JP2020157661A - 複合成形体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硫黄元素などの触媒毒を通常は含む架橋ゴム部材とヒドロシリル架橋が必要な部材とを良好な接着強度で複合化してなる複合成形体を提供する。【解決手段】架橋ゴム部材(I)と、ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)とを有する複合成形体であり、前記部材(I)と前記部材(II)とが、第1の接着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を含有する層、および第2の接着層をこの順に有する接着部材により接合されていることを特徴とする複合成形体。【選択図】なし

Description

本発明は、複合成形体およびその製造方法に関する。
従来、ウェザーストリップ材等のコーナー部材を有する成形体(例えば、特許文献1〜4参照)は、一般的に、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体を含有するゴム組成物からなる架橋成形体を裁断して金型にセットし、形成されるキャビティに、前記ゴム組成物と同種又は異種のゴム成形材料を注入し、架橋型成形することにより行われている。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体をヒドロシリル架橋して得られる成形体(例えば、特許文献5参照)は、ゴム弾性、機械的強度および耐熱老化性などに優れることが知られている。また、白金系触媒を利用したヒドロシリル架橋は、高速、低温で反応が可能であるため、この架橋反応を利用して得られる成形体は様々なゴム製品に利用されている。
特開2010−012738号公報 特開2003−011204号公報 特開2001−310685号公報 特開平09−123211号公報 特開2006−290917号公報
ヒドロシリル架橋反応は、硫黄元素などの触媒毒による影響を受けやすく、前記架橋反応が阻害されることがある。したがって、硫黄元素などの触媒毒を含む架橋ゴム部材とヒドロシリル架橋が必要な部材とを良好な接着強度で接合し、複合化することは困難であった。
本発明者らは上記課題を解決すべく検討した結果、以下の記載の構成により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、例えば以下の[1]〜[9]に関する。
[1]架橋ゴム部材(I)と、ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)とを有する複合成形体であり、前記部材(I)と前記部材(II)とが、第1の接着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を含有する層、および第2の接着層をこの順に有する接着部材により接合されていることを特徴とする複合成形体。
[2]前記部材(I)に含まれる架橋ゴムが、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が硫黄系架橋剤により架橋されたゴムである前記[1]に記載の複合成形体。
[3]前記部材(II)に含まれる架橋ゴムが、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体がヒドロシリル系架橋剤により架橋されたゴムである前記[1]または[2]に記載の複合成形体。
[4]前記第1の接着層および前記第2の接着層が、それぞれ独立に、少なくとも変性ポリオレフィン樹脂から構成された層である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の複合成形体。
[5]自動車内外装材である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の複合成形体。
[6]前記自動車内外装材が、ウェザーストリップ材である前記[5]に記載の複合成形体。
[7]前記ウェザーストリップ材が、直線状部材とコーナー部材とが接合された成形体であり、前記直線状部材が前記架橋ゴム部材(I)からなり、前記コーナー部材が前記ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)からなり、前記架橋ゴム部材(I)と前記ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)とが前記接着部材により接合されている前記[6]に記載の複合成形体。
[8]架橋ゴム部材(I)と、ヒドロシリル架橋可能なゴム成分、ヒドロシリル基を1分子中に少なくとも2個持つヒドロシリル基含有化合物、およびヒドロシリル架橋用の白金系触媒を含有するゴム組成物(II)からなる部材(IIa)とを、第1の接着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を含有する層、および第2の接着層をこの順に有する接着部材により接着させて、複合体(I)/(IIa)を得る工程(1)と、前記複合体(I)/(IIa)を架橋処理する工程(2)とを有する、前記[1]に記載の複合成形体の製造方法。
[9]第1の接着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を含有する層、および第2の接着層をこの順に有する接着部材が配置された架橋ゴム部材(I)の前記接着部材上に、ヒドロシリル架橋可能なゴム成分、ヒドロシリル基を1分子中に少なくとも2個持つヒドロシリル基含有化合物、およびヒドロシリル架橋用の白金系触媒を含有するゴム組成物(II)からなる部材(IIa)を形成して、複合体(I)/(IIa)を得る工程(1’)と、前記複合体(I)/(IIa)を架橋処理する工程(2)とを有する、前記[1]に記載の複合成形体の製造方法。
本発明によれば、硫黄元素などの触媒毒を通常は含む架橋ゴム部材とヒドロシリル架橋が必要な部材とを複合化してなる複合成形体を提供することができる。また、本発明の複合成形体は、前記接着部材による架橋ゴム部材(I)とヒドロシリル架橋ゴム部材(II)との接着強度に優れる。
本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の複合成形体は、
架橋ゴム部材(I)と、
ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)と
を有する。
前記部材(I)と前記部材(II)とは、第1の接着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を含有する層(以下「EVOH樹脂層」ともいう)、および第2の接着層をこの順に有する接着部材により接合されている。
接着部材は、第1の接着層、EVOH樹脂層および第2の接着層の他、必要に応じて、樹脂層などの他の層を有することができる。
[EVOH樹脂層]
EVOH樹脂層は、ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)を形成するための部材(IIa)の、ヒドロシリル架橋時における架橋ゴム部材(I)からの被毒を防止する層、すなわち触媒毒のバリア層として機能すると考えられる。
EVOH樹脂層におけるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)は、触媒毒のバリア性を高める観点から、エチレン由来の構成単位の含有割合が、全繰返し構成単位中、好ましくは5〜60モル%、より好ましくは20〜50モル%である。EVOHのケン化度は、触媒毒のバリア性を高める観点から、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。
EVOHの前記含有割合およびケン化度は、1H−NMRにより測定される。
EVOHの190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.5〜20g/10分、より好ましくは1.5〜10g/10分である。
EVOH樹脂層は1種または2種以上のEVOHを含有することができる。
EVOH樹脂層の厚さは、通常は5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは12μm以上であり、また、通常は100μm以下、好ましくは50μm以下である。
[第1、第2の接着層]
第1の接着層は、通常、架橋ゴム部材(I)に接着する層である。第2の接着層は、通常、ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)に接着する層である。これらの接着層は、EVOH樹脂層と、前記部材(I)または前記部材(II)とを接合させ、複合化を可能とする層である。
第1の接着層と第2の接着層は同一でも異なってもよい。
第1および第2の接着層は、それぞれ独立に、例えば、少なくとも接着性樹脂から構成される層である。接着性樹脂としては、例えば、三井化学社製のアドマー、デュポン社製のCAX−3036、日本ポリオレフィン社製のアドテックス、USI社製のプレキサーが挙げられる。
接着性樹脂としては、変性ポリオレフィン樹脂が好ましく、酸変性ポリオレフィン樹脂がより好ましく、ポリオレフィン樹脂に対して、不飽和カルボン酸、その無水物、エステルまたはアミドなどをグラフト重合した酸変性ポリオレフィン樹脂がさらに好ましい。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂が挙げられる。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸が挙げられる。
一実施態様においてポリエチレン系接着性樹脂の190℃、2160g荷重におけるMFRは、好ましくは1〜50g/10分、より好ましくは2〜10g/10分である。
一実施態様においてポリプロピレン系接着性樹脂の230℃、2160g荷重におけるMFRは、好ましくは1〜50g/10分、より好ましくは2〜10g/10分である。
第1の接着層は1種または2種以上の接着性樹脂を含有することができる。
第2の接着層は1種または2種以上の接着性樹脂を含有することができる。
第1および第2の接着層の厚さは、それぞれ独立に、通常は0.1μm以上、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上であり、また、通常は100μm以下、好ましくは80μm以下、より好ましくは50μm以下である。
[架橋ゴム部材(I)]
本発明の複合成形体は、架橋ゴム部材(I)を有する。架橋ゴム部材(I)は、ヒドロシリル架橋反応における触媒毒となりえる成分(例:硫黄元素、具体的には、硫黄系架橋剤由来、硫黄元素を含む添加剤由来)を通常は含む。架橋ゴム部材(I)としては、前記触媒毒となりえる成分を含むゴム部材であれば、硫黄系架橋剤を用いて架橋したゴム部材のみならず、他の架橋剤を用いて架橋したゴム部材も挙げられるが、硫黄系架橋剤を用いて架橋したゴム部材が好ましい。
架橋ゴム部材(I)は、通常、ゴム成分と、硫黄系架橋剤等の架橋剤とを少なくとも含有するゴム組成物(I)から形成される。
<ゴム成分>
ゴム成分としては、例えば、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が挙げられる。架橋ゴム部材(I)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が硫黄系架橋剤により架橋されたゴムを含むことが好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体としては、エチレン由来の構成単位と、1種または2種以上の炭素数3〜20のα−オレフィン由来の構成単位と、1種または2種以上の非共役ポリエン由来の構成単位とを有する共重合体が好ましい。
炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンが挙げられる。これらの中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数3〜8のα−オレフィンが好ましく、プロピレンがより好ましい。
非共役ポリエンとしては、例えば、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジエン、4−エチリデン−1,7−ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−イソブテニル−2−ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ナノジエン等のトリエンが挙げられる。
これらの中でも、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、シクロペンタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ナノジエンが好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体において、モル比(エチレン由来の構成単位/炭素数3〜20のα−オレフィン由来の構成単位)は、好ましくは50/50〜90/10、より好ましくは65/35〜90/10、さらに好ましくは65/35〜85/15である。耐熱老化性、強度特性、ゴム弾性、耐寒性および加工性に優れた架橋ゴム部材を提供できるゴム組成物が得られるという点で、前記範囲が好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体中のエチレン、α−オレフィン由来の構成単位の含有割合は、13C−NMRにより求めることができる。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体のヨウ素価は、架橋効率の高いゴム組成物が得られ、かつコスト的に有利である点で、好ましくは1〜40g/100g、より好ましくは1〜30g/100gである。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、その製造の際に鉱物油系軟化剤等の軟化剤を配合した、いわゆる油展ゴムであってもよい。鉱物油系軟化剤としては、従来公知の鉱物油系軟化剤、例えばパラフィン系プロセスオイルが挙げられる。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)は、好ましくは5〜100、より好ましくは20〜95、さらに好ましくは30〜90である。ムーニー粘度が上記範囲にある共重合体は、加工性および流動性が良好であり、優れたゴム物性を示し、また良好な後処理品質(リボンハンドリング性)を示す傾向にある。ムーニー粘度は、ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、ASTM D 1646に準じて測定する。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、通常、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィンおよび非共役ポリエンを含むモノマーを共重合して得られる。前記共重合体は、どのような製法で調製されてもよいが、メタロセン触媒またはバナジウム触媒を用いて製造された共重合体が挙げられる。
ゴム組成物(I)は1種または2種以上のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含有することができる。
また、ゴム成分としては、例えば、エチレン・プロピレン共重合体(EPR)等のエチレン・α−オレフィン共重合体、シリコーンゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴムも挙げられる。これらのゴム成分を、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体とともに用いることもできる。
<架橋剤>
架橋剤としては、ゴム成分を架橋する際に一般的に使用される架橋剤が挙げられ、例えば、硫黄系架橋剤、有機過酸化物、フェノール樹脂、アミノ樹脂、キノンまたはその誘導体、アミン系化合物、アゾ系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物が挙げられる。これらの中でも、硫黄系架橋剤が好ましい。
硫黄系架橋剤としては、例えば、単体硫黄、硫黄化合物が挙げられる。
単体硫黄における形態は特に限定されず、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄が挙げられる。硫黄化合物としては、例えば、塩化硫黄、二塩化硫黄等の無機硫黄化合物、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド等の有機硫黄化合物が挙げられる。
ゴム組成物(I)は1種または2種以上の架橋剤を含有することができる。
架橋剤は、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体等の前記ゴム成分100質量部に対して、通常は0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜7質量部、より好ましくは0.7〜5質量部の範囲で用いられる。
<加硫促進剤>
架橋剤として硫黄系架橋剤を用いる場合、加硫促進剤を併用することが好ましい。
加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N'−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール(例えば、サンセラーM(商品名;三新化学工業(株)製))、2−(4−モルホリノジチオ)ペンゾチアゾール(例えば、ノクセラーMDB−P(商品名;大内新興化学工業(株)製))、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾールおよびジベンゾチアジルジスルフィド(例えば、サンセラーDM(商品名;三新化学工業(株)製))などのチアゾール系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジンおよびジオルソトリルグアニジンなどのグアニジン系加硫促進剤;アセトアルデヒド・アニリン縮合物およびブチルアルデヒド・アニリン縮合物などのアルデヒドアミン系加硫促進剤;2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド(例えば、サンセラーTS(商品名;三新化学工業(株)製))、テトラメチルチウラムジスルフィド(例えば、サンセラーTT(商品名;三新化学工業(株)製))、テトラエチルチウラムジスルフィド(例えば、サンセラーTET(商品名;三新化学工業(株)製))、テトラブチルチウラムジスルフィド(例えば、サンセラーTBT(商品名;三新化学工業(株)製))およびジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(例えば、サンセラーTRA(商品名;三新化学工業(株)製))などのチウラム系加硫促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(例えば、サンセラーPZ、サンセラーEZ、サンセラーBZ(商品名;三新化学工業(株)製))およびジエチルジチオカルバミン酸テルル(例えば、サンセラーTE−G(商品名;三新化学工業(株)製)などのジチオ酸塩系加硫促進剤;エチレンチオ尿素(例えば、サンセラーBUR(商品名;三新化学工業(株)製)、サンセラー22−C(商品名;三新化学工業(株)製))、N,N'−ジエチルチオ尿素およびN,N'−ジブチルチオ尿素などのチオウレア系加硫促進剤;ジブチルキサトゲン酸亜鉛などのザンテート系加硫促進剤が挙げられる。
ゴム組成物(I)は1種または2種以上の加硫促進剤を含有することができる。
加硫促進剤は、一実施態様において、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体等の前記ゴム成分100質量部に対して、通常は0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部、より好ましくは0.5〜10質量部の範囲で用いられる。
<加硫助剤>
架橋剤として硫黄系化合物を用いる場合、加硫助剤を併用することができる。
加硫助剤としては、例えば、酸化亜鉛(例えば、ZnO#1・酸化亜鉛2種、ハクスイテック(株)製)、亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業(株)製))、酸化マグネシウムが挙げられる。
ゴム組成物(I)は1種または2種以上の加硫助剤を含有することができる。
加硫助剤は、一実施態様において、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体等の前記ゴム成分100質量部に対して、通常は0.1〜20質量部の範囲で用いられる。
<添加剤>
ゴム組成物(I)は、ゴムに使用される通常の添加剤、例えば、補強剤、軟化剤、加工助剤、活性剤、老化防止剤、吸湿剤、発泡剤、発泡助剤、脱泡剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤等の従来公知の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で含有することができる。これらはそれぞれ1種または2種以上用いることができる。
≪補強剤≫
補強剤は、ゴム組成物に配合される公知のゴム補強剤であり、例えば、カーボンブラック、シランカップリング剤で表面処理したカーボンブラック、シリカ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、活性化炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、微粉タルク、微分ケイ酸が挙げられる。
補強剤は、一実施態様において、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体等の前記ゴム成分100質量部に対して、通常は70〜200質量部の範囲で用いられる。
≪軟化剤≫
軟化剤は、ゴム組成物に配合される公知の軟化剤であり、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;蜜ロウ、カルナウバロウ等のロウ類;ナフテン酸、パイン油、ロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等のエステル系軟化剤;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、炭化水素系合成潤滑油、トール油、サブ(ファクチス)が挙げられ、これらの中でも、石油系軟化剤が好ましく、プロセスオイルがより好ましい。
軟化剤は、一実施態様において、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体等の前記ゴム成分100質量部に対して、通常は40〜100質量部、好ましくは40〜90質量部の範囲で用いられる。
≪加工助剤≫
加工助剤としては、一般的に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く用いることができる。加工助剤としては、例えば、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の脂肪酸、および脂肪酸誘導体が挙げられ、脂肪酸誘導体としては、例えば、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸塩、リシノール酸エステル、ステアリン酸エステル、パルチミン酸エステル、ラウリン酸エステル類等の脂肪酸エステル類、N−置換脂肪酸アミドが挙げられる。これらの中では、ステアリン酸が好ましい。
加工助剤は、一実施態様において、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体等の前記ゴム成分100質量部に対して、通常は10質量部以下、好ましくは8質量部以下の範囲で用いられる。
≪活性剤≫
活性剤としては、例えば、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエラノールアミン等のアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、レシチン、トリアリルートメリレート、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸の亜鉛化合物等の活性剤;過酸化亜鉛調整物;クタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物が挙げられる。
活性剤は、一実施態様において、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体等の前記ゴム成分100質量部に対して、通常は0.2〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部の範囲で用いられる。
<ゴム組成物(I)および架橋ゴム部材(I)の製造>
ゴム組成物(I)は、例えば、上述した各成分を、ミキサー、ニーダー、ロールなどの混練機を用いて所望の温度で混練することにより調製することができる。具体的には、ミキサー、ニーダー等の従来公知の混練機を用いて、ゴム成分と必要に応じてその他の成分とを所定の温度および時間、例えば80〜200℃で1〜30分間混練した後、得られた混練物に架橋剤と必要に応じてその他の成分とを加えて、ロールを用いて所定の温度および時間、例えばロール温度30〜80℃で1〜30分間混練した後、分出しすることにより、ゴム組成物(I)を得ることができる。
架橋ゴム部材(I)は、例えば、ゴム組成物(I)を所望の形状に成形し、架橋処理することで得られる。前記成形には、例えば、押出成形機、プレス成形機、射出成形機、トランスファー成形機、カレンダーロール等の成形機を用いることができる。架橋ゴム部材(I)は、押出部材が好ましい。前記架橋処理には、例えば、熱空気架橋槽、マイクロ波架橋槽等の架橋装置を用いることができる。架橋時における加熱温度は、通常は100〜300℃、好ましくは150〜250℃である。加熱時間は、通常は5〜20分、好ましくは5〜15分である。
[ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)]
本発明の複合成形体は、ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)を有する。
ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)は、通常、ヒドロシリル架橋可能なゴム成分と、ヒドロシリル基を1分子中に少なくとも2個持つヒドロシリル基含有化合物と、ヒドロシリル架橋用の白金系触媒とを含有するゴム組成物(II)から形成される。
ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)は、ゴム弾性、機械的強度および耐熱老化性などに優れている。例えば、熱可塑性エラストマーからなる部材に比べてヒドロシリル架橋ゴム部材(II)は、圧縮永久歪みが小さく優れている。
<ゴム成分>
ヒドロシリル架橋可能なゴム成分としては、例えば、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)(以下「共重合体(S)」ともいう)が挙げられる。ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)は、共重合体(S)がヒドロシリル系架橋剤により架橋されたゴムを含むことが好ましい。
共重合体(S)としては、エチレン(A)由来の構成単位と、1種または2種以上の炭素数3〜20のα−オレフィン(B)由来の構成単位と、1種または2種以上の非共役ポリエン(C)由来の構成単位とを有する共重合体が好ましい。前記非共役ポリエン(C)は、式(I)および(II)から選ばれる少なくとも1種の部分構造を合計で分子中に2つ以上含む。
Figure 2020157661
炭素数3〜20のα−オレフィン(B)としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンが挙げられる。これらの中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数3〜8のα−オレフィンが好ましく、プロピレンがより好ましい。
非共役ポリエン(C)としては、例えば、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、ノルボルナジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンが挙げられる。これらの中でも、入手容易性が高く、ヒドロシリル架橋が良好で、組成物の耐熱性が向上しやすいことから、非共役ポリエン(C)がVNBを含むことが好ましく、非共役ポリエン(C)がVNBであることがより好ましい。
共重合体(S)は、式(I)および(II)から選ばれる部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン(D)由来の構成単位をさらに有することができる。
非共役ポリエン(D)としては、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−メチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−エチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンが挙げられる。これらの中でも、入手容易性が高く、ヒドロシリル架橋時の架橋速度を制御しやすく、良好な機械物性が得られやすいことから、ENBが好ましい。
共重合体(S)は、少なくとも1種の非共役ポリエン(D)に由来する構成単位を含むことができ、2種以上の非共役ポリエン(D)に由来する構成単位を含んでいてもよい。
共重合体(S)において、モル比(エチレン(A)由来の構成単位/炭素数3〜20のα−オレフィン(B)由来の構成単位)は、好ましくは40/60〜99.9/0.1、より好ましくは50/50〜90/10、さらに好ましくは55/45〜85/15である。このような共重合体は、得られる架橋ゴム部材が優れたゴム弾性を示し、機械的強度および柔軟性に優れたものとなるため好ましい。
共重合体(S)100質量%中(すなわち全構成単位の含有割合の合計100質量%中)、非共役ポリエン(C)由来の構成単位の含有割合は、通常は0.07〜10質量%、好ましくは0.1〜8質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。このような共重合体は、得られる架橋ゴム部材が充分な硬度を有し、機械特性に優れたものとなるため好ましく、ヒドロシリル架橋した場合には、早い架橋速度を示すものとなるため好ましい。
共重合体(S)100質量%中、非共役ポリエン(D)由来の構成単位の含有割合は、通常は0〜20質量%、好ましくは0〜8質量%である。
共重合体(S)中のエチレン(A)、α−オレフィン(B)、非共役ポリエン(C)、および非共役ポリエン(D)由来の構成単位の含有割合は、13C−NMRにより求めることができる。
共重合体(S)の135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、好ましくは0.1〜5.0dL/g、より好ましくは0.5〜5.0dL/g、さらに好ましくは0.9〜4.0dL/gである。
共重合体(S)は、通常、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィンおよび非共役ポリエンを含むモノマーを共重合して得られる。前記共重合体は、どのような製法で調製されてもよいが、メタロセン触媒またはバナジウム触媒を用いて製造された共重合体が挙げられる。
ゴム組成物(II)は1種または2種以上の共重合体(S)を含有することができる。
また、ゴム組成物(II)は、シリコーンゴム、エチレン・プロピレンランダム共重合体ゴム(EPR)、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム等のゴム成分を含有することができる。
<ヒドロシリル基含有化合物>
ヒドロシリル基含有化合物は、共重合体(S)と反応するヒドロシリル系架橋剤として作用する。前記ヒドロシリル基含有化合物は、従来から製造・市販されている、例えば、線状、環状、分岐状の各構造あるいは三次元網目状構造の樹脂状物など、その構造においていずれでも使用可能である。
前記ヒドロシリル基含有化合物は、1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む。前記ヒドロシリル基含有化合物としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
bcSiO(4-b-c)/2
上記式において、Rは、脂肪族不飽和結合を除く、炭素数1〜10、特に炭素数1〜8の置換または非置換の1価の炭化水素基である。1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基;トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基が好ましく、メチル基、フェニル基がより好ましい。
上記式において、bは、1≦b<3、好ましくは1≦b<2.2、特に好ましくは1.5≦b≦2であり、cは、0.6≦c≦3、好ましくは0.6≦c<2であり、かつ、b+cは、b+c≦3、好ましくはb+c≦2.7である。
ヒドロシリル基含有化合物は、例えば、1分子中のケイ素原子数が好ましくは2〜1000個、より好ましくは2〜300個、さらに好ましくは4〜200個であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、具体的には、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8−ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、R2(H)SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなり、任意にR3SiO1/2 単位、R2SiO2/2 単位、R(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2 またはRSiO3/2単位を含み得るシリコーンレジンが挙げられる。
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物が挙げられる。
(CH33SiO−(−SiH(CH3)−O−)d−Si(CH33
式中のdは2以上の整数である。
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、例えば、下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物が挙げられる。
(CH33SiO−(−Si(CH32−O−)e−(−SiH(CH3)−O−)f−Si(CH33
式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数である。
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンとしては、例えば、下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物が挙げられる。
HSi(CH32O−(−Si(CH32−O−)e−Si(CH32
式中のeは1以上の整数である。
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物が挙げられる。
HSi(CH32O−(−SiH(CH3)−O−)e−Si(CH32
式中のeは1以上の整数である。
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、例えば、下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物が挙げられる。
HSi(CH32O−(−Si(CH32−O−)e−(−SiH(CH3)−O−)h−Si(CH32
式中のeおよびhは、それぞれ1以上の整数である。
以上の化合物は、公知の方法により製造することができ、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/またはテトラメチルシクロテトラシロキサンと、末端基となり得るヘキサメチルジシロキサンあるいは1,3−ジハイドロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンなどの、トリオルガノシリル基あるいはジオルガノハイドロジェンシロキシ基を含む化合物とを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に、−10℃〜+40℃程度の温度で平衡化させることによって容易に得ることができる。
ゴム組成物(II)は1種または2種以上の前記ヒドロシリル基含有化合物を含有することができる。
ゴム組成物(II)における前記ヒドロシリル基含有化合物の含有量は、共重合体(S)等の前記ヒドロシリル架橋可能なゴム成分100質量部に対して、通常は0.1〜100質量部、好ましくは0.1〜75質量部、より好ましくは0.1〜50質量部である。
<白金系触媒>
ヒドロシリル架橋用の白金系触媒は、付加反応触媒であり、ゴム成分が有するアルケニル基等と、ヒドロシリル基含有化合物が有するヒドロシリル基との付加反応(アルケンのヒドロシリル化反応)を促進するものであれば、特に制限はなく使用することができる。
具体的な白金系触媒は、通常、付加硬化型の硬化に使用される公知のものでよく、例えば米国特許第2,970,150号明細書に記載の微粉末金属白金触媒、米国特許第2,823,218号明細書に記載の塩化白金酸触媒、米国特許第3,159,601号公報明細書および米国特許第159,662号明細書に記載の白金と炭化水素との錯化合物、米国特許第3,516,946号明細書に記載の塩化白金酸とオレフィンとの錯化合物、米国特許第3,775,452号明細書および米国特許第3,814,780号明細書に記載の白金とビニルシロキサンとの錯化合物が挙げられる。
より具体的には、白金の単体(白金黒)、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、あるいはアルミナ、シリカ等の担体に白金の担体を担持させたものが挙げられる。
ゴム組成物(II)は1種または2種以上の前記白金系触媒を含有することができる。
ゴム組成物(II)における前記白金系触媒の含有量は、通常は0.1〜100000重量ppm、好ましくは0.1〜10000重量ppm、より好ましくは1〜5000重量ppmである。上記範囲内の割合で白金系触媒を用いると、架橋密度が適度で強度特性および伸び特性に優れる成形体を形成できる組成物が得られる。
<反応抑制剤>
ゴム組成物(II)は、反応抑制剤をさらに含有することが好ましい。
反応抑制剤は、ゴム成分が有するアルケニル基等と、ヒドロシリル基含有化合物が有するヒドロシリル基との架橋反応(アルケン等へのヒドロシリル化付加反応)を抑制する機能を有する化合物である。前記ゴム成分と前記ヒドロシリル基含有化合物とを用いる組成物の場合、温度がかかる混練の初期段階からヒドロシリル架橋反応が既に開始されるため、混練途中での加工性が徐々に低下することがある。前記組成物に反応抑制剤を配合すると、組成物の混練時および成形時での加工性が安定する点で好ましい。
反応抑制剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール;1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレンアルコール類;アクリロニトリル;N,N-ジアリルアセトアミド、N,N-ジアリルベンズアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-o-フタル酸ジアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-m-フタル酸ジアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-p-フタル酸ジアミド等のアミド化合物;その他、イオウ、リン、窒素、アミン化合物、イオウ化合物、リン化合物、スズ、スズ化合物、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、ハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。これらの中でも、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールが好ましい。
ゴム組成物(II)は1種または2種以上の反応抑制剤を含有することができる。
ゴム組成物(II)における反応抑制剤の含有量は、共重合体(S)等の前記ヒドロシリル架橋可能なゴム成分100質量部に対して、通常は0.05〜5質量部、好ましくは0.07〜5質量部、より好ましくは0.07〜4.5質量部である。このような態様であると、適切な架橋速度が得られる点で好ましい。
<添加剤>
ゴム組成物(II)は、ゴムに使用される通常の添加剤、例えば、補強剤、軟化剤、加工助剤、活性剤、老化防止剤、吸湿剤、発泡剤、発泡助剤、脱泡剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤等の従来公知の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で含有することができる。これらはそれぞれ1種または2種以上用いることができる。
≪補強剤≫
補強剤は、ゴム組成物に配合される公知のゴム補強剤であり、例えば、カーボンブラック、シランカップリング剤で表面処理したカーボンブラック、シリカ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、活性化炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、微粉タルク、微分ケイ酸が挙げられる。
補強剤は、一実施態様において、共重合体(S)等の前記ヒドロシリル架橋可能なゴム成分100質量部に対して、通常は70〜200質量部の範囲で用いられる。
≪軟化剤≫
軟化剤は、ゴム組成物に配合される公知の軟化剤であり、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;蜜ロウ、カルナウバロウ等のロウ類;ナフテン酸、パイン油、ロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等のエステル系軟化剤;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、炭化水素系合成潤滑油、トール油、サブ(ファクチス)が挙げられ、これらの中でも、石油系軟化剤が好ましく、プロセスオイルがより好ましい。
軟化剤は、一実施態様において、共重合体(S)等の前記ヒドロシリル架橋可能なゴム成分100質量部に対して、通常は40〜100質量部、好ましくは40〜90質量部の範囲で用いられる。
<ゴム組成物(II)の製造>
ゴム組成物(II)は、例えば、上述した各成分を、ミキサー、ニーダー、ロールなどの混練機を用いて所望の温度で混練することにより調製することができる。具体的には、ミキサー、ニーダー等の従来公知の混練機を用いて、ヒドロシリル架橋可能なゴム成分と必要に応じてその他の成分とを所定の温度および時間、例えば80〜170℃で1〜30分間混練した後、得られた混練物にヒドロシリル基含有化合物、白金系触媒、および必要に応じてその他の成分を加えて、ロールを用いて所定の温度および時間、例えばロール温度40〜130℃、好ましくは40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより、ゴム組成物(II)を得ることができる。
得られたゴム組成物(II)を、例えば、押出成形機、プレス成形機、射出成形機、トランスファー成形機、カレンダーロール等の成形機を用いて所望形状に予備成形して、部材(IIa)を形成することができる。
[複合成形体の製造方法]
本発明の複合成形体は、例えば、以下の製造方法により製造することができる。
すなわち本発明の複合成形体の製造方法は、
架橋ゴム部材(I)と、前述したゴム組成物(II)からなる部材(IIa)とを、第1の接着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を含有する層、および第2の接着層をこの順に有する前記接着部材により接着させて、複合体(I)/(IIa)を得る工程(1)と、
前記複合体(I)/(IIa)を架橋処理する工程(2)と
を有する。
工程(1)は、前記接着部材が配置された架橋ゴム部材(I)の前記接着部材上に、前述したゴム組成物(II)からなる部材(IIa)を形成して、複合体(I)/(IIa)を得る工程(1’)であってもよい。
<工程(1)、(1’)>
工程(1)では、あらかじめ準備された架橋ゴム部材(I)とゴム組成物(II)からなる部材(IIa)とを前記接着部材を介して接着させて、複合体(I)/(IIa)を得る。例えば、架橋ゴム部材(I)の一部分と、部材(IIa)の一部分とが、前記接着部材を介して接着している。
工程(1’)では、例えば、前記接着部材が所定部分に配置された架橋ゴム部材(I)の前記接着部材上に、ゴム組成物(II)からなる部材(IIa)を形成する。一実施態様では、前記接着部材が所定部分に配置された架橋ゴム部材(I)の接着部材部分を金型内にセットし、その後、前記金型内にゴム組成物(II)の溶融物を前記接着部材上に射出して固化することにより、架橋ゴム部材(I)と部材(IIa)とを接着部材を介して接着させる。本発明では、このようなインサート成形を用いることができる。
<工程(2)>
工程(2)では、工程(1)、(1’)で得られた前記複合体(I)/(IIa)を架橋処理(具体的にはヒドロシリル架橋処理)する。本発明では、ヒドロシリル架橋を良好に進めることができる。なお、工程(1’)および(2)を同時に行ってもよく、すなわち部材(IIa)の成形およびその架橋を同時に行ってもよい。
架橋処理については、例えば、加熱温度が通常は80〜250℃、好ましくは100〜200℃であり、加熱時間が通常は0.1〜20分間、好ましくは0.1〜5分間の条件で加熱する。ヒドロシリル架橋は、例えば硫黄架橋に比べて短時間で進行可能であることが多いので、複合成形体の製造時間を短縮することができる。
以上のようにして、架橋ゴム部材(I)とヒドロシリル架橋ゴム部材(II)との接着強度に優れた複合成形体を得ることができる。
[複合成形体の用途]
本発明の複合成形体は、自動車内外装材として好適に用いられ、ウェザーストリップ材としてより好適に用いられる。一実施態様では、前記ウェザーストリップ材が、直線状部材とコーナー部材とが接合された成形体であり、前記直線状部材が前記架橋ゴム部材(I)からなり、前記コーナー部材が前記ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)からなり、前記架橋ゴム部材(I)と前記ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)とが前記接着部材により接合されている。
ウェザーストリップ材は、一実施態様において、2つの直線状部材と、これらの直線状部材同士を異なる方向から接続する際に形成されるコーナー部材とで構成されている。前記直線状部材は、長手方向の形状が直線形状をしている。
ウェザーストリップ材は、例えば、次のようにして得ることができる。
架橋ゴム部材(I)の端部に前述した接着部材を貼付した部材1,2を2つ用意する。射出成形用金型を予め所定の温度に加熱しておく。前記金型内に、前記部材1,2の接着部材が配置された端部側を挿入する。次いで、溶融されたゴム組成物(II)を、前記金型のキャビティに注入し、前記接着部材上に前記ゴム組成物(II)からなる部材(IIa)を形成、接合させた後、ヒドロシリル架橋処理を行う。このようにして、部材1,2がコーナー部材3により接合されたウェザーストリップ材を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
[製造例1]
第一段階として、BB−4型バンバリーミキサー(神戸製鋼所製)を用いて、三井EPT 3062EM(三井化学(株)製;油展量:20phr)84部および三井EPT 3091(三井化学(株)製)30部を30秒間素練りし、次いでこれに、FEFカーボンブラック(旭#60UG、旭カーボン(株)製)95部、重質炭酸カルシウム(ホワイトンSB、白石カルシウム(株)製])70部、酸化亜鉛(ZnO#1・酸化亜鉛2種、ハクスイテック(株)製)3部、ステアリン酸1部、ポリエチレングリコール(PEG4000、三洋化成工業(株)製)1部、パラフィン系プロセスオイル(ダイアナプロセスオイルPA−90、出光興産(株)製)70部を加え、140℃で2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行い、さらに、1分間混練を行い、約150℃で排出し、コンパウンドA1を得た。
次に、第二段階として、コンパウンドA1を、14インチロ−ル(日本ロール(株)社製、前ロールの表面温度60℃、後ロールの表面温度60℃、前ロールの回転数16rpm、後ロールの回転数18rpm)に巻き付けて、これに、硫黄1.5部、ジベンゾチアジルジスルフィド(サンセラーDM、三新化学工業(株)製)1.5部、エチレンチオ尿素(サンセラー22−C、三新化学工業(株)製)1.0部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(サンセラーBZ、三新化学工業(株)製)2.0部、ジエチルジチオカルバミン酸テルル(サンセラーTE−G、三新化学工業(株)製)0.02部を加え10分間混練して、コンパウンドB1を得た。
次いで、コンパウンドB1を、150tonプレスを用いて170℃で10分間加熱して加硫成形して、100mm×50mm×1mmtの硫黄加硫シートを得た。
[製造例2]
以下のようにしてエチレン・プロピレン・VNB共重合体(S−1)の製造を行った。
容積300リットルの重合反応器に、ライン1より脱水精製したヘキサン溶媒を58.3L/hr、ライン2よりトリイソブチルアルミニウム(TiBA)を4.5mmol/hr、(C65)3CB(C65)4を0.150mmol/hr、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.030mmol/hrで連続的に供給した。同時に前記重合反応器内に、エチレンを6.6kg/hr、プロピレンを9.3kg/hr、水素を18リットル/hr、VNBを340g/hrで、各々別ラインより連続供給し、重合温度87℃、全圧1.6MPaG、滞留時間1.0時間の条件下で共重合を行なった。
前記重合反応器で生成したエチレン・プロピレン・VNB共重合体の溶液を、流量88.0リットル/hrで連続的に排出して温度170℃に昇温(圧力は4.1MPaGに上昇)して相分離器に供給した。このとき、排出ラインには重合禁止剤であるエタノールを、前記重合反応器から抜き出した液体成分中のTiBAに対して0.1mol倍の量で連続的に導入した。
前記相分離器において、エチレン・プロピレン・VNB共重合体の溶液を、大部分のエチレン・プロピレン・VNB共重合体を含む濃厚相(下相部)と少量のポリマーを含む希薄相(上相部)とに分離した。
分離された濃厚相を85.4リットル/hrで熱交換器に導き、さらにホッパー内に導いて、ここで溶媒を蒸発分離し、エチレン・プロピレン・VNB共重合体(S−1)を7.8kg/hrの量で得た。
得られたエチレン・プロピレン・VNB共重合体(S−1)のモル比(エチレン単位/プロピレン単位)は62/38であり、VNB単位の含有割合は0.9質量%であり、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は2.4dL/gであった。
第一段階として、BB−4型バンバリーミキサー(神戸製鋼所製)を用いて、前記共重合体(S−1)115部を30秒間素練りし、次いでこれに、カーボンブラック(旭#50G、旭カーボン(株)製)102部、重質炭酸カルシウム(ホワイトンSB、白石カルシウム(株)製])60部、パラフィン系プロセスオイル(ダイアナプロセスオイルPW−430、出光興産(株)製)77部を加え、140℃で2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行い、さらに、1分間混練を行い、約150℃で排出し、コンパウンドA2を得た。
次に、第二段階として、コンパウンドA2を、8インチロ−ル(日本ロール(株)社製、前ロールの表面温度50℃、後ロールの表面温度50℃、前ロールの回転数16rpm、後ロールの回転数18rpm)に巻き付けて、これに、ヒドロシリル基含有化合物(信越化学工業(株)製:X-93-1346、(CH3)3SiO-(SiH(CH3)-O-)6-Si(CH3)2-O-Si(C6H5)2-O-Si(CH3)3)4部、白金系触媒(信越化学工業(株)製:X-93-1410、塩化白金酸+[CH2=CH(Me)SiO]4錯体)0.1部、および反応抑制剤(信越化学工業(株)製:X-93-1036、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール)0.7部を加え10分間混練して、コンパウンドB2を得た。
[実施例1]
製造例1で得られた硫黄加硫シートを、100mm×100mm×2mmt金型の片側に設置した。次いで、前記硫黄加硫シート上に、それぞれ前記硫黄加硫シートと同サイズの、ポリエチレン系アドマーフィルム(NF518、三井化学(株)製)、EVOHフィルム(エバールF101B、(株)クラレ製)およびポリエチレン系アドマーフィルム(NF518)をこの順に重ねた。いずれのフィルムも厚さ50μmである。最上層の前記ポリエチレン系アドマーフィルム上に、製造例2で得られたコンパウンドB2(HSコンパウンド)を配置し、その上に金属板を配置して、プレス成形(180℃で5分間、50t電熱半自動プレス(コータキ(株)製/ 型式:KMF100-1E))を行い、HSコンパウンドを架橋させた。
このようにして、硫黄加硫シート/接着部材(NF518/EVOHフィルム/NF518)/ヒドロシリル(HS)架橋シートからなる、厚さ2mmの複合成形体を得た。
得られた複合成形体について、剥離試験を行った。室温にて界面から指で硫黄加硫シートを剥離し、界面剥離となるか基材破壊となるかを観察した。また、HS架橋シートの剥離面を指でこすり、架橋しているか、被毒により未架橋状態かの観察をした。
上記剥離試験を行った結果、硫黄加硫シートもしくはHS架橋シートでのゴム相の破壊、または樹脂層の破壊が起き(基材破壊)、硫黄加硫シートとHS架橋シートとが接着部材により良好に接合していた。また、HS架橋も良好に進行していた。
[実施例2]
ポリエチレン系アドマーフィルム(NF518、三井化学(株)製)に代えてポリプロピレン系アドマーフィルム(QF551、三井化学(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
上記剥離試験を行った結果、硫黄加硫シートもしくはHS架橋シートでのゴム相の破壊、または樹脂層の破壊が起き(基材破壊)、硫黄加硫シートとHS架橋シートとが接着部材により良好に接合していた。また、HS架橋も良好に進行していた。
[比較例1]
製造例1で得られた硫黄加硫シートをエタノールで洗浄した後、100mm×100mm×2mmt金型の片側に設置した。次いで、前記硫黄加硫シート上に、製造例2で得られたコンパウンドB2(HSコンパウンド)を配置し、実施例1と同様に180℃で5分間の架橋を行った。
上記試験結果は、界面付近でHS架橋が被毒で進行しておらず、界面剥離であった。
[比較例2]
製造例1で得られた硫黄加硫シートを、100mm×100mm×2mmt金型の片側に設置した。次いで、前記硫黄加硫シート上に同サイズのポリエチレンフィルム(DND2450、日本ユニカー(株)製)を重ねた。前記ポリエチレンフィルム上に、製造例2で得られたコンパウンドB2(HSコンパウンド)を配置し、実施例1と同様に180℃で5分間の架橋を行った。
上記試験結果は、界面付近でHS架橋が被毒で進行しておらず、界面剥離であった。ポリエチレンフィルムではバリア性が不充分であり、硫黄加硫シートに含まれる硫黄によりHS架橋が被毒したものと考えられる。
[比較例3]
製造例1で得られた硫黄加硫シートを、100mm×100mm×2mmt金型の片側に設置した。次いで、前記硫黄加硫シート上に同サイズのポリエチレン系アドマーフィルム(NF518)を重ねた。前記ポリエチレン系アドマーフィルム上に、製造例2で得られたコンパウンドB2(HSコンパウンド)を配置し、実施例1と同様に180℃で5分間の架橋を行った。
上記試験結果は、界面付近でHS架橋が被毒で進行しておらず、界面剥離であった。
[比較例4]
製造例1で得られた硫黄加硫シートを、100mm×100mm×2mmt金型の片側に設置した。次いで、前記硫黄加硫シート上に同サイズのEVOHフィルム(エバールF101B、(株)クラレ製)を重ねた。前記EVOHフィルム上に、製造例2で得られたコンパウンドB2(HSコンパウンド)を配置し、実施例1と同様に180℃で5分間の架橋を行った。
上記試験結果は、界面でのHS架橋の被毒は起こらず架橋できたが、接着強度が不足するため、EVOHフィルムと硫黄加硫シート、EVOHフィルムとHS架橋シートのどちらとも界面剥離であった。

Claims (9)

  1. 架橋ゴム部材(I)と、
    ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)と
    を有する複合成形体であり、
    前記部材(I)と前記部材(II)とが、第1の接着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を含有する層、および第2の接着層をこの順に有する接着部材により接合されている
    ことを特徴とする複合成形体。
  2. 前記部材(I)に含まれる架橋ゴムが、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が硫黄系架橋剤により架橋されたゴムである請求項1に記載の複合成形体。
  3. 前記部材(II)に含まれる架橋ゴムが、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体がヒドロシリル系架橋剤により架橋されたゴムである請求項1または2に記載の複合成形体。
  4. 前記第1の接着層および前記第2の接着層が、それぞれ独立に、少なくとも変性ポリオレフィン樹脂から構成された層である請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合成形体。
  5. 自動車内外装材である請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合成形体。
  6. 前記自動車内外装材が、ウェザーストリップ材である請求項5に記載の複合成形体。
  7. 前記ウェザーストリップ材が、直線状部材とコーナー部材とが接合された成形体であり、前記直線状部材が前記架橋ゴム部材(I)からなり、前記コーナー部材が前記ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)からなり、前記架橋ゴム部材(I)と前記ヒドロシリル架橋ゴム部材(II)とが前記接着部材により接合されている請求項6に記載の複合成形体。
  8. 架橋ゴム部材(I)と、ヒドロシリル架橋可能なゴム成分、ヒドロシリル基を1分子中に少なくとも2個持つヒドロシリル基含有化合物、およびヒドロシリル架橋用の白金系触媒を含有するゴム組成物(II)からなる部材(IIa)とを、第1の接着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を含有する層、および第2の接着層をこの順に有する接着部材により接着させて、複合体(I)/(IIa)を得る工程(1)と、
    前記複合体(I)/(IIa)を架橋処理する工程(2)と
    を有する、請求項1に記載の複合成形体の製造方法。
  9. 第1の接着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を含有する層、および第2の接着層をこの順に有する接着部材が配置された架橋ゴム部材(I)の前記接着部材上に、ヒドロシリル架橋可能なゴム成分、ヒドロシリル基を1分子中に少なくとも2個持つヒドロシリル基含有化合物、およびヒドロシリル架橋用の白金系触媒を含有するゴム組成物(II)からなる部材(IIa)を形成して、複合体(I)/(IIa)を得る工程(1’)と、
    前記複合体(I)/(IIa)を架橋処理する工程(2)と
    を有する、請求項1に記載の複合成形体の製造方法。
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