JP2014115381A - 着色樹脂組成物 - Google Patents

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徹 手嶋
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Abstract

【課題】明度に優れた高品位の赤色カラーフィルター用着色樹脂組成物を提供する。
【解決手段】メチン系カチオン染料(1)、キサンテン系カチオン染料(2)、バインダー樹脂、有機溶剤、硬化剤、光重合開始剤を含有する着色樹脂組成物である。
Figure 2014115381

Figure 2014115381

【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルターの赤色画素を形成する際に用いられる着色樹脂組成物、該着色樹脂組成物を用いて形成されるカラーフィルター、並びに該カラーフィルターを用いて形成される液晶表示装置、撮像素子(CCD、CMOS)及び有機ELディスプレイ等の電子表示装置に関する。
ノートパソコンや液晶テレビ、携帯電話等に代表される液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ等の液晶表示装置、及びデジタルカメラやカラーコピー機等の入力デバイスとして使用される撮像素子(CCD、CMOS)のカラー化にはカラーフィルターが必要である。これら液晶表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルターを製造する方法としては、染色法、電着法、印刷法、顔料分散法等があるが、近年、パターニングの手法を用いた顔料分散法が主流となっている。パターニングの方法としてはフォトリソグラフィー法が代表的で、感光性樹脂組成物と顔料分散体との混合物を用いてカラーフィルターを形成している。また、最近では着色インキをインクジェットプリンターにより、マスクを介さずに直接基板上に塗布し、カラーフィルターを形成する方法も行われている。
カラーフィルターに求められる、色純度、彩度、明度およびコントラスト等の特性を向上させることは特に重要である。明度が向上することによってバックライトの光量を抑えることができ、結果的に消費電力が低減されるため、環境的にも必要な技術である。カラーフィルターの色純度を向上させるためには着色顔料の含有量を増やすことや、より良い分光波形の顔料を選択することが必要である。一方、明度を向上させるには、顔料濃度を減らすことや膜厚を薄くすることにより透過率を高くする必要がある。これらの相反する特性を両立するために顔料の微粒子化という方法が行われているが、感光性樹脂組成物の分散安定性、並びにカラーフィルターの光、熱または溶剤に対する耐性及びコントラストの向上には限界があり、明度が向上しても耐性との両立が図れないのが現状である。
これらの問題を解決するための別のアプローチとして、染料を使用したカラーフィルターの検討が進められている。染料を用いれば、顔料では達成できない色純度と明度の両立や、粒子では無いことから光散乱を抑制出来るためコントラストも向上できるメリットがある。しかしながら、その一方で、テレビ向け等の長期信頼性を必要とされる表示体用途には優れた耐光性や耐熱性が必要とされるが、染料は顔料よりも耐性が劣ることが一般的である。例えば、特許文献1はキサンテン化合物と樹脂とを組み合わせた赤色カラーフィルターに関するものであるが、同文献にはカラーフィルターの色度、明度については何ら記載されていない。特許文献2、3は、色特性に優れるキサンテン化合物を含有する着色感光性樹脂組成物に関するものであるが、これらの文献で検討しているのは青色カラーフィルターについてのみである。即ち、液晶表示装置や固体撮像素子の分野において求められている、色度の高い高品位な赤色カラーフィルターは、ほとんど実用化されていないのが現状である。
特開平4−274410号公報 特開2010−32999号公報 特開2011−39317号公報
新版 染料便覧 426頁
本発明は、明度に優れた高品位の赤色カラーフィルターを製造することができる着色樹脂組成物、およびそれを用いて製造されたカラーフィルターの提供を目的とする。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、カラーフィルター画素に、色素として、少なくとも下記式(1)で表されるメチン骨格含有カチオン染料(以下メチン骨格含有カチオン染料をメチン系カチオン染料という)とキサンテン骨格含有カチオン染料(以下キサンテン骨格含有カチオン染料をキサンテン系カチオン染料という)を含む着色樹脂組成物を使用することによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(1)下記式(1)
Figure 2014115381
(式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、該炭素数1〜4のアルキル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはアルコキシ基を置換基として有していてもよい。Rはメチル基またはフェニル基を表し、該フェニル基は、炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基またはシアノ基を置換基として有していてもよい。M-はビストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオンまたはトリストリフルオロメタンスルホニルメチドアニオンを表す。)
で表されるメチン系カチオン染料、
下記式(2)
Figure 2014115381
(式(2)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、該炭素数1〜4のアルキル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アミノカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基、スルホンアミド基またはスルホン酸基を置換基として有していてもよい。R10はカルボン酸エステル基を表す。)
で表されるキサンテン系カチオン染料、バインダー樹脂、有機溶剤及び硬化剤、並びに光重合開始剤及び/または硬化促進剤を含有するカラーフィルター用着色樹脂組成物、
(2)式(1)におけるM-がトリストリフルオロメタンスルホニルメチドアニオンである前記(1)に記載の着色樹脂組成物、
(3)式(1)におけるR及びRがそれぞれ独立に水素原子または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、かつRがメチル基または無置換のフェニル基である前記(1)または(2)に記載の着色樹脂組成物、
(4)式(2)におけるR4〜R7がそれぞれ独立に水素原子または無置換の炭素数1〜4のアルキル基である前記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の着色組成物、
(5)式(2)におけるR〜Rがエチル基であり、R〜Rが水素原子である前記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物、
(6)更に、顔料を含有する前記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物、
(7)顔料が、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントイエロー150及びC.I.ピグメントイエロー138からなる群から選ばれる一種以上である前記(6)に記載の着色樹脂組成物、
(8)前記(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物を用い、パターニングされてなるカラーフィルター用着色硬化膜、
(9)前記(8)に記載のカラーフィルター用着色硬化膜からなるカラーフィルター、
(10)前(9)に記載のカラーフィルターを装着した液晶表示装置、
(11)前記(9)に記載のカラーフィルターを装着した有機ELディスプレイ、
(12)前記(9)に記載のカラーフィルターを装着した固体撮像素子、
に関する。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物を用いることにより、明度に優れた高品位のカラーフィルターの赤色画素を提供することができる。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物(以下、単に「着色樹脂組成物」ともいう)は、前記式(1)で表されるメチン系カチオン染料を含有する。
式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基は炭素数1〜4であれば直鎖状、分岐鎖状または環状の何れにも限定されない。また、該アルキル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはアルコキシ基を置換基として有していてもよい。
式(1)中のR及びRが表す炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。
式(1)中のR及びRが表す炭素数1〜4のアルキル基が有していてもよい置換基の具体例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ヒドロキシ基およびアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)が挙げられる。
式(1)中のRは、無置換の炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基またはエチル基であることがより好ましい。
式(1)中のRは、水素原子また無置換の炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、水素原子または無置換の炭素数1〜2のアルキル基であることがより好ましい。
式(1)中、Rはメチル基またはフェニル基を表し、該フェニル基は、炭素数1〜3のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、またはシアノ基を置換基として有していてもよい。式(1)中のRは、メチル基または無置換のフェニル基であることが好ましい。
式(1)中、M-はビストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオンまたはトリストリフルオロメタンスルホニルメチドアニオンを表し、特にトリストリフルオロメタンスルホニルメチドアニオンであることが好ましい。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物が含有する式(1)で表されるメチン系カチオン染料としては、上記したR〜R及びM-それぞれの好ましいものを組み合わせた構造を有するものが特に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物が含有する式(1)で表されるメチン系カチオン染料は、例えば、株式会社技報堂発行の細田豊著「理論製造染料化学」(396〜402頁)に記載された公知の合成法で得ることができるが、アニオン部が塩素アニオンである市販品を購入し、対応する塩または酸を加えて塩交換する事により合成してもよい。
式(1)で表されるメチン系カチオン染料を塩交換により合成する場合は、アニオン部が塩素アニオンである化合物を反応溶媒(例えば、水、またはメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、N,N−ジメチルホルアミド(以下DMFと略記)、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略記)等の水溶性極性溶媒が挙げられ、これらの溶媒は単独、または混合してもよい。)に溶解した後、対応する塩または酸を0.5〜3当量程度加えて所定温度(例えば0〜100℃)で攪拌することにより容易に合成可能であり、その後、析出した結晶をろ取する事により得られる。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物は、前記式(2)で表されるキサンテン系カチオン染料を含有する。
式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基は炭素数1〜4であれば直鎖状、分岐鎖状または環状の何れにも限定されない。また、該アルキル基は置換基を有していてもよい。
式(2)中のR〜Rが表す炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、イソプロペニル、エチニル基、プロピニル基等が挙げられる。
式(2)中のR〜Rが表す炭素数1〜4のアルキル基が有してもよい置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソブトキシ基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等でこれらのアリール基はさらに置換基を有しても良い)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ等で、これらのアリールオキシ基はさらに置換基を有しても良い)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ブチリルオキシ基、ヘキシリルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アミノ基、アルキル置換アミノ基(例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アミノカルボニル基、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アシル基、アミド基(例えば、アセトアミド基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、プロパンスルホンアミド基等)およびスルホン酸基等が挙げられる。
式(2)中のR〜Rは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、それぞれ独立に水素原子または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、無置換の炭素数1〜4のアルキル基であることが更に好ましく、エチル基であることが特に好ましい。また、RとRが同一であるもの及びRとRが同一であるものが好ましく、RとRが同一であり、かつRとRが同一であるものがより好ましい。
式(2)中のR〜Rは、水素原子またはメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
式(2)中、R10は、カルボン酸エステル基を表す。該カルボン酸エステル基の具体例としては、メチルエステル基、エチルエステル基、プロピルエステル基、ブチルエステル基、イソブチルエステル基、ペンチルエステル基、シクロペンチルエステル基、ヘキシルエステル基、シクロヘキシルエステル基、ベンジルエステル基等が挙げられる。これらのカルボン酸エステル基は置換基を有して良く、置換基を有するカルボン酸エステル基としては、例えば、ヒドロキシエチルエステル基、ヒドロキシプロピルエステル基、ヒドロキシブチルエステル基、2−スルホエチルエステル基、カルボキシエチルエステル基、シアノエチルエステル基、メトキシエチルエステル基、エトキシエチルエステル基、ブトキシエチルエステル基、トリフルオロメチルエステル基、ペンタフルオロエチルエステル基等が挙げられる。
式(2)中のR10は、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキルのエステル基または置換基を有しても良いベンジルエステル基であることが好ましく、置換基を有しても良い炭素数1〜4のアルキルのエステル基または置換基を有しても良いベンジルエステル基であることがより好ましく、無置換の炭素数1〜4のアルキルのエステル基または無置換のベンジルエステル基であることが更に好ましい。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物が含有する式(2)で表されるキサンテン系カチオン染料としては、上記したR〜R10それぞれの好ましいものを組み合わせた構造を有するものが特に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物に用いられる式(2)で表されるキサンテン系カチオン染料は、例えば、株式会社技報堂発行の細田豊著「理論製造染料化学」(373〜375頁)に記載された公知の方法に準じて合成した縮合物を、目的とする対イオンに対応する市販の塩を用いて塩交換することにより合成することができる。具体的には、例えば、無水フタル酸とN,N−ジアルキルフェノールとを縮合して得られた化合物の対イオンを、トリストリフルオロメタンスルホニルメチドのアルカリ金属塩を用いて塩交換する方法等が挙げられる。また、対イオンが塩素イオン等である市販品を購入し、対応する塩または酸を加え塩交換する事によっても合成する事もできる。塩交換により合成する場合は、前記のメチン系カチオン染料の塩交換と同様の方法を用いることができる。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物における式(1)で表されるメチン系カチオン染料と式(2)で表されるキサンテン系カチオン染料の含有量は、本発明の着色樹脂組成物の全固形分(式(1)及び式(2)で表される染料、バインダー樹脂及び硬化剤等、有機溶剤以外の固形分の総量を指す。以降も同義で用いられる。)100質量部に対して、両色素の合計で通常0.01〜70質量部、好ましくは0.05〜30質量部、より好ましくは0.1〜20質量部、特に好ましくは0.5〜10質量部である。この範囲よりも含有量が多い場合は、析出や凝集が発生したり、硬化不十分のために基板との密着性が低下したりする恐れがある。一方、含有量が少ない場合は、色特性としては十分な色純度を得られない恐れがある。
また、本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物における式(1)で表されるメチン系カチオン染料と式(2)で表されるキサンテン系カチオン染料の使用比率は特に限定されないが、赤色カラーフィルターに求められる分光特性を考慮した場合、式(1)で表されるメチン系カチオン染料と式(2)で表されるキサンテン系カチオン染料の質量比で通常は10〜95:90〜5であり、30〜90:70〜10であることが好ましく、65〜85;35〜15であることがより好ましい。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物が含有するバインダー樹脂は、式(1)表されるメチン系カチオン染料、式(2)で表されるキサンテン系カチオン染料および必要により添加される顔料の分散時の分散安定性のため、分散剤、分散助剤として機能するが、着色樹脂組成物がフォトリソグラフィー法で用いられる場合は、カラーフィルター製造時の現像処理工程において用いられるアルカリ性現像液に可溶であることが望ましい。良好な微細パターンを形成するためには、バインダー樹脂が光重合開始剤、光重合性モノマー等との十分な硬化特性を有しているものが望ましく、また、バインダー樹脂が式(1)で表されるメチン系カチオン染料等の色材化合物、式(2)で表されるキサンテン系カチオン染料等の色材化合物、光重合開始剤、光重合性モノマー、顔料分散液等の構成材料と相溶性が良く、着色樹脂組成物が析出や凝集等を起こさないよう安定でなければならない。着色樹脂組成物がインクジェット法で用いられる場合は、特にアルカリ可溶性は必要ではないため、他の構成材料との相溶性の良いバインダー樹脂を選択すればよい。
バインダー樹脂としては公知の樹脂を使用することもできるが、より好ましくは以下に挙げる1個以上のカルボキシル基、または水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーあるいは他の共重合可能な芳香族炭化水素基や脂肪族炭化水素基を有するエチレン性不飽和モノマー等の共重合体であることが望ましい。また、これらの側鎖もしくは末端等にエポキシ基を有したもの、さらにアクリレートを付加させたエポキシアクリレート樹脂も使用できる。これらのモノマー等は単独でも2種以上組み合わせても良い。
バインダー樹脂の原料として使用し得る前記カルボキシル基含有不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、エタクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸(無水物)類;3価以上の不飽和多価カルボン酸(無水物)類、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタアクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート及び2−アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシエチルフタル酸等を挙げることができる。これらのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
バインダー樹脂の原料として使用し得る前記水酸基含有不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシ−3−メチル−ペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノ(メタ)アクリレート、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、バインダー樹脂の原料として使用し得る前記以外の不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレートヒドロキシエチル化物及びフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、フェニルノルボニル(メタ)アクリレート、シアノノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、フェンチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル=(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−4−メチル=(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸及びt−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環骨格類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノアクリレート及びアリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキル末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート及び3−アミノプロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及び安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル及びメタリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル及びシアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−(メタ)アクリロイルフタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド及びマレイミド等の不飽和アミドあるいは不飽和イミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン及びクロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;並びにポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリn−ブチルアクリレート、ポリn−ブチルメタクリレート及びポリシリコーン等の重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類等を挙げることができる。これらの不飽和モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
バインダー樹脂(共重合体)を合成する際には、重合開始剤を使用する。ここで共重合体の合成に使用し得る重合開始剤の具体例としては、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、t−ブチルパーオクトエート、ジ−t−ブチルパーオキシド過酸化ベンゾイルメチルエチルケトンパーオキシド等を挙げることができる。重合開始剤の使用割合は、共重合体の合成に使用する全単量体100質量部に対して、0.01〜25質量部である。また、共重合体を合成する際には、有機溶剤を使用するのが好ましいが、合成に用いる単官能のモノマーや重合開始剤等に対して十分な溶解力を有するものを使用する。バインダー樹脂の合成に使用し得る有機溶剤としては、後述する本発明の着色樹脂組成物が含有する有機溶剤と同様のものが挙げられる。
共重合体を合成する際の反応温度は50〜120℃であることが好ましく、特に好ましくは80〜100℃である。また、反応時間は1〜60時間であることが好ましく、より好ましくは3〜20時間である。共重合体の好ましい酸価は10〜300(mgKOH/g)であり、好ましい水酸基価は10〜200(mgKOH/g)である。酸価もしくは水酸基価が10以下の場合は現像性が低下する。共重合体の重量平均分子量(Mw)は2000〜400000が好ましく、3000〜100000がより好ましい。重量平均分子量が2000以下、あるいは400000以上では、感度および現像性等が低下する。
尚、本発明において、酸価はJIS K−2501に、水酸基価JIS K−1557に準拠した方法で測定した値を意味する、また、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)の測定結果に基づいて、ポリスチレン換算で算出した値を意味する。
また、共重合体の側鎖に更に不飽和二重結合を導入した重合体もバインダー樹脂として有用である。例えば、無水マレイン酸と共重合可能なスチレン、ビニルフェノール、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド等との共重合物の無水マレイン酸部に、ヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキシル基を有するアクリレートやグリシジルメタクリレート等のエポキシ基を有するアクリレートを反応させハーフエステル化した化合物、およびアクリル酸やアクリル酸エステルとヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキシル基を有するアクリレートとの共重合体の水酸基にアクリル酸を反応せしめた化合物等が挙げられる。また、ウレタン樹脂やポリアミド、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、市販のACA−200M(ダイセル社製)、ORGA−3060(大阪有機化学製)、AX3−BNX02(日本触媒製)、UXE−3024(日本化薬製)、UXE−3000(日本化薬製)、ZGA−287H(日本化薬製)、TCR−1338H(日本化薬製)、ZXR−1722H(日本化薬製)、ZFR−1401H(日本化薬製)、ZCR−1642H(日本化薬製)もバインダー樹脂として使用することができる。
バインダー樹脂は、本発明の着色樹脂組成物に単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。本発明の着色樹脂組成物におけるバインダー樹脂の含有量は、着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、通常、0.5〜99質量部、好ましくは5〜50質量部である。バインダー樹脂の含有量が0.5質量部未満の場合、アルカリ現像性が低下し、画素が形成される部分以外の領域での地汚れや膜残り等の問題が発生する場合がある。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物が含有する有機溶剤は、着色樹脂組成物の構成成分であるバインダー樹脂、光重合開始剤等に対して十分な溶解力を有し、バインダー樹脂の合成に用いる単官能のモノマーや重合開始剤等に対しても十分な溶解力を有するものが使用できる。また、顔料分散体を作成する際にも分散安定性を保つことができるものが使用できる。
本発明の着色樹脂組成物が含有する有機溶剤の具体例としては、ベンゼン、トルエン及びキシレン等のベンゼン類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ及びブチルセロソルブ等のセロソルブ類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート及びブチルセロソルブアセテート等のセロソルブ酢酸エステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル酢酸エステル類;メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のプロピオン酸エステル類;乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチル等の乳酸エステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル及びジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコール類;酢酸メチル、酢酸エチル及び酢酸ブチル等の酢酸エステル類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類;並びにメタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール及びベンジルアルコール等のアルコール類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
有機溶剤は、本発明の着色樹脂組成物に単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。有機溶剤の使用量は、着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して通常40〜10000質量部、好ましくは100〜1000質量部である。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物が含有する硬化剤としては、ラジカル重合の場合は光重合モノマー、イオン硬化の場合はエポキシ樹脂、その他にメラミン硬化剤等が挙げられる。これら硬化剤の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−F型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−フルオレン型エポキシジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、9,9−ビス〔4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕フルオレン、カヤラッドRP−1040(日本化薬製)、カヤラッドDPCA−30(日本化薬製)、UA−33H(新中村化学製)、UA−53H(新中村化学製)及びM−8060(東亞合成製)等の(メタ)アクリレートモノマー;TEMPIC(堺化学製)、TMMP(堺化学製)、PEMP(堺化学製)及びDPMP(堺化学製)等のチオール系重合モノマー;日本化薬製品のNC−6000、NC−6300、NC−6300H、NC−3000、EOCN−1020、XD−1000、EPPN−501H、BREN−S、NC−7300L、ダイセル化学製品のセロキサイト2021P、EHPE3150、サイクロマーM100、エポリードPB3600、ジャパンエポキシレジン製品のエピコート828、エピコートYX8000、エピコートYX4000、プリンテック製品のVG−3101L、サイラエースS510(チッソ)、TEPIC(日産化学工業)等のエポキシ樹脂;並びにメチロール化メラミン及びMW−30(三和ケミカル)等のメラミン硬化剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
硬化剤は、本発明の着色樹脂組成物に、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。硬化剤の含有量は、着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して通常1〜80質量部、好ましくは5〜50質量部である。この範囲より少ない場合は耐溶剤性等の効果が小さくなり、多すぎる場合は現像性が低下し、現像できない場合があるため好ましくない。また、エポキシ樹脂を硬化させるための硬化促進剤との組合せが好ましい。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物は、光重合開始剤及び/または硬化促進剤を含有する。
着色樹脂組成物が含有し得る光重合開始剤としては、露光光源として一般的に用いられる超高圧水銀灯から射出される紫外線に充分な感度を有するものが好ましく、ラジカル重合性の光ラジカル開始剤、イオン硬化性の光酸発生剤もしくは光塩基発生剤等のいずれをも用いることが出来る。また、より少ない露光エネルギーで硬化をさせるために、増感剤と呼ばれる重合促進剤の成分を組み合わせて使用することもできる。光重合開始剤の具体例としては、ベンジル、ベンゾインエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸のエステル化物、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、ベンジルジメチルケタール、2−ブトキシエチル−4−メチルアミノベンゾエート、クロロチオキサントン、メチルチオキサントン、エチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、ジメチルアミノメチルベンゾエート、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4−ビス(トリブロモメチル)−6−(4’−メトキシフェニル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1,3−ベンゾジオキソラン−5−イル)−1,3,5−s−トリアジン、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−O−ベンゾアート、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−O−アセタート、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1−オンオキシム−O−アセタート、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、P−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、2,2’−ビス(O−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、ジアゾナフトキノン系開始剤、また市販のカヤキュアーDMBI、カヤキュアーBDMK、カヤキュアーBP−100、カヤキュアーBMBI、カヤキュアーDETX−S、カヤキュアーEPA(いずれも日本化薬製)、ダロキュアー1173、ダロキュアー1116(いれもメルクジャパン製)、イルガキュアー907(BASFジャパン製)、イルガキュアー369(BASFジャパン製)、イルガキュアー379EG(BASFジャパン製)、イルガキュアーOXE−01(BASFジャパン製)、イルガキュアーOXE−02(BASFジャパン製)、イルガキュアーPAG103(BASFジャパン製)、TME−トリアジン(三和ケミカル製)、ビイミダゾール(黒金化成製)、STR−110、STR−1(いずれもレスペケミカル製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
光重合開始剤は、本発明の着色樹脂組成物に単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。光重合開始剤の含有量は、着色樹脂性組成物の全固形分100質量部に対して通常0.1〜50質量部、好ましくは0.2〜25質量部である。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物が含有し得る硬化促進剤は、イオン硬化を促進させる反応触媒であり、例えば、1級〜3級のアミンやイミダゾール類等のN含有複素環化合物、酸無水物等が挙げられる。
アミンの具体例としてはトリエチルアミン、トリエタノールアミン、日本化薬製品のカヤハードA−A、カヤボンドC−100、カヤボンドC−200S、カヤボンドC−300S等が挙げられる。
イミダゾールの具体例としては四国化成工業製品のキュアゾール2MZ−H、キュアゾールC11Z、キュアゾールC17Z、キュアゾール1,2DMZ、キュアゾール2E4MZ、キュアゾール2PZ、キュアゾール2P4MZ、キュアゾール1B2MZ、キュアゾール1B2PZ、キュアゾール2MZ−CN、キュアゾールC11Z−CN、キュアゾール2E4MZ−CN、キュアゾール2PZ−CN、キュアゾールC11Z−CNS、キュアゾール2PZCNS−PW、キュアゾール2MZ−A、キュアゾールC11Z−A、キュアゾール2E4MZ−A、キュアゾール2MA−OK、キュアゾール2PZ−OK、キュアゾール2PHZ−PW、キュアゾール2P4MHZ−PW、キュアゾールTBZ、キュアゾール2PZL−T、キュアゾールVT、キュアゾールSFZ等が挙げられる。
酸無水物の具体例としては無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、日本化薬製品のカヤハードMCD等が挙げられる。これらのうち、硬化促進剤としてはイミダゾール類が好ましく、キュアゾール1B2PZ、キュアゾール2PZ、キュアゾール1B2MZ及びキュアゾール2E4MZが反応性からより好ましい。
硬化促進剤の含有量は、着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して通常0.01〜50質量部、好ましくは0.05〜20質量部である。硬化促進剤の含有量が0.01質量部よりも少ない場合は、硬化性が低下する恐れがあり、50質量部よりも多すぎる場合は保存安定性が悪くなる恐れがある。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物には、任意成分として上記式(1)で表されるメチン系カチオン染料及び上記式(2)で表されるキサンテン系カチオン染料以外の色素を併用してもよい。任意成分として併用し得る色材化合物は、染料や有機顔料、無機顔料の中から適宜選択すればよく、単独で用いても2種以上を混合して用いても構わないが、本発明の着色樹脂組成物は赤色画素に関するものなので、公知の赤色染料やイエロー染料、または赤色顔料やイエロー顔料を用いることが好ましい。任意成分としての色材化合物を併用する場合、その含有量は、本発明の着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対する必須成分であるメチン系カチオン染料及びキサンテン系カチオン染料と任意成分である色材化合物の含有量の合計が、通常0.01〜70質量部、好ましくは0.5〜50質量部、より好ましくは1.0〜40質量部の範囲内であれば特に限定されない。
本発明の着色樹脂組成物に併用できる染料に特に制限はなく、酸性染料、塩基性染料、直接染料、硫化染料、建染染料、ナフトール染料、反応染料、分散染料等が挙げられる。これら染料としては有機溶剤に可溶なものに限らず、有機溶剤に不溶な染料でも分散体とすることで使用することができる。
本発明の着色樹脂組成物に併用できる有機顔料に特に制限はなく、顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド2、5、17、31、32、41、122、123、144、149、166、168、170、171、175、176、177、178、179、180、185、187、202、206、207、209、214、220、221、224、242、243、254、255、262、264、272等の赤色顔料、C.I.ピグメントイエロー1、3、12,13、14、15、16、17、20,24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214等の黄色顔料、C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等のオレンジ色顔料などがある。これらのうち、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242およびC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150よりなる群から選ばれる少なくとも一種以上を含有していてもよい。
本発明の着色樹脂組成物に併用できる無機顔料に特に制限はなく、その具体例としては、複合金属酸化物顔料、カーボンブラック、黒色低次酸化チタン、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、アンチモン白、鉄黒、鉛丹、硫化亜鉛、カドニウムエロー、カドニウムレッド、亜鉛、マンガン紫、コバルト紫、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等の金属酸化物、金属硫化物、硫酸塩、金属水酸化物、金属炭酸塩等が挙げられる。
前記式(1)で表されるメチン系カチオン染料及び上記式(2)で表されるキサンテン系カチオン染料および任意に併用される色材化合物の樹脂成分への溶解性が低い場合は、分散剤や分散助剤等を併用して分散させてもよく、これら分散剤等としては色素に対して良好な吸着性を有する色素系分散剤や樹脂系分散剤、界面活性剤等が用いられる。色素系分散剤としては、色素のスルホン化物あるいはその金属塩を色素と混和する方法や置換アミノメチル誘導体を混和する方法等が一般に知られている。樹脂系分散剤としては、無極性のノニオン系のものもあるが、良好な顔料吸着性を付す酸価、アミン価等を有する高分子樹脂が一般的であり、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカルボン酸、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。樹脂分散剤の市販品としては、例えば、ED211(楠本化成製)、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ製)ソルスパース71000(アビシア製)、Disperbyk−2001(ビックケミー・ジャパン製)等が挙げられる。
また、有機溶剤に不溶な色材化合物が、例えば酸性染料や塩基性染料の場合は、有機アミン化合物(例えばn−プロピルアミン、エチルヘキシルプロピオン酸アミン等)を反応させアミン塩染料に変性するか、またはそのスルホン酸基に同有機アミン化合物を反応させてスルホンアミド基を有する染料等に変性することにより有機溶剤に可溶性とすることが知られている。それらアミン変性した染料も本発明の着色樹脂組成物に使用可能である。アミン変性可能な染料としては、カラーインデックスで、例えば、ソルベントブルー2、3、4、5、6、23、35、36、37、38、43、48、58、59、67、70、78、98、102、104;ベーシックブルー7;アシッドブルー80、83、90;バイオレット染料としてソルベントバイオレット8、9;バイオレット4、5、14;ベーシックバイオレット10等が挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物は、式(1)で表されるメチン系カチオン染料、式(2)で表されるキサンテン系カチオン染料、バインダー樹脂、溶剤、光重合開始剤、硬化剤及び/または硬化促進剤等を、ディゾルバーやホモミキサー等により混合撹拌して製造される。また、必要に応じて他の顔料や染料を加えることもできるが、顔料や溶解性の低い染料である場合は、適当な分散剤を用いてペイントシェーカー等の分散機により分散体を得て、着色樹脂組成物に加えて混合される。
本発明の着色樹脂組成物には、必要に応じて、さらに各種添加剤、例えば、充填剤、界面活性剤、熱重合防止剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を添加することができる。又、本発明の着色樹脂組成物は、その調製後に異物等を取り除くためフィルター等で精密濾過することも出来る。
本発明の着色樹脂組成物を用いたカラーフィルター用着色硬化膜(以下、単に「着色硬化膜」ともいう)の製造方法としては、主にフォトリソグラフィー法とインクジェット法が挙げられ、前者には光重合開始剤を含有する現像性に優れた感光性着色樹脂組成物が用いられ、後者は必ずしも光重合開始剤を必要とせず、硬化促進剤を含有する熱硬化性着色樹脂組成物が用いられる。
また、例えば本発明の着色樹脂組成物をインクジェット法等で用いる場合は、光重合開始剤に熱重合開始剤を併用しても良い。熱重合開始剤としてはアゾ系化合物や有機過酸化物系のものがあるが、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過酸化ジ−t−ブチル、ジベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシネオデカノエート等が挙げられる。
尚、熱重合開始剤を併用する場合は、光重合開始剤と熱重合開始剤の合計が上記の光重合開始剤の含有量の範囲内となる量を用いればよい。
次に本発明の着色樹脂組成物から着色硬化膜を調製する方法について説明する。先ず、本発明の着色樹脂組成物をガラス基板、シリコン基板等の基板上に、スピンコート法、ロールコート法、スリットアンドスピン法、ダイコート法、バーコート法等の方法で、膜厚が0.1〜20μm、好ましくは0.5〜5μmになるように塗布する。次いで、必要に応じて、減圧チャンバー内で通常23〜150℃で1〜60分間、好ましくは60〜120℃で1〜10分間の乾燥条件で減圧乾燥を行い、さらにホットプレートもしくはクリーンオーブン等でプリベーク処理を行い製膜する。次に一般的なフォトリソグラフィー法により所定のマスクパターンを通して放射線(例えば電子線や紫外線が挙げられ、紫外線が好ましい。)を照射し、界面活性剤水溶液、アルカリ水溶液、または界面活性剤とアルカリ剤の混合水溶液で現像する。現像方式としては、ディップ法、スプレー法、シャワー法、パドル法、超音波現像法等が挙げられ、これらのいずれかを組み合わせてもよい。現像により未照射部を取り除き、水でリンスした後、通常130〜300℃で1〜120分間、好ましくは150〜250℃で1〜30分間の条件でポストベーク処理を行い、本発明の着色硬化膜を得る。
上記において、界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等を用いることができる。又、アルカリ剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ジエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等を用いることができる。本発明においては、アルカリ剤と界面活性剤の両方を含む水溶液を用いることが好ましい。現像は、通常10〜50℃で30〜600秒、好ましくは20〜40℃で30〜120秒の処理条件で行われる。
本発明の着色硬化膜は、液晶表示装置、有機ELディスプレイ、あるいはデジタルカメラ等に使用される固体撮像素子等に好適なカラーフィルターとして有用であり、該カラーフィルターは前記のようにして調製された本発明の着色硬化膜からなる赤色画素である。
本発明の液晶表示装置は、例えば、バックライト、偏光フィルム、表示電極、液晶、配向膜、共通電極、本発明のカラーフィルター、偏光フィルム等がこの順に積層した構造で作製される。また、有機ELディスプレイについては多層の有機発光素子の上もしくは下のどちらか一方にカラーフィルターを形成して作製される。固体撮像素子については、例えば、転送電極、フォトダイオードを設けたシリコンウエーハーの上に、本発明のカラーフィルター層を設け、ついでマイクロレンズを積層することにより作製される。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例における「部」は特に断りのない限り質量部を表す。
合成例1(式(1)におけるRおよびRがメチル基であり、Rがフェニル基であるメチン系カチオン染料No.1の合成)
2000mlビーカーに、アストラゾンオレンジR(東京化成工業社製)10部、水1000部を仕込み、50℃で30分間攪拌した。これにトリストリフルオロメタンスルホニルメチドのセシウム塩(セントラル硝子社製)12.7部をDMF13部に溶解させた溶液を滴下し、室温で2時間攪拌した。析出した染料をろ取、水洗、乾燥し、式(1)で表されるメチン系カチオン染料N0.1を16.6部得た。該染料の極大吸収波長は508nm(シクロヘキサノン)であった。
合成例2(式(2)におけるR〜Rがいずれもエチル基であり、R及びRがいずれも水素原子であり、R10がカルボン酸メチルエステル基であるキサンテン系カチオン染料No.2の合成)
(工程2−1)
300ml四つ口フラスコに、ローダミンB(東京化成工業品)38.4部、水200部、28%水酸化ナトリウム水溶液11.4部を仕込み、25%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH7に調整した後、更に炭酸ナトリウムを用いてpH10.3に調整した。ここにジメチル硫酸(東京化成工業社製)30部を加え、25〜30℃で2時間攪拌した。反応溶液を2000mlビーカーに移し、50℃の湯940部を加えた後、98%硫酸を滴下してpH2.7に調整し、60℃で2時間攪拌した。これに水800部、塩化亜鉛(関東化学社製)11.2部及び食塩20部を加え、40℃に保ちながら45分間激しく攪拌した。さらに反応液に食塩120部を少しずつ追加し、30分間攪拌した後、析出した結晶をろ過、少量の水で洗浄することにより、下記式(100)で表される染料中間体40部を得た。
Figure 2014115381
(工程2−2)
5000mlビーカーに、工程2−1で得られた式(100)で表される染料中間体12.1部及び水1000部を仕込み、30℃で30分間攪拌した。これにトリストリフルオロメタンスルホニルメチドのセシウム塩(セントラル硝子社製)11.8部をDMF11.2部に溶解させた溶液を滴下し、3時間攪拌した。析出した染料をろ取、水洗、乾燥して、式(2)で表されるキサンテン系カチオン染料No.2を17.5部得た。該染料の極大吸収波長は561nm(シクロヘキサノン)であった。
合成例3(式(2)におけるR〜Rがいずれもエチル基であり、R及びRがいずれも水素原子であり、R10がカルボン酸ベンジルエステル基であるキサンテン系カチオン染料No.3の合成)
(工程3−1)
四つ口フラスコにDMF30g、ベンジルブロミド(東京化成工業社製)6.8部、炭酸カリウム3.0部、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(東京化成工業社製)4.3部及びローダミンB(東京化成工業社製)9.6部を仕込み、90℃で6時間攪拌した。反応液をろ過後、ろ液に水を加え500gに調整した。この液に、塩化亜鉛(関東化学社製)5部、更に塩化ナトリウム10部を少しずつ加え、そのまま1時間攪拌した。析出した染料をろ取、することにより、下記式(101)で表される染料中間体8部を得た。
Figure 2014115381
(工程3−2)
式(100)で表される染料中間体を式(101)で表される染料中間体に変更した以外は、合成例2の工程2−2と同様にして式(2)で表されるキサンテン系カチオン染料No.3を1.4部得た。該染料の極大吸収波長は562nm(シクロヘキサノン)であった。
合成例4(バインダー樹脂(共重合体(A))の合成) 500mlの四つ口フラスコにメチルエチルケトン160部、メタクリル酸10部、ベンジルメタクリレート33部及びα,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)1部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素ガスをフラスコ内に流入した。その後、80℃まで昇温し、80〜85℃でそのまま4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明で均一な共重合体溶液を得た。これをイソプロピルアルコールと水の1:1混合溶液中で沈殿させ、濾過し、固形分を取り出し、乾燥し、共重合体(A)を得た。得られた共重合体(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量は18000であり、酸価は152(mgKOH/g)であった。
実施例1
合成例1で得られたメチン系カチオン染料No.1を0.85部、合成例2で得られたキサンテン系カチオン染料No.2を0.25部、バインダー樹脂として合成例4で得られた共重合体(A)を3.8部、光重合性モノマーとしてカヤラッドDPHA(日本化薬製)を1.3部、光重合開始剤としてイルガキュアー907(BASFジャパン製)を0.8部及びシクロペンタノンを23部混合し、本発明の着色樹脂組成物1を得た。
キサンテン系カチオン染料No.2を合成例3で得られたキサンテン系カチオン染料No.3に変更したこと以外は実施例1に準じて、着色樹脂組成物2を得た。
比較例1
C.I.ピグメントレッド254/C.I.ピグメントレッド177/Disperbyk−2001(ビックケミー・ジャパン製)/PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)=4.5/10.5/4.0/81.0(質量比)の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ400部を添加し、ペイントシェーカーで60分間処理を行い、ろ過することにより、赤色顔料分散液を得た。上記赤色分散液25部に、バインダー樹脂として合成例4で得られた共重合体(A)を4部、光重合性モノマーとしてカヤラッドDPHA(日本化薬製)を4部、光重合開始剤としてイルガキュアー907(BASFジャパン製)を1.5部及びシクロペンタノンを20部混合し、比較用樹脂組成物1を得た。
(現像性、解像度及び基板への密着性の評価)
上記で得られた本発明の着色樹脂組成物1及び2をそれぞれガラス基板上に塗布し、80℃×100秒の条件でプリベークした後、マスクを介して露光による硬化を行い、界面活性剤を含有するアルカリ水溶液で現像し、水でリンス後、200℃×10分間加熱硬化して着色パターンを得た。得られたパターンは、ラインアンドスペースにて5μm角の解像性を持ち、残渣、画素の剥がれ等は確認されなかった。従って、固体撮像素子用の高解像度が要求されるカラーフィルター用途にも適用できることが分かった。
マスク露光を全面露光に変更し、現像及びリンス処理を行わなかったこと以外は前記現像性等の評価と同様にして、評価用基板を作成したところ、本発明の着色樹脂組成物1、2及び比較用樹脂組成物1のいずれを用いた場合にも、鮮明な色特性を有するカラーフィルター基板が得られた。これらの評価用基板を用いて、以下に記載の方法で各評価を行った。
(明度評価)
本発明の着色樹脂組成物1、2及び比較用樹脂組成物1を用いて得られたカラーフィルター基板について、分光光度計(UV−2450:島津製作所(株))により評価用基板の分光透過率を測定し、C光源のCIEのXYZ表色系におけるx、y、色度座標と明度Yを評価した。結果を表1に示した。
表1 着色樹脂組成物の明度評価結果
x y Y
着色樹脂組成物1 0.650 0.313 18.23
着色樹脂組成物2 0.650 0.313 18.36
比較用樹脂組成物1 0.650 0.313 17.14
表1の結果から、本発明の着色樹脂組成物1、2は、顔料単独の比較用樹脂組成物1に比べて良好な明度を示した。
以上より、本願発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物を用いて得られたカラーフィルターは、従来の顔料分散型の着色樹脂組成物を用いて得られたカラーフィルターと比べて優れた明度を有していることがわかった。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物を用いることにより、高明度で高品位のカラーフィルターの赤色画素を提供することができる。

Claims (12)

  1. 下記式(1)
    Figure 2014115381
    (式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、該炭素数1〜4のアルキル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはアルコキシ基を置換基として有していてもよい。Rはメチル基またはフェニル基を表し、該フェニル基は、炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基またはシアノ基を置換基として有していてもよい。M-はビストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオンまたはトリストリフルオロメタンスルホニルメチドアニオンを表す。)
    で表されるメチン系カチオン染料、
    下記式(2)
    Figure 2014115381
    (式(2)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、該炭素数1〜4のアルキル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アミノカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基、スルホンアミド基またはスルホン酸基を置換基として有していてもよい。R10はカルボン酸エステル基を表す。)
    で表されるキサンテン系カチオン染料、バインダー樹脂、有機溶剤及び硬化剤、並びに光重合開始剤及び/または硬化促進剤を含有するカラーフィルター用着色樹脂組成物。
  2. 式(1)におけるM-がトリストリフルオロメタンスルホニルメチドアニオンである請求項1に記載の着色樹脂組成物。
  3. 式(1)におけるR及びRがそれぞれ独立に水素原子または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、かつRがメチル基または無置換のフェニル基である請求項1または2に記載の着色樹脂組成物。
  4. 式(2)におけるR4〜R7がそれぞれ独立に水素原子または無置換の炭素数1〜4のアルキル基である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の着色組成物。
  5. 式(2)におけるR〜Rがエチル基であり、R〜Rが水素原子である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
  6. 更に、顔料を含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
  7. 顔料が、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントイエロー150及びC.I.ピグメントイエロー138からなる群から選ばれる一種以上である請求項6に記載の着色樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物を用い、パターニングされてなるカラーフィルター用着色硬化膜。
  9. 請求項8に記載のカラーフィルター用着色硬化膜からなるカラーフィルター。
  10. 請求項9に記載のカラーフィルターを装着した液晶表示装置。
  11. 請求項9に記載のカラーフィルターを装着した有機ELディスプレイ。
  12. 請求項9に記載のカラーフィルターを装着した固体撮像素子。
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