JP2019168513A - 着色組成物 - Google Patents

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彰洋 三藤
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真也 永塚
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Abstract

【課題】明度や耐熱性に優れた高品位で高信頼のカラーフィルターを製造することができる着色組成物、およびそれを用いて製造されたカラーフィルターを提供すること。
【解決手段】下記式(1)
Figure 2019168513

(式(1)中、Rはそれぞれ独立に炭素数2乃至6のアルケニル基を表し、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至6のアルキル基を表す。)で表されるキサンテン系化合物及びバインダー樹脂を含有するカラーフィルター用着色組成物、及び該着色組成物を用いて得られるカラーフィルター。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルターの赤色画素を形成する際に用いられるキサンテン系化合物を含有する着色組成物、該着色組成物を用いて形成されるカラーフィルター、並びに該カラーフィルターを用いて形成される液晶表示装置、撮像素子(CCD、CMOS)及び有機ELディスプレイ等の電子表示装置に関する。
ノートパソコンや液晶テレビ、携帯電話、スマートフォン等に代表される液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ等の液晶表示装置、及びデジタルカメラやカラーコピー機等の入力デバイスとして使用される撮像素子(CCD、CMOS)のカラー化にはカラーフィルターが必要である。これら液晶表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルターを製造する方法としては、染色法、電着法、印刷法、顔料分散法等があるが、近年、パターニングの手法を用いた顔料分散法が主流となっている。パターニングの方法としてはフォトリソグラフィー法が代表的で、感光性樹脂組成物と顔料分散体との混合物を用いてカラーフィルターを形成している。また、最近では着色インキをインクジェットプリンターにより、マスクを介さずに直接基板上に塗布し、カラーフィルターを形成する方法も行われている。
カラーフィルターに求められる特性である、色純度、彩度、明度およびコントラストを向上させることは特に重要である。明度が向上することによってバックライトの光量を抑えることができ、結果的に消費電力が低減されるため、環境的にも必要な技術である。カラーフィルターの色純度を向上させるためには着色顔料の含有量を増やすことや、より良い分光波形の顔料を選択することが必要である。一方、明度を向上させるには、顔料濃度を減らすことや膜厚を薄くすることにより透過率を高くする必要がある。これらの相反する特性を両立するために顔料の微粒子化という方法が行われているが、着色組成物の分散安定性、並びにカラーフィルターの光、熱又は溶剤に対する耐性及びコントラストの向上には限界があり、明度が向上しても耐性との両立が図れないのが現状である。
これらの問題を解決するための別のアプローチとして、染料を使用したカラーフィルターの検討が進められている。染料を用いれば、顔料では達成できない色純度と明度の両立や、粒子では無いことから光散乱を抑制出来るためコントラストも向上できるメリットがある。しかしながら、その一方で、テレビ向け等の長期信頼性を必要とされる表示体用途には優れた耐光性や耐熱性が必要とされるが、染料は顔料よりも耐性が劣ることが一般的である。例えば、特許文献1及び2はキサンテン系化合物と樹脂とを組み合わせた赤色カラーフィルターに関するものであるが、同文献にはカラーフィルターの耐性(耐熱性)については何ら記載されていない。従って、次世代として鮮明な赤色でかつ耐性に優れた高品位なカラーフィルターが求められている。明度等の色特性に優れた高品位な赤色画素を達成するために、キサンテン系化合物を含有する着色組成物の開発が盛んに研究されている。
キサンテン系化合物は、色相が鮮明で高発色性を有しており、光や熱等に対して堅牢であることから、レッド乃至バイオレット領域の色相の染料として、各種塗料、水性インキ、油性インキ、インクジェット用インキ、カラーフィルター用など幅広い用途で使用されている。このような化合物(染料)として例えば、特許文献2乃至6に記載のスルホン酸基を有する分子内塩型のキサンテン系化合物が記載されている。しかしながら、本発明者らの検討の結果、特許文献3乃至6に記載のキサンテン系化合物は耐熱性、耐水性、耐湿熱性等の堅牢性が必ずしも十分に満足できるものではなかった。また、カラーフィルターの明度については何ら記載されていない。即ち、液晶表示装置や固体撮像素子の分野において求められている、信頼性に優れた耐性の高い鮮明な赤色カラーフィルターは、ほとんど実用化されていないのが現状である。
特許5482878号公報 特開2016−60828号公報 特開2016−65219号公報 特開2001−337449号公報 特開2017−114996号公報 特開2017−114997号公報 特許6248852号公報
Chemical Biology,5(11),1065.
本発明は、明度や耐熱性に優れた高品位で高信頼のカラーフィルターを製造することができる着色組成物、およびそれを用いて製造されたカラーフィルターを提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するキサンテン系化合物を含む着色組成物を使用することによって上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(1)下記式(1)
Figure 2019168513
(式(1)中、Rはそれぞれ独立に炭素数2乃至6のアルケニル基を表し、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至6のアルキル基を表す。)で表されるキサンテン系化合物及びバインダー樹脂を含有するカラーフィルター用着色組成物、
(2)Rが炭素数4乃至6の直鎖のアルケニル基であり、Rが炭素数2乃至4の直鎖のアルキル基である前項(1)に記載のカラーフィルター用着色組成物、
(3)更に、顔料を含む前項(1)または(2)に記載のカラーフィルター用着色組成物、
(4)顔料がC.I.ピグメントレッド254またはC.I.ピグメントレッド177である前項(3)に記載のカラーフィルター用着色組成物、
(5)前項(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の着色組成物を用いて得られるカラーフィルター、及び
(6)前項(5)に記載のカラーフィルターを装着した液晶表示装置、有機ELディスプレイ又は固体撮像素子、
に関する。
本発明のカラーフィルター用着色組成物を用いることにより、明度や耐熱性に優れた高品位で信頼性の高いカラーフィルターの赤色画素を提供することができる。
本発明のカラーフィルター用着色組成物(以下、単に「着色組成物」ともいう)は、前記式(1)で表されるキサンテン系化合物を含有する。
式(1)中、Rはそれぞれ独立に炭素数2乃至6のアルケニル基を表す。
式(1)のRが表す炭素数2乃至6のアルケニル基は直鎖状または分岐鎖状の何れにも限定されず、その具体例としては、下記式(A−1)乃至(A−50)等が挙げられる。尚、下記式中、*は窒素原子との結合手を表す。
Figure 2019168513
Figure 2019168513
Figure 2019168513
Figure 2019168513
Figure 2019168513
Figure 2019168513
Figure 2019168513
式(1)のRとしては、それぞれ独立に炭素数4乃至6のアルケニル基であることが好ましく、それぞれ独立に上記式(A−5)、(A−10)、(A−16)又は(A−25)で表される置換基であることがより好ましく、それぞれ独立に上記式(A−5)、(A−10)または(A−25)で表される置換基であることが更に好ましい。また、式(1)中の二つのRが同じアルケニル基であることが好ましい。
式(1)中、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至6のアルキル基を表す。
式(1)のRが表す炭素数1乃至6のアルキル基は、炭素数1乃至6のアルキル基であれば直鎖状、分岐鎖状又は環状の何れにも限定されず、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
式(1)のRとしては、それぞれ独立にエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基又はt−ブチル基であることが好ましく、それぞれ独立にエチル基、n−プロピル基又はn−ブチル基であることがより好ましく、それぞれ独立にn−プロピル基又はn−ブチル基であることが更に好ましい。また、式(1)中の二つのRが同じアルキル基であることが好ましい。
本発明の着色組成物が含有する式(1)で表されるキサンテン系化合物としては、上記R及びRそれぞれの好ましいものの組み合わせのものがより好ましく、より好ましいものの組み合わせのものが更に好ましい。
本発明の着色組成物に含有される式(1)で表されるキサンテン系化合物は、例えば、非特許文献1に記載された方法に準じて合成した縮合物3,6−ジクロロスピロ[9H−キサンテン−9,3’−[3H][2,1]ベンゾオキサチオール]1’,1’−ジオキシドと対応するアミン類を縮合することにより合成することができる。その合成スキームの一例を下記に示した。
合成スキームにおける式(2)及び(3)中のR及びRは、前記式(1)におけるR及びRと同義である。
Figure 2019168513
上記に示した縮合工程では、式(2)で表される化合物と式(3)で表されるアミン化合物とを、有機溶媒や縮合剤の存在下で加熱して縮合させることにより式(1)で表されるキサンテン系化合物を得ることができる。
上記の合成スキームは、2つの塩素原子とアミン化合物が同時に縮合する形で簡便的に記載したものであるが、先ず左右何れかの塩素原子とアミン類を縮合させ、次いで残り1つの塩素原子と前記で用いたのとは別のアミン化合物を縮合させれば、式(1)中の2箇所のR同士及び/または式(1)中の2箇所のR同士が異なるキサンテン系化合物を得ることができる。
上記に例示した合成スキームの縮合工程では、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略記)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略記)、ジメチルスルホキシド、スルホラン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン及びニトロベンゼン等の有機溶媒を、単独でもしくは混合して使用することが好ましい。
上記縮合工程における反応温度は、30乃至120℃であることが好ましく、40乃至100℃であることがより好ましい。
上記縮合工程では、必要に応じて縮合剤を使用することもでき、使用できる縮合剤としては、例えば、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等を用いることが好ましい。縮合剤を使用する場合には、0.5乃至2.0モル当量含有させることが好ましい。
以下に、前記式(1)で示されるキサンテン系化合物の具体例を示すが、本発明の着色組成物が含有する式(1)で表されるキサンテン系化合物はこれらに限定されない。
Figure 2019168513
Figure 2019168513
Figure 2019168513
本発明の着色組成物はバインダー樹脂を含有する。着色組成物が含有するバインダー樹脂は特に限定されず、従来公知のものが挙げられるが、本発明の着色組成物をフォトリソグラフィーの手法に用いる場合は、以下に挙げられる1個以上のカルボキシ基又は水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー、あるいは他の共重合可能な芳香族炭化水素基や脂肪族炭化水素基を有するエチレン性不飽和モノマー等の共重合体であることが望ましい。また、これらの側鎖もしくは末端等にエポキシ基を有したもの、さらにアクリレートを付加させたエポキシアクリレート樹脂も使用できる。これらのモノマー等は単独でも2種以上組み合わせても良い。
本発明で使用できる前記のカルボキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、エタクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸(無水物)類;3価以上の不飽和多価カルボン酸(無水物)類、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタアクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシエチルフタル酸等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明で使用できる前記の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシペンチ(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシ−3−メチル−ペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノ(メタ)アクリレート、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、前記の他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレートヒドロキシエチル化物、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、フェニルノルボルニル(メタ)アクリレート、シアノノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、フェンチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル=(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル=(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環骨格類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキル末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−(メタ)アクリロイルフタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、マレイミド等の不飽和アミドあるいは不飽和イミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリn−ブチルアクリレート、ポリn−ブチルメタクリレート、ポリシリコーン等の重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、共重合体の側鎖に更に不飽和二重結合を導入した重合体も有用である。例えば、無水マレイン酸と共重合可能なスチレン、ビニルフェノール、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド等との共重合物の無水マレイン酸部に、ヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキシル基を有するアクリレートやグリシジルメタクリレート等のエポキシ基を有するアクリレートを反応させハーフエステル化した化合物、及びアクリル酸、アクリル酸エステルとヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキシル基を有するアクリレートとの共重合体の水酸基にアクリル酸を反応せしめた化合物等が挙げられる。また、ウレタン樹脂やポリアミド、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、市販のACA−200M(ダイセル製)、ORGA−3060(大阪有機化学製)、AX3−BNX02(日本触媒製)、UXE−3024(日本化薬製)、UXE−3000(日本化薬製)、ZGA−287H(日本化薬製)、TCR−1338H(日本化薬製)、ZXR−1722H(日本化薬製)、ZFR−1401H(日本化薬製)、ZCR−1642(日本化薬製)も使用することができる。
本発明の着色組成物が含有するバインダー樹脂(共重合体)を製造する場合は、重合開始剤を使用する。ここで共重合体を合成するときに使用される重合開始剤の具体例としては、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、t−ブチルパーオクトエート、ジ−t−ブチルパーオキシド過酸化ベンゾイルメチルエチルケトンパーオキシド等を挙げることができる。重合開始剤の使用割合は、共重合体の合成に使用する全ての単量体の合計に対して、0.01乃至25質量部である。また、共重合体を合成する場合は、下記で説明する有機溶剤を使用するのが好ましいが、使用する単官能のモノマーや重合開始剤等に対して十分な溶解力を有するものを使用する。共重合体を合成するときの反応温度は50乃至120℃であることが好ましく、特に好ましくは80乃至100℃である。また、反応時間は1乃至60時間であることが好ましく、より好ましくは3乃至20時間である。共重合体の好ましい酸価は10乃至300(mgKOH/g)であり、好ましい水酸基価は10乃至200(mgKOH/g)である。酸価もしくは水酸基価が10以下の場合は現像性が低下する。共重合体の重量平均分子量(Mw)は2,000乃至400,000が好ましく、3,000乃至100,000がより好ましい。この重量平均分子量が2,000以下、あるいは400,000以上では、感度及び現像性等が低下する。
前記のバインダー樹脂は、本発明の着色組成物に単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明の着色組成物におけるバインダー樹脂の含有量は、着色組成物の全固形分100質量部に対して、通常1乃至99質量部、好ましくは5乃至50質量部である。
本発明の着色組成物は、式(1)で表されるキサンテン系化合物とバインダー樹脂以外の成分(以下、「その他の成分」と記載する)を含有してもよい。
その他の成分としては、例えば油溶性有機溶媒、水溶性有機溶媒並びに水等の溶媒類や樹脂類、更にはこれらの溶媒類や樹脂類と組み合わせて用い得る各種の添加剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を着色組成物の用途や用法に合せて特に制限なく用いることが出来る。
油溶性有機溶媒の具体例としては、エタノール、ペンタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、テトラフルオロプロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート等のグリコール誘導体;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ブチルフェニルエーテル、ベンジルエーテル、ヘキシルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチルなどのエステル類;アセトニトリル、DMF、ジメチルスルホキシド、スルホラン、NMP、2−ピロリドン等の極性有機溶媒等が挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール及びベンジルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ペンタンジオール及び1,5−ペンタンジオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモルホリン等のアミン類;2−ピロリドン、NMP、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン等が挙げられる。
これらの溶媒類は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。溶剤類を含有する場合の使用量は、着色組成物の全固形分(本発明の着色組成物が含有する溶媒類以外の全成分)100質量部に対して好ましくは40乃至10000質量部であり、100乃至1000質量部であることがより好ましい。
本発明の着色組成物が含有し得る溶媒類以外のその他の成分としては、例えば、分散剤、樹脂類、硬化剤、光重合開始剤、熱重合開始剤、表面調整剤、消泡剤、防腐・防黴剤、pH調整剤及び式(1)で表されるキサンテン系化合物以外の色素等が挙げられる。
本発明の着色組成物が溶媒類を含有する場合は、各種の分散剤を併用することが出来る。
油溶性有機溶媒と併用し得る分散剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシアルキルエーテル燐酸エステル塩等公知のアニオン界面活性剤、ビニルナフタレン誘導体、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、無水マレイン酸、無水マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、又はこれらの塩等の高分子分散剤等が挙げられる。
水溶性有機溶媒や水と併用し得る分散剤としては、界面活性剤の他、高分子分散剤を好適に使用することができる。高分子分散剤の具体例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸塩−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等の酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。
また、その他の樹脂系分散剤としては、ポリウレタン樹脂系、ポリカルボン酸系、ポリアミド樹脂系及びポリエステル樹脂系等の分散剤が挙げられる。樹脂系分散剤の具体例としては、例えば、ED211(楠本化成製)、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ製)ソルスパース71000(アビシア製)等である。
これらの分散剤類は、本発明の着色組成物が含有する式(1)で表されるキサンテン系化合物及び任意に含有し得る式(1)で表されるキサンテン系化合物以外の色素に対して、通常500質量%以下、好ましくは10乃至450質量%、より好ましくは100乃至400質量%用いられる。
本発明の着色組成物が含有し得る樹脂類としては、例えばポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系及びポリアクリル系の樹脂等が挙げられる。
本発明の着色組成物が含有し得るポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂及びポリアクリル樹脂としては、特に限定されず従来公知のものが挙げられる。
本発明の着色組成物が含有し得る硬化剤としては、ラジカル重合の場合は光重合モノマー、イオン硬化の場合はエポキシ樹脂、その他にメラミン硬化剤等が挙げられる。これらの具体例は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレン型エポキシジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、9,9−ビス〔4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕フルオレン、カヤラッドRP−1040(日本化薬製)、カヤラッドDPCA−30(日本化薬製)、UA−33H(新中村化学製)、UA−53H(新中村化学製)、M−8060(東亞合成製);チオール系重合モノマーとして、TEMPIC(堺化学製)、TMMP(堺化学製)、PEMP(堺化学製)、DPMP(堺化学製);エポキシ樹脂としては、日本化薬製品のNC―6000、NC−3000、EOCN−1020、XD−1000、EPPN−501H、BREN−S、NC−7300L、ダイセル化学製品のセロキサイト2021P、EHPE3150、サイクロマーM100、エポリードPB3600、ジャパンエポキシレジン製品のエピコート828、エピコートYX8000、エピコートYX4000、サイラエースS510(チッソ製)、TEPIC(日産化学工業製)等;メラミン硬化剤としてはメチロール化メラミンやMw−30(三和ケミカル製)等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。これらの含有量は、着色組成物の全固形分100質量部に対して通常80質量部以下、好ましくは5乃至30質量部である。
本発明の着色組成物が含有し得る光重合開始剤としては、露光光源として一般的に用いられる超高圧水銀灯から射出される紫外線に充分感度を有するものが好ましく、ラジカル重合性の光ラジカル開始剤、イオン硬化性の光酸発生剤もしくは光塩基発生剤等が挙げられる。光重合では、より少ない露光エネルギーで硬化をさせるような増感剤と呼ばれる重合促進剤の成分を組み合わせて使用することができる。使用できる光重合開始剤は特に制限は無いが、具体例としては、ベンジル、ベンゾインエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸のエステル化物、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、ベンジルジメチルケタール、2−ブトキシエチル−4−メチルアミノベンゾエート、クロロチオキサントン、メチルチオキサントン、エチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、メチルアミノメチルベンゾエート、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4−ビス(トリブロモメチル)−6−(4’−メトキシフェニル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1,3−ベンゾジオキソラン−5−イル)−1,3,5−s−トリアジン、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−o−ベンゾアート、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−o−アセタート、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1−オンオキシム−o−アセタート、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、P−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、ジアゾナフトキノン系開始剤、また市販のカヤキュアーDMBI、カヤキュアーBDMK、カヤキュアーBP−100、カヤキュアーBMBI、カヤキュアーDETX−S、カヤキュアーEPA(いずれも日本化薬製)、ダロキュアー1173、ダロキュアー1116(いずれもメルクジャパン製)、イルガキュアー907(BASFジャパン製)、イルガキュアー369(BASFジャパン製)、イルガキュアー379EG(BASFジャパン製)、イルガキュアーOXE−01(BASFジャパン製)、イルガキュアーOXE−02(BASFジャパン製)、イルガキュアーPAG103(BASFジャパン製)、TME−トリアジン(三和ケミカル製)、ビイミダゾール(黒金化成製)、STR−110、STR−1(いずれもレスペケミカル製)等が挙げられる。
本発明の着色組成物が含有し得る熱重合開始剤としては、アゾ系化合物や有機過酸化物系のものがあるが、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過酸化ジ−t−ブチル、ジベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシネオデカノエート等が挙げられる。
これらの光重合開始剤や熱重合開始剤は、必要に応じて単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。これら開始剤の含有量は、着色性組成物の固形分を100質量部に対して通常50質量部以下、好ましくは1乃至25質量部である。
本発明の着色組成物が含有し得る表面調整剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合物等の公知のノニオン系、ポリシロキサン系あるいはポリジメチルシロキサン系の界面活性剤が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン系、アセチレン系の公知の消泡剤が挙げられる。
防腐・防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等の公知の防腐・防黴剤が挙げられる。
pH調整剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の3級アミン類等の公知のpH調整剤が挙げられる。
本発明の着色組成物が含有し得る式(1)で表されるキサンテン系化合物以外の色素としては、有機顔料、無機顔料及び染料等が挙げられる。
本発明の着色組成物が含有し得る有機顔料に特に制限はないが、例えば、アントラキノン系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系、ベンゾイミダゾロン系、キナクリドン系、アゾキレート系、アゾ系、イソインドリン系、イソインドリノン系、ピランスロン系、インダスロン系、アンスラピリミジン系、ジブロモアンザンスロン系、フラバンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、キノフタロン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、キナクリドン系、キサンテン系等の顔料;酸性染料、塩基性染料、直接染料等をそれぞれの沈澱剤で不溶化したレーキ顔料、染付けレーキ顔料等が挙げられる。より具体的にはカラーインデックスで、例えば、ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79;ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50;ピグメントバイオレット3、4、27,39;ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5、122、146、168、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264270、272、279;ピグメントオレンジ43、71、73;ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、ピグメントグリーン7、36、58、等が挙げられる。
本発明の着色組成物が含有し得る無機顔料に特に制限はないが、例えば、複合金属酸化物顔料、カーボンブラック、黒色低次酸化チタン、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、アンチモン白、鉄黒、鉛丹、硫化亜鉛、カドニウムエロー、カドニウムレッド、亜鉛、マンガン紫、コバルト紫、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等の金属酸化物、金属硫化物、硫酸塩、金属水酸化物、金属炭酸塩等が挙げられる。
本発明の着色組成物が含有し得る染料に特に制限はなく、酸性染料、塩基性染料、直接染料、硫化染料、建染染料、ナフトール染料、反応染料、分散染料等が挙げられる。有機溶媒を併用する場合は、有機溶媒に可溶なものが好ましいが、有機溶媒に不溶な染料でも分散体とする事で適宜使用することができる。有機溶媒に不溶な染料はよく知られた処方として、例えば酸性染料の場合は、有機アミン化合物(例えばn−プロピルアミン、エチルヘキシルプロピオン酸アミン等)を反応させアミン塩染料に変性するか、又はそのスルホン酸基に同有機アミン化合物を反応させてスルホンアミド基を有する染料等に変性することが知られている。それらアミン変性した染料も本発明の着色組成物に使用可能である。その具体的な染料としては、カラーインデックスで、例えばC.I.ナンバーのベーシックブルー7、アシッドブルー1、7、9、15、18、23、25、27、29、40、42、45、51、62、70、80、83、86、87、90、92、96、103、112、113、120、129、138、147、150、158、171、182、192、210、242、243、249、256,259、267、278、280、285、290、296、315、324、335、340;ベーシックブルー7、11、15、26;ソルベントブルー2、3、4、5、6、23、25、35、37、38、43、55、59、67、72、124;ベーシックバイオレット10;アシッドバイオレット17、49;ソルベントバイオレット4、5、14;ベーシックレッド1、10、29;アシッドレッド91、92、97、114、138、151、289;ソルベントレッド45、49、127;アシッドイエロー17、23、25、29、38、40、42、76;ソルベントイエロー4、14、15、24、76、81、82、94、98、162;ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56;アシッドグリーン9、16、等が挙げられる。
本発明の着色組成物は、式(1)で表されるキサンテン系化合物及びバインダー樹脂とその他の成分を、ディゾルバーやホモミキサー等により混合撹拌して製造される。顔料や溶解性の低い染料を併用する場合は、適当な分散剤を用いてペイントシェーカー等の分散機により分散体を得て、着色組成物に加えて混合してもよく、調製した着色組成物から異物等を取り除くためにフィルター等で精密濾過をすることも出来る。
本発明の着色組成物は、各種塗料、水性インキ、油性インキ、インクジェット用インキ、カラーフィルター用着色組成物に用いられ、カラーフィルター用着色組成物の具体的な用途としては、液晶表示装置、有機ELディスプレイ、あるいはデジタルカメラ等に使用される固体撮像素子等のカラーフィルターが挙げられる。
本発明の着色組成物を用いる被着色材料としては、例えば普通紙、コート紙、プラスチックフィルム、プラスチック基板が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、本発明の着色組成物を被着色材料に付与する方法としては、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷などの各種印刷方法あるいはスピンコーター、ロールコーターなどによる塗工方法が挙げられる。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特別の記載のない限り、本文中「部」及び「%」とあるのは質量基準であり、また反応温度は内温である。合成した化合物のうち、λmax(最大吸収波長)を測定したものについては、特に断りのない限りメタノール中、紫外可視分光光度計UV−3150(島津製作所社製)での測定値を記載した。
合成例1(上記具体例の化合物No.8で表されるキサンテン系化合物の合成)
(工程1−1)
1000mlの四つ口フラスコに、4−ペンテン−1−オール(東京化成工業社製)42.4部、アセトニトリル45部、p−トルエンスルホニルクロリド(東京化成工業社製)99部及び水酸化ナトリウム30部を入れ、70℃で10分間攪拌した。反応液を冷却後、水を加え、有機層を水で洗浄することにより下記式(101)で表される中間体化合物を92部得た。
Figure 2019168513
(工程1−2)
1000mlの四つ口フラスコに、n−プロピルアミン(東京化成工業社製)219.4部及び工程1−1で得られた上記式(101)で表される中間体化合物48.1部を入れ、77℃で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、減圧下で濃縮することにより下記式(102)で表される中間体化合物20.1部を得た。
Figure 2019168513
(工程1−3)
100mlの四つ口フラスコに、上記式(2)で表される化合物6.1部、工程1−2で得られた上記式(102)で表される中間体化合物9.9部及びNMP(N−メチルピロリドン)30部を入れ、100℃で1時間攪拌した。反応液を40℃まで冷却した後、反応液を20%食塩水に注ぎ込み、析出した結晶をろ取、洗浄、乾燥させることにより、上記具体例のNo.8で表されるキサンテン系化合物を6.8部得た。該キサンテン系化合物の最大吸収波長は559nm(メタノール)であった。
合成例2(上記具体例の化合物No.9で表されるキサンテン系化合物の合成)
(工程2−1)
1000mlの四つ口フラスコに、n−ブチルアミンアミン(東京化成工業社製)214部及び合成例1の工程1−1で得られた上記式(101)で表される中間体化合物47部を入れ、75℃で3時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、減圧下で濃縮することにより下記式(103)で表される中間体化合物18部を得た。
Figure 2019168513
(工程2−2)
100mlの四つ口フラスコに、上記式(2)で表される化合物6.1部、工程2−1で得られた上記式(103)で表される中間体化合物10.7部及びNMP30部を入れ、100℃で1時間攪拌した。反応液を40℃まで冷却した後、反応液を20%食塩水に注ぎ込み、析出した結晶をろ取、洗浄、乾燥させることにより、上記具体例のNo.9で表されるキサンテン系化合物を7.3部得た。該キサンテン系化合物の最大吸収波長は559nm(メタノール)であった。
合成例A(バインダー樹脂の合成)
500mlの四つ口フラスコにメチルエチルケトン160部、メタクリル酸10部、ベンジルメタクリレート33部及びα,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)1部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素ガスをフラスコ内に流入した。その後、80℃まで昇温し、80乃至85℃でそのまま4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明で均一な共重合体溶液を得た。これをイソプロピルアルコールと水の1:1混合溶液中で沈殿させ、濾過し、固形分を取り出し、乾燥し、バインダー樹脂を得た。得られたバインダー樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は18,000であり、酸価は152(mgKOH/g)であった。
実施例1(着色組成物1及び染料着色体1の作製)
C.I.ピグメントレッド254/合成例1で得られた化合物No.8で表されるキサンテン系化合物/Disperbyk−2001(ビックケミー・ジャパン製)/PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/エトキシプロパノール/合成例Aで得られたバインダー樹脂=0.35部/0.29部/2.46部/76.1部/4.9部/15.74部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ25部を添加し、ペイントシェーカーで3時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、得られた着色組成物1をガラス基板にスピンコートし、80℃で10分間乾燥し、染料着色体1を作製した。
実施例2(着色組成物2及び染料着色体2の作製)
合成例1で得られたNo.8で表されるキサンテン系化合物を、合成例2で得られたNo.9で表されるキサンテン系化合物に変更したこと以外は実施例1と同様にして、着色組成物2及び染料着色体2を得た。
比較例1(比較用の着色組成物1及び比較用の染料着色体1の作製)
合成例1で得られたNo.8で表されるキサンテン系化合物を、特許文献2に記載の下記式(104)で表される化合物に変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較用の着色組成物1及び比較用の染料着色体1を得た。
Figure 2019168513
比較例2(比較用の着色組成物2及び比較用の染料着色体2の作製)
合成例1で得られたNo.8で表されるキサンテン系化合物を、特許文献1に記載の下記式(105)で表される化合物に変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較用の着色組成物2及び比較用の染料着色体2を得た。
Figure 2019168513
(明度評価)
分光光度計(紫外可視分光光度計 UV−1700(島津製作所製))を用いて、実施例1、2及び比較例1、2で得られた、染料着色体1、2及び比較用の染料着色体1、2の分光透過率を測定し、C光源のCIEのXYZ表色系におけるx、yの色度座標と明度Yを評価した。明度Yを算出するに当たり必要な色度x及びyは、特許文献7に記載の一般的に公知な色度x及びyを用いた。尚、明度Yが大きい程、明度が高く、優れていることを示す。結果を表1に示した。
Figure 2019168513
表1の結果から、本発明の着色組成物1及び2を用いて作製した染料着色体1及び2は、比較用の着色組成物から作製した比較用の染料着色体1及び2に比べて良好な明度を示した。
(耐熱性試験)
実施例1、2及び比較例1、2で得られた、染料着色体1、2及び比較用の染料着色体1、2に、230℃の恒温熱風乾燥機中で1時間の加熱処理を施した。分光光度計を用いて、処理前後の各染料着色体のL値、a値、b値を、標準光としてC光源、2度視野角で測色し、下記式より色差を求めた。尚、色差が小さいほど、色相の変化が少なく、耐熱堅牢度に優れていることを示す。
色差=[(試験前L値−試験後L値)+(試験前a値−試験後a値)+(試験前b値−試験後b値1/2
実施例1及び2の染料着色体の測色結果を表2及び3に、比較例1及び2の比較用の染料着色体の測色結果を表4及び5に、また、表2乃至5の結果から算出した色差を表6にそれぞれ示した。
表2 実施例1で得られた本発明の染料着色体1の測色結果
L値 a値 b値
処理前 73.38 56.31 −39.58
処理後 76.63 43.24 −22.48
処理前後差 −3.25 13.07 −17.10
表3 実施例2で得られた本発明の染料着色体2の測色結果
L値 a値 b値
処理前 71.94 60.93 −41.71
処理後 76.68 43.65 −22.40
処理前後差 −4.74 17.2 −19.31
表4 比較例1で得られた比較用の染料着色体1の測色結果
L値 a値 b値
処理前 75.68 58.82 −35.31
処理後 81.81 35.31 −14.30
処理前後差 −6.13 23.51 −21.01
表5 比較例2で得られた比較用の染料着色体2の測色結果
L値 a値 b値
処理前 72.93 54.15 −37.54
処理後 82.33 36.00 −20.76
処理前後差 −0.40 18.15 −16.78
表6 表2乃至4の結果から算出した各染料着色体の色差
色 差
実施例1の染料着色体 21.8
実施例2の染料着色体 26.3
比較例1の染料着色体 32.1
比較例2の染料着色体 26.4
表6の結果から、比較例用の染料着色体1及び2は加熱処理前後の色差が32.1及び26.4と大きな値を示したのに対し、本発明の実施例1及び2で得られた染料着色体1及び2は加熱処理前後の色差が21.8及び26.3と小さな値を示し、耐熱性に極めて優れていることは明らかである。
以上のように式(1)で表されるキサンテン系化合物を含有する本発明の着色組成物を用いて得られた染料着色体は、高い明度を示し且つ耐熱性にも優れることから、高い堅牢性を有するものであり、カラーフィルター用インキやインクジェット用インキ等、高い堅牢性が要求される幅広い用途で使用可能であり、産業的な価値が高いことが明らかとなった。
式(1)で表される特定構造のキサンテン系化合物及びバインダー樹脂を含有する本発明のカラーフィルター用着色組成物を用いることにより、明度且つ堅牢性に優れた高品位で信頼性の高いカラーフィルターの赤色画素を提供することができる。


Claims (6)

  1. 下記式(1)
    Figure 2019168513
    (式(1)中、Rはそれぞれ独立に炭素数2乃至6のアルケニル基を表し、Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至6のアルキル基を表す。)
    で表されるキサンテン系化合物及びバインダー樹脂を含有するカラーフィルター用着色組成物。
  2. が炭素数4乃至6の直鎖のアルケニル基であり、Rが炭素数2乃至4の直鎖のアルキル基である請求項1に記載のカラーフィルター用着色組成物。
  3. 更に、顔料を含む請求項1または2に記載のカラーフィルター用着色組成物。
  4. 顔料がC.I.ピグメントレッド254またはC.I.ピグメントレッド177である請求項3に記載のカラーフィルター用着色組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の着色組成物を用いて得られるカラーフィルター。
  6. 請求項5に記載のカラーフィルターを装着した液晶表示装置、有機ELディスプレイ又は固体撮像素子。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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