JP2020163806A - ハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法 - Google Patents

ハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温での加熱を伴う曲げ加工後においても高い透明性を維持するハードコート層付き有機ガラス成型品を提供すること。【解決手段】有機ガラス基体上にハードコート層が熱転写されてなるハードコート層付き有機ガラスを加熱する加熱工程と、前記加熱後のハードコート層付き有機ガラスを曲げる曲げ工程と、を、含んでなり、前記加熱工程においては、前記ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が所定の曲げ処理準備温度に達するまで輻射熱による加熱を行う、ハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法による。【選択図】図3

Description

本発明は、ハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法に関する。本発明は、詳しくは、高温での加熱を伴う曲げ加工後においても高い透明性を維持するハードコート層付き有機ガラス成型品を得ることができる製造方法に関する。
有機ガラスの表面に耐傷性を付与するために、その表面にハードコート層を形成することが行われている。耐傷性以外の必要特性として、特に上記の有機ガラスがポリカーボネート板等の透明性の高い基材である場合、基材自体の高透明性を活かすため、ハードコート層付き有機ガラス成型品にも透明性が要求される。
例えば、下記の特許文献1には、ポリカーボネート板を押出成形しつつ、熱転写フィルムを用いて転写することで、ポリカーボネート板上に、プライマー層と、ハードコート層とが積層された構成が開示されている。
このようなハードコート層付き有機ガラスを、高温で加熱した後に折り曲げ加工する場合において、折り曲げ加工後の成形品の写像率が低下してしまうことが問題となっていた。
特開2005−178035号公報
本発明は、高温での加熱を伴う曲げ加工後においても高い透明性を維持するハードコート層付き有機ガラス成型品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、曲げ加工前に行う加熱の方法を、輻射熱による加熱に限定することによって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1) 有機ガラス基体上にハードコート層が熱転写されてなるハードコート層付き有機ガラスを加熱する加熱工程と、前記加熱後のハードコート層付き有機ガラスを曲げる曲げ工程と、を、含んでなり、前記加熱工程においては、前記ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が所定の曲げ処理準備温度に達するまで輻射熱による加熱を行う、ハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法。
(2) 前記加熱工程において、前記ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が前記曲げ処理準備温度に達するまでの加熱時間を、下記に規定する前記曲げ処理準備温度に対応する限界加熱時間よりも短い時間とする、(1)に記載のハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法。
(限界加熱時間)
ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が予め設定した曲げ処理準備温度に達するまで加熱した後の当該ハードコート層付き有機ガラスの下記の写像率測定方法による写像率が、所定の下限写像率となる加熱時間のことを、当該ハードコート層付き有機ガラスの曲げ処理準備温度に対応する限界加熱時間とする。
(写像率測定方法)
JIS K7374:2007に準拠した写像率測定装置を使用し、ハードコート層付き有機ガラスのハードコート層を光源に向けた状態で試料台に設置し、反射角60°くし幅2mmにて測定する。
(3) 前記下限写像率が90%である(2)に記載のハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法。
(4) 前記曲げ処理準備温度が120℃以上140℃以下であり、前記ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が該曲げ処理準備温度に達するまでの加熱時間が150秒以下である、(1)から(3)の何れかに記載のハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法。
(5) 前記曲げ処理準備温度が150℃以上160℃以下であり、前記ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が該曲げ処理準備温度に達するまでの加熱時間が200秒以下である、(1)から(3)の何れかに記載のハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法。
(6) 前記輻射熱が赤外線による輻射熱である(1)から(5)の何れかに記載のハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法。
(7) 前記赤外線が、中心波長が2.5μm以上5.0μm以下の中赤外線である、(6)に記載のハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法。
高温での加熱を伴う曲げ加工後においても高い透明性を維持するハードコート層付き有機ガラス成型品を提供することができる。
本発明のハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明のハードコート層付き有機ガラス成型品を構成するハードコート層付き有機ガラスの層構成を表す断面模式図である。 本発明の製造方法により得ることができるハードコート層付き有機ガラス成型品の層構成を表す断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<ハードコート層付き有機ガラス成型品>
本発明のハードコート層付き有機ガラス成型品100(図3参照)は、有機ガラス基体11の表面にハードコート層12bが形成されてなるハードコート層付き有機ガラス10(図2参照)が、曲げ加工されてなる成形品である。
又、ハードコート層付き有機ガラス成型品100(図3参照)写像率については、各製品において要求される透明性の水準に対応して、各要求を満たすものであればよいが、通常は写像率が90%を超えるものであることが好ましい。本発明の「ハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法」によって、このような透明性に優れるハードコート層付き有機ガラス成型品100を得ることができる。
尚、本明細書における「写像率」とは他に特段の断りがない限り、下記の「写像率測定方法」によって得ることができる測定値のことを言うものとする。
(写像率測定方法)
JIS K7374:2007に準拠した写像率測定装置を使用し、ハードコート層付き有機ガラスのハードコート層を光源に向けた状態で試料台に設置し、反射角60°くし幅2mmにて測定。
<ハードコート層付き有機ガラス>
本発明の「ハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法」に用いるハードコート層付き有機ガラス10の詳細について説明する。ハードコート層付き有機ガラス10は、有機ガラス基体11の少なくとも何れか一方の表面にハードコート層12bが熱転写されてなる積層体である。ハードコート層付き有機ガラス10は、後述する「ハードコート層付き転写シート12」を、有機ガラス基体11の表面に熱転写する方法によって製造することができる。
このハードコート層付き有機ガラス10を、本発明の「ハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法」を構成する「加熱工程」及び「曲げ工程」に処すことにより、曲げ加工後における透明性に優れるハードコート層付き有機ガラス成型品100を得ることができる。
[基本構成]
ハードコート層付き有機ガラス10において、ハードコート層12bは、通常、2つの接着性を有する層を介して、有機ガラス基体11に接合されている(図2参照)。2つの接着性を有する層とは、有機ガラス基体11の表面に形成されているヒートシール層12dと、ヒートシール層12dとハードコート層12bとの間に形成されているプライマー層12cである。尚、本明細書における「接着層」とは、上記のヒートシール層とプライマー層を包括する概念であり、これらの何れの層も本明細書における「接着層」に含まれる。
上記の層構成からなるハードコート層付き有機ガラス10において、プライマー層12cには、通常、粒子状のブロッキング防止剤が含まれている。プライマー層12cにおいて、同層に含まれている粒子状のブロッキング防止剤の粒径(凝集後の二次粒径)が、少なくともその一部について、プライマー層12c自体の厚みよりも、大きくなっている部分があることにより、ハードコート層付き有機ガラス10の製造過程におけるプライマー層12cのブロッキングが十分に回避される。
ハードコート層付き有機ガラス10のプライマー層12c内にブロッキング防止剤として含まれている無機フィラーのうち、少なくとも一部の無機フィラーの二次粒径が、プライマー層12cの厚みを超えている場合、この粒子(ブロッキング防止剤)が、写像率低下の一因となりやすい。よって、このような場合において、本発明のハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法は特に従来の製造方法に対する優位性が顕著となる。
[有機ガラス基体]
ハードコート層付き有機ガラス10を構成する有機ガラス基体11については、所望の成形体に応じて各種の有機ガラスを適宜選択することができる。但し、ハードコート層付き有機ガラス10は、上述の通り、高温での加熱を伴う折り曲げ加工後における写像率の低下が小さいことを特徴とする。この優れた特徴を活かす観点から、有機ガラス基体11としては、透明性に優れる、有機ガラス板を用いることが好ましい。具体的には、ポリカーボネート樹脂、或いは、ABS樹脂、アクリル系樹脂等からなる有機ガラス板を好ましい有機ガラス板の具体例として挙げることができる。
ポリカーボネート樹脂等からなる有機ガラス基体11板の厚さは、特に限定されない。但し、この厚さは、1mm以上20mm以下であることが好ましく、1.5mm以上15mm以下であることがより好ましい。
(ハードコート層)
ハードコート層12bは、ハードコート層付き有機ガラス10、及び、ハードコート層付き有機ガラス成型品100の表面に耐傷性を付与する機能を有する層である。
ハードコート層12bは、硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層である。ハードコート層12bを形成する硬化性樹脂組成物の主剤樹脂は、特に限定されない。但し、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、電離放射線硬化性樹脂等を、ハードコート層12bを形成する好ましい樹脂の具体例として挙げることができる。耐候性や耐傷性をより高い水準で付与する観点からは、上記の中でも、ハードコート層12bを形成する樹脂を電離放射線硬化性樹脂とすることが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線を照射することにより硬化する硬化性樹脂であり、電離放射線としては、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合或いは架橋し得るエネルギー量子を有するもの、例えば、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるほか、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も用いられる。
ハードコート層12bに使用できる電離放射線硬化性樹脂としては、従来から電離放射線硬化性を有する樹脂として慣用されている重合性オリゴマー(プレポリマー)、重合性ポリマーの中から適宜選択して用いることができ、良好な硬化特性を得る観点から、ブリードアウトしにくく、固形分基準として95〜100%程度としても塗布性を有し、且つ、硬化させてハードコート層12bを形成する際に硬化収縮を生じにくいものが好ましい。
ハードコート層12bの厚さは、特に限定されない。但し、その厚さは、通常、1μm以上20μm以下程度である。ハードコート層12bの厚さは、優れた耐候性とその持続性得る観点、及び、ハードコート層付き有機ガラス10の透明性を維持する観点から、2μm以上20μm以下であることが好ましく、2μm以上10μm以下であることがより好ましい。
上記の樹脂組成物の塗布により形成した未硬化樹脂層は、加熱処理、或いは、電子線等の電離放射線を照射して硬化することで、ハードコート層12bとなる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70kV以上300kV以下、照射線量は5Mrad以上10Mrad以下程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
(プライマー層)
プライマー層12cは、ハードコート層付き有機ガラス10において、ハードコート層12bとヒートシール層12dとの間に配置され、ハードコート層付き有機ガラス10、及び、ハードコート層付き有機ガラス成型品100において、ハードコート層12bに対する応力緩和層として機能するとともに、有機ガラス基体11に対するハードコート層12bの密着性を向上させる機能を有する層である。
ハードコート層付き転写シート12のプライマー層、即ち、ハードコート層付き有機ガラス10のプライマー層12cは、バインダー樹脂を含むプライマー層形成用組成物を用いて形成される。プライマー層形成用組成物に含まれるバインダー樹脂は特に限定されないが、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型樹脂を含有することが好ましい。
プライマー層12cの形成に用いる上記の主剤としては、例えば、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、プチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等を用いることができる。これらのバインダー樹脂は、単独で使用してもよく、又、2種以上を組合せて使用してもよい。これらのバインダー樹脂のなかでも、密着性及び耐候性の観点から、ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
プライマー層12cの形成に用いる上記の各主剤の硬化を促進する硬化剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等のイソシアネート硬化剤等を用いることができる。
プライマー層12cの厚さは、特に制限されないが、例えば、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、1μm以上4μm以下であることがより好ましい。
そして、このような厚さのプライマー層12cには、粒子状のブロッキング防止剤が含まれている。このブロッキング防止剤は、従来、各種の樹脂積層体成形品において用いられている無機粒子等からなる公知のブロッキング防止剤を適宜選択して用いることができる。
尚、上述した通り、ハードコート層付き有機ガラス10のプライマー層12c内に含まれているブロッキング防止剤である無機フィラー等の粒子のうち少なくとも一部の粒子の粒径が、前記プライマー層の厚みを超えている場合に、本発明は特に有効である。ここで
上述の「ブロッキング防止剤(粒子)の粒径」とは、プライマー層12c内で一次粒子が凝集している場合は当該凝集後の二次粒子の粒径のことを言うものとする。
ハードコート層付き有機ガラスのプライマー層12cに含ませる粒子状のブロッキング防止剤として、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子を好ましく用いることができるブロッキング防止剤の具体例として挙げることができる。これらの無機粒子は、製造段階において、ブロッキング現象の発生を十分に抑制することができるのみならず、透明性が高いので、ハードコート層付き有機ガラス10及びハードコート層付き有機ガラス10成形品の透明性を高水準で維持しやすい。
ブロッキング防止剤の粒径は、透明性を維持しつつブロッキングを抑制する観点から、平均粒径としては、0.1〜10μm程度であることが好ましい。そして、少なくとも一部の、好ましくは、全粒子の半数以上の粒径が、実際に上述したプライマー層の厚み(好ましくは、0.1μm以上5μm以下)を超えていることが好ましい。尚、ブロッキング防止剤の粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。
又、ブロッキング防止剤の含有量としては、上記のバインダー樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、3質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
尚、プライマー層12cは、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の各種添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
(ヒートシール層)
ヒートシール層12dは、ハードコート層12bを転写体の表面に形成するために、ハードコート層12bを有機ガラス基体11に接着するために設けられる層であり、このようなハードコート層を有機ガラス基体11に接着する機能を有する。
ヒートシール層12dに使用することができる熱融着性を有する樹脂としては、有機ガラス基体11の材質や熱転写の際の転写温度や圧力に応じて定められるものであるが、一般に、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等の樹脂が好ましく、有機ガラス基体11の材質や転写製品の用途に応じて、上記樹脂の中から1種又は2種以上の樹脂が選定される。プライマー層12cに含まれる粒子との屈折率差が小さく透明性に優れ、透明性と耐候性向上の点から、上記樹脂の中でもアクリル樹脂を単体で用いることが特に好ましい。
ヒートシール層12dには、上記ハードコート層12bやプライマー層12cと同様、耐候性を更に向上させるため、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤を含有させることもできる。使用できる紫外線吸収剤や光安定剤としては、プライマー層12cにおいて述べたものと同様の各種の樹脂や添加剤を適宜用いることができる。
ヒートシール層12dの厚さについては、ハードコート層12bを有機ガラス基体11に接着するという機能と、優れた透明性を確保するという観点から、1μm以上7μm以下であることが好ましく、1μm以上6μm以下であることがより好ましい。
[ハードコート層付き転写シート]
以上説明したハードコート層12b、プライマー層12c、及び、ヒートシール層12dを含んでなる積層体を、有機ガラス基体11の表面の積層一体化してハードコート層付き有機ガラス10を得るには、ハードコート層付き転写シート12を用いることが好ましい。
ハードコート層付き転写シート12は、例えば、ポリエステルフィルム等の基材フィルム上に、ハードコート層付き有機ガラス10のハードコート層12b、プライマー層12c、ヒートシール層12dを構成することとなる各樹脂層が、この順で積層されている材料積層体である。
ハードコート層付き転写シート12を用いてハードコート層付き有機ガラス10を製造する場合には、ヒートシール層12dを有機ガラス基体11の表面に対面させてハードコート層付き転写シート12を積層して加熱圧着することによりハードコート層付き転写シート12を有機ガラス基体11の表面に転写する。この転写の工程により、有機ガラス基体11の表面に、ヒートシール層12d、プライマー層12c、及び、ハードコート層12bが、この順で積層されてなるハードコート層付き有機ガラス10(図2参照)を得ることができる。
ハードコート層付き転写シート12を構成する基材フィルムの材料は、特に限定されない。但し、基材フィルムの材料は、ポリエステル樹脂フィルム又はポリオレフィン樹脂フィルムとすることが好ましい。又、上記フィルムのうち延伸フィルムであることがより好ましい。基材フィルムが、これらの樹脂フィルムであることにより、ハードコート層の形成を容易に行うことができる。尚、この基材フィルムはハードコート層付き有機ガラス10においては必須の構成部分ではなく、通常は、上記の熱転写の完了後に剥離される。
上記の基材フィルムとして好ましく用いることができるポリエステル樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂からなる各種の樹脂フィルムを挙げることができる。
<ハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法>
以下、ハードコート層付き有機ガラス成型品100を製造する製造方法について説明する。下記においては、(a)押出成形により有機ガラス基体を得る工程、(b)有機ガラス基体を加熱する工程、(c)有機ガラス基体に、ハードコート層を転写する工程、(d)ハードコート層付き有機ガラスを加熱する工程(本発明の製造方法における加熱工程)、(e)ハードコート層付き有機ガラスを曲げる工程(本発明の製造方法における曲げ工程)の全工程をインラインで行うトータルプロセスとしての実施態様を例に挙げて説明する(図1参照)。
但し、本発明の「ハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法」は以下に説明する実施態様に限定されない。少なくとも、有機ガラス基体上にハードコート層が熱転写されてなるハードコート層付き有機ガラスを加熱する「加熱工程」とその後に行う「曲げ工程」によって「ハードコート層付き有機ガラス成型品」を製造する方法であれば、その他の工程(例えば、上記の(a)〜(c)の各工程)の実施の有無や実施態様に関わらず、本発明の技術的範囲内のプロセスである。例えば、(d)加熱工程に投入するハードコート層付き有機ガラス10については、(a)〜(c)の各工程を経ることにより得ることができるが、これに限られず、ハードコート層が転写済みであるハードコート層付き有機ガラスを市場から取得して、(d)加熱工程に投入することによっても本発明の製造方法を実施することができる。
尚、ハードコート層付き有機ガラス成型品100を製造する本発明の製造方法は、図1に示すようなインラインの連続工程に限定されない。各工程をオフラインで独立に行う製造方法であってもよい。以下、各工程について説明する。
[(a)押出成形により有機ガラス基体を得る工程]
押出成形は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、有機ガラス基体11(ポリカーボネート板)の材料樹脂(ポリカーボネート樹脂)を加熱溶融し、押出機20のダイスから押出した後、冷却ロールで圧延し、ガイドロールを経て、引取ロールで引取りながら冷却固化することで有機ガラス基体11(ポリカーボネート板)を得ることができる。
[(b)有機ガラス基体を加熱する工程]
次に、押出成形後の有機ガラス基体11に対してヒーター30a、30bを用い加熱する。図1(b)では両面から加熱をしているが、有機ガラス基体11の片面から加熱してもよい。尚、この工程は必ずしも必須の工程ではない。
[(c)有機ガラス基体上に、ハードコート層を転写する工程]
ハードコート層12b、プライマー層12c、及び、ヒートシール層12dを含んでなる積層体(以下「転写層」とも言う)を、有機ガラス基体11に転写するためには、図1に示すように、給紙ロール41a、41bの巻取体からハードコート層付き転写シート12を巻き出し、ポリカーボネート板等の有機ガラス基体11の表面とハードコート層付き転写シート12のヒートシール層12dとを対面させた状態でニップロール42a、42bによって、加熱加圧することで圧着し、その後、基材フィルム12aを剥離する。これにより、ハードコート層付き有機ガラス10を得ることができる。
尚、基材フィルムは、この後に行う「曲げ加工」後にも剥がすことはできるが、剥離のしやすさから曲げ加工前に剥がすことが好ましい。ハードコート層付き転写シート12と有機ガラス基体11との積層体から基材フィルム12aを剥離する方法は特に限定されないが、例えば、剥離ロール43a、43bを介して排紙ロール44a、44bへ基材フィルム12aを巻き取ることにより、上記積層体から基材フィルム12aを連続的に剥離することができる。
[(d)加熱工程]
この工程は、続く曲げ工程に先行して、前工程において得た有機ガラス基体上にハードコート層が熱転写されてなるハードコート層付き有機ガラス10を加熱する工程である。従来、この曲げ加工の準備処理としての加熱は、パイプヒーター、赤外線ヒーターによる部分加熱、電気炉による全体加熱等、公知の各種加熱手段が特段の限定なく選択されていたが、本発明の製造方法においては、加熱手段を赤外線ヒーター等、輻射熱による加熱に限定した。つまり本発明の「ハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法」を構成する「加熱工程」とは、ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が所定の「曲げ処理準備温度」に達するまで輻射熱による加熱を行う工程である。
この「曲げ処理準備温度」は、ハードコート層付き有機ガラス10を構成する有機ガラス基体11の表面温度がガラス転移温度(Tg)以上となる温度であればよく、例えば、有機ガラス基体11がポリカーボネート板である場合であれば、各ポリカーボネート板固有のガラス転移温度(Tg)にもよるが、通常、120℃以上であればよく、150℃以上180℃以下の温度とすることが好ましい。
そして、加熱工程においては、ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が、上記の「曲げ処理準備温度」に達するまでの加熱を所定の短時間内に行うことが好ましい。具体的には、ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が、各工程毎に予め設定される「曲げ処理準備温度」に達するまでの加熱時間を、下記定義による「限界加熱時間」よりも短い時間となるように加熱条件を設定することが好ましい。
(限界加熱時間)
ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が予め設定した曲げ処理準備温度に達するまで加熱した後の当該ハードコート層付き有機ガラスの下記の写像率測定方法による写像率が、所定の下限写像率となる加熱時間のことを、当該ハードコート層付き有機ガラスの曲げ処理準備温度に対応する限界加熱時間とする。
通常、ハードコート層付き有機ガラスの写像率は、有機ガラス基体の温度上昇に伴い漸減することは公知である。本発明者らは、更に研究を重ね、同一の温度まで加熱する場合であっても、輻射熱によってより短い時間で必要な温度に到達させることによって、写像率の低下を抑制できることを見出した。例えば、製品に要求される透明性から下限写像率を90%と規定されていて、尚且つ、「曲げ処理準備温度」が140℃である場合、加熱時間が一定以上の長さであると、有機ガラス基体の写像率が90%を下回る。加熱条件の設定により、加熱時間を短縮していくと、140℃に達するときの写像率が90%を維持できるようになる。このときの加熱時間が「限界加熱時間」である。
加熱時間を上記の「限界加熱時間」より短くする。即ち、ハードコート層付き有機ガラスの表面温度をより短い時間で予め設定される「曲げ処理準備温度」に達するように加熱条件を最適化することによる透明性維持の効果は、各種のオーブン等による対流による熱伝達によっては顕在化しにくいが、加熱の手段を赤外線ヒーター等による輻射熱による加熱とすることによって、より顕在化しやすいことが本発明者らの研究により明らかになっている。具体的に、下限写像率を92%とした場合、オーブン加熱では、表面温度110℃で写像率が92%にまで低下してしまうハードコート層付き有機ガラスが、赤外線ヒーターで加熱した場合には、150℃まで92%以上の写像率を維持できることが確認されている。
又、赤外線ヒーター等の輻射熱方式による加熱器は、対流式のオーブン等と比較して、加熱対象の温度を必要な温度にまで上昇させるために要する時間を詳細に設定することが容易であるという点においても、輻射熱による加熱が有効である。
尚、上記の「限界加熱時間」の規定に関わる「写像率」も上述の定義によるものと同義である。重複するが、下記に測定方法を再度示しておく。
(写像率測定方法)
JIS K7374:2007に準拠した写像率測定装置を使用し、ハードコート層付き有機ガラスのハードコート層を光源に向けた状態で試料台に設置し、反射角60°くし幅2mmにて測定する。
下限写像率は、最終製品における要求水準に応じて適宜設定すればよいが、が90%とすることが好ましい。本発明の製造方法においては、従来公知の赤外線ヒーターを加熱手段として用いることにより、ポリカーボネート板を基体材料とするハードコート層付き有機ガラス成型品において、この写像率を十分に維持することができる。
加熱条件の設定の一例として、「曲げ処理準備温度」を120℃以上140℃以下の所定温度に設定した場合であって、尚且つ、ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が、設定された当該所定温度(当該曲げ処理温度)に達するまでの加熱時間を150秒以下とする例を、加熱条件の好ましい設定の一例として挙げることができる。ポリカーボネート板、その他、ガラス転移温度Tgが150℃程度までの有機ガラスを基体材料として用いる場合において、この条件で加熱することにより、写像率を概ね90%以上に維持することができる。
又、曲率の大きい(曲げ半径の小さい)形状の成形が必要な場合や、或いはプレス時間の短縮が必要な場合等、より高温での加工が必須となる場合においては、一例として、曲げ処理準備温度を150℃以上160℃以下の所定温度に設定した場合であって、尚且つ、ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が設定された当該所定温度(当該曲げ処理温度)に達するまでの加熱時間を200秒以下とする例を、加熱条件の好ましい設定の一例として挙げることができる。ポリカーボネート板、その他、ガラス転移温度Tgが150℃程度までの有機ガラスを基体材料として用いる場合において、この条件で加熱することにより、写像率を概ね90%以上に維持することができる。
加熱工程における加熱を行う輻射熱は赤外線による輻射熱であることが好ましい。又、この赤外線は、中心波長が2.5μm以上5.0μm以下の中赤外線であることがより好ましい。赤外線による加熱を行う場合、中赤外線による輻射熱で加熱することにより、写像率の低下を最もよく抑制することができる。
[(e)曲げ工程]
この工程は、加熱されたハードコート層付き有機ガラス10を所望の形状に曲げ変形させることにより、曲面や折り曲げ部分を有するハードコート層付き有機ガラス成型品100を得る工程である。曲げ加工の方法は特に制限されないが、一例として加熱により軟化した部分に成形型を当てて、型に沿って折曲げることで形状をつくる製法を挙げることができる。
この製造方法において、本発明のハードコート層付き有機ガラス10を用いることにより、加熱工程を経て曲げ加工を行った場合であっても、曲げ加工後のハードコート層付き有機ガラス成型品100における写像率の低下を十分に抑制することができる。
[ハードコート層付き転写シートの作製]
基材フィルムの一方の面に、ハードコート層形成用硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化樹脂層を形成した。該未硬化樹脂層に対し、90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、該未硬化樹脂層を架橋硬化させることにより、ハードコート層(層厚:1.5μm)を形成した(該工程は電離放射線硬化工程に相当する。)。該ハードコート層の基材フィルムと逆側の面にコロナ放電処理を施し、プライマー層形成用樹脂組成物を塗布して、プライマー層(層厚:2μm)を形成し、更に、該プライマー層上にヒートシール層形成用樹脂組成物を塗布してヒートシール層(層厚:1.5μm)を形成した(該工程は積層体形成工程に相当する。)。以上の操作により、基材フィルム、ハードコート層、プライマー層、及びヒートシール層がこの順で積層された、「ハードコート層付き転写シート」を得た。
(基材フィルム)
商品名「東洋紡エステルフィルムE5101」、東洋紡株式会社製(厚み50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)からなるフィルム)
(ハードコート層形成用硬化性樹脂組成物)
ウレタンアクリレート(商品名「EBLF−2Y」、昭和インク工業株式会社製):100質量部
硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネート系ブロックイソシアネート、昭和インク工業株式会社製):ウレタンアクリレート100質量部に対して、表1に示す量(単位:質量部)で添加した。
(プライマー層形成用樹脂組成物)
アクリルウレタン樹脂(商品名「SG−63」、DICグラフィックス株式会社製):100質量部
硬化剤(ヘキサンメチレンジイソシアネート、大日精化工業株式会社製):6質量部
(ヒートシール層形成用樹脂組成物)
アクリル樹脂(商品名「TM−R600(NT)K3」、大日精化工業社製)
[ハードコート層付き有機ガラスの作製]
ポリカーボネート板(300mm×300mm、厚さ4.0mm)からなる樹脂基体を、150℃のホットプレートを用いて加熱した。加熱した樹脂基体の片面に、上記の転写用ハードコートフィルムをヒートシール層と樹脂基体とが接触するように配置し、190℃の熱ラミロールにて加熱ラミネート加工することにより、「ハードコート層付き有機ガラス」を得た。以下の各製造、各試験において、実施例、及び、比較例の何れの製造・試験においても、この「ハードコート層付き有機ガラス」を用いた。
[ハードコート層付き有機ガラス成型品評価用試料の作製]
上記の「ハードコート層付き有機ガラス」を用いて、実施例及び比較例の「ハードコート層付き有機ガラス成型品評価用試料」を製造した。各実施例、比較例では、材料については何れにおいても同一材料を用い、加熱工程における加熱条件のみを変更して、各「ハードコート層付き有機ガラス成型品評価用試料」を作り分けた。
[加熱工程]
上記の「ハードコート層付き有機ガラス」を、それぞれ、表1に示す加熱条件で加熱した。実施例1〜4は、加熱手段として赤外線ヒーター(中心波長5μm、「クイックウルトラサーモ(QUT60)」(TPR商事株式会社製))を用い、比較例1から3は、オーブン(「DN610」(ヤマト科学株式会社製))を用いた。それぞれの例において、「ハードコート層付き有機ガラス」の表面温度が、それぞれの例において既定した「曲げ処理準備温度」に達するまでの間加熱を継続した。尚、この加熱工程において「ハードコート層付き有機ガラス」の表面温度が各曲げ処理温度に達したことは、放射温度計「AD−5611A(A&D製)」により確認した。
Figure 2020163806
[試験例:加熱工程後の写像率測定]
実施例・比較例の「加熱工程」後の写像率を、それぞれ下記の「写像率測定方法」により測定した。結果は表1に示す通りであった。
(写像率測定方法)
写像率測定器「ICM−1T(スガ試験機株式会社製)」(JIS K7374:2007に準拠)を用いて測定。実施例・比較例の各「ハードコート層付き有機ガラス」のハードコート層を光源に向けた状態で試料台に設置し、反射角60°くし幅2mmにて測定した。加熱後の測定については、各「ハードコート層付き有機ガラス」を常温まで自然冷却した後に写像率の測定を行った。結果は表1に示す通りであった。
実施例1と比較例1においては、「曲げ処理準備温度」は同一であるが、同温度に達するための加熱手段と加熱時間が異なることにより、加熱後の写像率(%)に顕著な差が生じている。
「曲げ処理準備温度」を150℃に設定した実施例2において、加熱時間を200秒としたときの加熱後の写像率が90%となっている。この結果から、仮に所定の下限写像率が90%であるとしたら、この材料を用いて、「曲げ処理準備温度」を150℃に設定した場合の「限界加熱時間」は200秒であり、加熱時間が200秒以下となるように加熱条件(例えば、赤外線の波長、強度等)を設定することにより、ハードコート層付き有機ガラス成型品の透明性を最終製品における要求を満たすものとすることができる。
比較例2、3の結果から、対流熱による加熱によっては、十分な「曲げ処理温度」への到達と、写像率の維持とを、両立させることが、事実上不可能であることが分かる。
以上より、本発明の「ハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法」が、高温での加熱を伴う、曲げ加工を行う際に有利な効果を奏するプロセスであることが分かる。
10 ハードコート層付き有機ガラス
11 有機ガラス基体
12 ハードコート層付き転写シート
12a 基材フィルム
12b ハードコート層
12c プライマー層
12d ヒートシール層
20 押出機
30a、30b ヒーター
41a、41b 給紙ロール
42a、42b ニップロール
43a、43b 剥離ロール
44a、44b 排紙ロール
100 ハードコート層付き有機ガラス成型品

Claims (7)

  1. ハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法であって、
    有機ガラス基体上にハードコート層が熱転写されてなるハードコート層付き有機ガラスを加熱する加熱工程と、
    前記加熱後のハードコート層付き有機ガラスを曲げる曲げ工程と、
    を、含んでなり、
    前記加熱工程においては、前記ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が所定の曲げ処理準備温度に達するまで輻射熱による加熱を行う、ハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法。
  2. 前記加熱工程において、前記ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が前記曲げ処理準備温度に達するまでの加熱時間を、下記に規定する前記曲げ処理準備温度に対応する限界加熱時間よりも短い時間とする、請求項1に記載のハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法。
    (限界加熱時間)
    ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が予め設定した曲げ処理準備温度に達するまで加熱した後の当該ハードコート層付き有機ガラスの下記の写像率測定方法による写像率が、所定の下限写像率となる加熱時間のことを、ハードコート層付き有機ガラスの曲げ処理準備温度に対応する限界加熱時間とする。
    (写像率測定方法)
    JIS K7374:2007に準拠した写像率測定装置を使用し、ハードコート層付き有機ガラスのハードコート層を光源に向けた状態で試料台に設置し、反射角60°くし幅2mmにて測定する。
  3. 前記下限写像率が90%である請求項2に記載のハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法。
  4. 前記曲げ処理準備温度が120℃以上140℃以下であり、前記ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が該曲げ処理準備温度に達するまでの加熱時間が150秒以下である、請求項1から3の何れかに記載のハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法。
  5. 前記曲げ処理準備温度が150℃以上160℃以下であり、前記ハードコート層付き有機ガラスの表面温度が該曲げ処理準備温度に達するまでの加熱時間が200秒以下である、請求項1から3の何れかに記載のハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法。
  6. 前記輻射熱が赤外線による輻射熱である請求項1から5の何れかに記載のハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法。
  7. 前記赤外線が、中心波長が2.5μm以上5.0μm以下の中赤外線である、請求項6に記載のハードコート層付き有機ガラス成型品の製造方法。
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