JP2020153689A - 評価方法および評価システム - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本実施形態に係る評価システムの概要を示すブロック図である。この評価システム1は、非接触式でハンディタイプの3Dスキャナ3を用いて、コンクリート5の表面粗さを測定する。3Dスキャナ3の選定や使用条件等は、後述する。パラメータ演算部9は、3Dスキャナ3で得られた点群データに基づいて、コンクリート5の表面粗さを示すパラメータを算出する。出力部11は、例えば、ディスプレイで構成され、パラメータ演算部9で算出されたパラメータを出力する。
本実施形態において、3Dスキャナ3の測定方式は、非接触方式を採用した。小型で携帯性に優れる非接触式の3Dスキャナ3が、はつり面の測定に適していると考えられる。3Dスキャナ3による測定原理は、例えば“タイムオブフライト”、“三角法方式”、“スポットレーザー投光法”または“光切断法”を用いることができる。はつり面の表面粗さの評価には、測定する範囲は、コンクリートに使用される骨材の最大径の3倍〜5m程度を想定し、精度が高く、小さい対象物に適している三角法方式が好ましい。また、広範囲のスキャンに向くため建築構造物には、タイムオブフライト方式が好ましい。また、測定精度は(0.1mm)〜(1mm)が好ましく、(0.3mm)〜(1mm)がより好ましい。はつり面の表面を測定する際、測定精度が細かいと、測定した点群データ数が多くなりすぎてデータ容量が大きくなるためデータ処理が難しくなること、処理時間が長くなることから、測定精度は(0.1mm)以上が好ましい。また、測定精度が低すぎると、はつり面の表面形状が適切に計測できないため、(1mm)以下が好ましい。
非接触式の3Dスキャナから取得したデータの処理を簡易化するため、得られるデータに定義面を設け、データ処理時に定義面を座標に合わせることで点群データの向きを統一する。この定義面を設ける具体的方法は、3Dスキャナによるスキャニングの際、測定範囲付近に板状部材を設置し、この板状部材も含めてスキャニングする。スキャニング後、データ処理をする際に、板状部材上の点群データから任意の3点を選び、XYZ座標の原点、X軸上、Y軸上に合わせることで、測定対象を含む点群データを、前記3点から定まるXY平面上に合わせることができる。ここで、2点のみであると面が定義できず、4点であると演算が複雑化するため好ましくない。定義面設定の為の板状部材は平坦であり、測定を妨げず、かつ測定対象の凹凸に影響されず安定する大きさがよい。板状部材の形状はL字型、扇型などにすることができ、また、測定範囲をくり抜いた枠の形状など、測定対象や条件等により変えることができる。なお、ここでX軸、Y軸、Z軸は全て直交するものとする。
測定対象とするコンクリート面積の下限は、解析精度を高めるために好ましくは最大骨材径の3倍角、より好ましくは10倍角とする。測定対象とするコンクリート面積の上限は、3Dスキャナの計測精度にもよるが、解析精度が十分得られる測定点数であり、一方でデータ処理の負担が大きくならないよう、好ましくは最大2m角程度、より好ましくは1mである。
3Dスキャナは「SHINING 3D」製の「EinScan−Pro+」を使用した。白色LEDの原理を用いたタイムオブフライト方式を採用し、計測精度は0.7mmである。スキャニングはL字板としての板状部材14を含む「50cm×50cm」の範囲を対象物から40cm離れて行なった。また、スキャニングは対象範囲を2分程度かけて行なった。
本実施形態では、評価対象となるコンクリートの表面に上記板状部材14を載置し、板状部材14と共にコンクリート表面をスキャニングする。そして、スキャニングされ、仮想空間内に表された板状部材14の像と、前記仮想空間内で定義されたXYZ座標系のXY平面とが平行となるように、前記3Dスキャナで得られた点群データ全体を補正する。
次に、3Dスキャナ3で測定した点群データの処理条件について説明する。ハンディタイプの3Dスキャナ3で計測された点群データに対し、上記の補正処理を施した上で、この点群データからパラメータ演算部9にて表面粗さのパラメータを算出する。表面粗さのパラメータとして、「JIS B 0601」に規定されるパラメータを用いることができる。計測された点群データは、ランダムに配置されているから変換部7にて、そのデータを行列に変換してもよい。行列変換のデータの処理には、例えば「Renka−Cline法」や、「加重平均法」を用いることができる。
このアルゴリズムの主要な計算は以下の通りである。すなわち、(a)三角分割により、XYデータに対して三角分割法が実行され、三角形は可能なかぎりほぼ等角になる。(b)傾斜推定により、二次関数の偏微分として、各格子におけるXY方向の傾斜を推定する。(c)補間法により、任意の点Pにおいて、データ値を使って補間された値と点Pを含む三角形の3つの頂点のそれぞれの位置での傾斜推定を計算する。
1/rの重み付けを持つポイントの単純な加重平均を用いる方法である。rは、検索半径の範囲内にあるセルからの各ポイントの距離となる。検索半径の範囲内に値が無い場合、少なくとも1ポイント出現するまで半径を拡大する。
(1)算術平均高さSa
3Dスキャナで測定するときの対象物からの距離は、評価精度を高めるために「(0.1m)〜(1m)」とする。さらに、「(0.2m)〜(0.5m)」がより好ましい。測定時の走査速度は、評価精度を高めかつ処理時間が長くなり過ぎないよう「(3cm/s)〜(30cm/s)」とする。さらに、「(3cm/s)〜(20cm/s)」がより好ましい。
測定対象物は、橋梁である場合は、対象箇所は、床下地、床版、橋脚部、壁面、天井部などとする。これらの場合、粗面の粗さ評価は、打継ぎ、増厚、断面修復を目的としたものとなる。また、測定対象物が、舗装路面である場合は、対象箇所は、舗装表面とする。この場合、粗面の粗さ評価は、増厚、オーバーレイ、舗装面のすべり抵抗性評価を目的としたものとなる。測定対象物が、トンネル、下水道施設、建築物などのコンクリート構造物全般である場合は、粗面の粗さ評価は、打継ぎ、増厚、断面修復を目的としたものとなる。
図5は、本実施形態に係る評価システムの動作の概略を示すフローチャートである。まず、図1に示した非接触式の3Dスキャナ3を用いて、板状部材14が載置されたコンクリートの表面をスキャニングする(ステップS1)。次に、板状部材14から定まる定義面を用いて、得られた点群データを補正し、3Dスキャナ3で得られたコンクリートの表面粗さを示すパラメータを算出する(ステップS2)。そして、算出したパラメータをディスプレイ等に出力する(ステップS3)。
3 3Dスキャナ
5 コンクリート
7 変換部
9 パラメータ演算部
11 出力部
12 評価範囲
14 板状部材
Claims (3)
- コンクリートの表面粗さを評価する評価方法であって、
非接触式の3Dスキャナを用いて、コンクリートの表面をスキャニングするステップと、
前記スキャニングされ、仮想空間内に表されたコンクリートの表面の点群データにおいて、同一平面上に存在する任意の3点から平面を定義し、前記平面と前記仮想空間内で定義されたXYZ座標系のXY平面とが平行となるように、前記点群データ全体を補正するステップと、
前記補正後の点群データ用いて、コンクリートの表面粗さを示すパラメータを算出するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする評価方法。 - コンクリートの表面上に載置された板状部材と共に、コンクリートの表面をスキャニングし、前記スキャニングされ、仮想空間内に表された板状部材の像を前記平面とすることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
- コンクリートの表面粗さを評価する評価システムであって、
非接触式で、評価対象となるコンクリートの表面に載置された板状部材および前記コンクリートの表面をスキャニングする3Dスキャナと、
前記スキャニングされ、仮想空間内に表された板状部材の像上の3点から定まる平面と、前記仮想空間内で定義されたXYZ座標系のXY平面とが平行となるように、前記点群データ全体を補正し、前記補正後の点群データを用いて、コンクリートの表面粗さを示すパラメータを算出するパラメータ演算部と、
前記算出されたパラメータを出力する出力部と、を備えることを特徴とする評価システム。
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