JP2020158078A - 電動式倍力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】戻しバネの荷重を低減可能な負圧式電動式倍力装置を提供する。【解決手段】ブレーキ操作の入力を倍力して出力軸から出力させる電動式倍力装置において、アシスト機構は、電動モータのモータ軸に設けられたピニオンギヤと、ピニオンギヤを介して電動モータの出力トルクを受けて軸方向移動する第1のギヤと、第1のギヤと同軸上に設けられ、第1のギヤの軸方向移動に伴って第1のギヤと連結可能な第2のギヤとを含み、第1のギヤ及び第2のギヤは、電動モータの出力トルクが所定値以上のときに連結される一方、電動モータの出力トルクが所定値未満のときに連結が解放される。【選択図】図2

Description

本発明は、電動式倍力装置に関する。
乗用車等の自動車のブレーキシステムにおいて、運転者によるブレーキ操作の入力を所定のサーボ比で倍力して大きな出力を発生する電動式倍力装置が用いられている。電動式倍力装置は、運転者によるブレーキ操作の入力を入力軸で受け、かかる入力を電動モータの出力により倍力して出力軸から出力させる。
特表2015−502886号公報
電動式倍力装置は、出力軸を初期位置に復帰させるための戻しバネを備える。戻しバネには、少なくとも電動モータのコギングトルクに抗して出力軸を初期位置に復帰させるために必要な荷重を有することが求められる。このため、戻しバネの外形が比較的大きくなって、電動式倍力装置を小型化することが困難である。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、戻しバネの荷重を低減可能な負圧式電動式倍力装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、電動モータと、電動モータの回転運動を直進運動に変換して出力軸に伝達するアシスト機構と、出力軸を後退させる戻しバネとを備え、ブレーキ操作の入力を倍力して出力軸から出力させる電動式倍力装置において、アシスト機構は、電動モータのモータ軸に設けられたピニオンギヤと、ピニオンギヤを介して電動モータの出力トルクを受けて軸方向移動する第1のギヤと、第1のギヤと同軸上に設けられ、第1のギヤの軸方向移動に伴って第1のギヤと連結可能な第2のギヤとを含み、第1のギヤ及び第2のギヤは、電動モータの出力トルクが所定値以上のときに連結される一方、電動モータの出力トルクが所定値未満のときに連結が解放される電動式倍力装置電動式倍力装置が提供される。
以上説明したように本発明によれば、電動式倍力装置の戻しバネの荷重を低減することができる。
本発明の実施の形態に係る電動式倍力装置の全体構成例を示す模式図である。 同実施形態に係る電動式倍力装置のアシスト機構の構成例を示す模式図である。 アシスト機構の第1のギヤ及び第2のギヤを示す模式図である。 ブレーキペダルの踏み込み量と電動モータの出力トルクとの関係を示す説明図である。 電動モータの出力トルクの増大時のアシスト機構の動作を示す説明図である。 電動モータの出力トルクの減少時のアシスト機構の動作を示す説明図である。 スピンドルが非作動位置に戻る直前のアシスト機構の動作を示す説明図である。 ブレーキペダルの踏力とブレーキ圧との関係を示す説明図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本明細書において、「前」とは、出力軸が配置された側つまりマスタシリンダに近い側を意味し、各図の左側に相当する。「後」とは、入力軸が配置された側つまりブレーキペダルに近い側を意味し、各図の右側に相当する。
<電動式倍力装置の全体構成>
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る電動式倍力装置(以下単に「倍力装置」ともいう。)の全体構成例について簡単に説明する。図1は、電動式倍力装置1の一例を模式的に示す部分断面図である。図1において、一部の部材は、断面ではなく側面が示されている。
倍力装置1は、ハウジング5、入力軸11、出力軸13、バルブボディ15、電動モータ21、アシスト機構50及び戻しバネ17を備える。
ハウジング5は、フロントハウジング5a及びリアハウジング5bを有する。フロントハウジング5a内には、出力軸13、電動モータ21、アシスト機構50及び戻しバネ17が収容される。
リアハウジング5bの後方には取付プレート7が固定される。取付プレート7には倍力装置1を車体に固定するためのタイロッド9a,9bが貫通する。ただし、倍力装置1を車体に固定するための手段はタイロッド9a,9bを用いる例に限られない。
入力軸11は、図示しないブレーキペダルに連結されて運転者によるペダル操作の入力を受けて軸方向に移動する。入力軸11の前端は、ボールジョイントを介してアシスト機構50のプランジャ57の後部に連結される。
電動モータ21は、例えば固定素子としてのステータ及び可動素子としてのロータを含むDCDCモータであってよい。電動モータ21は、図示しない電子制御装置により制御される電力(電流)供給を受けて作動する。
ロータから延び又はロータに連結された電動モータ21のモータ軸23は、図示しない軸受部材を介してハウジング5に回転可能に支持される。モータ軸23は、軸方向に移動不能にハウジング5に支持される。
アシスト機構50は、電動モータ21の作動を受けてバルブボディ15及び出力軸13をマスタシリンダ40側に移動させる。アシスト機構50は、ピニオンギヤ25、第1のギヤ61、第2のギヤ65、スピンドルナット51、スピンドル53及びプランジャ57を含む。
ピニオンギヤ25は、電動モータ21のモータ軸23に同軸に固定される。モータ軸23は、回転自在かつ軸方向移動不能にハウジング5等に支持される。ピニオンギヤ25は、軸方向移動不能にモータ軸23に固定される。
第1のギヤ61及び第2のギヤ65は、ともに同一の回転軸部材69に支持される。回転軸部材69は、図示しない軸受部材により軸回転可能かつ軸方向移動不能にハウジング5等に支持される。
第1のギヤ61は、軸方向移動可能に回転軸部材69に支持される。第2のギヤ65は、軸方向移動不能に回転軸部材69に固定支持される。第1のギヤ61は、軸方向移動により第2のギヤ65に連結され又は切り離しされる。
第1のギヤ61は、ピニオンギヤ25に噛み合う。第2のギヤ65は、スピンドルナット51の外周に固定されたハブギヤ59に噛み合う。ピニオンギヤ25と第1のギヤ61とのギヤ比は、所定の減速比に設定される。第2のギヤ65とハブギヤ59とのギヤ比は、所定の減速比に設定される。電動モータ21のモータ軸23の回転は、減速されてスピンドルナット51に伝達される。
スピンドルナット51の内周孔にはネジ溝51aが形成される。スピンドルナット51の内周孔にはスピンドル53が配設される。スピンドル53の外周面にはネジ山53aが形成される。
スピンドルナット51のネジ溝51aとスピンドル53のネジ山53aとは噛み合い、スピンドルナット51の回転により、スピンドル53はスピンドルナット51に対して軸方向に相対的に移動可能になっている。
なお、スピンドルナット51の回転によりスピンドル53を軸方向移動させる構成は、スピンドルナット51の内周孔及びスピンドル53の外周面にそれぞれネジ溝が形成され、対向するネジ溝内に転動体としての複数のボールが配置されるボールねじ機構であってもよい。
スピンドル53は、軸方向の両端に開口する軸方向孔を有する中空状に形成される。スピンドル53の軸方向孔には、プランジャ57が軸方向に摺動可能に配置される。プランジャ57は、入力軸11を介して運転者によるブレーキペダルの操作入力を受けてスピンドル53に対して相対的に変位可能になっている。
バルブボディ15は、支持部材31に支持される。支持部材31は、タイロッド9a,9bに対して摺動移動可能に取り付けられた摺動支持部材33に支持される。これにより、バルブボディ15は軸方向移動可能となっている。支持部材31は、スピンドル53の前進に伴って前進し、バルブボディ15を前進方向に移動させる。
バルブボディ15の内周孔には、入力受け部材71がバルブボディ15に対して軸方向に相対移動可能に嵌合される。入力受け部材71には、プランジャ57の前端が軸方向に相対移動可能に連結される。
バルブボディ15の前面の内周孔には、出力軸13の後端が軸方向に相対移動可能に嵌合されている。出力軸13は、バルブボディ15に取り付けられたリテーナ73により保持される。
出力軸13は、電動モータ21の作動により前進してマスタシリンダ40のプライマリピストン43を作動する。出力軸13の後端とバルブボディ15の前面との間には、ゴム等の弾性部材からなるリアクションディスク75が配置される。リアクションディスク75の後面には、微小な間隙を介して入力受け部材71の前面が対向する。
バルブボディ15の後面とアシスト機構50のスピンドルナット51の前面との間にはキー部材87が配置される。キー部材87は、プランジャ57に固定されてプランジャ57と一体的に軸方向に移動する。キー部材87によって、バルブボディ15に対するプランジャ57及び入力受け部材71の移動範囲が規定される。
フロントハウジング5aとバルブボディ15との間には、戻しバネ17が圧縮状態で配置される。戻しバネ17は、バルブボディ15を常時非作動方向に付勢する。バルブボディ15が非作動方向に後退する際に、出力軸13及びリアクションディスク75がともに後退する。
スピンドル53と入力軸11との間には、戻しバネ19が圧縮状態で配置される。戻しバネ19は、入力軸11をスピンドル53に対して常時非作動方向に付勢する。バルブボディ15を支持する支持部材31がスピンドルナット51の前面に当接することにより、バルブボディ15及び出力軸13の非作動位置が規定される。
フロントハウジング5aの前側には、タンデム型のマスタシリンダ40が連結されている。マスタシリンダ40の上部には、マスタシリンダ40にブレーキ液を供給する図示しないリザーバが取り付けられる。
マスタシリンダ40は、有底のシリンダボア41内に軸方向移動可能に配置されたプライマリピストン43及びセカンダリピストン44を備える。プライマリピストン43が出力軸13に近い側に配置され、セカンダリピストン44が出力軸13から遠い側に配置される。
プライマリピストン43及びセカンダリピストン44は、それぞれ円筒状に形成される。セカンダリピストン44の全体がシリンダボア41内に配置され、プライマリピストン43の一部がシリンダボア41内に配置される。
プライマリピストン43とセカンダリピストン44との間にはプライマリ室47が形成され、セカンダリピストン44とシリンダボア41の底部との間にはセカンダリ室48が形成される。
プライマリ室47及びセカンダリ室48にはそれぞれリザーバに連通する図示しないリザーバポートが形成され、プライマリ室47及びセカンダリ室48にはブレーキ液が供給される。
プライマリピストン43とセカンダリピストン44との間には、第1のバネ45が配置される。セカンダリピストン44とシリンダボア41の底部との間には、第2のバネ46が配置される。
プライマリピストン43には、電動モータ21の出力により前進してプライマリピストン43を軸方向に移動させる出力軸13の一端が当接する。プライマリピストン43の軸方向移動によりセカンダリピストン44も軸方向移動する。
また、倍力装置1は、相対変位検出センサ80を備える。相対変位検出センサ80は、バルブボディ15に一体に設けられたホール素子等の磁気センサ85と、キー部材87に一体に設けられたマグネット81とを有する。
磁気センサ85は、バルブボディ15に対する、キー部材87つまりプランジャ57及び入力受け部材71の相対変位を検出し電子制御装置に対してセンサ信号を出力する。
具体的には、バルブボディ15に対する、プランジャ57及び入力受け部材71の相対変位により、キー部材87に設けられたマグネット81が磁気センサ85に対して相対移動することで、磁気センサ85がマグネット81からの磁界の変動に応じた電流を電子制御装置に出力する。
電子制御装置は、磁気センサ85から入力される電流の大きさに基づいてバルブボディ15に対するプランジャ57及び入力受け部材71の相対変位を判定する。倍力装置1の非作動状態で、バルブボディ15に対するプランジャ57及び入力受け部材71の相対変位はゼロと規定される。
電子制御装置では、倍力装置1の非作動状態でマグネット81の磁界により発生する磁気センサ85の電流が基準値としてゼロに設定される。このとき、電子制御装置は、電動モータ21のステータに電力(電流)を供給しない。
一方、運転者によりブレーキペダルが踏み込まれると、戻しバネ19が撓んで入力軸11が前進する。これに伴い、入力受け部材71が前進し、バルブボディ15に対してプランジャ57及び入力受け部材71が相対的に変位する。
これにより、磁気センサ85に対するマグネット81の磁界が変動し、磁気センサ85は電流を発生して電子制御装置に出力する。電子制御装置は、電動モータ21のステータに電力(電流)を供給する。
<アシスト機構>
本実施形態に係る倍力装置1に備えられたアシスト機構50を詳細に説明する。図2及び図3は、アシスト機構50を説明するための模式図である。図2は電動モータ21及びアシスト機構50の構成例を示す模式図であり、図3は第1のギヤ61及び第2のギヤ65の軸方向断面を示す模式図である。
アシスト機構50は、電動モータ21の出力をピニオンギヤ25、第1のギヤ61、第2のギヤ65及びハブギヤ59を介してスピンドルナット51に伝達することにより、戻しバネ17の付勢力に抗してスピンドル53を前進させてバルブボディ15及び出力軸13を前進させる。
ピニオンギヤ25、第1のギヤ61、第2のギヤ65及びハブギヤ59は、それぞれヘリカルギヤとして構成される。本実施形態において、少なくともピニオンギヤ25及び第1のギヤ61がヘリカルギヤであればよく、第2のギヤ65及びハブギヤ59はヘリカルギヤでなくてもよい。
第1のギヤ61及び第2のギヤ65は、同一の回転軸部材69に支持される。第2のギヤ65は、軸受部材66を介して回転軸部材69に対して相対回転可能かつ軸方向移動不能に支持される。
第1のギヤ61は、連結部材62を介して、回転軸部材69に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持される。例えば、連結部材62の内周面及び回転軸部材69の外周面にそれぞれスプライン溝が形成され、第1のギヤ61が回転軸部材69に対してスプライン結合される。第1のギヤ61と回転軸部材69とは接合されることなく、第1のギヤ61が回転軸部材69に対して軸方向に相対変位可能にされる。
第1のギヤ61は、第2のギヤ65側に開口する内部孔61aを有する。第2のギヤ65は、第1のギヤ61側に開口する内部孔65aを有する。回転軸部材69は、外周部に鍔部69aを有する。図3に示した例では、回転軸部材69は第2のギヤ65の内部孔65a内の位置に鍔部69aを有する。
第1のギヤ61と回転軸部材69の鍔部69aとの間にはバネ68が設けられる。バネ68は、第1のギヤ61を常時第2のギヤ65から離れる方向に付勢する。
ピニオンギヤ25及び第1のギヤ61はヘリカルギヤとして構成されている。電動モータ21の出力トルクが所定の基準値を超える場合に、バネ68の付勢力に抗して第1のギヤ61が第2のギヤ65に近づくように回転軸部材69に対して相対的に軸方向移動するようになっている。
第1のギヤ61は、第2のギヤ65側を向く面に第1の係合部63を有する。第2のギヤ65は、第1のギヤ61側を向く面に第1の係合部63と係合可能な第2の係合部67を有する。
電動モータ21の出力トルクが小さく、第1のギヤ61と第2のギヤ65とが所定以上離れている状態では、第1の係合部63と第2の係合部67とは係合しない。この場合、ピニオンギヤ25を介してモータ軸23の回転が伝達される第1のギヤ61が、回転軸部材69上で空転する。
電動モータ21の出力トルクが大きくなると、第1のギヤ61が回転しながら軸方向に移動して、第1の係合部63と第2の係合部67とが係合する。この場合、ピニオンギヤ25を介してモータ軸23の回転が伝達される第1のギヤ61により第2のギヤ65が回転され、さらにハブギヤ59を介してスピンドルナット51が回転される。
<アシスト機構の動作>
図4〜図7を参照して、本実施形態に係る倍力装置1のアシスト機構50の動作を説明する。
図4は、ブレーキペダルの踏み込み量St_brkの変化に伴う、電動モータ21の回転角θ_mtr及び出力トルクTq_mtr並びにスピンドル53の前進量St_spdの変化を示す。図5〜図7は、それぞれ図4中の時刻t3,t6,t8におけるアシスト機構50の作動状態を示す。
時刻t1において、運転者がブレーキペダルを踏み始めると、電動モータ21の出力トルクTq_mtrが増大し、電動モータ21が回転し始める。
時刻t2において、電動モータ21の出力トルクTq_mtrが増大して所定の基準値Tq_mtr_threに到達すると、ピニオンギヤ25から第1のギヤ61に伝達される回転力の一部は軸方向への推力に変換され、第1のギヤ61がバネ68の付勢力に抗して第2のギヤ65側に移動し始める。
模式的には、ヘリカルギヤである第1のギヤ61のねじれ角度(軸方向に対する傾き)に電動モータ21の出力トルクTq_mtr(Tq_mtr_thre)を乗じた値がバネ68の付勢力を上回ったときに、第1のギヤ61は軸方向移動する。これにより、図5に示すように、第1のギヤ61の第1の係合部63が第2のギヤ65の第2の係合部67と係合する。
このため、第2のギヤ65が回転し、ハブギヤ59及びスピンドルナット51に回転トルクが伝達される。したがって、時刻t2からブレーキペダルの踏み込み動作が終了する時刻t4までの間、バルブボディ及び出力軸を後側に付勢する戻しバネ17の付勢力に抗してスピンドル53が前進する。
時刻t5において、運転者がブレーキペダルの解放動作を開始すると、電動モータ21の回転角θ_mtrが減少し、電動モータ21の出力トルクTq_mtrが減少し始める。これにより、図示しないバルブボディ及び出力軸を後側に付勢する戻しバネ17の付勢力によりスピンドル53が後退し始める。
電動モータ21の出力トルクTq_mtrが基準値Tq_mtr_threを上回っている時刻t5から時刻t7までの間、第1のギヤ61と第2のギヤ65との係合状態が維持される。このため、図6に示すように、スピンドル53には電動モータ21の作動による前進方向への推力が作用する。
スピンドル53が前進した状態においては、戻しバネ17の圧縮度合いが比較的大きく、戻しバネ17の付勢力が大きい。このため、スピンドル53に電動モータ21の出力トルクTq_mtrが作用している状態であっても、スピンドル53は比較的スムーズに後退する。
ただし、スピンドル53が後退して非作動位置に近づくと、戻しバネ17の圧縮度合いが小さくなって、戻しバネ17の付勢力が小さくなる。この場合、スピンドル53が非作動位置に戻る直前の後退速度が遅くなるおそれがある。
このため、スピンドル53を非作動位置までスムーズに後退させるには、付勢力が比較的大きい戻しバネ17を用いる必要があり、倍力装置1の外形が大きくなる要因となっていた。
これに対して、本実施形態に係る倍力装置1のアシスト機構50では、電動モータ21の出力トルクTq_mtrがさらに減少して基準値Tq_mtr_threまで低下する時刻t7以降、第1のギヤ61の軸方向への推力が低下して、バネ68の付勢力により第1のギヤ61が第2のギヤ65から離れる方向に移動する。
このため、図7に示すように、第1のギヤ61の第1の係合部63と第2のギヤ65の第2の係合部67との係合が解放され、第1のギヤ61が空転状態になる。これにより、第2のギヤ65、ハブギヤ59及びスピンドルナット51に電動モータ21の出力トルクTq_mtrが作用しない状態となる。
したがって戻しバネ17の圧縮度合いが小さくなって戻しバネ17の付勢力が小さくなった場合であってもスピンドル53をスムーズに後退させることができる。
<アシスト機構の作用>
スピンドル53が非作動位置に後退する直前の戻しバネ17に必要な付勢力F_rsは以下の式(1)で示される。
F_rs>Eff_sn×(Friction_Torque_gr+Turning_Torque_mtr)
+Axial_Friction_bp+Cutin_sp ・・・ (1)
F_rs:戻しバネ17の付勢力
Eff_sn:スピンドル53を押し戻す力をスピンドルナット51の回転力に変換する変換効率
Friction_Torque_gr:アシスト機構50の抵抗トルク
Turning_Torque_mtr:電動モータ27の回転抵抗トルク(コギングトルク)
Axial_Friction_bp:ブッシュ33とプランジャ57の軸方向抵抗
Cut_in_sp:戻しバネ19による抵抗トルク
つまり第1のギヤ61と第2のギヤ65とが係合した状態では電動モータ27の回転抵抗トルクTurning_Torque_mtrが戻しバネ17の付勢力F_rsに対向する力として作用する。
しかしながら本実施形態に係る倍力装置1のアシスト機構50では電動モータ21の出力トルクTq_mtrが基準値Tq_mtr_threを下回ると第1のギヤ61と第2のギヤ65との係合状態が解放される。
このため戻しバネ17の付勢力F_rsが小さくなる状態において電動モータ27の回転抵抗トルクTurning_Torque_mtrをゼロにすることができ、戻しバネ17の荷重を小さくしてもスピンドル53を非作動位置までスムーズに後退させることができる。
<倍力装置の効果>
以上説明したように本実施形態に係る倍力装置1によれば比較的荷重の小さい戻しバネ17を利用することができる。このため倍力装置1の外形を小型化することができる。
また比較的荷重の小さい戻しバネ17を利用できることから、例えば電動モータ21又はアシスト機構50が失陥した場合において運転者によるブレーキペダルの必要な踏力を小さくすることができる。
図8は電動モータ21又はアシスト機構50が失陥した場合におけるブレーキペダルの踏力F_pdlに対するブレーキ圧P_brkを示す。図8において破線93が荷重の大きい戻しバネ17を用いた例を示し、実線91が荷重の小さい戻しバネ17を用いた例を示す。
戻しバネ17の荷重が小さい場合には戻しバネ17の荷重が大きい場合に比べて相対的に小さい踏力でブレーキ力を発生し始めることができる。またブレーキ力が発生した後においても踏力の増加に対してブレーキ力を効率よく増大させることができる。
このように本実施形態に係る倍力装置1によれば電動モータ21又はアシスト機構50の失陥時においても運転者によるブレーキ操作が比較的容易になる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば電動モータの出力トルクによって連結又は解放される第1のギヤ及び第2のギヤの構成あるいは回転軸部材に対する第1のギヤ及び第2のギヤの支持方法は上記の例に限られない。
1・・・電動式倍力装置、13・・・出力軸、17・・・戻しバネ、21・・・電動モータ、23・・・モータ軸、25・・・ピニオンギヤ、50・・・アシスト機構、51・・・スピンドルナット、53・・・スピンドル、59・・・ハブギヤ、61・・・第1のギヤ、63・・・第1の係合部、65・・・第2のギヤ、67・・・第2の係合部、68・・・バネ(付勢部材)、69・・・回転軸部材、

Claims (6)

  1. 電動モータ(21)と、前記電動モータ(21)の回転運動を直進運動に変換して出力軸(13)に伝達するアシスト機構(50)と、前記出力軸を後退させる戻しバネ(17)とを備え、ブレーキ操作の入力を倍力して前記出力軸(13)から出力させる電動式倍力装置(1)において、
    前記アシスト機構(50)は、
    前記電動モータ(21)のモータ軸(23)に設けられたピニオンギヤ(25)と、
    前記ピニオンギヤ(25)を介して前記電動モータ(21)の出力トルクを受けて軸方向移動する第1のギヤ(61)と、
    前記第1のギヤ(61)と同軸上に設けられ、前記第1のギヤ(61)の軸方向移動に伴って前記第1のギヤ(61)と連結可能な第2のギヤ(65)とを含み、
    前記第1のギヤ(61)及び前記第2のギヤ(65)は、
    前記電動モータ(21)の出力トルクが所定値以上のときに連結される一方、前記電動モータ(21)の出力トルクが前記所定値未満のときに連結が解放される
    ことを特徴とする電動式倍力装置。
  2. 前記第1のギヤ(61)及び前記第2のギヤ(65)は、
    同一の回転軸部材(69)に支持され、
    前記第1のギヤ(61)は、
    前記回転軸部材(69)に対して軸方向に相対移動可能に支持されるとともに、前記第2のギヤ(65)側とは反対側に付勢され、前記電動モータ(21)のモータ軸(23)に固定されたピニオンギヤ(25)と噛み合う
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動式倍力装置。
  3. 前記第1のギヤ(61)と前記回転軸部材(69)との間に付勢部材(68)を備え、
    当該付勢部材(68)により、前記第1のギヤ(61)が前記第2のギヤ(65)側とは反対側に付勢される
    ことを特徴とする請求項2に記載の電動式倍力装置。
  4. 前記第1のギヤ(61)が、ヘリカルギヤである、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動式倍力装置。
  5. 前記第1のギヤ(61)及び前記第2のギヤ(65)は、
    それぞれ互いに対向する軸方向端面に係合部(63,67)を備える
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動式倍力装置。
  6. 前記アシスト機構(50)は、
    スピンドル(53)及びスピンドルナット(51)を含み、
    前記第2のギヤ(65)が、
    前記スピンドルナット(51)に設けられたハブギヤ(59)に噛み合う
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動式倍力装置。
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