JP2020157707A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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泰央 西川
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Abstract

【課題】ユーザにインク漏れなどの不具合が生じているという誤解を与えるのを防ぐ。【解決手段】プリンタは、インクカートリッジ60を着脱可能な装着部70を含む。装着部70は、供給針68と、インク吸収部材65と、インク受け部材75と、回動機構80とを有している。回動機構80は、インクカートリッジ60を装着部70から取り外す取り外し過程において、排出部62と供給針68との接続が解除される時には、インク受け部材75の第2の面75bが上を向いた状態で且つ供給針68の下方にあるという条件を満たさず、インクカートリッジ60の取り外し後には、第2の面75bが上を向いた状態でインク吸収部材65のインク吸収領域65aを覆うように、インク受け部材75を回動させる。【選択図】図7

Description

本発明は、インクカートリッジを着脱可能な装着部を有するインクジェット記録装置に関する。
特許文献1には、インクカートリッジを収納するホルダケースと、ホルダケースの底板上に設けられカートリッジを装着するためのスライダと、スライダに設けられた第1インク吸収体と、ホルダケースの底板の下側に配置された第2インク吸収体とを含むインクジェット式プリンタについて記載されている。このインクジェット式プリンタにおける第1インク吸収体には、インク供給針が挿入可能な挿入孔やホルダケースの底板に形成された連通孔を介して第2インク吸収体と接触する接触片が形成されている。これにより、インクカートリッジをスライダから取り外すときなどにインクカートリッジの差込口やインク供給針から漏れ出したインクを第1インク吸収体で吸収するとともに、第1インク吸収体で吸収したインクを下方に配置された第2インク吸収体に接触片を通じて吸収させることが可能となる。この結果、プリンタの外側にインクが漏れ出すのを抑制することができる。
特開2010−132006号公報
通常、インクジェット式プリンタを出荷する前に、ホルダケースにインクカートリッジが装着された状態で出荷前検査が行われ、この後、ホルダケースからインクカートリッジが取り外される。上記特許文献1に記載のインクジェット式プリンタにおいては、ホルダケースからインクカートリッジを取り外すときなどに差込口やインク供給針から漏れ出した少量のインクが第1インク吸収体に吸収される。この漏れだしたインクを吸収した第1インク吸収体のインク吸収部位は、スライダから露出して配置されているため、ホルダケースからインクカートリッジが取り外された状態でユーザが外部からホルダケースを目視すると、当該インク吸収部位のインクが目立つ。このため、ユーザがインクカートリッジを装着する前からインク漏れなどの不具合が生じていると誤解する問題がある。
本発明の目的は、ユーザにインク漏れなどの不具合が生じているという誤解を与えるのを防ぐことが可能なインクジェット記録装置を提供することである。
本発明のインクジェット記録装置は、インクを収容するインク収容室と前記インク収容室のインクを排出するための排出部とを有するインクカートリッジを着脱可能な装着部を含むインクジェット記録装置であって、前記装着部は、前記インクカートリッジを装着方向に移動させて前記装着部に前記インクカートリッジを装着させる際に、前記インクカートリッジを支持する支持部と、前記インクカートリッジを前記装着部に装着したときに前記排出部と接続され前記インク収容室と連通する接続部と、前記接続部の下方に配置されインクを吸収可能なインク吸収部材と、回動部材と、前記回動部材を回動させる回動部材回動機構とを有している。そして、前記回動部材回動機構は、前記インクカートリッジを前記装着方向と逆方向に移動させて前記装着部から前記インクカートリッジを取り外す取り外し過程において、(a)少なくとも前記排出部と前記接続部との接続が解除される時には、前記回動部材の一表面が上を向いた状態で且つ前記接続部の下方にあるという条件を満たさず、(b)前記インクカートリッジの取り外し後には、前記一表面が上を向いた状態で前記インク吸収部材の前記接続部と鉛直方向に重なる領域を覆うように、前記回動部材を回動させる。
本発明のインクジェット記録装置によると、インクカートリッジの装着部に対する取り外し過程において、インク吸収部材のインクを吸収した前記重なる領域が、インクカートリッジの取り外し後にはインクが付着していない一表面が上を向いた状態の回動部材によって覆われる。このため、インクカートリッジが取り外された状態で前記重なる領域に吸収されたインクがユーザの目に触れにくくなって、ユーザにインク漏れなどの不具合が生じているという誤解を与えるのを防ぐことが可能となる。
本発明の一実施形態に係るプリンタの斜視図である。 図1に示すプリンタの内部構造を示す概略側面図である。 図1に示すプリンタの概略的な平面図である。 図3に示すインクカートリッジが装着された装着部を示す斜視図である。 制御部のブロック図である。 (a)は図4に示すVIa−VIa線に沿った断面図であり、(b)は図6(a)に示すVIb−VIb線に沿った断面図である。 本実施形態に係る装着部を示しており、(a)はインクカートリッジの排出部と供給針との接続が解除される時の状態を示す要部縦断面図であり、(b)はインクカートリッジの取り外し過程においてラックがピニオンギアを通過した時の状態を示す要部縦断面図である。 第1変形例に係る装着部を示しており、(a)は要部横断面図であり、(b)は図8(a)に示すVIIIb−VIIIb線に沿った断面図である。 第1変形例に係る装着部を示しており、(a)はインクカートリッジの排出部と供給針との接続が解除される時の状態を示す要部縦断面図であり、(b)はインクカートリッジの取り外し過程において係合部が回動機構の円筒部から抜けた時の状態を示す要部縦断面図である。 第2変形例に係る装着部を示しており、(a)は要部横断面図であり、(b)は図10(a)に示すXb−Xb線に沿った断面図である。 第2変形例に係る装着部を示しており、(a)はインクカートリッジの排出部と供給針との接続が解除される時の状態を示す要部縦断面図であり、(b)はインクカートリッジの取り外し過程において係合部が回動機構の円筒部から抜けた時の状態を示す要部縦断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置としてのプリンタ1について説明する。プリンタ1は、図1に示す状態に設置されて使用される。本実施形態において、図1に矢印を付して示す3つの方向が、上下方向A1、前後方向A2、及び左右方向A3である。図1に示す3つの方向は、他の図面においても同様である。
<プリンタ1の概要>
図1に示すように、プリンタ1は、概ね薄型の直方体に形成されており、筐体11を有する。筐体11の前壁11aの略中央には、開口12が形成されている。給紙トレイ15及び排紙トレイ16が、上下2段に設けられている。給紙トレイ15は、開口12から前後方向A2に挿抜可能、すなわち、筐体11から着脱可能に構成されている。所望サイズの用紙Pが給紙トレイ15に載置される。プリンタ1は、パーソナルコンピュータ(以下PCと称する)などの外部機器と接続可能である。そして、PCからの記録指令に基づいて記録動作を実行する。また、ユーザによる操作ボタンの操作によっても各種機能を実行する。
また、筐体11の前壁11aは、図1に示すように、その右方部分に開閉カバー13を有する。開閉カバー13は、その下端部において、左右方向A3に沿う回転軸を回転中心として回動可能に構成されている。開閉カバー13は、閉じられた状態において、前後方向A2に沿って後述の装着部70に装着されたインクカートリッジ60(図3参照)と対向しており、開閉カバー13が開かれることで、インクカートリッジ60が外部に開放され、インクカートリッジ60を交換可能となる。
<プリンタ1の内部構造>
次に、プリンタ1の内部構造について説明する。図2及び図3に示すように、プリンタ1は、給送部20と、搬送ローラ対35と、記録部40と、装着部70と、排紙ローラ対36と、ASF(Auto Sheet Feed)モータ20M(図5参照)と、LF(Line Feed)モータ35M(図5参照)と、制御部5(図5参照)とを含む。給送部20は、給紙トレイ15に載置される用紙Pを搬送路25へ給送する。搬送ローラ対35は、給送部20によって給紙された用紙Pを記録部40に搬送する。記録部40は、例えば、インクジェット記録方式の構成を有し、搬送ローラ対35によって搬送された用紙Pに画像を記録する。排紙ローラ対36は、記録部40によって記録された用紙Pを排紙トレイ16に排紙する。これら給送部20、搬送ローラ対35及び排紙ローラ対36によって、用紙Pを搬送する搬送機構が構成されている。
<装着部70>
装着部70は、図3に示すように、筐体11内の前方右側に設けられている。装着部70は、図4に示すように、インクカートリッジ60を支持するためのホルダ(支持部)71と、インク吸収部材65とを含む。ホルダ71は、前方に向かって開口し後方が閉塞した角筒形状を有しており、インクカートリッジ60が装着可能に構成されている。インク吸収部材65は、直方体形状を有しており、ホルダ70の下方に配置されている。より詳細には、ホルダ70の前後方向A2の中央よりもやや後方部分(後述の凹部76aの前端部よりもやや後方部分)から後端部分と上下方向A1に重なる。つまり、インク吸収部材65は、後述のインク供給針68や受け部本体76の大部分と上下方向A1に重なるように配置されている。また、インク吸収部材65は、軟性を有する多孔質材料からなる吸収フォームから構成されており、インクを吸収する。なお、装着部70の詳細の構成については後述する。
<インクカートリッジ60>
インクカートリッジ60は、図4に示すように、略直方体形状を有し、内部にインクを収容するためのインク収容室61が形成されている。また、インクカートリッジ60は、インク収容室61のインクを排出するための排出部62を有している。排出部62は、バルブ機能を有しており、通常、インク収容室61のインクが外部に排出されないように閉じられ、後述の供給針68が挿入されることで供給針68と接続され、当該供給針68とインク収容室61とが連通する。供給針68は、インクジェットヘッド41(後述する)とチューブ(不図示)などを介して接続されており、インクカートリッジ60のインクがインクジェットヘッド41に供給される。また、インクカートリッジ60には、後述のラック85が形成されている。
<給送部20>
図2に示すように、給送部20が給紙トレイ15の上側に設けられている。給送部20は、給紙ローラ21とアーム22を有する。給紙ローラ21は、アーム22の先端に軸支されている。アーム22は、支軸22aに回動自在に支持され、バネなどにより付勢されて給紙ローラ21が給紙トレイ15に接触するように下側へ回動されている。また、アーム22は、給紙トレイ15の挿抜の際に上方へ退避可能に構成されている。給紙ローラ21は、伝達機構(不図示)を介してASFモータ20Mの動力が伝達されて回転し、給紙トレイ15内に積載された用紙Pが、搬送路25へ給送される。
<給紙トレイ15>
図2に示すように、給紙トレイ15は、斜壁部15aを有する。斜壁部15aは、給紙トレイ15に載置される用紙Pが給紙ローラ21によって給送されるときに、用紙Pを搬送路25に案内する。
<搬送路25>
搬送路25は、図2に示すように、所定間隔で対向する外側ガイド部材25a及び内側ガイド部材25bによって形成されている。搬送路25は、給紙トレイ15の後側の端部から上方且つプリンタ部10の前側へ曲がって構成されている。給紙トレイ15から給送された用紙Pは、搬送路25により下方から上方へUターンするように案内されて記録部40に至る。
<搬送ローラ対35、及び、排紙ローラ対36>
搬送ローラ対35は、下側に配置された搬送ローラ35aと上側に配置されたピンチローラ35bとを有する。搬送ローラ35aは、伝達機構(不図示)を介してLFモータ35Mの動力が伝達されて回転する。ピンチローラ35bは、搬送ローラ35aの回転に伴って連れ回る。搬送ローラ35aとピンチローラ35bとは、協働して用紙Pを上下方向A1から挟持し、用紙Pを記録部40へ搬送する。
排紙ローラ対36は、下側に配置された排紙ローラ36aと、上側に配置された拍車ローラ36bとを有する。排紙ローラ36aは、伝達機構(不図示)を介してLFモータ35Mの動力が伝達されて回転する。拍車ローラ36bは、排紙ローラ36aの回転に伴って連れ回る。排紙ローラ36aと拍車ローラ36bとは、協働して用紙Pを上下方向A1から挟持し、用紙Pを排紙トレイ16に搬送する。
<記録部40>
図2及び図3に示すように、記録部40は、インクジェットヘッド41と、ヘッド移動機構50と、プラテン6とを有する。ヘッド移動機構50は、キャリッジ51を含む。キャリッジ51は、走査方向(左右方向A3であって、用紙Pの搬送方向と直交する方向)へ往復移動する。インクジェットヘッド41は、キャリッジ51に支持されている。
インクジェットヘッド41の下面は、当該インクジェットヘッド41の下方に搬送された用紙Pに対してインクを吐出する複数の吐出口41aが形成された吐出面41bである。複数の吐出口41aは、図3に示すように、搬送方向に沿って配列されている。インクジェットヘッド41は、記録指令に基づく制御部5の制御により、吐出口41aからインクを微小なインク滴として吐出する。
インクジェットヘッド41には、チューブジョイント44が一体的に設けられている。そして、チューブジョイント44に連結された可撓性のチューブ(不図示)を介して、インクジェットヘッド41とインクカートリッジ60とが接続され、インクがインクジェットヘッド41に供給される。
インクジェットヘッド41の下方には、搬送ローラ対35によって搬送される用紙Pを支持するプラテン6が配設されている。プラテン6は、キャリッジ51の往復移動範囲のうち、用紙Pが通過する部分に配設されている。プラテン6の幅は、搬送可能な用紙Pの最大幅より十分に大きいので、搬送路25を搬送される用紙Pは常にプラテン6上を通過する。
ヘッド移動機構50は、図3に示すように、一対のガイドレール52、及び、ベルト伝達機構53を含む。一対のガイドレール52は、前後方向A2に離隔して配置され、左右方向A3に互いに平行に延在している。キャリッジ51は、これら一対のガイドレール52を跨ぐように配置され、当該一対のガイドレール52上を左右方向A3に沿って往復移動される。
また、ベルト伝達機構53は、2つのプーリ54,55と、一部がキャリッジ51に固定された無端状のタイミングベルト56と、キャリッジモータ50Mとを含む。2つのプーリ54,55は、左右方向A3に互いに離隔して配置され、タイミングベルト56が架け渡されている。プーリ54は、キャリッジモータ50Mの駆動軸と連結されており、キャリッジモータ50Mが駆動されることで、タイミングベルト56が走行し、キャリッジ51とともにインクジェットヘッド41が走査方向に移動する。
インクジェットヘッド41は、記録指令に基づく制御部5の制御により、吐出口41aからインクを吐出する。つまり、キャリッジ51が左右方向A3へ往復移動することにより、インクジェットヘッド41が用紙Pに対して走査されると共に、吐出口41aからインクを吐出することで、プラテン6上を搬送される用紙Pに画像が記録される。なお、プリンタ1内には、走査方向に間隔を空けて配列された多数の透光部(スリット)を有するリニアエンコーダ(不図示)が設けられている。一方、キャリッジ51には、発光素子と受光素子とを有する透過型の位置検出センサ(不図示)が設けられている。そして、プリンタ1は、キャリッジ51の移動中に位置検出センサが検出したリニアエンコーダの透光部の計数値から、キャリッジ51の走査方向に関する現在位置を認識できるようになっており、キャリッジモータ50Mの回転駆動が制御される。
図5に示すように、制御部5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを含み、これらが協働して、ASFモータ20M、LFモータ35M、キャリッジモータ50M、インクジェットヘッド41等の動作を制御する。例えば、制御部5は、PCから送信された記録指令に基づいて、インクジェットヘッド41、ASFモータ20M、LFモータ35M、キャリッジモータ50M等を制御して、用紙Pに画像等を記録させる。
なお、本実施形態の制御部5では、CPU及びASICを1つずつ有しているが、制御部5は、ASICを1つだけ含み、この1つのASICが必要な処理を一括して行うものであってもよいし、ASICを複数含み、これら複数のASICが必要な処理を分担して行うものであってもよい。
続いて、装着部70について、図4及び図6を参照しつつ以下に説明する。なお、図6(a)は、説明の便宜上、本来装着されているインクカートリッジ60を省略して描いている。また、図6(b)においては、説明の便宜上、本来描かれないピニオンギア84及びラック85を二点鎖線で示している。装着部70は、インクカートリッジ60が着脱可能に構成され、且つ装着されたインクカートリッジ60とインクジェットヘッド41とを連通可能に構成されている。また、装着部70は、図6に示すように、ホルダ71、インク吸収部材65に加えて、供給針68、インク受け部材75及び回動機構80を有している。ホルダ71は、図4に示すように、前方に開口した凹部72を有している。凹部72は、インクカートリッジ60を挿入可能な大きさを有している。ホルダ71は、図6(b)に示すように、その底部71aに上下方向A1に貫通する貫通部73が形成されている。貫通部73は、図6(a)に示すように、前後方向A2に長尺な長方形平面形状を有し、底部71aの前後方向A2の中央から後方にかけて配置されており、供給針68と上下方向A1に部分的に重なっている。また、底部71aには、図6(a)に示すように、貫通部73の前方に下方に向かって開口する2つの凹部71a1,71a2が左右に並んで配置されている。凹部71a1は、凹部71a2よりもその開口面積が大きく形成されている。凹部71a2の底部には、貫通部71a3が形成されている。貫通部71a3は、前後方向A2に長尺に形成されており、後述のピニオンギア84の上部が凹部72内に突出可能に形成されている。
供給針(接続部)68は、図6に示すように、ホルダ71の後方壁71bから前方に突出するように配置されている。また、供給針68は、前後方向A2に延在する中空管から構成されており、供給針68の後端はチューブジョイント44を介してインクジェットヘッド41に接続されたチューブ(不図示)が接続されている。また、供給針68は、図6(a)に示すように、ホルダ71の後方壁71bの左右方向A3の中央に配置されている。また、供給針68は、図6(b)に示すように、後方壁71bの上下方向A1の中央よりもやや下方に配置されている。このような供給針68は、図6(b)に示すように、インクカートリッジ60を装着部70に装着したときに排出部62と接続され、インク収容室61と連通する。
インク受け部材(回動部材)75は、インクカートリッジ60の排出部62及び供給針68から漏れだしたインクを受けるための部材であり、貫通部73に配置された受け部本体76と、受け部本体76の前端から前方に延在した軸部77とを有する。インク受け部材75は、貫通部73内において、受け部本体76が軸部77の前後方向A2に平行な回転軸周り方向に回転可能にホルダ71に支持されている。受け部本体76は、図6に示すように、前後方向A2に長尺な直方体形状を有しており、供給針68の真下に配置されている。
また、受け部本体76は、図6(b)中において上方にある第1の面(一表面とは反対側の面)75aに、上方に向かって開口した凹部76aが形成されている。凹部76aは、第1の面75aの供給針68と上下方向A1に対向する領域に形成されている。なお、受け部本体76の第1の面75aとは反対側の面(すなわち、図6(b)中において下方にある面)を第2の面(一表面)75bとする。凹部76aは、その底面(図6(b)中下方の面)76a1が後方(インクカートリッジ60の装着方向)に向かうに連れて下方に位置するように傾斜している。換言すると、底面76a1は、図6(b)に示すように、第2の面75bが下を向いた状態において、後端(装着方向の下流側端部)が前端(上流側端部)よりも下方に位置するように傾斜している。また、底面76a1は、図6(b)に示すように、第2の面75bが下を向いた状態において、左右方向(幅方向)A3の中央が左右両端よりも下方に位置するように湾曲している。
回動機構(回動部材回動機構)80は、2つの傘歯ギア81,82と、軸部83と、インクカートリッジ60のラック85と噛み合うことが可能なピニオンギア84とで構成されている。ここでラック85について、説明する。ラック85は、図4に示すように、前後方向A2に延在し、インクカートリッジ60の下端部であって後方右端部に配置されている。ラック85は、下端部に複数の歯が形成されており、ピニオンギア84と噛み合うことが可能なように構成されている。ラック85は、インクカートリッジ60が装着部70の凹部72に挿入され、後方(装着方向)に移動させることでピニオンギア84と噛み合い、ピニオンギア84を回転させる。
軸部83は、図6(b)に示すように、左右方向A3に延在し、底部71aの2つの凹部71a1,71a2の間の部分に回転可能に支持されている。ピニオンギア84は、軸部83の右端部に固定されている。ピニオンギア84は、その大部分が凹部71a2内に配置され、上部が貫通部71a3を介して凹部72内に突出するように配置されている。これにより、ピニオンギア84は、インクカートリッジ60を凹部72に挿入した状態で前後方向A2にスライドさせたときにラック85と噛み合い、その噛み合った状態でインクカートリッジ60の前後方向A2の移動により、回転して軸部83を回転させる。
2つの傘歯ギア81,82は、凹部71a1内に配置されている。傘歯ギア81は、軸部77の前端部に固定されている。傘歯ギア82は、軸部83の左端部に固定されており、傘歯ギア81と噛み合わせた状態で配置されている。これにより、ラック85とピニオンギア84との噛み合いによって軸部83が回転すると、傘歯ギア82も回転する。傘歯ギア82が回転すると、傘歯ギア81及びそれに固定された軸部77も回転する。このように、傘歯ギア81,82及び軸部83は、ピニオンギア84の回転力をインク受け部材75に伝達する伝達機構86として構成されている。そして、軸部77の回転に伴って受け部本体76も同様に回転する。このように回動機構80は、インク受け部材75を回転させるための機構である。
続いて、装着部70からインクカートリッジ60を取り外す際のインク受け部材75及び回動機構80の動作について、図7を参照しつつ以下に説明する。装着部70からインクカートリッジ60を取り外す際は、図7(a)に示すように、インクカートリッジ60を前方(装着方向とは逆方向)に移動させる。このインクカートリッジ60の取り外し過程において、回動機構80は、図7(a)に示すように、排出部62と供給針68との接続が解除される時には、受け部本体76の第1の面75aが上を向いた状態で且つ供給針68の下方にあり、受け部本体76の第2の面75bが下を向いた状態で且つ供給針68の下方にある状態を保つように、インク受け部材75の回動を維持している。このように受け部本体76の第1の面75aが上を向いた状態であるため、排出部62と供給針68との接続が解除される時に、排出部62や供給針68からインクが少量漏れても凹部76aで受け取ることが可能となる。凹部76aで受け取ったインクは、底面76a1の傾斜に沿って後方下部に寄せられる。
そして、排出部62と供給針68との接続が解除された後、さらにインクカートリッジ60を前方に移動させることで、ラック85とピニオンギア84とが噛み合う。回動機構80は、ラック85とピニオンギア84とが噛み合うまでは、上述のインク受け部材75の状態を維持している。
ラック85とピニオンギア84とが噛み合った状態でさらにインクカートリッジ60を前方に移動させ、ラック85とピニオンギア84との噛み合いが外れるとき(ラック85がピニオンギア84を通過したとき)には、図7(b)に示すように、受け部本体76の第1の面75aが下を向いた状態で且つ受け部本体76が供給針68の下方に配置される。つまり、回動機構80は、受け部本体76が図7(a)に示す状態から180°回転するように、インク受け部材75を回動させる。これにより、インク受け部材75は、第1の面75aが上を向いた状態から下を向いた状態となる。このようにインク受け部材75の第1の面75aが下を向いた状態となることで、凹部76aで受け止められたインクがインク吸収部材65に排出され、当該インクがインク吸収部材65により吸収される。このとき、貫通部73には、第2の面75bが上を向いた受け部本体76がインク吸収部材65のインク吸収領域65aを覆って配置されている。インク吸収領域65aは、上下方向A1に沿って供給針68と重なる領域であり、凹部76aから排出されたインクを最初に吸収する領域である。
この後、インクカートリッジ60を前方に移動させることで、装着部70が完全に取り外される。このときも、回動機構80は、第2の面75bを上に向けた受け部本体76が貫通部73に配置されるように、インク受け部材75の状態を維持している。このように回動機構80は、インクカートリッジ60が装着部70に装着された状態から取り外される状態となるまでにおいて、ラック85とピニオンギア84との噛み合いにより、受け部本体76が図7(a)に示す状態から180°回転させて図7(b)に示す状態となるように、インク受け部材75を回動させる。そして、ユーザが、装着部70の凹部72の開口から内部を除いて貫通部73を見たとしても、第2の面75bを上に向けた受け部本体76が貫通部73に配置されているため、インクの付着していない第2の面75bしか見えず、インクを吸収したインク吸収領域65aを目視することができない。
このように回動機構80は、インクカートリッジ60の取り外し過程において、少なくとも排出部60と供給針68との接続が解除される時には、受け部本体76の第2の面75bが上を向いた状態で且つ供給針68の下方にあるという条件を満たさず、インクカートリッジ60の取り外し後には、受け部本体76の第2の面75bが上を向いた状態でインク吸収部材65のインク吸収領域65aを覆うように、インク受け取り部材75を回動させる。なお、インクカートリッジ60が装着部70に正常に装着されている状態(排出部60と供給針68とが接続された状態)からラック85とピニオンギア84とが噛み合うまでは、インク受け取り部材75の状態が排出部60と供給針68との接続が解除される時と同じである。
インクカートリッジ60を装着部70の装着する場合は、インクカートリッジ60を凹部72に挿入後、ラック85がピニオンギア84と噛み合う手前までは図7(b)の状態が、回動機構80によって保たれる。そして、ラック85がピニオンギア84を通過することで、回動機構80によってインク受け部材75が回動し、図6(b)及び図7(a)に示す状態となる。そして、インクカートリッジ60の排出部62と供給針68とが接続されるまで、インクカートリッジ60を後方に移動させることで、インクカートリッジ60の装着部70への装着が完了する。
以上に述べたように、本実施形態のプリンタ1によると、インクカートリッジ60の装着部70に対する取り外し過程において、インク吸収部材65のインクを吸収したインク吸収領域65aが、インクカートリッジ60の取り外し後にはインクが付着していない第2の面75bが上を向いた状態の受け部本体76(インク受け部材75)によって覆われる(図7(b)参照)。このため、インクカートリッジ60が取り外された状態でインク吸収領域65aに吸収されたインクがユーザの目に触れにくくなって、ユーザにインク漏れなどの不具合が生じているという誤解を与えるのを防ぐことが可能となる。
また、回動機構80は、排出部62と供給針68との接続が解除される時には、受け部本体76の第2の面75bが下を向き、第1の面75aが上を向いた状態で且つ供給針68の下方にあるように、インク受け部材75を回動させる。これにより、インクカートリッジ60の取り外し過程において、第1の面75aの凹部76aでインクを受け、インクカートリッジ60の取り外し後には第1の面75aが下を向いた状態となるため、インクの付着した当該凹部76aがユーザの目に触れにくくなる。
また、第1の面75aであって供給針68と対向する領域には、凹部76aが形成されている。これにより、インクカートリッジ60の取り外し過程において、排出部62と供給針68との接続が解除される時には、図7(a)に示すように、凹部76aが供給針68の下方で上を向いた状態をとる。したがって、排出部62と供給針68との接続解除に伴って供給針68及び排出部62から垂れ落ちたインクを凹部76aで受けた後、その受けたインクをインク吸収部材65に向けて凹部76aから排出することが可能となる。
また、凹部76aの底面76a1は、第2の面75bが下を向いた状態において、後端が前端よりも下方に位置するように傾斜している。これにより、凹部76aにおいて、インクを後端部に寄せることが可能となる。このため、凹部76aの後端部からインク吸収部材65にインクを排出することが可能となり、インク吸収部材65を凹部76aの前端部と対向する位置にまで配置する必要がなくなる。したがって、インク吸収部材65を小さくすることが可能となる。
また、底面76a1は、図6(b)に示すように、第2の面75bが下を向いた状態において、左右方向(幅方向)A3の中央が左右両端よりも下方に位置するように湾曲している。これにより、凹部76aからインク吸収部材65にインクを排出しやすくなり、凹部76a内にインクが残存しにくくなる。
また、回動機構80が、ピニオンギア84、及び、伝達機構86を有し、インク受け部材75がピニオンギア84からの回転力により回動可能にホルダ71に支持されている。これにより、インクカートリッジ60の装着及び取り外しに関する移動に伴うインク受け部材75の回動を、簡単な構成で実現できる。
続いて、第1変形例の装着部270について図8を参照しつつ以下に説明する。なお、図8(a)は、説明の便宜上、本来装着されているインクカートリッジ260を省略して描いている。第1変形例の装着部270は、回動機構280が上述の回動機構80と異なるだけでそれ以外の構成は上述の装着部70とほぼ同様である。インクカートリッジ260は、ラック85に代えて係合部282を有しているだけで、上述のインクカートリッジ60とほぼ同様である。なお、上述の実施形態と同様なものについては、同符号で示し説明を省略する。
係合部282は、図8(b)に示すように、インクカートリッジ260の下端部において、前後方向A2に沿って延在して形成されている。また、係合部282は、後述の円筒部281内に挿入可能な直径を有する円柱形状を有している。係合部282の先端部の外周面には、直径方向に突出する突起282aが形成されている。
回動機構(回動部材回動機構)280は、図8に示すように、円筒部(回転力付与部材)281を有する。本変形例におけるホルダ71の底部71aには、上述の2つの凹部71a1,71a2に代えて、上方に開口する1つの凹部271a1が形成されている。円筒部281は、凹部271a1に配置されている。円筒部281は、前後方向A2に長尺に延在しており、後端が軸部77の前端に固定されている。つまり、円筒部281は、軸部77と同じ回転軸周り方向に回転可能に構成されている。なお、軸部77は、上述の実施形態におけるよりも前後方向A2の長さが短くなっている。
円筒部281には、厚み方向に貫通した案内部281aが形成されている。案内部281aは、円筒部281に係合部282が挿入されたときに、突起282aが配置可能な幅を有する。また、案内部281aは、円筒部281の外周面に沿って前後方向A2に対して傾斜する傾斜部281bと、前後方向A2に沿って直線状に延在するストレート部281cとを有する。傾斜部281bは、前後方向A2において、円筒部281の前端から中央に形成されている。傾斜部281bは、突起282aとの係合により円筒部281を回転させることが可能に構成されている。より詳細には、傾斜部281bは、円筒部281に係合部282が挿入されることで突起282aが配置され、当該突起282aが円筒部281の前端から前後方向A2の中央に移動する際に係合することで、円筒部281がちょうど180°回転するように形成されている(図9参照)。ストレート部281cは、前後方向A2において、円筒部281の中央から後端部に形成されており、その前端が傾斜部281bの後端に連続するように繋がっている。
このように円筒部281が突起282aとの係合により回転することで、軸部77も回転する。そして、軸部77の回転に伴って受け部本体76も同様に回転する。このように回動機構280は、インク受け部材75を回転させるための機構である。
続いて、装着部270からインクカートリッジ260を取り外す際のインク受け部材75及び回動機構280の動作について、図9を参照しつつ以下に説明する。装着部270からインクカートリッジ260を取り外す際は、図9(a)に示すように、インクカートリッジ260を前方(装着方向とは逆方向)に移動させる。このインクカートリッジ260の取り外し過程において、回動機構280は、図9(a)に示すように、排出部62と供給針68との接続が解除される時には、突起282aはストレート部281cに存在し、上述の実施形態と同様に、受け部本体76の第1の面75aが上を向いた状態で且つ供給針68の下方にあり、受け部本体76の第2の面75bが下を向いた状態で且つ供給針68の下方にある状態を保つように、インク受け部材75の回動を維持している。これにより、上述の実施形態と同様に、排出部62と供給針68との接続が解除される時に、排出部62や供給針68からインクが少量漏れても凹部76aで受け取ることが可能となる。
そして、排出部62と供給針68との接続が解除された後、さらにインクカートリッジ260を前方に移動させることで、突起282aが傾斜部281bに係合する。回動機構280は、突起282aと傾斜部281bとが係合するまで(すなわち、突起282aがストレート部281cにある間)は、上述のインク受け部材75の状態を維持している。
突起282aと傾斜部281bとが係合した状態でさらにインクカートリッジ260を前方に移動させ、係合部282が円筒部281から抜けるときには、図9(b)に示すように、受け部本体76の第1の面75aが下を向いた状態で且つ受け部本体76が供給針68の下方に配置される。つまり、回動機構280は、受け部本体76が図9(a)に示す状態から180°回転するように、インク受け部材75を回動させる。これにより、インク受け部材75は、上述の実施形態と同様に、第1の面75aが上を向いた状態から下を向いた状態となる。このようにインク受け部材75の第1の面75aが下を向いた状態となることで、凹部76aで受け止められたインクがインク吸収部材65に排出され、当該インクがインク吸収部材65により吸収される。このとき、貫通部73には、第2の面75bが上を向いた受け部本体76がインク吸収部材65のインク吸収領域65aを覆って配置される。
この後、インクカートリッジ260を前方に移動させることで、装着部270が完全に取り外される。このときも、回動機構280は、第2の面75bを上に向けた受け部本体76が貫通部73に配置されるように、インク受け部材75の回動を維持している。このように、回動機構280は、インクカートリッジ260が装着部270に装着された状態から取り外される状態となるまでにおいて、円筒部281と係合部282との係合により、受け部本体76が図9(a)に示す状態から180°回転させて図9(b)に示す状態となるように、インク受け部材75を回動させる。そして、ユーザが、装着部70の凹部72の開口から内部を除いて貫通部73を見たとしても、第2の面75bを上に向けた受け部本体76が貫通部73に配置されているため、インクの付着していない第2の面75bしか見えず、インクを吸収したインク吸収領域65aを目視することができない。
このように回動機構280は、上述の実施形態と同様に、インクカートリッジ260の取り外し過程において、少なくとも排出部60と供給針68との接続が解除される時には、受け部本体76の第2の面75bが上を向いた状態で且つ供給針68の下方にあるという条件を満たさず、インクカートリッジ260の取り外し後には、受け部本体76の第2の面75bが上を向いた状態でインク吸収部材65のインク吸収領域65aを覆うように、インク受け取り部材75を回動させる。なお、インクカートリッジ60が装着部70に正常に装着されている状態(排出部60と供給針68とが接続された状態)から突起282aと傾斜部281bとが係合するまでは、インク受け取り部材75の状態が排出部60と供給針68との接続が解除される時と同じである。
インクカートリッジ260を装着部70の装着する場合は、インクカートリッジ260を凹部72に挿入後、係合部282の突起282aと円筒部281の傾斜部281bとが係合するまでは図9(b)の状態が、回動機構280によって保たれる。そして、突起282aがストレート部281cに到達するときには、回動機構280によってインク受け部材75が回動し、図8(b)及び図9(a)に示す状態となる。そして、インクカートリッジ260の排出部62と供給針68とが接続されるまで、インクカートリッジ260を後方に移動させることで、インクカートリッジ260の装着部270への装着が完了する。
以上に述べたように、本変形例においても、上述の実施形態と同様に、インクカートリッジ260の装着部270に対する取り外し過程において、インク吸収部材65のインクを吸収したインク吸収領域65aが、インクカートリッジ260の取り外し後にはインクが付着していない第2の面75bが上を向いた状態の受け部本体76(インク受け部材75)によって覆われる(図9(b)参照)。このため、インクカートリッジ260が取り外された状態でインク吸収領域65aに吸収されたインクがユーザの目に触れにくくなって、ユーザにインク漏れなどの不具合が生じているという誤解を与えるのを防ぐことが可能となる。
また、回動機構280が、円筒部281を有し、インクカートリッジ260の突起282aとの係合により、インク受け部材75に回転力を付与する。これにより、インクカートリッジ260の装着及び取り外しに関する移動に伴うインク受け部材75の回動を、簡単な構成で実現できる。
続いて、第2変形例の装着部370について図10を参照しつつ以下に説明する。なお、図10(a)は、説明の便宜上、本来装着されているインクカートリッジ360を省略して描いている。第2変形例の装着部370は、上述のインク受け部材75と回動機構80とに代えて回動部材375と回動機構380とを有し、これら以外の構成は上述の装着部70とほぼ同様である。インクカートリッジ360は、ラック85に代えて係合部382を有しているだけで、上述のインクカートリッジ60とほぼ同様である。なお、上述の実施形態と同様なものについては、同符号で示し説明を省略する。
係合部382は、図10(b)に示すように、インクカートリッジ360の下部の左側に配置されており、前後方向A2に沿って延在して形成されている。また、係合部382は、後述の円筒部381内に挿入可能な直径を有する円柱形状を有している。係合部382の先端部の外周面には、直径方向に突出する突起382aが形成されている。
回動部材375は、図10に示すように、円柱部376と、円柱部376の外周面にその直径方向に立設された板状部377とを有する。円柱部376は、前後方向A2に沿って延在している。円柱部376の後端には、後方に突出する軸部376aが形成されている。軸部376aは、ホルダ71の後方壁71bに回転可能に支持されている。また、円柱部376の前端には、前方に突出する連結部376bが形成されている。連結部376bは、後述の円筒部381と一体的に連結されている。板状部377は、前後方向A2に延在する平板である。また、板状部377は、円柱部376が図10に示す状態から90°回動することで、貫通部73の上部開口全体を覆うことが可能な大きさに形成されている(図11(b)参照)。
回動機構(回動部材回動機構)380は、図10に示すように、円筒部(回転力付与部材)381で構成されている。本変形例におけるホルダ71の底部71aには、上述の2つの凹部71a1,71a2が形成されておらず、上述の貫通部73が形成されている。円筒部381は、前後方向A2に長尺に延在しており、底部71a上に配置されており、後端が連結部376bの前端に固定されている。つまり、円筒部381は、円柱部376と同じ回転軸周り方向に回転可能に構成されている。
円筒部381には、外周面に沿って延在し厚み方向に貫通した案内部381aが形成されている。案内部381aは、円筒部381に係合部382が挿入されたときに、突起382aが配置可能な幅を有する。また、案内部381aは、前後方向A2に対して傾斜する傾斜部381bと、前後方向A2に沿って直線状に延在するストレート部381cとを有する。傾斜部381bは、前後方向A2において、円筒部381の前方部分に形成されている。傾斜部381bは、突起382aとの係合により円筒部381を回転させることが可能に構成されている。より詳細には、傾斜部381bは、円筒部381に係合部382が挿入されることで突起382aが配置され、当該突起382aが円筒部381の前端から後方に移動する際に係合することで、円筒部381がちょうど90°回転するように形成されている(図11参照)。ストレート部381cは、前後方向A2において、円筒部381の中央よりも前方寄りの位置から後方部分に形成されており、その前端が傾斜部381bの後端に連続するように繋がっている。
このように円筒部381が突起382aとの係合により回転することで、連結部376bを介して円柱部376及び板状部377も回転する。このように回動機構380は、回動部材375を回転させるための機構である。
続いて、装着部370からインクカートリッジ360を取り外す際の回動部材375及び回動機構380の動作について、図11を参照しつつ以下に説明する。装着部370からインクカートリッジ360を取り外す際は、図11(a)に示すように、インクカートリッジ360を前方(装着方向とは逆方向)に移動させる。このインクカートリッジ360の取り外し過程において、回動機構380は、図11(a)に示すように、排出部62と供給針68との接続が解除される時には、突起382aはストレート部381cに存在し、板状部377が貫通部73を覆わず、凹部72の左端部で垂直に立設された状態を保つように、回動部材375を保持している。つまり、回動部材375の板状部377の一表面377aが上を向いた状態で供給針68の下方にあるという条件を満たさない。換言すると回動部材375の板状部377が供給針68の下方にないという条件を満たす。これにより、排出部62と供給針68との接続が解除される時に、上下方向A1において供給針68とインク吸収部材65との間に回動部材375が介在しておらず、インク吸収部材65が貫通部73によって露出された状態となる。このため、排出部62や供給針68からインクが少量漏れて垂れ落ちてきても、図11(a)に示すように、当該インクが貫通部73を通って直接インク吸収部材65に吸収される。本変形例におけるインク吸収領域65aも、上下方向A1に沿って供給針68と重なる領域であり、漏れてきたインクを最初に吸収する領域である。本変形例におけるインク吸収部材65は、漏れてきたインクを直接吸収するための、インク吸収領域65aが上述の実施形態におけるよりも前方に位置する。このため、インク吸収部材65が上述の実施形態におけるよりも前方に長く形成されて、貫通部73の下方開口部全体を覆っている。これにより、漏れ落ちてきたインクがインク吸収部材65よりも下方側に落ちにくくなる。
そして、排出部62と供給針68との接続が解除された後、さらにインクカートリッジ360を前方に移動させることで、突起382aが傾斜部381bに係合する。回動機構380は、突起382aと傾斜部381bとが係合するまでは、上述の回動部材375の状態を維持している。
突起382aと傾斜部381bとが係合した状態でさらにインクカートリッジ360を前方に移動させ、係合部382が円筒部381から抜ける直前には、図11(b)に示すように、板状部377が貫通部73の上部開口全体を覆う。つまり、回動機構380は、回動部材375が図11(a)に示す状態から90°回転させ、板状部377の一表面377aが上を向いた状態でインク吸収領域65aを覆うように、回動部材375を回動させる。
この後、インクカートリッジ360を前方に移動させることで、装着部370が完全に取り外される。このときも、回動機構380は、板状部377の一表面377aが上を向いた状態でインク吸収領域65aを覆うように、回動部材375の状態を維持している。このように回動機構380は、インクカートリッジ360が装着部370に装着された状態から取り外される状態となるまでにおいて、円筒部381と係合部382との係合により、回動部材375が図11(a)に示す状態から90°回転させて図11(b)に示す状態となるように、回動部材375を回動させる。そして、ユーザが、装着部370の凹部72の開口から内部を除いて貫通部73を見たとしても、一表面377aを上に向けた板状部377が貫通部73(インク吸収領域65a)を覆っているため、インクの付着していない一表面377aしか見えず、インクを吸収したインク吸収領域65aを目視することができない。
このように回動機構380は、インクカートリッジ360の取り外し過程において、排出部60と供給針68との接続が解除される時には、板状部377の一表面377aが上を向いた状態で且つ供給針68の下方にあるという条件を満たさず、インクカートリッジ360の取り外し後には、板状部377の一表面377aが上を向いた状態でインク吸収部材65のインク吸収領域65aを覆うように、回動部材375を回動させる。なお、インクカートリッジ360が装着部370に正常に装着されている状態(排出部60と供給針68とが接続された状態)から突起382aと傾斜部381bとが係合するまでは、回動部材375の状態が排出部60と供給針68との接続が解除される時と同じである。
インクカートリッジ360を装着部370の装着する場合は、インクカートリッジ360を凹部72に挿入後、係合部382の突起382aと円筒部381の傾斜部381bとが係合するまでは図11(b)の状態が、回動機構380によって保たれる。そして、突起382aがストレート部381cに到達するときには、回動機構380によって回動部材375が回動し、図10(b)及び図11(a)に示す状態となる。そして、インクカートリッジ360の排出部62と供給針68とが接続されるまで、インクカートリッジ360を後方に移動させることで、インクカートリッジ360の装着部370への装着が完了する。
以上に述べたように、本変形例においても、上述の実施形態と同様に、インクカートリッジ360の装着部370に対する取り外し過程において、インク吸収部材65のインクを吸収したインク吸収領域65aが、インクカートリッジ360の取り外し後にはインクが付着していない一表面377aが上を向いた状態の板状部377(回動部材375)によって覆われる(図11(b)参照)。このため、インクカートリッジ360が取り外された状態でインク吸収領域65aに吸収されたインクがユーザの目に触れにくくなって、ユーザにインク漏れなどの不具合が生じているという誤解を与えるのを防ぐことが可能となる。
また、回動機構380が、円筒部381を有し、インクカートリッジ360との係合により、回動部材375に回転力を付与する。これにより、インクカートリッジ360の装着及び取り外しに関する移動に伴う回動部材375の回動を、簡単な構成で実現できる。
第2変形例における回動部材375は、ホルダ71の底部71a上に配置されているが、底部71aの下方に配置されていてもよい。この場合、インクカートリッジ360を取り外し過程において、排出部62と供給針68との接続が解除される時には、一表面377aが上を向いた状態で且つ供給針68の下方にあるという条件を満たさず、インクカートリッジ360が装着部370から取り外されたときには、一表面377aを上に向けた状態の板状部377でインク吸収領域65aを覆うように、回動機構380が回動部材375を回動させればよい。これにおいても上述と同様な効果を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の受け部本体76には、凹部76aが形成されていなくてもよい。この場合でも、インクカートリッジ60,260が装着部70,270から取り外されたときには、インクの付着していない第2の面75bを上にした状態の受け部本体76でインク吸収領域65aを覆うことが可能となる。このため、上述と同様な効果を得ることができる。
また、凹部76aの底面76a1が傾斜していなくてもよい。また、凹部76aの底面76a1が湾曲していなくてもよい。回動機構80,280,380は、インク受け部材75や回動部材375を回動させることが可能であれば、どのような機構でもよい。また、排出部62と接続したときにインク収容室61と連通可能であれば、供給針68以外の構成であってもよい。
1 プリンタ(インクジェット記録装置)
60,260,360 インクカートリッジ
61 インク収容室
62 排出部
65 インク吸収部材
65a インク吸収領域(重なる領域)
68 供給針(接続部)
70,270,370 装着部
71 ホルダ(支持部)
75 インク受け部材(回動部材)
75a 第1の面(一表面とは反対側の面)
75b 第2の面(一表面)
76a 凹部
76a1 底面
80,280,380 回動機構(回動部材回動機構)
84 ピニオンギア
85 ラック
86 伝達機構
281,381 円筒部(回転力付与部材)
375 回動部材
377a 一表面

Claims (8)

  1. インクを収容するインク収容室と前記インク収容室のインクを排出するための排出部とを有するインクカートリッジを着脱可能な装着部を含むインクジェット記録装置であって、
    前記装着部は、
    前記インクカートリッジを装着方向に移動させて前記装着部に前記インクカートリッジを装着させる際に、前記インクカートリッジを支持する支持部と、
    前記インクカートリッジを前記装着部に装着したときに前記排出部と接続され前記インク収容室と連通する接続部と、
    前記接続部の下方に配置されインクを吸収可能なインク吸収部材と、
    回動部材と、
    前記回動部材を回動させる回動部材回動機構とを有しており、
    前記回動部材回動機構は、前記インクカートリッジを前記装着方向と逆方向に移動させて前記装着部から前記インクカートリッジを取り外す取り外し過程において、(a)少なくとも前記排出部と前記接続部との接続が解除される時には、前記回動部材の一表面が上を向いた状態で且つ前記接続部の下方にあるという条件を満たさず、(b)前記インクカートリッジの取り外し後には、前記一表面が上を向いた状態で前記インク吸収部材の前記接続部と鉛直方向に重なる領域を覆うように、前記回動部材を回動させることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記回動部材回動機構は、前記取り外し過程において、少なくとも前記排出部と前記接続部との接続が解除される時には、前記回動部材の前記一表面が下を向いた状態で且つ前記接続部の下方にあるという条件を満たし、前記回動部材の前記一表面とは反対側の面が上を向いた状態で且つ前記接続部の下方にあるという条件を満たすように、前記回動部材を回動させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記反対側の面であって前記接続部と対向可能な領域には凹部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記凹部の底面は、前記一表面が下を向いた状態において、前記装着方向の下流側端部が上流側端部よりも下方に位置するように傾斜していることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記凹部の底面は、前記一表面が下を向いた状態において、前記装着方向と直交する幅方向の中央が前記幅方向の両端よりも下方に位置するように湾曲していることを特徴とする請求項3又は4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記回動部材回動機構は、前記取り外し過程において、少なくとも前記排出部と前記接続部との接続が解除される時には、前記回動部材が前記接続部の下方にないという条件を満たすように、前記回動部材を回動させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記回動部材回動機構は、前記装着部に対して前記インクカートリッジを装着する及び取り外す際に前記インクカートリッジに設けられたラックに噛み合う、前記支持部に回転可能に支持されたピニオンギアと、前記ピニオンギアの回転力を前記回動部材に伝達する伝達機構とを含み、
    前記回動部材は、前記伝達機構からの回転力により回動可能に前記支持部に支持されていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記回動部材回動機構は、前記装着部に対して前記インクカートリッジを装着する及び取り外す際に前記インクカートリッジと係合し、前記回動部材に回転力を付与する回転力付与部材を含んでいることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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