JP2020160279A - 顔料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】凝集、沈降、経時的な粘度の増加を引き起こすことがなく、明度や耐熱性に優れた緑色カラーフィルターを製造することができる顔料組成物を提供する。【解決手段】式(1)で表される構造を有するイソインドリン化合物又はそれらの塩、イエロー顔料、ピグメントグリーン59、バインダー樹脂及び分散剤を含有するカラーフィルター用顔料組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、カラーフィルターの緑色画素を形成する際に用いられるカラーフィルター用顔料組成物、該顔料組成物を用いて得られるカラーフィルター、及び該カラーフィルター装着した液晶表示装置、固体撮像素子(CCD、CMOS)並びに有機ELディスプレイに関する。
ノートパソコンや液晶テレビ、携帯電話、スマートフォン等に代表される液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ等の液晶表示装置、及びデジタルカメラやカラーコピー機等の入力デバイスとして使用される撮像素子(CCD、CMOS)のカラー化にはカラーフィルターが必要である。これら液晶表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルターを製造する方法としては、染色法、電着法、印刷法、顔料分散法等があるが、近年、パターニングの手法を用いた顔料分散法が主流となっている。パターニングの方法としてはフォトリソグラフィー法が代表的で、感光性樹脂組成物と顔料分散体との混合物を用いてカラーフィルターを形成している。また、最近では着色インキをインクジェットプリンターにより、マスクを介さずに直接基板上に塗布し、カラーフィルターを形成する方法も行われている。
カラーフィルターに求められる特性である、色純度、彩度、明度及びコントラストを向上させることは特に重要である。明度が向上することによってバックライトの光量を抑えることができ、結果的に消費電力が低減されるため、環境的にも必要な技術である。カラーフィルターの色純度を向上させるためにはより良い分光波形の顔料を選択することが必要である。
一方で、顔料は耐熱性、耐候性、耐マイグレーション等の諸特性で、染料と比較して堅牢性の面で優れるが、組成物にした際の凝集、沈降、経時的な粘度の増加、異種顔料と混合した際の色分離等の潜在的な問題を有している。また、最近では液晶ディスプレイの高明度化や撮像素子の微細化、インクジェットインクの高着色や高鮮明化等を達成するために、顔料の微粒子化及び顔料濃度の高濃度化の要求が高まっているが、微粒子化に伴い、また顔料の高濃度化に伴い凝集が起こりやすくなり、安定な顔料分散体を得ることが困難になっている。
一方で、顔料は耐熱性、耐候性、耐マイグレーション等の諸特性で、染料と比較して堅牢性の面で優れるが、組成物にした際の凝集、沈降、経時的な粘度の増加、異種顔料と混合した際の色分離等の潜在的な問題を有している。また、最近では液晶ディスプレイの高明度化や撮像素子の微細化、インクジェットインクの高着色や高鮮明化等を達成するために、顔料の微粒子化及び顔料濃度の高濃度化の要求が高まっているが、微粒子化に伴い、また顔料の高濃度化に伴い凝集が起こりやすくなり、安定な顔料分散体を得ることが困難になっている。
これらの問題を解決するための別のアプローチとして、顔料自体の改良検討(顔料の表面改良処理)や顔料に対して良好な吸着性を有する分散剤、界面活性剤の開発、及び顔料誘導体等の提案がこれまでに行われてきた。顔料誘導体とは微粒子化する顔料と同構造あるいは類似構造の顔料に、酸性や塩基性等の置換基を導入した化合物で、顔料との親和性や吸着性を有し、且つ酸・塩基相互作用により分散剤とも強い結合力を有するため、顔料の微粒子化・分散安定化を向上する性質があり、顔料の粉砕・分散微粒子化工程に等において使用されている。カラーフィルターやインクジェットインキで用いられる顔料としては、フタロシアニン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アンスラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾ系顔料、染料レーキ系顔料等が挙げられ、特にフタロシアニン系顔料、アンスラキノン系顔料、キナクリドン系顔料を中心に数々の顔料誘導体が報告されている。例えば、顔料のスルホン化物あるいはその金属塩を顔料と混和する方法(特許文献1乃至3)、置換アミノメチル誘導体を混和する方法(特許文献4)、置換フタルイミドメチル誘導体を混和する方法(特許文献5)等が知られている。
しかしながら、これらの方法は、特定の骨格を有する顔料に対する効果は認められるものの、スルホン基、アミノメチル基、フタルイミドメチル基等を導入する事が構造上難しい顔料に対しては、導入する置換基の数や位置の制御が難しく、結果として顔料誘導体としての効果が不十分であり、しかも色調に悪影響を及ぼす副生物が多量に生成し、顔料分散液の品質が安定しない等の課題を有する。
近年、カラーフィルター用の青色及び赤色色素の開発は盛んに行われてきたが、緑色色素の開発は前者に比べるとその数は限られている。その中でも例えば、特許文献6乃至11はフタロシアニンの緑色染料と補色の黄色染料と樹脂とを組み合わせた緑色カラーフィルターに関するものであるが、同文献にはカラーフィルターの明度については何ら記載されていない。また特許文献12にはピグメントイエロー185を用いた顔料組成物が記載されているが、主要のグリーン顔料にピグメントグリーン7又はピグメントグリーン36を用いており、近年のトレンドの緑色カラーフィルターに求められる色度に適していない。即ち、表示装置や固体撮像素子の分野において用いられている緑色カラーフィルターは明度の要求特性を充分に満たすものではないのが現状である。
本発明は、ピグメントグリーン59及びイエロー系の有機顔料を含む顔料組成物(顔料分散液)を、凝集、沈降、経時的な粘度の増加を引き起こすことなく顔料の微粒子化及び高濃度化することにより、明度や耐熱性に優れた高品位で高信頼の緑色カラーフィルターを製造することができる顔料組成物、及びそれを用いて製造されたカラーフィルターを提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するイソインドリン誘導体からなる化合物を含む顔料組成物が上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(1)下記式(1)
即ち、本発明は、
(1)下記式(1)
(式(1)中、R1乃至R4から選択される一つは−SO3Mを表し、残りの三つは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は−SO3Mを表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又は−NR5R6R7R8を表す。R5乃至R8は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のヒドロキシアルキル基、アラルキル基、炭素数5若しくは炭素数6のシクロアルキル基、アリール基又は炭素数5若しくは炭素数6のシクロアルキル基が置換した炭素数1乃至4のアルキル基を表す。)で表される構造を有するイソインドリン化合物又はそれらの塩、イエロー顔料、ピグメントグリーン59、バインダー樹脂及び分散剤を含有するカラーフィルター用顔料組成物、
(2)R1乃至R4から選択される一つが−SO3Mであって残りの三つがそれぞれ独立に水素原子又は−SO3Mであり、Mが水素原子、セシウム原子、カルシウム原子、バリウム原子又はロジンアンモニウム(アビエタ−8,11,13−トリエン−18−アンモニウム)である前記(1)に記載のカラーフィルター用顔料組成物、
(3)Mが水素原子又はカルシウム原子である前記(1)又は(2)に記載のカラーフィルター用顔料組成物、
(4)イエロー顔料がピグメントイエロー138又はピグメントイエロー185である前項1乃至3に記載の顔料組成物、
(5)前記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の顔料組成物を用いて得られるカラーフィルター、及び
(6)前記(5)に記載のカラーフィルターを装着した液晶表示装置、有機ELディスプレイ又は固体撮像素子、
に関する。
(2)R1乃至R4から選択される一つが−SO3Mであって残りの三つがそれぞれ独立に水素原子又は−SO3Mであり、Mが水素原子、セシウム原子、カルシウム原子、バリウム原子又はロジンアンモニウム(アビエタ−8,11,13−トリエン−18−アンモニウム)である前記(1)に記載のカラーフィルター用顔料組成物、
(3)Mが水素原子又はカルシウム原子である前記(1)又は(2)に記載のカラーフィルター用顔料組成物、
(4)イエロー顔料がピグメントイエロー138又はピグメントイエロー185である前項1乃至3に記載の顔料組成物、
(5)前記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の顔料組成物を用いて得られるカラーフィルター、及び
(6)前記(5)に記載のカラーフィルターを装着した液晶表示装置、有機ELディスプレイ又は固体撮像素子、
に関する。
本発明のカラーフィルター用顔料組成物を用いることにより、明度や耐熱性に優れた高品位で信頼性の高いカラーフィルターの緑色画素を提供することができる。
本発明のカラーフィルター用顔料組成物(以下、単に「本発明の顔料組成物」とも記載する)は、前記式(1)で表されるイソインドリン化合物又はそれらの塩を含有する。
式(1)中、R1乃至R4から選択される一つは−SO3Mを表し、残りの三つは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は−SO3Mを表す。換言すれば、R1乃至R4のうちの少なくとも一つは−SO3Mである。
式(1)のR1乃至R4が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、塩素原子が好ましい。
式(1)のR1乃至R4としては、一つが−SO3Mを表し、残りの三つが水素原子、塩素原子又は−SO3Mであることが好ましく、一つが−SO3Mを表し、残りの三つが水素原子又は塩素原子であることがより好ましく、一つが−SO3Mを表し、残りの三つが水素原子であることが更に好ましい。
式(1)中、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又は−NR5R6R7R8を表す。R5乃至R8は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のヒドロキシアルキル基、アラルキル基、炭素数5若しくは炭素数6のシクロアルキル基、アリール基又は炭素数5若しくは炭素数6のシクロアルキル基が置換した炭素数1乃至4のアルキル基を表す。
式(1)のMが表すアルカリ金属原子の具体例としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子及びセシウム原子が挙げられる。
式(1)のMが表すアルカリ土類金属原子の具体例としては、カルシウム原子、ストロンチウム原子及びバリウム原子が挙げられる。
式(1)のMが表すアルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、セシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子又はバリウム原子が好ましく、ナトリウム原子、セシウム原子又はカルシウム原子であることがより好ましく、カルシウム原子であることが更に好ましい。
尚、Mがアルカリ土類金属原子の場合、該−SO3Mとの結合に関与しない一方の正電荷は、負電荷を有するいかなる物質や化合物等と結合していても構わず、例えば−SO3MO3S−を介したイソインドリン化合物の二量体であってもよく、これらは全て本発明の式(1)で表される構造を有するイソインドリン化合物又はその塩の範疇に含まれる。
式(1)のMが表すアルカリ土類金属原子の具体例としては、カルシウム原子、ストロンチウム原子及びバリウム原子が挙げられる。
式(1)のMが表すアルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、セシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子又はバリウム原子が好ましく、ナトリウム原子、セシウム原子又はカルシウム原子であることがより好ましく、カルシウム原子であることが更に好ましい。
尚、Mがアルカリ土類金属原子の場合、該−SO3Mとの結合に関与しない一方の正電荷は、負電荷を有するいかなる物質や化合物等と結合していても構わず、例えば−SO3MO3S−を介したイソインドリン化合物の二量体であってもよく、これらは全て本発明の式(1)で表される構造を有するイソインドリン化合物又はその塩の範疇に含まれる。
式(1)のR5乃至R8が表す炭素数1乃至4のアルキル基は、直鎖又は分岐鎖の何れでも良いが、直鎖であることが好ましく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基及びt−ブチル基が挙げられ、好ましくはメチル基及びエチル基である。
式(1)のR5乃至R8が表す炭素数1乃至4のヒドロキシアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基及び2−ヒドロキシブチル基等が挙げられ、好ましくはヒドロキシエチル基である。
式(1)のR5乃至R8が表すアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基及びフェニルブチル基が挙げられ、好ましくはベンジル基である。
式(1)のR5乃至R8が表す炭素数5又は炭素数6のシクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられ、好ましくはシクロヘキシル基である。尚、ここで言うシクロアルキル基は飽和炭化水素環および/又は不飽和炭化水素環で増環されていてもよく、シクロアルキル基の環上の水素原子および/又は増環上の水素原子はアルキル基等の置換基で置換されていてもよい。増環されており、且つアルキル基を有する炭素数5又は炭素数6のシクロアルキル基を有する−NR5R6R7R8としては、ロジンアンモニウム(アビエタ−8,11,13−トリエン−18−アンモニウム)が好ましい。
式(1)のR5乃至R8が表すアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基及びアズレニル基が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
式(1)のR5乃至R8が表す炭素数5又は炭素数6のシクロアルキル基が置換した炭素数1乃至4のアルキル基とは、炭素数5若しくは炭素数6のシクロアルキル基を置換基として有する炭素数1乃至4のアルキル基、即ちシクロアルキル置換アルキル基であり、該シクロアルキルアルキル基中の炭素数5若しくは炭素数6のシクロアルキル基の具体例としては、式(1)中のR5乃至R8が表す炭素数5若しくは炭素数6のシクロアルキル基の具体例と同じものが挙げられ、また該シクロアルキル基中の炭素数1乃至4のアルキル基の具体例としては、式(1)中のR5乃至R8が表す炭素数1乃至4のアルキル基の具体
例と同じものが挙げられる。
例と同じものが挙げられる。
式(1)におけるMとしては水素原子、ナトリウム原子、セシウム原子、カルシウム原子、バリウム原子又はロジンアンモニウム(アビエタ−8,11,13−トリエン−18−アンモニウム)が好ましく、水素原子、セシウム原子、カルシウム原子、バリウム原子又はロジンアンモニウムがより好ましく、水素原子又はカルシウム原子が更に好ましく、水素原子が特に好ましい。
本発明の式(1)で表されるイソインドリン化合物又はそれらの塩としては、上記したR1乃至R4及びM(及び−NR5R6R7R8中のR5乃至R8)それぞれの好ましいものを組み合わせた化合物又はそれらの塩がより好ましく、より好ましいものを組み合わせた化合物又はそれらの塩が更に好ましい。
前記式(1)で表されるイソインドリン化合物の塩は、遊離酸及びそれら各種の塩の混合物であってもよい。例えば遊離酸とアンモニウム塩の混合物、遊離酸とカルシウム塩の混合物、リチウム塩、セシウム塩及び遊離酸の混合物等、いずれの組み合わせを用いても良い。塩の種類によって溶解性などの物性値が異なる場合も有り、必要に応じて適宜塩の種類を選択したり、複数の塩などを含む場合にはその比率を変化させる事により、目的に適う物性を有する混合物を得る事もできる。
本発明のイソインドリン化合物又はそれらの塩の合成方法としては、例えば、特許文献12に記載のように、前記有機顔料を濃硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸又はこれらの混合液等に投入してスルホン化反応を行う方法が知られている。得られた反応液を水で希釈し、場合によっては金属アルカリ水溶液で中和する。得られた懸濁液をろ過、水洗、乾燥させることにより本発明のイソインドリン化合物又はそれらの塩を得る事が出来る。
前記式(1)で表される本発明の化合物の具体例を下記に示すが、本発明はこれらの具
体例に限定されるものではない。尚、化合物の酸性官能基は便宜上、遊離酸の形で表すも
のとする。
体例に限定されるものではない。尚、化合物の酸性官能基は便宜上、遊離酸の形で表すも
のとする。
本発明の顔料組成物における式(1)で表されるイソインドリン化合物又はそれらの塩の含有量は、本発明の顔料組成物の全固形分(本発明の顔料組成物が含有する溶媒類以外の全成分)に対して、通常0.1乃至50質量%、好ましくは0.5乃至30質量%である。
尚、本発明の顔料組成物には式(1)に包含される複数種のイソインドリン化合物又はそれらの塩を併用してもよく、併用する場合は式(1)に包含されるイソインドリン化合物又はそれらの塩の総量が前記の範囲となる量であればよい。
尚、本発明の顔料組成物には式(1)に包含される複数種のイソインドリン化合物又はそれらの塩を併用してもよく、併用する場合は式(1)に包含されるイソインドリン化合物又はそれらの塩の総量が前記の範囲となる量であればよい。
本発明の顔料組成物はイエロー顔料を含有する。
本発明の顔料組成物が含有するイエロー顔料は、黄色の顔料であれば特に限定されない。その具体例としては、ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213及び214等が挙げられ、ピグメントイエロー138又はピグメントイエロー185が好ましく、ピグメントイエロー185がより好ましい。
本発明の顔料組成物におけるイエロー顔料の含有量は、本発明の顔料組成物の全固形分に対して通常1乃至40質量%、好ましくは5乃至30質量%であり、ピグメントグリーン59の含有量は、本発明の顔料組成物の全固形分に対して通常10乃至60質量%、好ましくは20乃至55質量%である。
本発明の顔料組成物が含有するイエロー顔料は、黄色の顔料であれば特に限定されない。その具体例としては、ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213及び214等が挙げられ、ピグメントイエロー138又はピグメントイエロー185が好ましく、ピグメントイエロー185がより好ましい。
本発明の顔料組成物におけるイエロー顔料の含有量は、本発明の顔料組成物の全固形分に対して通常1乃至40質量%、好ましくは5乃至30質量%であり、ピグメントグリーン59の含有量は、本発明の顔料組成物の全固形分に対して通常10乃至60質量%、好ましくは20乃至55質量%である。
本発明の顔料組成物はバインダー樹脂を含有する。
本発明の顔料組成物が含有するバインダー樹脂は特に限定されず、従来公知のものであれば特に限定されないが、本発明の顔料組成物をフォトリソグラフィーの手法に用いる場合は、以下に挙げられる1個以上のカルボキシル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー、あるいは他の共重合可能な芳香族炭化水素基や脂肪族炭化水素基を有するエチレン性不飽和モノマー等の共重合体であることが望ましい。また、これらの側鎖もしくは末端等にエポキシ基を有したもの、さらにアクリレートを付加させたエポキシアクリレート樹脂も使用できる。これらのモノマー等は単独でも2種以上組み合わせても良い。
本発明の顔料組成物が含有するバインダー樹脂は特に限定されず、従来公知のものであれば特に限定されないが、本発明の顔料組成物をフォトリソグラフィーの手法に用いる場合は、以下に挙げられる1個以上のカルボキシル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー、あるいは他の共重合可能な芳香族炭化水素基や脂肪族炭化水素基を有するエチレン性不飽和モノマー等の共重合体であることが望ましい。また、これらの側鎖もしくは末端等にエポキシ基を有したもの、さらにアクリレートを付加させたエポキシアクリレート樹脂も使用できる。これらのモノマー等は単独でも2種以上組み合わせても良い。
前記のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、エタクリル酸及びけい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸及びメサコン酸等の不飽和ジカルボン酸(無水物)類;3価以上の不飽和多価カルボン酸(無水物)類、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタアクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシエチルフタル酸等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
前記の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシペンチ(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシ−3−メチル−ペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノ(メタ)アクリレート、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
尚、本明細書における「(メタ)アクリレート」との記載はアクリレート及びメタクリレートの両者を意味する。
尚、本明細書における「(メタ)アクリレート」との記載はアクリレート及びメタクリレートの両者を意味する。
また、前記の他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン及びp−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレートヒドロキシエチル化物及びフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、フェニルノルボルニル(メタ)アクリレート、シアノノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、フェンチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル=(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル=(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸及びt−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環骨格類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノアクリレート及びアリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキル末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート及び3−アミノプロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及び安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル及びメタリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−(メタ)アクリロイルフタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド及びマレイミド等の不飽和アミドあるいは不飽和イミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン及びクロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリn−ブチルアクリレート、ポリn−ブチルメタクリレート及びポリシリコーン等の重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、共重合体の側鎖に更に不飽和二重結合を導入した重合体も有用である。例えば、無水マレイン酸と共重合可能なスチレン、ビニルフェノール、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド等との共重合物の無水マレイン酸部に、ヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキシル基を有するアクリレートやグリシジルメタクリレート等のエポキシ基を有するアクリレートを反応させハーフエステル化した化合物、及びアクリル酸、アクリル酸エステルとヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキシル基を有するアクリレートとの共重合体の水酸基にアクリル酸を反応せしめた化合物等が挙げられる。また、ウレタン樹脂やポリアミド、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、市販のACA−200M(ダイセル製)、ORGA−3060(大阪有機化学製)、AX3−BNX02(日本触媒製)、UXE−3024(日本化薬製)、UXE−3000(日本化薬製)、ZGA−287H(日本化薬製)、TCR−1338H(日本化薬製)、ZXR−1722H(日本化薬製)、ZFR−1401H(日本化薬製)、ZCR−1642(日本化薬製)も使用することができる。
本発明の顔料組成物が含有するバインダー樹脂(共重合体)を製造する場合は、重合開始剤を使用する。ここで共重合体を合成するときに使用される重合開始剤の具体例としては、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、t−ブチルパーオクトエート、ジ−t−ブチルパーオキシド過酸化ベンゾイルメチルエチルケトンパーオキシド等を挙げることができる。重合開始剤の使用割合は、共重合体の合成に使用する全ての単量体の合計に対して、0.01乃至25質量%である。また、共重合体を合成する場合は、下記で説明する有機溶剤を使用するのが好ましいが、使用する単官能のモノマーや重合開始剤等に対して十分な溶解力を有するものを使用する。共重合体を合成するときの反応温度は50乃至120℃であることが好ましく、より好ましくは80乃至100℃である。また、反応時間は1乃至60時間であることが好ましく、より好ましくは3乃至20時間である。共重合体の好ましい酸価は10乃至300(mgKOH/g)であり、好ましい水酸基価は10乃至200(mgKOH/g)である。酸価もしくは水酸基価が10以下の場合は現像性が低下する。共重合体の重量平均分子量(Mw)は2,000乃至400,000が好ましく、3,000乃至100,000がより好ましい。この重量平均分子量が2,000以下、あるいは400,000以上では、感度及び現像性等が低下する。
尚、ここでいう酸価はJIS K−2501に準じた方法で、水酸基価はJIS K−1557に準じた方法でそれぞれ測定した値を意味し、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定結果に基づいて、ポリスチレン換算で算出した値を意味する。
尚、ここでいう酸価はJIS K−2501に準じた方法で、水酸基価はJIS K−1557に準じた方法でそれぞれ測定した値を意味し、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定結果に基づいて、ポリスチレン換算で算出した値を意味する。
バインダー樹脂は、本発明の顔料組成物に単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明の顔料組成物におけるバインダー樹脂の含有量は、顔料組成物の全固形分に対して、通常1乃至99質量%、好ましくは5乃至50質量%である。
本発明の顔料組成物は分散剤を含有する。油溶性有機溶媒と併用し得る分散剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシアルキルエーテル燐酸エステル塩等公知のアニオン界面活性剤、ビニルナフタレン誘導体、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、無水マレイン酸、無水マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、又はこれらの塩等の高分子分散剤等が挙げられる。
水溶性有機溶媒や水と併用し得る分散剤としては、界面活性剤の他、高分子分散剤を好適に使用することができる。高分子分散剤の具体例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸塩−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等の酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。
また、その他の樹脂系分散剤としては、ポリウレタン樹脂系、ポリカルボン酸系、ポリアミド樹脂系及びポリエステル樹脂系等の分散剤が挙げられる。樹脂系分散剤の具体例としては、例えば、ED211(楠本化成製)、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ製)ソルスパース71000(アビシア製)等である。
これらの分散剤類は、本発明の顔料組成物が含有する式(1)で表されるイソインドリン化合物又はそれらの塩及び任意に含有し得る式(1)で表されるイソインドリン化合物又はそれらの塩以外の色素に対して、通常500質量%以下、好ましくは10乃至450質量%、より好ましくは80乃至400質量%が用いられる。
本発明の顔料組成物は、式(1)で表されるイソインドリン化合物又はそれらの塩、イエロー顔料、ピグメントグリーン59、バインダー樹脂及び分散剤以外の成分(以下、「その他の成分」と記載する)を含有してもよい。
その他の成分としては、例えば油溶性有機溶媒、水溶性有機溶媒並びに水等の溶媒類や樹脂類、更にはこれらの溶媒類や樹脂類と組み合わせて用い得る各種の添加剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を顔料組成物の用途や用法に合せて特に制限なく用いることが出来る。
その他の成分としては、例えば油溶性有機溶媒、水溶性有機溶媒並びに水等の溶媒類や樹脂類、更にはこれらの溶媒類や樹脂類と組み合わせて用い得る各種の添加剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を顔料組成物の用途や用法に合せて特に制限なく用いることが出来る。
油溶性有機溶媒の具体例としては、エタノール、ペンタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール及びテトラフルオロプロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールジアセテート等のグリコール誘導体;メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類;ブチルフェニルエーテル、ベンジルエーテル及びヘキシルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、ラウリン酸エチル及びラウリン酸ブチル等のエステル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す。)、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチルピロリドン(以下、NMPと略す)及び2−ピロリドン等の極性有機溶媒等が挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール及びベンジルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ペンタンジオール及び1,5−ペンタンジオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモルホリン等のアミン類;2−ピロリドン、NMP、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン等が挙げられる。
これらの溶媒類は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。溶剤類を含有する場合の使用量は、顔料組成物の全固形分100質量部に対して好ましくは40乃至10000質量部であり、100乃至1000質量部であることがより好ましい。
本発明の顔料組成物が含有し得る溶媒類以外のその他の成分としては、例えば、樹脂類、硬化剤、光重合開始剤、熱重合開始剤、表面調整剤、消泡剤、防腐・防黴剤、pH調整剤及び式(1)で表されるイソインドリン化合物又はそれらの塩以外の色素等が挙げられる。
本発明の顔料組成物が含有し得る樹脂類としては、例えばポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系及びポリアクリル系の樹脂等が挙げられる。
本発明の顔料組成物が含有し得るポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂及びポリアクリル樹脂としては、特に限定されず従来公知のものが挙げられる。
本発明の顔料組成物が含有し得るポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂及びポリアクリル樹脂としては、特に限定されず従来公知のものが挙げられる。
本発明の顔料組成物が含有し得る硬化剤としては、ラジカル重合の場合は光重合モノマー、イオン硬化の場合はエポキシ樹脂、その他にメラミン硬化剤等が挙げられる。これらの具体例は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレン型エポキシジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、9,9−ビス〔4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕フルオレン、カヤラッドRP−1040(日本化薬製)、カヤラッドDPCA−30(日本化薬製)、UA−33H(新中村化学製)、UA−53H(新中村化学製)、M−8060(東亞合成製);チオール系重合モノマーとして、TEMPIC(堺化学製)、TMMP(堺化学製)、PEMP(堺化学製)、DPMP(堺化学製);エポキシ樹脂としては、日本化薬製品のNC―6000、NC−3000、EOCN−1020、XD−1000、EPPN−501H、BREN−S、NC−7300L、ダイセル化学製品のセロキサイト2021P、EHPE3150、サイクロマーM100、エポリードPB3600、ジャパンエポキシレジン製品のエピコート828、エピコートYX8000、エピコートYX4000、サイラエースS510(チッソ製)、TEPIC(日産化学製)等;メラミン硬化剤としてはメチロール化メラミンやMw−30(三和ケミカル製)等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。これらの含有量は、顔料組成物の全固形分100質量部に対して通常80質量部以下、好ましくは5乃至30質量部である。
本発明の顔料組成物が含有し得る光重合開始剤としては、露光光源として一般的に用いられる超高圧水銀灯から射出される紫外線に充分感度を有するものが好ましく、ラジカル重合性の光ラジカル開始剤、イオン硬化性の光酸発生剤もしくは光塩基発生剤等が挙げられる。光重合では、より少ない露光エネルギーで硬化をさせるような増感剤と呼ばれる重合促進剤の成分を組み合わせて使用することができる。使用できる光重合開始剤は特に制限は無いが、具体例としては、ベンジル、ベンゾインエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン−3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸のエステル化物、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、ベンジルジメチルケタール、2−ブトキシエチル−4−メチルアミノベンゾエート、クロロチオキサントン、メチルチオキサントン、エチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、メチルアミノメチルベンゾエート、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4−ビス(トリブロモメチル)−6−(4’−メトキシフェニル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1,3−ベンゾジオキソラン−5−イル)−1,3,5−s−トリアジン、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−o−ベンゾアート、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−o−アセタート、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1−オンオキシム−o−アセタート、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、P−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、ジアゾナフトキノン系開始剤、また市販のカヤキュアーDMBI、カヤキュアーBDMK、カヤキュアーBP−100、カヤキュアーBMBI、カヤキュアーDETX−S、カヤキュアーEPA(いずれも日本化薬製)、ダロキュアー1173、ダロキュアー1116(いずれもメルクジャパン製)、イルガキュアー907(BASFジャパン製)、イルガキュアー369(BASFジャパン製)、イルガキュアー379EG(BASFジャパン製)、イルガキュアーOXE−01(BASFジャパン製)、イルガキュアーOXE−02(BASFジャパン製)、イルガキュアーPAG103(BASFジャパン製)、TME−トリアジン(三和ケミカル製)、ビイミダゾール(黒金化成製)、STR−110、STR−1(いずれもレスペケミカル製)等が挙げられる。
本発明の顔料組成物が含有し得る熱重合開始剤としては、アゾ系化合物や有機過酸化物系のものがあるが、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過酸化ジ−t−ブチル、ジベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシネオデカノエート等が挙げられる。
これらの光重合開始剤や熱重合開始剤は、必要に応じて単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。これら開始剤の含有量は、顔料組成物の固形分を100質量部に対して通常50質量部以下、好ましくは1乃至25質量部である。
本発明の顔料組成物が含有し得る表面調整剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合物等の公知のノニオン系、ポリシロキサン系あるいはポリジメチルシロキサン系の界面活性剤が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン系、アセチレン系の公知の消泡剤が挙げられる。
防腐・防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等の公知の防腐・防黴剤が挙げられる。
pH調整剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の3級アミン類等の公知のpH調整剤が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン系、アセチレン系の公知の消泡剤が挙げられる。
防腐・防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等の公知の防腐・防黴剤が挙げられる。
pH調整剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の3級アミン類等の公知のpH調整剤が挙げられる。
本発明の顔料組成物が含有し得る式(1)で表されるイソインドリン化合物又はそれらの塩以外の色素としては、有機顔料、無機顔料及び染料等が挙げられる。
本発明の顔料組成物が含有し得る有機顔料に特に制限はないが、例えば、アントラキノン系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系、ベンゾイミダゾロン系、キナクリドン系、アゾキレート系、アゾ系、イソインドリン系、イソインドリノン系、ピランスロン系、インダスロン系、アンスラピリミジン系、ジブロモアンザンスロン系、フラバンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、キノフタロン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、キナクリドン系、キサンテン系等の顔料;酸性染料、塩基性染料、直接染料等をそれぞれの沈澱剤で不溶化したレーキ顔料、染付けレーキ顔料等が挙げられる。より具体的にはカラーインデックスで、例えば、ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79;ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50;ピグメントバイオレット3、4、27,39;ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5、122、146、168、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264270、272、279;ピグメントオレンジ43、71、73;ピグメントグリーン7、36、58、60、61、62、63等が挙げられる。
本発明の顔料組成物が含有し得る無機顔料に特に制限はないが、例えば、複合金属酸化物顔料、カーボンブラック、黒色低次酸化チタン、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、アンチモン白、鉄黒、鉛丹、硫化亜鉛、カドニウムエロー、カドニウムレッド、亜鉛、マンガン紫、コバルト紫、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等の金属酸化物、金属硫化物、硫酸塩、金属水酸化物、金属炭酸塩等が挙げられる。
本発明の顔料組成物が含有し得る染料に特に制限はなく、酸性染料、塩基性染料、直接染料、硫化染料、建染染料、ナフトール染料、反応染料、分散染料等が挙げられる。有機溶媒を併用する場合は、有機溶媒に可溶なものが好ましいが、有機溶媒に不溶な染料でも分散体とする事で適宜使用することができる。有機溶媒に不溶な染料はよく知られた処方として、例えば酸性染料の場合は、有機アミン化合物(例えばn−プロピルアミン、エチルヘキシルプロピオン酸アミン等)を反応させアミン塩染料に変性するか、又はそのスルホン酸基に同有機アミン化合物を反応させてスルホンアミド基を有する染料等に変性することが知られている。それらアミン変性した染料も本発明の顔料組成物に使用可能である。その具体的な染料としては、カラーインデックスで、例えばC.I.ナンバーのベーシックブルー7、アシッドブルー1、7、9、15、18、23、25、27、29、40、42、45、51、62、70、80、83、86、87、90、92、96,103、112、113、120、129、138、147、150、158、171、182、192、210、242、243、249、256、259、267、278、280、285、290、296、315、324、335、340;ベーシックブルー7、11、15、26;ソルベントブルー2、3、4、5、6、23、25、35、37、38、43、55、59、67、72、124;ベーシックバイオレット10;アシッドバイオレット17、49;ソルベントバイオレット4、5、14;ベーシックレッド1、10、29;アシッドレッド91、92、97、114、138、151、289;ソルベントレッド45、49、127;アシッドイエロー17、23、25、29、38、40、42、76;ソルベントイエロー4、14、15、24、76、81、82、94、98、162;ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56;アシッドグリーン9、16、等が挙げられる。
本発明の顔料組成物は、式(1)で表されるイソインドリン化合物又はそれらの塩及びバインダー樹脂とその他の成分を、ディゾルバーやホモミキサー等により混合撹拌して製造される。顔料や溶解性の低い染料を併用する場合は、適当な分散剤を用いてペイントシェーカー等の分散機により分散体を得て、顔料組成物に加えて混合してもよく、調製した顔料組成物から異物等を取り除くためにフィルター等で精密濾過をすることも出来る。
本発明の顔料組成物は、各種塗料、水性インキ、油性インキ、インクジェット用インキ、カラーフィルター用顔料組成物に用いられ、カラーフィルター用顔料組成物の具体的な用途としては、液晶表示装置、有機ELディスプレイ、あるいはデジタルカメラ等に使用される固体撮像素子等のカラーフィルターが挙げられる。
本発明の顔料組成物を用いる被着色材料としては、例えば普通紙、コート紙、プラスチックフィルム、プラスチック基板が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、本発明の顔料組成物を被着色材料に付与する方法としては、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷などの各種印刷方法あるいはスピンコーター、ロールコーターなどによる塗工方法が挙げられる。
本発明の顔料組成物を用いる被着色材料としては、例えば普通紙、コート紙、プラスチックフィルム、プラスチック基板が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、本発明の顔料組成物を被着色材料に付与する方法としては、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷などの各種印刷方法あるいはスピンコーター、ロールコーターなどによる塗工方法が挙げられる。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特別の記載のない限り、本文中「部」及び「%」とあるのは質量基準であり、また反応温度は内温である。
合成例1(上記具体例の化合物No.1で表されるイソインドリン化合物の合成)
300mlの四つ口フラスコに、25%発煙硫酸157部及び下記式(100)で表されるピグメントイエロー185(BASF社製)30部を入れ、60℃で3時間攪拌してスルホン化反応液を得た。1000mlのビーカーに氷水800部を入れ、前記で得られたスルホン化反応液を30分間かけて滴下し、析出した固体を濾過分離することにより上記具体例の化合物No.1で表されるイソインドリン化合物を含むウェットケーキ190部を得た。このウェットケーキをイオン交換水300部で3回洗浄した後、80℃の熱風乾燥機で乾燥することにより、上記具体例の化合物No.1で表されるイソインドリン化合物の黄色粉末を30.1部得た。
300mlの四つ口フラスコに、25%発煙硫酸157部及び下記式(100)で表されるピグメントイエロー185(BASF社製)30部を入れ、60℃で3時間攪拌してスルホン化反応液を得た。1000mlのビーカーに氷水800部を入れ、前記で得られたスルホン化反応液を30分間かけて滴下し、析出した固体を濾過分離することにより上記具体例の化合物No.1で表されるイソインドリン化合物を含むウェットケーキ190部を得た。このウェットケーキをイオン交換水300部で3回洗浄した後、80℃の熱風乾燥機で乾燥することにより、上記具体例の化合物No.1で表されるイソインドリン化合物の黄色粉末を30.1部得た。
合成例A(バインダー樹脂の合成)
500mlの四つ口フラスコにメチルエチルケトン160部、メタクリル酸10部、ベンジルメタクリレート33部及びα,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)1部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素ガスをフラスコ内に流入した。その後、80℃まで昇温し、80乃至85℃でそのまま4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明で均一な共重合体溶液を得た。これをイソプロピルアルコールと水の1:1混合溶液中で沈殿させ、濾過し、固形分を取り出し、乾燥し、バインダー樹脂を得た。得られたバインダー樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は18,000であり、酸価は152(mgKOH/g)であった。
500mlの四つ口フラスコにメチルエチルケトン160部、メタクリル酸10部、ベンジルメタクリレート33部及びα,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)1部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素ガスをフラスコ内に流入した。その後、80℃まで昇温し、80乃至85℃でそのまま4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明で均一な共重合体溶液を得た。これをイソプロピルアルコールと水の1:1混合溶液中で沈殿させ、濾過し、固形分を取り出し、乾燥し、バインダー樹脂を得た。得られたバインダー樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は18,000であり、酸価は152(mgKOH/g)であった。
実施例1(本発明の顔料組成物の作製)
ピグメントグリーン59/ピグメントイエロー185/合成例1で得られたNo.1で表されるイソインドリン化合物/DISPERBYK−2001(ビックケミー・ジャパン社製)/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル/合成例Aで得られたバインダー樹脂=0.47部/0.30部/0.11部/1.00部/16.00部/2.00部/2.00部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ50部を添加し、ペイントシェーカーで3時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、得られた分散液を5μmのフィルターでろ過することにより、本発明の顔料組成物1を得た。
ピグメントグリーン59/ピグメントイエロー185/合成例1で得られたNo.1で表されるイソインドリン化合物/DISPERBYK−2001(ビックケミー・ジャパン社製)/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル/合成例Aで得られたバインダー樹脂=0.47部/0.30部/0.11部/1.00部/16.00部/2.00部/2.00部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ50部を添加し、ペイントシェーカーで3時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、得られた分散液を5μmのフィルターでろ過することにより、本発明の顔料組成物1を得た。
実施例2(本発明のカラーフィルターの作製)
スピンコーターを用いて、実施例1で得られた本発明の顔料組成物1をガラス基板上に塗布した後、80℃で10分間乾燥して本発明のカラーフィルター(顔料着色体1)を作製した。得られた顔料着色体1の膜厚は1.4μmであった。
スピンコーターを用いて、実施例1で得られた本発明の顔料組成物1をガラス基板上に塗布した後、80℃で10分間乾燥して本発明のカラーフィルター(顔料着色体1)を作製した。得られた顔料着色体1の膜厚は1.4μmであった。
実施例3(本発明の顔料組成物の作製)
ピグメントグリーン59/ピグメントイエロー185/合成例1で得られたNo.1で表されるイソインドリン化合物/DISPERBYK−2001/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル/合成例Aで得られたバインダー樹脂=0.82部/0.19部/0.11部/1.00部/16.00部/2.00部/2.00部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ50部を添加し、ペイントシェーカーで3時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、得られた分散液を5μmのフィルターでろ過することにより、本発明の顔料組成物2を得た。
ピグメントグリーン59/ピグメントイエロー185/合成例1で得られたNo.1で表されるイソインドリン化合物/DISPERBYK−2001/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル/合成例Aで得られたバインダー樹脂=0.82部/0.19部/0.11部/1.00部/16.00部/2.00部/2.00部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ50部を添加し、ペイントシェーカーで3時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、得られた分散液を5μmのフィルターでろ過することにより、本発明の顔料組成物2を得た。
実施例4(本発明のカラーフィルターの作製)
実施例1で得られた本発明の顔料組成物1を、実施例3で得られた本発明の顔料組成物2に変更したこと以外は実施例2と同様にして、本発明のカラーフィルター(顔料着色体2)を作製した。得られた顔料着色体2の膜厚は1.4μmであった。
実施例1で得られた本発明の顔料組成物1を、実施例3で得られた本発明の顔料組成物2に変更したこと以外は実施例2と同様にして、本発明のカラーフィルター(顔料着色体2)を作製した。得られた顔料着色体2の膜厚は1.4μmであった。
比較例1(比較用の顔料組成物の作製)
ピグメントグリーン59/ピグメントイエロー185/DISPERBYK−2001/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル/合成例Aで得られたバインダー樹脂=0.82部/0.30部/1.00部/16.00部/2.00部/2.00部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ50部を添加し、ペイントシェーカーで3時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、得られた分散液を5μmのフィルターでろ過することにより、比較用の顔料組成物1を得た。
ピグメントグリーン59/ピグメントイエロー185/DISPERBYK−2001/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル/合成例Aで得られたバインダー樹脂=0.82部/0.30部/1.00部/16.00部/2.00部/2.00部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ50部を添加し、ペイントシェーカーで3時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、得られた分散液を5μmのフィルターでろ過することにより、比較用の顔料組成物1を得た。
比較例2(比較用のカラーフィルターの作製)
実施例1で得られた本発明の顔料組成物1を、比較例1で得られた比較用の顔料組成物1に変更したこと以外は実施例2と同様にして、比較用のカラーフィルター(比較用の顔料着色体1)を作製した。得られた比較用の顔料着色体1の膜厚は1.7μmであった。
実施例1で得られた本発明の顔料組成物1を、比較例1で得られた比較用の顔料組成物1に変更したこと以外は実施例2と同様にして、比較用のカラーフィルター(比較用の顔料着色体1)を作製した。得られた比較用の顔料着色体1の膜厚は1.7μmであった。
(分散安定性の評価)
実施例1、3及び比較例1で得られた各顔料組成物について、B型粘度計を用い、25℃、10rpmの条件で粘度を測定し、下記の基準で評価した。尚、保存安定性を確認するために、調整直後の他に40℃で3日放置後の粘度も測定及び評価した。結果を表1に示した。
・評価基準
初期粘度:20mPa・s未満○、20mPa・s以上×
40℃×3日後粘度増加率:20%未満○、20%以上×
実施例1、3及び比較例1で得られた各顔料組成物について、B型粘度計を用い、25℃、10rpmの条件で粘度を測定し、下記の基準で評価した。尚、保存安定性を確認するために、調整直後の他に40℃で3日放置後の粘度も測定及び評価した。結果を表1に示した。
・評価基準
初期粘度:20mPa・s未満○、20mPa・s以上×
40℃×3日後粘度増加率:20%未満○、20%以上×
(耐熱性の評価)
実施例2、4及び比較例2で得られた各カラーフィルターに、230℃の恒温熱風乾燥機中で30分間の加熱処理を施した。処理前後の顔料着色体のL値、a値、b値を、紫外可視分光光度計UV−1700(島津製作所社製)を用いて標準光としてC光源、2度視野角で測色し、色差を求めた。尚、色差(ΔEab)が小さいほど、色相の変化が少なく、耐熱堅牢度に優れていることを示す。結果を表2に示した。
実施例2、4及び比較例2で得られた各カラーフィルターに、230℃の恒温熱風乾燥機中で30分間の加熱処理を施した。処理前後の顔料着色体のL値、a値、b値を、紫外可視分光光度計UV−1700(島津製作所社製)を用いて標準光としてC光源、2度視野角で測色し、色差を求めた。尚、色差(ΔEab)が小さいほど、色相の変化が少なく、耐熱堅牢度に優れていることを示す。結果を表2に示した。
(明度の評価)
紫外可視分光光度計UV−1700を用いて、実施例2、4及び比較例2で得られた各カラーフィルターの分光透過率を測定し、C光源のCIEのXYZ表色系におけるx、yの色度座標と明度Yを評価した。また、耐熱性の評価後の各カラーフィルターの分光透過率も測定し、同条件で明度Yを評価した。
明度Yを算出するに当たり必要な色度x及びyは、特開2018−154781号公報に記載の一般的に公知な色度x及びyを用いた。尚、明度Yが大きい程、明度が高く、優れていることを示す。結果を表2に示した。
紫外可視分光光度計UV−1700を用いて、実施例2、4及び比較例2で得られた各カラーフィルターの分光透過率を測定し、C光源のCIEのXYZ表色系におけるx、yの色度座標と明度Yを評価した。また、耐熱性の評価後の各カラーフィルターの分光透過率も測定し、同条件で明度Yを評価した。
明度Yを算出するに当たり必要な色度x及びyは、特開2018−154781号公報に記載の一般的に公知な色度x及びyを用いた。尚、明度Yが大きい程、明度が高く、優れていることを示す。結果を表2に示した。
(蛍光強度の評価)
蛍光分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、商品名F−7000)を用いて、実施例2、4及び比較例2で得られた各カラーフィルターの蛍光強度を測定した。蛍光強度が小さい程蛍光が弱く、顔料組成物から得た顔料着色体のコントラストが優れていることを意味する。結果を表2に示した。尚、蛍光分光光度計の励起波長は、470nmを用いた。
蛍光分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、商品名F−7000)を用いて、実施例2、4及び比較例2で得られた各カラーフィルターの蛍光強度を測定した。蛍光強度が小さい程蛍光が弱く、顔料組成物から得た顔料着色体のコントラストが優れていることを意味する。結果を表2に示した。尚、蛍光分光光度計の励起波長は、470nmを用いた。
表1及び表2の結果から、本発明の顔料組成物1及び2を用いて作製したカラーフィルターは、比較用の顔料組成物を用いて作製した比較用のカラーフィルターに比べて良好な明度、耐熱性、コントラストを示していることは明らかである。
式(1)で表される特定構造のイソインドリン化合物又はそれらの塩、イエロー顔料、ピグメントグリーン59、バインダー樹脂及び分散剤を含有する本発明のカラーフィルター用顔料組成物を用いることにより、明度、耐熱性に優れたカラーフィルターの緑色画素を提供することができる。
Claims (6)
- 下記式(1)
- R1乃至R4から選択される一つが−SO3Mであって残りの三つがそれぞれ独立に水素原子又は−SO3Mであり、Mが水素原子、セシウム原子、カルシウム原子、バリウム原子又はロジンアンモニウム(アビエタ−8,11,13−トリエン−18−アンモニウム)である請求項1に記載のカラーフィルター用顔料組成物。
- Mが水素原子又はカルシウム原子である請求項1又は2に記載のカラーフィルター用顔料組成物。
- イエロー顔料がピグメントイエロー138又はピグメントイエロー185である請求項1乃至3に記載の顔料組成物。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の顔料組成物を用いて得られるカラーフィルター。
- 請求項5に記載のカラーフィルターを装着した液晶表示装置、有機ELディスプレイ又は固体撮像素子。
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JP2019054627 | 2019-03-22 | ||
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024058001A1 (ja) * | 2022-09-16 | 2024-03-21 | 富士フイルム株式会社 | 着色組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および化合物 |
-
2019
- 2019-03-27 JP JP2019059833A patent/JP2020160279A/ja active Pending
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WO2024058001A1 (ja) * | 2022-09-16 | 2024-03-21 | 富士フイルム株式会社 | 着色組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および化合物 |
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