JP2020158117A - 車両用乗員保護装置及び車両用乗員保護方法 - Google Patents

車両用乗員保護装置及び車両用乗員保護方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で車両の乗員保護性能を向上させる。【解決手段】予測された衝突が不可避な衝突の場合(S100〜S104)、予測された衝突が条件に適合する場合に領域外衝突モードへ移行し(S106、S108)、衝突判定のための閾値が第1閾値th1から第1閾値th1より小さな値の第2閾値th2に変更され(S110)、変更された第2閾値で衝突判定がなされた後にエアバッグ装置が作動される(S112〜S118)。これにより、通常処理で検出することが困難な前側フェンダ付近の領域での側突を検出することができる。従って、エアバッグ装置を作動させる制御を行うのに十分な検出値を得ることができ、乗員保護性能が向上される。【選択図】図8

Description

本発明は、車両の乗員を保護する車両用乗員保護装置及び車両用乗員保護方法に関する。
従来より、対象物の車両への衝突を検出して、乗員を保護する車両用乗員保護装置が提案されている。
例えば、車両の両側壁各々に設けられる壁側加速度センサと、車両中央部に設けられる中央側加速度センサと、を備える衝突判定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、壁側加速度センサ及び中央側加速度センサにより検出された加速度は積分され、その積分値が閾値を超えたときに、コンパレータが各々の比較出力を発生する。この比較出力に基づいて、乗員保護装置が起動される。
また、車両側面への衝突を予測する側突予知センサと、車両側面への衝突を検出する側突センサとを備えた乗員保護装置が知られている(例えば特許文献2参照)。この技術では、側突予知センサにより車両側面への衝突が予測され、かつ側突センサにより検出された車両側面の衝撃に基づいて車両側面への衝突と判定されたとき、乗員保護装置が起動される。
特開平11−180249号公報 特開2007−253720号公報
しかしながら、乗員保護装置の誤動作を抑制するために、側突センサの検出値に対して、乗員保護装置を起動させる閾値が設定された場合、設定された閾値より小さい検出値の衝突が生じた際には、乗員保護装置が起動しない虞がある。例えば、車両キャビン部側面への衝突時の大きさが乗員保護装置を起動させる閾値として設定された場合、フロントフェンダへの側突時には、車両キャビン部側面への衝突より小さい検出値となり、乗員保護装置が起動しない。
また、自車両の側方に他車両等の対象物が高速に接近して衝突した場合、乗員保護装置を起動させるべきタイミングは自車両と他車両等の対象物との相対速度が速くなるに従って短時間になる。一方、乗員保護装置の誤動作を抑制するために設定された閾値が大きくなるに従って衝突時の閾値への到達時間が長くなり、乗員保護装置が起動されるタイミングは遅くなる。このため、自車両と対象物との相対速度によって、乗員保護装置を起動させるべきタイミングに乗員保護装置を起動されない虞がある。従って、自車両の側方から接近する対象物の衝突から乗員を保護する技術には、改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、簡単な構成で車両の側方からの衝突に対して乗員保護性能を向上できる車両用乗員保護装置及び車両用乗員保護方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明の車両用乗員保護装置は、自車両の側方への衝突を予測し、予測した衝突が不可避な衝突か否かの判定を含む予測結果を出力する側方衝突予測部と、自車両の側方への衝突に関連する物理量を検出し、検出値を出力する物理量検出部と、作動された際に展開されて乗員を保護するエアバッグ装置と、前記検出値が閾値を超えた場合に前記エアバッグ装置を作動させる第1制御を行うと共に、前記判定で不可避な衝突であると判定され、かつ所定時間の間に前記検出値が前記閾値より小さな値の閾値を超えた場合に前記エアバッグ装置を作動させる第2制御を行う制御部と、を備えている。
請求項1に記載の発明によれば、自車両の側方への衝突を予測し、予測した衝突が不可避な衝突であると判定されてから、所定時間の間に検出値が閾値より小さな値の閾値を超えた場合にエアバッグ装置が作動される。これにより、側面衝突用センサ等の物理量検出部において、通常に定められた閾値より小さい物理量が検出された場合であっても、エアバッグ装置の誤作動を抑制しつつ、自車両の側方への衝突に対してエアバッグ装置を作動させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用乗員保護装置において、前記所定時間は、不可避な衝突であることが判定されてから前記エアバッグ装置を作動させるまでの時間とする。これにより、エアバッグ装置を作動させる制御を行うにあたって、通常に定められた閾値より小さな値の閾値を用いる時間を短時間にすることができ、エアバッグ装置の誤作動をさらに抑制することができる。例えば、側方衝突予測部は自車両への衝突までの衝突予測時間を予測することができる場合、予測された衝突予測時間を所定時間として定めることで、短時間の間だけ、小さな値の閾値を用いて制御することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両用乗員保護装置において、前記予測結果は、前記不可避な衝突であると判定した場合の予測衝突位置をさらに含み、前記物理量検出部は、前記物理量として前記予測衝突位置に応じた車両部位における左右方向の加速度を検出して前記検出値を出力する。
請求項3に記載の発明によれば、不可避な衝突の予測衝突位置に応じた車両部位における左右方向の加速度を検出することにより、不可避な衝突による生じる加速度を最適な位置で検出することができる。左右方向の加速度の変動が現れる車両部位は衝突位置に応じて変化するが、衝突位置と、その衝突位置の衝突により加速度の変動が現れる車両部位との対応関係は予め求めることができる。このため、予測衝突位置における衝突で、加速度を検出するのに最適な車両部位を定めておき、予測衝突位置に応じた車両部位における左右方向の加速度を検出することで、最適な物理量を検出することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の車両用乗員保護装置において、前記予測衝突位置が前記自車両の前側フェンダ部の場合には、前記左右方向の加速度を検出する前記車両部位は前記自車両の中央部であり、前記予測衝突位置が前記自車両のキャビン部の場合には、前記左右方向の加速度を検出する前記車両部位は前記自車両の側方部である。
請求項4に記載の発明によれば、不可避な衝突の予測衝突位置が自車両の前側フェンダ部である場合、自車両の中央部における左右方向の加速度が検出される。前側フェンダ部への衝突では、例えば自車両のキャビン部付近の側方部における左右方向の加速度の検出値に比べて、自車両の中央部における左右方向の加速度の検出値が大きく検出される。従って、前側フェンダ部への衝突でエアバッグ装置を作動させる制御を行うのに十分な検出値を得ることができる。また、不可避な衝突の予測衝突位置が自車両のキャビン部である場合、自車両の側方部における自車両の左右方向の加速度が検出される。この自車両の側方部は、キャビン部付近の側方部が好ましい。自車両のキャビン部への衝突では、自車両の側方部に自車両の左右方向の加速度の変動が顕著に現れる。従って、キャビン部への衝突でエアバッグ装置を作動させる制御を行うのに十分な検出値を得ることができる。そして、車両部位としてキャビン部付近の側方部にすることで、より好ましい検出値を得ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用乗員保護装置において、前記予測結果は、前記不可避な衝突であると判定した場合の衝突予測対象物と前記自車両との予測相対速度をさらに含み、前記制御部は、前記予測相対速度が予め定めた所定速度以上の場合に前記第2制御を行う。
請求項5に記載の発明によれば、エアバッグ装置を作動させる制御を行う条件として、予測相対速度が予め定めた所定速度以上の場合を条件に加えるので、小さな値の閾値を用いてエアバッグ装置を作動させる場合に生じる虞がある軽衝突時等における誤作動を抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用乗員保護装置において、前記予測結果は、前記不可避な衝突であると判定した場合の衝突予測対象物と前記自車両との予測相対速度をさらに含み、前記制御部は、前記第2制御で前記エアバッグ装置を作動させる時期を、前記検出値が前記閾値より小さな値を超えた時点より前記予測相対速度に基づいて定まる時間遅延させる。
請求項6に記載の発明によれば、エアバッグ装置を作動させる時期を、予測相対速度に基づき定まる遅延時間だけ遅延させる。エアバッグ装置は、例えば、作動時期が早すぎると、乗員保護に効果的なエアバッグの内圧を得ることができない。一方、作動時期が遅すぎると、十分なエアバッグの展開を得ることができない。そこで、エアバッグ装置を作動させる時期を、予測相対速度に基づき定まる遅延時間に応じて調整、例えば、予測相対速度が速くなるのに従って遅延時間が短くなるように調整することで、乗員保護に効果的な時期にエアバッグ装置を作動させることができ、乗員保護性能を向上させることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の車両用乗員保護装置において、前記予測結果は、前記側方衝突予測部が正常に動作されていること示す情報をさらに含み、前記制御部は、前記側方衝突予測部が正常に動作されている場合に、前記エアバッグ装置を作動させる制御を行う。
請求項7に記載の発明によれば、側方衝突予測部が正常に動作されている場合を条件に加えて、エアバッグ装置を作動させる制御を行うので、側方衝突予測部が停止中及び異常がある場合等のように正常に動作していない場合における異常データ等による誤動作を抑制することができる。
請求項8に記載の発明の車両用乗員保護方法は、コンピュータが、自車両の側方への衝突を予測し、予測した衝突が不可避な衝突か否かの判定を含む予測結果を出力し、自車両の側方への衝突に関連する物理量を検出し、検出値を出力し、作動された際に展開されて乗員を保護するエアバッグ装置を、前記検出値が閾値を超えた場合に作動させる第1制御を行うと共に、前記判定で不可避な衝突であると判定され、かつ所定時間の間に前記検出値が前記閾値より小さな値の閾値を超えた場合に前記エアバッグ装置を作動させる第2制御を行う。
請求項8に記載の発明でも、側面衝突用センサ等の物理量検出部において、通常に定められた閾値より小さい物理量が検出された場合であっても、エアバッグ装置の誤作動を抑制しつつ、自車両の側方への衝突に対してエアバッグ装置を作動させることができる。
以上説明したように本発明によれば、簡単な構成で車両の乗員保護性能を向上させることができる、という効果がある。
第1実施形態に係る車両用乗員保護装置の構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る検出器の配置の一例を示すイメージ図である。 第1実施形態に係る衝突予測位置を特定する位置マップの一例を示すイメージ図である。 第1実施形態に係る他車両の自車両に対する側突の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る衝突を判定する判定マップの一例を示すイメージ図である。 第1実施形態に係るエアバッグ装置の作動開始時期と相対速度との関係の一例を示すイメージ図である。 第1実施形態に係る乗員保護に最適な時期の決定に関する模式図である。 第1実施形態に係る車両用乗員保護装置で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る制御部の変形例を示すブロック図である。 第2実施形態に係る他車両の自車両に対する側突の一例を示す模式図である。 第2実施形態に係る衝突を判定する判定マップの一例を示すイメージ図である。 第2実施形態に係る車両用乗員保護装置で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る制御部の変形例を示すブロック図である。 第1実施形態及び第2実施形態を組み合わせた車両用乗員保護装置に係る制御部の変形例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に、実施形態に係る車両用乗員保護装置10の構成の一例を示す。また、図2に、本実施形態に係る車両に関係する各種の物理量を検出するための検出器の配置の一例を示す。なお、図中の矢印FRは、自車両の前方を示し、矢印RHは自車両の右方を示している。
図1に示すように、車両用乗員保護装置10は、対象物の衝突から乗員を保護するための各種制御を行う制御部18を備えている。
制御部18は、CPU182、RAM184、ROM186、及びI/O188を含むコンピュータで構成され、CPU182、RAM184、ROM186、及びI/O188は各々コマンド及びデータを授受可能にバス189を介して接続されている。
ROM186には、自車両の乗員を保護するための制御プログラム186P、及び衝突を検出するための閾値等が記憶され、ROM186に記憶された制御プログラム186PをCPU182が実行することによって自車両の乗員を保護するための制御が行われる(詳細は後述)。なお、RAM184は、プログラムを実行する際のキャッシュメモリ等として使用される。
I/O188には、プリクラッシュセーフティシステム(以下、PCSシステムという)12、車両状態センサ14、及びエアバッグ装置164を含むアクティブデバイス16が接続されている。
なお、図2では、車両の前方側中央付近に配設された、エアバッグ装置164を用いて自車両の乗員を保護するアクティブデバイス16の制御処理等を行うエアバッグECU(Electronic Control Unit、電子制御装置)20に、制御部18を適用した場合が示されている。つまり、図2に示すエアバッグECU20は、図1に示す制御部18として動作する。
PCSシステム12は、自車両の前方の車両(他車両)及び障害物等の対象物を検出して、対象物との衝突を予測し、自車両と対象物との衝突時に生じる被害を軽減する制御を行うシステムである。図2に一例を示すように、PCSシステム12は、図示しないCPU、ROM、RAM、及びI/Oを含むコンピュータで構成され、かつプリクラッシュセーフセンサ(以下、PCSセンサという)124が接続されたPCSECU122を備えている。
PCSセンサ124は、車両左側方及び車両右側方に各々一つずつ配設され、少なくとも、車両周囲の物体の車両に対する相対位置を検出する。PCSセンサ124の一例として、撮像して対象物を検出する車載カメラ及び車両前方を走査して対象物を検出する車載レーダが挙げられる。図2に示す例では、車載レーダを用いて自車両の右前方を検出するPCSセンサ124R、及び自車両の左前方を検出するPCSセンサ124Lが設けられている。
各PCSセンサ124R、124Lは、ミリ波、マイクロ波等の電波を他車両、及び障害物等の車両周囲の物体(対象物)に対して(例えば、進行方向に対して略直角な方向に)送出する。そして、右側のPCSセンサ124Rは、車両右側の物体からの反射波に基づいて、例えば、右側物体の位置(車両と物体との距離)、右側物体の車両に対する相対的な移動方向及び移動速度(接近速度)を検出する。一方、左側のPCSセンサ124Lは、物体の位置車両左側の物体からの反射波に基づいて、例えば、左側物体の位置(車両と物体との距離)、左側物体の車両に対する相対的な移動方向及び移動速度(接近速度)を検出する。
なお、PCSシステム12は、各PCSセンサ124R、124Lで検出された、例えば、物体の相対位置に基づいて、物体と車両との間の距離及び相対的な移動方向を算出し、この距離に対して微分処理を行うことにより、物体の車両に対する移動速度を算出する。また、PCSシステム12は、物体と車両との間の距離及び相対的な移動方向、そして移動速度(相対速度)から、物体と車両との衝突を予測する。衝突が予測された場合には、物体と車両とが衝突するまでの時間、物体が衝突する車両上の位置を予測する。
PCSECU122は、算出した情報、及び予測した情報を制御部18(として動作するエアバッグECU20)に対して送信する。
本実施形態では、PCSECU122から送信される情報の一例として、次の表に示す項目に示す情報を用いる。

衝突予測時間を示す情報は、PCSセンサ124R、124Lで物体を検出してから、予測された自車両への衝突までの時間T(秒)である。衝突速度を示す情報は、予測された衝突時の自車両左右方向の予測相対速度としての相対速度V(km/h)である。予測衝突位置としての衝突予測位置を示す情報は、予測された衝突の車両上の位置である(詳細は後述)。PCSセンサ状態を示す情報は、PCSセンサ124が正常に稼働しているか、故障しているか等の状態を示す状態値である。
なお、PCSECU122は、対象物との衝突を予測した際に、予測した衝突が不可避な衝突か否かを判定することができる。この判定結果、つまり不可避な衝突であることを示す情報を制御部18(として動作するエアバッグECU20)に対して送信してもよい。また、次の表に示す項目の値を用いて、例えば、衝突予測時間が0.6秒未満の場合を不可避な衝突であるとして定めてもよい。
次に、PCSECU122から制御部18(として動作するエアバッグECU20)に対して送信する情報のうち衝突予測位置を示す情報について説明する。
図3に、衝突予測位置を特定する位置マップの一例を示す。
衝突予測位置は、車両を縦横に分割した分割領域で車両周囲を特定する。図3に示す例では、車両進行方向に沿う方向で4分割し、車両幅方向に沿う方向で7分割した分割領域で、衝突予測位置を表している。具体的には、自車両の前方(車両進行方向)FRに沿う方向で、かつ車両中心を通る方向を示す矢印FRyを基準として、4つに分割する。また、自車両の右方RHに沿う方向で、かつ車両先端付近を通る方向を示す矢印RHxを基準として、車両を7つに分割する。そして、車両周囲のうち車両前方について、矢印FRyを基準として車両幅方向に左右に番号が増加するように位置P1〜P4を定める。また、車両周囲のうち車両側方について、車両前方から車両後方に向って、左右順番に番号が増加するように位置P5〜P18を定める。なお、図3では、車両を縦横に4x7分割した分割領域で車両周囲を特定する場合を示すが、4x7分割に限定されるものではなく、分割数は増減してもよい。また、車両を縦横に分割する分割領域の大きさは、共通の大きさに分割することに限定されない。例えば、分割領域の大きさを変更してもよい。
図3に示す位置マップで特定される位置P1〜P18各々を示す情報値は、1〜18各々の数値とする。従って、衝突予測位置を示す情報は、図3に示す位置マップで特定される位置P1〜P18の何れかに対応する数値となる。
図1に示す車両状態センサ14は、車両の状態を検出するセンサである。また、車両状態センサ14は、衝突、特に側面衝突(以下、単に側突ともいう)に関連する物理量を検出して検出値を出力するセンサを含む。本実施形態では、車両状態センサ14の一例として、車両右側に配設されたサテライトセンサ14R、車両左側に配設されたサテライトセンサ14L、及び車両中央側に配設されたフロアセンサ14Fを備えている。
サテライトセンサ14Rは、右側側突センサとして機能し、主として、車両右側方における車両左右方向の加速度を検出する加速度センサである。また、サテライトセンサ14Lは、左側側突センサとして機能し、主として、車両左側方における車両左右方向の加速度を検出する加速度センサである。
本実施形態では、サテライトセンサ14Rの一例として、図2に示すように、車両の右側扉近傍(右側扉内部)に配設された右側側突ドアセンサ14R(Dr)、車両の右側壁中央のセンタピラー(Bピラー)近傍に配設された右側側突Bピラーセンサ14R(Bp)、及び、車両の右側壁後方のピラー(Cピラー)近傍に配設された右側側突Cピラーセンサ14R(Cp)が含まれている。また、サテライトセンサ14Lも同様に、車両の左側扉近傍(左側扉内部)に配設された左側側突ドアセンサ14L(Dr)、車両の左側壁中央のセンタピラー(Bピラー)近傍に配設された左側側突Bピラーセンサ14L(Bp)、及び、車両の左側壁後方のピラー(Cピラー)近傍に配設された左側側突Cピラーセンサ14L(Cp)が含まれている。
車両状態センサ14に含まれるフロアセンサ14Fは、車両の状態を検出するセンサであり、車両中央部における車両左右方向の加速度を検出する加速度センサである。図2に示す例では、車両の中央に設けられたエアバッグECU20に内蔵された加速度センサをフロアセンサ14Fとして用いている。
サテライトセンサ14R、サテライトセンサ14L及びフロアセンサ14Fは、検出した加速度を制御部18(として動作するエアバッグECU20)に対して、送信する。なお、上記加速度センサとして、例えば、半導体式Gセンサが用いられている。
アクティブデバイス16は、自車両の乗員を保護するためのエアバッグ装置164、及びエアバッグ装置164を駆動する駆動回路162を含んでいる。エアバッグ装置164は、制御部18(として動作するエアバッグECU20)からの制御信号に基づいて、駆動回路162が図示しない内蔵するインフレータを駆動させ、エアバッグを展開させる。これにより、乗員を保護することができる。
図2では、エアバッグECU20に、運転席側に着座した乗員を保護する運転席用(右側)のエアバッグ装置16Rと、助手席側に着座した乗員を保護する助手席用(左側)のエアバッグ装置16Lと、が接続された場合を一例として示している。例えば、運転席用(右側)のエアバッグ装置16Rとして、運転席側の車両側方に配設された運転席用(右側)のサイドエアバッグ装置を用い、助手席用(左側)のエアバッグ装置16Lとして、助手席側の車両側方に配設された助手席用(左側)のサイドエアバッグ装置を用いた場合、各サイドエアバッグ装置の展開により、運転席又は助手席に着座する乗員の側面を保護することができる。
なお、エアバッグ装置164の一例として、フロントエアバッグ装置、ヘッドレストエアバッグ装置、カーテンエアバッグ装置(CSA)、ニアサイドエアバッグ装置(SAB)、及びファーサイドエアバッグ装置の少なくとも1つが挙げられる。
以上の構成により、制御部18(として動作するエアバッグECU20)は、PCSシステム12、及び車両状態センサ14からの各検出値に基づいて、アクティブデバイス16が動作するように制御する。
なお、上記では、アクティブデバイス16の一例として、エアバッグ装置164を用いた場合を説明したが、エアバッグ装置164に限定されるものではない。例えば、乗員を拘束するウェビングの巻き取り装置をアクティブデバイス16として用いてもよい。
ところで、他車両の自車両に対する側突は、衝突位置に応じてエアバッグ装置164が動作されたり、動作されなかったりする。
図4に、他車両の自車両に対する側突の一例を模式的に示す。
図4に示すように、サテライトセンサ14R、14L各々は、側突を検出可能な領域30R、30Lを有しており、領域30R、30L内で側突を検出できる。ところが、領域30R、30Lから外れた部位での側突を検出することは困難である。例えば、図4に示す左側フェンダ付近の領域32L、つまり、領域30R、30Lを外れた領域における側突では、サテライトセンサ14Lに印加される衝撃が小さく、サテライトセンサ14Lの出力も小さくなる。従って、領域30L内における側突を基準としてエアバッグ装置164を動作させる閾値を設定した場合、左側フェンダ付近の領域32Lへの側突では、閾値に到達せずにエアバッグ装置164を動作させることができない。一方、領域30R、30Lを外れた領域における側突においてもエアバッグ装置164を動作させるために、閾値を小さくした場合、軽度の衝突等のエアバッグ装置164の非動作を規定する条件下でエアバッグ装置164が動作してしまい、誤動作が増加する虞がある。このため、閾値を小さくするのには制限が生じる。
そこで、本実施形態では、制御部18は、側突を検出可能な領域30R、30Lから外れた部位における衝突を検出する処理を実行する。以下の説明では、側突を検出可能な領域30R、30Lから外れた部位における衝突を検出する処理を実行する状態を、領域外衝突モードという。
サテライトセンサ14R、14Lにより側突を検出可能な領域から外れた部位における衝突では、サテライトセンサ14R、14Lの出力が小さくなる。一方、この場合の側突は、斜め衝突になるため、車両中央部に設けられたフロアセンサ14Fでは車両の左右方向の加速度が大きくなる。そこで、制御部18は、フロアセンサ14Fへ検出される車両の左右方向の加速度を用いて、領域外衝突モードにおける側突判定を行う。また、制御部18は、領域外衝突モードにおける誤検出を抑制するために、領域外衝突モードへの移行は、予め定めた条件に適合する場合に行われる。
本実施形態では、領域外衝突モードへの移行するための条件の一例として、次の表に示す4個の条件を用いる。

第1番目の条件は、領域外衝突モードとして前側フェンダ付近への衝突を検出する際におけるエアバッグ装置164の誤作動を抑制することを目的として、衝突の直前であることとする。例えば、衝突予測時間が所定時間(0.6秒)以下であることを条件とする。第2番目の条件は、領域外衝突モードで前側フェンダ付近への衝突を検出する際におけるエアバッグ装置164を作動させることに効果的な速度を定めることを目的として、衝突速度(相対速度)が所定値以上であることとする。例えば、衝突速度(相対速度)が25km/h以上であることを条件とする。第3番目の条件は、領域外衝突モードで前側フェンダ付近への衝突であることを確認することを目的として、衝突予測位置が所定位置であることとする。例えば、予測衝突位置としての衝突位置が図3に示す位置マップの位置P5〜P10の何れかであり、情報値が5〜10の数値であることを条件とする。第4番目の条件は、PCSセンサ124の出力異常によるエアバッグ装置164の誤作動を抑制することを目的として、PCSセンサ124の状態が正常であることとする。
本実施形態では、領域外衝突モードへの移行の条件の一例として、これら第1番目の条件から第4番目の条件に全て適合した場合を説明する。領域外衝突モードへの移行の条件は、前側フェンダ付近への衝突を検出する際におけるエアバッグ装置164の誤作動を抑制することを目的とするため、少なくとも第3番目の条件を含めればよい。そして、より好ましくは、第3番目の条件と、第1番目、第2番目及び第4番目の条件の何れか1つの条件、又は複数の条件と、を組み合わせればよい。なお、第3番目の条件に組み合わせる条件は、第1番目、第2番目及び第4番目の少なくとも1つの条件に限定されるものではなく、他の条件でもよく、またその他の条件を第1番目、第2番目及び第4番目の少なくとも1つの条件にさらに組み合わせてもよい。
なお、第1番目の条件から第4番目の条件の各々についての適合判定は、PCSシステム12のPCSECU122から送信される情報を用いて判定する。
次に、制御部18において、フロアセンサ14Fで検出された車両の左右方向の加速度を用いて、領域外衝突モードに移行されて行われる側突判定について説明する。
図5に、フロアセンサ14Fで検出された車両の左右方向の加速度を用いて、衝突を判定する判定マップの一例を示す。図5は、縦軸をフロアセンサ14Fで検出された車両の左右方向の加速度とし、横軸を減速度(フロアセンサ14Fで検出された車両の左右方向の加速度の一階積分)として、フロアセンサ14Fの出力(検出値)を曲線40、42として描画している。
曲線40は、エアバッグ装置164を作動させるべき、サテライトセンサ14R、14Lの側突検出可能領域30R、30Lから外れた部位での衝突時におけるフロアセンサ14Fの出力特性の一例を示している。また、曲線42は、エアバッグ装置164の作動を抑制させるべき、フロアセンサ14Fの出力特性の一例を示している。
図5に示すように、判定マップは、フロアセンサ14Fの出力、つまり、左右方向の加速度が、曲線42で示される特性で、エアバッグ装置164の作動が抑制されるように、閾値th1が設定される。また、曲線42で示される特性に比べて大きな値となる曲線40で示される特性によるフロアセンサ14Fの出力において、エアバッグ装置164の作動判定を早期に行うために、閾値th1より小さいな値の閾値th2、つまり、曲線42による加速度より大きく曲線40による加速度より小さいな値の閾値th2が設定される。
次に、制御部18において、領域外衝突モードに移行されて行われた側突判定により、最適な時期にエアバッグ装置164を作動させる時期決定について説明する。
つまり、他車両等の物体の自車両への衝突時には、他車両等の物体と自車両との相対速度に応じて乗員を保護するのに最適なエアバッグ装置164の作動開始時期が変化する。
図6に、エアバッグ装置164の作動開始時期と、相対速度との関係の一例を示す。図6は、縦軸をエアバッグ装置164の作動開始時期の一例としてエアバッグ展開時間を用い、横軸を相対速度とした場合のエアバッグ装置164による乗員保護性能を模式的に示した。
図6に示す曲線44は、エアバッグ装置164が作動され、エアバッグが展開された場合に、エアバッグの展開が早すぎて乗員保護に効果的なエアバッグ内圧が不足する領域36と、乗員保護に効果的にエアバッグが展開する領域35との境界を示す。また、曲線46は、乗員保護に効果的にエアバッグが展開する領域35と、エアバッグの展開が不十分で自車両と乗員との間にエアバッグが効果的に介在しない状態である領域34との境界を示す。図6に示すように、乗員保護に効果的にエアバッグが展開する領域35は、相対速度が速くなるに従って、エアバッグ展開時間が短くなる傾向である。
そこで、本実施形態では、エアバッグ装置164を作動させる場合に、相対速度に応じて乗員を保護するのに最適な時期を決定する。
図7に、相対速度に応じて乗員を保護するのに最適な時期を決定する場合の一例を模式的に示す。図7は、図6と同様に、縦軸をエアバッグ展開時間とし、横軸を相対速度としている。
図7に示す曲線48は、上述の判定マップ(図5)を用いてフロアセンサ14Fで検出された車両の左右方向の加速度により衝突と判定されたときに、エアバッグ装置164を作動させた場合の特性を示す。図7に示すように、衝突と判定されたときにエアバッグ装置164を作動させた場合の特性は領域36に含まれ、エアバッグの展開が早すぎて乗員保護に効果的なエアバッグ内圧が不足する。このため、相対速度に対応する領域35のエアバッグ展開時間でエアバッグ装置164が作動されるように、相対速度に対応する遅延時間だけ遅延させる。図7に示す例では、領域35に含まれる遅延対象領域35Aにおけるエアバッグ展開時間でエアバッグ装置164が作動されるように、相対速度に対応する遅延時間だけ遅延されるようにエアバッグ展開時間を調整する(図7では白抜き矢印で示した)。これによって、乗員保護に効果的にエアバッグが展開され、乗員保護性能を向上させることができる。
本実施の形態では、PCSシステム12が本発明の衝突予測部の一例であり、車両状態センサ14が本発明の物理量検出部の一例である。また、制御部18が本発明の制御部の一例である。さらに、エアバッグ装置164を含むアクティブデバイス16が本発明のエアバッグ装置の一例である。なお、図3に示す位置マップの位置P5〜P10は本発明のフェンダ部の一例であり、位置P11〜P14は本発明のキャビン部の一例である。
次に、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10における処理の一例について説明する。図8に、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10の制御部18で実行される処理の流れの一例を示す。なお、本実施の形態では、図8に示す処理の流れの一例を具現化した、ROM186に予め記憶された制御プログラム186Pを、制御部18が実行する。図8の処理は、図示しないイグニッションスイッチがオンされた場合に開始される。
まず、イグニッションスイッチがオンされると、ステップS100において初期設定が実行される。ステップS100の初期設定では、車両への対象物の衝突判定のための閾値THとして、通常状態の第1閾値th1が設定される。すなわち、第1閾値th1がROM186から読み出され、対象物の衝突を判定するための閾値THとして設定される。
次のステップS102では、PCSシステム12により予測された衝突が不可避な衝突か否かを判定する。ステップS102の判定は、PCSECU122から送信された情報(表1参照)に示す項目の値を用いて、例えば、衝突予測時間が0.6秒未満の場合を不可避な衝突であると判定する。なお、ステップS102の判定は、PCSシステム12で行い、判定結果、つまり不可避な衝突であることを示す情報を制御部18が受信してもよい。
次のステップS104では、ステップS102の判定結果を用いて、PCSシステム12で予測された衝突が不可避な衝突か否かが判断される。ステップS104で肯定された場合、ステップS106へ処理が移行される。一方、ステップS104で否定された場合は、ステップS120で通常処理が実行された後、イグニッションスイッチがオフされた場合(ステップS122で肯定)、本処理ルーチンが終了される。ステップS122で否定された場合には、ステップ102へ処理が戻される。
次のステップ106では、領域外衝突モードへ移行するか否かを判定する。このステップS106では、PCSECU122から送信された情報(表1参照)を用いて、領域外衝突モードへの移行するための条件(表2参照)に適合するか否かを判定する。具体的には、表2に示す第1番目の条件から第4番目の条件に全て適合した場合に、領域外衝突モードへ移行すると判定する。
次のステップS108では、ステップS106の判定結果を用いて、領域外衝突モードへ移行するか否かが判断される。ステップS108で肯定された場合、ステップS110へ処理が移行され、否定された場合は、ステップS120へ処理が移行される。
ステップS110では、領域外衝突モードへ移行する処理が実行される。このステップS110では、車両への対象物の衝突判定のための閾値THとして、第1閾値th1から、第1閾値th1より小さな値の第2閾値th2が設定される。すなわち、第2閾値th2がROM186から読み出され、閾値THとして設定される。
なお、閾値THとして設定される第2閾値th2は、エアバッグ装置164の誤作動を抑制することを目的として短時間の間だけ設定されていることが好ましい。そこで、例えば、PCSシステム12から得た衝突予測時間(表2)の間、閾値THとして第2閾値th2を設定することにより、衝突が予測される短時間の間だけ、第1閾値th1から第2閾値th2へ値が下げられた小さな値で、衝突を検出することが可能になる。この場合、PCSシステム12から得た衝突予測時間に対応する設定時間を定めて、図示しないタイマーのよる時間計測しつつ、設定時間の間だけ第2閾値th2が設定されるように制御部18が制御すればよい。
次のステップS112では、衝突が予測された際の相対速度に応じた遅延時間が決定される(図7)。次のステップS114では、フロアセンサ14Fで検出された加速度を用いて領域外衝突の衝突判定が実行される(図5)。領域外衝突の衝突判定で、衝突発生と判定された場合、次のステップS116で、上記ステップS112で決定された遅延時間だけ待機してエアバッグ装置164の作動開始時期が遅延された後に、ステップS118で、エアバッグ装置164が作動される。
なお、本実施の形態では、ステップS104〜ステップS118に示される処理は、本発明の制御部が行う第2制御の機能の一例であり、ステップS120に示される処理は、本発明の制御部が行う第1制御の機能の一例である。
以上説明したように、本実施形態では、通常処理で検出することが困難なフェンダ付近の領域、つまり自車両の側方に設置されたサテライトセンサ14R、14Lにより側突を検出可能な領域30R、30L(図4)から外れた部位への側突を、フロアセンサ14Fで検出された加速度から検出することができる。従って、エアバッグ装置164を作動させる制御を行うのに十分な検出値を得ることができ、車両前方のフェンダ付近への衝突であってもエアバッグ装置164を作動させることができる。これによって、乗員保護性能が向上される。
また、本実施の形態では、自車両の側方への衝突が予測される場合に所定時間の間だけ、第1閾値から、より小さい第2閾値に変更する。これにより、通常状態の衝突を検出できると共に、車両前方のフェンダ付近への側突を検出でき、衝突検出性能を向上させることができる。また、対象物の衝突を判定するための閾値を所定時間だけ変更するのみの簡単な構成で、車両前方のフェンダ付近への側突を判定することができる。また、側方からの衝突直前の短時間だけ第2閾値th2に閾値THを変更するので、エアバッグ装置164の誤作動につながる不要な作動を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、相対速度に応じて乗員を保護するのに最適な時期を決定し、決定した最適な時期になるまでエアバッグ装置164の作動を遅延させている。これによって、乗員保護効果を期待できる時期にエアバッグ装置164を作動させることが可能になる。
なお、本実施の形態では、領域外衝突モードにおいてエアバッグ装置164の誤作動につながる不要な作動の対策にもなっている。次の表に、エアバッグ装置164の誤作動を招くことが予測される加速度を生じさせる原因となる車両の走行及び車両に与えられる力について、通常処理と本実施形態の領域外衝突モードでの衝突判定処理とについての比較結果を示す。

上記表に示されるように、本実施形態における領域外衝突モードでは、フロアセンサ14Fによる領域外衝突判定(ステップS114)と、領域外衝突モード移行判定(ステップS106)とが組み合わされているので、通常処理と同様に、エアバッグ装置164の誤作動を招くことが予測される判定が実行されることはない。
なお、本実施形態では、車両用乗員保護装置10の一例として、コンピュータ構成の制御部18で実行される処理を制御プログラム186Pによるソフトウェア処理で実現した場合を説明したが、車両用乗員保護装置10は電子回路を含むハードウェアで構成してもよい。
図9に、車両用乗員保護装置10に含まれる制御部18の変形例としての機能ブロック図を示す。図9に示す制御部18は、領域外衝突判定部18A、領域外衝突モードへの移行判定部18B、遅延時間決定部18C、論理積(AND)回路部18D、及び遅延処理部18Eを備えている。領域外衝突判定部18Aは図8に示すステップS114で実行される機能を有する。領域外衝突モードへの移行判定部18Bは図8に示すステップS106で実行される機能を有する。遅延時間決定部18Cは図8に示すステップS112で実行される機能を有する。論理積(AND)回路部18Dは図8に示すステップS108の判定及びステップS114の判定動作として実行される機能を有する。遅延処理部18Eは図8に示すステップS116で実行される機能を有する。図9に示す制御部18の変形例であっても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態を説明する。第2実施形態は、自車両への衝突として、高速で自車両のキャビン付近への側突時に乗員を保護する場合の一例である。第2実施形態は第1実施形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
他車両等の物体の自車両への衝突時には、他車両等の物体と自車両との相対速度が大きくなるのに従って、エアバッグ装置164の作動開始時期は早くなる。
図10に、他車両の自車両に対する側突の一例を模式的に示す。
図10に示すように、サテライトセンサ14R、14L各々が有する側突を検出可能な領域30R、30L内で側突を検出可能な場合であっても、エアバッグ装置164を作動させた際に乗員を保護することが充分ではない状況が発生する。つまり、他車両等の物体と自車両との相対速度が大きくなるのに従ってエアバッグ装置164の作動開始時期は早くなるので、より大きな相対速度による自車両のキャビン付近への側突時に、エアバッグ装置164の作動が遅れる場合がある。
図11に、サテライトセンサ14L及びフロアセンサ14Fで検出された車両の左右方向の加速度を用いて、自車両左側の衝突を判定する判定マップの一例を示す。図11は、衝突時における相対速度に応じて変化するサテライトセンサ14Lの出力の時間特性と考えることもできる。図11は、縦軸をサテライトセンサ14Lの出力(加速度)とし、横軸を時間に対応するフロアセンサ14Fの減速度(フロアセンサ14Fで検出された車両の左右方向の加速度の一階積分)とした場合を模式的に示した。
図11では、一例として、曲線50は、側突時に他車両等の物体と自車両との相対速度V1(例えば70km/h)であった場合における、サテライトセンサ14Lの出力(加速度)に関する特性を示す。また、曲線52は、相対速度V2(例えば60km/h)の場合における、サテライトセンサ14Lの出力(加速度)に関する特性を示す。
相対速度が相対速度V2から相対速度V1に大きくなると、通常時に設定される閾値th3を超える時間は、時間Tx(=t3−t2)だけ早くなる。ところが、相対速度が大きくなった場合に、最適なエアバッグ装置164の作動時期が時間t1になった場合には、閾値th3を超えるまでの時間Ty(=t2−t1)だけエアバッグ装置164の作動が遅れることになる。このため、閾値th3を小さい値の閾値th4に変更することが考えられる。ところが、誤作動抑制の観点から、閾値th3を小さい値の閾値th4に変更することが困難な場合がある。
そこで、本実施形態では、制御部18は、衝突安全対策(パッシブセーフティ対策)として定められた速度を超える相対速度による衝突を検出する処理を実行する。以下の説明では、パッシブセーフティ対策として定められた速度を超える相対速度による衝突を検出する処理を実行する状態を、高速衝突モードという。そして、高速衝突モードでが閾値を下げて衝突を検出する。
制御部18は、高速衝突モードにおける誤検出を抑制するために、高速衝突モードへの移行は、予め定めた条件に適合する場合に行われる。
本実施形態では、高速衝突モードへの移行するための条件の一例として、次の表に示す4個の条件を用いる。

第1番目の条件は、高速衝突モードとして自車両のキャビン付近への衝突を検出する際におけるエアバッグ装置164の誤作動を抑制することを目的として、衝突の直前であることとする。例えば、衝突予測時間が所定時間(0.6秒)以下であることを条件とする。第2番目の条件は、高速衝突モードで自車両のキャビン付近への衝突を検出する際におけるエアバッグ装置164を作動させることに効果的な速度を定めることを目的として、衝突速度(相対速度)が所定値以上であることとする。例えば、衝突速度(相対速度)が60km/h以上であることを条件とする。第3番目の条件は、高速衝突モードで自車両のキャビン付近への衝突であることを確認することを目的として、衝突予測位置が所定位置であることとする。例えば、衝突位置が図3に示す位置マップの位置P11〜P14の何れかであり、情報値が11〜14の数値であることを条件とする。第4番目の条件は、PCSセンサ124の出力異常によるエアバッグ装置164の誤作動を抑制することを目的として、PCSセンサ124の状態が正常であることとする。高速衝突モードへの移行は、これら第1番目の条件から第4番目の条件に全て適合した場合とする。
なお、第1番目の条件から第4番目の条件の各々についての適合判定は、PCSシステム12のPCSECU122から送信される情報を用いて判定する。
次に、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10における処理の一例について説明する。図12に、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10の制御部18で実行される処理の流れの一例を示す。なお、図12に示す処理の流れの一例は、図8に示す処理の流れの一例とほぼ同様である。相違する箇所は、図8に示すステップS106の処理に代えてステップS107の処理を実行し、図8に示すステップS110の処理に代えてステップS111の処理を実行し、図8に示すステップS114の処理に代えてステップS115の処理を実行する。また、図8に示すステップS112、及びステップS116の処理は、実行しないので削除されている。さらに、ステップS100の初期設定では、車両への対象物の衝突判定のための閾値THとして、第1閾値th1に代えて通常状態の第1閾値th3が設定される。
制御部18は、ステップS107で、高速衝突モードへ移行するか否かを判定する。このステップS107では、PCSECU122から送信された情報(表1参照)を用いて、高速衝突モードへの移行するための条件(表4参照)に適合するか否かを判定する。具体的には、表4に示す第1番目の条件から第4番目の条件に全て適合した場合に、高速衝突モードへ移行すると判定する。
次のステップS108では、ステップS107の判定結果を用いて、高速衝突モードへ移行するか否かが判断され、肯定された場合、ステップS111へ処理が移行され、否定された場合は、ステップS120へ処理が移行される。
ステップS111では、高速衝突モードへ移行する処理が実行される。このステップS111では、車両への対象物の衝突判定のための閾値THとして、第1閾値th3から、第1閾値th3より小さな値の第2閾値th4が設定される。すなわち、第2閾値th4がROM186から読み出され、閾値THとして設定される。
そして、次のステップS115では、フロアセンサ14Fで検出された加速度、及びサテライトセンサ14R,14Lで検出された加速度を用いて高速衝突の衝突判定が実行される(図11)。高速衝突の衝突判定で、衝突発生と判定された場合、次のステップS118で、エアバッグ装置164が作動される。
以上説明したように、本実施形態では、自車両への大きな相対速度によるキャビン付近への側突を、フロアセンサ14Fで検出された加速度、及びサテライトセンサ14R,14Lで検出された加速度を用いて遅延されることなく検出することができる。従って、キャビン付近への衝突について大きな相対速度による衝突であっても遅延なくエアバッグ装置164を作動させることができる。これによって、乗員保護性能が向上される。
なお、本実施の形態でも、第1実施形態と同様に、高速衝突モードにおいてエアバッグ装置164の誤作動につながる不要な作動の対策にもなっている。次の表に、エアバッグ装置164の誤作動を招くことが予測される加速度を生じさせる原因となる車両の走行及び車両に与えられる力について、通常処理と本実施形態の高速衝突モードでの衝突判定処理とについての比較結果を示す。

上記表に示されるように、本実施形態における高速衝突モードでは、フロアセンサ14F、及びサテライトセンサ14R,14Lで検出された加速度による高速衝突判定(ステップS115)と、高速衝突モード移行判定(ステップS107)とが組み合わされているので、通常処理と同様に、エアバッグ装置164の誤作動を招くことが予測される判定が実行されることはない。
なお、本実施形態では、車両用乗員保護装置10の一例として、コンピュータ構成の制御部18で実行される処理を制御プログラム186Pによるソフトウェア処理で実現した場合を説明したが、車両用乗員保護装置10は電子回路を含むハードウェアで構成してもよい。
図13に、車両用乗員保護装置10に含まれる制御部18の変形例としての機能ブロック図を示す。図13に示す制御部18は、高速衝突判定部18F、高速衝突モードへの移行判定部18G、及び論理積(AND)回路部18Hを備えている。高速衝突判定部18Fは図12に示すステップS115で実行される機能を有する。高速衝突モードへの移行判定部18Gは図12に示すステップS107で実行される機能を有する。論理積(AND)回路部18Hは図12に示すステップS108の判定及びステップS115の判定動作として実行される機能を有する。図13に示す制御部18の変形例であっても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例)
次に上記第1実施形態と第2実施形態を組み合わせた変形例を説明する。本変形例は第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
本変形例は、側突を検出可能な領域30R、30Lから外れた部位における衝突の検出、または自車両への衝突として高速で自車両のキャビン付近への衝突を検出する処理を実行して乗員を保護するものである。
図14に、本変形例に係る車両用乗員保護装置10に含まれる制御部18の機能ブロック図を示す。図14に示す制御部18は、図9に示す制御部18の各構成と、図13に示す制御部18の構成を全て含み、側突を検出可能な領域30R、30Lから外れた部位における衝突の検出結果と、自車両への衝突として高速で自車両のキャビン付近への衝突の検出結果とを、論理和(OR)回路部18Jを介してアクティブデバイス16へ出力する。図14に示す制御部18の変形例は第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
10 車両用乗員保護装置(車両用乗員保護装置)
12 プリクラッシュセーフティシステム(側方衝突予測部)
14 車両状態センサ(物理量検出部)
14F フロアセンサ
14R,14L サテライトセンサ
16 アクティブデバイス
16R、16L エアバッグ装置(エアバッグ装置)
18 制御部(制御部)
164 エアバッグ装置
186P 制御プログラム
20 エアバッグECU
本発明は、車両の乗員を保護する車両用乗員保護装置及び車両用乗員保護方法に関する。
従来より、対象物の車両への衝突を検出して、乗員を保護する車両用乗員保護装置が提案されている。
例えば、車両の両側壁各々に設けられる壁側加速度センサと、車両中央部に設けられる中央側加速度センサと、を備える衝突判定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、壁側加速度センサ及び中央側加速度センサにより検出された加速度は積分され、その積分値が閾値を超えたときに、コンパレータが各々の比較出力を発生する。この比較出力に基づいて、乗員保護装置が起動される。
また、車両側面への衝突を予測する側突予知センサと、車両側面への衝突を検出する側突センサとを備えた乗員保護装置が知られている(例えば特許文献2参照)。この技術では、側突予知センサにより車両側面への衝突が予測され、かつ側突センサにより検出された車両側面の衝撃に基づいて車両側面への衝突と判定されたとき、乗員保護装置が起動される。
特開平11−180249号公報 特開2007−253720号公報
しかしながら、乗員保護装置の誤動作を抑制するために、側突センサの検出値に対して、乗員保護装置を起動させる閾値が設定された場合、設定された閾値より小さい検出値の衝突が生じた際には、乗員保護装置が起動しない虞がある。例えば、車両キャビン部側面への衝突時の大きさが乗員保護装置を起動させる閾値として設定された場合、フロントフェンダへの側突時には、車両キャビン部側面への衝突より小さい検出値となり、乗員保護装置が起動しない。
また、自車両の側方に他車両等の対象物が高速に接近して衝突した場合、乗員保護装置を起動させるべきタイミングは自車両と他車両等の対象物との相対速度が速くなるに従って短時間になる。一方、乗員保護装置の誤動作を抑制するために設定された閾値が大きくなるに従って衝突時の閾値への到達時間が長くなり、乗員保護装置が起動されるタイミングは遅くなる。このため、自車両と対象物との相対速度によって、乗員保護装置を起動させるべきタイミングに乗員保護装置起動されない虞がある。従って、自車両の側方から接近する対象物の衝突から乗員を保護する技術には、改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、簡単な構成で車両の側方からの衝突に対して乗員保護性能を向上できる車両用乗員保護装置及び車両用乗員保護方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の車両用乗員保護装置は、自車両の側方への衝突を予測し、予測した衝突が不可避な衝突か否かの判定を行い、前記不可避な衝突であると判定した場合の衝突予測位置、前記衝突予測位置に衝突するまでの衝突予測時間、及び衝突予測対象物と前記自車両との予測相対速度を含む予測結果を出力する側方衝突予測部と、前記自車両のキャビン部の側方部の各々に設けられたドアセンサ及びピラーセンサを含むセンサによって、前記自車両の側方への衝突に関連する物理量を検出し、検出値を出力する物理量検出部と、作動された際に展開されて乗員を保護するエアバッグ装置と、前記検出値が閾値を超えた場合に前記エアバッグ装置を作動させる制御を行う制御部であって、前記予測した衝突が不可避な衝突であると判定された場合の前記衝突予測位置がキャビン部の側方部の場合は、前記衝突予測時間が予め定めた時間を超えるとき前記閾値を第1の値に維持し、かつ前記ドアセンサ及びピラーセンサによる検出値が前記第1の値を超えたか否かを判定し、前記衝突予測時間が前記予め定めた時間以下の高速衝突用に予め定めた時間以内で、かつ前記予測相対速度が高速衝突用に予め定めた所定速度以上のとき前記衝突予測時間に対応する設定時間の間だけ前記閾値を前記第1の値より小さな第2の値に変更し、かつ前記ドアセンサ及びピラーセンサによる検出値が前記第2の値を超えたか否かを判定する制御部と、を備えている。
前記センサは、前記自車両の中央部に設けられたフロアセンサを含み、前記制御部は、前記衝突予測位置が前側フェンダ部の側方部の場合は、前記フロアセンサによる検出値が前記閾値を超えたか否かを判定する。
前記ドアセンサ及びピラーセンサは、各々左右方向の加速度を検出する加速度センサである。
前記フロアセンサ、ドアセンサ及びピラーセンサは、各々左右方向の加速度を検出する加速度センサである。
前記制御部は、前記閾値を前記第1の値より小さな前記第2の値に変更した場合、前記エアバッグ装置を作動させる時期を、前記予測相対速度に基づいて定まる時間遅延させる制御を行う。
前記予測結果は、前記側方衝突予測部が正常に動作されていること示す情報をさらに含み、前記制御部は、前記側方衝突予測部で予測された衝突予測位置が前記キャビン部の側方部の場合は、前記側方衝突予測部が正常に動作されている場合に、前記閾値を前記第2の値に変更する。
本発明の車両用乗員保護方法は、車両を制御するコンピュータが、自車両の側方への衝突を予測し、予測した衝突が不可避な衝突か否かの判定を行い、前記不可避な衝突であると判定した場合の衝突予測位置、前記衝突予測位置に衝突するまでの衝突予測時間、及び衝突予測対象物と前記自車両との予測相対速度を含む予測結果を出力し、前記自車両のキャビン部の側方部の各々に設けられたドアセンサ及びピラーセンサを含むセンサによって、前記自車両の側方への衝突に関連する物理量を検出し、検出値を出力する物理量検出部より前記検出値を取得し、作動された際に展開されて乗員を保護するエアバッグ装置を、前記検出値が閾値を超えた場合に前記エアバッグ装置を作動させる車両用乗員保護方法であって、前記コンピュータが、前記予測した衝突が不可避な衝突であると判定された場合の前記衝突予測位置がキャビン部の側方部の場合は、前記衝突予測時間が予め定めた時間を超えるとき前記閾値を第1の値に維持し、かつ前記ドアセンサ及びピラーセンサによる検出値が前記第1の値を超えたか否かを判定し、前記衝突予測時間が前記予め定めた時間以下の高速衝突用に予め定めた時間以内で、かつ前記予測相対速度が高速衝突用に予め定めた所定速度以上のとき前記衝突予測時間に対応する設定時間の間だけ前記閾値を前記第1の値より小さな第2の値に変更し、かつ前記ドアセンサ及びピラーセンサによる検出値が前記第2の値を超えたか否かを判定する。
以上説明したように本発明によれば、簡単な構成で車両の乗員保護性能を向上させることができる、という効果がある。
第1実施形態に係る車両用乗員保護装置の構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る検出器の配置の一例を示すイメージ図である。 第1実施形態に係る衝突予測位置を特定する位置マップの一例を示すイメージ図である。 第1実施形態に係る他車両の自車両に対する側突の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る衝突を判定する判定マップの一例を示すイメージ図である。 第1実施形態に係るエアバッグ装置の作動開始時期と相対速度との関係の一例を示すイメージ図である。 第1実施形態に係る乗員保護に最適な時期の決定に関する模式図である。 第1実施形態に係る車両用乗員保護装置で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る制御部の変形例を示すブロック図である。 第2実施形態に係る他車両の自車両に対する側突の一例を示す模式図である。 第2実施形態に係る衝突を判定する判定マップの一例を示すイメージ図である。 第2実施形態に係る車両用乗員保護装置で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る制御部の変形例を示すブロック図である。 第1実施形態及び第2実施形態を組み合わせた車両用乗員保護装置に係る制御部の変形例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に、実施形態に係る車両用乗員保護装置10の構成の一例を示す。また、図2に、本実施形態に係る車両に関係する各種の物理量を検出するための検出器の配置の一例を示す。なお、図中の矢印FRは、自車両の前方を示し、矢印RHは自車両の右方を示している。
図1に示すように、車両用乗員保護装置10は、対象物の衝突から乗員を保護するための各種制御を行う制御部18を備えている。
制御部18は、CPU182、RAM184、ROM186、及びI/O188を含むコンピュータで構成され、CPU182、RAM184、ROM186、及びI/O188は各々コマンド及びデータを授受可能にバス189を介して接続されている。
ROM186には、自車両の乗員を保護するための制御プログラム186P、及び衝突を検出するための閾値等が記憶され、ROM186に記憶された制御プログラム186PをCPU182が実行することによって自車両の乗員を保護するための制御が行われる(詳細は後述)。なお、RAM184は、プログラムを実行する際のキャッシュメモリ等として使用される。
I/O188には、プリクラッシュセーフティシステム(以下、PCSシステムという)12、車両状態センサ14、及びエアバッグ装置164を含むアクティブデバイス16が接続されている。
なお、図2では、車両の前方側中央付近に配設された、エアバッグ装置164を用いて自車両の乗員を保護するアクティブデバイス16の制御処理等を行うエアバッグECU(Electronic Control Unit、電子制御装置)20に、制御部18を適用した場合が示されている。つまり、図2に示すエアバッグECU20は、図1に示す制御部18として動作する。
PCSシステム12は、自車両の前方の車両(他車両)及び障害物等の対象物を検出して、対象物との衝突を予測し、自車両と対象物との衝突時に生じる被害を軽減する制御を行うシステムである。図2に一例を示すように、PCSシステム12は、図示しないCPU、ROM、RAM、及びI/Oを含むコンピュータで構成され、かつプリクラッシュセーフセンサ(以下、PCSセンサという)124が接続されたPCSECU122を備えている。
PCSセンサ124は、車両左側方及び車両右側方に各々一つずつ配設され、少なくとも、車両周囲の物体の車両に対する相対位置を検出する。PCSセンサ124の一例として、撮像して対象物を検出する車載カメラ及び車両前方を走査して対象物を検出する車載レーダが挙げられる。図2に示す例では、車載レーダを用いて自車両の右前方を検出するPCSセンサ124R、及び自車両の左前方を検出するPCSセンサ124Lが設けられている。
各PCSセンサ124R、124Lは、ミリ波、マイクロ波等の電波を他車両、及び障害物等の車両周囲の物体(対象物)に対して(例えば、進行方向に対して略直角な方向に)送出する。そして、右側のPCSセンサ124Rは、車両右側の物体からの反射波に基づいて、例えば、右側物体の位置(車両と物体との距離)、右側物体の車両に対する相対的な移動方向及び移動速度(接近速度)を検出する。一方、左側のPCSセンサ124Lは、物体の位置車両左側の物体からの反射波に基づいて、例えば、左側物体の位置(車両と物体との距離)、左側物体の車両に対する相対的な移動方向及び移動速度(接近速度)を検出する。
なお、PCSシステム12は、各PCSセンサ124R、124Lで検出された、例えば、物体の相対位置に基づいて、物体と車両との間の距離及び相対的な移動方向を算出し、この距離に対して微分処理を行うことにより、物体の車両に対する移動速度を算出する。また、PCSシステム12は、物体と車両との間の距離及び相対的な移動方向、そして移動速度(相対速度)から、物体と車両との衝突を予測する。衝突が予測された場合には、物体と車両とが衝突するまでの時間、物体が衝突する車両上の位置を予測する。
PCSECU122は、算出した情報、及び予測した情報を制御部18(として動作するエアバッグECU20)に対して送信する。
本実施形態では、PCSECU122から送信される情報の一例として、次の表に示す項目に示す情報を用いる。

衝突予測時間を示す情報は、PCSセンサ124R、124Lで物体を検出してから、予測された自車両への衝突までの時間T(秒)である。衝突速度を示す情報は、予測された衝突時の自車両左右方向の予測相対速度としての相対速度V(km/h)である。衝突予測位置としての衝突予測位置を示す情報は、予測された衝突の車両上の位置である(詳細は後述)。PCSセンサ状態を示す情報は、PCSセンサ124が正常に稼働しているか、故障しているか等の状態を示す状態値である。
なお、PCSECU122は、対象物との衝突を予測した際に、予測した衝突が不可避な衝突か否かを判定することができる。この判定結果、つまり不可避な衝突であることを示す情報を制御部18(として動作するエアバッグECU20)に対して送信してもよい。また、次の表に示す項目の値を用いて、例えば、衝突予測時間が0.6秒未満の場合を不可避な衝突であるとして定めてもよい。
次に、PCSECU122から制御部18(として動作するエアバッグECU20)に対して送信する情報のうち衝突予測位置を示す情報について説明する。
図3に、衝突予測位置を特定する位置マップの一例を示す。
衝突予測位置は、車両を縦横に分割した分割領域で車両周囲を特定する。図3に示す例では、車両進行方向に沿う方向で4分割し、車両幅方向に沿う方向で7分割した分割領域で、衝突予測位置を表している。具体的には、自車両の前方(車両進行方向)FRに沿う方向で、かつ車両中心を通る方向を示す矢印FRyを基準として、4つに分割する。また、自車両の右方RHに沿う方向で、かつ車両先端付近を通る方向を示す矢印RHxを基準として、車両を7つに分割する。そして、車両周囲のうち車両前方について、矢印FRyを基準として車両幅方向に左右に番号が増加するように位置P1〜P4を定める。また、車両周囲のうち車両側方について、車両前方から車両後方に向って、左右順番に番号が増加するように位置P5〜P18を定める。なお、図3では、車両を縦横に4x7分割した分割領域で車両周囲を特定する場合を示すが、4x7分割に限定されるものではなく、分割数は増減してもよい。また、車両を縦横に分割する分割領域の大きさは、共通の大きさに分割することに限定されない。例えば、分割領域の大きさを変更してもよい。
図3に示す位置マップで特定される位置P1〜P18各々を示す情報値は、1〜18各々の数値とする。従って、衝突予測位置を示す情報は、図3に示す位置マップで特定される位置P1〜P18の何れかに対応する数値となる。
図1に示す車両状態センサ14は、車両の状態を検出するセンサである。また、車両状態センサ14は、衝突、特に側面衝突(以下、単に側突ともいう)に関連する物理量を検出して検出値を出力するセンサを含む。本実施形態では、車両状態センサ14の一例として、車両右側に配設されたサテライトセンサ14R、車両左側に配設されたサテライトセンサ14L、及び車両中央側に配設されたフロアセンサ14Fを備えている。
サテライトセンサ14Rは、右側側突センサとして機能し、主として、車両右側方における車両左右方向の加速度を検出する加速度センサである。また、サテライトセンサ14Lは、左側側突センサとして機能し、主として、車両左側方における車両左右方向の加速度を検出する加速度センサである。
本実施形態では、サテライトセンサ14Rの一例として、図2に示すように、車両の右側扉近傍(右側扉内部)に配設された右側側突ドアセンサ14R(Dr)、車両の右側壁中央のセンタピラー(Bピラー)近傍に配設された右側側突Bピラーセンサ14R(Bp)、及び、車両の右側壁後方のピラー(Cピラー)近傍に配設された右側側突Cピラーセンサ14R(Cp)が含まれている。また、サテライトセンサ14Lも同様に、車両の左側扉近傍(左側扉内部)に配設された左側側突ドアセンサ14L(Dr)、車両の左側壁中央のセンタピラー(Bピラー)近傍に配設された左側側突Bピラーセンサ14L(Bp)、及び、車両の左側壁後方のピラー(Cピラー)近傍に配設された左側側突Cピラーセンサ14L(Cp)が含まれている。
車両状態センサ14に含まれるフロアセンサ14Fは、車両の状態を検出するセンサであり、車両中央部における車両左右方向の加速度を検出する加速度センサである。図2に示す例では、車両の中央に設けられたエアバッグECU20に内蔵された加速度センサをフロアセンサ14Fとして用いている。
サテライトセンサ14R、サテライトセンサ14L及びフロアセンサ14Fは、検出した加速度を制御部18(として動作するエアバッグECU20)に対して、送信する。なお、上記加速度センサとして、例えば、半導体式Gセンサが用いられている。
アクティブデバイス16は、自車両の乗員を保護するためのエアバッグ装置164、及びエアバッグ装置164を駆動する駆動回路162を含んでいる。エアバッグ装置164は、制御部18(として動作するエアバッグECU20)からの制御信号に基づいて、駆動回路162が図示しない内蔵するインフレータを駆動させ、エアバッグを展開させる。これにより、乗員を保護することができる。
図2では、エアバッグECU20に、運転席側に着座した乗員を保護する運転席用(右側)のエアバッグ装置16Rと、助手席側に着座した乗員を保護する助手席用(左側)のエアバッグ装置16Lと、が接続された場合を一例として示している。例えば、運転席用(右側)のエアバッグ装置16Rとして、運転席側の車両側方に配設された運転席用(右側)のサイドエアバッグ装置を用い、助手席用(左側)のエアバッグ装置16Lとして、助手席側の車両側方に配設された助手席用(左側)のサイドエアバッグ装置を用いた場合、各サイドエアバッグ装置の展開により、運転席又は助手席に着座する乗員の側面を保護することができる。
なお、エアバッグ装置164の一例として、フロントエアバッグ装置、ヘッドレストエアバッグ装置、カーテンエアバッグ装置(CSA)、ニアサイドエアバッグ装置(SAB)、及びファーサイドエアバッグ装置の少なくとも1つが挙げられる。
以上の構成により、制御部18(として動作するエアバッグECU20)は、PCSシステム12、及び車両状態センサ14からの各検出値に基づいて、アクティブデバイス16が動作するように制御する。
なお、上記では、アクティブデバイス16の一例として、エアバッグ装置164を用いた場合を説明したが、エアバッグ装置164に限定されるものではない。例えば、乗員を拘束するウェビングの巻き取り装置をアクティブデバイス16として用いてもよい。
ところで、他車両の自車両に対する側突は、衝突位置に応じてエアバッグ装置164が動作されたり、動作されなかったりする。
図4に、他車両の自車両に対する側突の一例を模式的に示す。
図4に示すように、サテライトセンサ14R、14L各々は、側突を検出可能な領域30R、30Lを有しており、領域30R、30L内で側突を検出できる。ところが、領域30R、30Lから外れた部位での側突を検出することは困難である。例えば、図4に示す左側フェンダ付近の領域32L、つまり、領域30R、30Lを外れた領域における側突では、サテライトセンサ14Lに印加される衝撃が小さく、サテライトセンサ14Lの出力も小さくなる。従って、領域30L内における側突を基準としてエアバッグ装置164を動作させる閾値を設定した場合、左側フェンダ付近の領域32Lへの側突では、閾値に到達せずにエアバッグ装置164を動作させることができない。一方、領域30R、30Lを外れた領域における側突においてもエアバッグ装置164を動作させるために、閾値を小さくした場合、軽度の衝突等のエアバッグ装置164の非動作を規定する条件下でエアバッグ装置164が動作してしまい、誤動作が増加する虞がある。このため、閾値を小さくするのには制限が生じる。
そこで、本実施形態では、制御部18は、側突を検出可能な領域30R、30Lから外れた部位における衝突を検出する処理を実行する。以下の説明では、側突を検出可能な領域30R、30Lから外れた部位における衝突を検出する処理を実行する状態を、領域外衝突モードという。
サテライトセンサ14R、14Lにより側突を検出可能な領域から外れた部位における衝突では、サテライトセンサ14R、14Lの出力が小さくなる。一方、この場合の側突は、斜め衝突になるため、車両中央部に設けられたフロアセンサ14Fでは車両の左右方向の加速度が大きくなる。そこで、制御部18は、フロアセンサ14Fへ検出される車両の左右方向の加速度を用いて、領域外衝突モードにおける側突判定を行う。また、制御部18は、領域外衝突モードにおける誤検出を抑制するために、領域外衝突モードへの移行は、予め定めた条件に適合する場合に行われる。
本実施形態では、領域外衝突モードへの移行するための条件の一例として、次の表に示す4個の条件を用いる。

第1番目の条件は、領域外衝突モードとして前側フェンダ付近への衝突を検出する際におけるエアバッグ装置164の誤作動を抑制することを目的として、衝突の直前であることとする。例えば、衝突予測時間が所定時間(0.6秒)以下であることを条件とする。第2番目の条件は、領域外衝突モードで前側フェンダ付近への衝突を検出する際におけるエアバッグ装置164を作動させることに効果的な速度を定めることを目的として、衝突速度(相対速度)が所定値以上であることとする。例えば、衝突速度(相対速度)が25km/h以上であることを条件とする。第3番目の条件は、領域外衝突モードで前側フェンダ付近への衝突であることを確認することを目的として、衝突予測位置が所定位置であることとする。例えば、衝突予測位置としての衝突位置が図3に示す位置マップの位置P5〜P10の何れかであり、情報値が5〜10の数値であることを条件とする。第4番目の条件は、PCSセンサ124の出力異常によるエアバッグ装置164の誤作動を抑制することを目的として、PCSセンサ124の状態が正常であることとする。
本実施形態では、領域外衝突モードへの移行の条件の一例として、これら第1番目の条件から第4番目の条件に全て適合した場合を説明する。領域外衝突モードへの移行の条件は、前側フェンダ付近への衝突を検出する際におけるエアバッグ装置164の誤作動を抑制することを目的とするため、少なくとも第3番目の条件を含めればよい。そして、より好ましくは、第3番目の条件と、第1番目、第2番目及び第4番目の条件の何れか1つの条件、又は複数の条件と、を組み合わせればよい。なお、第3番目の条件に組み合わせる条件は、第1番目、第2番目及び第4番目の少なくとも1つの条件に限定されるものではなく、他の条件でもよく、またその他の条件を第1番目、第2番目及び第4番目の少なくとも1つの条件にさらに組み合わせてもよい。
なお、第1番目の条件から第4番目の条件の各々についての適合判定は、PCSシステム12のPCSECU122から送信される情報を用いて判定する。
次に、制御部18において、フロアセンサ14Fで検出された車両の左右方向の加速度を用いて、領域外衝突モードに移行されて行われる側突判定について説明する。
図5に、フロアセンサ14Fで検出された車両の左右方向の加速度を用いて、衝突を判定する判定マップの一例を示す。図5は、縦軸をフロアセンサ14Fで検出された車両の左右方向の加速度とし、横軸を減速度(フロアセンサ14Fで検出された車両の左右方向の加速度の一階積分)として、フロアセンサ14Fの出力(検出値)を曲線40、42として描画している。
曲線40は、エアバッグ装置164を作動させるべき、サテライトセンサ14R、14Lの側突検出可能領域30R、30Lから外れた部位での衝突時におけるフロアセンサ14Fの出力特性の一例を示している。また、曲線42は、エアバッグ装置164の作動を抑制させるべき、フロアセンサ14Fの出力特性の一例を示している。
図5に示すように、判定マップは、フロアセンサ14Fの出力、つまり、左右方向の加速度が、曲線42で示される特性で、エアバッグ装置164の作動が抑制されるように、閾値th1が設定される。また、曲線42で示される特性に比べて大きな値となる曲線40で示される特性によるフロアセンサ14Fの出力において、エアバッグ装置164の作動判定を早期に行うために、閾値th1より小さいな値の閾値th2、つまり、曲線42による加速度より大きく曲線40による加速度より小さい値の閾値th2が設定される。
次に、制御部18において、領域外衝突モードに移行されて行われた側突判定により、最適な時期にエアバッグ装置164を作動させる時期決定について説明する。
つまり、他車両等の物体の自車両への衝突時には、他車両等の物体と自車両との相対速度に応じて乗員を保護するのに最適なエアバッグ装置164の作動開始時期が変化する。
図6に、エアバッグ装置164の作動開始時期と、相対速度との関係の一例を示す。図6は、縦軸をエアバッグ装置164の作動開始時期の一例としてエアバッグ展開時間を用い、横軸を相対速度とした場合のエアバッグ装置164による乗員保護性能を模式的に示した。
図6に示す曲線44は、エアバッグ装置164が作動され、エアバッグが展開された場合に、エアバッグの展開が早すぎて乗員保護に効果的なエアバッグ内圧が不足する領域36と、乗員保護に効果的にエアバッグが展開する領域35との境界を示す。また、曲線46は、乗員保護に効果的にエアバッグが展開する領域35と、エアバッグの展開が不十分で自車両と乗員との間にエアバッグが効果的に介在しない状態である領域34との境界を示す。図6に示すように、乗員保護に効果的にエアバッグが展開する領域35は、相対速度が速くなるに従って、エアバッグ展開時間が短くなる傾向である。
そこで、本実施形態では、エアバッグ装置164を作動させる場合に、相対速度に応じて乗員を保護するのに最適な時期を決定する。
図7に、相対速度に応じて乗員を保護するのに最適な時期を決定する場合の一例を模式的に示す。図7は、図6と同様に、縦軸をエアバッグ展開時間とし、横軸を相対速度としている。
図7に示す曲線48は、上述の判定マップ(図5)を用いてフロアセンサ14Fで検出された車両の左右方向の加速度により衝突と判定されたときに、エアバッグ装置164を作動させた場合の特性を示す。図7に示すように、衝突と判定されたときにエアバッグ装置164を作動させた場合の特性は領域36に含まれ、エアバッグの展開が早すぎて乗員保護に効果的なエアバッグ内圧が不足する。このため、相対速度に対応する領域35のエアバッグ展開時間でエアバッグ装置164が作動されるように、相対速度に対応する遅延時間だけ遅延させる。図7に示す例では、領域35に含まれる遅延対象領域35Aにおけるエアバッグ展開時間でエアバッグ装置164が作動されるように、相対速度に対応する遅延時間だけ遅延されるようにエアバッグ展開時間を調整する(図7では白抜き矢印で示した)。これによって、乗員保護に効果的にエアバッグが展開され、乗員保護性能を向上させることができる。
本実施の形態では、PCSシステム12が本発明の衝突予測部の一例であり、車両状態センサ14が本発明の物理量検出部の一例である。また、制御部18が本発明の制御部の一例である。さらに、エアバッグ装置164を含むアクティブデバイス16が本発明のエアバッグ装置の一例である。なお、図3に示す位置マップの位置P5〜P10は本発明のフェンダ部の一例であり、位置P11〜P14は本発明のキャビン部の一例である。
次に、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10における処理の一例について説明する。図8に、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10の制御部18で実行される処理の流れの一例を示す。なお、本実施の形態では、図8に示す処理の流れの一例を具現化した、ROM186に予め記憶された制御プログラム186Pを、制御部18が実行する。図8の処理は、図示しないイグニッションスイッチがオンされた場合に開始される。
まず、イグニッションスイッチがオンされると、ステップS100において初期設定が実行される。ステップS100の初期設定では、車両への対象物の衝突判定のための閾値THとして、通常状態の第1閾値th1が設定される。すなわち、第1閾値th1がROM186から読み出され、対象物の衝突を判定するための閾値THとして設定される。
次のステップS102では、PCSシステム12により予測された衝突が不可避な衝突か否かを判定する。ステップS102の判定は、PCSECU122から送信された情報(表1参照)に示す項目の値を用いて、例えば、衝突予測時間が0.6秒未満の場合を不可避な衝突であると判定する。なお、ステップS102の判定は、PCSシステム12で行い、判定結果、つまり不可避な衝突であることを示す情報を制御部18が受信してもよい。
次のステップS104では、ステップS102の判定結果を用いて、PCSシステム12で予測された衝突が不可避な衝突か否かが判断される。ステップS104で肯定された場合、ステップS106へ処理が移行される。一方、ステップS104で否定された場合は、ステップS120で通常処理が実行された後、イグニッションスイッチがオフされた場合(ステップS122で肯定)、本処理ルーチンが終了される。ステップS122で否定された場合には、ステップ102へ処理が戻される。
次のステップ106では、領域外衝突モードへ移行するか否かを判定する。このステップS106では、PCSECU122から送信された情報(表1参照)を用いて、領域外衝突モードへの移行するための条件(表2参照)に適合するか否かを判定する。具体的には、表2に示す第1番目の条件から第4番目の条件に全て適合した場合に、領域外衝突モードへ移行すると判定する。
次のステップS108では、ステップS106の判定結果を用いて、領域外衝突モードへ移行するか否かが判断される。ステップS108で肯定された場合、ステップS110へ処理が移行され、否定された場合は、ステップS120へ処理が移行される。
ステップS110では、領域外衝突モードへ移行する処理が実行される。このステップS110では、車両への対象物の衝突判定のための閾値THとして、第1閾値th1から、第1閾値th1より小さな値の第2閾値th2が設定される。すなわち、第2閾値th2がROM186から読み出され、閾値THとして設定される。
なお、閾値THとして設定される第2閾値th2は、エアバッグ装置164の誤作動を抑制することを目的として短時間の間だけ設定されていることが好ましい。そこで、例えば、PCSシステム12から得た衝突予測時間(表2)の間、閾値THとして第2閾値th2を設定することにより、衝突が予測される短時間の間だけ、第1閾値th1から第2閾値th2へ値が下げられた小さな値で、衝突を検出することが可能になる。この場合、PCSシステム12から得た衝突予測時間に対応する設定時間を定めて、図示しないタイマーのよる時間計測しつつ、設定時間の間だけ第2閾値th2が設定されるように制御部18が制御すればよい。
次のステップS112では、衝突が予測された際の相対速度に応じた遅延時間が決定される(図7)。次のステップS114では、フロアセンサ14Fで検出された加速度を用いて領域外衝突の衝突判定が実行される(図5)。領域外衝突の衝突判定で、衝突発生と判定された場合、次のステップS116で、上記ステップS112で決定された遅延時間だけ待機してエアバッグ装置164の作動開始時期が遅延された後に、ステップS118で、エアバッグ装置164が作動される。
なお、本実施の形態では、ステップS104〜ステップS118に示される処理は、本発明の制御部が行う第2制御の機能の一例であり、ステップS120に示される処理は、本発明の制御部が行う第1制御の機能の一例である。
以上説明したように、本実施形態では、通常処理で検出することが困難なフェンダ付近の領域、つまり自車両の側方に設置されたサテライトセンサ14R、14Lにより側突を検出可能な領域30R、30L(図4)から外れた部位への側突を、フロアセンサ14Fで検出された加速度から検出することができる。従って、エアバッグ装置164を作動させる制御を行うのに十分な検出値を得ることができ、車両前方のフェンダ付近への衝突であってもエアバッグ装置164を作動させることができる。これによって、乗員保護性能が向上される。
また、本実施の形態では、自車両の側方への衝突が予測される場合に所定時間の間だけ、第1閾値から、より小さい第2閾値に変更する。これにより、通常状態の衝突を検出できると共に、車両前方のフェンダ付近への側突を検出でき、衝突検出性能を向上させることができる。また、対象物の衝突を判定するための閾値を所定時間だけ変更するのみの簡単な構成で、車両前方のフェンダ付近への側突を判定することができる。また、側方からの衝突直前の短時間だけ第2閾値th2に閾値THを変更するので、エアバッグ装置164の誤作動につながる不要な作動を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、相対速度に応じて乗員を保護するのに最適な時期を決定し、決定した最適な時期になるまでエアバッグ装置164の作動を遅延させている。これによって、乗員保護効果を期待できる時期にエアバッグ装置164を作動させることが可能になる。
なお、本実施の形態では、領域外衝突モードにおいてエアバッグ装置164の誤作動につながる不要な作動の対策にもなっている。次の表に、エアバッグ装置164の誤作動を招くことが予測される加速度を生じさせる原因となる車両の走行及び車両に与えられる力について、通常処理と本実施形態の領域外衝突モードでの衝突判定処理とについての比較結果を示す。

上記表に示されるように、本実施形態における領域外衝突モードでは、フロアセンサ14Fによる領域外衝突判定(ステップS114)と、領域外衝突モード移行判定(ステップS106)とが組み合わされているので、通常処理と同様に、エアバッグ装置164の誤作動を招くことが予測される判定が実行されることはない。
なお、本実施形態では、車両用乗員保護装置10の一例として、コンピュータ構成の制御部18で実行される処理を制御プログラム186Pによるソフトウェア処理で実現した場合を説明したが、車両用乗員保護装置10は電子回路を含むハードウェアで構成してもよい。
図9に、車両用乗員保護装置10に含まれる制御部18の変形例としての機能ブロック図を示す。図9に示す制御部18は、領域外衝突判定部18A、領域外衝突モードへの移行判定部18B、遅延時間決定部18C、論理積(AND)回路部18D、及び遅延処理部18Eを備えている。領域外衝突判定部18Aは図8に示すステップS114で実行される機能を有する。領域外衝突モードへの移行判定部18Bは図8に示すステップS106で実行される機能を有する。遅延時間決定部18Cは図8に示すステップS112で実行される機能を有する。論理積(AND)回路部18Dは図8に示すステップS108の判定及びステップS114の判定動作として実行される機能を有する。遅延処理部18Eは図8に示すステップS116で実行される機能を有する。図9に示す制御部18の変形例であっても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態を説明する。第2実施形態は、自車両への衝突として、高速で自車両のキャビン付近への側突時に乗員を保護する場合の一例である。第2実施形態は第1実施形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
他車両等の物体の自車両への衝突時には、他車両等の物体と自車両との相対速度が大きくなるのに従って、エアバッグ装置164の作動開始時期は早くなる。
図10に、他車両の自車両に対する側突の一例を模式的に示す。
図10に示すように、サテライトセンサ14R、14L各々が有する側突を検出可能な領域30R、30L内で側突を検出可能な場合であっても、エアバッグ装置164を作動させた際に乗員を保護することが充分ではない状況が発生する。つまり、他車両等の物体と自車両との相対速度が大きくなるのに従ってエアバッグ装置164の作動開始時期は早くなるので、より大きな相対速度による自車両のキャビン付近への側突時に、エアバッグ装置164の作動が遅れる場合がある。
図11に、サテライトセンサ14L及びフロアセンサ14Fで検出された車両の左右方向の加速度を用いて、自車両左側の衝突を判定する判定マップの一例を示す。図11は、衝突時における相対速度に応じて変化するサテライトセンサ14Lの出力の時間特性と考えることもできる。図11は、縦軸をサテライトセンサ14Lの出力(加速度)とし、横軸を時間に対応するフロアセンサ14Fの減速度(フロアセンサ14Fで検出された車両の左右方向の加速度の一階積分)とした場合を模式的に示した。
図11では、一例として、曲線50は、側突時に他車両等の物体と自車両との相対速度V1(例えば70km/h)であった場合における、サテライトセンサ14Lの出力(加速度)に関する特性を示す。また、曲線52は、相対速度V2(例えば60km/h)の場合における、サテライトセンサ14Lの出力(加速度)に関する特性を示す。
相対速度が相対速度V2から相対速度V1に大きくなると、通常時に設定される閾値th3を超える時間は、時間Tx(=t3−t2)だけ早くなる。ところが、相対速度が大きくなった場合に、最適なエアバッグ装置164の作動時期が時間t1になった場合には、閾値th3を超えるまでの時間Ty(=t2−t1)だけエアバッグ装置164の作動が遅れることになる。このため、閾値th3を小さい値の閾値th4に変更することが考えられる。ところが、誤作動抑制の観点から、閾値th3を小さい値の閾値th4に変更することが困難な場合がある。
そこで、本実施形態では、制御部18は、衝突安全対策(パッシブセーフティ対策)として定められた速度を超える相対速度による衝突を検出する処理を実行する。以下の説明では、パッシブセーフティ対策として定められた速度を超える相対速度による衝突を検出する処理を実行する状態を、高速衝突モードという。そして、高速衝突モードで閾値を下げて衝突を検出する。
制御部18は、高速衝突モードにおける誤検出を抑制するために、高速衝突モードへの移行は、予め定めた条件に適合する場合に行われる。
本実施形態では、高速衝突モードへの移行するための条件の一例として、次の表に示す4個の条件を用いる。

第1番目の条件は、高速衝突モードとして自車両のキャビン付近への衝突を検出する際におけるエアバッグ装置164の誤作動を抑制することを目的として、衝突の直前であることとする。例えば、衝突予測時間が所定時間(0.6秒)以下であることを条件とする。第2番目の条件は、高速衝突モードで自車両のキャビン付近への衝突を検出する際におけるエアバッグ装置164を作動させることに効果的な速度を定めることを目的として、衝突速度(相対速度)が所定値以上であることとする。例えば、衝突速度(相対速度)が60km/h以上であることを条件とする。第3番目の条件は、高速衝突モードで自車両のキャビン付近への衝突であることを確認することを目的として、衝突予測位置が所定位置であることとする。例えば、衝突位置が図3に示す位置マップの位置P11〜P14の何れかであり、情報値が11〜14の数値であることを条件とする。第4番目の条件は、PCSセンサ124の出力異常によるエアバッグ装置164の誤作動を抑制することを目的として、PCSセンサ124の状態が正常であることとする。高速衝突モードへの移行は、これら第1番目の条件から第4番目の条件に全て適合した場合とする。
なお、第1番目の条件から第4番目の条件の各々についての適合判定は、PCSシステム12のPCSECU122から送信される情報を用いて判定する。
次に、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10における処理の一例について説明する。図12に、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10の制御部18で実行される処理の流れの一例を示す。なお、図12に示す処理の流れの一例は、図8に示す処理の流れの一例とほぼ同様である。相違する箇所は、図8に示すステップS106の処理に代えてステップS107の処理を実行し、図8に示すステップS110の処理に代えてステップS111の処理を実行し、図8に示すステップS114の処理に代えてステップS115の処理を実行する。また、図8に示すステップS112、及びステップS116の処理は、実行しないので削除されている。さらに、ステップS100の初期設定では、車両への対象物の衝突判定のための閾値THとして、第1閾値th1に代えて通常状態の第1閾値th3が設定される。
制御部18は、ステップS107で、高速衝突モードへ移行するか否かを判定する。このステップS107では、PCSECU122から送信された情報(表1参照)を用いて、高速衝突モードへの移行するための条件(表4参照)に適合するか否かを判定する。具体的には、表4に示す第1番目の条件から第4番目の条件に全て適合した場合に、高速衝突モードへ移行すると判定する。
次のステップS108では、ステップS107の判定結果を用いて、高速衝突モードへ移行するか否かが判断され、肯定された場合、ステップS111へ処理が移行され、否定された場合は、ステップS120へ処理が移行される。
ステップS111では、高速衝突モードへ移行する処理が実行される。このステップS111では、車両への対象物の衝突判定のための閾値THとして、第1閾値th3から、第1閾値th3より小さな値の第2閾値th4が設定される。すなわち、第2閾値th4がROM186から読み出され、閾値THとして設定される。
そして、次のステップS115では、フロアセンサ14Fで検出された加速度、及びサテライトセンサ14R,14Lで検出された加速度を用いて高速衝突の衝突判定が実行される(図11)。高速衝突の衝突判定で、衝突発生と判定された場合、次のステップS118で、エアバッグ装置164が作動される。
以上説明したように、本実施形態では、自車両への大きな相対速度によるキャビン付近への側突を、フロアセンサ14Fで検出された加速度、及びサテライトセンサ14R,14Lで検出された加速度を用いて遅延されることなく検出することができる。従って、キャビン付近への衝突について大きな相対速度による衝突であっても遅延なくエアバッグ装置164を作動させることができる。これによって、乗員保護性能が向上される。
なお、本実施の形態でも、第1実施形態と同様に、高速衝突モードにおいてエアバッグ装置164の誤作動につながる不要な作動の対策にもなっている。次の表に、エアバッグ装置164の誤作動を招くことが予測される加速度を生じさせる原因となる車両の走行及び車両に与えられる力について、通常処理と本実施形態の高速衝突モードでの衝突判定処理とについての比較結果を示す。

上記表に示されるように、本実施形態における高速衝突モードでは、フロアセンサ14F、及びサテライトセンサ14R,14Lで検出された加速度による高速衝突判定(ステップS115)と、高速衝突モード移行判定(ステップS107)とが組み合わされているので、通常処理と同様に、エアバッグ装置164の誤作動を招くことが予測される判定が実行されることはない。
なお、本実施形態では、車両用乗員保護装置10の一例として、コンピュータ構成の制御部18で実行される処理を制御プログラム186Pによるソフトウェア処理で実現した場合を説明したが、車両用乗員保護装置10は電子回路を含むハードウェアで構成してもよい。
図13に、車両用乗員保護装置10に含まれる制御部18の変形例としての機能ブロック図を示す。図13に示す制御部18は、高速衝突判定部18F、高速衝突モードへの移行判定部18G、及び論理積(AND)回路部18Hを備えている。高速衝突判定部18Fは図12に示すステップS115で実行される機能を有する。高速衝突モードへの移行判定部18Gは図12に示すステップS107で実行される機能を有する。論理積(AND)回路部18Hは図12に示すステップS108の判定及びステップS115の判定動作として実行される機能を有する。図13に示す制御部18の変形例であっても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例)
次に上記第1実施形態と第2実施形態を組み合わせた変形例を説明する。本変形例は第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
本変形例は、側突を検出可能な領域30R、30Lから外れた部位における衝突の検出、または自車両への衝突として高速で自車両のキャビン付近への衝突を検出する処理を実行して乗員を保護するものである。
図14に、本変形例に係る車両用乗員保護装置10に含まれる制御部18の機能ブロック図を示す。図14に示す制御部18は、図9に示す制御部18の各構成と、図13に示す制御部18の構成を全て含み、側突を検出可能な領域30R、30Lから外れた部位における衝突の検出結果と、自車両への衝突として高速で自車両のキャビン付近への衝突の検出結果とを、論理和(OR)回路部18Jを介してアクティブデバイス16へ出力する。図14に示す制御部18の変形例は第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
10 車両用乗員保護装置(車両用乗員保護装置)
12 プリクラッシュセーフティシステム(側方衝突予測部)
14 車両状態センサ(物理量検出部)
14F フロアセンサ
14R,14L サテライトセンサ
16 アクティブデバイス
16R、16L エアバッグ装置(エアバッグ装置)
18 制御部(制御部)
164 エアバッグ装置
186P 制御プログラム
20 エアバッグECU

Claims (8)

  1. 自車両の側方への衝突を予測し、予測した衝突が不可避な衝突か否かの判定を含む予測結果を出力する側方衝突予測部と、
    自車両の側方への衝突に関連する物理量を検出し、検出値を出力する物理量検出部と、
    作動された際に展開されて乗員を保護するエアバッグ装置と、
    前記検出値が閾値を超えた場合に前記エアバッグ装置を作動させる第1制御を行うと共に、前記判定で不可避な衝突であると判定され、かつ所定時間の間に前記検出値が前記閾値より小さな値の閾値を超えた場合に前記エアバッグ装置を作動させる第2制御を行う制御部と、
    を備えた車両用乗員保護装置。
  2. 前記所定時間は、不可避な衝突であることが判定されてから前記エアバッグ装置を作動させるまでの時間である
    請求項1に記載の車両用乗員保護装置。
  3. 前記予測結果は、前記不可避な衝突であると判定した場合の予測衝突位置をさらに含み、
    前記物理量検出部は、前記物理量として前記予測衝突位置に応じた車両部位における左右方向の加速度を検出して前記検出値を出力する
    請求項1又は請求項2に記載の車両用乗員保護装置。
  4. 前記予測衝突位置が前記自車両の前側フェンダ部の場合には、前記左右方向の加速度を検出する前記車両部位は前記自車両の中央部であり、前記予測衝突位置が前記自車両のキャビン部の場合には、前記左右方向の加速度を検出する前記車両部位は前記自車両の側方部である
    請求項3に記載の車両用乗員保護装置。
  5. 前記予測結果は、前記不可避な衝突であると判定した場合の衝突予測対象物と前記自車両との予測相対速度をさらに含み、
    前記制御部は、前記予測相対速度が予め定めた所定速度以上の場合に前記第2制御を行う
    請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用乗員保護装置。
  6. 前記予測結果は、前記不可避な衝突であると判定した場合の衝突予測対象物と前記自車両との予測相対速度をさらに含み、
    前記制御部は、前記第2制御で前記エアバッグ装置を作動させる時期を、前記検出値が前記閾値より小さな値を超えた時点より前記予測相対速度に基づいて定まる時間遅延させる
    請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用乗員保護装置。
  7. 前記予測結果は、前記側方衝突予測部が正常に動作されていること示す情報をさらに含み、
    前記制御部は、前記側方衝突予測部が正常に動作されている場合に、前記エアバッグ装置を作動させる制御を行う
    請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の車両用乗員保護装置。
  8. コンピュータが、
    自車両の側方への衝突を予測し、予測した衝突が不可避な衝突か否かの判定を含む予測結果を出力し、
    自車両の側方への衝突に関連する物理量を検出し、検出値を出力し、
    作動された際に展開されて乗員を保護するエアバッグ装置を、前記検出値が閾値を超えた場合に作動させる第1制御を行うと共に、前記判定で不可避な衝突であると判定され、かつ所定時間の間に前記検出値が前記閾値より小さな値の閾値を超えた場合に前記エアバッグ装置を作動させる第2制御を行う
    車両用乗員保護方法。
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