JP2020156346A - バターケーキ類用油脂組成物およびバターケーキ類用穀粉生地 - Google Patents

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Abstract

【課題】製菓用起泡剤を使用せずにソフトで口どけが良く、良好な風味を有し、老化を効果的に遅延して焼成後2週間経過しても良好な食感を有するバターケーキ類を製造することができるバターケーキ類用油脂組成物の提供。【解決手段】食用油脂100g中に至適温度が45℃以上60℃以下であるヘミセルラーゼを1〜40u、至適温度が65℃以上85℃以下であるマルトース生成α−アミラーゼを1〜100u、構成脂肪酸が飽和脂肪酸であるモノグリセリン脂肪酸エステルを0.3〜3g含むバターケーキ類用油脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ヘミセルラーゼとマルトース生成α−アミラーゼ、そして構成脂肪酸が飽和脂肪酸であるモノグリセリン脂肪酸エステルを含有することで、製菓用起泡剤を使用せずに、ソフトで口どけよく、良好な風味で、老化が抑制されたバターケーキ類を製造することができるバターケーキ類用油脂組成物、およびバターケーキ類に関する。
バターケーキ類は小麦粉、砂糖、油脂、卵を主原料として作られるケーキであり、パウンドケーキ、フィナンシェ、マドレーヌ、バウムクーヘン、バターケーキ、フルーツケーキなどがある。これらバターケーキ類においては、嗜好の傾向としてソフトで口どけがよい食感が求められている。
一般的に、バターケーキ類の食感の改良方法として油脂と乳化剤からなる製菓用起泡剤や流動状ショートニングを使用する方法があるが、これらは乳化剤総量が多く、ソフトさは得られるが口どけが悪く、風味が悪いという欠点があった。それを改善するため、大豆蛋白質を使用することで製菓用起泡剤(植物油、乳化剤、液糖、水を含み、その他、香料、エタノール製剤、増粘多糖類等を適宜含む水中油型に乳化した起泡剤)や流動状ショートニングを使用しても軽い食感を有したバターケーキ類を製造する方法(特許文献1)や、特定の固体脂含量示す油脂を使用することで製菓用起泡剤や流動状ショートニングを使用せずに食感を改良する方法(特許文献2)が報告されている。しかし、これらの技術では、製造後の食感は改善されたものの、その食感を長期間保持することはできなかった。
製造後の食感を長期間保持する方法として、製菓用起泡剤を用い、比重を調整する方法(特許文献3)を報告されている。しかし、ソフトさは維持されるものの、製菓用起泡剤を使用しているため口どけが悪く、風味が悪いという欠点があった。
以上のように、製造直後のソフトさ、口どけの食感が優れているだけではなく、より長期間その食感が保持されるバターケーキ類は従来の技術では得られておらず、近年ではそれを解決する技術が強く求められている。
特開平06−319434号公報 特開2001−314153号公報 特開2006−271338号公報
本発明においては、製菓用起泡剤を使用せずにソフトで口どけが良く、良好な風味を有し、老化を効果的に遅延して焼成後2週間経過しても良好な食感を有するバターケーキ類を製造することができるバターケーキ類用油脂組成物、およびバターケーキ類を提供することを目的とする。
本発明は、小麦粉などの穀粉中の炭水化物に注目し、バターケーキ類の製造時において、多糖類を加水分解しさらに澱粉からマルトースを生成することで、上記課題を解決することを検討した。そして、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、至適温度が45℃以上60℃以下であるヘミセルラーゼ、至適温度が65℃以上85℃以下であるマルトース生成α−アミラーゼ、さらに、構成脂肪酸が飽和脂肪酸であるモノグリセリン脂肪酸エステルを併用することによって上記課題を解決することの知見を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の〔1〕〜〔3〕である。
〔1〕食用油脂100g中に至適温度が45℃以上60℃以下であるヘミセルラーゼを1〜40u、至適温度が65℃以上85℃以下であるマルトース生成α−アミラーゼを1〜100u、構成脂肪酸が飽和脂肪酸であるモノグリセリン脂肪酸エステルを0.3〜3g含むバターケーキ類用油脂組成物。
〔2〕穀粉100質量部に対し、〔1〕に記載のバターケーキ類用油脂組成物を30〜120質量部含有するバターケーキ類の生地。
〔3〕〔2〕に記載の生地を含有するバターケーキ類。
本発明によると、製菓用起泡剤を使用せずにソフトで口どけが良く、良好な風味を有し、老化を効果的に遅延して焼成後2週間経過してもソフトな食感を有するバターケーキ類を製造することができるバターケーキ類用油脂組成物、バターケーキ類の生地およびバターケーキ類を提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のバターケーキ類用油脂組成物は、食用油脂、至適温度が45℃以上60℃以下であるヘミセルラーゼ、および至適温度が65℃以上85℃以下であるマルトース生成α−アミラーゼ、構成脂肪酸が飽和脂肪酸であるモノグリセリン脂肪酸エステルを含有する。
(ヘミセルラーゼ)
本発明において使用されるヘミセルラーゼは、至適温度が45〜60℃、好ましくは50〜60℃であることを特徴とする。ヘミセルラーゼは植物組織に含まれる多糖類を加水分解する酵素であり 、キシランを加水分解するキシラナーゼ、アラバンを加水分解するアラバナーゼ、マンナンを加水分解するマンナーゼ等が含まれる。これらの中より、いずれを選択しても良いが、特に好ましくはキシラナーゼを選択して添加する。ヘミセルラーゼは真菌由来(例えば、トリコデルマ、メリピルス、ヒューミコラ、アスペルギルス、フザリウム)または細菌由来(例えば、バチルス)である。これらのヘミセルラーゼを1種類または2種類以上選択して使用してもよい。
本発明において、ヘミセルラーゼは、澱粉の糊化温度付近に至適温度を有するので、澱粉の糊化が進行すると同時にヘミセルラーゼが多糖類を分解することで、多糖類が包含する水がバターケーキ類の生地中に放出され、澱粉の糊化に効率的に使用されることが可能となる。澱粉の糊化が十分進行することによって、マルトース生成α−アミラーゼが澱粉に作用できるようになるため、マルトース生成α−アミラーゼの効果を効率的に高めることができる。ヘミセルラーゼの至適温度を45℃〜60℃の範囲とするのは、澱粉の糊化温度付近で多糖類を分解させ、澱粉へのマルトース生成α−アミラーゼの作用を効率的に高めるためであり、この範囲外においては本発明の効果が得られ難くなる。
本発明のバターケーキ類用油脂組成物において、ヘミセルラーゼの含有量は、食用油脂100g中に1〜40uであり、好ましくは5〜30uである。1u未満だとマルトース生成α−アミラーゼの作用を高めるという効果が十分に得られず、40uを超えると逆に多糖類が過剰に分解され易くなり、水が放出されることでグルテン形成を促し、得られるバターケーキ類の口どけが悪くなるおそれがある。
(マルトース生成α−アミラーゼ)
本発明において使用されるマルトース生成α−アミラーゼは、至適温度が65〜85℃であることを特徴とする。マルトース生成α−アミラーゼとは、澱粉のα−1,4−グルコシド結合を加水分解することによって主にマルトースを生成する酵素であり、Bacillus等の細菌由来、Aspergillus等のカビ由来のいずれも用いることができる。至適温度が65〜85℃のマルトース生成α−アミラーゼは、澱粉の糊化温度付近で作用するため、より効率よく澱粉をマルトースへ分解することができる。
本発明のバターケーキ類用油脂組成物において、マルトース生成α−アミラーゼの含有量は、食用油脂100g中に1〜100uであり、好ましくは20〜80uである。マルトース生成α−アミラーゼは澱粉を分解することで、保湿性を有する2糖類であるマルトースを生成する。これにより良好な口どけが得られるとともに、澱粉の側鎖が短くなり老化が進行しにくい澱粉構造を形成する。そのため、本発明では構成脂肪酸が飽和脂肪酸であるモノグリセリン脂肪酸エステルの効果と、マルトース生成αアミラーゼによる澱粉改質効果を併用することで老化抑制効果が高くなる。マルトース生成α−アミラーゼが1u以下だと老化抑制効果が十分に得られず、100uを超えると、過度に澱粉が分解されることでネトつきが生じ、口どけが低下するおそれがある。
(活性単位)
本発明において用いるヘミセルラーゼおよびマルトース生成α−アミラーゼの活性単位は、1分間にそれぞれ1μmolのキシロース、マルトースに相当する還元糖を生成する酵素量を1uとして定義する。ヘミセルラーゼ(H)については、ヘミセルロースを基質として至適条件下(至適温度、至適pH)で10分間反応させ、生じた還元糖を定量することで酵素活性を求めることができる。また、マルトース生成α−アミラーゼについては、マルトトリオースを基質として至適条件下(至適温度、至適pH)で10分間反応させ、生じた還元糖を定量することで酵素活性を求めることができる。各還元糖については、「還元糖の定量法(第2版)」(福井作蔵著、学会出版センター)を参照して定量することができる。
(酵素の至適温度)
本発明において酵素の至適温度とは、酵素活性が最も高くなる温度であり、酵素を水に溶解し、5℃ずつ温度を変えて活性を測定した結果、最も活性が高くなる温度の範囲を示したものである。
(モノグリセリン脂肪酸エステル)
本発明において使用されるモノグリセリン脂肪酸エステルは、構成脂肪酸が飽和脂肪酸であることを特徴とする。本発明の油脂組成物において、構成脂肪酸が飽和脂肪酸であるモノグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、食用油脂100g中に、0.3g〜3gであり、より好ましくは0.5〜1.5gである。構成脂肪酸が飽和脂肪酸であるモノグリセリン脂肪酸エステルは澱粉と結合し、複合体を形成する。これにより、モノグリセリン脂肪酸エステルの添加により、製造後の老化抑制効果が認められる。さらには、ほぐれやすく、良好な食感のバターケーキ類を提供することができるという効果も奏する。
なお、構成脂肪酸が飽和脂肪酸であるモノグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、食用油脂100g中に、0.3g未満だと効果が十分に得られず、3gを超えるとバターケーキ類の風味が悪くなる。
(食用油脂)
本発明で使用する食用油脂としては、一般にマーガリン、ショートニングの原料として用いられている食用油脂を使用することができる。例えば牛脂、豚脂、魚油等の動物性油脂、パーム油、菜種油、大豆油等の植物性油脂や、これら動物性油脂、植物性油脂の硬化油、分別油、エステル交換油等の加工油脂が挙げられ、これらは適宜混合して用いることができる。食用油脂中にヘミセルラーゼ、マルトース生成α−アミラーゼ、構成脂肪酸が飽和脂肪酸であるモノグリセリン脂肪酸エステルを分散または溶解して油脂組成物とすることで、バターケーキ類用穀粉生地中への各成分の分散性を高め、各成分の効果をより効率的に得ることができる。
なお、油脂組成物中における食用油脂の含有量は、特に制限されないが、例えば、60〜100質量%である。下限値として、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは75質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上である。また、上限値として、好ましくは95質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下である。
本発明におけるバターケーキ類用油脂組成物には、乳化剤、加工澱粉、保存料、pH調整剤、色素、香料、その他の酵素等を適宜使用してもよい。
乳化剤としては、例えば構成脂肪酸が不飽和脂肪酸であるモノグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、ポリグリセリン縮合脂肪酸エステル等が用いられる。乳化剤は1種又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、本発明のバターケーキ類用油脂組成物における、すべての乳化剤(構成脂肪酸が飽和脂肪酸であるモノグリセリン脂肪酸エステルも含む。)の総含有量は、食用油脂100g中に、好ましくは10g以下であり、より好ましくは5g以下であり、特に好ましくは3g以下である。すべての乳化剤の総含有量を、食用油脂100g中に、10g以下とすることにより、乳化剤特有の風味を抑制し、良好な風味のバターケーキ類を得ることができる。
本発明における油脂組成物の製法は、まず食用油脂および構成脂肪酸が飽和脂肪酸であるモノグリセリン脂肪酸エステルを融点温度以上の温度で加熱し、均一溶解する。次に、加温した水を添加し、均一に混合攪拌後、50〜35℃まで降温する。酵素を添加し、試作機を用いて急冷可塑化し、30℃以下まで冷却することにより、目的の油脂組成物を得る。上記製造において、高温状態にある均一混合物を冷却する際には均一混合物を入れている容器自身を外部から冷却しても良いが、一般的にショートニング、マーガリン製造に用いられるチラー、ボテーター、コンビネーター等を用いて急冷する方が性能上好ましい。
本発明における油脂組成物を製造するにあたって、酵素は粉末や液体などいずれの形態でもよい。
(バターケーキ類)
バターケーキ類はバター又はマーガリン等の油脂と小麦粉、糖類、卵を主原料とし、これらを混合して焼成して得られる焼き菓子である。バターケーキ類の生地を製造する際に、生地に含まれる本発明の油脂組成物の含有量は、穀粉100質量部に対して、好ましくは30〜120質量部であり、より好ましくは50〜100質量部である。油脂組成物の量をこの範囲とすることによって、良好なバターケーキ類の食感が得られる。本発明の油脂組成物の含有量は、穀粉100質量部に対して30質量部以上の場合には、本発明の油脂組成物の効果が一層発揮され、また、120質量部以下の場合には、バターケーキ類中の澱粉量が多くなるため、本発明のバターケーキ類用油脂組成物の含有による効果が十分に発揮される。
また、バターケーキ類の生地に含まれる食用油脂の含有量としては、穀粉100質量部に対して、好ましくは20〜120質量部であり、より好ましくは30〜110質量部であり、更に好ましくは50〜100質量部である。食用油脂の含有量が、穀粉100質量部に対して20質量部以上の場合には、本発明の口どけやソフトさを向上するという効果と、食用油脂由来のしっとりとした舌触りが相俟って、滑らかな食感のバターケーキ類を得ることができる。一方、食用油脂の含有量が、穀粉100質量部に対して120質量部以下の場合には、油脂が多くなり過ぎず、軽い食感のバターケーキ類を得ることができる。
本発明におけるバターケーキ類の原料としては、主原料としての穀粉の他に、糖類、卵、乳化剤、油脂類(ショートニング、マーガリン、バター、液状油等)、水、加工澱粉、乳製品、食塩、カラメル、フルーツ、保存料、ビタミン、蛋白質、アミノ酸、化学膨張剤、フレーバー等が挙げられる。本発明のバターケーキ類用油脂組成物の使用に適した穀粉としては、小麦粉、米粉、大麦粉、ライ麦粉等が挙げられる。本発明のバターケーキ類の生地は、主原料としての穀粉及び他の成分に、本発明の油脂組成物を混合することにより製造することができる。
本発明の油脂組成物を含有する生地を焼成してバターケーキ類を製造することができる。焼成温度はバターケーキ類の種類にもよるが、170〜240℃が適している。バターケーキ類としては、パウンドケーキ、フィナンシェ、マドレーヌ、バウムクーヘン、バターケーキ、フルーツケーキ、ワッフル、焼きドーナツ、マフィンなどが挙げられる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
(油脂組成物)
表1に示す配合組成の食用油脂中に、酵素、モノグリセリン脂肪酸エステルを添加して、バターケーキ類用油脂組成物を得た。バターケーキ類用油脂組成物の製造方法は、以下のとおりである。
パーム硬化油(融点42℃)15kg、パーム油20kg、エステル交換油(融点34℃)35kg、および菜種油30kg、モノグリセリン脂肪酸エステル、その他成分を配合し75℃で加熱溶解した油相部に、70℃に加温した水20kgを添加し、プロペラ撹拌機で攪拌して乳化液を製造した。乳化液の温度を50〜40℃に降温し、酵素を添加後、プロペラ撹拌機にて十分に撹拌を行い、ついで、マーガリン試作機を用いて25℃以下に急冷し、バターケーキ類用油脂組成物を試作した。なお、モノグリセリン脂肪酸エステルおよび酵素の添加量は、食用油脂100g中に含有される添加量が表2および表3となるように配合した。
(使用酵素)
<ヘミセルラーゼ >
1)商品名:スミチームX、新日本化学(株)製、至適温度55℃、酵素活性 5000u/g
2)商品名:GrindamylH460、ダニスコジャパン(株)製、至適温度45℃、酵素活性 10000u/g
<マルトース生成α−アミラーゼ>
3)商品名:OptiCake Fresh 50B、ノボザイムジャパン(株)製、至適温度75℃、酵素活性 50u/g
<α−アミラーゼ>
4)商品名:スピターゼCP3、ナガセケムテックス(株)製、至適温度80℃、酵素活性 30000u/g
(使用乳化剤)
<モノグリセリン脂肪酸エステル>
5)商品名:エキセルT−95、花王(株)製、構成脂肪酸:ステアリン酸
6)商品名:エマルジーP100、理研ビタミン(株)製、構成脂肪酸:ステアリン酸、パルミチン酸
(バターケーキ類の製造方法)
バターケーキ類の一種であるパウンドケーキを製造した。実施例1〜3および比較例1〜4で得られたバターケーキ類用油脂組成物300gと、上白砂糖300gをミキサーボウルに計量し、低速で5分混合した。その後、低速で混合しながら全卵300gを5回に分けて投入し、全卵をすべて投入した後、低速で1分混合した。予め篩で篩った薄力粉300gとベーキングパウダー3gを加え、低速で30秒、中速で15秒混合してパウンドケーキの生地を得た。得られた生地を250gに分割し、上火165℃・下火150℃のオーブンで34分焼成した。パウンドケーキは1時間室温で放冷した後、袋に入れ20℃で保管した。
(パウンドケーキの評価)
得られたパウンドケーキのソフトさ、口どけ、老化抑制効果を評価した。
(口どけの評価)
焼成後、20℃で1日保管したパウンドケーキの口どけを10人のパネラーにて評価した。評価は、以下の基準で行い、10人の平均点が、2.5〜3.0点を「◎」、2.0〜2.4点を「○」、1.5〜1.9点を「△」、1.0〜1.4点を「×」とした。
評価基準:
(3点)咀嚼時にザラツキがなく、すぐに口の中で溶ける。
(2点)咀嚼時にザラツキがないが、口の中で溶けるのに時間がかかる。
(1点)咀嚼時にザラツキがある、口の中で溶けるのに時間がかかる。
(ソフトさの評価)
焼成後、20℃で1日保管したパウンドケーキのソフトさを10人のパネラーにて評価した。評価は、以下の基準で行い、10人の平均点が、2.5〜3.0点を「◎」、2.0〜2.4点を「○」、1.5〜1.9点を「△」、1.0〜1.4点を「×」とした。
評価基準:
(3点)咀嚼時にほぐれやすく、咀嚼してすぐ形がなくなる。
(2点)咀嚼時にほぐれやすく、咀嚼数回で形がなくなる。
(1点)咀嚼時にほぐれにくく、咀嚼数回では形がなくならない。
(風味の評価)
焼成後、20℃で1日保管したパウンドケーキの風味を10人のパネラーにて評価した。評価は、以下の基準で行い、10人の平均点が、2.5〜3.0点を「◎」、2.0〜2.4点を「○」、1.5〜1.9点を「△」、1.0〜1.4点を「×」とした。
評価基準:
(3点)乳化剤の風味がなく良好。
(2点)乳化剤の風味がする。
(1点)乳化剤の風味が強い、苦味を感じる。
(老化抑制効果)
焼成後1日(D+1)、焼成後14日(D+14)において、パウンドケーキを2cm幅で切り分け、4cm×4cm×2cmの正方形に切り取ってサンプルとした。カットした面からスポンジケーキを6mm圧縮する際に必要な応力(N)を山電社製レオメーターで測定し、ソフトさの指標とした。ソフトさの変化量によって、下記の評価基準で評価した。変化量が小さい程老化抑制効果が高い。
評価基準:
(◎)変化量が1.5N未満
(○)変化量が1.5N以上〜2.0N未満
(△)変化量が2.0N以上〜2.5N未満
(×)変化量が2.5N以上
表4より、ヘミセルラーゼとマルトース生成α−アミラーゼ、そしてモノグリセリン脂肪酸エステルを使用した本発明のバターケーキ類用油脂組成物を使用して得られたバターケーキ類は、ソフトで口どけよく、良好な風味で、老化が抑制されていた。表5より、酵素を使用しない場合は、口どけ、老化抑制が劣る結果となった。ヘミセルラーゼを配合しない場合や、配合量が本発明の範囲でない場合には、満足いく口どけが得られなかった(比較例2、5、6)。また、マルトース生成アミラーゼを配合しない場合や、配合量が本発明の配合量より少ない場合は、口どけ、老化抑制効果が劣る結果となった(比較例3、8)。また、マルトース生成アミラーゼの配合量が多い場合には、口どけが悪かった(比較例6)。モノグリセリン脂肪酸エステルを配合しない場合、配合量が少ない場合は、ソフトさと老化抑制効果が劣り(比較例4、10)、配合量が多い場合は風味が悪化する結果となった(比較例9)。また、マルトース生成アミラーゼの代わりにαアミラーゼを使用しても、本発明の効果は得られなかった(比較例11)。

Claims (3)

  1. 食用油脂100g中に至適温度が45℃以上60℃以下であるヘミセルラーゼを1〜40u、至適温度が65℃以上85℃以下であるマルトース生成α−アミラーゼを1〜100u、構成脂肪酸が飽和脂肪酸であるモノグリセリン脂肪酸エステルを0.3〜3g含むバターケーキ類用油脂組成物。
  2. 穀粉100質量部に対し、請求項1に記載のバターケーキ類用油脂組成物を30〜120質量部含有するバターケーキ類の生地。
  3. 請求項2に記載の生地を含有するバターケーキ類。


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