JP2002111603A - 無線通信装置 - Google Patents

無線通信装置

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JP2002111603A JP2000300467A JP2000300467A JP2002111603A JP 2002111603 A JP2002111603 A JP 2002111603A JP 2000300467 A JP2000300467 A JP 2000300467A JP 2000300467 A JP2000300467 A JP 2000300467A JP 2002111603 A JP2002111603 A JP 2002111603A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 商用電源を使用することなく内蔵電源で無線
通信を行う無線通信装置において、電子レンジ等の妨害
電磁波の周期性を正確に検出して、妨害電磁波の影響を
回避する。 【解決手段】送受信アンテナ1に送受信切換回路2を介
して受信回路3及び送信回路4を接続し、且つ周波数シ
ンセサイザ15を設け、受信回路3で検出したRSSI
信号とマスタクロックを分周比を徐々に大きくして分周
する可変分周回路28から出力される分周信号とを比較
器29で比較し、両者が一致したときに周期判定回路3
0から妨害波に同期した放射周期信号を受信データ処理
部21、周波数ホッピング制御部22、送信データ処理
部23及び電源制御部25に供給して、通信接続を確保
する制御信号を妨害波の影響を受けない周波数帯に移動
させると共に、妨害波の放射がない期間でデータの送受
信を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内蔵電源で駆動さ
れる例えば2.4GHz帯で無線送受信を行う例えば携
帯型の無線通信装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯機器に無線通信システムを組み込む
場合、無線システムに要求される内容として、省電力で
あることと、最近の電波環境の悪化により、いかに環境
の状況を知り、効率的に通信を行うかが挙げられる。
【0003】特に、2.4GHz帯のISMバンドで
は、様々な産業機器による利用がなされている関係で、
自分以外の産業機器は、不要電波を発する障害物となっ
ている現状がある。このうち、電子レンジは、古くから
利用されてきた機器であるが、2.4GHz帯で広帯域
に不要電波を放射するため、電子レンジからの干渉を避
けるために、電子レンジの電磁波放射周期を検出する必
要がある。
【0004】この電子レンジの電磁波放射周期を検出す
るために、従来、例えば特開平9−64827号公報
(以下、第1従来例と称す)、特開平11−20525
1号公報(以下、第2従来例と称す)及び特開平11−
177531号公報(以下、第3従来例と称す)に記載
されたものが知られている。
【0005】第1従来例には、2.45GHz帯域を使
用するSS方式の無線LANにおいて、同じ帯域を使用
する電子レンジからの妨害波を避けるために、電子レン
ジのマグネトロンが商用電源周波数に同期し、その正又
は負の半サイクルで発振し、他の半サイクルで停止する
ように動作することから、商用電源の交流の極性に基づ
いて停止半サイクルを検出して、この停止半サイクルの
間のみ無線送信するようにした無線LAN装置が開示さ
れている。
【0006】第2従来例には、複数の電子レンジから出
力される電磁波干渉を低減するために、複数の電子レン
ジから出力される電磁波の出力タイミングを検出し、こ
の出力タイミングの時間差が少なくなるように複数の電
子レンジの少なくとも1つの出力タイミングを制御する
ことにより、無線通信可能状態を確保するようにした無
線通信方法が開示されている。
【0007】第3従来例には、何れか1つの無線ゾーン
内で低速周波数ホッピングスペクトル拡散通信に対する
妨害電波を検知すると、この無線ゾーン内の無線親局が
通信管理サーバに有線で通知することにより、通信管理
サーバから該当する無線親局に対する通知を受けること
により、当該無線親局及び無線子局が使用するホッピン
グパターンを妨害電波を避け得る周波数帯域の周波数の
みを用いた第1の通信障害対策用ホッピングパターンに
変更すると共に、当該無線ゾーンに隣接する他の無線ゾ
ーン内の無線親局及び無線子局が使用するホッピングパ
ターンを第1の通信障害対策用ホッピングパターンで用
いる周波数の周波数帯域以外の帯域の周波数を用いた第
2の通信障害対策用ホッピングパターンに変更して、周
波数衝突確率を低下させるようにした無線通信システム
が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1従来例にあっては、無線LAN装置が電子レンジが使
用する商用電源と同じ電源から電力供給を受けることに
より、電子レンジの電磁波放射周期を検出して、送受信
タイミングを制御するようにしているが、この方式で
は、商用電源を必要とすることから商用電源を使用する
ことなく内蔵電源によって無線通信を行う無線通信装置
では、電子レンジの電子は放射周期を検出することがで
きないという未解決の課題があり、しかも、通信を確保
し続ける場合には、通信データのみではなく接続状態を
保つための制御パケットを送出する必要があるが、通信
できない期間があることは、通信状態を確保するという
面では不利となるという未解決の課題もある。
【0009】また、第2従来例にあっては、受信信号の
受信レベルが参照レベルより大きいときに得られる受信
タイミング信号に基づいて電子レンジの電磁波放射周期
を検出することにより、複数の電子レンジの電磁波が干
渉しているか否かを判断することできるが、受信タイミ
ング信号と通信制御との関係については詳述されていな
いという未解決の課題がある。
【0010】さらに、第3従来例にあっては、周波数ホ
ッピングシステムにおいて、無線親局と無線子局との間
の無線通信が行えなくなる妨害電磁波を検出したとき
に、親局が有線で通信管理サーバにアクセスすることに
より、妨害を回避できるホッピングパターンに切換えて
から、再度子局との接続を試みて通信を再開することに
なり、電力消費の大きい接続動作を行うため、実効スル
ープットが低下するという未解決の課題がある。
【0011】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、商用電源を使用す
ることなく内蔵電源で無線通信を行う無線通信装置にお
いて、電子レンジ等の妨害電磁波の周期性を正確に検出
して、妨害電磁波の影響を回避して通信を確保すること
ができる無線通信装置を提供することを目的としてい
る。
【0012】また、本発明は、妨害電磁波を検出したと
きに通信接続状態を確保して消費電力を低減し、さらに
妨害電磁波によって通信が困難となったときには通信を
中止することにより、電力消費をさらに低減することが
できる無線通信装置を提供することを他の目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る無線通信装置は、内蔵電源によって
駆動される無線通信装置において、受信アンテナで受信
した受信信号から自己の無線通信信号に対する妨害波成
分を抽出する妨害波成分抽出手段と、該妨害波成分抽出
手段で抽出した妨害波成分と所定周波数のクロック信号
に対する分周比を徐々に変化させた分周信号とを比較す
ることにより放射周期性を検出する妨害波周期性検出手
段と、該妨害波周期性検出手段で検出した放射周期性の
うち放射のない期間で通信パケットの授受を行う通信制
御手段とを備えていることを特徴としている。
【0014】この請求項1に係る発明では、受信アンテ
ナで受信した受信信号から妨害波成分抽出手段で電子レ
ンジから放射される電磁波等の自己の無線通信信号に対
する妨害波成分を抽出し、抽出した妨害波成分の放射周
期性を妨害波周期性検出手段で、所定周波数のクロック
信号に対する分周比を徐々に変化させた分周信号と比較
することにより正確に検出し、検出した妨害波成分の放
射周期性に基づいて通信制御手段で放射性のない期間で
通信パケットの授受を行うことにより、妨害波の影響を
回避して無線通信を確保する。
【0015】また、請求項2に係る無線通信装置は、請
求項1に係る発明において、前記妨害波周期性検出手段
は、入力される所定周波数のクロック信号に対する分周
比を徐々に増加させる分周回路と、受信アンテナで受信
した受信信号と前記分周回路の分周信号とを比較して妨
害波の周期を判定する周期判定回路とを備えていること
を特徴としている。
【0016】この請求項2に係る発明では、分周回路で
所定周波数のクロック信号に対して分周比を徐々に増加
させる分周信号を発生し、周期判定手段で、分周信号と
受信アンテナで受信した受信信号とを比較することによ
り、妨害波成分に正確に同期した放射周期判定を行うこ
とができる。
【0017】さらに、請求項3に係る係る無線通信装置
は、請求項1又は2に係る発明において、前記送信制御
手段が、前記妨害波周期性検出手段で妨害波の放射周期
を検出したときに、通信接続を確保する制御信号の送信
周波数を予め設定した妨害波の存在しない周波数帯に移
動して通信接続を継続する通信接続継続手段を備えてい
ることを特徴としている。
【0018】この請求項3に係る発明では、妨害波周期
性検出手段で妨害波の放射周期を検出したときに、送信
制御手段における通信接続継続手段で、通信接続を確保
する制御信号の送信周波数を電子レンジ等で発生する妨
害波の影響を受けない周波数帯に移動することにより、
通信接続状態を維持することができ、消費電力の大きい
再接続処理を回避することができる。
【0019】さらにまた、請求項4に係る無線通信装置
は、請求項1乃至3の何れかの発明において、前記送信
制御手段は、前記妨害波周期性検出手段で妨害波の放射
周期を検出したときに、妨害波の存在を確認できない通
信相手に妨害波の存在と周期を通知する伝送手段を備え
ていることを特徴としている。
【0020】この請求項4に係る発明では、妨害波の存
在を確認できない通信相手にも妨害波の存在とその周期
を通知することができるので、通信相手側で通信回線上
の障害を認識することができる。
【0021】なおさらに、請求項5に係る無線通信装置
は、請求項1乃至4の何れかの発明において、前記妨害
波周期性検出手段で検出した妨害波の放射周期に応じて
電源制御を行う電源制御手段を備えたことを特徴として
いる。
【0022】この請求項5に係る発明では、妨害波周期
性検出手段で電子レンジで発生す電磁波等の妨害波の周
期性を検出したときに、通信パケットの授受を行う期間
は通信回路に電力を供給するが、通信パケットの授受を
行わない妨害波の放射期間では、通信回路への電力供給
を中止することにより、無用な電力消費を抑制する。
【0023】また、請求項6に係る無線通信装置は、請
求項5に係る発明において、前記電源制御手段が、前記
妨害波周期性検出手段で妨害波の放射周期を検出したと
きに、通信パケットの送信が可能であるか否かを判定
し、通信パケットの送信が不可能であるときに電源制御
を中止するように構成されていることを特徴としてい
る。
【0024】この請求項6に係る発明では、妨害波によ
って通信パケットの送信が不可能であるときに電源制御
を中止することにより、無用な電力消費を抑制する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を伴って説明する。
【0026】図1は、本発明の一実施形態を示すブロッ
ク図であって、図中、WCは携帯型の無線通信装置であ
って、送受信アンテナ1が送受切換回路2に接続され、
この送受切換回路2の受信側出力端子が受信回路3に接
続され、送信側入力端子が送信回路4に接続されてい
る。
【0027】受信回路3は、送受切換回路2から出力さ
れる受信信号が入力されるバンドパスフィルタ5と、こ
のバンドパスフィルタ5のフィルタ出力が入力されるロ
ーノイズアンプ(LNA)6と、このローノイズアンプ
6の出力信号を後述する周波数ホッピング用の周波数シ
ンセサイザ15から入力される局部発振信号L0によっ
て中間周波信号IFに変換するミキサ7と、このミキサ
7から出力される中間周波信号IFが入力されるバンド
パスフィルタ8と、このバンドパスフィルタ8のフィル
タ出力を増幅するリミッタアンプ9と、このリミッタア
ンプ9の増幅出力が入力される検波回路10とを備えて
おり、リミッタアンプ9から出力される受信信号レベル
を表すRSSI信号と検波回路10から出力される受信
データがベースバンド信号処理装置11に入力される。
【0028】一方、送信回路4は、周波数シンセサイザ
15から出力される送信信号が入力されるバンドパスフ
ィルタ12と、このバンドパスフィルタ12のフィルタ
出力が入力されるパワーアンプ13とを有し、パワーア
ンプ13から出力される送信信号が送受信切換回路2の
送信側入力端子に供給される。
【0029】さらに、周波数シンセサイザ15は、ベー
スバンド信号処理装置11から出力される周波数ホッピ
ングを設定する設定信号が入力されるフェーズロックド
ループ(PLL)回路16と、このフェーズロックドル
ープ回路16の出力信号が入力されるローパスフィルタ
17と、このローパスフィルタのフィルタ出力(局部発
振信号周波数設定電圧)とベースバンド信号処理装置1
1からの送信データによる変調信号電圧がローパスフィ
ルタ18を介して入力され、受信回路3のミキサ7に対
する局部発振信号LO及び周波数ホッピングされる送信
信号を形成する電圧制御発振器(VCO)19とを有
し、この電圧制御発振器19から出力される局部発振信
号LOが、無線通信装置WCが受信状態のときは、無変
調で送信回路3のミキサ7に供給され、無線通信回路W
Cが送信状態であるときには、前記変調信号電圧により
変調されて送信回路4に供給される。
【0030】また、ベースバンド信号処理装置11は、
受信回路3から入力される受信データを処理する受信デ
ータ処理部21と、周波数シンセサイザ15に対して周
波数が2.4GHz帯のISM(Industrial Scientific
Medical)バンドの周波数ホッピングを予め設定された
所定パターンで制御する周波数ホッピング制御部22
と、入力されるユーザーデータを送信処理する送信デー
タ処理部23と、乾電池、二次電池等の内蔵電源24か
ら電力の供給を受けて、受信回路3、送信回路4及び周
波数シンセサイザ15に対する供給電源を制御する電源
制御部25と、受信回路3からのRSSI信号に基づい
て電子レンジで発生する電磁波等の自己の送信周波数帯
での妨害波を検出して、その周期を判定する妨害波検出
部26とを備えている。
【0031】ここで、ISMバンドは、図2に示すよう
に、2.425GHz近傍のアマチュア無線、2.45
0GHz近傍の移動帯識別装置、2.471〜2.49
7GHzの無線LANが夫々割り当てられている。そし
て、家庭用の電子レンジは、高電圧発生部と、電波を発
生するマグネトロン、筐体とからなり、高周波出離幾
は、2.45GHz±0.05GHz、500〜700
Wであり、マグネトロンへの高電圧駆動方式によりトラ
ンス型とインバータ型とに分類される。トランス型は、
商用電源電を4kV程度に昇圧し、そのままマグネトロ
ンに印加するので、ダイオードにより図3に示すように
電源周波数(50Hz)に同期した半サイクル毎のバー
ストが発生する。一方、インバータ型は、電源を両波整
流した後、トランジスタにより約30kHzでスイッチ
ングしてから昇圧してマグネトロンに印加するので、平
滑化時の脈流に含まれる、電源周波数の2倍に同期した
間欠発振とスイッチングによる高周波成分が含まれ、図
4に示すように、2.4GHzの発振出力は10msを
1周期としてバースト発振している。何れにしても、マ
グネトロンに印加する電圧は一定ではないので、発振周
波数とレベルは不安定で、図2に示すようにISMバン
ドの無線LAN帯域を除く上下の広い帯域(2.400
GHz〜2.475GHz)に渡って妨害波を発生させ
る。
【0032】妨害波検出部26は、マスタクロック発振
回路27から入力されるマスタクロック信号MCを後述
する比較器29から一致信号が入力されるまでの間RS
SI信号の立ち上がりに同期しながら分周比を徐々に大
きくするように分周して分周信号を出力する可変分周回
路28と、受信回路3のリミッタアンプ9から出力され
るRSSI信号と可変分周回路28の分周信号とを比較
して両者が一致したときに一致信号を出力する比較器2
9と、この比較器29から一致信号が出力されたとき
に、可変分周回路28の分周出力を放射周期信号として
送信データ処理部23に供給する妨害波放射周期判定回
路30とを備えている。
【0033】また、受信データ処理部21は、妨害波放
射周期判定手段30からの放射周期信号が入力される
と、この放射周期信号がオン状態出ある間に所定のデー
タ受信処理を行い、送信データ処理部23は、妨害波放
射周期判定回路30から放射周期信号が入力されると、
この放射周期信号がオン状態である間に所定のデータ送
信処理を行う。このとき、受信データ処理部21及び送
信データ処理部23は共に放射周期信号がオン状態であ
る間にデータ処理を行う。
【0034】さらに、周波数ホッピング制御部22は、
妨害波検出部26で妨害波を検出していない通常通信状
態では、ISMバンドにおける2400MHz〜250
0MHzの間の各通信システムに従った任意の周波数間
で、所定パターンで周波数ホッピングを指示するが、妨
害波検出部26で妨害波を検出した通信妨害状態では、
通信接続を確保するための制御信号の送信周波数につい
ては電子レンジで発生される電磁波等の妨害波の影響を
受けない周波数帯に移動させる。
【0035】次に、上記実施形態の動作を説明する。
【0036】今、携帯型無線通信装置WCで、電子レン
ジで発生する電磁波等の妨害波の影響を受けない良好な
通信環境で、他の無線通信装置と無線通信しており、制
御信号によって通信接続を確保して、図5(a)に示す
ように、所定周波数f1で同期確立してデータの授受を
行っているものとする。この良好な通信環境において
は、周波数ホッピング制御部22で所定の周波数ホッピ
ングのパターンを指示して、送受信データの周波数がI
SMバンドのうちの、予め設定された、2400MHz
〜2500MHzの範囲の通常周波数帯域で周波数ホッ
ピングしながらデータの送受信を行う。例えば欧米の周
波数ホッピングステムや、ブルーツースシステムでは、
2400〜2483.5MHzである。
【0037】この通信環境では、送受信アンテナ1で受
信信号を受信したときに、リミッタアンプ9から出力さ
れる受信信号のレベルを表すRSSI信号が、通信相手
から送信されて受信した必要な受信信号、通信相手以外
の無線通信装置から送信されて受信した不要な受信信
号、後述するアマチュア無線や移動帯識別のような狭帯
域信号等に応じた信号波形即ち電子レンジが発するよう
な受信信号のレベルに応じた周期性を有さないランダム
で単発の信号波形となる。
【0038】このため、RSSI信号を妨害波検出部2
6の比較器29に供給して可変分周回路28の分周信号
と比較したときに両者が一致することはなく、比較器2
9から一致信号が得られないので、可変分周回路では、
マスタクロック信号発振回路27から供給されるマスタ
クロックMCの分周を分周比が小さい状態から大きい状
態までの所定範囲で繰り返しており、周期性判定回路3
0から放射周期信号は出力されず、周波数ホッピング制
御部22で予め設定された通常周波数帯域で周波数ホッ
ピングを繰り返してデータの送受信を正常に行う。な
お、アマチュア無線や移動帯識別(日本のみ)は、占有
周波数帯の狭い、狭帯域通信システムであるが、周波数
ホッピングシステムからみれば、干渉を受ける確率は小
さい。その意味で、これらの共存のみであれば良好な通
信環境であるといえる。
【0039】この良好な通信環境にある状態から、携帯
型無線通信装置WCを携帯して動作中のインバータ型の
電子レンジの近傍の干渉領域内に移動するか又はインバ
ータ型の電子レンジの近傍の干渉領域内で停止中の電子
レンジを動作状態とすることにより、電子レンジから発
生される電磁波が妨害波として受信アンテナで受信され
る妨害波受信状態となると、受信回路3のリミッタアン
プ9から出力されるRSSI信号に図6(a)に示すよ
うに、電子レンジから発生される電磁波による一定周期
のバースト信号が含まれることになり、これが比較器2
9に供給される。この比較器29には、図6(b)に示
すように、可変分周器28からの分周比を徐々に大きく
する分周信号が入力されているので、両者の位相差を可
変分周回路28でバースト信号の立ち上がりで、分周信
号が立ち下がるにように調整することにより、時点t1
でバースト信号と分周信号の周期が一致する状態となっ
たときに、比較器29から一致信号が可変分周回路及び
周期判定回路30に出力される。
【0040】このため、可変分周回路28では、一致信
号が入力されることにより、現在の分周比が固定され
て、バースト信号に対して位相が180度ずれて同期す
る分周信号が出力され、これが周期判定回路30から図
6(c)に示すように時点t1に続く時点t2で放射周
期信号として受信データ処理部21、周波数ホッピング
制御部22及び送信データ処理部23に出力される。
【0041】このため、周波数ホッピング制御部では、
通信接続状態を確保する制御信号の周波数f1を電子レ
ンジで発生する電磁波の影響を受けない無線LANが使
用する2.475GHz〜2.497GHz帯の所定周
波数f2に変更することを通信相手に通知してから図5
(a)に示すように制御信号の周波数を該当する所定周
波数f2に変更し、この所定周波数f2で同期確立する
と共に、制御信号を通じて電磁波放射周期を通信相手に
送信する。
【0042】このため、制御信号の周波数が電子レンジ
で発生する電磁波の影響を受けない周波数帯に移動され
ることにより、制御信号による通信接続状態が遮断する
ことなく継続され、電力消費の大きい通信接続処理を再
度行う必要がないので、この分電力消費量を減少させる
ことができる。
【0043】因みに、第3従来例によると、電子レンジ
で発生する電磁波等の妨害波の影響を受けることによ
り、親局が通信管理サーバーに有線でアクセスして、妨
害を回避できるホッピングパターンに切り換えて、再度
子局と接続を試みることにより、通信を開始するので、
図5(b)に示すように、初期接続動作によって同期捕
捉を行ってから同期確立することになり、妨害波の影響
を受ける都度初期接続動作からスタートするため内蔵電
源24の電力消費量が大きくなり、通信可能時間が短く
なるという未解決の課題があるが、本発明では、この点
を解消することができる。
【0044】そして、受信データ処理部21及び送信デ
ータ処理部23で、周期判定回路30から出力される放
射周期信号がオン状態である期間即ち電子レンジで発生
する電磁波が放射されていない期間で図5(d)に示す
ように受信データの受信処理及び送信データの送信処理
を行う。
【0045】したがって、送信データ及び受信データの
授受を電子レンジで発生される電磁波等の自己が受信す
る受信波に対する妨害波の影響のない範囲で行うことに
より、無線通信状態を確保することができる。
【0046】この妨害波受信状態となると、放射周期信
号が電源制御回路25にも供給されることにより、放射
周期信号がオフ状態である電子レンジから発生する妨害
波の影響を受ける期間に受信回路3、送信回路4及び周
波数シンセサイザ15の電力消費量を抑制することによ
り、内蔵バッテリ24での通信可能時間を長くすること
ができる。同様に、通信相手側でも、電磁波放射周期が
通知されるので、電磁波放射周期の間受信回路、送信回
路及び周波数シンセサイザの電力消費を抑制することが
できる。
【0047】さらには、例えば複数の電子レンジから電
磁波が発生される状況となって、通信相手との無線通信
が不可能な状態となったときに、受信回路3、送信回路
4及び周波数シンセサイザ15への電力供給を中止し
て、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0048】このように、上記実施形態によると、可変
分周回路28でマスタクロックMCの分周比を徐々に大
きくすることにより、受信回路3のリミッタアンプ9か
ら出力されるRSSI信号との一致を採るようにしてい
るので、商用電源を使用しない場合でも電子レンジ等か
ら発生される周期性を有する妨害波を正確に検出するこ
とができると共に、商用電源の周波数が50Hzである
地域から60Hzである地域に又はその逆に移動するこ
とにより、商用電源周波数の相違による電子レンジで発
生する電磁波の周期が異なる場合でもの自動的に正確な
周期性判断を行うことができる。
【0049】なお、上記実施形態においては、ベースバ
ンド信号処理装置11をハードウェアで構成する場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、マ
イクロコンピュータを利用して、ソフトウェア処理する
ようにしてもよい。
【0050】また、上記実施形態おいては、妨害波検出
部26を可変分周回路28、比較器29及び周期判定回
30で構成する場合について説明したが、これらに限定
されるものではなく、電子レンジで発生する電磁波によ
るバースト信号を放絡線検波して方形波信号とし、この
方形波信号に基づいて周期性を判定し、周期性がある場
合に、方形波信号を反転して、放射周期信号を形成する
ようにしてもよい。
【0051】さらに、上記実施形態においては、無線通
信装置間でデータの送受信を行う場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、複数の通信相手に
対してブロードキャスト通信を行う場合に、送信側で電
子レンジによる妨害波の放射周期を検出したときに、妨
害波の発生と放射周期とを通知する伝送手段を設けるこ
とにより、ブロードキャスト通信を受信する受信専用無
線通信装置側で電子レンジによる妨害波の影響を受けて
いない場合でも、この受信専用無線通信装置に対して通
信回線上の障害を認識させることができ、これによって
受信専用無線通信装置での電力を消費する待ち受け状態
で放射期間の間受信回路の作動を停止させることによ
り、より一層の電力消費低減を図ることができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、受信アンテナで受信した受信信号から妨害
波成分抽出手段で電子レンジから放射される電磁波等の
自己の無線通信信号に対する妨害波成分を抽出し、抽出
した妨害波成分の放射周期性を妨害波周期性検出手段
で、所定周波数のクロック信号に対する分周比を徐々に
変化させた分周信号と比較することにより正確に検出
し、検出した妨害波成分の放射周期性に基づいて通信制
御手段で放射性のない期間で通信パケットの授受を行う
ことにより、妨害波の影響を回避して無線通信を確保す
ることができるという効果が得られる。
【0053】また、請求項2に係る発明によれば、分周
回路で所定周波数のクロック信号に対して分周比を徐々
に増加させる分周信号を発生し、周期判定手段で、分周
信号と受信アンテナで受信した受信信号とを比較するこ
とにより、妨害波成分に正確に同期した放射周期判定を
行うことができるという効果が得られる。
【0054】さらに、請求項3に係る発明によれば、妨
害波周期性検出手段で妨害波の放射周期を検出したとき
に、送信制御手段における通信接続継続手段で、通信接
続を確保する制御信号の送信周波数を電子レンジ等で発
生する妨害波の影響を受けない周波数帯に移動すること
により、通信接続状態を維持することができ、消費電力
の大きい再接続処理を回避することができるという効果
が得られる。
【0055】さらにまた、請求項4に係る発明によれ
ば、電子レンジ妨害の届かない通信相手でも通信回線上
の障害を認識することができ、例えば、同報情報を受信
する専用端末では、待ち受け状態にも電力を消費する
が、障害があることを知って、その期間だけ受信回路を
止めることで一層の電力消費低減を図ることができる。
【0056】なおさらに、請求項5に係る発明によれ
ば、妨害波周期性検出手段で電子レンジで発生する電磁
波等の妨害波の周期性を検出したときに、通信パケット
の授受を行う期間は通信回路に電力を供給するが、通信
パケットの授受を行わない妨害波の放射期間では、通信
回路への電力供給を中止することにより、無用な電力消
費を抑制することができるという効果が得られる。
【0057】また、請求項6に係る発明によれば、妨害
波によって通信パケットの送信が不可能であるときに電
源制御を中止することにより、無用な電力消費を抑制す
ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】ISMバンドの周波数使用状況を示す説明図で
ある。
【図3】トランス型電子レンジの放射電磁波波形を示す
波形図である。
【図4】インバータ型電子レンジの放射電磁波波形を示
す波形図である。
【図5】本発明と従来例との同期確立状態を示すタイム
チャートである。
【図6】本発明の動作の説明に供するタイムチャートで
ある。
【符号の説明】
WC 無線通信装置 1 送受信アンテナ 2 送受信切換回路 3 受信回路 4 送信回路 7 ミキサー 9 リミッタアンプ 10 検波回路 11 ベースバンド信号処理装置 15 周波数シンセサイザ 21 受信データ処理部 22 周波数ホッピング制御部 23 送信データ処理部 24 内蔵電源 25 電源制御部 26 妨害波検出部 27 マスタクロック発振回路 28 可変分周回路 29 比較器 30 周期判定回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K022 EE04 EE14 EE35 5K033 AA05 BA01 CC01 DA17 5K052 AA14 BB01 BB15 DD04 EE00 EE24 GG00 GG03 GG24 GG26 GG57 5K067 AA03 CC08 DD47 GG11 HH21 HH22 KK01 KK05 LL01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内蔵電源によって駆動される無線通信装
    置において、受信アンテナで受信した受信信号から自己
    の無線通信信号に対する妨害波成分を抽出する妨害波成
    分抽出手段と、該妨害波成分抽出手段で抽出した妨害波
    成分と所定周波数のクロック信号に対する分周比を徐々
    に変化させた分周信号とを比較することにより放射周期
    性を検出する妨害波周期性検出手段と、該妨害波周期性
    検出手段で検出した放射周期性のうち放射のない期間で
    通信パケットの授受を行う通信制御手段とを備えている
    ことを特徴とする無線通信装置。
  2. 【請求項2】 前記妨害波周期性検出手段は、入力され
    る所定周波数のクロック信号に対する分周比を徐々に増
    加させる分周回路と、受信アンテナで受信した受信信号
    と前記分周回路の分周信号とを比較して妨害波の周期を
    判定する周期判定回路とを備えていることを特徴とする
    請求項1記載の無線通信装置。
  3. 【請求項3】 前記送信制御手段は、前記妨害波周期性
    検出手段で妨害波の放射周期を検出したときに、通信接
    続を確保する制御信号の送信周波数を予め設定した妨害
    波の存在しない周波数帯に移動して通信接続を継続する
    通信接続継続手段を備えていることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の無線通信装置。
  4. 【請求項4】 前記送信制御手段は、前記妨害波周期性
    検出手段で妨害波の放射周期を検出したときに、妨害波
    の存在を確認できない通信相手に妨害波の存在と周期を
    通知する伝送手段を備えていることを特徴とする請求項
    1乃至3の何れかに記載の無線通信装置。
  5. 【請求項5】 前記妨害波周期性検出手段で検出した妨
    害波の放射周期に応じて電源制御を行う電源制御手段を
    備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載
    の無線通信装置。
  6. 【請求項6】 前記電源制御手段は、前記妨害波周期性
    検出手段で妨害波の放射周期を検出したときに、通信パ
    ケットの送信が可能であるか否かを判定し、通信パケッ
    トの送信が不可能であるときに電源制御を中止するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項5記載の無線
    通信装置。
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