JP2012098522A - 着色樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】明度やコントラスト等に優れ、鮮明で高品位の色特性を有し、かつ従来品よりも耐性等に優れた信頼性の高いカラーフィルターを提供する。
【解決手段】本発明のカラーフィルター作製用着色樹脂組成物は、特定の色材化合物を使用することにより、他にバインダー樹脂、溶剤、及び硬化剤等を混合することで容易に得られる。作製されたカラーフィルターは、高いコントラスト等の色特性に優れた高品位、さらに耐熱性等にも優れた高い信頼性を有する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のカラーフィルター作製用着色樹脂組成物は、特定の色材化合物を使用することにより、他にバインダー樹脂、溶剤、及び硬化剤等を混合することで容易に得られる。作製されたカラーフィルターは、高いコントラスト等の色特性に優れた高品位、さらに耐熱性等にも優れた高い信頼性を有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、青色画素を形成する着色樹脂組成物、これを用いて形成されたカラーフィルター、並びに該カラーフィルターを用いて形成された液晶表示装置、撮像素子(CCD、CMOS)、有機ELディスプレイ等の電子表示装置に関する。
ノートパソコンや液晶テレビ、携帯電話等に代表される液晶ディスプレイ(LCD)等の液晶表示素子やデジタルカメラやカラーコピー機等の入力デバイスとして使用される撮像素子(CCD、CMOS)のカラー化にはカラーフィルターが必要である。これら液晶表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルターを製造する方法としては、染色法、電着法、印刷法、顔料分散法等があるが、近年、顔料分散法が主流となっている。パターニングの方法としてはフォトリソグラフィー法が代表的で、感光性樹脂組成物と顔料分散体との混合物を用いてカラーフィルターを形成している。最近では着色インキをインクジェットプリンターにより、マスクを介さずに直接基板上に塗布し、カラーフィルターを形成する方法も行われている。
カラーフィルターに求められる特性である、色純度、彩度、明度およびコントラストの向上は特に重要である。明度が向上することによって、バックライトの光量を抑えることができ、消費電力を下げることも出来るため、環境的にも必要な技術である。カラーフィルターの色純度を向上するためには着色顔料の含有量を増加させたり、より良い分光波形の顔料を選択する必要がある。一方、明度を向上するには透過率を高くする必要があるため、逆に顔料濃度を減らす、または膜厚を薄くしなければならない。これらの相反する特性を両立するために顔料の微粒子化という方法が行われているが、耐性や分散安定性に限界があり、明度が向上しても耐性の両立が図れないのが現状である。
これらの問題を解決するためのアプローチとして染料を使用したカラーフィルターの検討が進められている。染料を用いれば、顔料では達成できない色純度と明度の両立や、粒子では無いことから光散乱を抑制出来るためコントラストも向上できるメリットがある。しかしながら、テレビ等の長期信頼性を必要とする表示体向けには耐光性や耐熱性が必要であるが、特に青色染料は顔料よりも耐性が著しく劣っているものが多い。例えば下記の特許文献1および2には、トリフェニルメタン系化合物を使用したカラーフィルターに関する報告がなされているが、トリフェニルメタン系化合物は耐光性や耐熱性が著しく劣り、実用レベルではない。フタロシアニン系染料が耐性に優れているのは公知(特許文献3)だが、その色特性は青色ではなく、一般に赤味のあるシアン調であるため、鮮明な青色画素を形成できない。カラーフィルターにおいて鮮明な青色画素でなおかつ信頼性に優れた耐性の高い色材を含む着色樹脂組成物が必要とされているがほとんど実用化されていないのが現状である。従って、次世代として鮮明な青色でかつ耐性に優れた高品位なカラーフィルターが求められている。
本発明は、耐熱性に優れ、高いコントラストを有する信頼性の高いカラーフィルターの画素を提供することを目的とする。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、カラーフィルターの画素に、特定の色材化合物を含む着色樹脂組成物を使用することによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(1) 下記式(1)で示される色材化合物、バインダー樹脂、溶剤、及び硬化剤を含有するカラーフィルター用着色樹脂組成物
(式(1)においてR1〜R6はそれぞれ独立に水素原子、C1−C30のアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表すが、少なくとも1つはC1−C30のアルキル基である。R7〜R20は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、C1−C6のアルキル基を表す。アニオン部のX1〜X5は、フッ素原子もしくは水素原子あるいはC1−C6のアルキル基であるが、その少なくとも一つはフッ素が置換されているフルオロフェニルボレートアニオンである。)、
(2)テトラキスペンタフルオロフェニルボレートアニオンをアニオン部とするトリアリールメタン化合物を含む(1)に記載の着色樹脂組成物、
(3)金属フタロシアニン顔料を含む(1)又は(2)に記載の着色樹脂組成物、
(4)(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の着色樹脂組成物を用い、パターニングされてなるカラーフィルター用着色硬化膜、
(5)(4)に記載のカラーフィルター用着色硬化膜からなるカラーフィルター、
(6)(5)に記載のカラーフィルターを装着してなる表示装置、
(7)(5)に記載のカラーフィルターを装着してなる固体撮像素子、
に関する。
(1) 下記式(1)で示される色材化合物、バインダー樹脂、溶剤、及び硬化剤を含有するカラーフィルター用着色樹脂組成物
(2)テトラキスペンタフルオロフェニルボレートアニオンをアニオン部とするトリアリールメタン化合物を含む(1)に記載の着色樹脂組成物、
(3)金属フタロシアニン顔料を含む(1)又は(2)に記載の着色樹脂組成物、
(4)(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の着色樹脂組成物を用い、パターニングされてなるカラーフィルター用着色硬化膜、
(5)(4)に記載のカラーフィルター用着色硬化膜からなるカラーフィルター、
(6)(5)に記載のカラーフィルターを装着してなる表示装置、
(7)(5)に記載のカラーフィルターを装着してなる固体撮像素子、
に関する。
本発明の着色樹脂組成物は、特定の色材化合物を含む着色樹脂組成物を使用することによって、耐熱性に優れ、かつ高いコントラストを有する高品位のカラーフィルター用の青色画素を提供することができる。
本発明の着色樹脂組成物は、バインダー樹脂、溶剤、硬化剤、及び特定の色材化合物を含有し、必要に応じて、他の顔料もしくは染料等の色材化合物、界面活性剤、光重合開始剤、熱硬化剤、重合禁止剤、及び紫外線吸収剤等の各種添加物を含有させることが出来、これらに限定されるものではなく、特定の色材化合物以外の成分としては特に制限無く使用できる。
本発明の着色樹脂組成物を用いた画素製造方法としては、主にフォトリソグラフィー法とインクジェット法が挙げられ、前者には光重合開始剤を用いた現像性に優れた感光性樹脂組成物が用いられ、後者は必ずしも光重合開始剤を必要とせず熱硬化性樹脂組成物が用いられる。
本発明に使用される特定の色材化合物は前記式(1)で表される。上記式(1)のR1〜R6において、C1−C12のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、1−メチルプロピル基(s−ブチル基)、イソブチル基、ペンチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、シクロへキシル基、ヒドロキシプロピル基、2−スルホエチル基、カルボキシエチル基、シアノエチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2−ヘプチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、アラキル基、エイコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基、イソヘプチル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、イソンデシル基、イソドデシル基、イソトリデシル基、イソテトラデシル基、イソペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソヘプタデシル基、イソオクタデシル基、イソノナデシル基、イソアラキル基、イソエイコシル基、イソヘンイコシル基、イソドコシル基、イソトリコシル基、イソテトラコシル基、イソペンタコシル基、イソヘキサコシル基、イソヘプタコシル基、イソオクタコシル基、イソノナコシル基、イソトリアコンチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、1−メチルヘプチル基、1−シクロヘキシルエチル基、1−ヘプチルオクチル基、2−メチルシクロへキシル基、3−メチルシクロへキシル基、4−メチルシクロへキシル基、2,6−ジメチルシクロへキシル基、2,4−ジメチルシクロへキシル基、3,5−ジメチルシクロへキシル基、2,5−ジメチルシクロへキシル基、2,3−ジメチルシクロへキシル基、3,3,5−トリメチルシクロへキシル基、4−t−ブチルシクロへキシル基、2−エチルヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等が挙げられる。
一般式(1)のR1〜R6において、フェニル基又はベンジル基は置換基を有しても良く、その置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等の(C1−C5)アルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、スルホン酸基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基等の(C1−C6)アルコキシ基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシ(C1−C5)アルキル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、ブトキシエチル基等の(C1−C5)アルコキシ(C1−C5)アルキル基、2−ヒドロキシエトキシ基等のヒドロキシ(C1−C5)アルコキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基等のアルコキシ(C1−C5)アルコキシ基、2−スルホエチル基、カルボキシエチル基、シアノエチル基等が挙げられる。
一般式(1)のR7〜R20において、C1−C6アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、ヒドロキシプロピル基、2−スルホエチル基、カルボキシエチル基、シアノエチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。
一般式(1)におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(1)のR7〜R20としては、水素原子、塩素原子、または無置換のC1−C6アルキル基が好ましい。
一般式(1)のアニオン部の置換基X1〜X5としては、フッ素原子、水素原子またはC1−C6のアルキル基が挙げられ、該アルキル基としては前記のR7〜R20におけるのと同じ意味を表す。中でもフッ素原子が好ましく、アニオン部としてはテトラキスペンタフルオロフェニルボレートアニオンが特に好ましい。
一般式(1)で表される色材化合物の具体例を表1に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、表1中のアニオン部はテトラキスペンタフルオロフェニルボレートアニオンであり、カチオン部の置換アルキル基R1〜R20について示す。
表1
表1中、置換基Rについて、Meはメチル基、Etはエチル基、n−Buはノルマルブチル基、i−Prはイソプロピル基、i−Buはイソブチル基、i−Penはイソペンチル基、i−Hepはイソヘプチル基、t−Buはターシャリーブチル基、CHはシクロヘキシル基、MeCHはメチルシクロヘキシル基、Phはフェニル基をそれぞれ表す。
表1中、置換基Rについて、Meはメチル基、Etはエチル基、n−Buはノルマルブチル基、i−Prはイソプロピル基、i−Buはイソブチル基、i−Penはイソペンチル基、i−Hepはイソヘプチル基、t−Buはターシャリーブチル基、CHはシクロヘキシル基、MeCHはメチルシクロヘキシル基、Phはフェニル基をそれぞれ表す。
本発明の着色樹脂組成物に用いられる色材化合物は、例えば、株式会社技報堂発行の細田豊著「理論製造染料化学」(373〜375頁)に記載された既知の合成法で得られるが、一般式(1)のアニオン部が塩素アニオンである市販品を購入し、対応する塩または酸を加え塩交換することにより合成することも可能である。
本発明における色材化合物を塩交換により合成する場合は、例えば、一般式(1)のアニオン部が塩素アニオンである色材化合物を反応溶媒(例えば、水、またはメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、N,N−ジメチルホルアミド(以下DMFと略記)、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略記)等の水溶性極性溶媒が挙げられ、これらの溶媒は単独、または混合してもよい。)に溶解し、対応する塩または酸を0.5〜3当量程度加え、所定温度(例えば0〜100℃)で攪拌し、析出した結晶をろ取する事により容易に得られる。
本発明の着色樹脂組成物の全固形分(色材化合物、バインダー樹脂、硬化剤等から成る固形分の総量を指す。以降も同義で用いられる。)中に含まれる前記式(1)で表される色材化合物の含有量は、好ましくは0.1〜60質量部、より好ましくは3〜30質量部である。この範囲よりも含有量が多い場合、析出や凝集の問題が発生したり、硬化不十分のために基板との密着性の低下を引き起こす。含有量が少ない場合は大きな問題は無いが、色特性としては十分な色純度を得られない傾向がある。
前記式(1)で表される色材化合物の着色樹脂組成物への溶解性が低い場合には、後述する任意成分である顔料と同様に、分散剤や分散助剤等を用いて分散させてもよい。前記式(1)で表される色材化合物は2種以上を混合しても単独で使用してもよいが、他の染料や顔料を混合してもよい。本発明は青色画素に関するものなので、公知の青色染料やバイオレット染料、または青色顔料やバイオレット顔料等と混合することが望ましい。
本発明で用いられるバインダー樹脂とは、顔料分散時の分散安定性のため、分散剤、分散助剤として機能し、また一方でフォトリソグラフィー法の設計としては、カラーフィルター製造時の現像処理工程において用いられるアルカリ性現像液に可溶であることが望ましく、さらには良好な微細パターンを形成するために光重合開始剤、光重合性モノマー等との十分な硬化特性を有しているものが望ましい。得られる顔料分散樹脂組成物は光重合開始剤、光重合性モノマー、顔料分散液等の構成材料との相溶性が良く、析出や凝集等を起こさないよう安定でなければならない。インクジェット法の場合は特にアルカリ可溶性は必要ではないため、他の色材化合物や添加剤との相溶性の良い樹脂を選択すればよい。
バインダー樹脂としては公知の樹脂を使用することもできるが、より好ましくは以下に挙げる1個以上のカルボキシル基、または水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーあるいは他の共重合可能な芳香族炭化水素基や脂肪族炭化水素基を有するエチレン性不飽和モノマー等の共重合体であることが望ましい。また、これらの側鎖もしくは末端等にエポキシ基を有したもの、さらにアクリレートを付加させたエポキシアクリレート樹脂も使用できる。これらのモノマー等は単独でも2種以上組み合わせても良い。
本発明で使用できる前記カルボキシル基含有不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、エタクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸(無水物)類;3価以上の不飽和多価カルボン酸(無水物)類、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタアクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシエチルフタル酸等を挙げることができる。これらのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明で使用できる前記水酸基含有不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシ−3−メチル−ペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノ(メタ)アクリレート、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、前記他の不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレートヒドロキシエチル化物、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、フェニルノルボニル(メタ)アクリレート、シアノノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、フェンチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル=(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−4−メチル=(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環骨格類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキル末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−(メタ)アクリロイルフタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、マレイミド等の不飽和アミドあるいは不飽和イミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリn−ブチルアクリレート、ポリn−ブチルメタクリレート、ポリシリコーン等の重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類等を挙げることができる。これらの他の不飽和モノマーは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、共重合体の側鎖に更に不飽和二重結合を導入した重合体も有用である。例えば、無水マレイン酸と共重合可能なスチレン、ビニルフェノール、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド等との共重合物の無水マレイン酸部に、ヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキシル基を有するアクリレートやグリシジルメタクリレート等のエポキシ基を有するアクリレートを反応させハーフエステル化した化合物、およびアクリル酸、アクリル酸エステルとヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキシル基を有するアクリレートとの共重合体の水酸基にアクリル酸を反応せしめた化合物等が挙げられる。また、ウレタン樹脂やポリアミド、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、市販のACA−200M(ダイセル社製)、ORGA−3060(大阪有機化学製)、AX3−BNX02(日本触媒製)、UXE−3024(日本化薬製)、UXE−3000(日本化薬製)、ZGA−287H(日本化薬製)、TCR−1338H(日本化薬製)、ZXR−1722H(日本化薬製)、ZFR−1401H(日本化薬製)、ZCR−1642(日本化薬製)も使用することができる。
一般に顔料を分散する際には分散剤、分散助剤を使用する。顔料に対して良好な吸着性を有する色素系分散剤、樹脂系分散剤や界面活性剤等がある。例えば、色素系分散剤としては上記の特許文献4にあるような顔料のスルホン化物あるいはその金属塩を顔料と混和する方法や置換アミノメチル誘導体を混和する方法等が公知の技術として知られている。樹脂系分散剤としては無極性のノニオン系のものもあるが、良好な顔料吸着性を付す酸価、アミン価等を有する高分子樹脂が一般的であり、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカルボン酸、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。その具体例としては、例えば、ED211(楠本化成製)、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ製)ソルスパース71000(アビシア製)等が挙げられる。
本発明で用いられるバインダー樹脂(共重合体)を製造する場合は、重合開始剤を使用する。ここで共重合体を合成するときに使用される重合開始剤としては、例えば、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、t−ブチルパーオクトエート、ジt−ブチルパーオキシド過酸化ベンゾイルメチルエチルケトンパーオキシド等を挙げることができる。重合開始剤の使用割合は、共重合体の合成に使用する全ての単量体の合計に対して、0.01〜25質量部である。また、共重合体を合成する場合は、下記で説明する有機溶剤を使用するのが好ましいが、使用する単官能のモノマーや重合開始剤等に対して十分な溶解力を有するものを使用する。共重合体を合成するときの反応温度は50〜120℃であることが好ましく、特に好ましくは80〜100℃である。また、反応時間は1〜60時間であることが好ましく、より好ましくは3〜20時間である。共重合体の好ましい酸価は10〜300(mgKOH/g)であり、好ましい水酸基価は10〜200(mgKOH/g)である。酸価もしくは水酸基価が10以下の場合は現像性が低下する。共重合体の重量平均分子量(Mw)は2000〜400000が好ましく、3000〜100000がより好ましい。この重量平均分子量が2000以下、あるいは400000以上では、感度および現像性等が低下する。
本発明において、前記バインダー樹脂は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明におけるバインダー樹脂の含有量は、着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、通常、0.5〜99質量部、好ましくは5〜50質量部である。この場合、バインダー樹脂の含有量が0.5質量部未満では、アルカリ現像性が低下したり、画素が形成される部分以外の領域での地汚れや膜残り等の問題が発生する可能性がある。
本発明で使用する硬化剤としては、ラジカル重合の場合は光重合モノマー、イオン硬化の場合はエポキシ樹脂、その他にメラミン硬化剤等が挙げられる。これらの具体例は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−F型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−フルオレン型エポキシジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、9,9−ビス〔4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕フルオレン、カヤラッドRP−1040(日本化薬製)、カヤラッドDPCA−30(日本化薬製)、カヤラッドDPEA−12(日本化薬製)、UA−33H(新中村化学製)、UA−53H(新中村化学製)、M−8060(東亞合成製);チオール系重合モノマーとして、TEMPIC(堺化学製)、TMMP(堺化学製)、PEMP(堺化学製)、DPMP(堺化学製);エポキシ樹脂としては、日本化薬製品のNC−6000、NC−3000、EOCN−1020、XD−1000、EPPN−501H、BREN−S、NC−7300L、ダイセル化学製品のセロキサイト2021P、EHPE3150、サイクロマーM100、エポリードPB3600、ジャパンエポキシレジン製品のエピコート828、エピコートYX8000、エピコートYX4000、サイラエースS510(チッソ)、TEPIC(日産化学工業)等;メラミン硬化剤としてはメチロール化メラミンやMw−30(三和ケミカル)等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。これらの含有量は、着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して1〜80質量部、好ましくは5〜30質量部である。
本発明の着色樹脂組成物に併用できる色素は、カラーフィルターに適合する分光特性を有するものが好ましく、染料、有機顔料、無機顔料の中から適宜選択することが出来、必要に応じて単独又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの含有量は、着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して0〜60質量部、好ましくは5〜30質量部である。これらの各種顔料および染料について以下に示す。
本発明に併用できる有機顔料としては特に制限はないが、例えば、アントラキノン系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系、ベンゾイミダゾロン系、キナクリドン系、アゾキレート系、アゾ系、イソインドリン系、イソインドリノン系、ピランスロン系、インダスロン系、アンスラピリミジン系、ジブロモアンザンスロン系、フラバンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、キノフタロン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、キナクリドン系、キサンテン系等の顔料;酸性染料、塩基性染料、直接染料等をそれぞれの沈澱剤で不溶化したレーキ顔料、染付けレーキ顔料等が挙げられる。より具体的にはカラーインデックスで、例えば、ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79;ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50;ピグメントバイオレット3、4、27,39等が挙げられる。特にピグメントブルー15:6やピグメントバイオレット23等の金属フタロシアニン顔料が色相や耐性等が良好により好ましい。
本発明に併用できる無機顔料としては特に制限はないが、例えば、複合金属酸化物顔料、カーボンブラック、黒色低次酸化チタン、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、アンチモン白、鉄黒、鉛丹、硫化亜鉛、カドニウムエロー、カドニウムレッド、亜鉛、マンガン紫、コバルト紫、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等の金属酸化物、金属硫化物、硫酸塩、金属水酸化物、金属炭酸塩等が挙げられる。
本発明に併用できる染料は特に制限はなく、酸性染料、塩基性染料、直接染料、硫化染料、建染染料、ナフトール染料、反応染料、分散染料等が挙げられる。中でも有機溶剤に可溶なものであれば良いが、有機溶剤に不溶な染料でも分散体とする事で適宜使用することができる。
前記において有機溶剤に不溶な染料はよく知られた処方として、例えば酸性染料や塩基性染料の場合は、有機アミン化合物(例えばn−プロピルアミン、エチルヘキシルプロピオン酸アミン等)を反応させアミン塩染料に変性するか、又はそのスルホン酸基に同有機アミン化合物を反応させてスルホンアミド基を有する染料等に変性することが知られている。それらアミン変性した染料も本発明の着色樹脂組成物に使用可能である。その具体的な染料としては、カラーインデックスで、例えば、ソルベントブルー2、3、4、5、6、23、35、36、37、38、43、48、58、59、67、70、78、98、102、104;ベーシックブルー7;アシッドブルー80、83、90;バイオレット染料としてソルベントバイオレット8、9;バイオレット4、5、14;ベーシックバイオレット10等が挙げられる。
フォトグラフィー法に用いられる本発明の着色樹脂に添加される光重合開始剤としては、露光光源として一般的に用いられる超高圧水銀灯から射出される紫外線に充分感度を有するものが好ましく、ラジカル重合性の光ラジカル開始剤、イオン硬化性の光酸発生剤もしくは光塩基発生剤等が挙げられる。光重合では、より少ない露光エネルギーで硬化をさせるような増感剤と呼ばれる重合促進剤の成分を組み合わせて使用することができる。使用できる光重合開始剤は特に制限は無いが、具体例としては、ベンジル、ベンゾインエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸のエステル化物、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、ベンジルジメチルケタール、2−ブトキシエチル−4−メチルアミノベンゾエート、クロロチオキサントン、メチルチオキサントン、エチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、ジメチルアミノメチルベンゾエート、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4−ビス(トリブロモメチル)−6−(4’−メトキシフェニル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1,3−ベンゾジオキソラン−5−イル)−1,3,5−s−トリアジン、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−O−ベンゾアート、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−O−アセタート、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1−オンオキシム−O−アセタート、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、P−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、2,2’−ビス(O−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、ジアゾナフトキノン系開始剤、また市販のカヤキュアーDMBI、カヤキュアーBDMK、カヤキュアーBP−100、カヤキュアーBMBI、カヤキュアーDETX−S、カヤキュアーJETX、カヤキュアーEPA(いずれも日本化薬製)、ダロキュアー1173、ダロキュアー1116(いれもメルクジャパン製)、イルガキュアー907、イルガキュアー369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、イルガキュアー379EG(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、イルガキュアーOXE−01(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、イルガキュアーOXE−02(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、イルガキュアーPAG103(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、TME−トリアジン(三和ケミカル製)、ビイミダゾール(黒金化成製)、STR−110、STR−1(いずれもレスペケミカル製)等が挙げられる。
インクジェット法等で用いられる熱硬化性樹脂組成物の場合は、一般に熱重合開始剤が用いられるが、必要により光重合開始剤を併用しても良い。熱重合開始剤としてはアゾ系化合物や有機過酸化物系のものがあるが、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過酸化ジ−t−ブチル、ジベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシネオデカノエート等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、必要に応じて単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらの含有量は、着色樹脂性組成物の全固形分を100質量部としたとき0.5〜50質量部、好ましくは1〜25質量部である。
本発明に用いる有機溶剤は、着色樹脂組成物の構成成分であるバインダー樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤等に対して十分な溶解力を有し、バインダー樹脂の合成に用いる単官能のモノマーや重合開始剤等に対しても十分な溶解力を有するものが使用できる。また、顔料分散体を作成する際にも分散安定性を保つことができるものが使用できる。
本発明に用いる有機溶剤は、使用可能であれば、特に制限はないが、具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等のベンゼン類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブ酢酸エステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル酢酸エステル類;メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のプロピオン酸エステル類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、等が挙げられる。
これらは単独もしくは2種以上組み合わせて使用してもよい。また、有機溶剤の使用量は、着色樹脂組成物の全固形分100質量部に対して40〜10000質量部が好ましく、100〜1000質量部がより好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、前記の、バインダー樹脂、硬化剤、光重合開始剤、特定の色材化合物、有機溶剤等を、ディゾルバーやホモミキサー等により混合撹拌して製造される。又、必要に応じて他の顔料や染料を加えることもできるが、顔料や溶解性の低い染料である場合は、適当な分散剤を用いてペイントシェーカー等の分散機により分散体を得て、着色樹脂組成物に加えて混合される。
本発明の着色樹脂組成物は、必要に応じて、さらに各種添加剤、例えば、充填剤、界面活性剤、熱重合防止剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を添加することができる。又、本発明の着色樹脂組成物は、その調製後に異物等を取り除くためフィルター等で精密濾過することも出来る。
次に本発明の着色樹脂組成物からその硬化物を調製する方法について説明する。先ず、本発明の着色樹脂組成物をガラス基板、シリコン基板等の基板上に、スピンコート法、ロールコート法、スリットアンドスピン法、ダイコート法、バーコート法等の方法で、膜厚が0.1〜20μm、好ましくは0.5〜5μmになるように塗布し、必要に応じて、減圧チャンバー内で、乾燥条件、温度23〜150℃下で時間1〜60分、より好ましくは温度60〜120℃下で時間1〜10分で減圧乾燥を行い、さらにホットプレートもしくはクリーンオーブン等でプリベーク処理を行い製膜する。次に一般的なフォトリソグラフィー法により所定のマスクパターンを通して放射線(例えば電子線、紫外線。好ましくは紫外線)を照射し、界面活性剤水溶液、アルカリ水溶液、又は界面活性剤とアルカリ剤の混合水溶液で現像する。現像方式としては、ディップ法、スプレー法、シャワー法、パドル法、超音波現像法等あるが、これらのいずれかを組み合わせても良い。現像により未照射部を取り除き、水でリンスした後、ポストベーク処理、処理は例えば、温度130〜300℃下で時間1〜120分、より好ましくは温度150〜250℃下で時間1〜30分の条件で行い、本発明の着色硬化膜からなる画素を得る。
上記において界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等が使用出来る。又、アルカリ剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ジエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等が使用される。本発明においては、アルカリ剤と界面活性剤の両方を含む水溶液の使用が好ましい。現像は、が通常10〜50℃、好ましくは20〜40℃の処理温度下で、通常30〜600秒、好ましくは30〜120秒の処理時間で行われる。
本発明の着色樹脂組成物の硬化物は液晶表示装置、有機ELディスプレイ、あるいはデジタルカメラ等に使用される固体撮像素子、等に好適なカラーフィルターとして有用であり、そのカラーフィルターは前記のようにして調製された本発明の着色樹脂組成物の硬化物からなるパターン化された画素を有する。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置は、例えばバックライト、偏光フィルム、表示電極、液晶、配向膜、共通電極、本発明のカラーフィルター、偏光フィルム等がこの順に積層した構造で作製される。有機ELディスプレイは多層の有機発光素子の上もしくは下のどちらか一方に本発明のカラーフィルターを形成して作製される。また、固体撮像素子は、例えば、転送電極、フォトダイオードを設けたシリコンウエーハーの上に、本発明のカラーフィルター層を設け、ついでマイクロレンズを積層することにより作製される。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは無い。尚、実施例中、「部」は特定しない限り「質量部」を、「%」は「質量%」をそれぞれ意味する。また、分光特性を分光光度計「島津製作所UV−3150」により分光透過率を測定し、XYZ表色系における色度を算出し、着色体の耐性を評価した。
合成例1
500mlビーカーに下記式(100)のBasic Blue7(東京化成工業製、分解温度:217℃)2部を水150部に溶解し、攪拌しながら、10%テトラキスペンタフルオロフェニルボレートのナトリウム塩水溶液(日本触媒製)30部を加えた。3時間攪拌した後、析出した結晶をろ取、水洗、乾燥し、表1の化合物No.1を0.5部得た。分解温度:236℃
500mlビーカーに下記式(100)のBasic Blue7(東京化成工業製、分解温度:217℃)2部を水150部に溶解し、攪拌しながら、10%テトラキスペンタフルオロフェニルボレートのナトリウム塩水溶液(日本触媒製)30部を加えた。3時間攪拌した後、析出した結晶をろ取、水洗、乾燥し、表1の化合物No.1を0.5部得た。分解温度:236℃
合成例2 (バインダー樹脂(共重合体)の調製)
500mlの四つ口フラスコにメチルエチルケトン160部、メタクリル酸10部、ベンジルメタクリレート33部、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)1部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素ガスをフラスコ内に流入した。その後、80℃まで昇温し、80〜85℃でそのまま4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明で均一な共重合体溶液を得た。これをイソプロピルアルコールと水の1:1混合溶液中で沈殿させ、濾過し、固形分を取り出し、乾燥させ、共重合体(A)を得た。得られた共重合体(A)のポリスチレン換算重量平均分子量は18000であり、酸価は152であった。
500mlの四つ口フラスコにメチルエチルケトン160部、メタクリル酸10部、ベンジルメタクリレート33部、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)1部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素ガスをフラスコ内に流入した。その後、80℃まで昇温し、80〜85℃でそのまま4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明で均一な共重合体溶液を得た。これをイソプロピルアルコールと水の1:1混合溶液中で沈殿させ、濾過し、固形分を取り出し、乾燥させ、共重合体(A)を得た。得られた共重合体(A)のポリスチレン換算重量平均分子量は18000であり、酸価は152であった。
実施例1
バインダー樹脂として共重合体(A)5.7部、光重合性モノマーとしてカヤラッドDPHA(日本化薬製)6部、光重合開始剤としてイルガキュアー907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)2.4部、化合物No.1を0.6部、溶剤としてシクロペンタノン17部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.3部、それぞれを混合し、本発明の着色樹脂組成物を得た。
バインダー樹脂として共重合体(A)5.7部、光重合性モノマーとしてカヤラッドDPHA(日本化薬製)6部、光重合開始剤としてイルガキュアー907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)2.4部、化合物No.1を0.6部、溶剤としてシクロペンタノン17部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.3部、それぞれを混合し、本発明の着色樹脂組成物を得た。
実施例2
C.I.ピグメントブルー15:6/アジスパーPB821/ソルスパース5000/PGMEA=15.0/6.0/1.0/78.0(質量比)の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ400質量部を添加し、ペイントシェーカーで60分間処理を行い、ろ過することにより、顔料分散液1を得た。実施例1に顔料分散液1を24部加えて、本発明の着色樹脂組成物を得た。
C.I.ピグメントブルー15:6/アジスパーPB821/ソルスパース5000/PGMEA=15.0/6.0/1.0/78.0(質量比)の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ400質量部を添加し、ペイントシェーカーで60分間処理を行い、ろ過することにより、顔料分散液1を得た。実施例1に顔料分散液1を24部加えて、本発明の着色樹脂組成物を得た。
比較例1:化合物No.1を従来よりある鮮明な青色特性を有する染料であるBasic Blue7に変更する以外は実施例1と同じ組成とした。
比較例2:化合物No.1を実施例2の顔料分散液1の50部に変更する以外は実施例1と同じ組成とし、樹脂組成物を得た。
上記で得られた着色樹脂組成物(実施例1及び2)を前記基板上に塗布し、80℃×100秒の条件でプレベークした後、マスクを介して露光による硬化後、界面活性剤を含有するアルカリ水溶液で現像し、水でリンス後、200℃にて加熱しパターンを得た。得られたパターンは、ラインアンドスペースにて5μm角の解像性を持ち、残渣、画素の剥がれ等は確認されなかった。
耐熱性、コントラストの評価について
耐熱性および耐光性評価用の基板は、前記と同様にガラス基板に各組成物を塗布し、全面露光を行い、ポストベーク200℃で5分間処理をして作成した。その後、以下に記載の通りに各評価を行った。
耐熱性については評価用基板を分光光度計により透過率を測定し、次いで200℃で40分間処理した後、再び分光透過率を測定し、色差(ΔEab)を算出して評価した。
コントラストは、上記評価用基板を用いて、コントラスト計(壷坂電機製CT−1)により、2枚の偏光板の平行時の輝度値(cd/cm2)と直交時の輝度値(cd/cm2)の比(平行時の輝度値/直交時の輝度値)から、コントラストを算出した。耐熱性の評価結果は表2に、コントラストの評価結果は表3に示した。
耐熱性および耐光性評価用の基板は、前記と同様にガラス基板に各組成物を塗布し、全面露光を行い、ポストベーク200℃で5分間処理をして作成した。その後、以下に記載の通りに各評価を行った。
耐熱性については評価用基板を分光光度計により透過率を測定し、次いで200℃で40分間処理した後、再び分光透過率を測定し、色差(ΔEab)を算出して評価した。
コントラストは、上記評価用基板を用いて、コントラスト計(壷坂電機製CT−1)により、2枚の偏光板の平行時の輝度値(cd/cm2)と直交時の輝度値(cd/cm2)の比(平行時の輝度値/直交時の輝度値)から、コントラストを算出した。耐熱性の評価結果は表2に、コントラストの評価結果は表3に示した。
表2の評価結果から、本発明の実施例1及び2は比較例1の従来型の染料と比較して耐熱性が向上していることが分かった。実施例2については顔料を併用したものであるが、本発明の色材化合物と顔料を混合しても特に析出することなく良好な結果を示している。
表3の結果から、本発明の実施例1は比較例2の従来型の顔料と比べて、コントラストが大きく向上していることがわかった。さらに実施例2は顔料と染料の組み合わせであるが、これも比較例2と比べてコントラストは向上していることがわかった。本発明の色材化合物は他の染料を混合しても特に析出することなく良好な結果を示し、さらに顔料との組み合わせでも良好な結果を示している。
表3の結果から、本発明の実施例1は比較例2の従来型の顔料と比べて、コントラストが大きく向上していることがわかった。さらに実施例2は顔料と染料の組み合わせであるが、これも比較例2と比べてコントラストは向上していることがわかった。本発明の色材化合物は他の染料を混合しても特に析出することなく良好な結果を示し、さらに顔料との組み合わせでも良好な結果を示している。
以上より、特定の染料系色材化合物を用いた本発明の着色樹脂組成物は、鮮明で、優れたカラーフィルター特性(耐熱性、コントラスト等)を有しており、高品位で信頼性の高いカラーフィルター用画素を得ることができる。また、用途に応じて顔料や他の染料とも良好に混ぜ合わせて使用することができ、幅広い適用性を示しているので、産業的な価値が高いと言える。
Claims (7)
- テトラキスペンタフルオロフェニルボレートアニオンをアニオン部とするトリアリールメタン化合物を含む請求項1に記載の着色樹脂組成物。
- 金属フタロシアニン顔料を含む請求項1又は2に記載の着色樹脂組成物。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物を用い、パターニングされてなるカラーフィルター用着色硬化膜。
- 請求項4に記載のカラーフィルター用着色硬化膜からなるカラーフィルター。
- 請求項5に記載のカラーフィルターを装着してなる表示装置。
- 請求項5に記載のカラーフィルターを装着してなる固体撮像素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010246194A JP2012098522A (ja) | 2010-11-02 | 2010-11-02 | 着色樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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