JP2020158971A - 免振用ダンパとそれを用いた建物基礎の免振構造 - Google Patents

免振用ダンパとそれを用いた建物基礎の免振構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2020158971A
JP2020158971A JP2019056552A JP2019056552A JP2020158971A JP 2020158971 A JP2020158971 A JP 2020158971A JP 2019056552 A JP2019056552 A JP 2019056552A JP 2019056552 A JP2019056552 A JP 2019056552A JP 2020158971 A JP2020158971 A JP 2020158971A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foundation
bending
damper
vibration isolation
base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019056552A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7168501B2 (ja
Inventor
正利 高田
Masatoshi Takada
正利 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2019056552A priority Critical patent/JP7168501B2/ja
Publication of JP2020158971A publication Critical patent/JP2020158971A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7168501B2 publication Critical patent/JP7168501B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Springs (AREA)

Abstract

【課題】建物の基礎の、基礎立ち上がり部自体に免振機能を持たせることができる免振用ダンパを提供することを課題としている。【解決手段】免振用ダンパ1を、凹形湾曲部2aと逆曲げ部2dを介して凹形湾曲部2aに連なったストレート部2b,2cを有し、前記ストレート部2b,2cは、外周にナットを螺合させる雄ねじ4を有している複数本の丸鋼のばね鋼製の屈曲ロッド2と、その複数本の屈曲ロッドの凹形湾曲部2aの中間付近に遊嵌された拘束リング3とで構成し、建物の基礎の基礎立ち上がり部のコンクリート中に埋設される鋼製束と前記基礎立ち上がり部上に設けられる土台との間に介在するようにした。【選択図】図1

Description

この発明は、建物の土台を支えるベタ基礎や布基礎の、基礎立ち上がり部のコンクリート中に埋設して使用する免振用ダンパとそれを用いた建物基礎の免振構造に関する。
建物の布基礎などを、振動の減衰効果を生じさせて保護する建築物の免振構造として、例えば、下記特許文献1に示されるものが知られている。
特許文献1に示されるその免振構造は、建物の基礎とその基礎で支える土台との間に振動絶縁手段を介在し、さらに、湾曲した金属製の連結部材を基礎立ち上がり部の側方に配置し、その連結部材の一端を土台に、他端を基礎立ち上がり部にそれぞれ固定したものである。
土台の支持は、一般的な方法では、基礎立ち上がり部のコンクリート中に植設されたアンカーボルトを介して基礎立ち上がり部に土台を固定する方法でなされており、基礎に対する土台の水平方向の相対移動が許容されない。
これに対し、特許文献1の免振構造は、基礎と土台との間に振動絶縁手段を介在することで、基礎に対する土台の水平方向変位を可能にしている。また、前記連結部材を、基礎と土台の相対変位が起こったときに変形してその相対変位を許容することで、基礎に対する土台の連結状態を確保しつつ免振効果を発揮させるようにしている。
特開2008−280818号公報
上記特許文献1の免振構造は、基礎が健全であることを前提にして土台に支持された建物などの上部構造物を地震等の外部荷重から保護するものになっている。
鉄骨や木製の土台を有する一般的な建物は、ベタ基礎や布基礎の基礎立ち上がり部上に土台をアンカーボルトで連結して設置しており、大きな外部荷重を受けると基礎立ち上がり部が損壊することが考えられる。
これに対し、土台とその土台に支持された上部構造物の水平方向相対変位が許容される状態になっていると、上部構造物が受けた外部荷重が土台と上部構造物の水平方向相対変位によって吸収されて土台に伝わる荷重が低減する。
そのために、特許文献1の免振構造によれば、基礎立ち上がり部の保護効果も期待できるが、同文献1の免振構造は、布基礎などの基礎立ち上がり部自体に免振機能を付与するものではなく、基礎立ち上がり部の横荷重(側圧)に対する耐性を高めるものでもない。
特許文献1の免振構造に採用されている前記連結部材は、棒鋼を曲げ加工したものである。上部構造物が木造家屋などの小型建築物であれば、そのような連結部材でも外部荷重印加時に土台に対して相対移動する上部構造物を安定して引き留めることができる。
しかしながら、上部構造物が鉄骨、或いは、軽量鉄骨造りの自重の大きいビルや家屋などの建物であると、特許文献1が示しているような連結部材では、相対変位する上部構造物の安定引き留めが困難である。そのため、基礎立ち上がり部と土台の連結は、基礎立ち上がり部に植設したアンカーボルトを介して行わざるを得ない。
その基礎立ち上がり部に植設されたアンカーボルトを介しての連結では、上部構造物が受けた外部荷重がアンカーボルト経由で横荷重となって基礎立ち上がり部に伝達される。
ところが、ベタ基礎や布基礎の基礎立ち上がり部は、コンクリート中に主筋と立ち上がり補強筋を埋設して補強されたものが一般的であって、上部構造物が鉄骨造りの重量の大きなものであると縦荷重や横荷重に対して充分と言えるほどの強度を確保するのが難しくなる。
基礎立ち上がり部は、内、外の二側面間の厚みが規制されるため、あばら筋を埋設するなどの強度向上策は採り難い。
このため、基礎立ち上がり部の縦荷重と横荷重に対する耐性を、施工規制などを受けない構造を採用して高めることが望まれていた。
この発明は、基礎立ち上がり部自体に免振機能を持たせることができる免振用ダンパと、それを用いた建物基礎の免震構造を提供して上記の要求に応えることを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、ベタ基礎、又は布基礎の基礎立ち上がり部のコンクリート中に埋設して使用する免振用ダンパを提供する。
その免振用ダンパは、長手方向中央部に凹形湾曲部を、その凹形湾曲部を境にした両側に長手方向に延びるストレート部をそれぞれ有し、前記凹形湾曲部と前記ストレート部が、前記凹形湾曲部の湾曲方向と反対向きに湾曲した逆曲げ部を介して連なっている複数本の丸鋼のばね鋼製の屈曲ロッドと、
その複数本の屈曲ロッドの動きを拘束する拘束リングとからなり、
前記屈曲ロッドのストレート部は、外周にナットを螺合させる雄ねじを有し、前記複数本の屈曲ロッドは中央部が凹形に湾曲してくびれた起立配置の仮想円柱の表面に添わせて縦向きに配置され、
前記拘束リングが、前記仮想円柱の表面に添った、前記複数本の屈曲ロッドの凹形湾曲部の中間付近に遊嵌されたものである。
この発明は、前記免振用ダンパを、基礎立ち上がり部に配置して構成される建物基礎の免振構造も併せて提供する。
その免振構造は、前記免振用ダンパが、複数本の屈曲ロッドの片側のストレート部を、前記雄ねじに螺合させたナットで建物の基礎の立ち上がり部上に設置される土台に固定し、さらに、前記数本の屈曲ロッドの他側のストレート部を、前記雄ねじに螺合させたナットで基礎立ち上がり部のコンクリート中に埋設される鋼製束の上端の支持板に固定して前記鋼製束と土台との間に介在される。鋼製束は高さ調整の可能なものが用いられる。
前記免振用ダンパは、前記屈曲ロッドを偶数本組み合わせ、その偶数本の屈曲ロッドを周方向に定ピッチで配置したものが好ましい。屈曲ロッドの組み合わせ本数は偶数本、好ましくは2本又は4本にすると、相反する向きに加わる横荷重をバランス良く受けることができる。
なお、前記建物基礎の免振構造は、下記する工程を経て構築されるベタ基礎や布基礎の基礎立ち上がり部に適用する。
本願の発明者は、軽量鉄骨構造の建物を支えるベタ基礎を、以下のようにして構築する方法を先に提案している。
その構築方法は、軽量鉄骨の土台を、現場の基礎設置部に形成した捨てコンクリート上に高さ調整の可能な鋼製束で支持して配置し、その作業と土台のレベル調整(水平出し)を、基礎底盤と基礎立ち上がり部の補強用鉄筋の配筋及びコンクリート打設を行う前に実施することで、土台のレベル調整の容易化と、土台を位置基準にした補強用鉄筋の配筋の容易化を図ったものである。
この方法によれば、土台を支えた鋼製束が、後に施工される基礎立ち上がり部のコンクリート中に埋設され、これも基礎立ち上がり部の補強材として機能する。
また、土台には、基礎底盤と基礎立ち上がり部の配筋を行う前に下端側を曲げ加工してフックとなしたアンカーボルト代替の鉄筋フックが垂下して取り付けられ、その鉄筋フックに基礎立ち上がり部の主筋の一部を係合させることで基礎立ち上がり部と土台の連結が強固になされ、これらの相乗効果によって、土台の支持安定性に優れた基礎が構築される。
この発明の免振構造は、土台の支持を鋼製束とその鋼製束の上端の支持板に他端側を固定した前記免振ダンパとからなる支持具で行って土台を設置箇所に配置し、基礎立ち上がり部のコンクリートを打設する前にその土台のレベル調整を行い、その後に、基礎補強筋の配筋、基礎立ち上がり部用型枠の設置、その型枠に対する生コンクリートの投入、投入済みコンクリートの養生、固化、前記型枠の撤去の工程を経て構築される。
免振用ダンパは、型枠に対するコンクリートの投入時に、周囲を生コンクリートの流入を阻止する充填材で囲っておき、基礎立ち上がり部のコンクリート中に埋設されないようにする。
また、前記型枠は、土台の下面に添わせる数cm厚みのスペーサが含まれたものにして
その型枠に生コンクリートが投入されて形成される基礎立ち上がり部のコンクリートの上面と土台の下面との間に、免振用ダンパの弾性変形を許容するスペーサ厚み相当の隙間が形成されるようにする。
前記スペーサが小さな荷重で圧縮される発泡スチロールなどからなる場合には、そのスペーサが撤去されずに残されている部分も前記隙間とみなす。
なお、本願の発明者が先に提案している方法は、ベタ基礎を構築するものであるが、布基礎も、基礎立ち上がり部の鋼製束と土台との間に前記免振用ダンパを介在して基礎立ち上がり部に免振機能を付与することができる。
この発明の免振用ダンパは、複数本のばね丸鋼製の屈曲ロッドが、補強材及びばねとして働いて基礎立ち上がり部の縦荷重に対する耐性と水平荷重(横荷重など)に対する耐性を高める。
その複数本の屈曲ロッドは、凹形湾曲部の中間部に遊嵌されたリングによって束ねられており、そのために、縦荷重と水平荷重に対するダンパ全体の耐曲げ強度が高められ、補強材として優れた性能を発揮する。
その屈曲ロッドが、補強材として働くことで基礎立ち上がり部の縦荷重と水平荷重に対する強度が高まる。
また、土台上の上部構造物に下向きの外部荷重が加わると前記屈曲ロッドが撓んで(弾性変形して)荷重を吸収し、これにより、基礎立ち上がり部に伝達される荷重が減衰され、基礎立ち上がり部がダメージを受けることが防止される。
基礎立ち上がり部に水平方向の振動や水平荷重が加わったときにも、前記屈曲ロッドが撓んで振動、荷重を吸収し、これにより、基礎立ち上がり部に伝達される荷重が減衰され、基礎立ち上がり部が座屈するなどの大きなダメージを受けることが防止される。
この発明の免振用ダンパの一例を示す斜視図である。 図1の免振用ダンパの正面図である。 図1の免振用ダンパの平面図である。 この発明の免振用ダンパの他の例を示す正面図である。 図4の免振用ダンパの平面図である。 基礎で支持する土台を鋼製束とこの発明の免振用ダンパを組み合わせた支持具で支持した状態を示す斜視図である。 鋼製束とこの発明の免振用ダンパからなる支持具と土台の接続状態を示す図である。 この発明の免振用ダンパを採用した建物の基礎の一例の一部を示す断面図である。 建物の基礎設置部に、基礎立ち上がり部用の型枠を設置した状態を示す斜視図である。 この発明の免振用ダンパを採用したベタ基礎の基礎立ち上がり部の一部を示す側面図である。
以下、この発明の免振用ダンパと、それを用いた建物基礎の免振構造の実施の形態を添付図面の図1〜図10に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、例示の免振用ダンパ1は、同一形状に曲げ加工された4本の屈曲ロッド2と、1個の拘束リング3とからなる。
屈曲ロッド2は、丸鋼のばね鋼で形成されている。各屈曲ロッド2は、長手方向中央部に凹形湾曲部2aを有する。また、その凹形湾曲部2aを境にした両側に長手方向に延びるストレート部2b、2cをそれぞれ有し、凹形湾曲部2aとストレート部2b、2cは、凹形湾曲部の湾曲方向と反対向きに湾曲した逆曲げ部2dを介して連なっている。
上記4本の屈曲ロッド2は、中央部が凹形に湾曲してくびれた仮想円柱VC(図1、図2参照。この仮想円柱VCは起立している)の表面に添わせ、周方向に定ピッチを保って離間する状態にして縦向きに配置される。
屈曲ロッド2のストレート部2b、2cは、外周にナットを螺合させる雄ねじ4が加工されている。
拘束リング3は、仮想円柱VCの外周に添わせた4本の屈曲ロッド2の凹形湾曲部2aの中間部に遊嵌される。免振用ダンパ1が上下方向の圧縮荷重を受けたときに、各屈曲ロッド2の凹形湾曲部2aは互に離間する方向に動こうとする。拘束リング3は、その動きを止めて4本の屈曲ロッド2の束ね状態を維持する。
例示の免振用ダンパ1は、屈曲ロッド2が直径φ16mmのばね鋼(SUP10)で形成され、拘束リング3が直径φ12mmの丸鋼で形成されている。拘束リング3は、ばね鋼でなくてもよい。また、この拘束リング3は厚肉の鋼管を輪切りしたものであってもよい。
屈曲ロッド2の凹形湾曲部2aの図2に示した曲げの内側の曲げ半径R1と、逆曲げ部2dの曲げの外側の曲げ半径R2は共に50mm、拘束リング3の内径d1は48mm、外径d2は72mm、各屈曲ロッド2の凹形湾曲部2aが内接する円S(図3参照)の直径は16mm、屈曲ロッド2のストレート部2b、2cの長さLは42mm、隣り合う屈曲ロッド2の中心間距離W(これも図3参照)は60mm、免振用ダンパ1の高さHが220mmに設計されているが、これは一例に過ぎない。
屈曲ロッド2を構成するばね鋼の太さや、拘束リング3を構成する丸鋼の太さも例示の寸法に限定されない。
このように構成された免振用ダンパ1は、片側のストレート部2bを基礎立ち上がり部上に設置される土台に、他側のストレート部2cを基礎の捨てコンクリート上に配置されて基礎立ち上がり部のコンクリート中に埋設される鋼製束の上端の支持板にそれぞれナットで固定して使用される。
図4、図5の免振用ダンパ1は、2本の屈曲ロッド2と拘束リング3とで構成されたものである。このように、屈曲ロッド2が2本用いられた免振用ダンパ1も、基礎立ち上がり部の補強機能と基礎立ち上がり部に加わる荷重及び振動の減衰機能を発揮する。
図6〜図10は、図1の免振用ダンパ1を、基礎立ち上がり部のコンクリート中に埋設して構成される建物基礎の免振構造の一例を示している。
例示の免振構造は、免振用ダンパ1の4本の屈曲ロッド2の片側のストレート部2bが、図8に示すように、建物の基礎(図8のそれは基礎底板ベタ基礎)の基礎立ち上がり部12上に設置される土台13に対して、雄ねじ4に螺合させたナット14で固定される。
土台13は、軽量鉄骨等の鉄骨(H型鋼)で形成されており、その土台13のフランジ13aに加工された孔に図7、図8に示すように、屈曲ロッド2のストレート部2bが通され、そのストレート部2bの外周の雄ねじ4に螺合させた複数個のナット14で土台のフランジ13aを挟みつけて免振用ダンパ1の一端側が土台13に固定される。
また、4本の屈曲ロッド2の他側のストレート部2cは、雄ねじ4に螺合させるナット14で鋼製束15の上端の支持板15aに固定され、こうして免振用ダンパ1が鋼製束15と土台13間に介在される。
鋼製束15は、高さ調整の可能なものが用いられている。この鋼製束15は、基礎立ち上がり部12のコンクリート12a中に埋設される。
例示の免振構造を採用する建物の基礎は、下記の方法で構築される。
その構築方法は、図6〜図9に示すように、鉄骨を組み合わせて構成される土台13(図のそれは軽量鉄骨製)を、現場の基礎設置部に形成した捨てコンクリート16上に、高さ調整の可能な鋼製束15と、その鋼製束15の上端の支持板15aに他端を固定した免振用ダンパ1からなる支持具で支持して配置する。
そして、基礎底盤11と基礎立ち上がり部12の配筋及びコンクリート打設を行う前に土台13のレベル調整(水平出し)を行う。
土台13には、レベル調整の前後にアンカーとなる鉄筋フックを垂下して取り付けておくことができるが、この発明の免震構造では、免振用ダンパ1がアンカーボルトの代替となって基礎立ち上がり部12と土台13がその免振用ダンパ1を介して連結されるため、鉄筋フックは、無くてもよい。
土台13のレベル調整を終えたら、図8に示した基礎補強用鉄筋17の配筋を行う。図
8の基礎補強用鉄筋17は、ベタ基礎の底盤補強用鉄筋17aと基礎立ち上がり部補強用鉄筋17bとからなる。
図8の基礎立ち上がり部補強用鉄筋17bは、ダブル配筋の主筋17bと、ダブル配筋のあばら筋17bと、底盤補強用鉄筋17aの延長上に配置される立ち上がり補強筋17bを組み合わせたものになっている。必要があれば、基礎立ち上がり部の補強は腹筋も追設してなされる。
以上の工程を経たら、図9に示すように、土台13の軽量鉄骨に添って基礎立ち上がり部用の型枠18を設置する。その型枠18は、必要があれば、パイプサポートジャッキ19などを用いて支える。
この型枠18の設置時には、生コンクリートの流入を阻止する充填材20(図10参照。これは、発泡スチロール製の角筒などでよい)を型枠18の内側にはめ込んで各免振用ダンパ1の周りを、その充填材20で囲っておく。
また、型枠18は、土台13の下面に添わせる、厚みが数cm(好ましくは2〜3cmm程度)の板状のスペーサ21(これも図10参照。このスペーサ21は、発砲スチロール製の板でよい)が含まれたものにし、その型枠18に投入されて形成される基礎立ち上がり部12のコンクリート12aの上面と土台13の下面との間に、免振用ダンパ1の弾性変形を許容するスペーサ厚み相当の隙間Gが形成されるようにしておく。
型枠18の設置を終えたら、その型枠1の内側に生コンクリートを投入する。そして、投入したコンクリートを数日間養生させて固化させ、その工程を経たら、型枠18を撤去して免振構造の基礎立ち上がり部を有するベタ基礎を完成させる。
図10は、以上のようにして構築されたベタ基礎の基礎立ち上がり部12の側面の一部を示している。
同図から判るように、土台13は、免振用ダンパ1を介して基礎立ち上がり部12に支持され、土台13と基礎立ち上がり部12のコンクリート12aの上端との間には、スペーサ21によって免振用ダンパ1の弾性変形(その弾性変形による土台13の下側への変位)を許容する隙間Gが作り出されている。
また、免振用ダンパ1が設置された箇所では基礎立ち上がり部12のコンクリート12aが切り欠かれた状態になって、免振用ダンパ1が露出した状態になっている。
なお、免振用ダンパ1の周囲を囲った充填材20が、発砲スチロールやゴム製ブロック等で作られた小さな荷重で圧縮可能な部材である場合には、その充填材20は、免振用ダンパ1の弾性変形を邪魔するものではないため、撤去せずに土台13と基礎立ち上がり部12のコンクリート12aとの間に残して構わないが、その充填材を撤去すると、免振用ダンパ1を通気孔として利用することができる。
型枠18に含ませたスペーサ21も、発砲スチロールやゴム等で作られた小さな荷重で圧縮可能な板である場合には、そのスペーサ21は、免振用ダンパ1の弾性変形を邪魔するものではないので、撤去せずに土台13と基礎立ち上がり部のコンクリートの上端との間に残してよい。そのスペーサ21が残された領域も、この発明では実質的な隙間Gと考える。
なお、図8の符号22は、基礎設置部の地盤Eが所定深さ掘削され、その掘削部に投入された砕石、符号23は砕石22を覆った防湿シート、符号24は防湿シート23上に施工したコンクリートのシート覆いである。
1 免振用ダンパ
2 屈曲ロッド
2a 凹形湾曲部
2b、2c ストレート部
2d 逆曲げ部
3 拘束リング
4 雄ねじ
11 基礎底盤
12 基礎立ち上がり部
12a コンクリート
13 土台
13a 鉄骨(H型鋼)のフランジ
14 ナット
15 鋼製束
15a 上端の支持板
16 捨てコンクリート
17 基礎補強用鉄筋
17a 底盤補強用鉄筋
17b 基礎立ち上がり部補強用鉄筋
17b主筋
17bあばら筋
17b立ち上がり補強筋
18 型枠
19 サポートジャッキ
20 充填材
21 スペーサ
22 砕石
23 防湿シート
24 シート覆い
R1 凹形湾曲部の曲げの内側の曲げ半径
R2 逆曲げ部の曲げの外側の曲げ半径
d1 拘束リングの内径
d2 拘束リングの外径
S 屈曲ロッドの凹形湾曲部が内接する円
L ストレート部の長さ
H 免振用ダンパの高さ
VC 中央部がくびれた仮想円柱
G 基礎立ち上がり部のコンクリートと土台間に生じさせた隙間
E 基礎設置部の地盤

Claims (4)

  1. 長手方向中央部に凹形湾曲部(2a)を、その凹形湾曲部(2a)を境にした両側に長手方向に延びるストレート部(2b、2c)をそれぞれ有し、前記凹形湾曲部(2a)と前記ストレート部(2b、2c)が、前記凹形湾曲部(2a)の湾曲方向と反対向きに湾曲した逆曲げ部(2d)を介して連なっている複数本の丸鋼のばね鋼製の屈曲ロッド(2)と、
    その複数本の屈曲ロッド(2)の動きを拘束する拘束リング(3)とからなり、
    前記屈曲ロッド(2)の前記ストレート部(2b、2c)は、外周にナットを螺合させる雄ねじ(4)を有し、前記複数本の屈曲ロッド(2)が、中央部が凹形に湾曲してくびれた起立配置されている仮想円柱(VC)の外周に添わせて縦向きに配置され、
    前記拘束リング(3)が、前記仮想円柱(VC)の外周に添わせた、前記複数本の屈曲ロッド(2)の凹形湾曲部(2a)の中間付近に遊嵌された免振用ダンパ。
  2. 前記屈曲ロッド(2)が偶数本組み合わされており、その屈曲ロッドが周方向に定ピッチで配置されている請求項1に記載の免振用ダンパ。
  3. 請求項1又は2に記載の免振用ダンパ(1)が、前記複数本の屈曲ロッド(2)の片側のストレート部(2b)を、雄ねじ(4)に螺合させたナット(14)で建物の基礎の基礎立ち上がり部(12)上に設置される土台(13)に固定し、前記数本の屈曲ロッド(2)の他側のストレート部(2c)を、雄ねじ(4)に螺合させたナット(14)で基礎立ち上がり部(12)のコンクリート(12a)中に埋設される高さ調整の可能な鋼製束(15)の上端の支持板(15a)に固定した状態にして前記鋼製束(15)と前記土台(13)との間に介在され、
    その免振用ダンパ(1)は、前記基礎立ち上がり部(12)のコンクリート(12a)
    に対して埋設されておらず、
    前記基礎立ち上がり部(12)のコンクリート(12a)と前記土台(13)との間に
    前記免振用ダンパ(1)の弾性変形を許容する隙間(G)が作り出されている建物基礎の免振構造。
  4. 前記建物の基礎が、ベタ基礎、又は布基礎である請求項3に記載の建物基礎の免振構造。
JP2019056552A 2019-03-25 2019-03-25 免振用ダンパとそれを用いた建物基礎の免振構造 Active JP7168501B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019056552A JP7168501B2 (ja) 2019-03-25 2019-03-25 免振用ダンパとそれを用いた建物基礎の免振構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019056552A JP7168501B2 (ja) 2019-03-25 2019-03-25 免振用ダンパとそれを用いた建物基礎の免振構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020158971A true JP2020158971A (ja) 2020-10-01
JP7168501B2 JP7168501B2 (ja) 2022-11-09

Family

ID=72642174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019056552A Active JP7168501B2 (ja) 2019-03-25 2019-03-25 免振用ダンパとそれを用いた建物基礎の免振構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7168501B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11247930A (ja) * 1998-02-27 1999-09-14 Sumitomo Constr Co Ltd 減衰装置およびこれを使用する免震・制震構造物
JP2007016918A (ja) * 2005-07-07 2007-01-25 Tsunekichi Imai 衝撃吸収板

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11247930A (ja) * 1998-02-27 1999-09-14 Sumitomo Constr Co Ltd 減衰装置およびこれを使用する免震・制震構造物
JP2007016918A (ja) * 2005-07-07 2007-01-25 Tsunekichi Imai 衝撃吸収板

Also Published As

Publication number Publication date
JP7168501B2 (ja) 2022-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008240488A (ja) コンクリート系棒状ダンパー構造
US20130111828A1 (en) Tie rod for structural projects
KR100406931B1 (ko) 교각의 내진 보강구조 및 그 시공방법
JP6755655B2 (ja) 鉄筋コンクリート製の既存筒状壁の耐震補強方法
JP2001311314A (ja) 既存建物の免震構造化方法
JP2011231574A (ja) 免震装置の取付構造
JP2010047933A (ja) 制振補強フレーム
JP2004197373A (ja) 既設コンクリート容器構造物の耐震補強方法および耐震補強構造
JP2020158971A (ja) 免振用ダンパとそれを用いた建物基礎の免振構造
JPH10252082A (ja) 免震杭および免震杭用杭頭ユニット
KR101011162B1 (ko) 내진보강장치를 이용한 구조물 내진보강구조 및 공법
JP3733517B2 (ja) 免震装置の取付構造
JP3817402B2 (ja) Rc造耐震間柱
JP2004162259A (ja) 構造物基礎の支持構造
JP2014185446A (ja) 基礎、及び、基礎の構築方法
JP6832053B2 (ja) 耐震補強構造
CN214884561U (zh) 一种重约束rc柱连接结构及隔震结构
CN212927132U (zh) 一种框架结构填充延性抗震构件的抗震加固结构
CN216196826U (zh) 一种传统村落房屋建筑用加固保护装置
JP5778062B2 (ja) 耐震・制振部材設置構造
JP7290505B2 (ja) 構造体とその施工方法
CN220247173U (zh) 一种提高抗震性能的建筑结构
JP7307670B2 (ja) 杭柱状体の頭部接合構造及び接合方法
JP6544852B2 (ja) 免震化方法
JP2005307512A (ja) 建造物及び建造物の構築方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221027

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7168501

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150