JP2020151864A - 樹脂シート - Google Patents

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野乃花 大島
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Abstract

【課題】反りの発生を抑制することが可能な樹脂シートを提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂に、平均粒径が1[μm]以上3[μm]以下の範囲内である無機質材料を含有して形成され、且つ厚さが50[μm]以上250[μm]以下の範囲内である基材シート1と、基材シート1に積層した接着剤層(第一接着剤層2、第二接着剤層4)と、接着剤層に積層したフィルム状の熱可塑性樹脂合成紙(第一熱可塑性樹脂合成紙6、第二熱可塑性樹脂合成紙8)を備え、無機質材料の含有量は、15質量%以上90質量%以下の範囲内であり、接着剤層の塗布量は、0.5[g/m2]以上3.5[g/m2]以下の範囲内であり、熱可塑性樹脂合成紙は、フィルム状の熱可塑性樹脂に無機質材料及び酸化チタンを5質量%以上30質量%以下の範囲内で配合して形成されている樹脂シート10。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、床タイルや壁パネル等の化粧板の基材や、各種家具類や建築内装材等に、装飾又は表面保護等の目的で貼着される化粧シートの基材等として好適な樹脂シートに関する。
化粧シートの基材等として好適な樹脂シートとしては、例えば、特許文献1に開示されている構成のものがある。特許文献1に開示されている構成は、ポリプロピレン系樹脂製基材シートの両面に、フィルム状の熱可塑性樹脂合成紙を設けた積層体として、樹脂シートを形成した構成である。ポリプロピレン系樹脂製基材シートは、平均粒径が0.05[μm]以上20[μm]以下の範囲内である炭酸カルシウムを、20質量%以上85質量%以下の範囲内において含有して形成され、且つ厚さが0.1[mm]以上10[mm]以下の範囲内である。熱可塑性樹脂合成紙は、炭酸カルシウム及び酸化チタンを5質量%以上30質量%以下の範囲内で配合して成膜されている。
特許第3359017号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、ポリプロピレン系樹脂製基材シートと熱可塑性樹脂合成紙とを接着する接着剤層との密着性が低下して、反りが発生しやすいという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、反りの発生を抑制することが可能な樹脂シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基材シートと、接着剤層と、フィルム状の熱可塑性樹脂合成紙と、を備える樹脂シートである。基材シートは、熱可塑性樹脂に平均粒径が1[μm]以上3[μm]以下の範囲内である無機質材料を含有して形成され、且つ厚さが50[μm]以上250[μm]以下の範囲内である。熱可塑性樹脂に対する無機質材料の含有量は、15質量%以上90質量%以下の範囲内である。接着剤層は、基材シートの少なくとも一方の面に積層した層であり、塗布量が、0.5[g/m]以上5.0[g/m]以下の範囲内である。熱可塑性樹脂合成紙は、接着剤層に積層され、フィルム状の熱可塑性樹脂に、無機質材料及び酸化チタンを5質量%以上30質量%以下の範囲内で配合して形成されている。
本発明の一態様によれば、反りの発生を抑制することが可能な樹脂シートを提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態における樹脂シートの構成を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本技術の実施形態を説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる場合が含まれる。以下に示す実施形態は、本技術の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本技術の技術的思想は、下記の実施形態に例示した装置や方法に特定するものでない。本技術の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」になり、「右」が「左」になることは勿論である。
(第1実施形態)
以下、図1を参照して、樹脂シート10の構成について説明する。
樹脂シート10は、図1に示すように、基材シート1と、第一接着剤層2と、第二接着剤層4と、第一熱可塑性樹脂合成紙6と、第二熱可塑性樹脂合成紙8を備える。
(基材シート)
基材シート1(原反層とも呼称する場合がある)は、熱可塑性樹脂に無機質材料を含有して形成されている。
基材シート1の厚さは、50[μm]以上250[μm]以下の範囲内である。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等を用いることが可能であるが、特に、ポリオレフィン系樹脂が好適である。
第1実施形態では、一例として、熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である場合について説明する。
ポリオレフィン系樹脂としては、特に制限は無いが、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンの単独重合体や、これらの共重合体、あるいは、これらと他の共重合可能な不飽和単量体との共重合体等を用いることが可能である。これらの代表的な例としては、高密度、中密度、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のポリエチレン類、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体やランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ジエン化合物共重合体等のポリプロピレン類、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1等を用いることが可能である。
上述したポリプロピレン類の中では、結晶性のポリプロピレン系樹脂がよく用いられる。結晶性のポリプロピレン系樹脂としては、例えば、結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体、エチレン単位の含有量の少ないエチレン−プロピレンランダム共重合体を用いることが可能である。また、プロピレン単独重合体からなるホモ部と、エチレン単位の含有量の比較的多いエチレン−プロピレンランダム共重合体からなる共重合部と、から構成されたプロピレンブロック共重合体を用いることが可能である。さらに、プロピレンブロック共重合体における各ホモ部又は共重合部、また、ブテン−1等のα−オレフィンを共重合したものからなる結晶性のプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体等を用いることが可能である。
ポリオレフィン系樹脂は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、再生品も用いることが可能であるが、樹脂シート10の用途に応じて、適宜選択して用いるのが好ましい。
熱可塑性樹脂に含有する無機質材料としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カオリン、シリカ、パーライト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、焼成アルミナ、ケイ酸カルシウム、タルク、マイカ等を用いることが可能である。さらに、熱可塑性樹脂に含有する無機質材料としては、例えば、シリカ(特に、中空シリカ)、アルミナ、三酸化アンチモン、アンチモンソーダ、珪酸ジルコン、酸化ジルコン等のジルコニウム化合物、塩基性炭酸マグネシウム、硼砂、ホウ酸亜鉛、三酸化モリブデンあるいはジモリブデン酸アンチモンと水酸化アルミニウムとの錯体等、三酸化アンチモンとシリカとの錯体、三酸化アンチモンと亜鉛華との錯体、ジルコニウムのケイ酸、ジルコニウム化合物と三酸化アンチモンとの錯体、並びにそれらの塩等の少なくとも一種を用いることが可能である。特に、炭酸カルシウム及び炭酸カルシウム塩は、製造手法による粒径のコントロールや熱可塑性樹脂との相溶性の制御が容易であり、また、材料コストとしても安価であるため、樹脂シート10の低廉化の観点からも好適である。また、上述した無機質材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第1実施形態では、一例として、無機質材料が、炭酸カルシウムである場合について説明する。これは、無機質材料としては、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムが、切削性及び経済性等の点から好ましく、特に、炭酸カルシウムが好適であることが理由である。
炭酸カルシウムとしては、特に制限は無く、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム等を用いることが可能である。
炭酸カルシウムの平均粒径は、1[μm]以上3[μm]以下の範囲内である。
熱可塑性樹脂に対する無機質材料の含有量は、15質量%以上90質量%以下の範囲内、好ましくは、20質量%以上80質量%以下の範囲内である。これは、無機質材料の含有量が15質量%未満では、切削加工性や剛性等が不十分であり、無機質材料の含有量が90質量%を越えると、シート成形性及び耐衝撃性が低下するとともに、質量が重くなるためである。
第1実施形態では、一例として、熱可塑性樹脂に対する無機質材料の含有量が、20質量%以上80質量%以下の範囲内である場合について説明する。
また、基材シート1には、要求される性能等により、各種の添加成分、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、塩素捕捉剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、離型剤、着色剤、さらには、可塑剤やプロセスオイルや流動パラフィン等の軟化剤、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー等を適宜含有させることが可能である。
基材シート1の第一接着剤層2と対向する面(以降の説明では、「表面」と記載する場合がある)と、基材シート1の第二接着剤層4と対向する面(以降の説明では、「裏面」と記載する場合がある)には、第一熱可塑性樹脂合成紙6や第二熱可塑性樹脂合成紙8との密着性を向上させるために、酸化法や凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理を施すことが可能である。
酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等を用いることが可能である。凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法等を用いることが可能である。酸化法や凹凸化法は、基材シート1の種類に応じて適宜選択することが可能であるが、効果及び操作性等を考慮すると、コロナ放電処理法が好適である。
(第一接着剤層)
第一接着剤層2は、基材シート1に積層されている。具体的に、第一接着剤層2は、図1において、基材シート1の表面に積層されており、基材シート1の表面全体を覆うように形成されている。これにより、第一接着剤層2は、基材シート1に含まれる無機質材料の粉落ちを防止する。
印刷時や樹脂塗工時に基材シート1に含まれる無機質材料が印刷系内、具体的には印刷装置内で粉落ちすると、印刷系内を汚染することがある。また、基材シート1に含まれる無機質材料が粉落ちすると、インキ抜け等の不具合が発生する可能性がある。
第一接着剤層2の塗布量は、0.5[g/m]以上5.0[g/m]以下の範囲内である。
第1実施形態では、一例として、第一接着剤層2の塗布量を、0.5[g/m]以上3.5[g/m]以下の範囲内とした場合について説明する。
第一接着剤層2の厚さは、0.5[μm]以上5.0[μm]以下の範囲内である。
第1実施形態では、一例として、第一接着剤層2の厚さを、0.5[μm]以上3.0[μm]以下の範囲内とした場合について説明する。
また、第一接着剤層2の材料としては、加熱時に粘着性を示す材料、例えば、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、アイオノマー系樹脂等を主成分とする材料を用いることが可能である。
(第二接着剤層)
第二接着剤層4は、基材シート1に積層されている。具体的に、第二接着剤層4は、図1において、基材シート1の裏面に積層されており、基材シート1の裏面全体を覆うように形成されている。これにより、第二接着剤層4は、第一接着剤層2と同様、基材シート1に含まれる無機質材料の粉落ちを防止する。
第二接着剤層4の塗布量は、0.5[g/m]以上5.0[g/m]以下の範囲内である。
第1実施形態では、一例として、第二接着剤層4の塗布量を、0.5[g/m]以上3.5[g/m]以下の範囲内とした場合について説明する。
第二接着剤層4の厚さは、0.5[μm]以上5.0[μm]以下の範囲内である。
第1実施形態では、一例として、第二接着剤層4の厚さを、0.5[μm]以上3.0[μm]以下の範囲内とした場合について説明する。
また、第二接着剤層4は、例えば、第一接着剤層2と同様の材料及び手法を用いて形成する。
(第一熱可塑性樹脂合成紙)
第一熱可塑性樹脂合成紙6は、第一接着剤層2に積層されており、第一接着剤層2を間に挟んで、基材シート1の表面と対向している。
また、第一熱可塑性樹脂合成紙6は、フィルム状の熱可塑性樹脂に、無機質材料(例えば、炭酸カルシウム)及び酸化チタンを5質量%以上30質量%以下の範囲内で配合して形成されている。
第一熱可塑性樹脂合成紙6に用いる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂合成紙等を用いることが可能である。
第1実施形態では、一例として、第一熱可塑性樹脂合成紙6に用いる熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である場合について説明する。すなわち、第1実施形態では、一例として、第一熱可塑性樹脂合成紙6が、ポリオレフィン系樹脂合成紙である場合について説明する。
第一熱可塑性樹脂合成紙6に用いる熱可塑性樹脂の厚さは、20[μm]以上150[μm]以下の範囲内程度である。
(第二熱可塑性樹脂合成紙)
第二熱可塑性樹脂合成紙8は、第二接着剤層4に積層されており、第二接着剤層4を間に挟んで、基材シート1の裏面と対向している。
また、第二熱可塑性樹脂合成紙8は、第一熱可塑性樹脂合成紙6と同様、フィルム状の熱可塑性樹脂に、無機質材料(例えば、炭酸カルシウム)及び酸化チタンを5質量%以上30質量%以下の範囲内で配合して形成されている。
第二熱可塑性樹脂合成紙8に用いる熱可塑性樹脂としては、第一熱可塑性樹脂合成紙6と同様、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂合成紙等を用いることが可能である。
第1実施形態では、一例として、第二熱可塑性樹脂合成紙8に用いる熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である場合について説明する。すなわち、第1実施形態では、一例として、第二熱可塑性樹脂合成紙8が、ポリオレフィン系樹脂合成紙である場合について説明する。
第二熱可塑性樹脂合成紙8に用いる熱可塑性樹脂の厚さは、第一熱可塑性樹脂合成紙6と同様、20[μm]以上150[μm]以下の範囲内程度である。
以上により、第一熱可塑性樹脂合成紙6と第二熱可塑性樹脂合成紙8は、共にポリオレフィン系樹脂合成紙である。これに加え、第一熱可塑性樹脂合成紙6の厚さと、第二熱可塑性樹脂合成紙8は等しい。
(樹脂シート10の製造方法)
以下、図1を参照して、第1実施形態の基材シート1及び樹脂シート10の製造方法を説明する。
まず、基材シート1の製造方法を説明する。
上述したポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂と、熱可塑性樹脂に対して15質量%以上90質量%以下の範囲内の無機質材料と、さらに、所望により用いる各種の添加成分とを配合する。そして、タンブラーブレンダーや、ヘンシェルミキサー等で混合するか、又は、混合後、さらに単軸押出機や多軸押出機を用いて溶融混練造粒することにより、基材シート1用の成形材料を調製する。
次に、基材シート1用の成形材料を、公知の方法、例えば、キャスト成形、押出しシート成形、カレンダー成形等の方法によって成形し、基材シート1を製造する。
なお、押出機中で成形材料を延伸させることで、適当な延伸倍率を有する基材シート1を製造してもよい。
次に、樹脂シート10の製造方法を説明する。
まず、基材シート1の表面に、第一接着剤層2を形成するための接着剤を塗布して、第一接着剤層2を形成する。
さらに、第一接着剤層2の基材シート1と対向する面と反対側の面に、第一熱可塑性樹脂合成紙6を積層する。
次に、基材シート1の裏面に、第二接着剤層4を形成するための接着剤を塗布して、第二接着剤層4を形成する。
さらに、第二接着剤層4の基材シート1と対向する面と反対側の面に、第二熱可塑性樹脂合成紙8を積層する。
そして、上述の手順で形成した積層体を加熱することで、第一接着剤層2及び第二接着剤層4の粘着性を発生させる。これにより、基材シート1の表面に第一熱可塑性樹脂合成紙6を密着させるとともに、基材シート1の裏面に第二熱可塑性樹脂合成紙8を密着させて、樹脂シート10を製造する。
なお、第二接着剤層4は、第一接着剤層2と同時に形成してもよい。
また、第二熱可塑性樹脂合成紙8は、第一熱可塑性樹脂合成紙6よりも前に積層してもよい。この場合、第二接着剤層4は、第一接着剤層2よりも先に形成してもよい。
なお、上述した第1実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第1実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態の樹脂シート10であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)基材シート1が、熱可塑性樹脂に平均粒径が1[μm]以上3[μm]以下の範囲内である無機質材料を含有して形成され、且つ厚さが50[μm]以上250[μm]以下の範囲内であり、無機質材料の含有量が、15質量%以上90質量%以下の範囲内である。また、第一接着剤層2及び第二接着剤層4の塗布量が、0.5[g/m]以上5.0[g/m]以下の範囲内である。これに加え、第一熱可塑性樹脂合成紙6及び第二熱可塑性樹脂合成紙8が、フィルム状の熱可塑性樹脂に無機質材料及び酸化チタンを5質量%以上30質量%以下の範囲内で配合して形成されている。
その結果、接着剤との密着性及び印刷性に優れるとともに、反りの発生を抑制することが可能な樹脂シート10を提供することが可能となる。これにより、床タイルや壁パネル等の化粧板の基材や、各種家具類、台所製品のキャビネット、建築内装材等に装飾又は表面保護等の目的で貼着される化粧シートの基材等として、好適な樹脂シート10を提供することが可能となる。
(2)第一接着剤層2及び第二接着剤層4の厚さが、0.5[μm]以上5.0[μm]以下の範囲内である。
その結果、第一接着剤層2及び第二接着剤層4の厚さが、0.5[μm]未満又は5.0[μm]を超える場合と比較して、反りの発生を抑制することが可能な樹脂シート10を提供することが可能となる。
(3)基材シート1が含有する無機質材料の含有量が、20質量%以上80質量%以下の範囲内である。
その結果、無機質材料の含有量が、20質量%未満又は80質量%を超える場合と比較して、切削加工性や剛性等を向上させるとともに、シート成形性及び耐衝撃性の低下を抑制することが可能となる。これに加え、質量の増加を抑制することが可能となる。
(4)基材シート1が含有する無機質材料が、炭酸カルシウムである。
その結果、樹脂シート10の不燃性を向上させることが可能となる。
(5)熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である。
その結果、入手・加工が容易な材料を用いて樹脂シート10を形成することが可能となるため、樹脂シート10の生産性を向上させることが可能となる。
(6)第一熱可塑性樹脂合成紙6及び第二熱可塑性樹脂合成紙8が、ポリオレフィン系樹脂合成紙である。
その結果、入手・加工が容易な材料を用いて樹脂シート10を形成することが可能となるため、樹脂シート10の生産性を向上させることが可能となる。
(7)第一熱可塑性樹脂合成紙6と第二熱可塑性樹脂合成紙8が、共にポリオレフィン系樹脂合成紙である。
その結果、第一熱可塑性樹脂合成紙6と第二熱可塑性樹脂合成紙8の材料が異なる場合と比較して、樹脂シート10に発生する反りを抑制することが可能となるとともに、樹脂シート10の生産性を向上させることが可能となる。
(8)第一熱可塑性樹脂合成紙6の厚さと第二熱可塑性樹脂合成紙8の厚さが等しい。
その結果、第一熱可塑性樹脂合成紙6の厚さと第二熱可塑性樹脂合成紙8の厚さが異なる場合と比較して、樹脂シート10に発生する反りを抑制することが可能となるとともに、樹脂シート10の生産性を向上させることが可能となる。
(変形例)
(1)第1実施形態では、基材シート1の表面に第一接着剤層2を形成し、基材シート1の裏面に第二接着剤層4を形成したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、基材シート1の表面のみに第一接着剤層2を形成してもよい。また、基材シート1の裏面のみに第二接着剤層4を形成してもよい。
(2)第1実施形態では、樹脂シート10の構成を、基材シート1に第一接着剤層2を積層する構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、樹脂シート10の構成を、基材シート1と第一接着剤層2の間に第一アンカー層を形成した構成としてもよい。第一アンカー層は、基材シート1の表面全体を覆うように形成された層であって、基材シート1に含まれる無機質材料の粉落ちを防止するための層である。
同様に、樹脂シート10の構成を、基材シート1に第二接着剤層4を積層する構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、樹脂シート10の構成を、基材シート1と第二接着剤層4の間に第二アンカー層を形成した構成としてもよい。第二アンカー層は、基材シート1の裏面全体を覆うように形成された層であって、基材シート1に含まれる無機質材料の粉落ちを防止するための層である。
アンカー層(第一アンカー層、第二アンカー層)は、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂を含有していることが好ましい。ここで、「塩酢ビ」とは、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体を意味する。また、「塩酢ビを含むウレタン系樹脂」とは、塩酢ビとウレタン系樹脂とを含んだ組成物である。塩酢ビの含有量とウレタン系樹脂の含有量との比(塩酢ビの含有量(質量)/ウレタン系樹脂の含有量(質量))は、80/20〜1/99の範囲内であればよい。さらに、塩酢ビの含有量とウレタン系樹脂の含有量との比は、50/50〜5/95の範囲内であれば好ましく、20/80〜10/90の範囲内であればより好ましい。
また、「塩酢ビを含むウレタン系樹脂」は、上述した塩酢ビ及びウレタン系樹脂以外に、硬化剤を含んでいてもよい。硬化剤は、塩酢ビを含むウレタン系樹脂を確実に硬化させるために添加されるものであり、その含有量については、特に限定されない。例えば、塩酢ビを含むウレタン系樹脂の含有量と、硬化剤の含有量との比(塩酢ビを含むウレタン系樹脂の含有量(質量)/硬化剤の含有量(質量))は、99/1〜1/99の範囲内であればよい。さらに、塩酢ビを含むウレタン系樹脂の含有量と硬化剤の含有量との比は、99/1〜50/50の範囲内であれば好ましく、95/5〜90/10の範囲内であればより好ましい。
アンカー層における、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量は、アンカー層の質量に対し、15質量%以上100質量%以下の範囲内が好ましい。また、80質量%以上100質量%以下の範囲内がより好ましく、85質量%以上95質量%以下の範囲内がさらに好ましい。アンカー層における、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が上記数値範囲内であれば、アンカー層と絵柄模様層3との層間強度を十分なものにしつつ、均一でムラや欠けのないアンカー層を形成することが可能である。また、アンカー層における、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が、アンカー層の質量に対し、15質量%未満であると、アンカー層と絵柄模様層3との層間強度が不十分となることがある。また、アンカー層における、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が、アンカー層の質量に対し、乾燥状態で80質量%未満であると、使用上何ら問題はないが、アンカー層の基材シート1への食い込み比率が低下し、アンカー層と基材シート1との層間強度が低下する可能性がある。なお、アンカー層における、塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が、アンカー層の質量に対し、100質量%以下であれば使用上何ら問題はないが、95質量%、より正確には98質量%を超えると、硬化不足でアンカー層に欠けが生じる可能性や、アンカー層と基材シート1、もしくはアンカー層と絵柄模様層3との層間強度が低下する可能性がある。
また、表面アンカー層における塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量は、裏面アンカー層における塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量と同じであってもよい。すなわち、表面アンカー層における塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量は、裏面アンカー層における塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量の1.0倍(0.95倍以上1.04倍以下の範囲内)であってもよい。表面アンカー層における塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が、裏面アンカー層における塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量と同じである場合には、表面アンカー層の物性と裏面アンカー層の物性がほぼ同じになるため、基材シート1が表面アンカー層及び裏面アンカー層を備えた状態において、歪みや反り等の発生を低減させることが可能となる。そのため、樹脂シート10全体の歪みや反り等の発生を低減させることが可能となる。また、表面アンカー層を形成するための塗工液と、裏面アンカー層を形成するための塗工液とを共通化することが可能となるため、製造コストを低減させるとともに、作業効率を向上させることが可能となる。
また、表面アンカー層における塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量は、裏面アンカー層における塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量よりも多くてもよいし、少なくてもよい。表面アンカー層における塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量が、裏面アンカー層における塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量よりも多い、又は少ない場合には、表面アンカー層の物性と裏面アンカー層の物性が異なるため、表面アンカー層及び裏面アンカー層を備えた基材シート1に、歪みや反り等を付与することが可能となる。このように、表面アンカー層及び裏面アンカー層を備えた基材シート1に歪みや反り等を付与することで、基材シート1を湾曲した表面を備える基材等に隙間なく貼り合せることが可能となる。例えば、表面アンカー層における塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量は、裏面アンカー層における塩酢ビを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビを含むアクリル系樹脂の含有量の1.1倍以上10倍以下の範囲内であってもよく、0.1倍以上0.9倍以下の範囲内であってもよい。
表面アンカー層の厚さは、例えば、0.5[μm]以上20[μm]以下の範囲内であり、好ましくは、0.5[μm]以上10[μm]以下の範囲内である。また、表面アンカー層の厚さは、裏面アンカー層の厚さと同じであってもよい。表面アンカー層の厚さが裏面アンカー層の厚さと同じである場合には、表面アンカー層の物性と裏面アンカー層の物性がほぼ同じになるため、基材シート1が表面アンカー層及び裏面アンカー層を備えた状態において、歪みや反り等の発生を低減させることが可能となる。
また、表面アンカー層の厚さは、裏面アンカー層の厚さよりも厚くてもよいし、薄くてもよい。表面アンカー層の厚さと裏面アンカー層の厚さを異なるものとすることで、光沢差が生じるため、基材シート1の表面側と裏面側とを容易に視認することが可能となる。
第1実施形態を参照しつつ、以下、実施例の樹脂シートと、比較例の樹脂シートについて説明する。
(実施例1)
実施例1の樹脂シートは、以下の条件(A)から(G)を満足する構成とした。
(A).基材シートが、熱可塑性樹脂に平均粒径が1[μm]以上3[μm]以下の範囲内である無機質材料を含有して形成され、且つ厚さが50[μm]以上250[μm]以下の範囲内である。
(B).基材シートの表面に第一接着剤層を積層し、基材シートの裏面に第二接着剤層を積層する。
(C).第一接着剤層に積層した第一熱可塑性樹脂合成紙と、第二接着剤層に積層した第二熱可塑性樹脂合成紙を備える。
(D).基材シートが含有する無機質材料の含有量が、15質量%以上90質量%以下の範囲内である。
(E).第一接着剤層及び第二接着剤層の塗布量が、0.5[g/m]以上3.5[g/m]以下の範囲内である。
(F).第一熱可塑性樹脂合成紙及び第二熱可塑性樹脂合成紙が、フィルム状の熱可塑性樹脂に、無機質材料及び酸化チタンを5質量%以上30質量%以下の範囲内で配合して形成されている。
(G).第一接着剤層及び第二接着剤層の厚さが、3.0[μm]を超える。
<実施例1−1>
実施例1の具体的な例として、実施例1−1の樹脂シートを作製した。
まず、ポリオレフィン系樹脂と、平均粒径が3[μm]であり、上記ポリオレフィン系樹脂の90質量%含む無機質材料とをヘンシェルミキサーで混合し、基材シート用の成形材料を作製した。
その後、基材シート用の成形材料をキャスト成形によって成形し、厚さ250[μm]の基材シートを作製した。
次に、基材シートの表面に、第一接着剤層を形成するための接着剤を3.5[g/m]の塗布量で塗布して、第一接着剤層を形成した。第一接着剤層の厚さは4[μm]であった。
さらに、第一接着剤層の基材シートと対向する面と反対側の面に、第一熱可塑性樹脂合成紙を積層した。第一熱可塑性樹脂合成紙は、フィルム状の熱可塑性樹脂に無機質材料及び酸化チタンを30質量%含有させて形成されている。
次に、基材シートの裏面に、第二接着剤層を形成するための接着剤を3.5[g/m]の塗布量で塗布して、第二接着剤層を形成した。第二接着剤層の厚さは4[μm]であった。
さらに、第二接着剤層の基材シートと対向する面と反対側の面に、第二熱可塑性樹脂合成紙を積層した。第二熱可塑性樹脂合成紙は、フィルム状の熱可塑性樹脂に、無機質材料及び酸化チタンを30質量%含有させて形成されている。
その後、このようにして第一熱可塑性樹脂合成紙、第一接着剤層、基材シート、第二接着剤層、第二熱可塑性樹脂合成紙の順で形成された積層体を加熱した。その結果、第一接着剤層及び第二接着剤層の粘着性を発生させ、基材シートの表面に第一熱可塑性樹脂合成紙を密着させるとともに、基材シートの裏面に第二熱可塑性樹脂合成紙を密着させて、実施例1−1の樹脂シートを作製した。
<実施例1−2>
基材シート用の成形材料に含まれる無機質材料の平均粒径を1[μm]、該無機質材料の上記ポリオレフィン系樹脂に対する含有量を15質量%とし、基材シートの厚さを50[μm]とし、第一接着剤層及び第二接着剤層の塗布量を0.5[g/m]とし、第一熱可塑性樹脂合成紙及び第二熱可塑性樹脂合成紙に含まれる無機質材料及び酸化チタンを5質量%とした以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−2の樹脂シートを作製した。第一接着剤層及び第二接着剤層の厚さは、それぞれ4[μm]であった。
(実施例2)
実施例2の樹脂シートは、上述した条件(A)から(F)と、以下の条件(H)を満足する構成とした。
(H).第一接着剤層及び第二接着剤層の厚さが、0.5[μm]以上3.0[μm]以下の範囲内である。
<実施例2−1>
実施例2の具体的な例として、実施例2−1の樹脂シートを作製した。
まず、ポリオレフィン系樹脂と、平均粒径が3[μm]であり、上記ポリオレフィン系樹脂の90質量%含む無機質材料とをヘンシェルミキサーで混合し、基材シート用の成形材料を作製した。
その後、基材シート用の成形材料をキャスト成形によって成形し、厚さ250[μm]の基材シートを作製した。
次に、基材シートの表面に、第一接着剤層を形成するための接着剤を3.3[g/m]の塗布量で塗布して、第一接着剤層を形成した。第一接着剤層の厚さは3[μm]であった。
さらに、第一接着剤層の基材シートと対向する面と反対側の面に、第一熱可塑性樹脂合成紙を積層した。第一熱可塑性樹脂合成紙は、フィルム状の熱可塑性樹脂に、無機質材料及び酸化チタンを30質量%含有させて形成されている。
次に、基材シートの裏面に、第二接着剤層を形成するための接着剤を3.3[g/m]の塗布量で塗布して、第二接着剤層を形成した。第二接着剤層の厚さは3[μm]であった。
さらに、第二接着剤層の基材シートと対向する面と反対側の面に、第二熱可塑性樹脂合成紙を積層した。第二熱可塑性樹脂合成紙は、フィルム状の熱可塑性樹脂に、無機質材料及び酸化チタンを30質量%含有させて形成されている。
その後、このようにして第一熱可塑性樹脂合成紙、第一接着剤層、基材シート、第二接着剤層、第二熱可塑性樹脂合成紙の順で形成された積層体を加熱した。その結果、第一接着剤層及び第二接着剤層の粘着性を発生させ、基材シートの表面に第一熱可塑性樹脂合成紙を密着させるとともに、基材シートの裏面に第二熱可塑性樹脂合成紙を密着させて、実施例2−1の樹脂シートを作製した。
<実施例2−2>
基材シート用の成形材料に含まれる無機質材料の平均粒径を1[μm]、該無機質材料の上記ポリオレフィン系樹脂に対する含有量を15質量%とし、基材シートの厚さを50[μm]とし、第一接着剤層及び第二接着剤層の塗布量を0.7[g/m]とし、第一熱可塑性樹脂合成紙及び第二熱可塑性樹脂合成紙に含まれる無機質材料及び酸化チタンを5質量%とした以外は、実施例1−1と同様にして実施例2−2の樹脂シートを作製した。第一接着剤層及び第二接着剤層の厚さは、それぞれ0.5[μm]であった。
(実施例3)
実施例3の樹脂シートは、上述した条件(A)から(C)及び(E)から(G)と、以下の条件(I)を満足する構成とした。
(I).基材シートが含有する無機質材料の含有量が、20質量%以上80質量%以下の範囲内である。
<実施例3−1>
実施例3の具体的な例として、実施例3−1の樹脂シートを作製した。
まず、ポリオレフィン系樹脂と、平均粒径が3[μm]であり、上記ポリオレフィン系樹脂の80質量%含む無機質材料とをヘンシェルミキサーで混合し、基材シート用の成形材料を作製した。
その後、基材シート用の成形材料をキャスト成形によって成形し、厚さ250[μm]の基材シートを作製した。
次に、基材シートの表面に、第一接着剤層を形成するための接着剤を3.3[g/m]の塗布量で塗布して、第一接着剤層を形成した。第一接着剤層の厚さは3[μm]であった。
さらに、第一接着剤層の基材シートと対向する面と反対側の面に、第一熱可塑性樹脂合成紙を積層した。第一熱可塑性樹脂合成紙は、フィルム状の熱可塑性樹脂に無機質材料及び酸化チタンを30質量%含有させて形成されている。
次に、基材シートの裏面に、第二接着剤層を形成するための接着剤を3.3[g/m]の塗布量で塗布して、第二接着剤層を形成した。第二接着剤層の厚さは3[μm]であった。
さらに、第二接着剤層の基材シートと対向する面と反対側の面に、第二熱可塑性樹脂合成紙を積層した。第二熱可塑性樹脂合成紙は、フィルム状の熱可塑性樹脂に無機質材料及び酸化チタンを30質量%含有させて形成されている。
その後、このようにして第一熱可塑性樹脂合成紙、第一接着剤層、基材シート、第二接着剤層、第二熱可塑性樹脂合成紙の順で形成された積層体を加熱した。その結果、第一接着剤層及び第二接着剤層の粘着性を発生させ、基材シートの表面に第一熱可塑性樹脂合成紙を密着させるとともに、基材シートの裏面に第二熱可塑性樹脂合成紙を密着させて、実施例3−1の樹脂シートを作製した。
<実施例3−2>
基材シート用の成形材料に含まれる無機質材料の平均粒径を1[μm]、該無機質材料の上記ポリオレフィン系樹脂に対する含有量を20質量%とし、基材シートの厚さを50[μm]とし、第一接着剤層及び第二接着剤層の塗布量を0.7[g/m]とし、第一熱可塑性樹脂合成紙及び第二熱可塑性樹脂合成紙に含まれる無機質材料及び酸化チタンを5質量%とした以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−2の樹脂シートを作製した。第一接着剤層及び第二接着剤層の厚さは、それぞれ0.5[μm]であった。
(実施例4)
実施例4の樹脂シートは、上述した条件(A)から(C)、(E)及び(F)、(H)及び(I)を満足する構成とした。
具体的に、実施例4の樹脂シートは、基材シート用の成形材料に含まれる無機質材料の平均粒径を2[μm]、該無機質材料の上記ポリオレフィン系樹脂に対する含有量を55質量%とし、基材シートの厚さを150[μm]とし、第一接着剤層及び第二接着剤層の塗布量を2[g/m]とし、第一熱可塑性樹脂合成紙及び第二熱可塑性樹脂合成紙に含まれる無機質材料及び酸化チタンを18質量%とした以外は、実施例1−1と同様にして得た。第一接着剤層及び第二接着剤層の厚さは、それぞれ1.8[μm]であった。
(比較例1)
比較例1の樹脂シートは、上述した条件(B)及び(C)、(F)及び(G)と、以下の条件(J)から(L)を満足する構成とした。
(J).基材シートが、熱可塑性樹脂に平均粒径が1[μm]未満である無機質材料を含有して形成され、且つ厚さが50[μm]未満である。
(K).基材シートが含有する無機質材料の含有量が、15質量%未満である。
(L).第一接着剤層及び第二接着剤層の塗布量が、3.5[g/m]を超える。
具体的に、比較例1の樹脂シートは、基材シート用の成形材料に含まれる無機質材料の平均粒径を0.5[μm]、無機質材料のポリオレフィン系樹脂に対する含有量を10質量%とし、基材シートの厚さを30[μm]とし、第一接着剤層及び第二接着剤層の塗布量を4[g/m]とした以外は、実施例1−1と同様にして得た。第一接着剤層及び第二接着剤層の厚さは、それぞれ5[μm]であった。
(比較例2)
比較例2の樹脂シートは、上述した条件(B)及び(C)、(F)及び(G)と、以下の条件(M)から(O)を満足する構成とした。
(M).基材シートが、熱可塑性樹脂に平均粒径が3[μm]を超える無機質材料を含有して形成され、且つ厚さが250[μm]を超える。
(N).基材シートに含まれる無機質材料の含有量が、90質量%を超える。
(O).第一接着剤層及び第二接着剤層の塗布量が、0.5[g/m]未満である。
具体的に、比較例2の樹脂シートは、基材シート用の成形材料に含まれる無機質材料の平均粒径を4[μm]、無機質材料のポリオレフィン系樹脂に対する含有量を100質量%とし、基材シートの厚さを300[μm]とし、第一接着剤層及び第二接着剤層の塗布量を0.2[g/m]とした以外は、実施例1−1と同様にして得た。第一接着剤層及び第二接着剤層の厚さはそれぞれ0.2[μm]であった。
(性能評価、評価結果)
実施例1から4の樹脂シートと、比較例1及び2の樹脂シートに対し、それぞれ、反り、接着剤との密着性、印刷性を評価した。評価方法としては、以下に記載した方法を用いた。
<反りの評価>
縦横100cmの大きさに切り取った試料を、表面を上に向けて平板ガラスの上に載置し、4箇所の角と、隣り合う角の中間に設定した4箇所との、合計8箇所の高さを測定した。次に、試料の裏面を上に向けて平板ガラスの上に載置し、同様に高さを測定した。
<接着剤との密着性の評価>
20[mm]×20[mm]サイズの試料を切り出し、ウレタン系接着剤を用いて、切り出した試料とスチール板とを接着させ、7日間放置した後、平面引張試験を行った。
<印刷性の評価>
1[cm]内に1[mm]の基盤目を100個作成し、粘着テープによる剥離試験を実施することで、剥離しなかった数により印刷の密着性を評価した。
上述した方法を用いて、各種の性能を評価した結果、実施例1から4の樹脂シートは、いずれの評価試験においても優れた性能を示したが、比較例1及び2の樹脂シートは、いずれの評価試験においても、実施例1から4の樹脂シートと比較して性能が劣る結果となった。
1…基材シート、2…第一接着剤層、4…第二接着剤層、6…第一熱可塑性樹脂合成紙、8…第二熱可塑性樹脂合成紙、10…樹脂シート

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂に平均粒径が1μm以上3μm以下の範囲内である無機質材料を含有して形成され、且つ厚さが50μm以上250μm以下の範囲内である基材シートと、
    前記基材シートの少なくとも一方の面に積層した接着剤層と、
    前記接着剤層に積層したフィルム状の熱可塑性樹脂合成紙と、を備え、
    前記無機質材料の含有量は、15質量%以上90質量%以下の範囲内であり、
    前記接着剤層の塗布量は、0.5g/m以上5.0g/m以下の範囲内であり、
    前記熱可塑性樹脂合成紙は、フィルム状の熱可塑性樹脂に無機質材料及び酸化チタンを5質量%以上30質量%以下の範囲内で配合して形成されていることを特徴とする樹脂シート。
  2. 前記接着剤層の厚さは、0.5μm以上5.0μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載した樹脂シート。
  3. 前記基材シートが含有する前記無機質材料の含有量は、20質量%以上80質量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した樹脂シート。
  4. 前記基材シートが含有する前記無機質材料は、炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載した樹脂シート。
  5. 前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載した樹脂シート。
  6. 前記熱可塑性樹脂合成紙は、ポリオレフィン系樹脂合成紙であることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載した樹脂シート。
  7. 前記基材シートの一方の面に積層した第一接着剤層と、
    前記基材シートの他方の面に積層した第二接着剤層と、
    前記第一接着剤層に積層した第一熱可塑性樹脂合成紙と、
    前記第二接着剤層に積層した第二熱可塑性樹脂合成紙と、を備え、
    前記第一熱可塑性樹脂合成紙と前記第二熱可塑性樹脂合成紙は、共にポリオレフィン系樹脂合成紙であることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載した樹脂シート。
  8. 前記基材シートの一方の面に積層した第一接着剤層と、
    前記基材シートの他方の面に積層した第二接着剤層と、
    前記第一接着剤層に積層した第一熱可塑性樹脂合成紙と、
    前記第二接着剤層に積層した第二熱可塑性樹脂合成紙と、を備え、
    前記第一熱可塑性樹脂合成紙の厚さと前記第二熱可塑性樹脂合成紙の厚さが等しいことを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載した樹脂シート。
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