JP2018053153A - キサンテン化合物、着色組成物 - Google Patents

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彰洋 三藤
沙織 鈴木
Saori Suzuki
沙織 鈴木
陵太郎 森田
Ryotaro Morita
陵太郎 森田
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Abstract

【課題】明度に優れたキサンテン化合物及びその着色組成物を提供する。【解決手段】下記式(1)で表されるキサンテン化合物(式(1)中、R1及びR2は、水素原子、置換基を有する若しくは無置換の炭素数1乃至10のアルキル基、又は置換基を有する若しくは無置換の炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基を表す。R3及びR4は、ハロゲン原子を置換基として有する若しくは無置換の炭素数1乃至4のアルキル基、又は炭素数1乃至3のアルキル基を置換基として有する若しくは無置換のフェニル基を表す。Qは無置換のアルキレン基を表す。)。【選択図】なし

Description

本発明は、新規なキサンテン化合物、該キサンテン化合物を用いて形成されるカラーフィルターの青色画素を形成する際に用いられる着色組成物、該着色組成物を用いて形成されるカラーフィルター、並びに該カラーフィルターを用いて形成される液晶表示装置、撮像素子(CCD、CMOS)及び有機ELディスプレイ等の電子表示装置に関する。
ノートパソコンや液晶テレビ、携帯電話、スマートフォン等に代表される液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ等の液晶表示装置、及びデジタルカメラやカラーコピー機等の入力デバイスとして使用される撮像素子(CCD、CMOS)のカラー化にはカラーフィルターが必要である。これら液晶表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルターを製造する方法としては、染色法、電着法、印刷法、顔料分散法等があるが、近年、パターニングの手法を用いた顔料分散法が主流となっている。パターニングの方法としてはフォトリソグラフィー法が代表的で、感光性樹脂組成物と顔料分散体との混合物を用いてカラーフィルターを形成している。また、最近では着色インキをインクジェットプリンターにより、マスクを介さずに直接基板上に塗布し、カラーフィルターを形成する方法も行われている。
カラーフィルターに求められる特性である、色純度、彩度、明度およびコントラストを向上させることは特に重要である。明度が向上することによってバックライトの光量を抑えることができ、結果的に消費電力が低減されるため、環境的にも必要な技術である。カラーフィルターの色純度を向上させるためには着色顔料の含有量を増やすことや、より良い分光波形の顔料を選択することが必要である。一方、明度を向上させるには、顔料濃度を減らすことや膜厚を薄くすることにより透過率を高くする必要がある。これらの相反する特性を両立するために顔料の微粒子化という方法が行われているが、感光性樹脂組成物の分散安定性、並びにカラーフィルターの光、熱又は溶剤に対する耐性及びコントラストの向上には限界があり、明度が向上しても耐性との両立が図れないのが現状である。
これらの問題を解決するための別のアプローチとして、染料を使用したカラーフィルターの検討が進められている。染料を用いれば、顔料では達成できない色純度と明度の両立や、粒子では無いことから光散乱を抑制出来るためコントラストも向上できるメリットがある。しかしながら、その一方で、テレビ向け等の長期信頼性を必要とされる表示体用途には優れた耐光性や耐熱性が必要とされるが、染料は顔料よりも耐性が劣ることが一般的である。例えば、特許文献1乃至3には、トリフェニルメタン系化合物を使用したカラーフィルターに関する報告がなされているが、トリフェニルメタン系化合物は耐光性や耐熱性が著しく劣り、実用レベルではない。フタロシアニン系染料が耐性に優れているのは公知だが、その色特性は青色ではなく、一般に赤味のあるシアン調であるため、鮮明な青色画素を形成できない。特許文献2乃至5で報告されているフタロシアニン系染料やアントラキノン系染料は、カラーフィルターにおいて本来の青色画素に必要な鮮明な色特性や明度を十分に示すことができないため、顔料系に対して十分なメリットを見出せていないのが現状である。従って、次世代として鮮明な青色でかつ耐性に優れた高品位なカラーフィルターが求められている。明度等の色特性に優れた高品位な青色画素を達成するために、フタロシアニン系染料やアントラキノン系染料に代わり、キサンテン系染料の開発が盛んに研究されている。
キサンテン化合物は、色相が鮮明で高発色性を有しており、光や熱等に対して堅牢であることから、レッド〜バイオレット領域の色相の染料として、各種塗料、水性インキ、油性インキ、インクジェット用インキ、カラーフィルター用など幅広い用途で使用されている。このような化合物(染料)として例えば、特許文献6乃至8に記載のスルホン酸基を有する分子内塩型のキサンテン化合物が記載されている。しかしながら、本発明者らの検討の結果、特許文献6乃至8に記載のキサンテン化合物は明度等の色特性が必ずしも十分に満足できるものではなかった。即ち、液晶表示装置や固体撮像素子の分野において求められている、信頼性に優れた耐性の高い鮮明な青色カラーフィルターは、ほとんど実用化されていないのが現状である。
特開平8−94826号公報 特開2002−14222号公報 特開2011−225825号公報 特開昭60−249102号公報 特開平7−281019号公報 特開2014−41289号公報 特開2010−254964号公報 特許第5504627号公報
Chemical Biology,5(11),1065.
本発明は、鮮明性および発色性に優れ、且つ明度が良好なカラーフィルターを提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定の新規構造を有するキサンテン化合物を含む着色組成物を用いて得られるカラーフィルターが上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
[1]下記式(1)で表されるキサンテン化合物
Figure 2018053153
(式(1)中、R及びRは、水素原子;ハロゲン原子、アルコキシ基、シアノ基、アミド基及びフェニル基からなる群より選ばれる置換基を有する炭素数1乃至10のアルキル基;無置換の炭素数1乃至10のアルキル基;無置換の炭素数1乃至4のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、シアノ基及びアミド基からなる群より選ばれる置換基を有する炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基;又は無置換の炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基を表す。R及びRは、ハロゲン原子を置換基として有する炭素数1乃至4のアルキル基、無置換の炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至3のアルキル基を置換基として有するフェニル基又は無置換のフェニル基を表す。Qは無置換のアルキレン基を表す。)、
[2]式(1)におけるR及びRが、水素原子;又は無置換の炭素数1乃至4のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、シアノ基及びアミド基からなる群より選ばれる置換基を有する炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基である[1]に記載のキサンテン化合物、
[3]式(1)におけるQが無置換の炭素数2乃至4のアルキレン基である[1]又は[2]に記載のキサンテン化合物、
[4][1]乃至[3]のいずれか一項に記載のキサンテン化合物を含む着色組成物、
[5]更に、顔料を含む[4]に記載の着色組成物、
[6][4]又は[5]に記載の着色組成物を用いて得られるカラーフィルター、
[7][6]に記載のカラーフィルターを装着した液晶表示装置、有機ELディスプレイ又は固体撮像素子、
に関する。
本発明のキサンテン化合物(以下、単に「本発明の化合物」ともいう)は、鮮明性および発色性に優れるものであり、該化合物を含む着色組成物を用いて得られる染料着色体は、従来公知のキサンテン化合物を含む着色組成物を用いて得られる染料着色体よりも明度に優れた特性を示す。即ち、本発明の化合物はカラーフィルター用着色組成物等、明度の要求される用途に応用できる。
本発明のキサンテン化合物は、前記式(1)で表される。
式(1)中、R及びRは、水素原子、炭素数1乃至10のアルキル基又は炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基を表し、該炭素数1乃至10のアルキル基及び炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基がそれらの構造中に有する水素原子は置換基で置換されていてもよい。
尚、本明細書では、構造中に有する水素原子が置換基で置換されていない「アルキル基」及び「芳香族炭化水素基」を、それぞれ「無置換のアルキル基」及び「無置換の芳香族炭化水素基」と記載する。
式(1)のR及びRが表す炭素数1乃至10のアルキル基は、炭素数1乃至10のアルキル基であれば直鎖状、分岐鎖状又は環状の何れにも限定されず、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、及びデシル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基等が挙げられる。
式(1)のR及びRが表す炭素数1乃至10のアルキル基が有しても良い置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基等)、シアノ基、アミド基(例えば、アセトアミド基、エチルカルボキサミド基、n−プロピルカルボキサミド基及びi−プロピルカルボキサミド基等)及びフェニル基(例えば、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基及び2,6−ジプロピルフェニル基等)等が挙げられる。
式(1)のR及びRが表す炭素数1乃至10のアルキル基としては、無置換の炭素数1乃至10のアルキル基であることが好ましく、無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることがより好ましい。
式(1)のR及びRが表す炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基は、炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基であればその縮環数は何れにも限定されず、その具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ペンタレニル基、ヘプタレニル基及びアズレニル基等が挙げられる。
式(1)のR及びRが表す炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基が有しても良い置換基としては、例えば無置換の炭素数1乃至4のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基及びt−ブチル基)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基等)、シアノ基及びアミド基(例えば、アセトアミド基、エチルカルボキサミド基、n−プロピルカルボキサミド基及びi−プロピルカルボキサミド基等)等が挙げられる。
式(1)のR及びRが表す炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基としては、無置換の炭素数1乃至4のアルキル基及びアミド基からなる群より選択される一種又は二種以上の置換基を有するフェニル基であることが好ましく、R及びRの両者が無置換の炭素数1乃至4のアルキル基及びアミド基からなる群より選択される一種又は二種以上の置換基を有するフェニル基であることがより好ましく、R及びRの両者が無置換の炭素数1乃至4のアルキル基を有するフェニル基又は無置換の炭素数1乃至4のアルキル基とアミド基を有するフェニル基であることが更に好ましい。
式(1)におけるR及びRとしては、炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、無置換の炭素数1乃至4のアルキル基及びアミド基からなる群より選択される一種又は二種以上の置換基を有するフェニル基であることがより好ましく、R及びRの両者が同一の無置換の炭素数1乃至4のアルキル基及びアミド基からなる群より選択される一種又は二種以上の置換基を有するフェニル基であることが更に好ましく、R及びRの両者が同一の無置換の炭素数1乃至4のアルキル基を有するフェニル基又は無置換の炭素数1乃至4のアルキル基とアミド基を有するフェニル基であることが特に好ましい。
式(1)中、R及びRは、炭素数1乃至4のアルキル基又はフェニル基を表し、該炭素数1乃至4のアルキル基及び該フェニル基がそれらの構造中に有する水素原子は置換基で置換されていてもよい。
式(1)のR及びRが表す炭素数1乃至4のアルキル基は、炭素数1乃至4のアルキル基であれば直鎖状、分岐鎖状又は環状の何れにも限定されず、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基及びシクロブチル基等が挙げられる。
式(1)のR及びRが表す炭素数1乃至4のアルキル基が有しても良い置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)である。
式(1)のR及びRが表す炭素数1乃至4のアルキル基としては、炭素数1又は2のアルキル基であることが好ましく。メチル基であることがより好ましい。また、式(1)のR及びRが表す炭素数1乃至4のアルキル基が有する置換基としては、フッ素原子または塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
式(1)のR及びRが表すフェニル基が有しても良い置換基としては、炭素数1乃至3のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基及びiso−プロピル基)である。
式(1)のR及びRとしては、メチル基、トリフルオロメチル基又はメチル基を置換基として有するフェニル基であることが好ましく、メチル基を置換基として有するフェニル基であることがより好ましい。
式(1)中、Qは無置換のアルキレン基を表す。
該無置換のアルキレン基とは炭素原子と水素原子のみからなるアルキル基から水素原子1個を除いた二価の連結基を意味し、無置換の炭素数2乃至4のアルキレン基であることが好ましい。
式(1)におけるQが表す炭素数2乃至4のアルキレン基の具体例としては、エチレン基、n−プロピレン基、iso−プロピレン基、n−ブチレン基、iso−ブチレン基、sec−ブチレン基及びt−ブチレン基が挙げられ、エチレン基又はn−プロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。
本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物としては、上記R乃至R及びQそれぞれの好ましいものの組み合わせのものがより好ましく、より好ましいものの組み合わせのものが更に好ましい。
本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物は、例えば、非特許文献1に記載された方法に準じて合成した縮合物3,6−ジクロロスピロ[9H−キサンテン−9,3’−[3H][2,1]ベンゾオキサチオール]1’,1’−ジオキシドと対応するアミン類を縮合し中間体の化合物を得る。得られた中間体の化合物と対応するスルホニルアミノ基等を有する化合物とを縮合することにより合成することができる。その合成スキームの一例を下記に示した。
合成スキームにおける式(2)乃至(9)中のR乃至R及びQは、前記式(1)におけるR乃至R及びQと同義である。式(7)及び(9)中のX及びZは一般的な脱離基(例えば、ハロゲン原子(ヨウ素原子、臭素原子及び塩素原子等)、トシラート基及びメシラート基等)である。
Figure 2018053153
即ち、3,6−ジクロロスピロ[9H−キサンテン−9,3’−[3H][2,1]ベンゾオキサチオール]1’,1’−ジオキシド(上記合成スキーム例において式(2)で表される化合物)と対応するアミン類(上記合成スキーム例において式(3)で表される化合物)とを所定温度(例えば20乃至120℃)で縮合して得られた化合物(上記合成スキーム例において式(4)で表される化合物)に、更に対応するアミン類(上記合成スキーム例において式(5)で表される化合物)を所定温度(例えば30乃至170℃)で縮合させ化合物(上記合成スキーム例において式(6)で表される化合物)を得る。
得られた式(6)で表される化合物のNH基に、脱離基Xを有する化合物(上記合成スキーム例において式(7)で表される化合物)を所定温度(例えば20乃至100℃)で縮合させ得た化合物(上記合成スキーム例において式(8)で表される化合物)に、更に対応する脱離基Zを有する化合物(上記合成スキーム例において式(9)で表される化合物)を所定温度(例えば30乃至120℃)で縮合させることにより本発明の式(1)で表される化合物を得ることができる。
上記に例示した合成スキームは、1ステップ目に示した1次縮合工程、2ステップ目に示した2次縮合工程、3ステップ目に示した3次縮合工程及び4ステップ目に示した4次縮合工程によって、本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物を合成する方法である。
1ステップ目に示した1次縮合工程では、式(2)で表される化合物と式(3)で表されるアミン類とを、有機溶媒や縮合剤の存在下で加熱して縮合させる。次に、2ステップ目に示した2次縮合工程では、前記の1次縮合工程で得た式(4)で表される化合物と式(5)で表されるアミン類とを、有機溶媒や縮合剤の存在下で再び加熱して縮合させることにより式(6)で表される化合物を得ることができる。次に、3ステップ目に示した3次縮合工程では、前記の2次縮合工程で得た式(6)で表される化合物と式(7)で表される化合物とを、有機溶媒や必要に応じて塩基の存在下で加熱して縮合させることにより式(8)で表される化合物を得ることができる。最後に、4ステップ目に示した4次縮合工程では、前記の3次縮合工程で得た式(8)で表される化合物と式(9)で表される化合物とを、有機溶媒や必要に応じて塩基の存在下で加熱して縮合させることにより式(1)で表されるキサンテン化合物を得ることができる。
上記に例示した合成スキームの1ステップ目に示した1次縮合工程、2ステップ目に示した2次縮合工程、3ステップ目に示した3次縮合工程及び4ステップ目に示した4次縮合工程では、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略記)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略記)、ジメチルスルホキシド、スルホラン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン及びニトロベンゼン等の有機溶媒を単独で、もしくは混合して使用することが好ましい。
上記1次縮合工程における反応温度は、20乃至120℃であることが好ましく、30乃至100℃であることがより好ましい。上記2次縮合工程における反応温度は、30乃至170℃であることが好ましく、50乃至140℃であることがより好ましい。上記3次縮合工程における反応温度は、20乃至100℃であることが好ましく、30乃至95℃であることがより好ましい。上記4次縮合工程における反応温度は、30乃至120℃であることが好ましく、40乃至100℃であることがより好ましい。
式(3)で表される化合物と式(5)で表される化合物が同一の場合には、式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物との一段階の縮合反応により式(6)で表される化合物を得ることもできる。その際の反応温度は、80乃至170℃であることが好ましい。また、式(7)で表される化合物と式(9)で表される化合物が同一の場合には、式(6)で表される化合物と式(7)で表される化合物との一段階の縮合反応により式(1)で表される化合物を得ることもできる。その際の反応温度は、40乃至100℃であることが好ましい。
上記1次縮合工程及び2次縮合工程では、必要に応じて縮合剤を使用することもでき、使用できる縮合剤としては、例えば、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等を用いることが好ましい。縮合剤を使用する場合には、1次縮合工程、2次縮合工程それぞれにおいて0.5乃至2.0モル当量含有させることが好ましい。
上記3次縮合工程及び4次縮合工程では、必要に応じて塩基触媒を使用することもでき、使用できる塩基触媒としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、N,N−ジメチルピペラジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルウンデカン−1,11−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−2−メチルペンタン−1,5−ジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−(3−アミノルロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、ビス(N,N−ジメチル−3−アミノプロピル)アミン、N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサメチル−(4−アミノメチル)オクタン−1,8−ジアミン、テトラメチルグアニジン、N,N,N’,N”,N''',N'''−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基類;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウム等の無機塩基類を用いることが好ましい。塩基触媒を使用する場合には、0.1乃至8.0モル当量含有させることが好ましい。
以下に、本発明の前記式(1)で示されるキサンテン化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2018053153
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本発明の着色組成物は、式(1)で表されるキサンテン化合物と式(1)で表されるキサンテン化合物以外の成分(以下、「その他の成分」と記載する)を含有する組成物である。
その他の成分としては、例えば油溶性有機溶媒、水溶性有機溶媒並びに水等の溶媒類や樹脂類、更にはこれらの溶媒類や樹脂類と組み合わせて用い得る各種の添加剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を着色組成物の用途や用法に合せて特に制限なく用いることが出来るが、最も単純な着色組成物としては、式(1)で表されるキサンテン化合物と溶媒類を含有する組成物が挙げられる。
油溶性有機溶媒の具体例としては、エタノール、ペンタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、テトラフルオロプロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート等のグリコール誘導体;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ブチルフェニルエーテル、ベンジルエーテル、ヘキシルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチルなどのエステル類;アセトニトリル、DMF、ジメチルスルホキシド、スルホラン、NMP、2−ピロリドン等の極性有機溶媒等が挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール及びベンジルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ペンタンジオール及び1,5−ペンタンジオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモルホリン等のアミン類;2−ピロリドン、NMP、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン等が挙げられる。
これらの溶媒類は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。溶剤類を含有する場合の使用量は、着色組成物の全固形分(本発明の着色組成物が含有する溶媒類以外の全成分)100質量部に対して好ましくは40乃至10000質量部であり、100乃至1000質量部であることがより好ましい。
本発明の着色組成物が含有し得る溶媒類以外のその他のとしては、例えば、分散剤、樹脂類、硬化剤、光重合開始剤、熱重合開始剤、表面調整剤、消泡剤、防腐・防黴剤、pH調整剤及び式(1)で表されるキサンテン化合物以外の色素等が挙げられる。
本発明の着色組成物が溶媒類を含有する場合は、各種の分散剤を併用することが出来る。
油溶性有機溶媒と併用し得る分散剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシアルキルエーテル燐酸エステル塩等公知のアニオン界面活性剤、ビニルナフタレン誘導体、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、無水マレイン酸、無水マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、又はこれらの塩等の高分子分散剤等が挙げられる。
水溶性有機溶媒や水と併用し得る分散剤としては、界面活性剤の他、高分子分散剤を好適に使用することができる。高分子分散剤の具体例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸塩−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等の酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。
また、その他の樹脂系分散剤としては、ポリウレタン樹脂系、ポリカルボン酸系、ポリアミド樹脂系及びポリエステル樹脂系等の分散剤が挙げられる。樹脂系分散剤の具体例としては、例えば、ED211(楠本化成製)、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ製)ソルスパース71000(アビシア製)等である。
これらの分散剤類は、本発明の着色組成物が含有する式(1)で表されるキサンテン化合物及び任意に含有し得る式(1)で表されるキサンテン化合物以外の色素に対して、通常500質量%以下、好ましくは10乃至450質量%、より好ましくは100乃至400質量%用いられる。
本発明の着色組成物が含有し得る樹脂類としては、例えばポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系並びにポリアクリル系の樹脂や、エチレン性不飽和基を有するモノマーやオリゴマー等のバインダー樹脂等が挙げられる。
本発明の着色組成物が含有し得るポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂及びポリアクリル樹脂としては、特に限定されず従来公知のものが挙げられる。
本発明の着色組成物が含有し得るバインダー樹脂としては、特に限定されず従来公知のものが挙げられるが、本発明の着色組成物をフォトリソグラフィーの手法に用いる場合は、以下に挙げられる1個以上のカルボキシル基、又は水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーあるいは他の共重合可能な芳香族炭化水素基や脂肪族炭化水素基を有するエチレン性不飽和モノマー等の共重合体であることが望ましい。また、これらの側鎖もしくは末端等にエポキシ基を有したもの、さらにアクリレートを付加させたエポキシアクリレート樹脂も使用できる。これらのモノマー等は単独でも2種以上組み合わせても良い。
本発明で使用できる前記のカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、エタクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸(無水物)類;3価以上の不飽和多価カルボン酸(無水物)類、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタアクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシエチルフタル酸等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明で使用できる前記の水酸基含有エチレン性不飽和モノマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシペンチ(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシ−3−メチル−ペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノ(メタ)アクリレート、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、前記の他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレートヒドロキシエチル化物、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、フェニルノルボルニル(メタ)アクリレート、シアノノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、フェンチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル=(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル=(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環骨格類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキル末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−(メタ)アクリロイルフタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、マレイミド等の不飽和アミドあるいは不飽和イミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリn−ブチルアクリレート、ポリn−ブチルメタクリレート、ポリシリコーン等の重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、共重合体の側鎖に更に不飽和二重結合を導入した重合体も有用である。例えば、無水マレイン酸と共重合可能なスチレン、ビニルフェノール、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド等との共重合物の無水マレイン酸部に、ヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキシル基を有するアクリレートやグリシジルメタクリレート等のエポキシ基を有するアクリレートを反応させハーフエステル化した化合物、およびアクリル酸、アクリル酸エステルとヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキシル基を有するアクリレートとの共重合体の水酸基にアクリル酸を反応せしめた化合物等が挙げられる。また、ウレタン樹脂やポリアミド、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、市販のACA−200M(ダイセル製)、ORGA−3060(大阪有機化学製)、AX3−BNX02(日本触媒製)、UXE−3024(日本化薬製)、UXE−3000(日本化薬製)、ZGA−287H(日本化薬製)、TCR−1338H(日本化薬製)、ZXR−1722H(日本化薬製)、ZFR−1401H(日本化薬製)、ZCR−1642(日本化薬製)も使用することができる。
本発明の着色組成物が含有し得るバインダー樹脂(共重合体)を製造する場合は、重合開始剤を使用する。ここで共重合体を合成するときに使用される重合開始剤の具体例としては、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、t−ブチルパーオクトエート、ジ−t−ブチルパーオキシド過酸化ベンゾイルメチルエチルケトンパーオキシド等を挙げることができる。重合開始剤の使用割合は、共重合体の合成に使用する全ての単量体の合計に対して、0.01乃至25質量部である。また、共重合体を合成する場合は、下記で説明する有機溶剤を使用するのが好ましいが、使用する単官能のモノマーや重合開始剤等に対して十分な溶解力を有するものを使用する。共重合体を合成するときの反応温度は50乃至120℃であることが好ましく、特に好ましくは80乃至100℃である。また、反応時間は1乃至60時間であることが好ましく、より好ましくは3乃至20時間である。共重合体の好ましい酸価は10乃至300(mgKOH/g)であり、好ましい水酸基価は10乃至200(mgKOH/g)である。酸価もしくは水酸基価が10以下の場合は現像性が低下する。共重合体の重量平均分子量(Mw)は2000乃至400000が好ましく、3000乃至100000がより好ましい。この重量平均分子量が2000以下、あるいは400000以上では、感度および現像性等が低下する。
前記のバインダー樹脂は、本発明の着色組成物に単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明の着色組成物におけるバインダー樹脂の含有量は、着色組成物の全固形分100質量部に対して、通常99質量部以下、好ましくは5乃至50質量部である。
本発明の着色組成物が含有し得る硬化剤としては、ラジカル重合の場合は光重合モノマー、イオン硬化の場合はエポキシ樹脂、その他にメラミン硬化剤等が挙げられる。これらの具体例は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレン型エポキシジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、9,9−ビス〔4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕フルオレン、カヤラッドRP−1040(日本化薬製)、カヤラッドDPCA−30(日本化薬製)、UA−33H(新中村化学製)、UA−53H(新中村化学製)、M−8060(東亞合成製);チオール系重合モノマーとして、TEMPIC(堺化学製)、TMMP(堺化学製)、PEMP(堺化学製)、DPMP(堺化学製);エポキシ樹脂としては、日本化薬製品のNC―6000、NC−3000、EOCN−1020、XD−1000、EPPN−501H、BREN−S、NC−7300L、ダイセル化学製品のセロキサイト2021P、EHPE3150、サイクロマーM100、エポリードPB3600、ジャパンエポキシレジン製品のエピコート828、エピコートYX8000、エピコートYX4000、サイラエースS510(チッソ製)、TEPIC(日産化学工業製)等;メラミン硬化剤としてはメチロール化メラミンやMw−30(三和ケミカル製)等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。これらの含有量は、着色組成物の全固形分100質量部に対して通常80質量部以下、好ましくは5乃至30質量部である。
本発明の着色組成物が含有し得る光重合開始剤としては、露光光源として一般的に用いられる超高圧水銀灯から射出される紫外線に充分感度を有するものが好ましく、ラジカル重合性の光ラジカル開始剤、イオン硬化性の光酸発生剤もしくは光塩基発生剤等が挙げられる。光重合では、より少ない露光エネルギーで硬化をさせるような増感剤と呼ばれる重合促進剤の成分を組み合わせて使用することができる。使用できる光重合開始剤は特に制限は無いが、具体例としては、ベンジル、ベンゾインエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸のエステル化物、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、ベンジルジメチルケタール、2−ブトキシエチル−4−メチルアミノベンゾエート、クロロチオキサントン、メチルチオキサントン、エチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、メチルアミノメチルベンゾエート、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4−ビス(トリブロモメチル)−6−(4’−メトキシフェニル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1,3−ベンゾジオキソラン−5−イル)−1,3,5−s−トリアジン、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−o−ベンゾアート、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−o−アセタート、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1−オンオキシム−o−アセタート、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、P−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、ジアゾナフトキノン系開始剤、また市販のカヤキュアーDMBI、カヤキュアーBDMK、カヤキュアーBP−100、カヤキュアーBMBI、カヤキュアーDETX−S、カヤキュアーEPA(いずれも日本化薬製)、ダロキュアー1173、ダロキュアー1116(いずれもメルクジャパン製)、イルガキュアー907(BASFジャパン製)、イルガキュアー369(BASFジャパン製)、イルガキュアー379EG(BASFジャパン製)、イルガキュアーOXE−01(BASFジャパン製)、イルガキュアーOXE−02(BASFジャパン製)、イルガキュアーPAG103(BASFジャパン製)、TME−トリアジン(三和ケミカル製)、ビイミダゾール(黒金化成製)、STR−110、STR−1(いずれもレスペケミカル製)等が挙げられる。
本発明の着色組成物が含有し得る熱重合開始剤としては、アゾ系化合物や有機過酸化物系のものがあるが、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過酸化ジ−t−ブチル、ジベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシネオデカノエート等が挙げられる。
これらの光重合開始剤や熱重合開始剤は、必要に応じて単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。これら開始剤の含有量は、着色性組成物の固形分を100質量部に対して通常50質量部以下、好ましくは1乃至25質量部である。
本発明の着色組成物が含有し得る表面調整剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合物等の公知のノニオン系、ポリシロキサン系あるいはポリジメチルシロキサン系の界面活性剤が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン系、アセチレン系の公知の消泡剤が挙げられる。
防腐・防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等の公知の防腐・防黴剤が挙げられる。
pH調整剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の3級アミン類等の公知のpH調整剤が挙げられる。
本発明の着色組成物が含有し得る式(1)で表されるキサンテン化合物以外の色素としては、有機顔料、無機顔料及び染料等が挙げられる。
本発明の着色組成物が含有し得る有機顔料に特に制限はないが、例えば、アントラキノン系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系、ベンゾイミダゾロン系、キナクリドン系、アゾキレート系、アゾ系、イソインドリン系、イソインドリノン系、ピランスロン系、インダスロン系、アンスラピリミジン系、ジブロモアンザンスロン系、フラバンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、キノフタロン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、キナクリドン系、キサンテン系等の顔料;酸性染料、塩基性染料、直接染料等をそれぞれの沈澱剤で不溶化したレーキ顔料、染付けレーキ顔料等が挙げられる。より具体的にはカラーインデックスで、例えば、ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79;ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50;ピグメントバイオレット3、4、27,39;ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5、122、146、168、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264270、272、279;ピグメントオレンジ43、71、73;ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、ピグメントグリーン7、36、58、等が挙げられる。
本発明の着色組成物が含有し得る無機顔料に特に制限はないが、例えば、複合金属酸化物顔料、カーボンブラック、黒色低次酸化チタン、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、アンチモン白、鉄黒、鉛丹、硫化亜鉛、カドニウムエロー、カドニウムレッド、亜鉛、マンガン紫、コバルト紫、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等の金属酸化物、金属硫化物、硫酸塩、金属水酸化物、金属炭酸塩等が挙げられる。
本発明の着色組成物が含有し得る染料に特に制限はなく、酸性染料、塩基性染料、直接染料、硫化染料、建染染料、ナフトール染料、反応染料、分散染料等が挙げられる。有機溶媒を併用する場合は、有機溶媒に可溶なものが好ましいが、有機溶媒に不溶な染料でも分散体とする事で適宜使用することができる。有機溶媒に不溶な染料はよく知られた処方として、例えば酸性染料の場合は、有機アミン化合物(例えばn−プロピルアミン、エチルヘキシルプロピオン酸アミン等)を反応させアミン塩染料に変性するか、又はそのスルホン酸基に同有機アミン化合物を反応させてスルホンアミド基を有する染料等に変性することが知られている。それらアミン変性した染料も本発明の着色組成物に使用可能である。その具体的な染料としては、カラーインデックスで、例えばC.I.ナンバーのベーシックブルー7、アシッドブルー1、7、9、15、18、23、25、27、29、40、42、45、51、62、70、80、83、86、87、90,92,96,103,112,113,120,129,138,147,150,158,171,182,192,210,242,243,249、256,259,267,278,280,285,290,296,315,324,335,340;ベーシックブルー7、11、15、26;ソルベントブルー2、3、4、5、6、23、25、35、37、38、43、55、59、67、72、124;ベーシックバイオレット10;アシッドバイオレット17、49;ソルベントバイオレット4、5、14;ベーシックレッド1、10、29;アシッドレッド91、92、97、114、138、151、289;ソルベントレッド45、49、127;アシッドイエロー17、23、25、29、38、40、42、76;ソルベントイエロー4、14、15、24、76、81、82、94、98、162;ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56;アシッドグリーン9、16、等が挙げられる。
本発明の着色組成物は、式(1)で表されるキサンテン化合物とその他の成分を、ディゾルバーやホモミキサー等により混合撹拌して製造される。顔料や溶解性の低い染料を併用する場合は、適当な分散剤を用いてペイントシェーカー等の分散機により分散体を得て、着色組成物に加えて混合してもよく、調製した着色組成物から異物等を取り除くためにフィルター等で精密濾過をすることも出来る。
本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物を含む着色組成物は、各種塗料、水性インキ、油性インキ、インクジェット用インキ、カラーフィルター用着色組成物に用いられ、カラーフィルター用着色組成物の具体的な用途としては、液晶表示装置、有機ELディスプレイ、あるいはデジタルカメラ等に使用される固体撮像素子等のカラーフィルターが挙げられる。
本発明の着色組成物を用いる被着色材料としては、例えば普通紙、コート紙、プラスチックフィルム、プラスチック基板が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、本発明の着色組成物を被着色材料に付与する方法としては、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷などの各種印刷方法あるいはスピンコーター、ロールコーターなどによる塗工方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは無い。実施例中、合成によって得られた化合物の極大吸収波長及び、透過スペクトルを分光光度計「(株)島津製作所製UV−3150」により測定し評価した。尚、実施例における「部」は、特に断りのない限り質量基準である。
実施例1(上記具体例のNo.1で表されるキサンテン化合物の合成)
(工程1−1)
300mlの四つ口フラスコに、上記式(2)で表される化合物40.5部、NMP120部及び2,6−ジメチルアニリン(東京化成工業社製)48.4部を入れ、160℃で5時間攪拌した。反応液を30℃まで冷却した後、反応液を2N塩酸水に注ぎ込み1時間攪拌した。析出した結晶をろ取、洗浄、乾燥させることにより、下記式(100)で表される染料中間体53.1部を得た。
Figure 2018053153
(工程1−2)
500mlの四つ口フラスコに、ジクロロメタン300部、トリエチルアミン(和光純薬工業社製)31.8部及び1−ピペラジンエタノール(東京化成工業社製)19部を入れ、10分間攪拌した。これにp−トルエンスルホニルクロリド(東京化成工業社製)57部を液温が20℃を超えないように少しずつ添加し、室温で24時間攪拌した。反応液に水を注ぎ、有機層を希塩酸水、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。更に減圧下で濃縮することにより、下記式(101)で表される染料中間体28.6部を得た。
Figure 2018053153
(工程1−3)
200mlの四つ口フラスコに、工程1−1で得られた式(100)で表される染料中間体8部、N−メチル−2−ピロリドン70部、炭酸カリウム6部、臭化カリウム(純正化学工業社製)5部及び工程1−2で得られた式(101)で表される染料中間体15部を入れ、95℃で3時間攪拌した。反応液を40℃まで冷却した後、反応液を塩酸水に注ぎ込み、析出した結晶をろ取、洗浄、乾燥させることにより、No.1で表される本発明のキサンテン化合物20.5部を得た。該キサンテン化合物の最大吸収波長は546nm(メタノール)であった。
実施例2(上記具体例のNo.4で表されるキサンテン化合物の合成)
(工程2−1)
1000mlの四つ口フラスコに、ジクロロメタン390部、トリエチルアミン42.3部及び1−ピペラジンエタノール25部を入れ、10分間攪拌した。これにメタンスルホニルクロリド(東京化成工業社製)47.9部を液温が20℃を超えないように少しずつ滴下し、室温で24時間攪拌した。反応液に水を注ぎ、有機層を希塩酸水、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。更に減圧下で濃縮することにより、下記式(102)で表される染料中間体43.4部を得た。
Figure 2018053153
(工程2−2)
100mlの四つ口フラスコに、工程1−1で得られた式(100)で表される染料中間体3.4部、N−メチル−2−ピロリドン30部、炭酸カリウム3部、臭化カリウム2.1部及び工程2−1で得られた式(102)で表される染料中間体7部を入れ、95℃で4時間攪拌した。反応液を40℃まで冷却した後、反応液を水に注ぎ込み、析出した結晶をろ取、洗浄、乾燥させることにより、No.4で表される本発明のキサンテン化合物4.7部を得た。該キサンテン化合物の最大吸収波長は548nm(メタノール)であった。
実施例3(上記具体例のNo.22で表されるキサンテン化合物の合成)
(工程3−1)
300mlの四つ口フラスコに、上記式(2)で表される化合物40.5部、N−メチル−2−ピロリドン120部及び下記式(103)で表される化合物88.1部を入れ、160℃で6時間攪拌した。反応液を30℃まで冷却した後、反応液を2N塩酸水に注ぎ込み1時間攪拌した。析出した結晶をろ取、洗浄、乾燥させることにより、下記式(104)で表される染料中間体71.9部を得た。
Figure 2018053153
Figure 2018053153
(工程3−2)
100mlの四つ口フラスコに、工程3−1で得られた式(104)で表される染料中間体3.3部、N−メチル−2−ピロリドン26部、炭酸カリウム2部、臭化カリウム1.6部及び実施例1の工程1−2で得られた式(101)で表される染料中間体6部を入れ、95℃で1時間攪拌した。反応液を40℃まで冷却した後、反応液を塩酸水に注ぎ込み、析出した結晶をろ取、洗浄、乾燥させることにより、No.22で表される本発明のキサンテン化合物6.2部を得た。該キサンテン化合物の最大吸収波長は548nm(メタノール)であった。
実施例4(上記具体例のNo.23で表されるキサンテン化合物の合成)
100mlの四つ口フラスコに、実施例3の工程3−1で得られた式(104)で表される染料中間体3.3部、N−メチル−2−ピロリドン26部、炭酸カリウム2部、臭化カリウム1.6部及び実施例2の工程2−1で得られた式(102)で表される染料中間体4.3部を入れ、95℃で4時間攪拌した。反応液を40℃まで冷却した後、反応液を塩酸水に注ぎ込み、析出した結晶をろ取、洗浄、乾燥させることにより、No.23で表される本発明のキサンテン化合物3.6部を得た。該キサンテン化合物の最大吸収波長は549nm(メタノール)であった。
合成例1(バインダー樹脂の合成)
500mlの四つ口フラスコにメチルエチルケトン160部、メタクリル酸10部、ベンジルメタクリレート33部及びα,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)1部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素ガスをフラスコ内に流入した。その後、80℃まで昇温し、80乃至85℃でそのまま4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明で均一な共重合体溶液を得た。これをイソプロピルアルコールと水の1:1混合溶液中で沈殿させ、濾過し、固形分を取り出し、乾燥し、バインダー樹脂を得た。得られたバインダー樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は18000であり、酸価は152(mgKOH/g)であった。
実施例5(着色組成物1及び染料着色体1の作製)
実施例1で得られた化合物No.1で表されるキサンテン化合物/Disperbyk−2001(ビックケミー・ジャパン製)/PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/エトキシプロパノール/合成例1で得られたバインダー樹脂=0.15部/0.5部/8.0部/1.0部/0.5部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ25部を添加し、ペイントシェーカーで3時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、得られた着色組成物1をガラス基板にスピンコートし、80℃で10分間乾燥し、染料着色体1を作成した。
実施例6(着色組成物2及び染料着色体2の作製)
実施例1で得られたNo.1で表されるキサンテン化合物を、化合物No.4で表されるキサンテン化合物に変更したこと以外は実施例5と同様にして、着色組成物2及び染料着色体2を得た。
実施例7(着色組成物3及び染料着色体3の作製)
実施例1で得られたNo.1で表されるキサンテン化合物を、化合物No.22で表されるキサンテン化合物に変更したこと以外は実施例5と同様にして、着色組成物3及び染料着色体3を得た。
実施例8(着色組成物4及び染料着色体4の作製)
実施例1で得られたNo.1で表されるキサンテン化合物を、化合物No.23で表されるキサンテン化合物に変更したこと以外は実施例5と同様にして、着色組成物4及び染料着色体4を得た。
比較例1(比較用の着色組成物1及び比較用の染料着色体1の作製)
実施例1で得られたNo.1で表されるキサンテン化合物を、特許文献8に記載の下記式(A1)で表される化合物(下記8つの構造式で表される化合物の混合物)に変更したこと以外は実施例5と同様にして、比較用の着色組成物1及び比較用の染料着色体1を得た。
Figure 2018053153
比較例2(比較用の着色組成物2及び比較用の染料着色体2の作製)
実施例1で得られたNo.1で表されるキサンテン化合物を、特許文献6に記載の下記式(A2)で表される化合物に変更したこと以外は実施例5と同様にして、比較用の着色組成物2及び比較用の染料着色体2を得た。
Figure 2018053153
比較例3(比較用の着色組成物3及び比較用の染料着色体3の作製)
化合物No.1で表されるキサンテン化合物を、下記式(A3)で表されるC.I.Acid Red 52に変更したこと以外は実施例6と同様にして、比較用の着色組成物3及び比較用の染料着色体3を得た。
Figure 2018053153
比較例4(比較用の着色組成物4及び比較用の染料着色体4の作製)
化合物No.1で表されるキサンテン化合物を、下記式(A4)で表される下記2つの構造式で表される化合物の混合物に変更したこと以外は実施例5と同様にして、比較用の着色組成物4及び比較用の染料着色体4を得た。
Figure 2018053153
(明度評価)
実施例5乃至8及び比較例1乃至4で得られた、染料着色体1乃至4及び比較用の染料着色体1乃至4を、分光光度計により分光透過率を測定し、C光源のCIEのXYZ表色系におけるx、yの色度座標と明度Yを評価した。尚、明度Yが大きい程、明度が高く、優れていることを示す。結果を表1 に示した。
Figure 2018053153
以上より、本願発明のキサンテン化合物、該化合物を用いて作成したカラーフィルター用着色組成物並びに該カラーフィルター用着色組成物を用いて得られたカラーフィルターは、発色性が良く、高い明度を有することから、高透過性の必要なカラーフィルターの製造プロセスに耐えうる信頼性の高いカラーフィルターとして有用である。
本発明の耐熱性等の堅牢性に優れる新規なキサンテン化合物、該化合物を用いて作成したカラーフィルター用着色組成物を用いることにより、明度に優れた高品位で信頼性の高いカラーフィルターの青色画素を提供することができる。


Claims (7)

  1. 下記式(1)で表されるキサンテン化合物
    Figure 2018053153
    (式(1)中、R及びRは、水素原子;ハロゲン原子、アルコキシ基、シアノ基、アミド基及びフェニル基からなる群より選ばれる置換基を有する炭素数1乃至10のアルキル基;無置換の炭素数1乃至10のアルキル基;無置換の炭素数1乃至4のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、シアノ基及びアミド基からなる群より選ばれる置換基を有する炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基;又は無置換の炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基を表す。R及びRは、ハロゲン原子を置換基として有する炭素数1乃至4のアルキル基、無置換の炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至3のアルキル基を置換基として有するフェニル基又は無置換のフェニル基を表す。Qは無置換のアルキレン基を表す。)。
  2. 式(1)におけるR及びRが、水素原子;又は無置換の炭素数1乃至4のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、シアノ基及びアミド基からなる群より選ばれる置換基を有する炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基である請求項1に記載のキサンテン化合物。
  3. 式(1)におけるQが無置換の炭素数2乃至4のアルキレン基である請求項1又は2に記載のキサンテン化合物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のキサンテン化合物を含む着色組成物。
  5. 更に、顔料を含む請求項4に記載の着色組成物。
  6. 請求項4又は5に記載の着色組成物を用いて得られるカラーフィルター。
  7. 請求項6に記載のカラーフィルターを装着した液晶表示装置、有機ELディスプレイ又は固体撮像素子。


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