JP2020150871A - 即席食品用濃縮スープ及びその喫食方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】喫食時に舌にまとわりつくような乳化スープ本来の質感を再現することができる即席食品用濃縮スープ及びその喫食方法を提供することを目的とする。【解決手段】即席麺用の濃縮スープであって、包材内において、濃縮スープに含まれる未乳化水溶性成分と濃縮スープに含まれる未乳化油溶性成分とが乳化しないように、未乳化水溶性成分、未乳化油溶性成分および乳化剤が同一の包材内に封入されていない、即席麺用濃縮スープであることを特徴とする。また、即席麺用濃縮スープの喫食方法であって、濃縮スープに含まれる未乳化水溶性成分、濃縮スープに含まれる未乳化油溶性成分および乳化剤は同一の包材内に封入されておらず、喫食時に未乳化水溶性成分、未乳化油溶性成分および乳化剤を混ぜ合わせることで未乳化水溶性成分と未乳化油溶性成分とを乳化させる、即席麺用濃縮スープの喫食方法であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、即席食品用濃縮スープ及びその喫食方法に関する。より詳しくは、質感が改善された即席食品用濃縮スープ及びその喫食方法に関する。
近年、食生活や生活スタイルなどの変化に伴い、様々な即席食品が販売されている。即席食品の種類としては、例えば、缶詰・レトルト食品、乾燥食品、チルド食品、冷凍食品、粉末食品などが存在する。このうち、麺類、米飯、スープなどの食材に関する即席食品は日常生活に馴染みが深く、よく知られている。
ところで、即席麺などに用いられるスープは、乳化していないスープか乳化しているスープに大別することができる。例えば、清湯やコンソメスープなどは乳化していないスープに該当する。一方、白湯や生クリームを添加したスープは乳化しているスープに該当する。そして、これらのスープは、濃縮エキス、調味料、調味オイル、その他添加物等またはこれらの組み合わせにより再現されている。
ここで、乳化スープの素となる白湯濃縮エキスには、自然乳化したエキスを濃縮させたものと、清湯などの抽出エキスを濃縮したものを油脂で強制的に乳化させたものとが存在する。このうち、濃縮させた自然乳化スープは風味がよいというメリットがある。しかし、製造時や保存時に乳化が壊れて分離してしまう恐れがある。一方、強制乳化させたスープは乳化状態が安定するというメリットがある。しかし、強制的に乳化しているため、スープの口当たりが軽く濃厚感を感じにくい。そのため、スープ本来の質感とは異なる質感になってしまうという問題が生じる。特に、近年、消費者の嗜好の多様化により、食感、見た目、風味などにおいて本格志向が高まっているなかで課題となっている。
そこで、強制乳化した濃縮スープに対して、喪失した質感を補うためにアラビアガムやカラギーナンなどの増粘多糖類を添加する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特許第3611845号公報
しかしながら、増粘多糖類を添加するとスープ全体にとろみは付与されるものの、舌にまとわりつくような満足のいく質感は得られにくいといった問題があった。
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、喫食時に舌にまとわりつくような乳化スープ本来の質感を再現することができる即席食品用濃縮スープ及びその喫食方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、舌にまとわりつくような乳化スープ本来の質感を再現する方法について検討を行った。そして、乳化スープの質感には多糖類や増粘剤による粘性、付着性の改善以外に、濡れ性の改善が効果的であることを新たに見出した。また、発明者らは濡れ性の改善には、喫食時に未乳化の水溶性成分と未乳化の油溶性成分とを乳化させることが有効であることも新たに見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題解決のため、本発明は、即席麺用の濃縮スープであって、包材内において、濃縮スープに含まれる未乳化水溶性成分と濃縮スープに含まれる未乳化油溶性成分とが乳化しないように、未乳化水溶性成分、未乳化油溶性成分および乳化剤が同一の包材内に封入されていない、即席食品用濃縮スープを提供する。
かかる構成によれば、濃縮スープに含まれる未乳化水溶性成分、濃縮スープに含まれる未乳化油溶性成分および乳化剤が同一の包材内に封入されないため、包材内への充填時や搬送時において包材内で未乳化水溶性成分と未乳化油溶性成分との乳化が起こりにくい。これにより、意図せぬ乳化状態の変化を防ぐことができる。また、強制乳化のようなスープ本来の質感が損なわれることもない。
前記した構成において、未乳化水溶性成分中にセルロースが含まれていることが好ましい。また、セルロースが結晶セルロースまたは発酵セルロースのいずれかであることが好ましい。
かかる構成によれば、未乳化水溶性成分中に所定のセルロースを含んでいることで、未乳化水溶性成分と未乳化油溶性成分とが乳化した際に、乳化状態を安定化させることができる。これにより、喫食終了までの間、スープの質感を維持することができる。
上記課題解決のため、本発明は、即席食品用濃縮スープの喫食方法であって、濃縮スープに含まれる未乳化水溶性成分、濃縮スープに含まれる未乳化油溶性成分および乳化剤は同一の包材内に封入されておらず、喫食時に未乳化水溶性成分、未乳化油溶性成分および乳化剤を混ぜ合わせることで未乳化水溶性成分と未乳化油溶性成分とを乳化させる、即席食品用スープの喫食方法を提供する。
かかる構成によれば、製品製造時ではなく、喫食時に濃縮スープに含まれる未乳化水溶性成分と濃縮スープに含まれる未乳化油溶性成分を乳化させることができる。これにより、事前に濃縮スープに含まれる未乳化水溶性成分と濃縮スープに含まれる未乳化油溶性成分とを乳化させる必要がないため、強制乳化のようなスープ本来の質感喪失を防ぐことができる。
本発明によれば、喫食時に麺をほぐしたり、スープを攪拌したりする動作によって、未乳化水溶性成分と未乳化油溶性成分とを容易に乳化させることができる。これにより、乳化スープの濡れ性を改善することができる。すなわち、強制乳化のように予め乳化させておいた場合と比べて、スープ本来の舌にまとわりつくような質感を再現することができる。また、セルロースによって乳化状態を安定的に保持することができるため、スープ本来の質感を喫食終了まで維持することができる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。
本発明にかかる即席食品用の濃縮スープは、未乳化水溶性成分、未乳化油溶性成分および乳化剤が同一の包材内に封入されていないことを特徴とする。また、喫食時において、未乳化水溶性成分と未乳化油溶性成分を乳化させることを特徴とする。
本発明における未乳化水溶性成分とは、畜肉、魚介類、野菜などを水または熱水で炊き出した際、抽出液の水層に含まれるものを意味する。具体的には、抽出エキスと呼ばれるものが該当する。抽出エキスは濃縮していなくても濃縮していてもどちらでもよい。また、抽出エキスのうち、濃縮したエキスの形状としては、液体であっても粉末であってもよい。本発明においては、抽出エキスには清湯のみならず、自然乳化した白湯中に存在する乳化していない水溶性成分も含まれる。また、自然乳化した白湯が経時とともに水溶性成分と油溶性成分とに分離した場合における水溶性成分も含むものとする。
本発明における未乳化油溶性成分とは、畜肉、魚介類、野菜などを水または熱水で炊き出した際に抽出される抽出オイルや、抽出オイルとは別に調整されたシーズニングオイルや香油などの調味オイルを意味する。また、自然乳化した白湯中に存在する乳化していない油溶性成分も、未乳化油溶性成分に含まれる。未乳化油溶性成分としては、動物性油脂や植物性油脂が挙げられる。本発明にかかる未乳化油溶性成分の形状としては特に制限されないが、常温で液体状または半固体が好ましい。
動物性油脂としては、鶏油、豚脂、牛脂などが挙げられる。また、植物性油脂としては、大豆油、菜種油、パーム油、ヤシ油、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、コーン油、米油、胡麻油などが挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、必要に応じて組み合わせて使用しても良い。
さらに、本発明においては、動物性油脂または植物性油脂の極度硬化油を用いてもよい。本発明における極度硬化油とは、融点が55℃以上のものをいう。具体的な極度硬化油としては、豚脂極度硬化油、牛脂極度硬化油、パーム極度硬化油、菜種極度硬化油などが挙げられる。
本発明における乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン等を挙げることができる。本発明における乳化剤としては、HLB値の範囲としては0〜20程度が好ましく、6〜16の範囲がより好ましい。また、乳化剤の形態としては、液体でも個体でもどちらでもよいが、同一の包材内に封入される他の成分の形態に合わせることが望ましい。
本発明におけるセルロースとしては、結晶セルロースまたは発酵セルロースが好ましい。セルロースは、水溶液中において独自の網目構造を形成する。本発明においては、未乳化水溶性成分と未乳化油溶性成分との乳化物がセルロースの網目構造によって保持され、乳化状態が維持される。そのため、喫食時において、セルロースの網目構造がスープ全体に維持できていることが望ましい。
なお、本発明において、砂糖、塩、醤油などの調味料や、食品添加物、例えば甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、苦味料、酸味料、強化剤、製造用剤及び香料などを添加して用いることができる。
本発明を実施するための形態としては、次の形態が考えられる。
未乳化水溶性成分が液体の場合には、(1)液体の未乳化水溶性成分にセルロースを添加したものを袋体にAに、未乳化油溶性成分と乳化剤を袋体Bにそれぞれ封入したもの、(2)液体の未乳化水溶性成分にセルロースを添加したものと未乳化油溶性成分とを袋体Aに、乳化剤を袋体Bにそれぞれ封入したもの、が挙げられる。なお、(1)、(2)において、乳化剤は液体でも粉末でもどちらでもよい。
また、(1)、(2)の場合において、自然乳化させた濃縮白湯スープは袋体内で水溶性成分と油溶性成分とに分離する場合がある。しかし、袋体Aには乳化剤が存在しないため、意図しない乳化を避けることができるというメリットがある。
未乳化水溶性成分が粉末の場合には、(3)未乳化水溶性成分とセルロースを袋体Aに、未乳化油溶性成分と乳化剤を袋体Bにそれぞれ封入したもの、(4)未乳化水溶性成分、セルロース及び粉末の乳化剤を混ぜたものを袋体Aに、液体の未乳化油溶性成分を袋体Bにそれぞれ封入したもの、が挙げられる。なお、(3)における袋体Bは液体でも粉末でもどちらでもよい。
さらに、未乳化水溶性成分、未乳化油溶性成分および乳化剤の形態にかかわらず、各成分を個別に袋体に封入しても良い。
以下、本発明を詳細に説明する。また、本発明の各特性は、以下の方法により評価した。
<豚骨白湯濃縮エキス>
豚頭骨(1.5キロ)、水4Lを寸胴に添加し、沸騰させながら7時間炊きだしを行った。また、寸胴中の水量が常に一定となるように、適宜加水しながら炊きだしを行った。抽出終了後、笊で濾して白湯エキスと残渣とを分離した。次に、豚骨白湯エキスを、Brix光度計を用いてBrix35になるまで濃縮して豚骨白湯濃縮エキスを得た。
<豚骨清湯濃縮エキス及びポークオイル>
豚骨清湯濃縮エキスは小型圧力容器を用いて加圧して抽出した。具体的には、豚頭骨(1.5キロ)、水4Lを寸胴に添加し、120度で100分間炊きだしを行った。抽出終了後、笊で濾して抽出物と残渣とを分離した。次に、抽出物を常温で30分間静置して、水層(豚骨清湯エキス)と油層(ポークオイル)とに分離した。豚骨清湯エキスを、Brix光度計を用いてBrix35になるまで濃縮し、豚骨清湯濃縮エキスを得た。
官能評価は次のようにして行った。後述する各実施例1〜2・比較例1〜5・参考例2に対して、98℃以上の熱湯を220ml注湯した。そして、各サンプルを溶かして喫食用のスープを得た。得られた喫食用のスープをパネラー20名で喫食し、喫食初期及び喫食終盤(10分後)の官能評価を行った。官能評価は、下記評価に従い行った。平均した評価を当該サンプルの評価とした。なお、コントロールには非濃縮の豚骨白湯(参考例1)を基準として用いた。
<質感>
評価
10 :参考例1の質感と大差なし
8 :参考例1の質感よりは僅かに劣るが、好ましい質感である
6 :参考例1の質感より劣るが、質感を感じる
4 :参考例1の質感よりかなり劣るが、若干質感を感じる
2 :質感がほとんど感じられない
0 :質感が全く感じられない
(参考例1:自然乳化の非濃縮スープ)
上述の豚骨白湯濃縮エキスの製造で得られた非濃縮の豚骨白湯スープに対して、調味オイル7.5g及び調味料26gを添加した。
(参考例2:自然乳化の濃縮スープ)
上述の豚骨白湯濃縮エキス40gに対して、調味オイル7.5g及び調味料26gを添加した。
(実施例1:結晶セルロースを用いた本発明)
上述の豚骨清湯濃縮エキス35gに調味料26g、結晶セルロース2g及びキサンタンガム0.02gを加え、よく攪拌した。得られた混合液体を袋体Aに充填した。次に、抽出オイル5g、調味オイル7.5g及び乳化剤0.4gを混合したものを袋体Bに充填した。
(実施例2:発酵セルロースを用いた本発明)
実施例1において、結晶セルロースを発酵セルロース0.5gに代えたこと以外は、実施例1と同じである。
(比較例1:強制乳化の濃縮スープ)
まず、上述の豚骨清湯濃縮エキスに対して抽出オイルを7:1の割合で添加し、TKホモミキサーを用いて強制的に乳化させた。得られた強制乳化濃縮スープに対して、調味オイル7.5g、調味料26g及びキサンタンガム0.02gをさらに混合し、袋体に充填した。
(比較例2:自然乳化の濃縮スープ(加速試験))
上述の豚骨白湯濃縮エキス40gに対して、調味オイル7.5g、調味料26g及びキサンタンガム0.02gを添加し、袋体に充填した。続いて、加速試験を行った。加速試験の条件としては、恒温槽を用いて、温度40℃、湿度75%で4週間静置した。
(比較例3:単一包材に封入)
まず、豚骨清湯濃縮エキス35gに対して、抽出オイル5g、調味オイル7.5g、調味料26g、結晶セルロース2g、乳化剤0.4g及びキサンタンガム0.02gを加えて、包袋に充填した。さらに充填した包袋をシェーカーにセットし、12ストローク/秒の条件下で30分間振盪処理した。
(比較例4:実施例1から乳化剤を抜いたもの)
上述の豚骨清湯濃縮エキス35gに調味料26g、結晶セルロース2g及びキサンタンガム0.02gを加え、よく攪拌した。得られた混合液体を袋体Aに充填した。次に、抽出オイル5g及び調味オイル7.5gを混合したものを袋体Bに充填した。
(比較例5:実施例1から結晶セルロースを抜いたもの)
上述の豚骨清湯濃縮エキス35gに調味料26g及びキサンタンガム0.02gを加え、袋体Aに充填した。次に、抽出オイル5g、調味オイル7.5g及び乳化剤0.4gを混合したものを袋体Bに充填した。
官能評価の結果を表1に示す。
Figure 2020150871
表1から明らかなように、実施例1と2は、非濃縮の豚骨白湯スープよりは僅かに劣るものの、喫食序盤から喫食終盤まで舌にまとわりつくような好ましい質感を備えていた。さらに、この結果は、濃縮豚骨白湯スープ(参考例2)よりも優れたものであった。すなわち、従来から非濃縮タイプに最も近いと言われていた自然乳化の濃縮スープを上回る結果となった。
次に、喫食直前に乳化した場合と、あらかじめ乳化していた場合についての効果の差について確認する。喫食直前に乳化したものとしては、実施例1,2、比較例5が該当する。一方、あらかじめ乳化していたものとしては、比較例1〜3が該当する。なお、比較例3は封入時には乳化していないが、振盪処理によって乳化していたため、あらかじめ乳化していると判断した。
表1から明らかなように、喫食直前に乳化した場合には、いずれのサンプルにおいても喫食序盤に舌にまとわりつくような質感が認められた。これに対して、あらかじめ乳化させた場合には、質感が感じられないか、もしくは若干感じられる程度であった。つまり、喫食直前に乳化させたほうが、下にまとわりつくような質感が得られることが確認できた。さらに、比較例1は、乳化していない比較例4よりも官能評価の結果が悪かった。このことから、強制乳化させると、乳化させていないものよりも質感が低下することが示唆された。
ところで、比較例4は乳化剤を添加していない。そのため、未乳化の水溶性成分と未乳化の油溶性成分とは乳化していないことになる。しかし、表1の結果からもわかるように、比較例4においても若干の質感が認められている。これは、比較例4に含まれるオイルが舌に接触した結果、質感があると認識したためではないかと考えられる。
次に、セルロースの効果について確認する。セルロースが添加されたものとしては、実施例1,2、比較例3,4が該当する。一方、セルロースが添加されていないものとしては、比較例1,2,5が該当する。
表1から明らかなように、セルロースが添加された実施例1,2、比較例3,4においては喫食序盤および終盤において、官能評価の結果に大きな差は認められなかった。
これに対して、セルロースを添加していない例を見ると、比較例5は喫食終盤において、質感が低下していることがわかる。また、比較例5の喫食終盤における官能評価の結果は、乳化剤を用いなかった比較例4とほぼ同じであった。このことから、比較例5の喫食終盤に官能評価の結果が下がったのは、時間経過とともに乳化が崩壊してしまったためでないかと考えられる。
一方、比較例1は、セルロースが存在していなくても喫食序盤および終盤において、官能評価の結果に大きな差は認められなかった。これは、強制乳化をした場合には、乳化が安定的に保持されるため、時間が経過しても乳化が保たれており、官能評価に影響を与えなかったためと考えられる。
比較例2は自然乳化の濃縮スープを加速試験によって乳化を劣化させたものである。ここで、比較例2はセルロースが入っていないため、喫食序盤と終盤で本来であれば官能評価の結果に差が出るものと考えられる。しかし、今回官能評価の結果に差は認められなかった。これは次のためと考えられる。比較例2における喫食序盤の官能評価の結果は、比較例4と同じである。すなわち、比較例2はすでに乳化が崩壊しているものと考えられる。つまり、すでに乳化が崩壊しているため、喫食序盤と終盤とで差が出なかったものと考えられる。
なお、上記実施例では豚骨白湯スープを例に説明したが、同様の結果が鶏白湯スープでも確認できた。
以上説明したように、本発明においては喫食直前に油脂成分と水溶性成分とを乳化させることで、非濃縮の白湯スープにはわずかに劣るが、下にまとわりつくような好ましい質感が再現できた。また、セルロースを添加することにより、喫食序盤から終盤まで、好ましい質感を維持することが確認できた。

Claims (4)

  1. 即席麺用の濃縮スープであって、
    包材内において、濃縮スープに含まれる未乳化水溶性成分と濃縮スープに含まれる未乳化油溶性成分とが乳化しないように、未乳化水溶性成分、未乳化油溶性成分および乳化剤が同一の包材内に封入されていない、即席麺用濃縮スープ。
  2. 前記未乳化水溶性成分中にセルロースが含まれている、請求項1記載の即席麺用濃縮スープ。
  3. 前記セルロースが結晶セルロースまたは発酵セルロースのいずれかである、請求項2記載の即席麺用濃縮スープ。
  4. 即席麺用濃縮スープの喫食方法であって、
    濃縮スープに含まれる未乳化水溶性成分、濃縮スープに含まれる未乳化油溶性成分および乳化剤は同一の包材内に封入されておらず、
    喫食時に未乳化水溶性成分、未乳化油溶性成分および乳化剤を混ぜ合わせることで未乳化水溶性成分と未乳化油溶性成分とを乳化させる、即席麺用濃縮スープの喫食方法。
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