JP2020151160A - 六輪式電動車両 - Google Patents

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裕司 近藤
Yuji Kondo
裕司 近藤
正隆 中根
Masataka NAKANE
正隆 中根
恭輔 近藤
Kyosuke Kondo
恭輔 近藤
智明 林
Tomoaki Hayashi
智明 林
吉男 仙田
Yoshio Senda
吉男 仙田
嘉隆 浅井
Yoshitaka Asai
嘉隆 浅井
嘉丈 片山
Yoshitake Katayama
嘉丈 片山
敏幸 二宮
Toshiyuki Ninomiya
敏幸 二宮
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Abstract

【課題】接地面に、150mm程度までの高低差がある場合でも、実際の使用環境下にある接地面に即して走行することができる六輪式電動車両を提供する。【解決手段】六輪式電動車両1では、前輪2と中輪3と後輪4とが、それぞれ一対でサスペンションに装着されている。サスペンションは、前輪2と中輪3とを連結した状態で懸架するボギーリンク部10と、後輪4を懸架するロッカーリンク部20と、ボギーリンク部10とロッカーリンク部20とが回動可能に連結された関節部30と、を有するロッカーボギーリンク機構5である。ロッカーリンク部20は、前端側Fを関節部30に接続した状態で、後端側Bに向けて直線的に延びるフレーム部材22を有し、フレーム部材22は、後端側Bに向けて次第に高くなる後方高の傾斜姿勢で配置されている。後輪4は、フレーム部材22の後輪支持部24で左右両側とも互いに独立して懸架されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、それぞれ一対の前輪、中輪、及び後輪を有する六輪式電動車両に関する。
六輪式電動車椅子は、駆動輪である一対の中輪と、その中輪の前後に、4つの被駆動輪とを有した計6つの車輪を備える車椅子である。六輪式電動車椅子は、四輪式の電動車椅子に比べ、回転半径をより小さくすることができて小回りが利く上、より高い安定性を有して転倒し難い。その一方、六輪式電動車椅子では、中輪が、接地面にある凹凸や段差、平面と斜面との接続部等に差し掛かって接地面から離れてしまうと、中輪の駆動が接地面に伝達できなくなる。そのため、六輪式電動車椅子は、凹凸等の段差を乗り越えることができない。この問題の解決にあたり、開発された六輪式電動車椅子の一例として、特許文献1が開示されている。
特許文献1は、一対の前輪と、駆動輪である一対の中輪と、一対の後輪とを有し、これら6つの車輪に対し、それぞれ独立したサスペンションを備えた電動6輪車椅子である。前輪は、左右両側とも、車体フレームのうち、中輪後方の位置に後端部を揺動可能に取付けたリーディングアームの前端部に、軸支されている。リーディングアームの揺動運動は、筒型アブソーバ内蔵のコイルスプリングによるクッションユニットで、緩衝されている。中輪は、左右両側とも、ダブルウィッシュボーン式のサスペンションの下、それぞれ一端側を車体フレームに揺動可能に取付けたロアアームとアッパアームとに対し、それぞれの他端側が連結された中間軸支部材に軸支して装着されている。ロアアーム、アッパアーム、及び中間軸支部材の揺動運動は、筒型アブソーバ内蔵のコイルスプリングによるクッションユニットで、緩衝されている。
後輪は、左右両側とも、前端部を車体フレームに揺動可能に取付けたリーディングアームの後端部に、軸支されている。リーディングアームの揺動運動は、筒型アブソーバ内蔵のコイルスプリングによるクッションユニットで、緩衝されている。特許文献1の電動6輪車椅子は、高さ40mmまでの段差を乗り越えることができるとされている。
特開2007−61342号公報
しかしながら、特許文献1の電動6輪車椅子には、次の問題があった。近年、バリアフリー化が推し進められているものの、例えば、道路や広場から建物に延びるアプローチ、舗装道路縁に敷かれたプレキャストコンクリート製のL形側溝や、舗装歩道の切下げ部等、六輪式電動車椅子を実際に使用する環境下にある至る所で、高さ50mmを超えた概ね150mmまでの単段の段差は、数多く存在している。特許文献1の電動6輪車椅子は、僅か高さ40mmまでの段差しか乗り越えることができないため、高さ50mm超の段差を有する場所では、全く使用できない。従って、特許文献1の電動6輪車椅子は、実際の使用環境に十分に対応できる性能を具備した六輪式電動車椅子となっていない。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、接地面に、概ね150mmまでの高低差がある場合でも、実際の使用環境下にある接地面に即して走行することができる六輪式電動車両を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る六輪式電動車両は、以下の構成を有する。
(1)それぞれ一対で有する前輪と、駆動輪である中輪と、後輪とが、左右両側とも、サスペンションに装着され、電力により駆動する六輪式電動車両において、前記サスペンションは、前記前輪と前記中輪とを連結した状態で懸架するボギーリンク部と、前記後輪を懸架するロッカーリンク部と、前記ボギーリンク部と前記ロッカーリンク部とが回動可能に連結された関節部と、を有するロッカーボギーリンク機構で構成されていること、前記前輪と前記後輪との間を繋ぐ方向を、前後方向とし、前記左右両側に沿う方向を、左右方向とし、前記前後方向かつ前記左右方向に直交する方向を、高さ方向とすると、前記ロッカーリンク部は、前記前後方向に対し、前端側を前記関節部に接続した状態で、その後端側に向けて直線的に延びるフレーム部材を有し、前記フレーム部材は、前記高さ方向に対し、平坦面に基づく対地からの高さを基準に、前記前端側から前記後端側に向けて次第に高くなる後方高の傾斜姿勢で配置されていること、前記後輪は、前記フレーム部材の前記後端側にある後輪支持部で、前記中輪の軸心より高い位置に、少なくとも1つ配設された支点軸により、前記左右両側とも互いに独立して懸架されていること、を特徴とする。
(2)(1)に記載する六輪式電動車両において、座を有する座席を備え、前記座席は、前記左右方向に対し、前記中輪の前記軸心を通る仮想軸線と交差する垂線上に、前記座の重心を配置した位置関係で、前記フレーム部材より上方に載置されていること、を特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載する六輪式電動車両において、前記後輪は、キャスタ角を設けて装着されていること、を特徴とする。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載する六輪式電動車両において、前記後輪は、アッパアームとロアアームとを互いに平行な位置関係で設けた平行リンク機構により、前記後輪支持部に懸架されており、前記アッパアームの一端部と前記ロアアームの一端部とが、前記後輪支持部に対し、それぞれ回動可能に連結されていると共に、前記アッパアームの他端部と前記ロアアームの他端部とが、前記後輪に装着された中間支持部材に対し、それぞれ回動可能に連結されていること、を特徴とする。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載する六輪式電動車両において、前記左右両側の前記ロッカーリンク部では、前記フレーム部材同士を一体に固定すると共に、各前記関節部を、互いに独立した機構で設けることにより、前記左右両側の前記ボギーリンク部が、それぞれ独立して動作すること、を特徴とする。
(6)(5)に記載する六輪式電動車両において、前記ボギーリンク部には、フットレストが装着されていること、を特徴とする。
(7)(1)乃至(6)のいずれか1つに記載する六輪式電動車両において、前記前輪及び前記後輪は、被駆動輪であり、前記前輪または前記後輪のうち、少なくとも一方側の車輪が、オムニホイールであること、を特徴とする。
(8)(1)乃至(7)のいずれか1つに記載する六輪式電動車両において、前記中輪の駆動に必要な電力の電源は、前記フレーム部材に沿って配置されていること、を特徴とする。
(9)(8)に記載する六輪式電動車両において、前記電源は、二次電池であること、を特徴とする。
(10)(1)乃至(9)のいずれか1つに記載する六輪式電動車両において、前記中輪の駆動源であるモータと、前記モータを電気的に制御する電気制御部と、前記電気制御部と電気的に接続され、前記中輪の駆動操作をジョイスティックレバーで行う操作部と、を備えること、を特徴とする。
(11)(1)乃至(10)のいずれか1つに記載する六輪式電動車両において、当該六輪式電動車両は、車重50kg以下であること、を特徴とする。
上記構成を有する本発明の六輪式電動車両の作用・効果について説明する。
(1)それぞれ一対で有する前輪と、駆動輪である中輪と、後輪とが、左右両側とも、サスペンションに装着され、電力により駆動する六輪式電動車両において、サスペンションは、前輪と中輪とを連結した状態で懸架するボギーリンク部と、後輪を懸架するロッカーリンク部と、ボギーリンク部とロッカーリンク部とが回動可能に連結された関節部と、を有するロッカーボギーリンク機構で構成されていること、前輪と後輪との間を繋ぐ方向を、前後方向とし、左右両側に沿う方向を、左右方向とし、前後方向かつ左右方向に直交する方向を、高さ方向とすると、ロッカーリンク部は、前後方向に対し、前端側を関節部に接続した状態で、その後端側に向けて直線的に延びるフレーム部材を有し、フレーム部材は、高さ方向に対し、平坦面に基づく対地からの高さを基準に、前端側から後端側に向けて次第に高くなる後方高の傾斜姿勢で配置されていること、後輪は、フレーム部材の後端側にある後輪支持部で、中輪の軸心より高い位置に、少なくとも1つ配設された支点軸により、左右両側とも互いに独立して懸架されていること、を特徴とする。
この特徴により、本発明に係る六輪式電動車両は、尻もちすることなく安定した状態で、高さ約150mmまでの段差を比較的容易に乗り越えて、接地面を走行することができる。すなわち、本発明に係る六輪式電動車両を実際に使用する環境下にある至る所では、例えば、道路や広場から建物に延びるアプローチ、舗装道路縁に敷かれたプレキャストコンクリート製のL形側溝や、舗装歩道の切下げ部等、高さ50mmを超えた概ね150mmまでの単段の段差が、数多く存在している。接地面にある段差が、平坦面に対し、高低差150mmまでの単段であれば、本発明に係る六輪式電動車両は、このような段差を、難なく乗り越えて接地面を走行し続けることができる。換言すれば、本発明に係る六輪式電動車両は、一例である六輪式電動車椅子等を使用する実際の環境下で、十分に対応できる性能を具備し、使用者(人)にとって、走行に伴う制約をより抑えた使い勝手の良い実用的な車両となっている。
従って、本発明に係る六輪式電動車両によれば、接地面に、概ね150mmまでの高低差がある場合でも、実際の使用環境下にある接地面に即して安定して走行することができる、という優れた効果を奏する。
(2)に記載する六輪式電動車両において、座を有する座席を備え、座席は、左右方向に対し、中輪の軸心を通る仮想軸線と交差する垂線上に、座の重心を配置した位置関係で、フレーム部材より上方に載置されていること、を特徴とする。
この特徴により、本発明に係る六輪式電動車両では、座席に着いた人の体重を主とした外力が、そのロスをより抑えた状態で、駆動輪である中輪に作用するようになる。これにより、平坦面から段差に上り詰めて移動するときに、段差への中輪のトラクションが、より掛かり易くなる。ひいては、中輪は、より確実に段差に上り詰めることができる。
(3)に記載する六輪式電動車両において、後輪は、キャスタ角を設けて装着されていること、を特徴とする。
この特徴により、本発明に係る六輪式電動車両の走行中、中輪によるトラクションが、従動する後輪にも、接地面に向けてより効果的に作用するようになる。
(4)に記載する六輪式電動車両において、後輪は、アッパアームとロアアームとを互いに平行な位置関係で設けた平行リンク機構により、後輪支持部に懸架されており、アッパアームの一端部とロアアームの一端部とが、後輪支持部に対し、それぞれ回動可能に連結されていると共に、アッパアームの他端部とロアアームの他端部とが、後輪に装着された中間支持部材に対し、それぞれ回動可能に連結されていること、を特徴とする。
この特徴により、平坦面との高低差が概ね150mmの比較的高い段差でも、平行リンク機構により装着された後輪は、段差の高低差に対応した揺動ストローク長で、接地面の段差に追従しながら、本発明に係る六輪式電動車両は、安定性を持って段差を乗り越えることができる。
(5)に記載する六輪式電動車両において、左右両側のロッカーリンク部では、フレーム部材同士を一体に固定すると共に、各関節部を、互いに独立した機構で設けることにより、左右両側のボギーリンク部が、それぞれ独立して動作すること、を特徴とする。
この特徴により、接地面に対し、左右両側の前輪及び中輪の接地状態が、左右両側で、それぞれ不均一になる場合でも、本発明に係る六輪式電動車両の座席に着いた人は、極端に大きく傾かず、概ね安定した姿勢を維持することができる。
(6)に記載する六輪式電動車両において、ボギーリンク部には、フットレストが装着されていること、を特徴とする。
この特徴により、左右両側のボギーリンク部はそれぞれ、関節部の軸を支点に、接地面の状況に応じて揺動するため、左右両側のフットレストも、ボギーリンク部の揺動に連動して、左右両側でそれぞれ上下動する。そのため、本発明に係る六輪式電動車両の走行中、座席に座った人が、不測の事態で危険を感じたとき、このフットレストの動きにより、座席に座っている人が、自身の足の裏で危険を咄嗟に察知できるため、適切な危険回避動作を、俊敏に講じることができるようになる。
(7)に記載する六輪式電動車両において、前輪及び後輪は、被駆動輪であり、前輪または後輪のうち、少なくとも一方側の車輪が、オムニホイールであること、を特徴とする。
この特徴により、本発明に係る六輪式電動車両が旋回するときに、前輪と後輪とは、旋回しようとする周方向の軌道に沿って従動し易くなり、本発明に係る六輪式電動車両は、接地面でスムーズに旋回することができる。また、本発明に係る六輪式電動車両の旋回時には、その回転半径がより小さく抑制することができるため、本発明に係る六輪式電動車両は、小回りの性能に優れる。
(8)に記載する六輪式電動車両において、中輪の駆動に必要な電力の電源は、フレーム部材に沿って配置されていること、を特徴とする。
この特徴により、本発明に係る六輪式電動車両の小型化が実現できる。
(9)に記載する六輪式電動車両において、電源は、二次電池であること、を特徴とする。
この特徴により、本発明に係る六輪式電動車両の使用コストが安価になる。
(10)に記載する六輪式電動車両において、中輪の駆動源であるモータと、モータを電気的に制御する電気制御部と、電気制御部と電気的に接続され、中輪の駆動操作をジョイスティックレバーで行う操作部と、を備えること、を特徴とする。
この特徴により、本発明に係る六輪式電動車両の操作が簡単になる。また、ハンドル式の六輪式電動車両の操作に違和感がある人や、市販されている六輪式電動車椅子の使用に不慣れな人、六輪式電動車椅子の操作を得意としない人等でも、車椅子等を必要とする人は、本発明に係る六輪式電動車両を、違和感なく簡単に使用することができる。
(11)に記載する六輪式電動車両において、当該六輪式電動車両は、車重50kg以下であること、を特徴とする。
この特徴により、本発明に係る六輪式電動車両を自動車に載せる場合等に、一例として重量80〜100kg程度あるとされる従来の六輪式電動車椅子を運ぶ場合に比べ、運搬作業が容易になる。また、本発明に係る六輪式電動車両の軽量化を図った分、電源において、電力の消費を抑制することに寄与することができる。
実施形態に係る六輪式電動車両を前方から見た正面図である。 図1中、要部の拡大図である。 図1に示す六輪式電動車両の側面図である。 図1に示す六輪式電動車両を後方側から見た図である。 図4中、要部の拡大図である。 実施形態に係る六輪式電動車両で、後輪右側が平坦地に着地したまま、後輪左側だけが、段差上に乗り上げた状態を示す図である。 実施形態に係る六輪式電動車両で、座席とロッカーボギーリンク機構との位置関係を示す模式図である。 実施形態に係る六輪式電動車両に搭載されたロッカーボギーリンク機構を模式的に示す説明図である。 実施形態に係る六輪式電動車両を人が使用している様子を示す図である。 実施形態に係る六輪式電動車両で、前輪が上がって段差を乗り超え、中輪が前進しようとする状態を示す図である。 実施形態に係る六輪式電動車両で、前輪が下がって段差を乗り超え、中輪が前進しようとする状態を示す図である。
以下、本発明に係る六輪式電動車両の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。本発明の六輪式電動車両は、次述する場合等に用いる計6輪型の電動式車両である。例えば、日本国内の道路交通法で「身体障害車用の車椅子」に該当した計6輪型の電動式車両として用いる場合や、身体機能の障害や、筋力の低下などの理由により、歩行が困難になった人を対象に、外出するときの移動手段として用いる場合である。その他、健常者でも、ちょうどゴルフカートでフィールドを移動するように、娯楽でフィールドを走行する感覚や、街中を散歩する感覚で、外出するときの移動手段として用いる場合等が挙げられる。なお、本発明の六輪式電動車両を走行するにあたり、道路交通法等の法規を満たすことが必要される場合には、本発明の六輪式電動車両を、その法規の要件に適合する仕様を満たして使用することが前提である。
図1は、実施形態に係る六輪式電動車両を前方から見た正面図であり、図1中、要部の拡大図を、図2に示す。図3は、図1に示す六輪式電動車両の側面図である。図4は、図1に示す六輪式電動車両を後方側から見た図であり、図4中、要部の拡大図を、図5に示す。なお、本実施形態では、図1中、左右方向を「左右方向LR」とし、上下方向を「高さ方向HT」とし、図3中、左右方向を「前後方向FB」として、六輪式電動車両1の方向を定義する。図2と図4以降の各図面も、図1と図3で定義した方向に準じる。また、各図とも、図を見易くするため、電気ケーブル等の配線の図示は省略している。
すなわち、図1〜図5に示すように、実施形態に係る六輪式電動車両1は、前輪2と、駆動輪である中輪3と、後輪4とを、それぞれ一対で有し、中輪3は、電力により駆動する。前輪2と後輪4との間を繋ぐ方向は、前述した前後方向FBである。また、一対の前輪2,2同士、一対の中輪3,3同士、及び一対の後輪4,4同士を、それぞれ繋ぐ方向は、前述した左右方向LRである。そして、前後方向FBかつ左右方向LRに直交する方向は、前述した高さ方向HTである。
はじめに、六輪式電動車両1の構成の概略について、説明する。図7は、実施形態に係る六輪式電動車両で、座席とロッカーボギーリンク機構との位置関係を示す模式図である。図1〜図4に示すように、六輪式電動車両1は、それぞれ一対で有する前輪2、中輪3、及び後輪4のほか、電源61と、2つのモータ62と、電気制御部66と、操作部67と、フットレスト70と、座席80等を備えている。また、この六輪式電動車両1は、前輪2、中輪3、及び後輪4を装着するサスペンションとして、図7に示すように、ロッカーボギーリンク機構5を左右両側に備えている。座席80は、座81と、肘掛82と、背もたれ83を有した一般的なものである。
次に、前輪2と後輪4について、説明する。前輪2と後輪4は、何れも被駆動輪で、オムニホイールとなっている。オムニホイールは、その軸心(前輪2の軸心2C、後輪4の軸心4Cに相当)と平行な第1回転軸を中心とする周方向に対し、正逆の両方向に回転可能な第1ローラーと、第1回転軸に垂直な第2回転軸を中心とする周方向に対し、正逆の両方向に回転可能な第2ローラーとをそれぞれ複数有している。オムニホイールは、その軸心を中心とする当該オムニホイールの外周に沿って、第1ローラーと第2ローラーとを、それぞれ複数交互に連続して配設した車輪である。
そのため、前輪2は、軸心2Cを中心に、前後方向FBを径方向とする前後の回転方向と、軸心2Cと垂直な回転軸を中心に、左右方向LRを径方向とする左右の回転方向とによる全方位に対し、前後左右に自在に滑りながら回転できるようになっている。また、後輪4も、軸心4Cを中心に、前後方向FBを径方向とする前後の回転方向と、軸心4Cと垂直な回転軸を中心に、左右方向LRを径方向とする左右の回転方向とによる全方位に対し、前後左右に自在に滑りながら回転できるようになっている。前輪2と後輪4は、高低差150mm程度までの段差Gs(図10等を参照)を超えるにあたり、何れも外径250mm以上となっている。
次に、中輪3について、図1〜図3を用いて説明する。図2に示すように、中輪3は、モータ62の駆動力を用いた電動輪である。中輪3は、走行する接地面Gで、高低差150mm程度までの段差Gs(図10等を参照)を超えるにあたり、外径330mm以上となっている。モータ62は、左右両側の中輪3,3に対し、個々に1つ有する。左右両側のモータ62,62は、互いに独立して構成された減速ユニット64,64に、それぞれ一体で装着されている。モータ62は、出力軸の回転に対し、ブレーキ機能を具備した直流モータ(Direct Current Motor)である。ブレーキ機能は、いわゆるパーキングブレーキとして、停止している中輪3をロック状態に保持すると共に、非常事態に備え、手動操作によって、このロック状態を自在に解除できる。
電気制御部66は、2つのモータ62,62をそれぞれ電気的に制御する。この電気制御部66は、座席80の肘掛82に取付けられた操作部67と電気的に接続されている。この操作部67は、当該六輪式電動車両1を使用する人HM(図9を参照)の利き手側(図1等では右側)の肘掛82に取付けられている。操作部67は、ジョイスティックレバー68や、電気制御部66の作動をオン/オフする電源スイッチ等を有している。ジョイスティックレバー68は、前後左右の四方向のうち、特定の一方向に対応して中輪3,3の動作を選択的に操作できるものであり、左右両側の中輪3,3に対し、前進走行または後退走行に向けた発進操作及びその停止操作と、左右両側の中輪3,3の回転量を個々に制御して行う旋回操作とを担う。
中輪3は、制動ユニット65に設けたハブに取り付けられ、軸心3Cを中心に回転可能である。制動ユニット65は、中輪3の制動を行う。この制動ユニット65は、減速ユニット64に連結されている。減速ユニット64は、モータ62の出力軸に直結され、モータ62から出力される回転を減速して中輪3に伝達する。これにより、モータ62が作動して回転すると、その回転力が、減速ユニット64を介して、制動ユニット65のハブに伝達されて、中輪3は駆動する。
中輪3の駆動に必要な電力の電源61は、二次電池であり、本実施形態では、リチウムイオン二次電池である。なお、二次電池は、本実施形態のほかにも、例えば、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ナトリウムイオン電池等であっても良い。
次に、ロッカーボギーリンク機構5について、説明する。六輪式電動車両1には、図7に示すように、前輪2、中輪3、及び後輪4のサスペンションとして、左右両側とも、ロッカーボギーリンク機構5が搭載されている。ロッカーボギーリンク機構5は、ボギーリンク部10と、ロッカーリンク部20と、ボギーリンク部10とロッカーリンク部20とを回動可能に連結した関節部30とからなる。ボギーリンク部10は、前輪2と中輪3とを連結した状態で懸架した部分である。ロッカーリンク部20は、後輪4を懸架した部分である。
まず、ボギーリンク部10について、説明する。図8は、実施形態に係る六輪式電動車両に搭載されたロッカーボギーリンク機構を模式的に示す説明図である。ボギーリンク部10は、図8に示すように、前側斜辺部材11aと後側斜辺部材11bと底辺部材11cとにより、略三角枠形状に形成されたリンク部材11を有している。図2及び図3に示すように、リンク部材11のうち、底辺部材11cを辺とした前端側Fの頂点に対応する位置には、前輪取付部13が設けられている。前輪取付部13には、前輪2が、軸心2Cを中心に回転可能に装着されている。また、底辺部材11cを辺とした後端側Bの頂点に対応する位置には、ブラッケット63が設けられている。ブラッケット63には、前述した減速ユニット64が固定されている。
次に、ロッカーリンク部20について、説明する。ロッカーリンク部20は、前後方向FBに対し、前端側Fを関節部30に接続した状態で、その後端側Bに向けて直線的に延びるフレーム部材22を有する。フレーム部材22は、高さ方向HTに対し、平坦面Gfに基づく対地からの高さを基準に、前端側Fから後端側Bに向けて次第に高くなる後方高の傾斜姿勢で配置されている。図2及び図5に示すように、左右両側のフレーム部材22,22同士は、前後方向FBの両端で、連結部材23,23によって接続されている。すなわち、左右両側のフレーム部材22,22と前後両端の連結部材23,23とは、図7に示すように、四角枠形状に形成されたフレーム21をなしている。
次に、関節部30について、説明する。図2に示すように、左右両側のロッカーボギーリンク機構5ともそれぞれ、関節部30では、フレーム取付部31が、フレーム21の前端側F、すなわちフレーム部材22の前端側Fに固着されている。また、図2及び図8に示すように、リンク部材11のうち、前側斜辺部材11aと後側斜辺部材11bとによる両辺の頂点に対応する位置には、支点回動部12が設けられている。支点回動部12には、貫通孔が形成され、支点回動部12の貫通孔には、筒状の鍔付き軸受33が介挿されている。回動軸32は、支点回動部12の貫通孔から鍔付き軸受33の内周を通じてフレーム取付部31の孔に挿通され、支点回動部12と共に、フレーム取付部31に固着した状態で、鍔付き軸受33によって軸支されている。
これにより、リンク部材11は、その支点回動部12を通る回動軸32の軸心32Cを中心に、フレーム21(フレーム部材22)と相対的に揺動運動を行うことができる。すなわち、左右両側のロッカーボギーリンク機構5のロッカーリンク部20では、フレーム部材22,22同士を一体に固定すると共に、各関節部30,30を、互いに独立した機構で設けることにより、左右両側のボギーリンク部10,10が、各関節部30,30でそれぞれ独立した動作で揺動運動を行うことができる。
このような左右両側のボギーリンク部10,10には、図1及び図2に示すように、それぞれフットレスト70,70が装着されている。フットレスト70は、丸棒状の部材を、リンク部材11の底辺部材11cに支持されたブラケットに取り付けられている。左右両側のフットレスト70,70は、リンク部材11の前輪取付部13近傍から、対向するリンク部材11に向けて延びており、互いに干渉しない程度に離間している。フットレスト70,70も、関節部30の回動軸32を支点としたボギーリンク部10の揺動に伴い、それぞれ左右別々に連動して上下動する。
次に、ロッカーボギーリンク機構5において、前輪2と中輪3と後輪4との取付けの位置関係について、図7を用いて説明する。本実施形態に係るロッカーボギーリンク機構5では、ボギーリンク部10において、前輪2の軸心2Cと中輪3の軸心3Cとの距離(L+M)は、約345mmである。関節部30の軸心32Cと後輪4の軸心4Cとの距離Nは、約345mmである。また、軸心32Cは、軸心2Cと軸心3Cとの間を、L:M=2:1に内分した位置にある。すなわち、前輪2、中輪3、及び後輪4は、軸心32Cに対し、軸心2Cとの距離と、軸心3Cとの距離と、軸心4Cとの距離を、L:M:N=2:1:3とする位置に配置されている。
なお、このようなL、M、Nの割合比は、2:1:3に限定されるものでなく、適宜変更可能であるが、ボギーリンク部10において、LとMとの割合比は、少なくとも「L>M」の条件を満たすことが重要である。好ましくは、軸心2Cと軸心3Cとの間で、L/(L+M)の割合で55〜75%、M/(L+M)の割合で25〜45%を満たす位置に、軸心32Cの位置を配置すると良い。
その理由について、説明する。六輪式電動車両1が、平坦面Gfに対し、高さ50mmを超え150mm程度の段差Gsを乗り越えて走行するのにあたり、前述したように、前輪2と後輪4は、何れも外径250mm以上で、中輪3は、外径330mm以上となっている。六輪式電動車両1は、座席80を1つ確保すると共に、駆動輪である中輪3を電動化した6輪仕様の車両であることから、その全長をむやみに大きくすると、操作性の悪化や車重の増大など、種々の問題が生じる。このことから、前輪2の軸心2Cと中輪3の軸心3Cとの距離(L+M)は、必然的に、例えば、300〜500mm程度の範囲に留めている。
距離(L+M)がこのような範囲内に設定される条件の下、前輪2と中輪3が、双方とも平坦面Gfと段差Gsとの高低差を乗り越えるのに、ボギーリンク部10のリンク部材11には、一定の揺動ストローク長を有した揺動運動が必須になる。リンク部材11による揺動は、平坦面Gfと段差Gsとの高低差に応じて、関節部30での軸心32Cを中心に運動する。それ故に、軸心2Cと軸心3Cとの間で、L/(L+M)の割合で55〜75%、M/(L+M)の割合で25〜45%を満たす位置に、軸心32Cの位置を配置することで、このような一定の揺動ストローク長を確保することができるようになる。
六輪式電動車両1では、図7に示すように、座席80は、左右方向LRに対し、中輪3の軸心3Cを通る仮想軸線AXと交差する垂線VX上に、座81の重心81Gを配置した位置関係で、フレーム部材22(フレーム21)より上方に載置されている。電気制御部66は、図2に示すように、左右両側のフレーム部材22,22と前後両端の連結部材23,23とにより囲まれたフレーム21の内側に配置されている。電源61は、図2及び図3に示すように、左右両側のフレーム部材22,22に沿う位置で、後輪支持部24と隣接したフレーム21の内側に配置されている。また、六輪式電動車両1は、本実施形態では、車重40kg程度に構成されている。
次に、後輪支持部24での後輪4の懸架構造について、説明する。図3〜図5に示すように、フレーム部材22の後端側Bには、後輪支持部24が設けられ、後輪支持部24は、フレーム部材22,22を連結する連結部材23に固定して取り付けられている。後輪支持部24では、一対の後輪4,4が、図7及び図8に示すように、中輪3の軸心3Cより高い位置に配設されたアッパ側支点軸42(支点軸)と、その真下の位置に配設されたロア側支点軸45(支点軸)とにより、左右両側とも互いに独立して懸架されている。
具体的に説明する。後輪4は、後輪取付部26に装着され、軸心4Cを中心に回転可能である。後輪4は、図4及び図5に示すように、アッパアーム41とロアアーム44とを互いに平行な位置関係で設けた平行リンク機構40により、後輪支持部24に懸架されている。後輪支持部24は、1つのアッパ側支点軸42と、このアッパ側支点軸の真下に配置した1つのロア側支点軸45とを、平板の面上に立設してなる。
少なくともロア側支点軸45は、走行する接地面Gで、高低差150mm程度までの段差Gs(図10等を参照)にぶつからないよう、高さ方向HTに対し、平坦面Gfに基づく対地からの高さhを基準に、地上高200mm以上の位置に配置されている。アッパアーム41の支点側端部41a(一端部)は、アッパ側支点軸42に対し、回動可能に取付けられ、後輪支持部24と連結している。同様に、ロアアーム44の支点側端部44a(一端部)は、ロア側支点軸45に対し、回動可能に取付けられ、後輪支持部24と連結している。
また、後輪取付部26に装着された中間支持部材25には、アッパ側作用点軸43とロア側作用点軸46が設けられている。アッパアーム41の作用点側端部41b(他端部)は、アッパ側作用点軸43に対し、回動可能に取付けられ、中間支持部材25と連結している。同様に、ロアアーム44のロアアームの作用点側端部44b(他端部)は、ロア側作用点軸46に対し、回動可能に取付けられ、中間支持部材25と連結している。
一対の後輪4,4は何れも、キャスタ角を設けて装着されている。六輪式電動車両1では、前述した通り、フレーム部材22(フレーム21)は、図8に示すように、後方高の傾斜姿勢に配置されている。後輪支持部24の平板は、フレーム21の後端側Bの連結部材23に対し、垂直に取り付けられている。すなわち、図8において、後輪支持部24の平板の面に沿う仮想線を、補助線Qとしたとき、軸心4Cを通る補助線Qは、平坦面Gf上で、後輪4の軸心4Cを通る補助垂線Pに対し、前端側Fに角度θ(0<θ)で傾斜している。この角度θがキャスタ角である。従って、一対の後輪4,4を懸架する後輪支持部24は、フレーム21に対し、キャスタ角θを付して装着されている。
キャスタ角θは、本実施形態では、θ=10°となっている。なお、キャスタ角θは、本実施形態に限定されるものでなく、前輪2の軸心2C、中輪3の軸心3C、及び後輪4の軸心4Cに対し、これらの位置関係と、配置された軸心間距離などに応じて、適宜変更可能である。
次に、六輪式電動車両1の使い方について、説明する。図9は、実施形態に係る六輪式電動車両を人が使用している様子を示す図である。六輪式電動車両1を使用する人HMは、図9に示すように、座席80に着いて両足を左右両側のフットレスト70,70に載せる。次いで、人HMは、操作部67にある電源スイッチをオンにして、電気制御部66に通電する。
通電後、人HMは、利き手の指で、ジョイスティックレバー68を前側(または後側)に倒すことにより、左右両側の中輪3,3を駆動させ、六輪式電動車両1の前進走行、または後退走行に向けた発進操作や、その停止操作を行う。また、六輪式電動車両1の旋回走行では、人HMは、旋回方向に応じてジョイスティックレバー68を操作して、左右両側の中輪3,3に対し、それぞれの回転量を個々に制御する。
具体的には、六輪式電動車両1を、時計回り方向(右回り方向)に旋回しながら前進させたい場合には、人HMは、ジョイスティックレバー68を右側に倒す。これにより、右側の中輪3の回転が停止した状態で、左側の中輪3が前進方向に回転する。右側旋回時には、右側の中輪3のうち、接地面Gとの当接部分が旋回時の回転の中心となり、左側の中輪3の回転駆動により、前輪2及び後輪4が従動しながら、六輪式電動車両1は右回りに旋回する。
その反対に、六輪式電動車両1を、反時計回り方向(左回り方向)に旋回しながら前進させたい場合には、人HMは、ジョイスティックレバー68を左側に倒す。これにより、左側の中輪3の回転が停止した状態で、右側の中輪3が前進方向に回転する。左側旋回時には、左側の中輪3のうち、接地面Gとの当接部分が旋回時の回転の中心となり、右側の中輪3の回転駆動により、前輪2及び後輪4が従動しながら、六輪式電動車両1は左回りに旋回する。
前輪2と後輪4は、何れもオムニホイールになっている。これにより、六輪式電動車両1が旋回するときに、前輪2と後輪4は、旋回しようとする周方向の軌道に沿って従動し易くなる。そのため、六輪式電動車両1は、接地面Gでスムーズに旋回することができる。しかも、六輪式電動車両1の旋回時には、その回転半径がより小さく抑制することができているため、六輪式電動車両1は、小回りの性能に優れている。
次に、後輪4の挙動について、図6を用いて説明する。図6は、実施形態に係る六輪式電動車両で、後輪右側が平坦地に着地したまま、後輪左側だけが、段差上に乗り上げた状態を示す図である。
不整地等で六輪式電動車両1を使用中、図6に示すように、片側(図6では左側)の後輪4は、平坦面Gf(接地面G)に接地しているものの、その反対側(同図では右側)の後輪4が、段差Gsに乗り上げることがある。ロッカーボギーリンク機構5では、前述したように、一対の後輪4,4が、左右両側とも平行リンク機構40により、互いに独立して懸架されている。そのため、片側の後輪4が段差Gsに乗り上げた状態になっても、六輪式電動車両1の座席80は、一対の後輪4,4が平坦面Gfに接地している場合と同様、図5に示すように、大きく傾くことなく、概ね安定した姿勢に保たれている。
次に、六輪式電動車両1が、接地面Gにある段差Gsを乗り越えるとき、前輪2、中輪3、及び後輪4における挙動について、図10及び図11を用いて説明する。なお、図10及び図11を用いた以下の説明で、時計回り方向(右回り方向)と反時計回り方向(左回り方向)と記載されているが、このような回り方向は、図10及び図11に図示された六輪式電動車両1左側の各車輪(前輪2、中輪3、後輪4)について、説明の便宜上、あくまでも図の表面側から見た方向に基づくものである。図の裏面側から見た六輪式電動車両1右側の各車輪(前輪2、中輪3、後輪4)については、説明で記された回転方向の反対向きになる。図10は、実施形態に係る六輪式電動車両で、前輪が上がって段差を乗り超え、中輪が前進しようとする状態を示す図である。図11は、実施形態に係る六輪式電動車両で、前輪が下がって段差を乗り超え、中輪が前進しようとする状態を示す図である。
図10及び図11に示すように、六輪式電動車両1が接地面Gを走行中、平坦面Gfから段差Gsを上って乗り越えたい場合や、平坦面Gfから段差Gsを下って越えたい場合がある。このような場合、段差Gsが、走行する平坦面Gfに対し、たとえ50mmを超える高低差になっていたとしても、六輪式電動車両1では、ボギーリンク部10とロッカーリンク部20とが、関節部30の軸心32Cを中心に回動することができる。そのため、平坦面Gfとの高低差が、150mm程度までの段差Gsであれば、ボギーリンク部10とロッカーリンク部20が、段差Gsの高さに応じて柔軟に追従して揺動することができる。
すなわち、図10に示すように、段差Gsを上って乗り越える場合、六輪式電動車両1が、前輪2、中輪3、及び後輪4とも平坦面Gfに接地して走行していた状態から、図10に示すように、まず前輪2が、最初に段差Gsに差し掛かって段を上ろうとする。このとき、ボギーリンク部10では、軸心32Cは、軸心2Cと軸心3Cとの間で、軸心3C側に寄って設定されているため、段差Gsに向けて進もうとする中輪3の駆動力により、軸心32Cを中心とした時計回り方向(右回り方向)のモーメントが作用し易くなる。これにより、中輪3が、段差Gsに向けて進行し続けると、ボギーリンク部10のリンク部材11は、軸心32Cを中心に右回り方向に回動する。そのため、前輪2が、平坦面Gfから離間して段差Gs上に着地することができるようになる。
前輪2が段差Gs上に着地後、駆動輪である中輪3は、それ自体に発生するトルクで、差し掛かった段差Gsを上り詰めることができる。前輪2に続き、中輪3が段差Gs上に着地して前進し続けると、最後に後輪4が段差Gsに差し掛かって段を上ろうとする。ロッカーボギーリンク機構5では、ロッカーリンク部20は、関節部30でボギーリンク部10と相対的に自在に回動できる。そのため、中輪3が前進し続けて、後輪4も段差Gsを上ろうとするときに、後輪4では、中輪3の駆動力により、軸心32Cを中心とした反時計回り方向(左回り方向)のモーメントが必然的に作用する。また、後輪4は、キャスタ角θを設けてロッカーボギーリンク機構5に装着されているため、中輪3によるトラクションが、従動しながら前進する後輪4にも、接地面Gに向けてより効果的に作用するようになる。
それ故に、後輪4は、前進し続ける中輪3の駆動力を、有効に利用し易い状態に設定されていることから、段差Gs上で中輪3が前進し続けることで、段差Gsを容易に上り詰めることができる。また、後輪4は、後方高の傾斜姿勢で配置されたフレーム21の後端側Bに設けた後輪支持部24に、アッパ側支点軸42とロア側支点軸45とを地上高200mm以上の位置に配置した平行リンク機構40により、懸架されている。従って、段差Gsを上って乗り越える場合、六輪式電動車両1は、尻もちすることなく安定した状態で、高さ150mm程までの段差Gsを比較的容易に乗り越えることができる。
他方、図11に示すように、段差Gsを下って乗り越える場合、六輪式電動車両1が、前輪2、中輪3、及び後輪4とも平坦面Gfに接地して走行していた状態から、図11に示すように、まず前輪2が、最初に段差Gsに差し掛かって段を下りようとする。軸心32Cは、軸心2Cと軸心3Cとの間で、軸心3C側に寄って設定されている。そのため、前輪2が、差し掛かった段差Gsから下り始めると、先に平坦面Gfを離間した前輪2等の自重により、軸心32Cを中心とした反時計回り方向(左回り方向)のモーメントが、必然的に促進されて作用する。これにより、中輪3が、段差Gsに向けて進行し続けると、ボギーリンク部10のリンク部材11は、軸心32Cを中心に左回り方向に回動する。そのため、前輪2が、平坦面Gfから離れて段差Gsに下り、着地することができるようになる。
前輪2が段差Gsを下りて着地した後、駆動輪である中輪3は、モータ62の回転量を抑えた制御の下で、差し掛かった段差Gsをゆっくりと下がることができる。前輪2に続き、中輪3が段差Gsに着地して前進し続けると、最後に後輪4が段差Gsに差し掛かって段を下がろうとする。ロッカーリンク部20は、関節部30でボギーリンク部10と相対的に自在に回動できる。そのため、中輪3が前進し続けて、後輪4も段差Gsを下がり始めるときに、後輪4等の自重により、後輪4では、軸心32Cを中心とした時計回り方向(右回り方向)のモーメントが必然的に作用する。
ロッカーボギーリンク機構5では、後輪4は、後方高の傾斜姿勢で配置されたフレーム21の後端側Bに設けた後輪支持部24に、アッパ側支点軸42とロア側支点軸45とを地上高200mm以上の位置に配置した平行リンク機構40により、懸架されている。そのため、着地した段差Gs上で中輪3が前進し続けることで、後輪4は、中輪3に追従して段差Gsを下り、段差Gsに着地することができる。従って、段差Gsを下って乗り越える場合、六輪式電動車両1は、尻もちすることなく安定した状態で、高さ150mm程までの段差Gsを比較的容易に乗り越えることができる。
このように、前輪2及び中輪3が、ロッカーボギーリンク機構5のうち、ボギーリンク部10に装着されていると共に、後輪4が、関節部30でボギーリンク部10と連結するロッカーリンク部20に装着されている。そのため、平坦面Gfのほか、たとえ接地面Gに段差Gsがあっても、ロッカーボギーリンク機構5が、座席80に着いた人HMに、段差Gsの走行に伴った大きな揺れなどの影響を極力抑制して、接地面Gの凹凸を効果的に吸収することができている。
次に、本実施形態の六輪式電動車両1の作用・効果について説明する。
本実施形態の六輪式電動車両1は、それぞれ一対で有する前輪2と、駆動輪である中輪3と、後輪4とが、左右両側とも、サスペンションに装着され、電力により駆動する六輪式電動車両において、サスペンションは、前輪2と中輪3とを連結した状態で懸架するボギーリンク部10と、後輪4を懸架するロッカーリンク部20と、ボギーリンク部10とロッカーリンク部20とが回動可能に連結された関節部30と、を有するロッカーボギーリンク機構5で構成されていること、前輪2と後輪4との間を繋ぐ方向を、前後方向FBとし、左右両側を結ぶ方向に沿う方向を、左右方向LRとし、前後方向FBかつ左右方向LRに直交する方向を、高さ方向HTとすると、ロッカーリンク部20は、前後方向FBに対し、前端側Fを関節部30に接続した状態で、その後端側Bに向けて直線的に延びるフレーム部材22を有し、フレーム部材22は、高さ方向HTに対し、平坦面Gf(接地面G)に基づく対地からの高さを基準に、前端側Fから後端側Bに向けて次第に高くなる後方高の傾斜姿勢で配置されていること、後輪4は、フレーム部材22の後端側Bにある後輪支持部24で、中輪3の軸心3Cより高い位置に配設されたアッパ側支点軸42と、その真下の位置に配設されたロア側支点軸45とにより、左右両側とも互いに独立して懸架されていること、を特徴とする。
この特徴により、六輪式電動車両1は、尻もちすることなく安定した状態で、高さ150mm程までの段差Gsを比較的容易に乗り越えて、接地面Gを走行することができる。加えて、幅200mm程に及ぶ溝が、接地面Gにある場合でも、六輪式電動車両1は、脱輪することなく安定した状態で、このような溝を乗り越えて、接地面Gを走行し続けることができる。
ところで、近年、バリアフリー化が推し進められているものの、六輪式電動車両1の使用環境下には、高さ150mmを大幅に超える段差も存在する。しかしながら、車椅子や、ハンドル式の六輪式電動車両等を必要とする人が、このような高さ150mm超えの段差を、車椅子等を使用したまま乗り越えるとなると、人の安全性を確保する観点で、車椅子や六輪式電動車両等を使用した段差越えは好ましくなく、この段差箇所を避けた迂回等が推奨される。
他方、六輪式電動車両1を実際に使用する環境下にある至る所では、例えば、道路や広場から建物に延びるアプローチ、舗装道路縁に敷かれたプレキャストコンクリート製のL形側溝や、舗装歩道の切下げ部等、高さ50mmを超えた概ね150mmまでの単段の段差Gsは、数多く存在している。接地面Gにある段差Gsが、平坦面Gfに対し、高低差150mmまでの単段であれば、六輪式電動車両1は、このような段差Gsを、難なく乗り越えて接地面Gを走行し続けることができる。換言すれば、六輪式電動車両1は、例えば、六輪式電動車椅子等を使用する実際の環境下で、十分に対応できる性能を具備し、人HMにとって、走行に伴う制約をより抑えた使い勝手の良い実用的な車両となっている。
従って、本実施形態の六輪式電動車両1によれば、接地面Gに、150mm程度までの高低差がある場合でも、実際の使用環境下にある接地面Gに即して安定して走行することができる、という優れた効果を奏する。
また、本実施形態に係る六輪式電動車両1では、座81を有する座席80を備え、座席80は、左右方向LRに対し、中輪3の軸心3Cを通る仮想軸線AXと交差する垂線VX上に、座81の重心81Gを配置した位置関係で、フレーム部材22より上方に載置されていること、を特徴とする。
この特徴により、六輪式電動車両1では、座席80に着いた人HMの体重を主とした外力が、そのロスをより抑えた状態で、駆動輪である中輪3に作用するようになる。これにより、平坦面Gfから段差Gsに上り詰めて移動するときに、段差Gsへの中輪3のトラクションが、より掛かり易くなる。ひいては、中輪3は、段差Gsにより確実に上り詰めることができる。また、六輪式電動車両1の旋回時、座席80に着いた人HMの体重を主とした外力が、そのロスをより抑えた状態で、駆動輪である中輪3に作用するため、旋回の中心となる内側の中輪3(右回り方向の場合は右側の中輪3、左回り方向の場合は左側の中輪3)は、着地して停止している接地面Gで、その場から位置ずれし難くなり、六輪式電動車両1の小回り化に寄与する。その反対に、旋回時に周方向に沿って移動する外側の中輪3(右回り方向の場合は左側の中輪3、左回り方向の場合は右側の中輪3)では、そのトラクションが、接地面Gにより確実に伝達し易くなる。
また、本実施形態に係る六輪式電動車両1では、後輪4は、キャスタ角θを設けて装着されていること、を特徴とする。
この特徴により、六輪式電動車両1の走行中、中輪3によるトラクションが、従動する後輪4にも、接地面Gに向けてより効果的に作用するようになる。
また、本実施形態に係る六輪式電動車両1では、後輪4は、アッパアーム41とロアアーム44とを互いに平行な位置関係で設けた平行リンク機構40により、後輪支持部24に懸架されており、アッパアーム41の支点側端部41aとロアアーム44の支点側端部44aとが、後輪支持部24に対し、それぞれ回動可能に連結されていると共に、アッパアーム41の作用点側端部41bとロアアーム44の作用点側端部44bとが、後輪4に装着された中間支持部材25に対し、それぞれ回動可能に連結されていること、を特徴とする。
この特徴により、平行リンク機構40は、比較的簡単な構造であるため、部品点数を抑制することができ、軽量化かつ低コストに寄与する。また、平坦面Gfとの高低差が150mm程度の比較的高い段差Gsでも、平行リンク機構40により装着された後輪4は、段差Gsの高低差に対応した揺動ストローク長で、接地面Gの段差Gsに追従しながら、六輪式電動車両1は、安定性を持って段差Gsを乗り越えることができる。なお、本出願人は、実際に試作した六輪式電動車両を用いた試験走行で、平坦面Gfとの高低差120mmの段差Gsを、余裕を持って十分に乗り越えることができていることを確認している。
また、本実施形態に係る六輪式電動車両1では、左右両側のロッカーリンク部20では、フレーム部材22,22同士を一体に固定すると共に、各関節部30,30を、互いに独立した機構で設けることにより、左右両側のボギーリンク部10,10が、それぞれ独立して動作すること、を特徴とする。
この特徴により、図5及び図6に示すように、接地面Gに対し、左右両側の前輪2,2及び中輪3,3の接地状態が、左右両側で、それぞれ不均一になる場合でも、六輪式電動車両1の座席80に着いた人HMは、極端に大きく傾かず、概ね安定した姿勢を維持することができる。特に、不整地での凹凸、石、障害物等に起因した段差Gsが、接地面Gにある場合、六輪式電動車両1は、このような接地面Gを走行し続けても、接地面Gの段差Gsにより生じる六輪式電動車両1の揺れは、左右両側のボギーリンク部10,10で、ある程度吸収することができる。
また、本実施形態に係る六輪式電動車両1では、ボギーリンク部10には、フットレスト70が装着されていること、を特徴とする。
この特徴により、左右両側のボギーリンク部10,10はそれぞれ、関節部30の回動軸32を支点に、接地面Gの状況に応じて揺動するため、左右両側のフットレスト70,70も、ボギーリンク部10の揺動に連動して、左右両側でそれぞれ上下動する。六輪式電動車両1の走行中、座席80に座った人HMが、不測の事態で危険を感じたとき、このフットレスト70の動きにより、座席80に座っている人HMが、自身の足の裏で危険を咄嗟に察知できるため、適切な危険回避動作を、俊敏に講じることができるようになる。また、走行中、特に危険に遭遇しなければ、座席80に座った人HMは、六輪式電動車両1で快適に目的地まで移動することができる。
また、本実施形態に係る六輪式電動車両1では、前輪2及び後輪4は、被駆動輪であり、前輪2と後輪4が、オムニホイールであること、を特徴とする。
この特徴により、六輪式電動車両1が旋回するときに、前輪2と後輪4は、旋回しようとする周方向の軌道に沿って従動し易くなり、六輪式電動車両1は、接地面Gでスムーズに旋回することができる。また、六輪式電動車両1の旋回時には、その回転半径がより小さく抑制することができるため、六輪式電動車両1は、小回りの性能に優れる。
また、本実施形態に係る六輪式電動車両1では、中輪3の駆動に必要な電力の電源61は、フレーム部材22,22に沿って配置されていること、を特徴とする。
この特徴により、六輪式電動車両1の小型化が実現できる。特に、電源61が、図2及び図3に示すように、左右両側のフレーム部材22,22に沿う位置で、後輪支持部24と隣接したフレーム21の内側に配置されていると、電源61の重量を活かして、接地面Gに対する後輪4への接地圧を高めることができる。そのため、図10に示すように、六輪式電動車両1が接地面Gを走行中、平坦面Gfから段差Gsを上って乗り越えたい場合に、従動しながら前進する後輪4にも、中輪3によるトラクションを、接地面Gに向けてより効果的に作用させるのに寄与する。
また、本実施形態に係る六輪式電動車両1では、電源61は、二次電池であること、を特徴とする。
この特徴により、六輪式電動車両1の使用コストが安価になる。
また、本実施形態に係る六輪式電動車両1では、中輪3の駆動源であるモータ62と、モータ62を電気的に制御する電気制御部66と、電気制御部66と電気的に接続され、中輪3の駆動操作をジョイスティックレバー68で行う操作部67と、を備えること、を特徴とする。
この特徴により、六輪式電動車両1の操作が簡単になる。また、ハンドル式の六輪式電動車両の操作に違和感がある人や、市販されている六輪式電動車椅子の使用に不慣れな人、六輪式電動車椅子の操作を得意としない人等でも、車椅子等を必要とする人HMは、六輪式電動車両1を、違和感なく簡単に使用することができる。また、操作部67は、人HMの利き手に合わせて座席80の肘掛82に取付けられているので、座席80に着いた人HMは、安全確認を行いながらリラックスした姿勢で、六輪式電動車両1を利き手側の指で簡単に操作することができる。
また、本実施形態に係る六輪式電動車両1では、当該六輪式電動車両1は、車重50kg以下であること、を特徴とする。
この特徴により、六輪式電動車両1を自動車に載せる場合等に、重量80〜100kg程度あるとされる従来の六輪式電動車椅子を運ぶ場合に比べ、運搬作業が容易になる。また、六輪式電動車両1の軽量化を図った分、電源61において、電力の消費を抑制することに寄与することができる。また、前輪、中輪、及び後輪にそれぞれ、筒型アブソーバ内蔵のコイルスプリングによるクッションユニットを設けた特許文献1の電動6輪車椅子のように、六輪式電動車両1は、複雑な構造になっていないため、軽量化できている。
以上において、本発明の六輪式電動車両を、実施形態に即して説明したが、本発明の六輪式電動車両は、実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できる。
(1)例えば、実施形態では、距離(L+M)と距離Nを、それぞれ約345mmとしたが、距離(L+M)と距離Nは、実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。但し、距離(L+M)と距離Nとを、むやみに大きくすると、旋回時において、六輪式電動車両の回転半径が大きくなり、小回りが利かなくなるばかりか、六輪式電動車両の重量も増大してしまう。そのため、距離(L+M)と距離Nは、前述したように、300〜500mm程度の範囲にあるのが好ましい。
(2)また、実施形態では、フレーム21に対し、一対の後輪4,4を懸架する後輪支持部24を、キャスタ角θ=10°を付して装着した。しかしながら、図8に示すように、後輪支持部に平行な補助線Qが、補助垂線Pに対し、補助垂線Pを挟む中輪3側に角度θに傾斜するよう、キャスタ角θが設定されるものであれば、このキャスタ角θの値は、θ=10°に限定されるものではない。つまり、一対の後輪は、このように中輪側に傾くキャスタ角を付して、後輪支持部に懸架されたものであれば、いかなるキャスタ角θの角度であっても良い。
1 六輪式電動車両
2 前輪
3 中輪
3C 中輪の軸心
4 後輪
5 ロッカーボギーリンク機構(サスペンション)
10 ボギーリンク部
20 ロッカーリンク部
22 フレーム部材
24 後輪支持部
25 中間支持部材
30 関節部
40 平行リンク機構
41 アッパアーム
41a アッパアームの支点側端部(一端部)
41b アッパアームの作用点側端部(他端部)
42 アッパ側支点軸(支点軸)
44 ロアアーム
44a ロアアームの支点側端部(一端部)
44b ロアアームの作用点側端部(他端部)
45 ロア側支点軸(支点軸)
61 電源
62 モータ
66 電気制御部
67 操作部
68 ジョイスティックレバー
70 フットレスト
80 座席
81G 座の重心
FB 前後方向
F 前端側
B 後端側
LR 左右方向
HT 高さ方向
Gf 平坦面
AX 仮想軸線
VX 垂線
θ キャスタ角

Claims (11)

  1. それぞれ一対で有する前輪と、駆動輪である中輪と、後輪とが、左右両側とも、サスペンションに装着され、電力により駆動する六輪式電動車両において、
    前記サスペンションは、前記前輪と前記中輪とを連結した状態で懸架するボギーリンク部と、前記後輪を懸架するロッカーリンク部と、前記ボギーリンク部と前記ロッカーリンク部とが回動可能に連結された関節部と、を有するロッカーボギーリンク機構で構成されていること、
    前記前輪と前記後輪との間を繋ぐ方向を、前後方向とし、前記左右両側に沿う方向を、左右方向とし、前記前後方向かつ前記左右方向に直交する方向を、高さ方向とすると、
    前記ロッカーリンク部は、前記前後方向に対し、前端側を前記関節部に接続した状態で、その後端側に向けて直線的に延びるフレーム部材を有し、前記フレーム部材は、前記高さ方向に対し、平坦面に基づく対地からの高さを基準に、前記前端側から前記後端側に向けて次第に高くなる後方高の傾斜姿勢で配置されていること、
    前記後輪は、前記フレーム部材の前記後端側にある後輪支持部で、前記中輪の軸心より高い位置に、少なくとも1つ配設された支点軸により、前記左右両側とも互いに独立して懸架されていること、
    を特徴とする六輪式電動車両。
  2. 請求項1に記載する六輪式電動車両において、
    座を有する座席を備え、前記座席は、前記左右方向に対し、前記中輪の前記軸心を通る仮想軸線と交差する垂線上に、前記座の重心を配置した位置関係で、前記フレーム部材より上方に載置されていること、
    を特徴とする六輪式電動車両。
  3. 請求項1または請求項2に記載する六輪式電動車両において、
    前記後輪は、キャスタ角を設けて装着されていること、
    を特徴とする六輪式電動車両。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載する六輪式電動車両において、
    前記後輪は、アッパアームとロアアームとを互いに平行な位置関係で設けた平行リンク機構により、前記後輪支持部に懸架されており、
    前記アッパアームの一端部と前記ロアアームの一端部とが、前記後輪支持部に対し、それぞれ回動可能に連結されていると共に、前記アッパアームの他端部と前記ロアアームの他端部とが、前記後輪に装着された中間支持部材に対し、それぞれ回動可能に連結されていること、
    を特徴とする六輪式電動車両。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載する六輪式電動車両において、
    前記左右両側の前記ロッカーリンク部では、前記フレーム部材同士を一体に固定すると共に、各前記関節部を、互いに独立した機構で設けることにより、前記左右両側の前記ボギーリンク部が、それぞれ独立して動作すること、
    を特徴とする六輪式電動車両。
  6. 請求項5に記載する六輪式電動車両において、
    前記ボギーリンク部には、フットレストが装着されていること、
    を特徴とする六輪式電動車両。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載する六輪式電動車両において、
    前記前輪及び前記後輪は、被駆動輪であり、前記前輪または前記後輪のうち、少なくとも一方側の車輪が、オムニホイールであること、
    を特徴とする六輪式電動車両。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載する六輪式電動車両において、
    前記中輪の駆動に必要な電力の電源は、前記フレーム部材に沿って配置されていること、
    を特徴とする六輪式電動車両。
  9. 請求項8に記載する六輪式電動車両において、
    前記電源は、二次電池であること、
    を特徴とする六輪式電動車両。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載する六輪式電動車両において、
    前記中輪の駆動源であるモータと、前記モータを電気的に制御する電気制御部と、前記電気制御部と電気的に接続され、前記中輪の駆動操作をジョイスティックレバーで行う操作部と、を備えること、
    を特徴とする六輪式電動車両。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1つに記載する六輪式電動車両において、
    当該六輪式電動車両は、車重50kg以下であること、
    を特徴とする六輪式電動車両。
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