JPH11156988A - 繊維強化プラスチック成形加工用複合フィルム - Google Patents
繊維強化プラスチック成形加工用複合フィルムInfo
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- JPH11156988A JPH11156988A JP9339345A JP33934597A JPH11156988A JP H11156988 A JPH11156988 A JP H11156988A JP 9339345 A JP9339345 A JP 9339345A JP 33934597 A JP33934597 A JP 33934597A JP H11156988 A JPH11156988 A JP H11156988A
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Abstract
℃の温度範囲に15分間曝した場合の長さ方向と幅方向
の熱収縮率がそれぞれ−0.5〜1.0%の範囲であ
り、かつ、120〜130℃の温度範囲に15分間曝し
た場合の長さ方向と幅方向の熱収縮率がそれぞれ0.5
〜3.0%の範囲であって、6.0〜6.7kg/mm
2荷重下での伸びが10%以内であることを特徴とする
繊維強化プラスチック成形加工用複合フィルム。 【効果】 本発明によれば、FRP成形体製造時に本発
明積層フィルムを使用することにより、強度、精度に優
れたFRP成形体を歩留まりよく得ることができる。
Description
ック(以下、FRPと略す)の成形加工時に用いられる
複合フィルムに関する。
ゴルフシャフト、釣り竿、テニスラケット等の各種レジ
ャー用道具類や、日用品及び産業用機器に使用される円
筒状耐熱部材の製造にFRPが使用されている。このよ
うな道具・部材類の製造方法は、まず、金型のマンドレ
ルにシート状FRP(プリプレグ)を圧着しながら巻き
付けて必要な1次成形体を成形し、この外側に成形加工
用フィルムを5〜50mm幅にスリットしたテープ(通
称ラッピングテープという)を適度な間隔(1〜5m
m)及び張力(4〜10kg/mm2)で巻き付けた
後、加熱昇温して、FRPの熱硬化性樹脂を硬化させ
る。次いで、冷却後、マンドレルが抜かれ、成形加工用
フィルムが除去され、目的とする製品が得られる。
エステルフィルム(以下、PETFという)やポリプロ
ピレンフィルム(以下、PPFという)が使用されてい
る。しかし、PETFを成形加工用フィルムとして用い
た場合、所望の強度を持った成形体が得られるものの、
樹脂に対する離型性がよくないため、硬化後の成形体に
癒着したフィルムを取り除く必要があり、生産性に問題
があった。この欠点を改良すべく、PETF表面をシリ
コーン樹脂やフッ素樹脂でコートしたものや添加したも
のもあるが、高価であるばかりか、シリコーン又はフッ
素成分が硬化後の樹脂表面に移行することもあり、それ
を取り除くために前記同様の問題があった。
のような問題はないものの、中空肉薄品、中空微細品
や、細い棒状品の製造においては、成形中に発生するフ
ィルムの収縮に伴い、肉厚ムラの発生や製品がネジれる
という欠点があった。
良く、また肉厚ムラや製品のネジレを与えることのない
FRP成形加工用複合フィルムを提供することを目的と
する。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、FRPを所定形状に成形する際に形状・品質が決定
される80〜100℃の温度範囲、並びにFRPの熱硬
化性樹脂が完全に硬化する120〜130℃において、
この温度におけるフィルムの熱収縮率が熱硬化性樹脂の
状態変化と比較して差が生じる時、反りや変形をもたら
すことを知見した。
実質的硬化温度範囲である80〜100℃でフィルムの
熱収縮を極力ゼロに近付けるようにし、かつ、エポキシ
樹脂の硬化が終了する135℃付近においても溶融する
ことなく、適度な張力が必要であることを見出した。つ
まり、フィルムは伸びにくく、引張って巻かれた状態
(フィルムは伸びた状態)で、温度を80〜130℃に
したとき、フィルムは伸び縮みしないことが重要である
ことを見出し、本発明をなすに至った。
範囲に15分間曝した場合の長さ方向と幅方向の熱収縮
率がそれぞれ−0.5〜1.0%の範囲であり、かつ、
120〜130℃の温度範囲に15分間曝した場合の長
さ方向と幅方向の熱収縮率がそれぞれ0.5〜3.0%
の範囲であって、6.0〜6.7kg/mm2荷重下で
の伸びが10%以内であることを特徴とする繊維強化プ
ラスチック成形加工用複合フィルム。 (2)複合フィルムがポリエステルフィルムとポリプロ
ピレンフィルム、又はポリプロピレンフィルム同士を複
合したことを特徴とする上記(1)記載の繊維強化プラ
スチック成形加工用複合フィルム。 (3)複合フィルムがポリエステルフィルムとポリプロ
ピレンフィルムとからなり、ポリエステルフィルムの厚
さがポリプロピレンフィルムより厚いことを特徴とする
上記(2)記載の繊維強化プラスチック成形加工用複合
フィルム。 (4)複合フィルムがポリエステルフィルムとポリプロ
ピレンフィルムからなり、ポリプロピレンフィルムがヘ
ーズフィルムで、そのヘーズ値が10〜50%であると
共に、その表面粗度(Ra)が0.1〜0.8μmであ
る上記(2)又は(3)記載の繊維強化プラスチック成
形加工用複合フィルム。 (5)複合フィルムがポリプロピレン同士を複合したも
のであり、その一方のポリプロピレンフィルムがヘーズ
フィルムで、そのヘーズ値が10〜50%であると共
に、その表面粗度(Ra)が0.1〜0.8μmである
上記(2)記載の繊維強化プラスチック成形加工用複合
フィルムを提供する。
る。本発明のFRP成形加工用複合フィルムは、異質或
いは同質のフィルムの組み合わせからなり、その組み合
わせは2層に限定されるものではなく、3,4層であっ
てもよいが、複数層のPPFの組み合わせ、又はPPF
とPETFとの組み合わせであることが好ましい。ま
た、PETF表面にはフッ素樹脂或いはシリコーン樹脂
でコーティングされているものを使用してもよい。
Fであって、しかもフィルム表面に凹凸のあるヘーズフ
ィルムであることが好ましい。PPFの製造方法として
は、一軸延伸、同時二軸延伸、逐次二軸延伸方法が知ら
れており、ヘーズフィルムのそれは後者の2方法により
主として製造されている。代表的なものとして特公昭6
2−6977号、特開昭49−98478号、特開昭4
9−28687号公報などが公知であるが、本発明で
は、離型性に優れているインフレ法(同時二軸延伸法)
により得られるヘーズフィルムが好ましい。
0%、Raは0.1〜0.8μmが好ましい。ヘーズ値
10%、Ra0.1μm未満では離型性が劣り、ヘーズ
値50%、Ra0.8μmを超えると離型性は優れる
が、フィルムの製造が困難で実用性がない。
のPPFはヘーズフィルムである必要はなく、またPE
TFもヘーズフィルムでなくともよい。なお、PETF
としては、機械的強度に優れている二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートが好ましい。
ルムの積層化は通常知られているドライラミネート法に
より、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系又はゴ
ム系接着剤を使用して製造することができる。均質な厚
さのフィルムを得るには、接着剤は張り合わせるフィル
ムのうち厚い方に塗布する方が好ましい。なお、各フィ
ルムは接着に先立ってコロナ放電処理が施される。接着
剤の厚さは乾燥時1μm以下が好ましい。
0μm、好ましくは17〜25μmである。15μm未
満では6.0〜6.7kg/mm2の荷重下での伸びが
10%以内であるものの、5〜15mm幅にスリット
し、実際に巻き付ける際の巻き張力は1kg/切り幅以
下にしないとフィルムは伸びてしまい、目的とする成形
体が得られない場合が生じる。30μmを超えると、硬
化後の成形品表面に、フィルム厚さに比例して形成され
た巻き跡(ピッチ跡)に起因する凹凸段差が大きくな
り、成形後の研磨工程を長引かせるので、経済上好まし
くない。また、PETFとPPF(ヘーズフィルム)と
の積層品を用いる場合、PPFよりPETFの厚さを厚
くすると更によい。
ときの特性のうち、80〜100℃の温度範囲に15分
間曝した場合の長さ方向と幅方向の熱収縮率は、共に−
0.5〜1.0%、好ましくは−0.2〜0.7%の範
囲で、かつ、120〜130℃の温度範囲に15分間曝
した場合の長さ方向と幅方向の熱収縮率がそれぞれ0.
5〜3.0%、好ましくは0.2〜2.5%の範囲であ
ることが必要である。この範囲を外れると、本発明の目
的を達成し得ない。
6.7kg/mm2荷重下での伸びが10%以内、好ま
しくは2〜9%であることが必要であり、この伸びが1
0%を超えると加熱時に伸びた分に相当する収縮力が働
き、糸乱れ等の発生要因になる。
P、特に炭素繊維で強化された熱硬化性樹脂としては、
エポキシ樹脂がよく、エポキシ樹脂製FRPの場合、エ
ポキシ樹脂は加熱時に80〜100℃の範囲で実質的に
硬化し、その形状が決定され、以後135℃までの加熱
は架橋を促進して完全硬化し、FRP本来の強度が発現
する。長さ方向(長手方向)のマイナスの熱収縮率は熱
膨張を表わし、この値が大きすぎると、硬化後の密度を
上げることができない。他方、熱収縮率が大きすぎると
硬化中に必要以上に樹脂を締め付ける結果、樹脂漏れに
因る肉厚の変化や強度のバラツキ等の原因となる。
は、成形物の長尺方向に沿って均一に配設された炭素繊
維が局部的なフィルムの寸法変化によって乱れが発生
し、密度ムラを起こし強度低下の原因となるので、前記
した範囲にあることが必要である。
120〜130℃の温度範囲における積層フィルムの熱
収縮率は、成形体の反り、変形に関係し、長さ方向(長
手方向)及び幅方向(短尺方向)のいずれも0.5〜
3.0%の範囲にあることが要求される。0.5%未満
の場合フィルムに緩みが発生し、3.0%を超えると成
形体に対する過度の締め付けのため反りや変形の原因と
なる。
しては、経済的なものは前述の炭素繊維やガラス繊維で
あり、糸状、シート状、板状、織物状などのいずれをも
使用でき、単独或いは混合したものであってもよい。
用するときは、このフィルム単独又はその他前述したP
PFやPETFを組み合わせて使用すること、又は、高
弾性体の成形体を製造するために、本発明フィルムを多
重巻きにして使用することは任意である。
本発明積層フィルムを使用することにより、強度、精度
に優れたFRP成形体を歩留まりよく得ることができ
る。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるも
のではない。
μm)をコロナ処理後、ポリエステル・ポリウレタン系
接着剤(商品名LX−605、大日本インキ化学工業)
に硬化剤(商品名KW40)を配合比5:1(重量)で
混合し、酢酸エチルで粘度調整を行った後、グラビアロ
ールを用いて150〜200g/m2になるようにコー
ティングした。コーティング後、溶媒を乾燥除去した。
次いで、二軸延伸PPF(厚さ12μm)ヘーズ品(R
a=0.20μm、コロナ処理は非ヘーズ面で40dy
ne/cm)の非ヘーズ面とPETFの接着剤付着面と
をニップロールで圧着し、積層フィルムを得た。積層フ
ィルムの厚さは24.3μm(接着剤層は乾燥時0.3
μm)であった。
促進するため、40℃のオーブン中で3日間エージング
処理を行った。表1に下記の方法で求めた各フィルム物
性を示した。 1.強度、伸び及び6.0kg/mm2における伸び 15mm×200mmの短冊状の試験片を(株)東洋精
機製作所製ストログラフR1を用いてJIS C233
0に準拠し測定した。また、得られた引張り応力・伸び
曲線から6.0kg/mm2における伸びを求めた。 2.加熱収縮率 20mm×150mmの短冊状の試験片に100mm間
隔の標点をつける。この試験片を予め所定の温度に調節
した恒温槽に吊るし、15分間加熱した後取り出し30
分間放冷し、標点間距離を測定し、次式により収縮率を
求めた。 加熱収縮率(%)=(L1−L2)/L1 L1:加熱前の標点間距離(mm) L2:加熱後の標点間距離(mm) 3.ヘーズ 日本電色工業(株)製デジタルヘーズメーターNDH−
20Dを用い、JISK7105の方法により測定し
た。 4.表面粗度(Ra) (株)東京精密製表面粗さ形状測定機サーフコム570
Aを用い、JIS B0601の方法により測定した。
500mにスリットし、ロール状に巻いた。このものを
エポキシ樹脂含有量28%の炭素繊維プリプレグをテー
パのある鉄製マンドレルに巻き付けて得られた一次成形
体の上に、2mmピッチ、3kgの荷重で巻き締めを行
った後、加熱炉にセットした。
度を上げ、この温度で30分間保持した。更に40分か
けて130℃にし、20分間同温度に保ち、エポキシ樹
脂を完全に硬化させた。得られた成形体を炉から取り出
し、外観を観察したが、樹脂の漏れはなく、成形体のネ
ジレも認められなかった。
作業を行ったが、エポキシ樹脂との癒着もなく、抵抗な
く剥がすことができた。
m)をコロナ処理後、ポリエステル・ポリウレタン系接
着剤(商品名LX−605、大日本インキ化学工業)に
硬化剤(商品名KW40)を配合比5:1(重量)で混
合し、酢酸エチルで粘度調整を行った後、グラビアロー
ルを用いて150〜200g/m2になるようにコーテ
ィングした。コーティング後、溶媒を乾燥除去した。次
いで、二軸延伸PPF(厚さ9μm)ヘーズ品(Ra=
0.42μm、コロナ処理は非ヘーズ面で40dyne
/cm)の非ヘーズ面とPPFの接着剤付着面とをニッ
プロールで圧着し、積層フィルムを得た。積層フィルム
の厚さは29.3μm(接着剤層は乾燥時0.3μm)
であった。表2に各フィルム物性を示した。次いで、得
られたフィルムを15mm幅×500mにスリットし、
ロール状に巻き、これを用いて実施例1に準じた成形体
を製造した。樹脂とフィルムとの剥離性は良好でロッド
の曲がり、樹脂漏れ、繊維の乱れも観察されなかった。
実施例1に準じた成形体を製造した。
すように熱収縮率が大きく、樹脂漏れが発生し、では
熱収縮率は問題ないものの複合フィルムが厚いため、成
形体表面にラッピング跡が鮮明に残り、加工に問題が発
生した。
2%) の組み合わせの複合フィルムを製造し、これを使用して
実施例1に準じた成形体を製造した。
合フィルムの効果が得られず、成形体は樹脂漏れや繊維
乱れが発生し、ではフィルムの伸びが大きく、強度が
不足し、成形体強度が不均一となり、かつ成形体強度も
小さかった。では樹脂漏れのほかにプレーンフィルム
を使用したためヘーズ品に比べ成形体とフィルムの離型
性が悪かった。
のは成形体の特性が劣り、本発明複合フィルムを使用す
ることにより、高い形状精度で不良率の少ない(高生産
性)製品を製造できることが確認された。
Claims (5)
- 【請求項1】 厚さが15〜30μmで、80〜100
℃の温度範囲に15分間曝した場合の長さ方向と幅方向
の熱収縮率がそれぞれ−0.5〜1.0%の範囲であ
り、かつ、120〜130℃の温度範囲に15分間曝し
た場合の長さ方向と幅方向の熱収縮率がそれぞれ0.5
〜3.0%の範囲であって、6.0〜6.7kg/mm
2荷重下での伸びが10%以内であることを特徴とする
繊維強化プラスチック成形加工用複合フィルム。 - 【請求項2】 複合フィルムがポリエステルフィルムと
ポリプロピレンフィルム、又はポリプロピレンフィルム
同士を複合したことを特徴とする請求項1記載の繊維強
化プラスチック成形加工用複合フィルム。 - 【請求項3】 複合フィルムがポリエステルフィルムと
ポリプロピレンフィルムとからなり、ポリエステルフィ
ルムの厚さがポリプロピレンフィルムより厚いことを特
徴とする請求項2記載の繊維強化プラスチック成形加工
用複合フィルム。 - 【請求項4】 複合フィルムがポリエステルフィルムと
ポリプロピレンフィルムからなり、ポリプロピレンフィ
ルムがヘーズフィルムで、そのヘーズ値が10〜50%
であると共に、その表面粗度(Ra)が0.1〜0.8
μmである請求項2又は3記載の繊維強化プラスチック
成形加工用複合フィルム。 - 【請求項5】 複合フィルムがポリプロピレン同士を複
合したものであり、その一方のポリプロピレンフィルム
がヘーズフィルムで、そのヘーズ値が10〜50%であ
ると共に、その表面粗度(Ra)が0.1〜0.8μm
である請求項2記載の繊維強化プラスチック成形加工用
複合フィルム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33934597A JP3646767B2 (ja) | 1997-11-25 | 1997-11-25 | 繊維強化プラスチック成形加工用複合フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33934597A JP3646767B2 (ja) | 1997-11-25 | 1997-11-25 | 繊維強化プラスチック成形加工用複合フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11156988A true JPH11156988A (ja) | 1999-06-15 |
JP3646767B2 JP3646767B2 (ja) | 2005-05-11 |
Family
ID=18326578
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33934597A Expired - Lifetime JP3646767B2 (ja) | 1997-11-25 | 1997-11-25 | 繊維強化プラスチック成形加工用複合フィルム |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3646767B2 (ja) |
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1997
- 1997-11-25 JP JP33934597A patent/JP3646767B2/ja not_active Expired - Lifetime
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