜1.6質量%含むことがより好ましい。
上述したように、核水素化処理の対象となる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油を蒸留処理し揮発成分および重質成分を除去して得られる留分中に含まれる炭素数6の炭化水素には、n−ヘキサンやイソヘキサンと共に一定量のベンゼンも含有され、ベンゼンは、ヘキサン溶剤中に混入した場合には不純物となり、また、ヘキサン溶剤が使用後に揮発等して除去されるものであることから、環境上もヘキサン溶剤中へのベンゼンの混入は好ましくない。
このため、従来は、上記炭素数6の炭化水素を高い含有割合で含む留分に対してフェノール抽出処理を施すことによって、同留分中に含まれるベンゼンや炭素数7以上の重質分を除去することが行われていたが、上述したように、抽出に利用したフェノールを再生するために多量のエネルギーが必要になるばかりか、係るフェノール抽出によってn−ヘキサンやイソヘキサンの一部も抽出除去されてしまうことから、ヘキサン溶剤の収率が低下してしまうことが判明した。
これに対して、本件発明は、上記フェノール抽出を行うことなく、VIA族金属およびVIII族金属から選ばれる一種以上の活性金属を所定量含む核水素化触媒を用いて核水素化処理を行うことのみにより、エネルギーコストを低減し、n−ヘキサンやイソヘキサンのロスを抑制しつつベンゼンをシクロヘキサンに変換して、ヘキサン溶剤を簡便かつ低コストに製造し得るものである。
本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法において、核水素化処理条件は、ベンゼンの含有量や得ようとするヘキサン溶剤の用途等に応じて適宜設定することができる。
本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法において、核水素化処理時の圧力は、0.2〜0.40MPaが好ましく、0.25〜0.37MPaがより好ましく、0.30〜0.35MPaがさらに好ましい。
本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法において、核水素化処理時の温度は、50〜90℃が好ましく、52〜87℃がより好ましく、53〜85℃がさらに好ましい。
本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法において、核水素化処理時のLHSV(液空間速度)は、2.5〜5.9hr−1が好ましく、2.6〜5.6hr−1がより好ましく、2.8〜5.3hr−1がさらに好ましい。
本発明に係るヘキサン溶剤の製造方法において、核水素化処理時の水素/油比は、25〜40NL/Lが好ましく、27〜39NL/Lがより好ましく、30〜38NL/Lがさらに好ましい。
上記核水素化処理時の反応条件が緩和過ぎると、芳香族の核水素化が進行し難くベンゼン等の芳香族分が残存し易くなり、上記核水素化処理時の反応条件が過酷過ぎると、水素化分解、異性化、脱水素反応等の副反応が生じ易くなることから、核水素化処理条件は適宜決定することが好ましい。
上記核水素化処理により、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等を含む核水素化油を得ることができる。
得られた核水素化処理油において、n−ヘキサンの含有割合は、20〜60容量%であることが好ましく、30〜55容量%であることがより好ましく、40〜55容量%であることがさらに好ましい。
得られた核水素化処理油において、イソヘキサンの含有割合は、20〜50容量%であることが好ましく、25〜45容量%であることがより好ましく、30〜40容量%であることがさらに好ましい。本出願書類において、イソヘキサンとは、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタンのうち少なくとも1種以上の化合物を意味する。
なお、本出願書類において、上記核水素化油中のn−ヘキサン、イソヘキサンの含有割合は、ガスクロマトグラフィーにより算出される値を意味する。
得られた核水素化処理油は、さらに蒸留処理することにより、n−ヘキサンおよびイソヘキサンを各々単離することが好ましい。
本発明によれば、石油精製プロセスで得られる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油を蒸留処理し揮発成分および重質成分を除去して得られる炭素数6の炭化水素を90.0〜100質量%含む留分に対し、ベンゼン等の重質分をフェノール抽出することなく、活性金属を所定量含む芳香族の核水素化触媒を用いて核水素化処理することのみで目的とするヘキサン溶剤を得ることができ、このために、本発明によれば、n−ヘキサンやイソヘキサンのロスを抑制しつつ、簡便かつ低コストに高い収率でヘキサン溶剤を製造する新規な方法を提供することができる。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
(実施例1)
ライトナフサおよびヘビーナフサを混合した留分を水素化脱硫して得られる原料油1を、常圧下、還流比10、沸点範囲が60〜78℃の範囲で更に蒸留して、表1に示す成分を有するC6留分1を得た。得られたC6留分1は、炭素数6の炭化水素を90.0質量%以上含むものであった。
上記C6留分1を、Pdを酸化物換算で1.0質量%担持した核水素化触媒1を用いて表1に示す条件で水素化処理することにより、目的とするヘキサン溶剤1を得た。
なお、n−ヘキサン、i−ヘキサン、ベンゼンおよびトルエンの含有量は、石油学会法JPI−5S−33−90(ガスクロマトグラフ法)により測定された値を意味する。
(実施例2)
水素化処理の条件を表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様の手順によって、目的とするヘキサン溶剤2を得た。
(実施例3)
ライトナフサおよびヘビーナフサを混合した留分を水素化脱硫して得られる原料油2を、常圧下、還流比10、沸点範囲が60〜75℃の範囲で更に蒸留して、表1に示す成分を有するC6留分2を得た。得られたC6留分2は、炭素数6の炭化水素を90.0質量%以上含むものであった。
上記C6留分2を、核水素化触媒1を用いて表1に示す条件で水素化処理することにより、目的とするヘキサン溶剤3を得た。
(実施例4)
水素化処理の条件を表1に示す条件に変更した以外は、実施例3と同様の手順によって、目的とするヘキサン溶剤4を得た。
(比較例1)
ライトナフサおよびヘビーナフサを混合した留分を水素化脱硫して得られる原料油4を、フェノール抽出して、ベンゼン、トルエン等の不純物を除いたC6留分3を得た。
上記C6留分3を、Pdを酸化物換算で0.3質量%担持した核水素化触媒2を用いて水素化処理することにより、目的とするヘキサン溶剤5を得た。反応条件を表2に示す。
Figure 2020164449
Figure 2020164449
(実施例5)
実施例1で得たC6留分1に表3に示す含有量になるようにトルエンを添加して調整した炭素数6の炭化水素を90.0質量%以上含むC6留分を、表3に示す条件下で核水素化触媒1を用いて水素化処理することにより、目的とするヘキサン溶剤5を得た。反応条件を表3に示す。
(実施例6)
実施例3で得た炭素数6の炭化水素を90.0質量%以上含むC6留分2を、表3に示す条件下でPdを酸化物換算で1.5質量%担持した核水素化触媒3を用いて水素化処理することにより、目的とするヘキサン溶剤6を得た。反応条件を表3に示す。
(比較例2)
実施例3で得た炭素数6の炭化水素を90.0質量%以上含むC6留分2を、表3に示す条件下でPdを酸化物換算で0.3質量%担持した核水素化触媒2を用いて水素化処理することにより、目的とするヘキサン溶剤7を得た。反応条件を表3に示す。
Figure 2020164449
表1および表2より、本発明に係る製造方法である実施例1〜実施例4は、従来法である比較例1よりも、得られたヘキサン溶剤中におけるn−ヘキサンおよびイソヘキサンの収率に優れた製造方法であることが分かる。またベンゼン、トルエンといった不純物も従来法である比較例1の場合と同等程度に抑えられていることから、本発明に係る製造方法である実施例1〜実施例4は、フェノールを用いることなく収率よくヘキサン溶剤を製造できることが分かる。
また表3より、本発明に係る製造方法に対応する実施例5〜実施例6においても、従来法であるフェノール抽出ではなく特定条件下で核水素化することにより、増加したC6留分へのベンゼンおよびトルエンを、従来と同等程度まで低減できていることが分かる。
これに対して比較例2においては、特定条件下での核水素化を行っていないことから、ベンゼンの含有量を十分に低減し得ないことが分かる。

Claims (3)

  1. ヘキサン溶剤を製造する方法であって、
    石油精製プロセスで得られる炭素数5〜炭素数7の炭化水素を主成分として含む原料油を蒸留処理し揮発成分および重質成分を除去して得られる炭素数6の炭化水素を90.0〜100質量%含む留分を、
    VIA族金属およびVIII族金属から選ばれる一種以上の活性金属を、触媒基準、酸化物換算で0.7〜2.0質量%含む芳香族の核水素化触媒を用いて核水素化処理する
    ことを特徴とするヘキサン溶剤の製造方法。
  2. 前記原料油が、ライトナフサ、ヘビーナフサおよび灯油留分から選ばれる一種以上を水素化脱硫して得られる水素化脱硫油である請求項1に記載のヘキサン溶剤の製造方法。
  3. 前記核水素化処理が、圧力0.2〜0.40MPa、温度50〜90℃、LHSV2.5〜5.9hr−1、水素/油比25〜40NL/Lの条件下で行われる請求項1または請求項2に記載のヘキサン溶剤の製造方法。
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