JP2020163861A - 転写箔、丸棒状物およびその製造方法、ゴルフシャフトの製造方法、ならびにゴルフクラブの製造方法 - Google Patents

転写箔、丸棒状物およびその製造方法、ゴルフシャフトの製造方法、ならびにゴルフクラブの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020163861A
JP2020163861A JP2020075522A JP2020075522A JP2020163861A JP 2020163861 A JP2020163861 A JP 2020163861A JP 2020075522 A JP2020075522 A JP 2020075522A JP 2020075522 A JP2020075522 A JP 2020075522A JP 2020163861 A JP2020163861 A JP 2020163861A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer peripheral
peripheral surface
round bar
transfer
transfer layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020075522A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020163861A5 (ja
Inventor
真弘 岸
Masahiro Kishi
真弘 岸
崇 金子
Takashi Kaneko
崇 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Group Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Chemical Holdings Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2020075522A priority Critical patent/JP2020163861A/ja
Publication of JP2020163861A publication Critical patent/JP2020163861A/ja
Publication of JP2020163861A5 publication Critical patent/JP2020163861A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Golf Clubs (AREA)
  • Decoration By Transfer Pictures (AREA)

Abstract

【課題】ゴルフシャフトなどの丸棒状物のテーパー屈曲部を含む外周面に、1枚の転写箔で曲りやズレが生じないように装飾を転写できる転写箔を提供する。【解決手段】テーパー角度が互いに異なる第1の外周面21と第2の外周面22を有する丸棒状物20の、外周面に密着させて用いられる転写箔10であって、基材シート1と、基材シート1上に積層された転写層8を有し、転写層8の平面形状は、第1の外周面21に密着させる略矩形状の第1の領域11と、第2の外周面22に密着させる略矩形状の第2の領域12とが、直線状の接合部13を介して隣接しており、接合部13と交わる第1の領域11の一辺11aと、接合部13と交わる第2の領域12の一辺12aとが一直線状である、転写箔。【選択図】図2

Description

本発明は、テーパー角度が一定でない丸棒状物の外周面に装飾を転写するのに好適な転写箔、該転写箔を用いた丸棒状物の製造方法、該転写箔を用いたゴルフシャフトの製造方法、該転写箔を用いたゴルフクラブの製造方法に関する。
従来から、木、紙、金属、プラスチック、繊維強化プラスチック等の素材から構成される円管状物または円柱状物(本発明では総称して丸棒状物という)は、種々の用途に用いられている。特に、繊維強化プラスチックからなる丸棒状物は、軽量かつ高強度であるため、ゴルフシャフト、釣竿、マウンテンバイクのフレーム、スキーのストック等のスポーツ用途に広く利用されている。これら丸棒状物の外表面には、多くの場合、商品としての識別性や付加価値を高めるために、装飾が施されている。
この装飾を施す方法としては、塗装や印刷によって絵柄等を設ける方法の他に、転写箔を用いて装飾を貼着する方法も提案されている(特許文献1)。転写箔は、装飾の自由度が高く、取扱いが簡便であるという利点がある。
特にゴルフシャフトには、商品のロゴのような文字とともに、多様な模様や色彩からなるデザインが求められるため、転写箔を利用した装飾が好適に用いられる。
一般的なゴルフシャフトの形状は、ヘッド側からグリップ側に向かって漸次拡径する、すなわち一定のテーパー角度を有する丸棒状物であるが、近年、ゴルフシャフトに求められる高性能化に対応するため、外周面のテーパー角度が一定でないゴルフシャフトが開発され、これが主流となりつつある。
特開2014−231182号公報
外周面のテーパー角度が一定でないゴルフシャフトの外周面には、テーパー角度が変化するテーパー屈曲部が存在する。かかるテーパー屈曲部を含む外周面に1枚の転写箔から装飾を転写すると、図柄等に曲がりやズレが生じることがあり、生産性や商品価値が損なわれることがある。
本発明は、丸棒状物のテーパー屈曲部を含む外周面に、1枚の転写箔で曲りやズレが生じないように装飾を転写できる転写箔を提供することを目的とする。
また本発明は、かかる転写箔を用いた丸棒状物の製造方法、ゴルフシャフトの製造方法、およびゴルフクラブの製造方法の提供を目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] テーパー角度が互いに異なる第1の外周面と第2の外周面を有する丸棒状物の、外周面に密着させて用いられる転写箔であって、基材シートと、該基材シート上に積層された転写層を有し、前記転写層の平面形状は、前記第1の外周面に密着する略矩形状の第1の領域と、前記第2の外周面に密着する略矩形状の第2の領域とが、直線状の接合部を介して隣接しており、前記接合部と交わる前記第1の領域の一辺と、前記接合部と交わる前記第2の領域の一辺とが一直線状である、転写箔。
[2] 前記一直線状である辺と、前記接合部に対して垂直である軸方向とのなす角度が、前記第1の外周面または第2の外周面のテーパー角度のいずれか大きい方と同じである、[1]記載の転写箔。
[3] 前記接合部の長さが、前記丸棒状物の第1の外周面と第2の外周面との境界部における円周の長さと略同一である、[1]または[2]に記載の転写箔。
[4] 前記転写層の平面形状の、前記接合部に対して垂直である軸方向の少なくとも一方の端部における、前記軸方向に対して垂直な方向の幅が、該端部と密着する位置における丸棒状物の円周の長さと略同一である、[3]に記載の転写箔。
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の転写箔の転写層を、前記接合部と、前記丸棒状物の前記第1の外周面と第2の外周面の境界部とが重なり合うように、前記丸棒状物の外周面に密着させ、該丸棒状物の外周面に前記転写層を転写する工程を有する、丸棒状物の製造方法。
[6] [5]に記載の丸棒状物の製造方法を用いてゴルフシャフトの外周面に前記転写層を転写する工程を有する、ゴルフシャフトの製造方法。
[7] [6]に記載のゴルフシャフトの製造方法を経る、ゴルフクラブの製造方法。
[8] テーパー角度が互いに異なる第1の外周面と第2の外周面を有する丸棒状物であって、前記第1の外周面上および第2の外周面上に連続して転写層が設けられており、該転写層の歪み度が0.3%以下である、丸棒状物。
本発明の転写箔によれば、丸棒状物のテーパー屈曲部を含む外周面に、1枚の転写箔で曲りやズレをほとんど生じることなく装飾を転写することができる。
本発明によれば、丸棒状物のテーパー屈曲部を含む外周面に1枚の転写箔から転写された装飾を有し、該装飾に曲りやズレがほとんど生じていない丸棒状物、ゴルフシャフト、またはゴルフクラブを製造できる。
本発明に係る丸棒状物の一態様を示す平面図示す図である。 本発明に係る転写箔の一態様を示す平面図である。 図2中のA−A線に沿う断面図である。 本発明に係る転写箔の転写工程を説明する断面図である。 本発明に係る転写箔の転写工程を説明する概略図である。 転写層の装飾の例を示す平面図である。
<丸棒状物>
本発明における丸棒状物は、その外周面に転写箔を用いて装飾が施される対象物である。円管状でもよく、円柱状でもよい。
図1は丸棒状物の一態様を示す平面図である。本発明における丸棒状物20はテーパー角度が互いに異なる第1の外周面21と第2の外周面22を有する。図中符号23は、第1の外周面21と第2の外周面22の境界部を示し、以下、テーパー屈曲部ともいう。
テーパー角度とは、丸棒状物の軸方向(以下、単に軸方向ともいう。)と外周面とがなす角度(図中θで示す。)を意味する。
第1の外周面21および第2の外周面22のテーパー角度は、それぞれ0〜60°の範囲が好ましく、0〜20°の範囲がより好ましく、さらに好ましくは0〜2°、特に好ましくは0〜0.8°である。該テーパー角度が上記範囲の上限値以下であると、本発明の転写箔を用いて転写された装飾の、曲りやズレが十分に小さくなりやすい。
第1の外周面21と第2の外周面22のテーパー角度の差の絶対値は0°超、60°以下が好ましく、0°超、20°以下がより好ましく、さらに好ましくは0°超、2°以下、特に好ましくは0°超、0.8°以下である。該テーパー角度の差の絶対値が上記の範囲内であると、本発明の転写箔を用いることによる曲りやズレの抑制効果が十分に得られやすい。
丸棒状物20の素材は特に限定されない。例えば、繊維強化樹脂、金属、ゴム、樹脂等が挙げられる。繊維強化樹脂における強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、ケブラー繊維、およびアラミド繊維等が挙げられる。質量や比強度の観点から、特に炭素繊維強化樹脂が好ましい。転写層を転写する前の丸棒状物20の外周面に、予め塗装が施されていてもよい。
丸棒状物20の用途は特に限定されないが、例えば、釣り用品またはスポーツ用品(ゴルフ用品、スキー用品、テニス用品等)が好ましい。具体例としては、釣竿、ゴルフシャフト、自転車のフレーム、スキーのストック等が挙げられる。
丸棒状物20の外径は特に限定されないが、ゴルフシャフトとして使用する場合には、転写箔を用いて装飾が施される部分の外径は、例えば6mm〜25mmが好ましく、8mm〜18mmがより好ましい。
<転写箔>
図2、3は転写箔の一態様を示すものであり、図2は転写層の平面形状を示すための平面図であり、図3は図2中のA−A線に沿う断面図である。
本態様において、丸棒状物20の第2の外周面22のテーパー角度は0°である。すなわち第2の外周面22における外径は一定である。
転写箔は少なくとも基材シートと、基材シート上に積層された転写層を有する。転写層には装飾が設けられている。
図3に示す態様の転写箔10の転写層8は、接着層7、図柄を形成する金属薄膜層4およびインク層6のほかに、金属薄膜層4を保護する保護層3、保護層3及び金属薄膜層4を含むアンカー層5を有し、基材シート1、離型層2、アンカー層5、および接着層7がこの順で積層されている。保護層3は離型層2に隣接しており、インク層6はアンカー層5に隣接している。接着層7は転写箔10の基材シート1と反対側の最外面をなす。これらの他にも、転写箔において公知の層を任意に有していてもよい。
転写層8の厚みは特に限定されないが、ゴルフシャフトでの平滑性を維持するため、25μm〜500μmが好ましく、50μm〜200μmがより好ましい。
図2においては、転写箔10の基材シート1と転写層8の平面形状を示し、離型層2の図示は省略する。転写層8の平面形状は、第1の外周面21に密着させる略矩形状の第1の領域11と、第2の外周面22に密着させる略矩形状の第2の領域12とが、直線状の接合部13を介して隣接しており、接合部13と交わる第1の領域の一辺11aと、接合部13と交わる第2の領域の一辺12aとが一直線状となっている形状である。
転写箔10は、図2に示すように、接合部13が丸棒状物20の軸方向に対して垂直となる向きで使用される。図中のx方向は軸方向、y方向は該軸方向に対して垂直な方向を示す。
また転写箔10を丸棒状物20の外周面に密着させる際には、図2に示すように、接合部13が丸棒状物20の境界部23と重なり合うように位置決めされる。
本態様において第1の領域11および第2の領域12はそれぞれ直線状の4辺で囲まれた矩形である。
辺11aおよび辺12aからなる直線と、x方向とのなす角度は第1の外周面21のテーパー角度θと同じである。
第1の領域11において、接合部13とこれに対向する辺11cとは平行であり、第1の領域11は台形である。
接合部13の長さは、丸棒状物20の境界部23における円周の長さと略同一である。
本明細書において、「円周の長さと略同一」とは、円周の長さに対して100〜120%であることを意味する。
辺11cの長さは、に転写箔10を丸棒状物20の外周面に密着させたときに、辺11cと密着する位置における丸棒状物20の円周の長さと略同一である。
すなわち転写層8の平面形状において、第1の領域11側のx方向の端部におけるy方向の幅(辺11cの長さ)が、該端部と密着する位置における丸棒状物20の円周の長さと略同一である。
辺11aと対向する辺11bは接合部13の端部と辺11cの端部を結ぶ直線状であり、x方向に対して角度を有する。
第2の領域12において、接合部13と、これに対向する辺12cとは平行である。また辺12cの長さは、接合部13の長さと同一である。すなわち転写層8の平面形状において、第2の領域12側のx方向の端部におけるy方向の幅(辺12cの長さ)が、該端部と密着する位置における丸棒状物20の円周の長さと略同一である。
したがって、辺12aと、これに対向する辺12bとは平行であり、第2の領域12は平行四辺形である。
本態様の転写層8において、第1の領域11の面積は、第1の外周面21の境界部23から辺11cと密着する位置までの面積とほぼ等しい。また第2の領域12の面積は、第2の外周面22の境界部23から辺12cと密着する位置までの面積とほぼ等しい。したがって、1枚の転写層8で、丸棒状物20の第1の外周面21および第2の外周面22の全面を、ほぼ過不足なく覆うことができる。
転写層8のx方向の長さは特に限定されないが、転写時の品質維持の点からは10〜400mmが好ましく、120〜400mmがより好ましい。
<装飾が施された丸棒状物の製造方法(転写層の転写方法)>
本態様の転写箔10を用いて、丸棒状物20に転写層を転写して、装飾が施された丸棒状物を製造する方法を説明する。
本態様の方法は、転写箔10の転写層8を、接合部13と、丸棒状物20の境界部23とが重なり合うように丸棒状物20の外周面に密着させ、丸棒状物20の外周面に転写層8を転写する工程を有する。
具体的には、まず転写箔10を、図2に示すように、接合部13と、丸棒状物20のテーパー屈曲部(境界部23)とが重なり合うように位置決めして、丸棒状物20の外周面の所定の領域(以下、被転写面という。)に転写箔10の転写層8を密着させる。
次いで、図4に示すように、加熱等の適宜の接着方法を用いて、転写箔10の接着層7を被転写面に接着させた後、基材シート1および離型層2を除去して、転写層8のみを被転写面へ転写する。
転写箔10の接着層7を加熱により被転写面に接着させる場合の加熱温度は、接着層7の組成に応じて、接着層7が接着能力を発揮する温度に設定する。加熱温度が低すぎると転写箔10が被転写面へ接着しにくく、高すぎると基材シート1が溶融したり、転写箔10のインク層6が熱劣化することがある。例えば、加熱温度は180〜250℃が好ましい。
転写箔10の転写層8を、丸棒状物20の外周面に転写して基材シート1を除去する工程は、例えば図5に示す方法で行うことができる。
図5において、符号31はガイドロール、32はゴムロール、33は巻き取りロールをそれぞれ示す。
転写箔10は帯状の基材シート1上に所定形状の転写層8が、長さ方向に間隔をおいて設けられている。ゴムロール32は上記の加熱温度に温度制御され、所定のタイミングで丸棒状物20と接触する位置に移動できるようになっている。
丸棒状物20とゴムロール32との間を転写箔10が通過するように配置し、丸棒状物20をゴムロール32近傍の所定位置に供給する。転写箔10は転写層8が丸棒状物20側となるようにセットする。巻き取りロール33で基材シート1を巻き取ることによって、基材シート1上の転写層8を移動させるとともに、該移動速度と同じ速度でゴムロール32および丸棒状物20を回転させる。転写層8の移動は、一直線状となっている辺(辺11aおよび12a)側を進行方向とすることが、転写の安定性の点で好ましい。
基材シート1の転写層8が丸棒状物20と接触し得る位置に達するタイミングで、ゴムロール32を丸棒状物20側へ移動させ、転写層8の接着層7を接触加熱する。これにより転写層8は丸棒状物20の被転写面に転写され、基材シート1は巻き取りロールへ巻き取られる。その際、離型層2は基材シート1と共に除去される。離型層2の一部が転写層8上に残る場合は、研磨布で拭き取る等の公知の方法でこれを除去することができる。
こうして丸棒状物20の被転写面に転写層8を転写した後、さらに転写された転写層8を覆うようにオーバーコート層(図示せず)を設けて転写層8を保護することが好ましい。
オーバーコート層は、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アルキッド樹脂、およびポリエステル樹脂等を用いて形成することができる。特に、接着性、耐衝撃性、透明性、および研磨性等に優れる点でウレタン樹脂が好ましい。
オーバーコート層は、例えばしごき塗装、またはスプレー塗装等、公知の方法によって形成することができる。
本態様の転写箔10を用いて、丸棒状物20の被転写面に転写層8を転写することにより、丸棒状物20のテーパー屈曲部(境界部23)を含む被転写面のほぼ全面が転写層8で覆われ、転写層8に設けられた図柄等の装飾が、曲りやズレをほとんど生じることなく転写された丸棒状物20が得られる。
例えば、丸棒状物20の軸方向に対する装飾の軸のブレの指標となる歪み度を0.3%以下の範囲に抑えることができる。
歪み度は、以下の方法で測定される。
<歪み度の測定方法>
予め転写される前の転写層8において、丸棒状物20の軸方向(x方向)に平行な長さ100mmの直線を形成しておく。転写後に、該直線について、丸棒状物20の軸方向とのズレの最大値z(単位:mm)を測定し、「z%」を歪み度の値とする。
例えば100mmの直線が、転写後に軸方向に対して最大1mmのズレを生じていた場合は歪み度1%とする。
上記丸棒状物の製造方法において、丸棒状物20としてゴルフシャフトを適用することにより、転写層による装飾が施されたゴルフシャフトを製造することができる。
またこのようにしてゴルフシャフトを製造し、該ゴルフシャフトを用いてゴルフクラブを製造することができる。
これにより、テーパー屈曲部を有するゴルフシャフトの、テーパー屈曲部を含む外周面に、1枚の転写層による装飾が施され、該装飾に曲りやズレがほとんど生じていないゴルフシャフト、またはゴルフクラブが得られる。
<他の態様>
なお、上記の態様では辺11aおよび辺12aからなる直線と、x方向とのなす角度を第1の外周面21のテーパー角度θと同じにしたが、必ずしも同じでなくてもよい。該角度は第1の外周面または第2の外周面のテーパー角度のいずれか大きい方の角度に対して100〜160%が好ましく、100〜120%がより好ましい。100%に近いほど転写の安定性の点で好ましい。
また上記の態様では、転写層8の平面形状を、丸棒状物20の第1の外周面21および第2の外周面22のほぼ全面を覆う形状としたが、第1の外周面21および第2の外周面22の一部を覆う形状であってもよい。
すなわち、接合部13の長さは、丸棒状物20の境界部23における円周の長さより短くてもよい。また転写層8の平面形状の、x方向の一方または両方の端部におけるy方向の幅(辺11cおよび/または辺12cの長さ)が、該端部と密着する位置における丸棒状物20の円周の長さより短くてもよい。
さらに上記の態様では、第1の領域11および第2の領域12を、それぞれ直線状の4辺で囲まれた矩形としたが、少なくとも辺11a、辺12a、接合部13が直線状であればよい。例えば辺11b、11c、12b、12cは必ずしも直線でなくてもよく、曲線としてもよい。
これらの他の態様によっても、丸棒状物20のテーパー屈曲部を含む被転写面に、1枚の転写層による装飾を、曲りやズレをほとんど生じることなく転写することができる。例えば上記歪み度を0.3%以下の範囲に抑えることができる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<対象物(丸棒状物):ゴルフシャフト>
対象物であるゴルフシャフトは、ポリアクリルニトリル系(PAN系)炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸したプリプレグのパターンを心金へ巻き付けて積層した後に硬化して成形した。
ゴルフシャフト全長は1168mmで、先端側(ヘッド側)から基端側(グリップ側)に向かって780mmまでは、テーパー角度10.6/1000°(すなわち0.0106°)で漸次拡径しており、780mmから1168mmまでは外径が一定、すなわちテーパー角度0°である。先端側より780mmの位置における外径は15.40mmである。
実施例では先端側より598mmから890mmまでの間の外周面を被転写面とした。
<転写箔>
実施例では図3に示す層構成を有する転写箔10を用いた。各層を構成する材料は以下の通りである。金属薄膜層4は公知の手法で形成されたホログラム層である。転写層8の厚みは180μmである。
基材シート1:ポリエステルフィルム
離型層2:シリコーン系樹脂
保護層3:アクリルエポキシ系とメラミン系の混合樹脂
アンカー層5:アクリル系樹脂
インク層6:アクリル系樹脂
接着層7:アクリル系樹脂
転写層8の平面形状は図2に示す形状とした。x方向における、辺12cから接合部13までの長さは110mm、接合部13から辺11cまでの長さは182mmである。
転写層8の装飾は図6に示すデザインとした。具体的には転写層8の辺12c側(グリップ側)から長さ150mmの領域に、x方向に平行な長さ100mmの直線41と格子状のグラデーション柄を設け、それよりも辺11c側(ヘッド側)にブランドロゴの入ったボード状の楕円形の装飾を設けた。
(実施例1)
前処理として、しごき塗装によりゴルフシャフトにPPG製エポキシ樹脂系塗料を下塗り塗装し、次いでしごき塗装によりカシュー製ウレタン樹脂系塗料を中塗り塗装した。
図5に示す方法で、前処理後のゴルフシャフトに上記の転写箔を用いて装飾を施した。
まず、転写層8の接合部13と、ゴルフシャフトのテーパ屈曲部23とが一致するように位置決めして、転写箔10を15mm/秒の速さで、表面温度205℃に加熱したゴムロール32とゴルフシャフト(丸棒状物20)の間を通過させた。転写箔10は、転写層8の辺11aおよび12aからなる直線側が進行方向となるように、y方向に移動させた。
これにより、転写箔10の転写層8がゴルフシャフトの外周面(被転写面)に転写され、基材シート1および離型層2が除去された。
転写層8が転写された被転写面に、バインダー用塗料をスプレー塗装し、90℃で10分間乾燥してバインダー層を形成した。この後オーバーコート用塗料をしごき塗装し、常温で30分乾燥した後、90℃で90分間乾燥してオーバーコート層を形成した。
こうして得られたゴルフシャフトについて、直線41の歪み度を測定したところ、0.1%であった。
1 基材シート
2 離型層
3 保護層
4 金属薄膜層
5 アンカー層
6 インク層
7 接着層
8 転写層
10 転写箔
11 第1の領域
11a、11b、11c 辺
12 第2の領域
12a、12b、12c 辺
13 接合部
20 丸棒状物
21 第1の外周面
22 第2の外周面
23 境界部(テーパー屈曲部)
31 ガイドロール
32 ゴムロール
33 巻き取りロール

Claims (11)

  1. テーパー角度が互いに異なる第1の外周面と第2の外周面を有する丸棒状物の、外周面に密着させて用いられる転写箔であって、
    基材シートと、該基材シート上に積層した転写層を有し、前記転写層の平面形状は、
    前記第1の外周面に密着する略矩形状の第1の領域と、
    前記第2の外周面に密着する略矩形状の第2の領域とが、直線状の接合部を介して隣接しており、前記接合部と交わる前記第1の領域の一辺と、前記接合部と交わる前記第2の領域の一辺とが一直線状である、転写箔。
  2. 前記一直線状である辺と、前記接合部に対して垂直である軸方向とのなす角度が、前記第1の外周面または第2の外周面のテーパー角度のいずれか大きい方と同じである、請求項1記載の転写箔。
  3. 前記接合部の長さが、前記丸棒状物の第1の外周面と第2の外周面との境界部における円周の長さと略同一である、請求項1または2に記載の転写箔。
  4. 前記転写層の平面形状の、前記接合部に対して垂直である軸方向の少なくとも一方の端部における、前記軸方向に対して垂直な方向の幅が、該端部と密着する位置における丸棒状物の円周の長さと略同一である、請求項3に記載の転写箔。
  5. 前記第2の外周面のテーパー角度が0°であり、
    前記第2の領域が平行四辺形である
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の転写箔。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の転写箔の転写層を、前記接合部と、前記丸棒状物の前記第1の外周面と第2の外周面の境界部とが重なり合うように、前記丸棒状物の外周面に密着させ、該丸棒状物の外周面に前記転写層を転写する工程を有する、丸棒状物の製造方法。
  7. 前記転写層の歪み度が0.3%以下である、請求項6に記載の丸棒状物の製造方法。
    ただし、歪み度は、以下の方法で測定される。
    <歪み度の測定方法>
    予め転写される前の転写層において、丸棒状物の軸方向(x方向)に平行な長さ100mmの直線を形成しておく。転写後に、該直線について、丸棒状物の軸方向とのズレの最大値z(単位:mm)を測定し、「z%」を歪み度の値とする。
  8. 請求項6または7に記載の丸棒状物の製造方法を用いて、ゴルフシャフトの外周面に前記転写層を転写する工程を有する、ゴルフシャフトの製造方法。
  9. 請求項8に記載のゴルフシャフトの製造方法を経る、ゴルフクラブの製造方法。
  10. テーパー角度が互いに異なる第1の外周面と第2の外周面を有する丸棒状物であって、前記第1の外周面上および第2の外周面上に連続して転写層が設けられており、
    前記転写層を展開した平面形状は、
    前記第1の外周面に密着する略矩形状の第1の領域と、前記第2の外周面に密着する略矩形状の第2の領域とが、直線状の接合部を介して隣接しており、
    前記接合部と交わる前記第1の領域の一辺と、前記接合部と交わる前記第2の領域の一辺とが一直線状であり、
    該転写層の歪み度が0.3%以下である、丸棒状物。
    ただし、歪み度は、以下の方法で測定される。
    <歪み度の測定方法>
    予め転写される前の転写層において、丸棒状物の軸方向(x方向)に平行な長さ100mmの直線を形成しておく。転写後に、該直線について、丸棒状物の軸方向とのズレの最大値z(単位:mm)を測定し、「z%」を歪み度の値とする。
  11. 前記一直線状である辺と、前記接合部に対して垂直である軸方向とのなす角度が、前記第1の外周面または第2の外周面のテーパー角度のいずれか大きい方の角度に対して100〜160%である、請求項10に記載の丸棒状物。
JP2020075522A 2020-04-21 2020-04-21 転写箔、丸棒状物およびその製造方法、ゴルフシャフトの製造方法、ならびにゴルフクラブの製造方法 Pending JP2020163861A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020075522A JP2020163861A (ja) 2020-04-21 2020-04-21 転写箔、丸棒状物およびその製造方法、ゴルフシャフトの製造方法、ならびにゴルフクラブの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020075522A JP2020163861A (ja) 2020-04-21 2020-04-21 転写箔、丸棒状物およびその製造方法、ゴルフシャフトの製造方法、ならびにゴルフクラブの製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015207277A Division JP2017077695A (ja) 2015-10-21 2015-10-21 転写箔、丸棒状物およびその製造方法、ゴルフシャフトの製造方法、ならびにゴルフクラブの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020163861A true JP2020163861A (ja) 2020-10-08
JP2020163861A5 JP2020163861A5 (ja) 2020-11-19

Family

ID=72666086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020075522A Pending JP2020163861A (ja) 2020-04-21 2020-04-21 転写箔、丸棒状物およびその製造方法、ゴルフシャフトの製造方法、ならびにゴルフクラブの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020163861A (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62292176A (ja) * 1986-06-06 1987-12-18 ダブリユ−エスデイ− コ−ポレ−シヨン ゴルフクラブシヤフトおよびその製造方法
JPH10179826A (ja) * 1996-10-31 1998-07-07 Daiwa Seiko Inc ゴルフクラブシャフト
JPH10225541A (ja) * 1997-02-17 1998-08-25 Mitsubishi Rayon Co Ltd ゴルフクラブ用シャフト
JP2003000780A (ja) * 2001-06-25 2003-01-07 Sumitomo Rubber Ind Ltd 繊維強化樹脂製ゴルフクラブシャフトの製造方法及び繊維強化樹脂製ゴルフクラブシャフト
JP2010063778A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Mrc Composite Products Co Ltd ゴルフクラブ用シャフトおよびその製造方法
JP2014231182A (ja) * 2013-05-29 2014-12-11 三菱レイヨン株式会社 転写層の転写方法およびその転写方法で転写層が転写された管状体
JP2015150050A (ja) * 2014-02-12 2015-08-24 ブリヂストンスポーツ株式会社 ゴルフクラブシャフト、その特性調整方法及びゴルフクラブ

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62292176A (ja) * 1986-06-06 1987-12-18 ダブリユ−エスデイ− コ−ポレ−シヨン ゴルフクラブシヤフトおよびその製造方法
JPH10179826A (ja) * 1996-10-31 1998-07-07 Daiwa Seiko Inc ゴルフクラブシャフト
JPH10225541A (ja) * 1997-02-17 1998-08-25 Mitsubishi Rayon Co Ltd ゴルフクラブ用シャフト
JP2003000780A (ja) * 2001-06-25 2003-01-07 Sumitomo Rubber Ind Ltd 繊維強化樹脂製ゴルフクラブシャフトの製造方法及び繊維強化樹脂製ゴルフクラブシャフト
JP2010063778A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Mrc Composite Products Co Ltd ゴルフクラブ用シャフトおよびその製造方法
JP2014231182A (ja) * 2013-05-29 2014-12-11 三菱レイヨン株式会社 転写層の転写方法およびその転写方法で転写層が転写された管状体
JP2015150050A (ja) * 2014-02-12 2015-08-24 ブリヂストンスポーツ株式会社 ゴルフクラブシャフト、その特性調整方法及びゴルフクラブ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1621322B1 (en) Tubular element made of carbon fiber-based composite material and method of producing the same
EP0549213B1 (en) Hybrid laminated prepreg and shafts, e.g. ski poles, made therefrom
US6274230B1 (en) Articles of composite construction and method of producing patterns thereon
CN1939711B (zh) 管状体
WO2018034177A1 (ja) リブレット用転写シート、リブレット用転写シートの製造方法、リブレット成形方法及び転写シート
JP6473940B2 (ja) ゴルフシャフト
JP2020163861A (ja) 転写箔、丸棒状物およびその製造方法、ゴルフシャフトの製造方法、ならびにゴルフクラブの製造方法
JP6804240B2 (ja) 中空筒体、曲げ部を有する筒状成形体、及び曲げ部を有する筒状成形体の製造方法
JP2017077695A (ja) 転写箔、丸棒状物およびその製造方法、ゴルフシャフトの製造方法、ならびにゴルフクラブの製造方法
JP6424416B2 (ja) 転写層の転写方法およびその転写方法で転写層が転写された管状体
CN105690796B (zh) 一种碳纤维玻璃纤维复合材料标枪的加工方法
JPH11156988A (ja) 繊維強化プラスチック成形加工用複合フィルム
JP4011392B2 (ja) 管状体および該管状体の製造方法
JP2017176444A (ja) ゴルフクラブシャフト、ゴルフクラブ及びゴルフクラブシャフトの製造方法
JPS649931B2 (ja)
JP2011155884A (ja) スポーツ用品
US20220023726A1 (en) Method for manufacturing golf club shaft
CN106079493B (zh) 具有镭射效果的纤维复合材料表面处理工艺
JP2002119629A (ja) ゴルフクラブ用シャフトの製造方法
WO2022211050A1 (ja) シャフトおよびその製造方法、ゴルフクラブ用シャフト
FI129153B (en) A method of making an elongate body having a finished surface and an elongate body made by said method
KR100959389B1 (ko) 다축 프리프레그 시트 및 그 제조방법
JP2013248021A (ja) スポーツ用品およびスポーツ用品の製造方法
US20050020163A1 (en) Structural composite having decorated outer surface and method of making the same
KR100868113B1 (ko) 열전사 프리프레그

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200520

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200923

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210209

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210817