JP2020161788A - R−t−b系焼結磁石 - Google Patents

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Rintaro Ishii
倫太郎 石井
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Abstract

【課題】重希土類元素RHをできるだけ使用せず、高温(例えば100℃)下でも高い保磁力HcJを有するR−T−B系焼結磁石を提供する。【解決手段】R:28.5質量%以上33.0質量%以下(Rは希土類元素のうち少なくとも1種であり、NdおよびPrの少なくとも1種を含む)、B:0.85質量%以上0.91質量%以下、Ga:0.35質量%以上0.75質量%以下、Cu:0.05質量%以上0.50質量%以下、Mn:0.03質量%以上0.15質量%以下、T:61.5質量%以上70.0質量%以下(TはFeまたはFeとCoであり、Tの90質量%以上がFeである)、を含み、下記式(1)を満足するR−T−B系焼結磁石。14[B]/10.8<[T]/55.85(1)([B]は質量%で示すBの含有量であり、[T]は質量%で示すTの含有量である)【選択図】図1

Description

本開示は、R−T−B系焼結磁石に関する。
R−T−B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種であり、NdおよびPrの少なくとも一種を含む、TはFeまたはFeとCoであり、Tの90質量%以上がFeである)は、R14B型結晶構造を有する化合物からなる主相と、この主相の粒界部分に位置する粒界相とから構成されており、永久磁石の中で最も高性能な磁石として知られている。
このため、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)、電気自動車(EV、HV、PHV)用モータ、産業機器用モータなどの各種モータや家電製品など多種多様な用途に用いられている。
このように用途が広がるにつれ、例えば電気自動車用モータは、例えば100℃程度の高温下に曝される場合があり、高温下においても安定した動作が要求されている。
しかし、R−T−B系焼結磁石は、高温になると保磁力HcJ(以下、単に「HcJ」と記載する場合がある)が低下し、不可逆熱減磁が起こるという問題がある。例えば電気自動車用モータにR−T−B系焼結磁石が使用される場合、高温下での使用によりHcJが低下し、モータの安定した動作が得られない恐れがある。そのため、高温下においても高いHcJを有するR−T−B系焼結磁石が求められている。
従来HcJ向上のために、R−T−B系焼結磁石に重希土類元素RH(主としてDy)を添加していたが、残留磁束密度B(以下、単に「B」と記載する場合がある)が低下するという問題があった。さらに、Dyは、産出地が限定されている等の理由から、供給が不安定であり、また価格が大きく変動することがあるなどの問題を有している。そのため、Dyなどの重希土類元素RHをできるだけ使用せずにR−T−B系焼結磁石のHcJを向上させる技術が求められている。
このような技術として、例えば特許文献1は、通常のR−T−B系合金よりもBの含有量を低くするとともに、Al、GaおよびCuのうちから選ばれる1種以上である金属元素Mを含有させることによりR17相を生成させ、該R17相を原料として生成させた遷移金属リッチ相(R−T−Ga相)の体積率を充分に確保することにより、Dyの含有量を抑制しつつ、保磁力の高いR−T−B系焼結磁石が得られることを開示している。
国際公開第2013/008756号公報
しかし、特許文献1に記載されるR−T−B系焼結磁石はHcJが向上しているものの、近年の要求を満足するには不十分である。
そこで本開示は、重希土類元素RHをできるだけ使用せず、高温(例えば100℃)下で高い保磁力HcJを有するR−T−B系焼結磁石を提供する。
本開示のR−T−B系焼結磁石は、例示的な実施形態において、R:28.5質量%以上33.0質量%以下(Rは希土類元素のうち少なくとも1種であり、NdおよびPrの少なくとも1種を含む)、B:0.85質量%以上0.91質量%以下、Ga:0.35質量%以上0.75質量%以下、Cu:0.05質量%以上0.50質量%以下、Mn:0.03質量%以上0.15質量%以下、T:61.5質量%以上70.0質量%以下(TはFeまたはFeとCoであり、Tの90質量%以上がFeである)、を含み、下記式(1)を満足するR−T−B系焼結磁石。
14[B]/10.8<[T]/55.85 (1)
([B]は質量%で示すBの含有量であり、[T]は質量%で示すTの含有量である)
ある実施形態において、前記R−T−B系焼結磁石は、重希土類元素を含有せず(不可避的不純物は除く)、100℃においてはHcJ≧880kA/mであり、かつ、22.5℃においてはBr≧1.32Tである。
ある実施形態において、前記R−T−B系焼結磁石は、Tbを1.0質量%以下含有し、100℃においてはHcJ≧880+168[Tb]kA/mであり、かつ、22.5℃においてはB≧1.32−0.024[Tb]Tである。
([Tb]は質量%で示すTbの含有量である)
本開示の実施形態により、重希土類元素RHをできるだけ使用せず、高温(例えば100℃)下で高い保磁力HcJを有するR−T−B系焼結磁石を提供することができる。
図1は実験例1のNo.1〜10について、Mn量と、100℃でのHcJとの関係を示す説明図である。
本発明者らは鋭意検討した結果、本開示の特定のR、B、Ga、Cuの含有量、特に極めて狭い特定範囲のB含有量を有するR−T−B系焼結磁石に、更に特定範囲のMnを含有させることで、高温下でも高いHcJが得られることを見出した。これは、B量が本開示の特定の組成範囲であるR−T−B系焼結磁石が、さらにMnを含有することにより、温度係数が改善されるからであると考えられる。
[R−T−B系焼結磁石]
本開示のR−T−B系焼結磁石は、
R:28.5質量%以上33.0質量%以下(Rは希土類元素のうち少なくとも1種であり、NdおよびPrの少なくとも1種を含む)、
B:0.85質量%以上0.91質量%以下、
Ga:0.35質量%以上0.75質量%以下、
Cu:0.05質量%以上0.50質量%以下、
Mn:0.03質量%以上0.15質量%以下、
T:61.5質量%以上70.0質量%以下(TはFeまたはFeとCoであり、Tの90質量%以上がFeである)、を含み、
下記式(1)を満足する。

14[B]/10.8<[T]/55.85 (1)
([B]は質量%で示すBの含有量であり、[T]は質量%で示すTの含有量である)
以下に、各組成について詳述する。
(R:28.5〜33.0質量%)
Rは、希土類元素のうち少なくとも1種であり、NdおよびPrの少なくとも1種を含む。Rの含有量は、28.5〜33.0質量%である。Rの含有量が28.5質量%未満であると焼結時の緻密化が困難となる可能性があり、33.0質量%を超えると主相比率が低下してBが低下する可能性がある。Rの含有量は、好ましくは29.5〜32.5質量%である。Rがこのような範囲であれば、より高いBを得ることができる。
(B:0.85〜0.91質量%)
Bの含有量は、0.85〜0.91質量%である。R−T−B系焼結磁石がBを本開示の範囲内で含有した上で、さらにMnを後述する特定範囲で含有することにより、温度係数が改善し、高温下においても高いHcJが得られる。そのため、Bの含有量が0.85質量%未満であったり、また、0.91質量%を超えると、高温下において高いHcJを得ることができない。なお、Bの一部はCと置換することができる。
更に、Bの含有量は下記式(1)を満たす。

14[B]/10.8<[T]/55.85 (1)

式(1)を満足することにより、Bの含有量が一般的なR−T−B系焼結磁石よりも少なくなる。一般的なR−T−B系焼結磁石は、主相であるR14B相以外に軟磁性相であるR17相が生成しないように、[T]/55.85(Feの原子量)は14[B]/10.8(Bの原子量)よりも少ない組成となっている([T]は、質量%で示すTの含有量である)。本発明のR−T−B系焼結磁石は、一般的なR−T−B系焼結磁石と異なり、[T]/55.85が14[B]/10.8よりも多くなるように式(1)で規定している。なお、本発明のR−T−B系焼結磁石におけるTの主成分はFeであるため、Feの原子量を用いた。
(Ga:0.35〜0.75質量%)
Gaの含有量は、0.35〜0.75質量%である。Gaの含有量が0.35質量%未満であると、温度係数が改善されず、高温において高いHcJを得ることが出来ない。さらに、R−T−Ga相の生成量が少なくなり、R17相を消失させることができず、室温において高いHcJを得ることができない可能性がある。Gaの含有量が0.75質量%を超えると不要なGaが存在することになり、主相比率が低下してBが低下する可能性がある。
(Cu:0.05〜0.50質量%)
Cuの含有量は、0.05〜0.50質量%である。Cuの含有量が0.05質量%未満であると室温および高温において高いHcJを得ることができない可能性があり、0.50質量%を超えると焼結性が悪化して室温および高温において高いHcJが得られない可能性がある。
(Mn:0.03〜0.15質量%)
Mnの含有量は、0.03〜0.15質量%である。Bの含有量を上述した範囲内に制限した上で、さらにMnを0.03〜0.15質量%含有することにより、温度係数が改善されて、高温で高いHcJを得ることができる。Mnの含有量が0.03質量%未満であると温度係数が改善されず、高温において高いHcJが得られない。また、0.15質量を超えるとBが低下する可能性がある。
(T:61.5質量%〜70.0質量%)
Tは、Fe又はFeとCoであり、Tの90質量%以上がFeである。Coを含有することにより耐食性を向上させることができるが、Coの置換量がTの10質量%を超えると、高いBが得られない可能性がある。Tの含有量は、61.5質量%以上70.0質量%以下であり、且つ、上述した式(1)を満足する。Tの含有量が61.5質量%未満であると、大幅にBが低下する可能性ある。好ましくは、Tが残部である。
さらに、本開示のR−T−B系焼結磁石は、ジジム合金(Nd−Pr)、電解鉄、フェロボロンなどに通常含有される不可避的不純物としてCr、Mn、Si、La、Ce、Sm、Ca、Mgなどを含有することができる。さらに、製造工程中の不可避的不純物として、O(酸素)、N(窒素)およびC(炭素)、Alなどを例示できる。また、本開示のR−T−B系焼結磁石は、1種以上の他の元素(不可避的不純物以外の意図的に加えた元素)を含んでもよい。例えば、このような元素として、少量(各々0.1質量%程度)のAg、Zn、In、Sn、Ti、Ge、Y、H、F、P、S、V、Ni、Mo、Hf、Ta、W、Nb、Zrなどを含有してもよい。また、上述した不可避的不純物として挙げた元素を意図的に加えてもよい。このような元素は、合計で例えば1.0質量%程度含まれてもよい。この程度であれば、高温において高いHcJを有するR−T−B系焼結磁石を得ることが十分に可能である。
上述した本実施形態に係る組成を有するR−T−B系焼結磁石は、例えば、合金粉末を作製する工程、前記合金粉末を成形して成形体を得る成形工程、成形体を焼結し焼結体を得る焼結工程、焼結体に熱処理を施す熱処理工程を含んで製造される。
[R−T−B系焼結磁石の製造方法]
以下、各工程について説明する。
(合金粉末を作製する工程)
R−T−B系焼結磁石が上述した特定組成となるようにそれぞれの元素の金属又は合金(溶解原料)を準備し、ストリップキャスティング法等によりフレーク状の原料合金を作製する。次に、フレーク状の原料合金を水素粉砕等によって粗粉砕し、平均粒度が1.0mm以下の粗粉砕粉末を準備する。次に、粗粉砕粉末を不活性ガス中でジェットミル等により微粉砕し、例えば粒径D50が3〜5μmの微粉砕粉末(原料合金粉末)を得る。ジェットミル粉砕前の粗粉砕粉、ジェットミル粉砕中およびジェットミル粉砕後の合金粉末に助剤として既知の潤滑剤を添加してもよい。
(成形工程)
得られた原料合金粉末を用いて磁界中成形を行い、成形体を得る。磁界中成形は、金型のキャビティー内に乾燥した合金粉末を挿入し、磁界を印加しながら成形する乾式成形法、金型のキャビティー内にスラリーを注入し、スラリーの分散媒を排出しながら成形する湿式成形法を含む既知の任意の磁界中成形方法を用いてよい。
(焼結工程)
成形体を焼結することにより焼結体(焼結磁石)を得る。成形体の焼結は既知の方法を用いることができる。なお、焼結時の雰囲気による酸化を防止するために、焼結は真空雰囲気中または不活性ガス中で行うことが好ましい。不活性ガスは、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスを用いることが好ましい。
(熱処理工程)
得られた焼結磁石に対し、磁気特性を向上させることを目的とした熱処理を行うことが好ましい。熱処理温度、熱処理時間などは既知の条件を用いることができる。例えば、比較的低い温度(400℃以上600℃以下)のみでの熱処理(一段熱処理)をしてもよく、あるいは比較的高い温度(700℃以上焼結温度以下(例えば1050℃以下))で熱処理を行った後、比較的低い温度(400℃以上600℃以下)で熱処理(二段熱処理)をしてもよい。好ましい条件は、730℃以上1020℃以下で5分から500分程度の熱処理を施し、冷却後(室温まで冷却後、または440℃以上550℃以下まで冷却後)、さらに440℃以上550℃以下で5分から500分程度熱処理をすることが挙げられる。熱処理雰囲気は、真空雰囲気あるいは不活性ガス(ヘリウムやアルゴンなど)で行うことが好ましい。
最終的な製品形状にするなどの目的で、得られた焼結磁石に研削などの機械加工を施してもよい。その場合、熱処理は機械加工前でも機械加工後でもよい。さらに、得られた焼結磁石に、表面処理を施してもよい。表面処理は、既知の表面処理であってもよく、例えばAl蒸着や電気Niめっきや樹脂塗料などの表面処理を行うことができる。
本開示を実施例によりさらに詳細に説明するが、本開示はそれらに限定されるものではない。
実験例1
R−T−B系焼結磁石の組成がおよそ表1のNo.1〜No.12の組成になるように各元素を秤量し、ストリップキャスト法により鋳造して、急冷合金を作製した。得られた急冷合金に水素加圧雰囲気で水素脆化させた後、550Cまで真空中で加熱、冷却する脱水素処理を施し、粗粉砕粉を得た。次に、得られた粗粉砕粉に、粗粉砕粉100質量%に対して、潤滑剤として0.04質量%のステアリン酸亜鉛を添加、混合した後、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で乾式粉砕し、粒径D50(メジアン径)が4μmの微粉砕粉(合金粉末)を得た。
得られた合金粉末を分散媒と混合しスラリーを作製した。溶媒にはノルマルドデカンを用い、潤滑剤としてカプリル酸メチルを混合した。スラリーの濃度は合金粉末70質量%、分散媒30質量%とし、潤滑剤は合金粉末100質量%に対して0.16質量%とした。前記スラリーを磁界中で成形して成形体を得た。成形時の磁界は0.8MA/mの静磁界で、加圧力は5MPaとした。なお、成形装置には、磁界印加方向と加圧方向とが直交する、いわゆる直角磁界成形装置(横磁界成形装置)を用いた。
得られた成形体を、真空中、1000℃以上1090℃以下(サンプル毎に焼結による緻密化が十分起こる温度を選定)で4時間焼結した後、急冷し焼結体を得た。得られた焼結体の密度は7.5Mg/m以上であった。得られた焼結体に対し真空中、800℃で2時間保持した後、室温まで急冷し、次いで真空中で430℃以上530℃以下(サンプル毎に良好な保磁力が得られる温度を選定)で2時間保持した後、室温まで冷却する熱処理を施してR−T−B系焼結磁石を得た。
得られたR−T−B系焼結磁石の成分を表1に示す。なお、表1における各成分(O、NおよびC以外)は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−OES)を使用して測定した。また、O(酸素)含有量は、ガス融解−赤外線吸収法、N(窒素)含有量は、ガス融解−熱伝導法、C(炭素)含有量は、燃焼−赤外線吸収法によるガス分析装置を使用して測定した。
式(1)の充足性を表1に示した。ここで「○」は式(1)を満たしていることを意味し、「×」は式(1)を満たしていないことを意味している。
得られたR−T−B系焼結磁石の磁気特性測定結果を表2に示す。表2における「22.5℃ B」および「22.5℃ HcJ」は、室温(22.5℃)におけるBおよびHcJの値であり、「100℃ B」および「100℃ HcJ」は、高温(100℃)におけるBおよびHcJの値である。これらB、HcJの値は、R−T−B系焼結磁石に機械加工を施し、サンプルを7mm×7mm×7mmに加工し、BHトレーサにより測定した。さらに、温度係数(β:22.5〜100℃)を以下のようにして求めた。
温度係数=(100℃のHcJ−22.5℃のHcJ)/22.5℃のHcJ/(100℃−22.5℃)×100%
温度係数の絶対値が小さいほど温度係数が改善されていることを示している。
表2に示すように、本開示のR−T−B系焼結磁石の組成を満たしている本発明例(No.7、8、9、12)は、比較例(本開示の組成範囲をはずれている比較例)と比べていずれも高温(100℃)において高いHcJが得られている。また、実施例1では、いずれの本発明例も、重希土類元素を含有せず(不可避的不純物は除く)、100℃においてはHcJ≧880kA/mであり、かつ、22.5℃においてはBr≧1.32Tであり、比較例と比べて高い磁気特性が得られている。また、表2の温度係数にしめすように、本発明例は、比較例と比べていずれも温度係数の絶対値が小さい。
図1にNo.1〜10におけるMnの含有量と100℃のHcJの関係を示す。図1における四角(■)が本発明例であり、三角(▲)が比較例である。図1のNo.1〜5に示すようにR−T−B系焼結磁石のBの含有量が本開示の範囲外(No.1〜3および5はBの含有量が範囲外、No.4は式(1)が範囲外)であると、Mnの含有量を増加させても高温におけるHcJはほとんど向上しない。一方、No.6〜No.10に示すようにR−T−B系焼結磁石のBの含有量が本開示の範囲内であると、Mnの含有量が0.02質量%(No.6)を超えると高温におけるHcJが大きく向上している。なお、No.10(Mn:0.20質量%)は、高温において高いHcJが得られているが、表2に示すようにBが低下している。
実験例2
R−T−B系焼結磁石の組成がおよそ表3のNo.13〜No.15の組成になるように各元素を秤量する以外は、実施例1と同様にしてR−T−B系焼結磁石を作製した。得られたR−T−B系焼結磁石の成分および磁気特性を実施例1と同様に測定した。それぞれの結果を表3および表4に示す。
R−T−B系焼結磁石にTbを含有する場合は、Tbの含有量に応じてBが低下してHcJが向上する。この場合、22.5℃においてBは、Tbを1質量%含有すると0.024T程度減少する。また、100℃においてHcJは、Tbを1質量%含有すると168kA/m程度増大する。そのため、本開示は、上述したように重希土類元素を含有しない場合は、100℃においてはHcJ≧880kA/mであり、かつ、22.5℃においてはB≧1.32Tを有しているので、Tbを含有する場合は、100℃においてはHcJ≧880+168[Tb]kA/mであり、かつ、22.5℃においてはB≧1.32−0.024[Tb]Tを有することになる。
表3および表4に示すように、本発明例であるNo.13〜14は、Tbを1.0質量%以下含有し、100℃においてはHcJ≧880+168[Tb]kA/mであり、かつ、22.5℃においてはB≧1.32−0.024[Tb]Tであり、いずれも高い磁気特性を有している。さらに、本発明例は、実施例1の本発明例と同様にいずれも温度係数の絶対値が小さい。

Claims (3)

  1. R:28.5質量%以上33.0質量%以下(Rは希土類元素のうち少なくとも1種であり、NdおよびPrの少なくとも1種を含む)、
    B:0.85質量%以上0.91質量%以下、
    Ga:0.35質量%以上0.75質量%以下、
    Cu:0.05質量%以上0.50質量%以下、
    Mn:0.03質量%以上0.15質量%以下、
    T:61.5質量%以上70.0質量%以下(TはFeまたはFeとCoであり、Tの90質量%以上がFeである)、を含み、
    下記式(1)を満足するR−T−B系焼結磁石。

    14[B]/10.8<[T]/55.85 (1)
    ([B]は質量%で示すBの含有量であり、[T]は質量%で示すTの含有量である)
  2. 重希土類元素を含有せず(不可避的不純物は除く)、100℃においてはHcJ≧880kA/mであり、かつ、22.5℃においてはBr≧1.32Tである、
    請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石。
  3. Tbを1.0質量%以下含有し、100℃においてはHcJ≧880+168[Tb]kA/mであり、かつ、22.5℃においてはB≧1.32−0.024[Tb]Tである、請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石。
    ([Tb]は質量%で示すTbの含有量である)
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