JP2020161928A - 受信装置、及び干渉除去方法 - Google Patents

受信装置、及び干渉除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成により、通信波とは異なる周期的に変化する干渉信号の影響を低減することができる受信装置を提供する。【解決手段】受信装置1は、希望信号、及び、通信信号とは異なる、周期的に変化する干渉信号を無線により受信する受信部11と、干渉信号の少なくとも1周期分を含む干渉レプリカが記憶される記憶部15と、受信信号から干渉レプリカを除去する除去部16と、干渉レプリカの除去された受信信号に関する誤差を検出する誤差検出部17と、誤差が小さくなるように、受信信号から除去される干渉レプリカの振幅、時間、位相を調整する調整部18と、干渉レプリカの除去された受信信号を復調する復調部19と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、受信信号に混入する干渉信号を除去する受信装置等に関する。
無線通信を行うICT機器(Information and Communication Technology機器:情報通信装置)の普及により、空間には様々な電波が飛び交っている。その通信を行う際に、電波伝搬において本来受信したい希望波とは別に干渉波が混入すると、受信機側で正しいデータを復調することが難しくなる。例えば、2.4GHz帯の無線LAN使用時に、同じ2.4GHz帯のマイクロ波を用いる電子レンジを動作させると、通信品質が著しく劣化することがある。
このような状況を回避するために、干渉波が発生する周波数を避けて、別の周波数で通信を行うことが考えられる。例えば、無線LANの場合には、2.4GHz帯ではなく5GHz帯を使用することによって、電子レンジからの干渉波を回避することができる。しかしながら、この場合には、無線LANの端末側、基地局側の双方とも5GHz帯でも通信することができ、干渉発生時にはネゴシエーションを行って周波数を切り替える機能が必要である。最初から5GHz帯を使えば、そのような手順は不要であるが、時々しか動作しない電子レンジのために、2.4GHz帯を使わないのは周波数の有効利用の観点から好ましくない。
パソコンのマウスや、ヘッドフォンの接続の際の無線通信として用いられることが多いBluetooth(登録商標)は、無線LANと同じ2.4GHz帯を使用するが、周波数ホッピングという方法で、干渉周波数を避けて通信を行う。これで一定の干渉への対策は可能であるが、電子レンジのように2.4GHz帯全体に強力な干渉が発生する場合は、伝送品質が劣化するという課題がある。
なお、干渉波への対策については、例えば、特許文献1〜4に記載された方法が知られている。
特開2013−211779号公報 特開平5−308343号公報 特許3228876号公報 特許5360662号公報
特許文献1の発明は、人の検知を行うためのマイクロ波ドップラセンサと無線LANとが同じ場所で使用される場合に、干渉が生じないようにするため、マイクロ波ドップラセンサで使用する周波数を切り替える装置に関するものである。このように、干渉を回避するには、使用する周波数を変えるのが、最も基本的でかつ確実な方法である。しかしながら、周波数を切り替えるには、切り替え先の周波数が使えることが条件になる。また、多くの周波数帯を使うことは、周波数の利用効率の観点からも、好ましくない。さらに、この発明では、マイクロ波ドップラセンサの周波数を切り替えているが、仮に無線LANの周波数を切り替えた場合には、通信が一旦、切断されてしまう。上位レイヤのプロトコルで再送が実施されたとしても、通信遅延が発生するという問題が生じる。
また、一般の無線LANでは、複数の機器が同じ周波数を使用する。そこで発生する衝突を避けるため、CSMA/CAという方法を用いている。これは送信を行おうとする際に、使用する周波数を監視し、他局の電波を検知した場合には、ランダムな時間だけ待機してから再び送信を行う方法である。このようにすることで、衝突の可能性を低減できる。しかしながら、他局が送信していると、自局の送信タイミングが遅れることになる。そのため、そのような方法は、メカトロ機器の制御情報のような、確実に時間内に通信を完了させたい状況では使用することができない。
つまり、周波数を切り替えることは周波数の利用効率の観点から好ましくなく、干渉発生時間を避けることは通信遅延を保証する観点から好ましくない。したがって、干渉があっても送信を実現できる方法が好ましいことになる。その方法として、干渉キャンセラを使用する方法が考えられる。特許文献2は、干渉キャンセラの一例を示すものであり、スペクトラム拡散通信における干渉除去装置の基本的な構成を示すものである。特許文献2の発明では、受信信号から干渉信号を検出し、そのレプリカを作成して差し引くことで、干渉を低減している。これをCDMA通信に適用し、複数の干渉除去のブロックを組み合わせたものが特許文献3の発明である。これにより、複数の無線局が同じ周波数帯を同時に使用するCDMAにおける課題の一つである符号間干渉を低減して受信性能を改善することが可能になる。
ここで、特許文献2や特許文献3の干渉波は通信波である必要がある。そして、受信側では、その情報の一部(例えば拡散符号)を知っていることが条件となる。これにより、受信側では受信した信号から目的外の通信波の干渉レプリカを作成することができる。したがって、特許文献2や特許文献3の手法は、通信波ではない干渉電波、例えば電子レンジからの雑音電波に対しては、受信側においてそのまま適用することはできない。
特許文献4の発明は、受信信号の中から除去したい強い干渉信号に対してフーリエ変換を行って周波数軸上で抽出し、これを逆フーリエ変換して時間軸に戻して干渉レプリカを作成し、その処理で生じた時間差だけ元の受信信号を遅延させる調整を行って合成することによって干渉除去を実現している。この方法であれば、電子レンジのような通信以外の干渉信号も除去することができる。しかしながら、干渉レプリカ作成の際に周波数軸上に高速に変換する必要があるため、回路が複雑になる。また、処理にも時間がかかるため、干渉レプリカと合成する際に、元の受信信号を遅延させる必要がある。アナログ信号を遅延させるには、それに応じた遅延線が必要となり、物理的なサイズが大きくなる。また、遅延時間は、その長さで決まるため、自由に調整できないという課題もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、より簡単な構成により、通信波とは異なる干渉波の影響を低減させることができる受信装置及び干渉除去方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による受信装置は、希望信号、及び、通信信号とは異なる、周期的に変化する干渉信号を無線により受信する受信部と、干渉信号の少なくとも1周期分を含む干渉レプリカが記憶される記憶部と、受信信号から干渉レプリカを除去する除去部と、干渉レプリカの除去された受信信号に関する誤差を検出する誤差検出部と、誤差が小さくなるように、受信信号から除去される干渉レプリカの振幅、時間、位相を調整する調整部と、干渉レプリカの除去された受信信号を復調する復調部と、を備えたものである。
このような構成により、通信波とは異なる周期的に変化する干渉信号の干渉レプリカを受信信号から差し引くことにより、干渉波の影響を低減することができるようになる。また、遅延回路などが不要であるため、より簡易な構成によって、干渉の影響の低減を実現することができるようになる。
また、本発明による受信装置では、干渉信号の変化の周期を取得する周期取得部と、周期取得部によって取得された1周期分の干渉信号を含む干渉レプリカを記憶部に記録する記録部と、をさらに備えてもよい。
このような構成により、干渉レプリカの記録も行うため、受信装置の存在する場所において発生している干渉波の干渉レプリカを記録して、その干渉波の影響を低減することができるようになる。また、干渉信号の変化の周期の取得において、例えば、フーリエ変換等を用いることも考えられるが、その場合であっても、リアルタイム性は要求されないため、特許文献4の手法と比較して、より簡易な構成によって、フーリエ変換等を実現することもできる得ることになる。
また、本発明による受信装置では、記録部は、誤差が閾値よりも大きくなった場合に、再度、干渉レプリカの記録を行ってもよい。
このような構成により、記録された干渉レプリカが、受信する干渉波と合わなくなった場合に、干渉レプリカを更新することができ、干渉波の変化に適応した干渉低減を実現することができるようになる。
また、本発明による受信装置では、記憶部では、2以上の干渉レプリカが記憶されており、除去部は、2以上の干渉レプリカのうち、誤差が最も小さくなる干渉レプリカを受信信号から除去してもよい。
このような構成により、あらかじめ記憶されている複数の干渉レプリカのうち、最適なものを用いて、干渉低減を実現することができる。したがって、干渉レプリカを記録する構成等が不要となり、より簡単な構成によって、干渉の影響を低減することができるようになる。
また、本発明による干渉除去方法は、希望信号、及び、通信信号とは異なる、周期的に変化する干渉信号を無線により受信するステップと、受信信号から、干渉信号の少なくとも1周期分を含む干渉レプリカを除去するステップと、干渉レプリカの除去された受信信号に関する誤差を検出するステップと、誤差が小さくなるように、受信信号から除去される干渉レプリカの振幅、時間、位相を調整するステップと、を備えたものである。
本発明による受信装置等によれば、より簡易な構成によって、通信波とは異なる周期的に変化する干渉信号の影響を低減することができる。
本発明の実施の形態による受信装置の構成を示すブロック図 同実施の形態による受信装置の動作を示すフローチャート 同実施の形態における干渉電波の周期的な時間変化の一例を示す図 同実施の形態による受信装置の構成の他の一例を示すブロック図
以下、本発明による受信装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。本実施の形態による受信装置は、通信信号ではない、周期的に変化する干渉信号の少なくとも1周期分を含む干渉レプリカの時間、位相、振幅を調整して受信信号から差し引くことによって、干渉波の影響を低減するものである。
図1は、本実施の形態による受信装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態による受信装置1は、受信部11と、スイッチ12と、周期取得部13と、記録部14と、記憶部15と、除去部16と、誤差検出部17と、調整部18と、復調部19と、制御部20とを備える。
特に限定されるものではないが、ここでは一例として、受信装置1が2.4GHz帯の無線LANによる通信を行い、干渉波の2.4GHz帯での無線通信への影響を低減する場合について主に説明する。なお、受信装置1は、送信機能を有していてもよい。また、ここでは、干渉源の一例として、電子レンジを想定して説明するが、干渉源は、電子レンジ以外であってもよい。電子レンジ以外の干渉源としては、例えば、高周波医療機器や、大型のモータ、大型の発電機などを挙げることができる。いずれの干渉源からも、周期的に変化する干渉波が出力される。
電磁レンジは、マグネトロンで2.4GHz帯の周波数の信号を出力し、水分を含んだ食品に放射する。分極した水分子は、電磁波によって動かされる。その際に分子同士が摩擦することで食品が加熱される。電子レンジは、シールドされた筐体の中で電磁波を放射するが、出力が強力であるため、近隣で行う2.4GHz帯の無線通信に影響を与えるほどの干渉波となり漏洩する。漏洩した電波は、同じ周波数を使用する通信の信号と共に受信される。この干渉波の影響によって、上記のように受信品質が大きく劣化することになる。
受信部11は、希望信号と干渉信号とを無線により受信する。希望信号は、通信で用いられる信号であり、受信装置1が受信したい信号である。干渉信号は、通信信号とは異なる信号である。また、ここでは、干渉信号が周期的に変化する信号であるとする。この周期的な変化は、干渉電波の周波数とは異なる周期であるとする。例えば、干渉電波が電子レンジから出力される場合には、干渉電波の周波数は、2.4GHz帯であるが、図3で示されるように、その干渉電波の周波数は、周期的に変化している。その変化の周波数は、例えば、西日本であれば、60Hz程度である。したがって、電子レンジからの干渉電波には、電波そのものの周波数(例えば、2.4GHz帯)よりも低い周波数(例えば、60Hz)における変化が存在することになる。電子レンジ以外のモータや発電機等から出力される干渉電波についても、同様に、商用電源周波数(例えば、50〜60Hz)に応じた程度の周波数の変化が存在することが多い。受信部11は、希望信号と、干渉信号との少なくとも一方を受信してもよい。例えば、干渉信号が出力されていない場合(例えば、電子レンジが停止している場合)には、受信部11は、希望信号のみを受信してもよい。また、希望信号が送信されておらず、干渉信号が出力されている場合(例えば、電子レンジが動作している場合)には、受信部11は、干渉信号のみを受信してもよい。また、希望信号が送信されており、かつ、干渉信号も出力されている場合には、受信部11は、両者を受信してもよい。
受信部11の構成は問わないが、一例として、受信部11は、図1で示されるように、周波数変換部21と、AD変換部22とを有していてもよい。周波数変換部21は、アンテナ10で受信された電波を、AD変換を行いやすい周波数までダウンコンバートする。その周波数は、例えば、AD変換部22でのサンプリングで折り返し歪が発生しない周波数であってもよい。一般的に、その周波数はベースバンドの周波数帯であるが、中間周波数帯であってもよい。また、周波数変換部21は、信号のレベルがAD変換部22の入力レベルに合うようにゲインをコントロールするAGC(Automatic Gain Control:自動利得制御)機能をも有していてもよい。AD変換部22は、周波数変換部21でダウンコンバートされたアナログ信号をディジタル信号に変換して、スイッチ12に出力する。
スイッチ12は、受信部11によって受信された信号を、周期取得部13及び記録部14、または、除去部16に切り替えて出力する。その切り替えは、後述する制御部20によって行われる。スイッチ12は、干渉レプリカの記録を行う際には、受信信号が記録部14側に出力されるように切り替えられ、受信信号からの干渉の除去が行われる際には、受信信号が除去部16側に出力されるように切り替えられる。
周期取得部13は、干渉信号の変化の周期を取得する。干渉レプリカを記録する際に、干渉信号の周期を知っている必要があるからである。干渉信号の周期の取得は、例えば、干渉信号のフーリエ変換によって行われてもよく、干渉信号の相関演算によって行われてもよい。なお、周期取得部13は、受信されて記録された干渉信号を用いて、干渉信号の周期の取得を行ってもよい。例えば、まず、所定の長さの干渉信号が記憶部15に記録され、その記録された干渉信号を用いて周期が取得されてもよい。
干渉信号をフーリエ変換した場合には、周波数領域において、例えば、干渉信号そのものの周波数と、干渉信号の周期的な変化に応じた周波数とにピークが存在することになる。したがって、周期取得部13は、例えば、周波数領域において、干渉信号そのものの周波数よりも低い周波数帯域におけるピークの周波数を特定することによって、干渉信号の周期(=1/特定した周波数)を特定することができる。具体的には、電子レンジ(マグネトロン)からの干渉波の場合には、フーリエ変換後の周波数領域において、2.45GHz付近のなだらかなピークと、例えば、60Hz付近の鋭いピークとが存在することになり、その鋭いピークに対応する周波数を特定することにより、干渉信号の周期(例えば、約16.7ms)を特定することができる。
干渉信号の相関演算によって周期を取得する場合には、周期取得部13は、干渉信号の自己相関を演算することによって、自己相関がピークになる最小の時間シフトを特定し、その特定した時間シフトである干渉信号の周期を取得してもよい。ここで、取得したい周期は、干渉信号そのものの周期ではなく、干渉信号の周期的な変化に応じた周期であるため、自己相関を計算する際には、干渉信号そのものの周期よりも十分長い期間の自己相関を計算することが好適である。干渉源が電子レンジである場合には、例えば、10〜20(ms)程度の自己相関が計算されてもよい。自己相関を演算することによって周期を取得する方法は公知であり、その詳細な説明を省略する。
周期を取得する場合には、フーリエ変換や相関演算を行うことになるが、そのフーリエ変換や相関演算はリアルタイムで行う必要はないため、高速性は要求されず、また、繰り返して行う必要もないため、上記特許文献4のように、遅延時間や処理の規模などは問題にならない。
記録部14は、周期取得部13によって取得された1周期分の干渉信号を含む干渉レプリカを記憶部15に記録する。干渉レプリカは、1周期分の干渉信号であることが好適であるが、N周期分の干渉信号であってもよい。Nは2以上の整数である。本実施の形態では、干渉レプリカが1周期分の干渉信号である場合について主に説明する。1周期分の干渉レプリカを記録する場合には、記録部14は、周期取得部13から干渉信号の周期を取得し、その周期に応じた時間分の干渉信号を記憶部15に蓄積してもよい。なお、あらかじめ所定時間分の干渉信号が記憶部15で記憶されている場合には、記録部14は、その干渉信号から1周期に相当する時間の信号を切り出して干渉レプリカとしてもよい。
なお、記録部14は、通常、干渉の低減処理を開始する場合に、干渉レプリカの記録を行うが、その後、干渉レプリカの除去された受信信号に関する後述する誤差が閾値よりも大きくなった場合に、再度、干渉レプリカの記録を行ってもよい。そのように、誤差が閾値よりも大きくなったということは、記憶されている干渉レプリカが、その時点で受信されている干渉信号と合わなくなっていること示しているため、干渉レプリカを更新することが好適だからである。なお、後述する調整を行ったとしても、誤差が閾値よりも大きくなった場合に、干渉レプリカを更新することが好適である。その閾値は、あらかじめ決められたものであってもよい。その閾値は、例えば、誤差が閾値よりも大きくなった場合に、干渉レプリカと、干渉信号とが合わないと判断できる程度の値に設定されてもよい。また、干渉レプリカの更新を行う場合に、例えば、新たに取得された周期に応じた干渉レプリカの記録が行われてもよく、または、以前に取得された周期を用いた干渉レプリカの記録が行われてもよい。受信装置1が通信を行っている環境において、複数の周期の干渉電波が存在する場合には、干渉レプリカの更新時に、周期の再取得も行われることが好適であり、一つの周期の干渉電波のみが存在する場合には、干渉レプリカの更新時に、周期の再取得は行われなくてもよい。
記憶部15では、干渉信号の少なくとも1周期分を含む干渉レプリカが記憶される。その1周期とは、上記のように、周期取得部13によって取得された周期の1周期分であり、干渉信号そのものの周波数に応じた1周期分ではない。ここでは、その干渉レプリカが、上記のように、記録部14によって記録される場合について主に説明し、そうでない場合については後述する。
記憶部15での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、または、長期的な記憶でもよい。また、記憶部15は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスクなど)によって実現されうる。
除去部16は、スイッチ12を介して受け取る受信信号から、干渉レプリカを除去する。その干渉レプリカは、調整部18によって振幅、時間、位相が調整されたものである。その調整については後述する。受信信号から差し引く干渉レプリカは、通常、周期ごとに繰り返されている。受信信号から干渉レプリカの繰り返しが差し引かれることによって、干渉が低減されることになる。理想的には、干渉信号を含む受信信号から干渉レプリカが差し引かれることによって、干渉が完全になくなることになる。すなわち、希望信号と干渉信号とを含む受信信号から干渉レプリカが差し引かれることによって希望信号が得られることになる。一方、干渉信号と干渉レプリカとのズレや、調整のズレ等に応じて、一部の干渉が残ることもあり得る。そのような場合であっても、干渉レプリカの除去を行わない場合と比較して、干渉は大幅に低減されることになり、質のよい所望信号を得ることができる。
なお、干渉レプリカの除去を行えば誤差がより大きくなる場合、例えば、受信信号に干渉信号が含まれておらず、希望信号のみが含まれているような場合には、除去部16は、干渉レプリカの除去を行わず、入力された受信信号をそのまま出力してもよい。
誤差検出部17は、除去部16によって干渉レプリカの除去された受信信号に関する誤差を検出する。この誤差の検出は、干渉レプリカの差し引かれた受信信号のパワーを取得することであってもよい。この誤差の検出は、希望信号が受信されていない状況、すなわち受信信号が希望信号を含まず、干渉信号を含む状況において行われることがより好適であるが、そうでなくてもよい。受信信号に希望信号も干渉信号も含まれる状況において行われてもよい。その場合であっても、干渉信号の方が希望信号よりも明らかに強いため、誤差の検知を適切に行うことができるからである。
調整部18は、誤差検出部17によって検出される誤差が小さくなるように、受信信号から除去される干渉レプリカの振幅、時間、位相を調整する。干渉レプリカの時間の調整とは、干渉レプリカの除去部16への出力タイミングを、周期取得部13によって取得された周期の範囲内で変更することである。この時間の調整によって、干渉レプリカと、干渉信号との変化のタイミングを合わせることができるようになる。例えば、前述のように、電子レンジのマグネトロンが干渉源である場合には、時間調整は、0〜16.7(ms)の範囲内で干渉レプリカの出力タイミングをずらすことによって行われてもよい。
干渉レプリカの位相の調整とは、干渉レプリカの除去部16への出力タイミングを、干渉信号そのものの周期の範囲内で変更することである。この位相の調整によって、干渉レプリカと、干渉信号との位相を合わせることができる。
調整部18は、時間の調整や位相の調整を干渉信号と干渉レプリカとの相互相関を計算することによって行ってもよい。例えば、調整部18は、受信部11によって受信された干渉信号と、除去部16に出力する干渉レプリカとの相互相関を計算し、その相互相関がピークになる干渉レプリカの時間シフトを特定し、その特定した時間シフトだけ時間をシフトした干渉レプリカの出力を行うことによって時間調整を行ってもよい。この時間調整によって、干渉レプリカの変化が干渉信号の変化に同期することになる。位相の調整も同様にして行うことができる。ただし、時間の調整の際には、干渉信号の周期的な変化の周期に応じた期間(例えば、10〜20msなどのように、その周期の長さ程度であってもよい。)の相互相関が計算されることが好適であり、位相の調整の際には、干渉信号そのものの周期に応じた期間(例えば、400〜500μsなどのように、その周期の長さ程度であってもよい。)の相互相関が計算されることが好適である。また、検出される誤差が小さくなるように、時間や位相を変化させることによって適応的に調整してもよい。
干渉レプリカの振幅の調整とは、受信信号から差し引く干渉レプリカの振幅が、受信信号に含まれる干渉信号と合うように調整することである。調整部18は、例えば、時間や位相を調整した後に、検出される誤差が小さくなるように、干渉レプリカの振幅を適応的に調整してもよい。また、調整部18は、例えば、干渉信号の最大振幅を取得し、干渉レプリカの最大振幅が、その取得した最大振幅に一致するように干渉レプリカの振幅を調整してもよい。また、調整部18は、例えば、干渉信号の複数のサンプリング点と、そのサンプリング点に対応する、干渉レプリカの複数のサンプリング点との差が小さくなるように、干渉レプリカの振幅を調整してもよい。その調整は、例えば、最小二乗法などを用いて行われてもよい。また、干渉レプリカの振幅の調整は、例えば、干渉レプリカに乗算する実数を調整することによって行われてもよい。
また、調整部18は、干渉信号が受信されている状況において、誤差が小さくなるように、時間と、振幅及び位相とを調整し、その調整を行った干渉レプリカを周期ごとに繰り返して除去部16に出力してもよい。その調整内容は、図示しない記録媒体において保持されてもよい。また、位相の調整と、振幅の調整とは、例えば、干渉レプリカに位相と振幅の調整内容に応じた重みを掛けることによって行われてもよい。
また、調整部18は、干渉レプリカが記録された後に、1回、調整を行い、その後に、その調整された時間や位相、振幅を用いて、干渉レプリカの除去が行われてもよい。その場合には、例えば、その後の干渉の除去において、誤差が大きくなったときには、再度、調整が行われてもよい。また、調整部18は、調整を繰り返して行ってもよい。例えば、調整部18は、誤差が小さくなるように、逐次最小二乗法やカルマンフィルタなどのアルゴリズムを用いて、干渉レプリカに重みとして積算する位相と振幅を逐次修正するようにしてもよい。
通常、新たな干渉信号が発生した場合には、その新たな干渉信号の時間や位相は、過去の干渉信号の時間や位相とは異なるタイミングとなる。したがって、調整部18は、新たな干渉信号の受信が検知されるごとに、時間や位相の調整を行ってもよい。具体的には、電子レンジの利用が開始されると、調整部18は、時間や位相を調整し、その調整結果に応じた干渉レプリカを繰り返して出力し、その電子レンジの利用が終了されると、その出力を停止してもよい。また、再度その電子レンジの利用が開始されると、調整部18は、再度、時間や位相を調整して、その調整結果に応じた干渉レプリカを繰り返して出力し、その電子レンジの利用が終了されると、その出力を停止してもよい。一方、振幅については、例えば、干渉源と受信装置1との位置関係で決まると考えられるため、1回目に調整が行われた後には、再度、新たな干渉信号が受信されても、1回目の調整結果がそのまま使用されてもよく、または、再度、振幅の調整が行われてもよい。
復調部19は、干渉レプリカの除去された受信信号を復調する。復調対象の信号から、干渉レプリカが差し引かれているため、復調部19は、周期的な干渉信号の除去された信号を復調することができるようになり、誤り率が低減されることになる。
制御部20は、スイッチ12を制御する。制御部20は、干渉レプリカの記録が行われる場合には、受信部11からの受信信号が記録部14側に出力されるようにスイッチ12を制御し、干渉レプリカが記録されて、受信信号から干渉レプリカが差し引かれる場合には、受信部11からの受信信号が除去部16側に出力されるようにスイッチ12を制御してもよい。また、受信信号から干渉レプリカが差し引かれている状況において、時間や位相、振幅の調整を行っても、誤差が小さくならない場合には、制御部20は、受信信号が記録部14側に出力されるようにスイッチ12を制御して、再度、干渉レプリカの記録が行われるようにしてもよい。なお、干渉レプリカの記録が行われる場合には、受信信号に希望信号が含まれていないことが好適である。したがって、制御部20は、例えば、復調部19において復調するデータがなく、また、干渉信号が受信されたことが検知されたタイミングで、スイッチ12を記録部14側に切り替えてもよい。
ここで、受信信号から干渉レプリカを差し引く処理を開始するタイミングについて説明する。干渉レプリカを差し引く処理は、受信部11によって、干渉信号の受信が開始されたタイミングで開始されることが好適である。干渉信号の受信が開始されたことは、例えば、受信信号強度や、周波数変換部21のゲイン、誤差検出部17によって検出される誤差、復調部19の誤り率などによって検知できる。具体的には、干渉信号は、希望信号よりも強度が大きいため、受信部11が受信している受信信号の受信信号強度が大きくなったことによって、干渉信号の受信の開始を検知することができる。また、受信信号強度が変化すれば、それに応じてAGCのゲインも変化するため、そのゲインの変化によっても干渉信号の受信の開始を検知することができる。また、誤差検出部17によって検出された誤差や、復調部19の誤り率が大きくなったことによっても、干渉信号の受信の開始を検知することができる。
次に、受信信号から干渉レプリカを差し引く処理を終了するタイミングについて説明する。干渉レプリカを差し引く処理は、受信部11による干渉信号の受信が終了したタイミングで終了されることが好適である。干渉信号の受信が終了したことは、例えば、受信信号強度や、周波数変換部21のゲイン、誤差検出部17によって検出される誤差、復調部19の誤り率などによって検知できる。具体的には、受信信号の受信信号強度が小さくなったことによって、干渉信号の受信の終了を検知することができる。また、AGCのゲインの変化によっても、そのことを検知できる。また、干渉レプリカを差し引く処理を行っている際に、誤差検出部17によって検出された誤差や、復調部19の誤り率が大きくなったことによっても、干渉信号の受信の終了を検知することができる。
次に、受信装置1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。なお、動作の開始時点の初期状態においては、スイッチ12は、除去部16側に接続されているものとする。
(ステップS101)制御部20は、干渉レプリカの記録を行うかどうか判断する。そして、干渉レプリカの記録を行う場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、ステップS107に進む。なお、例えば、初期状態から干渉信号が受信されるまでは、受信部11で受信された受信信号が除去部16に入力され、干渉レプリカが存在しないため、干渉の除去が行われずにそのまま復調されてもよい。その後、制御部20は、復調するデータがない状態(すなわち、希望信号が受信されていない状態)において干渉信号の受信が検知されると、干渉レプリカの記録を行うと判断してもよく、また、干渉信号を含む受信信号について干渉レプリカを用いた干渉除去が行われている場合において、干渉の除去された後の誤差が大きくなってきた際に、干渉レプリカの記録を行うと判断してもよい。
(ステップS102)制御部20は、受信部11からの受信信号が記録部14側に出力されるようにスイッチ12を制御する。
(ステップS103)周期取得部13は、スイッチ12から受け取る受信信号について、フーリエ変換や相関演算等によって、変化の周期を取得する。なお、その受信信号は、干渉信号であることが好適である。
(ステップS104)記録部14は、ステップS103で取得された1周期分の干渉信号である干渉レプリカを、記憶部15に蓄積する。
(ステップS105)制御部20は、受信部11からの受信信号が除去部16側に出力されるようにスイッチ12を制御する。
(ステップS106)調整部18は、時間、位相、振幅を所定量だけ変更した干渉レプリカを繰り返して除去部16に出力する。それに応じて、除去部16では、干渉レプリカが受信信号から除去される。そして、干渉レプリカの除去された受信信号に関する誤差が、誤差検出部17によって検出される。その誤差は調整部18に入力され、その誤差が小さくなるように干渉レプリカの時間、位相、振幅が調整される。この場合には、受信信号に希望信号が含まれておらず、干渉信号のみが含まれていることが好適である。また、調整部18は、干渉レプリカと干渉信号との相互相関を算出することなどによって、時間や位相の調整を行ってもよい。
(ステップS107)調整部18は、ステップS106で決定した時間、位相、振幅の調整量に応じて、記憶部15で記憶されている干渉レプリカを調整して、周期ごとに繰り返して除去部16に出力する。
(ステップS108)除去部16は、調整部18から繰り返して出力される干渉レプリカを、スイッチ12から受け取る受信信号から差し引く。
(ステップS109)復調部19は、干渉レプリカの差し引かれた受信信号を復調する。なお、干渉レプリカの差し引かれた受信信号に復調対象の信号が含まれていない場合、すなわち、受信された受信信号に希望信号が含まれていない場合には、復調は行われなくてもよい。復調結果は、例えば、後段の構成に渡されてもよい。そして、ステップS101に戻る。このようにして、干渉レプリカの記録を行うと判断されるまでは、干渉信号の除去と、その干渉信号の除去された受信信号の復調とが繰り返して実行されることになる。なお、干渉信号が受信されなくなった場合には、ステップS107における干渉レプリカの出力や、ステップS108における干渉レプリカの除去の処理は、行われなくてもよい。
なお、図2のフローチャートでは明記していないが、干渉信号の除去と、干渉の除去された信号の復調とが繰り返されている際にも、誤差の検出が行われていてもよい。そして、その誤差を用いて、再度の調整が行われてもよく、また、再度の干渉レプリカの記録を行うと判断されてもよい。また、図2のフローチャートにおける処理の順序は一例であり、同様の結果を得られるのであれば、各ステップの順序を変更してもよい。また、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
以上のように、本実施の形態による受信装置1によれば、通信波とは異なる周期的に変化する干渉信号の干渉レプリカを受信信号から差し引くことにより、干渉波の影響を低減することができる。また、遅延回路などが不要であるため、より簡易な構成によって、干渉の影響の低減を実現することができる。したがって、電子レンジや、高周波医療機器などの干渉源の近くであっても、同じ周波数帯を利用した高い通信品質の無線通信を行うことができるようになる。また、干渉レプリカの記録も行うことによって、受信装置1の存在する場所の干渉源に応じた干渉レプリカを記録して、干渉の低減に用いることができる。また、干渉源と受信装置1との位置関係や、干渉源の動作状況、干渉源の種類の変化等に応じて、干渉信号も変化し得ることになる。そのような干渉信号の時間的な変化に応じて、誤差が閾値よりも大きくなった場合であっても、干渉レプリカの更新を行うことによって、その変化に応じた干渉レプリカを用いた干渉の低減を行うことができ、高品質の無線通信を継続することができる。
次に、本実施の形態による受信装置1の変形例について説明する。
[2以上の干渉レプリカを用いた干渉除去]
上記実施の形態では、受信装置1において、干渉レプリカの記録も行う場合について説明したが、そうでなくてもよい。複数の干渉レプリカが事前に記録されたデータベースを用いることによって、干渉の低減を行うようにしてもよい。ここでは、そのような受信装置1について簡単に説明する。
図4は、干渉レプリカの記録を行わない受信装置1を示すブロック図である。図4において、受信装置1は、受信部11と、記憶部15と、除去部16と、誤差検出部17と、復調部19と、調整部31とを備えている。図4の受信装置1は、スイッチ12、周期取得部13、記録部14、制御部20を備えていない。また、図4の受信装置1は、調整部18に代えて、調整部31を有している。
また、記憶部15では、2以上の干渉レプリカがあらかじめ記憶されているものとする。その2以上の干渉レプリカは、例えば、複数の干渉源からの干渉信号がそれぞれ記録されたものであってもよい。なお、2以上の干渉レプリカがあらかじめ記憶されている以外は、上記説明と同様である。記憶部15に2以上の干渉レプリカが記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して2以上の干渉レプリカが記憶部15で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された2以上の干渉レプリカが記憶部15で記憶されるようになってもよい。
調整部31は、干渉信号が受信されている状況において、記憶部15で記憶されている2以上の干渉レプリカのそれぞれについて、誤差が小さくなるように時間、位相、振幅の調整を行う。そして、調整部31は、その調整後の誤差のうち、最も小さい誤差に対応する干渉レプリカが、その時点の干渉信号に対応する干渉レプリカであると判断して、その干渉レプリカを調整した結果を、繰り返して除去部16に出力する。その結果、除去部16は、2以上の干渉レプリカのうち、誤差が最も小さくなる干渉レプリカを受信信号から除去できるようになる。なお、調整部31による干渉レプリカの時間、位相、振幅の調整は、調整部18による調整と同様であり、その詳細な説明を省略する。
なお、複数の干渉信号が同時に受信されている場合には、調整部31は、複数の干渉レプリカを合成し、合成した干渉レプリカを除去部16に出力してもよい。その場合には、例えば、各干渉レプリカの時間、位相、振幅の調整が行われた後に合成されてもよく、または、合成された後に、合成された干渉レプリカの時間、位相、振幅の調整が行われてもよい。
このように、あらかじめ登録された2以上の干渉レプリカを用いることによって、干渉レプリカを記録する処理を省略することができ、受信装置1の構成をより簡単なものとすることができる。
なお、ここでは、2以上の干渉レプリカが記憶部15で記憶されている場合について説明したが、そうでなくてもよい。1個の干渉レプリカが記憶部15で記憶されており、除去部16は、その干渉レプリカを用いて、干渉信号を低減するようにしてもよい。例えば、電子レンジの配置されている部屋で使用される受信装置1のように、干渉源が特定の一つに限定されるような場合には、このようにしても、干渉信号を除去することができるからである。
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、または、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、または、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いる閾値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していなくても、図示しない記録媒体において、一時的に、または長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、または、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、または、図示しない読み出し部が行ってもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いる閾値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していなくても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、または、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
また、上記実施の形態において、受信装置1に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、または、別々のデバイスを有してもよい。
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、または、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、記憶部や記録媒体にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。また、そのプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。また、そのプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、または分散処理を行ってもよい。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
以上より、本発明による受信装置等によれば、通信波とは異なる周期的に変化する干渉信号の影響を低減できるという効果が得られ、例えば、電子レンジなどの干渉源が動作している際にも受信信号を適切に復調できる受信装置等として有用である。
1 受信装置
10 アンテナ
11 受信部
12 スイッチ
13 周期取得部
14 記録部
15 記憶部
16 除去部
17 誤差検出部
18、31 調整部
19 復調部
20 制御部

Claims (5)

  1. 希望信号、及び、通信信号とは異なる、周期的に変化する干渉信号を無線により受信する受信部と、
    干渉信号の少なくとも1周期分を含む干渉レプリカが記憶される記憶部と、
    受信信号から干渉レプリカを除去する除去部と、
    干渉レプリカの除去された受信信号に関する誤差を検出する誤差検出部と、
    誤差が小さくなるように、受信信号から除去される干渉レプリカの振幅、時間、位相を調整する調整部と、
    干渉レプリカの除去された受信信号を復調する復調部と、を備えた受信装置。
  2. 干渉信号の変化の周期を取得する周期取得部と、
    前記周期取得部によって取得された1周期分の干渉信号を含む干渉レプリカを前記記憶部に記録する記録部と、をさらに備えた、請求項1記載の受信装置。
  3. 前記記録部は、誤差が閾値よりも大きくなった場合に、再度、干渉レプリカの記録を行う、請求項2記載の受信装置。
  4. 前記記憶部では、2以上の干渉レプリカが記憶されており、
    前記除去部は、2以上の干渉レプリカのうち、誤差が最も小さくなる干渉レプリカを受信信号から除去する、請求項1記載の受信装置。
  5. 希望信号、及び、通信信号とは異なる、周期的に変化する干渉信号を無線により受信するステップと、
    受信信号から、干渉信号の少なくとも1周期分を含む干渉レプリカを除去するステップと、
    干渉レプリカの除去された受信信号に関する誤差を検出するステップと、
    誤差が小さくなるように、受信信号から除去される干渉レプリカの振幅、時間、位相を調整するステップと、を備えた干渉除去方法。
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