JP2020163339A - 転写用ハードコートフィルムの製造方法、転写用ハードコートフィルム、及び、ハードコート積層体 - Google Patents

転写用ハードコートフィルムの製造方法、転写用ハードコートフィルム、及び、ハードコート積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】転写用ハードコートフィルムにおいて、最終的な硬化前の段階における「柔軟性」と「耐ブロッキング性」とを、良好な水準で両立させる。【解決手段】ハードコート層形成工程と、ハードコート層12上に接着層13を形成する接着層形成工程と、を含んでなり、ハードコート層用樹脂組成物は、アクリレート基を有する樹脂をベース樹脂とし、イソシアネート系硬化剤を含有し、ハードコート層用樹脂組成物の塗膜形成前の水酸基価が160mgKOH/g以上であって、ハードコート層用樹脂組成物への前記イソシアネート系硬化剤の添加量を、前記ハードコート層用樹脂組成物の塗膜形成後の水酸基価が150mgKOH/g以下となる量に調整する、転写用ハードコートフィルムの製造方法とする。【選択図】図1

Description

本発明は、転写用ハードコートフィルムの製造方法、転写用ハードコートフィルム、及び、ハードコート積層体に関する。
従来、樹脂成形品へのハードコート層の形成に、転写用ハードコートフィルムが用いられている。転写用ハードコートフィルムの一例として、基材層と、接着層と、硬化性樹脂からなるハードコート層とがこの順に積層された加飾シートが開示されている(特許文献1参照)。
この転写用ハードコートフィルムは、ハードコート層付きの成形品に十分な耐傷性を付与するために、硬化後において十分な硬度を有するものであることが先ず求められる。しかし、一方で、様々な形状の成形品基体への転写を可能とするために、最終的な硬化前の段階においては、転写用ハードコートフィルムには一定以上の柔軟性も求められる。
ここで、転写用ハードコートフィルムを用いた成形品へのハードコート層の転写工程は、一般的なフィルム状の樹脂材料同様、多くの場合、ロール・トゥ・ロール方式の製造設備において行われる。最終的な硬化の前段階にある転写用ハードコートフィルムには、ロール・トゥ・ロール方式の製造設備における生産性を良好な水準に維持するための耐ブロッキング性も求められる(特許文献2参照)。
特許文献2には、例えば、ハードコート層を形成する硬化性樹脂(アクリレート系樹脂)のガラス転移点を30℃以上とすることでタック性を抑制して耐ブロッキング性を付与することができること、又、同ガラス転移点を150℃以下とすることで、成型時における柔軟性を保持することができることが開示されている。
しかしながら、硬化前の段階のハードコート層の「柔軟性」と「耐ブロッキング性」は、トレードオフの関係にあり、両方を良好な水準で最適化することは実際には困難であった。又、特に成形品基体への転写後に最終的な硬化処理を行う所謂アフターキュアタイプの転写用ハードコートフィルムにおいて、この問題はとりわけ深刻であり、特許文献2においても、「柔軟性」と「耐ブロッキング性」の両立を考慮した場合に使用不可能とは言えない広い範囲の硬化樹脂を漠然と例示しているに過ぎず、実際に「柔軟性」と「耐ブロッキング性」とを、良好な水準で両立させることができる具体的な手段については何ら開示されてはいない。
特開2015−193211号公報 特開2012−51247号公報
本発明は、成形品(ハードコート積層体)に耐傷性を有するハードコート層を形成することができる転写用ハードコートフィルムにおいて、最終的な硬化前の段階における「柔軟性」と「耐ブロッキング性」とを、良好な水準で両立させることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ハードコート層を形成するハードコート層用樹脂組成物を、塗膜形成前の材料段階において一定以上の水酸基価を有するものに特定し、イソシアネート系硬化剤の添加量の調整により、塗膜形成後における同樹脂組成物の水酸基価を一定以下に抑制する独自の製造方法によって製造することができる、転写用ハードコートフィルムによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を開発するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 基材フィルムに、ハードコート層が積層されてなる転写用ハードコートフィルムの製造方法であって、基材フィルム上にハードコート層用樹脂組成物を塗布して、その後、半硬化させることによりハードコート層を塗膜形成するハードコート層形成工程と、前記ハードコート層上に接着層を形成する接着層形成工程と、を含んでなり、前記ハードコート層用樹脂組成物は、アクリレート基を有する樹脂をベース樹脂とし、イソシアネート系硬化剤を含有し、前記ハードコート層用樹脂組成物の塗膜形成前の水酸基価が160mgKOH/g以上であって、前記ハードコート層用樹脂組成物への前記イソシアネート系硬化剤の添加量を、前記ハードコート層用樹脂組成物の塗膜形成後の水酸基価が150mgKOH/g以下となる量に調整する、転写用ハードコートフィルムの製造方法。
(2) 前記ハードコート層用樹脂組成物の塗膜形成前の水酸基価が200mgKOH/g以上である、(1)に記載の転写用ハードコートフィルムの製造方法。
(3) 基材フィルムに、ハードコート層と、接着層と、が、この順に積層されてなる転写用ハードコートフィルムであって、前記ハードコート層は、アクリルアクリレートをベース樹脂とし、且つ、水酸基価が150mgKOH/g以下であって、且つ、赤外吸収スペクトル法によるC−H結合に対するウレタン結合の強度比が1.5以上である、転写用ハードコートフィルム。
(4) 成形品基体上に、ハードコート層が積層されてなる、ハードコート積層体であって、該ハードコート層が、(3)に記載の転写用ハードコートフィルムのハードコート層である、ハードコート積層体。
本発明によれば、成形品(ハードコート積層体)に耐傷性を有するハードコート層を形成することができる転写用ハードコートフィルムにおいて、最終的な硬化前の段階における「柔軟性」と「耐ブロッキング性」とを、良好な水準で両立させることができる。
本発明の転写用ハードコートフィルムの層構成を表す断面模式図である。 本発明の転写用ハードコートフィルムを用いて製造することができるハードコート積層体の一例であって、(a)基材フィルムを剥離する前の状態の形態、及び、(b)基材フィルムを剥離した状態の形態、をそれぞれ表す断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。又、本発明は、その目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<転写用ハードコートフィルム>
本発明の好ましい実施形態である転写用ハードコートフィルム10は、基材フィルム11上に、ハードコート層12と、接着層13とが、この順に積層されてなる積層体である(図1参照)。
成形品基体20の表面にハードコート層が形成されているハードコート積層体100の製造においては、この転写用ハードコートフィルム10を用いて、ハードコート層12と、接着層13とを含んでなるハードコートフィルム転写体1を、成形品基体20に転写することにより、耐傷性に優れるハードコート積層体100を得ることができる(図2参照)。
転写用ハードコートフィルム10のハードコート層12は、紫外線硬化樹脂等の硬化性樹脂を主たる材料とし、ハードコート積層体100を構成する成形品基体20の表面に、優れた耐傷性を付与する層である。
転写用ハードコートフィルム10の接着層13は、ハードコートフィルム転写体1において、成形品基体20の表面への十分な接着性を発現する層である。この接着層13は、ハードコート層12の表面の側から、プライマー層131とヒートシール層132とが、この順で積層されてなる多層構成であることがより好ましい。
〔基材フィルム〕
基材フィルム11は、ポリエステル樹脂フィルム、又は、ポリオレフィン樹脂フィルムにより構成されることが好ましい。又、上記樹脂フィルムのうち、延伸フィルムであることがより好ましい。
基材フィルム11を構成するポリエステル樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂等を好ましく用いることができる。これらの中でも、熱収縮が生じにくいこと、及び、経済性にも優れること等から、特にポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
基材フィルム11を構成するポリオレフィン樹脂フィルムとしては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂、オレフィン熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン樹脂からなり、延伸された樹脂フィルム等を好ましく用いることができる。これらの中でも、特に耐熱性に優れ、熱収縮が生じにくいことから、延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであることが好ましい。
基材フィルム11の厚さは、4μm以上200μm以下であることが好ましい。基材フィルム11は、その厚さを4μm以上することにより、カール変形やシワの発生を抑制することができる。又、基材フィルム11は、その厚さを200μm以下とすることにより、加熱圧着によってハードコートフィルム転写体1を成形品基体20の表面に転写する際の転写性能を良好に維持することができる。
尚、基材フィルム11のハードコート層を配置する側の面には、成形品基体20の表面への転写時における、ハードコートフィルム転写体1と基材フィルム11との剥離を、より容易に行えるようにするための離形層(図示せず)が更に配置されていてもよい。離形層を形成する樹脂は、例えば、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、電離放射線硬化樹脂等を用いることができる。
[ハードコート層]
ハードコート層12は、所定の硬化性樹脂と、所定の硬化材とを含有してなるハードコート層用樹脂組成物からなる硬化膜である。ハードコート層用樹脂組成物の組成等の詳細は後述する。
ここで、転写用ハードコートフィルム10においては、ハードコート層12は、成形品基体20の表面に転写された後に紫外線照射等による硬化処理が行われ最終的な硬化が進行することが想定されている。即ち、転写前の段階においては、転写用ハードコートフィルム10のハードコート層12において最終的な硬化は進行しておらず、転写用ハードコートフィルム10は、この未硬化の段階において、フィルム材料としての柔軟性と耐ブロッキング性が良好な水準で両立されていることを従来品に対する有利な硬化として発現しうるものである。
ハードコート層12は、所定の硬化性樹脂と、所定の硬化材とを含有してなるハードコート層用樹脂組成物からなる硬化膜である。但し、転写用ハードコートフィルム10においては、ハードコート層12は、成形品基体20の表面に転写された後に紫外線照射等による硬化処理が行われ最終的な硬化が進行することが想定されるものである。即ち、転写前の段階においては、転写用ハードコートフィルム10のハードコート層12において最終的な硬化は進行しておらず、転写用ハードコートフィルム10は、この未硬化の段階において、フィルム材料としての柔軟性と耐ブロッキング性が良好な水準で両立されていることを従来品に対する有利な効果として発現しうるものである。
そして、ハードコート層12は、アクリルアクリレートをベース樹脂とし、塗膜形成後においては、水酸基価が150mgKOH/g以下であって、且つ、赤外吸収スペクトル法等による「C−H結合に対するウレタン結合の強度比」が1.5以上である樹脂層である。「C−H結合に対するウレタン結合の強度比」の赤外吸収スペクトル法での算出方法は樹脂成型品に転写した後、紫外線(800mJ/cm)の照射により硬化したものをATR法で測定したC−H結合由来の1400cm−1付近のピーク強度とウレタン結合由来の1740cm−1付近のピーク強度の比から算出することができる。
(ハードコート層用樹脂組成物)
ハードコート層12を形成するハードコート層用樹脂組成物は、アクリレート基を有する樹脂をベース樹脂とし、以下に詳細を説明する適量範囲でイソシアネート系硬化剤を含有する。尚、本明細書における「アクリレート」は、「メタクリレート」であってもよい。
そして、このハードコート層用樹脂組成物は、塗膜形成前の段階、(例えば、ハードコート層形成用のインキ等の状態)において、水酸基価が160mgKOH/g以上、好ましくは200mgKOH/g以上であることを必須とし、尚且つ、ハードコート層12としての塗膜形成後において水酸基価が150mgKOH/g以下となることを必須要件とする。
ハードコート層用樹脂組成物中には、上記の通り、初期段階で所定以上の水酸基が存在し、尚且つ、塗膜形成の過程で、一定割合の水酸基が硬化剤との反応により架橋してウレタン結合を形成する。これにより、塗膜形成後のハードコート層12に、適切な柔軟性と耐ブロッキング性とを付与することができる。塗膜形成時に形成される上記のウレタン結合の形成により、ハードコート層12には十分な耐ブロッキング性が付与される。一方で、このウレタン結合は、ハードコートフィルム転写体1の成形品基体20への転写後に紫外線照射等によって最終的な硬化を完了させる際のハードコート層用樹脂組成物中のアクリレート基の架橋による硬化と比較して架橋点における柔軟性が十分に大きい。よって、転写用ハードコートフィルム10において、塗膜形成後であって、最終的な硬化前の段階における「柔軟性」と「耐ブロッキング性」とを、良好な水準で両立させることができる。
ハードコート層用樹脂組成物のベース樹脂としては、アクリレート基を有する樹脂であり、同組成物の初期段階での水酸基価を160mgKOH/g以上とすることが可能な樹脂を用いることができる。具体的には、アクリルアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等を、ハードコート層用樹脂組成物のベース樹脂として用いることができる。これらの中でも、ハードコート層用樹脂組成物のベース樹脂として、アクリルアクリレートを特に好ましく用いることができる。尚、本明細書において「ベース樹脂」とは、樹脂組成物において樹脂成分中少なくとも30質量%以上、50質量%以上を占める割合で含有される樹脂であって、樹脂成分中で最も含有量比の大きい樹脂のことを意味する。ハードコート層用樹脂組成物は、上記ベース樹脂以外にも、上記範囲以下の割合で、ベース樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。
ハードコート層用樹脂組成物に添加する硬化剤としては、イソシアネート系硬化剤を用いることができる。ハードコート層用樹脂組成物に添加するイソシアネート系硬化剤は、イソシアネートを含んでなり、ハードコート層用樹脂組成物中に材料段階において存在する水酸基を架橋してウレタン結合を形成可能な硬化剤であれば、公知の硬化剤を適宜選択して用いることができる。このような硬化剤の具体例として、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等をそれぞれ含んでなる各種のイソシアネート系硬化剤が挙げられる。これらの中でも、ハードコート層用樹脂組成物に添加する硬化剤として、ヘキサメチレンジイソシアネート及びその多量体を、特に好ましく用いることができる。
ハードコート層用樹脂組成物への上記のイソシアネート系硬化剤の添加量は、ハードコート層用樹脂組成物の塗膜形成後の水酸基価が150mgKOH/g以下となる量とする。上記の通り、ハードコート層用樹脂組成物の初期段階での水酸基価は160mgKOH/g以上、好ましくは200mgKOH/g以上である。イソシアネート系硬化剤の添加量は、上述のウレタン結合の形成により、この組成物の初期段階での水酸基価に応じて、これを150mgKOH/g以下に減らすことができるだけの添加量とする。具体的な目安としては、例えば、アクリルアクリレートからなる樹脂材料をハードコート層用樹脂組成物の主剤樹脂とする場合であれば、イソシアネート系硬化剤の添加量は、樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。この範囲内であることを目安とし、塗膜形成前後の水酸基価を上述の通りに変動させることができる量に調整すればよい。
又、ハードコート層用樹脂組成物には、耐傷フィラーや耐候剤を更に含有させることができる。ハードコート層用樹脂組成物に含有させることができる耐傷フィラーとしては、無機系と有機系のフィラーがあり、無機物では、例えば、アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、ジルコニア、炭化ケイ素等の無機粒子が挙げられる。これらの無機系の耐傷フィラーのうち、ハードコート層12に透明性が求められる場合に、シリカ粒子を好ましく用いることができる。シリカ粒子は、ハードコート層12の耐傷性を向上させ、且つ、ハードコート層12の透明性を阻害しないからである。シリカ粒子としては、従来公知のシリカ粒子から適宜選択して用いることが可能であり、コロイダルシリカ粒子等も好適に挙げられる。コロイダルシリカ粒子は、添加量が増えた場合であっても、透明性に影響を及ぼすことが少ない。
又、ハードコート層用樹脂組成物には、紫外線吸収剤や光安定剤等、各種の耐光剤を更に含有させることができる。紫外線吸収剤は有害な紫外線を吸収し、ハードコート積層体100の長期にわたる耐候性、安定性を向上させる。又、光安定剤は、これ自体は紫外線をほとんど吸収しないが、紫外線により生じる有害なフリーラジカルを効率良く捕捉することにより安定化が得られるというものである。紫外線吸収剤としては、二酸化チタンや酸化セリウム、酸化亜鉛等の無機系のものや、ベンゾトリアゾール系やトリアジン系の有機系の紫外線吸収剤が好ましく挙げられ、中でもトリアジン系紫外線吸収剤を好ましく用いることができる。又、光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤(HALS)を好ましく用いることができる。
ハードコート層12の厚さは、1μm以上20μm以下であることが好ましく、2μm以上10μm以下であることがより好ましく、最も好ましくは2μm以上6μm以下である。ハードコート層12の厚さを1μm以上とすることにより、通常必要とされる耐傷性を担保することが可能である。又、ハードコート層12の厚さを20μm以下とすることにより、製造安定性や経済性を良好な水準に維持することができる。
[接着層]
接着層13は、ハードコートフィルム転写体1を、成形品基体20の表面に密着させる機能を有する層である。この接着層13は、単層であってもよいが、上述の通り、ハードコート層12の側から、プライマー層131及びヒートシール層132がこの順で積層される2層構成であることが好ましい。以下、接着層13がこのような2層構成である場合について説明する。
尚、接着層13にも、ハードコート層に含有させることができる耐候剤や耐光剤を必要に応じて含有させることができる。特に接着層13が、上記のような2層構成である場合、これらの耐候剤や耐光剤をプライマー層131に含有させ、ヒートシール層132には、これらの添加材は含有させない構成とすることにより、ヒートシール層132の接着性や接着耐久性の低下を回避しつつ、成形品基体20の耐候性、耐光性を高水準に維持することができる。
[プライマー層]
プライマー層131は、ハードコート層12に対する応力緩和層として機能するとともに、ハードコート層12を含んでなるハードコートフィルム転写体1の成形品基体20に対する密着性を向上させる機能を有する層である。このプライマー層131は、バインダー樹脂と、必要に応じて添加されるブロッキング防止剤等の各種の添加剤を含んでなるプライマー層形成用樹脂組成物により構成される。
プライマー層131を構成するバインダー樹脂は、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型樹脂であることが好ましい。プライマー層131を構成するバインダー樹脂の主剤は、特に制限されない。好ましく用いることができるバインダー樹脂の主剤として、例えば、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、プチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等を挙げることができる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で用いることができ、又は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらのバインダー樹脂の中でも、密着性及び耐候性の観点から、ポリウレタン樹脂が特に好ましい。
プライマー層131を構成するバインダー樹脂の硬化剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等のイソシアネート硬化剤を用いることができる。硬化剤の使用量は、主剤となる樹脂100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下がより好ましく、20質量部以上30質量部以下が更に好ましい。
プライマー層131には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の各種添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
プライマー層131の厚さについては特に制限されないが、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましい。
[ヒートシール層]
ヒートシール層132は、プライマー層131とともにハードコートフィルム転写体1を成形品基体20の表面に密着させる機能を有する層であり、加熱及び加圧により、成形品基体20への転写を良好に行うことができるように熱融着樹脂等からなる接着性樹脂により構成される。
ヒートシール層132に含有させる接着性樹脂は、成形品基体20の材質、転写の際の転写温度や圧力、転写製品の用途等に応じて定められ、特に限定されない。一般的には、接着性樹脂として、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等の熱融着樹脂を適宜用いることができる。これらの各樹脂は、単独で用いることができ、或いは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
ヒートシール層132の厚さは、プライマー層131よりも厚いことが好ましい。ハードコート層12を含むハードコートフィルム転写体1を成形品基体20に接着するという機能と、優れた透明性とを確保するという観点から、ヒートシール層132の厚さは、プライマー層131よりも厚く、且つ、1μm以上7μm以下であることが好ましく、プライマー層131よりも厚く、且つ、1μm以上3μm以下であることがより好ましい。
又、転写用ハードコートフィルム10は、ヒートシール層132の上にポリエチレン樹脂等の樹脂からなるカバーフィルム(保護フィルム)を貼り付けて表面を保護しておくこともできる。転写用ハードコートフィルム10にカバーフィルムを設ける場合、このカバーフィルムを剥がし、ヒートシール層132を露出させてから、このヒートシール層132の面を介して、ハードコートフィルム転写体1は成形品基体20に転写される。
<転写用ハードコートフィルムの製造方法>
転写用ハードコートフィルム10は、以下に詳細を説明する本発明にかかる「転写用ハードコートフィルムの製造方法」により、品質安定性を高水準に維持しながら効率よく製造することができる。
本発明の転写用ハードコートフィルムの製造方法は、上記においてその組成を詳しく説明した「ハードコート層用樹脂組成物」を、基材フィルム11上に塗布して、その後、半硬化させることによりハードコート層を塗膜形成する「ハードコート層形成工程」と、ハードコート層12上に更に接着層を形成する「接着層形成工程」とを少なくとも行う製造方法である。そして、「ハードコート層形成工程」で用いる「ハードコート層用樹脂組成物」に添加する硬化剤の添加量の調整によって、塗膜形成後であって最終的な硬化前の段階にあるハードコート層の水酸基価とウレタン結合数をバランスよく最適化する製造方法であることを主たる特徴とする。尚、本明細書における「半硬化」とは、転写用ハードコートフィルムのハードコート層としての塗膜成形は完了しているが、最終製品(ハードコート積層体)の完成段階に至る最終的な硬化を完了させる前の状態であることを意味する。例えば、後述する「ハードコート積層体の製造方法」における「紫外線照射工程」が、この「最終的な硬化を完了させる」工程に該当する。
[ハードコート層形成工程]
この工程では、上述の通り、塗膜形成前の水酸基価が160以上であって、アクリレート基を有する樹脂をベース樹脂とし、イソシアネート系硬化剤を含有する「ハードコート層用樹脂組成物」を基材フィルム上に塗布してハードコート層を塗膜形成する。
硬化剤の添加量は、上述の通り、ハードコート層用樹脂組成物の塗膜形成後の水酸基価が150mgKOH/g以下となる量に調整する。これにより、少なくとも塗膜形成後におけるハードコート層の赤外吸収スペクトルにおけるC−H結合とウレタン結合の強度比を1.5以上とすることができる。
基材フィルム11上に、ハードコート層12を塗膜形成する方法としては、ハードコート層形成用樹脂組成物を、塗膜形成後のハードコート層12の厚さが、所望の厚さとなるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の方式、好ましくはグラビアコートにより塗布し、硬化して行う方法がある。樹脂組成物が溶剤を含むような場合は、塗工後、熱風乾燥機等により塗布層を予め加熱乾燥してから、更に加熱処理を行うことが好ましい。この更なる加熱処理等により、ベース樹脂の水酸基のイソシアネートとの反応によるウレタン結合の形成がより速やかに促進される。
[接着層形成工程]
この工程では、上記ハードコート層形成工程で得たハードコート層12上に接着層13を形成する。接着層13は上述の通りプライマー層131とヒートシール層132とからなる多層構成であることが好ましい。以下、接着層13がこのような層構成である場合における本工程の好ましい実施態様について説明する。
プライマー層131は、上述のプライマー層形成用組成物を用いて、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート、スリットコート、ダイコート等の塗布方式、或いは転写コーティング法を行うことにより形成することができる。ここで、転写コーティング法とは、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層131の塗膜を形成し、その後にハードコート層12の表面に被覆する方法である。好ましくはグラビアコートにより行うことが好ましい。
ヒートシール層132についても、上述の熱融着樹脂等からなる接着性樹脂を用いて、グラビアコート等プライマー層の形成と同様の方法により、プライマー層131上にこの層を更に形成することができる。
<ハードコート積層体>
本発明にかかるハードコート積層体100は、成形品基体20の上に、上述の転写用ハードコートフィルム10のハードコート層12、即ち、ハードコートフィルム転写体1のハードコート層12が、成形品表面の耐傷性等を高める硬化膜として形成されている積層体である。尚、基材フィルム11の配置は任意であり、図2(b)に示すように、基材フィルム11は、使用過程における任意の段階でハードコートフィルム転写体1から剥離してもよい。
[成形品基体]
成形品基体20については、所望の成型体に応じて各種の樹脂基体等を適宜選択すればよい。成形品基体20を樹脂基体とする場合、これを構成する樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、アクリル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂を好ましい樹脂の具体例として挙げることができる。
このハードコート積層体100は、以下に説明するハードコート積層体の製造方法によって得ることができる。下記に述べる通り、このハードコート積層体は、成形品基体20と、ハードコートフィルム転写体1とを、金型内等において一体化成型した後に、紫外線照射により最終的なハードコート層12の硬化を完了させる工程(所謂アフターキュア)を経て製造されることが想定されている。このため、様々な表面形状の成形品基体に対するハードコートフィルム転写体1の追従性は極めて良好であり、且つ、硬化のための架橋処理についても、比較的簡便な装置によって行うことができ、架橋条件の制御も容易である。つまり、ハードコート積層体100は、ハードコート層12の成形性と硬度の最適化が容易に行える点においても優れた特徴を有する成形品である。
<ハードコート積層体の製造方法>
本発明のハードコート積層体100の製造方法は特定の方法に限定されないが、以下に詳細を説明する通り、材料積層体を得る積層工程と、この積層後の材料積層体に紫外線を照射してハードコート層12を形成する樹脂の最終的な硬化を完了させる紫外線照射工程と、を順次行う製造方法により製造することができる。
(積層工程)
積層工程は、例えば、図2に模式的に示すよう態様で、成形品基体20の表面に、接着層13を介してハードコート層12を積層して材料積層体を得る工程である。このようにして得た材料積層体を次工程であるエネルギー波照射工程に付すことによって一体化する。
(紫外線照射工程)
紫外線照射工程は、上記の積層工程で得た材料積層体に、紫外線を照射することにより、ハードコート層12を形成する樹脂を架橋して、ハードコート層12の最終的な硬化を完了させる工程である。
以下、実施例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<転写用ハードコートフィルムの作製>
(離型層形成工程)
基材フィルムの一方の面に、離型層形成用樹脂組成物を塗布し、150℃以上の温度で乾燥させることにより離型層(層厚:1μm)を形成した。
(ハードコート層形成工程)
上記離型層を形成した面に、ハードコート層形成用硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化樹脂層を形成した。
(接着層形成工程)
上記のハードコート層の基材フィルムと逆側の面にプライマー層形成用樹脂組成物を塗布して、プライマー層(層厚:2μm)を形成し、更に、該プライマー層上にヒートシール層形成用樹脂組成物を塗布してヒートシール層(層厚:1.5μm)を形成した。
上記の操作により、基材フィルム、離型層、ハードコート層、接着層(プライマー層及びヒートシール層)がこの順で積層された、実施例・比較例の各転写用ハードコートフィルムを得た。なお、使用した材料の詳細は下記の通りである。
(基材フィルム)
商品名「ルミラー50T60」、東レ株式会社製(厚み50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)からなるフィルム)
(離型層形成用樹脂組成物)
:アクリルメラミン系樹脂組成物(EX−114D−Bメヂウム(大日精化工業株式会社製))100質量部;硬化剤(PTC No.7硬化剤(大日精化工業株式会社製))6質量部。
(ハードコート層形成用硬化性樹脂組成物)
アクリルアクリレート1(実施例1、比較例1で使用)
:アクリルアクリレート樹脂(分子量約65000、水酸基価211mgKOH/g)100部;光重合開始剤(IRGCURE184(BASFジャパン株式会社製))4部
アクリルアクリレート2(実施例2、比較例2で使用)
:アクリルアクリレート樹脂(分子量約65000、水酸基価160mgKOH/g)100部;光重合開始剤(IRGCURE184(BASFジャパン株式会社製))4部
アクリルアクリレート3(比較例3で使用)
:アクリルアクリレート樹脂(分子量約65000、水酸基価10mgKOH/g)100部;光重合開始剤(IRGCURE184(BASFジャパン株式会社製))4部
ウレタンアクリレート(比較例4で使用)
:6官能の電離放射線硬化性樹脂(6官能のウレタンアクリレート(分子量約1,000)60質量部と、2官能のカプロラクトン変性ウレタンアクリレート(分子量数千程度)40質量部と、の混合物):100質量部;ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(Tinuvin479(BASFジャパン株式会社製))0.7質量部;反応性官能基を有する光安定剤(サノールLS−3410(日本乳化剤株式会社製))4.2質量部;非反応性シリコーン化合物(ポリエーテル変性シリコーンオイル)0.3質量部;耐傷フィラー(シリカ粒子、平均粒子径:2μm)2重量部
硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネート系多官能イソシアネート):アクリルアクリレート1〜3又はウレタンアクリレート100質量部に対して、表1に示す量(単位:質量部)で添加した。
尚、比較例4のみハードコート層用樹脂組成物を塗工後に90kV及び7Mrad(70KGy)の条件で電子線を照射して、架橋硬化させることによりハードコート層を形成した。
(プライマー層形成用樹脂組成物)
ポリエステル系ウレタン−アクリル共重合体100質量部;ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(チヌビン400(BASFジャパン株式会社製))17質量部;ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(チヌビン479(BASFジャパン株式会社製))13質量部;ヒンダードアミン系光安定剤8質量部(チヌビン123(BASFジャパン株式会社製));ブロッキング防止剤9質量部;硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネート)25質量部;シリカ粒子(平均粒径:3μm)
(ヒートシール層形成用樹脂組成物)
アクリル樹脂(分子量約10万、ガラス転移温度(Tg)約105℃)
<ハードコート積層体の作製>
上記の通り製造した実施例・比較例の各転写用ハードコートフィルムを、射出成型機の金型内に挿入した上で、下記の「樹脂成型体用樹脂組成物」を射出する射出成型を行い、成形品を得ると同時に基材フィルムを剥離することによりハードコート層を付与した樹脂成型体を得た。そして、成形品を金型から取り出し、上記基材フィルムを剥離した後に、下記の「紫外線照射条件」による紫外線照射処理により、半硬化の状態にあるハードコート層を最終的に硬化させる処理を行うことで、ハードコート積層体を得た。
(樹脂成型体用樹脂組成物)
ポリカーボネート樹脂(パンライトL−1225Z100M(帝人株式会社))
(紫外線照射条件)
大気雰囲気化、Hバルブ、800mJ/cm照射し硬化させた。
<試験例1:塗膜形成前後のハードコート層用樹脂組成物の水酸基価について>
塗膜形成前のハードコート層用樹脂組成物の水酸基価については、JIS K 0070:1992に則って測定した。塗膜形成後の水酸基価については、最終的な硬化処理前の半硬化の状態にあるハードコート層を、メチルエチルケトンに溶解させたのちに同様の方法にて測定した。
<試験例2:ハードコート層の赤外吸収スペクトルにおけるC−H結合とウレタン結合の強度比について>
上記の通り製造した実施例・比較例の各ハードコート積層体について、ハードコート層の赤外吸収スペクトルを下記の方法により測定した。得られたスペクトルについて、1400cm−1付近のピーク強度をC−H結合、1740cm−1付近のピーク強度をウレタン結合に帰属するピーク強度とし、その強度比(ウレタン結合のピーク強度/C−H結合のピーク強度)を算出した。
(測定装置):「FT/IR−6100(日本分光社製)」
(測定条件):波長領域は400cm−1〜4000cm−1とし、ATR法を用いて吸光度を測定した。
<評価例1>
[耐ブロッキング性の評価]
(試験方法)
上記の通り製造した実施例・比較例の各転写用ハードコートフィルムについて、ハードコート層形成後(半硬化後)の塗膜表面を指で5秒触った後の塗膜外観を評価した。
(評価基準)
A:塗膜外観に変化がなく、指に塗膜形成樹脂は付着しない
B:塗膜外観に軽微な変化があるが、指に塗膜形成樹脂は付着しない
C:塗膜外観に顕著な変化があり、指に塗膜形成樹脂が付着する
<評価例2>
[成型性の評価]
上記の通り製造した実施例・比較例の各ハードコート積層体の表面の外観を観察し、下記の評価基準に従って成形性を評価した。
(評価基準)
A:クラック等無く成型できている
B:軽微なクラックが端部にのみ発生している
C:全面にクラックが発生している
<評価例3>
[耐候性の評価]
(試験方法)
スーパーキセノンウェザーメーター(SX−75 スガ試験機製)を用い、下記の「試験サイクル」で、1000時間経過後の試験サンプルの外観を評価した。
(試験サイクル)
「STEP1(照射)」:照度180W/m;BP温度63℃;湿度50%;時間102分
「STEP2(照射+雨)」:照度180W/m;BP温度30℃;湿度98%;時間18分
(評価基準)
A:外観に変化がみられない
B:外観に軽微な変化がみられる
C:外観にクラックや艶の低下等、顕著な変化がみられる
Figure 2020163339
表1より、本発明により、成形品(ハードコート積層体)に耐傷性を有するハードコート層を形成することができる転写用ハードコートフィルムにおいて、最終的な硬化前の段階における「柔軟性」と「耐ブロッキング性」とを、良好な水準で両立させることができる。
1 ハードコートフィルム転写体
10 転写用ハードコートフィルム
11 基材フィルム
12 ハードコート層
13 接着層
131 プライマー層
132 ヒートシール層
123 接着層
20 成形品基体
100 ハードコート積層体

Claims (4)

  1. 基材フィルムに、ハードコート層が積層されてなる転写用ハードコートフィルムの製造方法であって、
    基材フィルム上にハードコート層用樹脂組成物を塗布して、その後、半硬化させることによりハードコート層を塗膜形成するハードコート層形成工程と、
    前記ハードコート層上に接着層を形成する接着層形成工程と、を含んでなり、
    前記ハードコート層用樹脂組成物は、アクリレート基を有する樹脂をベース樹脂とし、イソシアネート系硬化剤を含有し、
    前記ハードコート層用樹脂組成物の塗膜形成前の水酸基価が160mgKOH/g以上であって、
    前記ハードコート層用樹脂組成物への前記イソシアネート系硬化剤の添加量を、前記ハードコート層用樹脂組成物の塗膜形成後の水酸基価が150mgKOH/g以下となる量に調整する、
    転写用ハードコートフィルムの製造方法。
  2. 前記ハードコート層用樹脂組成物の塗膜形成前の水酸基価が200mgKOH/g以上である、請求項1に記載の転写用ハードコートフィルムの製造方法。
  3. 基材フィルムに、ハードコート層と、接着層と、が、この順に積層されてなる転写用ハードコートフィルムであって、
    前記ハードコート層は、アクリルアクリレートをベース樹脂とし、且つ、水酸基価が150mgKOH/g以下であって、且つ、赤外吸収スペクトルにおけるC−H結合とウレタン結合の強度比が1.5以上である、
    転写用ハードコートフィルム。
  4. 成形品基体上に、ハードコート層が積層されてなる、ハードコート積層体であって、
    該ハードコート層が、請求項3に記載の転写用ハードコートフィルムのハードコート層である、ハードコート積層体。
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